以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、所定の遊技を行う遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、スティックコントローラを設けた例を示したが、これに限らず、操作手段としては、単なるプッシュボタン、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行う演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行われる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、例えば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別なリーチは、スーパーリーチと呼ばれる。スーパーリーチではない通常のリーチは、ノーマルリーチと呼ばれる。
リーチ演出の他にも、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示される変動表示の実行中には、特別可変表示演出となる救済演出が実行されることがある。救済演出が実行されるときには、まず、リーチ演出に続いてはずれ表示結果(リーチはずれの図柄組合せ)が一旦は仮停止される。その後、救済演出が実行されることで仮停止された変動表示を再開して、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)を最終的に導出表示させる。このように、救済演出は、変動表示の最終的な表示結果が「大当り」にならないかのような印象を遊技者に一旦は与えた後に、救済措置が講じられて表示結果が「大当り」となることを報知する演出である。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の所定縁部の近傍(図1に示す構成では右側近傍)には、可動部材である演出用役物127が設けられている。演出用役物127は、可動部材用モータ128の回転軸に取り付けられ、可動部材用モータ128が回転すると移動する。演出表示装置9を用いた演出を行う場合、演出用役物127等の可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われることがある。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行われる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(例えば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行われる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行われる。このような制御が行われると、当該制御が行われていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行われないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行われないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと、確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行われる大当りである。確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、通常大当りにおいては、時短状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行う。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行う他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う等、各種の演出制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、通常大当り、および、確変大当りである場合には、変動パターンが、ノーマルリーチを伴うノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴うスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行われるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行われるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合が高くなる。なお、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、確変大当りに決定される割合が同じであってもよい。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6および図7を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6および図7は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)にはずれ時第1判定テーブル、(b)にはずれ時第2判定テーブルが示されている。図7には、(a)に通常大当り時判定テーブル、(b)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a),(b)および図7(a),(b)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6および図7に示す判定テーブルのそれぞれは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「擬似連ガセ」は、擬似連となるようにみせかけて擬似連とならない偽(ガセ)の変動パターンを示している。
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行われているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(変動表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。例えば、再変動の繰返し実行回数(擬似連の再変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定される。
図6および図7の各テーブルでの「変動パターン」の欄において、「擬似連1回〜4回」は、擬似連となる擬似連変動パターンを示している。「擬似連1回〜4回」のそれぞれの回数は、擬似連において実行される再変動の回数を示している。本実施の形態では、擬似連変動を実行した場合には、最終の再変動時において必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出が実行される。したがって、擬似連の変動パターンは、すべて、リーチとなる変動パターンである。なお、擬似連変動を実行した場合に、リーチ演出が実行されない場合があるように制御してもよい。
また、図6および図7の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行う変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。本実施の形態では、擬似連の変動パターンがすべて「スーパーリーチ」の変動パターンとして設定されている例を示すが、擬似連の変動パターンが「ノーマルリーチ」の変動パターンとして設定される場合があってもよい。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「通常大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、例えば、「変動パターン」の欄に示された「スーパーリーチA1(擬似連1回) はずれ」という変動パターンは、「はずれ表示結果となるスーパーリーチA1の変動パターンであり、再変動が1回実行される擬似連となる変動パターン」であることが示される。
図6および図7のテーブルで「ランダム2個数」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2個数」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。例えば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「擬似連ガセ」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。例えば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が251個のうちの22個に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「スーパーリーチ」とすることが決定される。
また、図6および図7のテーブルで「ランダム3個数」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3個数」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。例えば、図6(a)を例にとれば、「擬似連ガセ」の種別に属する変動パターンは、「擬似連ガセX はずれ」、「擬似連ガセY はずれ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。例えば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3の値に応じて、「スーパーリーチA1(擬似連1回) はずれ」、「スーパーリーチA2(擬似連1回) はずれ」、「スーパーリーチB1(擬似連2回) はずれ」、「スーパーリーチB2(擬似連2回) はずれ」、「スーパーリーチC1(擬似連3回) はずれ」、「スーパーリーチC2(擬似連3回) はずれ」、「スーパーリーチD1(擬似連4回) はずれ」、「スーパーリーチD2(擬似連4回) はずれ」、および、「スーパーリーチE はずれ」のうちから変動パターンが選択決定される。
ここで、スーパーリーチAは、擬似連で再変動を1回実行した後リーチ状態となる変動パターンである。スーパーリーチA1は、スーパーリーチAのうち、短時間の特定演出(煽り演出)を実行した後擬似連チャンス目を表示して擬似連の演出を実行する変動パターンである。スーパーリーチA2は、スーパーリーチAのうち、スーパーリーチA1よりも長時間の特定演出(煽り演出)を実行した後擬似連チャンス目を表示して擬似連の演出を実行する変動パターンである。
スーパーリーチBは、擬似連で再変動を2回実行した後リーチ状態となる変動パターンである。スーパーリーチB1は、スーパーリーチBのうち、短時間の特定演出(煽り演出)を実行した後擬似連チャンス目を表示して擬似連の演出を実行する変動パターンである。スーパーリーチB2は、スーパーリーチBのうち、スーパーリーチB1よりも長時間の特定演出(煽り演出)を実行した後擬似連チャンス目を表示して擬似連の演出を実行する変動パターンである。
スーパーリーチCは、擬似連で再変動を3回実行した後リーチ状態となる変動パターンである。スーパーリーチC1は、スーパーリーチCのうち、短時間の特定演出(煽り演出)を実行した後擬似連チャンス目を表示して擬似連の演出を実行する変動パターンである。スーパーリーチC2は、スーパーリーチCのうち、スーパーリーチC1よりも長時間の特定演出(煽り演出)を実行した後擬似連チャンス目を表示して擬似連の演出を実行する変動パターンである。
スーパーリーチDは、擬似連で再変動を4回実行した後リーチ状態となる変動パターンである。スーパーリーチD1は、スーパーリーチDのうち、短時間の特定演出(煽り演出)を実行した後擬似連チャンス目を表示して擬似連の演出を実行する変動パターンである。スーパーリーチD2は、スーパーリーチDのうち、スーパーリーチD1よりも長時間の特定演出(煽り演出)を実行した後擬似連チャンス目を表示して擬似連の演出を実行する変動パターンである。
スーパーリーチEは、擬似連とは異なる所定の演出を、擬似連となる変動パターンよりも短時間で実行した後リーチ状態となる変動パターンである。
また、擬似連ガセXでは、スーパーリーチA1,B1,C1,D1で実行される短時間の特定演出(煽り演出)と同様の演出が実行された後、擬似連とならずにはずれ表示結果となる。擬似連ガセYでは、スーパーリーチA2,B2,C2,D2で実行される長時間の特定演出(煽り演出)と同様の演出が実行された後、擬似連とならずにはずれ表示結果となる。したがって、擬似連ガセXおよび擬似連ガセYでは、擬似連となる変動パターンと見せかけるが、結果的に擬似連とならない演出が実行される。
スーパーリーチA1,B1,C1,D1,A2,B2,C2,D2は、特定演出(煽り演出)を実行した後、擬似連チャンス目を導出表示するというような特定事象を発生させる演出を行うことが共通している演出である。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)のはずれ時第1判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)のはずれ時第2判定テーブルを選択する。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図7(a)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図7(b)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)のはずれ時第2判定テーブルでは、図6(a)のはずれ時第1判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行われることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図7(a)および図7(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行われる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行われることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図7(b)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図7(a)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチのリーチ演出が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行われる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行われることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、スーパーリーチの選択割合が、スーパーリーチA(A1,A2)>スーパーリーチB(B1,B2)>スーパーリーチC(C1,C2)>スーパーリーチD(D1,D2)となるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図7(a)および図7(b)の判定テーブルでは、スーパーリーチの選択割合が、スーパーリーチA(A1,A2)<スーパーリーチB(B1,B2)<スーパーリーチC(C1,C2)<スーパーリーチD(D1,D2)となるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、擬似連となったときの再変動回数が多くなる割合が高くなるので、擬似連において再変動回数が多くなる程、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、確変大当りとなるときに選択される図7(b)の判定テーブルでは、通常大当りとなるときに選択される図7(a)の判定テーブルと比べて、擬似連となったときの再変動回数が多くなる割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、擬似連となったときの再変動回数が多くなる割合が高くなるので、擬似連において再変動回数が多くなる程、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、確変大当りとなるときに選択される図7(b)の判定テーブルで、通常大当りとなるときに選択される図7(a)の判定テーブルと比べて、スーパーリーチA1,A2のうちの一方、スーパーリーチB1,B2のうちの一方、スーパーリーチC1,C2のうちの一方、スーパーリーチD1,D2のうちの一方、がそれぞれ選択される割合が高くなるようにデータを設定してもよい。このように設定すれば、確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとで、特定演出(煽り演出)の種類の選択割合が異なるので、選択される特定演出の種類に基づいて、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図8に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図8のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6および図7に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、例えば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。
特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行う処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行う処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行う処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御等を行う処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560側において、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)等のデータが記憶される。
このような第1判定結果保留記憶バッファにおいては、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データが記憶される。第2判定結果保留記憶バッファにおいては、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データに対応する判定結果保留記憶データが記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。
そして、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S215)。次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(S216)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S216で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行った後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
そして、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S225)。次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行い(S226)処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行われる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行われる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行われたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件といずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図13は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述した判定テーブルの選択条件に基づいて、図6および図7に示す、はずれ時第1判定テーブル、はずれ時第2判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。
S91で大当りフラグがセットされているときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが確変大当りであるか否かを確認する(S92)。確変大当りであるときは、図7(b)の確変大当り時判定テーブルを選択し(S93)、S144に進む。一方、通常大当りであるときは、図7(a)の通常大当り時判定テーブルを選択し(S94)、S144に進む。
また、S91で大当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれのときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。時短フラグがセットされていないときは、図6(a)のはずれ時第1判定テーブルを選択し(S96)、S144に進む。一方、時短フラグがセットされているときは、図6(b)のはずれ時第2判定テーブルを選択し(S97)、S144に進む。
これにより、遊技状態に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したような判定テーブルの選択条件に基づいて、図6および図7に示されるはずれ時第1判定テーブル、はずれ時第2判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかが選択される。
次いで、S114において、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92,S93,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S92,S93,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。例えば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図8参照)を送信する制御を行う。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回が実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行われる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図14は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100において演出制御用CPU101がROM102に格納されているプログラムに従って制御を実行する。以下、演出制御用マイクロコンピュータ100(または演出制御用CPU101)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、演出制御用CPU101がプログラムに従って制御を実行することである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行うために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、操作演出判定用のSR3、および、操作時チャンス目決定用のSR4を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR4のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。具体的に、前述の第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数のデータに対応して第1保留記憶表示部18cにおいて第1保留記憶数を表示する制御を行う。また、前述の第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数のデータに対応して第2保留記憶表示部18dにおいて第2保留記憶数を表示する制御を行う。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行われる。
図15は、図14に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行う処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行う処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行う処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行う処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行う処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納された演出制御パターンに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。
図16は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行う。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S500)。はずれとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S501)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、例えば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、当該コマンドが擬似連ガセXまたは擬似連ガセYを含む擬似連ガセの変動パターンを指定するコマンドであるか否か確認する(S503)。S503で擬似連ガセの変動パターンを指定するコマンドではないとき(通常はずれのとき)は、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S505)、S507へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S505の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(例えば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(例えば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S503で擬似連ガセの変動パターンを指定するコマンドであるときは、ROM102に格納された擬似連ガセ図柄決定用データテーブルを用いて、擬似連ガセとなった後のはずれの表示結果を演出図柄の最終停止図柄として決定し(S504)、S507へ進む。擬似連チャンス目は、例えば、「1,NEXT,2」、「3,NEXT,4」、「6,NEXT,7」のように複数種類設けられている。これに対し、擬似連ガセとなる図柄の組合せ(擬似連チャンス目となることを示唆するような図柄の組合せ)は、左図柄が「1」で右図柄が「0」または「3」、左図柄が「3」で右図柄が「2」または「4」、左図柄が「6」で右図柄が「5」または「8」というように複数種類設けられている。擬似連ガセ図柄決定用データテーブルでは、このような擬似連ガセとなる複数種類の左図柄および右図柄の組合せが、所定の乱数値(例えば、SR1−1)に基づいてランダムに選択可能なように、図柄の組合せと乱数値との関係が設定されている。
S504の処理では、所定のタイミングでSR1−1およびSR1−2から数値データ(乱数)を抽出し、抽出したSR1−1の数値データに対応する擬似連ガセとなる左図柄および右図柄の組合せが擬似連ガセ図柄決定用データテーブルを用いて擬似連ガセの最終停止図柄として決定され、さらに、抽出したSR1−2の数値データに対応する左図柄が前述のはずれ図柄決定用データテーブルを用いて擬似連ガセ後の最終停止図柄として決定される。
S501の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S506)、S507へ進む。S506の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(例えば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S500の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S501)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S502)、S507へ進む。
S502では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(例えば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(例えば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示において擬似連が実行されるか否かを報知するための演出などを含む各種演出を設定するための擬似連報知演出設定処理を実行する(S507)。また、開始条件が成立した変動表示における表示結果に基づいて大当りとなる可能性を予告するための予告演出を決定する(S507A)。続いて、演出図柄の変動表示中にモチーフ態様を出現させるための設定を行うモチーフ態様設定処理(S507B)を実行する。
モチーフ態様とは、大当りと決定されたことを予告するための予告表示の一部に、各予告演出で共通に出現させる表示態様である。具体的には、モチーフ態様は、予告表示の一部に出現する所定の模様や色彩である。なお、モチーフ態様として、予告表示の一部に出現する所定の模様や色彩に加えて、形状も通常の表示態様と異ならせる(例えば、複数予告演出に登場する各キャラクタに、共通のアクセサリをつけた状態で登場させたり、共通のヘルメットや帽子をかぶらせた状態で登場させたりする演出を実行する)ようにしてもよい。また、例えば、各予告演出において、モチーフ態様として、共通の文字(例えば、大当りなどの文字)を登場させる演出を実行するなど、モチーフ態様は、予め定められた任意の表示態様であればよい。この実施の形態では、モチーフ態様としてサクラの花柄模様が各演出で共通の態様として表示される。こうしたサクラの花柄模様の態様を、花柄モチーフ態様ともいう。
次に、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する(S508)。S508においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S507の処理で決定した各種演出やS507Aの処理で決定した予告演出さらにはS507Bの処理で決定したモチーフ態様の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、演出制御パターンテーブルに格納されている複数種類の演出制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている演出制御パターンテーブルには、例えば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各演出制御パターンは、例えば、演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM103の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S509)。そして、演出制御パターンに含まれるプロセスデータの内容(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S511)。例えば、表示制御データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S512)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S513)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図17は、演出図柄変動開始処理のS507Aにおいて予告演出を決定するときの決定内容や使用テーブルを示す図である。図17に示す設定では、非リーチはずれの変動パターン、ノーマルリーチはずれの変動パターン、スーパーリーチはずれの変動パターン、救済演出なし大当りの変動パターン、救済演出あり大当りの演出パターンに応じて、予告演出の決定内容や使用テーブルが指定されている。
この実施の形態では、変動表示の最終的な表示結果が「大当り」となる可能性を予告するための予告演出として、第1ステップアップ予告、第2ステップアップ予告、カットイン予告、可動部材予告の一部または全部を選択して、実行することができる。このうち、カットイン予告と可動部材予告は、演出図柄がリーチ状態となるリーチ成立の後に、スーパーリーチのリーチ演出が実行されている期間にて実行される。そのため、非リーチはずれの変動パターンやノーマルリーチはずれの変動パターンが指定された場合には、カットイン予告や可動部材予告が実行されないように設定される。
次に、第1ステップアップ予告における各予告演出の内容と第2ステップアップ予告における各予告演出の内容について説明する。図18は、第1ステップアップ予告における各予告演出の内容と第2ステップアップ予告における各予告演出の内容を示す説明図である。
第1ステップアップ予告では、図18(a1),(b1),(c1),(d1),(e1)に示す5つの予告演出A、予告演出B、予告演出C、予告演出D、予告演出Eの一部または全部が実行される。予告演出Aとして、演出表示装置9の表示画面の下方の領域において人のキャラクタAが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。予告演出Bとして、演出表示装置9の表示画面の下方の領域において人のキャラクタBが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。予告演出Cとして、演出表示装置9の表示画面の下方の領域において人のキャラクタCが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。予告演出Dとして、演出表示装置9の表示画面の下方の領域においてキャラクタA,B,Cが同時に画面左から登場し、画面の中央で停止する演出が行われる。予告演出Eとして、演出表示装置9の表示画面の下方の領域においてキャラクタA,B,Cが集合しているところに大きな人のキャラクタDが画面右から登場する演出が行われる。
第2ステップアップ予告では、図18(a2),(b2),(c2),(d2)に示す4つの予告演出W、予告演出X、予告演出Y1、予告演出Z1の一部または全部が実行される。予告演出Wとして、演出表示装置9の表示画面の上方の領域においてカブト虫のキャラクタが画面右から飛んでくる演出が行われる。予告演出Xとして、演出表示装置9の表示画面の上方の領域においてカブト虫のキャラクタが木にとまる演出が行われる。予告演出Y1として、演出表示装置9の表示画面の上方の領域において風が吹いて木が揺れる演出が行われる。予告演出Z1として、演出表示装置9の表示画面の上方の領域においてかもめが飛んでくる演出が行われる。
これらの第1ステップアップ予告や第2ステップアップ予告のようなステップアップ予告演出は、予め定められた順番に従って1段階から複数段階まで演出の態様を段階的に変化させる予告演出である。この実施の形態では、特定表示結果(大当り)とする場合は特定表示結果としない場合よりもステップアップ予告演出において多い段階まで演出の態様を段階的に変化させる予告演出を実行する割合が高くなる。
なお、ステップアップ予告演出は、1つのキャラクタの形状や色が変化するようなものでもよく、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであれば「ステップアップ予告」と言える。例えば、段階的にキャラクタの数が増える、段階的に動くキャラクタの数が増える、キャラクタの動く回数や頻度などが段階的に増える、キャラクタの大きさが段階的に大きくなる、などの態様であってもよい。また、キャラクタを可動部材に置き換えた場合も同様である。すなわち、可動部材が複数設けられている場合に段階的に動く可動部材の数が増える、可動部材の動く回数や頻度などが段階的に増える、などの態様であってもよい。
また、カットイン予告や可動部材予告となる各予告演出の内容について説明する。図19は、カットイン予告となる予告演出の内容と可動部材予告となる予告演出の内容を示す説明図である。
前述したようにカットイン予告と可動部材予告は、演出図柄がリーチ状態となるリーチ成立の後に、スーパーリーチのリーチ演出が実行されている期間にて実行される。一例として、スーパーリーチのリーチ演出が開始されると、図19(a)に示すように、味方のキャラクタ画像と敵のキャラクタ画像とが争うような態様のバトル演出が行われる。その後、図19(b)に示すようにプッシュボタン120を示す画像が表示され、「PUSH!」という文字を表示することによりプッシュボタン120の操作を要求する画像が表示される煽り演出が行われる。このときには、プッシュボタン120に対する操作を有効に受け付けるカットイン予告用操作有効期間となる。そして、カットイン予告用操作有効期間の残り時間が減少するにしたがって残り表示量が減少するメータの演出画像MT1が表示される。
カットイン予告用操作有効期間内に遊技者がプッシュボタン120を操作した直後には、図19(c)に示すようにカットイン予告用の演出画像が演出表示装置9に表示(カットイン表示)される。図19(c)に示す演出画像では「激アツ」のメッセージが報知され、大当りとなる可能性が高いことが予告される。
その後、図19(d)に示すようなバトル演出が継続して、プッシュボタン120を示す画像が表示され、「PUSH!」という文字を表示することによりプッシュボタン120の操作を要求する画像が表示される煽り演出が行われる。このときには、プッシュボタン120に対する操作を有効に受け付ける可動部材予告用操作有効期間となる。そして、可動部材予告用操作有効期間の残り時間が減少するにしたがって残り表示量が減少するメータの演出画像MT2が表示される。
可動部材予告用操作有効期間内に遊技者がプッシュボタン120を操作した直後には、図19(e)に示すように演出用役物127が動作し、演出表示装置9には演出用役物127の動作に対応した所定の演出画像が表示される。そして、例えば図19(f)に示すように味方のキャラクタ画像が敵のキャラクタ画像を倒すような演出画像が表示されることで、変動表示において特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されるようにすればよい。
図16に示すS507Aの処理では、変動パターンコマンドで指定された変動パターンを確認して、予告演出の決定内容と使用テーブルを特定する。非リーチはずれの変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、図21の左上に示す非リーチはずれ用の第2予告設定テーブルを用いて、第2ステップアップ予告の内容(有無、演出態様)を決定する。また、図20の左上に示す非リーチはずれ用の第1予告設定テーブルを用いて、第1ステップアップ予告の内容(有無、演出態様)を決定する。
図20の左上に示す非リーチはずれ用の第1予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、予告演出Aのみ実行される演出態様(「A」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出Bが実行される演出態様(「A→B」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出Bが実行され、その後に予告演出Cが実行される演出態様(「A→B→C」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出B、予告演出C、予告演出Dが順に実行される演出態様(「A→B→C→D」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出B、予告演出C、予告演出D、予告演出Eが順に実行される演出態様(「A→B→C→D→E」の発展パターン)と、が設定されている。そして、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。なお、「割振」に示す数字は、各演出態様に割り振られた判定値の数を示している。他のテーブルにおいても同様である。図20に示す例では、非リーチはずれとなる場合には、予告演出「なし」、「A」の発展パターン、および「A→B」の発展パターンにのみ判定値が割り振られている。
なお、図20の左上に示す非リーチはずれ用の第1予告設定テーブル(共通演出用)では、「A→B→C」、「A→B→C→D」、「A→B→C→D→E」に対して判定値が割り振られていない(判定値の数が0である)。これは、リーチが発生しないときは、予告演出C以上の予告演出が出現しないようにするため、すなわち、予告演出C以上の演出が出現するとリーチの発生が確定するようにするためである。
図21の左上に示す非リーチはずれ用の第2予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、予告演出Wのみ実行される演出態様(「W」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出Xが実行される演出態様(「W→X」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出Xが実行され、その後に予告演出Y1が実行される演出態様(「W→X→Y1」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出Xが実行され、その後に予告演出Y2が実行される演出態様(「W→X→Y2」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出Xが実行され、その後に予告演出Y3が実行される演出態様(「W→X→Y3」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出X、予告演出Y1、予告演出Z1が順に実行される演出態様(「W→X→Y1→Z1」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出X、予告演出Y2、予告演出Z2が順に実行される演出態様(「W→X→Y2→Z2」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出X、予告演出Y1、予告演出Z2が順に実行される演出態様(「W→X→Y1→Z2」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出X、予告演出Y3、予告演出Z3が順に実行される演出態様(「W→X→Y3→Z3」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出X、予告演出Y1、予告演出Z3が順に実行される演出態様(「W→X→Y1→Z3」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出X、予告演出Y2、予告演出Z3が順に実行される演出態様(「W→X→Y2→Z3」の発展パターン)と、が設定されている。そして、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。図21に示す例では、非リーチはずれとなる場合には、予告演出「なし」、「W」の発展パターン、および「W→X」の発展パターンにのみ判定値が割り振られている。
演出制御用CPU101は、S507Aにおいて、第2ステップアップ予告決定用の乱数の値を抽出し、抽出した乱数値と第2予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「W」、「W→X」・・・)にもとづいて、第2ステップアップ予告演出の有無と演出態様を決定する。
また、演出制御用CPU101は、S507Aにおいて、第1ステップアップ予告決定用の乱数の値を抽出し、抽出した乱数値と第1予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「A」、「A→B」・・・)にもとづいて、第1ステップアップ予告の有無と演出態様を決定する。
図16のS507Aにてノーマルリーチはずれの変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、図21の右上に示すノーマルリーチはずれ用の第2予告設定テーブルを用いて、第2ステップアップ予告の内容(有無、演出態様)を決定する。また、図20の右上に示すノーマルリーチはずれ用の第1予告設定テーブルを用いて、第1ステップアップ予告の内容(有無、演出態様)を決定する。
図20の右上に示すノーマルリーチはずれ用の第1予告設定テーブルでは、左上に示す非リーチはずれ用の第1予告設定テーブルと同じ内容の演出態様が設定され、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。図20に示す例では、ノーマルリーチはずれとなる場合には、予告演出「なし」、「A」の発展パターン、「A→B」の発展パターン、および「A→B→C」の発展パターンにのみ判定値が割り振られている。
なお、図20の右上に示すノーマルリーチはずれ用の第1予告設定テーブル(共通演出用)では、「A→B→C→D」および「A→B→C→D→E」に対して判定値が割り振られていない(判定値の数が0である)。これは、予告演出D以上の演出が出現するとスーパーリーチの発生が確定するようにするためである。
図21の右上に示すノーマルリーチはずれ用の第2予告設定テーブルでは、左上に示す非リーチはずれ用の第2予告設定テーブルと同じ内容の演出態様が設定され、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。図21に示す例では、ノーマルリーチはずれとなる場合には、予告演出「なし」、「W」の発展パターン、「W→X」の発展パターン、「W→X→Y1」の発展パターン、「W→X→Y2」の発展パターン、および「W→X→Y3」の発展パターンにのみ判定値が割り振られている。
図16のS507Aにてスーパーリーチはずれの変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、図21の左下に示すスーパーリーチはずれ用の第2予告設定テーブルを用いて、第2ステップアップ予告の内容(有無、演出態様)を決定する。また、図20の左下に示すスーパーリーチはずれ用の第1予告設定テーブルを用いて、第1ステップアップ予告の内容(有無、演出態様)を決定する。
図20の左下に示すスーパーリーチはずれ用の第1予告設定テーブルでは、左上に示す非リーチはずれ用の第1予告設定テーブルや右上に示すノーマルリーチはずれ用の第1予告設定テーブルと同じ内容の演出態様が設定され、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。図20に示す例では、スーパーリーチはずれとなる場合には、全ての発展パターンに対して判定値が割り振られている。
図21の左下に示すスーパーリーチはずれ用の第2予告設定テーブルでは、左上に示す非リーチはずれ用の第2予告設定テーブルや右上に示すノーマルリーチはずれ用の第2予告設定テーブルと同じ内容の演出態様が設定され、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。図21に示す例では、スーパーリーチはずれとなる場合には、全ての発展パターンに対して判定値が割り振られている。
スーパーリーチはずれの変動パターンに対応したコマンドを受信した場合には、さらに、図22の左側に示すはずれ用のカットイン予告設定テーブルを用いて、カットイン予告の内容(有無、演出態様)を決定する。また、図23の左側に示すはずれ用の可動部材予告設定テーブルを用いて、可動部材予告の有無を決定する。
図22の左側に示すはずれ用のカットイン予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、「・・・」のメッセージが報知される演出態様と、「チャンス」のメッセージが報知される演出態様と、「激アツ」のメッセージが報知される演出態様と、が設定されている。図22に示す例では、はずれとなる場合には、予告演出「なし」に決定される割合が、その他の予告演出に決定される割合よりも高く、「・・・」のメッセージ、「チャンス」のメッセージ、「激アツ」のメッセージとなるにしたがって決定割合が低くなるように判定値が割り振られている。
図23の左側に示すはずれ用の可動部材予告設定テーブルでは、可動部材予告有と、可動部材予告無と、が設定されている。図23に示す例では、はずれとなる場合には、可動部材予告無に決定される割合が、可動部材予告有に決定される割合よりも十分に高くなるように判定値が割り振られている。
演出制御用CPU101は、S507Aにおいて、カットイン予告決定用の乱数の値を抽出し、抽出した乱数値とカットイン予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「・・・」、「チャンス」、「激アツ」)にもとづいて、カットイン予告の有無と演出態様を決定する。また、可動部材予告用の乱数の値を抽出し、抽出した乱数値と可動部材予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた可動部材予告有または可動部材予告無の決定結果にもとづいて、可動部材予告の有無を決定する。
図16のS507Aにて救済演出なし大当りの変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、図21の右下に示す大当り用の第2予告設定テーブルを用いて、第2ステップアップ予告の内容(有無、演出態様)を決定する。また、図20の右下に示す大当り用の第1予告設定テーブルを用いて、第1ステップアップ予告の内容(有無、演出態様)を決定する。さらに、図22の右側に示す大当り用のカットイン予告設定テーブルや図23の右側に示す大当り用の可動部材予告設定テーブルを用いて、カットイン予告や可動部材予告の有無を決定する。
図20の右下に示す大当り用の第1予告設定テーブルでは、左上、右上および左下に示す非リーチはずれ用、ノーマルリーチはずれ用およびスーパーリーチはずれ用の第1予告設定テーブルと同じ内容の演出態様が設定され、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。図20に示す例では、大当りとなる場合には、全ての発展パターンに対して判定値が割り振られている。
図21の左下に示す大当り用の第2予告設定テーブルでは、左上、右下および左下に示す非リーチはずれ用、ノーマルリーチはずれ用およびスーパーリーチはずれ用の第2予告設定テーブルと同じ内容の演出態様が設定され、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。図21に示す例では、大当りとなる場合には、全ての発展パターンに対して判定値が割り振られている。
図22の右側に示す大当り用のカットイン予告設定テーブルでは、左側に示すはずれ用のカットイン予告設定テーブルと同じ内容の演出態様が設定され、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。図22に示す例では、大当りとなる場合には、予告演出「なし」に決定される割合が、はずれとなる場合よりも低く、「・・・」のメッセージ、「チャンス」のメッセージ、「激アツ」のメッセージとなるにしたがって決定割合が高くなるように判定値が割り振られている。
図23の左側に示す大当り用の可動部材予告設定テーブルでは、左側に示すはずれ用の可動部材予告設定テーブルと同じ内容の可動部材予告有または可動部材予告無に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。図23に示す例では、大当りとなる場合には、はずれとなる場合よりも可動部材予告有に決定される割合が高くなるように判定値が割り振られている。
図22に示すようなカットイン予告設定テーブルにおける判定値の割り振りと、図23に示すような可動部材予告設定テーブルにおける判定値の割り振りとにより、可動部材予告が実行されたときには、カットイン予告が実行されたときと比べて、大当りに対する期待感(信頼度)が高められる。
図16のS507Aにて救済演出あり大当りの変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、図21の右下および図20の右下に示す大当り用の第2予告設定テーブルと第1予告設定テーブルを用いて、第2ステップアップ予告と第1ステップアップ予告の内容(有無、演出態様)を決定する。また、救済演出なしの場合と同様に、図22の右側に示す大当り用のカットイン予告設定テーブルを用いて、カットイン予告の内容(有無、演出態様)を決定する。一方、救済演出あり大当りの場合には、救済演出なし大当りの場合とは異なり、図23の左側に示すはずれ用の可動部材予告設定テーブルを用いて、可動部材予告の有無を決定する。
このように、救済演出あり大当りの変動パターンとなる場合には、第1ステップアップ予告、第2ステップアップ予告、カットイン予告のそれぞれの内容が、救済演出なし大当りの変動パターンとなる場合と同様の割合で決定される。一方、可動部材予告の有無は、救済演出なし大当りの変動パターンとなる場合とは異なり、スーパーリーチはずれの変動パターンとなる場合と同様の割合で決定される。
なお、救済演出あり大当りの変動パターンとなる場合に、スーパーリーチはずれの変動パターンとなる場合と同一の割合で可動部材予告の有無を決定するものに限定されず、救済演出なし大当りの変動パターンとなる場合の決定割合よりもスーパーリーチはずれの変動パターンとなる場合の決定割合に近い割合で、可動部材予告の有無を決定できるように、救済演出あり大当り用の可動部材予告設定テーブルを用意してもよい。すなわち、救済演出が実行されて大当りとなる場合には、はずれとなる場合と略同一の割合で、可動部材予告を実行するか否かが決定されればよい。
また、救済演出あり大当りの変動パターンとなる場合に、救済演出なし大当りの変動パターンとなる場合と同一の割合で第1ステップアップ予告や第2ステップアップ予告、さらにはカットイン予告の内容(有無、演出態様)を決定するものに限定されず、スーパーリーチはずれのようなはずれの変動パターンとなる場合の決定割合よりも救済演出なし大当りの変動パターンとなる場合の決定割合に近い割合で、各予告演出の内容を決定できるように、救済演出あり大当り用の予告設定テーブルを用意してもよい。すなわち、救済演出が実行されて大当りとなる場合には、救済演出なしに大当りとなる場合と略同一の割合で、第1ステップアップ予告や第2ステップアップ予告、さらにはカットイン予告などの各予告演出の有無や演出態様が決定されればよい。
図24は、演出図柄変動開始処理におけるモチーフ態様設定処理(S507B)を示すフローチャートである。モチーフ態様設定処理では、地面や木、かもめ、キャラクタ(人物)、演出図柄、カットイン背景などの絵を対象として、各演出で共通したサクラの花柄模様の態様(花柄モチーフ態様)で表示するか否かが設定される。
演出制御用CPU101は、これらの各設定対象について花柄モチーフ態様で表示するか否かを、図25に示すようなモチーフ態様設定テーブルを用いて決定する(S600)。モチーフ態様設定テーブルでは、花柄モチーフ態様の設定対象や変動表示結果ごとに、モチーフ態様無と、モチーフ態様有と、が設定されている。なお、いずれの設定対象について花柄モチーフ態様の有無を決定するかは、設定許容条件の成否に応じて特定されればよい。演出制御用CPU101は、設定許容条件が成立した設定対象ごとに、モチーフ態様判定用の乱数の値を抽出し、抽出した乱数値とモチーフ態様設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられたモチーフ態様有またはモチーフ態様無の決定結果にもとづいて、花柄モチーフ態様の有無を決定する。
図25に示すモチーフ態様設定テーブルでは、地面や演出図柄(図25では「図柄」と示す)が無条件でモチーフ態様の設定対象となり、モチーフ態様設定処理が実行されるごとに花柄モチーフ態様とするか否かが決定される。そのため、地面や演出図柄が花柄モチーフ態様で出現する頻度は高くなる。一方、かもめは、第2ステップアップ予告において予告演出Z1まで実行されるときに、モチーフ態様の設定対象となる。また、カットイン背景は、スーパーリーチのリーチ演出中にカットイン予告が実行されるときに、モチーフ態様の設定対象となる。そのため、かもめやカットイン背景が花柄モチーフ態様で出現する頻度は低くなる。
S600の処理が実行されることによって、この実施の形態では、1回の演出図柄の変動表示中に花柄モチーフ態様が最大で6回まで出現可能に決定される。
次いで、演出制御用CPU101は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態となっているか否かを確認する(S601)。確変状態であるか否かは、主基板31から伝送される確変状態指定コマンドを受信したか否かにもとづいて判定することができる。確変状態であると判定された場合には、通常大当りとすることが決定されているか否かを確認する(S602)。通常大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果2指定コマンドを受信したか否かによって判定される。通常大当りとすることに決定されている場合には、1回の演出図柄の変動表示中に花柄モチーフ態様を2以上出現させると決定したか否かを確認する(S603)。
S602の処理にて通常大当りではないと判定された場合や、S603の処理にて花柄モチーフ態様を出現させるのが2未満と判定された場合には、モチーフ態様設定処理が終了する。
S601の処理にて確変状態ではないと判定された場合には、確変大当りとすることに決定されているか否かを確認する(S604)。確変大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果3指定コマンドを受信したか否かによって判定される。確変大当りとすることに決定されていなければ、通常大当りとすることに決定されているか否かを確認する(S605)。通常大当りとすることに決定されている場合には、1回の演出図柄の変動表示中に花柄モチーフ態様を5以上出現させると決定したか否かを確認する(S606)。この実施の形態では、1回の演出図柄の変動表示中に出現する花柄モチーフ態様を最大6つ決定可能であり、花柄モチーフ態様を最大の6つ、または最大より1つ少ない5つ決定した場合には、S606の処理でYと判定される。
S604の処理にて確変大当りであると判定された場合には、モチーフ態様設定処理が終了する。S605の処理にて通常大当りではないと判定された場合には、1回の演出図柄の変動表示中に花柄モチーフ態様を3以上出現させると決定したか否かを確認する(S607)。このとき、花柄モチーフ態様を出現させるのが3未満と判定された場合には、モチーフ態様設定処理が終了する。
S603の処理にて花柄モチーフ態様を2以上出現させると判定された場合や、S606の処理にて花柄モチーフ態様を5以上出現させると判定された場合、あるいはS607の処理にて花柄モチーフ態様を3以上出現させると判定された場合には、図26に示すモチーフ態様優先順位のうちで、優先順位の低いものから通常の表示態様に変更することで、花柄モチーフ態様の数を制限する(S608)。例えば、演出表示装置9の画面上に表示する地面を花柄モチーフ態様で表示することに決定している場合には、演出表示装置9の画面上に表示する地面を通常の表示態様で表示することに変更する。また、演出表示装置9の画面上に表示する演出図柄を花柄モチーフ態様で表示することに決定している場合には、演出表示装置9の画面上に表示する演出図柄を通常の表示態様で表示することに変更する。また、演出表示装置9の画面上に表示する木(第2ステップアップ予告の予告演出Wで出現)を花柄モチーフ態様で表示することに決定している場合には、演出表示装置9の画面上に表示する木を通常の表示態様で表示することに変更する。また、演出表示装置9の画面上に表示する人物(第1ステップアップ予告の予告演出Bなどで出現)を花柄モチーフ態様で表示することに決定している場合には、演出表示装置9の画面上に表示する人物を通常の表示態様で表示することに変更する。また、演出表示装置9の画面上に表示する「かもめ」(第2ステップアップ予告の予告演出Z1で出現)を花柄モチーフ態様で表示することに決定している場合には、演出表示装置9の画面上に表示する「かもめ」を通常の表示態様で表示することに変更する。この実施の形態では、花柄モチーフ態様の出現数の制限を行う場合に、いずれの演出で登場する花柄モチーフ態様を優先して残すかを示す優先順位が定められている。
花柄モチーフ態様を残すための優先順位は、実行割合が高い演出ほど制限対象となりやすいように定められている。例えば図26に示すように、非リーチはずれ時の演出の出現率で比較すると、カットイン予告や第2ステップアップ予告の予告演出Z1は出現率が0%であるので、カットイン背景やかもめの花柄モチーフ態様を優先的に残すものとする。なお、カットイン予告はリーチ状態となった後にスーパーリーチのリーチ演出が実行中に出現する一方、第2ステップアップ予告の予告演出Z1はリーチ状態となるより前に出現する。そこで、演出図柄の変動表示中の遅いタイミングで出現するカットイン予告の背景を花柄モチーフ態様とする方を優先順位1とし、演出図柄の変動表示中の早いタイミングで出現する第2ステップアップ予告の予告演出Z1を花柄モチーフ態様とする方を優先順位2としている。また、第1ステップアップ予告の予告演出Bは出現率が5%であるので、予告演出Bで出現する人物のキャラクタの花柄モチーフ態様を次に優先して残すものとする。第2ステップアップ予告の予告演出Wは出現率が25%であるので、予告演出Wで出現する木の花柄モチーフ態様を次に優先して残すものとする。
演出図柄や地面については予告演出に関係なく出現するので、演出図柄の花柄モチーフ態様や地面の花柄モチーフ態様については、最も優先順位を低くする。なお、演出図柄の花柄モチーフ態様は演出図柄の変動表示中に遅いタイミングで出現する一方、地面の花柄モチーフ態様は演出図柄の変動表示中に早いタイミングで出現する。そこで、演出図柄の変動表示中の遅いタイミングで出現する演出図柄の花柄モチーフ態様を、演出図柄の変動表示中の早いタイミングで出現する地面の花柄モチーフ態様よりも優先順位が高くなるように設定している。これに対して、演出図柄の変動表示中の早いタイミングで出現する花柄モチーフ態様を、演出図柄の変動表示中の遅いタイミングで出現する花柄モチーフ態様よりも優先順位が高くなるように設定してもよい。
以上のようなモチーフ態様設定処理が実行されることにより、大当り遊技状態の終了後に移行された確変状態に制御されている場合には、通常大当りと決定されたときに、花柄モチーフ態様の出現数を2未満に制限するように制御される。すなわち、確変大当りと決定されている場合には新たな確変状態が始まり、少なくともはずれと決定されている場合には現在の確変状態が終了しないのであるから、花柄モチーフ態様を2回以上出現させる演出の実行を許可し、通常大当りと決定されている場合には確変状態が終了してしまうのであるから、花柄モチーフ態様の出現数を2未満に制限する。そのようにすることによって、花柄モチーフ態様が2回以上出現すれば、遊技者は少なくとも確変状態が終了しないことを認識することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、確変状態に制御されていない場合には、確変大当りと決定されている場合にのみ、1回の演出図柄の変動表示中に花柄モチーフ態様を5回以上出現させる演出が実行され、それ以外の場合には、出現させる花柄モチーフ態様を5未満に制限するように制御される。そのようにすれば、5以上の花柄モチーフ態様が出現すれば確変大当りとなることが確定することから、遊技者に対して演出に対する関心をより惹きつけさせることができる。
さらに、確変状態に制御されていない場合には、大当りと決定されている場合にのみ、1回の演出図柄の変動表示中に花柄モチーフ態様を3回以上出現させる演出が実行され、それ以外の場合には、出現させる花柄モチーフ態様を3未満に制限するように制御される。そのようにすれば、3以上の花柄モチーフ態様が出現すれば大当りとなることが確定することから、遊技者に対してより演出に対する関心を惹きつけさせることができる。
なお、花柄モチーフ態様の出現数を制限する条件や閾値は、他の条件や閾値であってもよい。この実施の形態では、S608の処理において、一度決定した花柄モチーフ態様を通常の表示態様に変更することによって出現させる花柄モチーフ態様を制限する場合を示したが、花柄モチーフ態様を出現させると決定した演出自体を実行しないようにするなど、他の制限方法を用いてもよい。
このように、S600の処理にて各設定対象となる演出において花柄モチーフ態様を出現させるか否かを決定した後に、図26に示すモチーフ態様優先順位の設定にもとづいて、花柄モチーフ態様ではない通常の演出態様に差し替える制御が行われる。これにより、大当りであるか否かや、確変大当りであるか否かに応じて出現させる花柄モチーフ態様の数が制限される。また、出現割合が高い演出の花柄モチーフ態様を、出現割合が低い演出の花柄モチーフ態様よりも制限対象となりやすいように優先順位が設定されているので、実行割合が低い演出では、花柄モチーフ態様の出現が制限されにくくすることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
出現割合が低い演出は、出現割合が高い演出と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高く、制限対象となりにくいように優先順位が設定されている。したがって、大当りとなる可能性が高いことを予告する予告演出では、花柄モチーフ態様の出現が制限されにくくすることができるので、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図27は、第2ステップアップ予告が実行される場合に花柄モチーフ態様が出現する具体例を示す説明図である。この場合には、図27(a)に示すように、第2ステップアップ予告における予告演出Wとしてカブト虫のキャラクタが画面右から飛んでくる。このとき、演出表示装置9に表示される地面が花柄モチーフ態様で表示される。例えば、演出表示装置9の画面上に表示する地面を花柄モチーフ態様で表示することに決定されていない場合には、図18(a2)などに示したように、通常の表示態様(例えば、無模様で茶色など地面を示す色彩で表示する態様)で地面が表示される。これに対して、演出表示装置9の画面上に表示する地面を花柄モチーフ態様で表示することに決定されている場合には、図27(a)に示すように、花柄モチーフ態様(具体的には、サクラの花柄模様)で地面を表示する演出が行われる。なお、この実施の形態では、モチーフ態様としてサクラの花柄模様を出現させる場合を示しているが、モチーフ態様は唐草模様など他の模様や色彩であってもよい。
図27(a)に示すような地面が花柄モチーフ態様で表示された後、図27(b)に示すように、第2ステップアップ予告における予告演出Xとしてカブト虫のキャラクタが木にとまる。このとき、画像表示装置9に表示される木が花柄モチーフ態様で表示される。例えば、演出表示装置9の画面上に表示する木を花柄モチーフ態様で表示することに決定されていない場合には、図18(b2)などに示したように、通常の表示態様(例えば、無模様で緑色と茶色など木の葉と幹を示す色彩で表示する態様)で木が表示される。これに対して、演出表示装置9の画面上に表示する木を花柄モチーフ態様で表示することに決定されている場合には、図27(b)に示すように、花柄モチーフ態様(具体的には、サクラの花柄模様)で木を表示する演出が行われる。なお、この実施の形態では、モチーフ態様としてサクラの花柄模様を出現させる場合を示しているが、モチーフ態様は唐草模様など他の模様や色彩であってもよい。
図27(b)に示すような木が花柄モチーフ態様で表示された後、図27(c)に示すように、第2ステップアップ予告における予告演出Y1として風が吹いて木が揺れる演出が実行される。続いて、図27(d)に示すように、第2ステップアップ予告における予告演出Z1としてかもめが飛んでくる演出が実行される。このとき、画像表示装置9に表示される「かもめ」が花柄モチーフ態様で表示される。例えば、演出表示装置9の画面上に表示する「かもめ」を花柄モチーフ態様で表示することに決定されていない場合には、図18(d2)に示したように、通常の表示態様(例えば、くちばしと翼の先だけが黒く他は白色で表示する態様)でかもめが表示される。これに対して、演出表示装置9の画面上に表示する「かもめ」を花柄モチーフ態様で表示することに決定されている場合には、図27(d)に示すように、花柄モチーフ態様(具体的には、サクラの花柄模様)でかもめを表示する演出が行われる。なお、この実施の形態では、モチーフ態様としてサクラの花柄模様を出現させる場合を示しているが、モチーフ態様は唐草模様など他の模様や色彩であってもよい。
図28(A)は、図16のS508で決定される演出制御パターンの構成例を示す説明図である。図28(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、RAM103における所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU101において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置9における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、各種LED等の発光体における点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ122の操作桿に対する指示操作(傾倒操作)とトリガボタン121に対する指示操作(押引操作)とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン120に対する指示操作(押下操作)を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば可動部材となる演出用役物127を動作させる可動部材用モータ128の駆動内容を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図28(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で各種LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ122のトリガボタン121や操作桿あるいはプッシュボタン120に対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU101は、例えば演出図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータをROM102から読み出してRAM103の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM102における記憶アドレスを、RAM103の所定領域に一時記憶させて、ROM102における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種LED等の発光体など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU101からVDP109や音声出力基板70などに対して出力される。演出制御用CPU101からの指令を受けたVDP109では、その指令に示される画像データをCGROMから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU101からの指令を受けた音声出力基板70では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図29は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行う。
演出図柄変動中処理においては、演出制御プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そして、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ(表示制御データ等)の内容にしたがって、花柄モチーフ態様の表示タイミングであるか否かを確認する(S843)。花柄モチーフ態様の表示タイミングであると判定した場合、プロセスデータの内容にしたがって、花柄モチーフ態様を表示させる(S844)。
次に、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容にしたがって、所定のメータ表示を行うメータ表示期間であるか否かを確認する(S845)。メータ表示期間であると判定した場合には、プロセスデータの内容にしたがってメータ表示を行うためのメータ表示制御処理を実行する(S846)。続いて、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容にしたがって、擬似連確定演出期間であるか否かを確認する(S847)。擬似連確定演出期間であると判定した場合には、プロセスデータの内容にしたがって擬似連確定演出を実行するための制御を行う(S848)。
その後、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容にしたがって、その他の予告期間であるか否かを確認する(S849)。予告期間であると判定した場合には、プロセスデータの内容にしたがって、予告演出を実行するための制御を行う(S850)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容にしたがって、リーチ演出期間であるか否かを確認する(S851)。リーチ演出期間であると判定した場合には、プロセスデータの内容にしたがって、リーチ演出を実行するための制御を行う(S852)。そして、操作演出を実行するための操作演出処理を実行する(S853)。
さらに、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容にしたがって、救済演出期間であるか否かを確認する(S854)。救済演出期間であると判定した場合には、プロセスデータの内容にしたがって、救済演出を実行するための制御を行う(S855)。その他にも、プロセスデータの内容にしたがって各種の変動中演出を実行するための制御を行う(S856)。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(S857)。変動時間タイマがタイムアウトしていないと判定された場合には、主基板31からの図柄確定指定コマンドを受信したか否かを確認する(S858)。図柄確定指定コマンドを受信していないと判定した場合は、演出図柄変動中処理が終了する。変動時間タイマがタイムアウトしたと判定された場合や、図柄確定指定コマンドを受信したと判定された場合には、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値にしてから、演出図柄変動中処理が終了する。
図30は、メータ表示制御処理(S846)を示すフローチャートである。この実施の形態では、カットイン予告や可動部材予告といった予告演出が実行されるときに、所定のメータ表示が行われることがある。このときには、まずプッシュボタン120やスティックコントローラ122の一方または双方に対する遊技者の指示操作(傾倒操作や押下操作など)を促す予告用操作促進表示が行われる。このときには、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の一方または双方に対する指示操作を有効に受け付ける予告用操作有効期間となる。予告用操作有効期間において、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の一方または双方に対する所定の指示操作が1回検出されたことに基づいて、予告用操作促進表示を特定表示(大当りとなる可能性を示唆する表示など)に変更する演出が実行される。また、予告用操作有効期間において、演出表示装置9の画面上に所定のメータを示す演出画像を表示させ、予告用操作有効期間の残り時間が減少するにしたがってメータの残り表示量が減少していくような演出表示が実行される。遊技者は、メータの残り表示量を確認することで、予告用操作有効期間の残り時間を認識することができる。このように、予告演出には、予告用操作有効期間の残り時間を示唆するメータ表示を含んだものがあればよい。
こうした予告演出におけるメータの残り表示量を変化させるために、演出制御用CPU101やVDP109は、メータ表示用のメータ画像を、所定の合成用画像と合成させる。合成用画像は、所定の表示倍率で表示されたときにメータ画像と同一長になる。合成用画像の表示倍率は、メータ画像の表示が増減する方向に沿って変更可能となっている。このような合成用画像の一端をメータ画像の一端にあわせて配置するとともに、メータ画像の表示が増減する方向に沿って合成用画像の表示倍率を変更して合成することにより、メータ画像の視認可能範囲を変化させる。これにより、予告用操作有効期間の残り時間が減少するに従って、メータの残り表示量を減少させることができる。
なお、予告演出が実行される場合に限定されず、例えばリーチ演出といった他の演出が実行されるときにも、所定のメータ表示が行われることがあってもよい。また、操作有効期間の残り時間が減少するにしたがってメータの残り表示量が減少していくような演出表示が実行されるものに限定されず、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の一方または双方に対する所定の指示操作が検出されるごとにメータの表示態様を変化させるような演出表示が実行されてもよい。メータの表示態様は、可変表示結果が「大当り」となるか否かに応じて異なる変化をしてもよい。これにより、遊技者は、メータの表示態様の変化を確認することで、可変表示結果が「大当り」となる可能性を認識することができる。
こうしたメータの表示態様を変化させるために、演出制御用CPU101やVDP109は、メータ表示を行うためのメータ画像を、所定の合成用画像と合成させる。このとき用いられる合成用画像は、予告演出が実行されるときに用いられる合成用画像と共通のものであればよい。このような合成用画像の一端をメータ画像の一端にあわせて配置するとともに、メータ画像の表示が増減する方向に沿って合成用画像の表示倍率を変更して合成することにより、メータ画像の全部または一部の表示態様を変化させる。これにより、遊技者の指示操作に応じてメータの表示態様を変化させることができる。
図30に示すメータ表示制御処理では、まず、プロセスデータの内容にしたがって、メータ表示の開始タイミングであるか否かを確認する(S740)。メータ表示の開始タイミングであると判定された場合には、メータ表示を開始するための初期設定を行う。すなわち、メータ画像データとして予め用意された画像データをCGROMから読み出すための設定を行う(S741)。また、合成用画像データとして予め用意された画像データをCGROMから読み出すための設定を行う(S742)。そして、メータ画像データで示されるメータ画像と、合成用画像データで示される合成用画像とを合成する画像データ処理の初期設定を行う(S743)。
例えばS743の処理にて、演出制御用CPU101は、演出制御パターンから読み出したプロセスデータの内容にしたがって、画像合成の方式や合成用画像を拡大または縮小するための表示倍率となる伸縮率などを設定する。画像合成の方式は、例えば乗算合成であればよい。乗算合成では、2つの画像データに示される色信号のR(赤)値、G(緑)値、B(青)値のそれぞれについて、表示領域を構成する画素ごとに乗算演算を行い、その演算結果を所定数(例えば最高輝度となる上限値255)で除算することなどにより、合成後の新たな色信号を生成する。したがって、合成用画像における色信号の成分とは異なる成分については、合成後の値が0となって表示されなくなる(視認不可能になる)。また、合成用画像における色信号のうち特定の成分が上限値(例えば255)より小さい場合には、合成後の値が合成前よりも小さくなって輝度が低下する(暗くなる)。操作有効期間の残り時間が減少するにしたがってメータの残り表示量を減少させる場合には、操作有効期間の開始タイミングで合成用画像を最も縮小させてメータ画像と合成することで、残り時間が最も多い状態であることに対応したメータ表示を行うことができる。
その後、演出制御用CPU101は、S741〜S743での設定にもとづいて、メータ表示の開始時における表示制御指令をVDP109に送信する(S744)。VDP109は、演出制御用CPU101から受信した表示制御指令に応じた画像データ処理を実行する。より具体的には、メータ画像データと合成用画像データをVRAMの所定領域に展開記憶させる。そして、合成用画像データに示される合成用画像の一端をメータ画像データに示されるメータ画像の一端にあわせて配置するとともに、合成用画像を指定された表示倍率で縮小してからメータ画像と合成(例えば乗算合成)する。こうした合成後のメータ画像を演出表示装置9の画面上において所定位置(メータ画像の表示位置)に表示させることで、メータ画像の表示が開始される。
S740の処理にてメータ表示の開始タイミングではないと判定された場合には、プロセスデータの内容にしたがって、メータ表示の終了タイミングであるか否かを確認する(S745)。メータ表示の終了タイミングではないと判定された場合には、プッシュボタン120に対する指示操作(押下操作)の検出があったか否かを確認する(S746)。ここではプッシュボタン120に対する指示操作の有無を確認しているが、スティックコントローラ122のような他の操作手段に対する指示操作の有無を確認するものであってもよい。
S746の処理にてプッシュボタン120に対する操作の検出があったと判定された場合には、例えば演出制御パターンから読み出した操作検出制御データなどに応じて、予告用操作促進表示を特定表示に変更するといった、操作検出時における予告演出の実行制御を行う(S747)。このとき、演出制御用CPU101は、合成用画像の表示倍率を変更不可に設定して、所定時間が経過するまでメータ表示を継続させる。その後、例えば特定表示の消去に伴ってメータ表示を消去させればよい。S747の処理が実行されたときには、操作有効期間を終了させる設定を行う(S748)。
S746の処理にてプッシュボタン120に対する操作の検出がないと判定された場合には、経過時間による残り時間の減少に応じて合成用画像の伸縮率(表示倍率)を更新する設定を行う(S749)。例えば、演出制御用CPU101は、経過時間に従って合成用画像の表示倍率を増大させてからメータ画像と合成させることで、メータ画像の視認可能範囲を残り時間の減少に伴い減少させていけばよい。このとき、メータの残り表示量が0になるタイミングを、実際に操作有効期間が終了するタイミングよりも所定時間前(例えば0.2秒前)になるように、合成用画像の表示倍率を更新すればよい。例えばメータ画像と合成用画像が等倍で同一長となるように構成されている場合には、合成用画像の表示倍率を1.0に設定することで、メータの残り表示量を0にすることができる。VDP109は、合成用画像の一端をメータ画像の一端にあわせて配置したままで、演出制御用CPU101によって更新された表示倍率に応じて合成用画像を拡大または縮小してからメータ画像と合成(例えば乗算合成)する。こうした合成後のメータ画像を演出表示装置9の画面上における所定位置に表示させることで、メータ画像の表示が更新される。
S745の処理にてメータ表示の終了タイミングであると判定された場合には、操作有効期間の終了時などに対応した予告演出の実行制御を行う(S750)。例えば演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する操作が検出されずに操作有効期間の終了タイミングとなったときに、予告用操作促進表示を消去して、操作有効期間が終了したことを遊技者が認識できるようにすればよい。あるいは、プッシュボタン120に対する操作が検出されなくても予告用操作促進表示を特定表示に変更して、大当りとなる可能性を示唆する表示を行うことがあってもよい。また、演出制御用CPU101は、画像合成の終了時における表示制御指令をVDP109に送信する(S751)。なお、S748の処理にて操作有効期間を終了させたときにも、同様の表示制御指令を送信するようにしてもよい。
このようなメータ表示制御処理の実行により、合成用画像の表示倍率を操作有効期間の残り時間が減少するにしたがって変更して、メータ画像と合成する。こうして、メータの残り表示量が減少していくようにメータ画像の視認可能範囲を変化させればよい。なお、プッシュボタン120といった操作手段に対する操作が検出されるごとに、RAM103の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた押下操作カウンタの値(押下操作カウント値)を1加算するように更新して、そのカウント値が演出更新判定値に達したと判定されるごとに、合成用画像の表示倍率を減少させるように変更してからメータ画像と合成させてもよい。このように、操作有効期間の開始タイミングから終了タイミングとなるまで、プッシュボタン120に対する遊技者の操作を繰り返し検出可能とし、その検出回数などに応じてメータ画像の全部または一部における表示態様を変化させてもよい。
また、プッシュボタン120といった操作手段に対する操作の検出結果にもとづいて所定の更新態様変更条件が成立したときに、メータ画像の表示を更新するときの更新態様を変化させる設定を行うようにしてもよい。例えば、演出表示装置9の画面上におけるメータ画像の表示部位を拡張または減縮させるように、表示の切替制御を行うようにしてもよい。メータ画像の表示部位が減縮した場合には、例えばプッシュボタン120に対する操作によりメータ表示が満タンになる可能性が高くなったという印象を遊技者に与えて、可変表示結果が「大当り」となる期待感などを高めることができる。
図31は、VDP109による画像合成処理の実行例を示す説明図である。図31に示す実行例では、白色のメータ画像IM10が黒色の合成用画像IM11と合成される。図31(B)に示す合成用画像IM11は、等倍で図31(A)に示すメータ画像IM10と同一長になる。したがって、メータ画像IM10の一端と合成用画像IM11の一端をあわせて配置し、等倍で乗算合成を行うと、メータ画像IM10と合成用画像IM11における色信号の成分に応じて、メータ画像IM10の全部が消去されて視認不可能(黒色)になる。一方、例えば図31(C)に示すように合成用画像IM11を縮小してからメータ画像IM10と乗算合成することで、図31(D)に示すようにメータ画像IM10の一部分は視認可能で、残りの部分は視認不可能となる。すなわち、メータ画像IM10の視認可能範囲は、合成用画像IM11と重複しない範囲となり、重複する範囲は視認不可能となる。なお、メータ画像IM10の視認可能範囲における先端部に、所定の演出画像(例えばメータ画像IM10と同一の表示色を有するグラデーション画像など)を付加して、メータ画像IM10の視認可能範囲が変化する演出の美観を向上させてもよい。
他の実行例として、メータ画像IM10を黄色のものとし、合成用画像IM11を紫色のものとしてもよい。演出表示装置9において、黄色は赤色と緑色の混合により生成され、紫色は赤色と青色の混合により生成される。したがって、メータ画像IM10の一端と合成用画像IM11の一端をあわせて配置し、等倍で乗算合成を行うと、メータ画像IM10と合成用画像IM11における色信号の成分に応じて、メータ画像IM10の全部が赤色で表示される。一方、合成用画像IM11を縮小してからメータ画像IM10と乗算合成することで、メータ画像IM10の一部分は黄色で表示され、残りの部分は赤色で表示される。すなわち、メータ画像IM10のうちで合成用画像IM11と重複しない範囲は元の表示色である黄色で表示され、重複する範囲は赤色で表示される。
これらの実行例では、合成用画像IM11という1つの合成用画像だけを用いている。これに対して、複数の合成用画像を用いてメータ画像との画像合成処理が行われるようにしてもよい。例えば赤色の第1合成用画像と青色の第2合成用画像とを用いて、白色のメータ画像に合成させてもよい。第1合成用画像と第2合成用画像はいずれも、等倍でメータ画像と同一長になる。したがって、メータ画像の一端に、第1合成用画像の一端と第2合成用画像の一端をあわせて配置し、等倍で乗算合成を行うと、色信号の成分に応じてメータ画像の全部が消去されて視認不可能(黒色)になる。一方、第2合成用画像を縮小してから第1合成用画像と乗算合成することで、一部分は赤色で残りの部分は黒色の画像が得られる。これをさらにメータ画像と乗算合成することで、メータ画像の一部分は赤地で視認可能となる一方、残りの部分は視認不可能(黒色)となる。すなわち、メータ画像は視認可能範囲における表示態様が元の白地とは異なる赤地に変化するとともに、第2合成用画像の表示倍率(縮小率)に応じた範囲は視認不可能となる。
また、第1合成用画像を縮小してから第2合成用画像と乗算合成することで、一部分は青色で残りの部分は黒色の画像が得られる。これをさらにメータ画像と乗算合成することで、メータ画像の一部分は青地で視認可能となる一方、残りの部分は視認不可能(黒色)となる。すなわち、メータ画像は視認可能範囲における表示態様が元の白地とは異なる青地に変化するとともに、第1合成用画像の表示倍率(縮小率)に応じた範囲は視認不可能となる。
これらの画像合成処理によりメータ画像の視認可能範囲や表示態様の一方または双方を変化させる場合には、予め用意されたメータ画像の表示倍率を変更するのではなく、メータ画像とは異なる合成用画像の表示倍率を、メータ画像の表示が増減する方向に沿って変更する。こうして変更された表示倍率で拡大または縮小した合成用画像をそのまま用いて、あるいは他の合成用画像と合成してから、メータ画像との合成を行う。このように、メータ画像そのものの表示倍率は変更されないので、拡大や縮小によりメータ画像の精細度が変化してしまうことを防止して、メータ画像の美観を向上させることができる。また、所定の符号化処理が施された動画像の再生や巻戻しによりメータ画像の表示を変化させる場合に比べて、メータ画像の表示を柔軟に増減させることができる。加えて、メータ画像と合成用画像とを静止画像として用意しておけばよいので、データ容量の増大を防止することもできる。さらには、動画像の再生や巻戻しを行う場合のような復号化処理が不要になるので、メータ画像の美観を向上させつつ画像表示の処理負担を軽減することもできる。
図32は、第1ステップアップ予告や第2ステップアップ予告、さらにはカットイン予告や可動部材予告の実行タイミングを示すタイミング図である。この場合、まず、演出図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置9の画面上に表示する地面を花柄モチーフ態様で表示することに決定されている場合には、第1ステップアップ予告や第2ステップアップ予告が開始される前に、演出表示装置9に花柄モチーフ態様で地面が表示される。なお、図27(a)に示したように、第2ステップアップ予告における予告演出Wが実行されたときに、花柄モチーフ態様で地面が表示されてもよい。次いで、タイミングT1において演出図柄の変動が高速変動になり、演出表示装置9の表示画面の下方において、第1ステップアップ予告における予告演出AとしてキャラクタAが画面右から登場するとともに、第2ステップアップ予告における予告演出Wとしてカブト虫のキャラクタが画面右から飛んでくる。このとき、演出表示装置9の画面上に表示する木を唐草モチーフ態様で表示することに決定されている場合には、第2ステップアップ予告の予告演出Wが実行されたことに対応して、演出表示装置9に花柄モチーフ態様で木が表示される。なお、図27(b)に示したように、第2ステップアップ予告における予告演出Xが実行されたときに、花柄モチーフ態様で木が表示されてもよい。
続いて、タイミングT2になると第1ステップアップ予告における予告演出BとしてキャラクタBが画面右から登場するとともに、第2ステップアップ予告における予告演出Xとしてカブト虫のキャラクタが木にとまる。このとき、演出表示装置9の画面上に表示する人物(キャラクタB)を花柄モチーフ態様で表示することに決定されている場合には、第1ステップアップ予告における予告演出Bが実行されたことに対応して、演出表示装置9に花柄モチーフ態様で人物が表示される。その後、タイミングT3になると、第1ステップアップ予告における予告演出CとしてキャラクタCが画面右から登場するとともに、第2ステップアップ予告における予告演出Y1として風が吹いて木が揺れる演出が実行される。
図32に示すタイミングT4になると、第1ステップアップ予告における予告演出DとしてキャラクタA、キャラクタB、キャラクタCが同時に画面左から登場する演出が実行されるとともに、第2ステップアップ予告における予告演出Z1としてかもめが飛んでくる演出が実行され、さらに左図柄が停止される。このとき、演出表示装置9の画面上に表示する「かもめ」を花柄モチーフ態様で表示することに決定されている場合には、第2ステップアップ予告において予告演出Z1が実行されたことに対応して、演出表示装置9に花柄モチーフ態様でかもめが表示される。また、タイミングT5になると、第1ステップアップ予告における予告演出EとしてキャラクタDが画面左から登場する演出が実行され、右図柄が停止されリーチ状態となる。このとき、演出表示装置9の画面上に表示する演出図柄を花柄モチーフ態様で表示することに決定されている場合には、第1ステップアップ予告における予告演出Dや第2ステップアップ予告における予告演出Z1が実行された以降に、演出図柄が停止表示するまで、演出表示装置9に花柄モチーフ態様で演出図柄の停止図柄が表示される。
演出図柄の表示状態がリーチ状態となった後、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてタイミングT11になると、演出表示装置9の画面上に表示するカットイン背景を花柄モチーフ態様で表示することに決定されている場合には、カットイン予告用の操作有効期間となり、プッシュボタン120に対する遊技者の操作を促す予告用操作促進表示が行われる。そして、タイミングT12にて操作有効期間が終了するまでにプッシュボタン120に対する操作が検出されたときには、タイミングT13となるまでカットイン予告が実行されて、花柄モチーフ態様でカットイン背景が表示される。こうしたカットイン予告の実行タイミングよりも遅いタイミングT14になると、可動部材予告を実行することに決定されている場合には、可動部材予告用の操作有効期間となり、プッシュボタン120に対する遊技者の操作を促す予告用操作促進表示が行われる。そして、タイミングT15にて操作有効期間が終了するまでにプッシュボタン120に対する操作が検出されたときには、タイミングT16となるまで可動部材予告が実行されて、演出用役物127が動作する。
図32に示すように、演出図柄の表示状態がリーチ状態となるまでには、第1ステップアップ予告および第2ステップアップ予告が実行される場合に、第1ステップアップ予告で予告演出Bが花柄モチーフ態様で1回出現可能であり、第2ステップアップ予告で予告演出W、予告演出Z1が花柄モチーフ態様で合計2回出現可能であり、予告演出に関係なく地面と演出図柄の表示態様として花柄モチーフ態様が合計2回出現可能である。さらに、演出図柄の表示状態がリーチ状態となった後には、カットイン予告における背景画像の表示態様として花柄モチーフ態様が1回出現可能である。したがって、この実施の形態では、第1ステップアップ予告および第2ステップアップ予告と、カットイン予告とが実行される場合に、花柄モチーフ態様が合計で最大6回出現可能である。なお、花柄モチーフ態様は必ず6回出現するとは限らず、予告演出の決定結果などに応じて、演出図柄の1回の変動表示中に、花柄モチーフ態様が1回だけ出現する場合や、2回出現する場合、3回出現する場合、4回出現する場合、5回出現する場合がある。
図33は、救済演出を実行する具体例を示す説明図である。この具体例では、例えば図33(a)に示すような演出図柄が停止表示された状態で、図33(b)に示すように新たな変動表示が開始される。その後、図33(c)に示すように左図柄が停止表示されてから、図33(d)に示すように左図柄と同一の右図柄が停止表示されて、演出図柄の表示状態がリーチ状態となる。そして、例えば図33(e)に示すようなスーパーリーチEのリーチ演出が開始されて、図33(f)および図33(g)に示すようにリーチ演出が進行する。続いて、例えば図33(h)に示すように中図柄としてリーチ状態を構成する演出図柄とは異なる演出図柄が仮停止表示される。このように、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄が一旦は仮停止表示されることで、変動表示の表示結果がはずれとなるような印象を遊技者に与える。
図33(h)に示すようにリーチはずれ組合せを構成する演出図柄が一旦停止表示された後には、例えば図33(i)および図33(j)に示すような救済演出が実行されてから、図33(k)に示すような大当り組合せを構成する演出図柄が導出表示される。救済演出あり大当りの変動パターンに決定された場合には、図17に示すような使用テーブルの設定により、第1ステップアップ予告や第2ステップアップ予告、さらにはカットイン予告については、救済演出なし大当りの変動パターンに決定された場合と同様の割合で、予告演出の内容(有無、演出態様)が決定される。一方、可動部材予告については、スーパーリーチはずれのようなはずれ用の変動パターンに決定された場合と同様の割合で、予告演出の有無が決定される。これにより、可動部材予告が実行されることでリーチはずれ組合せを構成する演出図柄が一旦は仮停止表示されても救済演出により大当りとなることを遊技者が予め認識してしまうことを防止して、救済演出が実行されるか否かに対する遊技者の関心や、救済演出が実行されたときの遊技者の喜悦感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、救済演出が実行される場合に、大当りとは異なるはずれの場合と略同一の割合で決定が行われる予告演出として、演出用役物127が動作する可動部材予告を一例として示したが、可動部材予告以外の予告演出をはずれの場合と略同一の割合で決定するものであってもよい。すなわち、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに実行可能な複数種類の予告演出のうちで、一部の予告演出が救済演出のない大当り時と略同一の割合で決定される一方で、その他の予告演出がはずれ時と略同一の割合で決定されるように、予告設定テーブルにおける判定値の割り振りや、使用テーブルの設定が行われたものであればよい。
また、本実施の形態では、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄が一旦は仮停止表示された後、救済演出が実行されてから大当り組合せを構成する演出図柄が導出表示されるような変動パターンとするかを遊技制御マイクロコンピュータ560の側で決定し、このような変動パターンが選択されたときに、各予告演出の決定を演出制御用マイクロコンピュータ100の側で行う例を示した。しかし、これに限らず、所定の変動パターンが選択されたときに、救済演出を実行するか否かの決定を演出制御マイクロコンピュータ100の側で行うようにしてもよい。
また、遊技制御マイクロコンピュータ560の側では、救済演出を実行するか否かに加えて、上記実施の形態における可動部材予告に相当する所定の演出を実行するか否かまでを決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で、所定の演出とは異なる予告演出について、実行するか否かの決定や、実行する場合における演出態様の決定をするようにしてもよい。
その他にも、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、上記実施の形態では、カットイン予告が実行された場合よりも大当りに対する期待感(信頼度)が高められる可動部材予告について、救済演出が実行される場合の決定割合をはずれの場合と略同一の割合に設定するものとして説明した。これに対して、大当りに対する期待感(信頼度)が他の予告演出よりも低い予告演出や、他の予告演出と同程度の予告演出について、救済演出が実行される場合の決定割合をはずれの場合と略同一の割合に設定してもよい。
遊技者による指示入力を検出するための構成は、プッシュボタン120やスティックコントローラ122を用いたものに限定されず、例えば操作ボタンのみを用いたものであってもよい。操作ボタンには、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタンは、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルが設けられてもよい。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
あるいは、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものを用いてもよい。また、例えば赤外線センサや超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の指示入力行為を検出できるセンサを用いてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手などを撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、遊技者による指示入力を検出できるようにしてもよい。すなわち、遊技者による指示入力を検出するための構成は、遊技者による所定の指示入力行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成であればよい。
各予告演出や救済演出は、演出表示装置9に所定の演出画像を表示させることにより実行されるものや、スピーカ27から所定の効果音を出力させることにより実行されるもの、所定のLED等の発光体を点灯させることにより実行されるもの、所定の可動部材を動作させることにより実行されるものなど、いずれかの演出装置を用いて実行されるものであればよい。これらの場合でも、救済演出が実行されてから大当りとなる場合には、救済演出が実行されずに大当りとなる場合とは異なり、いずれかの演出がはずれの場合と略同一の割合で決定される一方、その他の演出が救済演出が実行されない場合と略同一の割合で決定されればよい。
上記実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
上記実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行っていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行うようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行うようにしてもよい。
この発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
この発明は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
上記実施の形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、例えば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、例えば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(例えば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(例えば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
以上説明したように、パチンコ遊技機1では、図17に示したような予告演出の決定内容と使用テーブルの設定により、救済演出が実行された後に大当りとなる場合には、可動部材予告を実行するか否かがはずれとなる場合と略同一の割合で決定される一方、カットイン予告その他の予告演出は救済演出が実行されずに大当りとなる場合と略同一の割合で決定される。遊技者は、可動部材予告とは異なる予告演出の実行状況から、大当りに対する期待感が高められる。一方、はずれとなる場合のように可動部材予告が実行されにくいために、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄が停止表示されたときに、救済演出が実行されるか否かを明確に認識することはできない。こうして、救済演出が実行される期待感と意外性を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図22および図23に示したようなカットイン予告設定テーブルや可動部材予告設定テーブルにより、可動部材予告が実行されたときには、カットイン予告が実行されたときと比べて大当りの表示結果が導出される割合が高くなる。このように、大当りに対する期待度(信頼度)が高い可動部材予告が実行されなくても救済演出の実行を期待させることで、遊技者の落胆を防止して遊技の興趣を向上させることができる。
例えば第1ステップアップ予告や第2ステップアップ予告のように、演出図柄の表示状態がリーチ状態となるより前に実行される予告演出は、救済演出が実行された後に大当りとなる場合でも、救済演出が実行されずに大当りとなる場合と略同一の割合で、実行するか否かなどの内容が決定される。これにより、救済演出が実行される変動表示において大当りに対する期待感をリーチ状態となるより前から高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図32に示したように、タイミングT11〜T13のようなカットイン予告の実行タイミングよりも遅いタイミングT14〜T16にて、可動部材予告が実行される。この場合には、カットイン予告の実行後に可動部材予告が実行されなくても救済演出の実行を期待させることで、遊技者の落胆を防止して遊技の興趣を向上させることができる。
第1ステップアップ予告や第2ステップアップ予告、さらにはカットイン予告のように、大当りとすると決定されたか否かを画像表示により予告する複数の予告演出のうち演出図柄の変動表示中に実行する予告演出を決定し、実行すると決定された所定の予告演出の表示態様を、通常表示態様とするか、または通常表示態様よりも大当りとなる可能性が高いことを示すとともに予告表示の一部または全部に各予告演出で共通のモチーフ態様(上記実施の形態では、花柄モチーフ態様)を出現させる特殊表示態様とするかを決定する。そして、決定した表示態様で、演出図柄の変動表示中に各予告演出をそれぞれ実行する。また、大当りとしないことに決定されている演出図柄の変動表示中において、出現させるモチーフ態様の数を所定数未満(上記実施の形態では、3未満)に制限する。この場合、所定の予告演出に対してあらかじめ定められた優先順位に従って出現させるモチーフ態様の数を所定数未満に制限し、優先順位は、実行割合が高い予告演出ほど制限対象となりやすいように定められている。そのため、予告演出においてモチーフ態様を出現させる演出を行う場合に、実行割合が低い予告演出でモチーフ態様が出現しなくなってしまう事態を抑制することができる。
図30に示したようなメータ表示制御処理では、演出表示装置9の画面上において合成用画像の一端をメータ画像の一端にあわせて配置するとともに、メータ画像の表示が増減する方向に沿って合成用画像の表示倍率を変更して合成することにより、例えば図31(D)に示すようにメータ画像の視認可能範囲を変化させる。こうした画像合成を行うように構成することで、動画像を用いた場合のようなデータ容量の増大を防止しつつ、変化に富んだメータ画像の表示を精細度が劣化することなく実現することができる。