JP2004094675A - メッシュデータ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及びメッシュデータ生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子装置の熱流体解析ツール等に入力するメッシュデータのデータ量を効果的に削減可能なメッシュデータ生成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】被解析物体に対して等間隔にメッシュを張って得られるメッシュ要素のうち当該物体を成すものをキューブ要素とすることで当該物体のキューブデータを得た後、所定の条件にてキューブデータを構成するキューブ要素同士を合成してキューブ要素数を削減する構成である。
【選択図】 図7
【解決手段】被解析物体に対して等間隔にメッシュを張って得られるメッシュ要素のうち当該物体を成すものをキューブ要素とすることで当該物体のキューブデータを得た後、所定の条件にてキューブデータを構成するキューブ要素同士を合成してキューブ要素数を削減する構成である。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はメッシュデータ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及びメッシュデータ生成装置に係り、特に効果的にメッシュデータのデータ量を削減可能なメッシュデータ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及びメッシュデータ生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ここでメッシュデータとは、コンピュータを利用して構造解析、伝熱解析、流体解析、熱流体解析、電磁場解析等を行う際、所定の構造体をメッシュ分割して個々のメッシュ要素又はキューブ要素毎にその特性を代表した特性値を与え、当該構造体をそれらのメッシュ要素又はキューブ要素の集合で近似することによって効率的に該当する解析を行うために求めるデータのことを言う。
【0003】
近年のコンピュータ周辺機器としての電子装置の小型化、軽量化に伴い、これら電子装置、特にプリンタ等が発生する熱の挙動を適切に制御する構造の設計が求められ、そのためには、これら装置内の複雑な構造における熱の挙動を精度良く解析することが必要である。そのための技術として熱流体解析技術が有り、当該解析をコンピュータで行うためのツール、即ちソフトウェアに対して与えるべきデータとしてこのメッシュデータが使用され得る。
【0004】
ここで、このようなメッシュデータは基本的には互いに等しい形状のメッシュ要素又はキューブ要素からなるもの、即ち均等メッシュデータであるが、様々な理由から意図的にメッシュ要素又はキューブ要素の形状を異ならせることによって所謂不均等メッシュデータを生成する手法が提案されている。
【0005】
例えば特許文献1では、所定の条件によってメッシュ再分割を行い、もって高度のシミュレーション計算精度を要する部分についてより細かいメッシュ分割を行うメッシュ再分割方法が開示されている。
【0006】
又、特許文献2では、流体解析等に用いるメッシュデータを求めるために粗密の異なる複数の座標格子を含む所望の多重座標格子を作成する座標格子作成支援方法が開示されている。
【0007】
更に特許文献3では、数値解析精度の調整の目的等でメッシュデータの粗密状態を変更する際、スムージング技術の適用によって調整作業の効率化を図る数値解析用メッシュ作成システムが開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−289332号公報
【特許文献2】
特開平04−679号公報
【特許文献3】
特開平06−274573号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記特許文献1の方法では、再分割によってメッシュ分割格子グリッド数が増加することとなり、このようにして得られたメッシュデータを格子グリッド数に解析演算処理量が依存するような解析ツールに対する入力データとして使用した場合、解析演算処理量の増加につながることとなる。
【0009】
又、特許文献2には、実際に解析対象物体表面形状からどのようにしてメッシュデータを得るかについての詳細な説明は見られない。
【0010】
特許文献3には、メッシュ数の削減の手法に関する具体的な説明は見られない。
【0011】
本発明は上記課題に鑑み、比較的簡易な構成にて効果的にメッシュデータのデータ量を削減可能なメッシュデータ生成方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明では、被解析物体を互いに直交する格子グリッドにてメッシュ状に直交分割して解析用メッシュデータを得る方法において、格子グリッドによる直交分割によって得られたメッシュデータを構成するメッシュ要素のうち、被解析物体を成すメッシュ要素からキューブデータを構成し、更に、キューブデータを構成するキューブ要素同士を所定の条件にて合成する段階よりなる構成とした。
【0013】
このような構成によってキューブ要素数を削減可能なため、解析演算によって処理すべき演算処理量を効果的に削減可能である。又、キューブ要素数の削減に応じて当該キューブ要素を画成している格子グリッド本数も削減可能であり、その結果更なる解析演算処理量の削減が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1乃至3と共に、本発明の一実施例を適用可能な熱流体解析ツールとしてのソフトウェアプログラムの動作について説明する。
【0015】
図1は、当該解析ツールにて熱流体解析を行う被解析対象物の一例としての電子装置の斜視図を示す。図示の如く、当該電子装置は筐体10内に多数枚の熱発生源としてのPCB(プリント配線基板)20をPCB台50を介して設け、当該PCBの発生熱を排出するために筐体10には吸気ファン40と排気口30とが設けられている。
【0016】
当該解析ツールでは、オペレータが当該ツールを構成するソフトウェアがインストールされたコンピュータの端末に対して所定の入力動作を行うことによって図1に示す如くの被解析対象物の構造情報を入力する。この場合当該ツールでは被解析対象物の筐体を含む各部品毎に専用のアプリケーションを設け、寸法データを基本として夫々の構成部品の基本特性を加味した入力項目が準備されている。即ち、筐体10は筐体入力用アプリケーションを使用し、吸気ファン40を設ける吸気口、排気口30等の開口は開口入力用アプリケーションを使用して夫々入力し、吸気ファン40は予め準備されたライブラリから該当する項目を選択することで入力する。同様にPCB20もPCB入力用専用ツールが準備されている。
【0017】
このようにして被解析対象物の構造データ入力後、熱流体解析のために環境温度、圧力データの入力、筐体10表面からの放熱量を規定する対流熱伝達率の設定等を行う。
【0018】
ここで上記筐体10に関するデータ入力動作を詳細に述べるに、具体的には、筐体10の寸法、板厚、材質の入力、吸気口、排気口を設ける面の選択及びその座標位置の入力等を行う。上記材質の入力により、該当ツールによって自動的に対応する熱伝導率、板材表面熱放射率等の設定が行われる。又吸気ファン40をライブラリから選択することにより、該当ツールによって自動的に対応する所定のファン特性が設定される。更にファン40については筐体10の厚み方向の設置深さに関するデータも設定する。更に、排気口30については通気抵抗を設定する必要があり、具体的には開口率の設定によって該当ツールによって自動的に算出設定される。その際、開口率も予め準備されているライブラリから選択することによって操作効率を向上可能である。
【0019】
又、PCB20については、その個々の寸法に加え、当該PCBを構成する絶縁体の材質、伝導体の材質、PCBを構成する各配線層の厚さ、配線率の設定、PCB上に搭載する電子部品の発熱量、個数、放射属性等の設定を行う。但し、ここでは個々のPCB20のボード上の各電子部品の温度の挙動を個別に知る必要はないものとし、ボード一面が一様発熱するものとして扱い内部の各電子部品毎の個々の発熱位置、発熱量等は無視するものとする。
【0020】
更に、グリッディングを行う。これは、図1に示す如く入力された各部品の配置及び外形寸法データを基に、当該被解析対象物の内外の所定空間をメッシュ分割する作業である。ここでは、図1に示される如くに貼り付け設定された全ての部品に対して自動的に各部品の稜線にグリッド(格子)が張られる。一般にはこのグリッドのみでは解析精度が粗すぎるため、グリッドの追加作業を行う。図2の(a)、(b)、(c)はこのグリッド追加作業前の状態を示し、(d)は図1に対応する斜視図を示し、(e)はグリッド追加がなされた状態を示す。このようにグリッド追加作業によって全体的に均一なグリッドが張られる。その後実際の熱流体解析の計算手法の選択(圧力、温度方程式の選択)、他の細かい計算条件の設定等を行う。
【0021】
図3はこのような設定作業の後に当該設定を基にして当該電子装置に関してコンピュータが解析ツールによって実行した熱流体解析シミュレーション結果を示す。同図中、(a)は当該被解析対象物体としての電子装置内のPCB台上温度分布、(b)は熱流体フローパターン、(c)は等温度面表示、(d)は装置内の各部品の表面温度を夫々示す。
【0022】
このようにして得られた各部品の温度分布のシミュレーション結果を基に、必要に応じてPCB20の配置、吸気ファン40の容量、吸気口、排気口のサイズ、各部品の材質、寸法、PCBに搭載する部品の耐熱容量等を再吟味し、これらの作業を繰り返すことによって電子装置内部の熱流体の挙動を加味した最適構造設計が効率的に行える。
【0023】
尚、図1に示す如くの各部品の位置及び寸法データの入力では、上述の如くオペレータが各部品毎に寸法、座標位置等を個々に入力せずとも、当該装置の設計の際に得られたCADデータ(IGES,STEP等)を一旦STLデータ等のポリゴンデータに変換して利用することが可能である。具体的には更に図4に示す如く、同図(a)のポリゴンデータを同図(b)の熱流体解析用キューブデータ(直交メッシュ対応)に変換することにより、図1に示す如くの上述した熱流体解析ツールに適合した、構造面の入力データが得られる。これに対して各部品の特性値(材質、発熱量等)等を設定することによって上述の如く熱流体解析用の設定入力が得られる。
【0024】
なお、このように、熱流体解析ツールに提供するデータをCADデータではなくそれを変換したポリゴンデータとする。ポリゴンデータは頂点情報をデータ構造としているため、熱流体解析ツールにおける解析時に行われる頂点検索を高速に実行することが可能となる。また、ポリゴンデータはそのデータ構造も単純な構造のため、熱流体解析ツールの処理アルゴリズムも簡略化される。以上の結果として、複雑なモデル形状においても効率的なメッシュ生成処理が可能となる。
【0025】
又、本発明はこのような熱流体解析ツールに限らず、他の解析ツール、例えば構造解析ツール、電磁場解析ツール等にも適用可能であり、構造解析ツール用では例えば周知のFEMデータ(節点、要素データを含む)、電磁場解析ツール用には例えば周知のサーフェスデータ等の生成の際にも適用可能である。
【0026】
次に、このような種々の解析ツール用のメッシュデータ、例えば熱流体解析ツール用直交メッシュ対応キューブデータの一般的な生成方法に関して説明する。これは例えば図4と共に説明したオリジナルCADデータからキューブデータを得るための手法として適用可能である。
【0027】
図5はCADオリジナルデータとしての球面データを上記キューブデータに変換する手法について示している。この場合、同図(a)に示す如く、オリジナルCADデータによる対象物体に対して格子グリッドによってメッシュを張り、メッシュの各要素を構成する立方体中にオリジナルCADデータによる対象物体が占める体積の割合が一定以上の場合等の判断基準によって各メッシュ要素としての立方体を、当該対象物体の要素を成すか否かによって弁別する。ここで対象物体を成すと判断されたメッシュ要素をキューブ要素と称する。その結果、これらキューブ要素からなる、同図(b)に示す如くの直交メッシュ対応キューブデータが得られることになる。ここで、各キューブ要素は互いに等しい大きさの直方体又は立方体よりなる。
【0028】
このようなメッシュデータ生成方法の場合、対象物体を成すキューブ要素の個数は最初に張った格子グリッドによって画成されたメッシュ要素数と同等となり、対象物体の形状を可能な限り保存しながらメッシュデータを得るために格子グリッド数を多くした場合には結果的に得られるキューブ要素数も多くなり、その結果このようにして得られたキューブデータ又はメッシュデータを適用して実施される解析演算に要される演算処理量も多大となってしまう。
【0029】
以下、図6と共に、本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を概略的に説明する。即ち、同図(a)に示されるように対象物体としての球体Vに対して所定の等間隔で格子グリッドgをメッシュ状に張り巡らし、上述の如く所定の判断規準によって上記格子グリッドgによって画成された直方体のメッシュ要素eの各々について当該対象物体Vを成すか否か判定して同図(b)に示す如くのキューブデータ或いはメッシュデータを得る。同図(b)において、塗りつぶされた部分が、対象物体Xを成すと判定されたメッシュ要素eV、即ちキューブ要素である。尚、図では説明の便宜上2次元で表示しているが、実際には3次元の立体を対象としており、各x−y面、x−z面、y−z面の各々について同様の判定を行うことによって各メッシュ要素eが対象物体Xを成すか否かを決定する。
【0030】
その後、同図(c)に示す如く、所定の条件にて、対象物体Vを成すと判定されたメッシュ要素eV、即ちキューブ要素同士を合成(マージ)する。又、図示の如く、同時に合成されたキューブ要素間を画成していた格子グリッドgも削除する。同図(c)に示される如く、同図(b)に比してキューブ要素数、グリッド数共に相当数削減される。尚、この場合、キューブ要素合成前、即ち同図(b)とキューブ要素合成後、即ち同図(c)とを比較するに、当該合成処理によって対象物体Vを成すキューブ要素eV全体よりなる形状、即ち塗りつぶされている部分の形状は変化していない。即ち、当該合成処理によっても対象物体Vの形状は完全に保存されていることになる。従って対象物体Vの外形形状に関する限り、その後にこのようにして得られたメッシュデータを適用して行われる解析処理における解析精度の劣化は生じないことになる。従って効果的な解析演算処理量の削減が可能となる。尚、後述する如く、本発明の実施例によるキューブ要素合成処理は必ずしも対象物体を成すキューブ要素による外形形状及び/又は総体積の完全保存を絶対条件とはしておらず、諸々の条件によるバリエーションをも設けている。
【0031】
尚、この場合上記のごとく合成処理によっても対象物体Vの外形形状、即ち輪郭形状が保存されるため、結果的に対象物体Vの体積も保存されることとなる。又、当該合成処理の場合においても上記同様、図では説明の便宜上2次元で表示しているが、実際には3次元の立体を対象としており、各x−y面、x−z面、y−z面の各々について同様の合成処理を行ってみて、全ての面において一致したキューブ要素合成の組み合わせについてのみ実際の合成処理を行うものとする。
【0032】
次に、図7乃至10と共に、本発明の一実施例の詳細な説明を行う。図7は本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するためのフローチャートである。同図を参照するに、ステップS1にて、対象物体VのCADオリジナルデータを取り込む。次にステップS2にて、図6等と共に述べた如く、当該取り込み済のCADオリジナルデータによって示される対象物体Vに対して所定の等間隔で格子グリッドgを張り巡らし、当該グリッドにて画成された各メッシュ要素eについて対象物体Vが占める体積割合等の指標によって当該対象物体Vを成すものか否かを判定し、もって図8,(a)、図9,(a)に示す如くのメッシュデータ(キューブデータ)を得る。
【0033】
次にステップS3にて、オペレータの設定入力等によってキューブ要素合成条件の指定入力を受ける。その結果、ステップS4にて、キューブ要素合成後の合成キューブ要素のアスペクト比を考慮するか否かを判断する。その結果アスペクト比を考慮しない場合、ステップS5,S6,S7にて、メッシュデータのx−y面、x−z面、y−z面の夫々についてキューブ要素合成処理を仮に行ってみる。具体的には、例えば図8,(a)、(b)に示す如く、隣り合うキューブ要素同士を合成する。そして、ステップS8にて、更に合成可能なキューブ要素の組み合わせが無いかどうか判断する。その結果更に合成可能なキューブ要素の組み合わせがある場合ステップS5、S6,S7に戻って再度更なる仮の合成処理を行い、ステップS8の判定の結果がNoとなるまで同様の処理を繰り返す。
【0034】
そしてステップS8の判定の結果がNoの場合、ステップS13にて、上記ステップS5,S6,S7の結果全ての面を通して一致したキューブ要素合成組み合わせについてのみ実際のキューブ要素合成処理を実施する。
【0035】
他方、ステップS4にてアスペクト比を考慮すると判断された場合、ステップS9,S10,S11にて、上記ステップS5,S6,S7同様の処理にてメッシュデータのx−y面、x−z面、y−z面の夫々についてキューブ要素合成処理を仮に行う。そして、ステップS12にて、当該キューブ要素仮合成処理の結果得られた合成キューブ要素の各々のアスペクト比をチェックする。具体的には、例えば図8,(b)の場合、合成後の各キューブ要素e1、e2、e3、e4,e5の夫々のアスペクト比、即ち各キューブ要素の該当する面の長方形の隣り合う辺同士の長さの比は、1:2,2:1,6:6、2:1,1:2である。この場合、最大アスペクト比は2である。他方、図9,(b)の場合、合成後の各キューブ要素e1、e2、e3、e4,e5の夫々のアスペクト比、即ち長方形の隣り合う辺同士の長さの比は、1:4,4:1,6:6、4:1,1:4である。この場合、最大アスペクト比は4となる。ここで許容アスペクト比を2と設定している場合を仮定すると、図8,(b)の場合にはステップS12のアスペクト比チェック結果はOKとなり、図9,(b)の場合にはNGとなる。尚、図8,(b)、図9,(b)の夫々の場合において、キューブ要素合成処理の前後で対象物体Vを成すメッシュ要素、即ちキューブ要素eVの全体よりなる形状、総体積共に完全に保存されている。
【0036】
ステップS12の結果がOKの場合、ステップS13にて、上述の如く、上記ステップS9,S10,S11の結果全ての面を通して一致したキューブ要素合成組み合わせについてのみ実際のメッシュ合成処理を実施する。他方、ステップS12の結果がNGの場合、ステップS14にて、対象物体Vを成すメッシュ要素、即ちキューブ要素eV、即ちe1、e2、e3、e4,e5の総体積を保存する条件にて、即ち各キューブ要素の体積を変化させずに、アスペクト比が上記設定条件を越えるキューブ要素e1、e2、e4,e5の各々についてその形状を変化させる。即ち、例えば図9,(c)に示す如く、キューブ要素e1、e5の各々については縦方向の寸法を伸ばすと同時に横方向の寸法を縮めるようにキューブ要素合成の組み合わせを変化させる。同様にキューブ要素e2、e4の各々については縦方向を縮めると同時に横方向を伸ばすようにキューブ要素合成の組み合わせを変化させる。その結果これらのキューブ要素のアスペクト比が改善される。図9,(c)の例では結果的に図8,(b)の状態と同じ状態のキューブ要素の組み合わせによる合成結果が得られている。尚、このステップS14におけるアスペクト比改善処理は、実際には3次元形状を考慮して行われ、x−y面、x−z面、y−z面の各々において各キューブ要素の該当する面のアスペクト比が改善されるように実施される。
【0037】
そして、このようにアスペクト比が改善されるようにキューブ要素の組み合わせが調整された状態において、ステップS13にて、上記同様、上記x−y面、x−z面、y−z面に対する合成キューブ要素組み合わせ調整の結果、全ての面を通して一致したキューブ要素合成組み合わせについてのみ実際のキューブ要素合成処理を実施する。
【0038】
図10は、上記ステップS4にて、アスペクト比を考慮しないと判断された場合、即ちNoの場合の処理例を示す。この場合、ステップS5,S6,S7による一回目のキューブ要素合成処理の結果が例えば図8、(b)のようになり、この状態、即ち図10,(a)の状態において、ステップS8にて、更にキューブ要素合成可と判断された場合、即ちYesの場合を考える。その場合、図10,(b)に示す如く、更に同図(a)におけるキューブ要素e1、e5及びe3の一部を合成して新たなキューブ要素e1とし、同様に元のキューブ要素e2、e4及びe3の一部を合成して新たなキューブ要素e2とする。
【0039】
尚、図10の場合も前述の全ての場合同様、合成によって生成された各合成キューブ要素e1、e2、e3は、直方体である必要があり、そのため図示の面では元の対象物体Vの形状を保存しているが、当該面と直交する他の面においては厳密には対象物体の形状は保存されない。但し、当該対象物体Vが、図示の面と直交する面においてはその寸法が短い場合、即ち厚みがあまりない物体の場合、実質的に全ての面(x−y面、x−z面、y−z面)において対象物体Vの形状が略保存されたキューブ要素合成処理と言える。
【0040】
このように適宜キューブ要素の合成を行なって対象物体を成すキューブ要素の個数を削減することにより、当該メッシュデータを適用して実施される、図1乃至3で説明した如くの熱流体解析シミュレーション演算処理の演算処理量を効果的に削減可能である。特に、アスペクト比を考慮しない場合、即ちステップS4のNoの場合、合成後のキューブ要素が直方体であるという条件を満たすように、可能な限りキューブ要素同士の合成を繰り返すことにより、更なる演算量の削減が可能となる。
【0041】
他方、当該メッシュデータ生成方法によって得られたメッシュデータを適用すべき解析ツールによっては、解析演算の方式上キューブ要素のアスペクト比に制限が設けられている場合があり、その場合にはステップS4をYesとして当該制限の範囲内にアスペクト比を抑えるようにする必要がある。
【0042】
尚、メッシュデータ全体を構成するメッシュ要素数、即ち対象物体Vを成すメッシュ要素以外のメッシュ要素、即ち外部空間を成すメッシュ要素も含めたメッシュ要素の総数を考えた場合、図8、(b)、図9、(b)の各々の場合の合成処理では、格子グリッドgの本数自体も削減されているためメッシュ要素総数も削減されている。このため、以後このデータを適用して実施される解析演算の演算処理量は確実に削減され得る。
【0043】
他方、図10の例では格子グリッド本数は変わらないため、メッシュ要素総数は変化していない。しかしながらこのような場合であっても、上述の如く対象物体Vを構成するキューブ要素数が5から3に削減されている。通常熱流体解析等の解析演算では、対象物体Vは、それを構成するキューブ要素数分の要素からなると見なされ、特性値もキューブ要素数分設定される。したがってキューブ要素数の削減によっても効果的に解析演算の演算処理量を削減可能である。
【0044】
図11は本発明の一実施例を実施可能な一例のコンピュータの構成を示すブロック図である。このコンピュータは、各種演算処理をメモリと共に実行するCPUと、上記メモリと、オペレータが必要なデータ入力等行うための入力部と、CPUにて行われた処理結果等をオペレータに対して表示する表示部と、各種プログラム等を格納する格納部と、CD−ROMドライブと、LAN等の通信網との通信を司るモデムとよりなる。
【0045】
図7乃至10と共に説明したメッシュデータ生成方法を当該コンピュータに実行させるためのソフトウェアプログラムは、例えばCD−ROMに記録されてCD−ROMドライブによって読み出されて一旦格納部に格納される。それがCPUによって読み出されてCPUはメモリを適宜使用しながら当該ソフトウェアプログラムに従って図7乃至10と共に説明したメッシュデータ生成方法を実行する。尚、当該ソフトウェアプログラムはCD−ROM以外にLAN経由で他のサーバからダウンロードすることも可能である。
【0046】
このように本発明によるソフトウェアプログラムがコンピュータで実行されることにより、そのコンピュータを、本発明の特徴ある手段を備えた装置として実現することが可能である。
尚、実際には当該ソフトウェアプログラムは図1乃至3と共に説明した熱流体解析ツールを構成するソフトウェアプログラムと組み合わせて使用されることが望ましい。即ち、本発明の実施例によるメッシュ生成ソフトウェアプログラムによってオリジナルCADデータが図6に示す如くにメッシュデータに変換され、このようにして得られたメッシュデータを熱流体解析ツールに対する入力データとして使用する。その結果、被解析物体としての電子装置の各構成部品の寸法及び座標位置の入力、並びにグリッド追加作業は省略可能であり、オペレータは各部品の特性データ、即ち、材質、発熱量等を入力し、解析条件の設定を行うのみで解析シミュレーションを実施可能となる。
【0047】
本発明は以下の付記に記載の構成を含む。
【0048】
(付記1)
対象物体に対して互いに直交する格子グリッドを張る段階と、
当該格子グリッドによって対象物体を分割することによって得られたメッシュデータから、対象物体を成すメッシュ要素からなるキューブデータを構成する段階と、
当該キューブデータにおいて、所定の条件によってキューブ要素同士を合成してキューブ要素数を減らす段階とよりなるメッシュデータ生成方法。
【0049】
(付記2)
前記キューブデータは、各メッシュ要素中に占める対象物体の態様によって当該メッシュ要素が対象物体を成すか否かを判定することによって得られるものである付記1に記載のメッシュデータ生成方法。
(付記3)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階は、当該キューブ要素同士の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素によって形成される形状が変化しない場合に限って行われる付記1又は2に記載のメッシュデータ生成方法。
(付記4)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階は、当該キューブ要素同士の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素の総体積が実質的に変化しない場合に限って行われる付記1又は2に記載のメッシュデータ生成方法。
(付記5)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階では、当該キューブ要素同士の合成後のキューブ要素の各々の面形状のアスペクト比が所定の範囲内に収まる態様でキューブ要素の合成が実施される付記1乃至4の内の何れか一項に記載のメッシュデータ生成方法。
【0050】
(付記6)
各キューブ要素は直方体形状を有し、前記アスペクト比は当該直方体形状を構成する各面の長方形の互いに直交する辺同士の長さの比である付記5に記載のメッシュデータ生成方法。
(付記7)
キューブ要素同士の合成によるキューブ要素数の減少に応じてキューブ要素を画成する格子グリッド本数も減少させる構成の付記1乃至6の内の何れか一項に記載のメッシュデータ生成方法。
(付記8)
対象物体に対して互いに直交する格子グリッドを張る段階と、
当該格子グリッドによって対象物体を分割することによって得られたメッシュデータから、当該物体を成すメッシュ要素からなるキューブ要素によるキューブデータを得る段階と、
所定の条件によってキューブ要素同士を合成してキューブデータを構成するキューブ要素数を減らす段階とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0051】
(付記9)
前記キューブデータは、各メッシュ要素中に占める対象物体の態様によって当該メッシュ要素が対象物体を成すか否かを判断することによって得られるものである付記8に記載のプログラム。
(付記10)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階は、当該キューブ要素同士の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素によって形成される形状が変化しない場合に限って行われる付記8又は9に記載のプログラム。
(付記11)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階は、当該キューブ要素問の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素の総体積が実質的に変化しない場合に限って行われる付記8又は9に記載のプログラム。
(付記12)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階では、当該キューブ要素同士の合成後のキューブ要素の各々の面形状のアスペクト比が所定の数値範囲内に収まる態様でキューブ要素の合成を実施する構成の付記8又は9に記載のプログラム。
(付記13)
各キューブ要素は直方体形状を有し、前記アスペクト比は当該直方体形状を構成する各面の長方形の互いに直交する辺同士の長さの比である付記12に記載のプログラム。
【0052】
(付記14)
キューブ要素同士の合成によるキューブ要素数の減少に応じてキューブ要素を画成する格子グリッド本数も減少させる構成の付記8乃至13の内の何れか一項に記載のプログラム。
(付記15)
対象物体に対して互いに直交する格子グリッドを張る設定手段と、
当該格子グリッドによって対象物体を分割することによって得られたメッシュデータから、対象物体を成すメッシュ要素からなるキューブデータを求める算出手段と、
当該キューブデータにおいて、所定の条件によってキューブ要素同士を合成する合成手段とを備えることを特徴とするメッシュデータ生成装置。
(付記16)
前記算出手段は、各メッシュ要素中に占める対象物体の態様によって当該メッシュ要素が対象物体を成すか否かを判定することによって該キューブデータを得るものである付記15に記載のメッシュデータ生成装置。
(付記17)
前記合成手段は、前記キューブ要素同士の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素によって形成される形状が変化しない場合に限って前記キューブ要素同士の合成を行う付記16又は17に記載のメッシュデータ生成装置。
(付記18)
前記合成手段は、前記キューブ要素問土の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素の総体積が実質的に変化しない場合に限って前記キューブ要素同士の合成を行う付記16又は17に記載のメッシュデータ生成装置。
(付記19)
前記合成手段は、前記キューブ要素同士の合成後のキューブ要素の各々の面形状のアスペクト比が所定の範囲内に収まる態様でキューブ要素の合成を行う付記16乃至18の内の何れか一項に記載のメッシュデータ生成装置。
(付記20)
各キューブ要素は直方体形状を有し、前記アスペクト比は当該直方体形状を構成する各面の長方形の互いに直交する辺同士の長さの比である付記19に記載のメッシュデータ生成装置。
(付記21)
キューブ要素同士の合成によるキューブ要素数の減少に応じてキューブ要素を画成する格子グリッド本数も減少させる制御手段をさらに備えたことを特徴とする付記16乃至20の内の何れか一項に記載のメッシュデータ生成装置。
【発明の効果】
このように本発明によれば、電子装置の熱流体解析ツール等へ適用するメッシュデータを生成するにあたり、データ量を効果的に削減可能であり、その結果、コンピュータに当該方法を実行させる場合の所要演算処理量、演算処理時間を効果的に削減可能であり、電子装置の熱流体解析作業等の大幅な効率化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な熱流体解析ツールの動作を説明するための図(その1)である。
【図2】本発明を適用可能な熱流体解析ツールの動作を説明するための図(その2)である。
【図3】本発明を適用可能な熱流体解析ツールの動作を説明するための図(その3)である。
【図4】CADデータ等のポリゴンデータを熱流体解析用キューブデータに変換した例を示す図である。
【図5】一般的なメッシュデータ生成法を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するための図(その1)である。
【図7】本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するための図(その2)である。
【図9】本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するための図(その3)である。
【図10】本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するための図(その4)である。
【図11】本発明を適用可能なコンピュータの構成を説明するためのブロック図である。
【発明の属する技術分野】
本発明はメッシュデータ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及びメッシュデータ生成装置に係り、特に効果的にメッシュデータのデータ量を削減可能なメッシュデータ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及びメッシュデータ生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ここでメッシュデータとは、コンピュータを利用して構造解析、伝熱解析、流体解析、熱流体解析、電磁場解析等を行う際、所定の構造体をメッシュ分割して個々のメッシュ要素又はキューブ要素毎にその特性を代表した特性値を与え、当該構造体をそれらのメッシュ要素又はキューブ要素の集合で近似することによって効率的に該当する解析を行うために求めるデータのことを言う。
【0003】
近年のコンピュータ周辺機器としての電子装置の小型化、軽量化に伴い、これら電子装置、特にプリンタ等が発生する熱の挙動を適切に制御する構造の設計が求められ、そのためには、これら装置内の複雑な構造における熱の挙動を精度良く解析することが必要である。そのための技術として熱流体解析技術が有り、当該解析をコンピュータで行うためのツール、即ちソフトウェアに対して与えるべきデータとしてこのメッシュデータが使用され得る。
【0004】
ここで、このようなメッシュデータは基本的には互いに等しい形状のメッシュ要素又はキューブ要素からなるもの、即ち均等メッシュデータであるが、様々な理由から意図的にメッシュ要素又はキューブ要素の形状を異ならせることによって所謂不均等メッシュデータを生成する手法が提案されている。
【0005】
例えば特許文献1では、所定の条件によってメッシュ再分割を行い、もって高度のシミュレーション計算精度を要する部分についてより細かいメッシュ分割を行うメッシュ再分割方法が開示されている。
【0006】
又、特許文献2では、流体解析等に用いるメッシュデータを求めるために粗密の異なる複数の座標格子を含む所望の多重座標格子を作成する座標格子作成支援方法が開示されている。
【0007】
更に特許文献3では、数値解析精度の調整の目的等でメッシュデータの粗密状態を変更する際、スムージング技術の適用によって調整作業の効率化を図る数値解析用メッシュ作成システムが開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−289332号公報
【特許文献2】
特開平04−679号公報
【特許文献3】
特開平06−274573号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記特許文献1の方法では、再分割によってメッシュ分割格子グリッド数が増加することとなり、このようにして得られたメッシュデータを格子グリッド数に解析演算処理量が依存するような解析ツールに対する入力データとして使用した場合、解析演算処理量の増加につながることとなる。
【0009】
又、特許文献2には、実際に解析対象物体表面形状からどのようにしてメッシュデータを得るかについての詳細な説明は見られない。
【0010】
特許文献3には、メッシュ数の削減の手法に関する具体的な説明は見られない。
【0011】
本発明は上記課題に鑑み、比較的簡易な構成にて効果的にメッシュデータのデータ量を削減可能なメッシュデータ生成方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明では、被解析物体を互いに直交する格子グリッドにてメッシュ状に直交分割して解析用メッシュデータを得る方法において、格子グリッドによる直交分割によって得られたメッシュデータを構成するメッシュ要素のうち、被解析物体を成すメッシュ要素からキューブデータを構成し、更に、キューブデータを構成するキューブ要素同士を所定の条件にて合成する段階よりなる構成とした。
【0013】
このような構成によってキューブ要素数を削減可能なため、解析演算によって処理すべき演算処理量を効果的に削減可能である。又、キューブ要素数の削減に応じて当該キューブ要素を画成している格子グリッド本数も削減可能であり、その結果更なる解析演算処理量の削減が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1乃至3と共に、本発明の一実施例を適用可能な熱流体解析ツールとしてのソフトウェアプログラムの動作について説明する。
【0015】
図1は、当該解析ツールにて熱流体解析を行う被解析対象物の一例としての電子装置の斜視図を示す。図示の如く、当該電子装置は筐体10内に多数枚の熱発生源としてのPCB(プリント配線基板)20をPCB台50を介して設け、当該PCBの発生熱を排出するために筐体10には吸気ファン40と排気口30とが設けられている。
【0016】
当該解析ツールでは、オペレータが当該ツールを構成するソフトウェアがインストールされたコンピュータの端末に対して所定の入力動作を行うことによって図1に示す如くの被解析対象物の構造情報を入力する。この場合当該ツールでは被解析対象物の筐体を含む各部品毎に専用のアプリケーションを設け、寸法データを基本として夫々の構成部品の基本特性を加味した入力項目が準備されている。即ち、筐体10は筐体入力用アプリケーションを使用し、吸気ファン40を設ける吸気口、排気口30等の開口は開口入力用アプリケーションを使用して夫々入力し、吸気ファン40は予め準備されたライブラリから該当する項目を選択することで入力する。同様にPCB20もPCB入力用専用ツールが準備されている。
【0017】
このようにして被解析対象物の構造データ入力後、熱流体解析のために環境温度、圧力データの入力、筐体10表面からの放熱量を規定する対流熱伝達率の設定等を行う。
【0018】
ここで上記筐体10に関するデータ入力動作を詳細に述べるに、具体的には、筐体10の寸法、板厚、材質の入力、吸気口、排気口を設ける面の選択及びその座標位置の入力等を行う。上記材質の入力により、該当ツールによって自動的に対応する熱伝導率、板材表面熱放射率等の設定が行われる。又吸気ファン40をライブラリから選択することにより、該当ツールによって自動的に対応する所定のファン特性が設定される。更にファン40については筐体10の厚み方向の設置深さに関するデータも設定する。更に、排気口30については通気抵抗を設定する必要があり、具体的には開口率の設定によって該当ツールによって自動的に算出設定される。その際、開口率も予め準備されているライブラリから選択することによって操作効率を向上可能である。
【0019】
又、PCB20については、その個々の寸法に加え、当該PCBを構成する絶縁体の材質、伝導体の材質、PCBを構成する各配線層の厚さ、配線率の設定、PCB上に搭載する電子部品の発熱量、個数、放射属性等の設定を行う。但し、ここでは個々のPCB20のボード上の各電子部品の温度の挙動を個別に知る必要はないものとし、ボード一面が一様発熱するものとして扱い内部の各電子部品毎の個々の発熱位置、発熱量等は無視するものとする。
【0020】
更に、グリッディングを行う。これは、図1に示す如く入力された各部品の配置及び外形寸法データを基に、当該被解析対象物の内外の所定空間をメッシュ分割する作業である。ここでは、図1に示される如くに貼り付け設定された全ての部品に対して自動的に各部品の稜線にグリッド(格子)が張られる。一般にはこのグリッドのみでは解析精度が粗すぎるため、グリッドの追加作業を行う。図2の(a)、(b)、(c)はこのグリッド追加作業前の状態を示し、(d)は図1に対応する斜視図を示し、(e)はグリッド追加がなされた状態を示す。このようにグリッド追加作業によって全体的に均一なグリッドが張られる。その後実際の熱流体解析の計算手法の選択(圧力、温度方程式の選択)、他の細かい計算条件の設定等を行う。
【0021】
図3はこのような設定作業の後に当該設定を基にして当該電子装置に関してコンピュータが解析ツールによって実行した熱流体解析シミュレーション結果を示す。同図中、(a)は当該被解析対象物体としての電子装置内のPCB台上温度分布、(b)は熱流体フローパターン、(c)は等温度面表示、(d)は装置内の各部品の表面温度を夫々示す。
【0022】
このようにして得られた各部品の温度分布のシミュレーション結果を基に、必要に応じてPCB20の配置、吸気ファン40の容量、吸気口、排気口のサイズ、各部品の材質、寸法、PCBに搭載する部品の耐熱容量等を再吟味し、これらの作業を繰り返すことによって電子装置内部の熱流体の挙動を加味した最適構造設計が効率的に行える。
【0023】
尚、図1に示す如くの各部品の位置及び寸法データの入力では、上述の如くオペレータが各部品毎に寸法、座標位置等を個々に入力せずとも、当該装置の設計の際に得られたCADデータ(IGES,STEP等)を一旦STLデータ等のポリゴンデータに変換して利用することが可能である。具体的には更に図4に示す如く、同図(a)のポリゴンデータを同図(b)の熱流体解析用キューブデータ(直交メッシュ対応)に変換することにより、図1に示す如くの上述した熱流体解析ツールに適合した、構造面の入力データが得られる。これに対して各部品の特性値(材質、発熱量等)等を設定することによって上述の如く熱流体解析用の設定入力が得られる。
【0024】
なお、このように、熱流体解析ツールに提供するデータをCADデータではなくそれを変換したポリゴンデータとする。ポリゴンデータは頂点情報をデータ構造としているため、熱流体解析ツールにおける解析時に行われる頂点検索を高速に実行することが可能となる。また、ポリゴンデータはそのデータ構造も単純な構造のため、熱流体解析ツールの処理アルゴリズムも簡略化される。以上の結果として、複雑なモデル形状においても効率的なメッシュ生成処理が可能となる。
【0025】
又、本発明はこのような熱流体解析ツールに限らず、他の解析ツール、例えば構造解析ツール、電磁場解析ツール等にも適用可能であり、構造解析ツール用では例えば周知のFEMデータ(節点、要素データを含む)、電磁場解析ツール用には例えば周知のサーフェスデータ等の生成の際にも適用可能である。
【0026】
次に、このような種々の解析ツール用のメッシュデータ、例えば熱流体解析ツール用直交メッシュ対応キューブデータの一般的な生成方法に関して説明する。これは例えば図4と共に説明したオリジナルCADデータからキューブデータを得るための手法として適用可能である。
【0027】
図5はCADオリジナルデータとしての球面データを上記キューブデータに変換する手法について示している。この場合、同図(a)に示す如く、オリジナルCADデータによる対象物体に対して格子グリッドによってメッシュを張り、メッシュの各要素を構成する立方体中にオリジナルCADデータによる対象物体が占める体積の割合が一定以上の場合等の判断基準によって各メッシュ要素としての立方体を、当該対象物体の要素を成すか否かによって弁別する。ここで対象物体を成すと判断されたメッシュ要素をキューブ要素と称する。その結果、これらキューブ要素からなる、同図(b)に示す如くの直交メッシュ対応キューブデータが得られることになる。ここで、各キューブ要素は互いに等しい大きさの直方体又は立方体よりなる。
【0028】
このようなメッシュデータ生成方法の場合、対象物体を成すキューブ要素の個数は最初に張った格子グリッドによって画成されたメッシュ要素数と同等となり、対象物体の形状を可能な限り保存しながらメッシュデータを得るために格子グリッド数を多くした場合には結果的に得られるキューブ要素数も多くなり、その結果このようにして得られたキューブデータ又はメッシュデータを適用して実施される解析演算に要される演算処理量も多大となってしまう。
【0029】
以下、図6と共に、本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を概略的に説明する。即ち、同図(a)に示されるように対象物体としての球体Vに対して所定の等間隔で格子グリッドgをメッシュ状に張り巡らし、上述の如く所定の判断規準によって上記格子グリッドgによって画成された直方体のメッシュ要素eの各々について当該対象物体Vを成すか否か判定して同図(b)に示す如くのキューブデータ或いはメッシュデータを得る。同図(b)において、塗りつぶされた部分が、対象物体Xを成すと判定されたメッシュ要素eV、即ちキューブ要素である。尚、図では説明の便宜上2次元で表示しているが、実際には3次元の立体を対象としており、各x−y面、x−z面、y−z面の各々について同様の判定を行うことによって各メッシュ要素eが対象物体Xを成すか否かを決定する。
【0030】
その後、同図(c)に示す如く、所定の条件にて、対象物体Vを成すと判定されたメッシュ要素eV、即ちキューブ要素同士を合成(マージ)する。又、図示の如く、同時に合成されたキューブ要素間を画成していた格子グリッドgも削除する。同図(c)に示される如く、同図(b)に比してキューブ要素数、グリッド数共に相当数削減される。尚、この場合、キューブ要素合成前、即ち同図(b)とキューブ要素合成後、即ち同図(c)とを比較するに、当該合成処理によって対象物体Vを成すキューブ要素eV全体よりなる形状、即ち塗りつぶされている部分の形状は変化していない。即ち、当該合成処理によっても対象物体Vの形状は完全に保存されていることになる。従って対象物体Vの外形形状に関する限り、その後にこのようにして得られたメッシュデータを適用して行われる解析処理における解析精度の劣化は生じないことになる。従って効果的な解析演算処理量の削減が可能となる。尚、後述する如く、本発明の実施例によるキューブ要素合成処理は必ずしも対象物体を成すキューブ要素による外形形状及び/又は総体積の完全保存を絶対条件とはしておらず、諸々の条件によるバリエーションをも設けている。
【0031】
尚、この場合上記のごとく合成処理によっても対象物体Vの外形形状、即ち輪郭形状が保存されるため、結果的に対象物体Vの体積も保存されることとなる。又、当該合成処理の場合においても上記同様、図では説明の便宜上2次元で表示しているが、実際には3次元の立体を対象としており、各x−y面、x−z面、y−z面の各々について同様の合成処理を行ってみて、全ての面において一致したキューブ要素合成の組み合わせについてのみ実際の合成処理を行うものとする。
【0032】
次に、図7乃至10と共に、本発明の一実施例の詳細な説明を行う。図7は本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するためのフローチャートである。同図を参照するに、ステップS1にて、対象物体VのCADオリジナルデータを取り込む。次にステップS2にて、図6等と共に述べた如く、当該取り込み済のCADオリジナルデータによって示される対象物体Vに対して所定の等間隔で格子グリッドgを張り巡らし、当該グリッドにて画成された各メッシュ要素eについて対象物体Vが占める体積割合等の指標によって当該対象物体Vを成すものか否かを判定し、もって図8,(a)、図9,(a)に示す如くのメッシュデータ(キューブデータ)を得る。
【0033】
次にステップS3にて、オペレータの設定入力等によってキューブ要素合成条件の指定入力を受ける。その結果、ステップS4にて、キューブ要素合成後の合成キューブ要素のアスペクト比を考慮するか否かを判断する。その結果アスペクト比を考慮しない場合、ステップS5,S6,S7にて、メッシュデータのx−y面、x−z面、y−z面の夫々についてキューブ要素合成処理を仮に行ってみる。具体的には、例えば図8,(a)、(b)に示す如く、隣り合うキューブ要素同士を合成する。そして、ステップS8にて、更に合成可能なキューブ要素の組み合わせが無いかどうか判断する。その結果更に合成可能なキューブ要素の組み合わせがある場合ステップS5、S6,S7に戻って再度更なる仮の合成処理を行い、ステップS8の判定の結果がNoとなるまで同様の処理を繰り返す。
【0034】
そしてステップS8の判定の結果がNoの場合、ステップS13にて、上記ステップS5,S6,S7の結果全ての面を通して一致したキューブ要素合成組み合わせについてのみ実際のキューブ要素合成処理を実施する。
【0035】
他方、ステップS4にてアスペクト比を考慮すると判断された場合、ステップS9,S10,S11にて、上記ステップS5,S6,S7同様の処理にてメッシュデータのx−y面、x−z面、y−z面の夫々についてキューブ要素合成処理を仮に行う。そして、ステップS12にて、当該キューブ要素仮合成処理の結果得られた合成キューブ要素の各々のアスペクト比をチェックする。具体的には、例えば図8,(b)の場合、合成後の各キューブ要素e1、e2、e3、e4,e5の夫々のアスペクト比、即ち各キューブ要素の該当する面の長方形の隣り合う辺同士の長さの比は、1:2,2:1,6:6、2:1,1:2である。この場合、最大アスペクト比は2である。他方、図9,(b)の場合、合成後の各キューブ要素e1、e2、e3、e4,e5の夫々のアスペクト比、即ち長方形の隣り合う辺同士の長さの比は、1:4,4:1,6:6、4:1,1:4である。この場合、最大アスペクト比は4となる。ここで許容アスペクト比を2と設定している場合を仮定すると、図8,(b)の場合にはステップS12のアスペクト比チェック結果はOKとなり、図9,(b)の場合にはNGとなる。尚、図8,(b)、図9,(b)の夫々の場合において、キューブ要素合成処理の前後で対象物体Vを成すメッシュ要素、即ちキューブ要素eVの全体よりなる形状、総体積共に完全に保存されている。
【0036】
ステップS12の結果がOKの場合、ステップS13にて、上述の如く、上記ステップS9,S10,S11の結果全ての面を通して一致したキューブ要素合成組み合わせについてのみ実際のメッシュ合成処理を実施する。他方、ステップS12の結果がNGの場合、ステップS14にて、対象物体Vを成すメッシュ要素、即ちキューブ要素eV、即ちe1、e2、e3、e4,e5の総体積を保存する条件にて、即ち各キューブ要素の体積を変化させずに、アスペクト比が上記設定条件を越えるキューブ要素e1、e2、e4,e5の各々についてその形状を変化させる。即ち、例えば図9,(c)に示す如く、キューブ要素e1、e5の各々については縦方向の寸法を伸ばすと同時に横方向の寸法を縮めるようにキューブ要素合成の組み合わせを変化させる。同様にキューブ要素e2、e4の各々については縦方向を縮めると同時に横方向を伸ばすようにキューブ要素合成の組み合わせを変化させる。その結果これらのキューブ要素のアスペクト比が改善される。図9,(c)の例では結果的に図8,(b)の状態と同じ状態のキューブ要素の組み合わせによる合成結果が得られている。尚、このステップS14におけるアスペクト比改善処理は、実際には3次元形状を考慮して行われ、x−y面、x−z面、y−z面の各々において各キューブ要素の該当する面のアスペクト比が改善されるように実施される。
【0037】
そして、このようにアスペクト比が改善されるようにキューブ要素の組み合わせが調整された状態において、ステップS13にて、上記同様、上記x−y面、x−z面、y−z面に対する合成キューブ要素組み合わせ調整の結果、全ての面を通して一致したキューブ要素合成組み合わせについてのみ実際のキューブ要素合成処理を実施する。
【0038】
図10は、上記ステップS4にて、アスペクト比を考慮しないと判断された場合、即ちNoの場合の処理例を示す。この場合、ステップS5,S6,S7による一回目のキューブ要素合成処理の結果が例えば図8、(b)のようになり、この状態、即ち図10,(a)の状態において、ステップS8にて、更にキューブ要素合成可と判断された場合、即ちYesの場合を考える。その場合、図10,(b)に示す如く、更に同図(a)におけるキューブ要素e1、e5及びe3の一部を合成して新たなキューブ要素e1とし、同様に元のキューブ要素e2、e4及びe3の一部を合成して新たなキューブ要素e2とする。
【0039】
尚、図10の場合も前述の全ての場合同様、合成によって生成された各合成キューブ要素e1、e2、e3は、直方体である必要があり、そのため図示の面では元の対象物体Vの形状を保存しているが、当該面と直交する他の面においては厳密には対象物体の形状は保存されない。但し、当該対象物体Vが、図示の面と直交する面においてはその寸法が短い場合、即ち厚みがあまりない物体の場合、実質的に全ての面(x−y面、x−z面、y−z面)において対象物体Vの形状が略保存されたキューブ要素合成処理と言える。
【0040】
このように適宜キューブ要素の合成を行なって対象物体を成すキューブ要素の個数を削減することにより、当該メッシュデータを適用して実施される、図1乃至3で説明した如くの熱流体解析シミュレーション演算処理の演算処理量を効果的に削減可能である。特に、アスペクト比を考慮しない場合、即ちステップS4のNoの場合、合成後のキューブ要素が直方体であるという条件を満たすように、可能な限りキューブ要素同士の合成を繰り返すことにより、更なる演算量の削減が可能となる。
【0041】
他方、当該メッシュデータ生成方法によって得られたメッシュデータを適用すべき解析ツールによっては、解析演算の方式上キューブ要素のアスペクト比に制限が設けられている場合があり、その場合にはステップS4をYesとして当該制限の範囲内にアスペクト比を抑えるようにする必要がある。
【0042】
尚、メッシュデータ全体を構成するメッシュ要素数、即ち対象物体Vを成すメッシュ要素以外のメッシュ要素、即ち外部空間を成すメッシュ要素も含めたメッシュ要素の総数を考えた場合、図8、(b)、図9、(b)の各々の場合の合成処理では、格子グリッドgの本数自体も削減されているためメッシュ要素総数も削減されている。このため、以後このデータを適用して実施される解析演算の演算処理量は確実に削減され得る。
【0043】
他方、図10の例では格子グリッド本数は変わらないため、メッシュ要素総数は変化していない。しかしながらこのような場合であっても、上述の如く対象物体Vを構成するキューブ要素数が5から3に削減されている。通常熱流体解析等の解析演算では、対象物体Vは、それを構成するキューブ要素数分の要素からなると見なされ、特性値もキューブ要素数分設定される。したがってキューブ要素数の削減によっても効果的に解析演算の演算処理量を削減可能である。
【0044】
図11は本発明の一実施例を実施可能な一例のコンピュータの構成を示すブロック図である。このコンピュータは、各種演算処理をメモリと共に実行するCPUと、上記メモリと、オペレータが必要なデータ入力等行うための入力部と、CPUにて行われた処理結果等をオペレータに対して表示する表示部と、各種プログラム等を格納する格納部と、CD−ROMドライブと、LAN等の通信網との通信を司るモデムとよりなる。
【0045】
図7乃至10と共に説明したメッシュデータ生成方法を当該コンピュータに実行させるためのソフトウェアプログラムは、例えばCD−ROMに記録されてCD−ROMドライブによって読み出されて一旦格納部に格納される。それがCPUによって読み出されてCPUはメモリを適宜使用しながら当該ソフトウェアプログラムに従って図7乃至10と共に説明したメッシュデータ生成方法を実行する。尚、当該ソフトウェアプログラムはCD−ROM以外にLAN経由で他のサーバからダウンロードすることも可能である。
【0046】
このように本発明によるソフトウェアプログラムがコンピュータで実行されることにより、そのコンピュータを、本発明の特徴ある手段を備えた装置として実現することが可能である。
尚、実際には当該ソフトウェアプログラムは図1乃至3と共に説明した熱流体解析ツールを構成するソフトウェアプログラムと組み合わせて使用されることが望ましい。即ち、本発明の実施例によるメッシュ生成ソフトウェアプログラムによってオリジナルCADデータが図6に示す如くにメッシュデータに変換され、このようにして得られたメッシュデータを熱流体解析ツールに対する入力データとして使用する。その結果、被解析物体としての電子装置の各構成部品の寸法及び座標位置の入力、並びにグリッド追加作業は省略可能であり、オペレータは各部品の特性データ、即ち、材質、発熱量等を入力し、解析条件の設定を行うのみで解析シミュレーションを実施可能となる。
【0047】
本発明は以下の付記に記載の構成を含む。
【0048】
(付記1)
対象物体に対して互いに直交する格子グリッドを張る段階と、
当該格子グリッドによって対象物体を分割することによって得られたメッシュデータから、対象物体を成すメッシュ要素からなるキューブデータを構成する段階と、
当該キューブデータにおいて、所定の条件によってキューブ要素同士を合成してキューブ要素数を減らす段階とよりなるメッシュデータ生成方法。
【0049】
(付記2)
前記キューブデータは、各メッシュ要素中に占める対象物体の態様によって当該メッシュ要素が対象物体を成すか否かを判定することによって得られるものである付記1に記載のメッシュデータ生成方法。
(付記3)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階は、当該キューブ要素同士の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素によって形成される形状が変化しない場合に限って行われる付記1又は2に記載のメッシュデータ生成方法。
(付記4)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階は、当該キューブ要素同士の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素の総体積が実質的に変化しない場合に限って行われる付記1又は2に記載のメッシュデータ生成方法。
(付記5)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階では、当該キューブ要素同士の合成後のキューブ要素の各々の面形状のアスペクト比が所定の範囲内に収まる態様でキューブ要素の合成が実施される付記1乃至4の内の何れか一項に記載のメッシュデータ生成方法。
【0050】
(付記6)
各キューブ要素は直方体形状を有し、前記アスペクト比は当該直方体形状を構成する各面の長方形の互いに直交する辺同士の長さの比である付記5に記載のメッシュデータ生成方法。
(付記7)
キューブ要素同士の合成によるキューブ要素数の減少に応じてキューブ要素を画成する格子グリッド本数も減少させる構成の付記1乃至6の内の何れか一項に記載のメッシュデータ生成方法。
(付記8)
対象物体に対して互いに直交する格子グリッドを張る段階と、
当該格子グリッドによって対象物体を分割することによって得られたメッシュデータから、当該物体を成すメッシュ要素からなるキューブ要素によるキューブデータを得る段階と、
所定の条件によってキューブ要素同士を合成してキューブデータを構成するキューブ要素数を減らす段階とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0051】
(付記9)
前記キューブデータは、各メッシュ要素中に占める対象物体の態様によって当該メッシュ要素が対象物体を成すか否かを判断することによって得られるものである付記8に記載のプログラム。
(付記10)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階は、当該キューブ要素同士の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素によって形成される形状が変化しない場合に限って行われる付記8又は9に記載のプログラム。
(付記11)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階は、当該キューブ要素問の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素の総体積が実質的に変化しない場合に限って行われる付記8又は9に記載のプログラム。
(付記12)
前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階では、当該キューブ要素同士の合成後のキューブ要素の各々の面形状のアスペクト比が所定の数値範囲内に収まる態様でキューブ要素の合成を実施する構成の付記8又は9に記載のプログラム。
(付記13)
各キューブ要素は直方体形状を有し、前記アスペクト比は当該直方体形状を構成する各面の長方形の互いに直交する辺同士の長さの比である付記12に記載のプログラム。
【0052】
(付記14)
キューブ要素同士の合成によるキューブ要素数の減少に応じてキューブ要素を画成する格子グリッド本数も減少させる構成の付記8乃至13の内の何れか一項に記載のプログラム。
(付記15)
対象物体に対して互いに直交する格子グリッドを張る設定手段と、
当該格子グリッドによって対象物体を分割することによって得られたメッシュデータから、対象物体を成すメッシュ要素からなるキューブデータを求める算出手段と、
当該キューブデータにおいて、所定の条件によってキューブ要素同士を合成する合成手段とを備えることを特徴とするメッシュデータ生成装置。
(付記16)
前記算出手段は、各メッシュ要素中に占める対象物体の態様によって当該メッシュ要素が対象物体を成すか否かを判定することによって該キューブデータを得るものである付記15に記載のメッシュデータ生成装置。
(付記17)
前記合成手段は、前記キューブ要素同士の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素によって形成される形状が変化しない場合に限って前記キューブ要素同士の合成を行う付記16又は17に記載のメッシュデータ生成装置。
(付記18)
前記合成手段は、前記キューブ要素問土の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素の総体積が実質的に変化しない場合に限って前記キューブ要素同士の合成を行う付記16又は17に記載のメッシュデータ生成装置。
(付記19)
前記合成手段は、前記キューブ要素同士の合成後のキューブ要素の各々の面形状のアスペクト比が所定の範囲内に収まる態様でキューブ要素の合成を行う付記16乃至18の内の何れか一項に記載のメッシュデータ生成装置。
(付記20)
各キューブ要素は直方体形状を有し、前記アスペクト比は当該直方体形状を構成する各面の長方形の互いに直交する辺同士の長さの比である付記19に記載のメッシュデータ生成装置。
(付記21)
キューブ要素同士の合成によるキューブ要素数の減少に応じてキューブ要素を画成する格子グリッド本数も減少させる制御手段をさらに備えたことを特徴とする付記16乃至20の内の何れか一項に記載のメッシュデータ生成装置。
【発明の効果】
このように本発明によれば、電子装置の熱流体解析ツール等へ適用するメッシュデータを生成するにあたり、データ量を効果的に削減可能であり、その結果、コンピュータに当該方法を実行させる場合の所要演算処理量、演算処理時間を効果的に削減可能であり、電子装置の熱流体解析作業等の大幅な効率化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な熱流体解析ツールの動作を説明するための図(その1)である。
【図2】本発明を適用可能な熱流体解析ツールの動作を説明するための図(その2)である。
【図3】本発明を適用可能な熱流体解析ツールの動作を説明するための図(その3)である。
【図4】CADデータ等のポリゴンデータを熱流体解析用キューブデータに変換した例を示す図である。
【図5】一般的なメッシュデータ生成法を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するための図(その1)である。
【図7】本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するための図(その2)である。
【図9】本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するための図(その3)である。
【図10】本発明の一実施例によるメッシュデータ生成方法を説明するための図(その4)である。
【図11】本発明を適用可能なコンピュータの構成を説明するためのブロック図である。
Claims (5)
- 対象物体に対して互いに直交する格子グリッドを張る段階と、
当該格子グリッドによって対象物体を分割することによって得られたメッシュデータから、当該物体を成すメッシュ要素からなるキューブ要素によるキューブデータを得る段階と、
所定の条件によってキューブ要素同士を合成してキューブデータを構成するキューブ要素数を減らす段階とをコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階は、当該キューブ要素同士の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素によって形成される形状が変化しない場合に限って行われる請求項1に記載のプログラム。
- 前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階は、当該キューブ要素問の合成によっても、結果的に合成後のキューブ要素の総体積が実質的に変化しない場合に限って行われる請求項1に記載のプログラム。
- 前記キューブ要素同士の合成によってキューブ要素数を減らす段階では、当該キューブ要素同士の合成後のキューブ要素の各々の面形状のアスペクト比が所定の数値範囲内に収まる態様でキューブ要素の合成を実施する構成の請求項1乃至3のうちの何れかに記載のプログラム。
- 対象物体に対して互いに直交する格子グリッドを張る設定手段と、
当該格子グリッドによって対象物体を分割することによって得られたメッシュデータから、対象物体を成すメッシュ要素からなるキューブデータを求める算出手段と、
当該キューブデータにおいて、所定の条件によってキューブ要素同士を合成する合成手段とを備えることを特徴とするメッシュデータ生成装置。
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