1.全体構成
図1は本発明の実施形態に係る用紙処理装置としての用紙後処理装置と画像形成装置とからなる画像形成システムのシステム構成を示す図であり、図では、用紙後処理装置の全体と画像形成装置の一部を示している。
図1において、用紙後処理装置PDは、画像形成装置PRの側部に取付けられており、画像形成装置PRから排出された用紙(記録媒体)は用紙後処理装置PDに導かれる。前記用紙は、1枚の用紙に後処理を施す後処理手段(この実施形態では穿孔手段としてのパンチユニット100)を有する搬送路Aを通り、上トレイ201へ導く搬送路B、シフトトレイ202へ導く搬送路C、整合およびスティプル綴じ等を行う処理トレイF(以下、スティプル処理トレイとも称する)へ導く搬送路Dへ、それぞれ分岐爪15および分岐爪16によって振り分けられるように構成されている。
搬送路AおよびDを経てスティプル処理トレイFへ導かれ、スティプル処理トレイで整合およびスティプル等を施された用紙は、偏向手段である分岐ガイド板54と可動ガイド55により、シフトトレイ202へ導く搬送路C、折り等を施す処理トレイG(以下、中折り処理トレイとも称する)へ振り分けられるように構成され、中折り処理トレイGで折り等を施された用紙は搬送路Hを通り、カッタユニットJを経て下トレイ203へ導かれる。また、搬送路D内には分岐爪17が配置され、図示しない低荷重バネにより図の状態に保持されており、用紙後端がこれを通過した後、搬送ローラ9、10、スティプル排紙ローラ11の内少なくとも搬送ローラ9を逆転することによって用紙後端を用紙収容部Eへ導いて用紙を滞留させ、次用紙と重ね合せて搬送することが可能なように構成されている。この動作を繰り返すことによって2枚以上の用紙を重ね合せて搬送することも可能である。
搬送路B、搬送路Cおよび搬送路Dの上流で各々に対し共通な搬送路Aには、画像形成装置から受け入れる用紙を検出する入口センサ301、その下流に入口ローラ1、パンチユニット100、パンチかすホッパ101、搬送ローラ2、分岐爪15および分岐爪16が順次配置されている。分岐爪15、分岐爪16は図示しないバネにより図1の状態に保持されており、図示しないソレノイドをONすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方に、各々回動することによって、搬送路B、搬送路C、搬送路Dへ用紙を振り分ける。
搬送路Bへ用紙を導く場合は、分岐爪15は図1の状態で前記ソレノイドはOFF、搬送路Cへ用紙を導く場合は、図1の状態から前記ソレノイドをONすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方にそれぞれ回動した状態となり、搬送路Dへ用紙を導く場合は、分岐爪16は図1の状態で前記ソレノイドはOFF、分岐爪15は図1の状態から前記ソレノイドをONすることにより、上方に回動した状態となる。
この用紙後処理装置PDでは、用紙に対して、穴明け(パンチユニット100)、用紙揃え+端部綴じ(ジョガーフェンス53、端面綴じスティプラS1)、用紙揃え+中綴じ(ジョガーフェンス53、中綴じスティプラS2)、用紙の仕分け(シフトトレイ202)、中折り(折りプレート74、折りローラ81、82)、切断(カッタユニットJ)などの各処理を行うことができる。
画像形成装置PRは、この実施形態では、入力された画像データに基づいて感光体ドラムなどの画像形成媒体に光書き込みを行って感光体ドラム表面に潜像を形成し、形成された潜像をトナー現像して用紙などの記録媒体に転写し、定着して排紙するいわゆる電子写真プロセスを使用した画像形成装置であり、電子写真プロセスを使用した画像形成装置自体は公知なので、ここでの詳細な構成の説明と図示は省略する。なお、この実施形態では、電子写真プロセスを使用した画像形成装置を例示しているが、そのほかに、インクジェットや印刷機などの公知の画像形成装置および印刷機(プリンタ)を使用したシステムでも良いことはいうまでもない。
2.シフトトレイ部
この用紙後処理装置PDの最下流部に位置するシフトトレイ排紙部Iは、シフト排紙ローラ6と、戻しコロ13と、紙面検知センサ330と、シフトトレイ202と、図示しないシフト機構及びシフトトレイ昇降機構とにより構成される。
図1において、符号13はシフト排紙ローラ6から排出された用紙と接して前記用紙の後端をシフトトレイ202の最下端と接する用紙後処理装置PDの側面に設けられたエンドフェンスに突き当てて揃えるためのスポンジ製のコロを示す。この戻しコロ13は、シフト排紙ローラ6の回転力で回転するようになっている。戻しコロ13の近傍には、図1に示すように、シフトトレイ202上に排紙された用紙もしくは用紙束の紙面位置を検知する紙面位置検知手段としての紙面検知センサ330が設けられている。
シフトトレイ202は前記紙面検知センサ330の紙面の検知状態に応じて下降または上昇し、仕分けを行う場合には、用紙搬送方向に直交する方向に部毎に移動(シフト)して、仕分けを行うようになっている。この上昇下降動作、シフト動作は公知なので、ここのでの詳細な説明は省略する。
3 スティプル処理トレイ
3.1 スティプル処理トレイの全体構成
スティプル処理を施すスティプル処理トレイFの構成を詳細に説明する。
図2はこのスティプル処理トレイFを用紙搬送面に垂直な方向から見た平面図、図3はスティプル処理トレイFとその駆動機構を示す斜視図、図4は用紙束の放出機構を示す斜視図である。まず、図3に示すように、スティプル排紙ローラ11によってスティプル処理トレイFへ導かれた用紙は、スティプル処理トレイF上に順次積載される。この場合、用紙ごとに叩きコロ12で縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53によって横方向(用紙搬送方向と直交する方向−用紙幅方向とも称す)の整合が行われる。ジョブの切れ目、すなわち、用紙束の最終紙から次の用紙束先頭紙までの間で、制御装置350(図13参照)からのスティプル信号により端面綴じスティプラS1が駆動され、綴じ処理が行われる。綴じ処理が行われた用紙束は、ただちに放出爪52aが突設された放出ベルト52によりシフト排紙ローラ6へ送られ、受取り位置にセットされているシフトトレイ202に排出される。
3.2 用紙放出機構
放出爪52aは、図4に示すように、放出ベルトHPセンサ311によりそのホームポジションが検知されるようになっており、この放出ベルトHPセンサ311は放出ベルト52に設けられた放出爪52aによりオン・オフする。タイミングベルトからなるこの放出ベルト52の外周上には対向する位置に2つの放出爪52aが配置され、スティプル処理トレイFに収容された用紙束を交互に移動搬送する。また必要に応じて放出ベルト52を逆回転し、これから用紙束を移動するように待機している放出爪52aと対向側の放出爪52a’の背面でスティプル処理トレイFに収容された用紙束の搬送方向先端を揃えるようにすることもできる。したがって、この放出爪52aは用紙束の用紙搬送方向の揃え手段としても機能する。
また、図2に示すように、放出モータ157により駆動される放出ベルト52の駆動軸である放出軸65には、用紙幅方向の整合中心に放出ベルト52とその駆動プーリ62とが配置され、駆動プーリ62に対して対称に放出ローラ56が配置、固定されている。さらに、これらの放出ローラ56の周速は放出ベルト52の周速より速くなるように設定されている。
放出ベルト52は放出モータ157の駆動力をタイミングベルト、タイミングプーリ62を介して伝達されている。ここではタイミングプーリ(駆動側のプーリ)62と放出ローラ56は同一軸(放出軸65)に配置されている。放出ローラ56と放出ベルト52の速度関係を変更する場合等は放出ローラ56を前記放出軸65上に空転可能とし、放出ローラ56に対し放出モータ157から分割された駆動力を伝達して減速比の設定に自由度を持たせても良い。また、放出ローラ56の円筒面はゴム等の高摩擦部材で形成され、従動ローラである加圧コロ57の自重あるいは付勢力で、両者間に挟持された用紙あるいは用紙束に対して搬送力を発生できる。
図3に示すように、叩きコロ12は支点12aを中心に叩きSOL(ソレノイド)170によって振り子運動を与えられ、スティプル処理トレイFへ送り込まれた用紙に間欠的に作用して用紙を後端フェンス51に突き当てる。なお、叩きコロ12は図において反時計回りに回転する。ジョガーフェンス53は、正逆転可能なジョガーモータ158によりタイミングベルトを介して駆動され、用紙幅方向に往復移動する。
端面綴じスティプラS1は、正逆転可能なスティプラ移動モータによりタイミングベルトを介して駆動され、用紙端部の所定位置を綴じるために用紙幅方向に移動する。その移動範囲の一側端には、端面綴じスティプラS1のホームポジションを検出するスティプラ移動HPセンサが設けられており、用紙幅方向の綴じ位置は、前記ホームポジションからの端面綴じスティプラS1移動量により制御される。端面綴じスティプラS1は、針の打ち込み角度を用紙端部と平行あるいは斜めに変更できるように、さらには、前記ホームポジション位置でスティプラS1の綴じ機構部だけを所定角度斜めに回転させ、スティプル針の交換が容易にできるように構成されている。
中綴じスティプラS2は図1および図2に示すように、後端フェンス51から中綴じスティプラS2の針打ち位置までの距離が、中綴じ可能な最大用紙サイズの搬送方向長の半分に相当する距離以上となるように配置され、かつ、用紙幅方向の整合中心に対して対称に2つ配置され、ステー63に固定されている。中綴じスティプラS2自体は公知の構成なので、ここでは詳細についての説明は省略するが、中綴じを行う場合、ジョガーフェンス53で用紙の搬送方向に直交する方向が整合され、後端フェンス51と叩きコロ5で用紙の搬送方向が整合された後、放出ベルト52を駆動して放出爪52で用紙束の後端部を持ち上げ、中綴じスティプラS2の綴じ位置に用紙束の搬送方向の中央部が位置するようにし、この位置で停止して、綴じ動作を実行させる。そして、綴じられた用紙束は、中折り処理トレイG側に搬送され、中折りされる。詳細は後述する。
なお、図中符号64aは前側板、64bは後側板であり、符号310はスティプル処理トレイF上の用紙の有無を検出する紙有無センサである。
4.用紙束偏向機構
前記スティプル処理トレイFで中綴じが行われた用紙束は用紙の中央部で中折りされる。この中折りは中折り処理トレイGで行われる。そのためには、綴じた用紙束を中折り処理トレイGに搬送する必要がある。この実施形態では、スティプル処理トレイFの搬送方向最下流側に、用紙束偏向手段が設けられ、中折り処理トレイG側に用紙束を搬送する。
用紙束偏向機構は、図1及びスティプル処理トレイFと中折り処理トレイG部分の拡大図である図5に示すように分岐ガイド板54と可動ガイド55とからなる。
分岐ガイド板54は図6及び図7の動作説明図に示すように支点54aを中心に上下方向に揺動自在に設けられ、その下流側に回転自在な加圧コロ57が設けられ、スプリング58により放出ローラ56側に加圧される。また、分岐ガイド板54の位置は、束分岐駆動モータ161より駆動力を得て回転するカム61のカム面61aとの当接位置によって規定される。
可動ガイド55は放出ローラ56の回転軸に前記可動ガイド55と一体に揺動する従動側プーリ60とともに揺動自在に支持され、可動ガイド駆動モータ171の駆動軸に設けられた駆動側プーリ171aとの間に掛け渡されたタイミングベルト59によって駆動され、また、その停止位置が規定される。可動ガイド55は、その遮蔽部55bを可動ガイドホームポジションセンサ337によって検知させることにより、ホームポジションを検知することができ、検出されたホームポジションを基準として可動ガイド駆動モータ171の駆動パルスによって停止位置を制御することができる。
束分岐ガイドHPセンサ315はカム61の遮蔽部61cを検知してカム61のホームポジションを検知する。これにより、カム61はそのホームポジションを基準として束分岐駆動モータ161の駆動パルスをカウントすることにより、停止位置の制御が行われる。カム61の停止位置によって分岐ガイド板54の開閉量が決定される。すなわち、束分岐駆動モータ161の駆動パルスに応じて前記開閉量が設定され、その設定値に応じて放出ローラ56と加圧コロ57の間の間隔を自由に設定することができる。この制御については後述する。
図6は、カム61がホームポジションに位置した時の分岐ガイド板54と可動ガイド55の位置関係を示す動作説明図である。可動ガイド55のガイド面55aは放出ローラ56の表面と所定の間隔をおいて離間した曲面状に形成され、分岐ガイド板54の加圧コロ57設置部より用紙搬送方向下流側は放出ローラ56の表面の曲率に準じた曲面に形成されているが、上流側は平面状に形成され、シフト排紙ローラ6への経路において、用紙をガイドする機能を有する。この状態は、用紙束を搬送路Cに送り込むときの状態であり、可動ガイド55はスティプル処理トレイFから搬送路Cに用紙束が送り出される経路から十分に後退し、また、分岐ガイド板54も放出ローラ56の表面から十分に後退し、スティプル処理トレイFから搬送路Cに用紙束を送り出す経路を十分に開放している。この開放幅は、一般には端面綴じスティプラS1の綴じ能力によって決められるが、通常の厚さのコピー用紙50枚以下が一般的である。
この状態から可動ガイド駆動モータ171が回転し、可動ガイド55が用紙束を中折り処理トレイG側に搬送する位置に移動し、束分岐駆動モータ161がホームポジションから所定パルス駆動分回転し、カム61を所定量回転させて分岐ガイド板54が図示反時計方向に回転し、加圧コロ57が放出ローラ56の表面に対して微小距離離間した状態になる。そして、カム61がさらに回転することにより、分岐ガイド板54が図において反時計方向にさらに回転し、加圧ローラ57が放出ローラ56に対して加圧状態になる。加圧力はスプリング58の弾性力によって決定される。
なお、図6がスティプル処理トレイFで整合及びスティプル綴じ等を施された用紙をシフトトレイ202へ導く搬送路Cへ送り込む位置であり、図7が中折り処理トレイGへ送り込む搬送路へ用紙を送り込むことができる位置である。そして、この位置から可動ガイド55の図示時計方向に回動させ、可動ガイド55が回動するスペースを可動ガイド側面55aにより塞ぐことが可能となっている。これにより用紙を中折り処理トレイGへ導く際、スムーズに送り込むことが可能となる。このように、分岐ガイド板54と可動ガイド55の動作に順序をつけることで互いにオーバーラップすることが可能となり円滑な搬送路を形成できる。
この状態では、図6に示した分岐ガイド板54の開放状態に比べて用紙束の搬送方向に対して斜めの方向から放出ローラ56の表面に圧接し、用紙束の先端部はいわばくさび状に規制されて加圧コロ57位置に導かれる。用紙束は、中折り処理トレイG側に搬送されるときには、用紙束の中央部が綴じられ、用紙束の先端部はフリーの状態であるが、前述のように規制され、さらに加圧コロ57によって加圧された状態で可動ガイド55と放出ローラ66の間隙に導入される。これにより、用紙束の先端部はばらばらにならずに可動ガイド55と放出ローラ66の間隙に入り込み、可動ガイド55によってターン(偏向)して中折り処理トレイG側に搬送される。
また、図7に示すように加圧コロ57と放出ローラ56との間に所定の間隙を設け、用紙束が所定量通過した後、加圧コロ57によって用紙束を加圧するようにすれば、前記間隙に進入するときの負荷を小さくできるので、用紙束先端を乱すことなく偏向することが可能になり、用紙束の偏向時におけるジャム発生を最小限に抑えることができる。
5.中折り処理トレイ
図8は中折りを行うための折りプレート74の移動機構の動作説明図である。折りプレート74は前後側板64a、64bに立てられた各2本の軸64cに長孔部74aを遊嵌することにより支持され、さらに、折りプレート74から立設された軸部74bがリンクアーム76の長孔部76bに遊嵌され、リンクアーム76が支点76aを中心に揺動することにより、折りプレート74は図14を左右に往復移動する。すなわち、リンクアーム76の長孔部76cに折りプレート駆動カム75の軸部75bは遊嵌されており、折りプレート駆動カム75の回転運動によりリンクアーム76は揺動し、これに応じて、図5において、折りプレート74は束搬送ガイド板下上91,92に対して垂直な方向に往復動する。
折りプレート駆動カム75は折りプレート駆動モータ166により図8において矢印方向に回転する。その停止位置は半月形状の遮蔽部75a両端部を折りプレートHPセンサ325により検知することで決定される。また、図5は処理トレイGの用紙束収容領域から完全に退避したホームポジション位置を示す。この位置から折りプレート駆動カム75を矢印方向に回転させると折りプレート74は矢印方向に移動し、処理トレイGの用紙束収容領域に突出する。そして、さらに折りプレート駆動カム75を矢印方向に回転させると折りプレート74は矢印方向に移動し、処理トレイGの用紙束収容領域から退避する。
なお、この実施形態では、中折りについては用紙束を折ることを前提にしているが、この発明は1枚の用紙を折る場合でも適用できる。この場合は、1枚だけで中綴じが不要なので、1枚排紙された時点で中折り処理トレイG側に送り込み、折りプレート74と折りローラとによって折り処理を実行して下トレイに排紙するようにする。
6.カッタユニット
図9はカッタユニットJを示すもので同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)の右側面図である。これらの図において、固定刃420はステー409に固定され、ステー409は側板410、411に固定され、独立したユニットとして成立可能な構成を取っている。側板410,411には各々ブラケット408とモータブラケット412が固定され、それぞれにアイドラプーリ406、カッタモータ404が固定されている。一方、スライダベース413はコロ414が回転自在にステー409を挟み込む形で配置され、スライダベース413は直線的に移動可能となっている。このスライダベース413にはベルト歯形とギヤ歯形を持った2段形のアイドラギヤ405がある。また丸刃401は軸を介してスライダベース413を挟む形で駆動ギヤ402と接続されており、アイドラギヤ405が回転すると丸刃401も回転する構成となる。丸刃401は駆動ギヤ402側から板バネ415で押圧されており、常に適切な押圧力を持ちながら固定刃420に当接している。タイミングベルト407は有端のベルトで両端を図9のように固定されカッタモータ404もプーリとアイドラプーリ406、2個のアイドラギヤ405に掛け渡されている。このように掛け渡すことによってカッタモータ404を図9(a)において時計方向に回転させる、スライドユニット400は丸刃401が反時計方向に回転しながら図9(a)において左方向に移動することとなる。このとき丸刃401と固定刃420の隙間に用紙があれば裁断が可能となる。また、スライドユニット400のホームポジションはカッタHPセンサ416により検出される。なお、カッタユニットJの下部には、カットした切り屑を回収するためのホッパ479が設けられている。
このように構成されたカッタユニットJの動作図11のフローチャートに示す。このカッタユニットJは、用紙束が適正な裁断位置に停止するとカッタモータ404を駆動しスライドユニット400を移動することで裁断を行う。まず、裁断にあたってはスライドユニット位置フラグをチェックし、0であれば(ステップS11−1…YES)、スライドユニット400はHP側にいると判断し、スライドユニット400を矢印方向に移動させ裁断を行う(ステップS11−2)。裁断が完了するとスライドユニット400は最大裁断可能サイズよりも遠い位置であって、さらに、HPより遠い位置で停止する(ステップS11−3)。このときスライドユニット位置フラグを1にセットする(ステップS11−4)。また、スライドユニット位置フラグが1であれば(ステップS11−1…NO)、スライドユニット400を矢印方向と逆の方向に移動し(ステップS11−5)裁断をおこなう。そして、スライドユニット400がHPを検出した時点で停止し、スライドユニット位置フラグを0にセットする(ステップS11−8)。
このように動作することでマシン全体の電源がリセットされるまではジョブの連続非連続に関わらず前の裁断とは逆方向の裁断を繰り返し行うこととなる。
したがって、図12に示すように切り屑が一方向に偏って堆積するという状態を回避することができる。
なお、電源投入時のイニシャル動作は、図10のフローチャートに示すようにカッタHPセンサ416がオンであればそのまま(ステップS10−1)、オフであれば、カッタモータ04を反時計方向にカッタHPセンサ416がオンになるまで回転させ(ステップS10−2,S10−3)、オンになった時点で停止させる。すなわち、スライドユニット位置フラグに関係なくカッタHPセンサ416に復帰させることになる。
これに対し、第2のカッタHPセンサ417を配して、用紙束の両側にスライドユニット400のホームポジションを設定して動作させる例を図13に示す。
図13の例では、図9に示した構成に加えてカッタHPセンサ416とは用紙裁断幅を隔てた反対側に第2のカッタHPセンサ(カッタHP2センサ)417を配置したことを特徴とする。このように構成すると、図14のフローチャートに示すように、用紙束が適正な裁断位置に停止した後、カッタモータ404を駆動しスライドユニット400を移動させることで裁断を行う。まず、裁断にあたってはカッタHPセンサ416及びカッタHP2センサ417をチェックし、スライドユニット400がどの位置にいるかの判定を行う(ステップS14−1,S14−2,S14−3)。その判定結果に基づいてスライドユニット400を判定時に検出されたセンサから検出されなかったセンサに向けて裁断を行う(ステップS14−4,5,6、S14−7,8,9、S14−10,11,12)。また、電源投入時のイニシャル動作は両センサをチェックしどちらかのセンサによりカッタユニットが検出された場合にはその位置から裁断をスタートすることとし、両センサ416,417に検出されなかった場合には、センサ以上と判定して警告を促す(ステップS14−13)とともに、一旦カッタHPセンサ416によりホーミング動作を行うものとする。こうすることでシステムが省エネ等のために電源OFF状態等に陥ったとしてもカッタユニットの位置を検出可能となるめ、請求項1の場合より確実に交互方向にて裁断が行うことが可能となる。
図14のように図9あるいは図13の構成に加えて屑収納箱(ホッパ479)に屑の偏りを検知する手段として屑検知手前センサ482と屑検知奥センサ483を配置することもできる。
このように構成した場合、裁断を行う際に両屑検知センサ482,483をチェックし両センサ482,483とも非検出あるいは検出状態であった場合には前記した裁断方向判定により決定された方向で裁断を行う。しかし、屑検知手前センサ482のみが検知状態となった場合には手側に屑が偏って堆積していると判断し裁断方向を手前から奥(図15の矢印と逆方向)となるように制御を行う。また、その逆に屑検知奥センサ483のみが検知状態となった場合には奥に屑が偏って堆積していると判断し裁断方向を奥から手前(図15の矢印方向)となるように制御を行う。
このように制御すると、ホッパ479中の切り屑の堆積状態を見ながら裁断制御を行い、堆積状態を平均化することができる。
7.退避ガイド板
図16及び図17は退避ガイド板474の退避動作を示す説明図である。退避ガイド板474は図1に示すようにカッタユニットJに対し進退可能に構成され、図11に示すように、退避ガイド板474は前後側板に立てられた各2本の軸に長穴部474aが遊嵌することによって支持されている。また、その軸部474bにリンクアーム476の長穴部476bが遊嵌し、リンクアーム476が支点476aを中心に揺動することによって退避ガイド板474は図16及び図17に示すように左右に往復移動する。リンクアーム476の長穴部476cは退避ガイド板駆動カム475の軸部475bに遊嵌しており、退避ガイド板駆動カム475の回転運動によりンクアーム476は揺動する。退避ガイド板駆動カム475は退避ガイド板駆動モータ477により図16及び図17の矢印方向に回転する。その停止位置は遮蔽部475aを退避ガイド板HPセンサ478により検知することで決定される。
なお、図16は、カッタユニットJのスライダユニット400の通過範囲から完全に退避したホームポジション位置(図1−P1−退避位置)を示す。この位置は固定ガイド板473の外側にスライドして移動した位置で、用紙または用紙束をガイドする際に、用紙または用紙束と干渉しない位置である。退避ガイド板駆動カム475を矢印方向に回転させると退避ガイド板474は矢印方向に移動し、カッタユニットJの固定刃420を越えた位置までに突出する。図17は、退避ガイド板474の先端がカッタユニットJの固定刃420を越えた位置まで進入している状態(図1−P2−進出位置)を示す。退避ガイド板駆動カム475を図17において矢印方向(図示時計方向)に回転させると退避ガイド板474は矢印方向に移動し、カッタユニットJのスライダユニット400の通過範囲から退避する。
また、退避ガイド板駆動カム475の周囲にはストッパ480がありこれが遮蔽部475aの一部に突き当たることで必要以上移動することを防止している。従って退避ガイド板474の進退はモータ477の正逆転で行われる。スライドユニット400を移動させる場合には先ず退避ガイド板474が退避位置(P1)にいることをチェックし、退避位置にいれば移動を開始し、もし退避位置にいないと分かればまず退避ガイド板474をホーミングしてから移動を行う。
8.制御装置
制御装置350は、図18に示すように、CPU360、I/Oインターフェース370等を有するマイクロコンピュータからなり、画像形成装置PR本体のコントロールパネルの各スイッチ等、および入口センサ301、上排紙センサ302、シフト排紙センサ303、プレスタックセンサ304、スティプル排紙センサ305、紙有無センサ310、放出ベルトホームポジションセンサ311、スティプル移動ホームポジションセンサ312、折りプレートホームポジションセンサ325、紙面検知センサ330、その他の各センサからの信号がI/Oインターフェース370を介してCPU360へ入力される。
CPU360は、入力された信号に基づいて、シフトトレイ202用のトレイ昇降モータ168、開閉ガイド板を開閉する排紙ガイド板開閉モータ167、シフトトレイ202を移動するシフトモータ169、叩きコロ12を駆動する図示しない叩きコロモータ、叩きSOL170等の各ソレノイド、各搬送ローラを駆動する搬送モータ、各排紙ローラを駆動する排紙モータ、放出ベルト52を駆動する放出モータ157、端面綴じスティプラS1を移動させるスティプラ移動モータ159、分岐ガイド板54および可動ガイド55を回動する束分岐駆動モータ161、その束を搬送する搬送ローラを駆動する図示しない束搬送モータ、可動後端フェンス73を移動させる図示しない後端フェンス移動モータ、折りプレート74を移動させる折りプレート駆動モータ166、折りローラ81を駆動する図示しない折りローラ駆動モータ等のモータやソレノイドの駆動を制御する。スティプル排紙ローラを駆動する図示しないスティプル搬送モータのパルス信号はCPU360に入力されてカウントされ、このカウントに応じて叩きSOL170およびジョガーモータ158が制御される。また、パンチユニット100もクラッチやモータを制御することによりCPU360の指示によって穴明けを実行する。また、退避ガイド板474を駆動するモータ477、丸刃401を駆動するカッタモータ404の制御も前記CPUによって行われる。
なお、用紙後処理装置PDの制御は前記CPU360が図示しないROMに書き込まれたプログラムを、図示しないRAMをワークエリアとして使用しながら実行することにより行われる。
9.動作
以下、前記CPU360によって実行される本実施形態に係る用紙後処理装置の動作について説明する。
本実施形態では、後処理モードに応じて下記の排出形態をとる。
▲1▼ ノンスティプルモードA:
このモードは、搬送路Aから搬送路Bを通り、上トレイ201へ用紙を綴じないで排出するモードである。このモードでは、分岐爪15が図1において時計方向に回動し、搬送路B側が開放された状態になる。このときの処理手順を図19のフローチャートに示す。
このモードでは、動作がスタートし、用紙が画像形成装置PR側から搬入される状態になると、用紙後処理装置PDの搬送路Aの入口ローラ1および搬送ローラ2、搬送路Bの搬送ローラ3および上排紙ローラ4がそれぞれ回転を開始する(ステップS101)。そして、入口センサ301のオン、オフ(ステップS102,S103)と上排紙センサ302のオン、オフ(ステップS104,S105)をチェックして、用紙の通過を確認し、最終紙が通過し(ステップS107)、所定時間経過すると、前記各ローラ、すなわち、入口ローラ1、搬送ローラ2、搬送ローラ3および上排紙ローラ4の回転を停止させる。これにより、画像形成装置から搬入されてきた用紙を全て上トレイ201に綴じることなく排紙し、積載する。なお、この実施形態では、パンチユニット100が入口ローラ1と搬送ローラ2間に設けられているので、この間にパンチユニット100によって穴明けすることもできる。
▲2▼ ノンスティプルモードB:
このモードは、用紙を綴じることなく搬送路Aから搬送路Cを経て、シフトトレイ202へ排出するモードである。このモードでは、分岐爪15が反時計方向、分岐爪16が時計方向にそれぞれ回動し、搬送路Cが開放された状態になる。このときの処理手順を図20のフローチャートに示す。
このモードでは、動作がスタートし、用紙が画像形成装置PR側から搬入される状態になると、用紙後処理装置PDの搬送路Aの入口ローラ1および搬送ローラ2、搬送路Cの搬送ローラ5およびシフト排紙ローラ6がそれぞれ回転を開始する(ステップS201)。そして、分岐爪15および16を駆動するソレノイドをオンにして(ステップS202)分岐爪15を反時計方向、分岐爪16を時計方向にそれぞれ回動させる。次いで、入口センサ301のオン、オフ(ステップS203,S204)とシフト排紙センサ303のオン、オフ(ステップS205,S206)をチェックして、搬入されてきた用紙の通過を確認する。
そして、最終紙が通過し(ステップS207)、所定時間経過すると、前記各ローラ、すなわち、入口ローラ1、搬送ローラ2、搬送ローラ5およびシフト排紙ローラ6の回転を停止させ(ステップS208)、分岐爪15,16を駆動するソレノイドをオフにする(ステップS209)。これにより、画像形成装置PRから搬入されてきた用紙を全てシフトトレイ202に綴じることなく排紙し、積載する。なお、この実施形態では、パンチユニット100が入口ローラ1と搬送ローラ2間に設けられているので、この間にパンチユニット100によって穴明けすることもできる。
▲3▼ ソート、スタックモード:
このモードは、用紙を搬送路Aから搬送路Cを経てシフトトレイ202へ排出するモードであるが、その際、シフトトレイ202を部の区切れ毎に排紙方向と直交方向に揺動させ、シフトトレイ202上に排出される用紙を仕分けるモードである。このモードでは、ノンスティプルモードBと同様に、分岐爪15が反時計方向、分岐爪16が時計方向にそれぞれ回動し、搬送路Cが開放された状態になる。このときの処理手順を図21のフローチャートに示す。
このモードでは、動作がスタートし、用紙が画像形成装置PR側から搬入される状態になると、用紙後処理装置PDの搬送路Aの入口ローラ1および搬送ローラ2、搬送路Cの搬送ローラ5およびシフト排紙ローラ6がそれぞれ回転を開始する(ステップS301)。そして、分岐爪15および16を駆動するソレノイドをオンにして(ステップS302)分岐爪15を反時計方向、分岐爪16を時計方向にそれぞれ回動させる。そして、入口センサ301のオン、オフ(ステップS303,S304)とシフト排紙センサ303のオン(ステップS305)をチェックする。
このチェックにより、シフト排紙センサ303を通過した用紙が部の先頭の用紙であれば(ステップS306−Y)、シフトモータ169をオンし(ステップS307)、シフトセンサ336がシフトトレイ202を検出するまでシフトトレイ202を用紙搬送方向と直交する方向に移動させる(ステップS309)。そして、用紙をシフトトレイ202に排紙し、シフト排紙センサ303がオフになり、用紙がシフト排紙センサ303の通過が確認されると(ステップS310)、その用紙が最終紙かどうかをチェックする(ステップS311)。最終紙でなければ、この場合、先頭の用紙なので、部が1枚でなければ、ステップS303に戻って以降の処理を繰り返し、部が1枚で構成されていれば、ステップS312の処理を実行する。 一方、ステップS306でシフト排紙センサ303を通過した用紙が部の先頭紙でなければ、すでにシフトトレイ202は移動しているので、そのまま排紙し(ステップS310)、その排紙した用紙が最終紙かどうかをチェックする(ステップS311)。最終紙でなければ、次の用紙に対してステップS303からの処理を繰り返し、最終紙であれば(ステップS311−Y)、最終紙が通過して所定時間経過した時点で、前記各ローラ、すなわち、入口ローラ1、搬送ローラ2、搬送ローラ5およびシフト排紙ローラ6の回転を停止させ(ステップS312)、分岐爪15,16を駆動するソレノイドをオフにする(ステップS313)。これにより、画像形成装置から搬入されてきた用紙を全てシフトトレイ202に綴じることなく排紙し、仕分けして積載する。なお、この場合もパンチユニット100によって穴明けした用紙のソートやスタックが可能である。
▲4▼ スティプルモード:
このモードは、用紙を搬送路Aと搬送路Dを経てスティプル処理トレイFに搬送し、スティプル処理トレイFで整合および綴じ処理を行った後、搬送路Cを通ってシフトトレイ202へ排出するモードである。このモードでは、分岐爪15と分岐爪16はともに反時計方向に回動し、搬送路AからDに至る経路が開放された状態になる。このときの処理手順を図22に示す。
このモードでは、動作がスタートし、用紙が画像形成装置側PRから搬入される状態になると、用紙後処理装置PDの搬送路Aの入口ローラ1および搬送ローラ2、搬送路Dの搬送ローラ7,9,10およびスティプル排紙ローラ11、スティプル処理トレイFの叩きコロ12がそれぞれ回転を開始する(ステップS401)。そして、分岐爪15を駆動するソレノイドをオンにして(ステップS402)分岐爪15を反時計方向に回動させる。
次いで、端面綴じスティプラS1をスティプラ移動HPセンサ312で検知し、ホームポジションを確認した後、スティプラ移動モータ159を駆動して端面綴じスティプラS1を綴じ位置に移動させる(ステップS403)。また、放出ベルト52のホームポジションも放出ベルトHPセンサ311で検知し、その位置を確認した後、放出モータ157を駆動して待機位置に放出ベルト52を移動させる(ステップS404)。また、ジョガーフェンス53もジョガーフェンスHPセンサでホームポジション位置を検出した後、待機位置に移動させる(ステップS405)。さらに、分岐ガイド板54と可動ガイド55をホームポジションに移動させる(ステップS406)。
そして、入口センサ301のオン、オフ(ステップS407,S408)、スティプル排紙センサ305がオン(ステップS409)、シフト排紙センサ303がオフ(ステップS410)であれば、スティプル処理トレイFに用紙が排紙され、用紙が存在しているので、叩きソレノイド170を所定時間オンにし、叩きソレノイド12を用紙に接触させ、後端フェンス51側に付勢して、用紙後端を揃える(ステップS411)。次いで、ジョガーモータ158を駆動することによってジョガーフェンス53を所定量内側に移動させて用紙の幅方向(用紙搬送方向に直交する方向)の揃え動作を行った後、待機位置に戻す(ステップS412)。これによりスティプル処理トレイFに送り込まれた用紙の縦横(搬送方向に平行な方向と直交する方向)が揃えられる。これらステップS407からステップS413までの動作を1枚毎に繰り返し、部の最終紙になると(ステップS413−Y)、ジョガーフェンス53を所定量内側に移動させて用紙端面がずれない状態にし(ステップS414)、この状態で端面綴じスティプラS1をオンにして端面綴じを実行する(ステップS415)。
一方、シフトトレイ202を所定量下降させて(ステップS416)排紙スペースを確保し、シフト排紙モータを駆動してシフト排紙ローラ6の回転を開始させ(ステップS417)、さらに放出モータ157をオンにして放出ベルト52を所定量回転させ(ステップS418)、綴じられた用紙束を搬送路C方向に押し上げる。これにより、用紙束はシフト排紙ローラ6のニップに挟まれてシフトトレイ202への排紙動作が行われる。そして、シフト排紙センサ303がオンになり(ステップS419)、用紙束がセンサ303位置に進入し、シフト排紙センサ303がオフになって用紙束がセンサ303位置を抜けたことが確認されると(ステップS420)、用紙束はシフト排紙ローラ6によってシフトトレイへの排紙が完了する状態になっているので、放出ベルト52およびジョガーフェンス53を待機位置に移動させ(ステップS421,S422)、シフト排紙ローラ6の回転を所定時間経過後停止させ(ステップS423)、シフトトレイ202を用紙受け入れ位置に上昇させる(ステップS424)。この上昇位置は、紙面検知センサ330によってシフトトレイ202上に積載された用紙束の最上位の用紙の上面を検知することにより制御される。これらの一連を動作をジョブの最終部まで繰り返す(ステップS425)。
そして、最終部になると、端面綴じスティプラS1、放出ベルト52、ジョガーフェンス53をそれぞれホームポジションに移動させ(ステップS426,S427,S428)、入口ローラ1、搬送ローラ2,7,9,10、スティプル排紙ローラ11および叩きコロ12の回転を停止させ(ステップS429)、分岐爪15の分岐ソレノイドをオフにして(ステップS430)全て初期状態に戻して処理を終える。
このようにして、画像形成装置から搬入されてきた用紙をスティプル処理トレイFで綴じ処理を行ってシフトトレイ202に排紙して積載する。なお、この場合もパンチユニット100によって穴明けした用紙の綴じ処理が可能である。
このスティプルモード時のスティプル処理トレイFの動作をさらに詳細に説明する。
スティプルモードが選択されると、ジョガーフェンス53はホームポジションより移動し、スティプル処理トレイFに排出される用紙幅より片側7mm離れた待機位置で待機する(ステップS405)。用紙がスティプル排紙ローラ11によって搬送され、用紙後端がスティプル排紙センサ305を通過すると(ステップS409)、ジョガーフェンス53が待機位置から5mm内側に移動して停止する。
また、スティプル排紙センサ305は用紙後端通過時点にそれを検知し、その信号がCPU360に入力される。CPU360ではこの信号の受信時点からスティプル排紙ローラ11を駆動する図示しないスティプル搬送モータからの発信パルス数をカウントし、所定パルス発信後に叩きSOL170をオンさせる(ステップS412)。叩きコロ12は、叩きSOL170のオン・オフにより振り子運動をし、オン時には用紙を叩いて下方向に戻し、後端フェンス51に突き当てて紙揃えを行う。このとき、スティプル処理トレイFに収容される用紙が入口センサ301あるいはスティプル排紙センサ305を通過するたびにその信号がPU360に入力され、用紙枚数がカウントされる。
叩きSOL170がオフされて所定時間経過後、ジョガーフェンス53は、ジョガーモータ158によってさらに2.6mm内側に移動して一旦停止し、横揃えが終了する。ジョガーフェンス53はその後7.6mm外側に移動して待機位置に戻り、次の用紙を待つ(ステップS412)。この動作を最終頁まで行う(ステップS413)。その後、再び7mm内側に移動して停止し(ステップS414)、用紙束の両側端を押えてスティプル動作に備える。その後、所定時間後に図示しないスティプルモータにより端面綴じスティプラS1が作動し、綴じ処理が行われる(ステップS415)。このとき2ヶ所以上の綴じが指定されていれば、1ヶ所の綴じ処理が終了した後、スティプル移動モータ159が駆動され、端面綴じスティプラS1が用紙後端に沿って適正位置まで移動され、2ヶ所目の綴じ処理が行なわれる。また、3ヶ所目以降が指定されている場合は、これを繰返す。
綴じ処理が終了すると、放出モータ157が駆動され、放出ベルト52が駆動される(ステップS418)。このとき、排紙モータも駆動され、放出爪52aにより持ち上げられた用紙束を受け入れるべくシフト排紙ローラ6が回転し始める(ステップS417)。このとき、ジョガーフェンス53は用紙サイズおよび綴じ枚数に基づいて異なる制御が行われる。例えば、綴じ枚数が設定枚数より少ない、あるいは設定サイズより小さい場合には、ジョガーフェンス53により用紙束を押えながら放出爪52aにより用紙束後端を引っかけて搬送する。
そして、紙有無センサ310あるいは放出ベルトHPセンサ311による検知より所定パルス後にジョガーフェンス53を2mm退避させジョガーフェンス53による用紙への拘束を解除する。この所定パルスは、放出爪52aが用紙後端と接触してからジョガーフェンス53の先端を抜ける間で設定されている。
また、綴じ枚数が設定枚数より多い、あるいは設定サイズより大きい場合には、予めジョガーフェンス53を2mm退避させ、放出を行う。いずれの場合も用紙束がジョガーフェンス53を抜けきると、ジョガーフェンス53は、さらに5mm外側に移動して待機位置に復帰し(ステップS422)、次の用紙に備える。なお、用紙に対するジョガーフェンス53の距離により拘束力を調整することも可能である。
▲5▼ 中綴じ製本モード(小口断裁なし):
このモードは、用紙を搬送路Aと搬送路Dを経てスティプル処理トレイFに搬送し、スティプル処理トレイFで整合および中央綴じを行った後、さらに中折り処理トレイGで中折りし、中折りされた用紙束を搬送路Hを経て下トレイ203へ排出するモードである。このモードでは、分岐爪15と分岐爪16はともに反時計方向に回動し、搬送路AからDに至る経路が開放された状態になる。また、分岐ガイド板54と可動ガイド板55が図7に示すような閉鎖状態となって用紙束を中折り処理トレイGに導き、中折りが行われる。このときの処理手順を図23に示す。
このモードでは、動作がスタートし、用紙が画像形成装置PR側から搬入される状態になると、用紙後処理装置PDの搬送路Aの入口ローラ1および搬送ローラ2、搬送路Dの搬送ローラ7,9,10およびスティプル排紙ローラ11、スティプル処理トレイFの叩きコロ12がそれぞれ回転を開始する(ステップS501)。そして、分岐爪15を駆動するソレノイドをオンにして(ステップS502)分岐爪15を反時計方向に回動させる。
次いで、放出ベルト52のホームポジションも放出ベルトHPセンサ311で検知し、その位置を確認した後、放出モータ157を駆動して放出ベルト52を待機位置に、また、ジョガーフェンス53もジョガーフェンスHPセンサでホームポジション位置を検出した後、待機位置に、さらに、分岐ガイド板54と可動ガイド55をホームポジションにそれぞれ移動させる(ステップS503,S504,S505)。
そして、入口センサ301のオン、オフ(ステップS506,S507)、スティプル排紙センサ305がオン(ステップS508)、シフト排紙センサ303がオフ(ステップS509)であれば、スティプル処理トレイFに用紙が排紙され、用紙が存在しているので、叩きソレノイド170を所定時間オンにし、叩きソレノイド12を用紙に接触させ、後端フェンス51側に付勢して、用紙後端を揃える(ステップS510)。次いで、ジョガーモータ158を駆動することによってジョガーフェンス53を所定量内側に移動させて用紙の幅方向(用紙搬送方向に直交する方向)の揃え動作を行った後、待機位置に戻す(ステップS511)。これによりスティプル処理トレイFに送り込まれた用紙の縦横(搬送方向に平行な方向と直交する方向)が揃えられる。
これらステップS506からステップS512までの動作を1枚毎に繰り返し、部の最終紙になると(ステップS512−Y)、ジョガーフェンス53を所定量内側に移動させて用紙端面がずれない状態にし(ステップS513)、この状態で放出モータ157をオンにすることにより放出ベルト52を所定量回転させ(ステップS514)、中綴じスティプラS2の綴じ位置まで用紙束を上昇させる。そして、用紙束の中央部で中綴じスティプラS2をオンし、中綴じを行う(ステップS515)。次いで、分岐ガイド板54と可動ガイド55を所定量を変位させて中折り処理トレイGに向かう経路を形成し(ステップS516)、中折り処理トレイGの束搬送ローラ上、下71,72の回転を開始させ(ステップS517)、中折り処理トレイGに設けられている可動後端フェンス73のホームポジションを検知した後、当該可動後端フェンス73を待機位置に移動させる(ステップS518)。
このようにして、中折り処理トレイGの用紙束受け入れ体制が整えられると、放出ベルト52の回転を開始させ(ステップS519)、放出ローラ56と加圧ローラ57に銜え込ませ、中折り処理トレイG側に用紙束を搬送する。放出ベルト52が所定量移動し、分岐ガイド板54を所定量変位させて用紙先端が束到達センサ321位置に達し(ステップS520)、所定距離搬送したら、束搬送ローラ上、下71,72の回転を停止させ(ステップS521)、束搬送ローラ下72の加圧状態を解除させる(ステップS522)。次いで、折りプレート74による折り動作を開始し(ステップS523)、折りローラ81,82および下排紙ローラ83の回転を開始させる(ステップS524)。そして、折り部通過センサ323によって中折りされた用紙束の通過を監視し(ステップS525,S526)、折り部通過センサ323位置を用紙束の後端が通過すると(ステップS526−Y)、束搬送ローラ下72を加圧し(ステップS527)、折りプレート74、分岐ガイド板54および可動ガイド板55をホームポジションに移動させる(ステップS528,S529)。
この状態で用紙束の通過を下排紙センサ324によって監視し(ステップS530,531)、下排紙センサ324を用紙束後端が通過すると(ステップS531−Y)、折りローラ81,82、下排紙ローラ83をさらに所定時間回転させた後、停止させる(ステップS532)。次いで、放出ベルト52とジョガーフェンス53を待機位置に移動させる(ステップS533,S534)。そして、ジョブの最終部かどうかをチェックし(ステップS535)、ジョブの最終部でなければステップS506に戻って以降の処理を繰り返し、最終部であれば、放出ベルト52およびジョガーフェンス53をホームポジションに移動させ(ステップS536,S537)、入口ローラ1,搬送ローラ2,7,9,10、スティプル排紙ローラ11および叩きコロ12の回転を停止し(ステップS538)、分岐爪15の分岐ソレノイドをオフにして(ステップS539)すべて初期状態に戻して処理を終える。
このようにして画像形成装置から搬入されてきた用紙をスティプル処理トレイFで中綴じし、中折り処理トレイGで中折りした後、下トレイ203上に中折りされた用紙束を排紙して積載する。
10.中折りモード時の綴じ動作と折り動作の詳細
この中折りモード時の綴じ動作と折り動作についてさらに詳細に説明する。
搬送路Aから分岐爪15と分岐爪16で振り分けられた用紙は、搬送路Dに導かれ、搬送ローラ7,9,10およびスティプル排紙ローラ11によりスティプル処理トレイFに排出される。スティプル処理トレイFでは、▲4▼のスティプルモード時と同様に排紙ローラ11により順次排出される用紙を整合し、スティプルする直前までは同様の動作をする。その後、用紙束は放出爪52aにより用紙サイズ毎に設定された距離だけ搬送方向下流へ運ばれ、その中央を中綴じスティプラS2により綴じ処理される(図24)。
次に可動ガイド55を回転させ下方搬送路へ偏向する位置にセットするとともに分岐ガイド板54を所定量閉めて放出ローラ56と加圧コロ57が微少距離離間した位置にセットする。この微少距離は枚数に応じて段階的に変化するとともにその用紙束の厚みより小さい値となるように設定されている。例えば、綴じ枚数が2枚から5枚の時は隙間無し、5枚から10枚は0.5mm、10枚以上は1mmといったようになるような駆動モータパルスP1・P2・P3が設定されている。このように枚数に応じて段階的に変化させることが可能となる。
この後、綴じられた用紙束は放出爪52aにより下流へ移送を開始し、その時用紙束先端が所定距離加圧ローラ対57と放出ローラ55のニップを通過した時点で更に分岐ガイド板54を閉めて、放出ローラ56と加圧コロ57が加圧状態とする。このタイミングは用紙サイズ毎に設定された放出モータ157の駆動パルスにより管理される。それによりどのサイズであっても通過距離が等しくなるよう設定される。
例えば、放出爪52aが設けられた放出ベルト52のHPセンサ311〜ローラ対(56,57)まで移動距離をL1、前記所定通過距離を5mmとし放出爪52aのHPセンサ311〜スタック中の用紙後端までの距離をLhとした場合、その動作タイミングは放出爪52aがHPセンサ311から移動した距離Lnで決まりその換算パルスで制御される。Lnは用紙長さLpとすると、
Ln=L1−Lh−Lp+5mm
で与えられる。このパルスをサイズごとに設定し、サイズチェックとサイズに応じたパルス設定を行うようにして制御することにより、サイズに関わらず同じタイミングで加圧できることとなる。
ここでは放出ベルト52のHPセンサ311からのパルス制御を実施例としたが、ローラ対(56,57)近傍に検知手段を設け用紙束の先端検知にて制御しても良い。この場合、本体からのサイズ情報によらずコントロールが可能となる。
その後、用紙束先端部は放出ローラ56と加圧コロ57により挟持され、分岐ガイド板54と可動ガイド55とが回動することによって前述のように形成された前記中折り処理処理トレイGへ導かれる経路を通過するべく、再度放出爪52aと放出ローラ56により下流へ搬送される。この放出ローラ56は放出ベルト52の駆動軸に設けられており放出ベルト52と同期して駆動される。
この放出ローラ56は前述のように放出ベルト52の駆動軸(放出軸)65に設けられ、放出ベルト52と同期して駆動される。そして、図25に示すように、その用紙束は束搬送ローラ上71と束搬送ローラ下72により、予めその用紙サイズに応じた位置にホームポジションから移動し、下側の端面をガイドするために停止している可動後端フェンス73まで搬送される。このとき、放出爪52aは、放出ベルト52の外周上に対向する位置に配置されたもう1つの放出爪52a’が後端フェンス51近傍に達した位置で停止し、分岐ガイド板54と可動ガイド55はホームポジションへ復帰し、次の用紙に備える。
可動後端フェンス73に突き当てられた用紙束は、束搬送ローラ下72の加圧が解除され、その後、図26に示すように、綴じられた針部近傍が折りプレート74により略直角方向に押され、対向する折りローラ81のニップへと導かれる。予め回転している折りローラ81は、ニップに導かれた用紙束を加圧搬送することによって用紙束の中央に折りを施す。
そして、折りを施された用紙束は搬送路Hに設けられた第2の折りローラ82により折りぐせを強化され、下排紙ローラ83により下トレイ203へ排出される。このとき、用紙束後端が折り部通過センサ323に検知されると、折りプレート74と可動後端フェンス73はホームポジションに復帰し、束搬送ローラ下72の加圧は復帰され、次の用紙に備える。また、次のジョブが同用紙サイズ同枚数であれば、可動後端フェンス73はその位置で待機しても良い。
もしこの時、小口断裁が選択されていた場合、折り通過部センサ323が用紙束後端を検出してから所定距離搬送後、一旦停止する。用紙束は排紙ローラ83により挟持され固定された状態となる。そして、先ず退避ガイド板474を退避位置に移動し、移動が完了すると、スライドユニット400が移動し小口裁断がされる。この後、用紙束は搬送ローラ83により下トレイ203に排紙される。用紙搬送後、スライドユット400はホームポジションに復帰し、所定時間後或いは次ジョブの進入タイミングに合わせて退避ガイド板474が用紙搬送位置にセットされる。
この小口断裁が行われるときの処理手順を図27のフローチャートに示す。このフローチャートでは、小口断裁を行わない場合の処理手順を示す図23のフローチャートのステップS522の後段でステップS522aの処理を実行し、ステップS526の後段でステップS526a〜526dの処理を実行し、ステップS529の後段でステップS529aを実行し、ステップS531の後段のステップS532に代えてステップS532aを実行する。
ステップS522aでは、前段で束搬送ローラ下72の圧を解除した後、図1に示した退避ガイド板474を搬送位置へ移動させ(図1の実線の状態)、折りプレート74の折り動作を行わせる。ステップS526aでは、折り部通過センサ323から用紙束の後端が所定距離通過したかどうかを判断し、所定距離通過した時点で、折りローラ81,82、下排紙ローラ83を停止し(ステップS52b)、ステップS526cで退避ガイド板474をカッタユニットJのスライダユニット400の通過範囲から完全に退避したホームポジション位置(図1の鎖線の位置−符号P1で示す)に移動させる。次いで、ステップS526dでスライドユニット400を所定距離移動させ、用紙束の折り側を下排紙ローラ83で挟持した状態で、用紙束の搬送方向後端部をカットする。また、ステップS529aでは、分岐ガイド板54、可動ガイド板55をホームポジションに移動させて次の用紙束の受け入れができるような状態にした後、下搬送ローラ83を回転させて用紙束を下トレイ203に排紙する。そして、ステップS531で下排紙センサ324がオフになると、ステップS532aで用紙束の排紙が完了したと見なされる所定の時間が経過した時点で下排紙ローラ83の回転を停止する。その他、ステップS501からステップS539の各処理は前述の図19の処理と同一なので、重複する説明は省略する。