JP2004083944A - 金属膜作製方法及び金属膜作製装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラズマアンテナ9によりチャンバ1内に発生させたガスプラズマで銅板部材7をエッチングし、温度制御手段6により銅板部材7よりも基板3の温度を低くすることにより、Cu薄膜16を基板3に成膜させるにあたり、まずノズル12から供給されるハロゲン含有の原料ガスで銅板部材7をハロゲン化し、次にノズル19から供給される希ガスをプラズマ化した希ガスプラズマで前記ハロゲン化された銅板部材7をエッチングすることにより第1の金属膜を成膜し、次にノズル12から供給される原料ガスをプラズマ化したハロゲンガスプラズマで銅板部材7をエッチングすることで前駆体15を生成させた後に前駆体15のCu成分からなる第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜し、Cu薄膜16とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金属膜作製方法及び金属膜作製装置に関し、特に狭ギャップの内部や活性の低い表面に金属膜を成膜する場合に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
電気的な配線が施されている半導体では、スイッチングの速度や伝送損失の低減、高密度化等の要請から、配線の材料として銅が用いられるようになってきている。
【0003】
銅の配線を施す場合、配線用の凹部を表面に有する基板に対し、まずバリアメタル膜を成膜した後、その上に銅を成膜することによって配線を施す。バリアメタル膜とは、例えばタンタル、チタン、シリコン等の窒化物からなり、基板に対する銅の拡散をなくして銅の密着性を保持するために成膜される。
【0004】
配線用の凹部などの狭ギャップにバリアメタル膜や銅を成膜する場合に、例えばスパッタ法により行うと成膜の方向性が均一ではないため、小さな凹部では内部が成膜される前に凹部の入口部が成膜されて埋め込み性が不十分になる問題がある。
【0005】
これに対し、本発明者らは、塩素ガス等のプラズマを利用した金属膜の成膜において、プラズマ源となるガスのガス流量やガス圧等を制御し、成膜される金属粒子の大きさを調整することにより、埋め込み性を向上させた成膜を行う方法を特願2002−27727号等において提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記提案では埋め込み性の向上と共に膜の密着性の向上も得られている。しかしながら、低い表面活性を有する膜、特に窒化金属等により構成されるバリアメタル膜に成膜する場合には、膜同士の密着性は未だ十分ではなく、更なる向上が求められている。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、配線用の溝等が設けられた基板に対し成膜される金属膜を密着性に優れ且つ埋め込み性よく作製できる金属膜作製装置及び金属膜作製方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決する第1の発明に係る金属膜作製方法は、
基板が収容されるチャンバの内部をプラズマ化してガスプラズマを発生させ、高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ガスプラズマでエッチングし、前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記被エッチング部材の金属成分を前記基板に成膜させる金属膜作製方法において、
まず、被エッチング部材をハロゲン化するハロゲン化工程を行い、次に、希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分からなる第1の金属膜を前記基板に成膜する第1金属膜成膜工程を行い、次に、ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させた後に前記前駆体の金属成分からなる第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜する第2金属膜成膜工程を行うことを特徴とする。
【0009】
上記目的を解決する第2の発明に係る金属膜作製方法は、
基板が収容されるチャンバの内部をプラズマ化してガスプラズマを発生させ、高蒸気圧ハロゲン化金属で形成した被エッチング部材を前記ガスプラズマでエッチングし、前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記被エッチング部材の金属成分を前記基板に成膜させる金属膜作製方法において、
まず、希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分からなる第1の金属膜を前記基板に成膜する第1金属膜成膜工程を行い、次に、ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させた後に前記前駆体の金属成分からなる第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜する第2金属膜成膜工程を行うことを特徴とする。
【0010】
上記目的を解決する第3の発明に係る金属膜作製方法は、
基板が収容されるチャンバの内部をプラズマ化してガスプラズマを発生させ、高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、かつ表面のみがハロゲン化された被エッチング部材を前記ガスプラズマでエッチングし、前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記被エッチング部材の金属成分を前記基板に成膜させる金属膜作製方法において、
まず、希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分からなる第1の金属膜を前記基板に成膜する第1金属膜成膜工程を行い、次に、ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させた後に前記前駆体の金属成分からなる第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜する第2金属膜成膜工程を行うことを特徴とする。
【0011】
上記目的を解決する第4の発明に係る金属膜作製方法は、第1ないし第3の発明に係る金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記第1の金属膜を形成する金属粒子は、前記第2の金属膜を形成する金属粒子よりも粒子径が小さいことを特徴とする。
【0012】
上記目的を解決する第5の発明に係る金属膜作製方法は、第1ないし第4の発明に係る金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記第2金属膜成膜工程では、前記ハロゲンガスの流量を所定の流量まで多段階に増加させることにより、成膜される金属成分の粒子径を段階的に増加させながら、前記第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜することを特徴とする。
【0013】
上記目的を解決する第6の発明に係る金属膜作製方法は、第5の発明に係る金属膜作製方法において、
前記基板には配線形成用の溝が設けられ、
前記ハロゲンガスの流量を所定の流量まで多段階に増加させる際には、まず前記配線形成用の溝の内部を成膜しうる粒子径の金属成分に対応する流量でハロゲンガスを供給し、前記溝の内部の成膜が完了した後にハロゲンガスの量を増加させるようにしたことを特徴とする。
【0014】
上記目的を解決する第7の発明に係る金属膜作製方法は、第1ないし第6の発明に係る金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記基板の表面が成膜したい金属成分に対して不活性であることを特徴とする。
【0015】
上記目的を解決する第8の発明に係る金属膜作製方法は、第1ないし第6の発明に係る金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記基板の表面にバリアメタル膜が成膜されていることを特徴とする。
【0016】
上記目的を解決する第9の発明に係る金属膜作製方法は、第1ないし第8の発明に係る金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガスは、塩素ガスであることを特徴とする。
【0017】
上記目的を解決する第10の発明に係る金属膜作製方法は、第1ないし第9の発明に係る金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記金属は銅であることを特徴とする。
【0018】
上記目的を解決する第11の発明に係る金属膜作製方法は、第1ないし第10の発明に係る金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記希ガスは、アルゴンガスであることを特徴とする。
【0019】
上記目的を解決する第12の発明に係る金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記被エッチング部材に向けてハロゲンガスを第1所定時間供給することにより、被エッチング部材をハロゲン化するハロゲンガス供給手段と、
前記ハロゲンガスの供給の後に、前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを第2所定時間供給する希ガス供給手段と、
前記希ガスの供給の後に、前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを第3所定時間供給する原料ガス供給手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
上記目的を解決する第13の発明に係る金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記被エッチング部材に向けてハロゲンガスを供給することにより、被エッチング部材をハロゲン化するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
まず前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給し、次に前記希ガス供給手段により希ガスを第2所定時間供給し、次に前記原料ガス供給手段により原料ガスを第3所定時間供給するガス供給制御手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
上記目的を解決する第14の発明に係る金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
まず前記原料ガス供給手段により原料ガスを第1所定時間供給し被エッチング部材をハロゲン化し、次に前記希ガス供給手段により希ガスを第2所定時間供給し、次に前記原料ガス供給手段により原料ガスを第3所定時間供給するガス供給制御手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により第3所定時間供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
上記目的を解決する第15の発明に係る金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを第2所定時間供給する希ガス供給手段と、
前記希ガスの供給の後に、前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを第3所定時間供給する原料ガス供給手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
上記目的を解決する第16の発明に係る金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
まず前記希ガス供給手段により希ガスを第2所定時間供給し、次に前記原料ガス供給手段により原料ガスを第3所定時間供給するガス供給制御手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
上記目的を解決する第17の発明に係る金属膜作製装置は、第15または第16の発明に係る金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記高蒸気圧ハロゲン化金属で形成した被エッチング部材は、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し且つ表面のみがハロゲン化された被エッチング部材であることを特徴とする。
【0025】
上記目的を解決する第18の発明に係る金属膜作製装置は、第12ないし第17の発明に係る金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記第1の金属膜を形成する金属粒子は、前記第2の金属膜を形成する金属粒子よりも粒子径が小さいことを特徴とする。
【0026】
上記目的を解決する第19の発明に係る金属膜作製装置は、第12ないし第18の発明に係る金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記原料ガスの流量を所定の流量まで多段階に増加させる原料ガス流量制御手段を更に備えたことを特徴とする。
【0027】
上記目的を解決する第20の発明に係る金属膜作製装置は、第12ないし第19の発明に係る金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記基板の表面が成膜したい金属成分に対して不活性であることを特徴とする。
【0028】
上記目的を解決する第21の発明に係る金属膜作製装置は、第12ないし第19の発明に係る金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記基板の表面にバリアメタル膜が成膜されていることを特徴とする。
【0029】
上記目的を解決する第22の発明に係る金属膜作製装置は、第12ないし第21の発明に係る金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記ハロゲンは、塩素であることを特徴とする。
【0030】
上記目的を解決する第23の発明に係る金属膜作製装置は、第12ないし第22の発明に係る金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記金属は銅であることを特徴とする。
【0031】
上記目的を解決する第24の発明に係る金属膜作製装置は、第12ないし第23の発明に係る金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記希ガスは、アルゴンガスであることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態に係る金属膜作製方法及び金属膜作製装置を説明する。本発明に係る金属膜作製方法及び金属膜作製装置は、基板の表面に、拡散を防止するための、例えば、窒化タンタル(TaN)のバリアメタル層が作製されたものに対して、高い密着性と高い埋め込み性で金属成分の膜、例えば、銅(Cu)の膜を作製するようにしたものである。
【0033】
<第1の実施の形態>
図1ないし図3に基づいて第1の実施形態に係る金属膜作製方法及び金属膜作製装置を説明する。図1には本発明の第1の実施形態に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面、図2には本実施形態により成膜されるCu膜の断面状況、図3には配線形成用の溝を有する基板上において本実施形態により成膜されるCu膜の断面状況を示してある。
【0034】
図1に示すように、筒形状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃〜200℃に維持される温度)に制御される。チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は金属製の被エッチング部材である銅板部材7によって塞がれている。銅板部材7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。
【0035】
チャンバ1の筒部の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ9が設けられ、プラズマアンテナ9には整合器10及び電源11が接続されて高周波電流が供給される。プラズマアンテナ9、整合器10及び電源11によりプラズマ発生手段が構成されている。
【0036】
支持台2とほぼ同じ高さにおけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部にハロゲンガスとしての塩素ガスを含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50%、好ましくは10%程度に希釈されたCl2 ガス)を供給するノズル12が接続されている。ノズル12は銅板部材7に向けて開口し、ノズル12には流量制御器13(原料ガス流量制御手段)を介して原料ガスが送られる(原料ガス供給手段)。原料ガスは、成膜時にチャンバ1内において壁面側に沿って基板3側から銅板部材7側に送られる。なお、原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F2 )、臭素(Br2 )及びヨウ素(I2 )などを適用することが可能である。
【0037】
一方、チャンバ1の筒部の上部には、チャンバ1の内部にArガス等の希ガスを供給するノズル19(希ガス供給手段)が接続されている。Arガス等の希ガスは、流量制御器20で流量を制御されてチャンバ1の内部へ送られる。
【0038】
上述した金属膜作製装置では、以下に詳説する方法でCu薄膜16の成膜を行う。
【0039】
<被エッチング部材の塩素化工程>
第1にチャンバ1の内部にノズル12から原料ガスを所定時間(第1所定時間)供給し、銅板部材7の表面を塩素化する。なお、この塩素化工程は、ノズル12とは別に塩素ガスを供給するノズル(ハロゲンガス供給手段)を設置して行ってもよい。
【0040】
このときの反応は、次式で表すことができる。
2Cu(s)+Cl2 → 2CuCl(s) ・・・(1)
ここで、sは固体状態を表す。
【0041】
<アルゴンガスプラズマによるエッチング、成膜工程>
第2にノズル19から希ガス(例えば、アルゴンガス)を所定時間(第2所定時間)供給すると共にプラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、アルゴンガスをイオン化してアルゴンガスプラズマを発生させる。このアルゴンガスプラズマにより、銅板部材7が予備加熱されると共に、前記塩素化された銅板部材7にエッチング反応が生じ、基板3に小粒子径のCu成分が成膜される。なお、アルゴンガスプラズマは、後に詳細に説明するCl2 ガスプラズマ14と同じ場所に発生する。
【0042】
このときの反応は、次式で表すことができる。
CuCl(s) → CuCl(g) ・・・(2)
CuCl(g) → Cu↓+Cl* ・・・(3)
CuCl(ad)+Cl* → Cu+Cl2 ↑ ・・・(4)
ここで、sは固体状態、adは吸着状態を表す。式(2)は、塩素化された銅板部材7のCu成分がアルゴンプラズマによりガス化された状態を示す。式(3)は、ガス化された塩化銅が気相においてCuと塩素ラジカルCl* に解離すると共に、Cuが基板3に成膜された状態を示す。式(4)は、ガス化された塩化銅が気相において解離せずに基板3に吸着した後、塩素ラジカルCl* により還元された状態を示す。
【0043】
アルゴンガスプラズマによる成膜の結果、図2(a) に示すように、小さな粒子径の前駆体15a(例えば、0.01μm)のCuの粒子が成膜され、バリアメタル層21が隙間なく被覆される。この結果、高い被覆性を有するCu膜を成膜することが可能となる。なお、アルゴンプラズマにより成膜されるCu成分の粒子径が小さいことは、SEM観察により確認されている。
【0044】
また、アルゴンガスプラズマにより生成する前駆体は高い運動エネルギーをもっているため、バリアメタル層21に高い密着性をもって成膜される。すなわち、被エッチング部材(銅板部材7)と基板3の温度差のみを利用した成膜よりも、この温度差に加えて更に前駆体の運動エネルギーを高めて成膜することでCu膜のバリアメタル層に対する密着性を向上させることができる。なお、アルゴンプラズマによるエッチングで高い運動エネルギーをもった前駆体が生成するのは、通常のエッチングに加えて多少のスパッタリング効果があるためと考えられる。
【0045】
<Cl2 ガスプラズマによるエッチング、成膜工程>
第3にノズル12から原料ガスを所定時間(第3所定時間)供給するとともにプラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスをイオン化してCl2 ガスプラズマ14を発生させる。Cl2 ガスプラズマ14により、銅板部材7にエッチング反応が生じ、前駆体(Cux Cly )15が生成される。このとき、銅板部材7は前述したアルゴンプラズマによる予備加熱とCl2 ガスプラズマ14による加熱により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃〜400℃)に維持されている。
【0046】
チャンバ1の内部で生成された前駆体(Cux Cly )15は、銅板部材7よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれた前駆体15は基板3上のアルゴンプラズマにより成膜されたCu膜に当てられ、還元反応(Clラジカルによるエッチング作用)によりCu成分のみとされて基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0047】
このときの反応は、次式で表すことができる。
Cu(s)+Cl* → CuCl(g) ・・・(5)
CuCl(ad)+Cl* → Cu+Cl2 ↑ ・・・(6)
ここで、sは固体状態、adは吸着状態を表す。式(5)は、銅板部材7のCu成分がCl2 ガスプラズマによりガス化された状態を示す。式(6)は、ガス化された塩化銅が基板3に吸着した後、塩素ラジカルCl* により還元された状態を示す。これらの反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口17から排気される。
【0048】
本実施例におけるCl2 ガスプラズマによる成膜では、主として被エッチング部材(銅板部材7)と基板3の温度差のみを利用した成膜が行われる。しかしながら、一度アルゴンガスプラズマによる成膜が行われたCu膜に対して成膜を行うので、密着性の高い成膜が可能である。また、図2(b) に示すように、アルゴンガスプラズマにより成膜されたCu粒子(前駆体15aで示す)よりも大きい粒子径の前駆体15b(例えば、0.05μm)により成膜されるので、成膜速度が速い。
【0049】
なお、成膜の一例として、バリアメタル層を窒化タンタル(TaN)とし、Cl2 ガスを所定の流量で約5分間(第1所定時間)供給した後、プラズマのパワー面積密度を2.2w/cm2 とし、アルゴンガスを所定の流量で約5分間(第2所定時間)、Cl2 ガスを所定の流量で約5分間(第3所定時間)供給するという条件において成膜を行った。なお、これらのガスは手動で供給時間を調整して供給したが、この作業を自動的に行う装置(ガス供給制御手段)により行ってもよい。
【0050】
この結果、小さな粒子径(例えば、0.01μm以下)のCuの粒子が初期に成膜され、その上に大きな粒子径のCuの粒子(例えば、0.05μm程度)が成膜されることが確認されている。また、この成膜されたCu薄膜の密着性を評価するため、粘着テープを使用したピーリングテストにより剥離状況を確認した結果、剥離が全く生じないことが確認されている。
【0051】
成膜初期の段階からCl2 ガスを供給した場合、図2(c)に示すように、大きな粒子径の前駆体15c(例えば、1μmを越える)のCuの粒子が成膜され、バリアメタル層との間の隙間が多くなり、密着性が阻害されてしまう虞がある。また、成膜初期の段階からCl2 ガスを供給した場合のCu薄膜16について、密着性を評価するため、ピーリングテストにより剥離状況を確認した結果、剥離が100%生じたことを確認している。
【0052】
アルゴンガスプラズマによるエッチング時間は、バリアメタル層の材質や成膜される金属により適宜設定される。例えば、窒化タンタル(TaN)からなるバリアメタル層にCuを成膜する場合を基準として考えると、窒化タングステン(WN)からなるバリアメタル層にCuを成膜する場合、タングステンはタンタルに比べてCuとの密着性が高いので、アルゴンガスプラズマによるエッチング時間を短めにすればよい。また、窒化チタン(TiN)からなるバリアメタル層にCuを成膜する場合、チタンはタンタルに比べてCuとの密着性が低いので、エッチング時間を長めにすることが好ましい。このようにすることで、バリアメタル層の材質や成膜される金属にかかわらず密着性を向上させることが可能になる。
【0053】
上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。また、温度制御手段6を用いて基板3を銅板部材7よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0054】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HClガスを適用することも可能である。HClガスを適用した場合、原料ガスプラズマとしてはHClガスプラズマが生成されるが、銅板部材7のエッチングにより生成される前駆体はCux Cly である。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HClガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。また、希ガスとしては、Arの他に、ヘリウム、クリプトン、ネオン、クリプトン等が適用可能である。
【0055】
本実施形態では、被エッチング部材として銅板部材7を用いて、この銅板部材7を塩素化する工程から説明した。しかしながら、これに限られず、銅板部材7の代わりに、塩化銅からなる被エッチング部材を用いる場合や、既に表面が塩素化されている銅板部材を用いることにより、前述した<被エッチング部材の塩素化工程>を省略することができる。例えば、次の場合に、既に表面が塩素化されている銅板部材を利用することができる。本発明者らは特願2002−150258において、Cu成膜を行った後にチャンバ1内に付着した塩化銅をクリーニングするために、水素ガス等のプラズマによる塩化銅の還元とその後のCl2 ガスプラズマによる還元銅のエッチング除去を行っているが、これにより被エッチング部材が塩素化されるため、更に水素ガス等のプラズマにより当該塩素化された被エッチング部材の還元を行うことを提案している。ここで、塩素化された被エッチング部材を還元せずに、塩素化された状態で本実施形態に用いればよい。また、Cl2 ガスプラズマによる成膜後は、通常被エッチング部材の表面が塩素化されているため、このまま本実施形態に用いてもよい。
【0056】
また、銅板部材7の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であればよく、例えばAg,Au,Pt,Ta,Ti,W,Zn,In,Cd等を用いることが可能である。この場合、前駆体はAg,Au,Pt,Ta,Ti,W,Zn,In,Cd等のハロゲン化物(塩化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti,W,Zn,In,Cd等になる。
【0057】
また、被エッチング部材としては、前述する単体金属のほかに、これらの金属を複数種類含む複合金属、例えばInとCuとの合金を用いることも可能である。また、前記金属にS、Se等の非金属元素を含む複合金属、例えばCuInSe2 、CdS、ZnSe等の合金を被エッチング部材とすることもできる。
【0058】
図3には、第1の実施形態に係る金属膜作製方法及び金属膜作製装置により、表面に配線形成用の溝が設けられた基板にCu薄膜を成膜した例を示している。
【0059】
表面に配線形成用の溝が設けられた基板に成膜を行う場合には、前述した<Cl2 ガスプラズマによるエッチング、成膜工程>において、ハロゲンとしての塩素を含有する原料ガスを他段階(例えば、2段階)に増加させて金属成分(Cu成分)の粒子径を2段階に大きくするように供給し、チャンバの内部をプラズマ化して発生させたCl2 ガスプラズマで銅板部材をエッチングすることにより銅板部材に含まれるCu成分と塩素ガスとの前駆体を生成し、基板側の温度を銅板部材側の温度よりも低くすることで金属成分(Cu成分)の粒子径を2段階に増加させて基板に成膜すればよい。これは、Cl2 ガスの流量を変化させることにより、成膜されるCu粒子の粒径を調整することができることを利用したものである。
【0060】
これにより、先ずアルゴンガスプラズマにより極めて小粒径かつ高い運動エネルギーのCu粒子による成膜をした後、次に配線形成用の溝の内部にCu成分が成膜され(埋め込まれ)、その後Cu成分の粒子径が大きくなって所定の大きさの粒子径とされてCu膜を基板の表面に作製することが可能になる。
【0061】
図3に示すように、基板3の表面には配線形成用の溝18が設けられ、溝18は例えば、幅が0.2μmで深さが1μm程度に設定されている。また、基板3の表面には、これから成膜するCu薄膜の拡散防止のため、表面形状に沿ってバリアメタル層21が成膜されている。
【0062】
ここで、前述する銅板部材の塩素化後にアルゴンガスプラズマ及びCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)による成膜を行うことで、バリアメタル層21と高い密着性を有し、かつ溝18に高い埋め込み性でCu薄膜16を成膜することが可能となる。
【0063】
すなわち、チャンバ1内における、基板3と被エッチング部材である銅板部材7との間に、ハロゲンとしての塩素を含有する原料ガスを供給することにより銅板部材7の表面を塩素化した後、プラズマアンテナ9から電磁波を入射しつつ、ノズル19よりアルゴンガス、ノズル12より原料ガスを順次供給することにより、Cu成分の粒子径を段階的に増加(15aから15bへの増粒)させて基板に成膜させる。
【0064】
これにより、成膜開始直後は配線形成用の溝18に沿って高い被覆性、かつバリアメタル層21に対して高い密着性で小粒径のCu成分15aを成膜し(アルゴンガスプラズマによる成膜)、次に、溝18の内部にCu成分15bが成膜され(埋め込まれ)、バリアメタル層21と高い密着性を有し、かつ溝18に高い埋め込み性で成膜することが可能となる。
【0065】
ここで、アルゴンガスプラズマによる成膜後のCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)による成膜工程を詳細に説明する。溝に埋め込み性よく成膜するためには、Cl2 ガスの流量を変化させ、成膜されるCu粒子の粒径を調整して行う。すなわち、成膜開始時に所定の流量(100とする)でCl2 ガスを供給すると、前述したように大きな粒子径の前駆体15c(例えば、1μmを越える)のCuの粒子が成膜されることになり、溝18の内部に粒子が到達できない虞がある。そこで、溝18のCuによる埋め込み完了までは、所定の流量に対して約30の割合でCl2 ガスを供給することにより、小さな粒径のCu粒子により溝18の内部を成膜する。粒径が小さなCuは溝18の上方に成長し、溝18がCuにより埋め込まれる。
【0066】
ここで、溝18の内部のみ成膜が行われる機構は以下の通りである。本実施例の金属膜作製装置では、エッチング作用のある塩素ラジカルが共存しているため、塩素ラジカルにより面積の大きな溝18の入口近傍の壁面はエッチングされる。一方、溝18の奥までは塩素ラジカルが到達しないためエッチング反応は進行せず、溝18の内部では成膜反応が進行する。
【0067】
溝18の埋め込み成膜が完了した後は、Cl2 ガスの供給量を所定の流量(100とする)に戻す。この結果、前述したように大きな粒子径の前駆体15c(例えば、1μmを越える)のCuの粒子が成膜されることになり、成膜速度を速くして成膜することができる。このように、Cl2 ガスの供給量を変化させて成膜することにより、埋め込み性と成膜速度を両立させた成膜条件とすることができる。
【0068】
図4ないし図8に基づいて、本発明の第2ないし第6の実施形態に係る金属膜作製方法及び金属膜作製装置を説明する。以下に示した金属膜作製方法及び金属膜作製装置でも、第1に<被エッチング部材の塩素化工程>、第2に<アルゴンガスプラズマによるエッチング、成膜工程>、第3に<Cl2 ガスプラズマによるエッチング、成膜工程>を行う。これにより、バリアメタル層等の不活性な膜表面に対して高い密着性を有し、基板に形成された溝に対して優れた埋め込み性を有する金属膜(例えばCu膜)を成膜することが可能になる。
【0069】
図4ないし図8には、本発明の第2ないし第6の実施形態に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略構成を示してある。なお、図1に示した金属膜作製装置と同種部材には同一符号を付し、重複する説明は省略してある。
【0070】
<第2の実施の形態>
図4に示した第2の実施形態に係る金属膜作製装置では、チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板25によって塞がれている。天井板25の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ27が設けられ、プラズマアンテナ27は天井板25の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ27には整合器10及び電源11が接続されて高周波電流が供給される。
【0071】
チャンバ1の上面の開口部と天井板25との間には金属製(Cu製)の被エッチング部材26が挟持されている。被エッチング部材26は、チャンバ1の内壁から径方向中心に向かうと共に円周方向に複数設けられる突起部からなり、突起部同士の間には切欠部(空間)が存在している。このため、プラズマアンテナ27に流れる電流の流れ方向に対して不連続状態となるように基板3と天井板25との間に配置されている。
【0072】
本実施形態に係る金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル19からアルゴンガス、ノズル12から原料ガスを適宜供給し、プラズマアンテナ27から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、アルゴンガスまたはCl2 ガスがイオン化されてアルゴンガスプラズマまたはCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。プラズマアンテナ27の下部には導電体である被エッチング部材26が存在しているが、被エッチング部材26はプラズマアンテナ27に流れる電流の流れ方向に対して不連続な状態で配置されているので、被エッチング部材26と基板3との間、すなわち、被エッチング部材26の下側に前記各ガスプラズマが安定して発生するようになっている。なお、アルゴンガスプラズマは、Cl2 ガスプラズマ14と同じ場所に発生する。
【0073】
<第3の実施の形態>
図5に示した第3の実施形態に係る金属膜作製装置では、図1に示した金属膜作製装置と比較して、チャンバ1の筒部の周囲にはプラズマアンテナ9が設けられておらず、銅板部材7に整合器10及び電源11が接続されて銅板部材7に高周波電流が供給される。また、支持台2(基板3)はアースされている。
【0074】
本実施形態に係る金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル19からアルゴンガスまたはノズル12から原料ガスを適宜供給し、銅板部材7からチャンバ1の内部に静電場を作用させることで、アルゴンガスまたはCl2 ガスがイオン化されてアルゴンガスプラズマまたはCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。なお、アルゴンガスプラズマは、Cl2 ガスプラズマ14と同じ場所に発生する。前記各プラズマにより、銅板部材7にエッチング反応が生じ、第1の実施形態と同じ作用によりCu薄膜16が成膜される。
【0075】
本実施形態に係る金属膜作製装置では、銅板部材7自身をプラズマ発生用の電極として適用しているので、チャンバ1の筒部の周囲にプラズマアンテナ9が不要となり、周囲の構成の自由度を増すことができる。
【0076】
<第4の実施の形態>
図6に示した第4の実施形態に係る金属膜作製装置では、チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)の天井板29によって塞がれている。天井板29の下面には金属製(Cu製)の被エッチング部材30が設けられ、被エッチング部材30は四角錐形状となっている。
【0077】
被エッチング部材30とほぼ同じ高さにおけるチャンバ1の筒部の周囲には、スリット状の開口部31が形成され、開口部31には筒状の通路32の一端がそれぞれ固定されている。通路32の途中部には絶縁体製の筒状の励起室33が設けられ、励起室33の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ34が設けられ、プラズマアンテナ34は整合器10及び電源11に接続されて高周波電流が供給される。通路32の他端側には流量制御器20、13が接続され、流量制御器20を介して通路32内にアルゴンガスが、流量制御器13を介して通路32内に原料ガスが供給される。
【0078】
以下、原料ガスを例にして、被エッチング部材30に作用する仕組みを説明する。流量制御器13を介して通路32内に供給された原料ガスは、励起室33に送り込まれる。次に、プラズマアンテナ34から電磁波を励起室33の内部に入射することで、Cl2 ガスをイオン化してCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)35を発生させる。真空装置8によりチャンバ1内の圧力と励起室33の圧力とに所定の差圧が設定されているため、励起室33のCl2 ガスプラズマ35の励起塩素は開口部31からチャンバ1内の被エッチング部材30に送られる。この励起塩素により被エッチング部材30にエッチング反応が生じ、チャンバ1の内部で前駆体(Cux Cly )15が生成され、基板3にCu薄膜16として成膜される。アルゴンガスも同様にしてCu薄膜16の成膜に寄与する。なお、アルゴンガスプラズマは、Cl2 ガスプラズマ35と同じ場所に発生する。
【0079】
本実施形態に係る金属膜作製装置は、チャンバ1と隔絶した励起室33で前記各ガスプラズマを発生させるようにしているので、基板3がプラズマに晒されることがなくなり、基板3にプラズマによる損傷が生じることがない。例えば、前工程で別材料の膜が成膜された基板3に更なる成膜を行う場合には、前工程で成膜された材料の膜を損傷させることなく次の成膜が可能である。なお、励起室33で前記各ガスプラズマを発生させる手段(励起手段)としては、マイクロ波、レーザ、電子線、放射光等を用いることも可能である。
【0080】
本実施形態に係る金属膜作製装置においては、第1の<被エッチング部材の塩素化工程>は、プラズマアンテナ34から電磁波を励起室33の内部に入射させることなく原料ガスを流量制御器13を介して被エッチング部材30に供給することにより行う。次に、第2の<アルゴンガスプラズマによるエッチング、成膜工程>は、アルゴンガスを流量制御器20を介して励起室33に供給すると共にプラズマアンテナ34から電磁波を励起室33の内部に入射させて、アルゴンガスプラズマを被エッチング部材30に供給することにより行う。次に、第3の<Cl2 ガスプラズマによるエッチング、成膜工程>は、原料ガスを流量制御器13を介して励起室33に供給すると共にプラズマアンテナ34から電磁波を励起室33の内部に入射させて、Cl2 ガスプラズマを被エッチング部材30に供給することにより行う。これにより、バリアメタル層等の不活性な膜表面に対して高い密着性及び埋め込み性を有する金属膜(例えばCu膜)を成膜することが可能になる。
【0081】
<第5の実施の形態>
図7に示した第5の実施形態に係る金属膜作製装置では、図4に示す第2の実施形態と比較して、被エッチング部材26のチャンバ1への設置方法及び被エッチング部材26にバイアス電源23が接続されている点において異なる。従って、図4に示した金属膜作製装置と同種部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0082】
図7に示すように、被エッチング部材26にはスイッチ手段24を介して直流電源であるバイアス電源23を接続してあり、被エッチング部材26をバイアス電源23によりマイナス電位に偏位させることができるようになっている。なお、チャンバ1が金属製(例えば、アルミ製)の部材で形成してある場合には、被エッチング部材26はこのチャンバ1の金属部分から絶縁してやる必要がある。これは、被エッチング部材26をマイナス電位に偏位させる際に、チャンバ1が偏位しないようにするためである。このため、同図においては、チャンバ1の一部を絶縁円筒38で形成し、被エッチング部材26をこの絶縁円筒38を介して設置した例を示している。一方、チャンバ1が絶縁材料製(セラミックス製)である場合には、絶縁円筒38を設けなくてもよい。
【0083】
バイアス電源23を使用する際には、スイッチ手段24の操作により、第2の<アルゴンガスプラズマによるエッチング、成膜工程>のときに、積極的に被エッチング部材26をマイナス電位に偏位させるようにすることが好ましい。これにより、チャンバ1内に発生したアルゴンガスプラズマ中のプラスイオンを被エッチング部材26に対して電気的に加速して衝突させることができるため、エッチング速度を向上させることができる。
【0084】
なお、第3の<Cl2 ガスプラズマによるエッチング、成膜工程>においても、被エッチング部材26の電位をマイナスに偏位させることにより、被エッチング部材26のエッチング反応を促進させることが可能である。
【0085】
本実施形態では、バイアス電源23からの給電により被エッチング部材26の電位を制御することで容易に被エッチング部材26に対するエッチングの速度を制御し得る。アルゴンガスプラズマによるエッチングでは小粒径のCu粒子が生成するため成膜速度が遅いが、電位制御によりエッチング速度を制御することによって小粒径のCu成膜でも成膜速度を向上させることができる。被エッチング部材26の電位は、バイアス電源23の出力電圧を制御することにより制御し得る。
【0086】
<第6の実施の形態>
図8に示した第6の実施形態に係る金属膜作製装置では、図1に示す第1の実施形態と比較して、プラズマアンテナ9の設置条件(コイル状態)がコイル可変手段(下)22a、(上)22bにより可変自在となっていると共に、銅板部材7がアースされている点において異なる。従って、図1に示した金属膜作製装置と同種部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0087】
本実施形態においては、チャンバ1の外壁面にコイル可変手段22a、bを設置し、プラズマアンテナ9の設置条件を変更することができるようにした。プラズマアンテナ9の設置条件とは、プラズマアンテナ9のコイルピッチの大きさ(図8の符号a参照)及びプラズマアンテナ9と銅板部材7との距離(図8の符号b参照)である。すなわち、上下のコイル可変手段22a、bを駆動することにより、プラズマアンテナ9を上下に移動させたり、プラズマアンテナ9のコイルピッチを変化させることができる。
【0088】
この結果、基本的には誘導結合型のプラズマ発生手段でありながら、容量結合性のプラズマをも付加して発生させることができるようになっている。これは、コイル可変手段22a,bの駆動により、プラズマアンテナ9のコイルピッチaを小さくするほど、またプラズマアンテナ9と銅板部材7とを近づける(bを小さく)ほど、発生するプラズマ中において容量結合性のプラズマの寄与を大きくすることができるためである。以下、誘導結合性のプラズマと容量結合性のプラズマとが混合したタイプのプラズマをハイブリッドプラズマという。
【0089】
次に、アルゴンガスを供給した場合を例として、ハイブリッドプラズマが発生する機構を説明する。先ず、チャンバ1の内部にノズル19からアルゴンガスを供給しつつ、プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、アルゴンガスをイオン化してアルゴンガスプラズマを発生させる。このアルゴンガスプラズマは、チャンバ1内のプラズマアンテナ9に隣接する空間、すなわちチャンバ1の銅板部材7側(上部)の空間に形成される。
【0090】
ここで発生するアルゴンガスプラズマは、前述するように誘導結合性プラズマと容量結合性プラズマとが混合したハイブリッドプラズマである。ハイブリッドプラズマ中の誘導結合性プラズマは、コイル状のプラズマアンテナ9を流れる電流により生じる誘導電界の作用で発生する。一方、本装置で容量結合性のプラズマを発生させることができるのは、距離aを有するコイル間や、アースした銅板部材7とプラズマアンテナ9との間などに発生する静電場の作用を利用するためである。Cl2 ガス(原料ガス)を供給した場合にも同様にしてハイブリッドプラズマを発生させることができる。
【0091】
ハイブリッドプラズマにする効果は、基本的には誘導結合性プラズマを発生させるプラズマ発生手段を備えた金属膜作製装置でありながら、スパッタ作用の強い容量結合性のプラズマを利用することができるということである。この効果は、特に第2の<アルゴンガスプラズマによるエッチング、成膜工程>において利用するのが好ましい。すなわち、第2の<アルゴンガスプラズマによるエッチング、成膜工程>において、コイル可変手段22a,bによりプラズマアンテナ9のコイル状態を適正化することで発生する容量結合性プラズマを利用し、アルゴンガスプラズマによるスパッタ作用をより強化することができる。この結果、アルゴンガスプラズマにより発生する前駆体の運動エネルギーを更に高め、基板3に対する密着性のよいCu薄膜16とすることができる。
【0092】
なお、第3の<Cl2 ガスプラズマによるエッチング、成膜工程>において、このハイブリッドプラズマによる効果を利用してもよい。また、アルゴンガスプラズマ又はCl2 ガスプラズマ14をハイブリッドプラズマとした場合の容量結合性のプラズマの割合を増加させるには、コイルピッチについては小さくするように、また、プラズマアンテナ9と銅板部材7との距離についても小さくするようにプラズマアンテナ9の設置条件を変化させればよい。容量結合性のプラズマの寄与率を減少させる場合には、これと逆の操作を行う。
【0093】
以上説明した第2ないし第6の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、成膜時には、小さな粒子径(例えば、0.01μm以下)のCuの粒子が初期に成膜され、その上に大きな粒子径のCuの粒子(例えば、0.05μm程度)が成膜されることが確認されている。また、この成膜したCu薄膜の密着性を評価するため、粘着テープを使用したピーリングテストにより剥離状況を確認した結果、剥離が全く生じないことが確認されている。さらに、本実施形態においても、図3に示すような溝が形成された基板や表面にバリアメタル層等の不活性膜が存在する基板に対して、埋め込み性および密着性を向上させた成膜を行うことができた。
【0094】
また、第2ないし第6の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、銅製の被エッチング部材26、30、銅板部材7の代わりに、塩化銅からなる被エッチング部材等を用いる場合や、既に表面が塩素化されている被エッチング部材等を用いることにより、前述した<被エッチング部材の塩素化工程>を省略することができる。また、被エッチング部材26、30、銅板部材7の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であればよく、例えばAg,Au,Pt,Ta,Ti,W,Zn,In,Cd等を用いることが可能である。更に、これらの金属を複数種類含む複合金属、例えばInとCuとの合金を用いることも可能である。また、前記金属にS、Se等の非金属元素を含む複合金属、例えばCuInSe2 、CdS、ZnSe等の合金を被エッチング部材等とすることもできる。
【0095】
また、第2ないし第6の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、表面に配線形成用の溝が設けられた基板に成膜を行う場合には、前述した<Cl2 ガスプラズマによるエッチング、成膜工程>において、原料ガスを他段階(例えば、2段階)に増加させて金属成分(Cu成分)の粒子径を2段階に大きくするように供給することにより、金属成分(Cu成分)の粒子径を2段階に増加させて基板に成膜すればよい。これにより、先ずアルゴンガスプラズマにより極めて小粒径かつ高い運動エネルギーのCu粒子による成膜をした後、次に配線形成用の溝の内部にCu成分が成膜され(埋め込まれ)、その後Cu成分の粒子径が大きくなって所定の大きさの粒子径とされてCu膜を基板の表面に作製することが可能になる(図3参照)。
【0096】
【発明の効果】
以上、実施形態とともに具体的に説明した通り、
〔請求項1〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバの内部をプラズマ化してガスプラズマを発生させ、高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ガスプラズマでエッチングし、前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記被エッチング部材の金属成分を前記基板に成膜させる金属膜作製方法において、
まず、被エッチング部材をハロゲン化するハロゲン化工程を行い、次に、希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分からなる第1の金属膜を前記基板に成膜する第1金属膜成膜工程を行い、次に、ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させた後に前記前駆体の金属成分からなる第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜する第2金属膜成膜工程を行うこととしたので、
基板に対し、優れた密着性、被覆性および埋め込み性をもって金属薄膜を成膜することができる。特に、バリアメタル膜等が成膜された不活性な表面を有する基板や配線用の溝等が設けられた基板に成膜した金属膜の密着性、被覆性および埋め込み性を効果的に向上させることができる。
【0097】
〔請求項2〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバの内部をプラズマ化してガスプラズマを発生させ、高蒸気圧ハロゲン化金属で形成した被エッチング部材を前記ガスプラズマでエッチングし、前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記被エッチング部材の金属成分を前記基板に成膜させる金属膜作製方法において、
まず、希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分からなる第1の金属膜を前記基板に成膜する第1金属膜成膜工程を行い、次に、ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させた後に前記前駆体の金属成分からなる第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜する第2金属膜成膜工程を行うこととしたので、 〔請求項1〕に記載する発明の効果に加え、更に、ハロゲン化工程を省略することができる。
【0098】
〔請求項3〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバの内部をプラズマ化してガスプラズマを発生させ、高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、かつ表面のみがハロゲン化された被エッチング部材を前記ガスプラズマでエッチングし、前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記被エッチング部材の金属成分を前記基板に成膜させる金属膜作製方法において、
まず、希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分からなる第1の金属膜を前記基板に成膜する第1金属膜成膜工程を行い、次に、ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させた後に前記前駆体の金属成分からなる第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜する第2金属膜成膜工程を行うこととしたので、 〔請求項1〕に記載する発明の効果に加え、更に、ハロゲン化工程を省略することができる。
【0099】
〔請求項4〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項3〕に記載する発明のいずれかにおいて、
前記第1の金属膜を形成する金属粒子は、前記第2の金属膜を形成する金属粒子よりも粒子径が小さくなるようにしたので、
〔請求項1〕ないし〔請求項3〕に記載する発明の効果をより有効に得ることができる。
【0100】
〔請求項5〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項4〕に記載する発明のいずれかにおいて、
前記第2金属膜成膜工程では、前記ハロゲンガスの流量を所定の流量まで多段階に増加させることにより、成膜される金属成分の粒子径を段階的に増加させながら、前記第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜するようにしたので、
特に、配線用の溝等が設けられた基板に成膜した場合に、埋め込み性を向上させた金属膜を成膜することができる。
【0101】
〔請求項6〕に記載する発明では、〔請求項5〕に記載する発明において、
配線形成用の溝が設けられた基板に対して、前記ハロゲンガスの流量を所定の流量まで多段階に増加させる際には、まず前記配線形成用の溝の内部を成膜しうる粒子径の金属成分に対応する流量でハロゲンガスを供給し、前記溝の内部の成膜が完了した後にハロゲンガスの量を増加させるようにしたので、
〔請求項5〕に記載する発明の効果を更に有効に得ることができる。
【0102】
〔請求項7〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項6〕に記載する発明のいずれかにおいて、
前記基板の表面を、成膜したい金属成分に対して不活性な表面としたので、
バリアメタル膜等が成膜された基板に本発明を適用することができる。
【0103】
〔請求項8〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項6〕に記載する発明のいずれかにおいて、
前記基板の表面にバリアメタル膜が成膜されているので、
電気的な配線が施されている半導体等に本発明を適用することができる。
【0104】
〔請求項9〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項8〕に記載する発明のいずれかにおいて、前記ハロゲンガスを塩素ガスとしたので、
コストを大幅に減少させることができる。また、塩素ガスをプラズマ化することで得られる塩素ガスプラズマにより、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。
【0105】
〔請求項10〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項9〕に記載する発明のいずれかにおいて、前記金属を銅としたので、
所望の金属膜を成膜することができる。
【0106】
〔請求項11〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項10〕に記載する発明のいずれかにおいて、前記希ガスをアルゴンガスとしたので、
〔請求項1〕ないし〔請求項10〕に記載する発明をより効果的に得ることができる。
【0107】
〔請求項12〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記被エッチング部材に向けてハロゲンガスを第1所定時間供給することにより、被エッチング部材をハロゲン化するハロゲンガス供給手段と、
前記ハロゲンガスの供給の後に、前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを第2所定時間供給する希ガス供給手段と、
前記希ガスの供給の後に、前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを第3所定時間供給する原料ガス供給手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたこ金属膜作製装置としたので、
基板に対し、優れた密着性、被覆性および埋め込み性をもって金属薄膜を成膜することができる。特に、バリアメタル膜等が成膜された不活性な表面を有する基板や配線用の溝等が設けられた基板に成膜した金属膜の密着性、被覆性および埋め込み性を効果的に向上させることができる。
【0108】
〔請求項13〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記被エッチング部材に向けてハロゲンガスを供給することにより、被エッチング部材をハロゲン化するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
まず前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給し、次に前記希ガス供給手段により希ガスを第2所定時間供給し、次に前記原料ガス供給手段により原料ガスを第3所定時間供給するガス供給制御手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えた金属膜作製装置としたので、
〔請求項12〕に記載する発明の効果に加え、更に、精度良く各種ガス供給が可能となった。
【0109】
〔請求項14〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
まず前記原料ガス供給手段により原料ガスを第1所定時間供給し被エッチング部材をハロゲン化し、次に前記希ガス供給手段により希ガスを第2所定時間供給し、次に前記原料ガス供給手段により原料ガスを第3所定時間供給するガス供給制御手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により第3所定時間供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えた金属膜作製装置としたので、
〔請求項13〕に記載する発明の効果に加え、更に、供給ガス種やガス配管を少なくし、コンパクトな装置とすることができる。
【0110】
〔請求項15〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを第2所定時間供給する希ガス供給手段と、
前記希ガスの供給の後に、前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを第3所定時間供給する原料ガス供給手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えた金属膜作製装置としたので、
〔請求項12〕に記載する発明の効果に加え、更に、ハロゲンガス供給手段を省略でき、被エッチング部材のハロゲン化をする必要がなくなった。
【0111】
〔請求項16〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
まず前記希ガス供給手段により希ガスを第2所定時間供給し、次に前記原料ガス供給手段により原料ガスを第3所定時間供給するガス供給制御手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えた金属膜作製装置としたので、
〔請求項12〕に記載する発明の効果に加え、更に、ハロゲンガス供給手段を省略でき、被エッチング部材のハロゲン化をする必要がなくなると共に、精度良く各種ガス供給が可能となった。
【0112】
〔請求項17〕に記載する発明では、〔請求項15〕または〔請求項16〕に記載する発明において、
前記高蒸気圧ハロゲン化金属で形成した被エッチング部材を、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し且つ表面のみがハロゲン化された被エッチング部材としたので、
〔請求項15〕または〔請求項16〕に記載する発明と同様の効果を得ることができる。
【0113】
〔請求項18〕に記載する発明では、〔請求項12〕ないし〔請求項17〕に記載する発明のいずれかにおいて、
前記第1の金属膜を形成する金属粒子は、前記第2の金属膜を形成する金属粒子よりも粒子径が小さくなるようにしたので、
〔請求項12〕ないし〔請求項17〕に記載する発明の効果をより有効に得ることができる。
【0114】
〔請求項19〕に記載する発明では、〔請求項12〕ないし〔請求項18〕に記載する発明のいずれかにおいて、
前記原料ガスの流量を所定の流量まで多段階に増加させる原料ガス流量制御手段を更に備えたので、
特に、配線用の溝等が設けられた基板に成膜した場合に、埋め込み性を向上させた金属膜を成膜することができる。
【0115】
〔請求項20〕に記載する発明では、〔請求項12〕ないし〔請求項19〕に記載する発明のいずれかにおいて、
前記基板の表面を、成膜したい金属成分に対して不活性な表面としたので、
バリアメタル膜等が成膜された基板に本発明を適用することができる。
【0116】
〔請求項21〕に記載する発明では、〔請求項12〕ないし〔請求項19〕に記載する発明のいずれかにおいて、
前記基板の表面にバリアメタル膜が成膜されているので、
電気的な配線が施されている半導体等に本発明を適用することができる。
【0117】
〔請求項22〕に記載する発明では、〔請求項12〕ないし〔請求項21〕に記載する発明のいずれかにおいて、前記ハロゲンを、塩素としたので、
コストを大幅に減少させることができる。また、塩素ガスをプラズマ化することで得られる塩素ガスプラズマにより、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。
【0118】
〔請求項23〕に記載する発明では、〔請求項12〕ないし〔請求項22〕に記載する発明のいずれかにおいて、前記金属を銅としたので、
所望の金属膜を成膜することができる。
【0119】
〔請求項24〕に記載する発明では、〔請求項12〕ないし〔請求項23〕に記載する発明のいずれかにおいて、前記希ガスを、アルゴンガスとしたので、
〔請求項12〕ないし〔請求項23〕に記載する発明をより効果的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図である。
【図2】第1の実施形態により成膜されるCu膜の断面図である。
【図3】第1の実施形態により配線形成用の溝を有する基板に対して成膜されるCu膜の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図である。
【図8】本発明の第6の実施形態に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1 チャンバ
2 支持台
3 基板
4 ヒータ
5 冷媒流通手段
6 温度制御手段
7 銅板部材
8 真空装置
9,27,34 プラズマアンテナ
10 整合器
11 電源
12 ノズル
13,20 流量制御器
14,35 Cl2 ガスプラズマ
15 前駆体
16 Cu薄膜
17 排気口
18 溝
19 ノズル
21 バリアメタル層
22 希ガスノズル
23 バイアス電源
24 スイッチ手段
25,29 天井板
26,30 被エッチング部材
31 開口部
32 通路
33 励起室
a コイルピッチ
b プラズマアンテナと銅板部材との距離
Claims (24)
- 基板が収容されるチャンバの内部をプラズマ化してガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ガスプラズマでエッチングし、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、
前記被エッチング部材の金属成分を前記基板に成膜させる金属膜作製方法において、
まず、被エッチング部材をハロゲン化するハロゲン化工程を行い、
次に、希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分からなる第1の金属膜を前記基板に成膜する第1金属膜成膜工程を行い、
次に、ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させた後に前記前駆体の金属成分からなる第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜する第2金属膜成膜工程を行うことを特徴とする金属膜作製方法。 - 基板が収容されるチャンバの内部をプラズマ化してガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化金属で形成した被エッチング部材を前記ガスプラズマでエッチングし、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、
前記被エッチング部材の金属成分を前記基板に成膜させる金属膜作製方法において、
まず、希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分からなる第1の金属膜を前記基板に成膜する第1金属膜成膜工程を行い、
次に、ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させた後に前記前駆体の金属成分からなる第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜する第2金属膜成膜工程を行うことを特徴とする金属膜作製方法。 - 基板が収容されるチャンバの内部をプラズマ化してガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、かつ表面のみがハロゲン化された被エッチング部材を前記ガスプラズマでエッチングし、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、
前記被エッチング部材の金属成分を前記基板に成膜させる金属膜作製方法において、
まず、希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分からなる第1の金属膜を前記基板に成膜する第1金属膜成膜工程を行い、
次に、ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させた後に前記前駆体の金属成分からなる第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜する第2金属膜成膜工程を行うことを特徴とする金属膜作製方法。 - 〔請求項1〕ないし〔請求項3〕のいずれかに記載の金属膜作製方法において、
前記第1の金属膜を形成する金属粒子は、前記第2の金属膜を形成する金属粒子よりも粒子径が小さいことを特徴とする金属膜作製方法。 - 〔請求項1〕ないし〔請求項4〕のいずれかに記載の金属膜作製方法において、
前記第2金属膜成膜工程では、
前記ハロゲンガスの流量を所定の流量まで多段階に増加させることにより、
成膜される金属成分の粒子径を段階的に増加させながら、前記第2の金属膜を前記第1の金属膜の上に成膜することを特徴とする金属膜作製方法。 - 〔請求項5〕に記載の金属膜作製方法において、
前記基板には配線形成用の溝が設けられ、
前記ハロゲンガスの流量を所定の流量まで多段階に増加させる際には、
まず前記配線形成用の溝の内部を成膜しうる粒子径の金属成分に対応する流量でハロゲンガスを供給し、
前記溝の内部の成膜が完了した後にハロゲンガスの量を増加させるようにしたことを特徴とする金属膜作製方法。 - 〔請求項1〕ないし〔請求項6〕のいずれかに記載の金属膜作製方法において、
前記基板の表面が成膜したい金属成分に対して不活性であることを特徴とする金属膜作製方法。 - 〔請求項1〕ないし〔請求項6〕のいずれかに記載の金属膜作製方法において、
前記基板の表面にバリアメタル膜が成膜されていることを特徴とする金属膜作製方法。 - 〔請求項1〕ないし〔請求項8〕のいずれかに記載の金属膜作製方法において、
前記ハロゲンガスは、塩素ガスであることを特徴とする金属膜作製方法。 - 〔請求項1〕ないし〔請求項9〕のいずれかに記載の金属膜作製方法において、
前記金属は銅であることを特徴とする金属膜作製方法。 - 〔請求項1〕ないし〔請求項10〕のいずれかに記載の金属膜作製方法において、
前記希ガスは、アルゴンガスであることを特徴とする金属膜作製方法。 - 基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記被エッチング部材に向けてハロゲンガスを第1所定時間供給することにより、被エッチング部材をハロゲン化するハロゲンガス供給手段と、
前記ハロゲンガスの供給の後に、前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを第2所定時間供給する希ガス供給手段と、
前記希ガスの供給の後に、前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを第3所定時間供給する原料ガス供給手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。 - 基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記被エッチング部材に向けてハロゲンガスを供給することにより、被エッチング部材をハロゲン化するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
まず前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給し、次に前記希ガス供給手段により希ガスを第2所定時間供給し、次に前記原料ガス供給手段により原料ガスを第3所定時間供給するガス供給制御手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。 - 基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
まず前記原料ガス供給手段により原料ガスを第1所定時間供給し被エッチング部材をハロゲン化し、次に前記希ガス供給手段により希ガスを第2所定時間供給し、次に前記原料ガス供給手段により原料ガスを第3所定時間供給するガス供給制御手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記ハロゲン化された被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により第3所定時間供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。 - 基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを第2所定時間供給する希ガス供給手段と、
前記希ガスの供給の後に、前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを第3所定時間供給する原料ガス供給手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。 - 基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化金属で形成し前記基板に対向する位置におけるチャンバ内に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間における前記チャンバの内部にハロゲン含有の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
まず前記希ガス供給手段により希ガスを第2所定時間供給し、次に前記原料ガス供給手段により原料ガスを第3所定時間供給するガス供給制御手段と、
前記希ガス供給手段により供給される希ガスをプラズマ化すると共にこの希ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングし、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスに含まれるハロゲンガスをプラズマ化すると共にハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることで前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成させるプラズマ発生手段と、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材側の温度よりも低くすることにより、前記希ガスプラズマによりエッチングされた被エッチング部材に含まれる金属成分を前記基板に成膜して第1の金属膜とし、前記前駆体の金属成分を前記第1の金属膜の上に成膜して第2の金属膜とする温度制御手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。 - 〔請求項15〕または〔請求項16〕に記載の金属膜作製装置において、
前記高蒸気圧ハロゲン化金属で形成した被エッチング部材は、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し且つ表面のみがハロゲン化された被エッチング部材であることを特徴とする金属膜作製装置。 - 〔請求項12〕ないし〔請求項17〕のいずれかに記載の金属膜作製装置において、
前記第1の金属膜を形成する金属粒子は、前記第2の金属膜を形成する金属粒子よりも粒子径が小さいことを特徴とする金属膜作製装置。 - 〔請求項12〕ないし〔請求項18〕のいずれかに記載の金属膜作製装置において、
前記原料ガスの流量を所定の流量まで多段階に増加させる原料ガス流量制御手段を更に備えたことを特徴とする金属膜作製装置。 - 〔請求項12〕ないし〔請求項19〕のいずれかに記載の金属膜作製装置において、
前記基板の表面が成膜したい金属成分に対して不活性であることを特徴とする金属膜作製装置。 - 〔請求項12〕ないし〔請求項19〕のいずれかに記載の金属膜作製装置において、
前記基板の表面にバリアメタル膜が成膜されていることを特徴とする金属膜作製装置。 - 〔請求項12〕ないし〔請求項21〕のいずれかに記載の金属膜作製装置において、
前記ハロゲンは、塩素であることを特徴とする金属膜作製装置。 - 〔請求項12〕ないし〔請求項22〕のいずれかに記載の金属膜作製装置において、
前記金属は銅であることを特徴とする金属膜作製装置。 - 〔請求項12〕ないし〔請求項23〕のいずれかに記載の金属膜作製装置において、
前記希ガスは、アルゴンガスであることを特徴とする金属膜作製装置。
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