JP2004083878A - 耐熱性一時接着剤 - Google Patents

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Masato Fujita
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Abstract

【課題】接着前には取扱いが容易で、被着体との接着後の接着剤層が、室温は勿論、150〜200℃程度の高温においても接着性を有するという耐熱性に優れ、しかも容易に被着体から剥離し得るという一時接着性をも兼ね備えた耐熱性一時接着剤、該接着剤と被着体とからなる積層体および該積層体から被着体を回収する方法を提供する。
【解決手段】光硬化性樹脂成分と光重合開始剤成分とを有効成分する耐熱性一時接着剤;該耐熱性一時接着剤を硬化させることにより得られる層と、被着体とからなる積層体;及び、前記積層体を220℃以上に加熱することを特徴とする積層体から被着体を回収する方法。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、150〜200℃高温における接着性に優れ、かつ、被着体回収時には容易に剥離することのできる耐熱性一時接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体などの電子部品を製造するプロセスでは、電子部品などの被着体に対し加工前に接着させて、被着体を加工する際には十分に接着性を有しており、加工終了後に被着体から容易に剥離するような、一時接着性を備えた接着成分が用いられている。このような接着成分として、粘着剤を有効成分とするものが知られている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】工業材料 2002年5月号、第44〜47頁。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近、半導体の製造プロセスにおいて、粘着剤の軟化点を上回る150〜200℃程度の高温で処理するプロセスも検討されるようになってきたが、粘着剤を接着成分の有効成分とすると、粘着剤が高温処理時に溶融してしまい、一時接着性の接着成分に耐熱性の向上が求められていた。
本発明の目的は、接着前には取扱いが容易で、被着体との接着後の接着剤層が、室温は勿論、150〜200℃程度の高温においても接着性を有するという耐熱性に優れ、しかも容易に被着体から剥離し得るという一時接着性をも兼ね備えた耐熱性一時接着剤、該接着剤と被着体とからなる積層体および該積層体から被着体を回収する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光硬化性樹脂成分と光重合開始剤成分とを有効成分する耐熱性一時接着剤であり、中でも、光硬化性樹脂成分が、下記(A)および(B)の2成分を混合してなる耐熱性一時接着剤が好ましい。
(A):平均分子量が400以上、1000以下であるポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル
(B):下記(b)〜(b)からなる群から選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル
(b):平均分子量が200以上、400未満であるポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル
(b):ジペンタエリスリトール1分子内の水酸基3〜6個が(メタ)アクリル酸によってエステル化された化合物;ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート;及びアルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種のジペンタエリスリトール誘導体
(b):高級脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル
【0006】
また、耐熱性一時接着剤を光硬化して得られる硬化物を示差熱重量分析方法により測定すると、ガラス転移温度(Tg)における減量率が2%以上である耐熱性一時接着剤が、とりわけ好ましい。
尚、減量率とは、Tgにおける該硬化物の重量をMとし、該硬化物を加熱する前の重量をMとしたとき、下記式(1)で表される値である。
減量率(%)=(M−M)/M×100  (1)
【0007】
さらに、前記の耐熱性一時接着剤を硬化させることにより得られる層と、被着体とからなる積層体、及び、前記積層体を220℃以上に加熱することを特徴とする積層体から被着体を回収する方法が、本発明である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の耐熱性一時接着剤は、光硬化性樹脂成分と光重合開始剤成分とを有効成分とする耐熱性一時接着剤である。耐熱性一時接着剤を光硬化したのちの硬化物は、通常、室温から200℃程度、好ましくは150〜180℃程度まで加熱されても接着性を有し、さらに、それよりも高い温度、例えば、220℃以上に加熱されると、接着性が低下して、被着体が容易に剥離される。
耐熱性一時接着剤としては、中でも、該接着剤の硬化物が、150℃×2時間程度、あるいは、180℃×1時間程度加熱されても接着性を有し、240℃×1時間以内、好ましくは、240℃×30分間以内加熱されると、接着剤層から容易に被着体が剥離される硬化物を与える耐熱性接着剤が好ましい。
【0009】
本発明の耐熱性一時接着剤に用いられる光硬化性樹脂成分としては、通常、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(以下、(メタ)アクリル酸エステルである。光硬化性樹脂成分としては、中でも、以下に示すような(A)および(B)の2成分を混合して得られる光硬化性樹脂組成物が好適である。
ここで、(A)成分とは、平均分子量が400以上、1000以下、好ましくは450〜600程度であるポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートであり、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの炭素数2〜4程度のアルキレンエーテルを繰り返し単位とするポリアルキレングリコールの末端水酸基がアクリル酸及び/又はメタクリル酸によってエステル化されたものである。
(A)成分として「NKエステル A−400」(商品名、新中村化学製、平均分子量508)をそのまま用いてもよい。
【0010】
(B)成分とは、下記(b)〜(b)成分からなる群から選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステルである。
(b):平均分子量が200以上、400未満であるポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル
(b):ジペンタエリスリトール1分子内の水酸基3〜6個が(メタ)アクリル酸によってエステル化された化合物;ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート;及びアルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種のジペンタエリスリトール誘導体
(b):高級脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル
【0011】
(b)成分とは、平均分子量が200以上、400未満であるポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステルである。
(b)成分として、「NKエステル A−200」(商品名、新中村化学製、平均分子量308)をそのまま用いてもよい。
【0012】
(b)成分は、ジペンタエリスリトールの誘導体であり、具体的には、ジペンタエリスリトール1分子内の水酸基3〜6個が、アクリル酸及び/又はメタクリル酸でエステル化された化合物が挙げられる。このような誘導体としては、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。また、このような誘導体として、KAYARAD DPHA LUMICURE DPA−600(登録商標、日本化薬製)、アロニックス M−400(登録商標、東亜合成化学製)などの市販品をそのまま使用してもよい。
【0013】
さらに、ジペンタエリスリトールの誘導体として、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート及び、アルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種のジペンタエリスリトール誘導体が挙げられる。ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールの1〜4個程度の水酸基がε−カプロラクトンで変性され、かつジペンタエリスリトール由来及びε−カプロラクトン由来の水酸基のうち4〜6個が(メタ)アクリル酸残基でエステル化された化合物が挙げられ、具体的には、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。これらは市販されており、KAYARAD DCPA−20、同DCPA−30、同DCPA−60、同DCPA−120(登録商標、日本化薬製)などの市販品をそのまま使用してもよい。
【0014】
また、アルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールの1〜4個程度の水酸基がアルキルエーテル化され、かつジペンタエリスリトール由来の水酸基のうち2〜5個程度が(メタ)アクリル酸残基でエステル化された化合物が挙げられる。これらは市販されており、KAYARAD D−310、同D−330(登録商標、日本化薬製)などの市販品をそのまま使用してもよい。
【0015】
(b)成分の高級脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとは、炭素数8〜22程度の高級脂肪族アルコールと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸とのエステル化物であり、具体的には、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。
【0016】
光硬化性樹脂成分における(A)成分と(B)成分のそれぞれの混合量としては、例えば、(B)成分が(b)成分である場合には、(A)成分100重量部に対し、(b)成分を80〜400重量部程度含有することが好ましい。(B)成分が(b)成分である場合には、(A)成分100重量部に対し、(b)成分を2〜200重量部程度含有することが好ましい。(B)成分が(b)成分である場合には、(A)成分100重量部に対し、(b)成分を5〜50重量部程度含有することが好ましい。
混合量が上記の範囲であると、加熱した際の剥離性に優れる傾向にある。
【0017】
本発明に用いられる光重合開始剤成分としては、例えば、カルボニル化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、過酸化物等の光重合開始剤が挙げられる。中でも、カルボニル化合物が好適であり、具体的にはベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オン]、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロパル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の紫外光を吸収するカルボニル化合物ならびにカンファーキノンおよび3−ケトクマリン等の可視光を吸収するカルボニル化合物等が例示される。
【0018】
光重合開始剤成分としては、光重合開始剤を単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、必要に応じて、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、p−N,N−ジメチル安息香酸エチル等の光重合開始助剤または光増感剤等を併用してもよい。
光重合開始剤成分の使用量としては、光硬化性樹脂成分を硬化させるために十分な量であり、硬化条件、光硬化性樹脂成分の種類と混合量によっても異なるが、光硬化性樹脂成分100重量部に対し、通常、0.5〜20重量部程度である。
【0019】
本発明の耐熱性一時接着剤は、220℃以上に加熱した際に剥離しやすいよう、加熱により体積膨張したり、気体を発生する発泡剤を含有させてもよい。具体的には、有機発泡剤などの化学発泡剤等が例示される。
また、有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などが挙げられる。
発泡剤として、2種類以上の発泡剤を使用してもよい。また、発泡剤の中でも有機発泡剤が好ましく、とりわけ、アゾジカルボンアミドが好適である。
【0020】
発泡剤を使用する場合、その使用量としては、本発明の耐熱性一時接着剤の硬化物が十分な接着力を有し、かつ該硬化物を加熱によって剥離させるために十分な量である。具体的には、組成物の配合量、硬化条件、剥離時の加熱条件、発泡剤の種類によっても異なるが、発泡剤がアゾジカルボンアミドの場合について例示すると、光硬化性樹脂成分と光重合開始剤との合計重量100部に対し、通常、発泡剤は0.5〜80部程度使用する。
【0021】
本発明の耐熱性一時接着剤には、必要に応じて、光硬化性樹脂に使用される他の配合剤、例えば重合禁止剤、密着付与剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を含有させることができる。
【0022】
耐熱性一時接着剤の中でも、該剤を光硬化して得られる硬化物を示差熱重量分析方法により測定すると、ガラス転移温度(Tg)における減量率が2%以上である硬化物を与える耐熱性一時接着剤が好ましい。
Tgは、耐熱性一時接着剤を光硬化して得られる硬化物を示差熱重量分析(TG−DTA)による方法によって求めればよく、具体的には、TG−DTAのグラフの模式図である図1により説明する。
図1は、縦軸にTG−DTAの試料の重量、すなわち、本発明の耐熱性一時接着剤から得られる硬化物の重量を表し、横軸は試料への加熱温度を表す。加熱する前(25℃)の重量(M)である該硬化物は、TG−DTAによって加熱することにより、通常、ほぼ直線的に重量が減少する。そして、さらに加熱すると、該硬化物の重量が急速な直線で減少する。
ガラス転移温度(Tg)は、これら2つの直線を延長した(破線)の交点が示す加熱温度であり、交点の縦軸の値をMとして求めることができる。
そして、減量率とは、加熱前の硬化物に対するMとMとの差に対する比率、すなわち、下記式(1)で定義される。
減量率(%)=(M−M)/M×100   (1)
減量率としては、2%以上であることが好ましく、とりわけ、2〜3%であることが好ましい。例えば、耐熱性一時接着剤における成分(B)の比率を高くすると、耐熱性一時接着剤の減量率は増加する傾向が認められるので、この比率を適宜調整することにより所望の減量率とすることができる。
【0023】
本発明の積層体は、かくして得られた耐熱性一時接着剤を硬化させることにより得られる層と、被着体とからなる積層体である。該積層体として、被着体に耐熱性一時接着剤を塗布したのち、異なる被着体を積層したのち硬化して得られたものも本発明の積層体である。
耐熱性一時接着剤を塗布して得られる接着剤層(以下、耐熱性一時接着剤層という)の厚さとしては、通常、0.5μm程度以上であり、好ましくは1〜300μm程度、とりわけ好ましくは3〜100μm程度である。厚さが0.5μm以上であると、接着性に優れる傾向にあることから好ましい。
【0024】
積層体に用いられる被着体の材料としては、光硬化性樹脂と接着し得る材料である。具体的には、例えば、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、アルミニウム、シリコンなどの金属、ガラス、水晶、セラミックスなどの無機材料;メラミン系樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン・アクリロニトリル系共重合体、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、シリコーン樹脂などの合成高分子材料等が挙げられる。
【0025】
被着体の材料として、異なる2種類以上の材料を混合、複合してもよい。また、積層体が耐熱性一時接着剤層を介して、異なる2つの被着体が接着してなるものである場合、2つの被着体を構成する材料は、同じ種類の材料でも異なる種類の材料のいずれでもよい。
被着体の性状としては特に限定されないが、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状などが挙げられる。
また、被着体には、必要に応じて、離型剤、メッキなどの被膜、塗料による塗膜、プラズマやレーザーなどによる表面改質、表面酸化、エッチングなどの表面処理等を実施してもよい。
被着体の製品例としては、半導体封止材料、太陽電池、EL(エレクトロルミネセンス)ランプ、ICカード、メモリーカードなどの電子部品封止材料、集積回路と基板との接着用ダイボンディングシート、シリコンウエハー(チップ)、液晶パネル、水晶ウエハー(チップ)などの電気・電子部品などが挙げられる。
【0026】
積層体を製造する際の耐熱性一時接着剤層の硬化方法としては、例えば、紫外線、可視光レーザー等の光線を照射して硬化する方法等が挙げられる。該光線の光源としては、例えば低圧または高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が使用される。
【0027】
光線の照射方法としては、本発明の積層体が、任意な被着体と耐熱性一時接着剤層とからなる積層体であれば、硬化させるための光線を耐熱性一時接着剤層に照射すればよい。
また、積層体が「被着体」/「耐熱性一時接着剤層」/「(ガラス、ポリカーボネート系樹脂などの)透明な被着体」である場合、「透明な被着体」から光線を照射すればよい。
また、予め支持基材平面上に耐熱性一時接着剤層を塗布し、硬化させた耐熱性一時接着剤層上に、液状のエポキシ樹脂原料(プレポリマー)や液状のイミド樹脂原料(プレポリマー)などの被着体原料を塗布し、硬化させて被着体層とすることにより本発明の積層体を得ることもできる。得られた積層体を220℃以上に加熱することにより例えばシート状、フィルム状となった被着体を回収できる。かかる積層体においては、耐熱性一時接着剤層と被着体層とを、例えば交互に形成させて多層積層体とすることもでき、これにより複数枚のシート状或いはフィルム状の被着体を回収できることとなる。
【0028】
本発明における積層体から被着体を回収する方法とは、積層体を220℃以上、好ましくは220〜300℃程度に加熱する方法であり、具体的には、オーブン、油槽などに積層体を入れ、加熱することにより耐熱性一時接着剤層の接着力を低下させ被着体を回収する方法;火炎、赤外線、スチーム、超音波、電磁波などを積層体に照射して耐熱性一時接着剤層の接着力を低下させ被着体を回収する方法;焼きコテなどの加熱体を直接、被着体に接触させることにより、耐熱性一時接着剤層の接着力を低下させ、被着体を回収する方法などが例示される。
かくして得られた被着体には、耐熱性一時接着剤層がほとんど付着していないか、耐熱性一時接着剤層が付着していても、被着体から容易に剥離し得る程度であり、回収された被着体は、再利用することができる。
また、回収された被着体が、金属、熱可塑性プラスチックなどの場合には、溶融成形して再利用することもできる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中の部および%は、特に断らないかぎり重量基準を意味する。
(A)成分としては、ポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量=508、商品名「NKエステル A−400」新中村化学製)を使用した。
【0030】
(B)成分としては下記を使用した。
(b):ポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量=308、商品名「NKエステル A−200」新中村化学製)
(b):ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート
(「アロニックス M−400」、登録商標、東亞合成製)
(b):ラウリルアクリレート(商品名「NKエステル LA」新中村化学製)
【0031】
光重合開始剤成分として下記を使用した。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア 184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
【0032】
(実施例1〜5)
(A)成分、(B)成分および光重合開始剤成分を表1に記載の重量比率で混合し、本発明の耐熱性一時接着剤を得た。尚、光重合開始剤成分は(A)成分と(B)成分との合計重量100部に対して5部となるように混合し、耐熱性一時接着剤を得た。
次に、シリコンウエハー(4インチ円盤、直径100mm、厚さ525mm、エレクトロニクス エンド マテリアルズ コーポレーション社製)に、スピンコートにて10μmの厚みになるように該接着剤を塗布したのち、塗布面にガラス板(MATSUNAMI MICRO SLIDE GLASS、76mm×52mm、厚さ1.3mm、松浪硝子工業社製)を重ねてから、指で空気が入らないように圧しながら貼り合せた。続いて、ガラス板の上からメタルハライドランプにて600mJ/cmの紫外線照射を行い、(シリコンウエハー)/(耐熱性一時接着剤層)/(ガラス板)からなる本発明の積層体を得た。
該積層体を200℃のオーブンにて1時間静置したのち、冷却したが、積層体の(シリコンウエハー)および(ガラス板)の上下を逆転してもいずれの被着体もはずれることはなかった。
さらに、該積層体を260℃のオーブンで20分間静置したのち、冷却したところ、(シリコンウエハー)と(耐熱性一時接着剤層)の界面で容易に剥離していた。
実施例1〜5の結果を表1にまとめた。
【0033】
<減量率>
フッ素樹脂シートの上に、実施例1〜5の接着剤を厚さ0.5mmとなるように塗布したのち、実施例と同様に光硬化して、硬化物(重量 M)を得た。該硬化物をTG−DTA装置(「TG−DTA220」セイコーインスツルメンツ製)を用いて、該硬化物の重量変化と加熱温度との点綴を求め、該点綴から、ガラス転移温度(Tg、℃)を求めたのち、Tgが示す縦軸の重量値(M)、式(1)に従い、減量率を求めた。結果を表1にまとめた。
【0034】
【表1】
Figure 2004083878
剥離性:(シリコンウエハー)および(ガラス板)の上下を逆転してもいずれの被着体もはずれることがなかったら○、いずれか一方がはずれたら×
【0035】
(比較例1)
実施例で使用したシリコンウエハーとガラス板を両面粘着テープ(「ナイスタック NW−15S」登録商標、ニチバン製)で貼り合せて積層体を得た。
該積層体を180℃のオーブンに1時間静置したところ、粘着テープが膨張し浮き剥がれが発生していた。
【0036】
(比較例2)
実施例で使用したシリコンウエハーとガラス板をエポキシ樹脂接着剤(商品名「アラルダイトラピッド」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)で貼り合せて積層体を得た。
該積層体を200℃のオーブンに1時間静置した場合と、260℃のオーブンに1時間静置した場合のいずれもシリコンウエハーとガラス板が剥離することはなかった(剥離性 ×)。
【0037】
【発明の効果】
被着体に本発明の耐熱性一時接着剤を積層、硬化して得られた積層体は、室温はもとより、150〜200℃程度に達する高温に至っても、被着体と耐熱性一時接着剤層との間の接着力に優れる。しかも、該接着剤を220℃以上に加熱すると,容易に被着体が剥離する。
このような優れた特性から、被着体の回収が求められる、冷蔵庫、テレビ、エアコンなどの家電製品、自動車用部品、電子・電気部品などの工程剥離紙などに使用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱性一時接着剤を硬化して得られる硬化物を試料として示差熱重量分析(TG−DTA)測定して得られるグラフの模式図である。

Claims (10)

  1. 光硬化性樹脂成分と光重合開始剤成分とを有効成分とする耐熱性一時接着剤。
  2. 光硬化性樹脂成分が、下記(A)および(B)の2成分を混合してなる耐熱性一時接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性一時接着剤。
    (A):平均分子量が400以上、1000以下であるポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル
    (B):下記(b)〜(b)からなる群から選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル
    (b):平均分子量が200以上、400未満であるポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル
    (b):ジペンタエリスリトール1分子内の水酸基3〜6個が(メタ)アクリル酸によってエステル化された化合物;ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート;及びアルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種のジペンタエリスリトール誘導体
    (b):高級脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル
  3. 光硬化性樹脂成分として、(A)成分100重量部と、(b)成分80〜400重量部とを含有する請求項2に記載の耐熱性一時接着剤。
  4. 光硬化性樹脂成分として、(A)成分100重量部と、(b)成分2〜200重量部とを含有する請求項2に記載の耐熱性一時接着剤。
  5. 光硬化性樹脂成分として、(A)成分100重量部と、(b)成分を5〜50重量部とを含有する請求項2に記載の耐熱性一時接着剤。
  6. 光硬化性樹脂成分の合計100重量部に対し、光重合開始剤成分0.5〜20重量部を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱性一時接着剤。
  7. 耐熱性一時接着剤が、さらに、発泡剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐熱性一時接着剤。
  8. 耐熱性一時接着剤を光硬化して得られる硬化物を示差熱重量分析方法により測定すると、ガラス転移温度(Tg)における減量率が2%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の耐熱性一時接着剤。
    尚、減量率とは、Tgにおける該硬化物の重量をMとし、該硬化物を加熱する前の重量をMとしたとき、下記式(1)で表される値である。
    減量率(%)=(M−M)/M×100  (1)
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の耐熱性一時接着剤を硬化させることにより得られる層と、被着体とからなる積層体。
  10. 請求項9に記載の積層体を220℃以上に加熱することを特徴とする積層体から被着体を回収する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006124564A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Yazaki Corp 接着体の分離方法

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