JP2004083185A - 用紙処理装置および画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表紙として選択された2種類の用紙が存在するかどうかをチェックし(S601)。用紙があれば、画像形成された用紙を後処理装置に出力し(602)、出力された用紙枚数をカウントする(S603)。この動作を最終紙の1枚前まで繰り返し(S604)、最終紙の1枚前になると、画像形成した用紙枚数が設定値以上かどうかをチェックする(S605)。設定値に達していなければ、2倍のサイズの用紙を表紙として後処理装置に出力し(S606)、設定値に達していれば、2倍以上のサイズの用紙を表紙として後処理装置に出力する(S607)。
【選択図】 図42
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、印刷機等の画像形成装置に一体もしくは別体に設けられ、画像形成済みの用紙(記録媒体)に対して所定の処理、例えば仕分け、スタック、綴じ、中綴じ製本を行って排紙する用紙処理装置およびこの用紙処理装置と前記画像形成装置とからなる画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ等の画像形成(出力)装置の下流側に配置され、出力される記録紙に綴じなどの後処理装置は広く知られているが、昨今その機能は多機能化され、従来の端面綴じに加えて中綴じ処理も可能としたのもが考案されている。例えば、この種の用紙(シート)処理装置では、特開2001−19269に開示されているように折り手段としてローラ対を用い、前記ローラ対の間に用紙束を通過させることによって前記中綴じ部分で用紙束の半折り(中折り)を行っている。すなわち、画像形成装置から排出される用紙に製本等の後処理を行う装置では、同一サイズの用紙束の端面を1個所あるいは2個所、ステープル処理する製本装置や、同一サイズの用紙束の中央に2個所ステープル処理を行いそのステープル位置にそって半分に折り曲げる中綴じ製本装置が知られている。また、用紙を出力する画像形成装置においてもカラー画像によるコピーやプリントが増加してきており、その後処理を行う製本装置においてもより製本後の見栄えがきれいなものが好まれるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
用紙束の端面を綴じる製本方式の場合、製本された冊子の表紙にステープル針が見えるようになり、仕上がりの外見上、簡易的な製本という印象がある。また用紙束中央を綴じる中綴じ製本方式の場合は、綴じ枚数が多くなると中央部の折り目が弱くなり、用紙端面も内側の用紙になるほど外側に端面が出てくることになり用紙端部をカットする等の処理が必要になる。そのため、定型サイズの用紙で製本を行い、カット処理を行うと、仕上がり時の冊子のサイズが定型サイズより少し小さいサイズになってしまうという不具合がある。
【0004】
また、この不具合をなくすために製本する用紙を全て少し大きめの不定型サイズの用紙にしてカット後のサイズが定型サイズになるようにすることが可能であるが、不定型サイズの用紙が高価になるために製本された冊子も高価になってしまうという不具合がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、冊子のページ数が増えても用紙端面をきれいに揃えることができ、簡易的に見栄えの良い製本が定型サイズで可能な用紙処理装置及び画像形成システムを提供することにある。
【0006】
また、他の目的は、表紙に使用する用紙サイズを画像形成装置側で自動的に選択し、操作性に優れた画像形成システムを提供することにある。
【0007】
さらに他の目的は、表紙に使用する用紙サイズをオペレータが操作部上で任意に選択できるようにし、用紙の枚数だけでなく厚さも考慮してより端面の揃った冊子を作成できる用紙処理装置および画像形成システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、画像形成後の用紙に対して所定の処理を施す処理手段を有する用紙処理装置において、用紙をスタックするスタック手段と、前記スタック手段にスタックされた用紙束を整合させる揃え手段と、前記スタック手段に整合された状態でスタックされた用紙束に対して綴じ処理を行う綴じ手段と、前記綴じ手段によって綴じられた用紙束に折り処理を施す折り手段と、綴じ処理を行う用紙束のサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍のサイズの用紙を同時に揃えて、用紙束の中央付近を複数箇所綴じる第1の処理モードと、綴じ処理を行う用紙束のサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍以上のサイズの用紙を同時に揃えて、用紙束の中央付近を複数箇所綴じる第2の処理モードとが設定された制御手段とを備えていることを特徴とする。第1の手段によれば、処理モードに応じて2種類の大きさの用紙のうちのいずれかを表紙として綴じ込んで冊子とすることができる。
【0009】
第2の手段は、第1の手段において、前記制御手段は、接続された画像形成装置側から送信される用紙枚数に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする。
【0010】
第3の手段は、第1の手段において、前記制御手段は、オペレータからの指示入力に応じて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする。
【0011】
第2および第3の手段によれば、用紙枚数に応じて自動的にあるいはオペレータがいずれかのモードを選択し、選択されたモードに応じて処理モードに応じて2種類の大きさの用紙のうちのいずれかを表紙として綴じ込んで冊子とすることができる。
【0012】
第4の手段は、第1または第2の手段において、前記制御手段は、処理すべき用紙枚数が少ない場合には、前記第1のモードを選択することを特徴とする。第4の手段によれば、用紙枚数が少ない場合には綴じ処理を行う用紙束のサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍のサイズの用紙で綺麗に製本することができる。
【0013】
第5の手段は、第1または第2の手段において、前記制御手段は、処理すべき用紙枚数が多い場合には、前記第2のモードを選択することを特徴とする。第5の手段によれば、用紙枚数が多い場合には、綴じ処理を行う用紙束のサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍のサイズの用紙では表紙にしたときにサイズが足らないことがあるので、綴じ処理を行う用紙束のサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍以上のサイズによって綺麗に製本することができる。
【0014】
第6の手段は、第1ないし第5の手段において、前記制御手段は、選択されたモードで使用する用紙がない場合には、当該モードを実行することなく、オペレータにその旨報知することを特徴とする。第6の手段によれば、たとえいずれかのモードが選択されたとしても、表紙として綴じるべき用紙がなければ、表紙のついた製本はできないので、選択されたモードを実行することはせずに、その旨、オペレータに報知する。オペレータへの報知は、例えば画像形成装置の表示装置を介して行われる。
【0015】
第7の手段は、第1ないし第6のいずれかの手段に係る用紙処理装置と、入力された画像情報に応じて記録媒体に可視画像を形成する画像形成装置とを含む画像形成システムであることを特徴とする。第7の手段によれば、第1ないし第6の手段に係る用紙処理装置の特徴を備えた画像形成システムを提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
1.機械的構成
1.1 全体構成
図1は本発明の実施形態に係る用紙処理装置としての用紙後処理装置と画像形成装置とからなる画像形成システムのシステム構成を示す図であり、図では、用紙後処理装置の全体と画像形成装置の一部を示している。
【0018】
図1において、用紙後処理装置PDは、画像形成装置PRの側部に取付けられており、画像形成装置PRから排出された記録媒体、ここでは用紙は用紙後処理装置PDに導かれる。前記用紙は、1枚の用紙に後処理を施す後処理手段(この実施形態では穿孔手段としてのパンチユニット100)を有する搬送路Aを通り、上トレイ201へ導く搬送路B、シフトトレイ202へ導く搬送路C、整合およびステープル綴じ等を行う処理トレイF(以下ステープル処理トレイとも称する)へ導く搬送路Dへ、それぞれ分岐爪15および分岐爪16によって振り分けられるように構成されている。
【0019】
搬送路AおよびDを経てステープル処理トレイFへ導かれ、ステープル処理トレイで整合およびステープル等を施された用紙は、偏向手段である分岐ガイド板54と可動ガイド55により、シフトトレイ202へ導く搬送路C、折り等を施す処理トレイG(以下、中折り処理トレイとも称する)へ振り分けられるように構成され、中折り処理トレイGで折り等を施された用紙は搬送路Hを通り下トレイ203へ導かれる。また、搬送路D内には分岐爪17が配置され、図示しない低荷重バネにより図の状態に保持されており、用紙後端がこれを通過した後、搬送ローラ9、10、ステープル排紙ローラ11の内少なくとも搬送ローラ9を逆転することで後端を用紙収容部Eへ導き滞留させ、次用紙と重ね合せて搬送することが可能なように構成されている。この動作を繰り返すことによって2枚以上の用紙を重ね合せて搬送することも可能である。
【0020】
搬送路B、搬送路Cおよび搬送路Dの上流で各々に対し共通な搬送路Aには、画像形成装置から受け入れる用紙を検出する入口センサ301、その下流に入口ローラ1、パンチユニット100、パンチかすホッパ101、搬送ローラ2、分岐爪15および分岐爪16が順次配置されている。分岐爪15、分岐爪16は図示しないバネにより図1の状態に保持されており、図示しないソレノイドをONすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方に、各々回動することによって、搬送路B、搬送路C、搬送路Dへ用紙を振り分ける。なお、符号101aはパンチかすの受入口を示す。
【0021】
搬送路Bへ用紙を導く場合は、分岐爪15は図1の状態で前記ソレノイドはOFF、搬送路Cへ用紙を導く場合は、図1の状態から前記ソレノイドをONすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方にそれぞれ回動した状態となり、搬送路Dへ用紙を導く場合は、分岐爪16は図1の状態で前記ソレノイドはOFF、分岐爪15は図1の状態から前記ソレノイドをONすることにより、上方に回動した状態となる。
【0022】
この用紙後処理装置では、用紙に対して、穴明け(パンチユニット100)、用紙揃え+端部綴じ(ジョガーフェンス53、端面綴じステープラS1)、用紙揃え+中綴じ(ジョガーフェンス53、中綴じステープラS2)、用紙の仕分け(シフトトレイ202)、中折り(折りプレート74、折りローラ81、82)などの各処理を行うことができる。
【0023】
1.2シフトトレイ部
この用紙後処理装置PDの最下流部に位置するシフトトレイ排紙部Iは、シフト排紙ローラ6と、戻しコロ13と、紙面検知センサ330と、シフトトレイ202と、図2に示すシフト機構Jと、図3に示すシフトトレイ昇降機構Kとにより構成される。なお、図2はシフト機構Jの詳細を示す要部を拡大した斜視図、図3はシフトトレイ昇降機構Kの要部を拡大した斜視図である。
【0024】
図1および図3において、符号13はシフト排紙ローラ6から排出された用紙と接して前記用紙の後端を図2に示すエンドフェンス32に突き当てて揃えるためのスポンジ製のコロを示す。この戻しコロ13は、シフト排紙ローラ6の回転力で回転するようになっている。戻しコロ13の近傍にはトレイ上昇リミットスイッチ333が設けられており、シフトトレイ202が上昇して戻しコロ13を押し上げると、前記トレイ上昇リミットスイッチ333がオンしてトレイ昇降モータ168が停止する。これによりシフトトレイ202のオーバーランが防止される。また、戻しコロ13の近傍には、図1に示すように、シフトトレイ202上に排紙された用紙もしくは用紙束の紙面位置を検知する紙面位置検知手段としての紙面検知センサ330が設けられている。
【0025】
図1に詳細には図示していないが、紙面検知センサ330は、図3に示す紙面検知レバー30と、紙面検知センサ(ステープル用)330aと紙面検知センサ(ノンステープル用)330bとから構成されている。紙面検知レバー30は、レバーの軸部を中心に回動可能に設けられ、シフトトレイ202に積載された用紙の後端上面に接触する接触部30aと扇形の遮蔽部30bとを備えている。上方に位置する紙面検知センサ(ステープル用)330aは主にステープル排紙制御に用いられ、紙面検知センサ(ノンステープル用)330bは主にシフト排紙制御に用いられる。
【0026】
本実施形態では、紙面検知センサ(ステープル用)330aおよび紙面検知センサ(ノンステープル用)330bは、遮蔽部30bによって遮られたときにオンするようになっている。したがって、シフトトレイ202が上昇して紙面検知レバー30の接触部30aが上方に回動すると、紙面検知センサ(ステープル用)330aがオフし、さらに回動すると紙面検知センサ(ノンステープル用)330bがオンする。用紙の積載量が所定の高さに達したことが紙面検知センサ(ステープル用)330aと紙面検知センサ(ノンステープル用)330bによって検知されると、シフトトレイ202はトレイ昇降モータ168の駆動により所定量下降する。これにより、シフトトレイ202の紙面位置は略一定に保たれる。
【0027】
1.2.1 シフトトレイの昇降機構
シフトトレイ202の昇降機構について詳細に説明する。
【0028】
図3に示すようにシフトトレイ202は、駆動ユニットLにより駆動軸21が駆動されることにより昇降する。駆動軸21と従動軸22との間にはタイミングベルト23がタイミングプーリを介してテンションをもって掛けられ、このタイミングベルト23にシフトトレイ202を支持する側板24が固定されている。このように構成することにより、シフトトレイ202を含むユニットが昇降可能にタイミングベルト23に吊り下げられている。
【0029】
駆動ユニットLは、トレイ昇降モータ168とウォームギア25とから構成され、駆動源としての正逆転可能なトレイ昇降モータ168で発生した動力が、ウォームギヤ25を介して駆動軸21に固定されたギヤ列の最終ギヤに伝達され、シフトトレイ202を上下方向に移動させるるようになっている。動力伝達系統がウォームギヤ25を介しているため、シフトトレイ202を一定位置に保持することができ、このギア構成により、シフトトレイ202の不意の落下事故等を防止することが可能となっている。
【0030】
シフトトレイ202の側板24には、遮蔽板24aが一体に形成され、下方には積載用紙の満載を検出する満杯検知センサ334と下限位置を検出する下限センサ335が配置されており、遮蔽板24aによって満杯検知センサ334と下限センサ335とがオン・オフされるようになっている。満杯検知センサ334と下限センサ335はフォトセンサであり、遮蔽板24aによって遮られたときにオンするようになっている。なお、図3において、シフト排紙ローラ6は省略している。
【0031】
シフトトレイ202の揺動(シフト)機構は図2に示すように、シフトモータ169とシフトカム31とからなり、シフトモータ169を駆動源としてシフトカム31を回転させることにより、シフトトレイ202は用紙排紙方向と直交する方向に往復動する。シフトカム31には回転軸中心から一定量離れた位置にピン31aが立てられ、そのピン31aの他端部がエンドフェンス32の係合部材32aの長孔部32bに遊嵌されている。係合部材32aはエンドフェンス32の背面(シフトトレイ202が位置しない側の面)に固定され、前記シフトカム31のピン31aの回動位置に応じて、用紙排紙方向と直交する方向に往復動し、これにともなってシフトトレイ202も用紙排紙方向と直交する方向に移動する。シフトトレイ202は図1において手前側と奥側の2つの位置で停止し(図2のシフトカム31の拡大図に対応)、その停止制御はシフトカム31の切り欠きをシフトセンサ336により検出し、この検出信号に基づいてシフトモータ169をON、OFF制御することにより行われる。
【0032】
エンドフェンス32の前面側には、前記シフトトレイ202の案内用の突条32cが設けられ、シフトトレイ202の後端部がこの突条32cに上下動自在に遊嵌され、これにより、シフトトレイ202は上下動可能かつ用紙搬送方向と直交する方向に往復動可能にエンドフェンス32に支持される。なお、エンドフェンス32はシフトトレイ202上の積載紙の後端をガイドし、後端を揃える機能を有する。
【0033】
1.2.2 排紙部
図4はシフトトレイ202への排紙部の構造を示す斜視図である。
【0034】
図1および図4において、シフト排紙ローラ6は、駆動ローラ6aと従動ローラ6bを有し、従動ローラ6bは用紙排出方向上流側を支持され、上下方向に揺動自在設けられた開閉ガイド板33の自由端部に回転自在に支持されている。従動ローラ6bは自重または付勢力により駆動ローラ6aに当接し、用紙は両ローラ6a、6b間に挟持されて排出される。綴じ処理された用紙束が排出される時は、開閉ガイド板33が上方に引き上げられ、所定のタイミングで戻されるようになっており、このタイミングはシフト排紙センサ303の検知信号に基づいて決定される。その停止位置は排紙ガイド板開閉センサ331の検知信号に基づいて決定され、排紙ガイド板開閉モータ167により駆動される。なお、排紙ガイド板開閉モータ167は排紙ガイド板開閉リミットスイッチ332のオンオフにより駆動制御される。
【0035】
1.3 ステープル処理トレイ
1.3.1 ステープル処理トレイの全体構成
ステープル処理を施すステープル処理トレイFの構成を詳細に説明する。
【0036】
図5はこのステープル処理トレイFを用紙搬送面に垂直な方向から見た平面図、図6はステープル処理トレイFとその駆動機構を示す斜視図、図7は用紙束の放出機構を示す斜視図である。まず、図6に示すように、ステープル排紙ローラ11によってステープル処理トレイFへ導かれた用紙は、ステープル処理トレイF上に順次積載される。この場合、用紙ごとに叩きコロ12で縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53によって横方向(用紙搬送方向と直交する方向−用紙幅方向とも称す)の整合が行われる。ジョブの切れ目、すなわち、用紙束の最終紙から次の用紙束先頭紙までの間で、制御装置(図16参照)からのステープル信号により端面綴じステープラS1が駆動され、綴じ処理が行われる。綴じ処理が行われた用紙束は、ただちに放出爪52aが突設された放出ベルト52によりシフト排紙ローラ6へ送られ、受取り位置にセットされているシフトトレイ202に排出される。
【0037】
1.3.2 用紙放出機構
放出爪52aは、図7に示すように、放出ベルトHPセンサ311によりそのホームポジションが検知されるようになっており、この放出ベルトHPセンサ311は放出ベルト52に設けられた放出爪52aによりオン・オフする。この放出ベルト52の外周上には対向する位置に2つの放出爪52aが配置され、ステープル処理トレイFに収容された用紙束を交互に移動搬送する。また必要に応じて放出ベルト52を逆回転し、これから用紙束を移動するように待機している放出爪52aと対向側の放出爪52a’の背面でステープル処理トレイFに収容された用紙束の搬送方向先端を揃えるようにすることもできる。したがって、この放出爪52aは用紙束の用紙搬送方向の揃え手段としても機能する。
【0038】
また、図5に示すように、放出モータ157により駆動される放出ベルト52の駆動軸には、用紙幅方向の整合中心に放出ベルト52とその駆動プーリ62とが配置され、駆動プーリ62に対して対称に放出ローラ56が配置、固定されている。さらに、これらの放出ローラ56の周速は放出ベルト52の周速より速くなるように設定されている。
【0039】
1.3.3 処理機構
図6に示すように、叩きコロ12は支点12aを中心に叩きSOL(ソレノイド)170によって振り子運動を与えられ、ステープル処理トレイFへ送り込まれた用紙に間欠的に作用して用紙を後端フェンス51に突き当てる。なお、叩きコロ12は反時計回りに回転する。
【0040】
ジョガーフェンス53は、正逆転可能なジョガーモータ158によりタイミングベルトを介して駆動され、用紙幅方向に往復移動する。
【0041】
端面綴じステープラS1は、図8のステイプラS1を移動機構とともに示す斜視図から分かるように、正逆転可能なステープラ移動モータ159によりタイミングベルトを介して駆動され、用紙端部の所定位置を綴じるために用紙幅方向に移動する。その移動範囲の一側端には、端面綴じステープラS1のホームポジションを検出するステープラ移動HPセンサ312が設けられており、用紙幅方向の綴じ位置は、前記ホームポジションからの端面綴じステープラS1移動量により制御される。端面綴じステープラS1は、図9の斜視図に示すように針の打ち込み角度を用紙端部と平行あるいは斜めに変更できるように、さらには、前記ホームポジション位置でステープラS1の綴じ機構部だけを所定角度斜めに回転させ、ステープル針の交換が容易にできるように構成されている。ステープラS1は斜めモータ160によって斜め回転し、針交換位置センサ313によって所定の斜めの角度に、あるいは、前記針の交換位置まで達したことが検出されると、斜めモータ160は停止する。斜め打ちが終了し、あるいは針交換が終了すると、元の位置まで回転して次のステープルに備える。
【0042】
中綴じステープラS2は図1および図5に示すように、後端フェンス51から中綴じステープラS2の針打ち位置までの距離が、中綴じ可能な最大用紙サイズの搬送方向長の半分に相当する距離以上となるように配置され、かつ、用紙幅方向の整合中心に対して対称に2つ配置され、ステー63に固定されている。中綴じステープラS2自体は公知の構成なので、ここでは詳細についての説明は省略するが、中綴じを行う場合、ジョガーフェンス53で用紙の搬送方向に直交する方向が整合され、後端フェンス51と叩きコロ5で用紙の搬送方向が整合された後、放出ベルト52を駆動して放出爪52で用紙束の後端部を持ち上げ、中綴じステープラS2の綴じ位置に用紙束の搬送方向の中央部が位置するようにし、この位置で停止して、綴じ動作を実行させる。そして、綴じられた用紙束は、中折り処理トレイG側に搬送され、中折りされる。詳細は後述する。
【0043】
なお、図中符号64aは前側板、64bは後側板であり、符号310はステープル処理トレイF上の用紙の有無を検出する紙有無センサである。
【0044】
1.4 用紙束偏向機構
前記ステープル処理トレイFで中綴じが行われた用紙束は用紙の中央部で中折りされる。この中折りは中折り処理トレイGで行われる。そのためには、綴じた用紙束を中折り処理トレイGに搬送する必要がある。この実施形態では、ステープル処理トレイFの搬送方向最下流側に、用紙束偏向手段が設けられ、中折り処理トレイG側に用紙束を搬送する。
【0045】
用紙束偏向機構は、図1および図15のステープル処理トレイFと中折り処理トレイG部分の拡大図に示すように分岐ガイド板54と可動ガイド55とからなる。分岐ガイド板54は図10ないし図12の動作説明図に示すように支点54aを中心に上下方向に揺動自在に設けられ、その下流側に回転自在な加圧コロ57が設けられ、スプリング58により放出ローラ56側に加圧される。また、分岐ガイド板54の位置は、束分岐駆動モータ161より駆動力を得て回転するカム61のカム面61aとの当接位置によって規定される。
【0046】
可動ガイド55は放出ローラ56の回転軸に揺動自在に支持され、可動ガイド55の一端(分岐ガイド板54とは反対側の端部)には連結部60aで回動自在に連結されたリンクアーム60が設けられている。リンクアーム60は図5に示す前側板64aに固定された軸と長孔部60bでされており、これにより可動ガイド55の揺動範囲は規制される。また、スプリング59により下方に付勢されることによって図10の位置に保持される。さらに、束分岐駆動モータ161より駆動を得て回転するカム61のカム面61bによりリンクアーム60が押されると、連結されている可動ガイド55は上方へ回動する。束分岐ガイドHPセンサ315はカム61の遮蔽部61cを検知してカム61のホームポジションを検知する。これにより、カム61はそのホームポジションを基準として束分岐駆動モータ161の駆動パルスをカウントすることにより、停止位置の制御が行われる。
【0047】
図10は、カム61がホームポジションに位置した時の分岐ガイド板54と可動ガイド55の位置関係を示す動作説明図である。可動ガイド55のガイド面55aはシフト排紙ローラ6への経路において、用紙をガイドする機能を有する。
【0048】
図11は、カム61が回転することにより、分岐ガイド板54が支点54aを中心として図において反時計方向(下方)へ回動し、加圧コロ57が放出ローラ56側に接触して加圧している状態を示す動作説明図である。
【0049】
図12は、カム61がさらに回転することにより、可動ガイド55が図において時計方向(上方)に回動し、ステープル処理トレイFから中折り処理トレイGに導く経路を分岐ガイド板54と可動ガイド55とで形成した状態を示す動作説明図である。また、図5には奥行き方向の位置関係を示す。
【0050】
この実施形態では、分岐ガイド板54と可動ガイド55は1つの駆動モータにより動作するが、個々に駆動モータを設けて、用紙サイズや綴じ枚数に応じて、移動タイミングや停止位置を制御可能に構成しても良い。
【0051】
1.5 中折り処理トレイ
1.5.1 各部構成
図13および図14は中折りを行うための折りプレート74の移動機構の動作説明図である。
【0052】
折りプレート74は前後側板64a、64bに立てられた各2本の軸64cに長孔部74aを遊嵌することにより支持され、さらに、折りプレート74から立設された軸部74bがリンクアーム76の長孔部76bに遊嵌され、リンクアーム76が支点76aを中心に揺動することにより、折りプレート74は図13および図14中を左右に往復移動する。すなわち、リンクアーム76の長孔部76cに折りプレート駆動カム75の軸部75bは遊嵌されており、折りプレート駆動カム75の回転運動によりリンクアーム76は揺動し、これに応じて、図15において、折りプレート74は束搬送ガイド板下上91,92に対して垂直な方向に往復動する。
【0053】
折りプレート駆動カム75は折りプレート駆動モータ166により図13中の矢印方向に回転する。その停止位置は半月形状の遮蔽部75a両端部を折りプレートHPセンサ325により検知することで決定される。
【0054】
図13は、処理トレイGの用紙束収容領域から完全に退避したホームポジション位置を示す。折りプレート駆動カム75を矢印方向に回転させると折りプレート74は矢印方向に移動し、処理トレイGの用紙束収容領域に突出する。図14は、処理トレイGの用紙束中央を折りローラ81のニップに押し込む位置を示す。折りプレート駆動カム75を矢印方向に回転させると折りプレート74は矢印方向に移動し、処理トレイGの用紙束収容領域から退避する。
【0055】
なお、この実施形態では、中折りについては用紙束を折ることを前提にしているが、この発明は1枚の用紙を折る場合でも適用できる。この場合は、1枚だけで中綴じが不要なので、1枚排紙された時点で中折り処理取り柄G側に送り込み、折りプレート74と折りローラとによって折り処理を実行して下トレイに排紙するようにする。
【0056】
2.制御装置
制御装置350は、図16に示すように、CPU360、I/Oインターフェース370等を有するマイクロコンピュータからなり、画像形成装置PR本体のコントロールパネルの各スイッチ等、および入口センサ301、上排紙センサ302、シフト排紙センサ303、プレスタックセンサ304、ステープル排紙センサ305、紙有無センサ310、放出ベルトホームポジションセンサ311、ステープル移動ホームポジションセンサ312、ステープラ斜めホームポジションセンサ313、ジョガーフェンスホームポジションセンサ314、束分岐ガイドホームポジションセンサ315、束到達センサ321、可動後端フェンスホームポジションセンサ322、折り部通過センサ323、下排紙センサ324、折りプレートホームポジションセンサ325、紙面検知センサ330,330a,330b、排紙ガイド板開閉センサ331等の各センサからの信号がI/Oインターフェース370を介してCPU360へ入力される。
【0057】
CPU360は、入力された信号に基づいて、シフトトレイ202用のトレイ昇降モータ168、開閉ガイド板を開閉する排紙ガイド板開閉モータ167、シフトトレイ202を移動するシフトモータ169、叩きコロ12を駆動する図示しない叩きコロモータ、叩きSOL170等の各ソレノイド、各搬送ローラを駆動する搬送モータ、各排紙ローラを駆動する排紙モータ、放出ベルト52を駆動する放出モータ157、端面綴じステープラS1を移動するステープラ移動モータ159、端面綴じステープラS1を斜めに回転させる斜めモータ160、ジョガーフェンス53を移動するジョガーモータ158、分岐ガイド板54および可動ガイド55を回動する束分岐駆動モータ161、その束を搬送する搬送ローラを駆動する図示しない束搬送モータ、可動後端フェンス73を移動させる図示しない後端フェンス移動モータ、折りプレート74を移動させる折りプレート駆動モータ166、折りローラ81を駆動する図示しない折りローラ駆動モータ等の駆動を制御する。ステープル排紙ローラを駆動する図示しないステープル搬送モータのパルス信号はCPU360に入力されてカウントされ、このカウントに応じて叩きSOL170およびジョガーモータ158が制御される。なお、折りローラ駆動モータはステッピングモータからなり、CPU360からモータドライバを介して直接的に、あるいは、I/O370とモータドライバを介して間接的に制御される。
【0058】
また、パンチユニット100もクラッチやモータを制御することによりCPU360の指示によって穴明けを実行する。
【0059】
なお、用紙後処理装置PDの制御は前記CPU360が図示しないROMに書き込まれたプログラムを、図示しないRAMをワークエリアとして使用しながら実行することにより行われる。
【0060】
3.動作
以下、前記CPU360によって実行される本実施形態に係る用紙後処理装置の動作について説明する。
【0061】
3.1 処理モードに応じた動作
本実施形態では、後処理モードに応じて下記の排出形態をとる。
【0062】
▲1▼ ノンステープルモードA
▲2▼ ノンステープルモードB
▲3▼ ソート、スタックモード
▲4▼ ステープルモード
▲5▼ 中綴じ製本モード
▲6▼ 簡易製本モード
以下、各モードについて説明する。
【0063】
3.1.1 ノンステープルモードA:
このモードは、搬送路Aから搬送路Bを通り、上トレイ201へ用紙を綴じないで排出するモードである。このモードでは、分岐爪15が図1において時計方向に回動し、搬送路B側が開放された状態になる。このときの処理手順を図17のフローチャートに示す。
【0064】
このモードでは、動作がスタートし、用紙が画像形成装置PR側から搬入される状態になると、用紙後処理装置PDの搬送路Aの入口ローラ1および搬送ローラ2、搬送路Bの搬送ローラ3および上排紙ローラ4がそれぞれ回転を開始する(ステップS101)。そして、入口センサ301のオン、オフ(ステップS102,S103)と上排紙センサ302のオン、オフ(ステップS104,S105)をチェックして、用紙の通過を確認し、最終紙が通過し(ステップS107)、所定時間経過すると、前記各ローラ、すなわち、入口ローラ1、搬送ローラ2、搬送ローラ3および上排紙ローラ4の回転を停止させる。これにより、画像形成装置から搬入されてきた用紙を全て上トレイ201に綴じることなく排紙し、積載する。なお、この実施形態では、パンチユニット100が入口ローラ1と搬送ローラ2間に設けられているので、この間にパンチユニット100によって穴あけすることもできる。
【0065】
3.1.2 ノンステープルモードB:
このモードは、用紙を綴じることなく搬送路Aから搬送路Cを経て、シフトトレイ202へ排出するモードである。このモードでは、分岐爪15が反時計方向、分岐爪16が時計方向にそれぞれ回動し、搬送路Cが開放された状態になる。このときの処理手順を図18のフローチャートに示す。
【0066】
このモードでは、動作がスタートし、用紙が画像形成装置PR側から搬入される状態になると、用紙後処理装置PDの搬送路Aの入口ローラ1および搬送ローラ2、搬送路Cの搬送ローラ5およびシフト排紙ローラ6がそれぞれ回転を開始する(ステップS201)。そして、分岐爪15および16を駆動するソレノイドをオンにして(ステップS202)分岐爪15を反時計方向、分岐爪16を時計方向にそれぞれ回動させる。次いで、入口センサ301のオン、オフ(ステップS203,S204)とシフト排紙センサ303のオン、オフ(ステップS205,S206)をチェックして、搬入されてきた用紙の通過を確認する。
【0067】
そして、最終紙が通過し(ステップS207)、所定時間経過すると、前記各ローラ、すなわち、入口ローラ1、搬送ローラ2、搬送ローラ5およびシフト排紙ローラ6の回転を停止させ(ステップS208)、分岐爪15,16を駆動するソレノイドをオフにする(ステップS209)。これにより、画像形成装置PRから搬入されてきた用紙を全てシフトトレイ202に綴じることなく排紙し、積載する。なお、この実施形態では、パンチユニット100が入口ローラ1と搬送ローラ2間に設けられているので、この間にパンチユニット100によって穴あけすることもできる。
【0068】
3.1.3 ソート、スタックモード:
このモードは、用紙を搬送路Aから搬送路Cを経てシフトトレイ202へ排出するモードであるが、その際、シフトトレイ202を部の区切れ毎に排紙方向と直交方向に揺動させ、シフトトレイ202上に排出される用紙を仕分けるモードである。このモードでは、ノンステープルモードBと同様に、分岐爪15が反時計方向、分岐爪16が時計方向にそれぞれ回動し、搬送路Cが開放された状態になる。このときの処理手順を図19のフローチャートに示す。
【0069】
このモードでは、動作がスタートし、用紙が画像形成装置PR側から搬入される状態になると、用紙後処理装置PDの搬送路Aの入口ローラ1および搬送ローラ2、搬送路Cの搬送ローラ5およびシフト排紙ローラ6がそれぞれ回転を開始する(ステップS301)。そして、分岐爪15および16を駆動するソレノイドをオンにして(ステップS302)分岐爪15を反時計方向、分岐爪16を時計方向にそれぞれ回動させる。そして、入口センサ301のオン、オフ(ステップS303,S304)とシフト排紙センサ303のオン(ステップS305)をチェックする。
【0070】
このチェックにより、シフト排紙センサ303を通過した用紙が部の先頭の用紙であれば(ステップS306−Y)、シフトモータ169をオンし(ステップS307)、シフトセンサ336がシフトトレイ202を検出するまでシフトトレイ202を用紙搬送方向と直交する方向に移動させる(ステップS309)。そして、用紙をシフトトレイ202に排紙し、シフト排紙センサ303がオフになり、用紙がシフト排紙センサ303の通過が確認されると(ステップS310)、その用紙が最終紙かどうかをチェックする(ステップS311)。最終紙でなければ、この場合、先頭の用紙なので、部が1枚でなければ、ステップS303に戻って以降の処理を繰り返し、部が1枚で構成されていれば、ステップS312の処理を実行する。 一方、ステップS306でシフト排紙センサ303を通過した用紙が部の先頭紙でなければ、すでにシフトトレイ202は移動しているので、そのまま排紙し(ステップS310)、その排紙した用紙が最終紙かどうかをチェックする(ステップS311)。最終紙でなければ、次の用紙に対してステップS303からの処理を繰り返し、最終紙であれば(ステップS311−Y)、最終紙が通過して所定時間経過した時点で、前記各ローラ、すなわち、入口ローラ1、搬送ローラ2、搬送ローラ5およびシフト排紙ローラ6の回転を停止させ(ステップS312)、分岐爪15,16を駆動するソレノイドをオフにする(ステップS313)。これにより、画像形成装置から搬入されてきた用紙を全てシフトトレイ202に綴じることなく排紙し、仕分けして積載する。なお、この場合もパンチユニット100によって穴あけした用紙のソートやスタックが可能である。
【0071】
3.1.4 ステープルモード:
このモードは、用紙を搬送路Aと搬送路Dを経てステープル処理トレイFに搬送し、ステープル処理トレイFで整合および綴じ処理を行った後、搬送路Cを通ってシフトトレイ202へ排出するモードである。このモードでは、分岐爪15と分岐爪16はともに反時計方向に回動し、搬送路AからDに至る経路が開放された状態になる。このときの処理手順を図20に示す。
【0072】
このモードでは、動作がスタートし、用紙が画像形成装置側PRから搬入される状態になると、用紙後処理装置PDの搬送路Aの入口ローラ1および搬送ローラ2、搬送路Dの搬送ローラ7,9,10およびステープル排紙ローラ11、ステープル処理トレイFの叩きコロ12がそれぞれ回転を開始する(ステップS401)。そして、分岐爪15を駆動するソレノイドをオンにして(ステップS402)分岐爪15を反時計方向に回動させる。
【0073】
次いで、端面綴じステープラS1をステープラ移動HPセンサ312で検知し、ホームポジションを確認した後、ステープラ移動モータ159を駆動して端面綴じステープラS1を綴じ位置に移動させる(ステップS403)。また、放出ベルト52のホームポジションも放出ベルトHPセンサ311で検知し、その位置を確認した後、放出モータ157を駆動して待機位置に放出ベルト52を移動させる(ステップS404)。また、ジョガーフェンス53もジョガーフェンスHPセンサでホームポジション位置を検出した後、待機位置に移動させる(ステップS405)。さらに、分岐ガイド板54と可動ガイド55をホームポジションに移動させる(ステップS406)。
【0074】
そして、入口センサ301のオン、オフ(ステップS407,S408)、ステープル排紙センサ305がオン(ステップS409)、シフト排紙センサ303がオフ(ステップS410)であれば、ステープル処理トレイFに用紙が排紙され、用紙が存在しているので、叩きソレノイド170を所定時間オンにし、叩きソレノイド12を用紙に接触させ、後端フェンス51側に付勢して、用紙後端を揃える(ステップS411)。次いで、ジョガーモータ158を駆動することによってジョガーフェンス53を所定量内側に移動させて用紙の幅方向(用紙搬送方向に直交する方向)の揃え動作を行った後、待機位置に戻す(ステップS412)。これによりステープル処理トレイFに送り込まれた用紙の縦横(搬送方向に平行な方向と直交する方向)が揃えられる。これらステップS407からステップS413までの動作を1枚毎に繰り返し、部の最終紙になると(ステップS413−Y)、ジョガーフェンス53を所定量内側に移動させて用紙端面がずれない状態にし(ステップS414)、この状態で端面綴じステープラS1をオンにして端面綴じを実行する(ステップS415)。
【0075】
一方、シフトトレイ202を所定量下降させて(ステップS416)排紙スペースを確保し、シフト排紙モータを駆動してシフト排紙ローラ6の回転を開始させ(ステップS417)、さらに放出モータ157をオンにして放出ベルト52を所定量回転させ(ステップS418)、綴じられた用紙束を搬送路C方向に押し上げる。これにより、用紙束はシフト排紙ローラ6のニップに挟まれてシフトトレイ202への排紙動作が行われる。そして、シフト排紙センサ303がオンになり(ステップS419)、用紙束がセンサ303位置に進入し、シフト排紙センサ303がオフになって用紙束がセンサ303位置を抜けたことが確認されると(ステップS420)、用紙束はシフト排紙ローラ6によってシフトトレイへの排紙が完了する状態になっているので、放出ベルト52およびジョガーフェンス53を待機位置に移動させ(ステップS421,S422)、シフト排紙ローラ6の回転を所定時間経過後停止させ(ステップS423)、シフトトレイ202を用紙受け入れ位置に上昇させる(ステップS424)。この上昇位置は、紙面検知センサ330によってシフトトレイ202上に積載された用紙束の最上位の用紙の上面を検知することにより制御される。これらの一連を動作をジョブの最終部まで繰り返す(ステップS425)。
【0076】
そして、最終部になると、端面綴じステープラS1、放出ベルト52、ジョガーフェンス53をそれぞれホームポジションに移動させ(ステップS426,S427,S428)、入口ローラ1、搬送ローラ2,7,9,10、ステープル排紙ローラ11および叩きコロ12の回転を停止させ(ステップS429)、分岐爪15の分岐ソレノイドをオフにして(ステップS430)全て初期状態に戻して処理を終える。
【0077】
このようにして、画像形成装置から搬入されてきた用紙をステープル処理トレイFで綴じ処理を行ってシフトトレイ202に排紙して積載する。なお、この場合もパンチユニット100によって穴あけした用紙の綴じ処理が可能である。
【0078】
このステープルモード時のステープル処理トレイFの動作をさらに詳細に説明する。
【0079】
ステープルモードが選択されると、図6に示すように、ジョガーフェンス53はホームポジションより移動し、ステープル処理トレイFに排出される用紙幅より片側7mm離れた待機位置で待機する(ステップS405)。用紙がステープル排紙ローラ11によって搬送され、用紙後端がステープル排紙センサ305を通過すると(ステップS409)、ジョガーフェンス53が待機位置から5mm内側に移動して停止する。
【0080】
また、ステープル排紙センサ305は用紙後端通過時点にそれを検知し、その信号がCPU360に入力される。CPU360ではこの信号の受信時点からステープル排紙ローラ11を駆動する図示しないステープル搬送モータからの発信パルス数をカウントし、所定パルス発信後に叩きSOL170をオンさせる(ステップS412)。叩きコロ12は、叩きSOL170のオン・オフにより振り子運動をし、オン時には用紙を叩いて下方向に戻し、後端フェンス51に突き当てて紙揃えを行う。このとき、ステープル処理トレイFに収容される用紙が入口センサ301あるいはステープル排紙センサ305を通過するたびにその信号がCPU360に入力され、用紙枚数がカウントされる。
【0081】
叩きSOL170がオフされて所定時間経過後、ジョガーフェンス53は、ジョガーモータ158によってさらに2.6mm内側に移動して一旦停止し、横揃えが終了する。ジョガーフェンス53はその後7.6mm外側に移動して待機位置に戻り、次の用紙を待つ(ステップS412)。この動作を最終頁まで行う(ステップS413)。その後、再び7mm内側に移動して停止し(ステップS414)、用紙束の両側端を押えてステープル動作に備える。その後、所定時間後に図示しないステープルモータにより端面綴じステープラS1が作動し、綴じ処理が行われる(ステップS415)。このとき2ヶ所以上の綴じが指定されていれば、1ヶ所の綴じ処理が終了した後、ステープル移動モータ159が駆動され、端面綴じステープラS1が用紙後端に沿って適正位置まで移動され、2ヶ所目の綴じ処理が行なわれる。また、3ヶ所目以降が指定されている場合は、これを繰返す。
【0082】
綴じ処理が終了すると、放出モータ157が駆動され、放出ベルト52が駆動される(ステップS418)。このとき、排紙モータも駆動され、放出爪52aにより持ち上げられた用紙束を受け入れるべくシフト排紙ローラ6が回転し始める(ステップS417)。このとき、ジョガーフェンス53は用紙サイズおよび綴じ枚数に基づいて異なる制御が行われる。例えば、綴じ枚数が設定枚数より少ない、あるいは設定サイズより小さい場合には、ジョガーフェンス53により用紙束を押えながら放出爪52aにより用紙束後端を引っかけ搬送する。
【0083】
そして、紙有無センサ310あるいは放出ベルトHPセンサ311による検知より所定パルス後にジョガーフェンス53を2mm退避させジョガーフェンス53による用紙への拘束を解除する。この所定パルスは、放出爪52aが用紙後端と接触してからジョガーフェンス53の先端を抜ける間で設定されている。
【0084】
また、綴じ枚数が設定枚数より多い、あるいは設定サイズより大きい場合には、予めジョガーフェンス53を2mm退避させ、放出を行う。いずれの場合も用紙束がジョガーフェンス53を抜けきると、ジョガーフェンス53は、さらに5mm外側に移動して待機位置に復帰し(ステップS422)、次の用紙に備える。なお、用紙に対するジョガーフェンス53の距離により拘束力を調整することも可能である。
【0085】
3.1.5 中綴じ製本モード:
このモードは、用紙を搬送路Aと搬送路Dを経てステープル処理トレイFに搬送し、ステープル処理トレイFで整合および中央綴じを行った後、さらに中折り処理トレイGで中折りし、中折りされた用紙束を搬送路Hを経て下トレイ203へ排出するモードである。このモードでは、分岐爪15と分岐爪16はともに反時計方向に回動し、搬送路AからDに至る経路が開放された状態になる。また、分岐ガイド板54と可動ガイド板55が後述の図24に示すように閉鎖状態となって用紙束を中折り処理トレイGに導き、中折りが行われる。このときの処理手順を図21に示す。
【0086】
このモードでは、動作がスタートし、用紙が画像形成装置PR側から搬入される状態になると、用紙後処理装置PDの搬送路Aの入口ローラ1および搬送ローラ2、搬送路Dの搬送ローラ7,9,10およびステープル排紙ローラ11、ステープル処理トレイFの叩きコロ12がそれぞれ回転を開始する(ステップS501)。そして、分岐爪15を駆動するソレノイドをオンにして(ステップS502)分岐爪15を反時計方向に回動させる。
【0087】
次いで、放出ベルト52のホームポジションも放出ベルトHPセンサ311で検知し、その位置を確認した後、放出モータ157を駆動して放出ベルト52を待機位置に、また、ジョガーフェンス53もジョガーフェンスHPセンサでホームポジション位置を検出した後、待機位置に、さらに、分岐ガイド板54と可動ガイド55をホームポジションにそれぞれ移動させる(ステップS503,S504,S505)。
【0088】
そして、入口センサ301のオン、オフ(ステップS506,S507)、ステープル排紙センサ305がオン(ステップS508)、シフト排紙センサ303がオフ(ステップS509)であれば、ステープル処理トレイFに用紙が排紙され、用紙が存在しているので、叩きソレノイド170を所定時間オンにし、叩きソレノイド12を用紙に接触させ、後端フェンス51側に付勢して、用紙後端を揃える(ステップS510)。次いで、ジョガーモータ158を駆動することによってジョガーフェンス53を所定量内側に移動させて用紙の幅方向(用紙搬送方向に直交する方向)の揃え動作を行った後、待機位置に戻す(ステップS511)。これによりステープル処理トレイFに送り込まれた用紙の縦横(搬送方向に平行な方向と直交する方向)が揃えられる。
【0089】
これらステップS506からステップS512までの動作を1枚毎に繰り返し、部の最終紙になると(ステップS512−Y)、用紙束の搬送速度を設定するために用紙枚数と用紙サイズをチェックする。この用紙枚数と用紙サイズは用紙搬送時、言い換えれば用紙の次工程への移送時における搬送速度と用紙束のばらけ易さを勘案して設定される。具体的には、ステップS513で用紙枚数をチェックし(ステップS513)、あらかじめ設定した枚数(N枚)に応じてさらに、用紙サイズ(搬送方向の長さ)をチェックする(ステップS514,S517)。そこで、用紙枚数がN枚以上で用紙サイズがあらかじめ設定した長さYmm以上であれば、例えば搬送速度V1,V2,V3のいずれかを決定し(ステップS515)、Ymm未満であれば、搬送速度V4,V5,V6のいずれかを決定する(ステップS516)。一方、ステップS514で用紙枚数がN枚未満であれば、用紙サイズYmmを基準にYmm以上であれば、搬送速度V7,V8,V9のいずれかを、Ymm未満であれば搬送速度V10,V11,V12のいずれかをそれぞれ決定する(ステップS518,S519)。次いで、ジョガーフェンス53を所定量内側に移動させて用紙端面がずれない状態にし(ステップS520)、この状態で放出モータ157の駆動速度を前記ステップS513,S514,S517の各条件に応じてステップS515,S516,S518,S519で決定されたV1,V4,V7,V10のいずれかに設定する。そして、放出モータ157を前記設定された速度で駆動し、放出ベルト52を所定量回転させ(ステップS521)、中綴じステープラS2の綴じ位置まで用紙束を上昇させる。その後、用紙束の中央部で中綴じステープラS2をオンし、中綴じを行う(ステップS522)。次いで、分岐ガイド板54と可動ガイド55を所定量を変位させて中折り処理トレイGに向かう経路を形成し(ステップS523)、中折り処理トレイGの束搬送ローラ上、下71,72の回転を開始させ(ステップS524)、中折り処理トレイGに設けられている可動後端フェンス73のホームポジションを検知した後、当該可動後端フェンス73を待機位置に移動させる(ステップS525)。
【0090】
このようにして、中折り処理トレイGの用紙束受け入れ体制が整えられると、放出モータ157の駆動速度を前記ステップS515,S516,S518,S519で決定されたV2,V5,V8,V11のいずれかの速度で放出ベルト52をさらに所定量回転させ(ステップS526)、放出ベルト52が所定量回転し、放出ローラ56と加圧ローラ57に銜え込ませた後(ステップS527)、放出モータ157の駆動速度をV3,V,6,V9,V12のいずれかの速度に変更し、中折り処理トレイG側に用紙束を搬送する(ステップS528)。用紙先端が束到達センサ321位置に達したら(ステップS529)、折りローラ81を逆転させてやり、図25で示すQ部で紙が折れずに下方へ搬送されるようにする。その後、用紙の先端がQ部を完全に抜けたと思われる一定時間が経過したら折りローラ81を停止させる。そして、所定距離搬送したら、束搬送ローラ上、下71,72の回転を停止させ(ステップS530)、束搬送ローラ下72の加圧状態を解除させる(ステップS531)。次いで、折りプレート74による折り動作を開始し(ステップS532−図26、図27、図28)、折りローラ81,82および下排紙ローラ83の回転を開始させる(ステップS533)。そして、折り部通過センサ323によって中折りされた用紙束の通過を監視し(ステップS534,S535)、折り部通過センサ323位置を用紙束の後端が通過すると(ステップS535−Y)、束搬送ローラ下72を加圧し(ステップS536−図29)、折りプレート74、分岐ガイド板54および可動ガイド板55をホームポジションに移動させる(ステップS537,S538)。
【0091】
この状態で用紙束の通過を下排紙センサ324によって監視し(ステップS539,S540)、下排紙センサ324を用紙束後端が通過すると(ステップS540−Y)、折りローラ81,82、下排紙ローラ83をさらに所定時間回転させた後、停止させる(ステップS541)。次いで、放出ベルト52とジョガーフェンス53を待機位置に移動させる(ステップS542,S543)。そして、ジョブの最終部かどうかをチェックし(ステップS544)、ジョブの最終部でなければステップS506に戻って以降の処理を繰り返し、最終部であれば、放出ベルト52およびジョガーフェンス53をホームポジションに移動させ(ステップS545,S546)、入口ローラ1,搬送ローラ2,7,9,10、ステープル排紙ローラ11および叩きコロ12の回転を停止し(ステップS547)、分岐爪15の分岐ソレノイドをオフにして(ステップS548)すべて初期状態に戻し、処理を終える。なお、可動後端フェンスは一対のプーリ73a,73bに張設されたタイミングベルト73cによって両プーリ73a,73b間で図示しないモータによって昇降動作を行うことができる。
【0092】
このようにして画像形成装置から搬入されてきた用紙をステープル処理トレイFで中綴じし、中折り処理トレイGで中折りした後、下トレイ203上に中折りされた用紙束を排紙して積載する。
【0093】
なお、図21の処理では、ステープル処理トレイFにスタックされた用紙束を中綴じステープラS2側に搬送する速度よりも綴じられた用紙束を中折り処理トレイG側に搬送する速度の方を高速に設定し、あるいは、綴じられた用紙束を折り処理トレイG側に搬送する再、搬送過程で複数の異なる搬送速度に設定しているが、これは、用紙束の整合状態を確保した上で、生産効率を低下させることなく高品質な中折り製本を行うためのもので、そこまでの必要がなければ、ステップS513〜S519、及びステップS521の各速度設定の処理は省略することができる。
【0094】
3.1.6 簡易製本モード:
簡易製本モードは、前記中綴じ製本モードのように同一サイズの用紙束を中央部で綴じ、綴じた位置で2つに折るのでなく、用紙束のサイズの2倍以上のサイズの用紙を一方の端部に揃えて綴じ、折って表紙とするモードである。このモードの動作を図30ないし図36に示す。
【0095】
このモードでは、搬送路Aから分岐爪15,16で振り分けられた用紙は、搬送路Dに導かれ、搬送ローラ7,9,10及びステープル排紙ローラ11によりステープル処理トレイFに排出される。ステープル処理トレイFでは、▲4▼ステープルモード時及び▲5▼中綴じ製本モード時と同様に排紙ローラ11により順次排出される用紙を整合し、ステープルする1枚前の用紙までは図30に示すように同様の動作をする。その後、ラスト紙のみ用紙幅が同じで搬送方向のみ2倍以上の用紙をステープル処理トレイFに搬送し、整合する。そして、放出爪52aにより用紙は用紙サイズ毎に設定された所定距離押し上げられて搬送方向下流側へ運ばれ、その中央よりわずかに(5〜10mm程度)下側で中綴じステープラS2により同サイズの用紙束PBとラスト紙(表紙)PAを同時に綴じる(図31)。
【0096】
このように中綴じされた後、綴じられた用紙束は放出爪52aにより下流へ用紙サイズ毎に設定された所定距離搬送され一旦停止する。この状態を図32に示す。この移動距離は放出モータ157の駆動パルスにより管理される。そして、前記図32に示すように、用紙束先端部は放出ローラ56と加圧コロ57により挟持され、分岐ガイド板54と可動ガイド55とが回動することによって形成される経路を通って中折り処理処理トレイGへ導かれる。その際、用紙束は、再度放出爪52aと放出ローラ56により下流へ搬送される。この放出ローラ56は放出ベルト52の駆動軸に設けられており放出ベルト52と同期して駆動される。
【0097】
用紙束は、図33に示すように束搬送ローラ上71と束搬送ローラ下72により、予めその用紙サイズに応じた位置にホームポジションから移動し、下側の端面をガイドするべく停止している可動後端フェンス73まで搬送される。このとき、折りプレート74は搬送路上に押し出され、綴じられた同サイズの用紙束端面が折りプレート74の先端側面に突き当たり図34の位置で停止する。また、放出爪52aは、放出ベルト52の外周上に対向する位置に配置されたもう1つの放出爪52a′が後端フェンス51近傍に達した位置で停止し、分岐ガイド板54と可動ガイド55はホームポジションへ復帰し、次の用紙に備える。
【0098】
折りプレート74に突き当てられた用紙束は、図35に示すように、綴じられた用紙中央部近傍は略直角方向に折りプレート74により押され、また、束搬送ローラ下72もわずかに回転させながら用紙束をその対向する折りローラ81のニップへと導く。予め回転していた折りローラ81はその用紙束を加圧搬送することによって、用紙束の表紙PAにのみ中央に折りを施す。
【0099】
このようにして折られた用紙束の表紙PAは、図36に示すように、第2の折りローラ82により折りぐせを強化され、下排紙ローラ83により下トレイ203へ排出される。このとき、用紙束後端が折り部通過センサ323に検知されると、折りプレート74可動後端フェンス73はホームポジションに復帰し、束搬送ローラ下72の加圧は復帰され、次の用紙に備える。また、次のジョブが同じ用紙サイズで同じ枚数であれば、可動後端フェンス73はその位置で待機しても良い。
【0100】
図37は、この簡易(中綴じ)製本モードの処理手順を示すフローチャートである。
【0101】
この処理では、図21に示したフローチャートのステップS513から図529までの処理をステップS601’からステップS614’の処理に置き換えたものである。すなわち、ステップS512で部の最終紙であれば、表紙がトレイに入ってきているかどうかをチェックし(ステップS601’)、入ってきていればジョガーフェンス53を所定量移動し(ステップS602’)、放出ベルト52の回転を開始し(ステップS603’)、所定位置に用紙束を位置させると、中綴じステープラS2をオンして中綴じを行う(ステップS604’−後述のステップd)。
【0102】
次いで、分岐ガイド板54、可動ガイド板55を所定量移動させ(ステップS605’)、束搬送ローラ上、下71,72の回転を開始させ(ステップS606’)、可動後端フェンス73をホームポジション位置を検出した後、待機位置に移動させる(ステップS607’)。そして、束到達センサ321が用紙束の先端位置を検知すると(ステップS608’)、折りプレートタイマをクリアし(ステップS609’)、折りプレート74を搬送路近傍まで移動させ(ステップS610’)、折りプレートタイマによる計時時間が所定時間経過し、用紙束が折り位置に到達したことが検知されると(ステップS611’)、折りプレート74による進出動作を開始し(ステップS612’)、折りプレート74の一定距離の移動が完了すると(ステップS613’)、折りプレート74を停止させる(ステップS614’)。これに表紙の折り込み動作が開始される。その後ステップS531以降の通常の中綴じ動作と同様の動作が行われる。
【0103】
このようにして行われる用紙束の簡易的な製本の工程を図38に示す。
【0104】
同図から分かるように用紙束PBをステープル処理トレイFで整合し(ステップa)、その上に(最後の頁として)用紙束PBの少なくとも2倍の大きさの用紙(ステップb)を表紙PAとして排紙して整合し(ステップc)、表紙PAの中央部に当たる用紙束PBの端部側から所定距離(5mm〜10mm)中央側に寄った位置に用紙束PB側から綴じ処理を行い(ステップd)、折りプレート74の先端部で用紙束PBの端部を受け、そのまま突き出して折りローラ81,82で表紙PAのみ折り返して折り癖を付け、簡易的な表紙とする。
【0105】
なお、本実施形態では、前記表紙PAとして、綴じ処理を行う用紙束PBのサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍のサイズの用紙と、綴じ処理を行う用紙束PBのサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍以上のサイズの用紙とが用意され、用紙束の厚さに応じて2つのサイズ用紙のいずれかを使用するようにしている。これは、図39(a)に示すように用紙枚数が少なければ図38(e)から(f)のようにして表紙PAを折り返したときに綺麗に用紙束PBと重なるが、用紙枚数が多い場合には、図39(b)に示すように折り返したときに表紙PAの端部が用紙束PBの端部よりも短くなり、綺麗に仕上がらない。そこで、用紙束PBの厚さに対応させて表紙になる用紙を搬送方向の長さが2倍以上のサイズの用紙、実際には、2倍より少し大きいサイズの用紙を用意して用紙束PBの厚さ(枚数)に応じて使い分けるようにした。なお、用紙枚数の多い、少ないについては一般的には15枚程度は少ないと判断して2倍のサイズを表紙として使用し、15枚を超える場合には表紙サイズを2倍以上(不定形サイズについては用紙枚数、または用紙束の厚さによって任意に長さを変えられるものとする)のサイズを表紙として使用するようにした。
【0106】
そのため、図40に示すように画像形成装置に少なくとも用紙束を作成するための用紙(指定用紙)を収容する第1の給紙トレイ(図では給紙トレイ1)PT1、綴じ処理を行う用紙束PBのサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍のサイズの用紙を収容する第2の給紙トレイ(図では給紙トレイ2)PT2、および綴じ処理を行う用紙束PBのサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍より少し大きいサイズの用紙を収容する第3の給紙トレイ(図では給紙トレイ3)PT3とが用意され、用紙束の構成枚数に応じて自動的に、あるいはオペレータの選択により第2あるいは第3の給紙トレイPT2,PT3から表紙用の用紙が給紙される。
【0107】
図41は、画像形成装置の操作画面(モード選択画面)の一例を示す図で、ソフトキーとして、ソート/スタックモード、ステープルモード、パンチモード、中綴じ製本モード、簡易中綴じ製本モードが選択され、ステープルモードの場合には、綴じ位置の選択、パンチモードの場合にはパンチ位置の選択がそれぞれ可能であり、簡易中綴じ製本モードでは、表示サイズが2倍以上の用紙をオペレータが選択できるようになっている。なお、この実施形態では、表示サイズが2倍以上の場合のみオペレータが選択できるようにしている。
【0108】
図42は、簡易中綴じモードにおいて、用紙枚数によって画像形成装置本体PR側で自動的に不定形サイズ(用紙搬送方向に用紙束の2倍以上のサイズ)を選択する際の主に画像形成装置PRの処理手順を示すフローチャートである。
【0109】
この処置では、まず、表紙として選択された2種類の用紙が給紙トレイPT2、PT3に存在するかどうかをチェックする(ステップS601)。用紙があれば、画像形成された用紙を後処理装置PDに出力し(ステップS602)、出力された用紙枚数、言い換えれば用紙処理トレイFに集積される用紙の枚数をカウントする(ステップS603)。この動作を最終紙の1枚前まで繰り返し(ステップS604)、最終紙の1枚前になると、画像形成した用紙枚数が設定値以上かどうかをチェックする(ステップS605)。この実施形態では、設定値は15枚である。そして、設定値に達していなければ、綴じ処理を行う用紙束PBのサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍のサイズの用紙を後処理装置に出力し(ステップS606)、設定値に達していれば、綴じ処理を行う用紙束PBのサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍以上のサイズの用紙を後処理装置に出力する(ステップS607)。そして、用紙束を前記図37のフローチャートに示したような手順で製本して排出する(ステップS608)。
【0110】
一方、ステップS601で表紙として選択した用紙がなければ、選択された用紙がない旨、画像形成装置PRの操作表示部を介してオペレータに通知し、簡易製本モードを実行することなく、処理を終える(ステップS609)。
【0111】
このようにして、用紙束PBが薄い(用紙枚数が少ない)場合には、綴じ処理を行う用紙束PBのサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍のサイズの用紙によって表紙PAが形成され、用紙束PBが厚い(用紙枚数が多い)場合には、綴じ処理を行う用紙束PBのサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍より少し大きいサイズの用紙によって表紙PAが形成され、画像形成装置PRに表紙となる用紙がなければ、処理を行わないで、選択された表紙がないことをオペレータに通知することになる。
【0112】
図43は、画像形成装置PRの操作表示部からオペレータが表紙の用紙サイズを選択して簡易製本を行う場合の主に画像形成装置PRの処理手順を示すフローチャートである。
【0113】
この処理では、まず、用紙枚数が多いかどうかをオペレータが判断し(ステップS701)、用紙枚数が多い場合にオペレータが画像形成装置PRの操作表示部(図41)で表紙サイズ2倍以上を選択した後(ステップS702)、あるいは、用紙枚数が少なければ特に操作せずにそのままステップS703で表紙として選択された2種類の用紙があるかどうかチェックする(ステップS703)。用紙があればステップS704で画像形成した用紙を用紙後処理装置PDに用紙最終紙の1枚前まで出力し(ステップS705)、最終紙の1枚前の用紙を出力すると、設定した表紙サイズの用紙を用紙後処理装置PD側に排紙して用紙束を前記図37のフローチャートに示したような手順で製本して排出する(ステップS707)。設定した表紙サイズとは、ステップS702で表紙サイズ2倍以上を選択した場合には、そのサイズの用紙であり、選択しなければ表紙サイズの2倍のサイズの用紙である。
【0114】
一方、ステップS703で表紙として選択した用紙がなければ、選択された用紙がない旨、画像形成装置PRの操作表示部を介してオペレータに通知し、簡易製本モードを実行することなく、処理を終える(ステップS708)。
【0115】
このようにして、用紙束PBが薄い(用紙枚数が少ない)場合に、オペレータが表紙サイズを選択することなく綴じ処理を行う用紙束PBのサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍のサイズの用紙によって表紙PAが形成され、用紙束PBが厚い場合に、オペレータが表しサイズを選択することにより綴じ処理を行う用紙束PBのサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍より少し大きいサイズの用紙によって表紙PAが形成され、画像形成装置PRに表紙となる用紙がなければ、処理を行わないで、選択された表紙がないことをオペレータに通知することになる。
【0116】
以上のように、本実施形態によれば、サイズの異なる2つの用紙をあわせて綴じ処理する際に用紙枚数が少ない場合は、2倍のサイズの表紙で製本し、用紙枚数が多い場合は、2倍以上のサイズを表紙にすることで製本後の用紙端面をカットすることなく、用紙枚数が多い場合の表紙1枚のみ、不定型サイズの用紙を使用するだけで済むために安価で用紙束の端面が揃った製本が可能になる。
【0117】
また、用紙枚数により表紙のサイズを自動選択することによって、機械の操作性が向上し、簡易的に用紙端面が揃った製本が可能になる。
【0118】
さらに、製本する用紙の厚さによってオペレータが不定型サイズの用紙を使用するかどうかを選択するようにしたので、より冊子の厚さにあった表紙の選択が可能になる。
【0119】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、冊子のページ数が増えても用紙端面をきれいに揃えることができ、簡易的に見栄えの良い製本が定型サイズで可能な用紙処理装置および画像形成システムを提供することができる。
【0120】
また、本発明によれば、表紙に使用する用紙サイズを画像形成装置側で自動的に選択し、操作性に優れた用紙処理装置および画像形成システムを提供することができる。
【0121】
さらに、本発明によれば、表紙に使用する用紙サイズをオペレータが操作部上で選択できるので、用紙の枚数だけでなく厚さも考慮してより端面の揃った冊子を作成可能な用紙処理装置および画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置を主に示す用紙処理装置と画像形成装置とからなる画像処理システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置のシフト機構の詳細を示す要部を拡大した斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置のシフトトレイ昇降機構の要部を拡大した斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置のシフトトレイへの排紙部の構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置のステープル処理トレイを用紙搬送面に垂直な方向から見た平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置のステープル処理トレイとその駆動機構を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置の用紙束の放出機構を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置の端面綴じステイプラを移動機構とともに示す斜視図である。
【図9】図8における端面綴じステープラの斜め回動機構を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置の用紙束偏向機構の動作説明図で、用紙あるいは用紙束をシフトトレイに排紙するときの状態を示す。
【図11】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置の用紙束偏向機構の動作説明図で、図10の状態から分岐ガイド板が放出ローラ側に回動した状態を示す。
【図12】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置の用紙束偏向機構の動作説明図で、図11の状態から可動ガイドが分岐ガイド板側に回動し、中折り処理トレイ側に用紙束を偏向する経路を形成した状態を示す。
【図13】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置の折りプレートの移動機構の動作説明図で、中折り動作に入る前の状態を示す。
【図14】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置の折りプレートの移動機構の動作説明図で、中折り後、初期位置に戻るときの状態を示す。
【図15】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置のステープル処理トレイと中折り処理トレイの詳細を示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置の制御回路を画像形成装置とともに示すブロック図である。
【図17】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置におけるノンステープルモードAの処理手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置におけるノンステープルモードBの処理手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置におけるソート、スタックモードの処理手順を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置におけるステープルモードの処理手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置における中綴じ製本モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図22】中綴じ製本モードにおいてステープル処理トレイにスタックされた用紙束の状態を示す動作説明図である。
【図23】中綴じ製本モードにおいてステープル処理トレイでスタックされ、中綴じされるときの状態を示す動作説明図である。
【図24】中綴じ製本モードにおいてステープル処理トレイで中綴じされた用紙束を用紙束偏向機構によって偏向させる初期状態を示す動作説明図である。
【図25】中綴じ製本モードにおいてステープル処理トレイで中綴じされた用紙束を用紙束偏向機構によって偏向させ、中折り処理トレイに送り込んだときの状態を示す動作説明図である。
【図26】中綴じ製本モードにおいて中折り処理トレイで用紙束を中折り位置に位置させたときの状態を示す動作説明図である。
【図27】中綴じ製本モードにおいて中折り処理トレイで中折りプレートを作動させて用紙束の中折り動作を開始した時の状態を示す動作説明図である。
【図28】中綴じ製本モードにおいて中折り処理トレイで中折りプレートを作動させて用紙束の中折り動作の開始した後2段目の折りローラで折られているときの状態を示す動作説明図である。
【図29】中綴じ製本モードにおいて中折り処理トレイからで用紙束を中折りローラによって中折りして排紙するときの状態を示す動作説明図である。
【図30】簡易製本モードにおいて最終紙(表紙−1枚目の用紙)がするステープル処理トレイに排紙されたときの状態を示す動作説明図である。
【図31】簡易製本モードにおいてステープル処理トレイでスタックされ、中綴じされるときの状態を示す動作説明図である。
【図32】簡易製本モードにおいてステープル処理トレイで中綴じされた用紙束を用紙束偏向機構によって偏向させ、中折り処理トレイに送り込むときの状態を示す動作説明図である。
【図33】簡易製本モードにおいてステープル処理トレイで中綴じされた用紙束を用紙束偏向機構によって偏向させ、中折り処理トレイに送り込んだときの状態を示す動作説明図である。
【図34】簡易製本モードにおいて中折り処理トレイで用紙束を中折り位置に位置させたときの状態を示す動作説明図である。
【図35】簡易製本モードにおいて中折り処理トレイで中折りプレートを作動させて用紙束の中折り動作を開始した時の状態を示す動作説明図である。
【図36】中綴じ製本モードにおいて中折り処理トレイで中折りプレートを作動させて用紙束の中折り動作の開始した後2段目の折りローラで折られ、排紙するときの状態を示す動作説明図である。
【図37】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置における簡易製本モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図38】簡易製本の製本動作の工程を示す図である。
【図39】簡易製本の表紙サイズに2種類の用紙サイズが必要なことを示す説明図である。
【図40】サイズの異なる表紙を収容した給紙トレイを備えた画像形成システムの構成を示す図である。
【図41】図40における画像形成装置の操作表示部の操作画面の一例を示す図である。
【図42】簡易中綴じモードにおいて、用紙枚数によって画像形成装置本体PR側で自動的に不定形サイズを選択する際の主に画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図43】画像形成装置PRの操作表示部からオペレータが表紙の用紙サイズを選択して簡易製本を行う場合の主に画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】74 折りプレート
81 第1の折りローラ
82 第2の折りローラ
83 束搬送ローラ
91 束搬送ガイド板上
92 束搬送ガイド板下
157 放出モータ
161 束分岐駆動モータ
166 折プレート駆動モータ
350 制御装置
360 CPU
370 I/O
F ステープル処理トレイ
G 中折り処理トレイ
PD 用紙後処理装置
PR 画像形成装置
S1 端面綴じステープラ
S2 中綴じステープラ
Claims (7)
- 画像形成後の用紙に対して所定の処理を施す処理手段を有する用紙処理装置において、
用紙をスタックするスタック手段と、
前記スタック手段にスタックされた用紙束を整合させる揃え手段と、
前記スタック手段に整合された状態でスタックされた用紙束に対して綴じ処理を行う綴じ手段と、
前記綴じ手段によって綴じられた用紙束に折り処理を施す折り手段と、
綴じ処理を行う用紙束のサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍のサイズの用紙を同時に揃えて、用紙束の中央付近を複数箇所綴じる第1の処理モードと、綴じ処理を行う用紙束のサイズと幅方向が同じで搬送方向の長さが2倍以上のサイズの用紙を同時に揃えて、用紙束の中央付近を複数箇所綴じる第2の処理モードとが設定された制御手段と、
を備えていることを特徴とする用紙処理装置。 - 前記制御手段は、接続された画像形成装置側から送信される用紙枚数に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする請求項1記載の用紙処理装置。
- 前記制御手段は、オペレータからの指示入力に応じて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする請求項1記載の用紙処理装置。
- 前記制御手段は、処理すべき用紙枚数が少ない場合には、前記第1のモードを選択することを特徴とする請求項1または2記載の用紙処理装置。
- 前記制御手段は、処理すべき用紙枚数が多い場合には、前記第2のモードを選択することを特徴とする請求項1または2記載の用紙処理装置。
- 前記制御手段は、選択されたモードで使用する用紙がない場合には、当該モードを実行することなく、オペレータにその旨報知することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の用紙処理装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の用紙処理装置と、入力された画像情報に応じて記録媒体に可視画像を形成する画像形成装置と、を含んでなる画像形成システム。
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- 2002-08-26 JP JP2002245262A patent/JP2004083185A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070313 |