JP2004089907A - 塗膜表面の仕上げ方法及び塗膜表面用仕上げ剤 - Google Patents

塗膜表面の仕上げ方法及び塗膜表面用仕上げ剤 Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜の補修の仕上げ工程に使用した場合に、オーロラマークを発生させないでつや出しも十分にすることができる塗膜表面の仕上げ方法及び塗膜表面用仕上げ剤を提供すること。
【解決手段】塗膜表面に仕上げ剤を塗布する工程;及び仕上げ剤が塗布された塗膜表面を磨く工程;を包含する塗膜表面の仕上げ方法において、上記仕上げ剤が、水、石油系溶剤、及びプラスチック製粒子を含有する水性組成物である方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜表面の仕上げ方法及び塗膜表面用仕上げ剤に関し、特に自動車塗装面のように微細仕上げが要求される塗膜表面の仕上げ方法及びその方法に適した仕上げ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面保護、所望の色、及び美感を与えることを目的として、自動車表面には通常塗装が施される。塗装は、樹脂組成物である塗料を車体の表面に塗りひろげ、硬化させてほぼ均一な厚さの連続した樹脂被膜を形成する操作である。塗装により物体の表面上に形成された樹脂被膜は塗膜と呼ばれる。
【0003】
塗装工程の最中に何等かの塗料の機能障害、泡かみ、ごみの付着等が生じると、形成される塗膜の均一性、連続性や表面平滑性が阻害され、塗膜の表面に白濁跡、凹み、及びキズのような欠陥が生じる。また、塗膜形成後にも車体の摩擦や衝突により塗膜の均一性、連続性や平滑性が阻害されると、塗膜表面に欠陥が生じる。塗膜表面に欠陥があると車体の美感が損なわれ、自動車等の商品価値が低下するためこれを補修する必要がある。
【0004】
塗膜表面の欠陥を補修する際には、塗膜の欠陥を除去し、必要であれば欠陥除去部分を再度塗装し、そして欠陥除去部分又は再塗装部分を周囲と同じ外観に復元する作業が行われる。そしてその作業として、一般には、塗膜表面の肌調整、磨き、及び仕上げの工程が順次行われる。
【0005】
塗膜表面の肌調整は、補修部分について、肌のストラクチャー、例えばゆず肌の凹凸状態を周囲と同程度に合わせる工程である。その際、補修部分は砥粒サイズ5〜10μm(JIS#1500〜#3000)の研磨布紙等を用いて研磨される。または、粒径10〜20μmの細目コンパウンド及び硬めのパッドやバフで研磨される。磨きは、肌調整によって生じた研磨傷を小さくしていく工程である。その際には、約5〜10μmの極細目コンパウンド及び軟らかめのパッドやバフが用いられる。仕上げは、研磨傷を更に小さくしてゆき、研磨による傷が見えないようにする工程である。その際には、約2〜3μmの超粒子コンパウンド及び軟らかめのパッドやスポンジバフが用いられる。
【0006】
このように塗膜の補修作業のほとんどは、砥粒を使用した研磨作業である。そして、砥粒は金属酸化物やダイヤモンドで成り、塗膜と比較して硬度は著しく高い。それゆえ、砥粒を用いて塗膜の研磨作業を行うと塗膜表面には必ず研磨傷が形成される。上述の塗装外観の復元作業は、換言すれば、砥粒の粒径を徐々に小さくして塗膜に形成される研磨傷を小さくしてゆき、肉眼で見えなくなるまでにする作業である。
【0007】
仕上げ工程において研磨傷を小さくした場合、研磨傷の凹凸周期が光の波長と同程度になることがある。さらに、仕上げ工程でシングルアクションサンダーやシングルポリッシャー等を用いて砥粒を規則的に運動させると、仕上がり面には、光の波長と同程度のオーダーの周期で、規則的な縞状の凹凸が形成される。そこに光が当って反射すると、光路差による光の干渉が生じ、その部分だけが虹色に光って見える現象が生じる。この現象は一般にオーロラマークと呼ばれている。
【0008】
塗膜の仕上がり面にオーロラマークが発生した場合には、これを除去するために更に研磨が行われる。オーロラマークを除去するためには、研磨傷を不規則にしなければならず、研磨パッドを複雑に運動させなければならない。それゆえ、ダブルアクションサンダー等を使用して少しずつ研磨する作業が必要となり、処理に熟練、時間及び労力を要する。
【0009】
また、たとえオーロラマークを除去しても、小さな研磨傷は存在している。そのため砥粒を使用した塗膜表面の仕上げ方法では、塗膜表面につやを出すのに限界がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、塗膜の補修の仕上げ工程に使用した場合に、オーロラマークを発生させないでつや出しも十分にすることができる塗膜表面の仕上げ方法及び塗膜表面用仕上げ剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塗膜表面に仕上げ剤を塗布する工程;及び仕上げ剤が塗布された塗膜表面を磨く工程;を包含する塗膜表面の仕上げ方法において、上記仕上げ剤が、水、石油系溶剤、及びプラスチック製粒子を含有する水性組成物である方法を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の塗膜表面用仕上げ剤は、少なくとも水、石油系溶剤、及びプラスチック製粒子を含有する水性組成物である。
【0013】
石油系溶剤
石油系溶剤としては、塗膜に対する膨潤性及び潤滑性に優れるものが好ましい。塗膜が軟質化されるとともにプラスチック製粒子の動きの自由度が高められるので、ゆず肌のような表面のストラクチャー調整が促進され、仕上げ剤の性能が向上するからである。
【0014】
塗膜には、一般にアクリルメラミン樹脂、アミノアルキド樹脂、ウレタン樹脂等が用いられる。このような塗膜の硬度は、石油系溶剤で膨潤させる前は、一般にH〜2Hである(JIS(1979、K5400))。他方、石油系溶剤で膨潤させた後は、塗膜の硬度はB程度となることが研磨促進の面から好ましい。
【0015】
一般に、塗膜表面の仕上げのために磨く工程は25〜60℃の環境温度において1〜5分間行われる。そのため、石油系溶剤はその間乾燥しない程度に難揮発性である必要がある。従って、石油系溶剤は、初留点(initial boiling point)が好ましくは100℃以上、より好ましくは130℃以上である。
【0016】
また、石油系溶剤は塗膜表面に付着しても布で容易にふきとることができ、塗膜内部に残留し難いものが好ましい。
【0017】
石油系溶剤とは石油の分留によって得られる溶剤をいう。本発明の塗膜表面の仕上げに用いるのに好ましい石油系溶剤は、沸点範囲100℃〜350℃の留分である炭化水素化合物、およびこれらの混合物である。特に炭素数3〜22、好ましくは炭素数7〜13のパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素、およびこれらの混合物が好ましい。
【0018】
芳香族系炭化水素は芳香族環を含み塗膜を膨潤させる効果が強い。しかし、芳香族環が3個以上つながった芳香族系炭化水素には有害物もあり、芳香族炭化水素を用いる場合は芳香族環のつながりは2個以下であるものが好ましい。
【0019】
石油系溶剤は50度〜100度、好ましくは60度〜90度のアニリン点(混合アニリン点)を有するものが好ましい。石油系溶剤のアニリン点が低すぎると塗膜を劣化させる怖れがある。
【0020】
また、作業者の健康や安全、および環境に対する影響を考慮すれば、臭気や皮膚に対する刺激が少なく、発火点が高い石油系溶剤を選択することが好ましい。具体的には、炭素数7〜13のパラフィン系炭化水素を含む石油系溶剤が好ましい。
【0021】
石油系溶剤は、水100重量部に対して好ましくは1〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは3〜10重量部の量で仕上げ剤に含有させる。石油系溶剤の配合量が1重量部を下回ると塗膜が充分に膨潤しないため塗膜表面のストラクチャー調整効果が得られず、50重量部を上回ると塗膜が柔軟になり過ぎて塗膜表面の仕上がりが悪化する。
【0022】
プラスチック製粒子
従来、塗膜表面用仕上げ剤では塗膜表面のストラクチャーを調製する成分としては主として砥粒が使用されてきた。しかしながら、砥粒は塗膜を研磨するため塗膜の仕上がり面には必ず研磨傷が形成され、オーロラマークの発生や光沢低下の原因となる。本発明の仕上げ剤では、砥粒よりも軟質な材料であるプラスチック製の粒子を使用することによって研磨傷の形成を抑制しながら塗膜表面のストラクチャーが調整される。
【0023】
このプラスチック製粒子の硬さは塗膜の硬さ以下であることが好ましい。プラスチック製粒子の硬さが塗膜の硬さを越えると塗膜表面のストラクチャーが乱れたり研磨傷が形成されて仕上がり面の外観や光沢が低下する怖れがある。
【0024】
通常、塗膜の硬度はデュロメータA硬度で90〜95である。従って、プラスチック製粒子の硬さは塗膜の硬度よりもデュロメータA硬度で2以上低い値、例えば、上記硬度で80〜90であることが好ましい。
【0025】
プラスチック製粒子の形状に特に制限はないが、球状が好ましい。塗膜表面のストラクチャーを調製する効果が大きく、塗膜表面において研磨傷が発生し難くなるからである。粒子の大きさとしては、平均粒径が5〜500μmのものが好ましく、20μm〜100μmのものが更に好ましい。粒子の平均粒径が5μm未満であると塗膜表面のストラクチャーに加わる力が不十分となり、500μmを越えると粒子がストラクチャーの内部に入り難くなる。
【0026】
プラスチック製粒子の材質は、適当な硬さの樹脂から適宜に選択できる。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート等のポリマーである。耐溶剤性を高めるために架橋してあるポリマー粒子が好ましい。
【0027】
また、これらの粒子を表面改質等したもの、例えば金属被覆もしくは官能基を導入等の処理したものを用いても良い。粒子の表面は平滑であっても空隙が形成されていてもよい。市販のプラスチック製粒子を用いてもよい。例えば、綜研化学社製「ケミスノー(商品名)」等が挙げられる。特に好ましいプラスチック製粒子は架橋してあるポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン及びポリウレタン等である。
【0028】
プラスチック製粒子は、水100重量部に対して好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部、更に好ましくは10〜20重量部の量で仕上げ剤に含有させる。プラスチック製粒子の配合量が1重量部を下回ると塗膜表面のストラクチャーの調整が不十分となり、50重量部を越えるとストラクチャーが乱れる怖れがある。
【0029】
砥粒
塗膜表面のストラクチャーを調整する効果を高めたい場合には、本発明の仕上げ剤に砥粒を含有させてもよい。砥粒としては硬く、切削性が良く、そして遊離砥粒として使用した場合に研磨面に深い傷がつき難い材料が好ましい。砥粒の寸法は、好ましくは平均粒子径10nm〜50μm、より好ましくは1μm〜10μmである。粒径分布を狭くして望ましくない引っ掻き傷を生じないようにすべきである。
【0030】
砥粒の材質は酸化アルミニウム、シリカ、ケイ酸アルミニウム、タルク、カオリン、クレー、及びこれらの混合物とすることが好ましい。特に好ましい砥粒はアルミナ粒子である。
【0031】
砥粒の含有量は水100重量部に対して60重量部以下、好ましくは30重量部以下、より好ましくは15重量部以下とする。砥粒の含有量が60重量部を上回るとオーロラマークが発生し易くなり、塗膜の仕上がり面の光沢が悪化する。
【0032】
分散剤
分散剤は仕上げ剤中でプラスチック製粒子や砥粒が凝集するのを防止するために必要に応じて含有させる。本発明の塗膜表面用仕上げ剤は水、石油系溶剤、プラスチック製粒子及び砥粒等を含有するエマルションであるため、分散剤は、エマルション媒体中においてもプラスチック製粒子や砥粒を分散させる機能を発揮する必要がある。
【0033】
分散剤としては、一般に水溶性界面活性剤を用いることができる。具体例としてはポリカルボン酸及びその塩、ポリアミノアミド及びその酸エステル等が挙げられる。
【0034】
分散剤は、水100重量部に対して好ましくは0.5〜5重量部の量で仕上げ剤に含有させる。分散剤の配合量が0.5重量部を下回ると仕上げ剤中でプラスチック製粒子や砥粒が凝集し易くなり、5重量部を上回って含有させてもプラスチック製粒子や砥粒の分散性は向上せず、塗膜の仕上がり面に残留し易くなる。
【0035】
つや出し剤
塗膜の仕上がり面を更に微細にし、又は光沢を付与するため、仕上げ剤にはつや出し剤を含有させてよい。そのことにより、この仕上げ剤はいわゆる塗膜の曇(hazing)対策にも適することになる。つや出し剤は補修後の塗膜表面に残留して微細なキズを埋める機能を奏する成分であるため、塗膜の親水撥油機能等に悪影響を及ぼさないものが好ましい。
【0036】
つや出し剤としては、親水性シリコーン又は親水性ワックスを用いることができる。具体例としては、ポリエーテル変性シリコーン、親水性アミノシリコーン、親水性エポキシシリコーン、グリセロール、水添ひまし油及びその誘導体、アミド化合物等が挙げられる。
【0037】
特に、ポリエーテルとアミノ変性シリコーンとのブロックコポリマーで成る親水性アミノシリコーンは塗膜表面又は塗膜内部に残存し、塗膜の光沢と親水性を維持する効果が得られるため好ましい。
【0038】
つや出し剤の配合量は、要求される補修後の塗膜表面の仕上がりに対応して適宜調節すればよい。一般には、水100重量部に対して10重量部以下、好ましくは0.5〜10重量部の量でつや出し剤に含有させる。10重量部を上回る量でつや出し剤を配合しても塗膜表面の仕上がりはさほど改良されない。
【0039】
その他の添加剤
仕上げ剤の粘度を増大し調節するために、濃化剤を添加することができる。仕上げ剤の粘度が余りにも低すぎると、それは自動車の垂直表面を流れ落ちる傾向があり、従って作業者がそれを用いて適切に磨くことができなくなる。従って、仕上げ剤の粘度を調節するのに濃化剤が用いられる。
【0040】
濃化剤の典型的な例には、含水珪酸アルミニウム、モンモリロナイト粘土のジメチルジオクタデシル塩、アルカリ可溶性アクリル重合体エマルジョン、コロイドシリカ、及びオレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸アルミニウムの如き重金属石鹸が含まれる。本発明で用いるのに好ましい濃化剤はアルカリ可溶性アクリル重合体水性エマルジョンである。
【0041】
また、乳化剤を用いることができる。乳化剤は分散相と分散媒の間の界面張力を低下させ、乳化を容易かつ安定化する化合物であり、例えばセッケン類が該当する。さらに、チキソ付与剤を用いることができる。チキソ付与剤はコロイド溶液であり、外部から力を加えるとゲル状からゾル状に変化して流動性を示すが、放置すると再びゲル状に戻る物質である。チキソ付与剤の例には、無水ケイ酸アルミニウム、クレー、マイカ微粉末のような無機物、および脂肪酸誘導体および水素化ヒマシ油のような有機物がある。
【0042】
仕上げ剤中での細菌の成長を阻止するため安定化剤及び保存剤を用いることができる。典型的な例には、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸及びo−フェニルフェノールが含まれる。
【0043】
顔料、染料及び香料も本発明の仕上げ剤に、希望に応じ添加することができる。
【0044】
仕上げ剤の調製
上述の成分を水と混合することにより、本発明の塗膜表面用仕上げ剤が得られる。水としては水道水、蒸留水又は脱イオン水を用いてよい。脱イオン水が好ましい。なぜなら、仕上げ剤中での微生物の成長を促進するようなイオン及び他の物質か除去されているため、細菌が成長する可能性が低くなっているからである。
【0045】
仕上げ剤を調製する際の添加順序は、例えば、水、添加剤、石油系溶剤、分散剤、砥粒及び/又はプラスチック製粒子である。種々の成分を添加しながら、混合物は連続的に撹拌される。その後、仕上げ剤は高剪断混合機により均一な分散体が形成されるまで混合する。
【0046】
塗膜表面の仕上げ方法
本発明の塗膜表面の仕上げ方法では、まず、金属パネルのような被塗物を上塗り塗装する。塗膜を十分に乾燥硬化させた後、従来と同様にして肌調整及び磨きの工程を行う。次いで、塗膜表面に仕上げ剤を塗布し、仕上げ剤が塗布された塗膜表面を磨く。磨く作業は軟らかめのパッドやスポンジバフを用いて行う。磨き工具として、シングルアクションサンダーおよびシングルポリッシャー等を使用してよい。
【0047】
磨き工具を使用する場合は、パッドやバフをバフ掛け用工具へ固定する。パッド及びバフ掛け用工具は、例えば、スリーエム社製のものを使用できる。
【0048】
次にそのバフ研磨用パッドを仕上げ剤が塗布された塗膜表面に置き、工具のスイッチを入れ、工具に圧力を加えながら磨きを行う。磨き時間は一般には3〜30秒である。磨きは、圧力を増減させて複数回行ってもよい。
【0049】
その後、例えば、水洗、木綿布のような織布、不織布、0.1〜0.5デニールの極細繊維布で拭き取る等の手段により仕上がり面に残った仕上げ剤を除去する。また、更に磨きを行って表面をより微細に仕上げてもよい。
【0050】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中特に断らない限り「部」は重量基準である。
【0051】
実施例1
イオン交換水と分散剤と防腐剤を秤とり、攪拌して均一にした。この混合物にポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(デュロメータA硬度86)
を加え均一な分散体となるまで撹拌した。ここに石油系溶剤を加え、徐々に攪拌速度を上げながら均一なエマルションになるまで乳化して仕上げ剤を得た。この仕上げ剤の組成を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 2004089907
【0053】
380mm×250mm、厚さ0.8mmのボンド鋼板に日本ペイント社製上塗り塗料「スペリオ2K(10:1)スーパーブラック」をスプレーガンで乾燥膜厚が20〜30μmになるように塗布した。塗膜を指触乾燥させ、60℃で24時間乾燥硬化させて試験片を得た。
【0054】
試験片の塗膜表面を、住友スリーエム社製の水砥ぎ仕上げディスク「#2000ペーパー」及びスリーエム社製の仕上げサンダー「5305」を用いて研磨し、更に住友スリーエム社製の細目コンパウンド「ダイナマイトカット」及び日立製作所社製電動シングルポリッシャを用いて十分に研磨した。
【0055】
住友スリーエム社製の極細目コンパウンド「ハードI−L5982」4gを塗膜の研磨面に塗布し、5760セパレートウールバフを装着した日立製作所社製の電動シングルポリッシャで30秒間研磨した。研磨面に残ったコンパウンドを布で拭き取った。次いで、調製した仕上げ剤4gを用いて、5763セパレートスポンジバフを装着した日立製作所社製の電動シングルポリッシャで30秒間磨いた。仕上がり面に残った仕上げ剤を布で拭き取った。
【0056】
塗膜の仕上がり面の表面状態を以下の項目について評価した。結果を表2に示す。
【0057】
光沢
仕上がり面の20゜グロスを測定した。
【0058】
研磨傷
株式会社小坂研究所製の表面粗さ測定機「サーフコーダSE−30D」を用いて仕上がり面のR及びRmaxを測定した。
【0059】
オーロラマーク
仕上がり面に光をあて、表面近くの浅い角度で複数の方向から観察することによりオーロラマークの有無を確認した。オーロラマークが認められなかった場合は「○」と評価し、認められた場合は「×」と評価した。
【0060】
実施例2〜6
PMMA粒子の平均粒径を変更すること以外は実施例1と同様にして仕上げ剤を調製し、試験を行い、評価した。結果を表2に示す。
【0061】
比較例1
PMMA粒子の代わりに酸化アルミニウム粒子(平均粒径2μm)を用いること以外は実施例1と同様にして仕上げ剤を調製し、試験を行い、評価した。結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
Figure 2004089907
【0063】
実施例7
住友3M社製超微粒子コンパウンド「ハードII−L5985」を準備した。このコンパウンドは平均粒径2μmの酸化アルミニウム粒子を約10重量%含有する組成物である。このコンパウンドに、コンパウンド100重量部に対して30重量部の量で平均粒径90μmのPMMA粒子を加え、高剪断混合機を用いて均一な分散体となるまで撹拌して仕上げ剤を得た。
【0064】
得られた仕上げ剤を実施例1と同様にして試験し、評価した。結果を表3に示す。
【0065】
実施例8〜12
プラスチック製粒子の含有量及び材質を変更すること以外は実施例7と同様にして仕上げ剤を調製し、試験を行い、評価した。結果を表3に示す。
【0066】
比較例2
住友3M社製超粒子コンパウンド「ハードII−L5985」を用いること以外は実施例7と同様にして試験を行い、評価した。結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
Figure 2004089907
【0068】
【表4】
Figure 2004089907
【0069】
比較例の仕上げ塗膜表面にはオーロラマークが発生したが、実施例の仕上げ塗膜表面にはオーロラマークは発生しなかった。また、実施例の仕上げ塗膜表面は比較例と比較して光沢が高く、研磨傷も小さかった。
【0070】
プラスチック製粒子はアルミナ砥粒と比較して硬度が低く、粒径が大きいにもかかわらず、塗膜表面の良好な仕上がりが得られた。これは、プラスチック製粒子は塗膜を削るのではなく押しつぶすような作用を奏しているためと考えられる。それゆえ塗膜表面には新たに研磨傷が形成されず、光沢も向上したのであろう。
【0071】
【発明の効果】
本発明の方法により塗膜表面の仕上げを行なえば、オーロラマークを発生させないでつや出しも十分にすることができる。その結果、時間及び労力を要するオーロラマーク除去工程を省略することができる。

Claims (5)

  1. 塗膜表面に仕上げ剤を塗布する工程;及び仕上げ剤が塗布された塗膜表面を磨く工程;を包含する塗膜表面の仕上げ方法において、
    該仕上げ剤が、水、石油系溶剤、及びプラスチック製粒子を含有する水性組成物である方法。
  2. 前記仕上げ剤が、
    (a)水100重量部;
    (b)石油系溶剤1〜50重量部;及び
    (c)プラスチック製粒子1〜50重量部;
    を含有する請求項1記載の方法。
  3. 前記プラスチック製粒子が、塗膜の硬度以下の硬度を有する請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記プラスチック製粒子が球状であり、平均粒径5〜500μmを有する請求項1〜3のいずれか記載の方法。
  5. (a)水100重量部;
    (b)石油系溶剤1〜50重量部;及び
    (c)プラスチック製粒子1〜50重量部;
    を含有する塗膜表面用仕上げ剤。
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