JP2004094552A - 病理組織画像解析方法および病理組織画像解析システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザーの経済的負担を軽減でき、かつバージョンアップへの対応を容易にする。
【解決手段】病理組織の画像データをユーザー端末装置2から解析装置1に送信し、解析装置1が、病理組織の画像データを受信し、その画像データに基づいて病理組織の解析を行い、解析の結果を解析装置1からユーザー端末装置2または4に送信し、それをユーザー端末装置2または4が受信する。これにより、ユーザー端末装置2または4には解析機能が不要であり、システムのバージョンアップは解析装置1のみで行えばよい。
【選択図】 図1
【解決手段】病理組織の画像データをユーザー端末装置2から解析装置1に送信し、解析装置1が、病理組織の画像データを受信し、その画像データに基づいて病理組織の解析を行い、解析の結果を解析装置1からユーザー端末装置2または4に送信し、それをユーザー端末装置2または4が受信する。これにより、ユーザー端末装置2または4には解析機能が不要であり、システムのバージョンアップは解析装置1のみで行えばよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、病理組織画像を解析する病理組織画像解析方法および病理組織画像解析システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
病理組織の検査分野においては、提供された病理組織画像を自動的に解析する病理組織画像解析装置が使用されている。この病理組織画像解析装置では、通常、染色された病理組織の切片を顕微鏡により観察し、その顕微鏡画像をデジタル化してコンピュータに入力し、コンピュータにより解析を行っている。この場合の解析方法としては、例えば特許第2997857号に記載されたものがある。
【0003】
従来の病理組織画像解析装置は、例えば図12に示す構成となっている。同図に示す病理組織画像解析装置は、顕微鏡101、この顕微鏡101に設けられたCCDカメラ102、画像処理装置103およびパーソナルコンピュータ104を備え、顕微鏡101にて観察された病理組織が、CCDカメラ102にて画像データに変換され、画像処理装置103を介してパーソナルコンピュータ104に入力され、パーソナルコンピュータ104にて解析される。
【0004】
パーソナルコンピュータ104は、コンピュータ本体105、モニター106、キーボード107およびマウス108を備え、入力された病理組織画像をモニター106に表示する。コンピュータ本体105は、内部に例えばハードディスク装置(図示せず)を備え、このハードディスク装置のハードディスクに、上記解析処理を行うためのソフトウエア、およびその他コンピュータの作動に必要な種々のソフトウエアが格納されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ユーザーの経済的負担を軽減でき、かつバージョンアップへの対応が容易である病理組織画像解析方法および病理組織画像解析システムの提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の病理組織画像解析方法は、病理組織の画像データをユーザー端末装置から解析装置に送信する第1のステップと、前記解析装置が、前記病理組織の画像データを受信し、その画像データに基づいて病理組織の解析を行う第2のステップと、前記解析の結果を前記解析装置からユーザー端末装置に送信する第3のステップと、ユーザー端末装置が、前記解析の結果を受信する第4のステップとを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の病理組織画像解析システムは、通信手段と、ユーザー端末装置と、ユーザー端末装置から前記通信手段を介して送信されてきた病理組織の画像データによって示される病理組織の解析を行うとともに、その解析結果を前記通信手段を介してユーザー端末装置に送信する解析装置とを備えていることを特徴としている。
【0008】
上記の病理組織画像解析システムにおいて、解析装置は、前記通信手段との通信を行うための送受信部と、病理組織の画像データに基づいて病理組織の解析を行う解析部と、解析を依頼された病理組織の画像データ、およびそれについての解析結果を蓄積しておく記憶部と、前記各部の動作を制御する制御部とを備えている構成としてもよい。
【0009】
上記の構成によれば、ユーザー端末装置においては病理組織画像の解析が行われず、解析装置において集約的に病理組織画像の解析が行われる。したがって、ユーザー端末装置には解析機能を備える必要がなく、ユーザー端末装置を簡素かつ安価な構成とすることができる。これにより、病理組織画像解析システムを導入するユーザーの経済的負担を軽減することができる。
【0010】
また、システムの機能アップについては、解析装置のバージョンアップのみにより対応することができるので、システムの機能アップへの対応が容易である。
【0011】
上記の病理組織画像解析方法は、第4のステップにおいて、前記解析装置が、病理組織の画像データ送信元の第1のユーザー端末装置またはこの装置とは別の第2のユーザー端末装置に、前記解析の結果を送信する構成としてもよい。
【0012】
また、上記の病理組織画像解析システムは、複数のユーザー端末装置を備え、前記解析装置が、病理組織の画像データの送信元である第1のユーザー端末装置またはこの装置とは異なる第2のユーザー端末装置に、前記解析結果を送信する構成としてもよい。
【0013】
第2のユーザー端末装置は、第1のユーザー端末装置と同一の構成、あるいは第1のユーザー端末装置とは異なり、例えば第1のユーザー端末装置が備える顕微鏡やCCDカメラを備えていない構成であってもよい。さらには、病理組織の画像データを送信する第1のユーザー端末装置とは異なる場所に設置されていてもよい。
【0014】
このように、解析装置からの解析結果の送信先のユーザー端末装置は、病理組織の画像データ送信元(解析依頼元)のユーザー端末装置であっても、あるいはこの装置とは異なる他のユーザー端末装置であってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図11に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の病理組織画像解析システムは、図1に示すように、ホスト装置である解析装置1と複数のクライアント装置であるユーザー端末装置(第1のユーザー端末装置)2およびユーザー端末装置4(第2のユーザー端末装置)とを備えている。これら解析装置1と複数のユーザー端末装置2、4とは、インターネット3(通信手段)を介して接続され、互いにデータの送受信が可能となっている。ユーザー端末装置2、4は例えば病院等の医療施設に設置されている。解析装置1は、例えば各医療施設と契約しているデータセンターに設置されている。なお、上記インターネット3に代えてその他の通信手段、例えば、電話回線、無線あるいは他のネットワークが使用されてもよい。
【0016】
解析装置1は、図2に示すように、送受信部11、制御部12、解析部13およびデータベース(記憶部)14を備えている。送受信部11は、インターネット3を介してユーザー端末装置2、4とデータの送受信を行う。制御部12は、解析装置1の各部の動作を制御する。
【0017】
解析部13は、送受信部11が例えばユーザー端末装置2から受信した病理組織画像(病理組織画像データ)の解析を行う。その解析結果は送受信部11によりユーザー端末装置2あるいはユーザー端末装置4に送信される。上記の病理組織画像は、病理組織の切片に染色を施し、それを顕微鏡を介してカメラにて撮影し、デジタル信号に変換したものである。したがって、解析部13では、上記解析において、所定の色に染色された領域の抽出を行う。
【0018】
データベース14には、例えば、ユーザー端末装置2から解析の依頼に基づいて送信されてきた病理組織画像(病理組織画像データ)、およびそれについての解析結果等が蓄積される。
【0019】
解析部13は、上記解析を行うために、カラー/モノクロ変換部21、2値化処理部22および対象領域抽出部23を備えている。この解析部13は、カラー画像である病理組織画像における特定の対象領域を色情報に従って抽出する。この抽出された対象領域(例えば細胞の核)の画素数は制御部12によりカウントされる。
【0020】
解析部13は、上記抽出を行う場合、病理組織画像のR(赤),G(緑),B(青)の各色成分について予め定めた係数を乗じて2成分間の濃度関係を求め、病理組織画像をモノクローム画像に変換し、変換したモノクローム画像の濃淡ヒストグラムを作成し、そのピーク値を求め、ヒストグラムの最大傾きを求め、これに基づいて閾値を決定し、決定した閾値を用いて変換後のモノクローム画像に2値化処理を施し、前記対象領域を抽出する。
【0021】
ここでは、例えばAZAN染色標本画像の陽性領域(対象領域)を抽出する。以下その手法について説明する。なお、AZAN染色は細胞中の繊維質の分布状態を検査するための染色であり、繊維質が存在する部分(陽性領域)が青く染色される。
【0022】
図4は、解析部13におけるカラー領域抽出動作の手順を示すフローチャート、図5は、その動作の概念を表す模式図である。この抽出動作は、抽出対象のカラー画像からモノクローム画像への変換処理(S1)と、モノクローム画像の2値化処理による対象領域の抽出処理(S2)との2段階処理から構成される。
【0023】
まず、ステップS1において、カラー/モノクロ変換部21は、抽出対象のカラー原画像51を、R(赤),G(緑),B(青)の各成分の値に基づいて、モノクローム画像52に変換する。次に、ステップS2において、2値化処理部22および対象領域抽出部23は、このモノクローム画像52を適応的に決定した閾値により2値化し2値化画像(領域抽出画像)53を得て、対象領域を抽出する。
【0024】
ステップS1における変換処理では、後のステップS2での2値化処理によって対象領域を安定して抽出できるように、R(赤),G(緑),B(青)の各成分を用いて、対象領域の濃度は高く、背景の濃度は低くなるようなモノクローム画像を得る必要がある。従って、変換処理前に、対象領域及び背景領域の代表点を複数点ずつ選び出して、各代表点におけるR,G,Bの色成分を2成分ずつに分けてその濃度関係を得る。具体的にAZAN染色では図6に示すような濃度関係が得られる。図6(a),(b),(c)はそれぞれRとG,RとB,GとBの濃度関係を示し、また図6において、△は陽性領域(対象領域)、◆は通常細胞、○は非細胞組織、●は赤血球を表している。この3種のグラフを調べると、図6(b)の破線にて示す直線によって、対象領域(△)とそれ以外の領域(◆,○,●)とを分離できることがわかる。
【0025】
従って、カラー画像の各画素において(B成分)−(R成分)を計算し、その計算値に基づいてカラー画像をモノクローム画像に変換する。これには、次のような意味がある。ステップS2における閾値をTとすると、変換したモノクローム画像で濃度値がTとなる画素の集合は、下記(1)式で表される。
【0026】
B−R=T …(1)
この式は、図6(b)に示す破線の方程式である。よって、変換したモノクローム画像を適切な閾値にて2値化処理すれば、陽性領域(対象領域)の抽出が可能である。
【0027】
この例では、対象領域と背景領域とを分離するための直線の傾きが1であるので、単純に(B成分)−(R成分)を計算している。分離直線の傾きが1以外である場合には、上記(1)式のような方程式にて表される直線の傾きと分離直線の傾きとが一致するように、各B成分値,R成分値に適当な係数を乗ずる必要がある。
【0028】
次に、ステップS2における処理動作を説明する。図7は、ステップS2の処理内容を示すフローチャートである。まず、2値化処理のための閾値Tを決定する(S21)。そして、この閾値Tにてモノクローム画像を2値化し(S22)、その閾値Tより大きい部分を対象領域として抽出する(S23)。
【0029】
図8は、ステップS21の処理内容を示すフローチャートである。まず、図9に示すような、変換したモノクローム画像における濃淡ヒストグラムを作成して、そのピークPを求める(S211)。次いで、ピークPの右側におけるヒストグラムの最大傾き tanαを求める(S212)。適当な定数cを決めて、ヒストグラムの傾き角βが tanβ= tanα/cとなるときの濃度Tを閾値として決定する(S213)。このような処理は、濃淡ヒストグラムの傾きが緩くなった部分を閾値とすることを意味している。
【0030】
なお、ステップS213における定数cの決定は以下のようにして行う。まず、多数のサンプルのカラー画像を用意して、各カラー画像をモノクローム画像に変換する。変換した各モノクローム画像で濃淡ヒストグラムを計測し、そのピークの最大傾き tanαを求める。次に、各モノクローム画像での最適閾値を決定する。その最適閾値に対応する濃淡ヒストグラムの傾き tanβを求める。すべてのモノクローム画像において tanα/ tanβの値を計算し、その計算値の平均値を定数cとする。なお、上記最適閾値の決定は、人間の判断により行ってもよく、あるいはデータベース14に蓄積したデータに基づいて、所定のアルゴリズムに基づいてカラー/モノクロ変換部21が自動的に行ってもよい。
【0031】
以上のようにして閾値を決定するので、ヒストグラムに谷が存在しない場合においても閾値を決定できる、また、複数のサンプル画像に基づいて最適値を決定するために妥当な閾値を決定できるという利点がある。
【0032】
次に、病理組織画像の他の例としてのGST−P染色標本画像に対する解析部13の処理について、以下に説明する。なお、GST−P染色は、細胞の変異細胞増殖巣の病変部分に特異的に反応し、その病変部分が茶色に染色される。
【0033】
このGST−P染色において、対象領域及び背景領域の代表点を複数点ずつ選び出して、各代表点におけるR,G,Bの色成分を2成分ずつに分けてその濃度関係を求めると、図10に示すような濃度関係が得られる。図10(a),(b),(c)はそれぞれRとG,RとB,GとBの濃度関係を示す。また図10において、△は陽性領域(対象領域)、◆は通常細胞、○は非細胞組織を表している。この3種のグラフを調べると、陽性領域(対象領域)では背景領域に比べてB成分が低いことがわかる。従って、GST−P染色標本画像については、B成分画像を反転させたものをモノクローム画像とし、適切な閾値によって2値化処理を施せば、AZAN染色標本画像と同様に、安定して対象領域を抽出することが可能である。
【0034】
一方、ユーザー端末装置2は、図1に示すように、インターネット3と接続されるパーソナルコンピュータ31、顕微鏡32およびCCDカメラ33を備えている。このユーザー端末装置2についてパーソナルコンピュータ31を機能的手段によって示すと図11に示すものとなる。
【0035】
即ち、ユーザー端末装置2は、顕微鏡32、CCDカメラ33、制御部41、送受信部42および表示部34を備えている。顕微鏡32は、染色が施された病理組織の切片の拡大像を作成し、CCDカメラ33はその画像を撮影してデジタル信号の病理組織画像に変換する。
【0036】
制御部41は、CCDカメラ33から入力された病理組織画像を送受信部42により解析装置1に送信させる。この場合、制御部41は病理組織画像に対して必要に応じて所定の画像処理を行ってもよい。なお、この画像処理は、解析装置1にて行うものであってもよい。また、制御部41は、送受信部42が受信したデータを表示部43に表示させる。
【0037】
また、ユーザー端末装置4は、ユーザー端末装置2と同一の構成、あるいはユーザー端末装置2とは異なり、例えば顕微鏡32やCCDカメラ33を備えていない簡素な構成であってもよい。さらに、ユーザー端末装置4は、病理組織の画像データを送信する第1のユーザー端末装置と同一の場所あるいは異なる場所に設置されていてもよい。
【0038】
上記の構成において、病理組織画像解析システムにより病理組織画像の解析を行う場合には、例えばユーザー端末装置2において、顕微鏡32により、染色が施された病理組織の切片の拡大像が作成され、この拡大像はCCDカメラ33にて撮影され、デジタル信号の病理組織画像に変換される。この病理組織画像は、送受信部42によりインターネット3を介して解析装置1に送信される。
【0039】
解析装置1では、送受信部11によりユーザー端末装置2からの病理組織画像を受信すると、解析部13にて前述の手法により病理組織画像の解析を行う。この病理組織画像およびその解析結果は、例えばデータベース14に格納される。
【0040】
また、解析部13による解析結果は、送受信部11からインターネット3を介して解析依頼元のユーザー端末装置2、あるいは解析依頼元でないユーザー端末装置4に送信される。
【0041】
ユーザー端末装置2または4において、解析装置1からの解析結果を送受信部42が受信すると、制御部41はそれを表示部43により表示させる。
【0042】
上記のように、本病理組織画像解析システムでは、ユーザー端末装置2、4において病理組織画像の解析を行わず、ユーザー端末装置2、4とインターネット3等の通信手段を介して接続された解析装置1において集約的に病理組織画像の解析を行うようにしている。したがって、ユーザー端末装置2、4に解析部13を備える必要がなく、ユーザー端末装置2、4が簡素かつ安価な構成となっている。これにより、病理組織画像解析システムを導入するユーザーの経済的負担を軽減することができる。
【0043】
また、システムの機能アップについては、解析装置1のバージョンアップのみにより対応することができる。したがって、システムの機能アップへの対応が容易である。
【0044】
なお、本実施の形態においては、解析装置1の制御部12において、対象領域抽出部23での抽出結果に基づき、対象領域抽出部23にて抽出された対象領域(例えば細胞の核)の画素数のカウントを行うようにしているが、解析装置1では対象領域抽出部23による対象領域の抽出までを行い、その抽出結果をユーザー端末装置2または4に送信し、ユーザー端末装置2または4において制御部12の上記処理を行う構成であってもよい。
【0045】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0046】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0047】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明の病理組織画像解析方法は、病理組織の画像データをユーザー端末装置から解析装置に送信する第1のステップと、前記解析装置が、前記病理組織の画像データを受信し、その画像データに基づいて病理組織の解析を行う第2のステップと、前記解析の結果を前記解析装置からユーザー端末装置に送信する第3のステップと、ユーザー端末装置が、前記解析の結果を受信する第4のステップとを備えている構成である。
【0049】
また、本発明の病理組織画像解析システムは、通信手段と、ユーザー端末装置と、ユーザー端末装置から前記通信手段を介して送信されてきた病理組織の画像データによって示される病理組織の解析を行うとともに、その解析結果を前記通信手段を介してユーザー端末装置に送信する解析装置とを備えている構成である。
【0050】
これにより、ユーザー端末装置においては病理組織画像の解析が行われず、解析装置において集約的に病理組織画像の解析が行われる。したがって、ユーザー端末装置には解析機能を備える必要がなく、ユーザー端末装置を簡素かつ安価な構成とすることができる。この結果、病理組織画像解析システムを導入するユーザーの経済的負担を軽減することができる。
【0051】
また、システムの機能アップについては、解析装置のバージョンアップのみにより対応することができるので、システムの機能アップへの対応が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における病理組織画像解析システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した解析装置の構成を示すブロックである。
【図3】図2に示した解析部の構成を示すブロックである。
【図4】図3に示した解析部の動作におけるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図3に示した解析部によるカラー領域抽出方法の概念を示す模式図である。
【図6】AZAN染色標本画像における対象領域と背景領域との色成分の関係を示すものであって、図6(a)はR濃度とG濃度との関係、図6(b)はR濃度とB濃度との関係、図6(c)はG濃度とB濃度との関係を示すグラフである。
【図7】図4のフローチャートのステップS2のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートのステップS21のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図3に示した解析部によるカラー領域抽出方法における2値化処理の閾値の決定方法を示すための濃淡ヒストグラムである。
【図10】GST−P染色標本画像における対象領域と背景領域との色成分の関係を示すものであって、図10(a)はR濃度とG濃度との関係、図10(b)はR濃度とB濃度との関係、図10(c)はG濃度とB濃度との関係を示すグラフである。
【図11】図1に示したユーザー端末装置の構成を示すブロックである。
【図12】従来の病理組織画像解析装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 解析装置
2 ユーザー端末装置(第1のユーザー端末装置)
4 ユーザー端末装置(第2のユーザー端末装置)
3 インターネット(通信手段)
11 送受信部
12 制御部
13 解析部
14 データベース(記憶部)
21 カラー/モノクロ変換部
22 2値化処理部
23 対象領域抽出部
31 パーソナルコンピュータ
32 顕微鏡
33 CCDカメラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、病理組織画像を解析する病理組織画像解析方法および病理組織画像解析システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
病理組織の検査分野においては、提供された病理組織画像を自動的に解析する病理組織画像解析装置が使用されている。この病理組織画像解析装置では、通常、染色された病理組織の切片を顕微鏡により観察し、その顕微鏡画像をデジタル化してコンピュータに入力し、コンピュータにより解析を行っている。この場合の解析方法としては、例えば特許第2997857号に記載されたものがある。
【0003】
従来の病理組織画像解析装置は、例えば図12に示す構成となっている。同図に示す病理組織画像解析装置は、顕微鏡101、この顕微鏡101に設けられたCCDカメラ102、画像処理装置103およびパーソナルコンピュータ104を備え、顕微鏡101にて観察された病理組織が、CCDカメラ102にて画像データに変換され、画像処理装置103を介してパーソナルコンピュータ104に入力され、パーソナルコンピュータ104にて解析される。
【0004】
パーソナルコンピュータ104は、コンピュータ本体105、モニター106、キーボード107およびマウス108を備え、入力された病理組織画像をモニター106に表示する。コンピュータ本体105は、内部に例えばハードディスク装置(図示せず)を備え、このハードディスク装置のハードディスクに、上記解析処理を行うためのソフトウエア、およびその他コンピュータの作動に必要な種々のソフトウエアが格納されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ユーザーの経済的負担を軽減でき、かつバージョンアップへの対応が容易である病理組織画像解析方法および病理組織画像解析システムの提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の病理組織画像解析方法は、病理組織の画像データをユーザー端末装置から解析装置に送信する第1のステップと、前記解析装置が、前記病理組織の画像データを受信し、その画像データに基づいて病理組織の解析を行う第2のステップと、前記解析の結果を前記解析装置からユーザー端末装置に送信する第3のステップと、ユーザー端末装置が、前記解析の結果を受信する第4のステップとを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の病理組織画像解析システムは、通信手段と、ユーザー端末装置と、ユーザー端末装置から前記通信手段を介して送信されてきた病理組織の画像データによって示される病理組織の解析を行うとともに、その解析結果を前記通信手段を介してユーザー端末装置に送信する解析装置とを備えていることを特徴としている。
【0008】
上記の病理組織画像解析システムにおいて、解析装置は、前記通信手段との通信を行うための送受信部と、病理組織の画像データに基づいて病理組織の解析を行う解析部と、解析を依頼された病理組織の画像データ、およびそれについての解析結果を蓄積しておく記憶部と、前記各部の動作を制御する制御部とを備えている構成としてもよい。
【0009】
上記の構成によれば、ユーザー端末装置においては病理組織画像の解析が行われず、解析装置において集約的に病理組織画像の解析が行われる。したがって、ユーザー端末装置には解析機能を備える必要がなく、ユーザー端末装置を簡素かつ安価な構成とすることができる。これにより、病理組織画像解析システムを導入するユーザーの経済的負担を軽減することができる。
【0010】
また、システムの機能アップについては、解析装置のバージョンアップのみにより対応することができるので、システムの機能アップへの対応が容易である。
【0011】
上記の病理組織画像解析方法は、第4のステップにおいて、前記解析装置が、病理組織の画像データ送信元の第1のユーザー端末装置またはこの装置とは別の第2のユーザー端末装置に、前記解析の結果を送信する構成としてもよい。
【0012】
また、上記の病理組織画像解析システムは、複数のユーザー端末装置を備え、前記解析装置が、病理組織の画像データの送信元である第1のユーザー端末装置またはこの装置とは異なる第2のユーザー端末装置に、前記解析結果を送信する構成としてもよい。
【0013】
第2のユーザー端末装置は、第1のユーザー端末装置と同一の構成、あるいは第1のユーザー端末装置とは異なり、例えば第1のユーザー端末装置が備える顕微鏡やCCDカメラを備えていない構成であってもよい。さらには、病理組織の画像データを送信する第1のユーザー端末装置とは異なる場所に設置されていてもよい。
【0014】
このように、解析装置からの解析結果の送信先のユーザー端末装置は、病理組織の画像データ送信元(解析依頼元)のユーザー端末装置であっても、あるいはこの装置とは異なる他のユーザー端末装置であってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図11に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の病理組織画像解析システムは、図1に示すように、ホスト装置である解析装置1と複数のクライアント装置であるユーザー端末装置(第1のユーザー端末装置)2およびユーザー端末装置4(第2のユーザー端末装置)とを備えている。これら解析装置1と複数のユーザー端末装置2、4とは、インターネット3(通信手段)を介して接続され、互いにデータの送受信が可能となっている。ユーザー端末装置2、4は例えば病院等の医療施設に設置されている。解析装置1は、例えば各医療施設と契約しているデータセンターに設置されている。なお、上記インターネット3に代えてその他の通信手段、例えば、電話回線、無線あるいは他のネットワークが使用されてもよい。
【0016】
解析装置1は、図2に示すように、送受信部11、制御部12、解析部13およびデータベース(記憶部)14を備えている。送受信部11は、インターネット3を介してユーザー端末装置2、4とデータの送受信を行う。制御部12は、解析装置1の各部の動作を制御する。
【0017】
解析部13は、送受信部11が例えばユーザー端末装置2から受信した病理組織画像(病理組織画像データ)の解析を行う。その解析結果は送受信部11によりユーザー端末装置2あるいはユーザー端末装置4に送信される。上記の病理組織画像は、病理組織の切片に染色を施し、それを顕微鏡を介してカメラにて撮影し、デジタル信号に変換したものである。したがって、解析部13では、上記解析において、所定の色に染色された領域の抽出を行う。
【0018】
データベース14には、例えば、ユーザー端末装置2から解析の依頼に基づいて送信されてきた病理組織画像(病理組織画像データ)、およびそれについての解析結果等が蓄積される。
【0019】
解析部13は、上記解析を行うために、カラー/モノクロ変換部21、2値化処理部22および対象領域抽出部23を備えている。この解析部13は、カラー画像である病理組織画像における特定の対象領域を色情報に従って抽出する。この抽出された対象領域(例えば細胞の核)の画素数は制御部12によりカウントされる。
【0020】
解析部13は、上記抽出を行う場合、病理組織画像のR(赤),G(緑),B(青)の各色成分について予め定めた係数を乗じて2成分間の濃度関係を求め、病理組織画像をモノクローム画像に変換し、変換したモノクローム画像の濃淡ヒストグラムを作成し、そのピーク値を求め、ヒストグラムの最大傾きを求め、これに基づいて閾値を決定し、決定した閾値を用いて変換後のモノクローム画像に2値化処理を施し、前記対象領域を抽出する。
【0021】
ここでは、例えばAZAN染色標本画像の陽性領域(対象領域)を抽出する。以下その手法について説明する。なお、AZAN染色は細胞中の繊維質の分布状態を検査するための染色であり、繊維質が存在する部分(陽性領域)が青く染色される。
【0022】
図4は、解析部13におけるカラー領域抽出動作の手順を示すフローチャート、図5は、その動作の概念を表す模式図である。この抽出動作は、抽出対象のカラー画像からモノクローム画像への変換処理(S1)と、モノクローム画像の2値化処理による対象領域の抽出処理(S2)との2段階処理から構成される。
【0023】
まず、ステップS1において、カラー/モノクロ変換部21は、抽出対象のカラー原画像51を、R(赤),G(緑),B(青)の各成分の値に基づいて、モノクローム画像52に変換する。次に、ステップS2において、2値化処理部22および対象領域抽出部23は、このモノクローム画像52を適応的に決定した閾値により2値化し2値化画像(領域抽出画像)53を得て、対象領域を抽出する。
【0024】
ステップS1における変換処理では、後のステップS2での2値化処理によって対象領域を安定して抽出できるように、R(赤),G(緑),B(青)の各成分を用いて、対象領域の濃度は高く、背景の濃度は低くなるようなモノクローム画像を得る必要がある。従って、変換処理前に、対象領域及び背景領域の代表点を複数点ずつ選び出して、各代表点におけるR,G,Bの色成分を2成分ずつに分けてその濃度関係を得る。具体的にAZAN染色では図6に示すような濃度関係が得られる。図6(a),(b),(c)はそれぞれRとG,RとB,GとBの濃度関係を示し、また図6において、△は陽性領域(対象領域)、◆は通常細胞、○は非細胞組織、●は赤血球を表している。この3種のグラフを調べると、図6(b)の破線にて示す直線によって、対象領域(△)とそれ以外の領域(◆,○,●)とを分離できることがわかる。
【0025】
従って、カラー画像の各画素において(B成分)−(R成分)を計算し、その計算値に基づいてカラー画像をモノクローム画像に変換する。これには、次のような意味がある。ステップS2における閾値をTとすると、変換したモノクローム画像で濃度値がTとなる画素の集合は、下記(1)式で表される。
【0026】
B−R=T …(1)
この式は、図6(b)に示す破線の方程式である。よって、変換したモノクローム画像を適切な閾値にて2値化処理すれば、陽性領域(対象領域)の抽出が可能である。
【0027】
この例では、対象領域と背景領域とを分離するための直線の傾きが1であるので、単純に(B成分)−(R成分)を計算している。分離直線の傾きが1以外である場合には、上記(1)式のような方程式にて表される直線の傾きと分離直線の傾きとが一致するように、各B成分値,R成分値に適当な係数を乗ずる必要がある。
【0028】
次に、ステップS2における処理動作を説明する。図7は、ステップS2の処理内容を示すフローチャートである。まず、2値化処理のための閾値Tを決定する(S21)。そして、この閾値Tにてモノクローム画像を2値化し(S22)、その閾値Tより大きい部分を対象領域として抽出する(S23)。
【0029】
図8は、ステップS21の処理内容を示すフローチャートである。まず、図9に示すような、変換したモノクローム画像における濃淡ヒストグラムを作成して、そのピークPを求める(S211)。次いで、ピークPの右側におけるヒストグラムの最大傾き tanαを求める(S212)。適当な定数cを決めて、ヒストグラムの傾き角βが tanβ= tanα/cとなるときの濃度Tを閾値として決定する(S213)。このような処理は、濃淡ヒストグラムの傾きが緩くなった部分を閾値とすることを意味している。
【0030】
なお、ステップS213における定数cの決定は以下のようにして行う。まず、多数のサンプルのカラー画像を用意して、各カラー画像をモノクローム画像に変換する。変換した各モノクローム画像で濃淡ヒストグラムを計測し、そのピークの最大傾き tanαを求める。次に、各モノクローム画像での最適閾値を決定する。その最適閾値に対応する濃淡ヒストグラムの傾き tanβを求める。すべてのモノクローム画像において tanα/ tanβの値を計算し、その計算値の平均値を定数cとする。なお、上記最適閾値の決定は、人間の判断により行ってもよく、あるいはデータベース14に蓄積したデータに基づいて、所定のアルゴリズムに基づいてカラー/モノクロ変換部21が自動的に行ってもよい。
【0031】
以上のようにして閾値を決定するので、ヒストグラムに谷が存在しない場合においても閾値を決定できる、また、複数のサンプル画像に基づいて最適値を決定するために妥当な閾値を決定できるという利点がある。
【0032】
次に、病理組織画像の他の例としてのGST−P染色標本画像に対する解析部13の処理について、以下に説明する。なお、GST−P染色は、細胞の変異細胞増殖巣の病変部分に特異的に反応し、その病変部分が茶色に染色される。
【0033】
このGST−P染色において、対象領域及び背景領域の代表点を複数点ずつ選び出して、各代表点におけるR,G,Bの色成分を2成分ずつに分けてその濃度関係を求めると、図10に示すような濃度関係が得られる。図10(a),(b),(c)はそれぞれRとG,RとB,GとBの濃度関係を示す。また図10において、△は陽性領域(対象領域)、◆は通常細胞、○は非細胞組織を表している。この3種のグラフを調べると、陽性領域(対象領域)では背景領域に比べてB成分が低いことがわかる。従って、GST−P染色標本画像については、B成分画像を反転させたものをモノクローム画像とし、適切な閾値によって2値化処理を施せば、AZAN染色標本画像と同様に、安定して対象領域を抽出することが可能である。
【0034】
一方、ユーザー端末装置2は、図1に示すように、インターネット3と接続されるパーソナルコンピュータ31、顕微鏡32およびCCDカメラ33を備えている。このユーザー端末装置2についてパーソナルコンピュータ31を機能的手段によって示すと図11に示すものとなる。
【0035】
即ち、ユーザー端末装置2は、顕微鏡32、CCDカメラ33、制御部41、送受信部42および表示部34を備えている。顕微鏡32は、染色が施された病理組織の切片の拡大像を作成し、CCDカメラ33はその画像を撮影してデジタル信号の病理組織画像に変換する。
【0036】
制御部41は、CCDカメラ33から入力された病理組織画像を送受信部42により解析装置1に送信させる。この場合、制御部41は病理組織画像に対して必要に応じて所定の画像処理を行ってもよい。なお、この画像処理は、解析装置1にて行うものであってもよい。また、制御部41は、送受信部42が受信したデータを表示部43に表示させる。
【0037】
また、ユーザー端末装置4は、ユーザー端末装置2と同一の構成、あるいはユーザー端末装置2とは異なり、例えば顕微鏡32やCCDカメラ33を備えていない簡素な構成であってもよい。さらに、ユーザー端末装置4は、病理組織の画像データを送信する第1のユーザー端末装置と同一の場所あるいは異なる場所に設置されていてもよい。
【0038】
上記の構成において、病理組織画像解析システムにより病理組織画像の解析を行う場合には、例えばユーザー端末装置2において、顕微鏡32により、染色が施された病理組織の切片の拡大像が作成され、この拡大像はCCDカメラ33にて撮影され、デジタル信号の病理組織画像に変換される。この病理組織画像は、送受信部42によりインターネット3を介して解析装置1に送信される。
【0039】
解析装置1では、送受信部11によりユーザー端末装置2からの病理組織画像を受信すると、解析部13にて前述の手法により病理組織画像の解析を行う。この病理組織画像およびその解析結果は、例えばデータベース14に格納される。
【0040】
また、解析部13による解析結果は、送受信部11からインターネット3を介して解析依頼元のユーザー端末装置2、あるいは解析依頼元でないユーザー端末装置4に送信される。
【0041】
ユーザー端末装置2または4において、解析装置1からの解析結果を送受信部42が受信すると、制御部41はそれを表示部43により表示させる。
【0042】
上記のように、本病理組織画像解析システムでは、ユーザー端末装置2、4において病理組織画像の解析を行わず、ユーザー端末装置2、4とインターネット3等の通信手段を介して接続された解析装置1において集約的に病理組織画像の解析を行うようにしている。したがって、ユーザー端末装置2、4に解析部13を備える必要がなく、ユーザー端末装置2、4が簡素かつ安価な構成となっている。これにより、病理組織画像解析システムを導入するユーザーの経済的負担を軽減することができる。
【0043】
また、システムの機能アップについては、解析装置1のバージョンアップのみにより対応することができる。したがって、システムの機能アップへの対応が容易である。
【0044】
なお、本実施の形態においては、解析装置1の制御部12において、対象領域抽出部23での抽出結果に基づき、対象領域抽出部23にて抽出された対象領域(例えば細胞の核)の画素数のカウントを行うようにしているが、解析装置1では対象領域抽出部23による対象領域の抽出までを行い、その抽出結果をユーザー端末装置2または4に送信し、ユーザー端末装置2または4において制御部12の上記処理を行う構成であってもよい。
【0045】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0046】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0047】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明の病理組織画像解析方法は、病理組織の画像データをユーザー端末装置から解析装置に送信する第1のステップと、前記解析装置が、前記病理組織の画像データを受信し、その画像データに基づいて病理組織の解析を行う第2のステップと、前記解析の結果を前記解析装置からユーザー端末装置に送信する第3のステップと、ユーザー端末装置が、前記解析の結果を受信する第4のステップとを備えている構成である。
【0049】
また、本発明の病理組織画像解析システムは、通信手段と、ユーザー端末装置と、ユーザー端末装置から前記通信手段を介して送信されてきた病理組織の画像データによって示される病理組織の解析を行うとともに、その解析結果を前記通信手段を介してユーザー端末装置に送信する解析装置とを備えている構成である。
【0050】
これにより、ユーザー端末装置においては病理組織画像の解析が行われず、解析装置において集約的に病理組織画像の解析が行われる。したがって、ユーザー端末装置には解析機能を備える必要がなく、ユーザー端末装置を簡素かつ安価な構成とすることができる。この結果、病理組織画像解析システムを導入するユーザーの経済的負担を軽減することができる。
【0051】
また、システムの機能アップについては、解析装置のバージョンアップのみにより対応することができるので、システムの機能アップへの対応が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における病理組織画像解析システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した解析装置の構成を示すブロックである。
【図3】図2に示した解析部の構成を示すブロックである。
【図4】図3に示した解析部の動作におけるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図3に示した解析部によるカラー領域抽出方法の概念を示す模式図である。
【図6】AZAN染色標本画像における対象領域と背景領域との色成分の関係を示すものであって、図6(a)はR濃度とG濃度との関係、図6(b)はR濃度とB濃度との関係、図6(c)はG濃度とB濃度との関係を示すグラフである。
【図7】図4のフローチャートのステップS2のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートのステップS21のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図3に示した解析部によるカラー領域抽出方法における2値化処理の閾値の決定方法を示すための濃淡ヒストグラムである。
【図10】GST−P染色標本画像における対象領域と背景領域との色成分の関係を示すものであって、図10(a)はR濃度とG濃度との関係、図10(b)はR濃度とB濃度との関係、図10(c)はG濃度とB濃度との関係を示すグラフである。
【図11】図1に示したユーザー端末装置の構成を示すブロックである。
【図12】従来の病理組織画像解析装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 解析装置
2 ユーザー端末装置(第1のユーザー端末装置)
4 ユーザー端末装置(第2のユーザー端末装置)
3 インターネット(通信手段)
11 送受信部
12 制御部
13 解析部
14 データベース(記憶部)
21 カラー/モノクロ変換部
22 2値化処理部
23 対象領域抽出部
31 パーソナルコンピュータ
32 顕微鏡
33 CCDカメラ
Claims (5)
- 病理組織の画像データをユーザー端末装置から解析装置に送信する第1のステップと、
前記解析装置が、前記病理組織の画像データを受信し、その画像データに基づいて病理組織の解析を行う第2のステップと、
前記解析の結果を前記解析装置からユーザー端末装置に送信する第3のステップと、
ユーザー端末装置が、前記解析の結果を受信する第4のステップとを備えていることを特徴とする病理組織画像解析方法。 - 第4のステップにおいて、前記解析装置は、病理組織の画像データ送信元の第1のユーザー端末装置またはこの装置とは別の第2のユーザー端末装置に、前記解析の結果を送信することを特徴とする請求項1に記載の病理組織画像解析方法。
- 通信手段と、
ユーザー端末装置と、
ユーザー端末装置から前記通信手段を介して送信されてきた病理組織の画像データによって示される病理組織の解析を行うとともに、その解析結果を前記通信手段を介してユーザー端末装置に送信する解析装置とを備えていることを特徴とする病理組織画像解析システム。 - 複数のユーザー端末装置を備え、
前記解析装置は、病理組織の画像データの送信元である第1のユーザー端末装置またはこの装置とは異なる第2のユーザー端末装置に、前記解析結果を送信することを特徴とする請求項3に記載の病理組織画像解析システム。 - 前記解析装置は、
前記通信手段との通信を行うための送受信部と、
病理組織の画像データに基づいて病理組織の解析を行う解析部と、
解析を依頼された病理組織の画像データ、およびそれについての解析結果を蓄積しておく記憶部と、
前記各部の動作を制御する制御部とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の病理組織画像解析システム。
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