JP2004083571A - フェノキシ基で置換された2−ピリドン化合物の製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は医農薬中間体、特に除草剤中間体として有用なフェノキシ基で置換された2−ピリドン化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
3−オキソブタンアミドと種々のケトン化合物を反応させて、2−ピリドン化合物が得られることが知られている。具体的には、3−オキソブタンアミドとアセトンとをポリリン酸の存在下に反応させて4,6−ジメチル−2−ピリドンが、3−オキソブタンアミドとペンタン−2,4−ジオンとを塩化水素またはポリリン酸の存在下に反応させて3−アセチル−4,6−ジメチル−2−ピリドンが、3−オキソブタンアミドとアセト酢酸エチルとをポリリン酸の存在下に反応させて5−エトキシカルボニル−4,6−ジメチル−2−ピリドンが得られる(例えば、非特許文献1及び2参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
ケミカル アンド ファーマシューティカル ブレティン、1989年、第28巻、第7号、2244−2247頁(Chem. Pharm. Bull. 28(7) 2244−2247 (1989))。
【0004】
【非特許文献2】
ジャーナル オブ ケミカル ソサイエティ(C)、1967年、1836−1839頁(J. Chem. Soc. (C), 1967, 1836−1839)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、医農薬中間体、特に除草剤中間体として有用な、置換されていてもよいフェノキシ基が3位に置換した2−ピリドン化合物の製造法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、医農薬中間体、特に除草剤中間体として有用な、置換されていてもよいフェノキシ基が3位で置換した2−ピリドン化合物の製造法について鋭意検討した結果、2−フェノキシ−3−オキソブタンアミド化合物(該フェノキシ基は置換されていてもよい)と、特定のマロンアルデヒドの誘導体またはマロンアルデヒドとの反応により、3位のみに置換基を有する3−フェノキシ−2−ピリドン化合物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
本発明は、式(1)で示されるアミド化合物(以下、本アミド化合物と記す。)
[式中、Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。]と;
式(3)で示される3−アルコキシプロペナール、式(4)で示される3,3−ジアルコキシプロパナール、式(5)で示される1,3,3−トリアルコキシ−1−プロペン、式(6)で示される1,1,3,3−テトラアルコキシプロパン及びマロンアルデヒドからなるグループから選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、本マロンアルデヒド誘導化合物と記す。)
[式中、R9はアルキル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等のC1−C3アルキル基)を表す。]
とを、プロトン酸の存在下に反応させる式(2)で示されるピリドン化合物(以下、本ピリドン化合物と記す。)
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
の製造法(以下、本発明製造法と記す。)を提供する。
【0008】
そして、本発明は本アミド化合物として式(A)
[式中、R1はハロゲン原子またはニトロ基を表し、R2は水素原子またはハロゲン原子を表す。]
で示されるアミド化合物を用いる、式(B)
[式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表す。]
で示されるピリドン化合物の製造法も提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明製造法の出発化合物である本アミド化合物及び本ピリドン化合物の置換されていてもよいフェノキシ基における置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のC1−C4アルキル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のC1−C4アルコキシ基)、ハロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基)、ニトロ基、シアノ基及び5〜6員の複素環基(例えば、1,2,3,6−テトラヒドロ−2,6−ジオキソピリミジン−1−イル基、1,6−ジヒドロ−6−オキソピリダジン−1−イル基等)があげられる。置換されていてもよいフェノキシ基としては、例えばフェノキシ基、下記に示すフェノキシ基があげられる。
【0010】
本アミド化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられる。
本マロンアルデヒド誘導化合物は、マロンアルデヒドまたはマロンアルデヒドとアルコールとの形式的な縮合物と考えられる化合物であり、具体的には式(3)で示される3−アルコキシプロペナール、式(4)で示される3,3−ジアルコキシプロパナール、式(5)で示される1,3,3−トリアルコキシ−1−プロペン及び式(6)で示される1,1,3,3−テトラアルコキシプロパンからなるグループから選ばれる少なくとも1種のマロンアルデヒドの誘導体である。式(3)で示される3−アルコキシプロペナールとしては、例えば3−メトキシプロペナール及び3−エトキシプロペナールが、式(4)で示される3,3−ジアルコキシプロパナールとしては例えば3,3−ジメトキシプロパナール及び3,3−ジエトキシプロパナールが、式(5)で示される1,3,3−トリアルコキシ−1−プロペンとしては、例えば1,3,3−トリメトキシ−1−プロペン及び1,3,3−トリエトキシ−1−プロペンが、式(6)で示される1,1,3,3−テトラアルコキシプロパンとしては、例えば1,1,3,3−テトラメトキシプロパン及び1,1,3,3−テトラエトキシプロパンがあげられる。
【0011】
本発明製造法における本マロンアルデヒド誘導化合物としては、入手性等の点から式(6)で示される1,1,3,3−テトラアルコキシプロパンが好ましい。
【0012】
本発明製造法に用いられるプロトン酸とは、所謂プロトンの授受に基づく酸及び塩基のブレーンステッドの定義において、プロトンを相手に与える傾向の強い物質を意味する。具体的には、例えばハロゲン化水素(塩化水素、臭化水素等)、リン酸、ポリリン酸、硫酸、トリハロ酢酸(トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等)、スルホン酸(クロロスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等)及びこれらの混合物があげられ、水中における酸解離定数(pKa)を尺度とすると、pKaが2.5以下のプロトン酸が好ましい。
【0013】
本発明製造法の反応は、更に溶媒の存在下にて行うことができる。用いられる溶媒としては例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン化芳香族炭化水素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサフルオロイソプロパノール等のアルコールおよびこれらの混合物があげられる。
該反応において、本アミド化合物1モルに対して、本マロンアルデヒド誘導化合物は通常1〜10モルの割合、酸は触媒量〜過剰量(例えば、0.1〜1000モル、好ましくは1〜10モル)の割合で用いられる。
使用するプロトン酸の種類、量に応じて変化し得るが、該反応の反応温度は通常0〜150℃、好ましくは20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.5〜72時間の範囲である。
【0014】
該反応は、例えばプロトン酸またはプロトン酸を上記の溶媒にて希釈したものに本アミド化合物及び本マロンアルデヒド誘導化合物を加えることにより行うことができる。この場合、反応開始時に用いるプロトン酸の全量を用いてもよく、反応開始時には反応に用いる一部の量のプロトン酸を用いて、反応の進行に応じてプロトン酸を追加して用いてもよい。プロトン酸またはプロトン酸を上記の溶媒にて希釈したものに、本アミド化合物及び本マロンアルデヒド誘導化合物を一括で加えてもよいが、好ましくは、反応の進行に応じて本アミド化合物及び本マロンアルデヒド誘導化合物の各々を徐々に加える。
反応の進行は、例えば反応混合物を一部とり、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーにより、反応混合物中に存在する式(1)で示されるアミド化合物の量を分析することにより、確認することができる。
【0015】
反応終了後の反応混合物は例えば、以下の方法により本ピリドン化合物を単離することができる。
1)反応終了後の反応混合物を疎水性有機溶媒で希釈し、これを飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液等で洗浄する。得られた有機層を乾燥し、更に濃縮して、溶媒を全て蒸発させる。
2)反応終了後の反応混合物を疎水性有機溶媒で希釈し、これを飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液等で洗浄する。得られた有機層を、80〜120℃にて部分濃縮した後に、冷却して、生じた固体をろ別、乾燥する。
3)反応終了後の反応混合物または該反応混合物を部分濃縮したものを、水と親水性有機溶媒との任意の割合の混合物中に注加して、生じた固体をろ別、乾燥する。
4)反応終了後の反応混合物を水に注加し、水層のpHを中性付近に調整した後、共沸により有機溶媒を留去し、生じた固体をろ別、乾燥する。
上記の後処理にて用いられる疎水性有機溶媒としては、例えば酢酸エチル等のエステル、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン化芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン等のケトンおよびそれらの混合物があげられる。親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコールがあげられる。
【0016】
単離した本ピリドン化合物はクロマトグラフィー、再結晶、貧溶媒による洗浄等によりさらに精製することもできる。
【0017】
本発明製造法に用いられる本アミド化合物は、例えば式(7)で示されるフェノール化合物と式(8)で示されるアミド化合物(例えば、2−クロロ−3−オキソブチルアミド等)とを反応させることにより製造することができる。
[式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは前記と同じ意味を表す。]
該反応は、通常塩基の存在下に、溶媒中で行われる。用いられる溶媒としては例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類及びN,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類があげられ、用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基及びトリエチルアミン及びトリブチルアミン等の第三級アミン類があげられる。
該反応において、式(7)で示されるフェノール化合物1モルに対して、式(8)で示されるアミド化合物は通常1〜1.5モルの割合、塩基は通常1〜3モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は通常20〜150℃の範囲、反応時間は通常0.5〜24時間の範囲である。
反応終了後の反応混合物は、例えば有機溶媒で希釈し、これを飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液等で洗浄し、得られる有機層を乾燥・濃縮することにより、本アミド化合物を単離することができる。単離した本アミド化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0018】
本発明製造法に用いられる本マロンアルデヒド誘導化合物は、それ自体が公知化合物であるか、公知文献に記載された方法に準じて製造したものを用いることができる。
かかる公知文献としては、例えば以下の文献があげられる。
式(3)で示される3−アルコキシプロペナールについては、日本特許公開 昭52−97905号公報;
式(4)で示される3,3−ジアルコキシプロパナールについては、J. Chem. Soc., Chem. Commun., (20) 1421−1422 (1991);式(5)で示される1,3,3−トリアルコキシ−1−プロペンについては、Tetrahedron Lett., 29 (29) 3597−3598 (1988);式(6)で示される1,1,3,3−テトラアルコキシプロパンについては、J.Org. Chem. 53 (13) 2920−2925 (1988);マロンアルデヒドについては、J. Org. Chem., 50 3585−3592 (1985)。
【0019】
本発明製造法により得られた本ピリドン化合物は医農薬中間体として有用である。例えば、式(B)で示される化合物をロジウム(II)塩、三フッ化ホウ素、p−トルエンスルホン酸等の存在下に、式(C)で示されるジアゾ酢酸エステル化合物と反応させることにより、式(D)で示されるピリジン化合物を製造することができる。得られる式(D)で示されるピリジン化合物は、除草剤の有効成分として有用である(欧州特許公開公報EP1122244A1号)。
[式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表し、R3はC1−C6アルコキシ基を表す。]
該反応をロジウム(II)塩の存在下に行う場合は、反応は通常溶媒中で行われ、反応温度は60〜120℃の範囲、反応時間は瞬時〜72時間である。用いられる溶媒としては、例えば1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類があげられる。式(B)で示される化合物1モルに対して、通常式(C)で示されるジアゾ酢酸エステル化合物は0.5〜2モルの割合であり、ロジウム(II)塩は0.01〜0.05の割合で用いられる。反応の状況により、それらの割合は適宜変化させることができる。用いられるロジウム(II)塩としては、例えばロジウム(II)トリフルオロアセテートダイマーがあげられる。
反応終了後は、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する;反応混合物を有機溶媒で希釈して、炭酸水素ナトリウム水溶液と分液し、得られた有機層を乾燥した後、濃縮する、等の後処理を行うことにより、式(D)で示されるピリジン化合物を単離することができる。単離したピリジン化合物はクロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例等をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。尚、下記において、部は重量部を意味する。
【0021】
実施例1
窒素雰囲気下で、臭化水素の25%酢酸溶液2mlに3−オキソ−2−フェノキシブタンアミド57mg及び1,1,3,3−テトラメトキシプロパン49mgを加え、50℃で2.5時間、更に100℃で2時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル80ml及び飽和食塩水30mlを加え、分液した。有機層を飽和食塩水30mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで2回、飽和食塩水30mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、3−フェノキシ−2−ピリドン36mgを得た。
3−フェノキシ−2−ピリドン
1H−NMR(395.75MHz,CDCl3)δ(ppm):6.18(t,J=6.9Hz,1H),6.92(dd,J=7.5,1.7Hz,1H),7.08(brd,J=7.8Hz,2H),7.15(brt,J=7.5Hz,1H),7.19(dd,J=6.7,1.7Hz,1H),7.36(brt,J=7.5Hz,2H),13.7(brs,1H)
【0022】
実施例2
窒素雰囲気下で、リン酸の85%水溶液2mlに式(F)
で示されるアミド化合物108mg及び1,1,3,3−テトラメトキシプロパン53mgを加え、50℃で9時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、反応混合物に酢酸エチル80mlと飽和食塩水を加え、分液した。有機層を飽和食塩水30mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで2回、飽和食塩水30mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)
で示されるピリドン化合物30mgを得た。
式(G)で示されるピリドン化合物
1H−NMR(395.75MHz,CDCl3)δ(ppm):3.52(s,3H),6.21(t,J=6.9Hz,1H),6.31(s,1H),6.95(s,1H),7.00(dd,J=7.3,1.5Hz,1H),7.26(dd,J=6.5,1.7Hz,1H),7.38(d,J=9.1Hz,1H),13.4(brs,1H)
【0023】
実施例3
窒素雰囲気下で、ポリリン酸1.4gに式(F)で示されるアミド化合物100mg及び1,1,3,3−テトラメトキシプロパン49mgを加え、100℃で3時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、反応混合物に酢酸エチル150ml及び飽和食塩水10mlを加え、分液した。有機層を飽和食塩水50mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlで2回、飽和食塩水35mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物38mgを得た。
【0024】
実施例4
窒素雰囲気下で、トリフルオロ酢酸2mlに式(F)で示されるアミド化合物101mg及び1,1,3,3−テトラフルオロメトキシプロパン38mgを加え、70℃で9時間攪拌した。この間、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン38mgを1.5時間毎に加えた(用いた1,1,3,3−テトラメトキシプロパンの合計量:228mg)。反応混合物を室温まで放冷した後、反応混合物に酢酸エチル80ml及び飽和食塩水30mlを加え、分液した。有機層を飽和食塩水30mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで2回、飽和食塩水30mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物44mgを得た。
【0025】
実施例5
窒素雰囲気下で、臭化水素の12.5%酢酸溶液2mlに式(F)で示されるアミド化合物102mg及び1,1,3,3−テトラメトキシプロパン50mgを加え、50℃で2時間、さらに80℃で4時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル80ml及び飽和食塩水30mlを加え、分液した。有機層を飽和食塩水30mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで2回、飽和食塩水30mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物96mgを得た。
【0026】
実施例6
窒素雰囲気下で、48%臭化水素酸1mlに式(F)で示されるアミド化合物103mg及び1,1,3,3−テトラメトキシプロパン50mgを加え、80℃で4時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル80ml及び飽和食塩水30mlを加え、分液した。有機層を飽和食塩水30mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで2回、飽和食塩水30mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物31mgを得た。
【0027】
実施例7
窒素雰囲気下で、塩化水素の酢酸溶液(1mol/l)2mlに式(F)で示されるアミド化合物104mg及び、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン51mgを加え、80℃で1.5時間、さらに100℃で6時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル80ml及び飽和食塩水30mlを加え、分液した。有機層を飽和食塩水30mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで2回、飽和食塩水30mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物34mgを得た。
【0028】
実施例8
窒素雰囲気下で、トリクロロ酢酸0.89gに式(F)で示されるアミド化合物109mg及び1,1,3,3−テトラメトキシプロパン53mgを加え、100℃で6時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル80ml及び飽和食塩水30mlを加え、分液した。有機層を飽和食塩水30mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで2回、飽和食塩水30mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物24mgを得た。
【0029】
実施例9
窒素雰囲気下で、臭化水素の12.5%酢酸溶液2mlに式(F)で示されるアミド化合物119mg及び3−メトキシプロペナール34mgを加え、80℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル80ml及び飽和食塩水30mlを加え、分液した。有機層を飽和食塩水30mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで2回、飽和食塩水30mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物100mgを得た。
【0030】
実施例10
窒素雰囲気下で、臭化水素の30%酢酸溶液628部を10〜15℃に冷却し、式(F)で示されるアミド化合物117部、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン57部および酢酸211部の混合物を加え、50℃で8時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、減圧条件下に240部まで濃縮した。残渣にメタノール69部を加え、これを氷水1160部およびメタノール316部の混合物に0〜3℃で滴下した。40%水酸化ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて、該混合物のpHを7.3に調整し、室温まで昇温しながら半日間攪拌した後、ろ過した。ろ過ケーキを水240部で3回洗浄し、減圧条件下に乾燥した。乾燥ケーキをメタノール343部に加え、加熱還流条件にて1時間攪拌した後、室温まで冷却し、ろ過した。ろ過ケーキをメタノール114部で洗浄し、減圧条件下に乾燥して、式(G)で示されるピリドン化合物93部(含量94%)を得た。
【0031】
製造例11
窒素雰囲気下で、式(F)で示される化合物48部、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン21部、硫酸36部およびクロロベンゼン1037部の混合物を、80℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル2250部および氷水2500部を加え、分液した。有機層を水1200部で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1200部で1回、飽和食塩水1200部で1回順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示される化合物32部を得た。
【0032】
製造例12
窒素雰囲気下で、式(F)で示されるアミド化合物96部、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン42部、硫酸49部およびトルエン1618部の混合物を、60℃で3時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル2250部および氷水2500部を加え、分液した。有機層を水1200部で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1200部で1回、飽和食塩水1200部で1回順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物65部を得た。
【0033】
製造例13
窒素雰囲気下で、式(F)で示されるアミド化合物48部、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン21部、メタンスルホン酸33部およびクロロベンゼン1037部の混合物を、80℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル2250部および氷水2500部を加え、分液した。有機層を水1200部で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1200部で1回、飽和食塩水1200部で1回順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物34部を得た。
【0034】
製造例14
窒素雰囲気下で、式(F)で示されるアミド化合物112部、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン49部、メタンスルホン酸78部およびトルエン1894部の混合物を、80℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル2250部と氷水2500部を加え抽出した。有機層を水1200部で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1200部で1回、飽和食塩水1200部で1回順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物85部を得た。
【0035】
製造例15
窒素雰囲気下で、式(F)で示されるアミド化合物96部、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン42部、クロロスルホン酸55部およびクロロホルム746部の混合物を、60℃で2.5時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル2255部、氷水500部および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1200部を加え、分液した。有機層を飽和食塩水1200部で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物73部を得た。
【0036】
製造例16
窒素雰囲気下で、式(F)で示されるアミド化合物96部、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン42部、クロロスルホン酸81部およびクロロベンゼン2070部の混合物を、80℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル2250部および氷水2500部を加え、分液した。有機層を水1200部で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1200部で1回、飽和食塩水1200部で1回順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物73部を得た。
【0037】
製造例17
窒素雰囲気下で、式(F)で示されるアミド化合物48部、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン21部、p−トルエンスルホン酸・一水和物41部およびクロロベンゼン1037部の混合物を、80℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に酢酸エチル2250部および氷水2500部を加え、分液した。有機層を水1200部で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1200部で1回および飽和食塩水1200部で1回順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル=5/95)に付して、式(G)で示されるピリドン化合物32部を得た。
【0038】
次に、上記実施例に用いた原料化合物の製造法について参考製造例として記す。
【0039】
参考製造例1
窒素雰囲気下で、N,N−ジメチルホルムアミド20mlに2−クロロ−3−オキソブチルアミド1.57g、フェノール1.08g及びトリエチルアミン1.7mlを加え、80℃で6時間、さらに100℃で4時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、反応混合物に酢酸エチル100ml及び飽和食塩水30mlを加え、分液した。有機層を飽和食塩水20mlで1回、塩酸(1mol/l)20mlで2回、飽和食塩水20mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=6/4)に付して、3−オキソ−2−フェノキシブチルアミド0.44gを得た。
3−オキソ−2−フェノキシブチルアミド
融点:107.1℃
【0040】
参考製造例2
窒素雰囲気下で、N,N−ジメチルホルムアミド120mlに2−クロロ−3−オキソブチルアミド8.92g、式(H)
で示される化合物20.3g及びトリエチルアミン16.7mlを加え、70℃で1時間、さらに100℃で4.5時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、反応混合物に酢酸エチル200mlと飽和食塩水30mlを加え、分液した。有機層を飽和食塩水30mlで1回、塩酸(1mol/l)30mlで2回、飽和食塩水30mlで1回順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=6/4)に付して、式(F)で示される化合物17.9gを得た。
式(F)で示される化合物
融点:192.3℃
【0041】
次に、上記実施例で得られる式(G)で示される化合物を原料として用いた除草活性化合物の製造例を、参考製造例として示す。
【0042】
参考製造例3
ジクロロエタン15mlに式(G)で示される化合物0.5gとロジウム(II)トリフルオロアセテートダイマー8mgとを加え、80℃にてジアゾ酢酸メチル0.15gを3時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃にて1時間攪拌した後に、該反応混合物を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜0/1)付し、未反応原料の式(G)で示される化合物0.18g及び3−(2−クロロ−4−フルオロ−5−[3−メチル−2,6−ジオキソ−4−(トリフルオロメチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−1−イル]フェノキシ)−2−(メトキシカルボニルメトキシ)ピリジン
0.34gを得た。
3−(2−クロロ−4−フルオロ−5−[3−メチル−2,6−ジオキソ−4−(トリフルオロメチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−1−イル]フェノキシ)−2−(メトキシカルボニルメトキシ)ピリジン
融点:52.2℃
1H−NMR(300MHz,CDCl3,TMSδ(ppm)):3.50(3H,q,J=1.0Hz)、3.70(3H,s)、4.90(1H,d,J=15.8Hz)、4.97(1H,d,J=15.8Hz)、6.29(1H,s)、6.90〜6.95(2H,m)、7.32(1H,dd,J=1.9Hz,7.7Hz)、7.37(1H,d,J=8.7Hz)、7.92(1H,dd,J=1.9Hz,4.9Hz)
【0043】
【発明の効果】
本発明製造法により、本アミド化合物より、本ピリドン化合物が製造できる。
Claims (5)
- 少なくとも1種の化合物が、式(3)で示される3−アルコキシプロペナールまたは式(6)で示される1,1,3,3−テトラアルコキシプロパンである請求項1に記載の製造法。
- 少なくとも1種の化合物が、3−メトキシプロペナールまたは1,1,3,3−テトラメトキシプロパンである請求項1に記載の製造法。
- プロトン酸が、ハロゲン化水素、リン酸、ポリリン酸、硫酸、トリハロ酢酸またはスルホン酸である請求項1〜3いずれか一項記載の製造法。
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