JP2004082154A - パンチング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パンチング装置11は、長尺状の鋼板12を孔加工するための複数の金型13と、該金型13を押圧操作するためのプレス14とを備えている。また、パンチング装置11は回転動作によって鋼板12をその長さ方向に搬送させる上部ピンチローラ15及び下部ピンチローラ16を備えている。さらに、鋼板12をクランプしてその長さ方向に往復移動可能な可動クランプ17を備えている。そして、鋼板12の前端部が孔加工される際には、各ピンチローラ15、16によって鋼板12は挟持された状態で停止されている。また、鋼板12の後端部が孔加工される際には、可動クランプ17によって鋼板12の前端部はクランプされた状態で停止されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、亜鉛メッキ鋼板等のワークに孔加工を施すためのパンチング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のパンチング装置としては、孔加工を施すための金型と、該金型を押圧操作するためのプレスを備えたものが知られている。このパンチング装置は、長尺状のワークを搬送及び保持するためのクランプ手段が設けられ、クランプ手段でワークを保持及び搬送しながら、孔加工を施すものが知られている。
【0003】
一方、近年、居住性、強度、耐久性、低コスト等の様々な利点からスチールハウスが急速に普及し始めている。このスチールハウスは、壁パネル、屋根トラス、床パネル等の構造部材から構成され、枠組壁工法によって構築されるものである。スチールハウスを構成する構造部材は、長尺状の鋼板を折り曲げ形成した複数の軽量形鋼(以下、単に形鋼という。)をドリルねじ、金物等の連結部材で連結することによって形成されている。
【0004】
形鋼の所定の位置には、形鋼同士を連結するための連結孔が穿設されることが必要とされている。これらの連結孔は、形鋼を配設する際の位置決め、ドリルねじ等の連結部材を螺設する際の位置決め等、重要な役割を果たすものである。
【0005】
これらの連結孔は形鋼を形成する前段階、つまり鋼板に穿設することが、加工の容易性、生産効率等の点から有利である。また、形鋼は主に端部同士が連結されるため、これらの連結孔は鋼板の端部に集中して穿設する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のパンチング装置においては、クランプ手段によって金型によるワークの孔加工が妨げられ、ワークにおいて孔を穿設するのが困難である部分が生じるという問題があった。また、形鋼用の鋼板に穿設される連結孔は端部に集中するため、従来のパンチング装置においてはクランプ手段によって金型によるワークの孔加工が妨げられ、連結孔を効率よく穿設するのが困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ワーク全体に孔を容易かつ精度良く穿設することができるパンチング装置を提供することにある。その他の目的とするところは、形鋼用の鋼板に連結孔を効率よく穿設することができるパンチング装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明のパンチング装置は、長尺状のワークに孔加工を施すための複数の金型と、該金型を押圧操作するためのプレスとを備えたパンチング装置において、
前記ワークを挟持し、回転動作によってワークを該ワークの長さ方向に搬送させるロール手段と、前記ワークをクランプして該ワークの長さ方向に往復移動可能なクランプ手段とを備え、前記ワークの前端部が孔加工される際には、前記ロール手段によって挟持された状態でワークは停止され、前記ワークの後端部が孔加工される際には、前記クランプ手段によってクランプされた状態でワークは停止されているものである。
【0009】
請求項2に記載の発明のパンチング装置は、請求項1に記載の発明において、前記ワークの幅方向への移動を規制して、ワークの長さ方向の移動を案内する案内手段を備えたものである。
【0010】
請求項3に記載の発明のパンチング装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記プレスには、該プレスの作動に伴って前記金型を押圧可能な押圧部材が備えられ、さらに該押圧部材は前記金型を押圧可能な押圧位置と、押圧不能な退避位置とに移行可能であり、プレスが作動する際に押圧部材が移行することによって、複数の金型の中から押圧する金型を選択可能に構成したものである。
【0011】
請求項4に記載の発明のパンチング装置は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記金型はそれぞれワークの幅方向に移動可能に設けられているものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を、図1〜図4に従って詳細に説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態におけるパンチング装置11は、ワークとしての長尺状の鋼板12に孔加工するための複数の金型13が配設されている。また、図1に示すようにパンチング装置11には、金型13を押圧操作するためのプレス14が備えられている。さらに、パンチング装置11には回転動作によって鋼板12をその長さ方向に移動させるロール手段としての上部ピンチローラ15及び下部ピンチローラ16と、鋼板12をクランプして鋼板12の長さ方向に往復移動可能なクランプ手段としての可動クランプ17とが備えられている。以下、図1における左側を前側、右側を後側とし、図2に示すパンチング装置11及び鋼板12の長さ方向をX軸方向、幅方向をY軸方向という。
【0013】
このパンチング装置11は、制御手段としての図示しない制御ユニットによるNC制御によって鋼板12の所定の位置に孔を穿設することができる。そして、孔が穿設された鋼板12は、ロール成形によって断面C字状のリップ溝形鋼、断面コ字状の軽溝形鋼等の形鋼に成形することができる。成形された形鋼は、四角枠状等の形状に配設されるとともに、パンチング装置11によって穿設された孔にドリルねじ等の連結部材が螺設され、壁パネル、屋根トラス、床パネル等の構造部材を形成することが可能である。このとき、パンチング装置11によって穿設された孔は、連結孔として形鋼を配設する際の位置決め、ドリルねじ等の連結部材を螺設する際の位置決め等、重要な役割を果たすことができる。形成された構造部材は、枠組壁工法によって組み立てられてスチールハウス等の住宅を構築することができる。このような住宅用の形鋼を形成するための鋼板12の厚さは、0.8〜1.6mmが主体となっている。また、鋼板12の長さは特に限定されないが、800mm〜10mが主体となっている。
【0014】
前記制御ユニットは、マイクロプロセッサ(CPU)、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMには、NCプログラムが予め記憶され、RAMには、形鋼を連結する際に必要な連結孔の位置、個数等の連結孔に関する情報が予め記憶されている。そして、連結孔に関する情報に基づいてパンチング装置11が制御され、所定の位置に連結孔が穿設されるようになっている。
【0015】
図1及び図2に示すように、パンチング装置11には長四角板状の基台18が設けられ、その基台18の後端部には搬入装置19が設置されている。搬入装置19の略中央には、2本の下部ピンチローラ16がY軸方向に延びるように並設され、これらの下部ピンチローラ16は図示しないモータによって回動可能となっている。下部ピンチローラ16の上方には、2本の上部ピンチローラ15がY軸方向に延びるように並設されている。これらの上部ピンチローラ15は図示しないモータによって回動可能であるとともに、図示しない油圧シリンダ、エアシリンダ等の流体シリンダによって昇降可能となっている。上部ピンチローラ15の上昇によって、上部ピンチローラ15は下部ピンチローラ16と離間された解放状態に移行することができる。一方、上部ピンチローラ15の下降によって、上部ピンチローラ15は下部ピンチローラ16とともに鋼板12を挟持することが可能な搬送状態に移行することができる。この搬送状態において、鋼板12が挟持されるとともに上部ピンチローラ15と下部ピンチローラ16の回転動作によって、鋼板12は搬入装置19の後方から前方へ搬送されるようになっている。これらのピンチローラ15、16はカウンター機能を有しており、制御ユニットからの信号によって鋼板12の送り長さを制御することができるようになっている。
【0016】
搬入装置19の下側には、側面L字状の停止アーム20が図示しない流体シリンダによって回動可能に設けられている。また、この停止アーム20の先端部には、長四角板状の停止板21が設けられている。この停止アーム20は上方に回動することによって、図1に2点鎖線で示す待機状態に移行することができる。この待機状態では、図3に示すように搬送される鋼板12の前端面が停止板21に当接し、鋼板12は所定の位置で待機されるようになっている。この待機状態の停止アーム20は、下方に回動することによって図1に実線で示す搬送状態に移行することができる。
【0017】
基台18上には、それぞれ長四角形状の第1支持台22、第2支持台23、第3支持台24及び第4支持台25が後側から順に所定の間隔をおいて設けられている。
【0018】
図2に示すように、各支持台22、23、24、25上には、それぞれ長四角板状の第1移動台26、第2移動台27、第3移動台28及び第4移動台29がY軸方向に対向して一対ずつ配設されている。各移動台26、27、28、29の側部にはブラケット30が連結され、各ブラケット30は各移動台26、27、28、29に並設されるボールねじ軸31に螺合されている。そして、各ボールねじ軸31はモータ32の駆動によって正逆方向に回転可能に設けられ、これらのボールねじ軸31の正逆回転によって、各移動台26、27、28、29はY軸方向に往復移動可能となっている。これらのモータ32の駆動は制御ユニットからの信号によって制御されることによって、各支持台22、23、24、25のY軸方向の位置が決定されるようになっている。
【0019】
一対の第1移動台26上にはそれぞれ第1金型33が載置されている。同様に、第2移動台27上には第2金型34、第3移動台28上には第3金型35及び第4移動台29上には第4金型36が載置されている。そして、各金型13は、各移動台26、27、28、29の移動に伴ってY軸方向に移動されるようになっている。図1に示すように、各金型13は金型本体37、パンチ38、スプリング39及びダイ40を備え、プレス14の作動によってパンチ38のヘッド部が押圧されることによって、スプリング39が圧縮され、パンチ38とダイ40の間にある鋼板12に孔加工を施すことが可能である。
【0020】
図1に示すように、基台18上には長四角板状のプレス14がエア圧、油圧等によって伸縮可能なシリンダ41によって昇降可能に設けられている。プレス14の下面には、各パンチ38のヘッド部に対応して四角形状の押圧装置42が設けられている。図4に示すように、各押圧装置42は四角形状の本体フレーム43と、押圧部材としての長四角板状の押圧プレート44を備えている。本体フレーム43の両側には、断面コ字状の溝部45がX軸方向に延びるように凹設され、これらの溝部45に押圧プレート44の両側は嵌合されている。そして、押圧プレート44は溝部45に沿ってX軸方向にスライド可能となっている。また、押圧装置42には図示しないシリンダが備えられ、このシリンダによって押圧プレート44は図4の2点鎖線で示す位置(押圧位置)と実線で示す位置(退避位置)に移行されるようになっている。そして、押圧プレート44が押圧位置に移行した状態においてプレス14が作動すると、パンチ38のヘッド部は押圧プレート44によって押圧され、鋼板12に孔加工が施される。一方、押圧プレート44が退避位置に移行した状態では、プレス14が作動しても押圧プレート44によるパンチ38のヘッド部の押圧は不能となる。このように、押圧プレート44によって複数のパンチ38の中から押圧するパンチ38を選択して操作できるようになっている。なお、各押圧プレート44は、制御ユニットからの信号によって押圧位置と退避位置に決定されるようになっている。また、押圧プレート44はY軸方向に延設されることによって、パンチ38がY軸方向に移動した場合でもパンチ38のヘッド部を押圧できるようになっている。
【0021】
図2に示すように、基台18の前側中間には可動クランプ17が設けられている。この可動クランプ17は鋼板12をクランプするためのクランプ部46と、クランプ部46をX軸方向に往復移動させるためのシャフト部47を備えている。クランプ部46は、油圧、エア圧等によって鋼板12の前端部中央をクランプできるようになっている。一方、シャフト部47には図示しないピン歯車とモータが備えられ、このモータによってピン歯車は正逆回転可能となっている。また、このピン歯車は基台18のX軸方向に延設される図示しないラックに螺合されている。そして、ピン歯車の回転によってシャフト部47は往復移動可能となっている。ピン歯車を駆動するモータは制御ユニットからの信号によって制御され、鋼板12の位置が決定されるようになっている。
【0022】
搬入装置19と第1支持台22の間及び各支持台22、23、24、25の間の基台18上には、案内手段としての柱状のサイドロール48がY軸方向に移動可能に立設されている。これらのサイドロール48の先端には円筒状の回転体49が軸支され、これらの回転体49によって鋼板12の両側は案内されるようになっている。また、搬入装置19の前後及び各支持台22、23、24、25上には、側面T字状の案内テーブル50が複数設けられ、これらの案内テーブル50の上面に鋼板12が載置されて搬送されるようになっている。
【0023】
基台18の前端部には、鋼板12を搬出するための搬出装置51が備えられている。この搬出装置51には複数のガイドロール52がY軸方向に延設され、これらのガイドロール52の上に鋼板12が載置されて次工程に搬送されるようになっている。
【0024】
さて、パンチング装置11によって鋼板12が孔加工される際には、まず上部ピンチローラ15が解放状態に移行されるとともに、停止アーム20は待機状態に移行される。次に、鋼板12が前工程から搬入され、鋼板12の前端面が停止板21に当接されることによって、鋼板12は所定の位置で待機した状態となる。続いて、図2に示すように停止アーム20及び上部ピンチローラ15が搬送状態に移行され、各ピンチローラ15、16が回転することによって鋼板12は第1金型33に向かって搬送される。このとき、基台18上にはサイドロール48が立設され、その回転体49によって鋼板12の両側が案内されるようなっている。従って、鋼板12のY軸方向への蛇行が抑制され、鋼板12を安定して搬送することができる。
【0025】
次に、鋼板12の前端部における予定の加工位置(以下、前端部加工位置という。)に従って、鋼板12は各ピンチローラ15、16によって搬送されるとともに、第1金型33はY軸方向に移動される。そして、前端部加工位置が第1金型33のパンチ38の下に合致すると、第1金型33の移動及び各ピンチローラ15、16の回転が停止され、鋼板12は各ピンチローラ15、16に挟持された状態で停止する。続いて、プレス14が作動されるとともに、押圧位置に移行された押圧プレート44によってパンチ38のヘッド部が押圧される。そして、パンチ38とダイ40によって鋼板12に孔加工が施され、鋼板12に図3に示す孔としての連結孔53が穿設される。
【0026】
このように、各ピンチローラ15、16による鋼板12の搬送と停止、金型13の移動と停止及びプレス14の作動によって孔加工が順次行われ、第1金型33及び第2金型34によって鋼板12の前端部において所定の位置及び個数の連結孔53が穿設される。
【0027】
このとき、鋼板12は各ピンチローラ15、16によって挟持され、それらの回転動作によって搬送されている。よって、鋼板12は前端部から送り出されるため、その前端部をフリーな状態にすることができる。従って、各ピンチローラ15、16によって妨げられることなく、鋼板12の前端部に容易に孔加工を施すことができ、連結孔53を効率よく穿設することができる。
【0028】
また、プレス14には押圧プレート44が設けられている。そして、例えば第1金型33のうち、一方の第1金型33のパンチ38のみをプレス14によって押圧する場合、このパンチ38に対応する押圧プレート44は押圧位置に移行されるとともに、他方の第1金型33のパンチ38に対応する押圧プレート44は退避位置に移行される。この状態でプレス14が作動すると、一方の第1金型33のパンチ38のみを押圧することができる。従って、各金型13の上方にそれぞれプレス14を独立して作動するように設ける必要がなく、1機のプレス14によって複数の金型13の中から作動させたい金型13を選択して操作することができる。よって、各金型13を1機のプレス14で操作できるため、各パンチ38の押圧力を一定に保つことができ、より精度良く孔加工を施すことができる。
【0029】
前端部に連結孔53が穿設された鋼板12は、各ピンチローラ15、16の回転によって第3金型35に向かって搬送される。そして、鋼板12の前端部が第2支持台23と第3支持台24の中間に到達されると、各ピンチローラ15、16の回転が停止され、鋼板12は停止状態となる。このとき、クランプ部46は第2支持台23と第3支持台24の中間に移動された待機状態となっている。
【0030】
次に、鋼板12の前端部中央がクランプ部46によってクランプされるとともに、上部ピンチローラ15は解放状態に移行される。次いで、図3に示すようにシャフト部47がX軸方向の移動されるとともに、鋼板12はサイドロール48に案内されながらX軸方向に搬送される。そして、可動クランプ17による鋼板12の搬送と停止、各金型13の移動と停止及びプレス14の作動が順次行われ、鋼板12の中間部及び後端部における予定の加工位置に孔加工が施される。
【0031】
このとき、鋼板12の前端部がクランプ部46によってクランプされ、可動クランプ17の移動によって鋼板12は搬送されている。従って、鋼板12の後端部の孔加工は、可動クランプ17によって妨げられることなく施され、連結孔53を効率よく穿設することができる。
【0032】
図3に示すように、鋼板12の中間部及び後端部に孔加工が施されている際、停止アーム20は待機状態に移行され、次に加工する鋼板12が前工程から搬送されるとともに、搬入装置19の所定の位置で待機した状態となっている。
【0033】
一方、孔加工が完了した鋼板12は、ガイドロール52上に載置され、可動クランプ17によって搬出される。搬出された鋼板12はロール成形によって、形鋼に成形される。これらの形鋼は、四角枠状等の形状に配設され、パンチング装置11によって穿設された連結孔53にドリルねじが螺設されることによって、スチールハウス用の構造部材を構成することができる。このとき、鋼板12に穿設された連結孔53は、形鋼を配設する際の位置決め、ドリルねじを螺設する際の位置決め等の役割を果たすことができる。
【0034】
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態のパンチング装置11においては、上部ピンチローラ15と下部ピンチローラ16を備えている。そして、鋼板12は各ピンチローラ15、16によって搬送されている。従って、鋼板12はその前端部から送り出されるため、鋼板12の前端部をフリーな状態にすることができる。よって、各ピンチローラ15、16によって妨げられることなく、鋼板12の前端部に孔加工を施すことができる。また、鋼板12の後端部が孔加工される際には、鋼板12の前端部がクランプ部46によってクランプされて搬送されている。従って、可動クランプ17によって妨げられることなく、鋼板12の後端部に孔加工を施すことができる。さらに、鋼板12の前端部が孔加工される際には、各ピンチローラ15、16によって鋼板12は挟持された状態で停止され、鋼板12の後端部が孔加工される際には、クランプ部46によって鋼板12はクランプされた状態で停止されている。従って、予定の孔加工位置に対するパンチ38のヘッド部の位置決めを精度良く行うことができ、鋼板12の前端部及び後端部に連結孔53を精度良く穿設することができる。よって、鋼板12全体に連結孔53を容易かつ精度良く穿設することができる。さらに、連結孔53が端部に集中する形鋼用の鋼板12において、連結孔53を効率よく穿設することができる。
【0035】
・ この実施形態のパンチング装置11においては、鋼板12のY軸方向への移動を規制して、鋼板12の長さ方向の移動を案内するサイドロール48を備えている。このように構成した場合、従って、鋼板12のY軸方向への蛇行が抑制され、各ピンチローラ15、16によって鋼板12を安定して搬送することができる。
【0036】
・ この実施形態のパンチング装置11においては、プレス14には、プレス14の作動に伴って金型13を押圧可能な押圧プレート44が設けられている。また、これらの押圧プレート44はパンチ38のヘッド部を押圧可能な押圧位置と押圧不能な退避位置に移行可能となっている。このように構成した場合、1機のプレス14によって複数の金型13の中から作動させたい金型13を選択して操作することができる。従って、各金型13を1機のプレス14で操作できるため、各パンチ38の押圧力を一定に保つことができ、より精度良く孔加工を行うことができる。
【0037】
・ この実施形態のパンチング装置11においては、金型13はそれぞれ鋼板12のY軸方向に移動可能に設けられている。このように構成した場合、鋼板12の全幅に渡って孔加工を行うことができる。
【0038】
・ この実施形態のパンチング装置11においては、クランプ部46は鋼板12の前端部中央をクランプするように構成されている。このように構成した場合、1つのクランプ部46でも、鋼板12を安定して搬送することができる。また、各金型13をY軸方向に対向して配置した場合、対向する金型13と金型13の間をクランプ部46は移動することができる。従って、クランプ部46をX軸方向に容易に移動させることができる。
【0039】
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、各移動台26、27、28、29はY軸方向に対向して配設されることに伴って各金型13もY軸方向に対向して配置されている。しかし、各移動台26、27、28、29を千鳥状に配置させ、それに伴って各金型13を千鳥状に配置させてもよい。ただし、メンテナンスを容易に行えることから、各移動台26、27、28、29及び各金型13は対向して配置させた方が好ましい。
【0040】
・ 前記実施形態では、金型13は8台設置されているが、タクトタイム等を考慮して9台以上設置してもよく、7台以下設置してもよい。
・ 前記実施形態では、可動クランプ17はピン歯車及びラック機構によって駆動されているが、チェーン駆動、ベルト駆動等、他の駆動機構でもよい。しかし、可動クランプ17の位置決めの精度がよいことからピン歯車及びラックによる機構が好ましい。
【0041】
・ 前記実施形態では、押圧プレート44はスライド可能に設けられ、押圧位置と退避位置に移行されるようになっている。しかし、例えば半円板状の押圧プレートを回転可能に設けることによって、押圧プレートが押圧位置と退避位置に移行されるように構成してもよい。
【0042】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記ワークは住宅用の形鋼を形成するための鋼板であって、さらに、前記形鋼を連結するための連結孔の情報を制御する制御手段を備え、該制御手段によって前記鋼板に前記連結孔を穿設するように構成した請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のパンチング装置。このように構成した場合、スチールハウス等の住宅用の形鋼に用いられる鋼板に容易に連結孔を穿設することができるパンチング装置を提供することができる。
【0043】
(2) 前記クランプ手段はワークの前端部中央をクランプするように構成されている請求項1から請求項4及び上記(1)のいずれか一項に記載のパンチング装置。このように構成した場合、1つのクランプ手段によってワークを安定して搬送することができる。
【0044】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載のパンチング装置によれば、ワーク全体に孔を容易かつ精度良く穿設することができる。また、形鋼用の鋼板に連結孔を効率よく穿設することができる。
【0045】
請求項2に記載のパンチング装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、ワークを安定して搬送することができる。
請求項3に記載のパンチング装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、より精度良く孔加工を行うことができる。
【0046】
請求項4に記載のパンチング装置によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、ワークの全幅に渡って孔加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態におけるパンチング装置を示す側面図。
【図2】鋼板の前端部が孔加工されている状態を示す断面図。
【図3】鋼板の後端部が孔加工されている状態を示す断面図。
【図4】押圧装置を示す斜視図。
【符号の説明】
11…パンチング装置、12…ワークとしての鋼板、13…金型、14…プレス、15…ロール手段としての上部ピンチローラ、16…ロール手段としての下部ピンチローラ、17…クランプ手段としての可動クランプ、33…金型としての第1金型、34…金型としての第2金型、35…金型としての第3金型、36…金型としての第4金型、44…押圧部材としての押圧プレート、48…案内手段としてのサイドロール、53…孔としての連結孔。
Claims (4)
- 長尺状のワークに孔加工を施すための複数の金型と、該金型を押圧操作するためのプレスとを備えたパンチング装置において、
前記ワークを挟持し、回転動作によってワークを該ワークの長さ方向に搬送させるロール手段と、前記ワークをクランプして該ワークの長さ方向に往復移動可能なクランプ手段とを備え、前記ワークの前端部が孔加工される際には、前記ロール手段によって挟持された状態でワークは停止され、前記ワークの後端部が孔加工される際には、前記クランプ手段によってワークの前端部がクランプされた状態でワークは停止されていることを特徴とするパンチング装置。 - 前記ワークの幅方向への移動を規制して、ワークの長さ方向の移動を案内する案内手段を備えた請求項1に記載のパンチング装置。
- 前記プレスには、該プレスの作動に伴って前記金型を押圧可能な押圧部材が備えられ、さらに該押圧部材は前記金型を押圧可能な押圧位置と、押圧不能な退避位置とに移行可能であり、プレスが作動する際に押圧部材が移行することによって、複数の金型の中から押圧する金型を選択可能に構成した請求項1又は請求項2に記載のパンチング装置。
- 前記金型はそれぞれワークの幅方向に移動可能に設けられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパンチング装置。
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JP2002245436A JP3735331B2 (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | パンチング装置 |
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