JP2004081997A - フィルタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタエレメントの交換時期にはそのフィルタエレメントのみの交換が可能で、コア等は廃棄せずにそのままを再利用することができ、環境対策や省資源の点で有利となり、また使用時にはろ材の変形や破壊を防止することができるフィルタ装置を提供する。
【解決手段】筒状に形成されたろ材2の両端側の端面にエンドプレート3,4を取り付けてなるフィルタエレメント1a,1bと、このフィルタエレメント1a,1bに対してろ材2の内側に脱着可能に設けられるコアとしての内筒10と、各エンドプレート3,4に対してねじの螺合による締め込み結合手段を介してフィルタエレメント1a,1bの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能に結合され、この結合により内筒10と当接してろ材2の軸方向の動きを規制する端面プレート14,15とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】筒状に形成されたろ材2の両端側の端面にエンドプレート3,4を取り付けてなるフィルタエレメント1a,1bと、このフィルタエレメント1a,1bに対してろ材2の内側に脱着可能に設けられるコアとしての内筒10と、各エンドプレート3,4に対してねじの螺合による締め込み結合手段を介してフィルタエレメント1a,1bの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能に結合され、この結合により内筒10と当接してろ材2の軸方向の動きを規制する端面プレート14,15とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば油圧回路等の流体循環系において、その流体中の異物や混入物、汚染物質等を捕捉するために用いられるフィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のフィルタ装置は、流入口および流出口を備えるタンクの内部に収容して使用される。このフィルタ装置は、フィルタエレメントを備え、このフィルタエレメントは、例えばひだ折りされたろ紙あるいは不織布等を円筒状に形成してなるろ材と、このろ材の両端側の端面に取り付けられたエンドプレートとで構成されている。
【0003】
そしてフィルタエレメントには、ろ材の内側または外側、あるいはその双方に設けられる筒状のコアが備えられている。コアは、ろ材を保護してその変形を防止する部材で、ろ材の両端部に取り付けられたエンドプレート間に設けられている。
【0004】
流体循環系を流れる流体は、前記タンクの流入口からその内部に流入するとともに、フィルタエレメントのろ材を通過してタンクの流出口から流出する。そして、流体がろ材を通過する際に、その流体中の異物等がろ材により捕捉されて除去される。
【0005】
従来のフィルタエレメントは、ろ材の両端部にエンドプレートが接着剤により固定され、これらエンドプレート間にコアが設けられ、このコアの両端部が前記エンドプレートに接着剤で固定され、一体的なユニット品として組み立てられている。
【0006】
フィルタエレメントとしては、流体がろ材の外側から内側に向かって流れるタイプの場合と、流体がろ材の内側から外側に向かって流れるタイプの場合とがある。前者のタイプにおいては、ろ材の内側にコアとして内筒が設けられ、後者のタイプにおいては、ろ材の外側にコアとして外筒が設けられる。
【0007】
ろ材を通過するように流体が流れる際には、ろ材の外面側と内面側との間の圧力差により、ろ材の径方向にろ材を変形させる力が加わる。前者のタイプのフィルタエレメントでは、ろ材にその内側に向く力が加わるが、この力が前記内筒により受け止められてその変形や破壊が防止され、後者のタイプのフィルタエレメントでは、ろ材にその外側に向く力が加わるが、この力が前記外筒により受け止められてその変形や破壊が防止される。
また、流体が流れる際には、ろ材の外側と内側との間の圧力差でろ材にその軸方向に向く力が加わり、この軸方向の力でろ材が変形しようとするが、この軸方向の力はエンドプレート間に設けられた内筒あるいは外筒により受け止められ、その変形が防止される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のフィルタ装置においては、フィルタエレメントの交換時期がきたときにフィルタ装置をケース内から取り出し、フィルタエレメントをコアごと廃棄処分するようにしている。しかし最近においては、環境問題あるいは資源節約等の観点から、コアを廃棄せず、フィルタエレメントのみを廃棄することができるようなフィルタ装置が望まれている。
【0009】
この場合、フィルタエレメントに対してコアを分離可能に構成すればよいわけであるが、フィルタエレメントに対してコアが分離可能であると、その組立時のばらつきや、各部材自体の寸法上のばらつき等により、フィルタエレメントのエンドプレートとコアとの間に隙間が生じてしまうことがある。
従来のフィルタ装置のように、フィルタエレメントのエンドプレートにコアを接着剤で固定して一体的なユニットとして組み立てる場合には、各部材の寸法上のばらつきをその接着剤の塗布厚等で吸収することができるが、接着材を用いず、フィルタエレメントに対してコアを分離可能とする場合には、各部材の寸法上のばらつきでフィルタエレメントのエンドプレートとコアとの間に隙間が生じてしまうことがある。そしてこのような隙間が生じると、ろ材に軸方向の力が加わった際に、その隙間分、ろ材に圧縮や伸びが生じて変形したり破壊してしまう恐れがある。
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、フィルタエレメントの交換時期にはそのフィルタエレメントのみの交換が可能で、コア等は廃棄せずにそのままを再利用することができ、環境対策や省資源の点で有利となり、また使用時にはろ材の変形や破壊を防止することができるフィルタ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、筒状に形成されたろ材の両端側の端面にエンドプレートを取り付けてなるフィルタエレメントと、このフィルタエレメントに対して前記ろ材の周面に対向するように脱着可能に設けられる筒状のコアと、前記各エンドプレートに対して締め込み結合手段を介してフィルタエレメントの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能に結合され、この結合により前記コアと係合して前記ろ材の軸方向の動きを規制する端面プレートとを具備することを特徴としている。
【0011】
そして、請求項2の発明においては、前記フィルタエレメントを複数有し、これらフィルタエレメントが軸方向に連結するように互いに結合され、これらフィルタエレメントの周面に対向するようにコアが設けられ、連結された前記一端側のフィルタエレメントのエンドプレートおよび他端側のフィルタエレメントのエンドプレートにそれぞれ締め込み結合手段を介して端面プレートが結合され、これら端面プレートが前記コアに係合して前記各フィルタエレメントのろ材の軸方向の移動が規制されることを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明においては、前記締め込み結合手段が、前記エンドプレートに形成された雌ねじと、前記端面プレートに形成された雄ねじとの螺合により構成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項4の発明においては、前記コアが、フィルタエレメントのろ材の内周面に対向する内筒、またはろ材の外周面に対向する外筒、あるいはその内筒と外筒との双方により構成されていることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1にはこの発明の第1の実施形態の係るフィルタ装置Fを示してあり、このフィルタ装置Fにおいては、同一構造をなす2つのフィルタエレメント1a,1bが用いられている。
【0015】
図2には、その2つのフィルタエレメント1a,1bを切り離して単品とした状態を示してある。
【0016】
各フィルタエレメント1a,1bは、例えばひだ折りされたろ紙あるいは不織布等を円筒状に形成してなるろ材2と、このろ材2の両端側の端面に取り付けられたエンドプレート3,4とで構成されている。
【0017】
エンドプレート3,4はリング状をなし、ろ材2の端面に接着剤で固定されている。ろ材2の上端側の端面に取り付けられた上側のエンドプレート3には、内周面に雌ねじ5が形成され、ろ材2の下端側の端面に取り付けられた下側のエンドプレート4には、外周面に雄ねじ6が形成されている。
【0018】
そして一方のフィルタエレメント1aにおける下側のエンドプレート4の雄ねじ6が他方のフィルタエレメント1bにおける上側のエンドプレート3の雌ねじ5にねじ込まれ、その相互の締め付けにより一方のフィルタエレメント1aと他方のフィルタエレメント1bとが上下に重なるように互いに連結されている。
【0019】
互いに連結されたフィルタエレメント1a,1bの内側にはその両者のフィルタエレメント1a,1bに跨るようにコアとしての内筒10が脱着可能に挿入されている。
【0020】
図3には、フィルタエレメント1a,1b内から内筒10を取り出した状態を示してある。この内筒10は、フィルタエレメント1a,1bの各ろ材2の内周面にほぼ接して対向する円筒状をなし、その周面の全域には多数の小孔11が均一に形成されている。
【0021】
一方のフィルタエレメント1aにおける上側のエンドプレート3、および他方のフィルタエレメント1bにおける下側のエンドプレート4には、それぞれ端面プレート14,15が取り付けられている。
【0022】
図4には上側の端面プレート14をフィルタエレメント1aから取り外した状態を示してある。この上側の端面プレート14は平面形状が円形で、その外周面に段部17を有し、この段部17を境とする上部側の外周面に雄ねじ18が形成されている。そしてこの端面プレート14の下面の周縁部が押し部19となっている。
【0023】
端面プレート14の中央部には流通口20が形成され、この流通口20に対して安全弁としてのリリーフ弁21が設けられている。このリリーフ弁21は、端面プレート14に取り付けられた支持軸22と、この支持軸22に摺動自在に装着された弁体23と、この弁体23を弾性的に付勢したスプリング24とを有し、通常時には流通口20が弁体23で密閉され、流通口20内の圧力が一定以上の異常圧力に上昇したときに弁体23がスプリング24に抗して移動して流通口20が開放されて流体が流通するようになっている。また、端面プレート14の上面にはグリップ25が一体的に設けられている。
【0024】
図5には、下側の端面プレート15をフィルタエレメント1bから取り外した状態を示してある。この下側の端面プレート15は、円形の皿形状をなし、その周縁の立上り壁30の内周面に雌ねじ31が形成されている。そしてこの端面プレート15の中央部に開口32が形成されている。
【0025】
端面プレート15は、雌ねじ31を下側のエンドプレート4の雄ねじ6に螺合して締め込むことによりそのエンドプレート4に取り付けられている。すなわち、端面プレート15は、前記雌ねじ31と雄ねじ6とで構成される締め込み結合手段を介してフィルタエレメント1a,1bの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能にエンドプレート4に取り付けられている。そしてこの端面プレート15によりフィルタエレメント1a,1b内に挿入された前記内筒10が支持されている。
【0026】
また、上側の端面プレート14は、雄ねじ18を上側のエンドプレート3の雌ねじ5に螺合し、押し部19が前記内筒10の上端の端面に圧接するまで締め込むことによりそのエンドプレート3に取り付けられている。すなわち、端面プレート14は、前記雄ねじ18と雌ねじ5とで構成される締め込み結合手段を介してフィルタエレメント1a,1bの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能にエンドプレート3に取り付けられている。
【0027】
このように構成されたフィルタ装置Fは、図6に示すようにタンク35内に収容されて実際の使用に供される。タンク35は収容部36を有し、この収容部36内にフィルタ装置Fが収容されている。タンク35は、外部から収容部36内に通じる流入口37、および収容部36からタンク35内を経て外部に通じる流出口38を備えている。
【0028】
収容部36内に収容されたフィルタ装置Fは、下側の端面プレート15における開口32が流出口38に接続されて内筒10内がその流出口38を介してタンク35内に通じる状態となっている。
【0029】
収容部36の上端の開口部にはカバー40が複数のボルト41を介して脱着可能に取り付けられ、このカバー40の下面とフィルタ装置Fの上端との間にスプリング42が設けられ、このスプリング42によりフィルタ装置Fが下方に弾性的に押圧されている。フィルタ装置Fの下側の端面プレート15の周縁部にはパッキング43が装着され、このパッキング43が前記スプリング42による弾性力で収容部36の内底面に密着し、これによりフィルタ装置Fの外側と内側とが液密に保たれている。
【0030】
フィルタ装置Fの外側には流入口37から流体が順次流入する。そしてこの流体がフィルタ装置Fの各フィルタエレメント1a,1bにおけるろ材2および内筒10の小孔11を通してろ材2の内側に流入する。そして流体がろ材2を通過する際に、その流体中の異物等がろ材2により捕捉されて除去される。ろ材2の内側に流入した流体は、流出口38からタンク35内を経て外部に順次流出する。
【0031】
流体がフィルタ装置Fの外側から内側に流入する際には、その外側と内側との圧力差でろ材2に径方向に向く力、すなわちろ材2を径方向に圧縮させる力が加わるが、この力は内筒10により受け止められ、したがってろ材2の径方向の変形や破壊が防止される。
【0032】
また、流体がフィルタ装置Fの外側から内側に流入する際には、その外側と内側との圧力差でろ材2に軸方向の力、すなわちろ材2を軸方向に圧縮する力が加わる。
【0033】
ここで、ろ材2のエンドプレート3,4には端面プレート14,15がねじ込まれ、これら端面プレート14,15が内筒10に当接しており、このためろ材2に加わる軸方向の力は前記内筒10により受け止められ、したがってろ材2が圧縮されることはなく、ろ材2の変形や破壊が防止される。
【0034】
もし、フィルタ装置Fの組立上や寸法上のばらつきで端面プレート14の押し部19と内筒10の上端の端面との間に隙間が生じているような場合には、ろ材2に加わる軸方向の力で端面プレート14がその隙間分だけ下方に変位し、したがってろ材2が圧縮されて変形したり破壊されてしまう。
しかしながら、端面プレート14はエンドプレート3の雌ねじ5にねじ込まれ、また端面プレート15はエンドプレート4の雌ねじ6ねじ込まれてそれぞれエンドプレート3,4に結合されており、このためフィルタ装置Fに組立上や寸法上のばらつきがあっても、そのばらつきをそのねじ込み量により吸収してそのばらつきに拘わらず、端面プレート14,15を内筒10の端面に当接させてその間の隙間をなくすことができ、したがってフィルタ装置Fに組立上や寸法上のばらつきがあってもろ材2の軸方向の圧縮を抑えてその変形や破壊を防止することができる。
【0035】
一方、フィルタ装置Fの使用の経過に伴い、フィルタエレメント1a,1bにおけるろ材2の性能が低下してその交換時期がきたときには、まずボルト41を抜き取り、カバー40を外して収容部36内からフィルタ装置Fを取り出す。
【0036】
次に、フィルタ装置Fの各エンドプレート3,4にねじ込まれている端面プレート14,15をそれぞれ緩め方向に回してそのエンドプレート3,4から取り外す。さらに、フィルタエレメント1a,1b内に挿入されている内筒10を抜き取る。
【0037】
すなわち、フィルタ装置Fをフィルタエレメント1a,1bと各端面プレート14,15と内筒10とに分解する。そしてそのフィルタエレメント1a,1bのみを廃棄し、残りの端面プレート14,15と内筒10はそれぞれ洗浄して再利用する。
【0038】
このように、フィルタエレメント1a,1bが交換時期に達したときには、そのフィルタエレメント1a,1bのみを廃棄して端面プレート14,15および内筒10は廃棄せずにそのまま再利用することができ、このため廃棄物量を削減することができ、環境問題や資源節約等に有利となる。
【0039】
前記実施形態においては、2つのフィルタエレメント1a,1bを組み合わせて用いるようにしたが、図7に第2の実施形態として示すように、一つのフィルタエレメント1のみを用いることも可能である。
【0040】
この場合には、そのフィルタエレメント1の高さに応じる寸法の内筒10をその内側に挿入する。そして、フィルタエレメント1の下側のエンドプレート4に端面プレート15をねじ込んで取り付けるとともに、上側のエンドプレート3に端面プレート14をねじ込んで取り付け、これら端面プレート14,15で前記内筒10を挟み付けてフィルタ装置Fを構成する。
このような構成のフィルタ装置Fにおいても、前記実施形態の場合と同様の効果を奏する。
【0041】
図8には第3の実施形態を示してあり、この実施形態は流体がフィルタ装置Fの内側から外側に向かって流れる場合の例である。この場合のフィルタ装置Fにおいては、互いに連結されたフィルタエレメント1a,1bの外側に、その両者のフィルタエレメント1a,1bに跨るようにコアとしての外筒50が挿入されている。
【0042】
この外筒50は、フィルタエレメント1a,1bの各ろ材2の外面にほぼ接して対向する円筒状をなし、その周面に多数の小孔51がその全域に亘って均等的に形成されている。
【0043】
一方のフィルタエレメント1aにおける上側のエンドプレート3、および他方のフィルタエレメント1bにおける下側のエンドプレート4には、それぞれ端面プレート55,56が取り付けられている。
【0044】
端面プレート55の下面には、円環状の凹部57が形成され、この凹部57の周面に雄ねじ58が形成され、この雄ねじ58を上側のエンドプレート3の雌ねじ5に螺合して締め込むことにより端面プレート55がそのエンドプレート3に取り付けられている。
さらに、この端面プレート55の外周縁には下側に向って突出する周壁59が形成され、この周壁59の内面に雌ねじ60が形成されている。前記外筒50の上端部の外周面には雄ねじ61が形成され、この雄ねじ61が前記端面プレート55における周壁59の雌ねじ60に螺合されている。
【0045】
フィルタエレメント1bの下側に設けられた端面プレート56は、外周縁に上側に向って突出する周壁65を有し、この周壁65の内周面に雌ねじ66が形成されている。また、前記周壁65の内側には段部67が形成され、この段部67の内周面に雌ねじ68が形成されている。
【0046】
そして前記雌ねじ68を下側のエンドプレート4の雌ねじ6に螺合して締め込むことにより端面プレート56がそのエンドプレート4に取り付けられている。
前記外筒50の下端部の外周面には雄ねじ69が形成され、この雄ねじ69が前記端面プレート56における周壁65の雌ねじ66に螺合されている。
【0047】
このように構成されたフィルタ装置Fは、タンク35の収容部36内に収容される。この場合のタンク35は、収容部36の底部に流入口37を、周側部に流出口38を有し、流入口37がフィルタエレメント1a,1bの内部に通じ、収容部36内が流出口38を通して外部に通じている。
【0048】
フィルタ装置Fの内側には流入口37から流体が順次流入する。そしてこの流体がフィルタ装置Fの各フィルタエレメント1a,1bにおけるろ材2および外筒50の小孔51を通してろ材2の外側に流出する。流体がろ材2を通過する際には、その流体中の異物等がろ材2により捕捉されて除去される。ろ材2の外側に流出した流体は、流出口38から外部に順次流出する。
【0049】
流体がフィルタ装置Fの内側から外側に流出する際には、その内側と外側との圧力差でろ材2に径方向に向く力、すなわちろ材2を径方向に膨出させる力が加わるが、この力は外筒50により受け止められ、したがってろ材2の径方向の変形や破壊が防止される。
【0050】
また、流体がフィルタ装置Fの内側から外側に流出する際には、その内側と外側との圧力差でフィルタエレメント1a,1bのろ材2に軸方向の力、すなわちろ材2を伸長させる力が加わる。
【0051】
ここで、もしろ材2に加わる軸方向の伸長力で端面プレート55,56が上下に変位することがあれば、その変位でろ材2が軸方向に伸びるように変形したり破壊されてしまう。
【0052】
ところが、端面プレート55,56は外筒50によりその上下の動きが規制されており、したがって端面プレート55,56が上下に変位することがなく、このためろ材2の変形や破壊が防止される。
【0053】
端面プレート55,56はフィルタエレメント1a,1bのエンドプレート3,4および外筒50に対してねじの螺合による締め込み結合手段でそのエンドプレート3,4および外筒50に結合されており、このためフィルタ装置Fの組立上や寸法上のばらつきがあっても、それをそのねじ込み量で調整して吸収し、適正に組み立てることができる。
【0054】
一方、フィルタ装置Fの使用の経過に伴い、フィルタエレメント1a,1bにおけるろ材2の性能が低下してその交換時期がきたときには、まずボルト41を抜き取り、カバー40を外して収容部36内からフィルタ装置Fを取り出す。
【0055】
次に、フィルタ装置Fの各エンドプレート3,4にねじ込まれている端面プレート55,56をそれぞれ緩め方向に回してそのエンドプレート3,4から取り外す。端面プレート55,56を緩め方向に回したときには、端面プレート55,56と外筒50との結合も外れる。したがって、端面プレート55,56をエンドプレート3,4から取り外した後に、フィルタエレメント1a,1bの外周から外筒50を抜き取る。
【0056】
すなわち、フィルタ装置Fをフィルタエレメント1a,1bと各端面プレート55,56と外筒50とに分解する。そしてそのフィルタエレメント1a,1bのみを廃棄し、残りの端面プレート55,56と外筒50は洗浄して再利用する。
【0057】
このように、フィルタエレメント1a,1bが交換時期に達したときには、そのフィルタエレメント1a,1bのみを廃棄して端面プレート55,56および外筒50は廃棄せずにそのまま再利用することができ、このため廃棄物量を削減することができ、環境問題や資源節約等に有利となる。
【0058】
なお、前記各実施形態においては、フィルタエレメントのエンドプレートに対して、ねじの螺合による締め込み結合手段で端面プレートをそのフィルタエレメントの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能に結合するようにしたが、端面プレートをエンドプレートに回動しながら締め込んで結合させるバヨネット機構等の締め込み結合手段で端面プレートをエンドプレートに結合させるような場合であってもよい。
【0059】
また、コアとしての内筒や外筒は、フィルタエレメントの両端側に設けられるエンドプレートのいずれか一方に一体的に設けるような構成とすることも可能である。
【0060】
さらに、前記実施形態においては、フィルタエレメントの内側にコアとしての内筒を設ける場合か、あるいはフィルタエレメントの外側にコアとしての外筒を設ける場合かのいずれかとしたが、フィルタエレメントの内側と外側とにコアとしての内筒と外筒とを併せて設けるような構成とすることも可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、フィルタエレメントの交換時期にはそのフィルタエレメントのみの交換が可能で、コア等は廃棄せずにそのままを再利用することができ、環境対策や省資源の点で有利となり、またフィルタ装置の組立上や寸法上のばらつきがあっても、そのばらつきを締め込み結合手段により吸収し、ろ材の軸方向の動きを的確に規制してろ材の変形や破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置の組立状態の一部破断の正面図。
【図2】そのフィルタ装置におけるフィルタエレメントの一部破断の正面図。
【図3】そのフィルタ装置のフィルタエレメントから一方の端面プレートを取り外したときの状態を示す一部破断の正面図。
【図4】そのフィルタ装置のフィルタエレメントからコアとしての内筒を取り外したときの状態を示す一部破断の正面図。
【図5】そのフィルタ装置のフィルタエレメントから他方の端面プレートを取り外したときの状態を示す一部破断の正面図。
【図6】そのフィルタ装置をタンク内に収容した使用時の状態を示す断面図。
【図7】この発明の第2の実施形態に係るフィルタ装置を示す一部破断の正面図。
【図8】この発明の第3の実施形態に係るフィルタ装置の使用時の状態を示す断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b…フィルタエレメント
2…ろ材
3,4…エンドプレート
5…雌ねじ
6…雄ねじ
10…内筒
14,15…端面プレート
18…雄ねじ
31…雌ねじ
50…外筒
55,56…端面プレート
58…雄ねじ
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば油圧回路等の流体循環系において、その流体中の異物や混入物、汚染物質等を捕捉するために用いられるフィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のフィルタ装置は、流入口および流出口を備えるタンクの内部に収容して使用される。このフィルタ装置は、フィルタエレメントを備え、このフィルタエレメントは、例えばひだ折りされたろ紙あるいは不織布等を円筒状に形成してなるろ材と、このろ材の両端側の端面に取り付けられたエンドプレートとで構成されている。
【0003】
そしてフィルタエレメントには、ろ材の内側または外側、あるいはその双方に設けられる筒状のコアが備えられている。コアは、ろ材を保護してその変形を防止する部材で、ろ材の両端部に取り付けられたエンドプレート間に設けられている。
【0004】
流体循環系を流れる流体は、前記タンクの流入口からその内部に流入するとともに、フィルタエレメントのろ材を通過してタンクの流出口から流出する。そして、流体がろ材を通過する際に、その流体中の異物等がろ材により捕捉されて除去される。
【0005】
従来のフィルタエレメントは、ろ材の両端部にエンドプレートが接着剤により固定され、これらエンドプレート間にコアが設けられ、このコアの両端部が前記エンドプレートに接着剤で固定され、一体的なユニット品として組み立てられている。
【0006】
フィルタエレメントとしては、流体がろ材の外側から内側に向かって流れるタイプの場合と、流体がろ材の内側から外側に向かって流れるタイプの場合とがある。前者のタイプにおいては、ろ材の内側にコアとして内筒が設けられ、後者のタイプにおいては、ろ材の外側にコアとして外筒が設けられる。
【0007】
ろ材を通過するように流体が流れる際には、ろ材の外面側と内面側との間の圧力差により、ろ材の径方向にろ材を変形させる力が加わる。前者のタイプのフィルタエレメントでは、ろ材にその内側に向く力が加わるが、この力が前記内筒により受け止められてその変形や破壊が防止され、後者のタイプのフィルタエレメントでは、ろ材にその外側に向く力が加わるが、この力が前記外筒により受け止められてその変形や破壊が防止される。
また、流体が流れる際には、ろ材の外側と内側との間の圧力差でろ材にその軸方向に向く力が加わり、この軸方向の力でろ材が変形しようとするが、この軸方向の力はエンドプレート間に設けられた内筒あるいは外筒により受け止められ、その変形が防止される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のフィルタ装置においては、フィルタエレメントの交換時期がきたときにフィルタ装置をケース内から取り出し、フィルタエレメントをコアごと廃棄処分するようにしている。しかし最近においては、環境問題あるいは資源節約等の観点から、コアを廃棄せず、フィルタエレメントのみを廃棄することができるようなフィルタ装置が望まれている。
【0009】
この場合、フィルタエレメントに対してコアを分離可能に構成すればよいわけであるが、フィルタエレメントに対してコアが分離可能であると、その組立時のばらつきや、各部材自体の寸法上のばらつき等により、フィルタエレメントのエンドプレートとコアとの間に隙間が生じてしまうことがある。
従来のフィルタ装置のように、フィルタエレメントのエンドプレートにコアを接着剤で固定して一体的なユニットとして組み立てる場合には、各部材の寸法上のばらつきをその接着剤の塗布厚等で吸収することができるが、接着材を用いず、フィルタエレメントに対してコアを分離可能とする場合には、各部材の寸法上のばらつきでフィルタエレメントのエンドプレートとコアとの間に隙間が生じてしまうことがある。そしてこのような隙間が生じると、ろ材に軸方向の力が加わった際に、その隙間分、ろ材に圧縮や伸びが生じて変形したり破壊してしまう恐れがある。
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、フィルタエレメントの交換時期にはそのフィルタエレメントのみの交換が可能で、コア等は廃棄せずにそのままを再利用することができ、環境対策や省資源の点で有利となり、また使用時にはろ材の変形や破壊を防止することができるフィルタ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、筒状に形成されたろ材の両端側の端面にエンドプレートを取り付けてなるフィルタエレメントと、このフィルタエレメントに対して前記ろ材の周面に対向するように脱着可能に設けられる筒状のコアと、前記各エンドプレートに対して締め込み結合手段を介してフィルタエレメントの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能に結合され、この結合により前記コアと係合して前記ろ材の軸方向の動きを規制する端面プレートとを具備することを特徴としている。
【0011】
そして、請求項2の発明においては、前記フィルタエレメントを複数有し、これらフィルタエレメントが軸方向に連結するように互いに結合され、これらフィルタエレメントの周面に対向するようにコアが設けられ、連結された前記一端側のフィルタエレメントのエンドプレートおよび他端側のフィルタエレメントのエンドプレートにそれぞれ締め込み結合手段を介して端面プレートが結合され、これら端面プレートが前記コアに係合して前記各フィルタエレメントのろ材の軸方向の移動が規制されることを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明においては、前記締め込み結合手段が、前記エンドプレートに形成された雌ねじと、前記端面プレートに形成された雄ねじとの螺合により構成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項4の発明においては、前記コアが、フィルタエレメントのろ材の内周面に対向する内筒、またはろ材の外周面に対向する外筒、あるいはその内筒と外筒との双方により構成されていることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1にはこの発明の第1の実施形態の係るフィルタ装置Fを示してあり、このフィルタ装置Fにおいては、同一構造をなす2つのフィルタエレメント1a,1bが用いられている。
【0015】
図2には、その2つのフィルタエレメント1a,1bを切り離して単品とした状態を示してある。
【0016】
各フィルタエレメント1a,1bは、例えばひだ折りされたろ紙あるいは不織布等を円筒状に形成してなるろ材2と、このろ材2の両端側の端面に取り付けられたエンドプレート3,4とで構成されている。
【0017】
エンドプレート3,4はリング状をなし、ろ材2の端面に接着剤で固定されている。ろ材2の上端側の端面に取り付けられた上側のエンドプレート3には、内周面に雌ねじ5が形成され、ろ材2の下端側の端面に取り付けられた下側のエンドプレート4には、外周面に雄ねじ6が形成されている。
【0018】
そして一方のフィルタエレメント1aにおける下側のエンドプレート4の雄ねじ6が他方のフィルタエレメント1bにおける上側のエンドプレート3の雌ねじ5にねじ込まれ、その相互の締め付けにより一方のフィルタエレメント1aと他方のフィルタエレメント1bとが上下に重なるように互いに連結されている。
【0019】
互いに連結されたフィルタエレメント1a,1bの内側にはその両者のフィルタエレメント1a,1bに跨るようにコアとしての内筒10が脱着可能に挿入されている。
【0020】
図3には、フィルタエレメント1a,1b内から内筒10を取り出した状態を示してある。この内筒10は、フィルタエレメント1a,1bの各ろ材2の内周面にほぼ接して対向する円筒状をなし、その周面の全域には多数の小孔11が均一に形成されている。
【0021】
一方のフィルタエレメント1aにおける上側のエンドプレート3、および他方のフィルタエレメント1bにおける下側のエンドプレート4には、それぞれ端面プレート14,15が取り付けられている。
【0022】
図4には上側の端面プレート14をフィルタエレメント1aから取り外した状態を示してある。この上側の端面プレート14は平面形状が円形で、その外周面に段部17を有し、この段部17を境とする上部側の外周面に雄ねじ18が形成されている。そしてこの端面プレート14の下面の周縁部が押し部19となっている。
【0023】
端面プレート14の中央部には流通口20が形成され、この流通口20に対して安全弁としてのリリーフ弁21が設けられている。このリリーフ弁21は、端面プレート14に取り付けられた支持軸22と、この支持軸22に摺動自在に装着された弁体23と、この弁体23を弾性的に付勢したスプリング24とを有し、通常時には流通口20が弁体23で密閉され、流通口20内の圧力が一定以上の異常圧力に上昇したときに弁体23がスプリング24に抗して移動して流通口20が開放されて流体が流通するようになっている。また、端面プレート14の上面にはグリップ25が一体的に設けられている。
【0024】
図5には、下側の端面プレート15をフィルタエレメント1bから取り外した状態を示してある。この下側の端面プレート15は、円形の皿形状をなし、その周縁の立上り壁30の内周面に雌ねじ31が形成されている。そしてこの端面プレート15の中央部に開口32が形成されている。
【0025】
端面プレート15は、雌ねじ31を下側のエンドプレート4の雄ねじ6に螺合して締め込むことによりそのエンドプレート4に取り付けられている。すなわち、端面プレート15は、前記雌ねじ31と雄ねじ6とで構成される締め込み結合手段を介してフィルタエレメント1a,1bの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能にエンドプレート4に取り付けられている。そしてこの端面プレート15によりフィルタエレメント1a,1b内に挿入された前記内筒10が支持されている。
【0026】
また、上側の端面プレート14は、雄ねじ18を上側のエンドプレート3の雌ねじ5に螺合し、押し部19が前記内筒10の上端の端面に圧接するまで締め込むことによりそのエンドプレート3に取り付けられている。すなわち、端面プレート14は、前記雄ねじ18と雌ねじ5とで構成される締め込み結合手段を介してフィルタエレメント1a,1bの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能にエンドプレート3に取り付けられている。
【0027】
このように構成されたフィルタ装置Fは、図6に示すようにタンク35内に収容されて実際の使用に供される。タンク35は収容部36を有し、この収容部36内にフィルタ装置Fが収容されている。タンク35は、外部から収容部36内に通じる流入口37、および収容部36からタンク35内を経て外部に通じる流出口38を備えている。
【0028】
収容部36内に収容されたフィルタ装置Fは、下側の端面プレート15における開口32が流出口38に接続されて内筒10内がその流出口38を介してタンク35内に通じる状態となっている。
【0029】
収容部36の上端の開口部にはカバー40が複数のボルト41を介して脱着可能に取り付けられ、このカバー40の下面とフィルタ装置Fの上端との間にスプリング42が設けられ、このスプリング42によりフィルタ装置Fが下方に弾性的に押圧されている。フィルタ装置Fの下側の端面プレート15の周縁部にはパッキング43が装着され、このパッキング43が前記スプリング42による弾性力で収容部36の内底面に密着し、これによりフィルタ装置Fの外側と内側とが液密に保たれている。
【0030】
フィルタ装置Fの外側には流入口37から流体が順次流入する。そしてこの流体がフィルタ装置Fの各フィルタエレメント1a,1bにおけるろ材2および内筒10の小孔11を通してろ材2の内側に流入する。そして流体がろ材2を通過する際に、その流体中の異物等がろ材2により捕捉されて除去される。ろ材2の内側に流入した流体は、流出口38からタンク35内を経て外部に順次流出する。
【0031】
流体がフィルタ装置Fの外側から内側に流入する際には、その外側と内側との圧力差でろ材2に径方向に向く力、すなわちろ材2を径方向に圧縮させる力が加わるが、この力は内筒10により受け止められ、したがってろ材2の径方向の変形や破壊が防止される。
【0032】
また、流体がフィルタ装置Fの外側から内側に流入する際には、その外側と内側との圧力差でろ材2に軸方向の力、すなわちろ材2を軸方向に圧縮する力が加わる。
【0033】
ここで、ろ材2のエンドプレート3,4には端面プレート14,15がねじ込まれ、これら端面プレート14,15が内筒10に当接しており、このためろ材2に加わる軸方向の力は前記内筒10により受け止められ、したがってろ材2が圧縮されることはなく、ろ材2の変形や破壊が防止される。
【0034】
もし、フィルタ装置Fの組立上や寸法上のばらつきで端面プレート14の押し部19と内筒10の上端の端面との間に隙間が生じているような場合には、ろ材2に加わる軸方向の力で端面プレート14がその隙間分だけ下方に変位し、したがってろ材2が圧縮されて変形したり破壊されてしまう。
しかしながら、端面プレート14はエンドプレート3の雌ねじ5にねじ込まれ、また端面プレート15はエンドプレート4の雌ねじ6ねじ込まれてそれぞれエンドプレート3,4に結合されており、このためフィルタ装置Fに組立上や寸法上のばらつきがあっても、そのばらつきをそのねじ込み量により吸収してそのばらつきに拘わらず、端面プレート14,15を内筒10の端面に当接させてその間の隙間をなくすことができ、したがってフィルタ装置Fに組立上や寸法上のばらつきがあってもろ材2の軸方向の圧縮を抑えてその変形や破壊を防止することができる。
【0035】
一方、フィルタ装置Fの使用の経過に伴い、フィルタエレメント1a,1bにおけるろ材2の性能が低下してその交換時期がきたときには、まずボルト41を抜き取り、カバー40を外して収容部36内からフィルタ装置Fを取り出す。
【0036】
次に、フィルタ装置Fの各エンドプレート3,4にねじ込まれている端面プレート14,15をそれぞれ緩め方向に回してそのエンドプレート3,4から取り外す。さらに、フィルタエレメント1a,1b内に挿入されている内筒10を抜き取る。
【0037】
すなわち、フィルタ装置Fをフィルタエレメント1a,1bと各端面プレート14,15と内筒10とに分解する。そしてそのフィルタエレメント1a,1bのみを廃棄し、残りの端面プレート14,15と内筒10はそれぞれ洗浄して再利用する。
【0038】
このように、フィルタエレメント1a,1bが交換時期に達したときには、そのフィルタエレメント1a,1bのみを廃棄して端面プレート14,15および内筒10は廃棄せずにそのまま再利用することができ、このため廃棄物量を削減することができ、環境問題や資源節約等に有利となる。
【0039】
前記実施形態においては、2つのフィルタエレメント1a,1bを組み合わせて用いるようにしたが、図7に第2の実施形態として示すように、一つのフィルタエレメント1のみを用いることも可能である。
【0040】
この場合には、そのフィルタエレメント1の高さに応じる寸法の内筒10をその内側に挿入する。そして、フィルタエレメント1の下側のエンドプレート4に端面プレート15をねじ込んで取り付けるとともに、上側のエンドプレート3に端面プレート14をねじ込んで取り付け、これら端面プレート14,15で前記内筒10を挟み付けてフィルタ装置Fを構成する。
このような構成のフィルタ装置Fにおいても、前記実施形態の場合と同様の効果を奏する。
【0041】
図8には第3の実施形態を示してあり、この実施形態は流体がフィルタ装置Fの内側から外側に向かって流れる場合の例である。この場合のフィルタ装置Fにおいては、互いに連結されたフィルタエレメント1a,1bの外側に、その両者のフィルタエレメント1a,1bに跨るようにコアとしての外筒50が挿入されている。
【0042】
この外筒50は、フィルタエレメント1a,1bの各ろ材2の外面にほぼ接して対向する円筒状をなし、その周面に多数の小孔51がその全域に亘って均等的に形成されている。
【0043】
一方のフィルタエレメント1aにおける上側のエンドプレート3、および他方のフィルタエレメント1bにおける下側のエンドプレート4には、それぞれ端面プレート55,56が取り付けられている。
【0044】
端面プレート55の下面には、円環状の凹部57が形成され、この凹部57の周面に雄ねじ58が形成され、この雄ねじ58を上側のエンドプレート3の雌ねじ5に螺合して締め込むことにより端面プレート55がそのエンドプレート3に取り付けられている。
さらに、この端面プレート55の外周縁には下側に向って突出する周壁59が形成され、この周壁59の内面に雌ねじ60が形成されている。前記外筒50の上端部の外周面には雄ねじ61が形成され、この雄ねじ61が前記端面プレート55における周壁59の雌ねじ60に螺合されている。
【0045】
フィルタエレメント1bの下側に設けられた端面プレート56は、外周縁に上側に向って突出する周壁65を有し、この周壁65の内周面に雌ねじ66が形成されている。また、前記周壁65の内側には段部67が形成され、この段部67の内周面に雌ねじ68が形成されている。
【0046】
そして前記雌ねじ68を下側のエンドプレート4の雌ねじ6に螺合して締め込むことにより端面プレート56がそのエンドプレート4に取り付けられている。
前記外筒50の下端部の外周面には雄ねじ69が形成され、この雄ねじ69が前記端面プレート56における周壁65の雌ねじ66に螺合されている。
【0047】
このように構成されたフィルタ装置Fは、タンク35の収容部36内に収容される。この場合のタンク35は、収容部36の底部に流入口37を、周側部に流出口38を有し、流入口37がフィルタエレメント1a,1bの内部に通じ、収容部36内が流出口38を通して外部に通じている。
【0048】
フィルタ装置Fの内側には流入口37から流体が順次流入する。そしてこの流体がフィルタ装置Fの各フィルタエレメント1a,1bにおけるろ材2および外筒50の小孔51を通してろ材2の外側に流出する。流体がろ材2を通過する際には、その流体中の異物等がろ材2により捕捉されて除去される。ろ材2の外側に流出した流体は、流出口38から外部に順次流出する。
【0049】
流体がフィルタ装置Fの内側から外側に流出する際には、その内側と外側との圧力差でろ材2に径方向に向く力、すなわちろ材2を径方向に膨出させる力が加わるが、この力は外筒50により受け止められ、したがってろ材2の径方向の変形や破壊が防止される。
【0050】
また、流体がフィルタ装置Fの内側から外側に流出する際には、その内側と外側との圧力差でフィルタエレメント1a,1bのろ材2に軸方向の力、すなわちろ材2を伸長させる力が加わる。
【0051】
ここで、もしろ材2に加わる軸方向の伸長力で端面プレート55,56が上下に変位することがあれば、その変位でろ材2が軸方向に伸びるように変形したり破壊されてしまう。
【0052】
ところが、端面プレート55,56は外筒50によりその上下の動きが規制されており、したがって端面プレート55,56が上下に変位することがなく、このためろ材2の変形や破壊が防止される。
【0053】
端面プレート55,56はフィルタエレメント1a,1bのエンドプレート3,4および外筒50に対してねじの螺合による締め込み結合手段でそのエンドプレート3,4および外筒50に結合されており、このためフィルタ装置Fの組立上や寸法上のばらつきがあっても、それをそのねじ込み量で調整して吸収し、適正に組み立てることができる。
【0054】
一方、フィルタ装置Fの使用の経過に伴い、フィルタエレメント1a,1bにおけるろ材2の性能が低下してその交換時期がきたときには、まずボルト41を抜き取り、カバー40を外して収容部36内からフィルタ装置Fを取り出す。
【0055】
次に、フィルタ装置Fの各エンドプレート3,4にねじ込まれている端面プレート55,56をそれぞれ緩め方向に回してそのエンドプレート3,4から取り外す。端面プレート55,56を緩め方向に回したときには、端面プレート55,56と外筒50との結合も外れる。したがって、端面プレート55,56をエンドプレート3,4から取り外した後に、フィルタエレメント1a,1bの外周から外筒50を抜き取る。
【0056】
すなわち、フィルタ装置Fをフィルタエレメント1a,1bと各端面プレート55,56と外筒50とに分解する。そしてそのフィルタエレメント1a,1bのみを廃棄し、残りの端面プレート55,56と外筒50は洗浄して再利用する。
【0057】
このように、フィルタエレメント1a,1bが交換時期に達したときには、そのフィルタエレメント1a,1bのみを廃棄して端面プレート55,56および外筒50は廃棄せずにそのまま再利用することができ、このため廃棄物量を削減することができ、環境問題や資源節約等に有利となる。
【0058】
なお、前記各実施形態においては、フィルタエレメントのエンドプレートに対して、ねじの螺合による締め込み結合手段で端面プレートをそのフィルタエレメントの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能に結合するようにしたが、端面プレートをエンドプレートに回動しながら締め込んで結合させるバヨネット機構等の締め込み結合手段で端面プレートをエンドプレートに結合させるような場合であってもよい。
【0059】
また、コアとしての内筒や外筒は、フィルタエレメントの両端側に設けられるエンドプレートのいずれか一方に一体的に設けるような構成とすることも可能である。
【0060】
さらに、前記実施形態においては、フィルタエレメントの内側にコアとしての内筒を設ける場合か、あるいはフィルタエレメントの外側にコアとしての外筒を設ける場合かのいずれかとしたが、フィルタエレメントの内側と外側とにコアとしての内筒と外筒とを併せて設けるような構成とすることも可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、フィルタエレメントの交換時期にはそのフィルタエレメントのみの交換が可能で、コア等は廃棄せずにそのままを再利用することができ、環境対策や省資源の点で有利となり、またフィルタ装置の組立上や寸法上のばらつきがあっても、そのばらつきを締め込み結合手段により吸収し、ろ材の軸方向の動きを的確に規制してろ材の変形や破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置の組立状態の一部破断の正面図。
【図2】そのフィルタ装置におけるフィルタエレメントの一部破断の正面図。
【図3】そのフィルタ装置のフィルタエレメントから一方の端面プレートを取り外したときの状態を示す一部破断の正面図。
【図4】そのフィルタ装置のフィルタエレメントからコアとしての内筒を取り外したときの状態を示す一部破断の正面図。
【図5】そのフィルタ装置のフィルタエレメントから他方の端面プレートを取り外したときの状態を示す一部破断の正面図。
【図6】そのフィルタ装置をタンク内に収容した使用時の状態を示す断面図。
【図7】この発明の第2の実施形態に係るフィルタ装置を示す一部破断の正面図。
【図8】この発明の第3の実施形態に係るフィルタ装置の使用時の状態を示す断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b…フィルタエレメント
2…ろ材
3,4…エンドプレート
5…雌ねじ
6…雄ねじ
10…内筒
14,15…端面プレート
18…雄ねじ
31…雌ねじ
50…外筒
55,56…端面プレート
58…雄ねじ
Claims (4)
- 筒状に形成されたろ材の両端側の端面にエンドプレートを取り付けてなるフィルタエレメントと、
このフィルタエレメントに対して前記ろ材の周面に対向するように脱着可能に設けられる筒状のコアと、
前記各エンドプレートに対して締め込み結合手段を介してフィルタエレメントの軸方向に移動調整可能にかつ脱着可能に結合され、この結合により前記コアと係合して前記ろ材の軸方向の動きを規制する端面プレートと、
を具備することを特徴とするフィルタ装置。 - 前記フィルタエレメントを複数有し、これらフィルタエレメントが軸方向に連結するように互いに結合され、これらフィルタエレメントの周面に対向するようにコアが設けられ、連結された前記一端側のフィルタエレメントのエンドプレートおよび他端側のフィルタエレメントのエンドプレートにそれぞれ締め込み結合手段を介して端面プレートが結合され、これら端面プレートが前記コアに係合して前記各フィルタエレメントのろ材の軸方向の移動が規制されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
- 前記締め込み結合手段は、前記エンドプレートに形成された雌ねじと、前記端面プレートに形成された雄ねじとの螺合により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
- 前記コアは、フィルタエレメントのろ材の内周面に対向する内筒、またはろ材の外周面に対向する外筒、あるいはその内筒と外筒との双方により構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフィルタ装置。
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