JP2004094576A - 営業管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】営業の実態を把握して、販売員などに適切な指示ができる営業管理システムを提供する。
【解決手段】営業実態を記憶する記憶部1と、記憶部1に記憶されたデータを処理する処理部2と、この処理部2に連係した入出力部3とを備え、上記記憶部1には、顧客が所属する会社などの集合体の特性と、販売員の特性とを記憶する機能を備えるとともに、上記集合体の属性にはその集合体におけるマーケットボリュームを含み、販売員の特性には、担当集合体毎の訪問回数および集合体の構成員との接触人数を含む一方、処理部2は、入出力部3の信号に基づいて、特定の集合体毎とその担当販売員との対応関係を維持しながら、集合体毎に、営業密度=販売員の顧客接触人数/マーケットボリューム、を演算するとともに、集合体毎に、訪問回数、営業密度および売上を入出力部に出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】営業実態を記憶する記憶部1と、記憶部1に記憶されたデータを処理する処理部2と、この処理部2に連係した入出力部3とを備え、上記記憶部1には、顧客が所属する会社などの集合体の特性と、販売員の特性とを記憶する機能を備えるとともに、上記集合体の属性にはその集合体におけるマーケットボリュームを含み、販売員の特性には、担当集合体毎の訪問回数および集合体の構成員との接触人数を含む一方、処理部2は、入出力部3の信号に基づいて、特定の集合体毎とその担当販売員との対応関係を維持しながら、集合体毎に、営業密度=販売員の顧客接触人数/マーケットボリューム、を演算するとともに、集合体毎に、訪問回数、営業密度および売上を入出力部に出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、生命保険の営業のように、特定の会社を訪問しつつ、その会社の社員個人を営業対象にする営業の管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている営業管理システムのほとんどは、特定の会社に対する訪問回数とその売上との相関性を基にして、営業の管理をするようにしていた。なぜなら、生命保険の営業のように、特定の会社を訪問しつつ、その会社の社員個人を営業対象にする特殊な営業形態には、なにをおいても、まず会社に訪問する回数を上げることが、売上を上げる大前提になるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した特殊な営業形態には、上記従来の営業管理システムが、ほとんど役に立たない。例えば、特定の会社に対して、特定の販売員の訪問回数が十分に多いにもかかわらず、その売上が伸びないときに、なぜ売上が上がらないのかが分からない。そのために、管理者側では、その特定の販売員に対して、訪問回数が十分であるにもかかわらず、もっと訪問回数を上げろといった闇雲な指示しか出せないという問題があった。
【0004】
また、訪問回数と売上との実績だけでは、会社全体を一つの集合体としてみたとき、その集合体における営業の現状を把握することができない。例えば、その集合体は、今後、訪問回数を上げることによって、売上が上がる対象なのか、あるいは訪問回数を上げても、それほど売上が上がらない対象なのかといったことが把握できない。
この発明の目的は、営業の実態を把握して、販売員などに適切な指示ができる営業管理システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、営業実態を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されたデータを処理する処理部と、この処理部に連係した入出力部とを備え、上記記憶部には、顧客が所属する会社などの集合体の特性と、販売員の特性とを記憶する機能を備えるとともに、上記集合体の属性にはその集合体におけるマーケットボリュームを含み、販売員の特性には、担当集合体毎の訪問回数および集合体の構成員との接触人数を含む一方、処理部は、入出力部の信号に基づいて、特定の集合体毎とその担当販売員との対応関係を維持しながら、集合体毎に、営業密度=販売員の顧客接触人数/マーケットボリューム、を演算するとともに、集合体毎に、訪問回数、営業密度および売上を入出力部に出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員個人毎に、すべての担当集合体を合算して訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、処理部は、集合体毎の営業密度を算出する際に、その集合体に属する個々人の購買見込度をパラメータに加える機能を備えたことを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、第1〜第3の発明において、処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、全販売員の平均的な訪問回数、営業密度および売上をも併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0009】
第5の発明は、第1〜第4の発明において、処理部は、訪問回数、営業密度および売上の推移を、グラフや表等を用いて視覚的に表示し、入出力部に出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0010】
第6の発明は、第1〜第5の発明において、処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、担当する集合体のマーケットボリュームをも併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
第7の発明は、第1〜第6の発明において、処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、売上金の回収率をも併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
第8の発明は、第1〜第7の発明において、処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、当該販売員の担当集合体全部を訪問するために要する交通費をも併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0011】
第9の発明は、第1又は第3の発明において、処理部は、販売員個人毎に、訪問する集合体を営業密度によって分類し、営業密度の高低別に集合体の割合を算出し、その結果を入出力部に出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0012】
第10の発明は、第9の発明において、処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員毎に、営業密度の高い集合体の業種一覧を入出力部に出力する機能を備えたことを特徴とする。
第11の発明は、第10の発明において、処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員毎に、営業密度の高い集合体の一覧を表示する際に、集合体の位置する地理的条件の表示も併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
第12の発明は、第10又は第11の発明において、処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員毎に、営業密度の高い集合体の一覧を表示する際に、集合体に属する個人の性別人数比や年齢分布の表示も併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図7に従い、この発明の実施態様を示す。
図1はこの実施態様の全体のシステムを示すものである。
コンピュータCは、記憶部1と、処理部2と、入出力部3を備えている。このコンピュータCは、スタンドアロンで使用されてもよいし、サーバー・クライアント型のシステムを構成し、通信回線を介して他のコンピュータや携帯端末等と接続していてもよい。
また、上記記憶部1には、集合体の特性データと、販売員の特性データとが記憶されている。これらのデータは、複数のコンピュータの記憶部に分散して記憶されていてもよい。
入出力部3には、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ等が含まれる。
【0014】
上記の集合体とは、営業のターゲットである個人客が所属する団体であり、民間会社に限らず、官公庁、病院あるいは学校等の非営利法人等も含む。集合体の特性には、その集合体の名称、所在地、業種、マーケットボリューム、男女従業員の比率、年齢構成等がある。ここで、マーケットボリュームとは、必ずしも従業員総数ではない。集合体によっては、外部の者の入場が制限されるエリアを設けているところもあり、販売員が営業に訪問をしても、接することができる従業員が限られることがある。このような場合は、マーケットボリュームとは、販売員が接触可能な従業員の人数を意味することになる。
なお、販売員が会社等の集合体を訪問した場合、従業員だけではなく、その会社等の経営者等とも接触できることがある。しかし、説明の便宜上、集合体を訪問した販売員が接触できる相手を従業員と表現する。
【0015】
また、上記集合体の特性には、その集合体を構成する従業員の購買履歴や購買見込度なども含まれる。ここで言う購買見込度とは、例えば、Aランク、Bランク、Cランクの3段階が考えられる。そして、上記Aランクとは、顧客となる見込が高い個人、Cランクとは顧客となりそうもない個人、Bランクとは、どちらともいえない個人をいう。しかも、これら各ランクには、ぞれをカテゴリーデータとして扱うために、なんらかの値を対応づける。例えば、Aランクは5点、Bランクは3点、Cランクは1点と言った重み付けをしておく。なお、この購買見込度は、営業活動によって変動する。たとえば、Aランクの顧客は、購入直後はCランクに変化する。
【0016】
一方、上記の販売員の特性には、その販売員の氏名、年齢、経験年数等の個人情報のほかに、営業実績データも含む。営業実績データには、担当する集合体毎の訪問回数、接触した従業員の人数、売上高、回収率等を含む。
【0017】
記憶部1に記憶される集合体や販売員のデータは、名称・氏名や業種等の書誌的データと日々の営業によって発生する業務データとに大別される。そして、業務データは、発生の都度、あるいは日毎、週毎等の所定のタイミングで更新されていく。データ入力の仕方としては、訪問先から帰社した販売員が、入出力部3を介して入力する場合や、販売員が外出先から携帯端末や携帯電話を介して入力する場合等が考えられる。
【0018】
このシステムの利用者は、自分が必要とする情報を得るために、入出力部3を介して所定の信号を処理部2に送る。例えば、販売員A氏の過去1年間の売上を表示せよ、といった命令を処理部2に対して送信する。処理部2は、この信号に基づいて、適宜記憶部1から必要なデータを取得し、データをそのまま、あるいはデータを適宜加工して、入出力部3に出力表示する。表示の方法は、ディスプレイへの表示やプリンタ出力等がある。
このシステムの利用者として想定されるのは、主に販売員を管理する立場にある者であるが、販売員が自己の実績等を確認するために利用することを妨げるものではない。
【0019】
次に、この実施態様でどのようなデータをどのように表示するのか、図2〜図4に従い、具体例を説明する。
図2に、このシステム起動時の画面の1例を示す。担当販売員欄4は、データ表示対象を特定する欄である。
全社ボタン4aは、会社全体の営業実績を求める場合に選択し、部署ボタン4bは、特定の部署全体の営業実績を求める場合に選択し、個別販売員ボタン4cは、特定の販売員の個別の営業実績を求める場合に選択するボタンである。ただし、部署ボタン4bを選択した場合は、部署入力欄4dに特定の部署を入力して、それを特定する必要がある。同様に、個別販売員ボタン4cを選択した場合は、販売員入力欄4eに特定の販売員を入力して、それを特定する必要がある。なお、部署入力欄4dには、部署名を入力あるいは識別コードを入力してもよいし、部署の一覧が表示されるようになっており、マウス等で特定してもよい。販売員入力欄4eについても、販売員の氏名を入力あるいは識別コードを入力してもよいし、販売員の一覧が表示されるようになっており、マウス等で特定してもよい。いずれにしても、部署あるいは販売員が特定されればよい。
【0020】
なお、このシステムの利用者は、管理者だけでなく販売員も考えられる。利用者が管理者か販売員かによって、担当販売員欄4の指定範囲に制限を設けてもよい。例えば、販売員が利用するときは、全社ボタン4aと部署ボタン4bは選択できず、個別販売員ボタン4cのみ選択できるが、その場合、販売員入力欄4eでは、自分だけしか指定できない等の制限が考えられる。そのためには、あらかじめ、利用者のパスワードに対応づけた利用者レベルを記憶部1に記憶させておき、処理部2は、パスワードが入力された時に利用者レベルを記憶部1から取り出し、利用者レベルに応じてボタン4a、4b等の選択を制限すればよい。
【0021】
また、実績ボタン5aは、訪問回数や売上等の営業実績を求めるときに選択するボタンである。上記した全社ボタン4aあるいは部署ボタン4bを選択したときは、会社全体あるいは特定された部署全体の営業実績が求められ、上記した個別販売員ボタン4cで販売員を特定した場合には、当該販売員の営業実績が求められることになる。この実績ボタン5aを選択した場合は、後述するように担当会社と期間を指定する必要がある。
【0022】
密度分析ボタン5bは、集合体の営業密度の一覧を求めるときに選択するボタンである。そして、営業密度とは、前記したマーケットボリュームの中で、販売員が営業行為の実行として接触した顧客の数であり、営業密度=販売員の顧客接触人数/マーケットボリューム、で算出される。なお、この場合にも、上記した販売員入力欄4eで販売員を特定した場合には、当該販売員の営業密度が求められ、全社ボタン4aあるいは部署ボタン4bを選択したときには、会社全体あるいは特定された部署全体が担当する集合体の営業密度一覧が求められることになる。密度分析ボタン5bを選択したときは、後述する期間を指定するボタン8aあるいは8bで期間の指定が必要である。
【0023】
次に、営業実績上位会社一覧ボタン5cは、売上や営業密度に着目して、上位の集合体の一覧を表示するために選択するものである。営業実績上位会社一覧ボタン5cを選択したときは、後述する期間を指定するボタン8aあるいは8bで期間の指定が必要である。
【0024】
さらに、合計ボタン7aは、担当販売員欄4にて特定した対象が担当する全集合体の営業実績の合算値を求める場合に選択するボタンである。個別ボタン7bは、担当集合体の個別の営業実績を求める場合に選択するボタンである。ただし、この個別ボタン7bを選択した場合は、顧客入力欄7cに特定の担当集合体を入力して、それを特定する必要がある。
【0025】
日付指定ボタン8aは、集計対象期間がいつからいつまでかを指定するためのボタンである。すなわち、このボタン8aを選択すると、その期間指定欄に入力が可能になり、指定期間を特定できる。また、過去指定ボタン8bは、現在から過去という期間を特定するために使用するボタンである。ただし、この過去指定ボタン8bを選択した場合は、現在から遡って何ヶ月前、何日前、過去何週間前までの期間を入力して、それを特定する必要がある。
【0026】
図2の画面において、例えば、販売員A氏の担当集合体X社における2002年4月1日から2002年6月30日までの営業実績を検索する場合には、次のようにする。すなわち、まず、個別販売員ボタン4cを選択し、販売員入力欄4eに販売員A氏の名前を入力するとともに、実績ボタン5aを選択する。さらに、個別ボタン7bを選択して、顧客入力欄7cにX社の名前を入力する。そして、日付指定ボタン8aを選択して、2002年4月1日〜2002年6月30日を入力し、検索実行ボタン6を押す。
【0027】
上記のようにして検索実行ボタン6を押すと、処理部2は記憶部1から集合体Xおよび販売員Aの特性データから、指定されたデータを抽出して、その指定条件に応じた集合体Xにおける販売員Aの訪問回数、営業密度および売上とを算出し、それらを入出力部3を介して、図3(1)に示すグラフ9を表示する。この図3(1)では、棒グラフを用いているが、視覚的な効果をあげるものであるならば、どんなグラフでもよいし、グラフの代わりに表でもよい。訪問回数と営業密度と売上以外に、マーケットボリュームや回収率も追加表示してもよい。なお、このシステムでは、訪問回数、営業密度と売上の3者を表示することが不可欠なのであって、それをどのように表示するのか、他にどのような情報を表示するのか等は、運用の問題にすぎない。
【0028】
ここで、営業密度とは、前記したようにマーケットボリュームに対する販売員の顧客接触人数の割合で、例えば、従業員が150人いるが、販売員が接触可能な従業員は100人であり、販売員が実際に接触したのは10人であったとする。この場合、営業密度は、10人÷100人=0.1である。分子である顧客接触人数は、販売員の営業努力によって伸ばすことが可能である。そこで、この営業密度は、販売員の営業実績を評価するための指標となりうる数値である。
【0029】
先の例でいえば、本来100人に対し営業活動ができるにもかかわらず、10人を対象としているにすぎないので、それだけ売上の機会を逸していると言いうる。そこで、このような販売員に対して、管理者は、もっと訪問回数を増やし、営業密度を上げるように指導ができる。
また、訪問回数の割には営業密度が低い販売員に対しては、一回の訪問時、滞在時間を増やし、より多くの従業員と接するように指導ができる。このように、営業密度という概念を導入したことによって、管理者は、販売員に対し、数字に裏付けられた具体的な指導をすることが可能となった。
【0030】
上記のように、営業密度は重要な評価要素である。しかし、より一層精緻な営業評価をするためには、顧客のランクを考慮することが望ましい。例えば、甲会社も乙会社も、いずれもマーケットボリュームが100人であり、販売員が実際に接触したのは10人である場合、営業密度は共に0.1である。しかし、甲会社で接触した10人は、いずれも顧客となる見込みが低く、乙会社で接触した10人は、その多くがもう一押しで顧客となりうるものとする。
【0031】
上記の場合、営業密度が同じ0.1であるといっても、甲会社と乙会社の実態はかなり異なる。そこで、例えば、営業密度を算出する際に、前記した購買見込度を算入することによって、より精緻な営業評価が可能になる。なお、この場合、処理部2は次の算式に基づいて営業密度を算出する。
(営業密度)={(営業マンが接触したAランクの人数)×(Aランクの重み)
+(営業マンが接触したBランクの人数)×(Bランクの重み)
+(営業マンが接触したCランクの人数)×(Cランクの重み)}/(接触できる人の最大数)
【0032】
上記の例で、もし、甲会社で販売員が接触した10人がいずれもCランクであり、乙会社で販売員が接触した10人のうち、8人がAランク、2人がBランクであれば、甲会社の営業密度は、(10人×1)/100人=0.1であり、乙会社の営業密度は、(8人×5+2人×3)/100人=0.46となる。この値から、甲会社よりも乙会社をターゲットにして営業活動を行うほうが、売上アップに直結する可能性が高いことがわかる。このように、購買見込度を考慮して営業密度を算出すると、実態に即した営業の評価が可能となる。また、このようにして算出した営業密度は、集合体のランク付けの指標ともなる。Aランクの従業員が多い集合体は、集合体自体のランクも高いと考えられるからである。
【0033】
この購買見込度は、販売員の申告によるもので、販売員の経験や勘に依存することになる。したがって、その正確度は、販売員の能力や資質に依存せざるを得ない。このように販売員の能力等に依存せざるを得ないとしても、購買見込度を考慮した営業情報の方が、効率的な営業を展開するうえで有用な指標となることは間違いない。
なお、この実施態様では、顧客をA、BおよびCの3ランクに分けたが、顧客のランクをいくつ設けるのか、重みをいくらにするか等は運用の問題にすぎない。要するに、購買の見込度を考慮して営業密度を算出することに意義があるのである。ただし、このことは、顧客となる見込度を考慮しない営業密度が、指標としての意義を欠くことを意味するのではない。マーケットボリュームに対し、どれだけの営業攻勢をかけたかを意味する指標として、依然意義があるからである。
【0034】
図3(1)では、指定された期間の合計をグラフで表示したが、図3(2)のように、月別で表示してもよい。また、図3(3)のように、当該販売員の実績グラフ9と並べて、平均値のグラフ10を表示してもよい。当該販売員の担当する全集合体の平均でもよいし、全販売員の平均でもよい。要は、当該販売員の営業実績を、種々の角度から比較分析できればよい。
【0035】
図3(2)は、図3(4)のように折れ線グラフで表すと、時系列の変化が一目瞭然となって営業の評価に便利である。なお、図3(4)では、各月の実績値をプロットして折れ線表示したのであるが、移動平均線の折れ線グラフを表示してもよい。
図3(1)〜(4)で表示する営業密度は、購買見込度を考慮した値であっても、考慮しない値であってもよい。ただ、いずれの値も、営業評価の指標となるので、同時に表示するか、一方だけを表示する場合も、表示の切換えによって他方の表示もできることが望ましい。
いずれにしても、これらは、処理部2が記憶部1に記憶されているデータを基にしていかようにもできることである。また、これらの出力状況を選択できるボタンを特別に設けてもよいことは当然である。
【0036】
以上の説明は、販売員の集合体ごとの実績を表示する例についてであったが、当該販売員が指定された期間内に挙げた実績、すなわち、担当する全ての集合体の値を合算し、表示してもよい。訪問回数の合計、営業密度の合計、売上の合計の他に、マーケットボリューム合計、回収率、交通費を表示することも有用である。ここで、回収率とは、売上合計に対する回収金額合計の割合である。
これらのことも、処理部2が記憶部1に記憶されているデータに基づいて演算処理するものである。
【0037】
このシステムは、訪問回数と売上との間に営業密度を介在させて、営業実績を評価するところに主眼がある。そこで、これら3者間の関連を散布図で表現することも意味がある。したがって、処理部2にこれら散布図を作成する機能を備えさせてもよい。散布図として、例えば、図4(1)は、評価対象となる販売員A氏の担当する集合体の訪問回数を横軸に、営業密度を縦軸にとり、プロットしたものである。同様に、図4(2)は、営業密度と売上の対応を、図4(3)は、訪問回数と売上の対応をプロットしたものである。あるいは、図4(4)のように、三次元座標の各軸に訪問回数、営業密度と売上をとり、各担当集合体に対応する点をプロットしてもよい。
図3と同様に、図4で表示する営業密度は、購買見込度を考慮した値であっても、考慮しない値であってもよい。ただ、いずれの値も、参照できるようにすることが望ましい。
【0038】
図4(1)〜(4)は、特定された販売員の実績を表示するものであるが、成績優秀あるいは平均的な他の販売員の実績、全社平均の実績も同時に表示してもよい。この場合、販売員ごとにプロットする点の表示カラーを変える等、識別できるように表示するのはいうまでもない。また、図4(4)は、適宜利用者が見やすいように任意の方向に任意の角度だけ回転させ、表示する機能を備えても便利である。さらに、図4(1)〜(4)の4種類のグラフを入出力部3に同時に表示してもよい。
このように、営業実績の出力表示の仕方は、種々考えられるが、出力結果をどのように解釈し、出力結果から何を評価するかは、このシステムの利用者次第である。このシステムは、あくまで営業管理を支援するツールにすぎないのである。
【0039】
なお、上記した実施態様では、販売員A氏の担当集合体X社における営業実績をどのように表示するかについて説明した。しかし、担当集合体X社を担当する販売員が不明の場合もある。この場合は、全社ボタン4aを選択し、顧客入力欄7cにX社を入力すればよい。このように、販売員を特定しない場合でも、集合体名を特定すれば、個別の集合体の営業実績を求めることができる。
【0040】
次に、営業密度に着目して、担当集合体を分類する実施態様について説明する。
処理部2には、営業密度の高低について、適当な閾値を設定し、処理部2は、販売員毎にその担当する集合体を営業密度の高い集合体、中くらいの集合体、低い集合体に分類し、その割合を算出する機能を備えている。そして、処理部2は、その求めた算出結果を、入出力部3を介して表示するが、その表示態様を示したのが図5の表である。この表から、販売員P氏の担当する集合体のうち、営業密度の高い順に20%、60%、20%であることがわかる。一方、販売員R氏は、営業密度の高い集合体の割合が60%と高いことがわかる。
図2の画面において、販売員P氏を特定し、密度分析ボタン5bを選択したうえ、実行ボタン6をクリックすると、処理部2が機能して、入出力部3を介して図6のような画面を表示する。図6では、営業密度別の集合体の割合を円グラフで表示しているが、視覚化の工夫がなされていれば、どのようなグラフでもよいし、グラフの代わりに表でもよい。
【0041】
さらに、営業密度別の集合体の詳細な情報が得らるようにしている。すなわち、営業密度の程度を指定すると、該当する集合体に関するデータが表示される例を、図7に示す。例えば、図6のグラフの「営業密度が高い」部分をマウスでクリックすると、処理部2は、図7のような集合体一覧を作成して、それを入出力部3を介して表示する。表示項目としては、業種、所在地の地理的条件、従業員の男女比率、従業員の年齢構成等が考えられる。地理的条件とは、繁華街とか工場密集地等の所在地の特色をいう。男女比率は、例えば、7:3のように比で表してもよいし、男性が多ければ1、女性が多ければ2などのカテゴリーデータで表してもよい。従業員の年齢構成は、例えば、若年者が多ければ1、中高年者が多ければ2などのカテゴリーデータで表してもよい。
なお、上記した集合体一覧を表示するための基データは、すべて記憶部1に記憶されている。
【0042】
さらに、処理部2は、図7の一覧表の集合体名をマウスでクリックすると、一層詳細なデータを表示する機能を備えている。すなわち、販売員が接触した従業員の性別、年齢やランク等のデータを作成し、それらを、入出力部3を介して表示する機能である。
【0043】
次に、売上や営業密度等の所定の基準に着目して、上位に位置する担当集合体を一覧表示する実施態様について説明する。
例えば、全社ボタン4aを選択し、かつ、営業実績上位会社一覧ボタン5cを選択し、検索実行ボタン6を押下すると、処理部2は、顧客である集合体を売上順にソートして、上位集合体名を入出力部3に表示させる等の機能を有する。営業密度や訪問回数によってソートしてもよい。この表示の結果、X社は、訪問回数別ベストテンの上位に登場しているが、売上ベストテンには入っていない場合、営業の有り方に改善の余地がないか、といった分析の資料となる。
この上位集合体表示は、個別の販売員について行っても良い。
【0044】
【発明の効果】
第1の発明によれば、訪問回数と売上との間に、営業密度を介在させて、営業実態を把握できる。したがって、例えば、特定の集合体に対する特定の販売員の訪問回数が十分でも、営業密度が低く、しかも売上が低いような場合に、「訪問回数は現状どおりでよい。それ以上に、営業密度を上げよ」といった、適切かつ具体的な指示が可能になる。
【0045】
一方、訪問回数が低いにもかかわらず、営業密度も高く、しかも、売上も高いといった状況があったときに、この販売員は、少ない訪問回数で多くの顧客に接触して、売上を伸ばすタイプといった評価ができる。このような評価ができれば、当該販売員は新規の集合体を担当させるのに適しているといった特性も把握できる。
以上のことからも明らかなように、訪問回数と営業密度とは、販売員の営業活動そのものを定量的に示すので、これらの数値データを用いて販売員を説得したり、あるいは適切な指示を出したり、いろいろな状況に活用できることになる。
【0046】
第2の発明によれば、販売員毎に、その販売員のすべての訪問回数、営業密度および売上を出力できるので、販売員の営業実績の評価を総合的かつ適正にできる。販売員によっては、業種によって得意不得意があるので、個別の集合体についての営業実績を評価するだけでは片手落ちであり、総合的な評価が欠かせないからである。
第3の発明によれば、営業密度に個人の購買見込度を考慮することにより、より実情に即した販売員の営業実績評価が可能となる。販売員が接触した人数がいくら多くても、そのほとんどが購買客になる見込が極めて低いような場合は、決して営業密度が高いとは判断できかねるからである。
【0047】
第4の発明によれば、管理者は、この出力結果に基づいて、販売員の行動を把握し、他の販売員との比較を加えつつ、当該販売員に適切な指示ができる。例えば、他の販売員と比較して訪問回数や売上が低い場合は、管理者は客観的な数値を示しつつ、当該販売員に対し指導ができ、場合によっては、配置転換の判断資料とすることができる。
【0048】
第5の発明によれば、訪問回数等の推移は、上昇か横ばいか下降のいずれかのパターンに大別されるので、管理者は、当該集合体に対する営業行動の適切な有り方を判断した上で、販売員の営業実績を評価でき、適切な指示ができる。例えば、訪問回数と営業密度がいずれも上昇しているにもかかわらず、売上が横ばいか下降気味の場合は、その集合体の訪問先としての将来性は頭打ちと判断できる。そこで、販売員に対して、「訪問回数や営業密度を上げる必要はない。むしろ、新規の集合体を開拓するように努めよ。」といった指示ができる。
【0049】
第6の発明によれば、営業実績の評価が、より精密にできる。例えば、マーケットボリュームが大きい割には、売上が少ない等の傾向が把握できるので、販売員に適切な指示ができる。例えば、「売上が伸びる余地がある。訪問回数か営業密度の少なくとも一方を上げよ。」といった、具体的な指示ができる。
【0050】
第7の発明によれば、販売員の営業実績の評価に回収率を追加することで、適正な評価が可能となる。いくら売上が多くても、回収率の低い集合体の社員等に販売したのでは、決して高い評価を与えることはできないからである。また、回収率を評価に加えることで、特定の集合体を、営業対象から外したほうがよい等の判断も可能となる。
さらに、特定の販売員の担当する集合体全体の回収率を評価に加えることにより、他の販売員の回収率と比較ができる。その結果、回収率が劣る販売員については、販売のみを担当させ、他の回収実績のある販売員に回収を担当させる等の判断ができる。
【0051】
第8の発明によれば、所要交通費を販売員の営業実績の評価に追加できる。そのため、売上が低いにもかかわらず、交通費が多い販売員は何か問題があるのではないか等の検討を通じて、販売員の営業行動に指針を与えることができる。
【0052】
第9の発明によれば、管理者は、販売員の営業パターンが把握できる。広く浅く行動するのか、1社に深く入り込むのか等の判断ができるので、管理者は、客観的な数字を根拠として適切な指示ができる。
【0053】
第10および第11の発明によれば、販売員の得意とする業種の集合体や好ましいと思う立地条件の集合体が判断できる。たとえば、ある販売員の医療関連の集合体(病院や医院等)に対する営業密度が高く、かつ、しかるべき売上を達成していれば、病院等を得意とするものと判断できる。そこで、新規の病院を開拓しようとする場合は、この販売員を訪問させる等の指示ができる。
第12の発明によれば、販売員にとって相性の良い個人の属性が判断できる。たとえば、中高年の女性の多い集合体に対する営業密度が高い販売員は、同様に中高年の女性の多い別の集合体を新規に開拓する場合に、訪問させればよい等の指示ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】システム構成図である。
【図2】開始画面の表示例である。
【図3】(1)〜(4)は、訪問回数と営業密度と売上とを表示したグラフである。
【図4】(1)〜(4)は、訪問回数と営業密度と売上とを表示したグラフである。
【図5】販売員の担当集合体を営業密度の高低によって分類した場合の割合を示す表である。
【図6】指定した販売員の担当集合体を営業密度の高低によって分類した場合の割合を示すグラフである。
【図7】指定した営業密度の程度に合致する集合体一覧の表示例である。
【符号の説明】
1 記憶部
2 処理部
3 入出力部
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、生命保険の営業のように、特定の会社を訪問しつつ、その会社の社員個人を営業対象にする営業の管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている営業管理システムのほとんどは、特定の会社に対する訪問回数とその売上との相関性を基にして、営業の管理をするようにしていた。なぜなら、生命保険の営業のように、特定の会社を訪問しつつ、その会社の社員個人を営業対象にする特殊な営業形態には、なにをおいても、まず会社に訪問する回数を上げることが、売上を上げる大前提になるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した特殊な営業形態には、上記従来の営業管理システムが、ほとんど役に立たない。例えば、特定の会社に対して、特定の販売員の訪問回数が十分に多いにもかかわらず、その売上が伸びないときに、なぜ売上が上がらないのかが分からない。そのために、管理者側では、その特定の販売員に対して、訪問回数が十分であるにもかかわらず、もっと訪問回数を上げろといった闇雲な指示しか出せないという問題があった。
【0004】
また、訪問回数と売上との実績だけでは、会社全体を一つの集合体としてみたとき、その集合体における営業の現状を把握することができない。例えば、その集合体は、今後、訪問回数を上げることによって、売上が上がる対象なのか、あるいは訪問回数を上げても、それほど売上が上がらない対象なのかといったことが把握できない。
この発明の目的は、営業の実態を把握して、販売員などに適切な指示ができる営業管理システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、営業実態を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されたデータを処理する処理部と、この処理部に連係した入出力部とを備え、上記記憶部には、顧客が所属する会社などの集合体の特性と、販売員の特性とを記憶する機能を備えるとともに、上記集合体の属性にはその集合体におけるマーケットボリュームを含み、販売員の特性には、担当集合体毎の訪問回数および集合体の構成員との接触人数を含む一方、処理部は、入出力部の信号に基づいて、特定の集合体毎とその担当販売員との対応関係を維持しながら、集合体毎に、営業密度=販売員の顧客接触人数/マーケットボリューム、を演算するとともに、集合体毎に、訪問回数、営業密度および売上を入出力部に出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員個人毎に、すべての担当集合体を合算して訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、処理部は、集合体毎の営業密度を算出する際に、その集合体に属する個々人の購買見込度をパラメータに加える機能を備えたことを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、第1〜第3の発明において、処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、全販売員の平均的な訪問回数、営業密度および売上をも併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0009】
第5の発明は、第1〜第4の発明において、処理部は、訪問回数、営業密度および売上の推移を、グラフや表等を用いて視覚的に表示し、入出力部に出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0010】
第6の発明は、第1〜第5の発明において、処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、担当する集合体のマーケットボリュームをも併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
第7の発明は、第1〜第6の発明において、処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、売上金の回収率をも併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
第8の発明は、第1〜第7の発明において、処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、当該販売員の担当集合体全部を訪問するために要する交通費をも併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0011】
第9の発明は、第1又は第3の発明において、処理部は、販売員個人毎に、訪問する集合体を営業密度によって分類し、営業密度の高低別に集合体の割合を算出し、その結果を入出力部に出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0012】
第10の発明は、第9の発明において、処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員毎に、営業密度の高い集合体の業種一覧を入出力部に出力する機能を備えたことを特徴とする。
第11の発明は、第10の発明において、処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員毎に、営業密度の高い集合体の一覧を表示する際に、集合体の位置する地理的条件の表示も併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
第12の発明は、第10又は第11の発明において、処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員毎に、営業密度の高い集合体の一覧を表示する際に、集合体に属する個人の性別人数比や年齢分布の表示も併せて出力する機能を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図7に従い、この発明の実施態様を示す。
図1はこの実施態様の全体のシステムを示すものである。
コンピュータCは、記憶部1と、処理部2と、入出力部3を備えている。このコンピュータCは、スタンドアロンで使用されてもよいし、サーバー・クライアント型のシステムを構成し、通信回線を介して他のコンピュータや携帯端末等と接続していてもよい。
また、上記記憶部1には、集合体の特性データと、販売員の特性データとが記憶されている。これらのデータは、複数のコンピュータの記憶部に分散して記憶されていてもよい。
入出力部3には、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ等が含まれる。
【0014】
上記の集合体とは、営業のターゲットである個人客が所属する団体であり、民間会社に限らず、官公庁、病院あるいは学校等の非営利法人等も含む。集合体の特性には、その集合体の名称、所在地、業種、マーケットボリューム、男女従業員の比率、年齢構成等がある。ここで、マーケットボリュームとは、必ずしも従業員総数ではない。集合体によっては、外部の者の入場が制限されるエリアを設けているところもあり、販売員が営業に訪問をしても、接することができる従業員が限られることがある。このような場合は、マーケットボリュームとは、販売員が接触可能な従業員の人数を意味することになる。
なお、販売員が会社等の集合体を訪問した場合、従業員だけではなく、その会社等の経営者等とも接触できることがある。しかし、説明の便宜上、集合体を訪問した販売員が接触できる相手を従業員と表現する。
【0015】
また、上記集合体の特性には、その集合体を構成する従業員の購買履歴や購買見込度なども含まれる。ここで言う購買見込度とは、例えば、Aランク、Bランク、Cランクの3段階が考えられる。そして、上記Aランクとは、顧客となる見込が高い個人、Cランクとは顧客となりそうもない個人、Bランクとは、どちらともいえない個人をいう。しかも、これら各ランクには、ぞれをカテゴリーデータとして扱うために、なんらかの値を対応づける。例えば、Aランクは5点、Bランクは3点、Cランクは1点と言った重み付けをしておく。なお、この購買見込度は、営業活動によって変動する。たとえば、Aランクの顧客は、購入直後はCランクに変化する。
【0016】
一方、上記の販売員の特性には、その販売員の氏名、年齢、経験年数等の個人情報のほかに、営業実績データも含む。営業実績データには、担当する集合体毎の訪問回数、接触した従業員の人数、売上高、回収率等を含む。
【0017】
記憶部1に記憶される集合体や販売員のデータは、名称・氏名や業種等の書誌的データと日々の営業によって発生する業務データとに大別される。そして、業務データは、発生の都度、あるいは日毎、週毎等の所定のタイミングで更新されていく。データ入力の仕方としては、訪問先から帰社した販売員が、入出力部3を介して入力する場合や、販売員が外出先から携帯端末や携帯電話を介して入力する場合等が考えられる。
【0018】
このシステムの利用者は、自分が必要とする情報を得るために、入出力部3を介して所定の信号を処理部2に送る。例えば、販売員A氏の過去1年間の売上を表示せよ、といった命令を処理部2に対して送信する。処理部2は、この信号に基づいて、適宜記憶部1から必要なデータを取得し、データをそのまま、あるいはデータを適宜加工して、入出力部3に出力表示する。表示の方法は、ディスプレイへの表示やプリンタ出力等がある。
このシステムの利用者として想定されるのは、主に販売員を管理する立場にある者であるが、販売員が自己の実績等を確認するために利用することを妨げるものではない。
【0019】
次に、この実施態様でどのようなデータをどのように表示するのか、図2〜図4に従い、具体例を説明する。
図2に、このシステム起動時の画面の1例を示す。担当販売員欄4は、データ表示対象を特定する欄である。
全社ボタン4aは、会社全体の営業実績を求める場合に選択し、部署ボタン4bは、特定の部署全体の営業実績を求める場合に選択し、個別販売員ボタン4cは、特定の販売員の個別の営業実績を求める場合に選択するボタンである。ただし、部署ボタン4bを選択した場合は、部署入力欄4dに特定の部署を入力して、それを特定する必要がある。同様に、個別販売員ボタン4cを選択した場合は、販売員入力欄4eに特定の販売員を入力して、それを特定する必要がある。なお、部署入力欄4dには、部署名を入力あるいは識別コードを入力してもよいし、部署の一覧が表示されるようになっており、マウス等で特定してもよい。販売員入力欄4eについても、販売員の氏名を入力あるいは識別コードを入力してもよいし、販売員の一覧が表示されるようになっており、マウス等で特定してもよい。いずれにしても、部署あるいは販売員が特定されればよい。
【0020】
なお、このシステムの利用者は、管理者だけでなく販売員も考えられる。利用者が管理者か販売員かによって、担当販売員欄4の指定範囲に制限を設けてもよい。例えば、販売員が利用するときは、全社ボタン4aと部署ボタン4bは選択できず、個別販売員ボタン4cのみ選択できるが、その場合、販売員入力欄4eでは、自分だけしか指定できない等の制限が考えられる。そのためには、あらかじめ、利用者のパスワードに対応づけた利用者レベルを記憶部1に記憶させておき、処理部2は、パスワードが入力された時に利用者レベルを記憶部1から取り出し、利用者レベルに応じてボタン4a、4b等の選択を制限すればよい。
【0021】
また、実績ボタン5aは、訪問回数や売上等の営業実績を求めるときに選択するボタンである。上記した全社ボタン4aあるいは部署ボタン4bを選択したときは、会社全体あるいは特定された部署全体の営業実績が求められ、上記した個別販売員ボタン4cで販売員を特定した場合には、当該販売員の営業実績が求められることになる。この実績ボタン5aを選択した場合は、後述するように担当会社と期間を指定する必要がある。
【0022】
密度分析ボタン5bは、集合体の営業密度の一覧を求めるときに選択するボタンである。そして、営業密度とは、前記したマーケットボリュームの中で、販売員が営業行為の実行として接触した顧客の数であり、営業密度=販売員の顧客接触人数/マーケットボリューム、で算出される。なお、この場合にも、上記した販売員入力欄4eで販売員を特定した場合には、当該販売員の営業密度が求められ、全社ボタン4aあるいは部署ボタン4bを選択したときには、会社全体あるいは特定された部署全体が担当する集合体の営業密度一覧が求められることになる。密度分析ボタン5bを選択したときは、後述する期間を指定するボタン8aあるいは8bで期間の指定が必要である。
【0023】
次に、営業実績上位会社一覧ボタン5cは、売上や営業密度に着目して、上位の集合体の一覧を表示するために選択するものである。営業実績上位会社一覧ボタン5cを選択したときは、後述する期間を指定するボタン8aあるいは8bで期間の指定が必要である。
【0024】
さらに、合計ボタン7aは、担当販売員欄4にて特定した対象が担当する全集合体の営業実績の合算値を求める場合に選択するボタンである。個別ボタン7bは、担当集合体の個別の営業実績を求める場合に選択するボタンである。ただし、この個別ボタン7bを選択した場合は、顧客入力欄7cに特定の担当集合体を入力して、それを特定する必要がある。
【0025】
日付指定ボタン8aは、集計対象期間がいつからいつまでかを指定するためのボタンである。すなわち、このボタン8aを選択すると、その期間指定欄に入力が可能になり、指定期間を特定できる。また、過去指定ボタン8bは、現在から過去という期間を特定するために使用するボタンである。ただし、この過去指定ボタン8bを選択した場合は、現在から遡って何ヶ月前、何日前、過去何週間前までの期間を入力して、それを特定する必要がある。
【0026】
図2の画面において、例えば、販売員A氏の担当集合体X社における2002年4月1日から2002年6月30日までの営業実績を検索する場合には、次のようにする。すなわち、まず、個別販売員ボタン4cを選択し、販売員入力欄4eに販売員A氏の名前を入力するとともに、実績ボタン5aを選択する。さらに、個別ボタン7bを選択して、顧客入力欄7cにX社の名前を入力する。そして、日付指定ボタン8aを選択して、2002年4月1日〜2002年6月30日を入力し、検索実行ボタン6を押す。
【0027】
上記のようにして検索実行ボタン6を押すと、処理部2は記憶部1から集合体Xおよび販売員Aの特性データから、指定されたデータを抽出して、その指定条件に応じた集合体Xにおける販売員Aの訪問回数、営業密度および売上とを算出し、それらを入出力部3を介して、図3(1)に示すグラフ9を表示する。この図3(1)では、棒グラフを用いているが、視覚的な効果をあげるものであるならば、どんなグラフでもよいし、グラフの代わりに表でもよい。訪問回数と営業密度と売上以外に、マーケットボリュームや回収率も追加表示してもよい。なお、このシステムでは、訪問回数、営業密度と売上の3者を表示することが不可欠なのであって、それをどのように表示するのか、他にどのような情報を表示するのか等は、運用の問題にすぎない。
【0028】
ここで、営業密度とは、前記したようにマーケットボリュームに対する販売員の顧客接触人数の割合で、例えば、従業員が150人いるが、販売員が接触可能な従業員は100人であり、販売員が実際に接触したのは10人であったとする。この場合、営業密度は、10人÷100人=0.1である。分子である顧客接触人数は、販売員の営業努力によって伸ばすことが可能である。そこで、この営業密度は、販売員の営業実績を評価するための指標となりうる数値である。
【0029】
先の例でいえば、本来100人に対し営業活動ができるにもかかわらず、10人を対象としているにすぎないので、それだけ売上の機会を逸していると言いうる。そこで、このような販売員に対して、管理者は、もっと訪問回数を増やし、営業密度を上げるように指導ができる。
また、訪問回数の割には営業密度が低い販売員に対しては、一回の訪問時、滞在時間を増やし、より多くの従業員と接するように指導ができる。このように、営業密度という概念を導入したことによって、管理者は、販売員に対し、数字に裏付けられた具体的な指導をすることが可能となった。
【0030】
上記のように、営業密度は重要な評価要素である。しかし、より一層精緻な営業評価をするためには、顧客のランクを考慮することが望ましい。例えば、甲会社も乙会社も、いずれもマーケットボリュームが100人であり、販売員が実際に接触したのは10人である場合、営業密度は共に0.1である。しかし、甲会社で接触した10人は、いずれも顧客となる見込みが低く、乙会社で接触した10人は、その多くがもう一押しで顧客となりうるものとする。
【0031】
上記の場合、営業密度が同じ0.1であるといっても、甲会社と乙会社の実態はかなり異なる。そこで、例えば、営業密度を算出する際に、前記した購買見込度を算入することによって、より精緻な営業評価が可能になる。なお、この場合、処理部2は次の算式に基づいて営業密度を算出する。
(営業密度)={(営業マンが接触したAランクの人数)×(Aランクの重み)
+(営業マンが接触したBランクの人数)×(Bランクの重み)
+(営業マンが接触したCランクの人数)×(Cランクの重み)}/(接触できる人の最大数)
【0032】
上記の例で、もし、甲会社で販売員が接触した10人がいずれもCランクであり、乙会社で販売員が接触した10人のうち、8人がAランク、2人がBランクであれば、甲会社の営業密度は、(10人×1)/100人=0.1であり、乙会社の営業密度は、(8人×5+2人×3)/100人=0.46となる。この値から、甲会社よりも乙会社をターゲットにして営業活動を行うほうが、売上アップに直結する可能性が高いことがわかる。このように、購買見込度を考慮して営業密度を算出すると、実態に即した営業の評価が可能となる。また、このようにして算出した営業密度は、集合体のランク付けの指標ともなる。Aランクの従業員が多い集合体は、集合体自体のランクも高いと考えられるからである。
【0033】
この購買見込度は、販売員の申告によるもので、販売員の経験や勘に依存することになる。したがって、その正確度は、販売員の能力や資質に依存せざるを得ない。このように販売員の能力等に依存せざるを得ないとしても、購買見込度を考慮した営業情報の方が、効率的な営業を展開するうえで有用な指標となることは間違いない。
なお、この実施態様では、顧客をA、BおよびCの3ランクに分けたが、顧客のランクをいくつ設けるのか、重みをいくらにするか等は運用の問題にすぎない。要するに、購買の見込度を考慮して営業密度を算出することに意義があるのである。ただし、このことは、顧客となる見込度を考慮しない営業密度が、指標としての意義を欠くことを意味するのではない。マーケットボリュームに対し、どれだけの営業攻勢をかけたかを意味する指標として、依然意義があるからである。
【0034】
図3(1)では、指定された期間の合計をグラフで表示したが、図3(2)のように、月別で表示してもよい。また、図3(3)のように、当該販売員の実績グラフ9と並べて、平均値のグラフ10を表示してもよい。当該販売員の担当する全集合体の平均でもよいし、全販売員の平均でもよい。要は、当該販売員の営業実績を、種々の角度から比較分析できればよい。
【0035】
図3(2)は、図3(4)のように折れ線グラフで表すと、時系列の変化が一目瞭然となって営業の評価に便利である。なお、図3(4)では、各月の実績値をプロットして折れ線表示したのであるが、移動平均線の折れ線グラフを表示してもよい。
図3(1)〜(4)で表示する営業密度は、購買見込度を考慮した値であっても、考慮しない値であってもよい。ただ、いずれの値も、営業評価の指標となるので、同時に表示するか、一方だけを表示する場合も、表示の切換えによって他方の表示もできることが望ましい。
いずれにしても、これらは、処理部2が記憶部1に記憶されているデータを基にしていかようにもできることである。また、これらの出力状況を選択できるボタンを特別に設けてもよいことは当然である。
【0036】
以上の説明は、販売員の集合体ごとの実績を表示する例についてであったが、当該販売員が指定された期間内に挙げた実績、すなわち、担当する全ての集合体の値を合算し、表示してもよい。訪問回数の合計、営業密度の合計、売上の合計の他に、マーケットボリューム合計、回収率、交通費を表示することも有用である。ここで、回収率とは、売上合計に対する回収金額合計の割合である。
これらのことも、処理部2が記憶部1に記憶されているデータに基づいて演算処理するものである。
【0037】
このシステムは、訪問回数と売上との間に営業密度を介在させて、営業実績を評価するところに主眼がある。そこで、これら3者間の関連を散布図で表現することも意味がある。したがって、処理部2にこれら散布図を作成する機能を備えさせてもよい。散布図として、例えば、図4(1)は、評価対象となる販売員A氏の担当する集合体の訪問回数を横軸に、営業密度を縦軸にとり、プロットしたものである。同様に、図4(2)は、営業密度と売上の対応を、図4(3)は、訪問回数と売上の対応をプロットしたものである。あるいは、図4(4)のように、三次元座標の各軸に訪問回数、営業密度と売上をとり、各担当集合体に対応する点をプロットしてもよい。
図3と同様に、図4で表示する営業密度は、購買見込度を考慮した値であっても、考慮しない値であってもよい。ただ、いずれの値も、参照できるようにすることが望ましい。
【0038】
図4(1)〜(4)は、特定された販売員の実績を表示するものであるが、成績優秀あるいは平均的な他の販売員の実績、全社平均の実績も同時に表示してもよい。この場合、販売員ごとにプロットする点の表示カラーを変える等、識別できるように表示するのはいうまでもない。また、図4(4)は、適宜利用者が見やすいように任意の方向に任意の角度だけ回転させ、表示する機能を備えても便利である。さらに、図4(1)〜(4)の4種類のグラフを入出力部3に同時に表示してもよい。
このように、営業実績の出力表示の仕方は、種々考えられるが、出力結果をどのように解釈し、出力結果から何を評価するかは、このシステムの利用者次第である。このシステムは、あくまで営業管理を支援するツールにすぎないのである。
【0039】
なお、上記した実施態様では、販売員A氏の担当集合体X社における営業実績をどのように表示するかについて説明した。しかし、担当集合体X社を担当する販売員が不明の場合もある。この場合は、全社ボタン4aを選択し、顧客入力欄7cにX社を入力すればよい。このように、販売員を特定しない場合でも、集合体名を特定すれば、個別の集合体の営業実績を求めることができる。
【0040】
次に、営業密度に着目して、担当集合体を分類する実施態様について説明する。
処理部2には、営業密度の高低について、適当な閾値を設定し、処理部2は、販売員毎にその担当する集合体を営業密度の高い集合体、中くらいの集合体、低い集合体に分類し、その割合を算出する機能を備えている。そして、処理部2は、その求めた算出結果を、入出力部3を介して表示するが、その表示態様を示したのが図5の表である。この表から、販売員P氏の担当する集合体のうち、営業密度の高い順に20%、60%、20%であることがわかる。一方、販売員R氏は、営業密度の高い集合体の割合が60%と高いことがわかる。
図2の画面において、販売員P氏を特定し、密度分析ボタン5bを選択したうえ、実行ボタン6をクリックすると、処理部2が機能して、入出力部3を介して図6のような画面を表示する。図6では、営業密度別の集合体の割合を円グラフで表示しているが、視覚化の工夫がなされていれば、どのようなグラフでもよいし、グラフの代わりに表でもよい。
【0041】
さらに、営業密度別の集合体の詳細な情報が得らるようにしている。すなわち、営業密度の程度を指定すると、該当する集合体に関するデータが表示される例を、図7に示す。例えば、図6のグラフの「営業密度が高い」部分をマウスでクリックすると、処理部2は、図7のような集合体一覧を作成して、それを入出力部3を介して表示する。表示項目としては、業種、所在地の地理的条件、従業員の男女比率、従業員の年齢構成等が考えられる。地理的条件とは、繁華街とか工場密集地等の所在地の特色をいう。男女比率は、例えば、7:3のように比で表してもよいし、男性が多ければ1、女性が多ければ2などのカテゴリーデータで表してもよい。従業員の年齢構成は、例えば、若年者が多ければ1、中高年者が多ければ2などのカテゴリーデータで表してもよい。
なお、上記した集合体一覧を表示するための基データは、すべて記憶部1に記憶されている。
【0042】
さらに、処理部2は、図7の一覧表の集合体名をマウスでクリックすると、一層詳細なデータを表示する機能を備えている。すなわち、販売員が接触した従業員の性別、年齢やランク等のデータを作成し、それらを、入出力部3を介して表示する機能である。
【0043】
次に、売上や営業密度等の所定の基準に着目して、上位に位置する担当集合体を一覧表示する実施態様について説明する。
例えば、全社ボタン4aを選択し、かつ、営業実績上位会社一覧ボタン5cを選択し、検索実行ボタン6を押下すると、処理部2は、顧客である集合体を売上順にソートして、上位集合体名を入出力部3に表示させる等の機能を有する。営業密度や訪問回数によってソートしてもよい。この表示の結果、X社は、訪問回数別ベストテンの上位に登場しているが、売上ベストテンには入っていない場合、営業の有り方に改善の余地がないか、といった分析の資料となる。
この上位集合体表示は、個別の販売員について行っても良い。
【0044】
【発明の効果】
第1の発明によれば、訪問回数と売上との間に、営業密度を介在させて、営業実態を把握できる。したがって、例えば、特定の集合体に対する特定の販売員の訪問回数が十分でも、営業密度が低く、しかも売上が低いような場合に、「訪問回数は現状どおりでよい。それ以上に、営業密度を上げよ」といった、適切かつ具体的な指示が可能になる。
【0045】
一方、訪問回数が低いにもかかわらず、営業密度も高く、しかも、売上も高いといった状況があったときに、この販売員は、少ない訪問回数で多くの顧客に接触して、売上を伸ばすタイプといった評価ができる。このような評価ができれば、当該販売員は新規の集合体を担当させるのに適しているといった特性も把握できる。
以上のことからも明らかなように、訪問回数と営業密度とは、販売員の営業活動そのものを定量的に示すので、これらの数値データを用いて販売員を説得したり、あるいは適切な指示を出したり、いろいろな状況に活用できることになる。
【0046】
第2の発明によれば、販売員毎に、その販売員のすべての訪問回数、営業密度および売上を出力できるので、販売員の営業実績の評価を総合的かつ適正にできる。販売員によっては、業種によって得意不得意があるので、個別の集合体についての営業実績を評価するだけでは片手落ちであり、総合的な評価が欠かせないからである。
第3の発明によれば、営業密度に個人の購買見込度を考慮することにより、より実情に即した販売員の営業実績評価が可能となる。販売員が接触した人数がいくら多くても、そのほとんどが購買客になる見込が極めて低いような場合は、決して営業密度が高いとは判断できかねるからである。
【0047】
第4の発明によれば、管理者は、この出力結果に基づいて、販売員の行動を把握し、他の販売員との比較を加えつつ、当該販売員に適切な指示ができる。例えば、他の販売員と比較して訪問回数や売上が低い場合は、管理者は客観的な数値を示しつつ、当該販売員に対し指導ができ、場合によっては、配置転換の判断資料とすることができる。
【0048】
第5の発明によれば、訪問回数等の推移は、上昇か横ばいか下降のいずれかのパターンに大別されるので、管理者は、当該集合体に対する営業行動の適切な有り方を判断した上で、販売員の営業実績を評価でき、適切な指示ができる。例えば、訪問回数と営業密度がいずれも上昇しているにもかかわらず、売上が横ばいか下降気味の場合は、その集合体の訪問先としての将来性は頭打ちと判断できる。そこで、販売員に対して、「訪問回数や営業密度を上げる必要はない。むしろ、新規の集合体を開拓するように努めよ。」といった指示ができる。
【0049】
第6の発明によれば、営業実績の評価が、より精密にできる。例えば、マーケットボリュームが大きい割には、売上が少ない等の傾向が把握できるので、販売員に適切な指示ができる。例えば、「売上が伸びる余地がある。訪問回数か営業密度の少なくとも一方を上げよ。」といった、具体的な指示ができる。
【0050】
第7の発明によれば、販売員の営業実績の評価に回収率を追加することで、適正な評価が可能となる。いくら売上が多くても、回収率の低い集合体の社員等に販売したのでは、決して高い評価を与えることはできないからである。また、回収率を評価に加えることで、特定の集合体を、営業対象から外したほうがよい等の判断も可能となる。
さらに、特定の販売員の担当する集合体全体の回収率を評価に加えることにより、他の販売員の回収率と比較ができる。その結果、回収率が劣る販売員については、販売のみを担当させ、他の回収実績のある販売員に回収を担当させる等の判断ができる。
【0051】
第8の発明によれば、所要交通費を販売員の営業実績の評価に追加できる。そのため、売上が低いにもかかわらず、交通費が多い販売員は何か問題があるのではないか等の検討を通じて、販売員の営業行動に指針を与えることができる。
【0052】
第9の発明によれば、管理者は、販売員の営業パターンが把握できる。広く浅く行動するのか、1社に深く入り込むのか等の判断ができるので、管理者は、客観的な数字を根拠として適切な指示ができる。
【0053】
第10および第11の発明によれば、販売員の得意とする業種の集合体や好ましいと思う立地条件の集合体が判断できる。たとえば、ある販売員の医療関連の集合体(病院や医院等)に対する営業密度が高く、かつ、しかるべき売上を達成していれば、病院等を得意とするものと判断できる。そこで、新規の病院を開拓しようとする場合は、この販売員を訪問させる等の指示ができる。
第12の発明によれば、販売員にとって相性の良い個人の属性が判断できる。たとえば、中高年の女性の多い集合体に対する営業密度が高い販売員は、同様に中高年の女性の多い別の集合体を新規に開拓する場合に、訪問させればよい等の指示ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】システム構成図である。
【図2】開始画面の表示例である。
【図3】(1)〜(4)は、訪問回数と営業密度と売上とを表示したグラフである。
【図4】(1)〜(4)は、訪問回数と営業密度と売上とを表示したグラフである。
【図5】販売員の担当集合体を営業密度の高低によって分類した場合の割合を示す表である。
【図6】指定した販売員の担当集合体を営業密度の高低によって分類した場合の割合を示すグラフである。
【図7】指定した営業密度の程度に合致する集合体一覧の表示例である。
【符号の説明】
1 記憶部
2 処理部
3 入出力部
Claims (12)
- 営業実態を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されたデータを処理する処理部と、この処理部に連係した入出力部とを備え、上記記憶部には、顧客が所属する会社などの集合体の特性と、その集合体担当の販売員の特性とを記憶する機能を備えるとともに、上記集合体の属性にはその集合体におけるマーケットボリュームを含み、販売員の特性には、担当集合体毎の訪問回数および集合体の構成員との接触人数を含む一方、処理部は、入出力部の信号に基づいて、特定の集合体毎とその担当販売員との対応関係を維持しながら、集合体毎に、営業密度=販売員の顧客接触人数/マーケットボリューム、を演算するとともに、集合体毎に、訪問回数、営業密度および売上を入出力部に出力する機能を備えた営業管理システム。
- 処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員個人毎に、すべての担当集合体を合算して訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する機能を備えた請求項1記載の営業管理システム。
- 処理部は、集合体毎の営業密度を算出する際に、その集合体に属する個々人の購買見込度をパラメータに加える機能を備えた請求項1又は2に記載の営業管理システム。
- 処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、全販売員の平均的な訪問回数、営業密度および売上をも併せて出力する機能を備えた請求項1〜3に記載の営業管理システム。
- 処理部は、訪問回数、営業密度および売上の推移を、グラフや表等を用いて視覚的に表示し、入出力部に出力する機能を備えた請求項1〜4に記載の営業管理システム。
- 処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、担当する集合体のマーケットボリュームをも併せて出力する機能を備えた請求項1〜5に記載の営業管理システム。
- 処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、売上金の回収率をも併せて出力する機能を備えた請求項1〜6に記載の営業管理システム。
- 処理部は、販売員個人毎に、訪問回数、営業密度および売上を、入出力部に出力する際に、当該販売員の担当集合体全部を訪問するために要する交通費をも併せて出力する機能を備えた請求項1〜7に記載の営業管理システム。
- 処理部は、販売員個人毎に、訪問する集合体を営業密度によって分類し、営業密度の高低別に集合体の割合を算出し、その結果を入出力部に出力する機能を備えた請求項1又は3に記載の営業管理システム。
- 処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員毎に、営業密度の高い集合体の業種一覧を入出力部に出力する機能を備えた請求項9に記載の営業管理システム。
- 処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員毎に、営業密度の高い集合体の一覧を表示する際に、集合体の位置する地理的条件の表示も併せて出力する機能を備えた請求項10に記載の営業管理システム。
- 処理部は、入出力部からの信号に応じて、販売員毎に、営業密度の高い集合体の一覧を表示する際に、集合体に属する個人の性別人数比や年齢分布の表示も併せて出力する機能を備えた請求項10又は11に記載の営業管理システム。
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