JP2004084704A - 作業具を装着した作業機の油圧制御装置 - Google Patents

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Shigeo Kajita
梶田 重夫
Soji Kudo
工藤 壮司
Nobuaki Matoba
的場 信明
Giichi Kurokawa
黒川 義一
Eiji Yasuda
安田 栄二
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Abstract

【課題】作業機の機体及び機体に装着された作業具の油圧制御装置において、作業具と作業機の油圧アクチュエータを同時に操作できるように作業具油圧回路及び機体油圧回路にポンプ吐出流量を確保すると共に、ポンプの無駄な吐出流量をなくして作動油の発熱、エネルギー損失、燃費の悪化などの問題を除く。
【解決手段】複数個の可変容量型油圧ポンプと、可変ポンプ各々の吐出流量を作業具油圧回路又は機体油圧回路のいずれか一方に優先流量を、他方に余剰流量を分流する複数個の流量可変型優先弁と、可変ポンプの最大吐出流量及び優先弁の優先流量を制御する制御手段とを備える。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は作業機の機体及び機体に装着された作業具の油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的な作業機である例えば油圧ショベルは、機体としての、下部走行体、下部走行体上に旋回自在に取付けられた上部旋回体、上部旋回体に揺動自在に取付けられた作業腕を備え、作業腕には油圧ショベルの作業に応じた適宜の作業具が装着されている。
【0003】
機体及び作業具には多数の、油圧シリンダ、油圧モータのごとき油圧アクチュエータが備えられ、油圧アクチュエータの各々は、エンジンにより駆動される複数個の油圧ポンプの吐出油が、操作手段により操作される方向制御弁を介して任意に断続され、伸縮あるいは回転作動される。この油圧制御装置の油圧回路は、任意の油圧アクチュエータを同時に作動させることができるように、いわゆる並列回路、すなわち油圧ポンプの吐出油を複数個の油圧アクチュエータに同時に供給することができるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したとおりの形態の従来の、作業具を装着した作業機の油圧制御装置には、次のとおりの解決すべき問題がある。
【0005】
(1)同時操作:
作業具の油圧アクチュエータと機体の油圧アクチュエータとを同時に操作する、すなわち連動操作する場合、機体の油圧アクチュエータ、例えば作業腕のシリンダ、上部旋回体の旋回モータなどの負荷圧力が高くなると、負荷圧力の低い作業具の油圧アクチュエータ、例えば回転モータに油圧ポンプの吐出流量がとられ、機体の油圧アクチュエータが動かなくなる。逆に機体の油圧アクチュエータの負荷圧力が低くなると、機体の油圧アクチュエータにポンプ流量がとられ、作業具の油圧アクチュエータが動かなくなる。したがって、同時操作が難しい、同時操作ができない、そして作業機の作業効率が悪いなどの問題がある。
【0006】
(2)ポンプ流量:
ポンプの吐出流量は、複数個の油圧アクチュエータを同時に操作できるように多めに設定される。したがって、操作される油圧アクチュエータの数が少ないときには、無駄な流量が生じることによる、作動油の発熱、エネルギー損失、燃費の悪化などの問題がある。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、作業機の機体及び機体に装着された作業具の油圧制御装置において、作業具と作業機の油圧アクチュエータを同時に操作できるように、作業具油圧回路及び機体油圧回路にポンプ吐出流量を確保すると共に、ポンプの無駄な吐出流量をなくして作動油の発熱、エネルギー損失、燃費の悪化などの問題を除くことができるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記技術的課題を解決するために、作業機の機体及び機体に装着された作業具の油圧制御装置であって、複数個の可変容量型油圧ポンプと、該可変ポンプ各々の吐出流量を作業具油圧回路又は機体油圧回路のいずれか一方に優先流量を、他方に余剰流量を分流する複数個の流量可変型優先弁と、該可変ポンプの最大吐出流量及び該優先弁の優先流量を制限する制御手段とを備えている、ことを特徴とする作業具を装着した作業機の油圧制御装置が提供される。
【0009】
そして、可変容量型油圧ポンプ、流量可変型優先弁、及びその制御手段を備え、ポンプ吐出流量及び優先弁の分流を制御して、作業具油圧回路及び機体油圧回路への流量を確保し同時操作ができるようにすると共に、無駄な吐出流量をなくすようにする。
【0010】
好適実施形態においては、該制御手段は、作業具油圧回路及び機体油圧回路に備えられた油圧アクチュエータの作動に応じた要求流量の総和が、
(1)該可変ポンプ各々の最大吐出流量の総和よりも小さいときは、可変ポンプ各々の最大吐出流量の総和が該要求流量の総和となるように制限し、
(2)該可変ポンプ各々の最大吐出流量の総和よりも大きいときは、余剰流量が所定の値以下にならないように該優先流量を制限する。
さらに、該制御手段は、該油圧アクチュエータ各々の操作手段の操作量を検出する操作検出手段と、該可変ポンプ各々の吐出圧力を検出する圧力検出手段と、コントローラとを備え、該コントローラは、該操作検出手段の出力に基づいて作業具油圧回路及び機体油圧回路各々の要求流量を演算し、また該圧力検出手段の出力に基づいて可変ポンプの吐出流量を演算し、その結果に基づいて該可変ポンプ及び優先弁を制御する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された、作業具を装着した作業機の油圧制御装置について、典型的な作業機である油圧ショベルにおける好適実施形態を図示している添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。
【0012】
図1を参照して説明すると、全体を番号70で示す油圧ショベルは、機体72としての、下部走行体1、下部走行体1上に軸線2aを中心に旋回自在に取付けられた上部旋回体2、上部旋回体2に揺動自在に取付けられた作業腕3を備えている。作業腕3には、作業に応じた適宜の作業具として回転掘削機6が備えられている。
【0013】
下部走行体1は左右(図1の紙面に垂直の方向)に一対のトラック1a、1aを備え、トラック1a、1a各々には油圧アクチュエータである走行モータ13aが備えられている。上部旋回体2には上部旋回体2を旋回作動させる油圧アクチュエータである旋回モータ12が備えられている。
【0014】
作業腕3は、上部旋回体2に揺動自在に支持されたブーム4、ブーム4の先端に揺動自在に支持されたアーム5、上部旋回体2とブーム4の間に介在された油圧アクチュエータであるブーム揺動シリンダ4a、ブーム4とアーム5の間に介在された油圧アクチュエータであるアーム揺動シリンダ5a、及びアーム5とアーム5の先端に揺動自在に支持された回転掘削機6の間に介在された油圧アクチュエータである作業具揺動シリンダ5bを備えている。回転掘削機6は油圧アクチュエータである回転モータ6aを備えている。
【0015】
図2を参照して油圧ショベル70の機体及び機体に装着された作業具の油圧制御装置について説明する。油圧制御装置は、エンジン7により駆動される一対の可変容量型油圧ポンプ(単に可変ポンプと呼ぶことがある)8、9と、可変ポンプ8、9各々の吐出側に連結され各々の吐出流量を作業具油圧回路76に優先流量を、機体油圧回路78に余剰流量を分流する一対の流量可変型優先弁14、15(単に優先弁と呼ぶことがある)と、可変ポンプ8、9の吐出流量及び優先弁14、15の優先流量を制御する制御手段80とを備えている。
【0016】
作業具油圧回路76は、優先弁14、15各々の優先流ポートP、Pを合流用チェック弁17を介して合流させ、回転掘削機6の回転モータ6aに断続自在に連結する方向制御弁18aを含むコントロールバルブ18を有している。方向制御弁18aは操作手段82(操作手段82については後に詳述する)からの操作パイロット圧油により操作される。
【0017】
機体油圧回路78は、優先弁14、15各々の余剰流ポートE、Eを、機体72の走行モータ13a、13a、旋回モータ12、ブーム揺動シリンダ4a、アーム揺動シリンダ5a、及び作業具揺動シリンダ5bにそれぞれ断続自在に連結する複数個の方向制御弁16a、16a、16b、16c、16d、16eを含むコントロールバルブ16を有している。方向制御弁の各々は操作手段82からの操作パイロット圧油により操作される。
【0018】
可変容量型油圧ポンプ8、9各々は、斜板制御機構のごとき可変制御機構8a、9aを備えている。可変制御機構8a、9aは、図3(a)に示すごとく、電磁比例減圧弁32、34からの二次圧に比例したポンプ吐出流量に制御し、最大吐出流量を規定する。電磁比例減圧弁32、34は、エンジン7により駆動されるパイロットポンプ10からのパイロット圧油を、コントローラ19(コントローラ19については後に詳述する)からの電気信号に基づいた二次圧力で出力する。
【0019】
可変容量型油圧ポンプ8、9はまた、図3(b)に示すごとき特性を有し、ポンプ吐出圧力とポンプ吐出流量の積が一定(馬力一定)となるように制御する。
【0020】
流量可変型優先弁14、15は、入口流量が設定値以下の場合は全量を優先流量として優先流ポートPに流し設定値を越える余剰流量を余剰流ポートEに流す周知の流量優先弁の、優先流量の設定を外部(コントローラ19)からの電気信号により変更可能にし、優先流ポートPの流量の設定を変更することにより余剰流ポートEに流れる流量を調整できるようにしたものである。
【0021】
操作手段82は、コントロールバルブ16、18の方向制御弁の各々に、パイロット油路により連結された複数個の比例減圧弁20、21、22、23、24を備えている(パイロット油路の図示は図が煩雑になるのを避けて省略されている)。比例減圧弁の各々にはパイロットポンプ10のパイロット圧油が入力され、操作レバー(図示していない)の操作量に応じた圧力の操作パイロット圧油が出力される。コントロールバルブ16、18の方向制御弁の各々は、この操作パイロット圧油の大きさに応じて操作される。すなわち、操作レバーの操作量に応じて、方向制御弁が操作され油圧アクチュエータが作動される。
【0022】
操作手段82の比例減圧弁20は作業具回転モータ用、比例減圧弁21はブーム揺動シリンダ用、比例減圧弁22は作業具揺動シリンダ用、比例減圧弁23は旋回モータ用、比例減圧弁24はアーム揺動シリンダ用である。
【0023】
制御手段80は、操作手段82の操作量を検出する操作検出手段84と、可変ポンプ8、9各々の吐出圧力を検出する圧力検出手段86と、コントローラ19とを備えている。
【0024】
操作検出手段84は、操作手段82の操作量として、各比例減圧弁の操作に応じたパイロット油圧力(二次圧)を、それぞれ圧力検出器27、28、29により検出する。圧力検出器27により作業具回転モータ用比例減圧弁20の出力圧が、圧力検出器28によりブーム揺動シリンダ用比例減圧弁21と作業具揺動シリンダ用比例減圧弁22の出力圧の高圧選択を行うシャトル弁25の出力圧が、圧力検出器29により旋回モータ用比例減圧弁23とアーム揺動シリンダ用比例減圧弁24の出力圧の高圧選択を行うシャトル弁26の出力圧が検出される。
【0025】
圧力検出手段86は、可変ポンプ8、9各々の吐出圧力を、圧力検出器30、31によりそれぞれ検出する。
【0026】
コントローラ19は、操作検出手段84の出力に基づいて作業具油圧回路76及び機体油圧回路78各々の要求流量を演算し、圧力検出手段86の出力に基づいて可変ポンプ8、9各々の吐出流量を演算し、その結果に基づいて可変ポンプ8、9の最大吐出流量及び優先弁14、15の優先流量を制限するように制御する。
【0027】
図4を参照して先ずコントローラ19の構成について説明する。コントローラ19は、圧力検出器30、31の信号に基づいてポンプ吐出流量を演算するポンプ流量演算器40、41、圧力検出器27の信号に基づいて作業具油圧回路76の要求流量(以下単に作業具要求流量と呼ぶことがある)を演算する流量演算器42、圧力検出器28、29の信号に基づいて機体油圧回路78の要求流量(以下単に機体要求流量と呼ぶことがある)を演算する流量演算器43、44、並びにポンプ流量演算器40、41の出力を加算する加算器45を備えている。
【0028】
コントローラ19はまた、加算器45で求めたポンプ流量から流量演算器42で演算された作業具要求流量を引いて余剰流量を求める減算器46、減算器46で求めた余剰流量の下限値を制限する流量制限器47、流量演算器43、44で演算された流量を足し合わせる加算器48、流量制限器47の出力を加算器48の出力で割る除算器49、除算器49の出力を0〜1の範囲に制限する制限器50、並びに制限器50の出力と流量演算器43、44の出力をそれぞれ掛け合わせる乗算器51、52を備えている。
【0029】
コントローラ19はさらに、ポンプ流量演算器40、41各々の出力から乗算器51、52各々の出力を引く減算器53、54、減算器53、54の出力を足し合わせる加算器55、流量演算器42の出力を加算器55の出力で割る除算器56、除算器56の出力を0〜1の範囲に制限する制限器57、減算器53、54各々の出力と制限器57の出力を掛け合わせる乗算器58、59、並びに乗算器51、52各々の出力と乗算器58、59各々の出力を足し合わせる加算器60、61を備えている。
【0030】
乗算器58で補正された流量は優先弁14に、乗算器59で補正された流量は優先弁15にそれぞれ出力される。加算器60の出力は可変ポンプ8の流量制限信号とし電磁比例減圧弁32に、加算器61の出力は可変ポンプ9の流量制限信号とし電磁比例減圧弁34にそれぞれ出力される。
【0031】
上述のごとく構成されたコントローラ19の作用について説明する。
【0032】
(1)圧力検出器27により検出された作業具の操作パイロット圧力、圧力検出器28、29により検出された機体の操作パイロット圧力、並びに圧力検出器30、31により検出された可変ポンプ8、9の吐出圧力が、コントローラ19に入力される。
【0033】
(2)圧力検出器30、31の信号に基づいてポンプ流量演算器40、41で可変ポンプ8、9の吐出流量が演算され、加算器45で足し合わされる。ポンプ流量演算器40、41は、図3(b)に示すポンプの流量特性から吐出流量を演算する。
【0034】
(3)圧力検出器27の信号に基づいて流量演算器42により作業具要求流量が演算される。圧力検出器28、29の信号に基づいて流量演算器43、44により機体要求流量が演算され、加算器48で足し合わされる。
【0035】
(4)減算器46により、加算器45で求められたポンプ流量から流量演算器42で演算された作業具要求流量が引かれ、余剰流量が求められ、流量制限器47に入力される。流量制限器47において、余剰流量が規定値以下にならないように下限値が制限される。
【0036】
(5)流量制限器47の出力は除算器49で、加算器48で求められた機体要求流量で割られ、その出力は制限器50に入力され0〜1の範囲に制限された補正係数が出力される。
【0037】
(6)乗算器51、52により機体要求流量に制限器50から出力される補正係数が掛け合わされ機体要求流量が補正される。そして、余剰流量が機体要求流量より大きい場合は補正係数1が出力され、流量演算器43、44の出力がそのまま出力され、余剰流量が機体要求流量より小さい場合は、補正係数は0〜1未満の範囲になるので機体要求流量の総和は、制限器47から出力される余剰流量になるように補正される。
【0038】
(7)減算器53、54でポンプ流量演算器40、41の出力から乗算器51、52で補正された機体要求流量が引かれ、その出力が加算器55で足し合わされ作業具へ供給可能な流量が算出される。
【0039】
(8)除算器56で作業具要求流量が加算器55の出力で割られ、その出力は制限器57で0〜1の範囲に制限され乗算器58、59で減算器53、54の出力に掛け合わされる。そして、作業具要求流量が加算器55の出力より大きい場合は、補正係数は1になるので減算器58、59の出力がそのまま出力され、作業具要求流量が加算器55の出力より小さい場合は、補正係数は0〜1未満にあるので乗算器58、59の総和は、作業具要求流量になるように補正される。
【0040】
(9)乗算器51、52の出力はまた、加算器60、61で乗算器58、59の出力と足し合わされ、可変ポンプの流量制限値信号として電磁比例減圧弁32、34にそれぞれ出力される。可変ポンプ8、9は、電磁比例減圧弁32、34の二次圧によって制御され、図3(a)に示すように作業具と機体に必要な流量になるようにポンプの最大吐出流量が制御される。
【0041】
(10)作業機の機体を操作しないで作業具を単独で操作した場合は、除算器49の出力が0になり、優先弁14、15に同じ配分で作業具要求流量を分配し、かつ電磁比例減圧弁32、34でこの流量に応じてポンプ最大吐出流量を制限する。
【0042】
(11)したがって、作業具油圧回路76及び機体油圧回路78に備えらた油圧アクチュエータの作動に応じた要求流量の総和が、可変ポンプ8、9各々の最大吐出流量の総和よりも大きいときには、余剰流量が所定の値以下にならないように優先弁14、15が制限されるので、作業機の機体及び機体に装着された作業具の同時操作が可能である。
【0043】
(12)また、作業具油圧回路76及び機体油圧回路78に備えられた油圧アクチュエータの作動に応じた要求流量の総和が、可変ポンプ8、9各々の最大吐出流量の総和よりも小さいときには、可変ポンプ8、9各々の吐出流量の総和が要求流量の総和となるように制限されるので、操作される油圧アクチュエータの数が少ない、あるいは操作量が小さいときに無駄な流量が生じることなく、作動油の発熱、エネルギー損失、燃費の悪化などの問題がない。
【0044】
(13)そして、常にポンプ出力を有効に利用し、複数個の油圧アクチュエータの同時操作性、連動操作性が向上するので、作業機の作業効率が向上する。
【0045】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内においてさまざまな変形あるいは修正ができるものである。
【0046】
(1)優先流量、余剰流量:
本実施の形態においては、優先弁の優先流量が作業具油圧回路に、余剰流量が機体油圧回路にそれぞれ接続されているが、機体油圧回路に優先流量が必要な場合には、この接続を逆にして優先流量を機体油圧回路に、余剰流量を作業具油圧回路に接続すればよい。
【0047】
(2)操作検出手段:
本実施の形態においては、操作手段の操作量を検出する操作検出手段は、比例減圧弁の操作に応じて出力されるパイロット油圧力(二次圧)を検出したが、比例減圧弁を操作する操作レバーの操作量など、操作に応じて変化する適宜の量を検出するようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明に従って構成された、作業具を装着した作業機の油圧制御装置によれば、作業具油圧回路及び機体油圧回路のポンプ吐出流量を確保して作業具と作業機を同時に操作できるようにすると共に、ポンプの無駄な吐出流量をなくして作動油の発熱、エネルギー損失、燃費の悪化などの問題を除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された油圧制御装置を備えた作業機の典型例である油圧ショベルの側面図。
【図2】本発明に従って構成された作業具を装着した作業機の油圧制御装置の回路図。
【図3】図2の油圧制御装置に用いられる可変容量型油圧ポンプの特性線図で、
(a)可変制御機構に入力される電磁比例減圧弁の二次圧とポンプ吐出流量の関係を示した線図。
(b)ポンプ吐出圧力とポンプ吐出流量の関係を示した線図。
【図4】図2に示すコントローラの演算回路図。
【符号の説明】
4a:ブーム揺動シリンダ(油圧アクチュエータ)
5a:アーム揺動シリンダ(油圧アクチュエータ)
5b:作業具揺動シリンダ(油圧アクチュエータ)
6:回転掘削機(作業具)
6a:回転モータ(油圧アクチュエータ)
8:可変ポンプ(可変容量型油圧ポンプ)
9:可変ポンプ(可変容量型油圧ポンプ)
12:旋回モータ(油圧アクチュエータ)
13a:走行モータ(油圧アクチュエータ)
14:優先弁(流量可変型優先弁)
15:優先弁(流量可変型優先弁)
19:コントローラ
70:油圧ショベル(作業機)
72:機体
76:作業具油圧回路
78:機体油圧回路
80:制御手段
82:操作手段
84:操作検出手段
86:圧力検出手段

Claims (3)

  1. 作業機の機体及び機体に装着された作業具の油圧制御装置であって、
    複数個の可変容量型油圧ポンプ(以下、可変ポンプと呼ぶことがある)と、該可変ポンプ各々の吐出流量を作業具油圧回路又は機体油圧回路のいずれか一方に優先流量を、他方に余剰流量を分流する複数個の流量可変型優先弁(以下、優先弁と呼ぶことがある)と、該可変ポンプの最大吐出流量及び該優先弁の優先流量を制限する制御手段とを備えている、ことを特徴とする作業具を装着した作業機の油圧制御装置。
  2. 該制御手段は、作業具油圧回路及び機体油圧回路に備えられた油圧アクチュエータの作動に応じた要求流量の総和が、
    (1)該可変ポンプ各々の最大吐出流量の総和よりも小さいときは、可変ポンプ各々の最大吐出流量の総和が該要求流量の総和となるように制限し、
    (2)該可変ポンプ各々の最大吐出流量の総和よりも大きいときは、余剰流量が所定の値以下にならないように該優先流量を制限する、請求項1記載の作業具を装着した作業機の油圧制御装置。
  3. 該制御手段は、該油圧アクチュエータ各々の操作手段の操作量を検出する操作検出手段と、該可変ポンプ各々の吐出圧力を検出する圧力検出手段と、コントローラとを備え、
    該コントローラは、該操作検出手段の出力に基づいて作業具油圧回路及び機体油圧回路各々の要求流量を演算し、また該圧力検出手段の出力に基づいて可変ポンプの吐出流量を演算し、その結果に基づいて該可変ポンプ及び優先弁を制御する、請求項2記載の作業具を装着した作業機の油圧制御装置。
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