JP2004089943A - 有機性廃棄物処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機性廃棄物を効果的に撹拌することのできる有機性廃棄物処理装置を提供すること。
【解決手段】この発明の処理装置A1は、横断面円形状の縦型処理槽1と、処理槽1内に配置され、処理槽1の周面3に沿ってスパイラル状に延びたスパイラル羽根30と、処理槽1内の底部に配置された回転押出羽根20と、スパイラル羽根30及び回転押出羽根20を回転させる駆動装置40と、を備える。回転押出羽根20は、有機性廃棄物Wを処理槽1の周面3側へ押出移動させるものである。スパイラル羽根30は、廃棄物Wを上昇移動させるものである。そして、この処理装置A1は、回転押出羽根20及びスパイラル羽根30の回転に伴い、廃棄物Wがスパイラル羽根30により上昇移動されたのち、処理槽1の底部へ下降されるものとなされている。
【選択図】 図1
【解決手段】この発明の処理装置A1は、横断面円形状の縦型処理槽1と、処理槽1内に配置され、処理槽1の周面3に沿ってスパイラル状に延びたスパイラル羽根30と、処理槽1内の底部に配置された回転押出羽根20と、スパイラル羽根30及び回転押出羽根20を回転させる駆動装置40と、を備える。回転押出羽根20は、有機性廃棄物Wを処理槽1の周面3側へ押出移動させるものである。スパイラル羽根30は、廃棄物Wを上昇移動させるものである。そして、この処理装置A1は、回転押出羽根20及びスパイラル羽根30の回転に伴い、廃棄物Wがスパイラル羽根30により上昇移動されたのち、処理槽1の底部へ下降されるものとなされている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、生ゴミ等の有機性廃棄物を通性嫌気性微生物や好気性微生物等の微生物の醗酵分解作用により処理する有機性廃棄物処理装置に関し、詳述すると、例えば、有機性廃棄物から堆肥又は飼料を製造し、あるいは有機性廃棄物の容量を減少させる際に好適に用いられる、縦型処理槽を用いた有機性廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の有機性廃棄物処理装置として、有機性廃棄物を処理槽内に収容し処理する槽方式のものが知られている。この槽方式の処理装置を大別すると、横型の処理槽内に廃棄物を収容し処理する「横型処理槽方式」のもの(例えば、特許文献1〜4参照。)と、縦型の処理槽内に廃棄物を収容し処理する「縦型処理槽方式」のもの(例えば、特許文献5参照。)とがある。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−288986号公報
【特許文献2】
特開2001−162251号公報
【特許文献3】
特開2002−79222号公報
【特許文献4】
特開2002−145689号公報
【特許文献5】
特開平10−337553号公報
【0004】
横型処理槽方式の処理装置は、縦断面略U字状等の所定縦断面形状の横型処理槽内で、水平方向に延びた回転軸に設けられた撹拌羽根を前記回転軸を中心に回転させることにより、廃棄物を撹拌し処理するものである。
【0005】
縦型処理槽方式の処理装置は、円筒状の縦型処理槽内で、鉛直方向に延びた回転軸に設けられた様々な形状の撹拌羽根を前記回転軸を中心に回転させることにより、廃棄物を撹拌し処理するものである。前記撹拌羽根としては、回転軸から撹拌羽根が放射状に延びたパドル状撹拌羽根と、特許文献5に示すように回転軸の外周面に撹拌羽根がスパイラル状に設けられたスパイラル状撹拌羽根とがあり、パドル状撹拌羽根とスパイラル状撹拌羽根とのうちパドル状撹拌羽根を備えた処理装置が最も広く使用されている。
【0006】
上記横型処理槽方式の処理装置及び縦型処理槽方式の処理装置において、廃棄物を撹拌する目的は、いずれも、微生物の発酵分解作用を促進して廃棄物の処理速度を速くするためである。
【0007】
而して、横型処理槽方式の処理装置では、処理槽内において撹拌羽根の回転下半円領域を超えて廃棄物を収容すると、廃棄物が撹拌羽根と一緒に回転するいわゆる共回りを起こしてしまい、十分な撹拌効果を得ることができなかった。そのため、処理槽の有効容量は、処理槽の全容量の略半分に止まる。処理槽の有効容量を増大して処理能力を高めるには、処理槽の直径を大きくするか、あるいは処理槽の長さを長くすれば良いが、いずれの場合も回転軸や撹拌羽根に機械的な限界強度があるため、処理槽の有効容量を増大することは困難であった。そのため、横型処理槽方式の処理装置では、1日当たりの廃棄物処理量は、高々、数十キログラム〜1トン又は2トン程度が限界であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して、縦型処理槽方式の処理装置によれば、廃棄物が流動性の良いものである場合には、1日当たり1〜5トンの廃棄物を処理することが可能である。しかしながら、一般に、有機性廃棄物を通性嫌気性微生物や好気性微生物の醗酵分解作用により処理する場合において、醗酵分解に最適な廃棄物中の含水率は、概ね40〜60%であることから、廃棄物が最適に醗酵分解されるよう廃棄物中の含水率をこの範囲に設定すると、当該廃棄物は固相を呈し流動性が悪くなってしまう。そのような状態の廃棄物を、従来の縦型処理槽方式の処理装置のうちパドル状撹拌羽根を備えた処理装置で処理した場合、廃棄物を十分に撹拌することができないことが本発明者らの実験により判明した。一方、当該廃棄物を、従来の縦型処理槽方式の処理装置のうち上記特許文献5に示すようなスパイラル状撹拌羽根を備えた処理装置で処理した場合、処理槽内に収容された廃棄物は、スパイラル状撹拌羽根の回転に伴い、その回転領域のところで穴が空いたような形になり、つまり廃棄物はスパイラル状撹拌羽根の回転領域の外側にのみ存在して固まった形になり、その結果、スパイラル状撹拌羽根は空回りして廃棄物を撹拌することができなくなることが本発明者らの実験により判明した。
【0009】
この発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、縦型の廃棄物処理槽を用いた有機性廃棄物処理装置であって、流動性の良い有機性廃棄物はもとより流動性の悪い有機性廃棄物であっても、これを効果的に撹拌することのできる有機性廃棄物処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る有機性廃棄物処理装置は、有機性廃棄物を収容し、底面と周面とを有する横断面円形状の縦型廃棄物処理槽と、前記処理槽内において、前記処理槽の軸線方向に延びた回転軸からその径方向外側に離間して配置され、前記回転軸の周りを該回転軸と平行な方向に進行しながら回転するように前記処理槽の周面に沿ってスパイラル状に延びたスパイラル羽根と、前記処理槽内の底部に配置され、前記回転軸の下端部から前記処理槽の周面側に延びた回転押出羽根と、前記回転押出羽根及び前記スパイラル羽根を前記回転軸を中心に前記処理槽に対して相対的に回転させる駆動装置と、を備え、前記回転押出羽根は、該回転押出羽根が前記駆動装置によって回転されることにより、前記処理槽内に収容され前記処理槽の底部に存在する廃棄物を、前記処理槽の周面側へ押出移動させるものであり、前記スパイラル羽根は、該スパイラル羽根が前記駆動装置によって回転されることにより、前記回転押出羽根により前記処理槽の周面側へ押出移動された廃棄物を、上昇移動させるものであり、前記回転押出羽根及び前記スパイラル羽根の回転に伴い、前記処理槽内において、前記スパイラル羽根により上昇移動された廃棄物が前記回転軸側において前記処理槽の底部へ下降されるものとなされていることを特徴としている(請求項1)。
【0011】
この有機性廃棄物処理装置では、有機性廃棄物は縦型処理槽内に収容される。そして、回転押出羽根が回転することにより、処理槽の底部に存在する廃棄物が回転押出羽根によって処理槽の周面側へ押し出されて移動される。次いで、この廃棄物は、スパイラル羽根の回転に伴い、当該スパイラル羽根によって上昇移動されたのち、スパイラル羽根の上端部等から落ちて回転軸側へ移行される。次いで、この廃棄物は回転軸側において下降移動される。そして、この廃棄物が処理槽の底部に到達すると、再び回転押出羽根によって廃棄物が処理槽の周面側へ押出移動される。このように廃棄物は処理槽内を循環され、これにより効果的に撹拌されるようになる。その結果、微生物の醗酵分解作用が促進されて廃棄物の処理速度が速くなる。
【0012】
この処理装置は、一般家庭や工場から排出される生ゴミをはじめ、農業、水産業、畜産業、林野業等の各種業種から排出される、様々な有機性成分を有する廃棄物を処理することができる。
【0013】
また、この処理装置により処理された処理物は、例えば堆肥や飼料として好適に用いられる。また、この処理装置によって有機性廃棄物の減容化を図ることができる。
【0014】
上記処理装置において、前記回転押出羽根の先端部が前記スパイラル羽根の下端部に連結されるとともに、前記回転押出羽根と前記スパイラル羽根との連結部に、前記回転押出羽根により押出移動された廃棄物を前記スパイラル羽根上へ案内する案内片が設けられていることが望ましい(請求項2)。
【0015】
この場合には、スパイラル羽根による廃棄物の搬送量を増大させることができて、撹拌効率を向上させることができる。
【0016】
上記処理装置において、前記回転押出羽根は、平面視において、その基端部から先端部まで曲率の変化率が一定か、あるいは漸次減少するように形成されていることが望ましい(請求項3)。
【0017】
この場合には、回転押出羽根によって廃棄物を確実に処理槽の周面側へ押出移動させることができて、撹拌効率を向上させることができる。
【0018】
上記処理装置において、前記回転押出羽根は、前記回転軸の周りを該回転軸から遠ざかりながら回転するように前記処理槽の底面に沿って渦巻き状に延びていることが望ましい(請求項4)。
【0019】
この場合も上記と同じく、回転押出羽根によって廃棄物を確実に処理槽の周面側へ押出移動させることができて、撹拌効率を向上させることができる。なお、このような回転押出羽根としては、対数渦巻き曲線状に延びたのものや、アルキメデス渦巻き曲線状に延びたのもの、あるいはインボリュート曲線状に延びたものが具体的に例示される。
【0020】
上記処理装置において、前記処理槽の底面は、その中央部が前記処理槽の内側へ突出して形成された断面ハ字状又は円弧状のものであることが望ましい(請求項5)。
【0021】
この場合には、回転押出羽根によって廃棄物が押出移動される際に、廃棄物に重力が作用するため、廃棄物を更に確実に押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0022】
上記処理装置において、前記処理槽の周面の少なくとも上端部は、上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されていることが望ましい(請求項6)。
【0023】
この場合には、スパイラル羽根により上昇移動された廃棄物は、回転軸側へ確実に落ちるようになる。そのため、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0024】
上記処理装置において、前記スパイラル羽根を複数個、備えるとともに、前記複数個のスパイラル羽根が相互に周方向に位相差をもって配置されていることが望ましい(請求項7)。
【0025】
この場合には、撹拌効率を向上させることができる。
【0026】
上記処理装置において、前記回転押出羽根を複数個、備えるとともに、前記複数個の回転押出羽根が相互に周方向に位相差をもって配置されていることが望ましい(請求項8)。
【0027】
この場合も上記と同じく、撹拌効率を向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の幾つかの好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
図1及び図2において、(A1)は、この発明の第1実施形態に係る有機性廃棄物処理装置である。この処理装置(A1)は、縦型の有機性廃棄物処理槽(1)と、回転軸(10)と、スパイラル羽根(30)と、回転押出羽根(20)と、駆動装置(40)とを備えている。なお、(W)は有機性廃棄物を示している。
【0030】
処理槽(1)は、図1及び図2に示すように、円形状の底面(2)と周面(3)と円形状の天面(4)とを有する円筒状のものであり、したがって横断面円形状に形成されている。この処理槽(1)はその軸線方向が鉛直方向となるように配置されている。また、底面(2)は平坦状に形成されている。この処理槽(1)は、その上面開口部を閉塞するための蓋体(5)を有し、この蓋体(5)が処理槽(1)の上面開口部にボルト(8)によって着脱自在に装着されることにより、処理槽(1)の上面開口部が蓋体(5)で閉塞されている。そのため、この蓋体(5)が処理槽(1)の前記天面(4)となされている。さらに、この処理槽(1)には、有機性廃棄物(W)を処理槽(1)内に投入する廃棄物投入口(6)が設けられている。この実施形態では、廃棄物投入口(6)は蓋体(5)に設けられている。また、この処理槽(1)はその下側に配置された架台部(9)によって支持されている。この処理槽(1)の底面(2)には、処理槽(1)内に収容した有機性廃棄物(W)を外に排出する廃棄物排出口(7)が設けられている。(7a)は廃棄物排出口(7)の蓋片である。
【0031】
回転軸(10)は、処理槽(1)内に配置されたものであって、処理槽(1)の中心位置において軸線方向(即ち鉛直方向)に延びているものである。この実施形態では、回転軸(10)は、図2に示すように内部が空洞の棒状のものである。
【0032】
スパイラル羽根(30)は、処理槽(1)内において、回転軸(10)からその径方向外側に離間して配置され、詳述すると処理槽(1)の周面(3)近傍に配置されたものであって、回転軸(10)の周りを該回転軸(10)と平行な方向に進行しながら回転するように処理槽(1)の周面(3)に沿ってスパイラル状に延びたものである。このスパイラル羽根(30)の下端部は、処理槽(1)の底面(2)近傍(つまり処理槽(1)の底部)に位置している。一方、スパイラル羽根(30)の上端部は、処理槽(1)の軸線方向(つまり高さ方向)中間部に位置している。このスパイラル羽根(30)は、帯板状素材からなるものであって、該帯板状素材を上述したように処理槽(1)の周面(3)に沿ってスパイラル状に巻き回したものである。この実施形態では、スパイラル羽根(30)の個数は2個である。そして、これら2個のスパイラル羽根(30)(30)が、相互に周方向に180°の位相差をもって、共通する前記1個の回転軸(10)からその径方向外側に離間して配置されている。
【0033】
回転押出羽根(20)は、処理槽(1)内の底部に配置されたものであって、図2に示すように、回転軸(10)の下端部から処理槽(1)の周面(3)側に、回転軸(10)の周りを該回転軸(10)から遠ざかりながら回転するように処理槽(1)の底面(2)に沿って渦巻き状に延びたものである。この回転押出羽根(20)は、帯板状素材からなるものであって、該帯板状素材を上述したように処理槽(1)の底面(2)に沿って渦巻き状に巻いたものである。この回転押出羽根(20)の基端部は回転軸(10)の下端部に連結される一方、回転押出羽根(20)の先端部はスパイラル羽根(30)の下端部に連結されている。そして、回転押出羽根(20)とスパイラル羽根(30)との連結部(その近傍を含む。)には、案内片(21)がスパイラル羽根(30)の内側縁部に沿ってスパイラル羽根(30)に対して立り上り状に設けられている。この実施形態では、回転押出羽根(20)の個数は2個である。そして、これら2個の回転押出羽根(20)(20)が、相互に周方向に180°の位相差をもって、共通する前記1個の回転軸(10)から処理槽(1)の周面(3)側に上述した渦巻き状に延びている。
【0034】
駆動装置(40)は、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)を回転軸(10)を中心に回転させるためのものであって、例えば電動モータからなる。図1において、(R)は回転方向を示している。この実施形態では、駆動装置(40)は、処理槽(1)の蓋体(5)の外面上に設置されている。そして、回転軸(10)の、蓋体(5)を貫通した上端部にこの駆動装置(40)が取り付けられている。したがって、この駆動装置(40)によって回転軸(10)及び回転押出羽根(20)が回転されるものとなされている。さらに、この回転軸(10)にスパイラル羽根(30)が駆動力伝達機構(50)を介して連結されている。駆動力伝達機構(50)は、駆動装置(40)によって駆動される回転軸(10)の駆動力をスパイラル羽根(30)に伝達するためのものである。この実施形態では、駆動力伝達機構(50)は、回転軸(10)とスパイラル羽根(30)との間に配置された駆動力伝達アーム(51)からなる。この駆動力伝達アーム(51)は回転軸(10)から処理槽(1)の周面(3)側に延びて、その先端部がスパイラル羽根(30)に連結されており、これにより、回転軸(10)の駆動力が駆動力伝達アーム(51)を介してスパイラル羽根(30)に伝達されるものとなされている。したがって、この駆動装置(40)によって回転軸(10)、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)が同一の回転数で回転されるものとなされている。
【0035】
上記処理装置(A1)において、回転押出羽根(20)は、回転軸(10)が駆動装置(40)によって回転されることにより、回転軸(10)と一体に回転軸(10)を中心に回転される。この回転押出羽根(20)の回転によって、処理槽(1)内に収容され処理槽(1)の底部に存在する廃棄物(W)が処理槽(1)の周面(3)側へ押し出されて移動されるものとなる。
【0036】
このように、回転押出羽根(20)の回転に伴い、回転押出羽根(20)が廃棄物(W)を押出移動させることについて、図3(a)及び(b)を参照して説明する。なお、図3(a)及び(b)には、説明の便宜上、2個の回転押出羽根(20)(20)及びスパイラル羽根(30)(30)のうちそれぞれ1個だけを図示している。
【0037】
図3(b)に示すように、回転軸(10)から離れた回転押出羽根(20)上のAm点において、回転押出羽根(20)の回転モーメントcが、Am点に接する廃棄物に対して及ぼす力を、接線方向sと、回転軸(10)に直角な方向r(即ちAm点における外向きの方向)とに、ベクトル分解する。
【0038】
接線方向のベクトルbとは、回転押出羽根(20)がAm点において、回転押出羽根(20)の回転により、Am点に接している廃棄物を接線方向sに移動させようとする力である。
【0039】
接線方向sと回転モーメントの方向tとの角度が、回転軸に直角な方向rと回転モーメントの方向tとの角度よりはるかに小さく、くさびの効果を生む角度を選定すると、接線方向のベクトルbよりはるかに小さいが、回転軸に直角な方向rにベクトルaが得られる。
【0040】
このくさびの効果が得られる角度において、接線方向のベクトルbは、Am点に接している廃棄物を接線方向sに移動させようとするが、Am点での回転押出羽根(20)表面とそれに接している廃棄物との間の摩擦抵抗よりはるかに大きいので、回転押出羽根(20)は廃棄物をAm点接線方向sに移動させることができない、即ち相対位置を替える、即ち相互に滑ってしまう。
【0041】
滑りを起こす一方で、Am点において回転押出羽根(20)の回転は、それに接している廃棄物に対し回転軸に垂直な方向のベクトルaを与えるので、廃棄物が回転軸(10)に対し外向きに移動する。
【0042】
回転中心から遠ざかるAm点に限りなく近接する回転押出羽根(20)上のAn点に、相対位置を替えた、即ち滑ってしかも回転軸に直角な方向のベクトルaで外向きに押し出された廃棄物が移動して来る。
【0043】
回転中心から遠ざかるAn点に限りなく近接する回転押出羽根(20)上のAo点においても、同様の作用が働く。
【0044】
この繰り返しにより、回転押出羽根(20)はそれぞれの点において接する廃棄物を、ミクロ視には滑りを起こしながら、処理槽全体から見ればマクロ視には回転押出羽根(20)の回転と廃棄物の塊の動きに相互の周速差を生じながら、少しずつ外向きに押し出していく。
【0045】
なお、周速差がない場合とは、回転軸に直角な方向rと回転モーメントの方向tとの角度が小さくなり、摩擦抵抗のみならず、流動性の悪い廃棄物が回転により外向きに押し出されても、上昇移動の量が伴わないので逃げ場がなく、処理槽全体のマクロ視では共回りとなり、外向きには全く移動が行われなくなる。一方、回転軸に直角な方向rと回転モーメントの方向tとの角度が90°の場合とは、回転押出羽根(20)が回転軸(10)に対し真円運動で回っていることであり、外向きの力はゼロである。
【0046】
上記処理装置(A1)において、スパイラル羽根(30)は、回転軸(10)が駆動装置(40)によって回転されることにより、回転軸(10)と一体に回転軸(10)を中心に回転される。このスパイラル羽根(30)の回転によって、前記回転押出羽根(20)により処理槽(1)の周面(3)側へ押出移動された廃棄物(w)が上方へ搬送され、つまり上昇移動されるものとなる。
【0047】
而して、上記処理装置(A1)では、有機性廃棄物(W)を廃棄物投入口(6)から処理槽(1)内に投入して収容する。そして、駆動装置(40)を作動させて回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)を回転軸(10)を中心に回転させる。
【0048】
すると、処理槽(1)内の底部に存在している廃棄物(W)は、回転押出羽根(20)の回転に伴い、当該回転押出羽根(20)によって処理槽(1)の周面(3)側へ押し出されて移動される。
【0049】
こうして押出移動された廃棄物(W)は、案内片(21)によってスパイラル羽根(30)上へ案内される。そして、スパイラル羽根(30)の回転に伴い、当該スパイラル羽根(30)によって廃棄物(W)が上昇移動される。そして、この廃棄物がスパイラル羽根(30)の上端部から処理槽(1)内に堆積した廃棄物(W)の上面に落ちる。このとき、処理槽(1)内に堆積した廃棄物(W)の上面は、処理槽(1)の底部に存在している廃棄物が回転押出羽根(20)により処理槽(1)の周面(3)側へ順次押出移動されることによって、回転軸(10)を中心に落ち込んだ略蟻地獄形状となっている。そのため、スパイラル羽根(30)の上端部から廃棄物(W)が処理槽(1)内に堆積した廃棄物(W)の上面に落ちると、この廃棄物(W)は回転軸(10)側(つまり処理槽(1)の中央部側)へ自動的に移行されるようになる。なお、スパイラル羽根(30)から落ちる廃棄物(W)の塊の大きさやその落下のタイミングは、不規則的である。
【0050】
スパイラル羽根(30)の上端部から落ちて回転軸(10)側へ移行された廃棄物(W)は、回転軸(10)側において処理槽(1)の底部へ下降移動される。そして、この廃棄物(W)が処理槽(1)の底部に到達すると、再び回転押出羽根(20)によって処理槽(1)の周面(3)側へ押出移動される。
【0051】
このように、廃棄物(W)は処理槽(1)内部の全体に亘って繰返し循環される。
【0052】
この処理装置(A1)では、上述したように、スパイラル羽根(30)から落ちる廃棄物(W)の塊の大きさやその落下のタイミングは、不規則的であることにより、廃棄物(W)の塊ごとに局部的な撹拌が行われるとともに、処理槽(1)内部の全体に亘って廃棄物(W)が循環されるようになる。そのため、廃棄物(W)の撹拌が効果的に行われ、その結果、微生物(通性嫌気性微生物、好気性微生物等)の醗酵分解作用が促進されて廃棄物(W)の分解処理速度が速くなる。したがって、この処理装置(W)によれば、流動性の良い有機性廃棄物はもとより流動性の悪い有機性廃棄物(W)であっても、これを効果的に撹拌することができて、短時間で廃棄物(W)を分解処理することが可能となる。
【0053】
この処理装置(A1)により分解処理が行われた廃棄物(W)は、蓋片(7a)を開けて廃棄物排出口(7)から外へ排出される。
【0054】
上記処理装置(A1)では、回転押出羽根(20)とスパイラル羽根(30)との連結部に案内片(21)が設けられているので、スパイラル羽根(30)による廃棄物(W)の搬送量を増大させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0055】
さらに、上記処理装置(A1)では、回転押出羽根(20)は、上述したように渦巻き状のものであるため、回転押出羽根(20)によって廃棄物(W)を確実に処理槽(1)の周面(3)側へ押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。なお、この発明では、回転押出羽根(20)は、平面視において、その基端部から先端部まで曲率の変化率が一定に形成されたものであっても良いし、基端部から先端部に進むにつれて曲率の変化率が漸次減少するように形成されたものであっても良い。
【0056】
さらに、上記処理装置(A1)では、回転押出羽根(20)の個数は2個であり、スパイラル羽根(20)の個数も2個であるので、廃棄物(W)をより一層効果的に撹拌することができる。
【0057】
なお、この処理装置(A1)では、処理槽(1)の内径や深さ、回転押出羽根(20)やスパイラル羽根(30)の回転数、回転押出羽根(20)の個数、スパイラル羽根(30)の個数、回転押出羽根(20)の形状、スパイラル羽根(30)のピッチ角等を有機性廃棄物(W)の種類に応じて設定することにより、廃棄物(W)を確実に撹拌することができる。
【0058】
例えば、この処理装置(A1)で有機性廃棄物(W)を撹拌する場合には、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)の回転数は、0.5〜10回転/分(特に好ましくは1.5〜4回転/分)に設定することが望ましく、またスパイラル羽根(30)のピッチ角は3〜20°(特に好ましくは5〜15°)に設定することが望ましい。ただし、この発明では、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)の回転数や、スパイラル羽根(30)のピッチ角は、廃棄物(W)の種類や処理槽(1)の内容量等に応じて様々に設定されるものであり、これに限定されるものではない。
【0059】
図4において、(A2)は、この発明の第2実施形態に係る有機性廃棄物処理装置である。同図には、上記第1実施形態の処理装置(A1)に対応する構成要素に同一の符号が付されており、以下、この第2実施形態の処理装置(A2)を上記第1実施形態の処理装置(A1)との相違点を中心に説明する。
【0060】
この第2実施形態の処理装置(A2)では、処理槽(1)は、円形状の底面(2)とテーパ状の周面(3)とを有する円錐筒状のものであり、したがって横断面円形状に形成されている。この処理装置(A2)の他の構成は、上記第1実施形態の処理装置(A2)と同じであり、重複する説明を省略する。
【0061】
この第2実施形態の処理装置(A2)では、処理槽(1)の周面(3)は、その上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されていることから、スパイラル羽根(30)によって上昇移動された廃棄物(W)が回転軸(10)側へ確実に落ちるようになる。そのため、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0062】
なお、この第2実施形態の処理装置(A2)では、処理槽(1)は上述したように円錐筒状のものであることから、処理槽(1)の周面(3)は、該処理槽(1)の軸線方向の全域に亘って、下端から上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されているが、この発明では、処理槽(1)の周面(3)の上端部だけが、上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されていても良い。
【0063】
図5において、(A3)は、この発明の第3実施形態に係る有機性廃棄物処理装置である。同図には、上記第1実施形態の処理装置(A1)に対応する構成要素に同一の符号が付されており、以下、この第3実施形態の処理装置(A3)を上記第1実施形態の処理装置(A1)との相違点を中心に説明する。
【0064】
この第3実施形態の処理装置(A3)では、処理槽(1)の底面(2)は、その中央部が処理槽(1)の内側へ突出して形成された断面ハ字状のものである。この処理装置(A3)の他の構成は、上記第1実施形態の処理装置(A1)と同じであり、重複する説明を省略する。
【0065】
この第3実施形態の処理装置(A3)では、廃棄物(W)が回転押出羽根(20)によって押出移動される際に、廃棄物(W)に重力が作用することから、廃棄物(W)を更に確実に押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0066】
図6において、(A4)は、この発明の第4実施形態に係る有機性廃棄物処理装置である。同図には、上記第1実施形態の処理装置(A1)に対応する構成要素に同一の符号が付されており、以下、この第4実施形態の処理装置(A4)を上記第1実施形態の処理装置(A1)との相違点を中心に説明する。
【0067】
この第4実施形態の処理装置(A4)では、処理槽(1)の底面(2)は、その中央部が処理槽(1)の内側へ突出して形成された断面円弧状のものである。この処理装置(A4)の他の構成は、上記第1実施形態の処理装置(A1)と同じであり、重複する説明を省略する。
【0068】
この第4実施形態の処理装置(A4)では、上記第3実施形態の処理装置(A3)と同じく、廃棄物(W)が回転押出羽根(20)によって押出移動される際に、廃棄物(W)に重力が作用することから、廃棄物(W)を更に確実に押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0069】
以上で、この発明の幾つかの実施形態を説明したが、この発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
【0070】
例えば、上記実施形態の処理装置(A1)では、駆動装置(40)は、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)を回転軸(10)を中心に回転させるためのものであるが、この発明では、駆動装置は、処理槽(1)を回転軸(10)や処理槽(1)の軸線を中心に回転させるためのものであっても良い。
【0071】
また、この発明に係る処理装置は、微生物の醗酵分解作用を促進させるため、又は/及び廃棄物を乾燥させるための加熱装置(図示せず)を備えていても良い。
【0072】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例を示す。
【0073】
この発明に係る処理装置による有機性廃棄物の撹拌具合を検証するため、上記第1実施形態の処理装置(A1)によって有機性廃棄物(W)の撹拌を行った。
【0074】
有機性廃棄物(W)としては、含水率を65%に設定したおがくずを使用した。その理由は次のとおりである。すなわち、この程度の含水率を有するおがくずは、流動性が悪く、これを圧縮すると、水分が部分的に移動して比較的簡単に水分が絞り取られて塊状となり、いわゆる共回りや空回りを発生し易い。そこで、流動性が悪く共回りや空回りを生じ易い有機性廃棄物として、含水率を65%に設定したおがくずを使用した。一方、処理槽(1)としては、内径1m及び深さ1mの円筒状のものを使用した。スパイラル羽根(30)のピッチ角は約10°である。
【0075】
上記おがくずを処理槽(1)内に高さ40cm収容した。次いで、処理槽(1)内のおがくずの上面を平らにした状態で、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)の回転数を約2.7回転/分に設定して撹拌運転を開始したところ、開始後約3分でおがくずが処理槽(1)内部の全体に亘って繰返し循環するようになったことを確認した。このとき、処理槽(1)内に堆積したおがくずの上面は、回転軸(10)を中心に落ち込んだ略蟻地獄形状になった。そして、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)の回転に伴い、スパイラル羽根(30)の上端部からおがくずの塊が処理槽(1)内に堆積したおがくずの上面に次々と落ちたのち、回転軸(10)側へ移行して、蟻地獄形状になったおがくず上面の中心部に次々と吸い込まれていくことを確認した。スパイラル羽根(30)の上端部から落ちたおがくずの塊の大きさや落下のタイミングは全く不規則的であった。
【0076】
一方、撹拌運転の途中で、目印となる小片をおがくずの上面に投入したところ、この目印片は、回転軸(10)側へ移行して、略蟻地獄形状になったおがくず上面の中心部に吸い込まれた。そして、目印片の投入後10分程度で、目印片がスパイラル羽根(30)の上端部まで搬送されてきたのち、おがくずの上面に落下した。したがって、処理槽(1)内部の全体に亘っておがくずが撹拌・循環されていることを確認した。なお、この場合において、処理槽(1)の廃棄物充填量は約310リットルとなる。
【0077】
以上のとおり、この発明に係る処理装置によれば、流動性が悪く、共回りや空回りが生じ易い、含水率を65%に設定したおがくずであっても、これを効果的に撹拌できることを確認し得た。
【0078】
また、含水率が異なる有機性廃棄物を処理槽(1)内に収容し、上記と同じように撹拌運転を開始したところ、いずれも開始後約10分以内で廃棄物が処理槽(1)内部の全体に亘って撹拌・循環されることを確認した。
【0079】
【発明の効果】
上述の次第で、この発明に係る有機性廃棄物処理装置によれば、所定のスパイラル羽根、回転押出羽根及び駆動装置を備え、回転押出羽根及びスパイラル羽根の回転に伴い、処理槽内において、スパイラル羽根により上昇移動された廃棄物が、回転軸側において処理槽の底部へ下降されるものとなされているので、回転押出羽根及びスパイラル羽根の回転に伴い、処理槽内に収容され処理槽の底部に存在している廃棄物は、回転押出羽根によって処理槽の周面側へ押出移動されたのち、スパイラル羽根によって上昇移動され、次いでこの廃棄物が回転軸側へ移行して該回転軸側において処理槽の底部へ下降されるものとなり得る。そのため、流動性の良い有機性廃棄物はもとより、流動性の悪い有機性廃棄物であっても、これを効果的に撹拌することができる。そのため、有機性廃棄物の分解処理速度を速くすることができる。
【0080】
また、回転押出羽根の先端部がスパイラル羽根の下端部に連結されるとともに、回転押出羽根とスパイラル羽根との連結部に、所定の案内片が設けられている場合には、スパイラル羽根による廃棄物の搬送量を増大させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0081】
また、回転押出羽根は、平面視において、その基端部から先端部まで曲率の変化率が一定か、あるいは漸次減少するように形成されている場合には、回転押出羽根によって廃棄物を確実に処理槽の周面側へ押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0082】
また同じく、回転押出羽根は、回転軸の周りを該回転軸から遠ざかりながら回転するように処理槽の底面に沿って渦巻き状に延びている場合には、回転押出羽根によって廃棄物を確実に処理槽の周面側へ押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0083】
また、処理槽の底面は、その中央部が処理槽の内側へ突出して形成された断面ハ字状又は円弧状のものである場合には、廃棄物を回転押出羽根によって押出移動させる際に、廃棄物に重力が作用するため、廃棄物を更に確実に押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0084】
また、処理槽の周面の少なくとも上端部は、上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されている場合には、スパイラル羽根により上昇移動された廃棄物が回転軸側へ確実に落ちるようになる。そのため、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0085】
また、スパイラル羽根を複数個、備えるとともに、複数個のスパイラル羽根が相互に周方向に位相差をもって配置されている場合には、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0086】
また、回転押出羽根を複数個、備えるとともに、前記複数個の回転押出羽根が相互に周方向に位相差をもって配置されている場合には、上記と同じく、撹拌効率を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る有機性廃棄物処理装置の縦断面図である。
【図2】同処理装置における図1中のII−II線横断面図である。
【図3】(a)は回転押出羽根及びスパイラル羽根の平面図、(b)は回転押出羽根の速度線図である。
【図4】この発明の第2実施形態に係る有機性廃棄物処理装置の縦断面図である。
【図5】この発明の第3実施形態に係る有機性廃棄物処理装置の要部縦断面図である。
【図6】この発明の第4実施形態に係る有機性廃棄物処理装置の要部縦断面図である。
【符号の説明】
A1、A2、A3、A4…有機性廃棄物処理装置
1…処理槽
2…底面
3…周面
4…天面
5…蓋体
10…回転軸
20…回転押出羽根
21…案内片
30…スパイラル羽根
40…駆動装置
50…駆動力伝達機構
W…有機性廃棄物
【発明の属する技術分野】
この発明は、生ゴミ等の有機性廃棄物を通性嫌気性微生物や好気性微生物等の微生物の醗酵分解作用により処理する有機性廃棄物処理装置に関し、詳述すると、例えば、有機性廃棄物から堆肥又は飼料を製造し、あるいは有機性廃棄物の容量を減少させる際に好適に用いられる、縦型処理槽を用いた有機性廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の有機性廃棄物処理装置として、有機性廃棄物を処理槽内に収容し処理する槽方式のものが知られている。この槽方式の処理装置を大別すると、横型の処理槽内に廃棄物を収容し処理する「横型処理槽方式」のもの(例えば、特許文献1〜4参照。)と、縦型の処理槽内に廃棄物を収容し処理する「縦型処理槽方式」のもの(例えば、特許文献5参照。)とがある。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−288986号公報
【特許文献2】
特開2001−162251号公報
【特許文献3】
特開2002−79222号公報
【特許文献4】
特開2002−145689号公報
【特許文献5】
特開平10−337553号公報
【0004】
横型処理槽方式の処理装置は、縦断面略U字状等の所定縦断面形状の横型処理槽内で、水平方向に延びた回転軸に設けられた撹拌羽根を前記回転軸を中心に回転させることにより、廃棄物を撹拌し処理するものである。
【0005】
縦型処理槽方式の処理装置は、円筒状の縦型処理槽内で、鉛直方向に延びた回転軸に設けられた様々な形状の撹拌羽根を前記回転軸を中心に回転させることにより、廃棄物を撹拌し処理するものである。前記撹拌羽根としては、回転軸から撹拌羽根が放射状に延びたパドル状撹拌羽根と、特許文献5に示すように回転軸の外周面に撹拌羽根がスパイラル状に設けられたスパイラル状撹拌羽根とがあり、パドル状撹拌羽根とスパイラル状撹拌羽根とのうちパドル状撹拌羽根を備えた処理装置が最も広く使用されている。
【0006】
上記横型処理槽方式の処理装置及び縦型処理槽方式の処理装置において、廃棄物を撹拌する目的は、いずれも、微生物の発酵分解作用を促進して廃棄物の処理速度を速くするためである。
【0007】
而して、横型処理槽方式の処理装置では、処理槽内において撹拌羽根の回転下半円領域を超えて廃棄物を収容すると、廃棄物が撹拌羽根と一緒に回転するいわゆる共回りを起こしてしまい、十分な撹拌効果を得ることができなかった。そのため、処理槽の有効容量は、処理槽の全容量の略半分に止まる。処理槽の有効容量を増大して処理能力を高めるには、処理槽の直径を大きくするか、あるいは処理槽の長さを長くすれば良いが、いずれの場合も回転軸や撹拌羽根に機械的な限界強度があるため、処理槽の有効容量を増大することは困難であった。そのため、横型処理槽方式の処理装置では、1日当たりの廃棄物処理量は、高々、数十キログラム〜1トン又は2トン程度が限界であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して、縦型処理槽方式の処理装置によれば、廃棄物が流動性の良いものである場合には、1日当たり1〜5トンの廃棄物を処理することが可能である。しかしながら、一般に、有機性廃棄物を通性嫌気性微生物や好気性微生物の醗酵分解作用により処理する場合において、醗酵分解に最適な廃棄物中の含水率は、概ね40〜60%であることから、廃棄物が最適に醗酵分解されるよう廃棄物中の含水率をこの範囲に設定すると、当該廃棄物は固相を呈し流動性が悪くなってしまう。そのような状態の廃棄物を、従来の縦型処理槽方式の処理装置のうちパドル状撹拌羽根を備えた処理装置で処理した場合、廃棄物を十分に撹拌することができないことが本発明者らの実験により判明した。一方、当該廃棄物を、従来の縦型処理槽方式の処理装置のうち上記特許文献5に示すようなスパイラル状撹拌羽根を備えた処理装置で処理した場合、処理槽内に収容された廃棄物は、スパイラル状撹拌羽根の回転に伴い、その回転領域のところで穴が空いたような形になり、つまり廃棄物はスパイラル状撹拌羽根の回転領域の外側にのみ存在して固まった形になり、その結果、スパイラル状撹拌羽根は空回りして廃棄物を撹拌することができなくなることが本発明者らの実験により判明した。
【0009】
この発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、縦型の廃棄物処理槽を用いた有機性廃棄物処理装置であって、流動性の良い有機性廃棄物はもとより流動性の悪い有機性廃棄物であっても、これを効果的に撹拌することのできる有機性廃棄物処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る有機性廃棄物処理装置は、有機性廃棄物を収容し、底面と周面とを有する横断面円形状の縦型廃棄物処理槽と、前記処理槽内において、前記処理槽の軸線方向に延びた回転軸からその径方向外側に離間して配置され、前記回転軸の周りを該回転軸と平行な方向に進行しながら回転するように前記処理槽の周面に沿ってスパイラル状に延びたスパイラル羽根と、前記処理槽内の底部に配置され、前記回転軸の下端部から前記処理槽の周面側に延びた回転押出羽根と、前記回転押出羽根及び前記スパイラル羽根を前記回転軸を中心に前記処理槽に対して相対的に回転させる駆動装置と、を備え、前記回転押出羽根は、該回転押出羽根が前記駆動装置によって回転されることにより、前記処理槽内に収容され前記処理槽の底部に存在する廃棄物を、前記処理槽の周面側へ押出移動させるものであり、前記スパイラル羽根は、該スパイラル羽根が前記駆動装置によって回転されることにより、前記回転押出羽根により前記処理槽の周面側へ押出移動された廃棄物を、上昇移動させるものであり、前記回転押出羽根及び前記スパイラル羽根の回転に伴い、前記処理槽内において、前記スパイラル羽根により上昇移動された廃棄物が前記回転軸側において前記処理槽の底部へ下降されるものとなされていることを特徴としている(請求項1)。
【0011】
この有機性廃棄物処理装置では、有機性廃棄物は縦型処理槽内に収容される。そして、回転押出羽根が回転することにより、処理槽の底部に存在する廃棄物が回転押出羽根によって処理槽の周面側へ押し出されて移動される。次いで、この廃棄物は、スパイラル羽根の回転に伴い、当該スパイラル羽根によって上昇移動されたのち、スパイラル羽根の上端部等から落ちて回転軸側へ移行される。次いで、この廃棄物は回転軸側において下降移動される。そして、この廃棄物が処理槽の底部に到達すると、再び回転押出羽根によって廃棄物が処理槽の周面側へ押出移動される。このように廃棄物は処理槽内を循環され、これにより効果的に撹拌されるようになる。その結果、微生物の醗酵分解作用が促進されて廃棄物の処理速度が速くなる。
【0012】
この処理装置は、一般家庭や工場から排出される生ゴミをはじめ、農業、水産業、畜産業、林野業等の各種業種から排出される、様々な有機性成分を有する廃棄物を処理することができる。
【0013】
また、この処理装置により処理された処理物は、例えば堆肥や飼料として好適に用いられる。また、この処理装置によって有機性廃棄物の減容化を図ることができる。
【0014】
上記処理装置において、前記回転押出羽根の先端部が前記スパイラル羽根の下端部に連結されるとともに、前記回転押出羽根と前記スパイラル羽根との連結部に、前記回転押出羽根により押出移動された廃棄物を前記スパイラル羽根上へ案内する案内片が設けられていることが望ましい(請求項2)。
【0015】
この場合には、スパイラル羽根による廃棄物の搬送量を増大させることができて、撹拌効率を向上させることができる。
【0016】
上記処理装置において、前記回転押出羽根は、平面視において、その基端部から先端部まで曲率の変化率が一定か、あるいは漸次減少するように形成されていることが望ましい(請求項3)。
【0017】
この場合には、回転押出羽根によって廃棄物を確実に処理槽の周面側へ押出移動させることができて、撹拌効率を向上させることができる。
【0018】
上記処理装置において、前記回転押出羽根は、前記回転軸の周りを該回転軸から遠ざかりながら回転するように前記処理槽の底面に沿って渦巻き状に延びていることが望ましい(請求項4)。
【0019】
この場合も上記と同じく、回転押出羽根によって廃棄物を確実に処理槽の周面側へ押出移動させることができて、撹拌効率を向上させることができる。なお、このような回転押出羽根としては、対数渦巻き曲線状に延びたのものや、アルキメデス渦巻き曲線状に延びたのもの、あるいはインボリュート曲線状に延びたものが具体的に例示される。
【0020】
上記処理装置において、前記処理槽の底面は、その中央部が前記処理槽の内側へ突出して形成された断面ハ字状又は円弧状のものであることが望ましい(請求項5)。
【0021】
この場合には、回転押出羽根によって廃棄物が押出移動される際に、廃棄物に重力が作用するため、廃棄物を更に確実に押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0022】
上記処理装置において、前記処理槽の周面の少なくとも上端部は、上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されていることが望ましい(請求項6)。
【0023】
この場合には、スパイラル羽根により上昇移動された廃棄物は、回転軸側へ確実に落ちるようになる。そのため、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0024】
上記処理装置において、前記スパイラル羽根を複数個、備えるとともに、前記複数個のスパイラル羽根が相互に周方向に位相差をもって配置されていることが望ましい(請求項7)。
【0025】
この場合には、撹拌効率を向上させることができる。
【0026】
上記処理装置において、前記回転押出羽根を複数個、備えるとともに、前記複数個の回転押出羽根が相互に周方向に位相差をもって配置されていることが望ましい(請求項8)。
【0027】
この場合も上記と同じく、撹拌効率を向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の幾つかの好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
図1及び図2において、(A1)は、この発明の第1実施形態に係る有機性廃棄物処理装置である。この処理装置(A1)は、縦型の有機性廃棄物処理槽(1)と、回転軸(10)と、スパイラル羽根(30)と、回転押出羽根(20)と、駆動装置(40)とを備えている。なお、(W)は有機性廃棄物を示している。
【0030】
処理槽(1)は、図1及び図2に示すように、円形状の底面(2)と周面(3)と円形状の天面(4)とを有する円筒状のものであり、したがって横断面円形状に形成されている。この処理槽(1)はその軸線方向が鉛直方向となるように配置されている。また、底面(2)は平坦状に形成されている。この処理槽(1)は、その上面開口部を閉塞するための蓋体(5)を有し、この蓋体(5)が処理槽(1)の上面開口部にボルト(8)によって着脱自在に装着されることにより、処理槽(1)の上面開口部が蓋体(5)で閉塞されている。そのため、この蓋体(5)が処理槽(1)の前記天面(4)となされている。さらに、この処理槽(1)には、有機性廃棄物(W)を処理槽(1)内に投入する廃棄物投入口(6)が設けられている。この実施形態では、廃棄物投入口(6)は蓋体(5)に設けられている。また、この処理槽(1)はその下側に配置された架台部(9)によって支持されている。この処理槽(1)の底面(2)には、処理槽(1)内に収容した有機性廃棄物(W)を外に排出する廃棄物排出口(7)が設けられている。(7a)は廃棄物排出口(7)の蓋片である。
【0031】
回転軸(10)は、処理槽(1)内に配置されたものであって、処理槽(1)の中心位置において軸線方向(即ち鉛直方向)に延びているものである。この実施形態では、回転軸(10)は、図2に示すように内部が空洞の棒状のものである。
【0032】
スパイラル羽根(30)は、処理槽(1)内において、回転軸(10)からその径方向外側に離間して配置され、詳述すると処理槽(1)の周面(3)近傍に配置されたものであって、回転軸(10)の周りを該回転軸(10)と平行な方向に進行しながら回転するように処理槽(1)の周面(3)に沿ってスパイラル状に延びたものである。このスパイラル羽根(30)の下端部は、処理槽(1)の底面(2)近傍(つまり処理槽(1)の底部)に位置している。一方、スパイラル羽根(30)の上端部は、処理槽(1)の軸線方向(つまり高さ方向)中間部に位置している。このスパイラル羽根(30)は、帯板状素材からなるものであって、該帯板状素材を上述したように処理槽(1)の周面(3)に沿ってスパイラル状に巻き回したものである。この実施形態では、スパイラル羽根(30)の個数は2個である。そして、これら2個のスパイラル羽根(30)(30)が、相互に周方向に180°の位相差をもって、共通する前記1個の回転軸(10)からその径方向外側に離間して配置されている。
【0033】
回転押出羽根(20)は、処理槽(1)内の底部に配置されたものであって、図2に示すように、回転軸(10)の下端部から処理槽(1)の周面(3)側に、回転軸(10)の周りを該回転軸(10)から遠ざかりながら回転するように処理槽(1)の底面(2)に沿って渦巻き状に延びたものである。この回転押出羽根(20)は、帯板状素材からなるものであって、該帯板状素材を上述したように処理槽(1)の底面(2)に沿って渦巻き状に巻いたものである。この回転押出羽根(20)の基端部は回転軸(10)の下端部に連結される一方、回転押出羽根(20)の先端部はスパイラル羽根(30)の下端部に連結されている。そして、回転押出羽根(20)とスパイラル羽根(30)との連結部(その近傍を含む。)には、案内片(21)がスパイラル羽根(30)の内側縁部に沿ってスパイラル羽根(30)に対して立り上り状に設けられている。この実施形態では、回転押出羽根(20)の個数は2個である。そして、これら2個の回転押出羽根(20)(20)が、相互に周方向に180°の位相差をもって、共通する前記1個の回転軸(10)から処理槽(1)の周面(3)側に上述した渦巻き状に延びている。
【0034】
駆動装置(40)は、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)を回転軸(10)を中心に回転させるためのものであって、例えば電動モータからなる。図1において、(R)は回転方向を示している。この実施形態では、駆動装置(40)は、処理槽(1)の蓋体(5)の外面上に設置されている。そして、回転軸(10)の、蓋体(5)を貫通した上端部にこの駆動装置(40)が取り付けられている。したがって、この駆動装置(40)によって回転軸(10)及び回転押出羽根(20)が回転されるものとなされている。さらに、この回転軸(10)にスパイラル羽根(30)が駆動力伝達機構(50)を介して連結されている。駆動力伝達機構(50)は、駆動装置(40)によって駆動される回転軸(10)の駆動力をスパイラル羽根(30)に伝達するためのものである。この実施形態では、駆動力伝達機構(50)は、回転軸(10)とスパイラル羽根(30)との間に配置された駆動力伝達アーム(51)からなる。この駆動力伝達アーム(51)は回転軸(10)から処理槽(1)の周面(3)側に延びて、その先端部がスパイラル羽根(30)に連結されており、これにより、回転軸(10)の駆動力が駆動力伝達アーム(51)を介してスパイラル羽根(30)に伝達されるものとなされている。したがって、この駆動装置(40)によって回転軸(10)、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)が同一の回転数で回転されるものとなされている。
【0035】
上記処理装置(A1)において、回転押出羽根(20)は、回転軸(10)が駆動装置(40)によって回転されることにより、回転軸(10)と一体に回転軸(10)を中心に回転される。この回転押出羽根(20)の回転によって、処理槽(1)内に収容され処理槽(1)の底部に存在する廃棄物(W)が処理槽(1)の周面(3)側へ押し出されて移動されるものとなる。
【0036】
このように、回転押出羽根(20)の回転に伴い、回転押出羽根(20)が廃棄物(W)を押出移動させることについて、図3(a)及び(b)を参照して説明する。なお、図3(a)及び(b)には、説明の便宜上、2個の回転押出羽根(20)(20)及びスパイラル羽根(30)(30)のうちそれぞれ1個だけを図示している。
【0037】
図3(b)に示すように、回転軸(10)から離れた回転押出羽根(20)上のAm点において、回転押出羽根(20)の回転モーメントcが、Am点に接する廃棄物に対して及ぼす力を、接線方向sと、回転軸(10)に直角な方向r(即ちAm点における外向きの方向)とに、ベクトル分解する。
【0038】
接線方向のベクトルbとは、回転押出羽根(20)がAm点において、回転押出羽根(20)の回転により、Am点に接している廃棄物を接線方向sに移動させようとする力である。
【0039】
接線方向sと回転モーメントの方向tとの角度が、回転軸に直角な方向rと回転モーメントの方向tとの角度よりはるかに小さく、くさびの効果を生む角度を選定すると、接線方向のベクトルbよりはるかに小さいが、回転軸に直角な方向rにベクトルaが得られる。
【0040】
このくさびの効果が得られる角度において、接線方向のベクトルbは、Am点に接している廃棄物を接線方向sに移動させようとするが、Am点での回転押出羽根(20)表面とそれに接している廃棄物との間の摩擦抵抗よりはるかに大きいので、回転押出羽根(20)は廃棄物をAm点接線方向sに移動させることができない、即ち相対位置を替える、即ち相互に滑ってしまう。
【0041】
滑りを起こす一方で、Am点において回転押出羽根(20)の回転は、それに接している廃棄物に対し回転軸に垂直な方向のベクトルaを与えるので、廃棄物が回転軸(10)に対し外向きに移動する。
【0042】
回転中心から遠ざかるAm点に限りなく近接する回転押出羽根(20)上のAn点に、相対位置を替えた、即ち滑ってしかも回転軸に直角な方向のベクトルaで外向きに押し出された廃棄物が移動して来る。
【0043】
回転中心から遠ざかるAn点に限りなく近接する回転押出羽根(20)上のAo点においても、同様の作用が働く。
【0044】
この繰り返しにより、回転押出羽根(20)はそれぞれの点において接する廃棄物を、ミクロ視には滑りを起こしながら、処理槽全体から見ればマクロ視には回転押出羽根(20)の回転と廃棄物の塊の動きに相互の周速差を生じながら、少しずつ外向きに押し出していく。
【0045】
なお、周速差がない場合とは、回転軸に直角な方向rと回転モーメントの方向tとの角度が小さくなり、摩擦抵抗のみならず、流動性の悪い廃棄物が回転により外向きに押し出されても、上昇移動の量が伴わないので逃げ場がなく、処理槽全体のマクロ視では共回りとなり、外向きには全く移動が行われなくなる。一方、回転軸に直角な方向rと回転モーメントの方向tとの角度が90°の場合とは、回転押出羽根(20)が回転軸(10)に対し真円運動で回っていることであり、外向きの力はゼロである。
【0046】
上記処理装置(A1)において、スパイラル羽根(30)は、回転軸(10)が駆動装置(40)によって回転されることにより、回転軸(10)と一体に回転軸(10)を中心に回転される。このスパイラル羽根(30)の回転によって、前記回転押出羽根(20)により処理槽(1)の周面(3)側へ押出移動された廃棄物(w)が上方へ搬送され、つまり上昇移動されるものとなる。
【0047】
而して、上記処理装置(A1)では、有機性廃棄物(W)を廃棄物投入口(6)から処理槽(1)内に投入して収容する。そして、駆動装置(40)を作動させて回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)を回転軸(10)を中心に回転させる。
【0048】
すると、処理槽(1)内の底部に存在している廃棄物(W)は、回転押出羽根(20)の回転に伴い、当該回転押出羽根(20)によって処理槽(1)の周面(3)側へ押し出されて移動される。
【0049】
こうして押出移動された廃棄物(W)は、案内片(21)によってスパイラル羽根(30)上へ案内される。そして、スパイラル羽根(30)の回転に伴い、当該スパイラル羽根(30)によって廃棄物(W)が上昇移動される。そして、この廃棄物がスパイラル羽根(30)の上端部から処理槽(1)内に堆積した廃棄物(W)の上面に落ちる。このとき、処理槽(1)内に堆積した廃棄物(W)の上面は、処理槽(1)の底部に存在している廃棄物が回転押出羽根(20)により処理槽(1)の周面(3)側へ順次押出移動されることによって、回転軸(10)を中心に落ち込んだ略蟻地獄形状となっている。そのため、スパイラル羽根(30)の上端部から廃棄物(W)が処理槽(1)内に堆積した廃棄物(W)の上面に落ちると、この廃棄物(W)は回転軸(10)側(つまり処理槽(1)の中央部側)へ自動的に移行されるようになる。なお、スパイラル羽根(30)から落ちる廃棄物(W)の塊の大きさやその落下のタイミングは、不規則的である。
【0050】
スパイラル羽根(30)の上端部から落ちて回転軸(10)側へ移行された廃棄物(W)は、回転軸(10)側において処理槽(1)の底部へ下降移動される。そして、この廃棄物(W)が処理槽(1)の底部に到達すると、再び回転押出羽根(20)によって処理槽(1)の周面(3)側へ押出移動される。
【0051】
このように、廃棄物(W)は処理槽(1)内部の全体に亘って繰返し循環される。
【0052】
この処理装置(A1)では、上述したように、スパイラル羽根(30)から落ちる廃棄物(W)の塊の大きさやその落下のタイミングは、不規則的であることにより、廃棄物(W)の塊ごとに局部的な撹拌が行われるとともに、処理槽(1)内部の全体に亘って廃棄物(W)が循環されるようになる。そのため、廃棄物(W)の撹拌が効果的に行われ、その結果、微生物(通性嫌気性微生物、好気性微生物等)の醗酵分解作用が促進されて廃棄物(W)の分解処理速度が速くなる。したがって、この処理装置(W)によれば、流動性の良い有機性廃棄物はもとより流動性の悪い有機性廃棄物(W)であっても、これを効果的に撹拌することができて、短時間で廃棄物(W)を分解処理することが可能となる。
【0053】
この処理装置(A1)により分解処理が行われた廃棄物(W)は、蓋片(7a)を開けて廃棄物排出口(7)から外へ排出される。
【0054】
上記処理装置(A1)では、回転押出羽根(20)とスパイラル羽根(30)との連結部に案内片(21)が設けられているので、スパイラル羽根(30)による廃棄物(W)の搬送量を増大させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0055】
さらに、上記処理装置(A1)では、回転押出羽根(20)は、上述したように渦巻き状のものであるため、回転押出羽根(20)によって廃棄物(W)を確実に処理槽(1)の周面(3)側へ押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。なお、この発明では、回転押出羽根(20)は、平面視において、その基端部から先端部まで曲率の変化率が一定に形成されたものであっても良いし、基端部から先端部に進むにつれて曲率の変化率が漸次減少するように形成されたものであっても良い。
【0056】
さらに、上記処理装置(A1)では、回転押出羽根(20)の個数は2個であり、スパイラル羽根(20)の個数も2個であるので、廃棄物(W)をより一層効果的に撹拌することができる。
【0057】
なお、この処理装置(A1)では、処理槽(1)の内径や深さ、回転押出羽根(20)やスパイラル羽根(30)の回転数、回転押出羽根(20)の個数、スパイラル羽根(30)の個数、回転押出羽根(20)の形状、スパイラル羽根(30)のピッチ角等を有機性廃棄物(W)の種類に応じて設定することにより、廃棄物(W)を確実に撹拌することができる。
【0058】
例えば、この処理装置(A1)で有機性廃棄物(W)を撹拌する場合には、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)の回転数は、0.5〜10回転/分(特に好ましくは1.5〜4回転/分)に設定することが望ましく、またスパイラル羽根(30)のピッチ角は3〜20°(特に好ましくは5〜15°)に設定することが望ましい。ただし、この発明では、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)の回転数や、スパイラル羽根(30)のピッチ角は、廃棄物(W)の種類や処理槽(1)の内容量等に応じて様々に設定されるものであり、これに限定されるものではない。
【0059】
図4において、(A2)は、この発明の第2実施形態に係る有機性廃棄物処理装置である。同図には、上記第1実施形態の処理装置(A1)に対応する構成要素に同一の符号が付されており、以下、この第2実施形態の処理装置(A2)を上記第1実施形態の処理装置(A1)との相違点を中心に説明する。
【0060】
この第2実施形態の処理装置(A2)では、処理槽(1)は、円形状の底面(2)とテーパ状の周面(3)とを有する円錐筒状のものであり、したがって横断面円形状に形成されている。この処理装置(A2)の他の構成は、上記第1実施形態の処理装置(A2)と同じであり、重複する説明を省略する。
【0061】
この第2実施形態の処理装置(A2)では、処理槽(1)の周面(3)は、その上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されていることから、スパイラル羽根(30)によって上昇移動された廃棄物(W)が回転軸(10)側へ確実に落ちるようになる。そのため、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0062】
なお、この第2実施形態の処理装置(A2)では、処理槽(1)は上述したように円錐筒状のものであることから、処理槽(1)の周面(3)は、該処理槽(1)の軸線方向の全域に亘って、下端から上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されているが、この発明では、処理槽(1)の周面(3)の上端部だけが、上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されていても良い。
【0063】
図5において、(A3)は、この発明の第3実施形態に係る有機性廃棄物処理装置である。同図には、上記第1実施形態の処理装置(A1)に対応する構成要素に同一の符号が付されており、以下、この第3実施形態の処理装置(A3)を上記第1実施形態の処理装置(A1)との相違点を中心に説明する。
【0064】
この第3実施形態の処理装置(A3)では、処理槽(1)の底面(2)は、その中央部が処理槽(1)の内側へ突出して形成された断面ハ字状のものである。この処理装置(A3)の他の構成は、上記第1実施形態の処理装置(A1)と同じであり、重複する説明を省略する。
【0065】
この第3実施形態の処理装置(A3)では、廃棄物(W)が回転押出羽根(20)によって押出移動される際に、廃棄物(W)に重力が作用することから、廃棄物(W)を更に確実に押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0066】
図6において、(A4)は、この発明の第4実施形態に係る有機性廃棄物処理装置である。同図には、上記第1実施形態の処理装置(A1)に対応する構成要素に同一の符号が付されており、以下、この第4実施形態の処理装置(A4)を上記第1実施形態の処理装置(A1)との相違点を中心に説明する。
【0067】
この第4実施形態の処理装置(A4)では、処理槽(1)の底面(2)は、その中央部が処理槽(1)の内側へ突出して形成された断面円弧状のものである。この処理装置(A4)の他の構成は、上記第1実施形態の処理装置(A1)と同じであり、重複する説明を省略する。
【0068】
この第4実施形態の処理装置(A4)では、上記第3実施形態の処理装置(A3)と同じく、廃棄物(W)が回転押出羽根(20)によって押出移動される際に、廃棄物(W)に重力が作用することから、廃棄物(W)を更に確実に押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0069】
以上で、この発明の幾つかの実施形態を説明したが、この発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
【0070】
例えば、上記実施形態の処理装置(A1)では、駆動装置(40)は、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)を回転軸(10)を中心に回転させるためのものであるが、この発明では、駆動装置は、処理槽(1)を回転軸(10)や処理槽(1)の軸線を中心に回転させるためのものであっても良い。
【0071】
また、この発明に係る処理装置は、微生物の醗酵分解作用を促進させるため、又は/及び廃棄物を乾燥させるための加熱装置(図示せず)を備えていても良い。
【0072】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例を示す。
【0073】
この発明に係る処理装置による有機性廃棄物の撹拌具合を検証するため、上記第1実施形態の処理装置(A1)によって有機性廃棄物(W)の撹拌を行った。
【0074】
有機性廃棄物(W)としては、含水率を65%に設定したおがくずを使用した。その理由は次のとおりである。すなわち、この程度の含水率を有するおがくずは、流動性が悪く、これを圧縮すると、水分が部分的に移動して比較的簡単に水分が絞り取られて塊状となり、いわゆる共回りや空回りを発生し易い。そこで、流動性が悪く共回りや空回りを生じ易い有機性廃棄物として、含水率を65%に設定したおがくずを使用した。一方、処理槽(1)としては、内径1m及び深さ1mの円筒状のものを使用した。スパイラル羽根(30)のピッチ角は約10°である。
【0075】
上記おがくずを処理槽(1)内に高さ40cm収容した。次いで、処理槽(1)内のおがくずの上面を平らにした状態で、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)の回転数を約2.7回転/分に設定して撹拌運転を開始したところ、開始後約3分でおがくずが処理槽(1)内部の全体に亘って繰返し循環するようになったことを確認した。このとき、処理槽(1)内に堆積したおがくずの上面は、回転軸(10)を中心に落ち込んだ略蟻地獄形状になった。そして、回転押出羽根(20)及びスパイラル羽根(30)の回転に伴い、スパイラル羽根(30)の上端部からおがくずの塊が処理槽(1)内に堆積したおがくずの上面に次々と落ちたのち、回転軸(10)側へ移行して、蟻地獄形状になったおがくず上面の中心部に次々と吸い込まれていくことを確認した。スパイラル羽根(30)の上端部から落ちたおがくずの塊の大きさや落下のタイミングは全く不規則的であった。
【0076】
一方、撹拌運転の途中で、目印となる小片をおがくずの上面に投入したところ、この目印片は、回転軸(10)側へ移行して、略蟻地獄形状になったおがくず上面の中心部に吸い込まれた。そして、目印片の投入後10分程度で、目印片がスパイラル羽根(30)の上端部まで搬送されてきたのち、おがくずの上面に落下した。したがって、処理槽(1)内部の全体に亘っておがくずが撹拌・循環されていることを確認した。なお、この場合において、処理槽(1)の廃棄物充填量は約310リットルとなる。
【0077】
以上のとおり、この発明に係る処理装置によれば、流動性が悪く、共回りや空回りが生じ易い、含水率を65%に設定したおがくずであっても、これを効果的に撹拌できることを確認し得た。
【0078】
また、含水率が異なる有機性廃棄物を処理槽(1)内に収容し、上記と同じように撹拌運転を開始したところ、いずれも開始後約10分以内で廃棄物が処理槽(1)内部の全体に亘って撹拌・循環されることを確認した。
【0079】
【発明の効果】
上述の次第で、この発明に係る有機性廃棄物処理装置によれば、所定のスパイラル羽根、回転押出羽根及び駆動装置を備え、回転押出羽根及びスパイラル羽根の回転に伴い、処理槽内において、スパイラル羽根により上昇移動された廃棄物が、回転軸側において処理槽の底部へ下降されるものとなされているので、回転押出羽根及びスパイラル羽根の回転に伴い、処理槽内に収容され処理槽の底部に存在している廃棄物は、回転押出羽根によって処理槽の周面側へ押出移動されたのち、スパイラル羽根によって上昇移動され、次いでこの廃棄物が回転軸側へ移行して該回転軸側において処理槽の底部へ下降されるものとなり得る。そのため、流動性の良い有機性廃棄物はもとより、流動性の悪い有機性廃棄物であっても、これを効果的に撹拌することができる。そのため、有機性廃棄物の分解処理速度を速くすることができる。
【0080】
また、回転押出羽根の先端部がスパイラル羽根の下端部に連結されるとともに、回転押出羽根とスパイラル羽根との連結部に、所定の案内片が設けられている場合には、スパイラル羽根による廃棄物の搬送量を増大させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0081】
また、回転押出羽根は、平面視において、その基端部から先端部まで曲率の変化率が一定か、あるいは漸次減少するように形成されている場合には、回転押出羽根によって廃棄物を確実に処理槽の周面側へ押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0082】
また同じく、回転押出羽根は、回転軸の周りを該回転軸から遠ざかりながら回転するように処理槽の底面に沿って渦巻き状に延びている場合には、回転押出羽根によって廃棄物を確実に処理槽の周面側へ押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0083】
また、処理槽の底面は、その中央部が処理槽の内側へ突出して形成された断面ハ字状又は円弧状のものである場合には、廃棄物を回転押出羽根によって押出移動させる際に、廃棄物に重力が作用するため、廃棄物を更に確実に押出移動させることができて、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0084】
また、処理槽の周面の少なくとも上端部は、上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されている場合には、スパイラル羽根により上昇移動された廃棄物が回転軸側へ確実に落ちるようになる。そのため、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0085】
また、スパイラル羽根を複数個、備えるとともに、複数個のスパイラル羽根が相互に周方向に位相差をもって配置されている場合には、撹拌効率を更に向上させることができる。
【0086】
また、回転押出羽根を複数個、備えるとともに、前記複数個の回転押出羽根が相互に周方向に位相差をもって配置されている場合には、上記と同じく、撹拌効率を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る有機性廃棄物処理装置の縦断面図である。
【図2】同処理装置における図1中のII−II線横断面図である。
【図3】(a)は回転押出羽根及びスパイラル羽根の平面図、(b)は回転押出羽根の速度線図である。
【図4】この発明の第2実施形態に係る有機性廃棄物処理装置の縦断面図である。
【図5】この発明の第3実施形態に係る有機性廃棄物処理装置の要部縦断面図である。
【図6】この発明の第4実施形態に係る有機性廃棄物処理装置の要部縦断面図である。
【符号の説明】
A1、A2、A3、A4…有機性廃棄物処理装置
1…処理槽
2…底面
3…周面
4…天面
5…蓋体
10…回転軸
20…回転押出羽根
21…案内片
30…スパイラル羽根
40…駆動装置
50…駆動力伝達機構
W…有機性廃棄物
Claims (8)
- 有機性廃棄物(W)を収容し、底面(2)と周面(3)とを有する横断面円形状の縦型廃棄物処理槽(1)と、
前記処理槽(1)内において、前記処理槽(1)の軸線方向に延びた回転軸(10)からその径方向外側に離間して配置され、前記回転軸(10)の周りを該回転軸と平行な方向に進行しながら回転するように前記処理槽(1)の周面(3)に沿ってスパイラル状に延びたスパイラル羽根(30)と、
前記処理槽(1)内の底部に配置され、前記回転軸(10)の下端部から前記処理槽(1)の周面(3)側に延びた回転押出羽根(20)と、
前記回転押出羽根(20)及び前記スパイラル羽根(30)を前記回転軸(10)を中心に前記処理槽(1)に対して相対的に回転させる駆動装置(40)と、
を備え、
前記回転押出羽根(20)は、該回転押出羽根が前記駆動装置(40)によって回転されることにより、前記処理槽(1)内に収容され前記処理槽の底部に存在する廃棄物(W)を、前記処理槽(1)の周面(3)側へ押出移動させるものであり、
前記スパイラル羽根(30)は、該スパイラル羽根が前記駆動装置(40)によって回転されることにより、前記回転押出羽根(20)により前記処理槽(1)の周面(3)側へ押出移動された廃棄物(W)を、上昇移動させるものであり、
前記回転押出羽根(20)及び前記スパイラル羽根(30)の回転に伴い、前記処理槽(1)内において、前記スパイラル羽根(30)により上昇移動された廃棄物(W)が前記回転軸(10)側において前記処理槽(1)の底部へ下降されるものとなされていることを特徴とする有機性廃棄物処理装置。 - 前記回転押出羽根(20)の先端部が前記スパイラル羽根(30)の下端部に連結されるとともに、
前記回転押出羽根(20)と前記スパイラル羽根(30)との連結部に、前記回転押出羽根(20)により処理槽(1)の周面(3)側へ押出移動された廃棄物(W)を前記スパイラル羽根(30)上へ案内する案内片(21)が設けられている請求項1記載の有機性廃棄物処理装置。 - 前記回転押出羽根(20)は、平面視において、その基端部から先端部まで曲率の変化率が一定か、あるいは漸次減少するように形成されている請求項1又は2記載の有機性廃棄物処理装置。
- 前記回転押出羽根(20)は、前記回転軸(10)の周りを該回転軸から遠ざかりながら回転するように前記処理槽(1)の底面(2)に沿って渦巻き状に延びている請求項1又は2記載の有機性廃棄物処理装置。
- 前記処理槽(1)の底面(2)は、その中央部が前記処理槽(1)の内側へ突出して形成された断面ハ字状又は円弧状のものである請求項1〜4のいずれか1項記載の有機性廃棄物処理装置。
- 前記処理槽(1)の周面(3)の少なくとも上端部は、上端に至るにつれて直径が漸次減少するように形成されている請求項1〜5のいずれか1項記載の有機性廃棄物処理装置。
- 前記スパイラル羽根(30)を複数個、備えるとともに、前記複数個のスパイラル羽根(30)が相互に周方向に位相差をもって配置されている請求項1〜6のいずれか1項記載の有機性廃棄物処理装置。
- 前記回転押出羽根(20)を複数個、備えるとともに、前記複数個の回転押出羽根(20)が相互に周方向に位相差をもって配置されている請求項1〜7のいずれか1項記載の有機性廃棄物処理装置。
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JP (1) | JP2004089943A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007181760A (ja) * | 2006-01-05 | 2007-07-19 | Taisei Corp | 発酵ガス生成装置 |
KR20110053060A (ko) * | 2009-11-13 | 2011-05-19 | 웅진코웨이주식회사 | 음식물 처리기의 분쇄로 |
CN104499338A (zh) * | 2014-12-18 | 2015-04-08 | 昌邑润德生态纤维有限公司 | 一种调浓罐 |
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2002
- 2002-09-03 JP JP2002257744A patent/JP2004089943A/ja active Pending
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JP2007181760A (ja) * | 2006-01-05 | 2007-07-19 | Taisei Corp | 発酵ガス生成装置 |
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KR101711578B1 (ko) * | 2009-11-13 | 2017-03-03 | 코웨이 주식회사 | 음식물 처리기의 분쇄로 |
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