JP2004085677A - 面発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光面を明るくなり、光源からの遠近にかかわらず、発光面全体の明るさが一様になりやすい面発光装置を提供する。
【解決手段】表面が発光面12である透光性を有する板状体1と、板状体1の背面側に配備した反射面21と、光源3とを備える。板状体1の背面と反射面21とを隙間スペースSを介して相対向させる。板状体1の背面を乱反射面13とする。板状体1には、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの樹脂板を使用できる。光源3をLED素子群によって形成する。板状体1の表面側に、広告その他の表示部を具備させる。
【選択図】 図1
【解決手段】表面が発光面12である透光性を有する板状体1と、板状体1の背面側に配備した反射面21と、光源3とを備える。板状体1の背面と反射面21とを隙間スペースSを介して相対向させる。板状体1の背面を乱反射面13とする。板状体1には、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの樹脂板を使用できる。光源3をLED素子群によって形成する。板状体1の表面側に、広告その他の表示部を具備させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面発光装置、特に、発光面の全体を一様な明るさで発光させるための対策を講じた面発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透光性を有する板状体やシートの背面側に蛍光灯や白熱電球などでなる光源を設置し、その光源の光を板状体やシートの背面に照射するようにした所謂バックライト方式の面発光装置が知られていた(従来例1)。
【0003】
また、透光性を有する板状体の背面に反射板を接触させて重ね合わせたり板状体の背面自体を反射面に形成し、蛍光灯などの光源の光を板状体の端面に照射するようにした面発光装置が知られていた(従来例2)。
【0004】
そして、これらの面発光装置は、板状体やシートなどの表面を発光面とし、その発光面に広告その他の表示部を印刷したフィルムを重ね合わせたり、あるいは、表示を直接印刷したりすることによって、表示を発光させて目立たせるといった使い方が行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例1では、板状体の発光面全体の明るさが一様にならず、光源に近い箇所と遠い箇所との間で発光度合が顕著に異なって表示が見にくくなるというような問題があった。また、従来例2でも、光源の光が照射される板状体の端面に近い箇所で発光が明るく、その端面から遠ざかった箇所ほど発光が暗くなり、そのために、この従来例2によっても発光面全体の明るさを一様にするということがむずかしかった。その上、従来例1や従来例2のものは、光源から照射される光が発光面を明るくすることのために有効に使われず、光源に照射される光の強さの割りに発光面がそれほど明るくならないという事実が見出された。
【0006】
このように、従来例1や従来例2では、光源から照射される光が発光面を明るくすることのために有効に使われていないという状況や、光源に近い箇所と光源から遠い箇所との間で発光面の明るさの違いが顕著に生じるとい状況があった。そのため、発光面を明るくするのに維持費の嵩む照度の大きな光源を用いざるを得なくなるという問題や、発光面の明るさを一様にすることが困難であったために面発光装置を大きな発光面を有する広告その他の発光表示に使用することが困難であった。
【0007】
本発明は以上の状況に鑑みてなされたものであり、本発明は、光源の光が発光面を明るくすることのために有効に利用され、しかも、光源からの遠近にかかわらず、発光面全体の明るさが一様になりやすい面発光装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、少ない電力で大きな発光面の全体を一様な明るさで発光させることのできる面発光装置を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、発光面に具備させた広告その他の表示が見やすくなる面発光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る面発光装置は、表面が発光面として形成された透光性を有する板状体と、上記板状体の背面側に配備される反射面とを備えている。そして、上記板状体の背面と上記反射面とが隙間スペースを介して相対向されて上記板状体の背面が乱反射面として形成され、上記板状体の端面と上記隙間スペースとに光を照射する光源を有している。
【0011】
この構成によると、光源の光が、透光性を有する板状体の端面に照射されるだけでなく、板状体の背面及び反射面の相互間の隙間スペースにも照射される。そして、板状体の端面に照射された光が、その板状体を透過し、また、板状体の背面でなる乱反射面で乱反射してその表面の発光面から出ていく。
ここで、光源の光が板状体の端面に照射されているだけであれば、板状体の背面の乱反射面で光が乱反射されるとしても、発光面は光源に近い箇所が明るくなり、光源から離れた箇所ほど暗くなるとも考えられる。
【0012】
しかし、この発明では、光源の光が上記隙間スペースにも照射され、その隙間スペースに入った光が、板状体の背面の乱反射面で乱反射すると共に、直接に反射面で反射したり、乱反射面で乱反射した光が反射面で反射したりする。このため、乱反射面で乱反射した光が反射面の全体に平均化されて入射して反射した後、乱反射面を通過して板状体を透過するという状況が起こる。したがって、反射面の全体に入射した一様な明るさの光がその反射面で反射して発光面を所謂間接照明するという状況が起こり、発光面の全体が一様な明るさになる。
【0013】
本発明において、上記板状体は、背面が梨子地状に粗面加工されたアクリル、ポリスチレン又はポリカーボネートから選ばれる樹脂板でなり、上記板状体の端面に光を照射する光源と上記隙間スペースに光を照射する光源とが同一のLED素子によって兼用されていることが望ましい。これによれば、板状体が優れた透光性を発揮する樹脂板でなるので、光量の損失が少なくなって発光面が明るくなる。また、光源にLED素子を用いることにより、蛍光灯や白熱電球を用いる場合に比べて消費電力量が少なくなるだけでなく、LED素子の耐用寿命が蛍光灯や白熱電球の耐用寿命に比べて格段に長いことにより維持費が安く抑えられるという利点がある。その上、板状体の端面に光を照射する光源と隙間スペースに光を照射する光源とを同一のLED素子によって兼用したことにより、それらの光源を別々に用いる場合に比べて光源の設置スペースが狭くて済むので、装置全体の大きさの割りに発光面の大きさを大きくすることが容易になる。
【0014】
本発明では、上記光源が、上記板状体の端面に沿って並べられた複数個のLED素子でなるLED素子群でなるという構成を採用することが可能であり、これによれば、LED素子群によって光源をユニット化することが容易になり、そのことが、光源の組付け作業を容易にすることに役立つ。
【0015】
本発明では、上記板状体の表面側に、広告その他の表示部が具備されているものであってもよく、このように構成された面発光装置は、広告その他の必要情報を表示する発光表示板として有益である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る面発光装置の具体的構造を例示した概略縦断側面図である。この面発光装置は、透光性を有する板状体1と、板状体1の背面側に対向配備された板状の反射体2と、光源3とを有し、これらが枠状の筐体4の内部に収容されている。
【0017】
板状体1は、アクリル、ポリスチレン又はポリカーボネートから選ばれる樹脂板でなる。これらの樹脂板は光透過性(透光性)に優れていて、衝撃や温度変化に対しても割れや変形を生じにくい性質を備えている。板状体1は透明であっても半透明であってもよい。板状体1に用いる樹脂板として上掲のいずれを選択するかは、当該面発光装置の設置環境や性能、価格などの諸条件を勘案して適宜選定すべきである。板状体1の表面は平滑な発光面12として形成されているのに対し、背面は乱反射面13として形成されている。この乱反射面13は、板状体1の背面にサドブラスト加工又はレーザ加工などの粗面加工を施すことによって形成することが可能であり、すり硝子の粗面に見られるものと同程度の梨子地状の粗面でなる。したがって、この乱反射面13は、板状体1を形作っている樹脂層の内部に入射された光を発光面12側へ乱反射する機能と、板状体1の樹脂層の外側からその乱反射面13に照射された光を乱反射する機能とを発揮する。また、乱反射面13は、板状体1の樹脂層の内側や外側からその乱反射面13に照射された光を透過させる機能をも発揮する。
【0018】
反射体2は、上記板状体1の乱反射面13に対向している内面が反射面21として形成されていて、反射体2自体は透光性を備えていない。そして、板状体1の乱反射面13と反射体2の反射面21との間には後述する光源3によって照射された光を乱反射面13や反射面21の全体に行き渡らせるのに十分な広さの隙間スペースSが確保されている。この隙間スペースSの広さは、板状体1と反射体2との間に介在されたスペーサ5によって規定されている。反射体2には、不透明の樹脂板又は金属板を用いることが可能であり、反射面2は鏡面に仕上げられている。
【0019】
図1に示した面発光装置において、光源3は、板状体1の上端面14と隙間スペースSのスリット状の上部開口S1の両方に光を照射し得る位置に配備されている。また、図例の光源3は、板状体1の上端面14と隙間スペースSの上部開口S1の両方に光を照射し得る位置で、板状体1の上端面14に沿って等間隔に並べられた複数のLED素子でなるLED素子群によって形成されている。そして、個々のLED素子は、筐体4の上部に取り付けられた配線基板32に搭載されている。このように、LED素子群でなる光源3を搭載した配線基板32を筐体4に取り付けるようにしておくと、光源3と配線基板32とがユニット化されて光源3を筐体4に組み付けるときの作業性が向上するという利点がある。
【0020】
以上のように構成された面発光装置において、光源3を点灯すると、光源3の光が板状体1の上端面14と隙間スペースSのスリット状の上部開口S1との両方に照射される。そして、図4の説明図に例示したように、板状体1の上端面14に照射された光aが、a1,a2,a3のように板状体14を透過して発光面12から出たり、板状体1の乱反射面13で乱反射して発光面12から出たりする。そのため、光源3に近い箇所と遠い箇所との間の発光面12の明るさの差が幾分かは軽減されるものの、これだけでは発光面12の明るさの差が十分には解消されない。
【0021】
そこで、この面発光装置では、板状体1の背部に隙間スペースSを隔てて反射体2を配置し、その反射体2の鏡面仕上げされた反射面21によって板状体1の発光面12を間接照明する機能を具備させ、もって光源3の光が発光面12の全体に万遍なく行き渡るようにしてある。すなわち、隙間スペースSに、スリット状の上部開口S1から光源3の光が照射されるので、図4のように隙間スペースSに入った光bが、直接に反射面21で反射(反射光をb1で示してある)したり、板状体1の乱反射面13で乱反射(反射光をb2で示してある)したり、乱反射面13で乱反射した光が反射面21で反射(反射光をb3で示してある)したり、乱反射面13を透過したりする。そのうち、乱反射面13で乱反射した光b2は反射面21の全体に平均化されて入射して反射するため、乱反射面13を通過して板状体1を透過するという状況が起こる。したがって、反射面21の全体に入射した一様な明るさの光がその反射面21で反射して発光面12を間接照明するという状況が起こり、発光面12の全体が一様な明るさになる。
【0022】
したがって、たとえば、板状体1の表面側に、広告その他の表示部(不図示)を具備させておくと、表示部に光源の光が一様に届いて表示部の表示事項が明瞭に表示される。表示部は、光隠蔽部や光透過部を印刷によって形成した樹脂フィルムを板状体1の発光面12に密着状態で重ね合わせることによって形成することができるほか、板状体1の発光面12に直接に印刷することによっても形成することができる。
【0023】
また、光源3をLED素子群で構成したことにより、蛍光灯や白熱電球を用いる場合に比べて消費電力量が極端に少なくなり、しかも、光源3の耐用寿命や蛍光灯や白熱電球の耐用寿命に比べて格段に長くなって維持費を安く抑えることが可能になる。
【0024】
図1で説明した実施形態では、光源3を筐体4の上部だけに設置してあるけれども、この点は、光源3を筐体4の下部だけに設置しても、筐体4の上部と下部との両方に設置しても、さらには、筐体4の左右の一方又は両方に設置しても、筐体4の上下及び左右に設置しておくことも可能である。要するに、板状体1が矩形であれば、その4つの端面の少なくとも1つの端面と上記隙間スペースSの開口とに臨ませておけばよい。
【0025】
図2は他の実施形態を説明的に示してある。この事例では、板状の反射体2の両面をそれぞれ反射面21,21として形成し、反射体2の両側に隙間スペースS,Sを隔てて板状体1,1を配備し、それぞれの板状体1の背面を乱反射面13,13とすると共に、それらの板状体1の表面を発光面12としてある。また、反射体2の上部両側に光源3,3を設置し、これらの光源3,3の光が、板状体1,1の上端面14,14や隙間スペースSの開口S1,S1に照射されるようにしてある。この事例によると、互いに反対側を向いている2つの発光面12,12の全体に光源の光が万遍なく届いてその発光面12,12の明るさが一様になる。その他の作用は、図1で説明したものと同様に発揮される。
【0026】
図3はさらに他の実施形態を説明的に示してある。この事例では、三角柱状の反射体2の3つの面をそれぞれ反射面21…として形成し、それらの各反射面21…に隙間スペースS,Sを隔てて板状体1…を配備し、それぞれの板状体1…の背面を乱反射面13,13とすると共に、それらの板状体1の表面を発光面12としてある。また、板状体1の上部に光源3…を設置し、これらの光源3…の光が、それぞれの板状体1の上端面や隙間スペースSの開口に照射されるようにしてある。この事例によると、3つの発光面12…の全体に光源3の光が万遍なく届いてそれらの発光面12…の明るさが一様になる。その他の作用は、図1で説明したものと同様に発揮される。
【0027】
なお、板状体の発光面や乱反射面を湾曲形状に形成しておいてもよい。また、LED素子群によって光源3を形成する場合には、複数のLED素子を1列に並べる場合のほか、2列又はそのより多い列に並べて形成してもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、光源の光が発光面を明るくすることのために有効に利用され、しかも、光源からの遠近にかかわらず、発光面全体の明るさが一様になりやすい面発光装置を提供することが可能になる。しかも、本発明によれば、少ない電力で大きな発光面の全体を一様な明るさで発光させることができるという効果や、発光面に具備させた広告その他の表示が見やすくなるという効果も奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る面発光装置の具体的構造を例示した概略縦断側面図である。
【図2】他の実施形態を示した説明図である。
【図3】さらに他の実施形態を示した説明図である。
【図4】作用説明図である。
【符号の説明】
1 板状体
3 光源
12 発光面
13 乱反射面
21 反射面
S 隙間スペース
【発明の属する技術分野】
本発明は、面発光装置、特に、発光面の全体を一様な明るさで発光させるための対策を講じた面発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透光性を有する板状体やシートの背面側に蛍光灯や白熱電球などでなる光源を設置し、その光源の光を板状体やシートの背面に照射するようにした所謂バックライト方式の面発光装置が知られていた(従来例1)。
【0003】
また、透光性を有する板状体の背面に反射板を接触させて重ね合わせたり板状体の背面自体を反射面に形成し、蛍光灯などの光源の光を板状体の端面に照射するようにした面発光装置が知られていた(従来例2)。
【0004】
そして、これらの面発光装置は、板状体やシートなどの表面を発光面とし、その発光面に広告その他の表示部を印刷したフィルムを重ね合わせたり、あるいは、表示を直接印刷したりすることによって、表示を発光させて目立たせるといった使い方が行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例1では、板状体の発光面全体の明るさが一様にならず、光源に近い箇所と遠い箇所との間で発光度合が顕著に異なって表示が見にくくなるというような問題があった。また、従来例2でも、光源の光が照射される板状体の端面に近い箇所で発光が明るく、その端面から遠ざかった箇所ほど発光が暗くなり、そのために、この従来例2によっても発光面全体の明るさを一様にするということがむずかしかった。その上、従来例1や従来例2のものは、光源から照射される光が発光面を明るくすることのために有効に使われず、光源に照射される光の強さの割りに発光面がそれほど明るくならないという事実が見出された。
【0006】
このように、従来例1や従来例2では、光源から照射される光が発光面を明るくすることのために有効に使われていないという状況や、光源に近い箇所と光源から遠い箇所との間で発光面の明るさの違いが顕著に生じるとい状況があった。そのため、発光面を明るくするのに維持費の嵩む照度の大きな光源を用いざるを得なくなるという問題や、発光面の明るさを一様にすることが困難であったために面発光装置を大きな発光面を有する広告その他の発光表示に使用することが困難であった。
【0007】
本発明は以上の状況に鑑みてなされたものであり、本発明は、光源の光が発光面を明るくすることのために有効に利用され、しかも、光源からの遠近にかかわらず、発光面全体の明るさが一様になりやすい面発光装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、少ない電力で大きな発光面の全体を一様な明るさで発光させることのできる面発光装置を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、発光面に具備させた広告その他の表示が見やすくなる面発光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る面発光装置は、表面が発光面として形成された透光性を有する板状体と、上記板状体の背面側に配備される反射面とを備えている。そして、上記板状体の背面と上記反射面とが隙間スペースを介して相対向されて上記板状体の背面が乱反射面として形成され、上記板状体の端面と上記隙間スペースとに光を照射する光源を有している。
【0011】
この構成によると、光源の光が、透光性を有する板状体の端面に照射されるだけでなく、板状体の背面及び反射面の相互間の隙間スペースにも照射される。そして、板状体の端面に照射された光が、その板状体を透過し、また、板状体の背面でなる乱反射面で乱反射してその表面の発光面から出ていく。
ここで、光源の光が板状体の端面に照射されているだけであれば、板状体の背面の乱反射面で光が乱反射されるとしても、発光面は光源に近い箇所が明るくなり、光源から離れた箇所ほど暗くなるとも考えられる。
【0012】
しかし、この発明では、光源の光が上記隙間スペースにも照射され、その隙間スペースに入った光が、板状体の背面の乱反射面で乱反射すると共に、直接に反射面で反射したり、乱反射面で乱反射した光が反射面で反射したりする。このため、乱反射面で乱反射した光が反射面の全体に平均化されて入射して反射した後、乱反射面を通過して板状体を透過するという状況が起こる。したがって、反射面の全体に入射した一様な明るさの光がその反射面で反射して発光面を所謂間接照明するという状況が起こり、発光面の全体が一様な明るさになる。
【0013】
本発明において、上記板状体は、背面が梨子地状に粗面加工されたアクリル、ポリスチレン又はポリカーボネートから選ばれる樹脂板でなり、上記板状体の端面に光を照射する光源と上記隙間スペースに光を照射する光源とが同一のLED素子によって兼用されていることが望ましい。これによれば、板状体が優れた透光性を発揮する樹脂板でなるので、光量の損失が少なくなって発光面が明るくなる。また、光源にLED素子を用いることにより、蛍光灯や白熱電球を用いる場合に比べて消費電力量が少なくなるだけでなく、LED素子の耐用寿命が蛍光灯や白熱電球の耐用寿命に比べて格段に長いことにより維持費が安く抑えられるという利点がある。その上、板状体の端面に光を照射する光源と隙間スペースに光を照射する光源とを同一のLED素子によって兼用したことにより、それらの光源を別々に用いる場合に比べて光源の設置スペースが狭くて済むので、装置全体の大きさの割りに発光面の大きさを大きくすることが容易になる。
【0014】
本発明では、上記光源が、上記板状体の端面に沿って並べられた複数個のLED素子でなるLED素子群でなるという構成を採用することが可能であり、これによれば、LED素子群によって光源をユニット化することが容易になり、そのことが、光源の組付け作業を容易にすることに役立つ。
【0015】
本発明では、上記板状体の表面側に、広告その他の表示部が具備されているものであってもよく、このように構成された面発光装置は、広告その他の必要情報を表示する発光表示板として有益である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る面発光装置の具体的構造を例示した概略縦断側面図である。この面発光装置は、透光性を有する板状体1と、板状体1の背面側に対向配備された板状の反射体2と、光源3とを有し、これらが枠状の筐体4の内部に収容されている。
【0017】
板状体1は、アクリル、ポリスチレン又はポリカーボネートから選ばれる樹脂板でなる。これらの樹脂板は光透過性(透光性)に優れていて、衝撃や温度変化に対しても割れや変形を生じにくい性質を備えている。板状体1は透明であっても半透明であってもよい。板状体1に用いる樹脂板として上掲のいずれを選択するかは、当該面発光装置の設置環境や性能、価格などの諸条件を勘案して適宜選定すべきである。板状体1の表面は平滑な発光面12として形成されているのに対し、背面は乱反射面13として形成されている。この乱反射面13は、板状体1の背面にサドブラスト加工又はレーザ加工などの粗面加工を施すことによって形成することが可能であり、すり硝子の粗面に見られるものと同程度の梨子地状の粗面でなる。したがって、この乱反射面13は、板状体1を形作っている樹脂層の内部に入射された光を発光面12側へ乱反射する機能と、板状体1の樹脂層の外側からその乱反射面13に照射された光を乱反射する機能とを発揮する。また、乱反射面13は、板状体1の樹脂層の内側や外側からその乱反射面13に照射された光を透過させる機能をも発揮する。
【0018】
反射体2は、上記板状体1の乱反射面13に対向している内面が反射面21として形成されていて、反射体2自体は透光性を備えていない。そして、板状体1の乱反射面13と反射体2の反射面21との間には後述する光源3によって照射された光を乱反射面13や反射面21の全体に行き渡らせるのに十分な広さの隙間スペースSが確保されている。この隙間スペースSの広さは、板状体1と反射体2との間に介在されたスペーサ5によって規定されている。反射体2には、不透明の樹脂板又は金属板を用いることが可能であり、反射面2は鏡面に仕上げられている。
【0019】
図1に示した面発光装置において、光源3は、板状体1の上端面14と隙間スペースSのスリット状の上部開口S1の両方に光を照射し得る位置に配備されている。また、図例の光源3は、板状体1の上端面14と隙間スペースSの上部開口S1の両方に光を照射し得る位置で、板状体1の上端面14に沿って等間隔に並べられた複数のLED素子でなるLED素子群によって形成されている。そして、個々のLED素子は、筐体4の上部に取り付けられた配線基板32に搭載されている。このように、LED素子群でなる光源3を搭載した配線基板32を筐体4に取り付けるようにしておくと、光源3と配線基板32とがユニット化されて光源3を筐体4に組み付けるときの作業性が向上するという利点がある。
【0020】
以上のように構成された面発光装置において、光源3を点灯すると、光源3の光が板状体1の上端面14と隙間スペースSのスリット状の上部開口S1との両方に照射される。そして、図4の説明図に例示したように、板状体1の上端面14に照射された光aが、a1,a2,a3のように板状体14を透過して発光面12から出たり、板状体1の乱反射面13で乱反射して発光面12から出たりする。そのため、光源3に近い箇所と遠い箇所との間の発光面12の明るさの差が幾分かは軽減されるものの、これだけでは発光面12の明るさの差が十分には解消されない。
【0021】
そこで、この面発光装置では、板状体1の背部に隙間スペースSを隔てて反射体2を配置し、その反射体2の鏡面仕上げされた反射面21によって板状体1の発光面12を間接照明する機能を具備させ、もって光源3の光が発光面12の全体に万遍なく行き渡るようにしてある。すなわち、隙間スペースSに、スリット状の上部開口S1から光源3の光が照射されるので、図4のように隙間スペースSに入った光bが、直接に反射面21で反射(反射光をb1で示してある)したり、板状体1の乱反射面13で乱反射(反射光をb2で示してある)したり、乱反射面13で乱反射した光が反射面21で反射(反射光をb3で示してある)したり、乱反射面13を透過したりする。そのうち、乱反射面13で乱反射した光b2は反射面21の全体に平均化されて入射して反射するため、乱反射面13を通過して板状体1を透過するという状況が起こる。したがって、反射面21の全体に入射した一様な明るさの光がその反射面21で反射して発光面12を間接照明するという状況が起こり、発光面12の全体が一様な明るさになる。
【0022】
したがって、たとえば、板状体1の表面側に、広告その他の表示部(不図示)を具備させておくと、表示部に光源の光が一様に届いて表示部の表示事項が明瞭に表示される。表示部は、光隠蔽部や光透過部を印刷によって形成した樹脂フィルムを板状体1の発光面12に密着状態で重ね合わせることによって形成することができるほか、板状体1の発光面12に直接に印刷することによっても形成することができる。
【0023】
また、光源3をLED素子群で構成したことにより、蛍光灯や白熱電球を用いる場合に比べて消費電力量が極端に少なくなり、しかも、光源3の耐用寿命や蛍光灯や白熱電球の耐用寿命に比べて格段に長くなって維持費を安く抑えることが可能になる。
【0024】
図1で説明した実施形態では、光源3を筐体4の上部だけに設置してあるけれども、この点は、光源3を筐体4の下部だけに設置しても、筐体4の上部と下部との両方に設置しても、さらには、筐体4の左右の一方又は両方に設置しても、筐体4の上下及び左右に設置しておくことも可能である。要するに、板状体1が矩形であれば、その4つの端面の少なくとも1つの端面と上記隙間スペースSの開口とに臨ませておけばよい。
【0025】
図2は他の実施形態を説明的に示してある。この事例では、板状の反射体2の両面をそれぞれ反射面21,21として形成し、反射体2の両側に隙間スペースS,Sを隔てて板状体1,1を配備し、それぞれの板状体1の背面を乱反射面13,13とすると共に、それらの板状体1の表面を発光面12としてある。また、反射体2の上部両側に光源3,3を設置し、これらの光源3,3の光が、板状体1,1の上端面14,14や隙間スペースSの開口S1,S1に照射されるようにしてある。この事例によると、互いに反対側を向いている2つの発光面12,12の全体に光源の光が万遍なく届いてその発光面12,12の明るさが一様になる。その他の作用は、図1で説明したものと同様に発揮される。
【0026】
図3はさらに他の実施形態を説明的に示してある。この事例では、三角柱状の反射体2の3つの面をそれぞれ反射面21…として形成し、それらの各反射面21…に隙間スペースS,Sを隔てて板状体1…を配備し、それぞれの板状体1…の背面を乱反射面13,13とすると共に、それらの板状体1の表面を発光面12としてある。また、板状体1の上部に光源3…を設置し、これらの光源3…の光が、それぞれの板状体1の上端面や隙間スペースSの開口に照射されるようにしてある。この事例によると、3つの発光面12…の全体に光源3の光が万遍なく届いてそれらの発光面12…の明るさが一様になる。その他の作用は、図1で説明したものと同様に発揮される。
【0027】
なお、板状体の発光面や乱反射面を湾曲形状に形成しておいてもよい。また、LED素子群によって光源3を形成する場合には、複数のLED素子を1列に並べる場合のほか、2列又はそのより多い列に並べて形成してもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、光源の光が発光面を明るくすることのために有効に利用され、しかも、光源からの遠近にかかわらず、発光面全体の明るさが一様になりやすい面発光装置を提供することが可能になる。しかも、本発明によれば、少ない電力で大きな発光面の全体を一様な明るさで発光させることができるという効果や、発光面に具備させた広告その他の表示が見やすくなるという効果も奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る面発光装置の具体的構造を例示した概略縦断側面図である。
【図2】他の実施形態を示した説明図である。
【図3】さらに他の実施形態を示した説明図である。
【図4】作用説明図である。
【符号の説明】
1 板状体
3 光源
12 発光面
13 乱反射面
21 反射面
S 隙間スペース
Claims (4)
- 表面が発光面として形成された透光性を有する板状体と、上記板状体の背面側に配備される反射面とを備える面発光装置において、
上記板状体の背面と上記反射面とが隙間スペースを介して相対向されて上記板状体の背面が乱反射面として形成され、上記板状体の端面と上記隙間スペースとに光を照射する光源を有していることを特徴とする面発光装置。 - 上記板状体は、背面が梨子地状に粗面加工されたアクリル、ポリスチレン又はポリカーボネートから選ばれる樹脂板でなり、上記板状体の端面に光を照射する光源と上記隙間スペースに光を照射する光源とが同一のLED素子によって兼用されていることを特徴とする面発光装置。
- 上記光源が、上記板状体の端面に沿って並べられた複数個のLED素子でなるLED素子群でなる請求項1に記載した面発光装置。
- 上記板状体の表面側に、広告その他の表示部が具備されている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した面発光装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007025580A (ja) * | 2005-07-21 | 2007-02-01 | Sharp Corp | 電気機器および空気調節機器 |
JP2007232790A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-13 | Inaba Denki:Kk | 照明式表示装置 |
JP2008139511A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-06-19 | Inaba Denki:Kk | 照明式表示装置用表示板とそれを用いた照明式表示装置 |
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2002
- 2002-08-23 JP JP2002243361A patent/JP2004085677A/ja active Pending
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JP4712466B2 (ja) * | 2005-07-21 | 2011-06-29 | シャープ株式会社 | 空気調節機器 |
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