JP2004095180A - トラッキングエラー信号生成方法及びトラッキングエラー信号生成装置 - Google Patents

トラッキングエラー信号生成方法及びトラッキングエラー信号生成装置 Download PDF

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Hiroki Kuribayashi
栗林 祐基
Takanori Maeda
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Abstract

【課題】 トラックピッチが光学的カットオフ波長以下であっても、トラッキングエラー信号を検出することのできるトラッキングエラー信号の生成方法及び装置を提供すること。
【解決手段】 トラックピッチが光学的カットオフ波長以下のトラックに対し、トラックピッチと等しい間隔で配した3つのビームから得られる信号を用いて、隣接するトラックのピットパターンを判別することにより、(A)の様に内側がミラーで外側がピットのピットパターンに際には、当該ピットパターンに対して3ビームの内の中央のビームが横切った時に得られる波形の極性を反転し、(B)の様に内側がピットで外側がミラーの場合に同様にして得られる波形はそのままの極性で、ローパスフィルターを通過させることによりトラッキングエラー信号を生成する。
【選択図】   図7

Description

 本発明は、情報記録媒体上の情報トラックに対して、情報を記録再生するための光ビームの照射位置を追随させるためのトラッキングサーボ制御に用いられるトラッキングエラー信号の生成方法及び装置の技術分野に属する。
 一般に、光ディスク等の情報記録媒体に記録されている情報を光学的に再生する場合には、当該光ディスク上に形成され、情報が記録されている情報トラックに対して、当該情報を再生するための光ビームを最適焦点距離に合焦させると共に、当該光ビームの照射位置(光スポット)を情報トラックに追随させることが必要である。
 このとき、従来の光ディスク再生装置においては、光ビームを情報トラック上に合焦させるためには、光ビームの光ディスクからの反射光により生成されるフォーカスエラー信号を用いたフォーカスサーボ制御が行われていた。又、光スポットを情報トラックの移動に追随させるためには、同様に光ビームの光ディスクからの反射光により生成されるトラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御が行われていた。
 このうち、上記のトラッキングサーボ制御のための方法として従来から知られているものには、3ビーム法と呼ばれるものやプッシュプル法と呼ばれるものがある。そして、光スポットが情報トラックを横切った場合、これらの方法により得られるトラッキングエラー信号STEは、例えば図41に示す様な波形となる。トラッキングサーボ制御においては、図41に示すトラッキングエラー信号STEを用いて光スポットの情報トラックからのずれ(変位)を検出し、当該検出した変位に基づいて光ビームの光路上の対物レンズをアクチュエータ等により情報トラックに垂直な方向に移動して光スポットの位置を制御することとなる。
 しかしながら、前記従来の方法によれば、トラックピッチが狭くなると、十分なトラッキングエラー信号が得られないという問題があった。
 つまり、光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、光学的カットオフ波長は、λ/(2×NA)で表され、トラックピッチがこの光学的カットオフ波長以下となると、十分なトラッキングエラー信号が得られなくなってしまう。
 また、トラックピッチが光学的カットオフ波長以上であっても、ディスク上に光ビームが最適焦点距離に合焦しておらず、光スポットが大きくなり隣のトラックからのクロストークの影響を受けている場合でも十分なトラッキングエラー信号が得られなくなる場合がある。
 つまり、ディスクを再生する際、ディスク上に形成される光スポットが収差の影響によりその集光限界である(0.85×λ)/NAより大きくなり、第一暗環である(1.22×λ)/NA付近まで大きくなると、再生トラックの隣のトラックからの影響を受け易くなるのである。
 このようにトラックピッチが光学的カットオフ波長以下である場合、または光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合には、光ビームの中心位置がトラックとトラックの間のミラー面位置にある時でも、再生信号は当該両側のトラックからの影響を受けるため、光ビームの半径方向の移動における再生信号の変化は緩やかなものとなり、ピットとミラーの並び方が反転するとこの変化の方向も反転することになる。
 そして、通常ピットとミラーは出現確率が等しくなる様に記録されているため、ピットとミラーの組み合わせにより再生信号の変化方向の異なる波形が、夫々対称に現れ、更に、再生信号をローパスフィルターを通して検出するため、対称な波形は積分されて平均化され、トラッキングエラー信号の検出をすることはできなかった。
 そのため、トラックピッチを狭くすることができず、情報記録媒体の高密度化ができないという問題があった。
 そこで、本発明は、前記問題点を解決し、トラックピッチが光学的カットオフ波長以下である場合、または光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合であっても、トラッキングエラー信号を検出することのできるトラッキングエラー信号の生成方法及びトラッキングエラー信号の生成装置を提供することを課題としている。
 請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記課題を解決するために、情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対し、当該光束を前記半径方向及び前記トラックの接線方向へ前記トラックと相対的に移動させながら照射する照射工程と、前記照射が行われたトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を生成する受光工程と、前記信号に基づいて少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を行う判別工程と、前記光束の前記トラックに対する半径方向の変位に応じた前記反射光に基づく信号の変化を示す特定の信号であって、変化方向が前記変位の方向により異なる特定の信号を、前記判別結果に基づいて取得する信号取得工程と、前記判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換える極性切換工程とを備えたことを特徴とする。
 請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、光束が、情報記録媒体の半径方向に当該光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対して前記半径方向及びトラックの接線方向に相対的に移動しながら照射されると、トラックからの反射光が受光され、当該反射光に基づく受光信号が得られる。この反射光の光量は、当該トラックが記録部か非記録部かにより異なり、更に前記光束の前記トラックに対する半径方向の変位に応じて変化する。例えば、前記光束の前記トラック上の照射位置が前記半径方向にずれた場合には、前記トラック間隔が光束の大きさよりも小さいため、前記トラックと隣接するトラックからの影響を受ける。従って、前記トラック及び前記トラックに隣接するトラックの記録部と非記録部の並び方によって、前記半径方向のずれによる反射光の光量の変化の仕方が定まる。また、反射光の受光面が結像位置にある場合には、前記変位により前記トラックの実像が前記受光面に対して半径方向にずれることになるが、この場合には、前記受光面において黒く観察される記録部と白く観察される非記録部の並び方によって、前記実像の半径方向のずれによる反射光の光量の変化の仕方が定まる。そこで、本発明においては、記録部と非記録部の並び方を判別した上で、前記ずれの方向によって変化方向の異なる特定の信号が得られる並び方を選択し、その並び方における受光信号に基づいて特定の信号を得る。この特定の信号が得られる並び方は、照射対象トラック(あるいは当該トラックに対する実像)及び隣接トラック(あるいは当該トラックに対する実像)の全ての記録部と非記録部の区別が明かな場合にのみ選択することができるのではなく、少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部が判別されれば選択できる。これは、各トラックにおける記録部と非記録部の出現確率は等しいため、各トラックから得られる信号は平均すると記録部に対して得られる信号の値と非記録部に対して得られる信号の値の中間値となるのに対し、記録部と非記録部の区別が明かなトラックからは記録部または非記録部に対する信号の値が得られ、当該トラックの記録部と非記録部の区別が明かになれば、当該トラックと当該トラックに隣接するトラックとの間の前記ずれに対する信号の変化方向を定めることができるからである。一方、取得した前記特定の信号は、前記記録部と非記録部の並び方が反転するとそれに応じて前記ずれに対する信号の変化方向が反転し、かつ、各トラックにおける記録部と非記録部の出現確率は等しいため、互いに相反する変化方向を有することになる。そこで、前記少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の前記判別結果に基づいて、前記特定の信号の変化方向を反転させることにより、前記特定の信号の極性を揃える様にした。変化方向が揃えられた特定の信号は、ローパスフィルターを通過しても平均化されることがなく、これにより、ローパスフィルター通過後においても光束のずれ方向に追従して反射光量の変化を示す信号が得られ、この信号に基づいてトラッキングのずれ方向とずれ量が明かになる。
 請求項2に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記照射工程として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記3つの光束に対する複数トラックからの反射光を受光して各反射光に基づく信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも外側及び内側の光束による前記信号に基づいて当該光束が照射されるトラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項2に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記半径方向に並ぶ3つの光束が前記半径方向に隣接するトラックに対して前記の様に照射されると、中央のトラック及び内側のトラック並びに外側のトラックからの各反射光が受光され、当該反射光に基づく信号が夫々得られる。そして、内側及び外側のトラックからの反射光に基づく信号の大小は、当該トラックが記録部か非記録部かにより異なるため、当該信号に基づいて内側及び外側のトラックの記録部と非記録部の判別が行われる。少なくとも内側及び外側のトラックの記録部と非記録部の並び方が明かになれば、光束のずれに対する信号の変化方向が明かになり、これらの並び方の中から、光束のずれに追従して変化する前記特定の信号の得られる並び方が選択される。そして、中央の光束に対する前記トラックからの反射光であって、前記選択した並び方における反射光に基づく信号を特定の信号として取得し、当該並び方に応じて当該特定の信号の変化方向を揃えることにより、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項3に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記照射工程として、1つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光量に基づく所定の信号とプッシュプル信号とを生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも前記プッシュプル信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項3に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、1つの光束がトラックに対して前記の様に照射されると、当該トラックからの反射光が受光され、当該反射光量に基づく所定の信号と、プッシュプル信号とが得られる。そして、前記光束の微小な半径方向の位置ずれに対して所定の閾値を超えるプッシュプル信号が得られるのは、照射対象トラックに隣接するトラックの一方が記録部、他方が非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。従って、プッシュプル信号が正の閾値または負の閾値を超える場合を判断することにより、前記の様な組み合わせの記録部と非記録部の並び方が選択される。一方、当該並び方となる場合には、前記1つの光束に対する前記トラックからの反射光量に基づく信号も、光束のずれ方向に対応して変化方向が異なる信号であり、この変化の方向もプッシュプル信号の極性と同様に反転する。従って、プッシュプル信号が所定の閾値を超える特定の記録部と非記録部の並び方を選択することにより、光束のずれに追従して変化する前記特定の信号が得られ、プッシュプル信号の極性に基づいて当該特定の信号の変化方向を揃えることにより、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項4に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記照射工程として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記3つの光束に対する複数トラックからの反射光を受光して各反射光に基づく信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも中央の光束による前記信号に基づいて当該光束が照射されるトラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、外側と内側の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項4に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記半径方向に並ぶ3つの光束が前記半径方向に隣接するトラックに対して前記の様に照射されると、中央のトラック及び内側のトラック並びに外側のトラックからの各反射光が受光され、当該反射光に基づく信号が夫々得られる。そして、少なくとも中央の光束による前記信号に基づいて中央のトラックの記録部と非記録部を判別するとすれば、内側のトラックと外側のトラックの記録部と非記録部の区別はできないことになるが、記録部と非記録部の出現確率は各トラックにて等しいので、任意のトラックについて全ての記録部と非記録部の並び方に基づいて得られる受光信号をローパスフィルターに通過させると、信号は平均化され、記録部の時の値と非記録部の時の値の中間的な値をとることになる。そして、光束のずれ方向が中央のトラック側から外側のトラック側であったとすると、内側の光束は内側のトラックから中央のトラック側へと移動することになる。従って、この中央のトラックの記録部と非記録部の区別が明かであれば、前記内側の光束から得られる信号は、前記中間的な値から、記録部か非記録部かのいずれかに対する特定の値へと変化することになる。又、光束のずれ方向が逆の場合には、同様にして外側の光束から得られる信号が前記中間的な値から前記特定の値へと変化することになる。この様に外側の光束と内側の光束とで光束のずれ方向に対する信号の変化方向が逆になるので、内側の光束から得られる信号と外側の光束から得られる信号とを演算処理することにより、光束のずれ方向に対して変化方向が異なる前記特定の信号を取得することができる。更に、この様にして取得した特定の信号は、中央のトラックが記録部である場合と非記録部である場合とで変化方向が異なるので、中央のトラックの記録部又は非記録部の判別結果に応じて前記特定の信号の変化方向を揃えることにより、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項5に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記照射工程として、1つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光量に基づく所定の信号とプッシュプル信号とを生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも前記反射光量に基づく所定の信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、前記プッシュプル信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項5に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、1つの光束がトラックに対して前記の様に照射されると、当該トラックからの反射光が受光され、当該反射光量に基づく所定の信号と、プッシュプル信号とが得られる。このプッシュプル信号が所定の閾値を超える値を有するのは、隣接するトラックの一方が記録部、他方が非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。例えば、中央のトラックが非記録部で外側のトラックが記録部となる並び方ではプッシュプル信号が正の値を有し、中央のトラックが記録部で外側のトラックが非記録部となる並び方ではプッシュプル信号は負の値となる。そして、内側のトラックから中央のトラックへ、更に中央のトラックから外側のトラックへと記録部と非記録部が夫々交互に現れる並び方においては、中央のトラック位置でゼロクロスするS字状のプッシュプル信号が得られることになる。又、全てのトラックが非記録部である場合にはプッシュプル信号は得られない。そして、この様なプッシュプル信号は、記録部と非記録部の並び方を選択すれば、各並び方の出現確率が等しく、プッシュプル信号が平均化されたとしても、各プッシュプル信号が相殺されるのを防ぐことができる。例えば、中央のトラックが非記録部である場合をとると、内側のトラックが記録部であれば、外側のトラックの記録部と非記録部の別に拘らず負の値のプッシュプル信号が得られる。一方、外側のトラックが記録部であれば、内側のトラックの記録部と非記録部の別に拘らず正の値のプッシュプル信号が得られる。従って、これらのプッシュプル信号が平均化されても、結局S字状のプッシュプル信号が得られることになる。一方、この様なプッシュプル信号は、中央のトラックが記録部である場合にも同様にして得られ、その極性は中央のトラックが非記録部である場合と逆となる。従って、少なくとも中央のトラックの記録部又は非記録部の判別結果に基づき、前記特定の信号としてのプッシュプル信号の極性を揃えれば、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項6に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記照射工程として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記3つの光束に対する複数トラックからの反射光を受光して各反射光に基づく信号を生成する工程を備え、前記信号取得工程として、中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備え、前記判別工程として、外側の光束による前記信号と、内側の光束による前記信号との差信号を得る工程を備え、前記極性切換工程として、前記中央の光束による前記信号と前記差信号とを乗算する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項6に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記半径方向に並ぶ3つの光束が前記半径方向に隣接するトラックに対して前記の様に照射されると、中央のトラック及び内側のトラック並びに外側のトラックからの各反射光が受光され、当該反射光に基づく信号が夫々得られる。そして、中央の光束による前記信号の内、当該中央の光束のずれに追従して変化する前記特定の信号が得られるのは、内側と外側のトラックの組み合わせが記録部と非記録部の場合である。従って、この組み合わせにおいては、外側の光束による前記信号と、内側の光束による前記信号との差信号は、常に正負いずれかの極性を有する信号となり、この差信号により内側と外側のトラックの記録部と非記録部が判別される。そして、前記特定の信号にこの差信号を乗ずることにより、前記特定の信号の極性が揃えられ、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項7に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記照射工程として、1つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光量に基づく所定の信号とプッシュプル信号とを生成する工程を備え、前記信号取得工程として、前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得する工程を備え、前記判別工程として、前記プッシュプル信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記極性切換工程として、前記特定の信号に前記プッシュプル信号を乗算する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項7に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、1つの光束がトラックに対して前記の様に照射されると、当該トラックからの反射光が受光され、当該反射光量に基づく所定の信号と、プッシュプル信号とが得られる。そして、前記光束の微小な半径方向の位置ずれに対して所定の閾値を超えるプッシュプル信号が得られるのは、照射対象トラックに隣接するトラックの一方が記録部で他方が非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。従って、プッシュプル信号が正の閾値または負の閾値を超える場合を判断することにより、前記の様な組み合わせの記録部と非記録部の並び方が選択される。一方、当該並び方となる場合には、前記1つの光束に対する前記トラックからの反射光量に基づく信号も、光束のずれ方向に対応して変化方向が異なる信号であり、この変化の方向もプッシュプル信号の極性と同様に反転する。従って、前記の様な記録部と非記録部の並び方において得られるプッシュプル信号と、前記反射光量に基づく所定の信号とを乗算することにより、光束のずれに追従して変化する前記特定の信号の極性をプッシュプル信号の極性に基づいて揃えられるので、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記課題を解決するために、情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対し、当該光束を照射する照射手段と、前記光束を前記半径方向及び前記トラックの接線方向へ前記トラックと相対的に移動させる移動手段と、前記光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力する受光手段と、少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を、前記受光手段からの信号に基づいて行う判別手段と、前記光束の前記トラックに対する半径方向の変位に応じた前記反射光に基づく信号の変化を示す特定の信号であって、変化方向が前記変位の方向により異なる特定の信号を、前記判別手段の判別結果に基づいて取得する信号取得手段と、前記判別手段の判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換える極性切換手段とを備えたことを特徴とする。
 請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、照射手段から光束が照射され、情報記録媒体の半径方向に当該光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対して前記半径方向及びトラックの接線方向に相対的に移動手段により移動させられると、トラックからの反射光が受光手段により受光され、該受光手段から当該反射光に基づく受光信号が出力される。この反射光の光量は、当該トラックが記録部か非記録部かにより異なり、更に前記光束の前記トラックに対する半径方向の変位に応じて変化する。例えば、前記光速の前記トラック上の照射位置が前記半径方向にずれた場合にも、前記トラック間隔が光束の大きさよりも小さいため、前記トラックと隣接するトラックからの影響を受ける。従って、前記トラック及び前記トラックに隣接するトラックの記録部と非記録部の並び方によって、前記半径方向のずれによる反射光の光量の変化の仕方が定まる。また、反射光の受光面が結像位置にある場合には、前記変位により前記トラックの実像が前記受光面に対して半径方向にずれることになるが、この場合には、前記受光面において黒く観察される記録部と白く観察される非記録部の並び方によって、前記実像の半径方向のずれによる反射光の光量の変化の仕方が定まる。
 そこで、本発明においては、判別手段により、記録部と非記録部の並び方を判別した上で、信号取得手段により、前記光束のずれの方向によって変化方向の異なる特定の信号が得られる並び方を選択し、その並び方における受光信号に基づいて特定の信号を得る。この特定の信号が得られる並び方は、照射対象トラック及び隣接トラックの全ての記録部と非記録部の区別が明かな場合にのみ選択されるのではなく、少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部が判別されれば良い。これは、各トラックにおける記録部と非記録部の出現確率は等しいため、各トラックから得られる信号は平均すると記録部に対して得られる信号の値と非記録部に対して得られる信号の値の中間値となるのに対し、記録部と非記録部の区別が明かなトラックからは記録部または非記録部に対する信号の値が得られ、当該トラックの記録部と非記録部の区別が明かになれば、当該トラックと当該トラックに隣接するトラックとの間の光束のずれに対する信号の変化方向を定めることができるからである。一方、取得した前記特定の信号は、前記記録部と非記録部の並び方が反転するとそれに応じて光束のずれに対する信号の変化方向が反転し、かつ、各トラックにおける記録部と非記録部の出現確率は等しいため、互いに相反する変化方向を有することになる。そこで、前記少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の前記判別結果に基づいて、極性切換手段により前記特定の信号の極性を反転させ、前記特定の信号の変化方向を揃える様にした。変化方向が揃えられた特定の信号は、ローパスフィルターを通過しても平均化されることがなく、これにより、ローパスフィルター通過後においても光束のずれ方向に追従して反射光量の変化を示す信号が得られ、この信号に基づいてトラッキングのずれ方向とずれ量が明かになる。
 請求項9に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記3つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも外側及び内側の光束による前記信号に基づいて当該光束が照射トラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする。
 請求項9に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、照射手段により、前記半径方向に並ぶ3つの光束が照射され、移動手段により当該光束が前記半径方向に隣接するトラックに対して前記の様に移動させられると、中央のトラック及び内側のトラック並びに外側のトラックからの反射光が受光手段により受光され、夫々の反射光に対する当該受光手段からの信号が得られる。そして、内側及び外側のトラックからの反射光に基づく信号の大小は、当該トラックが記録部か非記録部かにより異なるため、判別手段により、当該信号に基づいて内側及び外側のトラックの記録部と非記録部の判別が行われる。少なくとも内側及び外側のトラックの記録部と非記録部の並び方が明かになれば、光束のずれに対する信号の変化方向が明かになり、これらの並び方の中から、信号取得手段により、光束のずれに追従して変化する前記特定の信号の得られる並び方が選択される。更に、前記3つの光束の内の中央の光束に対する前記トラックからの反射光であって、前記選択した並び方における反射光に基づく信号を前記特定の信号として取得し、極性切換手段により、当該並び方に応じて当該特定の信号の変化方向を揃えることで、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項10に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段として、1つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光する手段を備え、前記受光手段からの信号により反射光量に基づく所定の信号を出力する第1の信号出力手段と、前記受光手段からの信号によりプッシュプル信号を出力する第2の信号出力手段とを更に備え、前記判別手段として、前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記第1の信号出力手段からの前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする。
 請求項10に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、照射手段により、1つの光束がトラックに対して照射され、当該光束が移動手段により前記の様に移動させられると、受光手段により当該光束に対するトラックからの反射光が受光され、第1の信号出力手段からは前記受光手段からの信号により反射光量に基づく所定の信号が出力され、第2の信号出力手段からは前記受光手段からの信号によりプッシュプル信号が出力される。そして、前記光束の微小な半径方向の位置ずれに対して所定の閾値を超えるプッシュプル信号が得られるのは、照射対象トラックに隣接するトラックの一方が記録部で他方が非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。従って、判別手段により、プッシュプル信号が正の閾値または負の閾値を超える場合を判断すれば、前記の様な組み合わせの記録部と非記録部の並び方が選択される。一方、当該並び方となる場合には、前記1つの光束に対する前記トラックからの反射光量に基づく信号も、光束のずれ方向に対応して変化方向が異なる信号であり、この変化の方向もプッシュプル信号の極性と同様に反転する。従って、信号取得手段により、プッシュプル信号が所定の閾値を超える特定の記録部と非記録部の並び方を選択することにより、光束のずれに追従して変化する前記特定の信号が得られ、極性切換手段により、プッシュプル信号の極性に基づいて当該特定の信号の変化方向を揃えることにより、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項11に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記3つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも中央の光束による前記信号に基づいて当該光束が照射されるトラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記外側と内側の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする。
 請求項11に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、照射手段により、前記半径方向に並ぶ3つの光束が照射され、当該光束が移動手段により前記半径方向に隣接するトラックに対して前記の様に移動させられると、中央のトラック及び内側のトラック並びに外側のトラックからの反射光が受光手段により受光され、夫々の反射光に対する信号が当該受光手段から出力される。そして、判別手段により、この3つの光束の内、少なくとも中央の光束による前記信号に基づいて中央のトラックの記録部と非記録部を判別すると、内側のトラックと外側のトラックの記録部と非記録部の区別はできないことになるが、記録部と非記録部の出現確率は各トラックにて等しいので、任意のトラックについて全ての記録部と非記録部の並び方に基づいて得られる受光信号をローパスフィルターに通過させると、信号は平均化され、記録部の時の値と非記録部の時の値の中間的な値をとることになる。そして、光束のずれ方向が中央のトラック側から外側のトラック側であったとすると、内側の光束は内側のトラックから中央のトラック側へと移動することになる。従って、この中央のトラックの記録部と非記録部の区別が明かであれば、前記内側の光束から得られる信号は、前記中間的な値から、記録部か非記録部かのいずれかに対する特定の値へと変化することになる。又、光束のずれ方向が逆の場合には、同様にして外側の光束から得られる信号が前記中間的な値から前記特定の値へと変化することになる。この様に外側の光束と内側の光束とで光束のずれ方向に対する信号の変化方向が逆になるので、内側の光束から得られる信号と外側の光束から得られる信号とを信号取得手段により演算処理すれば、光束のずれ方向に対して変化方向が異なる前記特定の信号を取得することができる。更に、この様にして取得した特定の信号は、中央のトラックが記録部である場合と非記録部である場合とで変化方向が異なるので、中央のトラックの記録部又は非記録部の判別結果に応じて極性切換手段により前記特定の信号の変化方向を揃えることで、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項12に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段として、1つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光する手段を備え、前記受光手段からの信号により反射光量に基づく所定の信号を出力する第1の信号出力手段と、前記受光手段からの信号によりプッシュプル信号を出力する第2の信号出力手段とを更に備え、前記判別手段として、少なくとも前記第1の信号出力手段からの信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする。
 請求項12に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、照射手段により、1つの光束がトラックに対して照射され、当該光束が移動手段により前記の様に移動させられると、当該トラックからの反射光が受光手段により受光され、第1の信号出力手段からは前記受光手段からの信号により反射光量に基づく所定の信号が出力され、第2の信号出力手段からは前記受光手段からの信号によりプッシュプル信号が出力される。このプッシュプル信号が所定の閾値を超える値を有するのは、隣接するトラックが記録部と非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。例えば、中央のトラックが非記録部で外側のトラックが記録部となる並び方ではプッシュプル信号が正の値を有し、外側のトラックが記録部で中央のトラックが非記録部となる並び方ではプッシュプル信号は負の値となる。そして、内側のトラックから中央のトラックへ、更に中央のトラックから外側のトラックへと記録部と非記録部が夫々交互に現れる並び方においては、中央のトラックの位置でゼロクロスするS字状のプッシュプル信号が得られることになる。又、全てのトラックが非記録部である場合にはプッシュプル信号は得られない。そして、この様なプッシュプル信号は、記録部と非記録部の並び方を選択すれば、各並び方の出現確率が等く、プッシュプル信号が平均化されたとしても、各プッシュプル信号が相殺されるのを防ぐことができる。例えば、中央のトラックが非記録部である場合をとると、内側のトラックが記録部であれば、外側のトラックの記録部と非記録部の別に拘らず負の値のプッシュプル信号が得られる。一方、外側のトラックが記録部であれば、内側のトラックの記録部と非記録部の別に拘らず正の値のプッシュプル信号が得られる。従って、これらのプッシュプル信号が平均化されても、結局S字状のプッシュプル信号が得られることになる。一方、この様なプッシュプル信号は、中央のトラックが記録部である場合にも同様にして得られ、その極性は中央のトラックが非記録部である場合と逆となる。従って、信号取得手段により上述のようなプッシュプル信号を取得し、判別手段による中央のトラックの記録部又は非記録部の判別結果に基づいて、極性切換手段により前記特定の信号としてのプッシュプル信号の極性を揃えれば、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項13に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記3つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力する手段を備え、信号取得手段として、前記中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備え、前記判別手段として、前記外側の光束による前記信号と、前記内側の光束による前記信号との差信号を算出する算出手段を備え、前記極性切換手段として、当該算出手段により算出した差信号に、前記中央の光束による前記信号を乗算する乗算手段を備えたことを特徴とする。
 請求項13に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、照射手段により、前記半径方向に並ぶ3つの光束が照射され、当該光束が移動手段によりを前記半径方向に隣接するトラックに対して前記の様に移動させられると、中央のトラック及び内側のトラック並びに外側のトラックからの各反射光が受光手段により受光され、夫々の反射光に対する信号が当該受光手段から出力される。そして、中央の光束による前記信号の内、当該中央の光束のずれに追従して変化する前記特定の信号が得られるのは、内側と外側のトラックの組み合わせが記録部と非記録部の場合である。従って、この組み合わせにおいては、算出手段により算出した、外側の光束による前記信号と、内側の光束による前記信号との差信号は、常に正負いずれかの極性を有する信号となる。そして、乗算手段により、前記特定の信号にこの差信号を乗ずることにより、前記特定の信号の極性を揃えることになり、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項14に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段として、1つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光する手段を備え、前記受光手段からの信号により反射光量に基づく所定の信号を出力する第1の信号出力手段と、前記受光手段からの信号によりプッシュプル信号を出力する第2の信号出力手段とを更に備え、前記信号取得手段として、前記第1の信号出力手段からの前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得する手段を備え、前記判別手段として、前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記極性切換手段として、前記特定の信号に、前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号を乗算する乗算手段を備えたことを特徴とする。
 請求項14に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、照射手段により、1つの光束がトラックに対して照射され、当該光束が移動手段により前記の様に移動させられると、当該トラックからの反射光が受光手段により受光され、第1の信号出力手段からは前記受光手段からの信号により反射光量に基づく所定の信号が出力され、第2の信号出力手段からは前記受光手段からの信号によりプッシュプル信号が出力される。そして、前記光束の微小な半径方向の位置ずれに対して所定の閾値を超えるプッシュプル信号が得られるのは、照射対象トラックに隣接するトラックの一方が記録部で他方が非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。従って、判別手段により、プッシュプル信号が正の閾値または負の閾値を超える場合を判断すれば、前記の様な特定の記録部と非記録部の並び方が選択される。一方、当該並び方となる場合には、前記1つの光束に対する前記トラックからの反射光量に基づく信号も、光束のずれ方向に対応して変化方向が異なる信号であり、この変化の方向もプッシュプル信号の極性と同様に反転する。従って、第2の信号出力手段により出力され判別手段により判別された前記の様な記録部と非記録部の並び方において得られるプッシュプル信号と、信号取得手段により取得された前記反射光量に基づく所定の信号とを乗算することにより、光束のずれに追従して変化する前記特定の信号の極性をプッシュプル信号の極性に基づいて揃えられるので、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記課題を解決するために、情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対し、当該光束を前記半径方向及び前記トラックの接線方向へ前記トラックと相対的に移動させながら照射する照射工程と、前記情報記録媒体上に前記光束を照射した部分の反射による実像を所定の面上に結像させる結像工程と、前記所定の面上に配置された受光面にて検出された、少なくとも1つのトラックの実像に基づく信号を出力する受光工程と、前記信号に基づいて少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を行う判別工程と、前記所定の面上に結像された実像の前記半径方向のずれに追従して変化する特定の信号であって、変化方向が該ずれの方向により異なる特定の信号を、前記判別結果に基づいて取得する信号取得工程と、前記判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換える極性切換工程とを備えたことを特徴とする。
 請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、光束が、情報記録媒体の半径方向に当該光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対して前記半径方向及びトラックの接線方向に相対的に移動しながら照射されると、トラックからの反射光が受光され、トラックの実像が所定の面上に結像される。この所定の面上には、受光面が配置されており、この受光面において検出された少なくとも1つのトラックの実像に基づく信号が出力される。この信号出力量は、当該トラックの実像が記録部か非記録部かにより異なる。つまり、トラックの実像が前記受光面からずれると、前記受光面において黒く観察される記録部と白く観察される非記録部の並び方によって、前記実像の半径方向のずれによる反射光の光量の変化の仕方が定まる。そこで、本発明においては、記録部と非記録部の並び方を判別した上で、前記ずれの方向によって変化方向の異なる特定の信号が得られる並び方を選択し、その並び方における受光信号に基づいて特定の信号を得る。この特定の信号が得られる並び方は、照射対象トラックに対する実像及び隣接トラックに対する実像の全ての記録部と非記録部の区別が明かな場合にのみ選択することができるのではなく、少なくとも1つのトラックの実像の記録部と非記録部が判別されれば選択できる。これは、各トラックにおける記録部と非記録部の出現確率は等しいため、各トラックの実像から得られる信号は平均すると記録部に対して得られる信号の値と非記録部に対して得られる信号の値の中間値となるのに対し、記録部と非記録部の区別が明かなトラックの実像からは記録部または非記録部に対する信号の値が得られ、当該トラックの実像における記録部と非記録部の区別が明かになれば、当該トラックの実像と当該トラックの実像に隣接するトラックの実像との間の前記受光面に対するずれに起因した信号の変化方向を定めることができるからである。一方、取得した前記特定の信号は、前記記録部と非記録部の並び方が反転するとそれに応じて前記ずれに対する信号の変化方向が反転し、かつ、各トラックの実像における記録部と非記録部の出現確率は等しいため、互いに相反する変化方向を有することになる。そこで、前記少なくとも1つのトラックの実像の記録部と非記録部の前記判別結果に基づいて、前記特定の信号の変化方向を反転させることにより、前記特定の信号の極性を揃える様にした。変化方向が揃えられた特定の信号は、ローパスフィルターを通過しても平均化されることがなく、これにより、ローパスフィルター通過後においても光束のずれ方向に追従して反射光量の変化を示す信号が得られ、この信号に基づいてトラッキングのずれ方向とずれ量が明かになる。
 請求項16に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記課題を解決するために、前記請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記受光工程として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも外側及び内側の受光部にて検出された前記信号に基づいて当該受光面が検出する実像の記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項16に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部に対して前記の様に複数トラックの実像が結像されると、それらの3つの受光部の夫々において、複数のトラックの実像を結像させる各反射光が受光され、当該反射光に基づく信号が夫々得られる。そして、内側及び外側のトラックの実像に基づく信号の大小は、当該トラックの実像が記録部か非記録部かにより異なるため、当該信号に基づいて内側及び外側のトラックの実像の記録部と非記録部の判別が行われる。少なくとも内側及び外側のトラックの実像の記録部と非記録部の並び方が明かになれば、トラックの実像の前記受光面からのずれに対する信号の変化方向が明かになり、これらの並び方の中から、前記ずれに追従して変化する前記特定の信号の得られる並び方が選択される。そして、中央のトラックの実像を結像させる反射光であって、前記選択した並び方における反射光に基づく信号を特定の信号として取得し、当該並び方に応じて当該特定の信号の変化方向を揃えることにより、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項17に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記課題を解決するために、前記請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記受光工程として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つの検出信号の第1の差分信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも前記第1の差分信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、前記所定の信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項17に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記所定の面上に配置された1つの受光部において、1つのトラックの実像が検出されると、当該1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つの検出信号の第1の差分信号が得られる。そして、前記トラックの実像の前記受光面に微小な半径方向の位置ずれに対して所定の閾値を超える第1の差分信号が得られるのは、照射対象トラックの実像に隣接するトラックの実像にて、一方が記録部で他方が非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。従って、第1の差分信号が正の閾値または負の閾値を超える場合を判断することにより、前記の様な組み合わせの記録部と非記録部の並び方が選択される。一方、当該並び方となる場合には、前記1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号も、前記ずれ方向に対応して変化方向が異なる信号であり、この変化の方向も第1の差分信号の極性と同様に反転する。従って、第1の差分信号が所定の閾値を超える特定の記録部と非記録部の並び方を選択することにより、前記ずれに追従して変化する前記特定の信号が得られ、第1の差分信号の極性に基づいて当該特定の信号の変化方向を揃えることにより、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項18に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記課題を解決するために、前記請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記受光工程として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも中央の受光部による前記信号に基づいて当該受光面が検出するトラックの実像の記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、外側と内側の受光面による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項18に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部において、複数トラックの実像に基づく信号が検出されると、少なくとも中央の受光部による前記信号に基づいて中央のトラックの実像の記録部と非記録部を判別すると、内側のトラックの実像と外側のトラックの実像の記録部と非記録部の区別はできないことになるが、記録部と非記録部の出現確率は各トラックにて等しい。従って、任意のトラックの実像について全ての記録部と非記録部の並び方に基づいて得られる受光信号をローパスフィルターに通過させると、信号は平均化され、記録部の時の値と非記録部の時の値の中間的な値をとることになる。そして、トラックの実像の受光面からのずれ方向が中央のトラックの実像の側から外側のトラックの実像の側であったとすると、内側のトラックの実像は内側のトラックの実像の側から中央のトラックの実像側へと移動することになる。従って、この中央のトラックの実像の記録部と非記録部の区別が明かであれば、前記内側のトラックの実像に基づいて内側の受光面から得られる信号は、前記中間的な値から、記録部か非記録部かのいずれかに対する特定の値へと変化することになる。又、前記ずれ方向が逆の場合には、同様にして外側のトラックの実像に基づいて外側の受光面から得られる信号が前記中間的な値から前記特定の値へと変化することになる。この様に外側の受光面と内側の受光面とでトラックのずれ方向に対する信号の変化方向が逆になるので、内側の受光面から得られる信号と外側の受光面から得られる信号とを演算処理することにより、トラックの実像の受光面からのずれ方向に対して変化方向が異なる前記特定の信号を取得することができる。更に、この様にして取得した特定の信号は、中央のトラックの実像が記録部である場合と非記録部である場合とで変化方向が異なるので、中央のトラックの実像の記録部又は非記録部の判別結果に応じて前記特定の信号の変化方向を揃えることにより、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項19に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記課題を解決するために、前記請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記受光工程として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも前記所定の信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、前記第1の差分信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項19に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記所定の面上に配置された1つの受光部に1つのトラックの実像が結像される、当該実像に基づく所定の信号と、当該トラックの実像を当該トラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号とが生成される。この第1の差分信号が所定の閾値を超える値を有するのは、隣接するトラックの実像が記録部と非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。例えば、中央のトラックの実像が非記録部で外側のトラックの実像が記録部となる並び方では第1の差分信号が正の値を有し、中央のトラックの実像が記録部で外側のトラックの実像が非記録部となる並び方では第1の差分信号は負の値となる。そして、内側のトラックの実像から中央のトラックの実像へ、更に中央のトラックの実像から外側のトラックの実像へと記録部と非記録部が夫々交互に現れる並び方においては、中央のトラック位置でゼロクロスするS字状の第1の差分信号が得られることになる。又、全てのトラックが非記録部である場合には第1の差分信号は得られない。そして、この様な第1の差分信号は、記録部と非記録部の並び方を選択すれば、各並び方の出現確率が等しく、第1の差分信号が平均化されたとしても、各第1の差分信号が相殺されるのを防ぐことができる。例えば、中央のトラックの実像が非記録部である場合をとると、内側のトラックの実像が記録部であれば、外側のトラックの実像の記録部と非記録部の別に拘らず負の値の第1の差分信号が得られる。一方、外側のトラックの実像が記録部であれば、内側のトラックの実像が記録部と非記録部の別に拘らず正の値の第1の差分信号が得られる。従って、これらの第1の差分信号が平均化されても、結局S字状の第1の差分信号が得られることになる。一方、この様な第1の差分信号は、中央のトラックの実像が記録部である場合にも同様にして得られ、その極性は中央のトラックの実像が非記録部である場合と逆となる。従って、少なくとも中央のトラックの実像の記録部又は非記録部の判別結果に基づき、前記特定の信号としての第1の差分信号の極性を揃えれば、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項20に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記課題を解決するために、前記請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、記受光工程として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成する工程を備え、前記信号取得工程として、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備え、前記判別工程として、外側の受光部による前記信号と、内側の受光部による前記信号との第2の差分信号を得る工程を備え、前記極性切換工程として、前記中央の受光部による前記信号と前記第2の差分信号とを乗算する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項20に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部において、複数トラックの実像が検出されると、当該複数トラックの実像に基づく信号が生成される。そして、中央の受光部による前記信号の内、当該中央の受光部におけるトラックの実像のずれに追従して変化する前記特定の信号が得られるのは、内側と外側の受光部にて検出されるトラックの実像の組み合わせが記録部と非記録部の場合である。従って、この組み合わせにおいては、外側の受光部による前記信号と、内側の受光部による前記信号との第2の差分信号は、常に正負いずれかの極性を有する信号となり、この第2の差分信号により内側と外側の受光部にて検出されるトラックの実像の記録部と非記録部が判別される。そして、前記特定の信号にこの第2の差分信号を乗ずることにより、前記特定の信号の極性が揃えられ、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項21に記載のトラッキングエラー信号生成方法は、前記課題を解決するために、前記請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記受光工程として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成する工程を備え、前記信号取得工程として、前記所定の信号を前記特定の信号として取得する工程を備え、前記判別工程として、前記第1の差分信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記極性切換工程として、前記特定の信号に前記第1の差分信号を乗算する工程を備えたことを特徴とする。
 請求項21に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記所定の面上に配置された1つの受光部において1つのトラックの実像が検出され、この実像に基づく所定の信号と、当該1つのトラックの実像を当該トラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号とが得られる。そして、前記受光面におけるトラックの実像の半径方向の位置ずれに対して所定の閾値を超える第1の差分信号が得られるのは、照射対象トラックの実像に隣接するトラックの実像の一方が記録部で他方が非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。従って、第1の差分信号が正の閾値または負の閾値を超える場合を判断することにより、前記の様な組み合わせの記録部と非記録部の並び方が選択される。一方、当該並び方となる場合には、前記1つの受光面に対する前記トラックの実像に基づく信号も、前記ずれの方向に対応して変化方向が異なる信号であり、この変化の方向も第1の差分信号の極性と同様に反転する。従って、前記の様な記録部と非記録部の並び方において得られる第1の差分信号と、前記反射光量に基づく所定の信号とを乗算することにより、前記ずれに追従して変化する前記特定の信号の極性を第1の差分信号の極性に基づいて揃えられるので、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記課題を解決するために、情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対し、当該光束を照射する照射手段と、前記光束を前記半径方向及び前記トラックの接線方向へ前記トラックと相対的に移動させる移動手段と、前記情報記録媒体上に前記光束を照射した部分の反射による実像を所定の面上に結像させる結像手段と、前記所定の面上に配置された受光面にて検出された、少なくとも一つのトラックの実像に基づく信号を出力する受光手段と、少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を、前記受光手段からの信号に基づいて行う判別手段と、前記所定の面上に結像された実像の前記半径方向のずれに追従して変化する特定の信号であって、変化方向が該ずれの方向により異なる特定の信号を、前記判別手段の判別結果に基づいて取得する信号取得手段と、前記判別手段の判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換える極性切換手段とを備えたことを特徴とする。
 請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、照射手段により光束が照射され、情報記録媒体の半径方向に当該光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対して前記半径方向及びトラックの接線方向に相対的に移動手段により移動させられると、トラックからの反射光が受光手段により受光され、結像手段により当該反射光による実像を所定の面上に結像される。この所定の面上には、受光手段の受光面が配置されており、この受光面において検出された少なくとも1つのトラックの実像に基づく信号が出力される。この信号出力量は、当該トラックの実像が記録部か非記録部かにより異なる。つまり、トラックの実像が前記受光面からずれると、前記受光面において黒く観察される記録部と白く観察される非記録部の並び方によって、前記実像の半径方向のずれによる反射光の光量の変化の仕方が定まる。そこで、本発明においては、判別手段により記録部と非記録部の並び方を判別した上で、信号取得手段により、前記ずれの方向によって変化方向の異なる特定の信号が得られる並び方を選択し、その並び方における受光信号に基づいて特定の信号を得る。この特定の信号が得られる並び方は、照射対象トラックに対する実像及び隣接トラックに対する実像の全ての記録部と非記録部の区別が明かな場合にのみ選択することができるのではなく、少なくとも1つのトラックの実像の記録部と非記録部が判別されれば選択できる。これは、各トラックにおける記録部と非記録部の出現確率は等しいため、各トラックの実像から得られる信号は平均すると記録部に対して得られる信号の値と非記録部に対して得られる信号の値の中間値となるのに対し、記録部と非記録部の区別が明かなトラックの実像からは記録部または非記録部に対する信号の値が得られ、当該トラックの実像における記録部と非記録部の区別が明かになれば、当該トラックの実像と当該トラックの実像に隣接するトラックの実像との間の前記受光面に対するずれに起因した信号の変化方向を定めることができるからである。一方、取得した前記特定の信号は、前記記録部と非記録部の並び方が反転するとそれに応じて前記ずれに対する信号の変化方向が反転し、かつ、各トラックの実像における記録部と非記録部の出現確率は等しいため、互いに相反する変化方向を有することになる。そこで、前記少なくとも1つのトラックの実像の記録部と非記録部の判定手段による前記判別結果に基づいて、極性切換手段により前記特定の信号の変化方向を反転させ、前記特定の信号の極性を揃える様にした。変化方向が揃えられた特定の信号は、ローパスフィルターを通過しても平均化されることがなく、これにより、ローパスフィルター通過後においても光束のずれ方向に追従して反射光量の変化を示す信号が得られ、この信号に基づいてトラッキングのずれ方向とずれ量が明かになる。
 請求項23に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記課題を解決するために、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記受光手段として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を出力する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも外側及び内側の受光部にて検出された前記信号に基づいて当該受光面が検出する実像の記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする。
 請求項23に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、結像手段により、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部に対して前記の様に複数トラックの実像が結像されると、受光手段においては、それらの3つの受光部の夫々において、複数のトラックの実像を結像させる各反射光が受光され、当該反射光に基づく信号が夫々得られる。そして、内側及び外側のトラックの実像に基づく信号の大小は、当該トラックの実像が記録部か非記録部かにより異なるため、判別手段により、当該信号に基づいて内側及び外側のトラックの実像の記録部と非記録部の判別が行われる。少なくとも内側及び外側のトラックの実像の記録部と非記録部の並び方が明かになれば、トラックの実像の前記受光面からのずれに対する信号の変化方向が明かになり、信号取得手段により、これらの並び方の中から、前記ずれに追従して変化する前記特定の信号の得られる並び方が選択される。そして、中央のトラックの実像を結像させる反射光であって、前記選択した並び方における反射光に基づく信号を特定の信号として取得し、当該並び方に応じて当該特定の信号の変化方向を揃えることにより、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項24に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記課題を解決するために、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記受光手段として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つの検出信号の第1の差分信号を出力する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも前記第1の差分信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記所定の信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする。
 請求項24に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、結像手段により、前記所定の面上に配置された1つの受光部において1つのトラックの実像が結像され、受光手段により、当該1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、当該1つのトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つの検出信号の第1の差分信号が得られる。そして、前記トラックの実像の前記受光面に微小な半径方向の位置ずれに対して所定の閾値を超える第1の差分信号が得られるのは、照射対象トラックの実像に隣接するトラックの実像にて、一方が記録部で他方が非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。従って、判別手段により、第1の差分信号が正の閾値または負の閾値を超える場合を判断することにより、前記の様な組み合わせの記録部と非記録部の並び方が選択される。一方、当該並び方となる場合には、前記1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号も、前記ずれ方向に対応して変化方向が異なる信号であり、極性切換手段により、この変化の方向も第1の差分信号の極性と同様に反転する。従って、第1の差分信号が所定の閾値を超える特定の記録部と非記録部の並び方を選択することにより、信号取得手段により、前記ずれに追従して変化する前記特定の信号が得られ、第1の差分信号の極性に基づいて当該特定の信号の変化方向を揃えることにより、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項25に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記課題を解決するために、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記受光手段として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも中央の受光部による前記信号に基づいて当該受光面が検出するトラックの実像の記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、外側と内側の受光面による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする。
 請求項25に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、結像手段により、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部において複数トラックの実像が結像されると、受光手段により当該複数トラックの実像に基づく信号が検出される。ここで、少なくとも中央の受光部による前記信号に基づいて中央のトラックの実像の記録部と非記録部を判別すると、内側のトラックの実像と外側のトラックの実像の記録部と非記録部の区別はできないことになるが、記録部と非記録部の出現確率は各トラックにて等しい。従って、任意のトラックの実像について全ての記録部と非記録部の並び方に基づいて得られる受光信号をローパスフィルターに通過させると、信号は平均化され、記録部の時の値と非記録部の時の値の中間的な値をとることになる。そして、トラックの実像の受光面からのずれ方向が中央のトラックの実像の側から外側のトラックの実像の側であったとすると、内側のトラックの実像は内側のトラックの実像の側から中央のトラックの実像側へと移動することになる。従って、判別手段により、この中央のトラックの実像の記録部と非記録部の区別を明かにすることにより、前記内側のトラックの実像に基づいて内側の受光面から得られる信号は、前記中間的な値から、記録部か非記録部かのいずれかに対する特定の値へと変化することになる。又、前記ずれ方向が逆の場合には、同様にして外側のトラックの実像に基づいて外側の受光面から得られる信号が前記中間的な値から前記特定の値へと変化することになる。この様に外側の受光面と内側の受光面とでトラックのずれ方向に対する信号の変化方向が逆になるので、信号取得手段により、内側の受光面から得られる信号と外側の受光面から得られる信号とを演算処理すれば、トラックの実像の受光面からのずれ方向に対して変化方向が異なる前記特定の信号を取得することができる。更に、この様にして取得した特定の信号は、中央のトラックの実像が記録部である場合と非記録部である場合とで変化方向が異なるので、中央のトラックの実像の記録部又は非記録部の判別結果に応じて前記特定の信号の変化方向を揃えることにより、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項26に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記課題を解決するために、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記受光手段として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも前記所定の信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記第1の差分信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする。
 請求項26に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、結像手段により、前記所定の面上に配置された1つの受光部に1つのトラックの実像が結像されると、受光手段により、当該実像に基づく所定の信号と、当該トラックの実像を当該トラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号とが出力される。この第1の差分信号が所定の閾値を超える値を有するのは、隣接するトラックの実像が記録部と非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。例えば、中央のトラックの実像が非記録部で外側のトラックの実像が記録部となる並び方では第1の差分信号が正の値を有し、中央のトラックの実像が記録部で外側のトラックの実像が非記録部となる並び方では第1の差分信号は負の値となる。そして、内側のトラックの実像から中央のトラックの実像へ、更に中央のトラックの実像から外側のトラックの実像へと記録部と非記録部が夫々交互に現れる並び方においては、中央のトラック位置でゼロクロスするS字状の第1の差分信号が得られることになる。又、全てのトラックが非記録部である場合には第1の差分信号は得られない。そして、この様な第1の差分信号は、記録部と非記録部の並び方を選択すれば、各並び方の出現確率が等しく、第1の差分信号が平均化されたとしても、各第1の差分信号が相殺されるのを防ぐことができる。例えば、中央のトラックの実像が非記録部である場合をとると、内側のトラックの実像が記録部であれば、外側のトラックの実像の記録部と非記録部の別に拘らず負の値の第1の差分信号が得られる。一方、外側のトラックの実像が記録部であれば、内側のトラックの実像が記録部と非記録部の別に拘らず正の値の第1の差分信号が得られる。従って、これらの第1の差分信号が平均化されても、結局S字状の第1の差分信号が得られることになる。一方、この様な第1の差分信号は、中央のトラックの実像が記録部である場合にも同様にして得られ、その極性は中央のトラックの実像が非記録部である場合と逆となる。従って、少なくとも中央のトラックの実像の記録部又は非記録部の判別手段による判別結果に基づき、信号取得手段により、前記特定の信号としての第1の差分信号の極性を揃えれば、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項27に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記課題を解決するために、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記受光手段として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成する手段を備え、前記信号取得手段として、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備え、前記判別手段として、外側の受光部による前記信号と、内側の受光部による前記信号との第2の差分信号を得る工程を備え、前記極性切換手段として、前記中央の受光部による前記信号と前記第2の差分信号とを乗算する手段を備えたことを特徴とする。
 請求項27に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、結像手段により、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部において、複数トラックの実像が結像されると、受光手段により、当該複数トラックの実像に基づく信号が出力される。そして、中央の受光部による前記信号の内、当該中央の受光部におけるトラックの実像のずれに追従して変化する前記特定の信号が得られるのは、内側と外側の受光部にて検出されるトラックの実像の組み合わせが記録部と非記録部の場合である。従って、この組み合わせにおいては、外側の受光部による前記信号と、内側の受光部による前記信号との第2の差分信号は、常に正負いずれかの極性を有する信号となり、判別手段により、この第2の差分信号により内側と外側の受光部にて検出されるトラックの実像の記録部と非記録部が判別される。そして、信号取得信号手段により取得した前記特定の信号に、極性切換手段により、この第2の差分信号を乗ずると、前記特定の信号の極性が揃えられ、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項28に記載のトラッキングエラー信号生成装置は、前記課題を解決するために、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記受光手段として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成する手段を備え、前記信号取得手段として、前記所定の信号を前記特定の信号として取得する手段を備え、前記判別手段として、前記第1の差分信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記極性切換手段として、前記特定の信号に前記第1の差分信号を乗算する手段を備えたことを特徴とする。
 請求項28に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、結像手段により、前記所定の面上に配置された1つの受光部において1つのトラックの実像が結像されると、受光手段により、この実像に基づく所定の信号と、当該1つのトラックの実像を当該トラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号とが得られる。そして、前記受光面におけるトラックの実像の半径方向の位置ずれに対して所定の閾値を超える第1の差分信号が得られるのは、照射対象トラックの実像に隣接するトラックの実像の一方が記録部で他方が非記録部の組み合わせとなる場合であり、記録部と非記録部の並び方によって極性が反転する。従って、判別手段により、第1の差分信号が正の閾値または負の閾値を超える場合を判断すると、前記の様な組み合わせの記録部と非記録部の並び方が選択される。一方、当該並び方となる場合には、前記1つの受光面に対する前記トラックの実像に基づく信号も、前記ずれの方向に対応して変化方向が異なる信号であり、この変化の方向も第1の差分信号の極性と同様に反転する。従って、極性切換手段により、前記の様な記録部と非記録部の並び方において得られる第1の差分信号と、前記反射光量に基づく所定の信号とを乗算すると、前記ずれに追従して変化する前記特定の信号の極性を第1の差分信号の極性に基づいて揃えられるので、ローパスフィルター通過後でも平均化されずにトラッキングエラー信号が生成される。
 請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに当該光束を照射し、前記照射が行われたトラックからの反射光に基づく信号により、少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を行い、当該判別結果に基づいて、前記光束の前記トラックに対する半径方向の変位に応じた前記反射光に基づく信号の変化を示す特定の信号であって、変化方向が前記変位の方向により異なる特定の信号を取得すると共に、前記判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換える様にしたので、前記特定の信号がローパスフィルターを通過後に平均化されることを防ぐことができる。従って、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合でも、ローパスフィルター通過後におけるトラッキングエラー信号を生成することができ、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項2に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記半径方向に並ぶ3つの光束を前記トラックに照射し、前記3つの光束に対する複数トラックからの反射光に基づく信号の内、少なくとも外側及び内側の光束による前記信号に基づいて前記判別を行い、中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項3に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、1つの光束を前記トラックに照射し、前記トラックからの反射光に基づく所定の信号とプッシュプル信号とを生成すると共に、少なくとも前記プッシュプル信号により前記判別を行い、前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、簡易な構成の光学系により前記判別を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項4に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記半径方向に並ぶ3つの光束を前記トラックに照射し、前記3つの光束に対する複数トラックからの反射光の内、少なくとも中央の光束による前記信号に基づいて前記判別を行い、又、外側と内側の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項5に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、1つの光束を前記トラックに照射し、前記トラックからの反射光に基づく所定の信号とプッシュプル信号とを生成し、少なくとも前記所定の信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別し、前記プッシュプル信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、簡易な構成の光学系により前記特定の信号の取得を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項6に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記半径方向に並ぶ3つの光束を前記トラックに照射し、前記3つの光束に対する複数トラックからの反射光の内、中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得し、又、外側の光束による前記信号と、内側の光束による前記信号との差信号により前記判別を行い、更に前記中央の光束による前記信号と前記差信号とを乗算することにより、前記極性の切り換えを行う様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項7に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、前記請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、1つの光束を前記トラックに照射し、前記トラックからの反射光に基づく所定の信号とプッシュプル信号とを生成し、前記所定の信号を前記特定の信号として取得すると共に、前記プッシュプル信号により前記判別を行い、更に前記特定の信号に前記プッシュプル信号を乗算することにより前記極性の切り換えを行う様にしたので、簡易な構成の光学系により前記判別を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに照射手段により当該光束を照射し、受光手段により前記照射が行われたトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力させ、判別手段により少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を、前記受光手段からの信号に基づいて行い、信号取得手段により前記光束の前記トラックに対する半径方向の変位に応じた前記反射光に基づく信号の変化を示す特定の信号であって、変化方向が前記変位の方向により異なる特定の信号を、前記判別結果に基づいて取得すると共に、極性切換手段により前記判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換える様にしたので、前記特定の信号がローパスフィルターを通過後に平均化されることを防ぐことができる。従って、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合でも、ローパスフィルター通過後におけるトラッキングエラー信号を生成することができ、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項9に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段により前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射し、前記受光手段により前記3つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力させ、前記判別手段により少なくとも外側及び内側の光束による前記信号に基づいて当該光束が照射トラックの記録部と非記録部を判別し、前記信号取得手段により前記中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項10に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段により1つの光束を照射し、受光手段により前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光し、第1の信号出力手段により前記受光信号を用いて反射光量に基づく所定の信号を出力させ、第2の信号出力手段により前記受光信号を用いてプッシュプル信号を出力させ、前記判別手段により前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号により前記判別を行うと共に、前記信号取得手段により前記第1の信号出力手段からの前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、簡易な構成の光学系により前記判別を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項11に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段により前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射し、前記受光手段により前記3つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力させ、前記判別手段により少なくとも中央の光束による前記信号により前記判別を行い、前記信号取得手段により前記外側と内側の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項12に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段により1つの光束を前記トラックに照射し、前記受光手段により前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光し、第1の信号手段により前記受光信号により反射光量に基づく所定の信号を出力させ、第2の信号出力手段により前記受光信号によりプッシュプル信号を出力させ、前記判別手段により少なくとも前記第1の信号出力手段からの信号により前記判別を行い、前記信号取得手段により前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、簡易な構成の光学系により前記特定の信号の取得を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項13に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段により前記半径方向に並ぶ3つの光束を前記トラックに照射し、前記受光手段により前記3つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力させ、信号取得手段により前記中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得し、算出手段により前記外側の光束による前記信号と、前記内側の光束による前記信号との差信号を算出し、乗算手段により当該算出手段で算出した差信号に、前記中央の光束による前記信号を乗算する様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項14に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、前記請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記照射手段により1つの光束を前記トラックに照射し、前記受光手段により前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光し、第1の信号出力手段により前記受光信号を用いて反射光量に基づく所定の信号を出力させ、第2の信号出力手段により前記受光信号を用いてプッシュプル信号を出力させ、前記信号取得手段により前記第1の信号出力手段からの前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得し、前記判別手段により前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号を用いて前記判別を行い、乗算手段により前記特定の信号に前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号を乗算する乗算する様にしたので、簡易な構成の光学系により前記判別を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。
 請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに当該光束を照射し、前記照射した部分の実像に基づく信号により、少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を行い、当該判別結果に基づいて、前記所定の面上に結像された実像の前記半径方向のずれに追従して変化する特定の信号であって、変化方向が該ずれの方向により異なる特定の信号を取得すると共に、前記判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換えるようにしたので、前記特定の信号がローパスフィルターを通過後に平均化されることを防ぐことができる。従って、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合でも、ローパスフィルター通過後におけるトラッキングエラー信号を生成することができ、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることが容易であり、高密度で記録された情報を高い転送レートで再生することができる。
 請求項16に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成し、少なくとも外側及び内側の受光部にて検出された前記信号に基づいてトラックの実像の記録部と非記録部を判別し、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることができ、前記判別を容易に行うことができる。
 請求項17に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つの検出信号の第1の差分信号を生成し、少なくとも前記第1の差分信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別し、前記所定の信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、簡易な構成の光学系により前記判別を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることが容易であり、高密度で記録された情報を高い転送レートで再生することができる。
 請求項18に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成し、少なくとも中央の受光部による前記信号に基づいて当該受光面が検出するトラックの実像の記録部と非記録部を判別し、外側と内側の受光面による前記信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることができ、前記特定の信号の取得を容易に行うことができる。
 請求項19に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成し、少なくとも前記所定の信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別し、前記第1の差分信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、簡易な構成の光学系により前記特定の信号の取得を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることが容易であり、高密度で記録された情報を高い転送レートで再生することができる。
 請求項20に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成し、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得し、外側の受光部による前記信号と、内側の受光部による前記信号との第2の差分信号とを乗算して極性の切り換えを行う様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることができ、前記判別を容易に行うことができる。
 請求項21に記載のトラッキングエラー信号生成方法によれば、請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成し、前記所定の信号を前記特定の信号として取得し、前記第1の差分信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別し、前記特定の信号に前記第1の差分信号を乗算することにより極性の切り換えを行う様にしたので、簡易な構成の光学系により前記判別を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることが容易であり、高密度で記録された情報を高い転送レートで再生することができる。
 請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに当該光束を照射し、前記照射した部分の反射による実像に基づく信号により、少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を行い、当該判別結果に基づいて、前記所定の面上に結像された実像の前記半径方向のずれに追従して変化する特定の信号であって、変化方向が該ずれの方向により異なる特定の信号を取得すると共に、前記判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換えるようにしたので、前記特定の信号がローパスフィルターを通過後に平均化されることを防ぐことができる。従って、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合でも、ローパスフィルター通過後におけるトラッキングエラー信号を生成することができ、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることが容易であり、高密度で記録された情報を高い転送レートで再生することができる。
 請求項23に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成し、少なくとも外側及び内側の受光部にて検出された前記信号に基づいてトラックの実像の記録部と非記録部を判別し、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることができ、前記判別を容易に行うことができる。
 請求項24に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つの検出信号の第1の差分信号を生成し、少なくとも前記第1の差分信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別し、前記所定の信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、簡易な構成の光学系により前記判別を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることが容易であり、高密度で記録された情報を高い転送レートで再生することができる。
 請求項25に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成し、少なくとも中央の受光部による前記信号に基づいて当該受光面が検出するトラックの実像の記録部と非記録部を判別し、外側と内側の受光面による前記信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることができ、前記特定の信号の取得を容易に行うことができる。
 請求項26に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成し、少なくとも前記所定の信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別し、前記第1の差分信号を前記特定の信号として取得する様にしたので、簡易な構成の光学系により前記特定の信号の取得を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることが容易であり、高密度で記録された情報を高い転送レートで再生することができる。
 請求項27に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置において、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成し、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得し、外側の受光部による前記信号と、内側の受光部による前記信号との第2の差分信号とを乗算して極性の切り換えを行う様にしたので、前記判別と前記特定の信号の取得とを確実に行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にもトラッキングエラー信号を確実に生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることができ、前記判別を容易に行うことができる。
 請求項28に記載のトラッキングエラー信号生成装置によれば、請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成方法において、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成し、前記所定の信号を前記特定の信号として取得し、前記第1の差分信号により前記トラックの実像のピットとミラーを判別し、前記特定の信号に前記第1の差分信号を乗算することにより極性の切り換えを行う様にしたので、簡易な構成の光学系により前記判別を行うことができ、情報記録媒体のトラック間隔が光束の大きさよりも小さな間隔である場合にも低コストでトラッキングエラー信号を生成することができる。従って、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができ、又、トラック間隔を狭くすることが可能になるため、情報記録媒体の高密度化を図ることができる。また、反射光の受光面を結像面としたので、複数のトラックの情報を同時に読み取ることが容易であり、高密度で記録された情報を高い転送レートで再生することができる。
 以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
 (第1の実施形態)
 まず、本発明の第1の実施形態を図1乃至図15に基づいて説明する。
 図1は本実施形態に係るトラッキングエラー信号生成方法を実施する光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
 図1に示す様に、光ディスク1に記録されている情報を再生するための光ディスク再生装置は、情報記録媒体としての光ディスク1に光ビームを照射するための照射手段としてのレーザーダイオード2と、光ビームを3ビーム化するためのグレーティング3と、読み取り光と反射光とを分離するためのビームスプリッタ4と、読み取り光を平行光とするためのコリメータ5と、読み取り光を光ディスク1の情報記録面に集光させるための対物レンズ6と、対物レンズ6を光ディスク1の半径方向に移動させる移動手段としてのアクチュエーター7と、光ディスク1を所定の回転速度で回転させるスピンドルモータ8と、反射光を受光して検出信号を得るための受光手段としてのフォトディテクタ9と、フォトディテクタ9により得られる検出信号を増幅するプリアンプ10と、3ビームの時間的遅れを補正するためのディレイ11と、トラッキングエラー信号を得るためのトラッキングエラー検出回路12と、当該トラッキングエラー検出回路12により得られたトラッキングエラー信号TEにより前記アクチュエーター7を制御するためのトラッキングサーボ回路13とを備えている。
 本実施形態では、前記グレーティング3により得られた3ビームをトラックピッチTpと等しい距離だけ離して配置する様にし、夫々のビームの光ディスク1からの反射光を3つのフォトディテクタ9で受光し、電気信号に変換する様にしている。
 又、グレーティング3を用いた場合には、3つのビームが半径方向に一直線にならないので、各ビームの再生信号には図2に示す様に時間的にずれが生じる。このずれ量DLは、各ビームの接線方向の間隔をL、光ディスク1の線速度をVLとすると、DL=L/VLで表される。
 図2に示す様に、IN側のビームBinが最も先行し、OUT側のビームBoutが最も遅れているので、本実施形態では、図1の様にBinによる信号Sinはディレイ量がDLのディレイ11を二つ用い、Bcentによる信号Scentはディレイ11を1つ用いて遅延させ、各信号の時間軸を揃える様にしている。
 この様にして時間軸を揃えた3つの信号Sin、Scent、Soutをトラッキングエラー検出回路12により信号処理することによって、トラッキングエラー信号TEを生成し、それに基づいてアクチュエーター7を駆動して、再生ビームをトラックに追従させる様にする。
 なお、本実施形態では、グレーティング3を用いた3ビームピックアップによって隣接するトラックの信号を得る例について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、隣接するトラックの信号が得られれば、どの様な読み取り方式であっても構わない。
 以下の説明では、3ビームピックアップの遅延は既に補正され、時間軸の揃った3つの信号が得られたものとし、この3つの信号から、如何にしてトラッキングエラー信号TEを生成するかについて説明する。なお、以下の説明では、概念上3つのビームが半径方向に一直線に並んでいるものとみなす。
 まず、本発明の原理を図3乃至図9に基づいて説明する。図3は、光ディスク1の一部を拡大してピット配置の一例を示した図である。図3における上下方向が光ディスク1の半径方向に相当し、上側がIN側、下側がOUT側となっている。又、図3には、トラックTr−2からトラックTr+2までの5つのトラックを示し、長円形で描いた箇所が情報信号の記録部としてのピットで、それ以外の箇所は非記録部としてのミラーである。又、この例では、トラックピッチTpが光学的カットオフ波長以下となっている。図3の様なピット配置の場合、Aの部分を読み取りビームが横切ったとすると、トラックTr−1がミラーなので、Aの部分においてはトラックTr−2とトラックTr0のピッチでピットがあることになり、この部分のピットピッチは、トラックピッチTpの2倍となる。従って、ピットピッチが光学的カットオフより大となるので、十分なトラッキングエラー信号を検出することができる。同様にBの部分を読み取りビームが横切ったとすると、トラックTr+1がミラーなので、Bの部分においては、トラックTr0とトラックTr+2のピッチがトラックピッチTpの2倍となり、この部分でもやはり光学的カットオフより大なるピッチとなるので、十分なトラッキングエラー信号TEが検出可能である。A,Bの部分を読み取りビームが横切ったときの再生信号の様子を図4に示す。
 図4は縦軸が読み取りビームからの戻り光量に基づく再生信号を示し、横軸が読み取りビームの横切り方向位置を示している。また、図4のA、Bはそれぞれ図3のA、Bの部分を読み取りビームが横切った時の再生信号の変化を示している。図4においてAの信号は、上述した様にトラックTr−1がミラーなので戻り光量が多くなり、再生信号の値が大きくなることを示している。その他のトラックの位置ではたとえトラック間の部分でも、光学的カットオフ波長以下なので、トラックを横切っても十分な信号が得られない。また、Bの信号では、上述した様にトラックTr0とトラックTr+2の間のピットピッチがトラックピッチTpの2倍であり、トラックTr+1がミラーなので戻り光量が多くなり、再生信号の値が大きくなることを示している。その他のトラックからはトラックを横切っても十分な再生信号は得られない。
 これに対し、図3のCの部分を読み取りビームが横切った場合には、全てのトラックがピットであり、ピットピッチはカットオフ波長以下であるから、何れの位置でも十分な再生信号が得られず、十分なトラッキングエラー信号TEを検出できない。
 この様に、トラック間の間隔が光学的カットオフ波長以下であった場合には、、トラックのピットとミラーの組み合わせによって、十分なトラッキングエラー信号TEが検出可能な場合と、十分なトラッキングエラー信号TEを検出できない場合がある。
 また、トラックピッチが光学的カットオフ波長以上であっても、ディスク上に光ビームが最適焦点距離に合焦しておらず、光スポットが大きくなり隣のトラックからのクロストークの影響を受けている場合でも十分なトラッキングエラー信号が得られなくなる場合がある。
 これは、ディスクを再生する際、ディスク上に形成される光スポットが収差の影響によりその集光限界である(0.85×λ)/NAより大きくなり、第一暗環である(1.22×λ)/NA付近まで大きくなると、再生トラックの隣のトラックからの影響を受け易くなるためである。
 そこで、図3のトラックTr0をCENTトラック、トラックTr−1をINトラック、トラックTr+1をOUTトラックとした時に、図5に示す様に各トラックのピットとミラーの全ての組み合わせにて、どの様な再生信号が得られるかを検討することとする。
 図5にて、(1)〜(8)の部分のピットとミラーの組み合わせは以下の様になっている。
Figure 2004095180
 以上の様な組み合わせにて、図5に示す中央のビームBcentがINトラック、CENTトラック、及びOUTトラックを各トラックに垂直な方向に横切った場合の再生信号の変化を図6に示す。
 図6は縦軸がBcentビームからの戻り光量に基づく再生信号Scentを示し、横軸がBcentビームの横切り方向の位置を示している。
 図6(A)は、図5における(1)の部分をBcentビームが横切った場合の再生信号Scentの変化を示しており、(1)の部分は各トラックがミラーであるため、Bcentビームがどの位置にあってもBcentビームからの戻り光量は多くなり、Scent信号は大きくなる。
 しかし、図6(B)の様に、図5の(2)の場合では、OUTトラックがピットであるため、BcentビームがOUTトラックの位置にある時にBcentビームからの戻り光量が少なくなり、Scent信号は小さくなる。又、BcentビームがCENTトラックの位置にある時には、Bcentビームの大部分はCENTトラックのミラー部に照射されるために戻り光量が多くなるが、Bcentビームの一部はOUTトラックのピットに照射されることになり、Bcentビームが図5の(2)の部分のINトラックの位置にある時の様に、隣接するトラックが互いにミラーである場合に比べて戻り光量は減少する。その結果、再生信号を示す波形は、図6(B)に示す様に、BcentビームがINトラックからCENTトラックに移動するに従って徐々に降下し、更にOUTトラックに移動するに従って、急激に降下する形となる。
 次に、図6(C)の様に、図5の(3)の場合には、INトラックがピットでOUTトラックがミラーであるため、Bcentビームが横切った際の再生信号波形は図6(B)の再生信号波形に対してCENTトラック位置を中心線とする線対称の形となり、BcentビームがINトラックからCENTトラックに移動するに従って、急激に上昇し、CENTトラックからOUTトラックに移動するに従って、徐々に上昇する形となる。なお、BcentビームがCENTトラックの位置にある時の戻り光量がOUTトラックの位置にある時に比べて少ないのは、図5の(2)の場合と同様に、CENTトラックの位置にあるBcentビームの一部がINトラックのピットに照射されるためである。
 次に、図6(D)の様に、図5の(4)の場合には、INトラックとOUTトラックがピットなので、BcentビームがINトラック及びOUTトラックの位置にある時には、戻り光量が減少し、Scent信号は小さくなる。そして、BcentビームがCENTトラックの位置にある場合には、戻り光量は、CENTトラックがミラーなのでINトラック及びOUTトラックの位置にある時よりも多くなるが、Bcentビームの一部がINトラック及びOUTトラックのピットの一部に照射されるので、隣接するトラックが全てミラーの場合よりも少なくなる。
 次に、図6(E)の様に、図5の(5)の場合には、(4)の場合とは反対に、INトラックとOUTトラックがミラーなので、BcentビームがINトラック及びOUTトラックの位置にある時には、戻り光量が増加し、Scent信号の値は大きくなる。しかし、CENTトラックはピットなので、BcentビームがCENTトラックの位置にある場合には戻り光量は減少し、Scent信号の値は小さくなる。但し、Bcentビームの一部はINトラック及びOUTトラックのミラー部に照射されるので、隣接するトラックが全てピットの場合に比べて戻り光量は多くなる。
 次に、図6(F)の様に、図5の(6)の場合には、(2)の場合と同様にINトラックがミラーでOUTトラックがピットであるため、BcentビームがINトラックの位置にある場合には戻り光量は多くなり、OUTトラックの位置にある場合には戻り光量は少なくなる。しかし、(2)の場合とは異なり、CENTトラックがピットであるため、BcentビームがCENTトラックの位置にある時には、Bcentビームの大部分はCENTトラックのピット部に照射されて戻り光量が少なくなる。但し、Bcentビームの一部はINトラックのミラーに照射されることになり、隣接するトラックが全てピットである場合に比べて戻り光量は多くなる。その結果、再生信号を示す波形は、図6(F)に示す様に、BcentビームがINトラックからCENTトラックに移動するに従って急激に降下し、更にOUTトラックに移動するに従って、徐々に戻り光量が降下する形となり、Scent信号のミラーに対する値とピットに対する値の中間値を0とした時、図6(C)の信号の極性を反転させた形となる。
 次に、図6(G)の様に、図5の(7)の場合には、前記中間値を0とした時、図6(C)の信号の極性と逆極性の波形となる。つまり、INトラックがピットでOUTトラックがミラーであるため、BcentビームがINトラックの位置にある場合には戻り光量は少なくなり、OUTトラックの位置にある場合には戻り光量は多くなる。又、CENTトラックは(6)の場合と同様にピットであり、BcentビームがCENTトラックの位置にある場合には、Bcentビームの大部分はCENTトラックのピット部に照射されるために戻り光量が少なくなる。但し、Bcentビームの一部はOUTトラックのミラーに照射されることになり、隣接するトラックが全てピットである場合に比べて戻り光量は多くなる。その結果、再生信号を示す波形は、図6(G)に示す様に、BcentビームがINトラックからCENTトラックに移動するに従って徐々に戻り光量が上昇し、更にOUTトラックに移動するに従って、急激に戻り光量が上昇する形となる。
 次に、図6(H)に示す様に、図5の(8)の場合には、(1)の場合とは逆に全てのトラックがピットなので、BcentビームがINトラックからOUTトラックに移動してもあらゆる位置で戻り光量は最小となり、Scent信号は小さくなる。
 以上の様に、INトラック、CENTトラック、OUTトラックのピットとミラーの組み合わせは23=8通りあるが、これらのピットパターンから得られる再生信号波形のうち、図6(A)と図6(H)の波形、図6(B)と図6(G)の波形、図6(D)と図6(E)の波形、図6(C)と図6(F)の波形は、前記中間値を0とした時、夫々極性が反転した波形となっている。又、通常ピットとミラーの出現確率は等しくなる様に記録され、隣接トラックとは無相関なので、(1)〜(8)の各パターンの出現する確率は等しくなる。従って、これらの波形を有する信号がローパスフィルターを通過すると、積分されて平均化されてしまい、十分なトラッキングエラー信号を得ることができなくなってしまう。
 これに対し、各トラックの間隔が光学的カットオフ波長よりも大である場合であって、光スポットが最適焦点距離に合焦している場合には、図5と同様なピットパターンにてBcentビームがINトラックからOUTトラックへと横切った場合に得られる再生信号の波形は図8(A)〜(H)に示す様になる。図8は図6と同様に縦軸がBcentビームからの戻り光量に基づく再生信号Scent、横軸がBcentビーム位置を示している。
 図8から判る様に、各トラックの間隔が光学的カットオフ波長よりも大である場合であって、光スポットが最適焦点距離に合焦している場合には、上述した意味で信号波形の極性が反転しているものはなく、これらの図8(A)〜図8(H)の波形の信号がローパスフィルターを通過して積分化されたとしても、平均化されず、図9に示す様な合成波形が得られる。そして、この様な波形が得られれば、従来の3ビーム法により十分なトラッキングエラー信号を得ることが可能である。
 光スポットが最適焦点距離に合焦している場合において、トラック間隔が光学的カットオフ波長以下の場合と、光学的カットオフ波長より大である場合とで以上の様な違いが現れるのは、トラック間隔が光学的カットオフ波長より大である場合には、光スポットが最適焦点距離に合焦していれば、Bcentビームからの戻り光量に対する隣接トラックからのクロストークの影響がなく、図8に示す様に波形の変化が急激でピットとミラーの部分がはっきりと現れるのに対し、トラック間隔が光学的カットオフ波長より小である場合、あるいは光学的カットオフ波長より大であっても光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合には、クロストークの影響により、波形の変化が緩やかになり、ピットとミラーの境界がはっきりしなくなるからである。
 そこで、トラック間隔が光学的カットオフ波長以下の場合で、あるいは光学的カットオフ波長より大であっても光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合で、図6の様に緩やかに変化する場合に十分なトラッキングエラー信号を得るには、全てのピットパターンの再生信号をローパスフィルターに通過させるのではなく、前記8通りのピットパターンの中からいくつかのピットパターンを選択し、かつ、ローパスフィルターを通過させても平均化されない様に、極性を反転させる必要がある。
 この点に着目すると、図6(A)、(H)の波形は、BcentビームがCENTトラックからINトラック側あるいはOUTトラック側に移動した場合でも、変化がないため、十分なトラッキングエラー信号が得られない。
 次に、図6(D)、(E)の波形は、互いに変化方向が反転した形となっているため、図6(D)、(E)のいずれかの波形の極性を反転させればローパスフィルター通過後でも十分なトラッキングエラー信号を得ることができる。
 しかし、この場合には、BcentビームがCENTトラックからINトラック側あるいはOUTトラック側のいずれに移動してもScent信号の変化方向が同様であるため、Scent信号だけではいずれの方向にトラッキングエラーが生じているのかが不明となる。
 そこで、本実施形態では、Bcentビームによる再生信号Scentのみでトラッキングエラー信号を得る場合について説明することとし、図6(D)、(E)の波形を用いる例については第4の実施形態で説明することとする。
 一方、図6(B)、(C)、(F)、(G)の波形は、BcentビームがCENTトラックの位置からINトラック側に移動した場合と、OUTトラック側に移動した場合とでは、Scent信号の変化方向が異なるため、これらの波形の信号がローパスフィルター通過後においても平均化されなければ、Bcentビームの再生信号Scentだけで十分なトラッキングエラー信号を得ることが可能となる。
 そこで、これらの波形の信号がローパスフィルターを通過した場合の波形について考える。図6ではビームがトラックに垂直に横切った場合を示したが、実際には光ディスク1が回転しており、トラック横切り速度よりも非常に速く接線方向に動いているので、各パターンでの抽出信号のローパスフィルター出力は、各パターンの中間的な値となる。例えば、図5における(2)、(6)の部分のピットパターンに対するScent信号については図7(A)の様に平均化され、又、図5に示す(3)、(7)の部分のピットパターンに対するScent信号については図7(B)に示す様に平均化される。そして、この平均化された波形同士もそれぞれの変化方向が対称的であり、これらのパターン同士がローパスフィルターを通過することによって平均化されるので、このままではトラッキングエラー信号を検出することができなくなる。
 そこで、本実施形態では、図7(A)に示す(2)、(6)の部分のピットパターンに対するScent信号については、それらの波形の極性を反転させ、又、図7(B)に示す(3)、(7)の部分のピットパターンに対するScent信号についてはそのままの極性でローパスフィルターを通過させることにより、図7(C)に示す様な十分なトラッキングエラー信号を得る様にした。
 つまり、本実施形態においては、図5に示す様な8通りのピットパターンの中から、(2)、(3)、(6)、及び(7)の部分のピットパターンを判別し、それらのパターンに対するScent信号のみを採用し、更に、(2)及び(6)の部分のピットパターンに対するScent信号については極性を反転させる様に構成した。
 ピットパターンを判別する方法としては、まず第1の方法としてBinビーム、Bcentビーム、及びBoutビームの各ビームによる再生信号を用いて判別する方法と、第2の方法としてBcentビームによる再生信号に拘らずBinビームとBoutビームによる再生信号を用いて判別する方法とがある。
 第1の方法は、INトラック、CENTトラック、OUTトラックのピットとミラーの組み合わせが(2)〜(7)の部分で全て異なるため、Sin信号、Scent信号、Sout信号の全ての信号を用いてピットパターンを判別しようとするものである。
 第2の方法は、(2)〜(7)の部分は全てINトラックとOUTトラックの組み合わせが、いずれかがピットでいずれかがミラーである組み合わせなので、Scent信号によらず、Sin信号とSout信号によりピットパターンを判別しようとするものである。
 一方、Bcentビームによる再生信号Scentの極性を反転させる方法としては、スイッチング素子あるいはゲート素子によって、当該再生信号Scentを増幅器の反転入力と非反転入力のいずれかに入力させる方法が考えられる。
 以下、上述した様なピットパターン判別方法、極性反転方法を用いてトラッキングエラー信号を得る具体的な回路構成について説明する。
 図10にピットパターンの判別方法として前記第1の方法を用い、極性を反転させる方法として前記増幅器への入力を切り換える方法を用いる場合の具体的な回路例を示す。図10に示すパターン判別回路14は、コンパレータ15a,15b,15cからなる判別手段としてのピット/ミラー判別回路15と、信号取得手段としてのパターン検出ロジック16とを備えており、Binビームによる再生信号Sin、Bcentビームによる再生信号Scent、及びBoutビームによる再生信号Soutを、コンパレータ15a,15b,15cの夫々に入力させ、各再生信号と所定の閾値Thとを比較することによりINトラック、CENTトラック、及びOUTトラックの夫々のピットとミラーとを判別し、その結果をパターン検出ロジック16に出力する。
 パターン検出ロジック16は、ピット/ミラー判別回路15による判別結果が、図11に示す様にパターン(2)の場合には反転信号を、又、図11に示すパターン(3)の場合には非反転信号を出力する。なお、図11に示すパターン番号は、図5に示したピットパターンの番号と一致させている。
 この反転信号又は非反転信号は、トラッキングエラー検出回路12の極性選択回路17に出力される。極性切換手段としての極性選択回路17は、図10に示す様に、スイッチング素子17a,17bを有しており、該スイッチング素子17a,17bの双方には、Bcentビームによる再生信号Scentが入力されている。そして、該スイッチング素子17a,17bは、前記パターン検出ロジック16の非反転信号出力及び反転信号出力によりON/OFFされる様に構成されており、非反転信号が出力された場合には、スイッチング素子17aがONし、反転信号が出力された場合には、スイッチング素子17bがONする。又、非反転信号と反転信号のいずれも出力されない場合、即ち図11に示すパターン(2)及び(3)ではないパターンの場合には、Bcentビームによる再生信号Scentはローパスフィルター18に出力されない。
 しかし、パターン検出ロジック16から非反転信号が出力された場合には、スイッチング素子17aがONし、Bcentビームによる再生信号Scentは、差動増幅器17cの非反転入力に入力され、極性が反転されない状態でローパスフィルター18に出力される。一方、パターン検出ロジック16から反転信号が出力された場合には、スイッチング素子17bがONし、前記再生信号Scentは差動増幅器17cの反転入力に入力され、極性が反転されてローパスフィルター18に出力される。
 次に、図12にピットパターンの判別方法として前記第2の方法を用い、反転させる方法として前記増幅器への入力を切り換える方法を用いる場合の具体的な回路例を示す。図12に示すパターン判別回路14は、図10に示す回路と略同様の構成となっているが、ピット/ミラー判別回路15には2つのコンパレータ15a,15bのみからなるところが図10の回路と異なる。そして、Binビームによる再生信号Sinと、Boutビームによる再生信号Soutが、コンパレータ15a,15bの夫々に入力され、所定の閾値Thと比較されることによりINトラック、CENTトラック、及びOUTトラックの夫々がピットであるかミラーであるかを判別し、その結果をパターン検出ロジック16に出力する。
 パターン検出ロジック16は、ピット/ミラー判別回路15による判別結果が、図13に示す様にパターン(2)、(6)の場合には反転信号を、又、図13に示すパターン(3)、(7)の場合には非反転信号を出力する。なお、図13に示すパターン番号は、図5に示したパターンの番号と一致させている。
 この反転信号又は非反転信号は、トラッキングエラー検出回路12の極性選択回路17に出力される。極性選択回路17の構成は図10の回路と同様であり、前記反転信号又は非反転信号により前記再生信号Scentのローパスフィルター18への入力時の極性が選択される。
 この図12の回路を用いた場合の動作例を図14に示す。図14(A)はオントラックの場合、図14(B)はIN側にオフトラックした場合、図14(C)はOUT側にオフトラックした場合の各ビームの位置、及び各再生信号等を示す図である。図14(A)〜図14(C)にて、最上段の(i)は各トラック上のBinビーム、Bcentビーム、及びBoutビームの位置を示している。各ビームは光ディスク1に対して相対的に図14の右側へ移動することとし、図5に示す(7)、(6)、(3)、及び(2)のピットパターンが現れる例について示している。又、図14に描かれた点線は、非反転信号又は反転信号が出力される期間の区切りを表しており、当該期間を表す2つの点線の間に表示した丸数字は図5のピットパターンの番号と一致させている。なお、前記3つのビームは、ビーム移動方向に垂直な方向に一直線上に並んでいるものとして説明する。
 次に、図14(A)〜図14(C)の上から二番目の段の(ii)は、Binビームによる再生信号Sinの変化を示しており、横軸はBinビームのビーム移動方向の位置を表し、縦軸はBinビームによる戻り光量に基づく再生信号Sinを示している。
 又、図14(A)〜図14(C)の上から三番目の段の(iii)は、Bcentビームによる再生信号Scentの変化を示しており、横軸はBcentビームのビーム移動方向の位置を表し、縦軸はBcentビームによる戻り光量に基づく再生信号Scentを示している。
 又、図14(A)〜図14(C)の上から四番目の段の(iv)は、Boutビームによる再生信号Soutの変化を示しており、横軸はBoutビームのビーム移動方向の位置を表し、縦軸はBoutビームによる戻り光量に基づく再生信号Soutを示している。
 次に、図14(A)〜図14(C)の上から五番目の段の(v)は、図12に示すパターン検出ロジック16からの非反転信号の出力タイミングを示しており、再生信号Sinが閾値Thよりも低い値の時、且つSoutが閾値Thよりも高い値の時には、ピット/ミラー判別回路15によりINトラックがピット、OUTトラックがミラーであると判別され、その結果がパターン検出ロジック16に出力されるため、パターン検出ロジック16からは(v)に示す様に非反転信号が出力される。従って、INトラックがピットでOUTトラックがミラーとなるパターン(7)及び(3)の時に非反転信号が出力される。
 次に、図14(A)〜図14(C)の上から六番目の段の(vi)は、上述した非反転信号及び後述する反転信号により再生信号Scentの極性が選択され、ローパスフィルター18を通過して積分された際に得られる領域V,W等の面積を示す。
 次に、図14(A)〜図14(C)の最後段の(vii)は、図12に示すパターン検出ロジック16からの反転信号の出力タイミングを示しており、再生信号Soutが閾値Thよりも低い値の時、且つSinが閾値Thよりも高い値の時にはピット/ミラー判別回路15によりOUTトラックがピット、INトラックがミラーであると判別され、その結果がパターン検出ロジック16に出力されるため、パターン検出ロジック16からは(vii)に示す様に反転信号が出力される。従って、OUTトラックがピットでINトラックがミラーとなるパターン(6)及び(2)の時に反転信号が出力される。
 以上の様な図14において、図14(A)に示すオントラック時には、CENTトラック上を移動するBcentからの戻り光量は(iii)から判る様に、パターン(7)と(6)の場合でほぼ等しく、又パターン(3)と(2)の場合でほぼ等しくなっている。従って、非反転信号の出力期間と反転信号の出力期間が等しい場合には、(vi)に示す様に領域Vと領域Wの面積及び領域Xと領域Yの面積はほぼ等しくなり、互いに極性が反転されるので、結局ローパスフィルタ18の出力はほぼゼロとなり、トラッキングエラー信号TEはほぼゼロとなる。
 しかし、図14(B)に示す様にIN側にオフトラックした時には、例えばパターン(7)の場合の様にBcentビームはCENTトラックのピットだけでなく、INトラックのピットにも照射されるために、Bcentビームによる戻り光量は図14(B)(iii)から判る様に、図14(A)の場合よりもPで示す様に減少する。同様に、パターン(3)の場合も、Qで示す様に図14(A)の場合よりも減少する。その結果、(vi)に示す様にローパスフィルター18を通過した後の領域V’の面積は、領域W’の面積よりも大きく、又、領域X’の面積は領域Y’の面積に比べて小さくなる。従って、互いに極性が反転されても、ローパスフィルタ18の出力はゼロにならず、マイナスの値の十分なトラッキングエラー信号TEが出力されることになる。
 又、図14(C)に示す様にOUT側にオフトラックした時には、例えばパターン(6)の場合の様にBcentビームはCENTトラックのピットだけでなく、OUTトラックのピットにも照射されるために、Bcentビームによる戻り光量は図14(C)(iii)から判る様に、図14(A)の場合よりもP’で示す様に減少する。同様に、パターン(2)の場合も、Q’で示す様に図14(A)の場合よりも減少する。その結果、(vi)に示す様にローパスフィルター18を通過した後の領域W”の面積は、領域V”の面積よりも大きく、又、領域Y”の面積は領域X”の面積に比べて小さくなる。従って、互いに極性が反転されても、ローパスフィルタ18の出力はゼロにならず、プラスの値の十分なトラッキングエラー信号TEが出力されることになる。
 以上の様に、トラック間隔が光学的カットオフ波長以下である場合、または光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合であっても、ローパスフィルターを通過させる信号を選択し、かつ、信号の極性を反転させることにより、トラッキングエラー信号TEを生成することができ、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。又、トラックピッチを狭くすることにより、情報記録媒体の高密度化が可能となる。
 なお、第1の実施形態の様に3ビームのピックアップを用いる場合には、ディレイ補正は、図15に示す様な回路で、ピット/ミラー判定後に行っても良い。ピット/ミラー判定後にディレイ補正を行う様にすると、ディレイ11をシフトレジスタを用いて容易に実現できるので回路が簡単になる。
 つまり、ピット/ミラー判定前ではアナログ量のディレイ補正が必要であるが、アナログのディレイラインを用いると、部品にばらつきが有り、ディレイを正確に補正することが困難、又は経時変化もある。A/D変換した後にシフトレジスタを用いてディレイさせる方法もあるが、アナログ量を表現するには多ビット(例えば8ビット)が必要である。しかし、ピット/ミラー判定後にディレイを補正する様にすれば、1ビットで済み、回路が簡単になる。
 又、ピット/ミラー判定に用いる閾値Thは、固定値(例えばAC結合後のゼロクロス)であっても良いし、データの0/1判定に用いられる様なATC(Auto Threshold Control)を用いても良い。
 又、上述した方法は、IN側からのクロストークとOUT側からのクロストークのバランスを検出する方法であり、CENTへのクロストーク量がIN側からのものか、それともOUT側からのものかを判別するために、INとOUTの信号を用いている。よってCENTのトラックに対する信号のピット/ミラー判定は必ずしも必要なものではない。例えば、CENTがミラーの時の方が、クロストークが検出し易いので、CENTがミラーの場合のみ抽出することも考えられる。
 又、パターン検出ロジック16として、例えば、INトラックがピットならば非反転、ミラーならば反転とし、OUTトラックがピットならば反転、ミラーならば非反転とする様にしても良い。この時、INトラックとOUTトラック共に、ミラーあるいはピットの時は、反転、非反転の両方を選択することとなり、ローパスフィルター18に供給される信号は、結果としてゼロになる。よって、図12及び図13に示した第2の方法に示したロジックと等価な処理となる。
 (第2の実施形態)
 次に、本発明の第2の実施形態を図16乃至図21に基づいて説明する。なお、第1の実施形態との共通箇所については同一符号を付して説明を省略する。
 前記第1の実施形態では、Sin信号、Sout信号の夫々の信号をピット/ミラー判定し、INトラックとOUTトラックが異なるピットパターンであること(INトラックがピットでOUTトラックがミラーのパターンと、INトラックがミラーでOUTトラックがピットのパターン)を検出した。しかし、本実施形態は、INトラックとOUTトラックのピットパターンが異なることを検出するために、Sin信号とSout信号の差信号Sin-outを用いたところが第1の実施形態と異なる。なお、選択するピットパターンは第1の実施形態と同様にピットパターン(7)、(6)、(3)、及び(2)とし、Scent信号に基づいてトラッキングエラー信号を生成するものとする。
 ここで、差信号Sin-outでピット/ミラーの判定を行う原理について説明する。一例として、CENTトラックにBcentビームがオントラック状態で照射されている時を考える。この時、INトラックがピットでOUTトラックがミラーであれば、INトラックに照射されるBinビームからの戻り光量は減少してSin信号が小さい値となり、OUTトラックに照射されるBoutビームからの戻り光量は多くなりSout信号が大きい値となる。従って、小さい値のSin信号から大きい値のSout信号を引くので、Sin-outの信号はマイナスとなる。又、INトラックがミラーで、OUTトラックがピットの場合は、Binビームからの戻り光量は多くSin信号が大きい値となり、Boutビームからの戻り光量が減少してSout信号が小さい値となる。そして、大きい値のSin信号から小さい値のSout信号を引くので、Sin-outの信号はプラスとなる。
 この様に、ピットパターンによってSin-out信号が変化するので、ピットパターンの判別が可能である。
 具体的には、図16に示す様に、差動増幅器19を用いて差信号Sin-outを求め、この差信号Sin-outとScent信号とをピット/ミラー判別回路15のコンパレータ15a,15bに入力することによりピットパターンを判別している。
 又、Scent信号については、第1の実施形態と同様に、閾値Thと比較することによりピット/ミラーの判別を行うが、差信号Sin-outについては、Th+とTh−の2つの閾値を比較することによりピット/ミラーの判別を行う。つまり、差信号Sin-outが閾値Th−よりも小のときINトラックがピットでOUTトラックがミラーであると判別し、差信号Sin-outが閾値Th+よりも大のときINトラックがミラーでOUTトラックがピットと判別する。
 そして、図17に示す様に、ピットパターン(2)の時、即ち、CENTトラックがミラーで、INトラックがミラー、更にOUTトラックがピットの時に反転信号がパターン検出ロジック16から出力され、ピットパターン(3)の時、即ち、CENTトラックがミラーで、INトラックがピット、更にOUTトラックがミラーの時に非反転信号がパターン検出ロジック16から出力される。この例はピットパターン判別にScent信号を用いる点で第1の実施形態の図10の例に相当するものである。なお、本実施形態では、閾値Th+とTh−の絶対値は等しく、また、図17のピットパターンの番号は図5の番号に一致させている。
 又、図18及び図19に示す様に、Scent信号に拘らず、Sin信号とSout信号とからピットパターンを判別する様にしても良い。この場合には図18に示す様にScent信号はピット/ミラー判別回路15には入力されず、極性選択回路17のみに入力する。他の構成は図16の例と同じである。この場合には、図19に示す様に、(2)と(6)、(3)と(7)のピットパターンを判別することになり第1の実施形態の図12の例に相当するものである。この場合の動作例を図20に示す。図20は第1の実施形態における図14に相当する図であり、図20(A)、(B)、(C)は、図14の場合と同様に、夫々、オントラック時、IN側へのオフトラック時、OUT側へのオフトラック時の各ビームの位置、及び各再生信号等を示す図である。また、図20(A)〜(C)の(i)〜(iv)の段は図14と同様のビーム位置及び各再生信号を示しており、(vi)〜(viii)の段は図14の(v)〜(vii)に相当する信号等を示している。そして、図20では、(v)の段に差信号Sin-outの変化を示してある。なお、図20においても、ビームの走査方向は図14の場合と同様とする。
 以上の様な図20において、図20(A)に示すオントラック時には、CENTトラック上を移動するBcentからの戻り光量は(iii)から判る様に、パターン(7)と(6)の場合でほぼ等しく、又パターン(3)と(2)の場合でほぼ等しくなっている。また、(v)の段に示す様に、差信号Sin-outが閾値Th−よりも小さい値になる非反転信号の出力期間と、差信号Sin-outが閾値Th+よりも大きい値になる反転信号の出力期間とは等しい。従って、(vii)に示す様に領域Vと領域Wの面積及び領域Xと領域Yの面積はほぼ等しくなり、互いに極性が反転されるので、結局ローパスフィルタ18の出力はほぼゼロとなり、トラッキングエラー信号TEはほぼゼロとなる。
 しかし、図20(B)に示す様にIN側にオフトラックした時には、例えばパターン(7)の場合の様にBcentビームはCENTトラックのピットだけでなく、INトラックのピットにも照射されるために、Bcentビームによる戻り光量は図20(B)(iii)から判る様に、図20(A)の場合よりもPで示す様に減少する。同様に、パターン(3)の場合も、Qで示す様に図20(A)の場合よりも減少する。その結果、(vii)に示す様にローパスフィルター18を通過した後の領域V’の面積は、領域W’の面積よりも大きく、又、領域X’の面積は領域Y’の面積に比べて小さくなる。従って、互いに極性が反転されても、ローパスフィルタ18の出力はゼロにならず、マイナスの値のトラッキングエラー信号TEが出力されることになる。
 又、図20(C)に示す様にOUT側にオフトラックした時には、例えばパターン(6)の場合の様にBcentビームはCENTトラックのピットだけでなく、OUTトラックのピットにも照射されるために、Bcentビームによる戻り光量は図20(C)(iii)から判る様に、図20(A)の場合よりもP’で示す様に減少する。同様に、パターン(2)の場合も、Q’で示す様に図20(A)の場合よりも減少する。その結果、(vii)に示す様にローパスフィルター18を通過した後の領域W”の面積は、領域V”の面積よりも大きく、又、領域Y”の面積は領域X”の面積に比べて小さくなる。従って、互いに極性が反転されても、ローパスフィルタ18の出力はゼロにならず、プラスの値のトラッキングエラー信号TEが出力されることになる。
 以上の様に、差信号Sin-outを用いることによってもピットパターンの判別が可能であり、判別したピットパターンに応じてScent信号の極性を選択することにより、トラックピッチを光学的カットオフ波長以下とした場合、、または光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合であっても、トラッキングエラー信号TEを生成することができ、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。又、トラックピッチを狭くすることにより、情報記録媒体の高密度化が可能となる。
 なお、本実施形態では2つの閾値を用いて差信号Sin-outによるピットパターン判別を行ったが、本発明はこれに限られるものではなく、図21に示す様に差信号Sin-outのゼロクロスでピットパターンを判定しても構わない。
 (第3の実施形態)
 次に、本発明の第3の実施形態を図22及び図23に基づいて説明する。なお、第1の実施形態又は第2の実施形態との共通箇所については同一符号を付して説明を省略する。
 本実施形態は第2の実施形態のピット/ミラー判別回路15及びパターン検出ロジック16並びに極性選択回路17を用いることなく、図22に示す様な回路により差信号Sin-outとScent信号との積をとることにより、Scent信号の極性を反転させるところが第2の実施形態と異なる点である。
 この様な構成においては、差信号Sin-outがプラスならば、Scent信号×(+)=非反転となり、差信号Sin-outがマイナスならば、Scent信号×(−)=反転となる。又、差信号Sin-outがほぼ0ならば、Scent信号×0は0となるので、第2の実施形態とほぼ同様の動作をさせることができる。
 図22の回路では、算出手段としての差動増幅器19により、差信号Sin-outを生成し、乗算手段としての乗算部20において、Sin-out信号×Scent信号を計算する。この図22の回路を用いた場合の動作例を図23に示す。図23は第1の実施形態における図14に相当する図であり、図23(A)、(B)、(C)は図14の場合と同様に、夫々、オントラックの時、IN側にオフトラックした時、OUT側にオフトラックした時のビーム位置、各再生信号等を示す図である。又、図23(A)〜図23(C)にて、(i)、(ii)、(iii)は図14の(i)、(ii)、(iv)と同様に、各トラック上のBinビーム、及びBoutビームの位置による再生信号Sin、Soutを示している。また、図23(A)〜図23(C)の(v)は図14(iii)と同様にBcentビームによる再生信号Scentを示し、(iv)は差信号Sin-outを示している。そして、図23(A)〜図23(C)の最下段の(vi)は、差信号Sin-outとSoutとを乗じた信号がローパスフィルター18を通過し、積分された際に得られる領域V,W等の面積を示す。なお、ビームの移動方向、ピットパターンは図14と同様である。また、図23に描いた点線は、差信号Sin-outがプラス又はマイナスに切り替わるタイミングを表している。
 以上の様な図23において、図23(A)に示すオントラック時には、CENTトラック上を移動するBcentビームからの戻り光量は(v)から判る様に、パターン(7)と(6)の場合でほぼ等しく、又パターン(3)と(2)の場合でほぼ等しくなっている。また、(iv)の段に示す様に、差信号Sin-outがマイナスからプラスに、又プラスからマイナスに切り替わる時間は等しい。従って、(vi)に示す様にSin-out信号×Scent信号により求められる領域Vと領域Wの面積及び領域Xと領域Yの面積はほぼ等しくなり、結局ローパスフィルタ18の出力はほぼゼロとなって、トラッキングエラー信号TEはほぼゼロとなる。
 一方、図23(B)に示す様にBcentビームがIN側にオフトラックしている場合は、IN側からのクロストークが大きくなり、Bcentビームからの戻り光量は(v)のP、Qに示す様に図23(A)の場合に比べて減少する。従って、(vi)に示す様にSin-out信号×Scent信号により求められる領域V’の面積は、領域W’の面積よりも大きく、又、領域X’の面積は領域Y’の面積に比べて小さくなる。つまり、ローパスフィルタ18を通過した場合でも、ローパスフィルタ18の出力はゼロにならず、プラスの値のトラッキングエラー信号TEが出力されることになる。
 また、図23(C)に示す様にBcentビームがOUT側にオフトラックしている場合は、OUT側からのクロストークが大きくなり、Bcentビームからの戻り光量は(v)のP’、Q’に示す様に図23(A)の場合に比べて増大する。従って、(vi)に示す様にSin-out信号×Scent信号により求められる領域W”の面積は、領域V”の面積よりも大きく、又、領域Y”の面積は領域X”の面積に比べて大きくなる。つまり、ローパスフィルタ18を通過した場合でも、ローパスフィルタ18の出力はゼロにならず、マイナスの値のトラッキングエラー信号TEが出力されることになる。
 なお、図示していないが、INトラックとOUTトラックの両方が、ピットあるいはミラーであるピットパターンの場合は差信号Sin-outが0であるから、差信号Sin-out×Scent信号も0となる。
 以上の様に、本実施形態は、ピットパターン判別を差信号Sin-outにより行い、極性の切換をScent信号に差信号Sin-outを乗ずる構成としたが、この様な構成によってもトラックピッチを光学的カットオフ波長以下とした場合、または光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合であっても、情報記録媒体に対し、トラッキングエラー信号TEを生成することができ、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。又、トラックピッチを狭くすることにより、情報記録媒体の高密度化が可能となる。
 (第4の実施形態)
 次に、本発明の第4の実施形態を図24乃至図27に基づいて説明する。なお、第1の実施形態との共通箇所については同一符号を付して説明を省略する。
 上述した第1の実施形態乃至第3の実施形態においては、Bcentビームによる再生信号Scentに基づいてトラッキングエラー信号TEを生成する様にしていたため、図5に示すピットパターン(7)、(6)、(3)、及び(2)の場合を選択してScent信号の極性を切り換えていた。しかし、本実施形態は、図5に示すピットパターン4)及び5)の場合を選択してトラッキングエラー信号TEを生成するところが、上述した各実施形態と異なる。
 但し、図6(D)、(E)に示す様に、ピットパターンが(4)及び(5)の場合には、BcentビームがIN側又はOUT側のいずれの方向に移動してもScent信号の変化方向が等しいため、Scent信号のみに基づいてトラッキングエラー信号TEを生成することはできない。
 そこで、本実施形態では、ピットパターン(4)及び(5)の場合には、差信号Sin-outに基づいてトラッキングエラー信号TEを生成する様にした。以下、本実施形態のトラッキングエラー信号の生成原理について説明する。
 この説明においては、図24(A)に示す様に、INトラックがピット、CENTトラックがミラー、及びOUTトラックがピットとなる図5のピットパターン(4)に相当する場合と、図24(B)に示す様に、INトラックがミラー、CENTトラックがピット、及びOUTトラックがミラーとなる図5のピットパターン(5)に相当する場合に、3ビームがIN側からOUT側に移動する場合について考える。図24(A)、(B)にて、(i)、(ii)、(iii)は、夫々Bcentビームが、INトラック、CENTトラック、OUTトラックの位置にある場合のBinビーム及びBoutビームの位置を示す図である。
 3ビームが図24の様にトラックを横切った場合の再生信号の変化を図25及び図26に示す。図25は図24(A)の様に、ピットパターン(4)の場合の各ビームによる再生信号の変化を示しており、図25(A)〜(D)の横軸は、図24に示したINトラックよりも更にIN側のTr−2、Tr−3、及びOUTトラックから更にOUT側のTr+2、Tr+3の各トラックまでのBcentビームの横切り方向におけるBcentビーム位置を表している。又、図25(A)の縦軸は、Bcentビームによる再生信号Scent、図25(B)の縦軸は、Bcentビームが横軸で表された位置にある時のBinビームによる再生信号Sin、図25(C)の縦軸は、Bcentビームが横軸で表された位置にある時のBoutビームによる再生信号Sout、図25(D)の縦軸は、差信号Sin-outを表している。
 又、図26は図24(B)の様に、ピットパターン(5)の場合の各ビームによる再生信号の変化を示しており、横軸及び縦軸共に図25と同様である。
 次に、以上の様な図25及び図26に基づいて、各再生信号の変化について検討する。まず、Scent信号については、BcentビームがINトラック又はOUTトラックの位置にある場合には、当該INトラック又はOUTトラックが図24(A)(i)、(iii)の様にピットであるため、戻り光量は図25(A)に示す様に減少し、CENTトラックの位置にある場合には、当該CENTトラックが図24(A)の様にミラーであるため、戻り光量は増加する。又、トラックTr−2及びTr+2の位置にある場合には、当該トラックがピットであるかミラーであるかは不明であるが、ピットとミラーの出現の確率は等しいため、図25(A)に示す様に、戻り光量の平均値は中間的な値となる。
 次に、Binビームは、BcentビームがCENTトラックの位置にある場合には、図24(A)(ii)に示す様にINトラックの位置にあり当該INトラックがピットであるため、Binビームからの戻り光量は図25(B)に示す様に減少する。又、Binビームは、BcentビームがOUTトラックの位置にある場合には、図24(A)(iii)に示す様にCENTトラックの位置にあり当該CENTトラックがミラーであるため、Binビームからの戻り光量は図25(B)に示す様に増加する。更に、Binビームは、BcentビームがトラックTr+2の位置にある場合には、同様にOUTトラックの位置にあり当該OUTトラックがピットであるため、Binビームからの戻り光量は図25(B)に示す様に減少する。そして、Binビームは、BcentビームがINトラックの位置にある場合には、図24(A)(i)に示す様にトラックTr−2の位置にあり当該トラックがピットかミラーかは不明であるが、ピットとミラーの出現確率は等しいため、Binビームからの戻り光量の平均値は図25(B)に示す様に中間的な値となる。これは、BcentビームがトラックTr+3の位置にある時も同様であり、Binビームからの戻り光量の平均値は図25(B)に示す様に中間的な値となる。
 次に、Boutビームは、BcentビームがCENTトラックの位置にある場合には、図24(A)(ii)に示す様にOUTトラックの位置にあり当該OUTトラックがピットであるため、Boutビームからの戻り光量は図25(C)に示す様に減少する。又、Boutビームは、BcentビームがINトラックの位置にある場合には、図24(A)(i)に示す様にCENTトラックの位置にあり当該CENTトラックがミラーであるため、Boutビームからの戻り光量は図25(C)に示す様に増加する。更に、Boutビームは、BcentビームがトラックTr−2の位置にある場合には、同様にINトラックの位置にあり当該INトラックがピットであるため、Boutビームからの戻り光量は図25(C)に示す様に減少する。そして、Boutビームは、BcentビームがOUTトラックの位置にある場合には、図24(A)(iii)に示す様にトラックTr+2の位置にありピットかミラーかは不明であるが、ピットとミラーの出現確率は等しいため、Boutビームからの戻り光量の平均値は図25(C)に示す様に中間的な値となる。これは、BcentビームがトラックTr−3の位置にある時も同様であり、Boutビームからの戻り光量の平均値は図25(C)に示す様に中間的な値となる。
 以上の様に、ピットパターン(4)の場合には、Scent信号だけを見ると、BcentビームがCENTトラックに対してIN側又はOUT側のいずれの方向に移動してもScent信号の増減方向は同一であるが、Sin信号とSout信号は、Sin信号が中間値のときSout信号がピット又はミラーに対する特定値、Sin信号が特定値のときSout信号が中間値となるため、Sin信号とSout信号の差信号であるSin-out信号を求めると、図25(D)に示す様にずれの方向に追従して変化方向の異なる信号が得られ、トラッキングエラー信号TEとして用いることができる。
 又、同様に、3ビームがピットパターン(5)の場合に図24(B)の様に各トラックを横切る時も、図26に示す様に各信号が変化する。図26から明らかな様に、ピットパターン(5)の場合には、図25に示すピットパターン(4)の場合と極性が反転した波形となるが、BcentビームがCENTトラックに対してIN側又はOUT側のいずれの方向に移動してもScent信号の増減方向は同一である点は共通であり、又、Sin信号とSout信号が中間値と特定値をとる点も共通である。従って、Sin信号とSout信号の差信号であるSin-out信号を求めると、図26(D)に示す様にトラッキングエラー信号が得られる。
 しかし、図25(D)と図26(D)のSin-out信号は極性が逆であるため、このままローパスフィルターを通過させると、平均化されて十分なトラッキングエラー信号が得られなくなる。
 そこで、本実施形態では、ピットパターン(4)と(5)の場合を判別し、ピットパターン(4)の場合にはSin-out信号の極性を反転させず、ピットパターン(5)の場合にはSin-out信号の極性を反転させる様にして、ローパスフィルター通過後でも十分なトラッキングエラー信号が得られる様にした。
 具体的には、図27に示す様な回路構成をとり、差動増幅器19により差信号Sin-outを求め、Sin信号及びScent信号並びにSout信号の3つの信号の値と閾値Thとを比較することにより、INトラック、CENTトラック、OUTトラックがピットであるかミラーであるかを判別し、判別結果に基づいて前記差信号Sin-outの極性を反転させる様にした。
 以上の様に、本実施形態によれば、INトラックとOUTトラックが共にピット又はミラーである場合のパターンを用いても、トラックピッチを光学的カットオフ波長以下とした場合、または光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合におけるトラッキングエラー信号TEを生成することができ、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。又、トラックピッチを狭くすることにより、情報記録媒体の高密度化が可能となる。
 (第5の実施形態)
 次に、本発明の第5の実施形態を図28乃至図32に基づいて説明する。なお、第4の実施形態との共通箇所については同一符号を付して説明を省略する。
 本実施形態は、差信号Sin-outの極性を反転又は非反転させてトラッキングエラー信号を得る点は第4の実施形態と同様であるが、極性は、Scent信号の値だけで切り換える様にしたところが第4の実施形態と異なる。
 図28は、図5に示すピットパターン(1)〜(4)の場合に3ビームが横切った時のScent信号、Sin信号、Sout信号及び差信号Sin-outの変化を示す図であり、横軸は図25及び図26と同様に、Bcentビームの位置である。又、図28(A)〜(B)の縦軸は図25及び図26と同様に、Bcentビームが横軸で表される位置にある時のBinビーム、Boutビームによる再生信号Sin及びSoutを表している。更に、図28(D)の縦軸は、差信号Sin-outの値を表している。
 又、同様に、図29は図5に示すピットパターン(5)〜(8)の場合に3ビームが横切った時のScent信号、Sin信号、Sout信号及び差信号Sin-outの変化を示す図であり、横軸は図28と同様に、Bcentビームの位置である。又、図29(A)〜(B)の縦軸は図28と同様に、Bcentビームが横軸で表される位置にある時のBinビーム、Boutビームによる再生信号Sin及びSoutを表している。更に、図29(D)の縦軸は、差信号Sin-outの値を表している。
 図28(A)から判る様に、Bcentビームがピットパターン(1)〜(4)のトラックを横切った場合には、CENTトラックはピットパターン(1)〜(4)のいずれにおいてもミラーであるため、Bcentビームからの戻り光量は増加し、Scent信号の値は常に大きくなる。しかし、CENTトラックを除く他のトラックは、ピットパターン(1)〜(4)にてピットの場合とミラーの場合と様々であり、その出現確率は等しいため、Scent信号の平均値は中間的な値をとる。
 又、BinビームはBcentビームがOUTトラックにある時、CENTトラックの位置にあり、CENTトラックはピットパターン(1)〜(4)のいずれにおいてもミラーであるため、Binビームからの戻り光量は増加し、Sin信号の値は常に大きくなる。しかし、CENTトラックを除く他のトラックは、ピットパターン(1)〜(4)にてピットの場合とミラーの場合と様々であり、その出現確率は等しいため、Sin信号の平均値は中間的な値をとる。
 更に、BoutビームはBcentビームがINトラックにある時、CENTトラックの位置にあり、CENTトラックはピットパターン(1)〜(4)のいずれにおいてもミラーであるため、Boutビームからの戻り光量は増加し、Sout信号の値は常に大きくなる。しかし、CENTトラックを除く他のトラックは、ピットパターン(1)〜(4)にてピットの場合とミラーの場合と様々であり、その出現確率は等しいため、Sout信号の平均値は中間的な値をとる。
 又、図29に示す様に図5の示すピットパターン(5)〜(8)の場合も同様であり、Binビーム、Bcentビーム、及びBoutビームの夫々がCENTトラック位置にある時には、CENTトラックはピットパターン(5)〜(8)のいずれにおいてもピットであるため、各ビームからの戻り光量は減少し、各信号の値は常に小さくなる。しかし、CENTトラックを除く他のトラックは、ピットパターン(5)〜(8)にてピットの場合とミラーの場合と様々であり、その出現確率は等しいため、各信号の平均値は中間的な値をとる。
 従って、Sin信号が大または小の特定値をとるとき、Sout信号は中間値をとり、Sout信号が大または小の特定値をとるとき、Sin信号は中間値をとる関係にあるので、差信号Sin-outを求めると、図28(D)及び図29(D)に示す様に図25(D)及び図26(D)と同様なビームのずれ方向に追従して変化方向が異なる信号が得られ、その極性は図28の場合と図29の場合とで逆になっている。そして、図28と図29との違いは、CENTトラックがピットかミラーかの違いである。
 そこで、本実施形態では、図30に示す様に、ピット/ミラー判別回路15のコンパレーター15aによりBcentビームからの再生信号Scentに基づいてCENTトラックのピット/ミラーを判別し、CENTトラックがピットである場合には、パターン検出ロジック16により反転信号を出力し、ミラーである場合には非反転信号を出力することにより、極性反転回路17のスイッチング素子17a,17bを駆動させ、増幅器19により得られる差信号Sin-outの極性を反転させることにより、図28(D)に示す様な極性の十分なトラッキングエラー信号TEを得る様にしたものである。
 なお、図31の様に、Sin信号とSout信号の極性選択を極性反転回路17,17’により行った後に、差動増幅器19によりSin信号とSout信号の間の減算を行う様にしても良い。更には図32に示す様に、ローパスフィルター18通過後に減算しても構わない。
 以上の様に、本実施形態によれば、Scent信号のみに基づいてCENTトラックのピット/ミラー判別をした場合でも、トラックピッチを光学的カットオフ波長以下とした場合、または光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合であっても、情報記録媒体からトラッキングエラー信号TEを生成することができ、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。又、トラックピッチを狭くすることにより、情報記録媒体の高密度化が可能となる。
 なお、本実施形態では、ビーム間隔がトラックピッチに等しい場合について説明したが、Sin、Sout信号が、CENTトラックからずれた位置で、特定値をとるようにすれば良いのであって、必ずしもビーム間隔がトラックピッチと等しい必要はない。
 (第6の実施形態)
 次に、本発明の第6の実施形態を図33乃至図36に基づいて説明する。なお、第1の実施形態との共通箇所については同一符号を付して説明を省略する。
 本実施形態は、プッシュ・プル法を用いてトラッキングエラー信号TEを得る例であり、図33の様な回路構成によりプッシュ・プル信号Spush-pullを得ている。
 図33に示すように、本実施形態におけるフォトディテクタ9は分割線がトラックと平行である二分割フォトディテクタであり、該フォトディテクタ9のA部からの出力信号は、プリアンプ10aに入力され、又フォトディテクタ9のB部からの出力信号は、プリアンプ10bに入力される。そして、該プリアンプ10a,10bの出力は、第1の信号出力手段としての非反転増幅器21と、第2の信号出力手段としての反転増幅器22とに入力され、該非反転増幅器21においてA部からの信号とB部からの信号とが加算されてScent信号が出力され、又前記反転増幅器22においてはA部からの信号とB部からの信号との差分が演算されてプッシュ・プル信号Spush-pullが出力される。
 以上の様な回路により得られるプッシュ・プル信号Spush-pullの波形を図34に示す。図34は、1つのビームBcentが図5に示す様なIN、CENT、OUTの3つのトラックのピット/ミラーの全ての組み合わせについて横切ったときのプッシュ・プル信号Spush-pullの波形を示すものである。
 図34(A),(H)に示す様に、全てのトラックがピット又はミラーである場合には、プッシュ・プル信号Spush-pullは得られず、又、図34(B),(C),(F),(G)に示す様にピット又はミラーのトラックが隣接するパターンの場合には、プッシュ・プル信号Spush-pullが得られるが、これらの信号はBcentビームがCENTの位置にある場合にもゼロにならず、正又は負の所定の値となるため、トラッキングエラー信号を得るには適していない。
 しかし、図34(D)と図34(E)に示す信号は、BcentビームがCENTトラックの位置にある時にはゼロとなり、BcentビームがINトラック側あるいはOUTトラック側にずれると、ずれの方向に応じて極性の異なるS字状のプッシュ・プル信号Spush-pullが出力されるため、トラッキングエラー信号として用いることができる。但し、図34(D)と図34(E)に示す信号は、互いに極性が異なるため、いずれかの信号の極性を反転させる必要がある。
 本実施形態においては、図35に示す様に、第1の実施形態等と同様にSin、Scent、Soutの3つの信号に基づいて、図34(D)又は図34(E)のピットパターンを選択し、図34(D)のピットパターンの時には非反転信号を、又、図34(E)のピットパターンの時には反転信号を出力することにより、プッシュ・プル信号Spush-pullの極性を反転させる様に構成した。
 又、このピットパターン判別には、図35に示した構成に限られず、図36に示す様に、第6の実施形態と同様にScent信号のみで判別する様に構成しても良い。この様な構成が可能なのは、図34(A)〜図34(H)のパターンの出現確率は等しいので、図34(A)〜図34(D)のパターンを抽出してローパスフィルター18を通した信号は各パターンの平均値と考えられ、これらのパターンの平均値はほぼ図34(D)のパターンと同様の波形となるからである。又、同様に、図34(E)〜図34(H)のパターンを抽出してローパスフィルター18を通した信号は各パターンの平均値と考えられ、これらのパターンの平均値はほぼ図34(E)のパターンと同様の波形となるからである。よってCENTトラックのみのピット/ミラーの判定結果によって、図36に示す様にプッシュ・プル信号Spush-pullの極性を選択し、十分なトラッキングエラー信号TEを得ることができる。
 又、第2の実施形態の様に、INとOUTのピットパターンの非対称性を検出する場合には、Sin-out信号の代わりに、プッシュ・プル信号Spush-pullを用いても良い。図34(B)及び図34(E)から判る様に、BcentビームがINトラック側にオフトラックしてAの位置にあるとすると、プッシュ・プル信号Spush-pullの値が、所定の正の閾値Th+を超えるのは、図34(B)の場合だけであり、図34(E)の場合には閾値Th+を超えることがない。この様に、CENTトラックから微小な距離のトラッキングずれが生じた場合にプッシュ・プル信号Spush-pullの値が所定の正の閾値Th+あるいは所定の負の閾値Th−を超えるのは、図34(B),(C),(F),(G)の場合だけであり、図34(D)及び図34(E)の場合は除かれる。従って、プッシュ・プル信号Spush-pullの値が所定の正の閾値Th+あるいは所定の負の閾値Th−を超える時に、非反転信号または反転信号を出力する様にすれば、第2の実施形態と同様に図5に示す(2)、(3)、(6)、及び(7)のピットパターンのみを取り出すことができ、図20に示す第2の実施形態と同様に、Scent信号のオフトラック時における変化分をローパスフィルター通過後においても抽出することができる。なお、第2の実施形態だけでなく、第1の実施形態のピットパターン判別にプッシュ・プル信号を用いても良いのは言うまでもない。
 更に、第3の実施形態の様に、差信号Sin-outの代わりにプッシュ・プル信号Spush-pullを用いてピットパターン判別を行い、Scent信号とプッシュ・プル信号Spush-pullを乗算することにより極性を切り換える様にしても良い。プッシュ・プル信号Spush-pullによるピットパターン判別の原理については上述と同様である。なお、上述した各実施形態においては、ディスクの記録部をピット、それ以外の非記録部をミラーと表現したが、これはROM型ディスクのような凹凸ピットとして情報が記録されている場合に限らず、相変化型ディスクや色素ディスクのような反射率の異なるピットとして情報が記録されている場合をも含む。
 以上の様に、本実施形態によれば、プッシュ・プル信号をトラッキングエラー信号生成用の信号として用いても、又、ピットパターン判別用の信号として用いても、トラックピッチを光学的カットオフ波長以下とした場合、または光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合のトラッキングエラー信号TEの生成を可能とし、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。又、トラックピッチを狭くすることにより、情報記録媒体の高密度化が可能となる。更に、プッシュ・プル信号を用いることにより、光学系を簡易に構成することができ、コストを低減することができる。
 以上説明した様な、各実施形態のピット/ミラーの判別方式及びトラッキングエラー信号を求めるための信号を表2に示す。
Figure 2004095180
 表2に示す様に、本発明によれば、様々な方法により、トラックピッチを光学的カットオフ波長以下とした場合、または光スポットが最適焦点距離に合焦していない場合でも、トラッキングエラー信号TEを生成することができ、トラッキングサーボ制御を正確に行うことができる。
 また、表2のNo1〜12は、それぞれ独立した1つの方法であるが、いくつかの方法を抽出して重みづけを行い、それらをまとめて1つの方法として適用しても同様の効果が得られるのはもちろんである。
 (第7の実施形態)
 次に、本発明の第7の実施形態を図37及び図38に基づいて説明する。なお、上述した各実施形態との共通箇所については同一符号を付して説明を省略する。
 本実施形態は、フォトディテクタの受光面を光ディスク面の結像位置に配置して構成としたところが上述した各実施形態と異なる。
 図37は本実施形態に係るトラッキングエラー信号生成方法を実施する光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。図37に示すように、本実施形態の光ディスク再生装置においても、レーザーダイオード2と、ビームスプリッタ30と、対物レンズ31と、フォトディテクタ32が備えられている。そして、レーザーダイオード2から照射された光ビームはビームスプリッタ30及び対物レンズ31を介して光ディスク1上に照射され、光ディスク1で反射した光ビームは、対物レンズ31を介してビームスプリッタ30に戻り、そこで反射して進行方向が曲げられてフォトディテクタ32に達する。このように、光ディスク1からの反射光を用いて光ディスク1上の情報を読み取る点については上述した各実施形態と同様である。
 しかしながら、上述した各実施形態においては、光ディスク1上に光スポットが形成されるように光ビームを照射し、光ディスク1上の光スポット径を回折限界まで絞り込んで、その反射光をフォトディテクタ9の受光面で受光している。この時、受光面には光ディスク1に照射されている光スポットが結像しているわけではなく、非点収差による光軸の縦方向と横方向の集光位置の差の半分だけ各方向の焦線位置からずれた、いわゆる遠視野像で検出されている。
 これに対し、本実施形態においては、フォトディテクタ32の受光面は、対物レンズ31による結像位置(焦平面)に設けられており、光ディスク1上には光スポットではなく3トラックに亘る大きさの広がりを有する領域、あるいは一方向にだけ絞られた線状の領域を持った光を照射している。そして、フォトディテクタ32の受光面上ではその照射された光ディスクの3トラックの像を得ている。
 従って、本実施形態によれば、光ディスク1に信号がピットによって記録されている場合には、十分な大きな開口によって観測すればそのピットの凹凸の端部が黒い縁取りの像として観測されるべきところが、開口数が制限されているが故にその縁取りが広がりをもつことになり、ピット全体が黒く観察されるようになる。
 図38にこのような結像位置に設けられたフォトディテクタ32上における3トラックのピットの像の一例を示す。図38において斜線の領域がピットの像を表している。
 また、本実施形態におけるフォトディテクタ32の受光面40〜42は、図38に示すように、結像位置の各トラック50〜52に夫々対応するように半径方向に3分割されている。従って、本実施形態においては、半径上の隣接トラックの信号を同時に検出することができる。図38に示す例では、トラック51が現在読み取り対象となっているトラックであり、トラック50、トラック52はトラック51の隣接トラックである。
 上述した実施形態においては、グレーティング3を用いて3ビームを形成していたため、3ビームが半径方向に一直線にならず、各ビームの再生信号には時間的なずれを生じていた。そして、このずれを補正するために、ディレイ11を設け、各ビームから得られる信号に、回転速度によって変化させた時間差を与え、同一半径上の信号に換算する必要があった。
 しかしながら、本実施形態によれば、現在の読み取り対象トラックだけでなく、半径上において当該トラックに隣接トラックの信号を、3分割した受光面40〜42により同時に検出することができる。従って、図37に示すように、各受光面40〜42を有する受光部に接続されたプリアンプ10と、トラッキングエラー検出回路12との間に、ディレイを設ける必要がないという利点を有している。
 次に、以上のように構成される本実施形態の光ディスク再生装置におけるトラッキングエラー信号の生成方法について説明する。
 本実施形態においては、上述したようにフォトディテクタ32の受光面40〜42が対物レンズ31の結像位置に設けられているが、この結像位置に像を結像させるための光学系の構成は基本的には上述した各実施形態と共通である。従って、本実施形態においても、上述した各実施形態のように、読み取りトラックの検出信号は隣接するトラックからのクロストークの影響を受け、結像位置におけるトラックの像が受光面40〜42の夫々の中央部からずれた場合には、図14に示すようにピットパターンによっては情報読み取り用の受光面41における光量に差を生じる。そこで、本実施形態においても、トラッキングエラー検出回路12を、図12に示すように構成し、特定のピットパターンの時に受光面41における検出信号の極性を反転させ、ローパスフィルター18を通過させることにより、トラッキングエラー信号TEを得るように構成している。但し、本発明はこのような構成に限られることなく、フォトディテクタ32の受光面40〜42を対物レンズ31の結像位置に設けた場合でも、トラッキングエラー検出回路12を、図16、図18、図22、図27、図30、図31、もしくは図32に示した何れの構成にすることも可能である。
 これらの構成において、情報読み取りトラック51の信号を検出するための受光面41に対応するディテクタエレメントから出力信号が、Scentに対応する。また、情報読み取りトラック51に隣接し、このトラック51よりも内周側に位置するトラック50の信号を検出するための受光面40に対応するディテクタエレメントからの出力信号が、Sinに対応する。更に、情報読み取りトラック51に隣接し、このトラック51よりも外周側に位置するトラック52の信号を検出するための受光面42に対応するディテクタエレメントからの出力信号が、Soutに対応する。
 前記トラッキングエラー信号TEはトラッキングサーボ回路13に出力され、トラッキングサーボ回路13においては、このトラッキングエラー信号TEに基づいてアクチュエーター7を制御し、対物レンズ31を光ディスク1の半径方向に移動させることによりトラッキングサーボを行う。なお、上述した第1〜第6の実施形態等においては、光ディスク1のスポットをトラックに追従させるようにトラッキングサーボが行われるが、本実施形態では、結像位置におけるトラック50〜52の像を、受光面40〜42の夫々の中央部に追従させるようにトラッキングサーボが行われる。
 また、上述した各実施形態においては、正確なトラッキングサーボを行うために、ディレイ11の調整を行うことにより3ビームの再生信号の時間的なずれを正確に補正する必要があるが、3ビームの再生信号の時間的なずれは、トラッキングサーボが正確に行われた状態でなければ正確に補正することができない。従って、上述した各実施形態においては、トラッキングサーボによる制御量と前記ディレイ11の調整量を徐々に収束させていく必要がある。
 しかしながら、本実施形態の構成においては、3トラックの信号を時間的なずれがない状態で検出することができるため、このようなディレイの調整の必要がなく、容易にトラッキングサーボを行うことができる。
 以上のように本実施形態によれば、フォトディテクタの位置を対物レンズの結像位置に設けたので、光ディスクに対して所定の大きさの広がりを有する形状あるいは一方向にだけ絞られた線状の光が照射され、フォトディテクタの位置で複数のトラックの像が結像されるので、複数のトラックの信号を時間的ずれがない状態で検出することができ、上述したような適切トラッキングエラー信号を得ることができる。その結果、容易かつ適切なトラッキングサーボを行うことができる。
 (第8の実施形態)
 次に、本発明の第8の実施形態を図39及び図40に基づいて説明する。なお、上述した各実施形態との共通箇所については同一符号を付して説明を省略する。
 本実施形態は、第6の実施形態におけるプッシュプル信号に相当する信号を、第7の実施形態と同様にフォトディテクタを対物レンズの結像位置に設けた構成にて実現するものである。
 本実施形態においては、このような構成を実現するために、図39に示すように、トラック51の中心線に対して半径方向に対象に分割されて配置された受光面43及び受光面44を有するディテクタエレメントを用い、これらのディテクタエレメントにより、ピットの像を半径方向に分割して信号の検出を行っている。
 そして、図40に示すように、夫々の受光面43,44を有するディテクタエレメントからの信号を非反転増幅器21により加算することによりScent信号を得ると共に、反転増幅器22により前記ディテクタエレメントからの信号の差分が演算されてプッシュプル信号に相当するSpp信号を得ている。
 第6の実施形態においては、瞳面、即ちディスクから見て焦点を外れた面でピットを半径方向に分割して信号の検出を行っているの対し、本実施形態においては、焦平面、即ち対物レンズの結像面にてピットの像を半径方向に分割している。これらの構成に電気回路上の差異はないが、第6の実施形態の方法ではディテクタの大きさに制限がないのに対し、本実施形態の方法では結像倍率とトラックピッチからディテクタの大きさに制限がある。
 結像光学系の横倍率をαとすると、ディスク上のトラックピッチpに対し、結像面であるフォトディテクタ32上におけるトラック51,50またはトラック51,52のピッチは、
 (数1)
 α×p  …(1)
で与えられる。ここで、受光面43,44の分割間隔を含む幅の合計dは、ディスク上でのトラック幅あるいはピット幅をsとして表すと、
 (数2)
 d<2×α×p−α×s  …(2)
と設定される。このように設定すると、隣のトラック51,52の記録信号の影響を受けることなく現在の読み取りトラック51とその周囲の像だけを取り込める幅にすることができる。
 この設定とは逆に、
 (数3)
 d≧2×α×p−α×s  …(3)
とすると、フォトディテクタ32は一つのトラックの像だけを検出することが不可能になるので、トラッキングエラー検出が行えなくなる。dは上記の式(2)を満足すればトラッキング位置検出を行うことが可能であり、その値は光の波長、開口数、ディスクのピット幅、トラックピッチに応じて最良の値を得ることができる。
 なお、上述した第7の実施形態及び第8の実施形態においては、各受光面を方形状として形成したが、これは、三角形、長円形、台形等の様々な形状が可能である。また、受光面の分割部分の形状も平行な直線である必要はなく、部分によって幅が異なっても、また、レンズ収差等に応じて曲線によって分割をしても同様の効果を奏することができる。
 以上のように本実施形態によれば、フォトディテクタの位置を対物レンズの結像位置に設けた構成において、トラックを中心に半径方向に分割して配置した受光面を有するディテクタを備え、プッシュプル信号に相当する信号を得ることができるので、第6の実施形態と同様に適切トラッキングエラー信号を得ることができる。その結果、容易かつ適切なトラッキングサーボを行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係るトラッキングエラー信号生成方法を実施する光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の3ビームの接線方向の間隔及び半径方向の間隔を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態のピット配置の例を示す平面図である。 図3に示すA及びBの部分をビームが横切った時の再生信号を示す図である。 本発明の第1の実施形態における各トラックのピットとミラーのパターンを示す平面図である。 図5に示すピットとミラーのパターンを有し半径方向に隣接する3つのトラックを3ビーム中の中央部のビームが横切った時の再生信号波形を示すグラフである。 (A)は図5のパターン(2)、(6)の信号による合成波形を示すグラフ、(B)は図5のパターン(3)、(7)の信号による合成波形を示すグラフ、(C)は(B)の波形から(A)の波形を差し引いた場合に得られる波形を示すグラフである。 トラックピッチが光学的カットオフ波長よりも大であり、且つ光スポットが最適焦点距離に合焦している場合の、半径方向に隣接する3つのトラックのピット/ミラーの全組み合わせに対する、3ビーム中の中央部のビームによる横切り時の再生信号波形、並びに全信号波形の合成波形を示すグラフである。 図8に示す全信号波形の合成波形を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態のトラッキングエラー検出回路の構成を示すブロック図である。 図10の回路のピット/ミラーの判別パターンと、判別結果を示す一覧図である。 本発明の第1の実施形態におけるトラッキングエラー検出回路の他の例の構成を示すブロック図である。 図12の回路のピット/ミラーの判別パターンと、判別結果を示す一覧図である。 図10の回路を用いた場合の動作例を説明するために各再生信号波形等を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態のトラッキングエラー検出回路にてディレイの位置を変えた場合の例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態のトラッキングエラー検出回路の構成を示すブロック図である。 図16の回路のピット/ミラーの判別パターンと、判別結果を示す一覧図である。 本発明の第2の実施形態のトラッキングエラー検出回路の他の例の構成を示すブロック図である。 図18の回路のピット/ミラーの判別パターンと、判別結果を示す一覧図である。 図18の回路を用いた場合の動作例を説明するために各再生信号波形等を示すグラフである。 図18の回路において非反転信号と反転信号の切り換え方法を変えた場合の動作例を説明するために各再生信号波形等を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態におけるトラッキングエラー検出回路の構成を示すブロック図である。 図22の回路を用いた場合の動作例を示すために各再生信号波形等を示すグラフである。 本発明の第4の実施形態において用いるピットとミラーの二つのパターンと、当該パターンを有するトラック上を横切った場合の各ビームの位置を示す平面図である。 図24に示す一方のパターンを各ビームが横切った場合に得られる各再生信号波形等を示すグラフである。 図24に示す他方のパターンを各ビームが横切った場合に得られる各再生信号波形等を示すグラフである。 本発明の第4の実施形態におけるトラッキングエラー検出回路の他の例の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態において中央のトラックがミラーである場合に3ビームの各ビームが各トラックを横切った場合に得られる各再生信号波形等を示すグラフである。 本発明の第5の実施形態において中央のトラックがピットである場合に3ビームの各ビームが各トラックを横切った場合に得られる各再生信号波形等を示すグラフである。 本発明の第5の実施形態におけるトラッキングエラー検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態におけるトラッキングエラー検出回路の他の例の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態におけるトラッキングエラー検出回路の他の例の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態におけるプッシュプル信号生成回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態にて、半径方向に隣接する3つのトラックのピット/ミラーの全組み合わせに対する、プッシュプル信号による波形を示すグラフである。 本発明の第6の実施形態のトラッキングエラー検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態におけるトラッキングエラー検出回路の他の例の構成を示すブロック図である。 本発明の第7の実施形態におけるトラッキングエラー信号生成方法を実施する光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第7の実施形態においてフォトディテクタ上に結像されるトラックの像及びフォトディテクタの受光面を示す図である。 本発明の第8の実施形態においてフォトディテクタ上に結像されるトラックの像及びフォトディテクタの受光面を示す図である。 本発明の第8の実施形態におけるプッシュプル信号に相当する信号の生成回路の構成を示すブロック図である。 トラッキングエラー信号を示すグラフである。
符号の説明
 1…光ディスク
 2…レーザーダイオード
 3…グレーティング
 4…ビームスプリッタ
 5…コリメータ
 6…対物レンズ
 7…アクチュエーター
 8…スピンドルモータ
 9…フォトディテクタ
 10…プリアンプ
 11…ディレイ
 12…トラッキングエラー検出回路
 13…トラッキングサーボ回路
 14…パターン判別回路
 15…ピット/ミラー判別回路
 16…パターン検出ロジック
 17…極性選択回路
 18…ローパスフィルター
 19…増幅器
 20…乗算部
 21…非反転増幅器
 22…反転増幅器
 30…ビームスプリッタ
 31…対物レンズ
 32…フォトディテクタ
 40,41,4243,44…受光面
 50,51,52…トラック(像)

Claims (28)

  1.  情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対し、当該光束を前記半径方向及び前記トラックの接線方向へ前記トラックと相対的に移動させながら照射する照射工程と、
     前記照射が行われたトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を生成する受光工程と、
     前記信号に基づいて少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を行う判別工程と、
     前記光束の前記トラックに対する半径方向の変位に応じた前記反射光に基づく信号の変化を示す特定の信号であって、変化方向が前記変位の方向により異なる特定の信号を、前記判別結果に基づいて取得する信号取得工程と、
     前記判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換える極性切換工程と、 を備えたことを特徴とするトラッキングエラー信号生成方法。
  2.  前記照射工程として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記3つの光束に対する複数トラックからの反射光を受光して各反射光に基づく信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも外側及び内側の光束による前記信号に基づいて当該光束が照射されるトラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  3.  前記照射工程として、1つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光量に基づく所定の信号とプッシュプル信号とを生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも前記プッシュプル信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  4.  前記照射工程として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記3つの光束に対する複数トラックからの反射光を受光して各反射光に基づく信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも中央の光束による前記信号に基づいて当該光束が照射されるトラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、外側と内側の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  5.  前記照射工程として、1つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光量に基づく所定の信号とプッシュプル信号とを生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも前記反射光量に基づく所定の信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、前記プッシュプル信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  6.  前記照射工程として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記3つの光束に対する複数トラックからの反射光を受光して各反射光に基づく信号を生成する工程を備え、前記信号取得工程として、中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備え、前記判別工程として、外側の光束による前記信号と、内側の光束による前記信号との差信号を得る工程を備え、前記極性切換工程として、前記中央の光束による前記信号と前記差信号とを乗算する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  7.  前記照射工程として、1つの光束を照射する工程を備え、前記受光工程として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光量に基づく所定の信号とプッシュプル信号とを生成する工程を備え、前記信号取得工程として、前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得する工程を備え、前記判別工程として、前記プッシュプル信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記極性切換工程として、前記特定の信号に前記プッシュプル信号を乗算する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  8.  情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対し、当該光束を照射する照射手段と、
     前記光束を前記半径方向及び前記トラックの接線方向へ前記トラックと相対的に移動させる移動手段と、
     前記照射が行われたトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力する受光手段と、
     少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を、前記受光手段からの信号に基づいて行う判別手段と、
     前記光束の前記トラックに対する半径方向の変位に応じた前記反射光に基づく信号の変化を示す特定の信号であって、変化方向が前記変位の方向により異なる特定の信号を、前記判別手段の判別結果に基づいて取得する信号取得手段と、
     前記判別手段の判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換える極性切換手段と、
     を備えたことを特徴とするトラッキングエラー信号生成装置。
  9.  前記照射手段として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記3つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも外側及び内側の光束による前記信号に基づいて当該光束が照射されるトラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  10.  前記照射手段として、1つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光する手段を備え、前記受光手段からの信号により反射光量に基づく所定の信号を出力する第1の信号出力手段と、前記受光手段からの信号によりプッシュプル信号を出力する第2の信号出力手段とを更に備え、前記判別手段として、前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記第1の信号出力手段からの前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  11.  前記照射手段として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記3つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも中央の光束による前記信号に基づいて当該光束が照射されるトラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記外側と内側の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  12.  前記照射手段として、1つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光する手段を備え、前記受光手段からの信号により反射光量に基づく所定の信号を出力する第1の信号出力手段と、前記受光手段からの信号によりプッシュプル信号を出力する第2の信号出力手段とを更に備え、前記判別手段として、少なくとも前記第1の信号出力手段からの信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  13.  前記照射手段として、前記半径方向に並ぶ3つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記3つの光束に対するトラックからの反射光を受光して当該反射光に基づく信号を出力する手段を備え、信号取得手段として、前記中央の光束による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備え、前記判別手段として、前記外側の光束による前記信号と、前記内側の光束による前記信号との差信号を算出する算出手段を備え、前記極性切換手段として、当該算出手段により算出した差信号に、前記中央の光束による前記信号を乗算する乗算手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  14.  前記照射手段として、1つの光束を照射する手段を備え、前記受光手段として、前記1つの光束に対するトラックからの反射光を受光する手段を備え、前記受光手段からの信号により反射光量に基づく所定の信号を出力する第1の信号出力手段と、前記受光手段からの信号によりプッシュプル信号を出力する第2の信号出力手段とを更に備え、前記信号取得手段として、前記第1の信号出力手段からの前記反射光量に基づく所定の信号を前記特定の信号として取得する手段を備え、前記判別手段として、前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記極性切換手段として、前記特定の信号に、前記第2の信号出力手段からのプッシュプル信号を乗算する乗算手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  15.  情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対し、当該光束を前記半径方向及び前記トラックの接線方向へ前記トラックと相対的に移動させながら照射する照射工程と、
     前記情報記録媒体上に前記光束を照射した部分の反射による実像を所定の面上に結像させる結像工程と、
     前記所定の面上に配置された受光面にて検出された、少なくとも1つのトラックの実像に基づく信号を出力する受光工程と、
     前記信号に基づいて少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を行う判別工程と、
     前記所定の面上に結像された実像の前記半径方向のずれに追従して変化する特定の信号であって、変化方向が該ずれの方向により異なる特定の信号を、前記判別結果に基づいて取得する信号取得工程と、
     前記判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換える極性切換工程と、
     を備えたことを特徴とするトラッキングエラー信号生成方法。
  16.  前記受光工程として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも外側及び内側の受光部にて検出された前記信号に基づいて当該受光面が検出する実像の記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  17.  前記受光工程として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つの検出信号の第1の差分信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも前記第1の差分信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、前記所定の信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  18.  前記受光工程として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも中央の受光部による前記信号に基づいて当該受光面が検出するトラックの実像の記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、外側と内側の受光面による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  19.  前記受光工程として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成する工程を備え、前記判別工程として、少なくとも前記所定の信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記信号取得工程として、前記第1の差分信号を前記特定の信号として取得する工程を備えたことを特徴とする請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  20.  前記受光工程として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成する工程を備え、前記信号取得工程として、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得する工程を備え、前記判別工程として、外側の受光部による前記信号と、内側の受光部による前記信号との第2の差分信号を得る工程を備え、前記極性切換工程として、前記中央の受光部による前記信号と前記第2の差分信号とを乗算する工程を備えたことを特徴とする請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  21.  前記受光工程として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成する工程を備え、前記信号取得工程として、前記所定の信号を前記特定の信号として取得する工程を備え、前記判別工程として、前記第1の差分信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別する工程を備え、前記極性切換工程として、前記特定の信号に前記第1の差分信号を乗算する工程を備えたことを特徴とする請求項15に記載のトラッキングエラー信号生成方法。
  22.  情報記録媒体の半径方向に光束の大きさよりも小さな間隔で隣接するトラックに対し、当該光束を照射する照射手段と、
     前記光束を前記半径方向及び前記トラックの接線方向へ前記トラックと相対的に移動させる移動手段と、
     前記情報記録媒体上に前記光束を照射した部分の反射による実像を所定の面上に結像させる結像手段と、
     前記所定の面上に配置された受光面にて検出された、少なくとも一つのトラックの実像に基づく信号を出力する受光手段と、
     少なくとも1つのトラックの記録部と非記録部の判別を、前記受光手段からの信号に基づいて行う判別手段と、
     前記所定の面上に結像された実像の前記半径方向のずれに追従して変化する特定の信号であって、変化方向が該ずれの方向により異なる特定の信号を、前記判別手段の判別結果に基づいて取得する信号取得手段と、
     前記判別手段の判別結果に基づいて前記特定の信号の極性を切り換える極性切換手段と、
     を備えたことを特徴とするトラッキングエラー信号生成装置。
  23.  前記受光手段として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を出力する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも外側及び内側の受光部にて検出された前記信号に基づいて当該受光面が検出する実像の記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  24.  前記受光手段として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つの検出信号の第1の差分信号を出力する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも前記第1の差分信号により前記トラックの記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記所定の信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  25.  前記受光手段として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも中央の受光部による前記信号に基づいて当該受光面が検出するトラックの実像の記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、外側と内側の受光面による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  26.  前記受光手段として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成する手段を備え、前記判別手段として、少なくとも前記所定の信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記信号取得手段として、前記第1の差分信号を前記特定の信号として取得する手段を備えたことを特徴とする請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  27.  前記受光手段として、前記所定の面上の半径方向に対応する方向に配置された3つの受光部にて検出された複数トラックの実像に基づく信号を生成する手段を備え、前記信号取得手段として、中央の受光部による前記信号を前記特定の信号として取得する手段を備え、前記判別手段として、外側の受光部による前記信号と、内側の受光部による前記信号との第2の差分信号を得る工程を備え、前記極性切換手段として、前記中央の受光部による前記信号と前記第2の差分信号とを乗算する手段を備えたことを特徴とする請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
  28.  前記受光手段として、前記所定の面上に配置された1つの受光部にて検出された1つのトラックの実像に基づく所定の信号と、1つのトラックの実像をトラックの中心に対して外側及び内側の部分を受光する受光面にて得られた2つ検出信号の第1の差分信号を生成する手段を備え、前記信号取得手段として、前記所定の信号を前記特定の信号として取得する手段を備え、前記判別手段として、前記第1の差分信号により前記トラックの実像の記録部と非記録部を判別する手段を備え、前記極性切換手段として、前記特定の信号に前記第1の差分信号を乗算する手段を備えたことを特徴とする請求項22に記載のトラッキングエラー信号生成装置。
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