JP2004093168A - 吸着水分量の計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】還元性を有するイオンを含むと共に重水素(D)成分を意図的に増加させた第1の検査溶液及び第1の検査溶液と同じ成分であって吸着水分量の計測対象である水分を含む物体を浸漬した第2の検査溶液を作成し、第1及び第2の検査溶液中にそれぞれ各別にシリコンを浸漬して表面を重水素(D)と軽水素(H)で覆った後、シリコン表面の軽水素(H)及び重水素(D)の比を前記各シリコンについて比較することに依って前記計測対象である水分を含む物体の水分量を計測することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体表面に吸着された極微量の水分を計測することを可能にした吸着水分量の計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスを作成する為のウエハの表面、或いは、作業工具の表面などに吸着された極微量の水分を計測する方法として、化学天秤などを用いて重量増加を高感度で検出することが知られているが、気温の変化に起因する浮力の変化の影響を除去することは極めて困難である為、一般的な方法とは言えず、しかも、半導体装置の製造工程には無害である有機物の付着と区別することができない。
【0003】
また、吸着した水分の熱振動を検出する方法も知られているが、その感度は不充分であることから、殆ど実用化されていない。
【0004】
例えば、半導体デバイスの製造工程に於いて、ある工程から次の工程へと進む間には、加工中のウエハを暫時保管しなければならない場合があり、その際、ウエハ表面や作業工具の表面に水分の吸着が必ず起こり、その水分は時間とともに増加する。
【0005】
そこで、半導体デバイスの製造工程では、ウエハや作業工具への水分の吸着量が充分に少なく、安定に製造工程を進めることが許容される最長の時間、即ち、キュー・タイム(queue time)を経験的に設定している。
【0006】
一般に、ウエハや作業工具などに吸着される水分は湿度及び温度に依って大きく異なるのであるが、現在、吸着された水分量を計測する手段が存在しない為、安全を見越してキュー・タイムを充分短めに設定しているので、効率的な生産が阻害されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、水分を含む物質に含まれる水分量を簡単且つ容易に計測、且つ、知得できるようにし、例えば半導体装置を効率的に生産できるようにする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る吸着水分量の計測方法に於いては、還元性を有するイオンを含むと共に重水素(D)成分を意図的に増加させた第1の検査溶液及び第1の検査溶液と同じ成分であって吸着水分量の計測対象である水分を含む物体を浸漬した第2の検査溶液を作成し、第1及び第2の検査溶液中にそれぞれ各別にシリコンを浸漬して表面を重水素(D)と軽水素(H)で覆った後、シリコン表面の軽水素(H)及び重水素(D)の比を前記各シリコンについて比較することに依って前記計測対象である水分を含む物体の水分量を計測することを特徴とする。
【0009】
前記手段を採ることに依り、水分を含む物質に含まれる水分量を簡便に計測することができるので、例えば半導体装置を製造する工程中に於けるキュー・タイムを最適化することが可能となり、生産効率は向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態
亜硫酸イオン(SO3 2−)を含み、重水素(D)成分を意図的に増加させた第1の検査溶液を調製し、全く同じ成分からなる水溶液中に水分を含む物質を浸漬して第2の検査溶液を調製する。
【0011】
第1の検査溶液及び第2の検査溶液にそれぞれシリコン(ウエハで可)を浸漬し、表面を重水素(D)と軽水素(H)のみで覆う。
【0012】
赤外分光法を適用することに依り、各シリコンの表面を覆う重水素量と軽水素量を計測し、重水素と軽水素の比を比較することで、水分を含む物質に含まれていた水分量(軽水素量)を求める。
【0013】
上記実施の形態を実施する場合、検査溶液の作製から始め、赤外分光法に依る計測、水分量の決定に至るまで、約30〔分〕程度で終了する。
【0014】
検査溶液に浸漬する水分を含む物質、即ち、試料は、多量に用いた方が望ましく、その理由は、水分量が多くなって計測し易いことに依る。また、検査溶液の量は、できるだけ少なくする方が検出感度は向上する。
【0015】
特に、微量水分の計測には、空気中の水分が検査溶液に混入することを避ける構成、例えば検査溶液が空気に触れないようにすると良い。また、試料を浸漬する前後に於ける変化量から算出するようにしても良い。
【0016】
検査溶液に亜硫酸イオンを混入する理由は、検査溶液中の溶存酸素に依ってシリコン表面が酸化されることを抑止し、シリコン表面の水素(重水素)化が行われるようにする為である(要すれば、「S.Watanabe,AppliedSurface Science 162−163(2000)146−151」、を参照)。
【0017】
また、硫酸イオンの作用に依り、検査溶液中の軽水素/重水素存在量比に比較してシリコン表面に於ける軽水素/重水素存在量比が大きくなる為、結果的に検査溶液中の僅かの軽水素量が増感される結果となり、それがシリコン表面に実現されることになる。
【0018】
図1は検査溶液中のH存在比とSiH吸収量(シリコン表面に於けるHの存在量)との関係を表す線図であり、水分を吸着したシリコン・ウエハの計測例を示している。
【0019】
(NH4 )2 SO3 を10〔重量%〕含むD2 0、H2 0混合液中にシリコン・ウエハを30〔分〕間浸漬し、表面を赤外分光法で調べたところ、吸収量は1×10−10 であった。
【0020】
図1に依ると、検査溶液中のH濃度は1×10−11 となって、表面に吸着されていた水分量を計測することができる。尚、このシリコン・ウエハでは、8〔ng〕のH2 0が吸着されていた。
【0021】
図2は赤外分光法に依るSi−H及びSi−Dの吸収を例示する線図であり、前記説明したように、試料であるシリコン・ウエハを検査溶液に浸漬した後の表面では、Si(111)表面に存在するSi−H結合とSi−D結合に依る伸縮振動が赤外吸収として検出される。尚、吸収面積はH存在量に比例し、H存在量が減少すると、Si−Hに依る吸収が減少し、反対にSi−Dに依る吸収が増大する。
【0022】
検査溶液中に浸漬するシリコン表面は、予め既存の方法(方法Aとする)、即ち、特開平2002−50605公報に開示された方法に依って、重水素で覆っておくか、又は、薄いシリコン酸化膜で覆っておいても良い。尚、薄いシリコン酸化膜は、亜硫酸イオンを含む弱アルカリ中で溶解するので問題は起こらない。
【0023】
因みに、特開平2002−50605公報に開示された発明は、「シリコン表面の安定化方法,および半導体装置の製造方法」、であって、還元性のイオン、例えば亜硫酸イオン(SO3 2−)を含む重水にシリコンを浸漬し、それに依って予め水素化されたシリコン表面を重水素化処理する技術である。
【0024】実施例1
亜硫酸イオン(SO3 2−)を含有する(NH4 )2 SO3 を10〔重量%〕含む重水からなる第1の検査溶液と第2の検査溶液を準備する。
【0025】
第1の検査溶液には、軽水素を自然同位体比で含む水分を吸着したシリコン・ウエハ(吸着水分量計測試料)を約15〔分〕間程度浸漬する。
【0026】
方法Aに依って、100〔%〕重水素化された表面をもつシリコン・ウエハ2枚を第1の検査溶液及び第2の検査溶液に各別に浸漬する。
【0027】
赤外分光法を適用することに依り、2枚のシリコン・ウエハの表面に於ける軽水素量、及び、重水素量を計測し、2枚のシリコン・ウエハ間の差が前記試料のシリコン・ウエハが吸着していた水分量となる。
【0028】
実施例2
亜硫酸イオン(SO3 2−)を含有する(NH4 )2 SO3 を10〔重量%〕 む重水からなる第1の検査溶液のみを準備する。
【0029】
方法Aに依って、100〔%〕重水素化された表面をもつシリコン・ウエハ1枚を第1の検査溶液に2〔分〕間浸漬してから取り出して試料1とする。
【0030】
第1の検査溶液に吸着水分量の計測対象である例えばシリコン・ウエハを15〔分〕程度浸漬する。
【0031】方法Aに依って、100〔%〕重水素化された表面をもつ新たなシリコン・ウエハ1枚を第1の検査溶液に2〔分〕間浸漬してから取り出して試料2とする。
【0032】
前記試料1及び試料2のシリコン・ウエハの表面を赤外分光法を適用して軽水素量及び重水素量を計測し、その差が計測対象のシリコン・ウエハが吸着していた水分量となる。
【0033】
実施例2では、検査溶液が一つで済むが、検査中に大気中から侵入する水分が計測誤差となるので、微量水分を計測する場合は、検査環境を水分を含まない、例えば乾燥窒素雰囲気にする必要がある。
【0034】
実施例1或いは実施例2の何れに於いても還元性を有するイオンとして亜硫酸イオンを用いたが、これに限定されることなく、例えば、I− 、H2 PO2 2− 、S2 O3 2−、N2 H5 + 、COOH− 、C6 H4 NH2 NH3 + 、C6 H4 OHO− 、C6 H4 O2 2−、HPHO3 − 、PHO3 2−、C6 H3 C4 H9 OCH3 OH− から選択して、或いは、選択されたものを混合して用いても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明に依る吸着水分量の計測方法に於いては、還元性を有するイオンを含むと共に重水素(D)成分を意図的に増加させた第1の検査溶液及び第1の検査溶液と同じ成分であって吸着水分量の計測対象である水分を含む物体を浸漬した第2の検査溶液を作成し、第1及び第2の検査溶液中にそれぞれ各別にシリコンを浸漬して表面を重水素(D)と軽水素(H)で覆った後、シリコン表面の軽水素(H)及び重水素(D)の比を前記各シリコンについて比較することに依って前記計測対象である水分を含む物体の水分量を計測するようにしている。
【0036】
前記構成を採ることに依り、水分を含む物質に含まれる水分量を簡便に計測することができるので、例えば半導体装置を製造する工程中に於けるキュー・タイムを最適化することが可能となり、生産効率は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】検査溶液中のH存在比とSiH吸収量(シリコン表面に於けるHの存在量)との関係を表す線図である。
【図2】赤外分光法に依るSi−H及びSi−Dの吸収を例示する線図である。
Claims (2)
- 還元性を有するイオンを含むと共に重水素(D)成分を意図的に増加させた第1の検査溶液及び第1の検査溶液と同じ成分であって吸着水分量の計測対象である水分を含む物体を浸漬した第2の検査溶液を作成し、
第1及び第2の検査溶液中にそれぞれ各別にシリコンを浸漬して表面を重水素(D)と軽水素(H)で覆った後、
シリコン表面の軽水素(H)及び重水素(D)の比を前記各シリコンについて比較することに依って前記計測対象である水分を含む物体の水分量を計測すること
を特徴とする吸着水分量の計測方法。 - 還元性を有するイオンを含むと共に重水素(D)成分を意図的に増加させた検査溶液を作成し、
次に、100〔%〕重水素化された表面をもつシリコン・ウエハを前記検査溶液に浸漬してから取り出して試料1とし、
次に、前記検査溶液に吸着水分量の計測対象である水分を含む物体を浸漬し、次に、100〔%〕重水素化された表面をもつシリコン・ウエハを前記検査溶液に浸漬してから取り出して試料2とし、
次に、赤外分光法を適用することに依って、前記試料1及び試料2であるシリコン・ウエハ表面に於ける軽水素量及び重水素量を計測し且つその計測値の差を求めて前記吸着水分量の計測対象である水分を含む物体が吸着していた水分量とすること
を特徴とする吸着水分量の計測方法。
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