JP2004085409A - モバイル型材料評価システム - Google Patents
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Abstract
【課題】実機構造物から微小なサンプル試料を採取し、その場で微小なサンプル試料を加工し材料試験を行うことができる持ち運び可能なモバイル型材料評価システムを提供することである。
【解決手段】サンプル試験採取装置11で実機構造物21からサンプル試料を採取し、サンプル試料採取装置11で採取したサンプル試料をその場で試験片加工装置12により試験片に加工する。そして、材料試験装置13は試験片加工装置12で加工された試験片の特性をその場で測定する。これにより、実機構造物21への機能的および経済的損失を最小限に留め、測定結果をその場で得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】サンプル試験採取装置11で実機構造物21からサンプル試料を採取し、サンプル試料採取装置11で採取したサンプル試料をその場で試験片加工装置12により試験片に加工する。そして、材料試験装置13は試験片加工装置12で加工された試験片の特性をその場で測定する。これにより、実機構造物21への機能的および経済的損失を最小限に留め、測定結果をその場で得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料や非金属材料の微小なサンプル試料の材料特性試験を現地にて行うのに好適なモバイル型材料評価システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
損傷を受ける実機構造物においては、損傷の程度や余寿命に対する評価や診断を行っている。この診断や評価として、予め引張り試験や疲労試験等種々の材料試験を行い、その引張り試験や疲労試験等種々の材料試験により得られる材料試験データに、実機構造物の使用条件や使用履歴を参照させる。これにより、間接的に損傷の程度や余寿命に対する評価や診断を行っている。
【0003】
一方、より的確な評価や診断を必要とする場合には、実際に損傷を受ける実機構造物から直接実機構造部材をサンプル試料として採取し、材料試験を行うことによって材料特性を評価するようにしている。すなわち、実機構造物から切り出したサンプル試料を材料試験片加工装置で加工し、その加工した試験片に対して材料試験装置で材料試験を行う。これにより、損傷の程度や余寿命を的確に評価し診断するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実機構造物から直接サンプル試料を切り出し、実機構造物の評価や診断をする場合は、実機構造物から切り出したサンプル試料を材料試験片加工装置や材料試験装置の設置場所まで移動させなければならない。また、材料特性評価試験を行う場合には、ある程度の大きさのサンプル試料を切り出すことになるので、切り出すサンプル試料が多くなると、実機構造物に機能的および経済的な損失を与えることになる。
【0005】
本発明の目的は、実機構造物から概ね1mm四方、厚み以下のオーダーによる微小なサンプル試料を採取し、その場で微小なサンプル試料を加工し材料試験を行うことができる持ち運び可能なモバイル型材料評価システムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るモバイル型材料評価システムは、実機構造物から微小なサンプル試料を採取する微小サンプル試料採取装置と、前記微小サンプル試料採取装置で採取した微小なサンプル試料を微小試験片に加工する微小試験片加工装置と、前記微小試験片加工装置で加工された微小試験片の特性を測定する微小材料試験装置とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明に係るモバイル型材料評価システムにおいては、微小サンプル試験採取装置で実機構造物から微小なサンプル試料を採取し、微小サンプル試料採取装置で採取した微小なサンプル試料をその場で微小試験片加工装置により微小試験片に加工する。そして、微小材料試験装置は微小試験片加工装置で加工された微小試験片の特性をその場で測定する。これにより、実機構造物への機能的および経済的損失を最小限に留め、測定結果をその場で得ることができる。
【0008】
請求項2の発明に係るモバイル型材料評価システムは、実機構造物から微小なサンプル試料を採取する微小サンプル試料採取装置と、前記微小サンプル試料採取装置で採取した微小なサンプル試料を微小試験片に加工する微小試験片加工装置と、前記微小試験片加工装置で加工された微小試験片の特性を測定する微小材料試験装置と、前記微小材料試験装置の測定結果を保存すると共にデータ処理するデータ処理装置を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係るモバイル型材料評価システムにおいては、微小サンプル試験採取装置で実機構造物から微小なサンプル試料を採取し、微小サンプル試料採取装置で採取した微小なサンプル試料をその場で微小試験片加工装置により微小試験片に加工する。そして、微小試験片加工装置で加工された微小試験片の特性をその場で測定し、測定結果をデータ処理装置に保存すると共に必要に応じてデータ処理を行う。これにより、実機構造物への機能的および経済的損失を最小限に留め、測定結果をその場で得ることができ、さらに実機構造物の材料特性を得ることができる。
【0010】
請求項3の発明に係るモバイル型材料評価システムは、請求項1または請求項2の発明において、前記微小試験片採取装置は、小型の放電加工機、小型の超音波加工機の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明に係るモバイル型材料評価システムにおいては、小型の放電加工機、小型の超音波加工機のいずれかにより実機構造物から微小なサンプル試料を採取する。これにより、実機構造物の機械的損傷がほとんどなく実機構造物の損傷状態を保持したままサンプル試料を採取できる。
【0012】
請求項4の発明に係るモバイル型材料評価システムは、請求項1または請求項2の発明において、前記微小材料加工装置は、小型の旋盤、小型の放電加工機、小型の電解加工機、小型の超音波加工機の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明に係るモバイル型材料評価システムにおいては、小型の旋盤、小型の放電加工機、小型の電解加工機、小型の超音波加工機のいずれかにより、微小なサンプル試料を微小試験片に加工する。これにより、実機構造物がある現地にて迅速に微小試験片を加工することができる。
【0014】
請求項5の発明に係るモバイル型材料評価システムは、請求項1または請求項2の発明において、前記微小材料試験装置は、小型の引張試験機、小型の衝撃試験機、小型の疲労試験機の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明に係るモバイル型材料評価システムにおいては、実機構造物における種々の損傷状態に対して材料評価を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明において、本発明で言う「微小」とは1mm四方、厚み以下を指し、また、「小型」とは従来の装置との比較のために用いており携帯可能であれば一層望ましい。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るモバイル型材料評価システムの構成図である。工場2における実機構造物21の損傷の程度や余寿命に対する評価や診断を行うにあたっては、携帯可能なモバイル型材料評価システム1を実機構造物21の現場まで携帯して運搬する。モバイル型材料評価システム1は、微小サンプル試料採取装置11と微小試験片加工装置12と微小材料試験装置13とから構成されている。
【0018】
微小サンプル試料採取装置11は、携帯可能な小型の試料採取装置であり、実機構造物21から微小なサンプル試料を採取するものであり、微小サンプル試料採取装置11として小型放電加工機、小型超音波加工機を用いる。一般に、小型放電加工機、小型超音波加工機は加工の際に被加工材への機械的影響を小さく抑えることができるので、実機構造物21から微小なサンプル試料を採取する際に実機構造物21に機械的影響を与えることがない。従って、実機構造物21の損傷状態を保持したままサンプル試料を採取できる。
【0019】
微小試験片加工装置12は携帯可能な小型の試験片加工装置であり、微小サンプル試料採取装置11で採取した微小なサンプル試料を微小試験片に加工するものである。微小試験片加工装置12としては、小型旋盤、小型放電加工機、小型電解加工機、小型超音波加工機を用いる。
【0020】
小型旋盤は、電気的な効果により加工する加工機に比較して迅速に加工できるので、これを用いた場合には、実機構造物21の現地にて迅速に微小試験片を加工できる。また、小型放電加工機、小型電解加工機、小型超音波加工機は、加工の際に被加工材への機械的影響を小さく抑えることができるので、これを用いた場合には、実機構造物21に機械的影響を与えることなく、実機構造物21の損傷状態を保持したまま微小試験片を加工することができる。
【0021】
微小材料試験装置13は携帯可能な小型の材料試験装置であり、微小試験片加工装置12で加工された微小試験片の特性を測定するものである。微小材料試験装置13としては、小型引張試験機、小型衝撃試験機、小型疲労試験機を用いる。
【0022】
小型引張試験機は引張試験を行うものであり、この小型引張試験機により得られたデータは、一般的に多様な材料特性を評価することができるものであるので、これを用いた場合、実機構造物21における種々の損傷状態に対して材料評価を行うことができる。すなわち、実機構造物21から採取したサンプル試料を直接的に材料試験する際に、種々の状況に置かれた実機構造物の材料特性評価に対応することができる。
【0023】
小型衝撃試験機は衝撃試験を行うものである。種々の状況下に置かれた実機構造物21においては、延性の低下(脆化)に起因して材料劣化が進行する場合もあり、このような場合に対しては、小型衝撃試験機により脆化に関する評価データを取得することが有効である。すなわち、本形態によれば、実機構造物21から採取したサンプル試料を直接的に材料試験する際に、特に脆化に起因して材料劣化が進行した場合に対して精度の良い評価をすることができる。
【0024】
小型疲労試験機は疲労試験を行うものである。実機構造物21においては、疲労現象に起因して材料劣化が進行する場合が多く、このような場合に対しては、実機構造物21より採取した微小なサンプル試料を疲労試験に供し、直接的に余寿命を測定することが有効である。すなわち、実機構造物21から採取したサンプルを直接的に材料試験する際に、疲労現象による余寿命の評価を行う場合に対して精度の良い評価をすることができる。
【0025】
第1の実施の形態によれば、モバイル型材料評価システム1は携帯可能であるので、現地で実機構造物21より直接微小なサンプル試料を採取し、その場で微小材料試験片を加工し材料試験を行うことができる。また、サンプル試料は微小とすることができるので、サンプル試料を切り出し採取することによる実機構造物21への機能的および経済的損失を最小限に留めることができる。さらに、切り出したサンプル試料を材料試験装置の設置場所まで移動させる必要がないので試験に要する時間や費用を抑制できる。
【0026】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係るモバイル材料評価システム1の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、微小材料試験装置13の測定結果を保存すると共にデータ処理するデータ処理装置14を追加して設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する記載は省略する。
【0027】
図2において、微小材料試験装置13の材料試験の実施により、微小試験片から得られる計測データはデータ処理装置14の材料特性データベース15に取り込まれ保存される。また、データ処理装置14は材料特性データベース15に保存された計測データをデータ処理し、実機構造物21の材料特性を求める。これにより、実機構造物21から採取したサンプル試料を直接的に材料試験する際に、迅速かつ正確に実機構造物21の材料特性を求めることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、モバイル型材料評価システムは携帯可能であるので、現地で実機構造物より直接微小なサンプル試料を採取し、その場で微小材料試験片を加工し材料試験を行うことができる。これにより、材料の試験に要する時間や費用を抑制でき、実際に損傷を受ける実機構造物の材料特性を直接的に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るモバイル型材料評価システムの構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るモバイル型材料評価システムの構成図。
【符号の説明】
1…モバイル型材料評価システム、2…工場、11…微小サンプル試料採取装置、12…微小試験片加工装置、13…微小材料試験装置、14…材料特性データベース、21…実機構造物
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料や非金属材料の微小なサンプル試料の材料特性試験を現地にて行うのに好適なモバイル型材料評価システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
損傷を受ける実機構造物においては、損傷の程度や余寿命に対する評価や診断を行っている。この診断や評価として、予め引張り試験や疲労試験等種々の材料試験を行い、その引張り試験や疲労試験等種々の材料試験により得られる材料試験データに、実機構造物の使用条件や使用履歴を参照させる。これにより、間接的に損傷の程度や余寿命に対する評価や診断を行っている。
【0003】
一方、より的確な評価や診断を必要とする場合には、実際に損傷を受ける実機構造物から直接実機構造部材をサンプル試料として採取し、材料試験を行うことによって材料特性を評価するようにしている。すなわち、実機構造物から切り出したサンプル試料を材料試験片加工装置で加工し、その加工した試験片に対して材料試験装置で材料試験を行う。これにより、損傷の程度や余寿命を的確に評価し診断するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実機構造物から直接サンプル試料を切り出し、実機構造物の評価や診断をする場合は、実機構造物から切り出したサンプル試料を材料試験片加工装置や材料試験装置の設置場所まで移動させなければならない。また、材料特性評価試験を行う場合には、ある程度の大きさのサンプル試料を切り出すことになるので、切り出すサンプル試料が多くなると、実機構造物に機能的および経済的な損失を与えることになる。
【0005】
本発明の目的は、実機構造物から概ね1mm四方、厚み以下のオーダーによる微小なサンプル試料を採取し、その場で微小なサンプル試料を加工し材料試験を行うことができる持ち運び可能なモバイル型材料評価システムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るモバイル型材料評価システムは、実機構造物から微小なサンプル試料を採取する微小サンプル試料採取装置と、前記微小サンプル試料採取装置で採取した微小なサンプル試料を微小試験片に加工する微小試験片加工装置と、前記微小試験片加工装置で加工された微小試験片の特性を測定する微小材料試験装置とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明に係るモバイル型材料評価システムにおいては、微小サンプル試験採取装置で実機構造物から微小なサンプル試料を採取し、微小サンプル試料採取装置で採取した微小なサンプル試料をその場で微小試験片加工装置により微小試験片に加工する。そして、微小材料試験装置は微小試験片加工装置で加工された微小試験片の特性をその場で測定する。これにより、実機構造物への機能的および経済的損失を最小限に留め、測定結果をその場で得ることができる。
【0008】
請求項2の発明に係るモバイル型材料評価システムは、実機構造物から微小なサンプル試料を採取する微小サンプル試料採取装置と、前記微小サンプル試料採取装置で採取した微小なサンプル試料を微小試験片に加工する微小試験片加工装置と、前記微小試験片加工装置で加工された微小試験片の特性を測定する微小材料試験装置と、前記微小材料試験装置の測定結果を保存すると共にデータ処理するデータ処理装置を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係るモバイル型材料評価システムにおいては、微小サンプル試験採取装置で実機構造物から微小なサンプル試料を採取し、微小サンプル試料採取装置で採取した微小なサンプル試料をその場で微小試験片加工装置により微小試験片に加工する。そして、微小試験片加工装置で加工された微小試験片の特性をその場で測定し、測定結果をデータ処理装置に保存すると共に必要に応じてデータ処理を行う。これにより、実機構造物への機能的および経済的損失を最小限に留め、測定結果をその場で得ることができ、さらに実機構造物の材料特性を得ることができる。
【0010】
請求項3の発明に係るモバイル型材料評価システムは、請求項1または請求項2の発明において、前記微小試験片採取装置は、小型の放電加工機、小型の超音波加工機の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明に係るモバイル型材料評価システムにおいては、小型の放電加工機、小型の超音波加工機のいずれかにより実機構造物から微小なサンプル試料を採取する。これにより、実機構造物の機械的損傷がほとんどなく実機構造物の損傷状態を保持したままサンプル試料を採取できる。
【0012】
請求項4の発明に係るモバイル型材料評価システムは、請求項1または請求項2の発明において、前記微小材料加工装置は、小型の旋盤、小型の放電加工機、小型の電解加工機、小型の超音波加工機の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明に係るモバイル型材料評価システムにおいては、小型の旋盤、小型の放電加工機、小型の電解加工機、小型の超音波加工機のいずれかにより、微小なサンプル試料を微小試験片に加工する。これにより、実機構造物がある現地にて迅速に微小試験片を加工することができる。
【0014】
請求項5の発明に係るモバイル型材料評価システムは、請求項1または請求項2の発明において、前記微小材料試験装置は、小型の引張試験機、小型の衝撃試験機、小型の疲労試験機の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明に係るモバイル型材料評価システムにおいては、実機構造物における種々の損傷状態に対して材料評価を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明において、本発明で言う「微小」とは1mm四方、厚み以下を指し、また、「小型」とは従来の装置との比較のために用いており携帯可能であれば一層望ましい。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るモバイル型材料評価システムの構成図である。工場2における実機構造物21の損傷の程度や余寿命に対する評価や診断を行うにあたっては、携帯可能なモバイル型材料評価システム1を実機構造物21の現場まで携帯して運搬する。モバイル型材料評価システム1は、微小サンプル試料採取装置11と微小試験片加工装置12と微小材料試験装置13とから構成されている。
【0018】
微小サンプル試料採取装置11は、携帯可能な小型の試料採取装置であり、実機構造物21から微小なサンプル試料を採取するものであり、微小サンプル試料採取装置11として小型放電加工機、小型超音波加工機を用いる。一般に、小型放電加工機、小型超音波加工機は加工の際に被加工材への機械的影響を小さく抑えることができるので、実機構造物21から微小なサンプル試料を採取する際に実機構造物21に機械的影響を与えることがない。従って、実機構造物21の損傷状態を保持したままサンプル試料を採取できる。
【0019】
微小試験片加工装置12は携帯可能な小型の試験片加工装置であり、微小サンプル試料採取装置11で採取した微小なサンプル試料を微小試験片に加工するものである。微小試験片加工装置12としては、小型旋盤、小型放電加工機、小型電解加工機、小型超音波加工機を用いる。
【0020】
小型旋盤は、電気的な効果により加工する加工機に比較して迅速に加工できるので、これを用いた場合には、実機構造物21の現地にて迅速に微小試験片を加工できる。また、小型放電加工機、小型電解加工機、小型超音波加工機は、加工の際に被加工材への機械的影響を小さく抑えることができるので、これを用いた場合には、実機構造物21に機械的影響を与えることなく、実機構造物21の損傷状態を保持したまま微小試験片を加工することができる。
【0021】
微小材料試験装置13は携帯可能な小型の材料試験装置であり、微小試験片加工装置12で加工された微小試験片の特性を測定するものである。微小材料試験装置13としては、小型引張試験機、小型衝撃試験機、小型疲労試験機を用いる。
【0022】
小型引張試験機は引張試験を行うものであり、この小型引張試験機により得られたデータは、一般的に多様な材料特性を評価することができるものであるので、これを用いた場合、実機構造物21における種々の損傷状態に対して材料評価を行うことができる。すなわち、実機構造物21から採取したサンプル試料を直接的に材料試験する際に、種々の状況に置かれた実機構造物の材料特性評価に対応することができる。
【0023】
小型衝撃試験機は衝撃試験を行うものである。種々の状況下に置かれた実機構造物21においては、延性の低下(脆化)に起因して材料劣化が進行する場合もあり、このような場合に対しては、小型衝撃試験機により脆化に関する評価データを取得することが有効である。すなわち、本形態によれば、実機構造物21から採取したサンプル試料を直接的に材料試験する際に、特に脆化に起因して材料劣化が進行した場合に対して精度の良い評価をすることができる。
【0024】
小型疲労試験機は疲労試験を行うものである。実機構造物21においては、疲労現象に起因して材料劣化が進行する場合が多く、このような場合に対しては、実機構造物21より採取した微小なサンプル試料を疲労試験に供し、直接的に余寿命を測定することが有効である。すなわち、実機構造物21から採取したサンプルを直接的に材料試験する際に、疲労現象による余寿命の評価を行う場合に対して精度の良い評価をすることができる。
【0025】
第1の実施の形態によれば、モバイル型材料評価システム1は携帯可能であるので、現地で実機構造物21より直接微小なサンプル試料を採取し、その場で微小材料試験片を加工し材料試験を行うことができる。また、サンプル試料は微小とすることができるので、サンプル試料を切り出し採取することによる実機構造物21への機能的および経済的損失を最小限に留めることができる。さらに、切り出したサンプル試料を材料試験装置の設置場所まで移動させる必要がないので試験に要する時間や費用を抑制できる。
【0026】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係るモバイル材料評価システム1の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、微小材料試験装置13の測定結果を保存すると共にデータ処理するデータ処理装置14を追加して設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する記載は省略する。
【0027】
図2において、微小材料試験装置13の材料試験の実施により、微小試験片から得られる計測データはデータ処理装置14の材料特性データベース15に取り込まれ保存される。また、データ処理装置14は材料特性データベース15に保存された計測データをデータ処理し、実機構造物21の材料特性を求める。これにより、実機構造物21から採取したサンプル試料を直接的に材料試験する際に、迅速かつ正確に実機構造物21の材料特性を求めることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、モバイル型材料評価システムは携帯可能であるので、現地で実機構造物より直接微小なサンプル試料を採取し、その場で微小材料試験片を加工し材料試験を行うことができる。これにより、材料の試験に要する時間や費用を抑制でき、実際に損傷を受ける実機構造物の材料特性を直接的に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るモバイル型材料評価システムの構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るモバイル型材料評価システムの構成図。
【符号の説明】
1…モバイル型材料評価システム、2…工場、11…微小サンプル試料採取装置、12…微小試験片加工装置、13…微小材料試験装置、14…材料特性データベース、21…実機構造物
Claims (5)
- 実機構造物からサンプル試料を採取するサンプル試料採取装置と、前記サンプル試料採取装置で採取したサンプル試料を試験片に加工する試験片加工装置と、前記試験片加工装置で加工された試験片の特性を測定する材料試験装置とを備えたことを特徴とするモバイル型材料評価システム。
- 実機構造物からサンプル試料を採取するサンプル試料採取装置と、前記サンプル試料採取装置で採取したサンプル試料を試験片に加工する試験片加工装置と、前記試験片加工装置で加工された試験片の特性を測定する材料試験装置と、前記材料試験装置の測定結果を保存すると共にデータ処理するデータ処理装置を備えたことを特徴とするモバイル型材料評価システム。
- 前記試験片採取装置は、放電加工機、超音波加工機の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモバイル型材料評価システム。
- 前記材料加工装置は、旋盤、放電加工機、電解加工機、超音波加工機の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモバイル型材料評価システム。
- 前記材料試験装置は、引張試験機、衝撃試験機、疲労試験機の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモバイル型材料評価システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002248089A JP2004085409A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | モバイル型材料評価システム |
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JP2002248089A JP2004085409A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | モバイル型材料評価システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004085409A true JP2004085409A (ja) | 2004-03-18 |
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JP (1) | JP2004085409A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019117212A (ja) * | 2014-07-29 | 2019-07-18 | 積水化学工業株式会社 | 樹脂配管システムの劣化診断方法 |
-
2002
- 2002-08-28 JP JP2002248089A patent/JP2004085409A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019117212A (ja) * | 2014-07-29 | 2019-07-18 | 積水化学工業株式会社 | 樹脂配管システムの劣化診断方法 |
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