JP2004080605A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】解像度が高く、簡単な構成で被写体から発せられる光を複数の波長帯域の光に確実に分光することによって、被写体から発せられる光から波長帯域毎の光に関する情報を取得可能な小型および低価格の撮像装置を提供する。
【解決手段】分光フィルタ板21に配置される複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の透光領域21R,21G,21B、および選択透光板22が有する複数の透光領域22R,22G,22Bのうち少なくとも一方において、各領域の境界に光を透過しない透光マスクMを設ける。そして、分光フィルタ板21および選択透光板22が、1/30秒間ずつRGBの各成分の光のみを順次透過させることによって、1/10秒毎に、被写体表面の色彩のうちのR色成分の輝度を示す画像データ、G色成分の輝度を示す画像データ、およびB色成分の輝度を示す画像データの3つの画像データの組を取得する。
【選択図】 図8
【解決手段】分光フィルタ板21に配置される複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の透光領域21R,21G,21B、および選択透光板22が有する複数の透光領域22R,22G,22Bのうち少なくとも一方において、各領域の境界に光を透過しない透光マスクMを設ける。そして、分光フィルタ板21および選択透光板22が、1/30秒間ずつRGBの各成分の光のみを順次透過させることによって、1/10秒毎に、被写体表面の色彩のうちのR色成分の輝度を示す画像データ、G色成分の輝度を示す画像データ、およびB色成分の輝度を示す画像データの3つの画像データの組を取得する。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体表面の色彩を反映した画像を取得する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
被写体を撮影して得られた画像を利用する際、例えば、モノクロ画像等、画像のトーンを白黒等の一色の濃淡のみを示す輝度情報だけで十分な場合と、被写体表面の色を分析する場合等、被写体表面から発せられる光を複数の波長帯域別の光の輝度情報として得た情報(以下、「分光情報」と称す)を必要とする場合とがある。
【0003】
しかし、前者の場合においては、画像を利用する用途は限られ、また、画像を取得した後に、被写体表面から発せられる光のうち特定の色の光についての輝度情報等、別の形式の情報を、何らかの画像処理を施すことによって、画像から抽出しようとする際に不利となる。
【0004】
一方、後者の場合における分光情報として最も身近で利用頻度の高い例はカラー情報である。例えば、被写体表面から発する光を、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の三原色、または、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)の三補色に対応する波長帯域別に分光し、撮影することによってカラー情報を取得すると、それらのカラー情報を統合して被写体に係るカラー情報を再構成すること等もできる。
【0005】
カラー情報、即ちカラー画像を実際に取得する方法として、現在最も広く一般的に採用されている方法は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等のカラーイメージセンサを使用する方法である。カラーイメージセンサは、入射した光を電気信号に変換する微小な光電変換セル(以下、「セル」と略称する)を多数配列し、各セルの前面に、RGBの三原色、または、CMYの三補色の各色の光を透過させる微小なフィルタをそれぞれ一つずつ設けたものである。したがって、カラーイメージセンサでは、各セルが特定の波長帯域の光、即ち、特定の色成分の光を検出するように作られているため、被写体表面の各点から発せられる光を、おおよそRGBの三原色等に分光して、分光情報を取得しているとみなすことができる。
【0006】
このカラーイメージセンサを用いる方法は、装置構成が簡単であるため、撮像装置の小型化を図ることができ、量産も容易に可能であるという長所がある。しかし、カラーイメージセンサを用いる方法には、以下に示す問題点がある。
【0007】
1つ目の問題点は、分光する波長帯域の数を増加させ難いという問題点である。この問題点について以下説明する。
【0008】
RGBの三原色、または、CMYの三補色に対応するカラーイメージセンサの場合、三つの波長帯域の各波長帯域の光をそれぞれ透過させる微小なフィルタは、4つのセルに割り当てて繰り返し並べられる配列、所謂、ベイヤー配列をとることが一般的である。そして、1つの波長帯域の光は、2セルに1セルの割合、または4セルに1セルの割合で検出される。しかし、例えば、分光する波長帯域の数を6つとすると、1つの波長帯域の光は、6セルに1セルの割合でしか検出されないこととなる等、分光する波長帯域の数を増加させるにつれて、所定の波長帯域の光を検出するセルの割合が低下する。したがって、分光する波長帯域の数を増加させると、解像度が著しく低下してしまうため、分光する波長帯域の数を増加させ難い。
【0009】
2点目の問題点は、イメージインテンシファイアを用いた高感度撮像装置等、被写体表面から発せられる光がカラーイメージセンサに到達する時点には、既に、被写体表面の色情報が不可避的に失われてしまうような装置構成になると、分光情報を取得することができないという問題点である。この問題点について以下説明する。
【0010】
イメージインテンシファイアを用いた高感度撮像装置では、まず対物レンズ系によって被写体表面から発する光をイメージインテンシファイアの光電面上に結像させる。光電面の各点では、結像される光のエネルギー密度に応じた数の電子を放出する。放出した電子は、光電面と蛍光面との間に設けられた電位差により、光電面から蛍光面に向けて加速されつつ進み、蛍光面に電子像が結ばれる。蛍光面の各点では、衝突した電子のエネルギー密度に応じた光が発生する。そして、蛍光面から発生した光に基づいて撮像素子が被写体表面に係る画像を取得する。
【0011】
しかし、蛍光面から発生する光は、蛍光面の材料に依拠した単一色の光であるため、撮像素子に入射する光は、被写体表面から直接発せられたものではなく、被写体表面の色情報を全く反映していない。したがって、このイメージインテンシファイアを用いた高感度撮像装置において、カラーイメージセンサを撮像素子として用いても被写体表面に係る分光情報を取得することができない。
【0012】
この2点目の問題点に対処するためには、被写体表面から発する光を分光する手段をイメージインテンシファイアよりも被写体表面側に設ける必要性がある。この対処法を実現するために、従来より以下に示す3つの技術(第1〜第3の従来技術)が提案されている。
【0013】
第1の従来技術では、撮像装置の光学系のいずれかの位置に互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類のフィルタを順次繰り返して挿入し、時間的に連続して各フィルタを透過する光に基づく画像を取得する。その後、各フィルタを透過する光に基づく画像を合成してカラー画像を生成する。この第6の従来技術は、例えば、特開昭62−1634号公報や特開平7−120324号公報で提案されている技術において利用されている。
【0014】
第2の従来技術では、複数の撮像装置を並列して配置し、各撮像装置の光学系に、互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させるフィルタを挿入して、各撮像装置において、同一の被写体に係る画像を、同時、または時間的に連続して取得する。その後、各撮像装置において取得した画像を合成してカラー画像を生成する。この第7の従来技術は、例えば、特開2002−27488公報で提案されている技術において利用されている。
【0015】
第3の従来技術では、イメージインテンシファイアの光電面の直前および蛍光面の直後に、複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の小領域が多数配列されたモザイク状のカラーフィルタを設ける。具体的には、光電面側のカラーフィルタの小領域を透過した光に基づいてイメージインテンシファイアから出力される光が、蛍光面側のカラーフィルタにおいて、光電面側の小領域が透過させる波長帯域の光と同様の波長帯域の光を透過させる小領域を透過するように、2つの同様なカラーフィルタを設置する。このような構成とすることで、蛍光面側のカラーフィルタを透過する光が被写体表面の色彩を再現する。この第8の従来技術は、例えば、特開平9−171787号公報で提案されている技術において利用されている。
【0016】
しかし、第1の従来技術では、複数種類のフィルタを設け、かつ、それらのフィルタを順次繰り返して光学系のいずれかの位置に挿入する機能も必要であるため、撮像装置の大型化、および消費エネルギーの増加を招く。
【0017】
また、第2の従来技術では、複数台の撮像装置が必要であるため、撮像システム全体の大型化、およびコストの上昇を招く。
【0018】
また、第3の従来技術では、2つのモザイク状のカラーフィルタを取り付ける際に、厳密な精度が要求され、例えば、取得される画像について、十分な解像度を確保するためにはμmオーダーの精度が必要となる。よって、取り付け精度の向上を図るための製作設備の高価格化と、歩留まりの低下とを避けることができないため、結果として著しい製品コストの上昇を招く。
【0019】
そこで、以上のような問題点を解決する技術としては、特開平6−141329号公報において提案されている技術が考えられる。この技術では、同心円状に中央からG,B,Rの各色の光を透過する各カラーフィルタが配置されるRGBフィルタと、RGBフィルタの各カラーフィルタを順次遮光する、各カラーフィルタの形状に対応した同心円状の遮光ユニットが配置される液晶フィルタ(以下、「遮光用LCD」と称する)とが、密接して撮影レンズ系の光軸前方に設けられる。そして、遮光用LCDによる各カラーフィルタの遮光状態の切り替えと、撮像素子であるCCDの撮像動作とが同期されるため、RGBの三原色の各色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データを順次取得することができる。
【0020】
そして、この技術では、分光する波長帯域の数を増加させても、解像度が低下するといった問題も生じず、イメージインテンシファイアを用いた高感度撮像装置においても、被写体表面から発する光を分光する手段をイメージインテンシファイアよりも被写体表面側に設けることができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−141329号公報において提案されている技術では、RGBフィルタにおいて被写体表面から発する光をRGBの三原色の各色の光に分光する機能(以下、「分光機能」と称する)を担う層と、遮光用LCDにおいて遮光する機能(以下、「遮光機能」と称する)を担う層とが完全に密着した状態とはなっていない。したがって、RGBの三原色の各色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データを順次取得する際に、RGBフィルタの各カラーフィルタの境界付近を透過するRGBの三原色の光が混じり合ってしまうといった問題点が生じる。この問題点について以下説明する。
【0022】
図16は、RGBの三原色の光が混じり合ってしまうといった従来技術における問題点を説明するための図である。なお、図16では、RGBフィルタ121と遮光用LCD122の一部の断面模式図を示しており、方向関係を明確とするためにX軸方向を付している。そして、図16では、図示を省略するが、RGBフィルタ121および遮光用LCD122の−X方向に撮像素子であるCCDが配置される。
【0023】
図16に示すように、RGBフィルタ121は、主に、ガラスやプラスチックなどの透光性素材で形成される板121Gと、その表面にコーティングや染色などを施すことによって形成される分光機能を担う層121Lとを有して構成される。また、遮光用LCD122は、一般的な透過型液晶パネルなどであるため、図16に示すように、主に、遮光機能を担う層122Lと、ガラス板などの透光性素材で形成される層122Gとを有して構成される。
【0024】
このように、RGBフィルタ121と遮光用LCD122の間には、例えば、ガラス板などが介在するため、RGBフィルタ121の層121Lと、遮光用LCD122の層122Lとを完全に密着させることは困難である。そして、層121Lと層122Lとの間には、間隔d0が発生する。一方、撮影レンズ系は、その名のとおり撮影目的の光学系であり、集光目的やコリメート目的で設計されるものではないため、RGBフィルタ121および遮光用LCD122に入射する光線は非平行となる。
【0025】
例えば、図16には、遮光用LCD122の遮光機能を担う層122Lが、ブルーの光を透過させる領域LBのみを透光状態とした場合において、領域LBと隣接する領域LGとの境界を通過する2つの光線L11,L12が示されている。なお、光線L11と光線L12は、被写体表面の異なる2点から発した光線である。
【0026】
図16に示すように、光線L11と光線L12は、領域LBが透光状態となるときに撮像素子の方向(−X方向)に進むが、遮光用LCD122への入射角度がそれぞれ異なる。よって、光線L11と光線L12が層121Lを通過する際の通過位置が異なることとなる。そして、図16に示すように、光線L11および光線L12は、それぞれ、RGBフィルタ121の層121Lにおいて、グリーンの光を透過するカラーフィルタ(以下、「グリーンフィルタ」)G、および、隣接するブルーの光を透過するカラーフィルタ(以下、「ブルーフィルタ」)Bを透過する。この結果、領域LBと領域LGとの境界付近を透過する光は、グリーンフィルタG、およびブルーフィルタBを透過するグリーンの光とブルーの光とが混じり合うこととなる。
【0027】
即ち、図16に示すように、特定の色成分の光(図16では、ブルーの光)を検出するために、領域LBが透光状態としたが、撮像素子に到達する光線には、RGBフィルタ121において隣接するカラーフィルタを透過する光(図16では、グリーンの光)が混入する。したがって、この技術では、被写体表面から発する光をRGBの三原色の各色の光に確実に分光することができない。
【0028】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、解像度が高く、簡単な構成で被写体から発せられる光を複数の波長帯域の光に確実に分光することによって、被写体から発せられる光から波長帯域毎の光に関する情報を取得可能な小型および低価格の撮像装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、被写体に係る画像を取得する撮像素子を有する撮像装置であって、複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の領域が配列されるフィルタと、前記フィルタに密接または近接されて配置され、複数の領域を有し、前記複数の領域の一部の領域を光が透過する状態とすることによって、前記複数種類の領域の一部の種類の領域を選択し、選択された領域を通して、前記被写体から発せられる光を前記撮像素子に結像させる選択透光手段と、前記フィルタに配置される前記複数種類の領域、および前記選択透光手段が有する前記複数の領域のうち少なくとも一方において、各領域の境界に設けられた光を透過しない遮光手段と、を備え、前記複数種類の領域から一部ずつの領域を時間順次に選択して、前記撮像素子から撮像データをそれぞれ得ることが可能であることを特徴とする。
【0030】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像装置であって、前記被写体から発せられる光を前記撮像素子に結像させるためのレンズ系を備え、前記フィルタおよび前記選択透光手段が、前記レンズ系の開口絞りの位置、または前記開口絞りの位置の近傍に設置されることを特徴とする。
【0031】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の撮像装置であって、前記選択透光手段が、開口絞りとして機能することを特徴とする。
【0032】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の撮像装置であって、前記選択透光手段が、強誘電性液晶パネル、および反強誘電性液晶パネルのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0033】
この明細書において、「信号強度」とは、光学像における輝度や照度のほか、電子像における電子線の強度等、画像の各部の濃淡を反映する信号情報一般を指す用語として使用する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
<1.第1実施形態>
<撮像システムの概要>
図1は本発明の第1実施形態に係る撮像システム1の構成概要を例示する模式図である。図1に示すように、撮像システム1は、撮像装置10、およびパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と略称する)100とを備えている。撮像装置10とパソコン100とは、ケーブルCB1によって電気的に接続され、撮像装置10とパソコン100とは相互にデータを送受信し合うことができる。なお、ここでは、ケーブルCB1によって電気的に接続したが、無線回線によって接続しても良いし、有線回線や無線回線等から構成されるネットワークを介して接続しても良い。
【0036】
撮像装置10は、主に撮影レンズ系20と箱形のカメラ本体部30とによって構成され、例えば、被写体表面の色を分析する色分析用のカメラ等として用いられる。また、撮像装置10は、被写体表面から発する光を複数種類の色に対応する波長帯域別に分光し、撮影することによってカラー情報を取得し、それらのカラー情報を統合してカラー画像データを生成する等、被写体に係るカラー情報から種々のデータ(以下、「カラー関係データ」と称す)を生成すること等ができる。なお、撮像装置10は本発明の特徴部分であるが、撮像装置10については後程詳述する。
【0037】
また、撮像装置10は、カラー情報に基づいて生成された種々のカラー関係データを、ケーブルCB1を介してパソコン100に送信する。
【0038】
パソコン100は、各種信号やデータの入出力を行うとともに各種データ処理等を行うパソコン本体部101と、種々の画像を可視的に出力するモニタ部102と、キーボードやマウス等によって構成される操作部103とを備えている。なお、図示を省略するが、パソコン本体部101とモニタ部102、パソコン本体部101と操作部103とは、各種信号やデータを互いに送受信可能となるように接続されている。
【0039】
パソコン本体部101は、撮像装置10の動作を制御したり、撮像装置10で生成されたカラー情報に係る種々のデータを取り扱う。ここでは、ユーザーが操作部103を種々操作することによって、パソコン本体部101からケーブルCB1を介して撮像装置10に種々の制御信号を送信することができる。例えば、パソコン本体部101からの制御信号によって、撮像装置10における撮影の開始や停止、被写体に係るカラー情報に基づいた種々のカラー関係データの生成等を制御することができる。
【0040】
また、パソコン本体部101は、ハードディスク(図示省略)を備えるとともに、前面に設けられた着装部104に光ディスクやメモリカード等の記憶媒体を着装することができる。そして、ユーザーが操作部103を操作することによって、撮像装置10からケーブルCB1を介して入力される種々のカラー関係データをハードディスクや記憶媒体に記憶することができる。
【0041】
パソコン100では、ユーザーが操作部103を操作することによって、撮像装置10からケーブルCB1を介して入力されるカラー関係データや、ハードディスクや記憶媒体に記憶されるカラー関係データを、直接または、パソコン本体部101においてデータ処理を施した後に、モニタ部102においてカラー関係データに基づくカラー画像、または種々の画像を可視的に出力することができる。
【0042】
また、パソコン100では、モニタ部102においてカラー関係データに基づく種々の画像を可視的に出力することによって、被写体表面の色彩の解析を行うことができる。例えば、被写体表面の色彩を複数種類の色のカラー情報として取得している場合は、モニタ部102に各色毎にヒストグラム(輝度分布)を表示させたりすることによって、被写体表面の色彩の解析を行うことができる。
【0043】
<撮像装置の要部構成>
図2は撮像装置10の要部構成を示す模式図である。なお、図2以降には方向関係を明確にするため、Z軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を必要に応じて付している。また、図2には撮影レンズ系20の光軸Lも記載している。
【0044】
上述したように、撮像装置10は主に撮影レンズ系20と箱形のカメラ本体部30とによって構成される。
【0045】
<撮影レンズ系>
図2に示すように、撮影レンズ系20には、分光フィルタ板21、選択透光板22、および開口絞り23が設けられている。分光フィルタ板21および選択透光板22はともに同様なYZ平面が略真円である薄い板状の部位であり、分光フィルタ板21と選択透光板22とは密接(貼り合わせた状態)または近接させて、被写体表面5に係る光線3L1の光路上に設けられている。
【0046】
開口絞り23は、撮影レンズ系20に入射する光線3L1の光線束の開き角を制限するものであり、この開口絞り23には、一般的な種々の絞りを適用することができる。また、分光フィルタ板21と選択透光板22は、開口絞り23が設けられているYZ平面の位置と略同一、または、その近傍に設けられている。
【0047】
以下、分光フィルタ板21と選択透光板22の詳細について説明する。
【0048】
<分光フィルタ板>
図3は分光フィルタ板21の外観を例示する斜視模式図である。図3に示すように、分光フィルタ板21はYZ平面が略真円である円盤状の形状を有している。そして、YZ平面について見ると、同心円状に3つの透光領域21R,21G,21Bに区切られており、中心から透光領域21R、透光領域21G、透光領域21Bの順に配列されている。
【0049】
透光領域21Rは、R(レッド)色の光を選択的に透過させる領域であり、透光領域21Gは、G(グリーン)色の光を選択的に透過させる領域であり、透光領域21Bは、B(ブルー)色の光を選択的に透過させる領域である。
【0050】
即ち、分光フィルタ板21は、複数の互いに異なる波長帯域の光(RGBの三原色の光)をそれぞれ透過させる複数種類の領域(透光領域21R,21G,21B)が配列されたフィルタとして機能する。
【0051】
なお、分光フィルタ板21の具体的な例としては、透明ガラス板上に複数のパターンのリング状のマスクを順次被せながら、RGBの三原色に対応するように顔料を調合して印刷することによって作製されるものや、RGBの三原色の光をそれぞれ透過させる3種類の板状の材料を切り出して、互いに組み合わせて作製されるもの等がある。
【0052】
また、分光フィルタ板21の作製に際して、透光領域21R,21G,21Bの各透光領域における光の透過率が略同一の場合は、各透光領域の面積は略同一とするのが好ましい。しかし、各透光領域を構成する材料によって、各透光領域における光の透過率が略同一とならない場合は、各透光領域を透過する光の光量を略同一とするために、各透光領域の面積を調整した方が好ましい。さらに、RGBの三原色のうち特にいずれかの色を重要視したい場合は、重要視したい色の光を選択的に透過する透光領域の面積を、他の透光領域の面積よりも相対的に大きくさせても良い。
【0053】
<選択透光板>
図4は選択透光板22の外観を例示する斜視模式図である。図4に示すように、選択透光板22はYZ平面が略真円である円盤状の形状を有している。そして、YZ平面について見ると、同心円状に3つの透光領域22R,22G,22Bに区切られており、中心から透光領域22R、透光領域22G、透光領域22Bの順に配列されている。そして、これらの透光領域22R,22G,22Bは、上述した分光フィルタ板21における透光領域21R,21G,21Bのそれぞれの形状および大きさと略一致する。
【0054】
つまり、ここでは、分光フィルタ板21と選択透光板22とが密接または近接して配置され、+X方向から見た場合、透光領域21Rと透光領域22Rとがほぼ完全に重なり合い、透光領域21Gと透光領域22Gとがほぼ完全に重なり合い、透光領域21Bと透光領域22Bとがほぼ完全に重なり合った状態となっている。
【0055】
また、選択透光板22は、後述するカメラ制御部37の制御によって送信される制御信号に基づいて、選択的に透光領域22R,22G,22Bのうちの任意の領域を光が遮られる遮光状態、または光が透過する透光状態とすることができる機能(以下、「透光切替機能」と称する)を有する。なお、このような選択透光板22の具体的な例としては、透過型液晶パネルを用いたもの等がある。
【0056】
図5から図7は、選択透光板22の透光切替機能を説明する斜視模式図である。図5は透光領域22G,22Bを遮光状態とし、透光領域22Rのみを透光状態とした状態を示しており、図6は透光領域22R,22Bを遮光状態とし、透光領域22Gのみを透光状態とした状態を示しており、図7は透光領域22R,22Gを遮光状態とし、透光領域22Bのみを透光状態とした状態を示している。
【0057】
図5に示すように、透光領域22Rのみを透光状態とした場合は、被写体表面5から発する光線3L1は、分光フィルタ板21を透過するが、選択透光板22において透光領域22Rのみが透光状態であるため、光線3L1のうち分光フィルタ板21の透光領域21Rを透過するR色の光線のみが、選択透光板22を透過して−X方向に進み、後述する撮像素子31にR色の光学像を結ぶ。
【0058】
また、図6に示すように、透光領域22Gのみを透光状態とした場合は、被写体表面5から発する光線3L1は、分光フィルタ板21を透過するが、選択透光板22において透光領域22Gのみが透光状態であるため、光線3L1のうち分光フィルタ板21の透光領域21Gを透過するG色の光線のみが、選択透光板22を透過して−X方向に進み、後述する撮像素子31にG色の光学像を結ぶ。
【0059】
また、図7に示すように、透光領域22Bのみを透光状態とした場合は、被写体表面5から発する光線3L1は、分光フィルタ板21を透過するが、選択透光板22において透光領域22Bのみが透光状態であるため、光線3L1のうち分光フィルタ板21の透光領域21Bを透過するB色の光線のみが、選択透光板22を透過して−X方向に進み、後述する撮像素子31にB色の光学像を結ぶ。
【0060】
即ち、選択透光板22は、フィルタ(分光フィルタ板21)に密接または近接されて配置され、複数の領域(透光領域22R,22G,22B)を有し、その複数の領域の一部の領域を光が透過する状態(透光状態)とすることによって、複数の互いに異なる波長帯域の光(RGBの三原色の光)をそれぞれ透過させる複数種類の領域(透光領域21R,21G,21B)の一部の種類の領域を選択し、選択された領域を通して、被写体表面5から発せられる光を撮像素子31に結像させる選択透光手段として機能する。
【0061】
また、撮影動作中には、透光切替機能によって、透光領域22R,22G,22Bの透光状態および遮光状態が毎秒30回のタイミングで切り替わる。つまり、例えば、図5に示す状態から図6に示す状態へ切り替わった1/30秒後に、図6に示す状態から図7に示す状態へ切り替わる。また、図6に示す状態から図7に示す状態へ切り替わった1/30秒後に、図7に示す状態から図5に示す状態へ切り替わる。さらに、図7に示す状態から図5に示す状態へ切り替わった1/30秒後に、図5に示す状態から図6に示す状態へ切り替わる。そして、このような図5に示す状態から図6に示す状態への切り替え、図6に示す状態から図7に示す状態への切り替え、および図7に示す状態から図5に示す状態への切り替えを順次繰り返す。
【0062】
なお、ここでは、図5から図7に示すように、選択透光板22によって、撮影レンズ系20内における、光が透過する経路(以下、「光の透過路」と称す)が遮光される。特に、図7に示すように、透光領域22R,22Gが遮光状態となっていると、光の透過路の中央が遮光され、選択透光板22を透過する光がリング状になる。しかし、ここでは、分光フィルタ板21および選択透光板22を、撮影レンズ系20の開口絞り23が設けられているYZ平面の位置と略同一、または、その近傍に設けており、一般的に、撮影レンズ系における開口絞りの形状が撮影における視野の形状に影響を及ぼさないという幾何光学の周知の事実と照らし合わせると、撮像素子31に結像される光学像には、光の透過路の中央の遮光部分の影がほとんど生じることなく、光の透過路の中央に遮光部分がない通常の光学像とほぼ同様な光学像が得られる。即ち、後述する撮像素子31において取得される画像データによって規定される画像についての”けられ”の発生を抑制することができる。
【0063】
<分光フィルタ板の隣接する透光領域を透過する光の混入防止>
図8は、図16に示した従来技術の問題点を解決するための方策を説明するための図である。なお、図8では、分光フィルタ板21および選択透光板22の周辺の一部分の断面を例示する模式図である。また、図8では、方向関係を示すためにX軸方向を示している。
【0064】
例えば、図8に示すように、分光フィルタ板21は、主に、被写体表面5から発する光を、RGBの三原色の光に分光する機能(以下、「分光機能」と称する)を担う層(以下、「分光層」と称する)21Lと、ガラス板21GAなどを備えて構成される。また、選択透光板22は、主に、透光切替機能を担う層(以下、「透光切替層」)22Lと、ガラス板22GAなどを備えて構成される。そして、図8に示すように、ガラス板21GA,22GAなどの存在によって、分光フィルタ板21と選択透光板22とを密接させても、分光層21Lと透光切替層22Lとを完全に密接させた状態とすることができない。よって、分光層21Lと透光切替層22Lとの間には間隔dが生じる。
【0065】
また、図8には、一例として、透光領域22Gのみを透光状態とした場合において、透光領域22Gと隣接する透光領域22Bとの境界を通過する2つの光線L1,L2が示されている。
【0066】
光線L1と光線L2は、被写体表面5の異なる2点から発した光線であり、互いに相反する方向に最大の入射角を持つものである。即ち、光線L1と光線L2の各々を発した被写体表面5における点(以下、「起点」と称する)が撮影視野において互いに最も離れて位置する関係にあるものとする。なお、このような関係にあるものは、一般的には、撮影される矩形の画像における対角の頂点に、光線L1と光線L2の各々の起点が存在している。
【0067】
このとき、光線L1のB色成分が透光領域21Bを透過して、透光領域22Bと透光領域22Gとの境界に達する。一方、光線L2のG色成分が透光領域21Gを透過して、透光領域22Bと透光領域22Gとの境界に達する。そして、仮に、分光層21Lと透光切替層22Lとの間に何も設けなければ、光線L1と光線L2との間を進む光線が、透光領域21Bを透過して透光領域22Gに到達したり、透光領域21Gを透過して透光領域22Bに達したりすることとなる。
【0068】
即ち、特定の色成分の光(図8では、G色の光)を検出するために、透光領域22Gを透光状態としたが、撮像素子31に到達する光線には、分光フィルタ板21において隣接する領域を透過する光(図8では、B色の光)が混入するといった問題が生じる。
【0069】
このような問題を防ぐために、撮像装置10では、例えば、図8に示すように、分光フィルタ板21における分光層21Lの各透光領域21R,21G,21Bの各境界に遮光マスクMを設けている。以下、各透光領域21R,21G,21Bの各境界に設けるべき遮光マスクMの幅について説明する。なお、ここでは、説明を簡単とするために、分光層21Lと透光切替層22Lの厚みを極めて薄いものと仮定し、遮光マスクMの厚みが極めて薄く、分光フィルタ板21と選択透光板22とがほぼ密着していると見なせるとした場合を例にとって説明する。
【0070】
ここで、X軸と光線L1とがなす角度をθ1、X軸と光線L2とがなす角度をθ2とすると、光線L1および光線L2それぞれの分光層21Lに対する入射位置の距離Wは、下式(1)で表される。
【0071】
W=d・(tanθ1+tanθ2) ・・・(1)。
【0072】
したがって、ここでは、各透光領域21R,21G,21Bの各境界に設けるべき遮光マスクMの幅は、上式(1)の距離W以上であることが要求される。但し、分光フィルタ板21と選択透光板22との間に空気の層など異なる屈折率を持つ媒質が介在する場合などには、上式(1)に加えて、光線L1および光線L2の屈折の影響を考慮する必要性がある。
【0073】
なお、上式(1)では、透光領域22Gと透光領域22Bとの境界に設けられる遮光マスクMの幅を示すが、透光領域22Gと透光領域22Rとの境界に設けられる遮光マスクMの幅についても、上式(1)のθ1,θ2の数値を変更することによって求めることができる。
【0074】
また、ここでは、図8に示したように、遮光マスクMを分光層21Lの上に被せるように設ける場合を示したが、遮光マスクMの設置面はこれに限られるものではない。例えば、選択透光板22の−X方向の面Pなど他の面にも設けることができる。そのときの遮光マスクMの幅は、上述した方法と同様な方法によって導き出すことができる。さらに、遮光マスクMを分光層21Lに含めたものとしても良いし、遮光マスクMの機能と同様な機能を透光切替層22Lに含めたものでも良い。特に、遮光マスクMの機能と同様な機能を透光切替層22Lに含めた場合では、単に、透光領域22R,22G,22Bの設定を変更するのみで良いため、容易に、分光フィルタ板21において隣接する領域を透過する光が混入するのを防ぐことができる。
【0075】
即ち、遮光マスクMが、分光フィルタ板21に配置される複数種類の領域(透光領域21R,21G,21B)、および選択透光板22が有する複数の領域(透光領域22R,22G,22B)のうち少なくとも一方において、各領域の境界に設けられた光を透過しない遮光する手段として機能する。
【0076】
<カメラ本体部>
図2に示すように、カメラ本体部30は、主に、撮像素子31、画像処理機能部32、カメラ制御部37によって構成されている。
【0077】
撮像素子31は、例えば、一般的なCCDイメージセンサ、或いはCMOSイメージセンサ等の素子となっており、例えば、毎秒30フレーム分の画像データを取得することができる。この画像データの取得のタイミングは、カメラ制御部37によって、選択透光板22の透光切替機能の切り替えタイミングと同期づけられている。つまり、撮像素子31の撮像面には、RGBの三原色の各色の光線が1/30秒毎に切り替わりながら照射され、R色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データと、G色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データと、B色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データとが、時間的に連続して取得される。
【0078】
即ち、ここでは、カメラ制御部37の制御の下で、選択透光板22が、複数の互いに異なる波長帯域の光(RGBの三原色の光)をそれぞれ透過させる複数種類の領域(透光領域21R,21G,21B)から一部ずつの領域を時間順次に選択することによって、撮像素子31から画像データ等の撮像データをそれぞれ得ることができる。
【0079】
撮像素子31の撮像面では、略同一の光電変換セルが縦横に1280×960個のマトリクス配列を形成しており、撮像面上には入射してきた光を分光する機能を有するカラーフィルタ層が設けられていない。つまり、撮像素子31は、いわゆるモノクロ撮影用の素子である。よって、ここでは、撮影レンズ系20を透過して撮像素子31に結像された光学像(以下、「撮影光学像」と称す)を、常に全ての光電変換セルにおいて画像信号に光電変換して色彩に係る情報を有しない画像データを取得することができる。
【0080】
なお、上述したように、撮像素子31の撮像面では、光電変換セルが縦横に1280×960個のマトリクス配列を形成しているが、これに限られるものではなく、例えば、2560×1920個のマトリクス配列を形成するなど、その他の配列を形成しても良い。以下、撮像面において光電変換セルが縦横に1280×960個のマトリクス配列を形成している場合を例にとって説明を続ける。
【0081】
このように、撮像素子31はモノクロ撮影用の素子であるため、撮像素子31において取得される画像データは、1フレームのみに注目すると、被写体表面5の色彩を反映したものとなっていない。しかし、時系列で見ると、上述したように、RGBの三原色の各色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データを1/30秒毎に順次取得する。
【0082】
つまり、撮像素子31では1/10秒毎に、被写体表面5の色彩のうちのR色成分の輝度を示す画像データ(以下、「R色画像データ」と称す)、被写体表面5の色彩のうちのG色成分の輝度を示す画像データ(以下、「G色画像データ」と称す)、被写体表面5の色彩のうちのB色成分の輝度を示す画像データ(以下、「B色画像データ」と称す)の3つの画像データの組を取得する。
【0083】
したがって、ここでは、被写体表面5の各点から発せられる光を、おおよそRGBの三原色に分光して画像データを取得しているとみなすことができる。
【0084】
撮像素子31で取得された画像データは画像処理機能部32のA/D変換部33に出力される。
【0085】
以下、画像処理機能部32の機能構成について説明する。
【0086】
A/D変換部33は、撮像素子31から入力される画像データを例えば1画素あたり10ビットのデジタル画像データに変換する。A/D変換部33から出力されるデジタル画像データは、フレームメモリ部34へ記憶される。
【0087】
フレームメモリ部34は、撮像素子31で取得され、上記のA/D変換が施されたデジタル画像データを一時的に記憶するメモリである。フレームメモリ部34は、撮像素子31で取得されてA/D変換された3種類の画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)を、RGBの三原色の光の輝度を示すデータとしてそれぞれ別々に記憶する。
【0088】
つまり、フレームメモリ部34は、R色画像データをR色の光の輝度を示すデータとして記憶するR色メモリ34R、G色画像データをG色の光の輝度を示すデータとして記憶するG色メモリ34G、B色画像データをB色の光の輝度を示すデータとして記憶するB色メモリ34Bの3つのメモリを備えて構成される。なお、3つのメモリ(R色メモリ34R、G色メモリ34G、B色メモリ34B)はそれぞれ、1280×960画素分の画素データを1フレーム分記憶することができる。
【0089】
言い換えれば、フレームメモリ部34では、3つのカラーメモリ(R色メモリ34R、G色メモリ34G、B色メモリ34B)に、被写体表面5の色彩をRGBの三原色に分光した結果が、それぞれ記憶されていることとなる。
【0090】
なお、ここでは、後述するカメラ制御部37において、選択透光板22の透光切替機能を制御することによって、どのタイミングで、RGBの三原色のいずれの色の光学像に基づいた画像データを取得するのかを制御しているため、カメラ制御部37の制御の下で、画像データが3つのカラーメモリ(R色メモリ34R、G色メモリ34G、B色メモリ34B)に順次記憶される。
【0091】
データ合成部35は、フレームメモリ部34に格納された3種類の画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)を合成処理して、被写体表面5の色彩を反映した1280×960画素分の画素データからなる1フレーム分のカラー画像データを生成する。
【0092】
また、データ合成部35は、生成されるカラー画像データを、NTSC方式等のアナログ画像信号としたり、ビットマップ形式、JPEG形式、MPEG方式等のようなデジタル画像データとしたりして、出力I/F36、ケーブルCB1を介してパソコン100に出力することができる。
【0093】
カメラ制御部37は、主にマイクロコンピュータ(CPU)からなり、選択透光板22、撮像素子31、画像処理機能部32の各部等の駆動を有機的に制御して、選択透光板22の透光切替機能、撮像素子31の撮像タイミング、画像処理機能部32におけるカラー画像データの生成および出力動作等を統括制御するものである。なお、カメラ制御部37の機能は、CPUにおいてプログラムによって実現される。
【0094】
<撮像装置の撮影動作>
図9は、撮像装置10の撮影動作の動作フローを示すフローチャートである。まず、ユーザーがパソコン100の操作部103を種々操作すると、カメラ制御部37の制御の下で、撮像装置10の撮影動作が開始し、図9のステップS1に進む。
【0095】
ステップS1では、図5に示すように、選択透光板22の透光領域22Rのみを透光状態とし、透光領域22G,22Bを遮光状態として、ステップS2に進む。
【0096】
ステップS2では、R色画像データを取得し、ステップS3に進む。ここでは、透光領域22Rを透過した光線が撮像素子31の撮像面に照射され、撮像素子31が被写体表面5の色彩のうちのR色成分の輝度を示す画像データを取得して、フレームメモリ部34のR色メモリ34Rに記憶する。
【0097】
ステップS3では、図6に示すように、選択透光板22の透光領域22Gのみを透光状態とし、透光領域22R,22Bを遮光状態として、ステップS4に進む。
【0098】
ステップS4では、G色画像データを取得し、ステップS5に進む。ここでは、透光領域22Gを透過した光線が撮像素子31の撮像面に照射され、撮像素子31が被写体表面5の色彩のうちのG色成分の輝度を示す画像データを取得して、フレームメモリ部34のG色メモリ34Gに記憶する。
【0099】
ステップS5では、図7に示すように、選択透光板22の透光領域22Bのみを透光状態とし、透光領域22R,22Gを遮光状態として、ステップS6に進む。
【0100】
ステップS6では、B色画像データを取得し、ステップS7に進む。ここでは、透光領域22Bを透過した光線が撮像素子31の撮像面に照射され、撮像素子31が被写体表面5の色彩のうちのB色成分の輝度を示す画像データを取得して、フレームメモリ部34のB色メモリ34Bに記憶する。
【0101】
ステップS7では、ステップS2,S4,S6のそれぞれで取得された3種類の画像データを合成してカラー画像データを生成して、出力し、ステップS8に進む。ここでは、ステップS2で取得されたR色画像データ、ステップS4で取得されたG色画像データ、ステップS6で取得されたB色画像データを合成してカラー画像データを生成して、NTSC方式等のアナログ画像信号としたり、ビットマップ形式、JPEG形式、MPEG方式等のようなデジタル画像データとしたりして、出力I/F36、ケーブルCB1を介してパソコン100に出力する。
【0102】
ステップS8では、撮影動作が終了したか否かを判別する。ここでは、ユーザーがパソコン100の操作部103を操作することによって、撮像装置10の撮影動作を終了させるための制御信号(以下、「撮影終了信号」と称す)がカメラ制御部37に入力されたか否かを判別し、撮影終了信号が入力されていれば撮影動作を終了し、撮影終了信号が入力されていなければ、ステップS1に戻って、ステップS1からステップS8までの動作を行う。
【0103】
以上、第1実施形態に係る撮像装置10では、RGBの三原色の光(複数の互いに異なる波長帯域の光)をそれぞれ透過させる3種類の透光領域(透光領域21R,21G,21B)から一部ずつの透光領域を時間順次に選択し、その選択された透光領域を通して、被写体表面5から発せられる光を撮像素子31に結像させて、画像データ等の撮像データをそれぞれ得る。このように、1つの撮像装置1の撮影レンズ系20の内部に分光フィルタ板21と選択透光板22とを組み込むだけなので、簡単な構成とすることができる。また、各色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)を取得する際に、撮像素子31の全ての光電変換セルが寄与するため、解像度を高くすることができる。さらに、上述した第3の従来技術のように、作製時に厳密な精度を必要としないため、撮像装置の作製が容易となり、製品コストの上昇を抑制することができる。
【0104】
また、分光フィルタ板21の各透光領域21R,21G,21Bの境界に対して、遮光マスクMを設けることなどによって、分光フィルタ板21の隣接する透光領域を透過する光が混入するという問題を防止することができる。
【0105】
したがって、解像度が高く、簡単な構成で被写体から発せられる光を複数の波長帯域の光に確実に分光することによって、被写体から発せられる光から波長帯域毎の光に関する情報を取得可能な小型および低価格の撮像装置を提供することができる。
【0106】
<2.第2実施形態>
第1実施形態に係る撮像システム1では、撮像装置10において、撮影レンズ系20を透過した被写体から発せられる光を撮像素子31に直接照射して、画像データを取得したが、第2実施形態に係る撮像システム1Aでは、撮像装置10Aに、撮影レンズ系20を透過した被写体表面5から発せられる光を増強する素子としてイメージインテンシファイア40を構成に加え、高感度化を図ったものである。
【0107】
図10は、第2実施形態に係る撮像装置10Aの要部構成を示す模式図である。図10に示すように、第2実施形態に係る撮像装置10Aは、第1実施形態に係る撮像装置10にイメージインテンシファイア40とリレー光学系50を追加したものである。したがって、ここでは、主に第1実施形態に係る撮像装置10と異なる部分を説明し、第1実施形態に係る撮像装置10と同様な部分については、同様な符号を付して説明を省略する。
【0108】
なお、第2実施形態に係る撮像装置10Aにおける撮影動作は、第1実施形態に係る撮像装置10と全く同様となるため、この点についても、ここでは説明を省略する。
【0109】
図10に示すように、被写体表面5から発する光は、撮影レンズ系20を透過して、イメージインテンシファイア40に照射される。
【0110】
<イメージインテンシファイア>
図10に示すように、イメージインテンシファイア40は、照射される光のエネルギー密度に応じた電子を放出する光電面41と、衝突する電子のエネルギーに応じた光を発生させる蛍光面43とを有している。そして、光電面41と蛍光面43との間には蛍光面43側の電位が相対的に高くなるように電位差が設定されている。また、光電面41と蛍光面43との間には電子レンズ42が設けられており、電子レンズ42と蛍光面43との間には蛍光面43側の電位が相対的に高くなるように電位差が設定されている。
【0111】
被写体表面5から発した光線3L1は撮影レンズ系20により、カメラ本体部30A内の光電面41の+X方向の面上に結像される。そして、光電面41の−X方向の面上の各点では、結像した光のエネルギー密度に応じた数の電子3Eを放出する。
【0112】
電子3Eは、光電面41と蛍光面43との間の電位差によって、光電面41から蛍光面43に向けて加速されつつ進み、電子レンズ42による偏向を受けて、蛍光面43の+X方向の面上に電子像が結ばれる。蛍光面43の−X方向の面上の各点では、衝突した電子3Eのエネルギー密度に応じた光線3L2が発生する。
【0113】
光線3L2は、光学レンズ等で構成されるリレー光学系50によって、撮像素子31の撮像面に結像され、撮像素子31において被写体表面5に係る画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)を第1実施形態と同様に順次取得する。
【0114】
なお、リレー光学系50は、光学レンズ等で構成されるものに限られず、蛍光面43の−X方向の面上から出力される光線3L2を撮像素子31に対して直接伝達する光ファイバの束等によって構成される部材等であっても良い。
【0115】
イメージインテンシファイア40では、電子3Eが加速によってエネルギーを付与されるため、電子3Eについて、加速によってエネルギーが増加した分だけ、最初に光電面41に入射した光の信号強度としての輝度よりも蛍光面43で発生する光の信号強度としての輝度の方が高くなる。したがって、撮像装置10Aは高感度化を図ることができる。
【0116】
なお、イメージインテンシファイア40は、被写体表面5から発する光の信号強度としての輝度を増強することができるが、イメージインテンシファイア40の構成としては、これに限られるものではなく、電子レンズ42を省略したり、あるいは光学像の信号強度としての輝度を増強する度合い(増倍率)をさらに高めるためにマイクロチャンネルプレート(図示省略)と呼ばれる電子増倍機構を加えたりするもの等であっても良い。
【0117】
以上、第2実施形態に係る撮像装置10Aでは、撮影レンズ系20を透過した被写体から発せられる光を増強する素子としてイメージインテンシファイア40を構成に加えることにより、解像度が高く、簡単な構成で被写体から発せられる光を複数の波長帯域の光に確実に分光することによって、被写体から発せられる光から波長帯域毎の光に関する情報を取得可能な小型および低価格の撮像装置を提供することができるとともに、高感度化を図ることができる。
【0118】
<3.変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0119】
◎例えば、上述した実施形態では、透光領域22R,22G,22Bのうち1つの透光領域ずつ順番に透光状態として3つの画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)を取得したが、これに限られるものではなく、例えば、透光領域22R,22G,22Bのうち2つの透光領域ずつ順番に透光状態として画像データを取得しても良い。また、透光領域22R,22G,22Bの全ての透光領域を透光状態として、画像データを取得することもできる。
【0120】
具体的には、透光領域22R,22Gの2つの透光領域を透光状態として、被写体表面5の色彩のうちのY(イエロー)色成分の輝度を示す画像データ(以下、「Y色画像データ」と称す)を取得し、透光領域22G,22Bの2つの透光領域を透光状態として、被写体表面5の色彩のうちのC(シアン)色成分の輝度を示す画像データ(以下、「C色画像データ」と称す)を取得し、透光領域22R,22Bの2つの透光領域を透光状態として、被写体表面5の色彩のうちのM(マジェンタ)色成分の輝度を示す画像データ(以下、「M色画像データ」と称す)を順番に取得しても良い。
【0121】
◎また、上述した実施形態では、図3および図4に示すような分光フィルタ板21および選択透光板22を用いたが、分光フィルタおよび選択透光板の透光領域の配列を種々変更したものを用いても良い。
【0122】
図11から図13および図15は分光フィルタ板と選択透光板の組合せの4つの変形例を示す斜視模式図である。なお、分光フィルタ板と選択透光板は、実際には、密接または近接して配置されるが、ここでは、説明を容易とするために、分光フィルタ板211〜214と選択透光板221〜224とを分離して図示し、撮影レンズ系20の光軸Lを付している。また、ここでは、遮光マスクMの図示は省略する。
【0123】
1つ目の変形例について説明する。
【0124】
図11に示すように、分光フィルタ板211は、YZ平面について見ると、Y軸に沿って周期的にRGBの三原色の光をそれぞれ透過させる透光領域211R,211G,211Bが繰り返し並べられた縞状パターンを有する。
【0125】
選択透光板221は、YZ平面について見ると、透光領域221R,221G,221Bが繰り返し並べられた縞状パターンを有する。そして、これらの透光領域221R,221G,221Bは、上述した分光フィルタ板211における透光領域211R,211G,211Bのそれぞれの形状および大きさと略一致する。
【0126】
つまり、ここでは、分光フィルタ板211と選択透光板221とが密接または近接して配置され、+X方向から見た場合、透光領域211Rと透光領域221Rとがほぼ完全に重なり合い、透光領域211Gと透光領域221Gとがほぼ完全に重なり合い、透光領域211Bと透光領域221Bとがほぼ完全に重なり合った状態となっている。
【0127】
そして、選択透光板221は、カメラ制御部37の制御によって送信される制御信号に基づいて、選択的に透光領域221R,221G,221Bのうちの任意の領域を光が遮られる遮光状態、または光が透過する透光状態とすることができる透光切替機能を有する。
【0128】
2つ目の変形例について説明する。
【0129】
図12に示すように、分光フィルタ板212は、YZ平面について見ると、RGBの三原色の光をそれぞれ透過させる略同一形状である多数の略正方形の小さな透光領域(透光領域212R,212G,212B)が縦横に繰り返してマトリクス配列されている構造となっている。
【0130】
選択透光板222は、YZ平面について見ると、透光領域222R,222G,222Bが繰り返し並べられたモザイク状のパターンを有する。そして、これらの透光領域222R,222G,222Bは、上述した分光フィルタ板212における透光領域212R,212G,212Bのそれぞれの形状および大きさと略一致する。
【0131】
つまり、ここでは、分光フィルタ板212と選択透光板222とが密接または近接して配置され、+X方向から見た場合、透光領域212Rと透光領域222Rとがほぼ完全に重なり合い、透光領域212Gと透光領域222Gとがほぼ完全に重なり合い、透光領域212Bと透光領域222Bとがほぼ完全に重なり合った状態となっている。
【0132】
そして、選択透光板222は、カメラ制御部37の制御によって送信される制御信号に基づいて、選択的に透光領域222R,222G,222Bのうちの任意の領域を光が遮られる遮光状態、または光が透過する透光状態とすることができる透光切替機能を有する。
【0133】
3つ目の変形例について説明する。
【0134】
図13に示すように、分光フィルタ板213は、YZ平面について見ると、同心円状にRGBの三原色の光をそれぞれ透過させる複数種類の透光領域213R,213G,213Bが繰り返して配列されるように区切られている。そして、中心から透光領域213R、透光領域213G、透光領域213Bの順に繰り返して配列されている構造となっている。
【0135】
選択透光板223は、YZ平面について見ると、同心円状に複数種類の透光領域223R,223G,223Bが繰り返して配列されるように区切られている。そして、中心側から透光領域223R、透光領域223G、透光領域223Bの順に繰り返して配列されている構造となっている。そして、これらの透光領域223R,223G,223Bは、上述した分光フィルタ板213における透光領域213R,213G,213Bのそれぞれの形状および大きさと略一致する。
【0136】
つまり、ここでは、分光フィルタ板213と選択透光板223とが密接または近接して配置され、+X方向から見た場合、透光領域213Rと透光領域223Rとがほぼ完全に重なり合い、透光領域213Gと透光領域223Gとがほぼ完全に重なり合い、透光領域213Bと透光領域223Bとがほぼ完全に重なり合った状態となっている。
【0137】
そして、選択透光板223は、カメラ制御部37の制御によって送信される制御信号に基づいて、選択的に透光領域223R,223G,223Bのうちの任意の領域を光が遮られる遮光状態、または光が透過する透光状態とすることができる透光切替機能を有する。
【0138】
さらに、図14に示すように、選択透光板223は、周縁側から所定の数の透光領域223R,223G,223Bを常に遮光状態とすることで、選択透光板223が開口絞りとしての機能も果たすことができる。
【0139】
例えば、図14(a)に示すように、周縁側の3箇所の透光領域(透光領域223R,223G,223Bの各1領域ずつ)を常に遮光状態として撮影した場合は、開口絞りが比較的開いた状態での撮影となる。また、図14(b)に示すように、周縁側の6箇所の透光領域(透光領域223R,223G,223Bの各2領域ずつ)を常に遮光状態として撮影した場合は、開口絞りが比較的開いた状態での撮影となる。
【0140】
したがって、図14に示すような選択透光板223は、開口絞りとしての機能を果たすことができる。したがって、このような構成とすることによって、図2で示した開口絞り23が不要となり、撮像装置の部品点数を少なくすることができるため、撮像装置のさらなる低価格化を図ることができる。
【0141】
なお、図14では、分光フィルタ板213および選択透光板223は、ともに9つの透過領域にしか分割されていないが、R色画像データ、G色画像データ、B色画像データを取得する際の被写界深度の変化の影響を抑制するといった観点からすると、より多くの透過領域に細かく分割した方が好ましい。
【0142】
4つ目の変形例について説明する。
【0143】
図15に示すように、分光フィルタ板214は、YZ平面について見ると、分光フィルタ板214の中心から放射状に描かれる直線によって区切られ、RGBの三原色の光をそれぞれ透過させる3つの同様な扇型の透光領域214R,214G,214Bが配列されている。
【0144】
選択透光板224は、YZ平面について見ると、選択透光板224の中心から放射状に描かれる直線によって区切られる3つの同様な扇型の透光領域224R,224G,224Bが配列されている。そして、これらの透光領域224R,224G,224Bは、上述した分光フィルタ板214における透光領域214R,214G,214Bのそれぞれの形状および大きさと略一致する。
【0145】
つまり、ここでは、分光フィルタ板214と選択透光板224とが密接または近接して配置され、+X方向から見た場合、透光領域214Rと透光領域224Rとがほぼ完全に重なり合い、透光領域214Gと透光領域224Gとがほぼ完全に重なり合い、透光領域214Bと透光領域224Bとがほぼ完全に重なり合った状態となっている。
【0146】
そして、選択透光板224は、カメラ制御部37の制御によって送信される制御信号に基づいて、選択的に透光領域224R,224G,224Bのうちの任意の領域を光が遮られる遮光状態、または光が透過する透光状態とすることができる透光切替機能を有する。
【0147】
図15に示すような分光フィルタ板214と選択透光板224の組合せとすると、透光領域214R,214G,214Bおよび透光領域224R,224G,224Bはそれぞれ、撮影レンズ系20の光軸Lに対する位置関係および形状が同様となっている。このような構造とすると、R色画像データ、G色画像データ、B色画像データをそれぞれを取得する場合に生じる撮影レンズ系20の収差による影響(種々の収差の差等)を抑制することができる。
【0148】
なお、図15では、YZ平面について見ると、分光フィルタ板214および選択透光板224を、中心から放射状に描かれる直線によって区切られる3つの同様な扇型の透光領域に区切ったが、これに限られるものではなく、例えば、中心から放射状に描かれる直線によって区切られる6つの同様な扇型の透光領域に区切っても良いし、中心から放射状に描かれる直線によって区切られる9つの同様な扇型の透光領域に区切っても良い。
【0149】
◎また、上述した実施形態では、撮像装置10,10Aにおいて取得されたR色画像データ、G色画像データ、B色画像データを合成してカラー画像データを生成していたが、これに限られるものではなく、例えば、R色画像データ、G色画像データ、B色画像データをそのままパソコン100等の外部機器に出力するようなものであっても良い。
【0150】
◎また、上述した実施形態では、被写体表面5側から分光フィルタ板21,211〜214、選択透光板22,221〜224の順に配置していたが、これに限られるものではなく、被写体表面5側から選択透光板22,221〜224、分光フィルタ板21,211〜214の順に配置するようなものであっても良い。
【0151】
◎また、上述した実施形態では、分光フィルタ板21,211〜214と選択透光板22,221〜224とは別々のものとしていたが、これに限られるものではなく、例えば、選択透光板22,221〜224の表面にRGBの三原色に対応するように顔料を調合して印刷したり、透過型のカラー液晶を用いる等することによって、分光フィルタ板21,211〜214と選択透光板22,221〜224との機能を1つの部材で果たすようにしても良い。
【0152】
したがって、分光フィルタ板21,211〜214と選択透光板22,221〜224とを別々のものとしていた場合には、分光フィルタ板21,211〜214と選択透光板22,221〜224とを精密に配置しなければならないが、分光フィルタ板21,211〜214と選択透光板22,221〜224との機能を1つの部材で果たすような構成にすることによって、製造が容易となるとともに、部品点数を削減することもできる。
【0153】
◎また、上述した実施形態では、分光フィルタ板21,211〜214および選択透光板22,221〜224を、撮影レンズ系20の開口絞り23が設けられているYZ平面の位置と略同一、または、その近傍に設けていたが、これに限られるものではなく、撮影レンズ系20のいずれかの位置であれば、分光フィルタ板21,211〜214および選択透光板22,221〜224とを近接または密接させたまま、光軸Lに沿って+Xまたは−X方向に所定の距離だけずらした位置に、分光フィルタ板21,211〜214および選択透光板22,221〜224を設けるようにしても良い。
【0154】
しかしながら、上述したように、撮影レンズ系における開口絞りの形状が撮影における視野の形状に影響を及ぼさないという幾何光学の周知の事実を加味して、撮像素子31で取得される画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)によって規定される画像についての”けられ”の発生を抑制するといった観点からすると、分光フィルタ板21,211〜214および選択透光板22,221〜224とを撮影レンズ系20の開口絞り23が設けられているYZ平面の位置の近傍に設置する方が好ましく、さらに、分光フィルタ板21,211〜214および選択透光板22,221〜224を撮影レンズ系20の開口絞り23が設けられているYZ平面と略同一の位置に設置する方が好ましい。
【0155】
◎また、上述した実施形態では、複数種類の色に対応する波長帯域の光として、RGBの三原色に対応する波長帯域の光を用いていたが、これに限られるものではなく、例えば、CMYの三補色に対応する波長帯域の光であっても良いし、4色以上に対応する波長帯域の光であっても良い。
【0156】
なお、ここでは、複数種類の色に対応する波長帯域の光として、4色以上に対応する波長帯域の光を適用しても、撮像素子31では、各色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データを取得する際に、全ての光電変換セルが寄与する。つまり、複数種類の色に対応する波長帯域の数を増加させても、撮像素子31で所定の波長帯域の光を検出する光電変換セルの割合が低下することがないため、解像度の低下を抑制することができる。したがって、分光する波長帯域の数を増加させ易くなっていると言える。
【0157】
◎また、上述した実施形態では、複数の互いに異なる波長帯域として、RGBの三原色などの可視光線の波長帯域を対象としていたが、これに限られるものではなく、複数の互いに異なる波長帯域として、赤外線や紫外線などの可視光線以外の波長帯域も対象としても良い。例えば、複数の互いに異なる波長帯域の光が、赤外線と紫外線と可視光線に対応する3つの波長帯域の光であっても良い。
【0158】
◎また、上述した実施形態では、透光切替機能により、透光領域における透光状態および遮光状態が毎秒30回のタイミングで切り替わって、毎秒30フレーム分の画像データが取得されたが、これに限られるものではなく、例えば、透光領域における透光状態および遮光状態が毎秒60回のタイミングで切り替わって、毎秒60フレーム分の画像データが取得されるようにしても良いし、透光領域における透光状態および遮光状態がその他のタイミングで切り替わって、そのタイミングに従って画像データが取得されても良い。
【0159】
◎また、本発明の実施形態に係る撮像装置10では、複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の領域から一部ずつの領域を時間順次に選択することによって、撮像素子31から画像データ等の撮像データをそれぞれ得る。したがって、すべての波長帯域に関する一そろいの撮像データを短時間で取得するためには、選択透光板22における透光切替機能の切り替えを出来る限り高速に行う必要がある。
【0160】
例えば、複数の互いに異なる波長帯域の数を6つとした場合、6つの波長帯域すべてに関する一そろいの撮像データの取得を、一般的なビデオレートである約33msで実施しようとすると、個々の波長帯域の光の露光に充てられる時間は、単純計算で約5msとなる。このとき、透光切替機能の切り替えに許容される時間は、大きく見積もっても1ms程度以下でなければならないと考えられる。現在のところ、ON−OFF間の切り替えが1ms以下であるような高速応答性を有する液晶パネルは種類が限られており、強誘電性液晶パネル、または、反強誘電性液晶パネルがそれに該当する。
【0161】
そこで、選択透光板22に、強誘電性液晶パネル、または、反強誘電性液晶パネルを用いることで、短時間で多くの撮像データを取得することができるとともに、すべての波長帯域に関する一そろいの撮像データを短時間で取得することができる。このような液晶パネルを用いることは、特に、複数の互いに異なる波長帯域の数を増加させた際に、すべての波長帯域に関する一そろいの撮像データを短時間で取得したい場合に有効である。
【0162】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、フィルタに配置される複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の領域、および選択透光手段が有する複数の領域のうち少なくとも一方において、各領域の境界に光を透過しない透光手段を設け、フィルタに配置される複数種類の領域から一部ずつの領域を時間順次に選択し、その選択された領域を通して、被写体から発せられる光を撮像素子に結像させて、撮像データをそれぞれ得るような構成とすることにより、解像度が高く、簡単な構成で被写体から発せられる光を複数の波長帯域の光に確実に分光することによって、被写体から発せられる光から波長帯域毎の光に関する情報を取得可能な小型および低価格の撮像装置を提供することができる。
【0163】
また、請求項2の発明によれば、複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の領域が配列されるフィルタと、そのフィルタに密接または近接されて配置され、フィルタにおける複数種類の領域から一部ずつの領域を時間順次に選択し、その選択された領域を通して、被写体から発せられる光を撮像素子に結像させる選択透光手段とが、被写体から発する光を撮像素子に結像させるためのレンズ系の開口絞りの位置、またはその開口絞りの位置の近傍に設置されるような構成とすることによって、得られる画像についてのけられの発生を抑制することができる。
【0164】
また、請求項3の発明によれば、選択透光手段が開口絞りとして機能するような構成とすることによって、撮像装置の部品点数を少なくすることができるため、さらなる低価格化を図ることができる。
【0165】
また、請求項4の発明によれば、選択透光手段に、強誘電性液晶パネルや、反強誘電液晶パネルを用いるような構成とすることによって、短時間で多くの撮像データを取得することができるとともに、すべての波長帯域に関する一そろいの撮像データを短時間で取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像システムの構成概要を例示する模式図である。
【図2】図1に示す撮像装置システムに含まれる撮像装置の要部構成を示す模式図である。
【図3】分光フィルタ板の外観を例示する斜視模式図である。
【図4】選択透光板の外観を例示する斜視模式図である。
【図5】選択透光板の透光切替機能を説明する斜視模式図である。
【図6】選択透光板の透光切替機能を説明する斜視模式図である。
【図7】選択透光板の透光切替機能を説明する斜視模式図である。
【図8】従来技術の問題点を解決するための方策を説明するための図である。
【図9】撮像装置の撮影動作の動作フローを示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る撮像装置の要部構成を示す模式図である。
【図11】分光フィルタ板と選択透光板の組合せの変形例を示す斜視模式図である。
【図12】分光フィルタ板と選択透光板の組合せの変形例を示す斜視模式図である。
【図13】分光フィルタ板と選択透光板の組合せの変形例を示す斜視模式図である。
【図14】選択透光板の開口絞りとしての機能を説明する模式図である。
【図15】分光フィルタ板と選択透光板の組合せの変形例を示す斜視模式図である。
【図16】従来技術における問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1,1A 撮像システム
10,10A 撮像装置
20 撮影レンズ系
21,211〜214 分光フィルタ板
22,221〜224 選択透光板
23 開口絞り
30,30A カメラ本体部
31 撮像素子
40 イメージインテンシファイア
100 パソコン
M 遮光マスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体表面の色彩を反映した画像を取得する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
被写体を撮影して得られた画像を利用する際、例えば、モノクロ画像等、画像のトーンを白黒等の一色の濃淡のみを示す輝度情報だけで十分な場合と、被写体表面の色を分析する場合等、被写体表面から発せられる光を複数の波長帯域別の光の輝度情報として得た情報(以下、「分光情報」と称す)を必要とする場合とがある。
【0003】
しかし、前者の場合においては、画像を利用する用途は限られ、また、画像を取得した後に、被写体表面から発せられる光のうち特定の色の光についての輝度情報等、別の形式の情報を、何らかの画像処理を施すことによって、画像から抽出しようとする際に不利となる。
【0004】
一方、後者の場合における分光情報として最も身近で利用頻度の高い例はカラー情報である。例えば、被写体表面から発する光を、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の三原色、または、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)の三補色に対応する波長帯域別に分光し、撮影することによってカラー情報を取得すると、それらのカラー情報を統合して被写体に係るカラー情報を再構成すること等もできる。
【0005】
カラー情報、即ちカラー画像を実際に取得する方法として、現在最も広く一般的に採用されている方法は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等のカラーイメージセンサを使用する方法である。カラーイメージセンサは、入射した光を電気信号に変換する微小な光電変換セル(以下、「セル」と略称する)を多数配列し、各セルの前面に、RGBの三原色、または、CMYの三補色の各色の光を透過させる微小なフィルタをそれぞれ一つずつ設けたものである。したがって、カラーイメージセンサでは、各セルが特定の波長帯域の光、即ち、特定の色成分の光を検出するように作られているため、被写体表面の各点から発せられる光を、おおよそRGBの三原色等に分光して、分光情報を取得しているとみなすことができる。
【0006】
このカラーイメージセンサを用いる方法は、装置構成が簡単であるため、撮像装置の小型化を図ることができ、量産も容易に可能であるという長所がある。しかし、カラーイメージセンサを用いる方法には、以下に示す問題点がある。
【0007】
1つ目の問題点は、分光する波長帯域の数を増加させ難いという問題点である。この問題点について以下説明する。
【0008】
RGBの三原色、または、CMYの三補色に対応するカラーイメージセンサの場合、三つの波長帯域の各波長帯域の光をそれぞれ透過させる微小なフィルタは、4つのセルに割り当てて繰り返し並べられる配列、所謂、ベイヤー配列をとることが一般的である。そして、1つの波長帯域の光は、2セルに1セルの割合、または4セルに1セルの割合で検出される。しかし、例えば、分光する波長帯域の数を6つとすると、1つの波長帯域の光は、6セルに1セルの割合でしか検出されないこととなる等、分光する波長帯域の数を増加させるにつれて、所定の波長帯域の光を検出するセルの割合が低下する。したがって、分光する波長帯域の数を増加させると、解像度が著しく低下してしまうため、分光する波長帯域の数を増加させ難い。
【0009】
2点目の問題点は、イメージインテンシファイアを用いた高感度撮像装置等、被写体表面から発せられる光がカラーイメージセンサに到達する時点には、既に、被写体表面の色情報が不可避的に失われてしまうような装置構成になると、分光情報を取得することができないという問題点である。この問題点について以下説明する。
【0010】
イメージインテンシファイアを用いた高感度撮像装置では、まず対物レンズ系によって被写体表面から発する光をイメージインテンシファイアの光電面上に結像させる。光電面の各点では、結像される光のエネルギー密度に応じた数の電子を放出する。放出した電子は、光電面と蛍光面との間に設けられた電位差により、光電面から蛍光面に向けて加速されつつ進み、蛍光面に電子像が結ばれる。蛍光面の各点では、衝突した電子のエネルギー密度に応じた光が発生する。そして、蛍光面から発生した光に基づいて撮像素子が被写体表面に係る画像を取得する。
【0011】
しかし、蛍光面から発生する光は、蛍光面の材料に依拠した単一色の光であるため、撮像素子に入射する光は、被写体表面から直接発せられたものではなく、被写体表面の色情報を全く反映していない。したがって、このイメージインテンシファイアを用いた高感度撮像装置において、カラーイメージセンサを撮像素子として用いても被写体表面に係る分光情報を取得することができない。
【0012】
この2点目の問題点に対処するためには、被写体表面から発する光を分光する手段をイメージインテンシファイアよりも被写体表面側に設ける必要性がある。この対処法を実現するために、従来より以下に示す3つの技術(第1〜第3の従来技術)が提案されている。
【0013】
第1の従来技術では、撮像装置の光学系のいずれかの位置に互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類のフィルタを順次繰り返して挿入し、時間的に連続して各フィルタを透過する光に基づく画像を取得する。その後、各フィルタを透過する光に基づく画像を合成してカラー画像を生成する。この第6の従来技術は、例えば、特開昭62−1634号公報や特開平7−120324号公報で提案されている技術において利用されている。
【0014】
第2の従来技術では、複数の撮像装置を並列して配置し、各撮像装置の光学系に、互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させるフィルタを挿入して、各撮像装置において、同一の被写体に係る画像を、同時、または時間的に連続して取得する。その後、各撮像装置において取得した画像を合成してカラー画像を生成する。この第7の従来技術は、例えば、特開2002−27488公報で提案されている技術において利用されている。
【0015】
第3の従来技術では、イメージインテンシファイアの光電面の直前および蛍光面の直後に、複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の小領域が多数配列されたモザイク状のカラーフィルタを設ける。具体的には、光電面側のカラーフィルタの小領域を透過した光に基づいてイメージインテンシファイアから出力される光が、蛍光面側のカラーフィルタにおいて、光電面側の小領域が透過させる波長帯域の光と同様の波長帯域の光を透過させる小領域を透過するように、2つの同様なカラーフィルタを設置する。このような構成とすることで、蛍光面側のカラーフィルタを透過する光が被写体表面の色彩を再現する。この第8の従来技術は、例えば、特開平9−171787号公報で提案されている技術において利用されている。
【0016】
しかし、第1の従来技術では、複数種類のフィルタを設け、かつ、それらのフィルタを順次繰り返して光学系のいずれかの位置に挿入する機能も必要であるため、撮像装置の大型化、および消費エネルギーの増加を招く。
【0017】
また、第2の従来技術では、複数台の撮像装置が必要であるため、撮像システム全体の大型化、およびコストの上昇を招く。
【0018】
また、第3の従来技術では、2つのモザイク状のカラーフィルタを取り付ける際に、厳密な精度が要求され、例えば、取得される画像について、十分な解像度を確保するためにはμmオーダーの精度が必要となる。よって、取り付け精度の向上を図るための製作設備の高価格化と、歩留まりの低下とを避けることができないため、結果として著しい製品コストの上昇を招く。
【0019】
そこで、以上のような問題点を解決する技術としては、特開平6−141329号公報において提案されている技術が考えられる。この技術では、同心円状に中央からG,B,Rの各色の光を透過する各カラーフィルタが配置されるRGBフィルタと、RGBフィルタの各カラーフィルタを順次遮光する、各カラーフィルタの形状に対応した同心円状の遮光ユニットが配置される液晶フィルタ(以下、「遮光用LCD」と称する)とが、密接して撮影レンズ系の光軸前方に設けられる。そして、遮光用LCDによる各カラーフィルタの遮光状態の切り替えと、撮像素子であるCCDの撮像動作とが同期されるため、RGBの三原色の各色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データを順次取得することができる。
【0020】
そして、この技術では、分光する波長帯域の数を増加させても、解像度が低下するといった問題も生じず、イメージインテンシファイアを用いた高感度撮像装置においても、被写体表面から発する光を分光する手段をイメージインテンシファイアよりも被写体表面側に設けることができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−141329号公報において提案されている技術では、RGBフィルタにおいて被写体表面から発する光をRGBの三原色の各色の光に分光する機能(以下、「分光機能」と称する)を担う層と、遮光用LCDにおいて遮光する機能(以下、「遮光機能」と称する)を担う層とが完全に密着した状態とはなっていない。したがって、RGBの三原色の各色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データを順次取得する際に、RGBフィルタの各カラーフィルタの境界付近を透過するRGBの三原色の光が混じり合ってしまうといった問題点が生じる。この問題点について以下説明する。
【0022】
図16は、RGBの三原色の光が混じり合ってしまうといった従来技術における問題点を説明するための図である。なお、図16では、RGBフィルタ121と遮光用LCD122の一部の断面模式図を示しており、方向関係を明確とするためにX軸方向を付している。そして、図16では、図示を省略するが、RGBフィルタ121および遮光用LCD122の−X方向に撮像素子であるCCDが配置される。
【0023】
図16に示すように、RGBフィルタ121は、主に、ガラスやプラスチックなどの透光性素材で形成される板121Gと、その表面にコーティングや染色などを施すことによって形成される分光機能を担う層121Lとを有して構成される。また、遮光用LCD122は、一般的な透過型液晶パネルなどであるため、図16に示すように、主に、遮光機能を担う層122Lと、ガラス板などの透光性素材で形成される層122Gとを有して構成される。
【0024】
このように、RGBフィルタ121と遮光用LCD122の間には、例えば、ガラス板などが介在するため、RGBフィルタ121の層121Lと、遮光用LCD122の層122Lとを完全に密着させることは困難である。そして、層121Lと層122Lとの間には、間隔d0が発生する。一方、撮影レンズ系は、その名のとおり撮影目的の光学系であり、集光目的やコリメート目的で設計されるものではないため、RGBフィルタ121および遮光用LCD122に入射する光線は非平行となる。
【0025】
例えば、図16には、遮光用LCD122の遮光機能を担う層122Lが、ブルーの光を透過させる領域LBのみを透光状態とした場合において、領域LBと隣接する領域LGとの境界を通過する2つの光線L11,L12が示されている。なお、光線L11と光線L12は、被写体表面の異なる2点から発した光線である。
【0026】
図16に示すように、光線L11と光線L12は、領域LBが透光状態となるときに撮像素子の方向(−X方向)に進むが、遮光用LCD122への入射角度がそれぞれ異なる。よって、光線L11と光線L12が層121Lを通過する際の通過位置が異なることとなる。そして、図16に示すように、光線L11および光線L12は、それぞれ、RGBフィルタ121の層121Lにおいて、グリーンの光を透過するカラーフィルタ(以下、「グリーンフィルタ」)G、および、隣接するブルーの光を透過するカラーフィルタ(以下、「ブルーフィルタ」)Bを透過する。この結果、領域LBと領域LGとの境界付近を透過する光は、グリーンフィルタG、およびブルーフィルタBを透過するグリーンの光とブルーの光とが混じり合うこととなる。
【0027】
即ち、図16に示すように、特定の色成分の光(図16では、ブルーの光)を検出するために、領域LBが透光状態としたが、撮像素子に到達する光線には、RGBフィルタ121において隣接するカラーフィルタを透過する光(図16では、グリーンの光)が混入する。したがって、この技術では、被写体表面から発する光をRGBの三原色の各色の光に確実に分光することができない。
【0028】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、解像度が高く、簡単な構成で被写体から発せられる光を複数の波長帯域の光に確実に分光することによって、被写体から発せられる光から波長帯域毎の光に関する情報を取得可能な小型および低価格の撮像装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、被写体に係る画像を取得する撮像素子を有する撮像装置であって、複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の領域が配列されるフィルタと、前記フィルタに密接または近接されて配置され、複数の領域を有し、前記複数の領域の一部の領域を光が透過する状態とすることによって、前記複数種類の領域の一部の種類の領域を選択し、選択された領域を通して、前記被写体から発せられる光を前記撮像素子に結像させる選択透光手段と、前記フィルタに配置される前記複数種類の領域、および前記選択透光手段が有する前記複数の領域のうち少なくとも一方において、各領域の境界に設けられた光を透過しない遮光手段と、を備え、前記複数種類の領域から一部ずつの領域を時間順次に選択して、前記撮像素子から撮像データをそれぞれ得ることが可能であることを特徴とする。
【0030】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像装置であって、前記被写体から発せられる光を前記撮像素子に結像させるためのレンズ系を備え、前記フィルタおよび前記選択透光手段が、前記レンズ系の開口絞りの位置、または前記開口絞りの位置の近傍に設置されることを特徴とする。
【0031】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の撮像装置であって、前記選択透光手段が、開口絞りとして機能することを特徴とする。
【0032】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の撮像装置であって、前記選択透光手段が、強誘電性液晶パネル、および反強誘電性液晶パネルのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0033】
この明細書において、「信号強度」とは、光学像における輝度や照度のほか、電子像における電子線の強度等、画像の各部の濃淡を反映する信号情報一般を指す用語として使用する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
<1.第1実施形態>
<撮像システムの概要>
図1は本発明の第1実施形態に係る撮像システム1の構成概要を例示する模式図である。図1に示すように、撮像システム1は、撮像装置10、およびパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と略称する)100とを備えている。撮像装置10とパソコン100とは、ケーブルCB1によって電気的に接続され、撮像装置10とパソコン100とは相互にデータを送受信し合うことができる。なお、ここでは、ケーブルCB1によって電気的に接続したが、無線回線によって接続しても良いし、有線回線や無線回線等から構成されるネットワークを介して接続しても良い。
【0036】
撮像装置10は、主に撮影レンズ系20と箱形のカメラ本体部30とによって構成され、例えば、被写体表面の色を分析する色分析用のカメラ等として用いられる。また、撮像装置10は、被写体表面から発する光を複数種類の色に対応する波長帯域別に分光し、撮影することによってカラー情報を取得し、それらのカラー情報を統合してカラー画像データを生成する等、被写体に係るカラー情報から種々のデータ(以下、「カラー関係データ」と称す)を生成すること等ができる。なお、撮像装置10は本発明の特徴部分であるが、撮像装置10については後程詳述する。
【0037】
また、撮像装置10は、カラー情報に基づいて生成された種々のカラー関係データを、ケーブルCB1を介してパソコン100に送信する。
【0038】
パソコン100は、各種信号やデータの入出力を行うとともに各種データ処理等を行うパソコン本体部101と、種々の画像を可視的に出力するモニタ部102と、キーボードやマウス等によって構成される操作部103とを備えている。なお、図示を省略するが、パソコン本体部101とモニタ部102、パソコン本体部101と操作部103とは、各種信号やデータを互いに送受信可能となるように接続されている。
【0039】
パソコン本体部101は、撮像装置10の動作を制御したり、撮像装置10で生成されたカラー情報に係る種々のデータを取り扱う。ここでは、ユーザーが操作部103を種々操作することによって、パソコン本体部101からケーブルCB1を介して撮像装置10に種々の制御信号を送信することができる。例えば、パソコン本体部101からの制御信号によって、撮像装置10における撮影の開始や停止、被写体に係るカラー情報に基づいた種々のカラー関係データの生成等を制御することができる。
【0040】
また、パソコン本体部101は、ハードディスク(図示省略)を備えるとともに、前面に設けられた着装部104に光ディスクやメモリカード等の記憶媒体を着装することができる。そして、ユーザーが操作部103を操作することによって、撮像装置10からケーブルCB1を介して入力される種々のカラー関係データをハードディスクや記憶媒体に記憶することができる。
【0041】
パソコン100では、ユーザーが操作部103を操作することによって、撮像装置10からケーブルCB1を介して入力されるカラー関係データや、ハードディスクや記憶媒体に記憶されるカラー関係データを、直接または、パソコン本体部101においてデータ処理を施した後に、モニタ部102においてカラー関係データに基づくカラー画像、または種々の画像を可視的に出力することができる。
【0042】
また、パソコン100では、モニタ部102においてカラー関係データに基づく種々の画像を可視的に出力することによって、被写体表面の色彩の解析を行うことができる。例えば、被写体表面の色彩を複数種類の色のカラー情報として取得している場合は、モニタ部102に各色毎にヒストグラム(輝度分布)を表示させたりすることによって、被写体表面の色彩の解析を行うことができる。
【0043】
<撮像装置の要部構成>
図2は撮像装置10の要部構成を示す模式図である。なお、図2以降には方向関係を明確にするため、Z軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を必要に応じて付している。また、図2には撮影レンズ系20の光軸Lも記載している。
【0044】
上述したように、撮像装置10は主に撮影レンズ系20と箱形のカメラ本体部30とによって構成される。
【0045】
<撮影レンズ系>
図2に示すように、撮影レンズ系20には、分光フィルタ板21、選択透光板22、および開口絞り23が設けられている。分光フィルタ板21および選択透光板22はともに同様なYZ平面が略真円である薄い板状の部位であり、分光フィルタ板21と選択透光板22とは密接(貼り合わせた状態)または近接させて、被写体表面5に係る光線3L1の光路上に設けられている。
【0046】
開口絞り23は、撮影レンズ系20に入射する光線3L1の光線束の開き角を制限するものであり、この開口絞り23には、一般的な種々の絞りを適用することができる。また、分光フィルタ板21と選択透光板22は、開口絞り23が設けられているYZ平面の位置と略同一、または、その近傍に設けられている。
【0047】
以下、分光フィルタ板21と選択透光板22の詳細について説明する。
【0048】
<分光フィルタ板>
図3は分光フィルタ板21の外観を例示する斜視模式図である。図3に示すように、分光フィルタ板21はYZ平面が略真円である円盤状の形状を有している。そして、YZ平面について見ると、同心円状に3つの透光領域21R,21G,21Bに区切られており、中心から透光領域21R、透光領域21G、透光領域21Bの順に配列されている。
【0049】
透光領域21Rは、R(レッド)色の光を選択的に透過させる領域であり、透光領域21Gは、G(グリーン)色の光を選択的に透過させる領域であり、透光領域21Bは、B(ブルー)色の光を選択的に透過させる領域である。
【0050】
即ち、分光フィルタ板21は、複数の互いに異なる波長帯域の光(RGBの三原色の光)をそれぞれ透過させる複数種類の領域(透光領域21R,21G,21B)が配列されたフィルタとして機能する。
【0051】
なお、分光フィルタ板21の具体的な例としては、透明ガラス板上に複数のパターンのリング状のマスクを順次被せながら、RGBの三原色に対応するように顔料を調合して印刷することによって作製されるものや、RGBの三原色の光をそれぞれ透過させる3種類の板状の材料を切り出して、互いに組み合わせて作製されるもの等がある。
【0052】
また、分光フィルタ板21の作製に際して、透光領域21R,21G,21Bの各透光領域における光の透過率が略同一の場合は、各透光領域の面積は略同一とするのが好ましい。しかし、各透光領域を構成する材料によって、各透光領域における光の透過率が略同一とならない場合は、各透光領域を透過する光の光量を略同一とするために、各透光領域の面積を調整した方が好ましい。さらに、RGBの三原色のうち特にいずれかの色を重要視したい場合は、重要視したい色の光を選択的に透過する透光領域の面積を、他の透光領域の面積よりも相対的に大きくさせても良い。
【0053】
<選択透光板>
図4は選択透光板22の外観を例示する斜視模式図である。図4に示すように、選択透光板22はYZ平面が略真円である円盤状の形状を有している。そして、YZ平面について見ると、同心円状に3つの透光領域22R,22G,22Bに区切られており、中心から透光領域22R、透光領域22G、透光領域22Bの順に配列されている。そして、これらの透光領域22R,22G,22Bは、上述した分光フィルタ板21における透光領域21R,21G,21Bのそれぞれの形状および大きさと略一致する。
【0054】
つまり、ここでは、分光フィルタ板21と選択透光板22とが密接または近接して配置され、+X方向から見た場合、透光領域21Rと透光領域22Rとがほぼ完全に重なり合い、透光領域21Gと透光領域22Gとがほぼ完全に重なり合い、透光領域21Bと透光領域22Bとがほぼ完全に重なり合った状態となっている。
【0055】
また、選択透光板22は、後述するカメラ制御部37の制御によって送信される制御信号に基づいて、選択的に透光領域22R,22G,22Bのうちの任意の領域を光が遮られる遮光状態、または光が透過する透光状態とすることができる機能(以下、「透光切替機能」と称する)を有する。なお、このような選択透光板22の具体的な例としては、透過型液晶パネルを用いたもの等がある。
【0056】
図5から図7は、選択透光板22の透光切替機能を説明する斜視模式図である。図5は透光領域22G,22Bを遮光状態とし、透光領域22Rのみを透光状態とした状態を示しており、図6は透光領域22R,22Bを遮光状態とし、透光領域22Gのみを透光状態とした状態を示しており、図7は透光領域22R,22Gを遮光状態とし、透光領域22Bのみを透光状態とした状態を示している。
【0057】
図5に示すように、透光領域22Rのみを透光状態とした場合は、被写体表面5から発する光線3L1は、分光フィルタ板21を透過するが、選択透光板22において透光領域22Rのみが透光状態であるため、光線3L1のうち分光フィルタ板21の透光領域21Rを透過するR色の光線のみが、選択透光板22を透過して−X方向に進み、後述する撮像素子31にR色の光学像を結ぶ。
【0058】
また、図6に示すように、透光領域22Gのみを透光状態とした場合は、被写体表面5から発する光線3L1は、分光フィルタ板21を透過するが、選択透光板22において透光領域22Gのみが透光状態であるため、光線3L1のうち分光フィルタ板21の透光領域21Gを透過するG色の光線のみが、選択透光板22を透過して−X方向に進み、後述する撮像素子31にG色の光学像を結ぶ。
【0059】
また、図7に示すように、透光領域22Bのみを透光状態とした場合は、被写体表面5から発する光線3L1は、分光フィルタ板21を透過するが、選択透光板22において透光領域22Bのみが透光状態であるため、光線3L1のうち分光フィルタ板21の透光領域21Bを透過するB色の光線のみが、選択透光板22を透過して−X方向に進み、後述する撮像素子31にB色の光学像を結ぶ。
【0060】
即ち、選択透光板22は、フィルタ(分光フィルタ板21)に密接または近接されて配置され、複数の領域(透光領域22R,22G,22B)を有し、その複数の領域の一部の領域を光が透過する状態(透光状態)とすることによって、複数の互いに異なる波長帯域の光(RGBの三原色の光)をそれぞれ透過させる複数種類の領域(透光領域21R,21G,21B)の一部の種類の領域を選択し、選択された領域を通して、被写体表面5から発せられる光を撮像素子31に結像させる選択透光手段として機能する。
【0061】
また、撮影動作中には、透光切替機能によって、透光領域22R,22G,22Bの透光状態および遮光状態が毎秒30回のタイミングで切り替わる。つまり、例えば、図5に示す状態から図6に示す状態へ切り替わった1/30秒後に、図6に示す状態から図7に示す状態へ切り替わる。また、図6に示す状態から図7に示す状態へ切り替わった1/30秒後に、図7に示す状態から図5に示す状態へ切り替わる。さらに、図7に示す状態から図5に示す状態へ切り替わった1/30秒後に、図5に示す状態から図6に示す状態へ切り替わる。そして、このような図5に示す状態から図6に示す状態への切り替え、図6に示す状態から図7に示す状態への切り替え、および図7に示す状態から図5に示す状態への切り替えを順次繰り返す。
【0062】
なお、ここでは、図5から図7に示すように、選択透光板22によって、撮影レンズ系20内における、光が透過する経路(以下、「光の透過路」と称す)が遮光される。特に、図7に示すように、透光領域22R,22Gが遮光状態となっていると、光の透過路の中央が遮光され、選択透光板22を透過する光がリング状になる。しかし、ここでは、分光フィルタ板21および選択透光板22を、撮影レンズ系20の開口絞り23が設けられているYZ平面の位置と略同一、または、その近傍に設けており、一般的に、撮影レンズ系における開口絞りの形状が撮影における視野の形状に影響を及ぼさないという幾何光学の周知の事実と照らし合わせると、撮像素子31に結像される光学像には、光の透過路の中央の遮光部分の影がほとんど生じることなく、光の透過路の中央に遮光部分がない通常の光学像とほぼ同様な光学像が得られる。即ち、後述する撮像素子31において取得される画像データによって規定される画像についての”けられ”の発生を抑制することができる。
【0063】
<分光フィルタ板の隣接する透光領域を透過する光の混入防止>
図8は、図16に示した従来技術の問題点を解決するための方策を説明するための図である。なお、図8では、分光フィルタ板21および選択透光板22の周辺の一部分の断面を例示する模式図である。また、図8では、方向関係を示すためにX軸方向を示している。
【0064】
例えば、図8に示すように、分光フィルタ板21は、主に、被写体表面5から発する光を、RGBの三原色の光に分光する機能(以下、「分光機能」と称する)を担う層(以下、「分光層」と称する)21Lと、ガラス板21GAなどを備えて構成される。また、選択透光板22は、主に、透光切替機能を担う層(以下、「透光切替層」)22Lと、ガラス板22GAなどを備えて構成される。そして、図8に示すように、ガラス板21GA,22GAなどの存在によって、分光フィルタ板21と選択透光板22とを密接させても、分光層21Lと透光切替層22Lとを完全に密接させた状態とすることができない。よって、分光層21Lと透光切替層22Lとの間には間隔dが生じる。
【0065】
また、図8には、一例として、透光領域22Gのみを透光状態とした場合において、透光領域22Gと隣接する透光領域22Bとの境界を通過する2つの光線L1,L2が示されている。
【0066】
光線L1と光線L2は、被写体表面5の異なる2点から発した光線であり、互いに相反する方向に最大の入射角を持つものである。即ち、光線L1と光線L2の各々を発した被写体表面5における点(以下、「起点」と称する)が撮影視野において互いに最も離れて位置する関係にあるものとする。なお、このような関係にあるものは、一般的には、撮影される矩形の画像における対角の頂点に、光線L1と光線L2の各々の起点が存在している。
【0067】
このとき、光線L1のB色成分が透光領域21Bを透過して、透光領域22Bと透光領域22Gとの境界に達する。一方、光線L2のG色成分が透光領域21Gを透過して、透光領域22Bと透光領域22Gとの境界に達する。そして、仮に、分光層21Lと透光切替層22Lとの間に何も設けなければ、光線L1と光線L2との間を進む光線が、透光領域21Bを透過して透光領域22Gに到達したり、透光領域21Gを透過して透光領域22Bに達したりすることとなる。
【0068】
即ち、特定の色成分の光(図8では、G色の光)を検出するために、透光領域22Gを透光状態としたが、撮像素子31に到達する光線には、分光フィルタ板21において隣接する領域を透過する光(図8では、B色の光)が混入するといった問題が生じる。
【0069】
このような問題を防ぐために、撮像装置10では、例えば、図8に示すように、分光フィルタ板21における分光層21Lの各透光領域21R,21G,21Bの各境界に遮光マスクMを設けている。以下、各透光領域21R,21G,21Bの各境界に設けるべき遮光マスクMの幅について説明する。なお、ここでは、説明を簡単とするために、分光層21Lと透光切替層22Lの厚みを極めて薄いものと仮定し、遮光マスクMの厚みが極めて薄く、分光フィルタ板21と選択透光板22とがほぼ密着していると見なせるとした場合を例にとって説明する。
【0070】
ここで、X軸と光線L1とがなす角度をθ1、X軸と光線L2とがなす角度をθ2とすると、光線L1および光線L2それぞれの分光層21Lに対する入射位置の距離Wは、下式(1)で表される。
【0071】
W=d・(tanθ1+tanθ2) ・・・(1)。
【0072】
したがって、ここでは、各透光領域21R,21G,21Bの各境界に設けるべき遮光マスクMの幅は、上式(1)の距離W以上であることが要求される。但し、分光フィルタ板21と選択透光板22との間に空気の層など異なる屈折率を持つ媒質が介在する場合などには、上式(1)に加えて、光線L1および光線L2の屈折の影響を考慮する必要性がある。
【0073】
なお、上式(1)では、透光領域22Gと透光領域22Bとの境界に設けられる遮光マスクMの幅を示すが、透光領域22Gと透光領域22Rとの境界に設けられる遮光マスクMの幅についても、上式(1)のθ1,θ2の数値を変更することによって求めることができる。
【0074】
また、ここでは、図8に示したように、遮光マスクMを分光層21Lの上に被せるように設ける場合を示したが、遮光マスクMの設置面はこれに限られるものではない。例えば、選択透光板22の−X方向の面Pなど他の面にも設けることができる。そのときの遮光マスクMの幅は、上述した方法と同様な方法によって導き出すことができる。さらに、遮光マスクMを分光層21Lに含めたものとしても良いし、遮光マスクMの機能と同様な機能を透光切替層22Lに含めたものでも良い。特に、遮光マスクMの機能と同様な機能を透光切替層22Lに含めた場合では、単に、透光領域22R,22G,22Bの設定を変更するのみで良いため、容易に、分光フィルタ板21において隣接する領域を透過する光が混入するのを防ぐことができる。
【0075】
即ち、遮光マスクMが、分光フィルタ板21に配置される複数種類の領域(透光領域21R,21G,21B)、および選択透光板22が有する複数の領域(透光領域22R,22G,22B)のうち少なくとも一方において、各領域の境界に設けられた光を透過しない遮光する手段として機能する。
【0076】
<カメラ本体部>
図2に示すように、カメラ本体部30は、主に、撮像素子31、画像処理機能部32、カメラ制御部37によって構成されている。
【0077】
撮像素子31は、例えば、一般的なCCDイメージセンサ、或いはCMOSイメージセンサ等の素子となっており、例えば、毎秒30フレーム分の画像データを取得することができる。この画像データの取得のタイミングは、カメラ制御部37によって、選択透光板22の透光切替機能の切り替えタイミングと同期づけられている。つまり、撮像素子31の撮像面には、RGBの三原色の各色の光線が1/30秒毎に切り替わりながら照射され、R色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データと、G色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データと、B色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データとが、時間的に連続して取得される。
【0078】
即ち、ここでは、カメラ制御部37の制御の下で、選択透光板22が、複数の互いに異なる波長帯域の光(RGBの三原色の光)をそれぞれ透過させる複数種類の領域(透光領域21R,21G,21B)から一部ずつの領域を時間順次に選択することによって、撮像素子31から画像データ等の撮像データをそれぞれ得ることができる。
【0079】
撮像素子31の撮像面では、略同一の光電変換セルが縦横に1280×960個のマトリクス配列を形成しており、撮像面上には入射してきた光を分光する機能を有するカラーフィルタ層が設けられていない。つまり、撮像素子31は、いわゆるモノクロ撮影用の素子である。よって、ここでは、撮影レンズ系20を透過して撮像素子31に結像された光学像(以下、「撮影光学像」と称す)を、常に全ての光電変換セルにおいて画像信号に光電変換して色彩に係る情報を有しない画像データを取得することができる。
【0080】
なお、上述したように、撮像素子31の撮像面では、光電変換セルが縦横に1280×960個のマトリクス配列を形成しているが、これに限られるものではなく、例えば、2560×1920個のマトリクス配列を形成するなど、その他の配列を形成しても良い。以下、撮像面において光電変換セルが縦横に1280×960個のマトリクス配列を形成している場合を例にとって説明を続ける。
【0081】
このように、撮像素子31はモノクロ撮影用の素子であるため、撮像素子31において取得される画像データは、1フレームのみに注目すると、被写体表面5の色彩を反映したものとなっていない。しかし、時系列で見ると、上述したように、RGBの三原色の各色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データを1/30秒毎に順次取得する。
【0082】
つまり、撮像素子31では1/10秒毎に、被写体表面5の色彩のうちのR色成分の輝度を示す画像データ(以下、「R色画像データ」と称す)、被写体表面5の色彩のうちのG色成分の輝度を示す画像データ(以下、「G色画像データ」と称す)、被写体表面5の色彩のうちのB色成分の輝度を示す画像データ(以下、「B色画像データ」と称す)の3つの画像データの組を取得する。
【0083】
したがって、ここでは、被写体表面5の各点から発せられる光を、おおよそRGBの三原色に分光して画像データを取得しているとみなすことができる。
【0084】
撮像素子31で取得された画像データは画像処理機能部32のA/D変換部33に出力される。
【0085】
以下、画像処理機能部32の機能構成について説明する。
【0086】
A/D変換部33は、撮像素子31から入力される画像データを例えば1画素あたり10ビットのデジタル画像データに変換する。A/D変換部33から出力されるデジタル画像データは、フレームメモリ部34へ記憶される。
【0087】
フレームメモリ部34は、撮像素子31で取得され、上記のA/D変換が施されたデジタル画像データを一時的に記憶するメモリである。フレームメモリ部34は、撮像素子31で取得されてA/D変換された3種類の画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)を、RGBの三原色の光の輝度を示すデータとしてそれぞれ別々に記憶する。
【0088】
つまり、フレームメモリ部34は、R色画像データをR色の光の輝度を示すデータとして記憶するR色メモリ34R、G色画像データをG色の光の輝度を示すデータとして記憶するG色メモリ34G、B色画像データをB色の光の輝度を示すデータとして記憶するB色メモリ34Bの3つのメモリを備えて構成される。なお、3つのメモリ(R色メモリ34R、G色メモリ34G、B色メモリ34B)はそれぞれ、1280×960画素分の画素データを1フレーム分記憶することができる。
【0089】
言い換えれば、フレームメモリ部34では、3つのカラーメモリ(R色メモリ34R、G色メモリ34G、B色メモリ34B)に、被写体表面5の色彩をRGBの三原色に分光した結果が、それぞれ記憶されていることとなる。
【0090】
なお、ここでは、後述するカメラ制御部37において、選択透光板22の透光切替機能を制御することによって、どのタイミングで、RGBの三原色のいずれの色の光学像に基づいた画像データを取得するのかを制御しているため、カメラ制御部37の制御の下で、画像データが3つのカラーメモリ(R色メモリ34R、G色メモリ34G、B色メモリ34B)に順次記憶される。
【0091】
データ合成部35は、フレームメモリ部34に格納された3種類の画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)を合成処理して、被写体表面5の色彩を反映した1280×960画素分の画素データからなる1フレーム分のカラー画像データを生成する。
【0092】
また、データ合成部35は、生成されるカラー画像データを、NTSC方式等のアナログ画像信号としたり、ビットマップ形式、JPEG形式、MPEG方式等のようなデジタル画像データとしたりして、出力I/F36、ケーブルCB1を介してパソコン100に出力することができる。
【0093】
カメラ制御部37は、主にマイクロコンピュータ(CPU)からなり、選択透光板22、撮像素子31、画像処理機能部32の各部等の駆動を有機的に制御して、選択透光板22の透光切替機能、撮像素子31の撮像タイミング、画像処理機能部32におけるカラー画像データの生成および出力動作等を統括制御するものである。なお、カメラ制御部37の機能は、CPUにおいてプログラムによって実現される。
【0094】
<撮像装置の撮影動作>
図9は、撮像装置10の撮影動作の動作フローを示すフローチャートである。まず、ユーザーがパソコン100の操作部103を種々操作すると、カメラ制御部37の制御の下で、撮像装置10の撮影動作が開始し、図9のステップS1に進む。
【0095】
ステップS1では、図5に示すように、選択透光板22の透光領域22Rのみを透光状態とし、透光領域22G,22Bを遮光状態として、ステップS2に進む。
【0096】
ステップS2では、R色画像データを取得し、ステップS3に進む。ここでは、透光領域22Rを透過した光線が撮像素子31の撮像面に照射され、撮像素子31が被写体表面5の色彩のうちのR色成分の輝度を示す画像データを取得して、フレームメモリ部34のR色メモリ34Rに記憶する。
【0097】
ステップS3では、図6に示すように、選択透光板22の透光領域22Gのみを透光状態とし、透光領域22R,22Bを遮光状態として、ステップS4に進む。
【0098】
ステップS4では、G色画像データを取得し、ステップS5に進む。ここでは、透光領域22Gを透過した光線が撮像素子31の撮像面に照射され、撮像素子31が被写体表面5の色彩のうちのG色成分の輝度を示す画像データを取得して、フレームメモリ部34のG色メモリ34Gに記憶する。
【0099】
ステップS5では、図7に示すように、選択透光板22の透光領域22Bのみを透光状態とし、透光領域22R,22Gを遮光状態として、ステップS6に進む。
【0100】
ステップS6では、B色画像データを取得し、ステップS7に進む。ここでは、透光領域22Bを透過した光線が撮像素子31の撮像面に照射され、撮像素子31が被写体表面5の色彩のうちのB色成分の輝度を示す画像データを取得して、フレームメモリ部34のB色メモリ34Bに記憶する。
【0101】
ステップS7では、ステップS2,S4,S6のそれぞれで取得された3種類の画像データを合成してカラー画像データを生成して、出力し、ステップS8に進む。ここでは、ステップS2で取得されたR色画像データ、ステップS4で取得されたG色画像データ、ステップS6で取得されたB色画像データを合成してカラー画像データを生成して、NTSC方式等のアナログ画像信号としたり、ビットマップ形式、JPEG形式、MPEG方式等のようなデジタル画像データとしたりして、出力I/F36、ケーブルCB1を介してパソコン100に出力する。
【0102】
ステップS8では、撮影動作が終了したか否かを判別する。ここでは、ユーザーがパソコン100の操作部103を操作することによって、撮像装置10の撮影動作を終了させるための制御信号(以下、「撮影終了信号」と称す)がカメラ制御部37に入力されたか否かを判別し、撮影終了信号が入力されていれば撮影動作を終了し、撮影終了信号が入力されていなければ、ステップS1に戻って、ステップS1からステップS8までの動作を行う。
【0103】
以上、第1実施形態に係る撮像装置10では、RGBの三原色の光(複数の互いに異なる波長帯域の光)をそれぞれ透過させる3種類の透光領域(透光領域21R,21G,21B)から一部ずつの透光領域を時間順次に選択し、その選択された透光領域を通して、被写体表面5から発せられる光を撮像素子31に結像させて、画像データ等の撮像データをそれぞれ得る。このように、1つの撮像装置1の撮影レンズ系20の内部に分光フィルタ板21と選択透光板22とを組み込むだけなので、簡単な構成とすることができる。また、各色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)を取得する際に、撮像素子31の全ての光電変換セルが寄与するため、解像度を高くすることができる。さらに、上述した第3の従来技術のように、作製時に厳密な精度を必要としないため、撮像装置の作製が容易となり、製品コストの上昇を抑制することができる。
【0104】
また、分光フィルタ板21の各透光領域21R,21G,21Bの境界に対して、遮光マスクMを設けることなどによって、分光フィルタ板21の隣接する透光領域を透過する光が混入するという問題を防止することができる。
【0105】
したがって、解像度が高く、簡単な構成で被写体から発せられる光を複数の波長帯域の光に確実に分光することによって、被写体から発せられる光から波長帯域毎の光に関する情報を取得可能な小型および低価格の撮像装置を提供することができる。
【0106】
<2.第2実施形態>
第1実施形態に係る撮像システム1では、撮像装置10において、撮影レンズ系20を透過した被写体から発せられる光を撮像素子31に直接照射して、画像データを取得したが、第2実施形態に係る撮像システム1Aでは、撮像装置10Aに、撮影レンズ系20を透過した被写体表面5から発せられる光を増強する素子としてイメージインテンシファイア40を構成に加え、高感度化を図ったものである。
【0107】
図10は、第2実施形態に係る撮像装置10Aの要部構成を示す模式図である。図10に示すように、第2実施形態に係る撮像装置10Aは、第1実施形態に係る撮像装置10にイメージインテンシファイア40とリレー光学系50を追加したものである。したがって、ここでは、主に第1実施形態に係る撮像装置10と異なる部分を説明し、第1実施形態に係る撮像装置10と同様な部分については、同様な符号を付して説明を省略する。
【0108】
なお、第2実施形態に係る撮像装置10Aにおける撮影動作は、第1実施形態に係る撮像装置10と全く同様となるため、この点についても、ここでは説明を省略する。
【0109】
図10に示すように、被写体表面5から発する光は、撮影レンズ系20を透過して、イメージインテンシファイア40に照射される。
【0110】
<イメージインテンシファイア>
図10に示すように、イメージインテンシファイア40は、照射される光のエネルギー密度に応じた電子を放出する光電面41と、衝突する電子のエネルギーに応じた光を発生させる蛍光面43とを有している。そして、光電面41と蛍光面43との間には蛍光面43側の電位が相対的に高くなるように電位差が設定されている。また、光電面41と蛍光面43との間には電子レンズ42が設けられており、電子レンズ42と蛍光面43との間には蛍光面43側の電位が相対的に高くなるように電位差が設定されている。
【0111】
被写体表面5から発した光線3L1は撮影レンズ系20により、カメラ本体部30A内の光電面41の+X方向の面上に結像される。そして、光電面41の−X方向の面上の各点では、結像した光のエネルギー密度に応じた数の電子3Eを放出する。
【0112】
電子3Eは、光電面41と蛍光面43との間の電位差によって、光電面41から蛍光面43に向けて加速されつつ進み、電子レンズ42による偏向を受けて、蛍光面43の+X方向の面上に電子像が結ばれる。蛍光面43の−X方向の面上の各点では、衝突した電子3Eのエネルギー密度に応じた光線3L2が発生する。
【0113】
光線3L2は、光学レンズ等で構成されるリレー光学系50によって、撮像素子31の撮像面に結像され、撮像素子31において被写体表面5に係る画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)を第1実施形態と同様に順次取得する。
【0114】
なお、リレー光学系50は、光学レンズ等で構成されるものに限られず、蛍光面43の−X方向の面上から出力される光線3L2を撮像素子31に対して直接伝達する光ファイバの束等によって構成される部材等であっても良い。
【0115】
イメージインテンシファイア40では、電子3Eが加速によってエネルギーを付与されるため、電子3Eについて、加速によってエネルギーが増加した分だけ、最初に光電面41に入射した光の信号強度としての輝度よりも蛍光面43で発生する光の信号強度としての輝度の方が高くなる。したがって、撮像装置10Aは高感度化を図ることができる。
【0116】
なお、イメージインテンシファイア40は、被写体表面5から発する光の信号強度としての輝度を増強することができるが、イメージインテンシファイア40の構成としては、これに限られるものではなく、電子レンズ42を省略したり、あるいは光学像の信号強度としての輝度を増強する度合い(増倍率)をさらに高めるためにマイクロチャンネルプレート(図示省略)と呼ばれる電子増倍機構を加えたりするもの等であっても良い。
【0117】
以上、第2実施形態に係る撮像装置10Aでは、撮影レンズ系20を透過した被写体から発せられる光を増強する素子としてイメージインテンシファイア40を構成に加えることにより、解像度が高く、簡単な構成で被写体から発せられる光を複数の波長帯域の光に確実に分光することによって、被写体から発せられる光から波長帯域毎の光に関する情報を取得可能な小型および低価格の撮像装置を提供することができるとともに、高感度化を図ることができる。
【0118】
<3.変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0119】
◎例えば、上述した実施形態では、透光領域22R,22G,22Bのうち1つの透光領域ずつ順番に透光状態として3つの画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)を取得したが、これに限られるものではなく、例えば、透光領域22R,22G,22Bのうち2つの透光領域ずつ順番に透光状態として画像データを取得しても良い。また、透光領域22R,22G,22Bの全ての透光領域を透光状態として、画像データを取得することもできる。
【0120】
具体的には、透光領域22R,22Gの2つの透光領域を透光状態として、被写体表面5の色彩のうちのY(イエロー)色成分の輝度を示す画像データ(以下、「Y色画像データ」と称す)を取得し、透光領域22G,22Bの2つの透光領域を透光状態として、被写体表面5の色彩のうちのC(シアン)色成分の輝度を示す画像データ(以下、「C色画像データ」と称す)を取得し、透光領域22R,22Bの2つの透光領域を透光状態として、被写体表面5の色彩のうちのM(マジェンタ)色成分の輝度を示す画像データ(以下、「M色画像データ」と称す)を順番に取得しても良い。
【0121】
◎また、上述した実施形態では、図3および図4に示すような分光フィルタ板21および選択透光板22を用いたが、分光フィルタおよび選択透光板の透光領域の配列を種々変更したものを用いても良い。
【0122】
図11から図13および図15は分光フィルタ板と選択透光板の組合せの4つの変形例を示す斜視模式図である。なお、分光フィルタ板と選択透光板は、実際には、密接または近接して配置されるが、ここでは、説明を容易とするために、分光フィルタ板211〜214と選択透光板221〜224とを分離して図示し、撮影レンズ系20の光軸Lを付している。また、ここでは、遮光マスクMの図示は省略する。
【0123】
1つ目の変形例について説明する。
【0124】
図11に示すように、分光フィルタ板211は、YZ平面について見ると、Y軸に沿って周期的にRGBの三原色の光をそれぞれ透過させる透光領域211R,211G,211Bが繰り返し並べられた縞状パターンを有する。
【0125】
選択透光板221は、YZ平面について見ると、透光領域221R,221G,221Bが繰り返し並べられた縞状パターンを有する。そして、これらの透光領域221R,221G,221Bは、上述した分光フィルタ板211における透光領域211R,211G,211Bのそれぞれの形状および大きさと略一致する。
【0126】
つまり、ここでは、分光フィルタ板211と選択透光板221とが密接または近接して配置され、+X方向から見た場合、透光領域211Rと透光領域221Rとがほぼ完全に重なり合い、透光領域211Gと透光領域221Gとがほぼ完全に重なり合い、透光領域211Bと透光領域221Bとがほぼ完全に重なり合った状態となっている。
【0127】
そして、選択透光板221は、カメラ制御部37の制御によって送信される制御信号に基づいて、選択的に透光領域221R,221G,221Bのうちの任意の領域を光が遮られる遮光状態、または光が透過する透光状態とすることができる透光切替機能を有する。
【0128】
2つ目の変形例について説明する。
【0129】
図12に示すように、分光フィルタ板212は、YZ平面について見ると、RGBの三原色の光をそれぞれ透過させる略同一形状である多数の略正方形の小さな透光領域(透光領域212R,212G,212B)が縦横に繰り返してマトリクス配列されている構造となっている。
【0130】
選択透光板222は、YZ平面について見ると、透光領域222R,222G,222Bが繰り返し並べられたモザイク状のパターンを有する。そして、これらの透光領域222R,222G,222Bは、上述した分光フィルタ板212における透光領域212R,212G,212Bのそれぞれの形状および大きさと略一致する。
【0131】
つまり、ここでは、分光フィルタ板212と選択透光板222とが密接または近接して配置され、+X方向から見た場合、透光領域212Rと透光領域222Rとがほぼ完全に重なり合い、透光領域212Gと透光領域222Gとがほぼ完全に重なり合い、透光領域212Bと透光領域222Bとがほぼ完全に重なり合った状態となっている。
【0132】
そして、選択透光板222は、カメラ制御部37の制御によって送信される制御信号に基づいて、選択的に透光領域222R,222G,222Bのうちの任意の領域を光が遮られる遮光状態、または光が透過する透光状態とすることができる透光切替機能を有する。
【0133】
3つ目の変形例について説明する。
【0134】
図13に示すように、分光フィルタ板213は、YZ平面について見ると、同心円状にRGBの三原色の光をそれぞれ透過させる複数種類の透光領域213R,213G,213Bが繰り返して配列されるように区切られている。そして、中心から透光領域213R、透光領域213G、透光領域213Bの順に繰り返して配列されている構造となっている。
【0135】
選択透光板223は、YZ平面について見ると、同心円状に複数種類の透光領域223R,223G,223Bが繰り返して配列されるように区切られている。そして、中心側から透光領域223R、透光領域223G、透光領域223Bの順に繰り返して配列されている構造となっている。そして、これらの透光領域223R,223G,223Bは、上述した分光フィルタ板213における透光領域213R,213G,213Bのそれぞれの形状および大きさと略一致する。
【0136】
つまり、ここでは、分光フィルタ板213と選択透光板223とが密接または近接して配置され、+X方向から見た場合、透光領域213Rと透光領域223Rとがほぼ完全に重なり合い、透光領域213Gと透光領域223Gとがほぼ完全に重なり合い、透光領域213Bと透光領域223Bとがほぼ完全に重なり合った状態となっている。
【0137】
そして、選択透光板223は、カメラ制御部37の制御によって送信される制御信号に基づいて、選択的に透光領域223R,223G,223Bのうちの任意の領域を光が遮られる遮光状態、または光が透過する透光状態とすることができる透光切替機能を有する。
【0138】
さらに、図14に示すように、選択透光板223は、周縁側から所定の数の透光領域223R,223G,223Bを常に遮光状態とすることで、選択透光板223が開口絞りとしての機能も果たすことができる。
【0139】
例えば、図14(a)に示すように、周縁側の3箇所の透光領域(透光領域223R,223G,223Bの各1領域ずつ)を常に遮光状態として撮影した場合は、開口絞りが比較的開いた状態での撮影となる。また、図14(b)に示すように、周縁側の6箇所の透光領域(透光領域223R,223G,223Bの各2領域ずつ)を常に遮光状態として撮影した場合は、開口絞りが比較的開いた状態での撮影となる。
【0140】
したがって、図14に示すような選択透光板223は、開口絞りとしての機能を果たすことができる。したがって、このような構成とすることによって、図2で示した開口絞り23が不要となり、撮像装置の部品点数を少なくすることができるため、撮像装置のさらなる低価格化を図ることができる。
【0141】
なお、図14では、分光フィルタ板213および選択透光板223は、ともに9つの透過領域にしか分割されていないが、R色画像データ、G色画像データ、B色画像データを取得する際の被写界深度の変化の影響を抑制するといった観点からすると、より多くの透過領域に細かく分割した方が好ましい。
【0142】
4つ目の変形例について説明する。
【0143】
図15に示すように、分光フィルタ板214は、YZ平面について見ると、分光フィルタ板214の中心から放射状に描かれる直線によって区切られ、RGBの三原色の光をそれぞれ透過させる3つの同様な扇型の透光領域214R,214G,214Bが配列されている。
【0144】
選択透光板224は、YZ平面について見ると、選択透光板224の中心から放射状に描かれる直線によって区切られる3つの同様な扇型の透光領域224R,224G,224Bが配列されている。そして、これらの透光領域224R,224G,224Bは、上述した分光フィルタ板214における透光領域214R,214G,214Bのそれぞれの形状および大きさと略一致する。
【0145】
つまり、ここでは、分光フィルタ板214と選択透光板224とが密接または近接して配置され、+X方向から見た場合、透光領域214Rと透光領域224Rとがほぼ完全に重なり合い、透光領域214Gと透光領域224Gとがほぼ完全に重なり合い、透光領域214Bと透光領域224Bとがほぼ完全に重なり合った状態となっている。
【0146】
そして、選択透光板224は、カメラ制御部37の制御によって送信される制御信号に基づいて、選択的に透光領域224R,224G,224Bのうちの任意の領域を光が遮られる遮光状態、または光が透過する透光状態とすることができる透光切替機能を有する。
【0147】
図15に示すような分光フィルタ板214と選択透光板224の組合せとすると、透光領域214R,214G,214Bおよび透光領域224R,224G,224Bはそれぞれ、撮影レンズ系20の光軸Lに対する位置関係および形状が同様となっている。このような構造とすると、R色画像データ、G色画像データ、B色画像データをそれぞれを取得する場合に生じる撮影レンズ系20の収差による影響(種々の収差の差等)を抑制することができる。
【0148】
なお、図15では、YZ平面について見ると、分光フィルタ板214および選択透光板224を、中心から放射状に描かれる直線によって区切られる3つの同様な扇型の透光領域に区切ったが、これに限られるものではなく、例えば、中心から放射状に描かれる直線によって区切られる6つの同様な扇型の透光領域に区切っても良いし、中心から放射状に描かれる直線によって区切られる9つの同様な扇型の透光領域に区切っても良い。
【0149】
◎また、上述した実施形態では、撮像装置10,10Aにおいて取得されたR色画像データ、G色画像データ、B色画像データを合成してカラー画像データを生成していたが、これに限られるものではなく、例えば、R色画像データ、G色画像データ、B色画像データをそのままパソコン100等の外部機器に出力するようなものであっても良い。
【0150】
◎また、上述した実施形態では、被写体表面5側から分光フィルタ板21,211〜214、選択透光板22,221〜224の順に配置していたが、これに限られるものではなく、被写体表面5側から選択透光板22,221〜224、分光フィルタ板21,211〜214の順に配置するようなものであっても良い。
【0151】
◎また、上述した実施形態では、分光フィルタ板21,211〜214と選択透光板22,221〜224とは別々のものとしていたが、これに限られるものではなく、例えば、選択透光板22,221〜224の表面にRGBの三原色に対応するように顔料を調合して印刷したり、透過型のカラー液晶を用いる等することによって、分光フィルタ板21,211〜214と選択透光板22,221〜224との機能を1つの部材で果たすようにしても良い。
【0152】
したがって、分光フィルタ板21,211〜214と選択透光板22,221〜224とを別々のものとしていた場合には、分光フィルタ板21,211〜214と選択透光板22,221〜224とを精密に配置しなければならないが、分光フィルタ板21,211〜214と選択透光板22,221〜224との機能を1つの部材で果たすような構成にすることによって、製造が容易となるとともに、部品点数を削減することもできる。
【0153】
◎また、上述した実施形態では、分光フィルタ板21,211〜214および選択透光板22,221〜224を、撮影レンズ系20の開口絞り23が設けられているYZ平面の位置と略同一、または、その近傍に設けていたが、これに限られるものではなく、撮影レンズ系20のいずれかの位置であれば、分光フィルタ板21,211〜214および選択透光板22,221〜224とを近接または密接させたまま、光軸Lに沿って+Xまたは−X方向に所定の距離だけずらした位置に、分光フィルタ板21,211〜214および選択透光板22,221〜224を設けるようにしても良い。
【0154】
しかしながら、上述したように、撮影レンズ系における開口絞りの形状が撮影における視野の形状に影響を及ぼさないという幾何光学の周知の事実を加味して、撮像素子31で取得される画像データ(R色画像データ、G色画像データ、B色画像データ)によって規定される画像についての”けられ”の発生を抑制するといった観点からすると、分光フィルタ板21,211〜214および選択透光板22,221〜224とを撮影レンズ系20の開口絞り23が設けられているYZ平面の位置の近傍に設置する方が好ましく、さらに、分光フィルタ板21,211〜214および選択透光板22,221〜224を撮影レンズ系20の開口絞り23が設けられているYZ平面と略同一の位置に設置する方が好ましい。
【0155】
◎また、上述した実施形態では、複数種類の色に対応する波長帯域の光として、RGBの三原色に対応する波長帯域の光を用いていたが、これに限られるものではなく、例えば、CMYの三補色に対応する波長帯域の光であっても良いし、4色以上に対応する波長帯域の光であっても良い。
【0156】
なお、ここでは、複数種類の色に対応する波長帯域の光として、4色以上に対応する波長帯域の光を適用しても、撮像素子31では、各色の光学像に基づいた1フレーム分の画像データを取得する際に、全ての光電変換セルが寄与する。つまり、複数種類の色に対応する波長帯域の数を増加させても、撮像素子31で所定の波長帯域の光を検出する光電変換セルの割合が低下することがないため、解像度の低下を抑制することができる。したがって、分光する波長帯域の数を増加させ易くなっていると言える。
【0157】
◎また、上述した実施形態では、複数の互いに異なる波長帯域として、RGBの三原色などの可視光線の波長帯域を対象としていたが、これに限られるものではなく、複数の互いに異なる波長帯域として、赤外線や紫外線などの可視光線以外の波長帯域も対象としても良い。例えば、複数の互いに異なる波長帯域の光が、赤外線と紫外線と可視光線に対応する3つの波長帯域の光であっても良い。
【0158】
◎また、上述した実施形態では、透光切替機能により、透光領域における透光状態および遮光状態が毎秒30回のタイミングで切り替わって、毎秒30フレーム分の画像データが取得されたが、これに限られるものではなく、例えば、透光領域における透光状態および遮光状態が毎秒60回のタイミングで切り替わって、毎秒60フレーム分の画像データが取得されるようにしても良いし、透光領域における透光状態および遮光状態がその他のタイミングで切り替わって、そのタイミングに従って画像データが取得されても良い。
【0159】
◎また、本発明の実施形態に係る撮像装置10では、複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の領域から一部ずつの領域を時間順次に選択することによって、撮像素子31から画像データ等の撮像データをそれぞれ得る。したがって、すべての波長帯域に関する一そろいの撮像データを短時間で取得するためには、選択透光板22における透光切替機能の切り替えを出来る限り高速に行う必要がある。
【0160】
例えば、複数の互いに異なる波長帯域の数を6つとした場合、6つの波長帯域すべてに関する一そろいの撮像データの取得を、一般的なビデオレートである約33msで実施しようとすると、個々の波長帯域の光の露光に充てられる時間は、単純計算で約5msとなる。このとき、透光切替機能の切り替えに許容される時間は、大きく見積もっても1ms程度以下でなければならないと考えられる。現在のところ、ON−OFF間の切り替えが1ms以下であるような高速応答性を有する液晶パネルは種類が限られており、強誘電性液晶パネル、または、反強誘電性液晶パネルがそれに該当する。
【0161】
そこで、選択透光板22に、強誘電性液晶パネル、または、反強誘電性液晶パネルを用いることで、短時間で多くの撮像データを取得することができるとともに、すべての波長帯域に関する一そろいの撮像データを短時間で取得することができる。このような液晶パネルを用いることは、特に、複数の互いに異なる波長帯域の数を増加させた際に、すべての波長帯域に関する一そろいの撮像データを短時間で取得したい場合に有効である。
【0162】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、フィルタに配置される複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の領域、および選択透光手段が有する複数の領域のうち少なくとも一方において、各領域の境界に光を透過しない透光手段を設け、フィルタに配置される複数種類の領域から一部ずつの領域を時間順次に選択し、その選択された領域を通して、被写体から発せられる光を撮像素子に結像させて、撮像データをそれぞれ得るような構成とすることにより、解像度が高く、簡単な構成で被写体から発せられる光を複数の波長帯域の光に確実に分光することによって、被写体から発せられる光から波長帯域毎の光に関する情報を取得可能な小型および低価格の撮像装置を提供することができる。
【0163】
また、請求項2の発明によれば、複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の領域が配列されるフィルタと、そのフィルタに密接または近接されて配置され、フィルタにおける複数種類の領域から一部ずつの領域を時間順次に選択し、その選択された領域を通して、被写体から発せられる光を撮像素子に結像させる選択透光手段とが、被写体から発する光を撮像素子に結像させるためのレンズ系の開口絞りの位置、またはその開口絞りの位置の近傍に設置されるような構成とすることによって、得られる画像についてのけられの発生を抑制することができる。
【0164】
また、請求項3の発明によれば、選択透光手段が開口絞りとして機能するような構成とすることによって、撮像装置の部品点数を少なくすることができるため、さらなる低価格化を図ることができる。
【0165】
また、請求項4の発明によれば、選択透光手段に、強誘電性液晶パネルや、反強誘電液晶パネルを用いるような構成とすることによって、短時間で多くの撮像データを取得することができるとともに、すべての波長帯域に関する一そろいの撮像データを短時間で取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像システムの構成概要を例示する模式図である。
【図2】図1に示す撮像装置システムに含まれる撮像装置の要部構成を示す模式図である。
【図3】分光フィルタ板の外観を例示する斜視模式図である。
【図4】選択透光板の外観を例示する斜視模式図である。
【図5】選択透光板の透光切替機能を説明する斜視模式図である。
【図6】選択透光板の透光切替機能を説明する斜視模式図である。
【図7】選択透光板の透光切替機能を説明する斜視模式図である。
【図8】従来技術の問題点を解決するための方策を説明するための図である。
【図9】撮像装置の撮影動作の動作フローを示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る撮像装置の要部構成を示す模式図である。
【図11】分光フィルタ板と選択透光板の組合せの変形例を示す斜視模式図である。
【図12】分光フィルタ板と選択透光板の組合せの変形例を示す斜視模式図である。
【図13】分光フィルタ板と選択透光板の組合せの変形例を示す斜視模式図である。
【図14】選択透光板の開口絞りとしての機能を説明する模式図である。
【図15】分光フィルタ板と選択透光板の組合せの変形例を示す斜視模式図である。
【図16】従来技術における問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1,1A 撮像システム
10,10A 撮像装置
20 撮影レンズ系
21,211〜214 分光フィルタ板
22,221〜224 選択透光板
23 開口絞り
30,30A カメラ本体部
31 撮像素子
40 イメージインテンシファイア
100 パソコン
M 遮光マスク
Claims (4)
- 被写体に係る画像を取得する撮像素子を有する撮像装置であって、
複数の互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ透過させる複数種類の領域が配列されるフィルタと、
前記フィルタに密接または近接されて配置され、複数の領域を有し、前記複数の領域の一部の領域を光が透過する状態とすることによって、前記複数種類の領域の一部の種類の領域を選択し、選択された領域を通して、前記被写体から発せられる光を前記撮像素子に結像させる選択透光手段と、
前記フィルタに配置される前記複数種類の領域、および前記選択透光手段が有する前記複数の領域のうち少なくとも一方において、各領域の境界に設けられた光を透過しない遮光手段と、
を備え、
前記複数種類の領域から一部ずつの領域を時間順次に選択して、前記撮像素子から撮像データをそれぞれ得ることが可能であることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置であって、
前記被写体から発せられる光を前記撮像素子に結像させるためのレンズ系を備え、
前記フィルタおよび前記選択透光手段が、
前記レンズ系の開口絞りの位置、または前記開口絞りの位置の近傍に設置されることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1または請求項2に記載の撮像装置であって、
前記選択透光手段が、
開口絞りとして機能することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の撮像装置であって、
前記選択透光手段が、
強誘電性液晶パネル、および反強誘電性液晶パネルのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002240502A JP2004080605A (ja) | 2002-08-21 | 2002-08-21 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002240502A JP2004080605A (ja) | 2002-08-21 | 2002-08-21 | 撮像装置 |
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ID=32023272
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2008158046A (ja) * | 2006-12-21 | 2008-07-10 | Tohoku Univ | アイリス面空間分割カラーフィルタ、透過率制御型空間分割アイリス、時間制御型空間分割アイリスおよび撮像装置 |
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JPWO2021085367A1 (ja) * | 2019-10-30 | 2021-05-06 |
-
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- 2002-08-21 JP JP2002240502A patent/JP2004080605A/ja active Pending
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