JP2004084256A - 型枠構造及び型枠支持金物 - Google Patents
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Abstract
【課題】建築部位に応じて合板パネルと鋼板パネルを合理的に使い分け、パネル建て込み作業や支保工を省力化するとともに、解体時の型枠パネルの損傷を低減させてパネルの転用回数を増やす。
【解決手段】平坦な壁部には、合板製堰板1aの裏面周縁部に木製の枠材1bを取り付けた合板パネル1A,1B,1Cを建て込み、壁部から突出する柱や梁には、鋼板製堰板の裏面周縁部にリブを備えた鋼板パネル2Cを前記合板パネル1Aと連結して建て込む。合板パネル1Aと他のパネルとの連結部には、合板パネルの枠材1bと同じ断面形状の連結材3Aを介在させてビス固定する。
【選択図】図1
【解決手段】平坦な壁部には、合板製堰板1aの裏面周縁部に木製の枠材1bを取り付けた合板パネル1A,1B,1Cを建て込み、壁部から突出する柱や梁には、鋼板製堰板の裏面周縁部にリブを備えた鋼板パネル2Cを前記合板パネル1Aと連結して建て込む。合板パネル1Aと他のパネルとの連結部には、合板パネルの枠材1bと同じ断面形状の連結材3Aを介在させてビス固定する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリート造建築物の型枠構造と、該構造に利用される型枠連結用金物に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄筋コンクリート造建築物の型枠には、従来より、木製の型枠パネルや金属製の型枠パネルが利用されている。
【0003】
木製の型枠パネルは、厚さ12mm程度の型枠用合板を堰板とし、その裏面周縁部や中間部に補強用の桟木を釘打ちしたもの(合板パネル)が一般的である。この合板パネルを縦横に連設するにあたっては、隣接する合板パネルの周縁部の桟木同士を互いに釘打ちして接合している。この種の合板パネルは、通常、型枠用合板の規格寸法に合わせたサイズで用意されるが、その規格寸法に合わない部分については、現場にて作業者が適宜寸法にカットし、それに桟木を組み付けて建て込んでいる。
【0004】
金属製の型枠パネルは、厚さ2mm程度の鋼板を堰板とし、その裏面周縁部や中間部に補強用の鋼製リブを溶接等によって一体に形成したもの(鋼板パネル)が一般的である。この鋼板パネルを縦横に連設するにあたっては、隣接する鋼板パネルの周縁部のリブ同士を密着させ、重なり合ったリブにクリップ状の緊結用金物を嵌め込んで連結している。この種の鋼板パネルも、通常、予め定められた形状や寸法でサイズで用意されるが、その寸法に合わない部分には、木製の型枠パネル等が現場で併用される。
【0005】
これらの型枠パネルは、セパレーターなどの間隔保持具を介して相対する間隔を一定に保持されるとともに、コンクリートの側圧によってはらむのを防ぐため、外側に縦バタ材や横バタ材が格子状にあてがわれ、これらをフォームタイなどの緊結具で締め付けるようにして建て込まれる。縦バタ材や横バタ材には、通常、木製の角材や鋼製の単管(丸パイプ)などが利用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記した合板パネルと鋼板型枠パネルは、それぞれに一長一短を備えている。
【0007】
すなわち、合板パネルは、軽量・安価で加工性に優れる反面、連設時には桟木同士の釘止めを要するので、釘打ちの衝撃により建て込み位置に微妙なズレが生じやすく、そのズレを修正するのが面倒である。また、脱型時には、桟木同士を固定していた釘をバール等でこじ抜きながら解体することが多いので、合板パネルが傷みやすく、転用回数がせいぜい2〜3回にとどまっている。そのため、現場で処分される廃材量が増加し、型枠工事のコスト増と木材資源の浪費を招いている。
【0008】
一方、鋼板パネルは、合板パネルに比べて耐久性や転用性、仕上がり精度がよく、また剛性が大きいので支保工材の節減が計れる反面、高価で、重く、作業性に劣るという問題がある。さらに、型枠内に打設したコンクリートが硬化・収縮すると型枠パネル同士が強固に密着することが多く、解体時の作業性も悪くなる。そして、解体の際に、例えばバール等で無理に鋼板パネルを引き剥がさそうとして変形や傷みを生じ、転用が困難になるという問題もある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、建築部位に応じて材質の異なる型枠パネルを合理的に使い分け、それらの建て込み作業や支保工を簡単かつ効率的に行えるようにするとともに、解体時の型枠パネルの損傷も最小限にして転用回数を増やし、型枠工事のコスト削減と資源の有効活用を図ることを解決課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、合板パネルと鋼板パネルとを型枠の部位に応じて合理的に組み合わせ、その連結や支保工を省力化しようとするもので、平坦な壁部には、合板製堰板の裏面周縁部に木製の枠材を取り付けた合板パネルを上下左右方向に複数枚連設して建て込み、前記壁部から突出する柱や梁その他の特殊部位には、鋼板製堰板の裏面周縁部にリブを備えた所定形状の鋼板パネルを前記壁部の合板パネルと連結して建て込むことを基本的な構成としている。
【0011】
この型枠構造において、合板パネルを構成する枠材は全て同一の矩形断面を有する。そして、各合板パネルに取り付けられた枠材のうち、他の合板パネルに対して上下方向に隣接する縁部の枠材は、堰板の縁端から枠材の見付け寸法の1/2だけ堰板の中央側に後退して取り付けられ、上下方向に隣接する合板パネルの堰板同士が前記枠材と同寸の見付け寸法を有する断面H形の樹脂製ジョイナーを介して突き合わされ、上下方向に隣接する合板パネルの縁部にそれぞれ取り付けられた枠材同士が、この枠材と略同一断面を有する木製の連結材を間に挟んでビス固定される。
【0012】
また、各合板パネルに取り付けられた枠材のうち、他の鋼板パネルに対して上下方向に隣接する縁部の枠材は、堰板の縁端から枠材の見付け寸法の1/2だけ堰板の中央側に後退して取り付けられ、上下方向に隣接する合板パネルと鋼板パネルとの間には、前記合板パネルの枠材と略同寸の見付け寸法を有し、見付面の片側には前記合板パネルの堰板の張出縁に対応する切欠部が形成された木製の連結材が挟み込まれ、この連結材を介して合板パネルと鋼板パネルとが連結される。
【0013】
また、各合板パネルに取り付けられた枠材のうち、他の鋼板パネルに対して横方向に隣接する縁部の枠材は、堰板の縁端から枠材の見付け寸法だけ堰板の中央側に後退して取り付けられ、横方向に隣接する合板パネルと鋼板パネルは、合板パネルの堰板を鋼板パネルのリブに突き合わせ、合板パネルの枠材と鋼板パネルのリブとの間に前記枠材と略同一断面を有する木製の連結材を挟み込んで連結される。
【0014】
これらの構成によれば、コンクリート躯体のうち最も大きな表面積を占める壁部の型枠に軽量の合板パネルが用いられ、作業性に劣る鋼板パネルは柱や梁などの特殊部分に限定されるので、現場における作業性が向上する。合板パネルの構造は、合板製堰板の裏面周縁部に同一矩形断面等の枠材を取り付けたものであるから、合板パネル自体も経済的に製作することができる。
【0015】
そして、合板パネルと他のパネル(合板パネルまたは鋼板パネル)との連結には、枠材と同一断面の連結材、またはその一部を切り欠いた連結材を用いるので、枠材と連結材とをビス固定することで各パネルを容易に連結することができる。したがって、型枠の建て込み作業の大部分を簡単な大工工事並の手間で処理することができる。また、解体時には、前記ビスを抜き取って連結材を除去することで個々のパネルの脱型も容易になり、しかもパネルの損傷を少なくして転用回数を増やすことができる。
【0016】
本発明の型枠構造に利用される合板パネルの堰板には、ガソリンエンジンオイルに準じた粘度及び潤滑性を有する石油類がコンクリート離型剤として含浸されるのが好ましい。この石油類を用いることにより、堰板とコンクリートとの剥離性が従来一般のコンクリート離型剤よりも向上して、解体後の堰板の表面を洗い直す手間が省力化され、合板パネルの転用回数もさらに増やすことができる。
【0017】
さらに本発明では、前記合板パネルや鋼板パネルを容易に、かつ精度良く支保するために、鋼板製の型枠支持金物が利用される。
【0018】
すなわち、壁を挟んで相対する合板パネルは角形鋼管製の横バタ材を介して両側から支保され、この横バタ材に鋼板製の腕木受け金物が適宜間隔で掛止され、この腕木受け金物に載架された腕木材にクランプ金物を介してパイプサポートが連結され、このパイプサポートの上端部が上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠や梁型枠の底部を支承する。
【0019】
この発明に利用される腕木受け金物は、下方に開口した溝形断面を有して横バタ材に上方及び両側方から被せられる掛止部と、上方に開口した溝形断面を有して腕木材を下方及び両側方から支承する支承部とを備え、これら掛止部と支承部とが一枚の鋼板を折曲加工して一体に形成されたものである。
【0020】
また、壁部、柱、梁等の垂直面に建て込まれる型枠と、上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠との取合部においては、前記垂直面に建て込まれた合板パネルまたは鋼板パネルの上縁部に鋼板製の大引受け金物が適宜間隔で掛止され、この大引受け金物に載架された大引材が前記スラブ型枠を支承する。
【0021】
この発明に利用される大引受け金物のうち合板パネル用のものは、下方に開口した溝形断面を有して合板パネルの上縁部に上方及び表裏両側から被せられる掛止部と、上方に開口した溝形断面を有して大引材を下方及び両側方から支承する支承部とを備え、これら掛止部と支承部とが一枚の鋼板を折曲加工して一体に形成されたものである。
【0022】
また、この発明に利用される大引受け金物のうち鋼板パネル用のものは、下方に開口した溝形断面を有して鋼板パネルの上縁部に上方及び表裏両側から被せられる掛止部と、上方に開口した溝形断面を有して大引材を下方及び両側方から支承する支承部と、支承部の基端側から突出して鋼板パネルの裏面に当接する突当片とを備え、これら掛止部、支承部及び突当片が一枚の鋼板を折曲加工して一体に形成されたものである。
【0023】
さらに、鋼板パネル用の大引受け金物のうち、直交する2つの垂直面を備えた柱用鋼板パネルに対して平面視45度方向に隅棟等の大引を支持するものは、前記掛止部が、柱用鋼板パネルの入隅部または出隅部に沿うように形成され、突当片が、当該柱用鋼板パネルの入隅部を挟んで相対するリブ、または当該柱用鋼板パネルの出隅稜角部に沿うように形成されたものである。
【0024】
これらの型枠支持金物(腕木受け金物や大引受け金物)を利用することにより、パネルの建て込みだけでなく、その支保工も格段に省力化され、型枠工事の工数やコストが大幅に削減される。また、これらの型枠支持金物は合板パネルや鋼板パネルを一切損傷しないので、解体作業の効率化やパネルの転用回数増加にも大いに寄与する。
【0025】
また、本発明の型枠構造では、前記した型枠構造における合板パネルの一部または全部を樹脂パネルに置換することもできる。この樹脂パネルは、FRPその他の合成樹脂からなる堰板の裏面周縁部に合成樹脂製の枠材を一体成形したものである。樹脂パネルの縁部近傍の断面形状を前記合板パネルと同一の構成にすることにより、合板パネルを用いた場合と全く同様の連結形態で型枠を建て込むことができる。かかる樹脂パネルを用いた場合、合板パネルに比較してパネル自体の製作コストが上昇する可能性もあるが、施工性や転用性の向上が期待できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1〜図6は、本発明の型枠構造における型枠パネルの具体的な建て込みパターンを例示した縦断面略図である。図1,図3,図5は、柱・梁の内面に合わせて壁が設けられた、いわゆる外付け柱の形態に対応する型枠を示したもので、図1は庇付きの陸屋根が設けられる場合、図3は庇付きの勾配屋根が設けられる場合、図5は中間階の床スラブが設けられる場合をそれぞれ示している。一方、図2,図4,図6は、柱・梁の外面に合わせて壁が設けられた、いわゆる内付け柱の形態に対応する型枠を示したもので、図2は庇付きの陸屋根が設けられる場合、図4は庇付きの勾配屋根が設けられる場合、図6は中間階の床スラブが設けられる場合をそれぞれ示している。また、図7〜図10は、前記型枠の各部における横断面略図であって、図7は平坦な壁部、図8は外付け柱の柱部、図9は内付け柱の柱部、図10は壁同士が直交するコーナー部をそれぞれ示している。
【0028】
これら各図において、符号1(1A,1B,1C…)は合板パネルを示し、符号2(2A,2B,2C…)は鋼板パネルを示す。また、符号3(3A,3B)は、各パネルが互いに隣接する部分に介在される連結材を示す。本発明の型枠構造では、平坦な壁部に合板パネル1が建て込まれて壁型枠が形成され、壁部から突出する柱や梁その他の特殊部位には鋼板パネル2が建て込まれて柱型枠や梁型枠が形成される。
【0029】
<合板パネル>
本発明における合板パネル1は、厚さ12mm程度の構造用合板からなる堰板1aの裏面周縁部に矩形断面を有する木製の枠材1bを取り付けて構成される(図1・図7参照)。枠材1bの断面寸法は、見付け30mm、見込み50mm程度が実用的かつ経済的である。枠材1bの断面寸法は全ての合板パネル1において統一されるが、堰板1aの縁端に対する枠材1bの取付位置については、以下のような3種類のパターンが用意される。
【0030】
第1のパターンは、枠材1bの外側面が堰板1aの縁端から枠材1bの見付け寸法の1/2だけ堰板1aの中央側に後退して取り付けられ、堰板1aに張出縁が形成された形態である。このパターンは、当該合板パネル1が他の合板パネル1や鋼板パネル2に対して上下方向に隣接する縁部に採用される。図1〜図6に示した合板パネル1のうち、壁部中段に配置される合板パネル1Aの上縁部と下縁部、壁部下段に配置される合板パネル1Bの上縁部、壁部上段に配置される合板パネル1Cや庇下に配置される合板パネル1D(図4参照)、梁の外側に配置される合板パネル1E(図6参照)の下縁部などがこのパターンである。
【0031】
第2のパターンは、枠材1bの外側面が堰板1aの縁端と一致するように取り付けられた形態である。このパターンは、当該合板パネル1が他の合板パネル1に対して横方向に隣接する縁部と、当該合板パネル1が他の合板パネル1や鋼板パネル2に隣接しない縁部に採用される。図7〜図10に示した合板パネル1のうち、壁部の中央側に配置される合板パネル1Fの左右両縁部、柱部やコーナー部に隣接する合板パネル1Gの壁側の縦縁部、図1〜図6に示した合板パネル1のうち、壁部下段に配置される合板パネル1Bの下縁部、壁部上段に配置される合板パネル1Cや庇下に配置される合板パネル1D(図4参照)、梁の外側に配置される合板パネル1E(図6参照)の上縁部が、このパターンである。
【0032】
第3のパターンは、枠材1bの外側面が堰板1aの縁端から枠材1bの見付け寸法だけ堰板1aの中央側に後退して取り付けられ、前記第1のパターンの倍寸に相当する張出縁が形成された形態である。このパターンは、当該合板パネル1が他の鋼板パネル2に対して横方向に隣接する縁部に採用される。図7〜図10に示した合板パネル1のうち、柱部やコーナー部に隣接する合板パネル1Gの柱側またはコーナー側の縦縁部がこのパターンである。
【0033】
<鋼板パネル>
一方、本発明における鋼板パネル2は、従来一般の鋼板パネルと同様に、厚さ2mm程度の鋼板からなる堰板2aの裏面周縁部に、堰板2aと同程度の厚さのリブ2bを形成したものである(図8参照)。ただし、本発明においては、図1〜図6の梁部や図8〜図10の柱部、コーナー部に示すように、単一平面状の鋼板パネル2Aだけでなく、堰板2aが柱や梁の断面形状に沿って出隅や入隅をなすように形成された鋼板パネル2C,2D,2E,2F,2Gも多用される。また、平面状の鋼板パネル2同士が直交して出隅を形成する部位においては、出隅側の縁部にリブを設けないタイプの鋼板パネル2Bも用いられる。これらの鋼板パネル2同士は、従来と同様に、隣接するリブ2b同士、あるいは一方のリブ2bと他方の堰板2aとを、クリップ状の緊結用金物(図示略)で挟み込むことにより連結される。
【0034】
<連結材とパネルの連結形態>
本発明における連結材3は、合板パネル1同士の連結箇所、および合板パネル1と鋼板パネル2との連結箇所に利用される部材である。この連結材3は、合板パネル1の枠材1bと同じ材料を使用して、断面の外寸が枠材1bと同一になるように形成される。この連結材3は、以下のようにして用いられる。
【0035】
まず、合板パネル1同士を上下方向に連結する箇所では、図11に示すように、合板パネル1の枠材1bと同じ矩形断面の連結材3Aが用いられる。この形態で連結される上下の合板パネル1は、いずれも枠材1bが堰板1aの縁端に対して前記第1のパターンで取り付けられている。そして、各合板パネル1の堰板1aの張出縁が、断面H形の樹脂製ジョイナー4を介して突き合わされる。樹脂製ジョイナー4は、枠材1b及び連結材3Aと同一の見付け寸法を有する薄肉の押え板41を2枚対向させ、それらの中間部同士を連結板42で連結したものである。押え板41の間隔は堰板1aの厚みに対応している。この樹脂製ジョイナー4に上下の堰板1aを挿入することで、上下の堰板1aが同一平面をなすように精度良く保持される。そして、型枠の外側から樹脂製ジョイナー4に連結材3Aが当てがわれ、上下の合板パネル1の枠材1bの間に連結材3Aが挟み込まれる。この連結材3Aと上下の枠材1bとが密着した状態で、上下の各枠材1bから連結材3Aに向けて固定用のビスが打ち込まれる。
【0036】
また、合板パネル1と鋼板パネル2とを上下方向に連結する箇所では、図12に示すような変形タイプの連結材3Bが用いられる。この形態で連結される合板パネル1も、枠材1bが堰板1aの縁端に対して前記第1のパターンで取り付けられており、これに対応して、連結材3Bの見付面の片側半分には、合板パネル1の張出縁と同形状の切欠部3aが形成されている。この連結材3Bは、予め鋼板パネル2のリブ2bにビス等で固定され、合板パネル1の枠材1b及び張出縁と合致するように建て込まれた後、枠材1b側からビス固定される。
【0037】
合板パネル1と鋼板パネル2とを横方向に連結する箇所でも、図13に示すように、合板パネル1の枠材1bと鋼板パネル2のリブ2bとの間に連結材3が挟み込まれる。この形態で連結される合板パネル1は、枠材1bが堰板1aの縁端に対して前記第3のパターンで取り付けられ、張出縁の出寸法が枠材1b及び連結材3の見付け寸法と等しくなっているので、矩形断面のままの連結材3Aが用いられる。この連結材3Aも、予め鋼板パネル2のリブ2bにビス等で固定され、合板パネル1の枠材1b及び張出縁と合致するように建て込まれた後、枠材1b側からビス固定される。
【0038】
このように、各パネル1,2の連結に際して連結材3を介在させ、枠材1bを連結材3にビス固定することにより、型枠工事の大部分を難度の低い大工工事並の手間で処理することができる。これにより、専門の型枠職人への依存度が高かった従来の型枠工事に比べて、型枠工事の人件費を節減することができる。また、解体時には、前記ビスを抜き取って連結材3を除去することで個々のパネルの脱型も容易になり、しかもパネル1,2の損傷を少なくして転用回数を増やすことができる。
【0039】
図14は、壁部の下段に配置される合板パネル1Bを打継面に固定する納まりの拡大図である。この箇所に用いられる合板パネル1は、下縁部の枠材1bが堰板1aの縁端に対して前記第2のパターンで取り付けられている。打継面上には、予め墨に合わせて矩形断面を有する台桟木5が取り付けられる。そして、この台桟木5上に、断面直角三角形状の2部材からなる合わせスペーサ6が取り付けられる。この合わせスペーサ6は、2部材の合わせ面が型枠の外側に向かって下降傾斜するように重ねられ、両面テープ等で台桟木5上に仮止めされる。合板パネル1は、下縁部の枠材1bを合わせスペーサ6上に重ねて建て込まれ、枠材1bを台桟木5に対してビス止めすることにより固定される。
【0040】
このように、本発明の型枠構造は、壁型枠を形成する合板パネル1の連結箇所の納まりを標準化することにより、合板パネル1の形態及びサイズにかかる種類を削減して、資材管理の効率化を図ることにも成功している。つまり、図1〜図6に例示した型枠構造に用いられる合板パネル1は、建物の階高や梁せい等を標準化した場合、高さ方向については、
中段用(高さ2,000 〜2,400mm ) …1A
下段用兼上段用(高さ600 〜700mm )…1B,1C
庇下用(高さ400 〜500mm ) …1D
梁外用(高さ800 〜1,000mm ) …1E
の4タイプと、これに開口部等の周囲に配する変形タイプを加えたもので全ての壁部をカバーすることができる。前記4タイプのうち中段用のタイプは、上縁部及び下縁部の枠材1bがいずれも第1のパターンで取り付けられ、上下方向を規定されずに使用できる。また、下段用兼上段用のタイプと庇下用のタイプは、上縁部と下縁部の枠材1bのうちいずれか一方が第1のパターン、いずれか他方が第2のパターンで取り付けられ、取付箇所に応じて上下を反転して使用することができる。
【0041】
そして、高さの異なるこれら4タイプの合板パネル1について、それぞれ縦方向の枠材1bが両側とも第2のパターンのもの(1F)と、縦方向の枠材1bの一方が第2のパターンで他方が第3のパターンのもの(1G:左右逆のタイプもあり)とを用意することにより、単純積算では12通りのタイプ設定で、横方向についても全ての連結形態をカバーすることができる。あとは、設計モジュールや特殊部位の納まり等を考慮し、必要に応じて横幅のサイズバリエーションを展開すればよい。
【0042】
また、例えば前記中段用のタイプと下段用兼上段用のタイプとを一体に形成するなどして、高さが3,000mm を超えるような大判サイズの合板パネル1を用意してもよい。このような大判サイズの合板パネル1を経済的に製作することができるならば、合板パネル1のサイズバリエーションをさらに集約することが可能になる。大判サイズの合板パネル1を利用すれば、パネル同士の連結箇所数も減少し、また樹脂性ジョイナー4等の部材も削減することができるので、施工性はさらに向上する。
【0043】
<合板パネルの離型剤>
本発明に利用される合板パネル1の堰板1aには、ガソリンエンジンオイルに準じた粘度及び潤滑性を有する石油類がコンクリート離型剤として含浸されるのが好ましい。ガソリンエンジンオイルに準じた粘度及び潤滑性を有する石油類とは、危険物の第4類・第4石油類に分類される鉱物油、化学合成油、もしくは両者をブレンドした半化学合成油であって、常温・常圧下で液体であり、引火点が200 度以上で、ガソリンエンジン用の潤滑油として定められた基本的な性能規格( 粘度、粘度安定性、潤滑性、酸化安定性、磨耗防止性、均質性、分散性等)を満たすものである。ガソリンエンジンオイルに関する現行の規格では、粘度その他の性能についても詳細なグレードが定められているが、本発明においては特にそこまでのグレードは限定しない。本出願人の実験では、このような石油類を合板製の堰板1aに含浸させることにより、コンクリートに対する剥離性が従来一般のコンクリート離型剤と同等以上になることが確認された。これにより、解体後の堰板1aの表面を洗い直す手間が省力化され、合板パネル1の転用回数もさらに増やすことができる。
【0044】
<他の材料からなる型枠パネルの利用>
ここまでは、合板パネル1の構造や、合板パネル1と他のパネル(合板パネル1または鋼板パネル2)との連結形態を中心に説明してきたが、本発明の型枠構造では、合板パネル1の一部または全部を樹脂パネル(図示せず)に置き換えることも可能である。本発明に利用される樹脂パネルは、前記した合板パネル1の堰板1aと枠材1bに相当する部分をFRPその他の合成樹脂で一体成形して得られるものである。当然ながら、樹脂パネルの縁部近傍の断面形状は、前記合板パネル1と同一の構成になる。このような樹脂パネルは、材質や形態によっては合板パネル1よりもパネル自体の製作コストが割高になる可能性はあるが、前記した連結形態と全く同様にして型枠を建て込むことができるので、施工性や転用性のさらなる向上を期待することができる。
【0045】
<支保工と型枠支持金物>
次に、本発明の型枠構造における支保工について説明する。
【0046】
本発明の型枠構造における支保工も、基本的には従来と同様に、型枠パネルがセパレーターやフォームタイなどの間隔保持具(図示せず)を介して間隔一定に保持され、外側にバタ材が当てがわれて締め付けられることにより、コンクリートの重量や圧力による変形やはらみに抗する。ただし、本発明では、支保部材相互の連結を容易にするため、壁型枠を支保する横バタ材7に角形鋼管を利用している。そして、図1〜図4,図7に示すように、横バタ材7に鋼板製の腕木受け金物8を適宜間隔で掛止して、この腕木受け金物8に腕木材9を載架し、腕木材9にクランプ金物10を介してパイプサポート11を連結している。パイプサポート11は、その上端部で上方の庇や梁型枠の底部を支承している。
【0047】
腕木受け金物8は、図15に示すように、厚さ2.0 〜2.5mm 程度の鋼板を折曲加工してなる金物で、下方に開口した溝形断面を有する掛止部8aと、上方に開口した溝形断面を有する支承部8bとが、上面視略T字形になるように形成されている。掛止部8aは横バタ材7に対して上方及び両側方から被せられ、支承部8bは角材等からなる腕木材9を下方及び両側方から支承する。
【0048】
横バタ材7には、図16に示すようなクランプ金物10が取り付けられる。このクランプ金物10は、腕木受け金物8と同様に下方に開口した溝形断面を有する掛止部10aと、掛止部の一側面に固着されたパイプクランプ10bとを備えている。掛止部10aは腕木材9に上方から被せられ、パイプクランプ10bには伸縮自在のパイプサポート11が取り付けられる。
【0049】
このような腕木受け金物8やクランプ金物10を利用することにより、横バタ材7に直交する腕木材9と、腕木材9に直交して立設されるパイプサポート11を、極めて簡単に連結して固定することができる。
【0050】
パイプサポート11の上端部は上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠や梁型枠の底部を支承するが、例えばスラブ型枠の底部に配される大引材12などを安定的に支承するためには、図1〜図6に示すようなパイプサポート用受け金物13を利用してもよい。例示のパイプサポート用受け金物13は、図1に示すように、上方に開口した溝形断面を有して大引材12を載架させうる支承部13aと、支承部13aの底面に固着されてパイプサポート11の上端部に挿入しうる軸部13bとを備えるものである。このパイプサポート用受け金物13は、例えば図3に示すように、傾斜する大引材12(登り梁)に合わせて支承部13aを傾斜させたものとすることもできる。
【0051】
さらに本発明の型枠構造では、壁部、柱、梁等の垂直面に建て込まれる型枠と、上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠との取合部において、垂直面に建て込まれた合板パネル1または鋼板パネル2の上縁部に鋼板製の大引受け金物14(14A,14B,14C,14D,14E)を掛止し、この大引受け金物14に大引材12を載架してスラブ型枠を支承している。以下に、大引受け金物14の具体例を示す。
【0052】
図17は、合板パネル1の上縁部に掛止される大引受け金物14Aの側面図である。この大引受け金物14は、前記腕木受け金物8と同様に厚さ2.0 〜2.5mm 程度の鋼板を折曲加工してなる金物で、全体的な形態も腕木受け金物8に類似している。すなわち、下方に開口した溝形断面を有して合板パネル1の上縁部に上方及び表裏両側から被せられる掛止部14aと、上方に開口した溝形断面を有して大引材12を下方及び両側方から支承する支承部14bとを備え、これら掛止部14aと支承部14bとが一体に形成されている。掛止部14aの溝幅は合板パネル1の堰板1aと枠材1bとを重ね合わせた寸法に形成され、合板パネル1の上縁部にほとんどガタつきなく掛止できるようになっている。支承部14bの側面には、大引材12を仮止めするためのビス孔14cが形成されている。
【0053】
図18は、鋼板パネル2の上縁部に掛止される大引受け金物14Bの側面図である。この大引受け金物14Bは、前記合板パネル1用の大引受け金物14Aに突当片14dを付加したものである。突当片14dは、掛止部14aを構成する2つの側面のうち支承部14b側の側面の一部を切り起こすなどして形成され、掛止部14aを鋼板パネル2のリブ2bに被せた状態で、突当片14dの先端が鋼板パネル2の裏面に当接するようになっている。これにより、支承部14bの傾倒が制止されて大引材12の載架状態が安定する。
【0054】
このような大引受け金物14を利用することにより、合板パネル1や鋼板パネル2に直交する大引材12を、合板パネル1や鋼板パネル2に対して直接接合せずとも、簡単かつ安定的に載架することができる。この大引受け金物14は薄肉の鋼板によって形成されているので、壁型枠とスラブ型枠との取合部においても納まりに支障は生じない。
【0055】
スラブ型枠が勾配をもつ場合は、図19に示すように、スラブの勾配に合わせて支承部14bを予め傾斜させた大引受け金物14Cを利用することができる。また、例えば寄棟形式の屋根スラブ型枠などにおいては、図20,図23に示すように、隅部の柱から平面視45度方向に隅棟が形成されるので、この隅棟を支持する大引材12B(登り梁)を柱型枠に連結するための大引受け金物14D,14Eが利用される。
【0056】
図20〜図22に示す大引受け金物14Dは、外付け隅柱の内側に建て込まれる柱用鋼板パネル2Eに取り付けられる。この柱用鋼板パネル2Eは、幅の狭い2つの垂直面が直交して入隅部をなすように形成された堰板2aを備え、その両側縁部にリブ2bが設けられている。この柱用鋼板パネル2Eに対応する大引受け金物14Dは、掛止部14aの中央部分が上面視L字形に突出して鋼板パネル2Eの入隅部に上方から被さり、突当片14dが支承部14bの両側から延設されて鋼板パネル2Eの両リブ2bと両リブ2bに取り付けられた連結材3に沿って掛止されるようになっている。
【0057】
また、図23〜図25に示す大引受け金物14Eは、内付け隅柱の内側に建て込まれる柱用鋼板パネル2Fに取り付けられる。この柱用鋼板パネル2Fは、幅の広い2つの垂直面が直交して出隅部をなし、さらにその両側縁部が折り返されて幅の狭い2つの垂直面に連続するように形成された堰板2aを備えている。この柱用鋼板パネル2Fに対応する大引受け金物14Eは、掛止部14aの両縁部が上面視V字形に突出して鋼板パネル2Fの出隅部に上方から被さり、突当片14dが中央から突出して鋼板パネル2Fの出隅稜角部に当接するようになっている。
【0058】
このような入隅・出隅に対応する大引受け金物14D,14Eを利用することにより、隅棟を有する寄棟形式の屋根スラブ型枠についても、簡単かつ安定的に支保することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の型枠構造では、合板パネルと鋼板パネルとが建築部位に応じて合理的に併用され、さらに各パネル同士の連結部の納まりが標準化されることによって、型枠の建て込み作業及び解体作業が大幅に省力化される。また、連結材を介してパネル同士をビス固定することで、型枠パネルの損傷も最小限に抑えられ、型枠パネルの転用回数が増加し、型枠工事のコスト削減と資源の有効活用が図られる。
【0060】
また、本発明の型枠支持物(腕木受け金物、大引受け金物)を利用することにより、合板パネルや鋼板パネルに直交する腕木材や大引材等を、合板パネルや鋼板パネルに対して直接接合せずとも、簡単かつ安定的に載架することができる。これにより、支保工にかかる手間や工数も削減され、型枠工事のさらなるコスト削減と施工精度の上昇を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の内面に合わせて壁を設け、屋根を庇付きの陸屋根とした場合の縦断面略図である。
【図2】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の外面に合わせて壁を設け、屋根を庇付きの陸屋根とした場合の縦断面略図である。
【図3】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の内面に合わせて壁を設け、屋根を庇付きの勾配屋根とした場合の縦断面略図である。
【図4】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の外面に合わせて壁を設け、屋根を庇付きの勾配屋根とした場合の縦断面略図である。
【図5】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の内面に合わせて壁を設け、梁と一体に中間階の床スラブを設けた場合の縦断面略図である。
【図6】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の外面に合わせて壁を設け、梁と一体に中間階の床スラブを設けた場合の縦断面略図である。
【図7】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、平坦な壁部の横断面略図である。
【図8】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱の内面に合わせて壁を設けた場合の柱部分の横断面略図である。
【図9】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱の外面に合わせて壁を設けた場合の柱部分の横断面略図である。
【図10】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱を介さずに壁が直交する部分の横断面略図である。
【図11】合板パネル同士を上下方向に連結する箇所の納まりを示す部分断面図である。
【図12】合板パネルと鋼板パネルとを上下方向に連結する箇所の納まりを示す部分断面図である。
【図13】合板パネルと鋼板パネルとを横方向に連結する箇所の納まりを示す部分断面図である。
【図14】壁部の下段に配置される合板パネルを打継面に固定する箇所の納まりを示す素寸断面図である。
【図15】本発明の型枠構造に利用される腕木受け金物の斜視図である。
【図16】本発明の型枠構造に利用されるクランプ金物の側面図である。
【図17】本発明の型枠構造に利用される合板パネル用の大引受け金物の側面図である。
【図18】本発明の型枠構造に利用される鋼板パネル用の大引受け金物の側面図である。
【図19】スラブ型枠が勾配をもつときに利用される大引受け金物の側面図である。
【図20】外付け隅柱の内側に隅棟支持用の大引材を連結する場合の型枠構造を示す上面図である。
【図21】図20に示した型枠構造に用いられる大引受け金物の上面図である。
【図22】図21に示した大引受け金物の側面図である。
【図23】内付け隅柱の内側に隅棟支持用の大引材を連結する場合の型枠構造を示す上面図である。
【図24】図23に示した型枠構造に用いられる大引受け金物の上面図である。
【図25】図24に示した大引受け金物の側面図である。
【符号の説明】
1(1A〜1G) 合板パネル
1a 堰板
1b 枠材
2(2A〜2G) 鋼板パネル
2a 堰板
2b リブ
4 樹脂製ジョイナー
3(3A〜3B) 連結材
3a 切欠部
7 横バタ材
8 腕木受け金物
8a 掛止部
8b 支承部
9 腕木材
10 クランプ金物
11 パイプサポート
12 大引材
14(14A〜14E) 大引受け金物
14a 掛止部
14b 支承部
14d 突当片
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリート造建築物の型枠構造と、該構造に利用される型枠連結用金物に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄筋コンクリート造建築物の型枠には、従来より、木製の型枠パネルや金属製の型枠パネルが利用されている。
【0003】
木製の型枠パネルは、厚さ12mm程度の型枠用合板を堰板とし、その裏面周縁部や中間部に補強用の桟木を釘打ちしたもの(合板パネル)が一般的である。この合板パネルを縦横に連設するにあたっては、隣接する合板パネルの周縁部の桟木同士を互いに釘打ちして接合している。この種の合板パネルは、通常、型枠用合板の規格寸法に合わせたサイズで用意されるが、その規格寸法に合わない部分については、現場にて作業者が適宜寸法にカットし、それに桟木を組み付けて建て込んでいる。
【0004】
金属製の型枠パネルは、厚さ2mm程度の鋼板を堰板とし、その裏面周縁部や中間部に補強用の鋼製リブを溶接等によって一体に形成したもの(鋼板パネル)が一般的である。この鋼板パネルを縦横に連設するにあたっては、隣接する鋼板パネルの周縁部のリブ同士を密着させ、重なり合ったリブにクリップ状の緊結用金物を嵌め込んで連結している。この種の鋼板パネルも、通常、予め定められた形状や寸法でサイズで用意されるが、その寸法に合わない部分には、木製の型枠パネル等が現場で併用される。
【0005】
これらの型枠パネルは、セパレーターなどの間隔保持具を介して相対する間隔を一定に保持されるとともに、コンクリートの側圧によってはらむのを防ぐため、外側に縦バタ材や横バタ材が格子状にあてがわれ、これらをフォームタイなどの緊結具で締め付けるようにして建て込まれる。縦バタ材や横バタ材には、通常、木製の角材や鋼製の単管(丸パイプ)などが利用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記した合板パネルと鋼板型枠パネルは、それぞれに一長一短を備えている。
【0007】
すなわち、合板パネルは、軽量・安価で加工性に優れる反面、連設時には桟木同士の釘止めを要するので、釘打ちの衝撃により建て込み位置に微妙なズレが生じやすく、そのズレを修正するのが面倒である。また、脱型時には、桟木同士を固定していた釘をバール等でこじ抜きながら解体することが多いので、合板パネルが傷みやすく、転用回数がせいぜい2〜3回にとどまっている。そのため、現場で処分される廃材量が増加し、型枠工事のコスト増と木材資源の浪費を招いている。
【0008】
一方、鋼板パネルは、合板パネルに比べて耐久性や転用性、仕上がり精度がよく、また剛性が大きいので支保工材の節減が計れる反面、高価で、重く、作業性に劣るという問題がある。さらに、型枠内に打設したコンクリートが硬化・収縮すると型枠パネル同士が強固に密着することが多く、解体時の作業性も悪くなる。そして、解体の際に、例えばバール等で無理に鋼板パネルを引き剥がさそうとして変形や傷みを生じ、転用が困難になるという問題もある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、建築部位に応じて材質の異なる型枠パネルを合理的に使い分け、それらの建て込み作業や支保工を簡単かつ効率的に行えるようにするとともに、解体時の型枠パネルの損傷も最小限にして転用回数を増やし、型枠工事のコスト削減と資源の有効活用を図ることを解決課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、合板パネルと鋼板パネルとを型枠の部位に応じて合理的に組み合わせ、その連結や支保工を省力化しようとするもので、平坦な壁部には、合板製堰板の裏面周縁部に木製の枠材を取り付けた合板パネルを上下左右方向に複数枚連設して建て込み、前記壁部から突出する柱や梁その他の特殊部位には、鋼板製堰板の裏面周縁部にリブを備えた所定形状の鋼板パネルを前記壁部の合板パネルと連結して建て込むことを基本的な構成としている。
【0011】
この型枠構造において、合板パネルを構成する枠材は全て同一の矩形断面を有する。そして、各合板パネルに取り付けられた枠材のうち、他の合板パネルに対して上下方向に隣接する縁部の枠材は、堰板の縁端から枠材の見付け寸法の1/2だけ堰板の中央側に後退して取り付けられ、上下方向に隣接する合板パネルの堰板同士が前記枠材と同寸の見付け寸法を有する断面H形の樹脂製ジョイナーを介して突き合わされ、上下方向に隣接する合板パネルの縁部にそれぞれ取り付けられた枠材同士が、この枠材と略同一断面を有する木製の連結材を間に挟んでビス固定される。
【0012】
また、各合板パネルに取り付けられた枠材のうち、他の鋼板パネルに対して上下方向に隣接する縁部の枠材は、堰板の縁端から枠材の見付け寸法の1/2だけ堰板の中央側に後退して取り付けられ、上下方向に隣接する合板パネルと鋼板パネルとの間には、前記合板パネルの枠材と略同寸の見付け寸法を有し、見付面の片側には前記合板パネルの堰板の張出縁に対応する切欠部が形成された木製の連結材が挟み込まれ、この連結材を介して合板パネルと鋼板パネルとが連結される。
【0013】
また、各合板パネルに取り付けられた枠材のうち、他の鋼板パネルに対して横方向に隣接する縁部の枠材は、堰板の縁端から枠材の見付け寸法だけ堰板の中央側に後退して取り付けられ、横方向に隣接する合板パネルと鋼板パネルは、合板パネルの堰板を鋼板パネルのリブに突き合わせ、合板パネルの枠材と鋼板パネルのリブとの間に前記枠材と略同一断面を有する木製の連結材を挟み込んで連結される。
【0014】
これらの構成によれば、コンクリート躯体のうち最も大きな表面積を占める壁部の型枠に軽量の合板パネルが用いられ、作業性に劣る鋼板パネルは柱や梁などの特殊部分に限定されるので、現場における作業性が向上する。合板パネルの構造は、合板製堰板の裏面周縁部に同一矩形断面等の枠材を取り付けたものであるから、合板パネル自体も経済的に製作することができる。
【0015】
そして、合板パネルと他のパネル(合板パネルまたは鋼板パネル)との連結には、枠材と同一断面の連結材、またはその一部を切り欠いた連結材を用いるので、枠材と連結材とをビス固定することで各パネルを容易に連結することができる。したがって、型枠の建て込み作業の大部分を簡単な大工工事並の手間で処理することができる。また、解体時には、前記ビスを抜き取って連結材を除去することで個々のパネルの脱型も容易になり、しかもパネルの損傷を少なくして転用回数を増やすことができる。
【0016】
本発明の型枠構造に利用される合板パネルの堰板には、ガソリンエンジンオイルに準じた粘度及び潤滑性を有する石油類がコンクリート離型剤として含浸されるのが好ましい。この石油類を用いることにより、堰板とコンクリートとの剥離性が従来一般のコンクリート離型剤よりも向上して、解体後の堰板の表面を洗い直す手間が省力化され、合板パネルの転用回数もさらに増やすことができる。
【0017】
さらに本発明では、前記合板パネルや鋼板パネルを容易に、かつ精度良く支保するために、鋼板製の型枠支持金物が利用される。
【0018】
すなわち、壁を挟んで相対する合板パネルは角形鋼管製の横バタ材を介して両側から支保され、この横バタ材に鋼板製の腕木受け金物が適宜間隔で掛止され、この腕木受け金物に載架された腕木材にクランプ金物を介してパイプサポートが連結され、このパイプサポートの上端部が上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠や梁型枠の底部を支承する。
【0019】
この発明に利用される腕木受け金物は、下方に開口した溝形断面を有して横バタ材に上方及び両側方から被せられる掛止部と、上方に開口した溝形断面を有して腕木材を下方及び両側方から支承する支承部とを備え、これら掛止部と支承部とが一枚の鋼板を折曲加工して一体に形成されたものである。
【0020】
また、壁部、柱、梁等の垂直面に建て込まれる型枠と、上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠との取合部においては、前記垂直面に建て込まれた合板パネルまたは鋼板パネルの上縁部に鋼板製の大引受け金物が適宜間隔で掛止され、この大引受け金物に載架された大引材が前記スラブ型枠を支承する。
【0021】
この発明に利用される大引受け金物のうち合板パネル用のものは、下方に開口した溝形断面を有して合板パネルの上縁部に上方及び表裏両側から被せられる掛止部と、上方に開口した溝形断面を有して大引材を下方及び両側方から支承する支承部とを備え、これら掛止部と支承部とが一枚の鋼板を折曲加工して一体に形成されたものである。
【0022】
また、この発明に利用される大引受け金物のうち鋼板パネル用のものは、下方に開口した溝形断面を有して鋼板パネルの上縁部に上方及び表裏両側から被せられる掛止部と、上方に開口した溝形断面を有して大引材を下方及び両側方から支承する支承部と、支承部の基端側から突出して鋼板パネルの裏面に当接する突当片とを備え、これら掛止部、支承部及び突当片が一枚の鋼板を折曲加工して一体に形成されたものである。
【0023】
さらに、鋼板パネル用の大引受け金物のうち、直交する2つの垂直面を備えた柱用鋼板パネルに対して平面視45度方向に隅棟等の大引を支持するものは、前記掛止部が、柱用鋼板パネルの入隅部または出隅部に沿うように形成され、突当片が、当該柱用鋼板パネルの入隅部を挟んで相対するリブ、または当該柱用鋼板パネルの出隅稜角部に沿うように形成されたものである。
【0024】
これらの型枠支持金物(腕木受け金物や大引受け金物)を利用することにより、パネルの建て込みだけでなく、その支保工も格段に省力化され、型枠工事の工数やコストが大幅に削減される。また、これらの型枠支持金物は合板パネルや鋼板パネルを一切損傷しないので、解体作業の効率化やパネルの転用回数増加にも大いに寄与する。
【0025】
また、本発明の型枠構造では、前記した型枠構造における合板パネルの一部または全部を樹脂パネルに置換することもできる。この樹脂パネルは、FRPその他の合成樹脂からなる堰板の裏面周縁部に合成樹脂製の枠材を一体成形したものである。樹脂パネルの縁部近傍の断面形状を前記合板パネルと同一の構成にすることにより、合板パネルを用いた場合と全く同様の連結形態で型枠を建て込むことができる。かかる樹脂パネルを用いた場合、合板パネルに比較してパネル自体の製作コストが上昇する可能性もあるが、施工性や転用性の向上が期待できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1〜図6は、本発明の型枠構造における型枠パネルの具体的な建て込みパターンを例示した縦断面略図である。図1,図3,図5は、柱・梁の内面に合わせて壁が設けられた、いわゆる外付け柱の形態に対応する型枠を示したもので、図1は庇付きの陸屋根が設けられる場合、図3は庇付きの勾配屋根が設けられる場合、図5は中間階の床スラブが設けられる場合をそれぞれ示している。一方、図2,図4,図6は、柱・梁の外面に合わせて壁が設けられた、いわゆる内付け柱の形態に対応する型枠を示したもので、図2は庇付きの陸屋根が設けられる場合、図4は庇付きの勾配屋根が設けられる場合、図6は中間階の床スラブが設けられる場合をそれぞれ示している。また、図7〜図10は、前記型枠の各部における横断面略図であって、図7は平坦な壁部、図8は外付け柱の柱部、図9は内付け柱の柱部、図10は壁同士が直交するコーナー部をそれぞれ示している。
【0028】
これら各図において、符号1(1A,1B,1C…)は合板パネルを示し、符号2(2A,2B,2C…)は鋼板パネルを示す。また、符号3(3A,3B)は、各パネルが互いに隣接する部分に介在される連結材を示す。本発明の型枠構造では、平坦な壁部に合板パネル1が建て込まれて壁型枠が形成され、壁部から突出する柱や梁その他の特殊部位には鋼板パネル2が建て込まれて柱型枠や梁型枠が形成される。
【0029】
<合板パネル>
本発明における合板パネル1は、厚さ12mm程度の構造用合板からなる堰板1aの裏面周縁部に矩形断面を有する木製の枠材1bを取り付けて構成される(図1・図7参照)。枠材1bの断面寸法は、見付け30mm、見込み50mm程度が実用的かつ経済的である。枠材1bの断面寸法は全ての合板パネル1において統一されるが、堰板1aの縁端に対する枠材1bの取付位置については、以下のような3種類のパターンが用意される。
【0030】
第1のパターンは、枠材1bの外側面が堰板1aの縁端から枠材1bの見付け寸法の1/2だけ堰板1aの中央側に後退して取り付けられ、堰板1aに張出縁が形成された形態である。このパターンは、当該合板パネル1が他の合板パネル1や鋼板パネル2に対して上下方向に隣接する縁部に採用される。図1〜図6に示した合板パネル1のうち、壁部中段に配置される合板パネル1Aの上縁部と下縁部、壁部下段に配置される合板パネル1Bの上縁部、壁部上段に配置される合板パネル1Cや庇下に配置される合板パネル1D(図4参照)、梁の外側に配置される合板パネル1E(図6参照)の下縁部などがこのパターンである。
【0031】
第2のパターンは、枠材1bの外側面が堰板1aの縁端と一致するように取り付けられた形態である。このパターンは、当該合板パネル1が他の合板パネル1に対して横方向に隣接する縁部と、当該合板パネル1が他の合板パネル1や鋼板パネル2に隣接しない縁部に採用される。図7〜図10に示した合板パネル1のうち、壁部の中央側に配置される合板パネル1Fの左右両縁部、柱部やコーナー部に隣接する合板パネル1Gの壁側の縦縁部、図1〜図6に示した合板パネル1のうち、壁部下段に配置される合板パネル1Bの下縁部、壁部上段に配置される合板パネル1Cや庇下に配置される合板パネル1D(図4参照)、梁の外側に配置される合板パネル1E(図6参照)の上縁部が、このパターンである。
【0032】
第3のパターンは、枠材1bの外側面が堰板1aの縁端から枠材1bの見付け寸法だけ堰板1aの中央側に後退して取り付けられ、前記第1のパターンの倍寸に相当する張出縁が形成された形態である。このパターンは、当該合板パネル1が他の鋼板パネル2に対して横方向に隣接する縁部に採用される。図7〜図10に示した合板パネル1のうち、柱部やコーナー部に隣接する合板パネル1Gの柱側またはコーナー側の縦縁部がこのパターンである。
【0033】
<鋼板パネル>
一方、本発明における鋼板パネル2は、従来一般の鋼板パネルと同様に、厚さ2mm程度の鋼板からなる堰板2aの裏面周縁部に、堰板2aと同程度の厚さのリブ2bを形成したものである(図8参照)。ただし、本発明においては、図1〜図6の梁部や図8〜図10の柱部、コーナー部に示すように、単一平面状の鋼板パネル2Aだけでなく、堰板2aが柱や梁の断面形状に沿って出隅や入隅をなすように形成された鋼板パネル2C,2D,2E,2F,2Gも多用される。また、平面状の鋼板パネル2同士が直交して出隅を形成する部位においては、出隅側の縁部にリブを設けないタイプの鋼板パネル2Bも用いられる。これらの鋼板パネル2同士は、従来と同様に、隣接するリブ2b同士、あるいは一方のリブ2bと他方の堰板2aとを、クリップ状の緊結用金物(図示略)で挟み込むことにより連結される。
【0034】
<連結材とパネルの連結形態>
本発明における連結材3は、合板パネル1同士の連結箇所、および合板パネル1と鋼板パネル2との連結箇所に利用される部材である。この連結材3は、合板パネル1の枠材1bと同じ材料を使用して、断面の外寸が枠材1bと同一になるように形成される。この連結材3は、以下のようにして用いられる。
【0035】
まず、合板パネル1同士を上下方向に連結する箇所では、図11に示すように、合板パネル1の枠材1bと同じ矩形断面の連結材3Aが用いられる。この形態で連結される上下の合板パネル1は、いずれも枠材1bが堰板1aの縁端に対して前記第1のパターンで取り付けられている。そして、各合板パネル1の堰板1aの張出縁が、断面H形の樹脂製ジョイナー4を介して突き合わされる。樹脂製ジョイナー4は、枠材1b及び連結材3Aと同一の見付け寸法を有する薄肉の押え板41を2枚対向させ、それらの中間部同士を連結板42で連結したものである。押え板41の間隔は堰板1aの厚みに対応している。この樹脂製ジョイナー4に上下の堰板1aを挿入することで、上下の堰板1aが同一平面をなすように精度良く保持される。そして、型枠の外側から樹脂製ジョイナー4に連結材3Aが当てがわれ、上下の合板パネル1の枠材1bの間に連結材3Aが挟み込まれる。この連結材3Aと上下の枠材1bとが密着した状態で、上下の各枠材1bから連結材3Aに向けて固定用のビスが打ち込まれる。
【0036】
また、合板パネル1と鋼板パネル2とを上下方向に連結する箇所では、図12に示すような変形タイプの連結材3Bが用いられる。この形態で連結される合板パネル1も、枠材1bが堰板1aの縁端に対して前記第1のパターンで取り付けられており、これに対応して、連結材3Bの見付面の片側半分には、合板パネル1の張出縁と同形状の切欠部3aが形成されている。この連結材3Bは、予め鋼板パネル2のリブ2bにビス等で固定され、合板パネル1の枠材1b及び張出縁と合致するように建て込まれた後、枠材1b側からビス固定される。
【0037】
合板パネル1と鋼板パネル2とを横方向に連結する箇所でも、図13に示すように、合板パネル1の枠材1bと鋼板パネル2のリブ2bとの間に連結材3が挟み込まれる。この形態で連結される合板パネル1は、枠材1bが堰板1aの縁端に対して前記第3のパターンで取り付けられ、張出縁の出寸法が枠材1b及び連結材3の見付け寸法と等しくなっているので、矩形断面のままの連結材3Aが用いられる。この連結材3Aも、予め鋼板パネル2のリブ2bにビス等で固定され、合板パネル1の枠材1b及び張出縁と合致するように建て込まれた後、枠材1b側からビス固定される。
【0038】
このように、各パネル1,2の連結に際して連結材3を介在させ、枠材1bを連結材3にビス固定することにより、型枠工事の大部分を難度の低い大工工事並の手間で処理することができる。これにより、専門の型枠職人への依存度が高かった従来の型枠工事に比べて、型枠工事の人件費を節減することができる。また、解体時には、前記ビスを抜き取って連結材3を除去することで個々のパネルの脱型も容易になり、しかもパネル1,2の損傷を少なくして転用回数を増やすことができる。
【0039】
図14は、壁部の下段に配置される合板パネル1Bを打継面に固定する納まりの拡大図である。この箇所に用いられる合板パネル1は、下縁部の枠材1bが堰板1aの縁端に対して前記第2のパターンで取り付けられている。打継面上には、予め墨に合わせて矩形断面を有する台桟木5が取り付けられる。そして、この台桟木5上に、断面直角三角形状の2部材からなる合わせスペーサ6が取り付けられる。この合わせスペーサ6は、2部材の合わせ面が型枠の外側に向かって下降傾斜するように重ねられ、両面テープ等で台桟木5上に仮止めされる。合板パネル1は、下縁部の枠材1bを合わせスペーサ6上に重ねて建て込まれ、枠材1bを台桟木5に対してビス止めすることにより固定される。
【0040】
このように、本発明の型枠構造は、壁型枠を形成する合板パネル1の連結箇所の納まりを標準化することにより、合板パネル1の形態及びサイズにかかる種類を削減して、資材管理の効率化を図ることにも成功している。つまり、図1〜図6に例示した型枠構造に用いられる合板パネル1は、建物の階高や梁せい等を標準化した場合、高さ方向については、
中段用(高さ2,000 〜2,400mm ) …1A
下段用兼上段用(高さ600 〜700mm )…1B,1C
庇下用(高さ400 〜500mm ) …1D
梁外用(高さ800 〜1,000mm ) …1E
の4タイプと、これに開口部等の周囲に配する変形タイプを加えたもので全ての壁部をカバーすることができる。前記4タイプのうち中段用のタイプは、上縁部及び下縁部の枠材1bがいずれも第1のパターンで取り付けられ、上下方向を規定されずに使用できる。また、下段用兼上段用のタイプと庇下用のタイプは、上縁部と下縁部の枠材1bのうちいずれか一方が第1のパターン、いずれか他方が第2のパターンで取り付けられ、取付箇所に応じて上下を反転して使用することができる。
【0041】
そして、高さの異なるこれら4タイプの合板パネル1について、それぞれ縦方向の枠材1bが両側とも第2のパターンのもの(1F)と、縦方向の枠材1bの一方が第2のパターンで他方が第3のパターンのもの(1G:左右逆のタイプもあり)とを用意することにより、単純積算では12通りのタイプ設定で、横方向についても全ての連結形態をカバーすることができる。あとは、設計モジュールや特殊部位の納まり等を考慮し、必要に応じて横幅のサイズバリエーションを展開すればよい。
【0042】
また、例えば前記中段用のタイプと下段用兼上段用のタイプとを一体に形成するなどして、高さが3,000mm を超えるような大判サイズの合板パネル1を用意してもよい。このような大判サイズの合板パネル1を経済的に製作することができるならば、合板パネル1のサイズバリエーションをさらに集約することが可能になる。大判サイズの合板パネル1を利用すれば、パネル同士の連結箇所数も減少し、また樹脂性ジョイナー4等の部材も削減することができるので、施工性はさらに向上する。
【0043】
<合板パネルの離型剤>
本発明に利用される合板パネル1の堰板1aには、ガソリンエンジンオイルに準じた粘度及び潤滑性を有する石油類がコンクリート離型剤として含浸されるのが好ましい。ガソリンエンジンオイルに準じた粘度及び潤滑性を有する石油類とは、危険物の第4類・第4石油類に分類される鉱物油、化学合成油、もしくは両者をブレンドした半化学合成油であって、常温・常圧下で液体であり、引火点が200 度以上で、ガソリンエンジン用の潤滑油として定められた基本的な性能規格( 粘度、粘度安定性、潤滑性、酸化安定性、磨耗防止性、均質性、分散性等)を満たすものである。ガソリンエンジンオイルに関する現行の規格では、粘度その他の性能についても詳細なグレードが定められているが、本発明においては特にそこまでのグレードは限定しない。本出願人の実験では、このような石油類を合板製の堰板1aに含浸させることにより、コンクリートに対する剥離性が従来一般のコンクリート離型剤と同等以上になることが確認された。これにより、解体後の堰板1aの表面を洗い直す手間が省力化され、合板パネル1の転用回数もさらに増やすことができる。
【0044】
<他の材料からなる型枠パネルの利用>
ここまでは、合板パネル1の構造や、合板パネル1と他のパネル(合板パネル1または鋼板パネル2)との連結形態を中心に説明してきたが、本発明の型枠構造では、合板パネル1の一部または全部を樹脂パネル(図示せず)に置き換えることも可能である。本発明に利用される樹脂パネルは、前記した合板パネル1の堰板1aと枠材1bに相当する部分をFRPその他の合成樹脂で一体成形して得られるものである。当然ながら、樹脂パネルの縁部近傍の断面形状は、前記合板パネル1と同一の構成になる。このような樹脂パネルは、材質や形態によっては合板パネル1よりもパネル自体の製作コストが割高になる可能性はあるが、前記した連結形態と全く同様にして型枠を建て込むことができるので、施工性や転用性のさらなる向上を期待することができる。
【0045】
<支保工と型枠支持金物>
次に、本発明の型枠構造における支保工について説明する。
【0046】
本発明の型枠構造における支保工も、基本的には従来と同様に、型枠パネルがセパレーターやフォームタイなどの間隔保持具(図示せず)を介して間隔一定に保持され、外側にバタ材が当てがわれて締め付けられることにより、コンクリートの重量や圧力による変形やはらみに抗する。ただし、本発明では、支保部材相互の連結を容易にするため、壁型枠を支保する横バタ材7に角形鋼管を利用している。そして、図1〜図4,図7に示すように、横バタ材7に鋼板製の腕木受け金物8を適宜間隔で掛止して、この腕木受け金物8に腕木材9を載架し、腕木材9にクランプ金物10を介してパイプサポート11を連結している。パイプサポート11は、その上端部で上方の庇や梁型枠の底部を支承している。
【0047】
腕木受け金物8は、図15に示すように、厚さ2.0 〜2.5mm 程度の鋼板を折曲加工してなる金物で、下方に開口した溝形断面を有する掛止部8aと、上方に開口した溝形断面を有する支承部8bとが、上面視略T字形になるように形成されている。掛止部8aは横バタ材7に対して上方及び両側方から被せられ、支承部8bは角材等からなる腕木材9を下方及び両側方から支承する。
【0048】
横バタ材7には、図16に示すようなクランプ金物10が取り付けられる。このクランプ金物10は、腕木受け金物8と同様に下方に開口した溝形断面を有する掛止部10aと、掛止部の一側面に固着されたパイプクランプ10bとを備えている。掛止部10aは腕木材9に上方から被せられ、パイプクランプ10bには伸縮自在のパイプサポート11が取り付けられる。
【0049】
このような腕木受け金物8やクランプ金物10を利用することにより、横バタ材7に直交する腕木材9と、腕木材9に直交して立設されるパイプサポート11を、極めて簡単に連結して固定することができる。
【0050】
パイプサポート11の上端部は上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠や梁型枠の底部を支承するが、例えばスラブ型枠の底部に配される大引材12などを安定的に支承するためには、図1〜図6に示すようなパイプサポート用受け金物13を利用してもよい。例示のパイプサポート用受け金物13は、図1に示すように、上方に開口した溝形断面を有して大引材12を載架させうる支承部13aと、支承部13aの底面に固着されてパイプサポート11の上端部に挿入しうる軸部13bとを備えるものである。このパイプサポート用受け金物13は、例えば図3に示すように、傾斜する大引材12(登り梁)に合わせて支承部13aを傾斜させたものとすることもできる。
【0051】
さらに本発明の型枠構造では、壁部、柱、梁等の垂直面に建て込まれる型枠と、上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠との取合部において、垂直面に建て込まれた合板パネル1または鋼板パネル2の上縁部に鋼板製の大引受け金物14(14A,14B,14C,14D,14E)を掛止し、この大引受け金物14に大引材12を載架してスラブ型枠を支承している。以下に、大引受け金物14の具体例を示す。
【0052】
図17は、合板パネル1の上縁部に掛止される大引受け金物14Aの側面図である。この大引受け金物14は、前記腕木受け金物8と同様に厚さ2.0 〜2.5mm 程度の鋼板を折曲加工してなる金物で、全体的な形態も腕木受け金物8に類似している。すなわち、下方に開口した溝形断面を有して合板パネル1の上縁部に上方及び表裏両側から被せられる掛止部14aと、上方に開口した溝形断面を有して大引材12を下方及び両側方から支承する支承部14bとを備え、これら掛止部14aと支承部14bとが一体に形成されている。掛止部14aの溝幅は合板パネル1の堰板1aと枠材1bとを重ね合わせた寸法に形成され、合板パネル1の上縁部にほとんどガタつきなく掛止できるようになっている。支承部14bの側面には、大引材12を仮止めするためのビス孔14cが形成されている。
【0053】
図18は、鋼板パネル2の上縁部に掛止される大引受け金物14Bの側面図である。この大引受け金物14Bは、前記合板パネル1用の大引受け金物14Aに突当片14dを付加したものである。突当片14dは、掛止部14aを構成する2つの側面のうち支承部14b側の側面の一部を切り起こすなどして形成され、掛止部14aを鋼板パネル2のリブ2bに被せた状態で、突当片14dの先端が鋼板パネル2の裏面に当接するようになっている。これにより、支承部14bの傾倒が制止されて大引材12の載架状態が安定する。
【0054】
このような大引受け金物14を利用することにより、合板パネル1や鋼板パネル2に直交する大引材12を、合板パネル1や鋼板パネル2に対して直接接合せずとも、簡単かつ安定的に載架することができる。この大引受け金物14は薄肉の鋼板によって形成されているので、壁型枠とスラブ型枠との取合部においても納まりに支障は生じない。
【0055】
スラブ型枠が勾配をもつ場合は、図19に示すように、スラブの勾配に合わせて支承部14bを予め傾斜させた大引受け金物14Cを利用することができる。また、例えば寄棟形式の屋根スラブ型枠などにおいては、図20,図23に示すように、隅部の柱から平面視45度方向に隅棟が形成されるので、この隅棟を支持する大引材12B(登り梁)を柱型枠に連結するための大引受け金物14D,14Eが利用される。
【0056】
図20〜図22に示す大引受け金物14Dは、外付け隅柱の内側に建て込まれる柱用鋼板パネル2Eに取り付けられる。この柱用鋼板パネル2Eは、幅の狭い2つの垂直面が直交して入隅部をなすように形成された堰板2aを備え、その両側縁部にリブ2bが設けられている。この柱用鋼板パネル2Eに対応する大引受け金物14Dは、掛止部14aの中央部分が上面視L字形に突出して鋼板パネル2Eの入隅部に上方から被さり、突当片14dが支承部14bの両側から延設されて鋼板パネル2Eの両リブ2bと両リブ2bに取り付けられた連結材3に沿って掛止されるようになっている。
【0057】
また、図23〜図25に示す大引受け金物14Eは、内付け隅柱の内側に建て込まれる柱用鋼板パネル2Fに取り付けられる。この柱用鋼板パネル2Fは、幅の広い2つの垂直面が直交して出隅部をなし、さらにその両側縁部が折り返されて幅の狭い2つの垂直面に連続するように形成された堰板2aを備えている。この柱用鋼板パネル2Fに対応する大引受け金物14Eは、掛止部14aの両縁部が上面視V字形に突出して鋼板パネル2Fの出隅部に上方から被さり、突当片14dが中央から突出して鋼板パネル2Fの出隅稜角部に当接するようになっている。
【0058】
このような入隅・出隅に対応する大引受け金物14D,14Eを利用することにより、隅棟を有する寄棟形式の屋根スラブ型枠についても、簡単かつ安定的に支保することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の型枠構造では、合板パネルと鋼板パネルとが建築部位に応じて合理的に併用され、さらに各パネル同士の連結部の納まりが標準化されることによって、型枠の建て込み作業及び解体作業が大幅に省力化される。また、連結材を介してパネル同士をビス固定することで、型枠パネルの損傷も最小限に抑えられ、型枠パネルの転用回数が増加し、型枠工事のコスト削減と資源の有効活用が図られる。
【0060】
また、本発明の型枠支持物(腕木受け金物、大引受け金物)を利用することにより、合板パネルや鋼板パネルに直交する腕木材や大引材等を、合板パネルや鋼板パネルに対して直接接合せずとも、簡単かつ安定的に載架することができる。これにより、支保工にかかる手間や工数も削減され、型枠工事のさらなるコスト削減と施工精度の上昇を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の内面に合わせて壁を設け、屋根を庇付きの陸屋根とした場合の縦断面略図である。
【図2】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の外面に合わせて壁を設け、屋根を庇付きの陸屋根とした場合の縦断面略図である。
【図3】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の内面に合わせて壁を設け、屋根を庇付きの勾配屋根とした場合の縦断面略図である。
【図4】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の外面に合わせて壁を設け、屋根を庇付きの勾配屋根とした場合の縦断面略図である。
【図5】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の内面に合わせて壁を設け、梁と一体に中間階の床スラブを設けた場合の縦断面略図である。
【図6】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱・梁の外面に合わせて壁を設け、梁と一体に中間階の床スラブを設けた場合の縦断面略図である。
【図7】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、平坦な壁部の横断面略図である。
【図8】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱の内面に合わせて壁を設けた場合の柱部分の横断面略図である。
【図9】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱の外面に合わせて壁を設けた場合の柱部分の横断面略図である。
【図10】本発明の型枠構造の実施の形態を示す図であって、柱を介さずに壁が直交する部分の横断面略図である。
【図11】合板パネル同士を上下方向に連結する箇所の納まりを示す部分断面図である。
【図12】合板パネルと鋼板パネルとを上下方向に連結する箇所の納まりを示す部分断面図である。
【図13】合板パネルと鋼板パネルとを横方向に連結する箇所の納まりを示す部分断面図である。
【図14】壁部の下段に配置される合板パネルを打継面に固定する箇所の納まりを示す素寸断面図である。
【図15】本発明の型枠構造に利用される腕木受け金物の斜視図である。
【図16】本発明の型枠構造に利用されるクランプ金物の側面図である。
【図17】本発明の型枠構造に利用される合板パネル用の大引受け金物の側面図である。
【図18】本発明の型枠構造に利用される鋼板パネル用の大引受け金物の側面図である。
【図19】スラブ型枠が勾配をもつときに利用される大引受け金物の側面図である。
【図20】外付け隅柱の内側に隅棟支持用の大引材を連結する場合の型枠構造を示す上面図である。
【図21】図20に示した型枠構造に用いられる大引受け金物の上面図である。
【図22】図21に示した大引受け金物の側面図である。
【図23】内付け隅柱の内側に隅棟支持用の大引材を連結する場合の型枠構造を示す上面図である。
【図24】図23に示した型枠構造に用いられる大引受け金物の上面図である。
【図25】図24に示した大引受け金物の側面図である。
【符号の説明】
1(1A〜1G) 合板パネル
1a 堰板
1b 枠材
2(2A〜2G) 鋼板パネル
2a 堰板
2b リブ
4 樹脂製ジョイナー
3(3A〜3B) 連結材
3a 切欠部
7 横バタ材
8 腕木受け金物
8a 掛止部
8b 支承部
9 腕木材
10 クランプ金物
11 パイプサポート
12 大引材
14(14A〜14E) 大引受け金物
14a 掛止部
14b 支承部
14d 突当片
Claims (12)
- 平坦な壁部には、合板製堰板の裏面周縁部に木製の枠材を取り付けた合板パネルを上下左右方向に複数枚連設して建て込み、前記壁部から突出する柱や梁その他の特殊部位には、鋼板製堰板の裏面周縁部にリブを備えた所定形状の鋼板パネルを前記壁部の合板パネルと連結して建て込む型枠構造であって、
前記合板パネルの枠材は全て同一の矩形断面を有し、各合板パネルに取り付けられた枠材のうち、他の合板パネルに対して上下方向に隣接する縁部の枠材は、堰板の縁端から枠材の見付け寸法の1/2だけ堰板の中央側に後退して取り付けられ、
上下方向に隣接する合板パネルの堰板同士が前記枠材と同寸の見付け寸法を有する断面H形の樹脂製ジョイナーを介して突き合わされ、上下方向に隣接する合板パネルの縁部にそれぞれ取り付けられた枠材同士が、この枠材と略同一断面を有する木製の連結材を間に挟んでビス固定されることを特徴とする型枠構造。 - 平坦な壁部には、合板製堰板の裏面周縁部に木製の枠材を取り付けた合板パネルを上下左右方向に複数枚連設して建て込み、前記壁部から突出する柱や梁その他の特殊部位には、鋼板製堰板の裏面周縁部にリブを備えた所定形状の鋼板パネルを前記壁部の合板パネルと連結して建て込む型枠構造であって、
前記合板パネルの枠材は全て同一の矩形断面を有し、各合板パネルに取り付けられた枠材のうち、他の鋼板パネルに対して上下方向に隣接する縁部の枠材は、堰板の縁端から枠材の見付け寸法の1/2だけ堰板の中央側に後退して取り付けられ、
上下方向に隣接する合板パネルと鋼板パネルとの間には、前記合板パネルの枠材と略同寸の見付け寸法を有し、見付面の片側には前記合板パネルの堰板の張出縁に対応する切欠部が形成された木製の連結材が挟み込まれ、この連結材を介して合板パネルと鋼板パネルとが連結されることを特徴とする型枠構造。 - 平坦な壁部には、合板製堰板の裏面周縁部に木製の枠材を取り付けた合板パネルを上下左右方向に複数枚連設して建て込み、前記壁部から突出する柱や梁その他の特殊部位には、鋼板製堰板の裏面周縁部にリブを備えた所定形状の鋼板パネルを前記壁部の合板パネルと連結して建て込む型枠構造であって、
前記合板パネルの枠材は全て同一の矩形断面を有し、各合板パネルに取り付けられた枠材のうち、他の鋼板パネルに対して横方向に隣接する縁部の枠材は、堰板の縁端から枠材の見付け寸法だけ堰板の中央側に後退して取り付けられ、
横方向に隣接する合板パネルと鋼板パネルは、合板パネルの堰板を鋼板パネルのリブに突き合わせ、合板パネルの枠材と鋼板パネルのリブとの間に前記枠材と略同一断面を有する木製の連結材を挟み込んで連結されることを特徴とする型枠構造。 - 合板パネルの堰板には、ガソリンエンジンオイルに準じた粘度及び潤滑性を有する石油類がコンクリート離型剤として含浸されたことを特徴とする請求項の1、2または3に記載の型枠構造。
- 壁を挟んで相対する合板パネルは角形鋼管製の横バタ材を介して両側から支保され、この横バタ材に鋼板製の腕木受け金物が適宜間隔で掛止され、この腕木受け金物に載架された腕木材にクランプ金物を介してパイプサポートが連結され、このパイプサポートの上端部が上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠や梁型枠の底部を支承することを特徴とする請求項1、2または3に記載の型枠構造。
- 壁部、柱、梁等の垂直面に建て込まれる型枠と、上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠との取合部において、前記垂直面に建て込まれた合板パネルまたは鋼板パネルの上縁部に鋼板製の大引受け金物が適宜間隔で掛止され、この大引受け金物に載架された大引材が前記スラブ型枠を支承することを特徴とする請求項1、2または3に記載の型枠構造。
- 角形鋼管製の横バタ材に掛止され、この横バタ材に直交して配される腕木材を支持する腕木受け金物であって、
下方に開口した溝形断面を有して横バタ材に上方及び両側方から被せられる掛止部と、上方に開口した溝形断面を有して腕木材を下方及び両側方から支承する支承部とを備え、これら掛止部と支承部とが一枚の鋼板を折曲加工して一体に形成されたことを特徴とする腕木受け金物。 - 壁部その他の垂直面に建て込まれた合板パネルと、上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠との取合部において、スラブ型枠を支承するための大引材を前記合板パネルの上縁部に連結する大引受け金物であって、
下方に開口した溝形断面を有して合板パネルの上縁部に上方及び表裏両側から被せられる掛止部と、上方に開口した溝形断面を有して大引材を下方及び両側方から支承する支承部とを備え、これら掛止部と支承部とが一枚の鋼板を折曲加工して一体に形成されたことを特徴とする大引受け金物。 - 壁部、柱、梁等の垂直面に建て込まれた鋼板パネルと、上階の床、屋根、庇等を形成するスラブ型枠との取合部において、スラブ型枠を支承するための大引材を前記鋼板パネルの上縁部に連結する大引受け金物であって、下方に開口した溝形断面を有して鋼板パネルの上縁部に上方及び表裏両側から被せられる掛止部と、上方に開口した溝形断面を有して大引材を下方及び両側方から支承する支承部と、支承部の基端側から突出して鋼板パネルの裏面に当接する突当片とを備え、これら掛止部、支承部及び突当片が一枚の鋼板を折曲加工して一体に形成されたことを特徴とする大引受け金物。
- 掛止部が、直交する2つの垂直面を備えた柱用鋼板パネルの入隅部に沿うように形成され、突当片が、当該柱用鋼板パネルの入隅部を挟んで相対するリブに沿うように形成されたことを特徴とする請求項9に記載の大引受け金物。
- 掛止部が、直交する2つの垂直面を備えた柱用鋼板パネルの出隅部に沿うように形成され、突当片が、当該柱用鋼板パネルの出隅稜角部に沿うように形成されたことを特徴とする請求項9に記載の大引受け金物。
- 請求項1、2、3、5または6に記載の型枠構造における合板パネルの一部または全部を、合成樹脂からなる堰板の裏面周縁部に合成樹脂製の枠材を一体成形してなる樹脂パネルに置換した型枠構造。
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CN113513153A (zh) * | 2021-04-20 | 2021-10-19 | 中交第三公路工程局有限公司 | 一种装配式的大跨度现浇梁模板加固装置及其加固方法 |
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