JP2004083239A - 記録装置、補正方法およびプログラム - Google Patents

記録装置、補正方法およびプログラム Download PDF

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香野 哲史
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Abstract

【課題】部品間のばらつき、ならびに部品の経時変化および経年変化による影響を受けることなく、最適な記録領域に記録可能な記録装置を提供する。
【解決手段】供給される被記録材の先端および後端を検出する被記録材検出センサ303と、被記録材の後端を検出する、被記録材検出センサ303から被記録材の搬送方向に所定の距離だけ離れた位置に設けられた画像読取りセンサ111と、被記録材検出センサ303が被記録材の先端を検出してから画像読取りセンサ111が被記録材の後端を検出するまでの被記録材の搬送距離である画像読取りセンサ検出距離から所定の距離を減算し、被記録材の長さを算出するプロセッサとを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材に画像を形成する記録装置に関し、特に紙や布などの被記録材の後端を検出する記録装置、補正方法およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙や布などの被記録材に画像を記録するための装置において、例えば、紙に記録する場合、紙からはみださずに記録するために紙の先端および後端を検出する紙検出センサが設けられている。しかし、紙検出センサの動作の遅れにより紙の後端の検出遅れが生じると、紙の後端を正しく認識できず、紙の後端からはみだして記録することがある。
【0003】
上記紙検出センサの検出遅れを補正する方法が、例えば、特開平10−291685号公報に開示されている。この公報では、上記検出遅れに対して、紙送り速度と速度変化状態により予め決められた補正値が格納され、記録時に補正値を読み出して紙の検出位置を補正することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の検出遅れの時間が、部品寸法の製造ばらつきにより一定にならなかったり、センサを動作させるバネの定数の経年変化により変化したりする場合がある。その場合、紙の搬送量にずれが生じるため、紙の後端からはみだして記録してしまうという問題がある。
【0005】
また、検出遅れ時間を一定値に見積もることができたとしても、遅れ時間を一定にするためには、部品寸法の精度をより厳密に管理する必要があり、部品製造および部品管理のためのコストが製品コストに影響し、製品が高価になるという問題がある。
【0006】
本発明は上記したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、部品間のばらつき、ならびに部品の経時変化および経年変化による影響を受けることなく、最適な記録領域に記録可能な記録装置、記録可能とするための補正方法、およびその方法を実行するためのプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の記録装置は、供給される被記録材の先端および後端を検出する被記録材検出センサと、
前記被記録材の後端を検出する、前記被記録材検出センサから前記被記録材の搬送方向に所定の距離だけ離れた位置に設けられた画像読取りセンサと、
前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから前記画像読取りセンサが前記被記録材の後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である画像読取りセンサ検出距離から前記所定の距離を減算し、前記被記録材の長さを算出するプロセッサと、
を有する構成である。
【0008】
上記のように構成される本発明では、画像読取りセンサで被記録材の後端を検出し、求まる被記録材の搬送距離に被記録材検出センサによる後端検出の遅れ分の長さが含まれないため、その搬送距離から被記録材検出センサと画像読取りセンサとの間の距離を減算することで被記録材の長さがより正確に求まる。
【0009】
また、前記プロセッサは、
前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である被記録材検出センサ検出距離から前記被記録材の長さを減算し、前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端の検出遅れを補正するための被記録材検出センサ補正量を算出することとしてもよい。
【0010】
上記のように構成される本発明では、被記録材検出センサにより先端を検出してから後端を検出するまでの被記録材の搬送距離には被記録材の長さの他に後端検出の遅れ分が含まれるため、この搬送距離から被記録材の長さを減算することにより検出遅れを補正するための被記録材検出センサ補正量が求まる。
【0011】
また、前記被記録材検出センサ補正量を保存するためのメモリを備え、
前記プロセッサは、
前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端検出時における前記被記録材の搬送速度に対応して前記被記録材検出センサ補正量を前記メモリに格納することとしてもよい。
【0012】
上記のように構成される本発明では、被記録材検出センサの後端検出時における被記録材搬送速度に対応して被記録材検出センサ補正量をメモリに格納するため、画像が記録される被記録材毎に搬送速度が異なっても、搬送速度に対応して被記録材検出センサ補正量をメモリから読み出せる。
【0013】
さらに、前記プロセッサは、
前記搬送速度に対応して前記メモリから読み出した前記被記録材検出センサ補正量を前記被記録材検出センサ検出距離から減算し、前記被記録材の長さを算出することとしてもよい。
【0014】
上記のように構成される本発明では、被記録材の搬送速度に対応する被記録材検出センサ補正量をメモリから読み出し、被記録材の後端検出の遅れ分が含まれる、被記録材の搬送距離から被記録材検出センサ補正量を減算することで、被記録材の長さがより正確に求まる。
【0015】
上記目的を達成するための本発明の補正方法は、供給される被記録材の先端および後端を検出する被記録材検出センサを備えた記録装置の前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端の検出遅れを補正するための方法であって、
予め、前記被記録材の後端を検出する、前記被記録材検出センサから前記被記録材の搬送方向に所定の距離だけ離れた位置に画像読取りセンサを設けておき、前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから前記画像読取りセンサが前記被記録材の後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である画像読取りセンサ検出距離を求め、
前記画像読取りセンサ検出距離から前記所定の距離を減算し、前記被記録材の長さを算出するものである。
【0016】
この場合、前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である被記録材検出センサ検出距離を求め、
前記被記録材検出センサ検出距離から前記被記録材の長さを減算し、前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端の検出遅れを補正するための被記録材検出センサ補正量を算出することとしてもよい。
【0017】
また、前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端検出時における前記被記録材の搬送速度を求め、
前記搬送速度に対応して前記被記録材検出センサ補正量を格納することとしてもよい。
【0018】
さらに、前記搬送速度に対応して前記被記録材検出センサ補正量を読み出し、読み出した被記録材検出センサ補正量を前記被記録材検出センサ検出距離から減算し、前記被記録材の長さを算出することとしてもよい。
【0019】
上記目的を達成するための本発明のプログラムは、供給される被記録材の先端および後端を検出する被記録材検出センサを備えた記録装置の前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端の検出遅れを補正する処理をプロセッサに実行させるためのプログラムであって、
予め、前記被記録材の後端を検出する、前記被記録材検出センサから前記被記録材の搬送方向に所定の距離だけ離れた位置に画像読取りセンサを設けておき、前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから前記画像読取りセンサが前記被記録材の後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である画像読取りセンサ検出距離を求め、
前記画像読取りセンサ検出距離から前記所定の距離を減算し、前記被記録材の長さを算出する処理をプロセッサに実行させるものである。
【0020】
この場合、前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である被記録材検出センサ検出距離を求め、
前記被記録材検出センサ検出距離から前記被記録材の長さを減算し、前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端の検出遅れを補正するための被記録材検出センサ補正量を算出する処理をプロセッサに実行させるものであってもよい。
【0021】
また、前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端検出時における前記被記録材の搬送速度を求め、
前記搬送速度に対応して前記被記録材検出センサ補正量を格納する処理をプロセッサに実行させるものであってもよい。
【0022】
さらに、前記搬送速度に対応して前記被記録材検出センサ補正量を読み出し、読み出した被記録材検出センサ補正量を前記被記録材検出センサ検出距離から減算し、前記被記録材の長さを算出する処理をプロセッサに実行させるものであってもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の記録装置は、紙検出センサ、およびキャリッジに備えた画像読取りのためのセンサを用いて紙の先端および後端を検出して紙の搬送量を算出し、その搬送量から紙検出センサの検出遅れを補正するための補正量を算出して保存し、画像記録の際、保存した補正量により紙後端の検出遅れを補正することを特徴とする。
【0024】
本発明の記録装置の構成について説明する。なお、以下では被記録材が紙である場合を例にして説明する。
【0025】
図1は本発明の記録装置の一構成例を示す模式図であり、図1(A)はその側面、図1(B)はその前面を示す図である。
【0026】
図1に示すように、本発明の記録装置は、記録前の紙を保管する供給トレイ104と、紙に画像を記録する記録ヘッド110が搭載されたキャリッジ部109と、供給トレイ104から記録ヘッド110の方向(以下、搬送方向と称する)へ紙を供給する供給ローラ105と、供給トレイ104から記録ヘッド110に搬送される紙の先端および後端を検出する紙検出センサ部303と、供給された紙を搬送方向に送る搬送ローラ102と、記録時に紙を裏側から支持するプラテン101と、各部を制御する制御演算処理部(不図示)とを有する構成である。
【0027】
キャリッジ部109は、画像読取りを行うと共に紙の端部を光学的に検出する画像読取りセンサ部111を備えている。キャリッジ部109には記録ヘッド110が着脱可能に搭載される。
【0028】
紙検出センサ部303は供給トレイ104と記録ヘッド110の間に設けられている。また、供給される紙により搬送方向に押されるレバー部107と、レバー部107の回動によりON/OFFする光スイッチ部106とを有し、レバー部107が回動可能にレバー回転軸108に固定されている。なお、紙検出センサ303と画像読取りセンサ部111の距離は、紙検出センサ303やキャリッジ部109が予め決められた通りに組み付けられるため、装置構成上一定の値になる。
【0029】
搬送ローラ102には搬送量を読み取るためのマーキングが所定のピッチで形成されたコードホイール(不図示)が搬送ローラ102と同じ回転軸に設けられている。また、このマーキングを読み取ることで搬送ローラ102による紙の搬送量を検出するためのエンコーダセンサ(不図示)がコードホイールと隣接する位置に取り付けられている。搬送ローラ102は搬送モータ103からベルトを介して伝達される駆動力により回転される。
【0030】
次に、記録装置本体に備えた制御演算処理部の構成について説明する。
【0031】
図2は制御演算処理部の一構成例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、制御演算処理部は、プロセッサ(CPU部)301と、搬送ローラ102を所定量回転させるタイマ処理等の時間管理を行うための基本クロックを発生するクロック発生部302と、キャリッジ部109を搬送方向と直交方向に往復走査させるキャリッジモータ(不図示)、および搬送モータ103を制御するモータ制御部304と、記録ヘッド110の動作を制御する記録ヘッド制御部305と、紙の搬送距離の情報を一時保存するRAM306と、これらの実行手順であるプログラムを保存するROM307と、後述する紙検出センサ補正量を保存するためのEEPROM309とを有する構成である。
【0033】
なお、上記紙検出センサ補正量を保存するためのメモリは、EEPROM309に限らず、磁気ディスク、あるいはCD−RWなどの書き換え可能な不揮発性メモリであればよい。
【0034】
ROM307に保存されたプログラムには、CPU部301が実行する演算処理に必要な値である搬送ローラ102の回転半径、および紙検出センサ303と画像読取りセンサ部111間の距離であるセンサ間距離が書き込まれている。また、搬送モータ103への回転指示速度が複数書き込まれている。
【0035】
CPU部301は、紙検出センサ部303の光スイッチ部106からON信号を受け取ったときとOFF信号を受け取ったときに搬送ローラ102のエンコーダセンサの値を読む。エンコーダセンサによる二つの値の差から、光スイッチ部106よりON信号を受け取ってからOFF信号を受け取るまでの紙の搬送距離である紙検出センサ検出距離を算出する。また、光スイッチ部106からOFF信号を受け取ったとき、操作者の記録条件により選択された、搬送モータ103への回転指示速度をプログラムから読み出し、回転指示速度とともに搬送ローラ102の回転半径の長さを用いて搬送ローラ102による搬送速度Vlfを算出する。続いて、算出したVlfの値を用いて、EEPROM309からRAM306に複製された紙検出センサ補正量をRAM306から読み出す。
【0036】
また、CPU部301は画像読取りセンサ部111から紙の後端検出の信号を受け取ったときに搬送ローラ102のエンコーダセンサの値を読む。光スイッチ部106からON信号を受け取ったときのエンコーダセンサの値と画像読取りセンサ部111から紙の後端検出信号を受け取ったときのエンコーダセンサの値との差から、光スイッチ部106によるON信号を受け取ってから画像読取りセンサ部111による後端検出の信号を受け取るまでの紙の搬送距離である画像読取りセンサ検出距離を算出する。また、画像読取りセンサ検出距離、上記センサ間距離、および上記紙検出センサ検出距離から紙検出センサ補正量を算出して、上記VlfとともにRAM306に保存する。さらに、RAM306に保存した搬送速度および紙検出センサ補正量をEEPROM309に上書き保存する。
【0037】
EEPROM309には紙検出センサ補正量が表形式で格納されている。以下、この表を紙検出センサ補正テーブルと称する。
【0038】
図3は紙検出センサ補正テーブルの例を示す表である。
【0039】
図3に示すように、紙検出センサ補正テーブルには搬送速度毎に紙検出センサ補正量が記述されている。このように搬送速度毎に紙検出センサ補正量が記述されているのは、搬送速度が大きいほど紙検出センサ補正量が大きくなるためである。この紙検出センサ補正量は、製品出荷時に予め決められた値が記述されているが、後述する方法により更新される。
【0040】
ここで、EEPROM309に格納された紙検出センサ補正テーブルをRAM306に複製する動作について説明する。
【0041】
図4は電源がオンされることによる記録装置の動作手順を示すフローチャートである。
【0042】
操作者により電源がオンされると、CPU部301はキャリッジ部109を原点位置に移動させるなどの各種初期化の処理を実行する(ステップ601)。その後、EEPROM309内に保存されている紙検出センサ補正テーブルをRAM306に複製する(ステップ602)。
【0043】
次に、上記構成の記録装置の紙検出センサ303による紙の検出動作について説明する。
【0044】
図5は紙検出センサ303の動作を示す模式図である。
【0045】
図5(A)に示すように、記録時に紙がプラテン101上に無い場合、CPU部301は、モータ制御部304により供給ローラ105を回転させて、供給トレイ104から給紙させる。
【0046】
次に、図5(B)に示すように、紙の先端がレバー部107に突き当たると、レバー部107がレバー回転軸108を中心に回動し、レバー部107により光を遮られていた光スイッチ部106からレバー部107の先端が外れる。そのため、CPU部301は、光スイッチ部106からON信号を受け取り、紙検出センサ303の位置に紙の先端が到達したことを検出する。
【0047】
続いて、CPU部301は、モータ制御部304に搬送モータ103を回転させることで、供給された紙を搬送ローラ102の回転により搬送させる。記録ヘッド110の位置まで紙の先端を搬送させたところで、記録ヘッド制御部305に記録を指示し、記録ヘッド110に記録させる。記録と搬送の動作を繰り返させ、紙に所定の画像を記録させる。
【0048】
その後、図5(C)に示すように、紙後端がレバー部107から外れると、レバー部107がレバー回転軸108に装着されたバネにより光スイッチ部106の光を遮る位置に戻される。そのため、CPU部301は、光スイッチ部106からOFF信号を受け取り、紙検出センサ303の位置に紙の後端が到達したことを検出する。
【0049】
次に、紙検出センサ303による紙後端の検出遅れを補正する方法について説明する。
【0050】
図6は紙後端の検出遅れを補正する方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
CPU部301は、光スイッチ部106を監視し(ステップ401)、光スイッチ部106がOFFからONすると光スイッチ部106からON信号を受け取り、紙検出センサ部303の位置に紙が有ることを認識する。続いて、搬送ローラ102のエンコーダセンサの値を読む。このとき、紙の先端が紙検出センサ部303の位置にあることから、紙検出センサ部303を基準として紙の先端までの距離を示すPnewをゼロにリセットする(ステップ402)。
【0052】
一方、ステップ401で、CPU部301は、光スイッチ部106がONからOFFすると光スイッチ部106からOFF信号を受け取り、紙検出センサ303の位置に紙が無くなったことを認識する。続いて、搬送ローラ102のエンコーダセンサの値を読む。さらに、プログラムから搬送モータ103への回転指示速度を読み出して、搬送ローラ102による紙の搬送速度Vlfを算出してRAM306に一時保存する(ステップ403)。
【0053】
次に、RAM306に保存されている紙検出センサ補正テーブルから、算出したVlfの値と一致する搬送速度の値を検索し、その搬送速度に対応する紙検出センサ補正量PEhoseiを読み出す(ステップ404)。
【0054】
続いて、光スイッチ部106からOFF信号を受け取った時のPnewは光スイッチ部106よりON信号を受け取ってからOFF信号を受け取るまでの搬送ローラ102による紙の搬送量となるから、ON信号を受け取ったときのエンコーダセンサの値とOFF信号を受け取ったときのエンコーダセンサの値との差からその搬送量を算出する。算出した搬送量を上記紙検出センサ検出距離PEnewとしてRAM306に保存する(ステップ405)。
【0055】
その後、PEnewには紙検出センサ部303の検出遅れによる分の長さが含まれるため、CPU部301はPEnewに検出遅れの分を補正した値となるPEsnsを次式により算出する(ステップ406)。
【0056】
PEsns  = PEnew  −  PEhosei
上述のようにして算出したPEsnsが紙の搬送方向のより正確な長さとなる。CPU部301は、算出した紙の長さから記録の終了した分を差し引いて残りの記録可能な長さを認識し、紙の後端からはみださないように記録ヘッド110に画像を記録させる。
【0057】
次に、上記紙検出センサ補正量の算出方法を説明する。なお、図6のステップ401で、CPU部301は光スイッチ部106からON信号を受け取ったときの搬送ローラ102のエンコーダセンサの値をRAM306に保存している。
【0058】
図7は紙検出センサ補正量を算出する処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
CPU部301は、画像読取りセンサ部111を監視し(ステップ501)、画像読取りセンサ部111が紙の先端を検出し、画像読取りセンサ部111から先端検出の信号を受け取ると、画像読取りセンサ部111の位置に紙があることを認識する。その後、ステップ501に戻る。
【0060】
一方、ステップ501で、CPU部301は、画像読取りセンサ部111が紙の後端を検出し、画像読取りセンサ部111から後端検出の信号を受け取ると、画像読取りセンサ部111の位置に紙が無くなったことを認識する。続いて、搬送ローラ102のエンコーダセンサの値を読む。さらに、画像読取りセンサ部111から紙の後端検出信号を受け取った時のPnewは光スイッチ部106よりON信号を受け取ってから画像読取りセンサ部111より後端検出信号を受け取るまでの搬送ローラ102による紙の搬送量となるから、光スイッチ部106からON信号を受け取ったときのエンコーダセンサの値と画像読取りセンサ部111から紙の後端検出信号を受け取ったときのエンコーダセンサの値との差からその搬送量を算出する。算出した搬送量を上記画像読取りセンサ検出距離PPnewとしてRAM306に一時保存する(ステップ502)。
【0061】
次に、PPnewの値には紙の先端から後端までの長さの他に上記センサ間距離が含まれるため、CPU部301は、センサ間距離LPEPP、図6のステップ405でRAM306に保存した紙検出センサ検出距離PEnew、および画像読取りセンサ検出距離PPnewを用いて紙検出センサ補正量PEhoseiを次式により算出する(ステップ503)。
【0062】
PEhosei = PEnew − ( PPnew − LPEPP )
CPU部301は、紙検出センサ補正量PEhoseiを求めると、RAM306の紙検出センサ補正テーブルから、図6のステップ403でRAM306に保存したVlfと一致する搬送速度を検索し、その搬送速度に対応する紙検出センサ補正量の欄にPEhoseiの値を記述する(ステップ504)。さらに、RAM306に格納された紙検出センサ補正テーブルをEEPROM309に格納された紙検出センサ補正テーブルに上書き保存する(ステップ505)。
【0063】
上述のようにして、新たに算出した紙検出センサ補正量の値を搬送速度毎に紙検出センサ補正テーブルに上書き保存するため、部品間の寸法ばらつき、および部品の経年変化により紙検出センサ補正量が変化しても新たな値に更新される。そのため、記録装置を長年使い続けても、搬送速度に合わせて最適な記録領域に記録でき、紙の後端からはみだして記録するようなことがない。
【0064】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0065】
本発明によれば、紙検出センサおよび画像読取りのためのセンサを用いて紙の先端および後端を検出して紙の搬送量を算出し、その搬送量から紙検出センサの検出遅れを補正するための補正量を算出して保存し、画像記録の際、保存した補正量により紙後端の検出遅れを補正することで、適切な記録領域に記録できる。
【0066】
また、更新された補正値を用いて検出遅れを補正することにより、部品間のばらつき、および部品の経年変化等による劣化の影響を受けることなく、最適な記録領域に記録できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録装置の一構成例を示す模式図である。
【図2】本発明の記録装置の制御演算処理部の一構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の記録装置で用いられる紙検出センサ補正テーブルの例を示す表である。
【図4】電源がオンされることによる本発明の記録装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の記録装置における紙検出センサの動作を示す模式図である。
【図6】本発明の記録装置による紙後端の検出遅れを補正する処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の記録装置による紙検出センサ補正量を算出する処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101  プラテン
102  搬送ローラ
103  搬送モータ
104  供給トレイ
105  供給ローラ
106  光スイッチ部
107  レバー部
108  レバー回転軸
109  キャリッジ部
110  記録ヘッド
111  画像読取りセンサ部
301  CPU部
302  クロック発生部
303  紙検出センサ部
304  モータ制御部
305  記録ヘッド制御部
306  RAM
307  ROM
309  EEPROM

Claims (12)

  1. 供給される被記録材の先端および後端を検出する被記録材検出センサと、
    前記被記録材の後端を検出する、前記被記録材検出センサから前記被記録材の搬送方向に所定の距離だけ離れた位置に設けられた画像読取りセンサと、
    前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから前記画像読取りセンサが前記被記録材の後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である画像読取りセンサ検出距離から前記所定の距離を減算し、前記被記録材の長さを算出するプロセッサと、
    を有する記録装置。
  2. 前記プロセッサは、
    前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である被記録材検出センサ検出距離から前記被記録材の長さを減算し、前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端の検出遅れを補正するための被記録材検出センサ補正量を算出する請求項1記載の記録装置。
  3. 前記被記録材検出センサ補正量を保存するためのメモリを備え、
    前記プロセッサは、
    前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端検出時における前記被記録材の搬送速度に対応して前記被記録材検出センサ補正量を前記メモリに格納する請求項2記載の記録装置。
  4. 前記プロセッサは、
    前記搬送速度に対応して前記メモリから読み出した前記被記録材検出センサ補正量を前記被記録材検出センサ検出距離から減算し、前記被記録材の長さを算出する請求項3記載の記録装置。
  5. 供給される被記録材の先端および後端を検出する被記録材検出センサを備えた記録装置の前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端の検出遅れを補正するための方法であって、
    予め、前記被記録材の後端を検出する、前記被記録材検出センサから前記被記録材の搬送方向に所定の距離だけ離れた位置に画像読取りセンサを設けておき、前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから前記画像読取りセンサが前記被記録材の後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である画像読取りセンサ検出距離を求め、
    前記画像読取りセンサ検出距離から前記所定の距離を減算し、前記被記録材の長さを算出する補正方法。
  6. 前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である被記録材検出センサ検出距離を求め、
    前記被記録材検出センサ検出距離から前記被記録材の長さを減算し、前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端の検出遅れを補正するための被記録材検出センサ補正量を算出する請求項5記載の補正方法。
  7. 前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端検出時における前記被記録材の搬送速度を求め、
    前記搬送速度に対応して前記被記録材検出センサ補正量を格納する請求項6記載の補正方法。
  8. 前記搬送速度に対応して前記被記録材検出センサ補正量を読み出し、
    読み出した被記録材検出センサ補正量を前記被記録材検出センサ検出距離から減算し、前記被記録材の長さを算出する請求項7記載の補正方法。
  9. 供給される被記録材の先端および後端を検出する被記録材検出センサを備えた記録装置の前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端の検出遅れを補正する処理をプロセッサに実行させるためのプログラムであって、
    予め、前記被記録材の後端を検出する、前記被記録材検出センサから前記被記録材の搬送方向に所定の距離だけ離れた位置に画像読取りセンサを設けておき、前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから前記画像読取りセンサが前記被記録材の後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である画像読取りセンサ検出距離を求め、
    前記画像読取りセンサ検出距離から前記所定の距離を減算し、前記被記録材の長さを算出する処理をプロセッサに実行させるプログラム。
  10. 前記被記録材検出センサが前記被記録材の先端を検出してから後端を検出するまでの前記被記録材の搬送距離である被記録材検出センサ検出距離を求め、
    前記被記録材検出センサ検出距離から前記被記録材の長さを減算し、前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端の検出遅れを補正するための被記録材検出センサ補正量を算出する処理をプロセッサに実行させる請求項9記載のプログラム。
  11. 前記被記録材検出センサによる前記被記録材の後端検出時における前記被記録材の搬送速度を求め、
    前記搬送速度に対応して前記被記録材検出センサ補正量を格納する処理をプロセッサに実行させる請求項10記載のプログラム。
  12. 前記搬送速度に対応して前記被記録材検出センサ補正量を読み出し、
    読み出した被記録材検出センサ補正量を前記被記録材検出センサ検出距離から減算し、前記被記録材の長さを算出する処理をプロセッサに実行させる請求項11記載のプログラム。
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