JP2004094484A - Ccm計算システム - Google Patents
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Abstract
【課題】(1)リモートCCMシステムにおいて、クライアントが測色したデータをサーバに送信する際に、使用する測色器のキャリブレーション用データをもサーバに送信することにより、測色データの信頼性及びCCMの計算精度を高めるシステムを提供する。またクライアントの個別のCCM計算依頼実績や特色の配合、特色インキの注文実績をサーバー側で管理するシステムを提供する。
【解決手段】色データ、クライアント毎のCCM計算実績データおよびCCM計算手段を備えたサーバと、測色器による色情報入力手段および計算結果表示手段を備えたクライアントシステムとを備え、クライアントの測色器で所望の色の情報をサーバに送信する際に、測色器のキャリブレーション用の色をも測定して送信することを特徴とするCCM計算システム。
【選択図】 図1
【解決手段】色データ、クライアント毎のCCM計算実績データおよびCCM計算手段を備えたサーバと、測色器による色情報入力手段および計算結果表示手段を備えたクライアントシステムとを備え、クライアントの測色器で所望の色の情報をサーバに送信する際に、測色器のキャリブレーション用の色をも測定して送信することを特徴とするCCM計算システム。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキ、塗料等の分野において、所望の色を再現する特色インキを得るための基準色材の配合を計算するCCM計算システムに関する。特にクライアントにおいて所望の色を測色し、該測色データをネットワーク等を通じてサーバに送り、該サーバにおいてCCM計算を行い、計算結果をクライアントに返すシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
塗料やインキ等の色材において、通常供給されている色以外のいわゆる特色を得るためには、基準色材を所定の割合で配合してよく撹拌混合し、所望する色を再現する特色インキを得る方法がある。所望する色の見本を測色して、そのデータを基にしてその色を出すための配合の計算を行うのがCCMシステム(コンピュータ支援調色システム)である。ここで基準色材とはインキや塗料分野ではスタンダード品、ベースカラー等と呼ばれる標準的な色材のセットで、数種類〜数十種類の色からなるものが一般的である。
【0003】
CCMシステムには、
(1)所望する色の見本を測色する分光光度計等の測色器、
(2)基準色材のデータを納めたデータベース、
(3)測色データを基に基準色材の配合計算を行う演算部、
の3つは最低限必要である。通常は(2)、(3)の機能(ハード及びソフト)を備えたコンピュータに(1)の測定装置を接続したものがCCMシステムとして市販されており、これは一つの完結したシステムであるのでスタンドアロン型とも呼ばれている。
【0004】
前記(2)のデータベースは色データ以外にも色材のコスト、用途、基材との適性、法規制など様々なデータを持つのが普通であり、そのデータ量は日々増大し、複雑化しつつあり、また常に最新のデータにしておく必要がある。故にクライアントはデータベースを頻繁に更新しなければならず、またその量は増大する一方である。
また前記(3)の演算部は配合計算の精度を高めるべく改良が続けられており、その内容(ソフトウェア等)を随時更新する必要がある。
【0005】
最近のコンピュータの進歩は目覚しいものがあるが、産業用のCCMシステムへの要求性能の拡大はそれをも上回るほどであり、システムも大型化し、価格も高くなるとともに、前記の理由でスタンドアロン型ではシステムを最新のものに維持するための保守の費用と手間は増大する一方である。
【0006】
上記の問題点を解決するために、近年はネットワークを利用して、前記のスタンドアロン型を例にとれば、(1)の測定装置はクライアントのところ置くが、(2)、(3)の機能はホストコンピュータに持たせて、測定データをインターネット等のネットワーク機能によって測色データをクライアントからホストコンピュータに送り、配合等の計算結果をクライアントに返送するシステム等が提案されている。これを本明細書ではリモートCCMシステムという。リモートCCMシステムではデータベースおよびCCM計算の保守管理はすべてホストコンピュータで行われるので、クライアントは前述したような保守管理作業は不要である。
【0007】
特開平5−269973号公報には、測色器を設置した現場とセンターとが通信回線で結ばれ、測定したデータをセンターに送信し、配合計算を行ってベースインキを実際に計量して配合するシステムが開示されている。
【0008】
特開平10−324829号公報には、自動車補修用塗料の調色装置として、通信回線を介して塗料用配合剤の基礎データ等を参照できる装置の発明が開示されている。
【0009】
特開2001−283013号公報には、分光測色器で特色のデータを測定して通信ネットワークを介して受信側に送信し、受信側はその色を作り出す配合を計算し、さらに該配合にしたがって自動調色機でインキを配合し、できた特色インキを納品する方法が開示されている。
【0010】
特開2002−56246号公報には、顧客はその保有する塗料(再利用したい塗料)のデータと、求める特色のデータをインターネット等の送信手段によりホストコンピュータ(サービス提供者)に送り、サービス提供者は顧客の保有する塗料に追加すべき塗料成分を計算して顧客に提供するシステムが開示されている。顧客の手持ちの塗料の有効利用を図ろうとするものである。
【0011】
特開2002−90222号公報には、クライアントは測色器を持たず、色見本帳等の標準色材と所望の色との色差を目視で判断して、色相、明度、彩度等の差を推定してそのデータをインターネット等を介してサーバに送り、サーバで計算された配合データを受け取って調色を行う(最初の試作)方法が開示されている。最初の試作の色をさらに補正する場合は、該試作の色と所望の色との差を同様に目視で判断してサーバに送り、補正するための配合を得て調色を行う。測色器は不要であるものの、色相、明度、彩度等の差を目視でおおよそながら数値的に把握する必要があり、熟練者向けといえる。
【0012】
前記した文献に記載されているリモートCCMシステムは、これから該システムを新たに導入しようとするクライアントにとっては有利な点が多い。
しかしながらスタンドアロン型のCCMシステムは長年販売されており、既に保有している企業等は少なくない。これらの企業がリモートCCMシステムを導入しようとすると、従来保有している測色器が使用できなくなることがある。測色器は一般に高価である上に、メーカー毎や機種毎に特徴があり測定データも同じになるとは限らず、それぞれのCCMサービスで使用できる測色器が指定されているか、専用に調整済みのものを購入しなければならないことが多い。現有の測色器が使えないのは不経済である。
【0013】
また専用の測色器を購入した場合でも、分光光度計等の測色器は定期的なキャリブレーション(精度の確認と補正)が必要であるが、標準色の見本帳等を備えて保守管理をすることはなかなか面倒である。
【0014】
特色のCCMサービスを受けるクライアントは、以前に配合データを受け取って自分で配合したり、特色インキを購入したりしていることが多いが、それらの記録や、そのときに作成または注文したインキの量あるいは残り量をきちんと把握しているクライアントばかりとは言い難い。特色インキは通常一回限りの使用であり、特注品であって足りなくなると面倒なので多い目に作るかまたは注文することが多い。インキの余りが発生しがちであるが、余っても使いみちはほとんど無い。余って死蔵されているインキ等があるならそれを再利用できれば経済的である。
【0015】
余った特色インキを再利用するために、在庫になっている特色インキのデータを、求める色のデータと合わせて送信し、CCMサービスを受けるシステム(前記の特開2002−56246号公報)もある。しかし必ずしもその色が使えるわけではないので測色や送信の手間と時間が無駄になってしまうこともある。またインキなどでは塗ってすぐに測色はできず、数時間かけて乾燥させる必要があるので、インキが残っていてもすぐに測色するわけにはいかず、急ぎの仕事には間に合わない。かといって、将来いつあるかわからない測色に備えて紙や金属板に塗工したものを事前に用意しておくのは、その保管や管理の手間が面倒である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
(1)リモートCCMシステムにおいて、クライアントが測色したデータをサーバに送信する際に、使用する測色器のキャリブレーション用データをもサーバに送信することにより、測色データの信頼性を高め、以てCCMの計算精度を高めるシステムを提供する。
(2)クライアントの個別のCCM計算依頼実績や特色の配合、特色インキの注文実績をサーバー側で管理し、過去の測定データや、作ったインキ、注文したインキをできるだけ無駄にせず、できる限り再利用するシステムを提供する。
(3)クライアントが保有する色材をCCM計算の基礎となる基準色材に追加することができるシステムを提供する。
(4)クライアントが複数の測色器を使用する場合に、それらの測色器をクライアント毎に登録することができ、測色においてそれら登録されている機器リストから選択が可能であるシステムを提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1)本システムのサーバは、CCM計算の基準となる色材の色データのデータベースを持つ。クライアントは所望の色の見本等を自分が持つ測色器によって測定し、該測定データを通信回線等を経由してサーバに送る。この際に測色器のキャリブレーションのためにクライアントが持っている標準色見本をも測定し、そのデータもサーバに送る。測定データを受け取ったサーバはキャリブレーション用のデータをチェックしてクライアントの測色器の動作が正常であることを確認した後、所望の色を出すための基準色材の配合計算を行う。計算結果は通信回線等を経由してクライアントの端末に送られ、表示や印刷、保管される。
【0018】
キャリブレーション用のデータとしては、標準色見本だけでなく、所望の色に応じて、CCM計算の精度を高めるために必要であるとサーバのシステムが判断し、クライアント側に指示する色見本等の測定データも用いることができる。クライアントはサーバからの指示に従って標準色見本帳などの指定色を測定し、データをサーバに送る。
【0019】
このような手順を経ることにより、測色器の動作やデータが正常であることをCCMの計算依頼をする都度確認できるので、所望の色の配合計算の信頼性を高めることができる。
【0020】
(2)サーバでは、CCM計算の結果はクライアント毎に検索できる形に保管する。あるクライアントが計算依頼をする場合に、該クライアントは過去の計算結果を検索して端末に表示させることができ、それらの色から任意に選択した色(複数も可)も、今回依頼しようとする所望色を出すための基準色材に含めるように指示することができる。
【0021】
このような手順を経ることにより、クライアントは過去に実績のある所望色に近い色を計算依頼する場合などに、新たな計算結果を検証することがある程度可能となる。また過去の依頼色のインキや塗料等を在庫している場合に、それらを再利用することも可能となる。そしてクライアントにとっては、今までの計算依頼実績を管理する手間が大幅に省かれる。
(3)さらにクライアントは、過去に計算依頼して自分で配合したかまたは注文して保有している色材を測定してそのデータをサーバに登録し、CCM計算を行う際の基準色材に使うかどうかを指示することができる。またその他に保有している任意の色材を測定し、そのデータを同様にサーバに登録することができる。これらの基準色材の追加登録機能により、手持ちの色材の範囲内でできる限り所望の色に近似した特色インキを急いで必要とする場合にも本発明のCCM計算システムを利用できる。
なお、過去のCCM計算依頼実績や、特色インキの注文記録、基準色材に追加登録されたデータ等はクライアント毎に管理される。
【0022】
(4)サーバにおいては、測色器のキャリブレーション用のデータに基づき、クライアントの測色データがサーバでCCM計算を行う上で標準として用いられる測色データに補正できる範囲であるかを判定する。補正が可能な範囲内であれば、該補正を行うことによりクライアントの測色データを計算に用いることができるので、クライアントは自分の持つ測色器を使うことができる。クライアントは測色器を複数所有する場合には、それぞれを番号等でサーバに登録しておき、計算依頼をする毎にどの測色器を使用するか指定することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
[測色およびデータの送信]
図1は本発明のシステムの構成を示すブロック図である。この図において、符号1はクライアントのところにあるシステム(以下クライアントシステムという)である。また符号2はサーバにあるシステム(以下サーバシステムという)である。
【0024】
クライアントシステムは測色器3を接続したコンピュータ4を備える。所望する特色のサンプル等を測色器3で測定し、該測定データおよび付随するデータを通信回線7を経由してサーバシステム2にあるコンピュータ6に送られる。クライアントはまた測色器のキャリブレーション用に予め決められている標準的な色見本を測定したデータをもサーバに送信する。この標準的な色見本はプロセス印刷の4原色などの一般的なもので良い。
【0025】
付随するデータとしては、クライアントを識別するためのIDコード、特色の用途(紙、金属、フィルムなどの印刷対象の別、必要な耐性等)などが挙げられる。測色器を複数所有する場合には、今回の測色において用いる測色器を識別する番号等をもサーバに送信する。
【0026】
[データの受信と前処理]
クライアントのアクセスを受けて、サーバは特色のデータや付随するデータ、測色器のキャリブレーション用のデータを受け取る。サーバは、データの特性に応じて、さらに該クライアントの測色器のキャリブレーションに適するものとしてクライアントが追加で測定すべき色見本情報をクライアントに送信することもできる。この色見本は標準色見本のなかで、今回計算しようとしている特色に関連づけられたものを選んでも良い。例えば橙色の系統の色を所望されたなら、サーバは黄色および紅の標準色見本をも測定して送信するようにクライアントに指示を出すことができる。標準色見本はあらかじめ見本帳としてクライアントに配布されているか、または市販の色見本帳であらかじめ決められたものを用いることができる。
【0027】
サーバはクライアントが過去にCCM計算依頼をした履歴や実績のデータをもクライアントの要求に応じて送信する。クライアントはそれら履歴を見て、今回のCCM計算の基礎データとして使用したいものがあればそれを選び、サーバに送信する。過去に計算依頼した特色インキが残っており、それを再利用する場合は、利用可能な残量をもサーバに送信する。残っている特色インキの色見本を作成して測色することが可能であれば、その測色データをもサーバに送信できる。その他に基準色材に加えたい色材があれば、その測色データをサーバに送信できる。
【0028】
[CCM計算処理]
サーバはクライアントの測色器のキャリブレーション用データについて、過去の記録と照合し、そのバラツキや振れが許容限度内であるかどうかチェックする。許容限度内とは測色データをそのまま使用できるか、または補正処理をして使える程度のバラツキであることをいう。許容限度を超えている場合はクライアントにその旨を連絡し、測色器に何らかの異常が起きているためCCM計算はできないことを伝える。クライアントは別に登録されていて使える測色器があれば、その測色器を用いることができる。
測色器が故障で修理する場合にもこのような測色器の交代機能は有用である。
【0029】
測色データに問題が無い場合は、CCM計算を行い、配合データをクライアントに送信する。過去に配合計算した特色をも基礎データとして含めるように依頼がある場合は、該特色を含めたものと、除外したものと両方の計算結果を送信する。クライアントはこれらの計算結果から自由に選択することができる。
【0030】
クライアントは計算結果を見て、直ちにその配合の特色インキを発注できるシステムとすることもできる。過去に作成した特色インキの残りを再利用する場合は、自分で配合することになるが、そのために配合結果のうち該残りの特色インキ以外のものを発注できるシステムとすることもできる。
【0031】
【発明の効果】
本発明のシステムにおいて、クライアントにおいては測色器および測色データをサーバに送信する機能を最低限備えたコンピュータのみを持てばよいので設備費用は少なくて済む。また新規のクライアントでも測色器を保有しているならサーバに登録することでそれらを使用できる。また、保有している他の用途で使用中の測色器も利用できる。これらをリモートでCCM計算を依頼する都度キャリブレーションして用いるので、精密機器である測色器のデータの信頼性を保つことができる。
さらに保有する測色器毎に必要な、複雑かつ異なる手順の保守/維持作業を本発明のリモートCCMシステムにおけるキャリブレーション作業に集約できるメリットがある。
またサーバでは各クライアント毎の過去の計算結果を保管しており、クライアントはそれらのデータを新たなCCM計算の基準色材として選択可能であるので、過去に作成した特色インキが残っている場合はそれらの再利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリモートCCMシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 クライアントのシステム
2 サーバのシステム
3 測色器
4 コンピュータ
5 コンピュータ
6 通信回線
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキ、塗料等の分野において、所望の色を再現する特色インキを得るための基準色材の配合を計算するCCM計算システムに関する。特にクライアントにおいて所望の色を測色し、該測色データをネットワーク等を通じてサーバに送り、該サーバにおいてCCM計算を行い、計算結果をクライアントに返すシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
塗料やインキ等の色材において、通常供給されている色以外のいわゆる特色を得るためには、基準色材を所定の割合で配合してよく撹拌混合し、所望する色を再現する特色インキを得る方法がある。所望する色の見本を測色して、そのデータを基にしてその色を出すための配合の計算を行うのがCCMシステム(コンピュータ支援調色システム)である。ここで基準色材とはインキや塗料分野ではスタンダード品、ベースカラー等と呼ばれる標準的な色材のセットで、数種類〜数十種類の色からなるものが一般的である。
【0003】
CCMシステムには、
(1)所望する色の見本を測色する分光光度計等の測色器、
(2)基準色材のデータを納めたデータベース、
(3)測色データを基に基準色材の配合計算を行う演算部、
の3つは最低限必要である。通常は(2)、(3)の機能(ハード及びソフト)を備えたコンピュータに(1)の測定装置を接続したものがCCMシステムとして市販されており、これは一つの完結したシステムであるのでスタンドアロン型とも呼ばれている。
【0004】
前記(2)のデータベースは色データ以外にも色材のコスト、用途、基材との適性、法規制など様々なデータを持つのが普通であり、そのデータ量は日々増大し、複雑化しつつあり、また常に最新のデータにしておく必要がある。故にクライアントはデータベースを頻繁に更新しなければならず、またその量は増大する一方である。
また前記(3)の演算部は配合計算の精度を高めるべく改良が続けられており、その内容(ソフトウェア等)を随時更新する必要がある。
【0005】
最近のコンピュータの進歩は目覚しいものがあるが、産業用のCCMシステムへの要求性能の拡大はそれをも上回るほどであり、システムも大型化し、価格も高くなるとともに、前記の理由でスタンドアロン型ではシステムを最新のものに維持するための保守の費用と手間は増大する一方である。
【0006】
上記の問題点を解決するために、近年はネットワークを利用して、前記のスタンドアロン型を例にとれば、(1)の測定装置はクライアントのところ置くが、(2)、(3)の機能はホストコンピュータに持たせて、測定データをインターネット等のネットワーク機能によって測色データをクライアントからホストコンピュータに送り、配合等の計算結果をクライアントに返送するシステム等が提案されている。これを本明細書ではリモートCCMシステムという。リモートCCMシステムではデータベースおよびCCM計算の保守管理はすべてホストコンピュータで行われるので、クライアントは前述したような保守管理作業は不要である。
【0007】
特開平5−269973号公報には、測色器を設置した現場とセンターとが通信回線で結ばれ、測定したデータをセンターに送信し、配合計算を行ってベースインキを実際に計量して配合するシステムが開示されている。
【0008】
特開平10−324829号公報には、自動車補修用塗料の調色装置として、通信回線を介して塗料用配合剤の基礎データ等を参照できる装置の発明が開示されている。
【0009】
特開2001−283013号公報には、分光測色器で特色のデータを測定して通信ネットワークを介して受信側に送信し、受信側はその色を作り出す配合を計算し、さらに該配合にしたがって自動調色機でインキを配合し、できた特色インキを納品する方法が開示されている。
【0010】
特開2002−56246号公報には、顧客はその保有する塗料(再利用したい塗料)のデータと、求める特色のデータをインターネット等の送信手段によりホストコンピュータ(サービス提供者)に送り、サービス提供者は顧客の保有する塗料に追加すべき塗料成分を計算して顧客に提供するシステムが開示されている。顧客の手持ちの塗料の有効利用を図ろうとするものである。
【0011】
特開2002−90222号公報には、クライアントは測色器を持たず、色見本帳等の標準色材と所望の色との色差を目視で判断して、色相、明度、彩度等の差を推定してそのデータをインターネット等を介してサーバに送り、サーバで計算された配合データを受け取って調色を行う(最初の試作)方法が開示されている。最初の試作の色をさらに補正する場合は、該試作の色と所望の色との差を同様に目視で判断してサーバに送り、補正するための配合を得て調色を行う。測色器は不要であるものの、色相、明度、彩度等の差を目視でおおよそながら数値的に把握する必要があり、熟練者向けといえる。
【0012】
前記した文献に記載されているリモートCCMシステムは、これから該システムを新たに導入しようとするクライアントにとっては有利な点が多い。
しかしながらスタンドアロン型のCCMシステムは長年販売されており、既に保有している企業等は少なくない。これらの企業がリモートCCMシステムを導入しようとすると、従来保有している測色器が使用できなくなることがある。測色器は一般に高価である上に、メーカー毎や機種毎に特徴があり測定データも同じになるとは限らず、それぞれのCCMサービスで使用できる測色器が指定されているか、専用に調整済みのものを購入しなければならないことが多い。現有の測色器が使えないのは不経済である。
【0013】
また専用の測色器を購入した場合でも、分光光度計等の測色器は定期的なキャリブレーション(精度の確認と補正)が必要であるが、標準色の見本帳等を備えて保守管理をすることはなかなか面倒である。
【0014】
特色のCCMサービスを受けるクライアントは、以前に配合データを受け取って自分で配合したり、特色インキを購入したりしていることが多いが、それらの記録や、そのときに作成または注文したインキの量あるいは残り量をきちんと把握しているクライアントばかりとは言い難い。特色インキは通常一回限りの使用であり、特注品であって足りなくなると面倒なので多い目に作るかまたは注文することが多い。インキの余りが発生しがちであるが、余っても使いみちはほとんど無い。余って死蔵されているインキ等があるならそれを再利用できれば経済的である。
【0015】
余った特色インキを再利用するために、在庫になっている特色インキのデータを、求める色のデータと合わせて送信し、CCMサービスを受けるシステム(前記の特開2002−56246号公報)もある。しかし必ずしもその色が使えるわけではないので測色や送信の手間と時間が無駄になってしまうこともある。またインキなどでは塗ってすぐに測色はできず、数時間かけて乾燥させる必要があるので、インキが残っていてもすぐに測色するわけにはいかず、急ぎの仕事には間に合わない。かといって、将来いつあるかわからない測色に備えて紙や金属板に塗工したものを事前に用意しておくのは、その保管や管理の手間が面倒である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
(1)リモートCCMシステムにおいて、クライアントが測色したデータをサーバに送信する際に、使用する測色器のキャリブレーション用データをもサーバに送信することにより、測色データの信頼性を高め、以てCCMの計算精度を高めるシステムを提供する。
(2)クライアントの個別のCCM計算依頼実績や特色の配合、特色インキの注文実績をサーバー側で管理し、過去の測定データや、作ったインキ、注文したインキをできるだけ無駄にせず、できる限り再利用するシステムを提供する。
(3)クライアントが保有する色材をCCM計算の基礎となる基準色材に追加することができるシステムを提供する。
(4)クライアントが複数の測色器を使用する場合に、それらの測色器をクライアント毎に登録することができ、測色においてそれら登録されている機器リストから選択が可能であるシステムを提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1)本システムのサーバは、CCM計算の基準となる色材の色データのデータベースを持つ。クライアントは所望の色の見本等を自分が持つ測色器によって測定し、該測定データを通信回線等を経由してサーバに送る。この際に測色器のキャリブレーションのためにクライアントが持っている標準色見本をも測定し、そのデータもサーバに送る。測定データを受け取ったサーバはキャリブレーション用のデータをチェックしてクライアントの測色器の動作が正常であることを確認した後、所望の色を出すための基準色材の配合計算を行う。計算結果は通信回線等を経由してクライアントの端末に送られ、表示や印刷、保管される。
【0018】
キャリブレーション用のデータとしては、標準色見本だけでなく、所望の色に応じて、CCM計算の精度を高めるために必要であるとサーバのシステムが判断し、クライアント側に指示する色見本等の測定データも用いることができる。クライアントはサーバからの指示に従って標準色見本帳などの指定色を測定し、データをサーバに送る。
【0019】
このような手順を経ることにより、測色器の動作やデータが正常であることをCCMの計算依頼をする都度確認できるので、所望の色の配合計算の信頼性を高めることができる。
【0020】
(2)サーバでは、CCM計算の結果はクライアント毎に検索できる形に保管する。あるクライアントが計算依頼をする場合に、該クライアントは過去の計算結果を検索して端末に表示させることができ、それらの色から任意に選択した色(複数も可)も、今回依頼しようとする所望色を出すための基準色材に含めるように指示することができる。
【0021】
このような手順を経ることにより、クライアントは過去に実績のある所望色に近い色を計算依頼する場合などに、新たな計算結果を検証することがある程度可能となる。また過去の依頼色のインキや塗料等を在庫している場合に、それらを再利用することも可能となる。そしてクライアントにとっては、今までの計算依頼実績を管理する手間が大幅に省かれる。
(3)さらにクライアントは、過去に計算依頼して自分で配合したかまたは注文して保有している色材を測定してそのデータをサーバに登録し、CCM計算を行う際の基準色材に使うかどうかを指示することができる。またその他に保有している任意の色材を測定し、そのデータを同様にサーバに登録することができる。これらの基準色材の追加登録機能により、手持ちの色材の範囲内でできる限り所望の色に近似した特色インキを急いで必要とする場合にも本発明のCCM計算システムを利用できる。
なお、過去のCCM計算依頼実績や、特色インキの注文記録、基準色材に追加登録されたデータ等はクライアント毎に管理される。
【0022】
(4)サーバにおいては、測色器のキャリブレーション用のデータに基づき、クライアントの測色データがサーバでCCM計算を行う上で標準として用いられる測色データに補正できる範囲であるかを判定する。補正が可能な範囲内であれば、該補正を行うことによりクライアントの測色データを計算に用いることができるので、クライアントは自分の持つ測色器を使うことができる。クライアントは測色器を複数所有する場合には、それぞれを番号等でサーバに登録しておき、計算依頼をする毎にどの測色器を使用するか指定することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
[測色およびデータの送信]
図1は本発明のシステムの構成を示すブロック図である。この図において、符号1はクライアントのところにあるシステム(以下クライアントシステムという)である。また符号2はサーバにあるシステム(以下サーバシステムという)である。
【0024】
クライアントシステムは測色器3を接続したコンピュータ4を備える。所望する特色のサンプル等を測色器3で測定し、該測定データおよび付随するデータを通信回線7を経由してサーバシステム2にあるコンピュータ6に送られる。クライアントはまた測色器のキャリブレーション用に予め決められている標準的な色見本を測定したデータをもサーバに送信する。この標準的な色見本はプロセス印刷の4原色などの一般的なもので良い。
【0025】
付随するデータとしては、クライアントを識別するためのIDコード、特色の用途(紙、金属、フィルムなどの印刷対象の別、必要な耐性等)などが挙げられる。測色器を複数所有する場合には、今回の測色において用いる測色器を識別する番号等をもサーバに送信する。
【0026】
[データの受信と前処理]
クライアントのアクセスを受けて、サーバは特色のデータや付随するデータ、測色器のキャリブレーション用のデータを受け取る。サーバは、データの特性に応じて、さらに該クライアントの測色器のキャリブレーションに適するものとしてクライアントが追加で測定すべき色見本情報をクライアントに送信することもできる。この色見本は標準色見本のなかで、今回計算しようとしている特色に関連づけられたものを選んでも良い。例えば橙色の系統の色を所望されたなら、サーバは黄色および紅の標準色見本をも測定して送信するようにクライアントに指示を出すことができる。標準色見本はあらかじめ見本帳としてクライアントに配布されているか、または市販の色見本帳であらかじめ決められたものを用いることができる。
【0027】
サーバはクライアントが過去にCCM計算依頼をした履歴や実績のデータをもクライアントの要求に応じて送信する。クライアントはそれら履歴を見て、今回のCCM計算の基礎データとして使用したいものがあればそれを選び、サーバに送信する。過去に計算依頼した特色インキが残っており、それを再利用する場合は、利用可能な残量をもサーバに送信する。残っている特色インキの色見本を作成して測色することが可能であれば、その測色データをもサーバに送信できる。その他に基準色材に加えたい色材があれば、その測色データをサーバに送信できる。
【0028】
[CCM計算処理]
サーバはクライアントの測色器のキャリブレーション用データについて、過去の記録と照合し、そのバラツキや振れが許容限度内であるかどうかチェックする。許容限度内とは測色データをそのまま使用できるか、または補正処理をして使える程度のバラツキであることをいう。許容限度を超えている場合はクライアントにその旨を連絡し、測色器に何らかの異常が起きているためCCM計算はできないことを伝える。クライアントは別に登録されていて使える測色器があれば、その測色器を用いることができる。
測色器が故障で修理する場合にもこのような測色器の交代機能は有用である。
【0029】
測色データに問題が無い場合は、CCM計算を行い、配合データをクライアントに送信する。過去に配合計算した特色をも基礎データとして含めるように依頼がある場合は、該特色を含めたものと、除外したものと両方の計算結果を送信する。クライアントはこれらの計算結果から自由に選択することができる。
【0030】
クライアントは計算結果を見て、直ちにその配合の特色インキを発注できるシステムとすることもできる。過去に作成した特色インキの残りを再利用する場合は、自分で配合することになるが、そのために配合結果のうち該残りの特色インキ以外のものを発注できるシステムとすることもできる。
【0031】
【発明の効果】
本発明のシステムにおいて、クライアントにおいては測色器および測色データをサーバに送信する機能を最低限備えたコンピュータのみを持てばよいので設備費用は少なくて済む。また新規のクライアントでも測色器を保有しているならサーバに登録することでそれらを使用できる。また、保有している他の用途で使用中の測色器も利用できる。これらをリモートでCCM計算を依頼する都度キャリブレーションして用いるので、精密機器である測色器のデータの信頼性を保つことができる。
さらに保有する測色器毎に必要な、複雑かつ異なる手順の保守/維持作業を本発明のリモートCCMシステムにおけるキャリブレーション作業に集約できるメリットがある。
またサーバでは各クライアント毎の過去の計算結果を保管しており、クライアントはそれらのデータを新たなCCM計算の基準色材として選択可能であるので、過去に作成した特色インキが残っている場合はそれらの再利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリモートCCMシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 クライアントのシステム
2 サーバのシステム
3 測色器
4 コンピュータ
5 コンピュータ
6 通信回線
Claims (4)
- 色データ、クライアント毎のCCM計算実績データおよびCCM計算手段を備えたサーバと、
測色器による色情報入力手段および計算結果表示手段を備えたクライアントシステムとを備え、
クライアントの測色器で所望の色の情報をサーバに送信する際に、測色器のキャリブレーション用の色をも測定して送信することを特徴とするCCM計算システム。 - クライアントの依頼によるCCM計算結果の色データをCCM計算に用いる基準色材のデータに追加することができる請求項1に記載のCCM計算システム。
- クライアントの保有する色材の色データをCCM計算に用いる基準色材のデータに追加することができる請求項1に記載のCCM計算システム。
- クライアントが複数の測色器を持ち、所望の色の測色に用いる測色器をサーバからの指示またはクライアントの選択により指定することを特徴とする請求項1に記載のCCM計算システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012502822A (ja) * | 2008-09-22 | 2012-02-02 | エルエフエイチ ブランド アイデンティティー コンサルタンツ リミテッド | 印刷方法 |
JPWO2012117492A1 (ja) * | 2011-02-28 | 2014-07-07 | Necディスプレイソリューションズ株式会社 | 表示装置、表示装置の制御方法 |
JP2020049855A (ja) * | 2018-09-27 | 2020-04-02 | 株式会社リコー | 画像処理装置及びプログラム |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002253194A patent/JP2004094484A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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