JP2004084302A - 雨樋の止水構造 - Google Patents

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Hideaki Hata
畑 秀明
Manabu Mizutani
水谷 学
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

【課題】従来の接着剤等の溶剤を用いることなく、雨樋部品の隙間を完全に圧密状態で閉塞でき、簡易でありながら極めて良好な止水機能が得られる雨樋の止水構造を提供すること。
【解決手段】雨樋部品1の隙間Sを塞ぐシール材として、吸水性ポリマーからなるシート材2を備える。このシート材2は水の浸入時に吸水性ポリマーの水の吸収と吸水性ポリマー自体の膨張によって隙間Sを閉塞するように構成されている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雨樋の止水構造に関し、詳しくは例えば軒樋と軒樋継手との接続部の隙間をシールする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図4に示すように、複数の軒樋3,3を接続するにあたっては、内押さえ5と外押さえ6とからなる軒樋継手4が用いられる。これら軒樋3と軒樋継手4との接続部をシールするために、従来は接着剤15を内押さえ5の外面に塗布することにより、軒樋3と内押さえ5との隙間を接着剤15にて閉塞するのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のような接着剤15等の溶剤を用いたシール方法では、接着剤15の塗布、乾燥、固化等の作業に時間と手間がかかり、そのうえ、接着剤15がはみ出すことで軒樋3が汚れたり、接着剤15の塗布量のバラツキにより僅かな隙間から水漏れが発生するという問題もある。特に、軒樋3が樹脂製の場合には成形歪みや寸法誤差、外部からの応力の作用等によって歪みが生じ易く、接着剤15の充填状態が損なわれ、隙間からの水漏れが生じやすいものであった。
【0004】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、従来の接着剤等の溶剤を用いることなく、雨樋部品の隙間を完全に圧密状態で閉塞でき、簡易でありながら極めて良好な止水機能が得られる雨樋の止水構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、雨樋部品1の隙間Sを塞ぐシール材として、吸水性ポリマーからなるシート材2を備え、該シート材2は水の浸入時に吸水性ポリマーの水の吸収と吸水性ポリマー自体の膨張によって隙間Sを閉塞するように構成されていることを特徴としており、このように構成することで、雨樋部品1の隙間Sに雨水が浸入すると、吸水性ポリマーの水の吸収と吸水性ポリマー自体の体積膨張によって、隙間Sが完全に圧密状態で閉塞された状態となり、従来の接着剤と比較して、止水にかかる時間と手間を省くことができ、簡易で極めて良好な止水機能が得られるようになる。
【0006】
また上記雨樋部品1は、複数の軒樋3と、複数の軒樋3の端部3aを接続する軒樋継手4とを具備し、軒樋継手4は軒樋3の端部3aを内外両側から挟む内押さえ5と外押さえ6とで構成され、内押さえ5及び外押さえ6の前端に設けた前耳係止縁9,10と後端に設けた後耳係止縁11,12とを、軒樋3の前耳部7と後耳部8とに各々係止させると共に、吸水性ポリマーからなるシート材2を内押さえ5の外面5aと軒樋3との隙間Sに沿って配置してなるのが好ましく、この場合、吸水性ポリマーからなるシート材2を内押さえ5の外面5aに貼り付けた状態で、内押さえ5と外押さえ6とを軒樋3に取り付けることで、吸水性ポリマーからなるシート材2を軒樋3と軒樋継手4との隙間Sに容易に配置できるようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0008】
本実施形態の雨樋部品1は、図1に示すように、複数の軒樋3と、複数の軒樋3の端部3aを接続する軒樋継手4と、軒樋3と軒樋継手4との接続部の隙間Sを塞ぐための吸水性ポリマーからなるシート材2とで主体が構成されている。
【0009】
本例の軒樋継手4は、軒樋3の端部3aを内外両側から挟んで接続するための内押さえ5と外押さえ6とで構成されている。図2に示すように、内押さえ5及び外押さえ6の前部上端には、それぞれ前耳係止縁9,10が設けられ、内押さえ5及び外押さえ6の後部壁上端には、それぞれ後耳係止縁11,12が設けられている。
【0010】
図2に示す例では、内押さえ6の前耳係止縁9の上端から係止溝9b付き突片9aが突設されており、一方、外押さえ6の前耳係止縁10は、前耳部7の前面に沿って屈曲しており、その上端に係止爪10aが設けられている。そして、軒樋3の前耳部7を前耳係止縁9,10間で挟み付けた状態で係止爪10aを係止溝9bに引掛けることで、前耳係止縁9,10同士が互いに係止されて前耳部7から外れないようになる。一方、外押さえ6の後耳係止縁12は後耳部8の後面に沿って屈曲しており、その上部先端に係止爪12aが設けられている。そして、軒樋3の後耳部8を後耳係止縁11,12間で挟み付けた状態で、後耳係止縁12の係止爪12aを後耳係止縁11の上端11aに引掛けることで、後耳係止縁11,12同士が互いに係止されて後耳部8から外れないようになる。尚図2中の14は内押さえ6の補強片である。
【0011】
上記内押さえ5の外面5aには、図1に示すように、吸水性ポリマーからなるシート材2が貼り付けられる。ここでは、シート材2は帯状に形成され、その一端が内押さえ5の前耳係止縁9の下端付近まで達し、他端が後耳係止縁11の下端付近まで達している。この吸水性ポリマーからなるシート材2は、水の浸入時に吸水性ポリマーの水の吸収と吸水性ポリマー自体の膨張によって、軒樋3と軒樋継手4との隙間(本例では軒樋3と内押さえ5との隙間S)を塞ぐためのものである。
【0012】
吸水性ポリマーとしては、自然状態で弾性を有する固体に高吸水性ポリマーを添加したものが使用される。高吸水性ポリマーの例としては、例えばデンプン−アクリロニトリルグラフト重合体加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体などのデンプン系高吸水性ポリマー、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体、セルロース−スチレンスルホン酸グラフト共重合体などのセルロース系高吸水性ポリマー、多糖類系高吸水性ポリマー、コラーゲン等のたんぱく質系高吸水性ポリマー、ポリビニルアルコール架橋重合体などのポリビニルアルコール系高吸水性ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、アクリル酸ナトリウム−ビニルアルコール共重合体などのアクリル系高吸水性ポリマー、無水マレイン酸系高吸水性ポリマー、ビニルピロリドン系高吸水性ポリマー、ポリエチレングリコール・ジアクリレート架橋重合体などのポリエーテル系高吸水性ポリマー等を挙げることができるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0013】
ここで、高吸水性ポリマーは一般に自重の500倍から1000倍の吸水力があり、水に溶解せず、加圧しても吸水した水を離脱しない特徴から、従来は紙おむつにも使用されているが、本発明者らは、吸水性ポリマーが水を吸収して膨張すること及びこの膨張が止水に極めて有効であることに着目し、軒樋3のシール材として用いた場合は良好な止水効果が得られることを見出すに至ったものである。また吸水性ポリマーとして吸水時に5日で体積が2倍になるものがあるが、軒樋3では吸水時にすぐに体積が増えないと雨漏れが発生することから、短時間で体積が2倍になるような、吸水速度の高い高吸水性ポリマーを用いるのが望ましい。
【0014】
次に、複数の軒樋3を内押さえ5と外押さえ6とを用いて接続するにあたっては、先ず外押さえ6を軒樋3の外側から嵌め込み、外押さえ6の前耳係止縁10と後耳係止縁12を軒樋3の前耳部7と後耳部8に各々被せる(図1の状態)。この状態で、軒樋3の内側に、予め吸水性ポリマーからなるシート材2を貼り付けた内押さえ5を押し込む。このとき内押さえ5の前耳係止縁9と後耳係止縁11とが外押さえ6の前耳係止縁10と後耳係止縁12とにそれぞれパッチン方式で係止する。つまり、図2に示すように、外押さえ6の係止爪10aが内押さえ5の係止溝9bに引掛かることで、前耳係止縁9,10同士が互いに係止されて前耳部7から外れなくなり、一方、外押さえ6の係止爪12aが内押さえ5の後耳係止縁11の上端11aに引掛かることで、後耳係止縁11,12同士が互いに係止されて後耳部8から外れないようになる。これにより、図3(a)に示すように、吸水性ポリマーからなるシート材2が内押さえ5の外面5aと軒樋3との隙間Sに沿って配置された状態となる。
【0015】
しかして、雨水が隙間Sに浸入すると、高吸水性ポリマーの水の吸収と吸水性ポリマー自体の体積膨張によって、図3(b)に示すように、隙間Sが完全に圧密状態で閉塞された状態となる。このとき仮りに僅かな隙間Sがあっても、浸入水が吸水性ポリマーに取り込まれて吸水性ポリマー自体の体積膨張が起こるため、より強固な樹脂の充填状態が得られるものであり、しかもこの強固な充填状態によって、外部の応力に対しても大きな抵抗力が得られ、軒樋3と軒樋継手4との接続部に歪みが生じ難く、良好な止水機能を長期に亘って持続できる。また吸水性ポリマーとして短時間で体積が2倍以上になるような材料を使うことで、浸入した多量の雨水を、瞬間的に阻止することが可能となり、極めて良好な止水機能が得られ、止水機能が向上する。
【0016】
しかも、内押さえ5及び外押さえ6を軒樋3に嵌め込んでワンタッチで係止できるので、吸水性ポリマーからなるシート材2を軒樋3と軒樋継手4との隙間Sに容易に配置できるようになる。従って、作業者の施工技術如何に関わらず、簡単且つ確実に止水することができ、そのうえ従来の接着剤を塗布する場合と比較して、止水にかかる時間と手間を省くことができると共に、接着剤を用いないため接着剤の塗布のバラツキ等による水漏れが発生することもなく、接着剤がはみ出して軒樋3を汚すこともないので、外観が損なわれることもない。
【0017】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、雨樋部品の隙間を塞ぐシール材として、吸水性ポリマーからなるシート材を備え、該シート材は水の浸入時に吸水性ポリマーの水の吸収と吸水性ポリマー自体の膨張によって隙間を閉塞するように構成されているので、雨樋部品の隙間に雨水が浸入すると、吸水性ポリマーの水の吸収と吸水性ポリマー自体の体積膨張によって、隙間が完全に圧密状態で閉塞された状態となる。従って、従来の接着剤を塗布する場合と比較して、止水にかかる時間と手間を省くことができると共に、接着剤を用いないため接着剤の塗布のバラツキ等による水漏れが発生することがなく、接着剤がはみ出して雨樋部品を汚すこともなく、簡易でありながら極めて良好な止水機能が得られるものである。
【0018】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、雨樋部品は、複数の軒樋と、複数の軒樋の端部を接続する軒樋継手とを具備し、軒樋継手は軒樋の端部を内外両側から挟む内押さえと外押さえとで構成され、内押さえ及び外押さえの前端に設けた前耳係止縁と後端に設けた後耳係止縁とを、軒樋の前耳部と後耳部とに各々係止させると共に、吸水性ポリマーからなるシート材を内押さえの外面と軒樋との隙間に沿って配置してなるので、吸水性ポリマーを内押さえの外面(或いは軒樋の内面)に貼り付けた状態で、内押さえと外押さえとで軒樋の端部を挟んで、内押さえ及び外押さえを軒樋に取り付けることで、吸水性ポリマーからなるシート材を軒樋と軒樋継手との隙間に容易に配置できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の雨樋部品を吸水性ポリマーからなるシート材でシールする場合を説明する斜視図である。
【図2】同上の雨樋部品の断面図である。
【図3】図2のA部の拡大断面図であり、(a)は水が浸入する前の状態、(b)は水が浸入したときの状態を各々示している。
【図4】従来例の雨樋部品を接着剤でシールする場合を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 雨樋部品
2 吸水性ポリマーからなるシート材
3 軒樋
3a 端部
4 軒樋継手
5 内押さえ
5a 外面
6 外押さえ
7 前耳部
8 後耳部
9,10 前耳係止縁
11,12 後耳係止縁
S 隙間

Claims (2)

  1. 雨樋部品の隙間を塞ぐシール材として、吸水性ポリマーからなるシート材を備え、該シート材は水の浸入時に吸水性ポリマーの水の吸収と吸水性ポリマー自体の膨張によって隙間を閉塞するように構成されていることを特徴とする雨樋の止水構造。
  2. 雨樋部品は、複数の軒樋と、複数の軒樋の端部を接続する軒樋継手とを具備し、軒樋継手は軒樋の端部を内外両側から挟む内押さえと外押さえとで構成され、内押さえ及び外押さえの前端に設けた前耳係止縁と後端に設けた後耳係止縁とを、軒樋の前耳部と後耳部とに各々係止させると共に、吸水性ポリマーからなるシート材を内押さえの外面と軒樋との隙間に沿って配置してなることを特徴とする請求項1記載の雨樋の止水構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007224615A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Matsushita Electric Works Ltd 軒樋継手と継手構造
JP2008285847A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 軒樋内継手
JP2011147380A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Panasonic Electric Works Co Ltd プランター

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