JP2004089489A - 携帯型電子玩具 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊戯者の環境や遊戯者のキャラクタへの対応を反映させて、キャラクタを成長・変化させることを可能とした携帯型電子玩具を提供する。
【解決手段】携帯可能な小型の筐体内部にコンピュータを配置してこのコンピュータ内に形成される仮想空間にキャラクタを存在させた携帯型電子玩具において、光検出手段(23)と、音検出手段(21)と、振動検出手段(22)と、把持検出手段(24)と、複数種類の各キャラクタについて複数の成長段階のキャラクタデータを記憶する記憶手段(42a)と、把持の回数によって上記成長段階を決定し、上記光、音及び振動の少なくともいずれかに基づいて上記キャラクタの種類を決定することによって上記キャラクタデータを選択する判別手段(42c)と、選択されたキャラクタデータによって上記仮想空間に存在するキャラクタを外部に視覚又聴覚可能に表現する表現手段(34,35)と、を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】携帯可能な小型の筐体内部にコンピュータを配置してこのコンピュータ内に形成される仮想空間にキャラクタを存在させた携帯型電子玩具において、光検出手段(23)と、音検出手段(21)と、振動検出手段(22)と、把持検出手段(24)と、複数種類の各キャラクタについて複数の成長段階のキャラクタデータを記憶する記憶手段(42a)と、把持の回数によって上記成長段階を決定し、上記光、音及び振動の少なくともいずれかに基づいて上記キャラクタの種類を決定することによって上記キャラクタデータを選択する判別手段(42c)と、選択されたキャラクタデータによって上記仮想空間に存在するキャラクタを外部に視覚又聴覚可能に表現する表現手段(34,35)と、を備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遊戯者が携帯できるようになされた小型の携帯型電子玩具に関し、特に、携帯型電子玩具の周囲の環境によって携帯型電子玩具内部の仮想空間に存在するキャラクタ(表示体)が変化するようになされたキャラクタ育成型の携帯型電子玩具に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯型の電子玩具としては、手のひらサイズの筐体にLCD(液晶表示器)とコンピュータを設け、簡単なビデオゲームをできるようにしたものがある。マスコットキャラクタを育てるようにしたものもある。また、携帯型の電子玩具ではないが、犬型のロボットに各種のセンサとコンピュータを内蔵し、遊戯者に対して何らかの反応を示すようにしたものも提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の携帯型の玩具は、スイッチボタンの操作によって画面に表示されたオブジェクトを制御して遊んだり、マスコットキャラクタに食事を与えたりしてこれを育成するものであり、遊戯者が玩具に対してボタン操作をすることが前提となっている。また、ボタン操作をせずとも、犬型ロボット等は勝手に一人で遊んでいるような仕草をしたり、音声に反応したりするようにプログラムされているものもあるが、これは高価で大きすぎ、携帯に向かない。
【0004】
よって、本発明はボタン操作をすることなく、ただ携帯することでキャラクタを成長・変化させることの可能な携帯型電子玩具を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、遊戯者の環境や遊戯者の携帯型電子玩具(キャラクタ)への対応を反映させて、キャラクタを成長・変化させることを可能とした携帯型電子玩具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の携帯型電子玩具は、携帯可能な小型の筐体内部にコンピュータを配置してこのコンピュータ内に形成される仮想空間にキャラクタを存在させた携帯型電子玩具において、上記筐体外部の光を検出する光検出手段と、上記筐体外部の音を検出する音検出手段と、上記筐体の振動を検出する振動検出手段と、上記筐体の把持を検出する把持検出手段と、複数種類の各キャラクタについて複数の成長段階のキャラクタデータを記憶する記憶手段と、上記把持の回数によって上記成長段階を決定し、上記光、音及び振動の検出の少なくともいずれかに基づいて上記キャラクタの種類を決定することによって上記キャラクタデータを選択する判別手段と、選択されたキャラクタデータによって上記仮想空間に存在するキャラクタを外部に視覚又聴覚可能に表現する表現手段と、を備える。
【0007】
かかる構成とすることによって、遊戯者が携帯し、筐体を把持することによって成長・変化するキャラクタを内蔵する携帯型電子玩具を得ることが可能となる。また、キャラクタの変化に当該電子玩具の存在する環境パラメータ(光、音、振動等)を反映させることが可能となる。
【0008】
好ましくは、上記表現手段は、上記キャラクタの画像の表示、音声の出力及び色の表示のうちの少なくともいずれかを含む。例えば、静止画、アニメーション、音楽、キャラクタの音声、発光色、発光色の色変化、発光間隔、等をキャラクタの表現に使用することができる。
【0009】
好ましくは、上記判別手段は、上記光、音及び振動の各検出回数と基準値との比較結果に基づいて上記キャラクタの種類を決定する。基準値は適宜に決定する(チューニング)ことができる。また、途中で変えることも可能である。
【0010】
好ましくは、上記判別手段は、上記光、音及び振動の各検出回数の組み合わせに基づいて上記キャラクタの種類を決定する。それにより、当該電子玩具の存在する環境に応じた、あるいは擬似的に電子玩具の存在する環境に応じて成長するキャラクタを表現することが可能となる。
【0011】
好ましくは、上記判別手段は、上記キャラクタの現在の成長段階に応じて上記基準値を変える。それにより、成長に応じて相対的に変化を早めたり、遅くしたりすることが可能となる。
【0012】
好ましくは、上記筐体は背面に形成された曲面部と腹面に形成された平面部とを含み、上記表現手段は、上記平面部に配置された画像表示器を含む。
【0013】
好ましくは、上記把持の検出の有無によって上記画像表示器の活性化を制御する。それにより、遊戯者がこの玩具を手にとっていない場合には、画像表示器をオフとして電池の消耗を減らすことが可能となる。
【0014】
好ましくは、上記筐体は背面に形成された透光性の曲面部と腹面に形成された平面部とを含み、上記表現手段は上記曲面部内に配置された色発光器を含む。それにより、曲面部で光の色によってキャラクタの状態を表現することが可能となる。例えば、曲面部は乳白色とすることができる。
【0015】
好ましくは、上記表現手段は、画面表示器によるキャラクタ像又は文字の表示、スピーカによる音声出力の少なくともいずれかを含む。それにより、種々のキャラクタを表現することが可能となる。
【0016】
好ましくは、上記筐体は上記平坦部又は上記曲面部を着地面部として姿勢が安定する起き上がりこぼし構造を有する。それにより、この電子玩具を揺らして振動させて遊ぶことができる。また、この電子玩具を机などの上に置くと、球状の背面を常に上とすることが可能となる。この場合、底面部に配置された画像表示器は見えなくなるので上述のように把持を検出したときに画像表示器を表示させると電池の消耗を減少することができて具合がよい。筐体の背面は上記のようにカラーで発光することが可能である。
【0017】
好ましくは、上記把持検出手段は、筐体の把持によって電極間の静電容量の変化を検出する静電容量型の検出器である。それにより、遊戯者に違和感を与える異なる検出することが可能となる。
【0018】
好ましくは、上記把持検出手段が当該把持を検出したときに、上記光検出手段、上記音検出手段及び上記振動検出手段の少なくともいずれかの検出周期を短くする方向に切替える検出インターバル変更手段を更に備える。それにより、遊戯者が把持して遊んでいる状態では、キャラクタの変化がより早く現れるようにすることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
[第1の実施例]
図1及び図2は、本発明の携帯型電子玩具の一例を説明する説明図である。図1(a)は、携帯型電子玩具を上方からの上面図、同(b)は、携帯型電子玩具を正面方向から見た正面図、同(c)は、携帯型電子玩具を下方からの底面図である。図2は、携帯型電子玩具の底面を正面方向に向けて画面表示器が見えるようにした状態を示す斜視図である。
【0021】
これらの図に示されるように、携帯型電子玩具10は上部(背面)側が曲面に形成され、下部(腹面)側の一部12aが平坦に形成されている。より具体的には、上部側筐体11と下部側筐体12からなる球状体の一部に平坦部12aを形成し、これを底部としたような形状をしている。この底部を着地面として安定するいわゆる起き上がりこぼしとして機能し得る形状となっている。起き上がりこぼしは、筐体の外形と重心位置の設定によって実現される。
【0022】
なお、図2に示すように、筐体の曲面部を着地部として安定する起き上がりこぼしとしてもよい。このようにした場合には、画像表示部を遊戯者方向に向けて擬似的コミュニケーションをとり易くした状態でゆらゆら揺らして遊ぶことができる。揺らしたときには振動センサがこれを検出可能である。
【0023】
外周が円形の平坦部12aの中央には、キャラクタの画像や文字などを表示する画像表示器34が配置されている。画像表示器34は、例えば、LCDであるが、これに限定されるものではなく、例えば、有機EL表示などであっても良い。
【0024】
平坦部12aの画像表示器25の近傍には遊戯モード切替を行う、モード切替スイッチ25が配置されている。平坦部12aには、下部筐体12の内部に配置されたリセットスイッチ26を図示しない針金等によって作動させる微小窓(ピンホール)が形成されている。
【0025】
図2に示すように、下部筐体12の側面には、音センサ21、振動センサ22、光センサ24、接触センサ24が配置されている。音センサ21は、例えば、周囲の音を抽出するマイクと、この出力を増幅する増幅器と、音声信号からノイズを除去するバンドパスフィルタあるいは音声帯域を通過させるローパスフィルタによって構成される。振動センサ22は、例えば、揺動する錘とこの揺動によって接触する電極と、この接触をトリガとするワンショットマルチバイブレータ等によって構成される。それにより、振動すると一定期間ハイレベルとなるパルスが出力される。また、他の振動センサの例として揺動する錘とこの錘によって押圧される圧電素子によって構成することもできる。コイルとこの中を移動する磁石によっても振動センサを構成することができる。接触センサ24は、例えば、静電容量型スイッチによって構成される。このセンサに遊戯者が手を触れると電極間の静電容量の変化が電気的に検出され、接触の有無が検出される。検出用の電極としては、金属電極のみならず、透明電極(例えば、ITO等)、導電性プラスチック等を使用することができる。
【0026】
上側筐体11は望ましくは光透過性であり、例えば、乳白色で筐体内部の機構を見えなくすると共に、内部に配置された赤色、緑色、青色のLED31〜33(図3参照)の光を外部に透過させる。3色のLEDの各発光光量を適宜に組み合わせることによって各種の色を出力する。また、図示しないが、筐体の内部にはスピーカ(図3参照)を内蔵しており、それにより、曲や音声、ブザー音を出力することができる。
【0027】
図3は、本発明に係る携帯型電子玩具の制御系を説明するブロック図である。同図に示されるように、例えば、制御部40は1チップマイクロコンピュータMPUによって構成される。制御部40は、入力インタフェース41、演算処理部42、LED31〜33を駆動する駆動回路46、画像データでLCD34を駆動する画像表示駆動回路47、音声データをアナログ信号に変換してスピーカを駆動する音声回路48等によって構成されている。演算処理部42は、プログラムやキャラクタのデータを格納しているROM42a、データ処理に使用されるRAM42b、信号処理を行うCPU42c、制御に使用される内部タイマ42d等を含んで構成されている。演算処理部42は、各種のデータ処理・制御を行うと共に、コンピュータによって形成される仮想空間にキャラクタを存在させ、これを外部に表現する。あるいは各種の画像やアニメーションデータ、音声データなどを予め内蔵し、これを適宜に出力して擬似的に仮想空間を実現する。
【0028】
なお、上述のように携帯電子玩具の筐体底部の平坦面を接地面とする起き上がりこぼしとした場合には、遊戯者は底部に配置された画像表示器を見ることができないから、演算処理部42による制御によって接触センサを利用して遊戯者が筐体を手に持っているときだけ、画像表示器を活性化させる(画像を写す)ようにしても良い。それにより、電池電源の消費を減らすことが可能となる。
【0029】
前述した音センサ21、振動センサ22、光センサ23、接触センサ24の各出力は入力インタフェース41に供給される。また、モード切替スイッチ25、リセットスイッチ26の出力も入力インタフェース41に供給される。
【0030】
図4に示すように、入力インタフェース41は、プログラムによって定められる周期で各信号をサンプリングし、各検出信号の発生の有無に従って検出フラグのオン/オフを内部のフラグレジスタあるいはRAM42b内のフラグ領域に設定する。
【0031】
入力インタフェース41は、例えば、音センサの出力の平均値が基準値を超えるときに、音フラグをオンに設定し、越えないときにオフに設定する。この基準値はチューニング可能である。上述した振動に対応したパルス出力が存在するときに振動フラグをオンに設定し、存在しないときにオフに設定する。光センサの出力の平均値が基準値を超えるときに、光フラグをオンに設定し、越えないときにオフに設定する。接触センサが接触を検出しているときに接触フラグをオンに設定し、検出していないときにオフに設定する。
【0032】
入力インタフェース41は、モード切替スイッチ26の所定回数の操作に対応してモードフラグをモードフラグレジスタ内で巡回させ、1のスイッチで複数のモードの指定の切替を判別可能とする。
【0033】
また、リセットスイッチ6からリセット信号が入力されると上述したフラグや経時的に収集されたデータ(蓄積データ)を初期状態に戻す。
【0034】
図5は、携帯電子玩具を、周囲の音、周囲の明るさ、筐体の振動、接触数などの環境条件(環境パラメータ)によって成長・変化させるために、環境状態を判断する例を説明するフローチャートである。
【0035】
まず、タイマ42dのタイムアウト出力によって所定の時間間隔で割り込み信号を発生し、環境ウォッチングフラグを設定する。上記時間間隔としては、例えば、1分であるが、後述のように状況に応じてサンプリングの時間間隔を変更することができる。CPU42cは、フラグレジスタ(あるいはRAM42bのフラグ領域)を監視し、環境ウォッチングフラグのオンに対応して本ルーチンを実行する(S12)。
【0036】
まず、フラグレジスタ(図4参照)から音フラグの状態を読取る(S14)。例えば、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「−1」として、前回の読取り結果に今回の読取り結果を累算する。それにより、音環境の経時的な傾向を把握可能とする。例えば、静かな状態が継続すれば、累積値は減少し、うるさい状態が続けば累積値は増加する。この場合、上限値及び下限値を設定することができる。なお、後述の他の実施例のように、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「0」を単純に加算することとしても良い。(S16)。この累積値を予め定められた判別基準値と比較する。累積値が基準値を越える場合には音条件成立と判断し、越えない場合には音条件不成立と判断する。累積値はキャラクタが変更されたときにリセットされる。この判断結果に基づいて音条件フラグのオン又はオフをRAM42bの所定のエリアに設定する(S18)。
【0037】
続いて、フラグレジスタから振動フラグの状態を読取る(S20)。例えば、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「−1」として、前回の読取り結果に今回の読取り結果を累算する。それにより、振動環境の経時的な傾向を把握可能とする。例えば、振動のない状態が継続すれば、累積値は減少し、振動している状態が続けば累積値は増加する。この場合、上限値及び下限値を設定することができる。なお、後述の他の実施例のように、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「0」を単純に加算することとしても良い。(S22)。この累積値を予め定められた判別基準値と比較する。累積値が基準値を越える場合には振動条件成立と判断し、越えない場合には振動条件不成立と判断する。この結果を上述したRAM42bの所定エリアの振動条件フラグに設定する(S24)。累積値はキャラクタが変更されたときにリセットされる。
【0038】
続いて、フラグレジスタから光フラグの状態を読取る(S26)。例えば、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「−1」として、前回の読取り結果に今回の読取り結果を累算する。それにより、光(明るさ)環境の経時的な傾向を把握可能とする。例えば、暗い状態が継続すれば、累積値は減少し、明るい状態が続けば累積値は増加する。この場合、上限値及び下限値を設定することができる。なお、後述の他の実施例のように、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「0」を単純に加算することとしても良い。(S28)。この累積値を予め定められた判別基準値と比較する。累積値が基準値を越える場合には光(明るさ)条件成立と判断し、越えない場合には光条件不成立と判断する。この結果を上述したRAM42bの所定エリアの光条件フラグに設定する(S30)。累積値はキャラクタが変更されたときにリセットされる。
【0039】
続いて、フラグレジスタから接触フラグの状態を読取る(S32)。例えば、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「−1」として、前回の読取り結果に今回の読取り結果を累算する。それにより、筐体の把持の経時的な傾向を把握可能とする。例えば、筐体を手に持っている状態が継続すれば、累積値は増加し、持っていない状態が続けば累積値は増加する。この場合、上限値及び下限値を設定することができる。なお、後述の他の実施例のように、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「0」を単純に加算することとしても良い。(S34)。この累積値を予め定められた判別基準値と比較する。累積値が基準値を越える場合には接触条件成立と判断し、越えない場合には接触条件不成立と判断する。この結果を上述したRAM42bの所定エリアの接触条件フラグに設定する(S36)。
【0040】
図6は、携帯型玩具にキャラクタを表現するCPU42cの制御動作を説明するフローチャートである。
【0041】
CPU42cは、まず、上述した光・音・振動条件フラグを読取る(S42)。これ等のフラグから携帯型電子玩具が存在する状態を判別する。
【0042】
図7は、状態の判別テーブルの例を示している。同図では、光・音・振動条件フラグのオンを「○」で、オフを「×」で示している。例えば、光条件フラグがオン、音条件フラグがオフ、振動条件フラグがオフの場合には、「明るい静かな場所に置きっぱなし」等と状況が判断される。これは、タイプAと定義される。以下、同様に、光・音・振動条件フラグのオン・オフの組み合わせによって状況判断がなされ、タイプB〜Hが定義される(S44)。
【0043】
次に、CPU42cは携帯型電子玩具の成長を判別する。この実施例では、成長は接触条件フラグのオン又はオフによって決定している。前述したように、遊戯者が玩具に触れる回数が多いと、接触条件フラグはオンとなり易くなる。(S46)。
【0044】
図8に示すように、CPU42cは、判断したタイプA〜Hのいずれかと成長度によってキャラクタのデータを選択する。この例では、説明の便宜上、成長を子供と大人の2段階としているが、これに限定されるものではない。後述の実施例では、より多段階の成長過程が設定されている。
【0045】
例えば、CPU42cがタイプC(「暗いにぎやかな場所に置きっぱなし」)の大人と判断したときは、これに対応する大人のキャラクタのアニメーションデータ(段階的に変化する一連の静止画像のデータ)と音声データをROM42aから読み出す(S48)。CPU42cはこのアニメーションデータを画像表示回路47に与え、LCD34にキャラクタのアニメーションを表示させる。また、音声データを音声回路48に送り、スピーカ35から音声を出力させる。例えば、「このごろ、やけにくらいな」がスピーカから出力される。なお、LCD34に「このごろ、やけにくらいな」と文字あるいは画像で表示させても良い(S50)。
【0046】
このようなキャラクタの表示処理(S42〜50)を所定周期で繰り返す。それにより、玩具内に仮想的に存在するキャラクタにそれが置かれた状況に対応した外部への表現を行うことが可能となる。また、成長に対応した表現を行うことも可能となる。
【0047】
[第2の実施例]
図9は、第1の実施例において各種センサのサンプリング周期を変えるようにした例を説明するフローチャートである。後述の第3の実施例についても適用可能である。
【0048】
例えば、遊戯者が携帯型玩具を手にとっている場合には、携帯型電子玩具を机の上等においているような場合に比べると、キャラクタを見たい、キャラクタとコミュニケーションしたいというような心理状態にあると考えられる。このような場合には、遊戯者のアクションに対して携帯型電子玩具がより反応しやすい状態になれば面白い。
【0049】
そこで、センサ出力のサンプリングのインターバルを短くすることによって、携帯型電子玩具の周囲の状況への対応を早める。すなわち、キャラクタの変化が早まるようにする。
【0050】
図9に示すように、CPU42cは遊戯者が携帯型電子玩具を手に持っているかどうかを、接触センサフラグ(図4参照)がオンになっているかどうかで判別する(S72)。手に持っている場合には(S72;YES)、音・振動・光の各センサの出力のサンプリング周期を短くする。また、検出タイミング(S12)の周期も短くする。例えば、30秒間隔とする。これは、タイマ42のタイムアウト時間を設定することによって行われる(S74)。それにより、キャラクタの変化は早まる。一方、遊戯者が携帯型電子玩具を手に持っていない場合には(S72;NO)、通常の周期でサンプリングを行うようにタイマ42dのタイムアウト時間を設定する。また、検出タイミング(S12)の周期も通常時間とする(S76)。例えば、既述した1分周期とする。それにより、キャラクタは相対的にゆっくりと変化する。各種センサを作動させる回数が減るとセンサなどへの電源供給量を減少させることができ、電池27の消耗を減らすことが可能となる利点がある。
【0051】
なお、音・振動・光の各センサについて画一的にサンプリング周期を設定するのではなく、各センサについて個別的にサンプリング周期を設定し、あるいは個別的にサンプリング周期を切替えることとしても良い。それにより、キャラクタ変化のためのパラメータをより細かくチューニングすることが可能となる。各センサのサンプリング結果はフラグで示されるので、CPU42cはこれ(フラグレジスタ)を参照する。各センサのサンプリング周期の相違は特に問題とならない。
【0052】
[第3の実施例]
図10乃至図18は、本発明の第3の実施例を示している。この実施例では、携帯型電子玩具のキャラクタをより多様に成長(進化)・変化させている。
【0053】
図10は、初期画面の表示を説明するフローチャートである。携帯型電子玩具に電池27がセットされたとき、あるいはリセットスイッチ26が操作されたときに実行される(S102)。リセット信号が発生すると、CPU42cはROM42aの特定のアドレスから読み出しを行う。それにより、オープニングの画面データ、初期キャラクタ誕生処理のプログラムが読み出され、実行される。このプログラムでは、オープニングのアニメーションデータ、初期キャラクタに関する画像データ及び音声データをROM42aから読み出し、画像表示回路47を介してLCD34に初期キャラクタ(図13参照)を表示させる。また、音声データを音声回路48に供給して誕生のセレモニーの音声をスピーカ35に出力させる(S104)。
【0054】
この第3の実施例においても、図5に示した環境ウオッチングのルーチンを実行する。ただし、各センサの累積処理(S16、S22、S28、S34)では、サンプリング時における各センサのフラグオン設定を加算して検出回数を求めている。また、各センサの条件フラグを設定した判定処理(S18、S24、S30、S36)では、各センサの検出回数をそれぞれ図示しない音検出回数レジスタ、振動検出回数レジスタ、光検出回数レジスタ、接触検出回数レジスタに書き込む。なお、RAM42bの領域をこれ等のレジスタとして割り当てることができる。各検出回数はキャラクタの変化後に適宜にリセットされる。
【0055】
図11は、キャラクタの成長・変化を説明するフローチャートである。図12は、第3の実施例における成長と変化のバリエーションを説明する説明図である。同図の横方向にキャラクタの変化例を、縦方向にキャラクタの成長(進化)例を示している。変化例は10種類、成長例は4段階(1st、2nd、3rd、FINALステージ)の例を示している。図13は、図12の各変化例とステージに対応したキャラクタの表示例を示している。
【0056】
図11において、CPU42cは、初期状態のキャラクタを設定した後(S104)、所定の周期、例えば、既述サンプリング周期でキャラクタ成長(進化)・変化ルーチンを実行する。
【0057】
まず、接触検出回数レジスタから接触センサの検出回数を読取る(S112)。次に、図14に示す判別基準表を参照してキャラクタの表示ステージを次ステージ(図12参照)に進めるかどうかを判断する(S114)。
【0058】
例えば、現在のキャラクタが初期キャラクタであるとき、接触センサ(通電センサ)の検出回数が50回に満たないときは次ステージには進まない(S114;NO)。
【0059】
また、現在のキャラクタが初期キャラクタであるときは、キャラクタを変化させないで本ルーチンを終了する(S116;YES)。従って、初期キャラクタ画引き続き表現される。現在のキャラクタが初期キャラクタでないときは(S116;NO)、音、光、振動センサの各検出回数をそれぞれの検出回数レジスタから読取る(S118)。
【0060】
CPU42cは、読取った各センサの検出回数に基づいてキャラクタを変化させるかどうかを決定する。図15は、あるステージにおけるキャラクタ変化の例を説明する説明図であり、図中の1〜8は、図12の1〜8として示される(通常選択される)8種類のキャラクタ(図13参照)に対応しており、現在のキャラクタのタイプ(中心位置)から外周の他のキャラクタのタイプに変化可能であることを示している。図15には示していないが、他に、レアキャラクタとして2つのキャラクタが選択可能である。
【0061】
図17は、あるステージにおける変化の条件の判別例を示す表である。例えば、現在のステージが第1のステージである場合、光、音、振動の各センサの各検出回数が20回以上であるかどうかの組み合わせによって、タイプL、LS、LSV、SV、及びRに分類される。更に、このタイプは追加条件によって10の性格に分類される。性格には、「泣き虫」、「いいかげん」、「のんき」、「八方美人」、「几帳面」、「いじわる」、「やさしい」、「いじわる」、「たんき」、「変わり者」、「捻くれ者」が用意されている(図13参照)。CPU42cは、このようにして決定したステージ、性格に対応するキャラクタの画像データ及び音声データをROM42aから読み出し、画像表示回路及びLCD34にキャラクタの画像やアニメーションを表示させ、また、音声回路48、スピーカ35に当該キャラクタに対応する曲などの音声を出力させる(S120)。
【0062】
次に、現在のキャラクタが初期キャラクタであって、接触センサの検出回数が50回以上(図14参照)である場合(S112;YES)、第1のステージに成長(進化)することができる。第1のステージにおけるキャラクタを決定するべく、音、光、振動センサの各検出回数をそれぞれの検出回数レジスタから読取る(S122)。初期キャラクタから第1のステージに進む場合は、例えば、図16に示される表が使用される。
【0063】
現在のステージが初期キャラクタである場合、光、音、振動の各センサの各検出回数が50回以上であるかどうかの組み合わせによって、タイプL、LS、LSV、SV、及びRに分類される。更に、このタイプは追加条件によって10の性格に分類される。性格には、「泣き虫」、「いいかげん」、「のんき」、「八方美人」、「几帳面」、「いじわる」、「やさしい」、「いじわる」、「たんき」、「変わり者」、「捻くれ者」が用意されている(図13参照)。CPU42cは、このようにして決定した第1のステージ、性格に対応するキャラクタの画像データ(図13参照)及び音声データをROM42aから読み出し、画像表示回路及びLCD34にキャラクタの画像やアニメーションを表示させ、また、音声回路48、スピーカ35に当該キャラクタに対応する曲などの音声を出力させる(S124)。
【0064】
同様にして、n番目のステージにおいて次のn+1番目のステージに進めるかどうか(S112、S114)、キャラクタ変化の条件に適合するか、どのキャラクタに変化するかが判断される(S118〜S124)。
【0065】
現在のキャラクタが第1乃至第3のステージで有る場合には、図14に示されるように、次ステージへの成長(進化)基準は、接触センサの検出回数がそれぞれ100回、150回、200回となっている。また、同一ステージ内でのキャラクタの変化の基準は、図17に示すように、第1のステージでは20回、第2のステージでは30回、第3のステージでは50回となっている。従って、遊戯者は、第1のステージでは比較的に早くキャラクタの変化を見ることができるが、それ以後は、キャラクタの変化により時間がかかるようになってくる。
【0066】
キャラクタが変更されると、既述した各センサの累積値、センサの検出回数を保持している音検出回数レジスタ、振動検出回数レジスタ、光検出回数レジスタ、接触検出回数レジスタはリセットされ、新たなキャラクタで各種センサの検出出力が計数されることになる。
【0067】
図18は、上部筐体に内蔵される3色のLED31〜33によって構成されるカラー発光体により、イルミネーションを行う例を示している。モード選択スイッチ25を所定回数押圧することによってキャラクタイルミネーション表示モードを指定することができる。このモードの指定に応じてCPU42cは、現在のキャラクタが初期キャラクタのとき、LED31〜33を赤に発光させる。第1ステージでは、LED31〜33を緑に発光させる。第2ステージでは、LED31〜33を黄色に発光させる。第3のステージでは、LED31〜33を赤・緑・青(合成により白)に発光させる。また、CPU42cは、キャラクタの表示に対応して音声をスピーカから出力させることができる。第1のステージの場合、例えば、「ピッ」、「ポ」、「パ」のような簡単なものであるが、第2ステージ、第3ステージ、最終ステージと進むに連れて曲を流すようになる。この音声の出力や曲の演奏に対応してLEDの光り方を変化させることができる。例えば、曲の音符に合わせて色を変化する。例えば、曲を形成する10個の音符に対して10個の色を出力させる。また、音の強弱に対応してLEDの光量を変化させることも可能である。電源の節約のため、LEDの発光、音声出力の継続時間は所定の時間内に制限されている。
【0068】
このように、本発明の実施例によれば、光、音、振動、接触でキャラクタを成長(あるいは進化)・変化させるので、このキャラクタと一緒にひなたぼっこをしたり、音楽を聴かせたり、ゆらゆら揺すったり、手の平につつんで話をしたりすると、この結果がキャラクタの成長・変化に反映される。
【0069】
また、携帯型電子玩具に内蔵されるキャラクタを玩具の把持回数によって段階的に成長あるいは進歩させ、各段階において音、光、振動の各パラメータに基づいてキャラクタを変化させる。よって、遊戯者が触れた回数だけ、キャラクタの表示形態にキャラクタの成長として変化が現れる。また、環境パラメータ(音、光、振動)によってキャラクタの性格を変化し、あたかも遊戯者の扱い方によってキャラクタの性格が変わるようで面白い。
【0070】
なお、キャラクタのLCD34への表示は、図13に示すような各キャラクタについてアニメーションデータをROM42aに予め保持することによって、あたかも携帯型電子玩具内にキャラクタが住んでいるかの如き仮想空間を擬似的に形成するが、ビデオゲームのように3次元や2次元のキャラクタや素材のモデリングによって仮想空間を形成し、これを透視カメラによる視点変換を行って外部に表示し、仮想空間内に配置されたキャラクタを外部に表示(表現)するようにしてもよい。
【0071】
また、実施例では接触(把持)パラメータの他に、環境パラメータとして、音、光、振動の3つを使用しているが、環境パラメータはこのうちの2つでも良い。また、変化のバリエーションは減少するが1つでも良い。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の携帯型電子玩具によれば、押しボタンスイッチを使用することなく、遊戯者が携帯型電子玩具を持ち歩いた環境、手にとった回数でキャラクタを変化させることができるので、あたかも遊戯者の携帯型電子玩具への接し方によってキャラクタが進化したり変化したりするようで面白い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の携帯型電子玩具の外観を説明する説明図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は正面図、図1(c)は底面図である。
【図2】図2は、本発明の携帯型電子玩具の外観を説明する斜視図である。
【図3】図3は、本発明の携帯型電子玩具の制御系を説明するブロック図である。
【図4】図4は、フラグレジスタを説明する説明図である。
【図5】図5は、各種センサのサンプリングを説明するフローチャートである。
【図6】図6は、キャラクタ表示を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、各センサの状態フラグの組み合わせによって状況判断(タイプ分け)を行う例を説明する表である。
【図8】図8は、各タイプ(各センサの状態)と接触センサの状態とによってキャラクタの反応を決定する例を説明する表である。
【図9】図9は、サンプリング周期の切替を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、初期キャラクタの表示例を説明するフローチャートである。
【図11】図11は、キャラクタの多段階の成長(進化)・変化を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、キャラクタの多段階の成長(進化)・変化の展開例を説明する説明図である。
【図13】図13は、キャラクタの多段階の成長(進化)・変化の添加異例に対応した表示キャラクタ例を説明する説明図である。
【図14】図14は、各ステージから次のステージに進むための条件例を説明する表である。
【図15】図15は、同一のステージ内において1のキャラクタから他のキャラクタに変化する例を説明する説明図である。
【図16】図16は、初期状態からのキャラクタ変化のセンサ条件を説明する表である。
【図17】図17は、各ステージにおけるキャラクタ変化のセンサ条件を説明する表である。
【図18】図18は、3色のLEDによるキャラクタに対応した色表示の例を説明する説明図である。
【符号の説明】
21 音センサ
22 振動センサ
23 光センサ
24 接触(通電)センサ
34 LCD(画面表示器)
40 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は遊戯者が携帯できるようになされた小型の携帯型電子玩具に関し、特に、携帯型電子玩具の周囲の環境によって携帯型電子玩具内部の仮想空間に存在するキャラクタ(表示体)が変化するようになされたキャラクタ育成型の携帯型電子玩具に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯型の電子玩具としては、手のひらサイズの筐体にLCD(液晶表示器)とコンピュータを設け、簡単なビデオゲームをできるようにしたものがある。マスコットキャラクタを育てるようにしたものもある。また、携帯型の電子玩具ではないが、犬型のロボットに各種のセンサとコンピュータを内蔵し、遊戯者に対して何らかの反応を示すようにしたものも提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の携帯型の玩具は、スイッチボタンの操作によって画面に表示されたオブジェクトを制御して遊んだり、マスコットキャラクタに食事を与えたりしてこれを育成するものであり、遊戯者が玩具に対してボタン操作をすることが前提となっている。また、ボタン操作をせずとも、犬型ロボット等は勝手に一人で遊んでいるような仕草をしたり、音声に反応したりするようにプログラムされているものもあるが、これは高価で大きすぎ、携帯に向かない。
【0004】
よって、本発明はボタン操作をすることなく、ただ携帯することでキャラクタを成長・変化させることの可能な携帯型電子玩具を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、遊戯者の環境や遊戯者の携帯型電子玩具(キャラクタ)への対応を反映させて、キャラクタを成長・変化させることを可能とした携帯型電子玩具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の携帯型電子玩具は、携帯可能な小型の筐体内部にコンピュータを配置してこのコンピュータ内に形成される仮想空間にキャラクタを存在させた携帯型電子玩具において、上記筐体外部の光を検出する光検出手段と、上記筐体外部の音を検出する音検出手段と、上記筐体の振動を検出する振動検出手段と、上記筐体の把持を検出する把持検出手段と、複数種類の各キャラクタについて複数の成長段階のキャラクタデータを記憶する記憶手段と、上記把持の回数によって上記成長段階を決定し、上記光、音及び振動の検出の少なくともいずれかに基づいて上記キャラクタの種類を決定することによって上記キャラクタデータを選択する判別手段と、選択されたキャラクタデータによって上記仮想空間に存在するキャラクタを外部に視覚又聴覚可能に表現する表現手段と、を備える。
【0007】
かかる構成とすることによって、遊戯者が携帯し、筐体を把持することによって成長・変化するキャラクタを内蔵する携帯型電子玩具を得ることが可能となる。また、キャラクタの変化に当該電子玩具の存在する環境パラメータ(光、音、振動等)を反映させることが可能となる。
【0008】
好ましくは、上記表現手段は、上記キャラクタの画像の表示、音声の出力及び色の表示のうちの少なくともいずれかを含む。例えば、静止画、アニメーション、音楽、キャラクタの音声、発光色、発光色の色変化、発光間隔、等をキャラクタの表現に使用することができる。
【0009】
好ましくは、上記判別手段は、上記光、音及び振動の各検出回数と基準値との比較結果に基づいて上記キャラクタの種類を決定する。基準値は適宜に決定する(チューニング)ことができる。また、途中で変えることも可能である。
【0010】
好ましくは、上記判別手段は、上記光、音及び振動の各検出回数の組み合わせに基づいて上記キャラクタの種類を決定する。それにより、当該電子玩具の存在する環境に応じた、あるいは擬似的に電子玩具の存在する環境に応じて成長するキャラクタを表現することが可能となる。
【0011】
好ましくは、上記判別手段は、上記キャラクタの現在の成長段階に応じて上記基準値を変える。それにより、成長に応じて相対的に変化を早めたり、遅くしたりすることが可能となる。
【0012】
好ましくは、上記筐体は背面に形成された曲面部と腹面に形成された平面部とを含み、上記表現手段は、上記平面部に配置された画像表示器を含む。
【0013】
好ましくは、上記把持の検出の有無によって上記画像表示器の活性化を制御する。それにより、遊戯者がこの玩具を手にとっていない場合には、画像表示器をオフとして電池の消耗を減らすことが可能となる。
【0014】
好ましくは、上記筐体は背面に形成された透光性の曲面部と腹面に形成された平面部とを含み、上記表現手段は上記曲面部内に配置された色発光器を含む。それにより、曲面部で光の色によってキャラクタの状態を表現することが可能となる。例えば、曲面部は乳白色とすることができる。
【0015】
好ましくは、上記表現手段は、画面表示器によるキャラクタ像又は文字の表示、スピーカによる音声出力の少なくともいずれかを含む。それにより、種々のキャラクタを表現することが可能となる。
【0016】
好ましくは、上記筐体は上記平坦部又は上記曲面部を着地面部として姿勢が安定する起き上がりこぼし構造を有する。それにより、この電子玩具を揺らして振動させて遊ぶことができる。また、この電子玩具を机などの上に置くと、球状の背面を常に上とすることが可能となる。この場合、底面部に配置された画像表示器は見えなくなるので上述のように把持を検出したときに画像表示器を表示させると電池の消耗を減少することができて具合がよい。筐体の背面は上記のようにカラーで発光することが可能である。
【0017】
好ましくは、上記把持検出手段は、筐体の把持によって電極間の静電容量の変化を検出する静電容量型の検出器である。それにより、遊戯者に違和感を与える異なる検出することが可能となる。
【0018】
好ましくは、上記把持検出手段が当該把持を検出したときに、上記光検出手段、上記音検出手段及び上記振動検出手段の少なくともいずれかの検出周期を短くする方向に切替える検出インターバル変更手段を更に備える。それにより、遊戯者が把持して遊んでいる状態では、キャラクタの変化がより早く現れるようにすることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
[第1の実施例]
図1及び図2は、本発明の携帯型電子玩具の一例を説明する説明図である。図1(a)は、携帯型電子玩具を上方からの上面図、同(b)は、携帯型電子玩具を正面方向から見た正面図、同(c)は、携帯型電子玩具を下方からの底面図である。図2は、携帯型電子玩具の底面を正面方向に向けて画面表示器が見えるようにした状態を示す斜視図である。
【0021】
これらの図に示されるように、携帯型電子玩具10は上部(背面)側が曲面に形成され、下部(腹面)側の一部12aが平坦に形成されている。より具体的には、上部側筐体11と下部側筐体12からなる球状体の一部に平坦部12aを形成し、これを底部としたような形状をしている。この底部を着地面として安定するいわゆる起き上がりこぼしとして機能し得る形状となっている。起き上がりこぼしは、筐体の外形と重心位置の設定によって実現される。
【0022】
なお、図2に示すように、筐体の曲面部を着地部として安定する起き上がりこぼしとしてもよい。このようにした場合には、画像表示部を遊戯者方向に向けて擬似的コミュニケーションをとり易くした状態でゆらゆら揺らして遊ぶことができる。揺らしたときには振動センサがこれを検出可能である。
【0023】
外周が円形の平坦部12aの中央には、キャラクタの画像や文字などを表示する画像表示器34が配置されている。画像表示器34は、例えば、LCDであるが、これに限定されるものではなく、例えば、有機EL表示などであっても良い。
【0024】
平坦部12aの画像表示器25の近傍には遊戯モード切替を行う、モード切替スイッチ25が配置されている。平坦部12aには、下部筐体12の内部に配置されたリセットスイッチ26を図示しない針金等によって作動させる微小窓(ピンホール)が形成されている。
【0025】
図2に示すように、下部筐体12の側面には、音センサ21、振動センサ22、光センサ24、接触センサ24が配置されている。音センサ21は、例えば、周囲の音を抽出するマイクと、この出力を増幅する増幅器と、音声信号からノイズを除去するバンドパスフィルタあるいは音声帯域を通過させるローパスフィルタによって構成される。振動センサ22は、例えば、揺動する錘とこの揺動によって接触する電極と、この接触をトリガとするワンショットマルチバイブレータ等によって構成される。それにより、振動すると一定期間ハイレベルとなるパルスが出力される。また、他の振動センサの例として揺動する錘とこの錘によって押圧される圧電素子によって構成することもできる。コイルとこの中を移動する磁石によっても振動センサを構成することができる。接触センサ24は、例えば、静電容量型スイッチによって構成される。このセンサに遊戯者が手を触れると電極間の静電容量の変化が電気的に検出され、接触の有無が検出される。検出用の電極としては、金属電極のみならず、透明電極(例えば、ITO等)、導電性プラスチック等を使用することができる。
【0026】
上側筐体11は望ましくは光透過性であり、例えば、乳白色で筐体内部の機構を見えなくすると共に、内部に配置された赤色、緑色、青色のLED31〜33(図3参照)の光を外部に透過させる。3色のLEDの各発光光量を適宜に組み合わせることによって各種の色を出力する。また、図示しないが、筐体の内部にはスピーカ(図3参照)を内蔵しており、それにより、曲や音声、ブザー音を出力することができる。
【0027】
図3は、本発明に係る携帯型電子玩具の制御系を説明するブロック図である。同図に示されるように、例えば、制御部40は1チップマイクロコンピュータMPUによって構成される。制御部40は、入力インタフェース41、演算処理部42、LED31〜33を駆動する駆動回路46、画像データでLCD34を駆動する画像表示駆動回路47、音声データをアナログ信号に変換してスピーカを駆動する音声回路48等によって構成されている。演算処理部42は、プログラムやキャラクタのデータを格納しているROM42a、データ処理に使用されるRAM42b、信号処理を行うCPU42c、制御に使用される内部タイマ42d等を含んで構成されている。演算処理部42は、各種のデータ処理・制御を行うと共に、コンピュータによって形成される仮想空間にキャラクタを存在させ、これを外部に表現する。あるいは各種の画像やアニメーションデータ、音声データなどを予め内蔵し、これを適宜に出力して擬似的に仮想空間を実現する。
【0028】
なお、上述のように携帯電子玩具の筐体底部の平坦面を接地面とする起き上がりこぼしとした場合には、遊戯者は底部に配置された画像表示器を見ることができないから、演算処理部42による制御によって接触センサを利用して遊戯者が筐体を手に持っているときだけ、画像表示器を活性化させる(画像を写す)ようにしても良い。それにより、電池電源の消費を減らすことが可能となる。
【0029】
前述した音センサ21、振動センサ22、光センサ23、接触センサ24の各出力は入力インタフェース41に供給される。また、モード切替スイッチ25、リセットスイッチ26の出力も入力インタフェース41に供給される。
【0030】
図4に示すように、入力インタフェース41は、プログラムによって定められる周期で各信号をサンプリングし、各検出信号の発生の有無に従って検出フラグのオン/オフを内部のフラグレジスタあるいはRAM42b内のフラグ領域に設定する。
【0031】
入力インタフェース41は、例えば、音センサの出力の平均値が基準値を超えるときに、音フラグをオンに設定し、越えないときにオフに設定する。この基準値はチューニング可能である。上述した振動に対応したパルス出力が存在するときに振動フラグをオンに設定し、存在しないときにオフに設定する。光センサの出力の平均値が基準値を超えるときに、光フラグをオンに設定し、越えないときにオフに設定する。接触センサが接触を検出しているときに接触フラグをオンに設定し、検出していないときにオフに設定する。
【0032】
入力インタフェース41は、モード切替スイッチ26の所定回数の操作に対応してモードフラグをモードフラグレジスタ内で巡回させ、1のスイッチで複数のモードの指定の切替を判別可能とする。
【0033】
また、リセットスイッチ6からリセット信号が入力されると上述したフラグや経時的に収集されたデータ(蓄積データ)を初期状態に戻す。
【0034】
図5は、携帯電子玩具を、周囲の音、周囲の明るさ、筐体の振動、接触数などの環境条件(環境パラメータ)によって成長・変化させるために、環境状態を判断する例を説明するフローチャートである。
【0035】
まず、タイマ42dのタイムアウト出力によって所定の時間間隔で割り込み信号を発生し、環境ウォッチングフラグを設定する。上記時間間隔としては、例えば、1分であるが、後述のように状況に応じてサンプリングの時間間隔を変更することができる。CPU42cは、フラグレジスタ(あるいはRAM42bのフラグ領域)を監視し、環境ウォッチングフラグのオンに対応して本ルーチンを実行する(S12)。
【0036】
まず、フラグレジスタ(図4参照)から音フラグの状態を読取る(S14)。例えば、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「−1」として、前回の読取り結果に今回の読取り結果を累算する。それにより、音環境の経時的な傾向を把握可能とする。例えば、静かな状態が継続すれば、累積値は減少し、うるさい状態が続けば累積値は増加する。この場合、上限値及び下限値を設定することができる。なお、後述の他の実施例のように、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「0」を単純に加算することとしても良い。(S16)。この累積値を予め定められた判別基準値と比較する。累積値が基準値を越える場合には音条件成立と判断し、越えない場合には音条件不成立と判断する。累積値はキャラクタが変更されたときにリセットされる。この判断結果に基づいて音条件フラグのオン又はオフをRAM42bの所定のエリアに設定する(S18)。
【0037】
続いて、フラグレジスタから振動フラグの状態を読取る(S20)。例えば、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「−1」として、前回の読取り結果に今回の読取り結果を累算する。それにより、振動環境の経時的な傾向を把握可能とする。例えば、振動のない状態が継続すれば、累積値は減少し、振動している状態が続けば累積値は増加する。この場合、上限値及び下限値を設定することができる。なお、後述の他の実施例のように、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「0」を単純に加算することとしても良い。(S22)。この累積値を予め定められた判別基準値と比較する。累積値が基準値を越える場合には振動条件成立と判断し、越えない場合には振動条件不成立と判断する。この結果を上述したRAM42bの所定エリアの振動条件フラグに設定する(S24)。累積値はキャラクタが変更されたときにリセットされる。
【0038】
続いて、フラグレジスタから光フラグの状態を読取る(S26)。例えば、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「−1」として、前回の読取り結果に今回の読取り結果を累算する。それにより、光(明るさ)環境の経時的な傾向を把握可能とする。例えば、暗い状態が継続すれば、累積値は減少し、明るい状態が続けば累積値は増加する。この場合、上限値及び下限値を設定することができる。なお、後述の他の実施例のように、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「0」を単純に加算することとしても良い。(S28)。この累積値を予め定められた判別基準値と比較する。累積値が基準値を越える場合には光(明るさ)条件成立と判断し、越えない場合には光条件不成立と判断する。この結果を上述したRAM42bの所定エリアの光条件フラグに設定する(S30)。累積値はキャラクタが変更されたときにリセットされる。
【0039】
続いて、フラグレジスタから接触フラグの状態を読取る(S32)。例えば、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「−1」として、前回の読取り結果に今回の読取り結果を累算する。それにより、筐体の把持の経時的な傾向を把握可能とする。例えば、筐体を手に持っている状態が継続すれば、累積値は増加し、持っていない状態が続けば累積値は増加する。この場合、上限値及び下限値を設定することができる。なお、後述の他の実施例のように、フラグがオン状態であると「+1」、オフ状態であると「0」を単純に加算することとしても良い。(S34)。この累積値を予め定められた判別基準値と比較する。累積値が基準値を越える場合には接触条件成立と判断し、越えない場合には接触条件不成立と判断する。この結果を上述したRAM42bの所定エリアの接触条件フラグに設定する(S36)。
【0040】
図6は、携帯型玩具にキャラクタを表現するCPU42cの制御動作を説明するフローチャートである。
【0041】
CPU42cは、まず、上述した光・音・振動条件フラグを読取る(S42)。これ等のフラグから携帯型電子玩具が存在する状態を判別する。
【0042】
図7は、状態の判別テーブルの例を示している。同図では、光・音・振動条件フラグのオンを「○」で、オフを「×」で示している。例えば、光条件フラグがオン、音条件フラグがオフ、振動条件フラグがオフの場合には、「明るい静かな場所に置きっぱなし」等と状況が判断される。これは、タイプAと定義される。以下、同様に、光・音・振動条件フラグのオン・オフの組み合わせによって状況判断がなされ、タイプB〜Hが定義される(S44)。
【0043】
次に、CPU42cは携帯型電子玩具の成長を判別する。この実施例では、成長は接触条件フラグのオン又はオフによって決定している。前述したように、遊戯者が玩具に触れる回数が多いと、接触条件フラグはオンとなり易くなる。(S46)。
【0044】
図8に示すように、CPU42cは、判断したタイプA〜Hのいずれかと成長度によってキャラクタのデータを選択する。この例では、説明の便宜上、成長を子供と大人の2段階としているが、これに限定されるものではない。後述の実施例では、より多段階の成長過程が設定されている。
【0045】
例えば、CPU42cがタイプC(「暗いにぎやかな場所に置きっぱなし」)の大人と判断したときは、これに対応する大人のキャラクタのアニメーションデータ(段階的に変化する一連の静止画像のデータ)と音声データをROM42aから読み出す(S48)。CPU42cはこのアニメーションデータを画像表示回路47に与え、LCD34にキャラクタのアニメーションを表示させる。また、音声データを音声回路48に送り、スピーカ35から音声を出力させる。例えば、「このごろ、やけにくらいな」がスピーカから出力される。なお、LCD34に「このごろ、やけにくらいな」と文字あるいは画像で表示させても良い(S50)。
【0046】
このようなキャラクタの表示処理(S42〜50)を所定周期で繰り返す。それにより、玩具内に仮想的に存在するキャラクタにそれが置かれた状況に対応した外部への表現を行うことが可能となる。また、成長に対応した表現を行うことも可能となる。
【0047】
[第2の実施例]
図9は、第1の実施例において各種センサのサンプリング周期を変えるようにした例を説明するフローチャートである。後述の第3の実施例についても適用可能である。
【0048】
例えば、遊戯者が携帯型玩具を手にとっている場合には、携帯型電子玩具を机の上等においているような場合に比べると、キャラクタを見たい、キャラクタとコミュニケーションしたいというような心理状態にあると考えられる。このような場合には、遊戯者のアクションに対して携帯型電子玩具がより反応しやすい状態になれば面白い。
【0049】
そこで、センサ出力のサンプリングのインターバルを短くすることによって、携帯型電子玩具の周囲の状況への対応を早める。すなわち、キャラクタの変化が早まるようにする。
【0050】
図9に示すように、CPU42cは遊戯者が携帯型電子玩具を手に持っているかどうかを、接触センサフラグ(図4参照)がオンになっているかどうかで判別する(S72)。手に持っている場合には(S72;YES)、音・振動・光の各センサの出力のサンプリング周期を短くする。また、検出タイミング(S12)の周期も短くする。例えば、30秒間隔とする。これは、タイマ42のタイムアウト時間を設定することによって行われる(S74)。それにより、キャラクタの変化は早まる。一方、遊戯者が携帯型電子玩具を手に持っていない場合には(S72;NO)、通常の周期でサンプリングを行うようにタイマ42dのタイムアウト時間を設定する。また、検出タイミング(S12)の周期も通常時間とする(S76)。例えば、既述した1分周期とする。それにより、キャラクタは相対的にゆっくりと変化する。各種センサを作動させる回数が減るとセンサなどへの電源供給量を減少させることができ、電池27の消耗を減らすことが可能となる利点がある。
【0051】
なお、音・振動・光の各センサについて画一的にサンプリング周期を設定するのではなく、各センサについて個別的にサンプリング周期を設定し、あるいは個別的にサンプリング周期を切替えることとしても良い。それにより、キャラクタ変化のためのパラメータをより細かくチューニングすることが可能となる。各センサのサンプリング結果はフラグで示されるので、CPU42cはこれ(フラグレジスタ)を参照する。各センサのサンプリング周期の相違は特に問題とならない。
【0052】
[第3の実施例]
図10乃至図18は、本発明の第3の実施例を示している。この実施例では、携帯型電子玩具のキャラクタをより多様に成長(進化)・変化させている。
【0053】
図10は、初期画面の表示を説明するフローチャートである。携帯型電子玩具に電池27がセットされたとき、あるいはリセットスイッチ26が操作されたときに実行される(S102)。リセット信号が発生すると、CPU42cはROM42aの特定のアドレスから読み出しを行う。それにより、オープニングの画面データ、初期キャラクタ誕生処理のプログラムが読み出され、実行される。このプログラムでは、オープニングのアニメーションデータ、初期キャラクタに関する画像データ及び音声データをROM42aから読み出し、画像表示回路47を介してLCD34に初期キャラクタ(図13参照)を表示させる。また、音声データを音声回路48に供給して誕生のセレモニーの音声をスピーカ35に出力させる(S104)。
【0054】
この第3の実施例においても、図5に示した環境ウオッチングのルーチンを実行する。ただし、各センサの累積処理(S16、S22、S28、S34)では、サンプリング時における各センサのフラグオン設定を加算して検出回数を求めている。また、各センサの条件フラグを設定した判定処理(S18、S24、S30、S36)では、各センサの検出回数をそれぞれ図示しない音検出回数レジスタ、振動検出回数レジスタ、光検出回数レジスタ、接触検出回数レジスタに書き込む。なお、RAM42bの領域をこれ等のレジスタとして割り当てることができる。各検出回数はキャラクタの変化後に適宜にリセットされる。
【0055】
図11は、キャラクタの成長・変化を説明するフローチャートである。図12は、第3の実施例における成長と変化のバリエーションを説明する説明図である。同図の横方向にキャラクタの変化例を、縦方向にキャラクタの成長(進化)例を示している。変化例は10種類、成長例は4段階(1st、2nd、3rd、FINALステージ)の例を示している。図13は、図12の各変化例とステージに対応したキャラクタの表示例を示している。
【0056】
図11において、CPU42cは、初期状態のキャラクタを設定した後(S104)、所定の周期、例えば、既述サンプリング周期でキャラクタ成長(進化)・変化ルーチンを実行する。
【0057】
まず、接触検出回数レジスタから接触センサの検出回数を読取る(S112)。次に、図14に示す判別基準表を参照してキャラクタの表示ステージを次ステージ(図12参照)に進めるかどうかを判断する(S114)。
【0058】
例えば、現在のキャラクタが初期キャラクタであるとき、接触センサ(通電センサ)の検出回数が50回に満たないときは次ステージには進まない(S114;NO)。
【0059】
また、現在のキャラクタが初期キャラクタであるときは、キャラクタを変化させないで本ルーチンを終了する(S116;YES)。従って、初期キャラクタ画引き続き表現される。現在のキャラクタが初期キャラクタでないときは(S116;NO)、音、光、振動センサの各検出回数をそれぞれの検出回数レジスタから読取る(S118)。
【0060】
CPU42cは、読取った各センサの検出回数に基づいてキャラクタを変化させるかどうかを決定する。図15は、あるステージにおけるキャラクタ変化の例を説明する説明図であり、図中の1〜8は、図12の1〜8として示される(通常選択される)8種類のキャラクタ(図13参照)に対応しており、現在のキャラクタのタイプ(中心位置)から外周の他のキャラクタのタイプに変化可能であることを示している。図15には示していないが、他に、レアキャラクタとして2つのキャラクタが選択可能である。
【0061】
図17は、あるステージにおける変化の条件の判別例を示す表である。例えば、現在のステージが第1のステージである場合、光、音、振動の各センサの各検出回数が20回以上であるかどうかの組み合わせによって、タイプL、LS、LSV、SV、及びRに分類される。更に、このタイプは追加条件によって10の性格に分類される。性格には、「泣き虫」、「いいかげん」、「のんき」、「八方美人」、「几帳面」、「いじわる」、「やさしい」、「いじわる」、「たんき」、「変わり者」、「捻くれ者」が用意されている(図13参照)。CPU42cは、このようにして決定したステージ、性格に対応するキャラクタの画像データ及び音声データをROM42aから読み出し、画像表示回路及びLCD34にキャラクタの画像やアニメーションを表示させ、また、音声回路48、スピーカ35に当該キャラクタに対応する曲などの音声を出力させる(S120)。
【0062】
次に、現在のキャラクタが初期キャラクタであって、接触センサの検出回数が50回以上(図14参照)である場合(S112;YES)、第1のステージに成長(進化)することができる。第1のステージにおけるキャラクタを決定するべく、音、光、振動センサの各検出回数をそれぞれの検出回数レジスタから読取る(S122)。初期キャラクタから第1のステージに進む場合は、例えば、図16に示される表が使用される。
【0063】
現在のステージが初期キャラクタである場合、光、音、振動の各センサの各検出回数が50回以上であるかどうかの組み合わせによって、タイプL、LS、LSV、SV、及びRに分類される。更に、このタイプは追加条件によって10の性格に分類される。性格には、「泣き虫」、「いいかげん」、「のんき」、「八方美人」、「几帳面」、「いじわる」、「やさしい」、「いじわる」、「たんき」、「変わり者」、「捻くれ者」が用意されている(図13参照)。CPU42cは、このようにして決定した第1のステージ、性格に対応するキャラクタの画像データ(図13参照)及び音声データをROM42aから読み出し、画像表示回路及びLCD34にキャラクタの画像やアニメーションを表示させ、また、音声回路48、スピーカ35に当該キャラクタに対応する曲などの音声を出力させる(S124)。
【0064】
同様にして、n番目のステージにおいて次のn+1番目のステージに進めるかどうか(S112、S114)、キャラクタ変化の条件に適合するか、どのキャラクタに変化するかが判断される(S118〜S124)。
【0065】
現在のキャラクタが第1乃至第3のステージで有る場合には、図14に示されるように、次ステージへの成長(進化)基準は、接触センサの検出回数がそれぞれ100回、150回、200回となっている。また、同一ステージ内でのキャラクタの変化の基準は、図17に示すように、第1のステージでは20回、第2のステージでは30回、第3のステージでは50回となっている。従って、遊戯者は、第1のステージでは比較的に早くキャラクタの変化を見ることができるが、それ以後は、キャラクタの変化により時間がかかるようになってくる。
【0066】
キャラクタが変更されると、既述した各センサの累積値、センサの検出回数を保持している音検出回数レジスタ、振動検出回数レジスタ、光検出回数レジスタ、接触検出回数レジスタはリセットされ、新たなキャラクタで各種センサの検出出力が計数されることになる。
【0067】
図18は、上部筐体に内蔵される3色のLED31〜33によって構成されるカラー発光体により、イルミネーションを行う例を示している。モード選択スイッチ25を所定回数押圧することによってキャラクタイルミネーション表示モードを指定することができる。このモードの指定に応じてCPU42cは、現在のキャラクタが初期キャラクタのとき、LED31〜33を赤に発光させる。第1ステージでは、LED31〜33を緑に発光させる。第2ステージでは、LED31〜33を黄色に発光させる。第3のステージでは、LED31〜33を赤・緑・青(合成により白)に発光させる。また、CPU42cは、キャラクタの表示に対応して音声をスピーカから出力させることができる。第1のステージの場合、例えば、「ピッ」、「ポ」、「パ」のような簡単なものであるが、第2ステージ、第3ステージ、最終ステージと進むに連れて曲を流すようになる。この音声の出力や曲の演奏に対応してLEDの光り方を変化させることができる。例えば、曲の音符に合わせて色を変化する。例えば、曲を形成する10個の音符に対して10個の色を出力させる。また、音の強弱に対応してLEDの光量を変化させることも可能である。電源の節約のため、LEDの発光、音声出力の継続時間は所定の時間内に制限されている。
【0068】
このように、本発明の実施例によれば、光、音、振動、接触でキャラクタを成長(あるいは進化)・変化させるので、このキャラクタと一緒にひなたぼっこをしたり、音楽を聴かせたり、ゆらゆら揺すったり、手の平につつんで話をしたりすると、この結果がキャラクタの成長・変化に反映される。
【0069】
また、携帯型電子玩具に内蔵されるキャラクタを玩具の把持回数によって段階的に成長あるいは進歩させ、各段階において音、光、振動の各パラメータに基づいてキャラクタを変化させる。よって、遊戯者が触れた回数だけ、キャラクタの表示形態にキャラクタの成長として変化が現れる。また、環境パラメータ(音、光、振動)によってキャラクタの性格を変化し、あたかも遊戯者の扱い方によってキャラクタの性格が変わるようで面白い。
【0070】
なお、キャラクタのLCD34への表示は、図13に示すような各キャラクタについてアニメーションデータをROM42aに予め保持することによって、あたかも携帯型電子玩具内にキャラクタが住んでいるかの如き仮想空間を擬似的に形成するが、ビデオゲームのように3次元や2次元のキャラクタや素材のモデリングによって仮想空間を形成し、これを透視カメラによる視点変換を行って外部に表示し、仮想空間内に配置されたキャラクタを外部に表示(表現)するようにしてもよい。
【0071】
また、実施例では接触(把持)パラメータの他に、環境パラメータとして、音、光、振動の3つを使用しているが、環境パラメータはこのうちの2つでも良い。また、変化のバリエーションは減少するが1つでも良い。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の携帯型電子玩具によれば、押しボタンスイッチを使用することなく、遊戯者が携帯型電子玩具を持ち歩いた環境、手にとった回数でキャラクタを変化させることができるので、あたかも遊戯者の携帯型電子玩具への接し方によってキャラクタが進化したり変化したりするようで面白い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の携帯型電子玩具の外観を説明する説明図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は正面図、図1(c)は底面図である。
【図2】図2は、本発明の携帯型電子玩具の外観を説明する斜視図である。
【図3】図3は、本発明の携帯型電子玩具の制御系を説明するブロック図である。
【図4】図4は、フラグレジスタを説明する説明図である。
【図5】図5は、各種センサのサンプリングを説明するフローチャートである。
【図6】図6は、キャラクタ表示を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、各センサの状態フラグの組み合わせによって状況判断(タイプ分け)を行う例を説明する表である。
【図8】図8は、各タイプ(各センサの状態)と接触センサの状態とによってキャラクタの反応を決定する例を説明する表である。
【図9】図9は、サンプリング周期の切替を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、初期キャラクタの表示例を説明するフローチャートである。
【図11】図11は、キャラクタの多段階の成長(進化)・変化を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、キャラクタの多段階の成長(進化)・変化の展開例を説明する説明図である。
【図13】図13は、キャラクタの多段階の成長(進化)・変化の添加異例に対応した表示キャラクタ例を説明する説明図である。
【図14】図14は、各ステージから次のステージに進むための条件例を説明する表である。
【図15】図15は、同一のステージ内において1のキャラクタから他のキャラクタに変化する例を説明する説明図である。
【図16】図16は、初期状態からのキャラクタ変化のセンサ条件を説明する表である。
【図17】図17は、各ステージにおけるキャラクタ変化のセンサ条件を説明する表である。
【図18】図18は、3色のLEDによるキャラクタに対応した色表示の例を説明する説明図である。
【符号の説明】
21 音センサ
22 振動センサ
23 光センサ
24 接触(通電)センサ
34 LCD(画面表示器)
40 制御部
Claims (12)
- 携帯可能な小型の筐体内部にコンピュータを配置してこのコンピュータ内に形成される仮想空間にキャラクタを存在させた携帯型電子玩具であって、
前記筐体外部の光を検出する光検出手段と、
前記筐体外部の音を検出する音検出手段と、
前記筐体の振動を検出する振動検出手段と、
前記筐体の把持を検出する把持検出手段と、
複数種類の各キャラクタについて複数の成長段階のキャラクタデータを記憶する記憶手段と、
前記把持の回数によって前記成長段階を決定し、前記光、音及び振動の少なくともいずれかに基づいて前記キャラクタの種類を決定することによって前記キャラクタデータを選択する判別手段と、
選択されたキャラクタデータによって前記仮想空間に存在するキャラクタを外部に視覚又聴覚可能に表現する表現手段と、
を備える携帯型電子玩具。 - 前記表現手段は、前記キャラクタの画像の表示、音声の出力及び色の表示のうちの少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の携帯型電子玩具。
- 前記判別手段は、前記光、音及び振動の各検出回数と基準値との比較結果に基づいて前記キャラクタの種類を決定する、請求項1又は2に記載の携帯型電子玩具。
- 前記判別手段は、前記光、音及び振動の各検出回数の組み合わせに基づいて前記キャラクタの種類を決定する、請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯型電子玩具。
- 前記判別手段は、前記キャラクタの現在の成長段階に応じて前記基準値を変える、請求項3又は4に記載の携帯型電子玩具。
- 前記筐体は背面に形成された曲面部と腹面に形成された平面部とを含み、
前記表現手段は、前記平面部に配置された画像表示器を含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の携帯型電子玩具。 - 前記把持の検出の有無によって前記画像表示器の活性化を制御する、請求項1乃至6のいずれかに記載の携帯型電子玩具。
- 前記筐体は背面に形成された透光性の曲面部と腹面に形成された平面部とを含み、
前記表現手段は前記曲面部内に配置された色発光器を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の携帯型電子玩具。 - 前記表現手段は、画面表示器によるキャラクタ像又は文字の表示、スピーカによる音声出力の少なくともいずれかを含む、請求項1乃至8のいずれかに記載の携帯型電子玩具。
- 前記筐体は前記平坦部又は曲面部を着地面部として姿勢が安定する起き上がりこぼし構造を有する、請求項6乃至9のいずれかに記載の携帯型玩具。
- 前記把持検出手段は、筐体の把持によって電極間の静電容量の変化を検出する静電容量型の検出器である、請求項1乃至10のいずれかに記載の携帯型玩具。
- 前記把持検出手段が当該把持を検出したときに、前記光検出手段、前記音検出手段及び振動検出手段の少なくともいずれかの検出周期を短くする方向に切替える検出インターバル変更手段を更に備える、請求項1乃至11のいずれかに記載の携帯型電子玩具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002255914A JP2004089489A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 携帯型電子玩具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002255914A JP2004089489A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 携帯型電子玩具 |
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JP2004089489A true JP2004089489A (ja) | 2004-03-25 |
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ID=32061282
Family Applications (1)
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JP2002255914A Pending JP2004089489A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 携帯型電子玩具 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004089489A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007275234A (ja) * | 2006-04-05 | 2007-10-25 | Tomy Co Ltd | ゲーム装置 |
JP2011019780A (ja) * | 2009-07-17 | 2011-02-03 | Sanyo Product Co Ltd | 遊技機 |
US8221236B2 (en) | 2006-08-30 | 2012-07-17 | Namco Bandai Games, Inc. | Game process control method, information storage medium, and game device |
KR101495805B1 (ko) | 2012-02-27 | 2015-02-26 | 주식회사 케이티 | 사이버 캐릭터 육성 로봇, 방법 및 기록 매체 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002255914A patent/JP2004089489A/ja active Pending
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