JP2004085369A - 2個の独立移動体の相対位置関係認識装置 - Google Patents

2個の独立移動体の相対位置関係認識装置 Download PDF

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Abstract

【課題】2個の移動体が、相対位置関係を維持しながら独立して移動することを可能とするための相対位置関係認識装置を提供する。
【解決手段】一方の独立移動体には、2個の独立移動体の間隔方向に沿って配置された高さを異にする少なくとも2個のマーカを固定しておく。他方の独立移動体には、マーカ群を撮影する撮影装置を固定しておく。撮影視野内の2個のマーカ位置を分析して2個の独立移動体の相対位置関係を認識する。例えば、2個のマーカ位置が離反すれば2個の独立移動体の間隔が接近したと認識し、2個のマーカ位置が傾けば間隔に直交する方向にずれたと認識し、2個のマーカ位置がともに移動すれば間隔方向に対して回転したと認識する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は独立に移動できる2個の移動体の相対位置関係を認識する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、無人搬送車で大型物体を搬送する場合には、大型物体を積載できる大型の無人搬送車が必要とされる。一台では大型物体を積載できない小型の無人搬送車が2台以上あっても、現在の技術では複数の小型無人搬送車によって大型物体を搬送することはできない。2個の独立移動体の相対位置関係を維持しながら2個の移動体を独立に移動させる技術が開発されていないからである。2個の移動体の相対位置関係を維持しながら2個の移動体を独立に移動させるためには2個の独立移動体の相対位置関係を認識する技術が必要とされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、2個の独立移動体の相対位置関係を認識する技術を提案する。これが完成すれば、2個の独立移動体の相対位置関係を維持しながら2個の移動体を独立に移動させることが可能となり、例えば複数の小型の無人搬送車によって大型物体を搬送することが可能となる。幅広大型物体の左右両端を左右2台の小型無人搬送車に積載した状態で左右2台の小型無人搬送車が相対位置関係を維持しながら並列走行することができれば、幅広大型物体を2台の小型無人搬送車で搬送することができる。縦長大型物体の前後両端を前後2台の小型無人搬送車に積載した状態で前後2台の小型無人搬送車が相対位置関係を維持しながら縦列走行することができれば、縦長大型物体を2台の小型無人搬送車で搬送することができる。それら技術を組合わせると、3台の小型無人搬送車や4台の小型無人搬送車でないと積載できないような大型物体の搬送が可能となる。
【0004】
【課題を解決するための手段と作用】請求項1の発明は、2個の独立移動体の相対位置関係を認識する装置を提供する。この認識装置では、一方の独立移動体に少なくとも2個のマーカが固定されている。2個以上のマーカは高さを異にする。他方の独立移動体には撮影装置が配置されている。その撮影装置は前記したマーカ群を撮影する。そしてコンピュータが、撮影装置の撮影視野内における少なくとも2個のマーカ位置を分析して2個の独立移動体の相対位置関係を認識する。
この相対位置認識装置によると、撮影視野内における少なくとも2個のマーカ位置によって、2個の独立移動体の間隔が接近したのか否か、間隔に直交する方向にずれたのか否か、間隔方向に対して回転したのか否かを認識することができる。
【0005】
2個以上の高さを異にするマーカ群は、2個の独立移動体の間隔を測定したい方向に沿って配置されていることが好ましい。また、他方の独立移動体に配置された撮影装置はその独立移動体に固定されていることが好ましい。特に、他方の独立移動体までの距離を測定したい方向に沿って撮影方向が固定されていることが好ましい。
この相対位置認識装置によると、コンピュータが簡単な計算をすることによって、2個の独立移動体の間隔が接近したのか否か、間隔に直交する方向にずれたのか否か、間隔方向に対して回転したのか否かを認識することができる。
【0006】
具体的には、請求項3に記載のように、コンピュータに、視野内における2個のマーカ位置が離反すれば2個の独立移動体の間隔が接近したと認識し、2個のマーカ位置が傾けば間隔に直交する方向にずれたと認識し、2個のマーカ位置がともに移動すれば間隔方向に対して回転したと認識するプログラムを記憶しておく。
【0007】
上記によると、少なくとも2個のマーカと撮影装置とプログラムとによって、2個の独立移動体の相対位置関係が所定の相対位置関係からずれたか否かを認識でき、ずれた場合にはどのようにずれたのかを認識することができる。この技術を用いると、2個の独立移動体の相対位置関係を維持するのに必要な修正量を知ることができ、2個の独立移動体を所定の相対位置関係に維持しながら移動させることができる。
【0008】
【実施の形態】以下に、本発明の相対位置関係認識装置を、2台で一対となって一定の相対位置関係を維持しながら移動する無人搬送車に適用した場合について説明する。最初に、本発明の主要な形態を列挙する。
(形態1)相対位置の基準となる無人搬送車に、他方の無人搬送車との間で維持する間隔方向に沿って配置された2個の高さの異なるマーカが固定されている。
(形態2)形態1のマーカは、撮影装置が撮影する画像のなかにコンピュータのプログラムが識別可能な色もしくは輝度で記録される。
(形態3)マーカを撮影する撮影装置は、撮影した画像をコンピュータが処理可能なデータとして出力することのできるカメラである。
(形態4)コンピュータは、形態3のカメラの撮影した画像データを受信するインターフェース部分と、CPUと、2個のマーカの位置を認識する画像処理プログラムと、その位置の解析結果から無人搬送車間の相対位置関係をもとめる比較演算プログラムと、記憶装置から構成されている。
【0009】
【実施例】以下、図を参照しつつ、本発明の相対位置関係認識装置のいくつかの実施例を詳細に説明する。
(第1実施例)
図1は、2個の独立移動体の相対位置関係認識装置を、2台で一対となって一定の間隔を維持しながら横並びで並列走行する無人搬送車A,Bに適用した場合の実施例を図示している。本実施例では、無人搬送車A,Bが維持する間隔方向が進行方向に対して直交しているため、無人搬送車Aに固定された2個のマーカ1a,1bは進行方向に対して直交する線上に固定されている。走行中はマーカ1a,1bが点灯し、カメラの画像データの中で背景から容易に識別することができる。マーカ1a,1bの高さは異なり、無人搬送車B側のマーカ1bの高さは反対側のマーカ1aの高さよりも低い。
【0010】
無人搬送車Bには、無人搬送車Aの2個のマーカ1a,1bが常時撮影範囲に入るように配置されたカメラ2と、カメラに接続されたコンピュータ3が固定されている。コンピュータ3の構成例を図5に示す。コンピュータは、カメラの撮影した画像データを受信するインターフェース部分と、CPUと、画像データのなかから2個のマーカ像を抽出してその位置を認識する画像処理プログラムと、抽出された2個のマーカ像の撮影視野内での位置座標を比較演算して2台の無人搬送車A,Bの相対位置を計算するプログラムと、計算された無人搬送車A,Bの相対位置関係を一時記憶する記憶装置から構成されている。
【0011】
図1の(1)は、2台の無人搬送車A,Bが、正しい相対位置関係にあって間隔D0を維持している基準状態と、その状態でカメラ2がマーカ1a、1bを撮影した画像データを示している。基準状態で撮影された視野内画像中での2個のマーカ像の水平方向の座標X1と、垂直方向の座標Y1,Y2と、マーカ像間の距離d0はコンピュータ3の記憶装置に基準データとして認識され記憶される。
【0012】
図1の(2)は、無人搬送車A,B間の間隔が、維持すべき基準値D0よりも離れた場合の、無人搬送車A,Bの相対位置と、その状態でカメラ2がマーカ1a、1bを撮影した画像データを示している。無人搬送車A,B間の間隔がD1と大きくなったことによって、画像データ中ではマーカ像の垂直方向の座標が移動し、2個のマーカ像間の距離がd1と小さくなる。コンピュータのプログラムは、画像データ中での2個のマーカ像間の距離d1が基準距離d0に比較して小さくなったことを検出することによって2台の無人搬送車A,Bの距離が離れたことを認識する。
【0013】
図1の(3)は、無人搬送車A,Bの一方が先行して進行方向の相対位置関係にずれが生じた場合の、無人搬送車A,Bの相対位置と、その状態でカメラ2がマーカ1a、1bを撮影した画像データを示している。無人搬送車A,B間に進行方向のズレD3が生じたことで、画像データ中では2個のマーカ像の水平方向の座標にずれが生じ、2個のマーカ像を結ぶ直線に角度α(垂直線からの傾き)が生じる。コンピュータのプログラムは、画像データ中での2個のマーカ像を結ぶ直線に角度が生じたことを検出すると、2台の無人搬送車のいずれか一方が先行して進行方向の相対位置関係にずれが生じたことを認識する。
【0014】
図1の(4)は、無人搬送車Bが無人搬送車Aとの間で維持する間隔方向に対して角度θ1だけ回転し、このまま進むと間隔が維持できなくなる場合の無人搬送車A,Bの相対位置と、その状態でカメラ2がマーカ1a、1bを撮影した画像データを示している。無人搬送車Bの間隔方向に対する回転に伴って、固定されているカメラも回転するため、画像データ中では2個のマーカ像の水平方向の座標がともに移動する。コンピュータのプログラムは、画像データ中の2個のマーカ像の位置が、基準となる間隔d0を維持しつつ、水平方向の座標が基準座標X1から同時に同一量d4だけ移動したことを検出すると、無人搬送車Bが回転したことを認識する。
【0015】
図1の(5)は、2台の無人搬送車Aと無人搬送車Bが進行方向から見て基準の相対位置関係にある場合を示している。画像データ中のマーカ像は、中央線cから等距離d5にある関係におかれている。図1の(6)は、走行する床面の凹凸等により無人搬送車Bが間隔方向に沿って傾いた場合を示している。この場合画像データ中では2個のマーカ像の位置が垂直方向に移動し、かつ、マーカ像間の距離が広がる。コンピュータのプログラムは、画像データから、2個のマーカ像の中央線cからの距離d6,d7を読み取って値の違いを検出すると、無人搬送車Bが無人搬送車A側に傾いたことを認識する。
【0016】
以上に述べてきたように、画像データ中のマーカ像位置を標準データと比較して解析することによって、無人搬送車A,Bの相対位置関係の変化を認識することができる。コンピュータに保存されている比較演算プログラムのフローチャートの一例を図6に示す。相対位置関係の変化が同時に二種類以上生じた場合も、コンピュータのプログラムは標準位置関係からのずれを認識することが可能である。たとえば、進行方向のずれD3と間隔方向のずれ(D1−D0)が同時に生じた場合、カメラからは、図1の(2)と図1の(3)のマーカ像の位置の変化が組み合わさった画像データが得られる。すなわち、マーカ像間の距離が標準距離から変化するとともに、マーカ像を結ぶ直線に角度が生じることになる。コンピュータのプログラムは、図6のS10でマーカ像間距離が離反したことを検出して無人搬送車が接近したことを認識する。さらにS14で、マーカ像位置が傾いたことを検出し、無人搬送車のどちらかが先行したことを認識する。
【0017】
以上のようにして、本実施例では、2台で一対となって一定の間隔を維持しつつ横並びで並列走行する無人搬送車が、独立に移動しながら、常時相対位置関係を認識することが可能となっている。すなわち、維持する間隔よりも接近しすぎたりはなれすぎたりしているか否か、併走しなければならないのに先行してしまったか否か、維持する間隔方向に対して回転したか否か、傾いたか否かを常時監視し認識することが可能である。
【0018】
(第2実施例)
図2は、本発明にかかる2個の移動体の相対位置関係認識装置を、2台で一対となって一定の間隔を維持しつつ1列の縦並びで縦列走行する無人搬送車に適用した場合の一実施例を図示している。本実施例では、無人搬送車A,Bが維持する間隔方向は進行方向と同一であるため、無人搬送車Aに固定された2個のマーカ1a,1bは進行方向と同一線上に固定されている。走行中はマーカ1a,1bが点灯し、カメラの画像データの中で背景からマーカ像が容易に識別できるようになっている。マーカ1a,1bの高さは異なり、無人搬送車B側のマーカ1bの高さは反対側のマーカ1aの高さよりも低い。無人搬送車Bには、無人搬送車Aの2個のマーカ1a,1bが常時撮影範囲に入るように配置されたカメラ2と、カメラ2から転送された画像データを処理して無人搬送車A,Bの相対位置関係を認識するプログラムを格納したコンピュータ3が固定されている。
【0019】
図2の(1)は、2台の無人搬送車A,Bが正しい相対位置関係にあって、間隔D8を維持している基準状態と、その状態でカメラ2がマーカ1a,1bを撮影した画像データを示している。基準状態で撮影された画像内での2個のマーカ像の水平方向の座標と垂直方向の座標とマーカ像間の距離d8は、コンピュータのプログラムに基準データとして認識され記憶される。
【0020】
図2の(2)は、無人搬送車Bの相対速度が無人搬送車Aよりも遅く、2台の無人搬送車A,Bの間隔が維持すべき間隔D8よりも広くなった場合の、無人搬送車A,Bの相対位置と、その状態でカメラがマーカ1a,1bを撮影した画像データを示している。無人搬送車A,Bの間隔がD9と大きくなったことによって、画像データでは、マーカ像の垂直方向の座標が移動して、2個のマーカ像の距離がd9と小さくなる。コンピュータのプログラムは、画像上の2個のマーカ像の距離が基準距離よりも小さくなったことを検出することによって2台の無人搬送車A,Bの距離が離れたことを認識する。
【0021】
図2の(3)は、無人搬送車Bが無人搬送車Aに対して、維持すべき間隔方向と垂直な方向に横ずれをおこした場合の、無人搬送車A,Bの相対位置と、その状態でカメラがマーカを撮影した画像データを示している。無人搬送車A,B間で、維持する間隔方向に垂直方向のずれ量D10が生じたことで、画像データでは、2個のマーカ像の水平方向の座標にずれが生じ、2個のマーカ像を結ぶ直線に角度βが生じる。コンピュータのプログラムは、画像上の2個のマーカを結ぶ直線に角度が生じたことを検出することによって、無人搬送車Bの相対位置に横ずれが生じたことを認識する。
【0022】
図2の(4)は、無人搬送車Bが無人搬送車Aとの間で維持すべき間隔方向に対して角度θ2だけ回転し、このまま進むとずれが広がっていく場合の、無人搬送車A,Bの相対位置と、その状態でカメラがマーカを撮影した画像データを示している。無人搬送車Bの間隔方向に対する回転に伴って、固定されているカメラも回転するため、画像データでは、2個のマーカ像の水平方向の座標がともに移動する。コンピュータのプログラムは、画像上の2個のマーカ像が基準となる間隔d8を維持しつつ、水平方向の座標が基準座標から同時に同一量d11だけ移動したことを検出することによって無人搬送車Bが回転したことを認識する。
【0023】
(第3実施例)
本発明にかかる移動体の相対位置関係認識装置を、2台で一対となって、位置の基準となる無人搬送車の斜め後方を一定の間隔を維持しつつもう1台の無人搬送車が走行する場合に適用した一実施例を以下に説明する。本実施例では、図4に示すように、無人搬送車Aと無人搬送車Bが走行時に維持する間隔方向は進行方向に対して角度Cを有しているが、2台が走行する軌跡は図3のように平行となる。以下、実施例3において維持する間隔方向をF方向、維持する間隔方向と垂直な方向をE方向と称する。無人搬送車Aに固定された2個のマーカの位置関係は、F方向に沿って固定されている。走行中はマーカが点灯し、カメラの画像データの中で容易に識別可能なっている。無人搬送車Bには、無人搬送車Aの2個のマーカが常時撮影範囲に入るように配置されたカメラと、カメラから転送された画像データを処理して無人搬送車間の相対位置関係を認識するプログラムを格納したコンピュータが固定されている。
【0024】
図4の(1)は、2台の無人搬送車Aと無人搬送車Bが、正しい相対位置関係にあって間隔D12を維持している基準状態と、その状態でカメラがマーカを撮影した画像データを示している。基準状態で撮影された画像内での、2個のマーカの水平方向の座標と、垂直方向の座標と、マーカ像間の距離d12は、コンピュータのプログラムに基準データとして認識され記憶される。
【0025】
図4の(2)は、無人搬送車Bが無人搬送車Aに対してF方向に接近していき、2台の無人搬送車A,Bの間隔D13が維持すべき間隔D12よりも狭くなった場合の、無人搬送車A,Bの相対位置と、その状態でカメラがマーカを撮影した画像データを示している。無人搬送車A,BのF方向の間隔がD13と小さくなったことによって、画像データでは、マーカ像の垂直方向の座標が移動して、2個のマーカ像間の距離がd13と大きくなる。コンピュータのプログラムは、画像上の2個のマーカ像間の距離が基準距離よりも大きくなったことを検出することによって2台の無人搬送車A,Bの距離が接近したことを認識する。
【0026】
図4の(3)は、無人搬送車Bが無人搬送車Aに対してE方向にずれを生じた場合の、無人搬送車A,Bの相対位置と、その状態でカメラがマーカを撮影した画像データを示している。無人搬送車A,B間でずれ量D14が生じたことで、画像データでは、2個のマーカ像の水平方向の座標にずれが生じ、2個のマーカ像を結ぶ直線に角度γが生じる。コンピュータのプログラムは、画像上の2個のマーカ像を結ぶ直線に角度が生じたことを検出することによって2台の無人搬送車A,Bの相対位置関係にE方向のずれが生じたことを認識する。
【0027】
本実施例では、2台の無人搬送車の相対位置関係に、進行方向とそれに垂直な方向でずれが同時に生じた場合には、カメラから図4の(2)と図4の(3)のマーカ像の位置の変化が組み合わさった画像データが得られる。すなわち、マーカ像間の距離が標準距離から変化するとともに、マーカ像を結ぶ直線に角度が生じることになる。コンピュータのプログラムは、この画像データを解析し、マーカ像間の距離とマーカ像を結ぶ直線の角度をそれぞれ検出することにより、2台の無人搬送車の相対位置関係にずれが生じたことを認識する。
【0028】
図4の(4)は、無人搬送車Bが無人搬送車Aとの維持すべき間隔方向に対して角度θ3だけ回転し、このまま進むと無人搬送車Bが無人搬送車Aに接近する場合の、無人搬送車A,Bの相対位置と、その状態でカメラがマーカを撮影した画像データを示している。無人搬送車Bの間隔方向に対する回転に伴って、固定されているカメラも回転するため、画像データでは、2個のマーカ像の水平方向の座標がともに移動する。コンピュータのプログラムは、画像上の2個のマーカ像が基準となる間隔d12を維持しつつ、水平方向の座標が基準座標から同時に同一量d15だけ移動したことを検出することによって無人搬送車Bが回転したことを認識する。
【0029】
以上のようにして、本実施例では、位置の基準となる無人搬送車の斜め後方を一定の間隔を維持しつつもう1台の無人搬送車が走行する場合に、それぞれの無人搬送車が独立に移動しながら、常時相対位置関係を認識することが可能となっている。すなわち、維持する間隔よりも接近しすぎたりはなれすぎたりしているか否か、間隔方向と垂直な方向に横ずれを起こしてしまったか否か、維持する間隔方向に対して回転したか否か、常時監視し認識することが可能である。
【0030】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示であり、特許請求の範囲を限定するものではない。たとえば、独立移動体には、マーカが多数固定されており、維持すべき他方の独立移動体の位置関係にあわせて、点灯させるマーカを選択し、撮影装置に撮影させることも可能である。この場合、独立移動体に配置されている撮影装置の撮影方向を独立移動体に対して回転させて、適当な撮影方向に調整するようにすることが好ましい。また、コンピュータの構成についての変更や拡張は可能であり、コンピュータ内に保存されているプログラムのマーカ位置と距離の処理フローの順序も、変更が可能である。位置の基準となる1台の独立移動体と複数(2台以上)の独立移動体のそれぞれの間に本技術を適用することによって、複数(3台以上)の独立移動体間の位置関係を認識することもでき、独立移動体群の相対位置関係を調整するように活用することもできる。位置の基準となる1台の独立移動体をAとし、他の2台の独立移動体をB,Cとしたときに、AとBの間とAとCの間に本技術を適用することによって、A、B、Cの3台の独立移動体の相対位置関係関係を認識することが可能となる。台数の制約はなく、極めて多数の独立移動体に拡張することができる。
本実施例では、2個の独立移動体が基準相対位置にあるときは、2個のマーカの水平座標が等しいとしたが、基準相対位置にあるときに水平座標が所定量だけずれる位置関係に設定しておくこともできる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本願発明の2個の独立移動体の相対位置関係認識装置によると、一方の独立移動体のマーカを他方の独立移動体の撮影装置が撮影し、この画像データを元にしてコンピュータのプログラムによって、両移動体の間の相対位置を認識することが可能となるので、2個の移動体の相対位置関係を維持しながら独立して移動させること等が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の相対位置関係認識装置を、並列走行する無人搬送車に適用した場合の模式図。
【図2】本発明の相対位置関係認識装置を、縦列走行する無人搬送車に適用した場合の模式図。
【図3】進行方向に対して斜めの位置関係を維持して走行する無人搬送車の走行する経路を模式的に表した図。
【図4】本発明の相対位置関係認識装置を、斜めの位置関係を維持して走行する無人搬送車に適用した場合の模式図。
【図5】本発明で使用されるコンピュータの構成を模式的に表した図。
【図6】マーカの画像データから無人搬送車の相対位置を認識する比較演算プログラムのフローチャート。
【符号の説明】
1d、1b・・マーカ
2・・撮影装置
3・・コンピュータ

Claims (3)

  1. 2個の独立移動体の相対位置関係を認識する装置であり、
    一方の独立移動体には、高さを異にする少なくとも2個のマーカが固定されており、
    他方の独立移動体には、前記マーカ群を撮影する撮影装置が配置されており、前記撮影装置の撮影視野内における少なくとも2個のマーカ位置を分析して2個の独立移動体の相対位置関係を認識するコンピュータを備えている相対位置関係認識装置。
  2. 2個の独立移動体の相対位置関係を認識する装置であり、
    一方の独立移動体には、2個の独立移動体の間隔方向に沿って配置された高さを異にする少なくとも2個のマーカが固定されており、
    他方の独立移動体には、前記マーカ群を撮影する撮影装置が固定されており、前記撮影装置の撮影視野内における少なくとも2個のマーカ位置を分析して2個の独立移動体の相対位置関係を認識するコンピュータを備えている相対位置関係認識装置。
  3. 前記コンピュータに、前記撮影視野内において2個のマーカ位置が離反すれば2個の独立移動体の間隔が接近したと認識し、前記2個のマーカ位置が傾けば前記間隔に直交する方向にずれたと認識し、前記2個のマーカ位置がともに移動すれば前記間隔方向に対して回転したと認識するプログラムが記憶されていることを特徴とする請求項1又は2の相対位置関係認識装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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