JP2004082655A - 記録装置 - Google Patents

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Kazuhisa Kawakami
川上 和久
Takuya Yasue
安江 拓也
Toru Fukushima
福島 透
Yoji Sasai
笹井 洋司
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Abstract

【課題】用紙搬送精度の低下を招くことなく、用紙先端の頭出しを効率的に実行することにより、より一層の高スループット化を図る。
【解決手段】用紙Pの先端頭出し位置は、給紙装置における給紙ローラの1回転動作が終了した時点における用紙P先端位置に設定される。このときの用紙P先端位置は排紙ローラ29のやや下流側に位置している。用紙Pの先端頭出し位置において、上端マージンが比較的大きく、印刷開始位置(位置▲2▼)が記録ヘッド25におけるインク吐出開始ノズル位置(位置▲3▼)よりも上流側に位置している場合には、そのまま搬送ローラ17を正転駆動することによって印刷を開始することができ、搬送ローラ17を逆転駆動して紙戻し動作を行う必要がなく、高スループット化を図ることが可能となる。
【選択図】    図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材に記録を行う記録装置に関する。特に、被記録材を給送する給紙ローラを備えた給紙装置と、該給紙装置の下流側に設けられ、給送された被記録材をニップして下流側へと搬送する搬送ローラと、該搬送ローラの下流側に設けられ、被記録材に記録を行う記録ヘッドと、前記給紙装置および前記搬送ローラの共通の駆動源となる紙送りモータとを有する記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録装置の1つとしてプリンタがあり、プリンタには、被記録材としての印刷用紙を下流側へと1枚ずつ給送する給紙装置を備えるものがある。更に、この様な給紙装置には、回動駆動される給紙ローラと、印刷用紙の幅方向に長い板状体によって構成され、印刷用紙の給送経路を側面視して傾斜姿勢に設けられ且つ上部に回動支点を備え、回動することにより前記給紙ローラに対して離間動作及び圧接動作を行うホッパとを備え、該ホッパによって堆積保持された印刷用紙を押し上げることによって最上位のものから1枚ずつ給送するものがある。
【0003】
より詳しくは、ホッパは付勢手段によって付勢されることによって給紙ローラに圧接する方向に回動し、これによって堆積された印刷用紙が給紙ローラに圧接する様に構成されている。また、給紙装置は前記ホッパ付勢手段に抗してホッパを給紙ローラから離間させる様に押し下げるホッパレリース手段を備え、該ホッパレリース手段によって給紙ローラから離間する方向に回動し且つ保持される様に構成されている。
【0004】
このホッパレリース手段は、給紙ローラの回動軸に設けられたカムと、ホッパに設けられたカムフォロアとを備え、給紙ローラの回動に従って前記カムが前記カムフォロアを押し下げることにより、ホッパを給紙ローラから離間させる様になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年プリンタには高スループット化の要請が著しく、従ってより効率的な印刷制御の実行が、これまで以上により一層望まれる。ここで、印刷制御における用紙先端の頭出し方法に着目すると、従来は、給紙ローラによって印刷用紙を給紙し、用紙先端が搬送ローラにニップされた後に該用紙先端を一旦記録ヘッドよりも下流側の位置まで送る。そして、再び搬送ローラを逆転させて、用紙先端を記録ヘッドの上流側に戻すといった方法を採っていた。従って、高スループット化の弊害となっていた。
【0006】
一方、プリンタにおいては低コスト化の観点から、用紙を記録ヘッドへ搬送する搬送ローラの駆動源と、前記給紙ローラの駆動源とは共通化されるのが一般的である。しかし、この様な構成であると、給紙ローラによって印刷用紙を給紙し、用紙先端が搬送ローラにニップされた後記録ヘッド下に到達した時点においては、未だ給紙装置における給紙制御が終了しておらず、前記駆動源には給紙装置側から負荷が与えられる状態となっている。従ってこの様な状態で搬送ローラによる印刷用紙の精密送りを開始すると、負荷変動によって用紙搬送精度が低下するといった問題が生じることになる。
【0007】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その課題は、用紙搬送精度の低下を招くことなく、用紙先端の頭出しを効率的に実行することにより、より一層の高スループット化を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の実施の態様は、被記録材を給送する給紙ローラを備えた給紙装置と、該給紙装置の下流側に設けられ、給送された被記録材をニップして下流側へと搬送する搬送ローラと、該搬送ローラの下流側に設けられ、被記録材に記録を行う記録ヘッドと、前記給紙装置および前記搬送ローラの共通の駆動源となる紙送りモータと、を有する記録装置であって、前記搬送ローラから下流側に設定される被記録材先端頭出し位置が、前記給紙ローラの回動に従って被記録材先端が前記搬送ローラのニップ点に到達した後、前記給紙装置が前記紙送りモータに負荷を与える負荷区間が終了した時点における被記録材先端位置より下流側に設定されていることを特徴とする。
【0009】
上記第1の実施の態様によれば、搬送ローラから下流側に設定される被記録材先端頭出し位置が、給紙ローラの回動に従って被記録材先端が搬送ローラのニップ点に到達した後、給紙装置が紙送りモータに負荷を与える負荷区間が終了した時点における被記録材先端位置または該被記録材先端位置より下流側に設定されているので、これにより、搬送ローラと給紙装置とを共通の駆動源とする様な場合において、搬送ローラによる被記録材の精密送り時には、給紙装置から紙送りモータへ負荷が与えられることが無く、従って被記録材の送り精度を低下させることが無い。
【0010】
また、被記録材先端頭出し位置は、紙送りモータに負荷を与える負荷区間が終了した時点における被記録材先端位置より下流側に設定されていることから、上端マージン(余白)が大きい場合の様に、当該被記録材先端頭出し位置において記録開始位置が記録ヘッドの上流側にあれば、搬送ローラを逆転駆動することによって被記録材を上流側に戻すことなく記録動作を開始することが可能となるので、無駄な紙戻し動作を廃止して、更なる高スループット化を図ることができる。
【0011】
本発明の第2の実施の態様は、被記録材と接触し且つ回動することによって被記録材を給送する給紙ローラと、複数枚の被記録材を積層状態で支持し、且つ、給紙時には支持した被記録材を前記給紙ローラに圧接させるホッパと、該ホッパを前記給紙ローラに向けて付勢する付勢手段と、前記給紙ローラの回動軸に設けられるカムおよび前記ホッパに設けられるカムフォロアとを備え、前記カムが前記カムフォロアを押し下げることによって前記ホッパを前記給紙ローラから離間させるホッパレリース手段と、前記給紙ローラの下流側に設けられ、給送された被記録材をニップして下流側へと搬送する搬送ローラと、該搬送ローラの下流側に設けられ、被記録材に記録を行う記録ヘッドと、前記給紙ローラおよび搬送ローラの共通の駆動源となる紙送りモータと、を有する記録装置であって、前記搬送ローラから下流側に設定される被記録材先端頭出し位置が、前記給紙ローラの回動に従って被記録材先端が前記搬送ローラのニップ点に到達した後、前記ホッパレリース手段による前記ホッパの押し下げ動作が終了した時点における被記録材先端位置または該被記録材先端位置より下流側に設定されていることを特徴とする。
【0012】
上記第2の実施の態様によれば、被記録材先端頭出し位置が、給紙ローラの回動に従って被記録材先端が搬送ローラのニップ点に到達した後、ホッパを給紙ローラから離間させるホッパレリース手段による、ホッパの押し下げ動作が終了した時点における被記録材先端位置より下流側に設定されているので、上述した第1の実施の態様と同様に、搬送ローラと給紙ローラ(即ちホッパレリース手段)とを共通の駆動源とする様な場合において、搬送ローラによる被記録材の精密送り時には、給紙装置から紙送りモータへ負荷が与えられることが無く、従って被記録材の送り精度を低下させることが無い。また、被記録材先端頭出し位置は、紙送りモータに負荷を与えるホッパ押し下げ動作が終了した時点における被記録材先端位置より下流側に設定されていることから、上端マージンが大きい場合の様に、当該被記録材先端頭出し位置において記録開始位置が記録ヘッドの上流側にあれば、搬送ローラを逆転駆動することによって被記録材を上流側に戻すことなく記録動作を開始することが可能となるので、無駄な紙戻し動作を廃止して、更なる高スループット化を図ることができる。
【0013】
本発明の第3の実施の態様は、上記第1のまたは第2の態様において、被記録材先端が前記被記録材先端頭出し位置に頭出しされた状態において、記録開始位置が前記記録ヘッドより上流側にある場合には、そのまま前記搬送ローラを正転させることによって前記記録開始位置を前記記録ヘッドと対向する位置に到達するまで搬送動作を行うことを特徴とする。
上記第3の実施の態様によれば、被記録材先端が前記被記録材先端頭出し位置に頭出しされた状態において、記録開始位置が前記記録ヘッドより上流側にある場合には、そのまま前記搬送ローラを正転させることによって前記記録開始位置を前記記録ヘッドと対向する位置に到達するまで搬送動作を行うので、無駄な紙戻し動作を廃止して、更なる高スループット化を図ることができる。
【0014】
本発明の第4の実施の態様は、上記第3の態様において、被記録材先端が前記被記録材先端頭出し位置に頭出しされた状態において、前記記録開始位置が前記記録ヘッドより下流側にある場合には、前記搬送ローラを逆転させることにより、被記録材先端位置を一様に前記記録ヘッドから上流側の所定の位置に戻すことを特徴とする。
上記第4の実施の態様によれば、前記記録開始位置が前記記録ヘッドより下流側にある場合には、前記搬送ローラを逆転させることにより、被記録材先端位置を一様に前記記録ヘッドから上流側の所定の位置に戻すので、この様に上端マージン量に関わらず被記録材を一様な位置まで戻すといった制御を行うことにより、記録制御の単純化を図ることができる。
【0015】
本発明の第5の実施の態様は、上記第3の態様において、被記録材先端が前記被記録材先端頭出し位置に頭出しされた状態において、前記記録開始位置が前記記録ヘッドより下流側にある場合には、前記搬送ローラを逆転させることにより、前記記録開始位置が前記記録ヘッドと対向する位置まで被記録材を戻すことを特徴とする。
上記第5の実施の態様によれば、前記記録開始位置が前記記録ヘッドより下流側にある場合には、前記搬送ローラを逆転させることにより、前記記録開始位置が前記記録ヘッドと対向する位置まで被記録材を戻すので、この様に上端マージン量に応じた位置まで被記録材を戻すことにより、後に再び搬送ローラを正転させて記録開始位置まで被記録材を送る必要が無く、高スループット化を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
以下では先ず、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)100の全体構成について図1乃至図4を参照しつつ説明する。ここで、図1はプリンタ100の装置本体(外観を構成するカバー部材を取り外した状態)の外観斜視図であり、図2は同側断面概略図、図3はプリンタ100の制御部を構成する制御部150のブロック図、図4は給紙ローラ3およびホッパ5を斜め下から見た斜視図、図5は給紙装置1の各構成要素の動作の関連を示すタイミングチャートである。
尚、以下では、図1の右側(プリンタ100の後方側)を「上流側」(用紙搬送経路の上流側)と言い、図1の左側(プリンタ100の前方側)を「下流側」(用紙搬送経路の下流側)と言うこととする。
【0017】
プリンタ100は、図1に示す様に装置本体の基体を構成する、平面視略コの字形の形状をなすメインフレーム12の後方側に給紙装置1を備え、該給紙装置1から印刷用紙を下流側へ1枚ずつ給送する。ここで、図2に示す様に給紙装置1は、給紙ローラ3と、分離パッド4aと、紙戻しレバー9と、ホッパ5とを備えている。
【0018】
給紙装置1は、右側面側(プリンタ100の1桁側:図1の右側)に、紙送りモータ167(図3参照)から給紙ローラ軸2への動力伝達のオンおよびオフの切り替え動作を行うクラッチ装置(図示せず)を有している。このクラッチ装置は、紙送りモータ167から給紙ローラ軸2への動力を伝達する稼働状態と、動力を伝達しない非稼働状態とを、キャリッジ23が1桁側(図1の右側)に移動して前記クラッチ装置が有するレバー部材を揺動させることにより、切り替えることができる様に構成されている。そして、前記クラッチ装置が稼働状態となることにより、給紙ローラ軸2に動力が伝達され、該給紙ローラ軸2の回動動作に伴って、図2に示す給紙ローラ3、ホッパ5、紙戻しレバー9等が稼働する様に構成されている。
【0019】
給紙ローラ3は、上述の様に紙送りモータ167(図3)によって回動駆動される給紙ローラ軸2に取り付けられている。給紙ローラ3は側面視略D形の形状をなし、ローラ本体3aと、該ローラ本体3aの外周部に巻回されるゴム材3bとから構成されている。給紙ローラ3は、その円弧部分によって印刷用紙(単票紙:以下「用紙」と言う)Pを給送する一方、平坦部分によって用紙Pを通過させて、下流側の搬送ローラ17による紙送り(精密送り)動作時に搬送負荷を与えない様になっている。
【0020】
ホッパ5は板状体からなり、図示する様に傾斜姿勢に設けられ、且つ、上部に設けられた回動軸5aを中心に図2の時計方向及び反時計方向に揺動可能に設けられている。ホッパ5の下部後方側にはホッパばね8が、給紙装置1の後部フレーム1bとホッパ5との間に設けられていて、このホッパばね8の付勢力により、ホッパ5は常に給紙ローラ3に圧接する方向に付勢された状態となっている。
【0021】
一方、ホッパ5は、ホッパレリース手段によってホッパばね8の付勢力に抗して押し下げられることにより、給紙ローラ3に対して離間位置をとることができる様になっている。ここで、このホッパレリース手段の構成について図4を参照しながら説明する。
【0022】
図4に示す様に、ホッパ5はその下部の両側端側に給紙ローラ3側に向かって突出するようなカムフォロア7を有し、一方で給紙ローラ軸2の両軸端側には、給紙ローラ軸2の軸方向視において略扇形の形状をなし、カムフォロア7と係合するカム6が、給紙ローラ軸2と樹脂成形によって一体的に設けられている。
【0023】
一方、ホッパ5の背面側には、前述した様にホッパ5を給紙ローラ3に向けて揺動付勢する付勢手段としてのホッパばね8(図2参照)が設けられていて、ホッパ5とカムフォロア7はそれぞれ、ホッパばね8によって常に給紙ローラ3またはカム6に向けて揺動付勢された状態となっている。そして、図5から明らかな様に、給紙ローラ3(給紙ローラ軸2)の回動により、カム6とカムフォロア7との係合状態および非係合状態とが切り換わり、カム6がカムフォロア7を押し下げる係合状態(図4の状態)となることにより、ホッパ5が給紙ローラ3から離間する様になっている。即ち、カム6とカムフォロア7が、ホッパ5を給紙ローラから離間させる「ホッパレリース手段」としての機能を果たしている。
【0024】
以上により、ホッパ5がホッパばね8の付勢力によって給紙ローラ3に対して圧接方向に揺動すると、ホッパ5上に堆積された用紙Pの束は給紙ローラ3に圧接し、そして当該圧接状態で給紙ローラ3が回動することにより、堆積された用紙Pの最上位のものが下流側へと給送される。
【0025】
次に、図2に戻ってホッパ5の下部には、ホッパ5と同様に回動軸4bを中心にして図2の時計方向及び反時計方向に揺動可能な分離パッドホルダ4が設けられていて、この分離パッドホルダ4において給紙ローラ3と対向する部分には、高摩擦部材からなる分離パッド4aが設けられている。分離パッド4aは、給紙ローラ3と対向する位置に設けられたことにより、給紙ローラ3が回動すると、給紙ローラ3の円弧部分と圧接し、圧接部が形成される。そして給紙ローラ3の円弧部分によって繰り出された最上位の用紙Pは、前記圧接部を通過して下流側へと進むが、最上位の用紙Pにつられて下流側へと進もうとする次位以降の用紙Pは、前記圧接部により、下流側への進行が阻止され、これによって用紙Pの重送が防止される様になっている。
【0026】
次に、紙戻しレバー9はレバー形状をなし、ホッパ5の下端部近傍に配置され、回動支点9aを中心に後述する駆動機構によって図2の時計方向および反時計方向に回動可能に設けられている。紙戻しレバー9は、用紙Pの給紙動作時には図2に示す様に下流側に倒れた状態となっていて、用紙Pの給送を阻害しない状態となっている。そして、最上位の用紙Pが繰り出され、当該繰り出された用紙Pの先端が紙戻しレバー9の下流側に進むと、紙戻しレバー9は上流側に向かって起き上がり、給送される最上位の用紙Pにつられて重送されようとする次位以降の用紙Pを上流側に押し戻す。これにより、分離パッド4aと共に用紙Pの重送が更に確実に防止される。尚、以上説明した給紙ローラ3、ホッパ5、紙戻しレバー9のより詳細な動作内容については、後に説明する。
【0027】
以上が給紙装置1の概略であり、続いて、給紙装置1の下流側に設けられる記録部について説明する。給紙装置1の下流には板状体からなる紙案内15が略水平に設けられ、給紙ローラ3によって繰り出された用紙Pの先端が該紙案内15に斜めに当接し、滑らかに下流側に案内される。紙案内15から下流には回動駆動される搬送駆動ローラ17aと、該搬送駆動ローラ17aに圧接する搬送従動ローラ17bとからなる搬送ローラ17が設けられ、用紙Pは、当該搬送駆動ローラ17aと搬送従動ローラ17bとにニップされて、一定ピッチで下流側に搬送される。ここで、搬送従動ローラ17bは搬送従動ローラホルダ21の下流側に軸支されていて、当該搬送従動ローラホルダ21は、回動軸21aを中心に図2の時計方向及び反時計方向に回動可能に設けられ、且つ、図示しないねじりコイルばねによって搬送従動ローラ17bが常に搬送駆動ローラ17aに圧接する方向(図2の反時計方向)に回動付勢されている。尚、搬送駆動ローラ17aは、主走査方向(図2の紙面表裏方向)に長い軸体からなり、搬送従動ローラ17bと搬送従動ローラホルダ21とは、共に搬送駆動ローラ17aの軸方向に複数配設されている(図示は省略)。
【0028】
次に、最も1桁側(図2の紙面表側:図1の右側)に位置する搬送従動ローラホルダ21近傍には、用紙Pの通過を検出する、センサ本体部19bと検出レバー19aとからなる紙検出器19が配設されている。検出レバー19aは側面視略「く」の字の形状をなし、その中央付近の回動軸19cを中心に図2の時計方向及び反時計方向に回動可能に設けられている。検出レバー19aの上方に位置するセンサ本体部19bは発光部(図示せず)及び該発光部からの光を受ける受光部(図示せず)を備え、検出レバー19aの回動軸19cから上側が、その回動動作により、前記発光部から前記受光部に向かう光の遮断及び通過を行う様になっている。従って、図2に示す様に用紙Pの通過に伴って検出レバー19aが上方に押し上げられる様に回動すると、検出レバー19aの上側がセンサ本体部19bから外れ、これによって前記受光部が受光状態となって、用紙Pの通過を検出する様になっている。
【0029】
続いて、搬送駆動ローラ17aの下流には、プラテン27及びインクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)25が上下に対向する様に配設され、搬送ローラ17によって記録ヘッド25の下へ搬送される用紙Pは、プラテン27によって下から支持される。記録ヘッド25はインクカートリッジ24を搭載するキャリッジ23の底部に設けられ、該キャリッジ23は、主走査方向(図2の紙面表裏方向)に延び、メインフレーム12(図1参照)によって支持されるキャリッジガイド軸10により、主走査方向にガイドされる。
【0030】
図1において、メインフレーム12の両側部分には自由回動可能な従動プーリ14と、図示しない駆動モータによって回動駆動される駆動プーリ13とが設けられ、駆動プーリ13と従動プーリ14とには無端ベルト15が巻回されている。そしてキャリッジ23は無端ベルト15の一部に固定され、これにより、キャリッジ23が主走査方向に往復動する様になっている。そして、キャリッジ23が主走査方向に往復動しながら記録ヘッド25(図2参照)によってインクカートリッジ24から供給されたインク滴が吐出されることにより、用紙Pへの記録が実行される。
【0031】
次に、図2に戻って記録ヘッド25から下流は排紙部となっていて、回動駆動される排紙駆動ローラ29aと、自由回動可能な排紙従動ローラ29bとからなる排紙ローラ29が設けられている。従って記録ヘッド25によって記録の行われた用紙Pは、排紙駆動ローラ29aと排紙従動ローラ29bとによってニップされた状態で排紙駆動ローラ29aが回動することにより、矢印方向に排出される。また、排紙従動ローラ29bのやや上流側には、自由回動可能な補助ローラ30が配設されている。ここで、排紙駆動ローラ29aは主走査方向にほぼ等間隔で複数個配設されていて、同様に排紙従動ローラ29bについても、これに合わせてほぼ等間隔で配設されている(図示は省略)。
【0032】
以上がプリンタ100の用紙搬送経路の構成であり、以下、図3を参照しつつ、プリンタ100の制御部150の構成について説明する。ここで、図3は、制御部150のブロック図である。制御部150は、プリンタ100に印刷情報を送信するホスト・コンピュータ200との間でデータの送受信が可能に構成され、ホスト・コンピュータ200とのインタフェース部(以下「IF」と言う)151と、ASIC152、RAM153、PROM154、EEPROM155、CPU156、発振回路157、DCユニット158、紙送りモータドライバ159、CRモータドライバ165、ヘッドドライバ166を備えている。
【0033】
CPU156はプリンタ100の制御プログラムを実行する為の演算処理やその他必要な演算処理を行い、発信回路157は、CPU156に対して各種処理に必要な周期的な割り込み信号を発生させる。ASIC152は、ホスト・コンピュータ200からIF151を介して送信される印刷データに基づいて印刷解像度や記録ヘッド125の駆動波形等を制御するものである。RAM153は、ASIC152およびCPU156の作業領域や他のデータの1次格納領域として用いられ、PROM154およびEEPROM155には、プリンタ100を制御する為に必要な制御プログラム(ファームウェア)および処理に必要なデータが格納されている。
【0034】
紙送りモータドライバ159は、DCユニット158の制御の下、紙送りモータ167を駆動制御して、複数の駆動対象、即ち、前述した給紙ローラ3、搬送駆動ローラ17a、排紙駆動ローラ29aを回動させる。CRモータドライバ165は、DCユニット158の制御の下、CRモータ161を駆動制御することによりキャリッジ23を主走査方向に往復動させ、または停止・保持させる。ヘッドドライバ166は、CPU156の制御の下、ホスト・コンピュータ200から送信された印刷データに従って記録ヘッド25を駆動制御する。
【0035】
CPU156およびDCユニット158には、搬送される用紙Pの始端および終端を検出する紙検出器19からの検出信号と、後に詳述する、搬送駆動ローラ17aの回動量を検出するロータリエンコーダ168からの出力信号と、キャリッジ23の主走査方向における絶対位置を検出するリニアエンコーダ164からの出力信号とが与えられる。リニアエンコーダ164は、主走査方向に長い符号板163と、該符号板163において主走査方向に複数形成された透光部に対して発光する発光部(図示せず)および前記透光部を通過した光を受光する受光部(図示せず)から構成され、前記透光部を通過する光によって形成される立ち上がり信号と立ち下がり信号とを出力し、キャリッジ23の主走査方向における絶対位置を検出する。
【0036】
ロータリエンコーダ168は、搬送駆動ローラ17a(図2参照)の軸端に取り付けられ、これによって搬送駆動ローラ17aの回動量(回動角)を検出する。制御部150は、このロータリエンコーダ168からの出力信号を受信することによって、搬送駆動ローラ17aの回動量および回動速度を算出し、これにより、適切な紙送り制御を実行することができる様になっている。尚、搬送駆動ローラ17aは紙送りモータ167によって常時回動駆動されるが、この紙送りモータ167は図2に示した給紙ローラ軸2(給紙ローラ3)へも、後述するクラッチ装置31を介して動力を伝達する様に構成されている。
以上が制御部150の構成である。
【0037】
続いて、用紙Pの頭出し制御について図5乃至図8を参照しながら説明する。ここで、図5は給紙制御における各構成要素の動作の関連を示すタイミングチャートであり、図6および図7は頭出し制御内容と用紙Pの上端マージンとの関係を示す説明図である。また、図8は用紙先端の頭出しを行う頭出し制御の内容を示すフローチャートである。
【0038】
先ず、図5を参照しながら、給紙装置1における用紙Pの給紙制御の内容について説明する。図5において、最も上に示す給紙ローラ位相角(deg)は、図2に示す様な給紙待機状態からの給紙ローラ3の回転角を示している。また、図5は、プリンタ100が給紙ジョブも印刷ジョブも実行しておらず、全くの待機状態から1枚目の給紙動作が開始する際のタイミングチャートを示している。この様な1枚目の給紙ジョブの開始時には、予めキャリッジ23が1桁側に移動していて、これにより、前述したクラッチ装置が稼働状態(クラッチON)となっている。
【0039】
先ず、紙送りモータ167が正転(速度V)することによって1枚目の給紙制御が開始する。ここで、前記クラッチ装置は既に稼働状態(ON)となっていることから、給紙ローラ3は直ちに回動を開始し、そして図に示す区間aにおいてホッパ5が上昇(UP)するとともに、紙戻しレバー9が退避(DOWN)する。
【0040】
続いて、区間aにおいては、ホッパ5の上昇途中で紙送りモータ167の速度がVからV(V>V)へと減速制御され、ホッパ5の上昇が完了した後、区間bにおいて紙送りモータ167の速度がVからVへと増速制御される。これは、以下の様な理由による。即ち、ホッパ5は図4に示したカム6とカムフォロア7とから構成されるホッパレリース手段によって、給紙ローラ3から離間動作するが、カム6が勢い良く回動すると、カム6とカムフォロア7との係合状態が瞬時に解除される。するとこれにより、ホッパばね8(図2)の付勢力によってホッパ5は給紙ローラ3に向けて勢いよく付勢されてしまい、ホッパ5上に支持された用紙Pが給紙ローラ3に当接する際に顕著な衝突音が発生してしまうことになる。
【0041】
特に、高スループット化を目的として、高速な給紙動作を行うべく紙送りモータ167の速度Vを上昇させた様な場合には、前記衝突音はより一層顕著なものとなる。そこで、本実施形態においては、上述の様にホッパ5上に支持された用紙Pが給紙ローラ3に当接(衝突)する際(ホッパ5の上昇時)に、紙送りモータ167の速度をVからVへと減速制御することにより、前記衝突音を効果的に低減させている。
【0042】
続いて、更に紙送りローラ3が回転し、区間cにおいて紙送りモータ167の停止および逆転制御が行われる。これは、搬送ローラ17(図2)に用紙Pが到達して用紙P先端が食い付いた後、一旦搬送ローラ17逆転させて用紙P先端を下流側に吐きだすことにより、用紙Pの斜行(スキュー)を除去する所謂食い付き吐き出し方式のスキュー取りを行う為である。
【0043】
続いて、更に紙送りローラ3が回転し、区間dにおいてホッパ5の下降(DOWN)が開始した後、紙戻しレバー9の紙戻し動作(UP)が開始する。ここでこのとき、紙送りモータ167の速度がVからVへと再び減速制御される。これは、以下の様な理由による。即ち、近年プリンタには高スループット化の要請が著しく、従って紙送りモータ167を高速に回転させることにより、用紙Pの給紙、搬送(紙送り)、排紙を高速に行うことが望まれる。しかし、これに伴って紙戻しレバー9も高速に駆動されることになる為、紙戻し動作時において上流側に戻される用紙Pは勢い良く戻され、これにより、用紙Pの所謂「跳びはね現象」が発生することになる。この様な現象が発生すると、その後に、用紙Pの規則正しい積層状態が得られず、斜行(スキュー)等好ましくない結果が発生することになる。また、跳びはねて落下する用紙先端が、用紙先端規制面(分離パッドホルダ4:図2参照)に衝突する耳障りな衝突音が発生する場合もある。
【0044】
しかし、上述の様に本実施形態においては、紙戻し動作時に紙戻しレバー9を回動駆動する紙送りモータ167の減速制御を実行するので、高速な給紙動作中においても紙戻しレバー9の回動速度は抑えられ、これにより、紙戻し動作時における用紙Pの跳びはねの程度を低減或いは跳びはねを防止することができ、以て高速な給紙動作を行いながらも適切な給紙動作を実行することが可能となっている。
【0045】
続いて、区間dにおいて紙戻しレバー9が紙戻し動作を完了し、ホッパ5が下降(DOWN)すると、紙送りモータ167の速度が再びVからVへと増速制御され、給紙ローラ3の1回転動作が終了する(位相角360°)。給紙ローラ3の1回転動作が終了すると、キャリッジ23が前記クラッチ装置の側(1桁側)から離れ、これにより、前記クラッチ装置が非稼働状態(OFF)となり、以下、搬送ローラ17のみが回動駆動されて、用紙Pへの印刷が実行される。
【0046】
続いて、用紙Pの頭出し制御について説明する。用紙Pは、上述の様に給紙ローラ3の回動によって搬送ローラ17へと給送され、図5に示す区間c(紙送りモータ167が正転から逆転に切り替えられる前)において搬送ローラ17にニップされる。そしてその後、搬送ローラ17と給紙ローラ3とが共に回動し、給紙ローラ3の1回転が終了した時点(区間dの最終地点:給紙ローラ位相角360°)において、前記クラッチ装置の稼働状態から非稼働状態への切り替わりが行われ(クラッチOFF)、給紙ローラ3の回動が停止する。
【0047】
ここで、本実施形態においては、上述の様な給紙ローラ3の1回転動作が終了した時点(区間dの最終地点:給紙ローラ位相角360°)を、用紙先端頭出し位置に設定している。また、この様な給紙ローラ3の1回転動作が終了した時点を用紙先端頭出し位置に設定し、且つ、用紙先端頭出しが行われた状態における印刷開始位置と、記録ヘッド25におけるインク吐出開始ノズル位置との関係を判断することにより、搬送ローラ17を正転すべきか逆転すべきかを決定し、後の印刷制御を実行する様になっている。
【0048】
以下、図6乃至図8を参照しながら詳説する。尚、図6および図7において、用紙Pは図の矢印方向(左方向)に紙送りされ、符号▲1▼は用紙P先端の頭出し動作が終了した時点における用紙P先端の用紙搬送経路上における位置を、符号▲2▼は用紙P先端の頭出し動作が終了した時点における、印刷開始位置の用紙搬送経路上における位置を示している。また、符号▲3▼は記録ヘッド25におけるインク吐出開始ノズルの用紙搬送経路上における位置を、符号▲4▼は紙検出器17(図2)が用紙P先端の通過を検出する時点における、用紙P先端の用紙搬送経路上における位置を示している。更に、符号Kは紙検出器17が用紙P先端の通過を検出した時点から用紙P先端の頭出し動作が終了するまでに用紙P先端が進んだ距離(位置▲4▼から位置▲1▼に至る距離:step)を、符号Cは紙検出器17からインク吐出開始ノズル位置までの距離(位置▲4▼から位置▲3▼に至る距離:step)を、Mは印刷データによって指定された上端マージン量(step)を示している。尚、上記step数は、図3に示したロータリエンコーダ168から送出されるパルスによってカウントされる様になっている。
【0049】
以下、図8の用紙先端頭出しフロー300に沿って説明する。図8において、紙送りモータ167の正転(ステップS301)によって給紙ローラ3が正転し、用紙Pがホッパ5上から繰り出されると、用紙P先端が紙検出器17を通過し、紙検出器17は、制御部150(図3)に”紙検出ON”の信号を送出する(ステップS302)。尚、本実施形態において用紙P先端が紙検出器17を通過するのは、図5に示したタイミングチャートにおいて、概ね区間b〜cの部分である。
【0050】
次に、”紙検出ON”が検出された時点で、紙送りカウンタ(K)をリセットする(ステップS303)。紙送りカウンタ(K)は、用紙P先端が紙検出器17を通過した後に、どの程度下流側へ進んだかを監視(計測)するカウンタである。そして、給紙ローラ3が1回転したか否か(給紙ローラ3の位相が360°に到達したか否か)を判断し(ステップS304)、到達している場合には、次のステップS305において、用紙Pの先端位置が正常な範囲にあるか否かを判断する。
【0051】
これは、以下の様な理由による。即ち、図2を参照しつつ説明した様に用紙Pはホッパ5が上昇し、セットされた用紙束が給紙ローラ3に圧接した状態で給紙ローラ3が回動することにより下流側へと繰り出されるが、例えば給紙ローラ3と用紙Pとの間でスリップが発生することにより、用紙Pが著しく遅れて繰り出される場合がある。また逆に、用紙Pの束が給紙ローラ3と分離パッド4aとの間に入り込み(所謂雪崩現象)、用紙Pが著しく先行して繰り出される場合がある。この様な場合は、給紙ローラ3が1回転した時点における用紙P先端の位置Pは所定の範囲内(Pmax≧P≧Pmin)に存在しないことから、紙送りカウンタ(K)を参照して、用紙P先端の位置Pが所定の範囲内(Pmax≧P≧Pmin)に存在しない場合には(ステップS305の否定枝)、異常発生とみなし、上位の制御ルーチンに制御を返す(ステップS306)。尚、この様な紙送りの異常判定は、給紙制御中(例えば図5に示す区間b、c)において判定する様にしても構わない。
【0052】
一方、用紙P先端位置Pが所定の範囲内に存在する場合には(ステップS305の肯定枝)、ホスト・コンピュータ200(図3)から送信される印刷データによって指定される上端マージン量(M)が所定の値(K−C)以上であるか否かを判断する(ステップS307)。
【0053】
ここで、図6は上端マージン量(M)が所定の値(K−C)を超えていない場合(ステップS307の否定枝)を示し、図7は逆に超えている場合(ステップS307の肯定枝)を示している。以下、図6および図7について詳説する。
【0054】
先ず図6は、上述の様に上端マージン量(M)が所定の値(K−C)を超えていない場合を示している。図6に示す様に、用紙Pの頭出し動作が完了した時点において、用紙Pの先端は排紙ローラ29からやや下流側にあり、そして印刷開始位置(符号▲2▼で示す位置)は、記録ヘッド25におけるインク吐出開始ノズル位置(符号▲3▼で示す位置)よりも下流側に位置している。
【0055】
従って、この様な用紙先端頭出し状態においては、印刷開始位置(位置▲2▼)を、インク吐出開始ノズル位置(位置▲3▼)まで戻す必要がある。そこで、この様な場合には、搬送ローラ17を逆転駆動することにより、印刷開始位置(位置▲2▼)をインク吐出開始ノズル位置(位置▲3▼)まで戻す(ステップS309)。ここで、紙戻し量は、図6から明らかな様に、K−C−M(step)となる。
【0056】
次に、図7は、上述の様に上端マージン量(M)が所定の値(K−C)を超えている場合を示している。図7に示す様に、用紙Pの頭出し動作が完了した時点において、用紙Pの先端は排紙ローラ29からやや下流側にあり、そして印刷開始位置(位置▲2▼)は、記録ヘッド25においてインク吐出開始ノズル位置(位置▲3▼)よりも上流側に位置している。
【0057】
従って、この様な用紙先端頭出し状態においては、図6の場合の様に搬送ローラ17を逆転駆動する必要がないことから、印刷開始位置(位置▲2▼)を、インク吐出開始ノズル位置(位置▲3▼)まで搬送ローラ17を正転駆動することによって送る(ステップS308)。ここで、当該紙送り量は、図7から明らかな様に、M−K−C(step)となる。
【0058】
以上の様な用紙先端頭出し方法の作用効果について以下説明する。先ず、用紙P先端の頭出し位置が、給紙ローラ3の回動に従って給紙装置1から繰り出された用紙P先端が搬送ローラ17にニップされた後、給紙ローラ3の1回転動作が終了した時点(給紙ローラ3の位相角360°:図5参照)、即ち、給紙装置1が紙送りモータ167に負荷を与える負荷区間(図5の区間d)が終了した時点を、用紙先端頭出し位置としている。従って、以降の搬送ローラ17による用紙Pの精密送り時には、給紙装置1から紙送りモータ167へ負荷(負荷変動)が与えられることがなく、従って用紙搬送精度の低下を防止することが可能となる。
【0059】
尚、本実施形態では給紙ローラ3の1回転動作が終了した時点を用紙先端頭出し位置としているが、給紙装置1が紙送りモータ167に負荷を与える負荷区間が終了した後であればどの時点でも良く、例えば、図5に示す区間dにおいても、ホッパ5の下降(down)動作が終了した直後の時点を用紙先端頭出し位置としても構わないし、或いは、区間e(給紙ローラ3が1回転した後)の任意の時点を用紙先端頭出し位置としても構わない。しかし、本実施形態の様に、給紙ローラ3への動力伝達が完全に切断(クラッチOFF)された時点以降を用紙先端頭出し位置とすることで、より一層紙送りモータ167への負荷(負荷変動)を与えず、確実に用紙搬送精度の低下を防止することができる。
【0060】
ところで、本実施形態では、給紙装置1が紙送りモータ167に負荷を与える負荷区間として、図4に示すカム6がカムフォロア7を押し下げることによってホッパ5を下降(down)させる区間を考慮しているが、給紙装置1のその他の構成要素が紙送りモータ167に負荷を与える場合には、その様な構成要素が紙送りモータ167に負荷を与える区間をも考慮して、用紙先端頭出し位置を決定するのが望ましい。
【0061】
次に、用紙先端頭出し位置は、上述した様に紙送りモータ167に負荷を与える負荷区間が終了した時点における用紙先端位置または該用紙先端位置より下流側に設定されていることから、図7に示した様な上端マージンが大きい場合の様に、用紙先端頭出し位置において印刷開始位置(図7の位置▲2▼)が記録ヘッド25におけるインク吐出開始ノズル位置(図7の位置▲3▼)の上流側にあれば、搬送ローラ17を逆転駆動して用紙Pを上流側に戻すことなく印刷を開始することが可能となるので、無駄な紙戻し動作を行う必要がなく、更なる高スループット化を図ることができる。
【0062】
尚、図6に示した様な上端マージンが比較的小さい場合の様に、用紙先端頭出し位置において印刷開始位置(図6の位置▲2▼)が記録ヘッド25におけるインク吐出開始ノズル位置(図6の位置▲3▼)の下流側にあれば、搬送ローラ17を逆転駆動して用紙Pを上流側に戻す。ここで本実施形態においては、このときの紙戻し量は、印刷開始位置(位置▲2▼)がちょうどインク吐出開始ノズル位置(位置▲3▼)の下に位置する様に、印刷データによって指定された上端マージン量から前記紙戻し量を規定している。従ってこれにより、即座に印刷動作(インク吐出動作)を開始することが可能となり、より一層の高スループット化を図っている。
【0063】
一方、これとは異なり、印刷データによって指定された上端マージン量を参照せず、用紙先端を一様に記録ヘッド25から上流側の所定の位置にまで戻す様にすることも可能である。具体的には、例えば用紙先端を一様にインク吐出開始ノズル位置(位置▲3▼)まで戻す様にすることも可能である。この様にすることにより、印刷制御の単純化を図ることも可能となる。
【0064】
また、本実施形態では、給紙装置1の負荷区間が終了する時点では、用紙P先端は図6および図7に示す様に排紙ローラ29のやや下流側に達した状態となっているが、給紙装置1の負荷区間(例えば、図5に示す区間d)が終了した時点で、用紙P先端が記録ヘッド25のインク吐出開始ノズル位置(位置▲3▼)と搬送ローラ17との間に位置する様に用紙搬送経路を構成すれば、上端マージン量の如何に関わらず、搬送ローラ17を逆転駆動して用紙Pを上流側に戻す紙戻し動作が不要となり、より一層の高スループット化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタ装置本体の外観斜視図である。
【図2】プリンタの側断面概略図である。
【図3】プリンタ制御部のブロック図である。
【図4】給紙ローラおよびホッパの斜視図である。
【図5】給紙制御のタイミングチャートである。
【図6】用紙先端頭出しと上端マージンとの関係を示す図である。
【図7】用紙先端頭出しと上端マージンとの関係を示す図である。
【図8】用紙先端頭出しの制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 給紙装置、2 給紙ローラ軸、3 給紙ローラ、5 ホッパ、 6 カム、7 カムフォロア、8 ホッパばね、9 紙戻しレバー、17 搬送ローラ、23 キャリッジ、25 インクジェット記録ヘッド、29 排紙ローラ、100 インクジェットプリンタ、150 制御部、P 印刷用紙

Claims (5)

  1. 被記録材を給送する給紙ローラを備えた給紙装置と、
    該給紙装置の下流側に設けられ、給送された被記録材をニップして下流側へと搬送する搬送ローラと、
    該搬送ローラの下流側に設けられ、被記録材に記録を行う記録ヘッドと、
    前記給紙装置および前記搬送ローラの共通の駆動源となる紙送りモータと、を有する記録装置であって、
    前記搬送ローラから下流側に設定される被記録材先端頭出し位置が、前記給紙ローラの回動に従って被記録材先端が前記搬送ローラのニップ点に到達した後、前記給紙装置が前記紙送りモータに負荷を与える負荷区間が終了した時点における被記録材先端位置または該被記録材先端位置より下流側に設定されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 被記録材と接触し且つ回動することによって被記録材を給送する給紙ローラと、
    複数枚の被記録材を積層状態で支持し、且つ、給紙時には支持した被記録材を前記給紙ローラに圧接させるホッパと、
    該ホッパを前記給紙ローラに向けて付勢する付勢手段と、
    前記給紙ローラの回動軸に設けられるカムおよび前記ホッパに設けられるカムフォロアとを備え、前記カムが前記カムフォロアを押し下げることによって前記ホッパを前記給紙ローラから離間させるホッパレリース手段と、
    前記給紙ローラの下流側に設けられ、給送された被記録材をニップして下流側へと搬送する搬送ローラと、
    該搬送ローラの下流側に設けられ、被記録材に記録を行う記録ヘッドと、
    前記給紙ローラおよび搬送ローラの共通の駆動源となる紙送りモータと、を有する記録装置であって、
    前記搬送ローラから下流側に設定される被記録材先端頭出し位置が、前記給紙ローラの回動に従って被記録材先端が前記搬送ローラのニップ点に到達した後、前記ホッパレリース手段による前記ホッパの押し下げ動作が終了した時点における被記録材先端位置または該被記録材先端位置より下流側に設定されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1または2において、被記録材先端が前記被記録材先端頭出し位置に頭出しされた状態において、記録開始位置が前記記録ヘッドより上流側にある場合には、そのまま前記搬送ローラを正転させることによって前記記録開始位置を前記記録ヘッドと対向する位置に到達するまで搬送動作を行うことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項3において、被記録材先端が前記被記録材先端頭出し位置に頭出しされた状態において、前記記録開始位置が前記記録ヘッドより下流側にある場合には、前記搬送ローラを逆転させることにより、被記録材先端位置を一様に前記記録ヘッドから上流側の所定の位置に戻すことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項3において、被記録材先端が前記被記録材先端頭出し位置に頭出しされた状態において、前記記録開始位置が前記記録ヘッドより下流側にある場合には、前記搬送ローラを逆転させることにより、前記記録開始位置が前記記録ヘッドと対向する位置まで被記録材を戻すことを特徴とする記録装置。
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