JP2004080306A - 無線データ通信システムの伝送レート決定方法、移動局装置及び基地局装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の移動局装置から通信要求が競合して発生した場合に、受信品質だけでなくさらに多様な伝送条件を考慮して各移動局装置の伝送レートを決定するようにし、これにより高効率の無線データ通信を可能にする。
【解決手段】移動通信端末MS1,MS2において、スロットごとに、通信コンテンツ種別の判定結果、データ伝送量の推定値及びC/Iの測定値をもとに要求すべきデータレートYを算出し、この算出した要求データレートYを含めたDRC(t)を基地局BS1〜BSnに通知する。そして基地局BS1〜BSnにおいて、スロットごとに、移動通信端末MS1,MS2から通知されたDRC(t)と、当該端末へ過去の一定期間に伝送したデータのデータレートの平均値R(t)とからDRC(t)/R(t)を計算し、このDRC(t)/R(t)が最も大きい移動通信端末に対し送信タイミングが最も早いスロットを割り当てる。
【選択図】 図2
【解決手段】移動通信端末MS1,MS2において、スロットごとに、通信コンテンツ種別の判定結果、データ伝送量の推定値及びC/Iの測定値をもとに要求すべきデータレートYを算出し、この算出した要求データレートYを含めたDRC(t)を基地局BS1〜BSnに通知する。そして基地局BS1〜BSnにおいて、スロットごとに、移動通信端末MS1,MS2から通知されたDRC(t)と、当該端末へ過去の一定期間に伝送したデータのデータレートの平均値R(t)とからDRC(t)/R(t)を計算し、このDRC(t)/R(t)が最も大きい移動通信端末に対し送信タイミングが最も早いスロットを割り当てる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線アクセス方式としてTDMA(Time Division Multiple Access)方式を採用し、かつユーザデータと制御データとの多重方式としてCDM(Code Division Multiplex)方式を採用した無線データ通信システムのデータレート決定方法と、このシステムの移動局装置及び基地局装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動通信システムは、CDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用したシステムが主流になっている。CDMA方式は、(1)スペクトラム拡散技術を用いることにより通信の秘匿性に優れる、(2)RAKE受信方式を用いることによりフェージング等の通信環境の変化に対し通信品質を高く維持できる、(3)通信の瞬断が少なく安定したハンドオーバを実現できる、(4)一つの周波数を複数のユーザが共用するため周波数利用効率が高い、等の利点を有する。
【0003】
そして、最近ではこのCDMA方式を使用した高速データ伝送システムが検討されている。例えば3GPP2におけるIS−856では、cdma2000をベースに用途をデータ通信に特化した無線通信規格が検討されている。IS−856は、フォワードリンクで最大2.4Mbpsのデータ伝送速度を実現するシステムである。また3GPPのW−CDMAにおいても、最大2Mbpsの無線データ通信規格が検討されている。
【0004】
ところで、CDMA方式は電波干渉を許容しているため、複数のユーザが同時に通信を行うと干渉が増加してしまい、実効的な通信速度が低下する。この問題を解決するために、上記検討中の無線データ通信規格では無線アクセス方式としてTDMA(Time Division Multiple Access)方式を導入し、通信を要求するユーザにスロットを独占的に割り当てることが提案されている。このようなシステムであれば、一つのスロットは1ユーザにより専有される。このため、ユーザは他のユーザからの電波干渉を受けずに、常に最大の通信速度で無線データ通信を行うことが可能となる。
【0005】
一方、スロットを1ユーザに専用に割り当てると、このユーザが通信を行っている期間に他のユーザは無線データ通信を行うことができない。このため、複数のユーザから通信要求が発生してこれらの通信要求が時間的に競合した場合に、通信要求を発した複数のユーザの通信順位を決定する必要性がある。この通信順位を決定するアルゴリズムをスケジューリング・アルゴリズムと呼ぶ。
【0006】
スケジューリング・アルゴリズムとしては、以下のアルゴリズムが知られている。
(1)C/I値スケジューリング・アルゴリズム
基地局において、各移動通信端末が測定し報告してきたPilot C/I(Carrier to Interference and noise power ratio)値を比較し、このPilot C/I値が高い順に移動通信端末に対しスロットを割り当てる。
【0007】
(2)Round Robinスケジューリング・アルゴリズム
基地局において、複数の移動通信端末から通信要求があった場合に、要求の早い順にスロットを割り当てる。
【0008】
(3)Proportional Fairスケジューリング・アルゴリズム
移動通信端末で、受信スロットの直前にPilot C/I値を測定してデータレートを決定し、この決定されたデータレートを表す制御データ(DRC:Data Rate Control)を基地局に要求する。これに対し基地局は、端末ごとに、要求されたデータレートDRC(t)と、当該端末に対し過去の一定期間に送信したデータのデータレート平均値R(t)とから、DRC(t)/R(t)をそれぞれ計算する。そして、この算出されたDRC(t)/R(t)の値が大きい端末に対し優先的にスロットを割り当てる(例えば非特許文献1又は2参照)。
【0009】
【非特許文献1】
A.Jalali, R.Padovani, R.Pakaji, “Data Throughput of CDMA−HDR a High Efficiency−High Data Rate Personal Communication Wireless System” VTC2000 Tokyo。
【0010】
【非特許文献2】
宮崎、他:「東京都市環境における1.25MHz帯域幅高速パケット無線システムのセクタスループットの測定と評価」電子通信学会春期全国大会2001/03。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これらのスケジューリング・アルゴリズムにはそれぞれ以下のような改善すべき課題がある。
【0012】
(1)C/I値の低い移動通信端末に対しては無条件に低速のデータレートが割り当てられるため、この移動通信端末が例えばテレビジョン電話通信のような高速データ通信を必要としていても高いデータレートが割り当てられない。
【0013】
(2)移動通信端末に対し通信要求順にスロットが割り当てられるため、公平なスロット割り当てを行うことができる。しかし、例えば電子メールを送信する場合のように、データ伝送量が比較的少なくかつリアルタイム性を要求されないデータ通信を行う場合にも、常に要求順に高速のデータレートが割り当てられる。このため、リアルタイム通信を要求する移動通信端末が他に存在する場合に、この移動通信端末へのスロット割り当てタイミングが遅くなり、伝送遅延の増加を生じる。
【0014】
(3)移動通信端末が要求するデータレートだけでなく、当該移動通信端末が過去の一定期間に伝送したデータ伝送量も考慮して、スロットの割り当てが行われる。このため、要求するデータレートが低い移動通信端末に対しても公平にスロットを割り当てることが可能となる。しかしながら、移動通信端末から要求されるデータレートはC/I値により一元的に決定される。このため、前記(1)の場合と同様、移動通信端末がC/I値の低い状況下において高速のデータ通信を行いたい場合でも、高いデータレートによる通信は行えない。
【0015】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、受信品質だけでなくさらに多様な伝送条件を考慮して移動局装置の伝送レートを決定するようにし、これによりシステムの実状にあった高効率の無線データ通信を実現可能とした無線データ通信システムの伝送レート決定方法、移動局装置及び基地局装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明に係わる無線データ通信システムの伝送レート決定方法は、移動局装置ごとにその受信チャネルにおける受信品質を測定すると共に、移動局装置ごとに使用する通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を判定する。そして、上記受信品質の測定値と、上記通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果とに基づいて移動局装置ごとの伝送レートを決定し、この決定された伝送レートに基づいて移動局装置に対する伝送チャネルの割り当てを行うようにしたものである。
【0017】
したがってこの発明によれば、受信チャネルの受信品質に加え、使用する通信コンテンツの種類又はデータ伝送量を考慮して移動局装置の伝送レートが決定される。このため、例えば移動局装置が他から大きな干渉を受けている状態であっても、テレビジョン電話通信のような高速データ通信を要求している場合には、当該移動局装置に対し高い伝送レートによる通信を可能にするチャネル割り当てがなされる。したがって、リアルタイム性を損なうことなくテレビジョン電話通信が可能となる。
【0018】
また反対に、移動局装置が例えば電子メールを受信する場合のようにデータ伝送量が比較的少なくかつリアルタイム性を要求されない無線データ通信を行う場合には、たとえ干渉が少なく受信品質が良好な状態であっても、低い伝送レートが選択されてそれに応じたチャネル割り当てがなされる。このため、通信を要求している移動局装置が他に存在し、かつこの移動局装置が例えば電話通信のようなリアルタイム性が要求される通信を要求している場合には、当該移動局装置は高い伝送レートで通信を行うことができる。
【0019】
すなわちこの発明によれば、受信品質に加えて通信コンテンツの種類又はデータ伝送量も考慮した上で各移動局装置の伝送レートが決定される。このため、無線通信環境だけでなく移動局装置ユーザの使用条件が反映されたより適切な伝送レートで無線データ通信を行うことが可能となる。
【0020】
上記伝送レートを決定する手段として、次の二つの構成が考えられる。
第1の構成は、移動局装置において、使用する通信コンテンツの種類とデータ伝送量の少なくとも一方を判定すると共に受信スロットの受信品質を測定して、これらの判定結果及び測定値をもとに伝送レートを求める。そして、この伝送レートを基地局装置に通知して、移動通信端末に対する伝送チャネルの割り当てを行わせるものである。
【0021】
第2の構成は、移動局装置において、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を判定すると共に受信チャネルにおける受信品質を測定し、これらを伝送条件として基地局装置に通知する。そして、基地局装置において、上記移動局装置から通知された伝送条件に基づいて当該移動局装置の伝送レートを求め、この伝送レートに基づいて当該移動局装置に対しチャネルの割り当てを行うものである。
【0022】
第1の構成によれば、伝送レートの決定が移動局装置で行われる。このため、基地局装置は移動局装置から要求された伝送レートをもとにチャネル割り当てを行う機能のみを備えればよく、これにより既存の基地局装置の機能を何ら変更することなく、この発明を実施できる利点がある。
【0023】
第2の構成によれば、移動局装置は受信品質の測定値と通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果を基地局装置に通知するだけでよい。このため、移動局装置の処理負担を軽減することができる。
【0024】
また、移動局装置又は基地局装置において伝送レートを求めるための具体的な構成としては、次の二つが考えられる。
【0025】
第1の構成は、通信コンテンツの種類又はデータ伝送量と、受信品質と、伝送レートとの対応関係を表す情報を記憶したメモリテーブルを予め備え、通信コンテンツの種類又はデータ伝送量、及び受信品質の測定値に対応する伝送レートを上記メモリテーブルから読み出すものである。
【0026】
第2の構成は、通信コンテンツの種類又はデータ伝送量、及び受信品質をそれぞれ関数として伝送レートを算出するための演算式を備え、この演算式により、通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果、及び受信品質の測定値に対応する伝送レートを算出するものである。
【0027】
第1の構成によれば、予めメモリテーブルを用意しておくだけで簡単かつ短時間に伝送レートを決定できる。
これに対し第2の構成によれば、伝送レートが演算により算出されるので、大容量のメモリテーブルを不要にできる利点がある。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わる無線データ通信システムの第1の実施形態を示す概略構成図である。
【0029】
当該システムのサービスエリアには、複数の基地局BS1,BS2,…,BSnが分散配置されている。これらの基地局BS1〜BSnはそれぞれセル又はセクタと呼ばれる一つ又は複数の無線通信エリアを形成する。また、基地局BS1〜BSnはそれぞれルータRT1〜RTnを介してインターネットINWに接続される。
【0030】
移動通信端末MS1,MS2は、上記無線通信エリア内において、当該無線通信エリアを形成する基地局(例えばBS1)に対し無線チャネルを介して接続される。そして、この基地局BS1からさらにルータRT1を介してインターネットINWのインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)のサーバPV又は各種ウエブサーバに接続される。
【0031】
上記移動通信端末MS1,MS2と基地局BS1〜BSnとの間の無線アクセス方式には、TDMA−FDD(Time Division Multiple Access−Frequency Division Duplex)方式が使用される。また、ユーザデータと制御データの多重方式には、CDM(Code Division Multiplex)方式が使用される。
【0032】
ところで、上記移動通信端末MS1,MS2は次のように構成される。図2はその機能構成を示すブロック図である。
同図において、マイクロホン42から出力されたアナログオーディオ信号は、オーディオコーデック40で符号化されてオーディオデータとなり、CDM多重化処理部30に入力される。また、カメラ(CAM)51から出力されたビデオ信号は、ビデオコーデック50により符号化されてビデオデータとなり、CDM多重化処理部30に入力される。
【0033】
CDM多重化処理部30は、4相複素拡散方式を使用して入力データの多重化処理を行う。すなわち、図7に示すように、入力されたオーディオデータ又はビデオデータと、制御部80から出力される制御データとを、それぞれ異なる拡散符号によりスペクトラム拡散して合成し、これにより第1のCDM多重データを生成する。上記制御データは、基地局に対しデータレートを要求するためのDRC(Data Rate Control)データからなる。また、CDM多重化処理部30は、パイロット信号やRRI(Reverse Rate Indicator)信号、応答信号(ACK)等の制御信号を、それぞれ異なる拡散符号によりスペクトラム拡散して合成し、これにより第2のCDM多重データを生成する。そして、これら第1及び第2のCDM多重データをそれぞれQ相及びI相として直交変調し、この変調された信号をTDMA処理部20へ出力する。
【0034】
TDMA処理部20は、上記CDM多重化処理部30から出力された変調出力信号を、制御部80から指示された送信スロットに挿入してバースト信号を出力する。そして、このバースト信号を無線部10に供給する。
【0035】
無線部10は、アンテナ共用器(DUP)12と、受信回路(RX)13と、送信回路(TX)15と、周波数シンセサイザ(SYN)14とを備えている。そして、上記TDMA処理部20から出力されたバースト信号を、周波数シンセサイザ14から発生される送信局部発振信号と送信回路15で合成することにより送信周波数帯域の無線信号に周波数変換する。そして、この無線信号を所定の送信電力に増幅したのちアンテナ共用器12を介してアンテナ11に供給し、アンテナ11からリバースリンクの無線信号として基地局BS1〜BSnに向け送信する。なお、上記周波数シンセサイザ14から発生される送信局部発振信号の周波数は、制御部80から出力される制御信号SYCによって指示される。
【0036】
一方、基地局BS1〜BSnから送信されたフォワードリンクの無線信号は、アンテナ11で受信されたのちアンテナ共用器102を介して受信回路13に入力される。受信回路13は、上記受信された無線信号を低雑音増幅器により増幅しさらに帯域フィルタにより不要な周波数成分を除去したのち、周波数シンセサイザ14から出力された受信局部発振信号とミキシングして受信ベースバンド信号に周波数変換する。そして、この受信ベースバンド信号をTDMA処理部20に入力する。
【0037】
TDMA処理部20は、制御部80からの指示に従い、上記受信ベースバンド信号のうち自端末に割り当てられた受信スロットの期間に受信されたバースト信号を抽出する。そして、この抽出されたバースト信号をCDM多重化処理部30に入力する。
【0038】
CDM多重化処理部30は、上記入力されたバースト信号を直交復調方式により復調すると共に拡散符号を使用してスペクトラム逆拡散を行い、これによりユーザデータと各種制御データとを分離する。分離されたデータのうち制御データは制御部80に取り込まれる。一方ユーザデータは、その種類が音楽データ等のオーディオデータであればオーディオ符号復号部(以後オーディオコーデックと称する)40に入力され、また静止画又は動画等のビデオデータであればビデオ符号復号部(以後ビデオコーデックと称する)50に入力される。
【0039】
オーディオコーデック40は、上記入力されたオーディオデータを復号してアナログオーディオ信号を再生し、この再生したアナログオーディオ信号をスピーカ41から出力させる。ビデオコーデック50は、上記入力されたビデオデータを復号してディジタルビデオ信号を再生し、この再生したディジタルビデオ信号を制御部80を介して入力表示制御部60に入力する。入力表示制御部60は、上記入力されたディジタルビデオ信号を液晶表示器(LCD)61に表示するための制御を実行する。
【0040】
ところで、制御部80はマイクロコンピュータを主制御部として備えたもので、この発明に係わる制御機能として、C/I測定機能81と、通信コンテンツ種別・データ伝送量判定機能82と、要求レート決定通知制御機能83と、通信制御機能84とを備えている。
【0041】
C/I測定機能81は、フォワードリンクのアイドルスロット期間において、パイロット信号のC/I(Carrier to Interference and noise power ratio)を検出する。そして、複数のタイミングで検出したC/I値の平均値を算出し、この平均値をC/I測定値とする。
【0042】
通信コンテンツ種別・データ伝送量判定機能82は、通信ごとにそのコンテンツの種別を判定すると共にそのデータ伝送量を推定する。判定対象の通信コンテンツ種別には、テレビジョン電話通信や、サーバからデータをダウンロードするための通信、電子メールの送受信、電子商取引のための通信等がある。
【0043】
要求レート決定通知制御機能83は、上記C/I測定機能81により求められたC/I測定値と、通信コンテンツ種別・データ伝送量判定機能82により判定された通信コンテンツ種別及びそのデータ伝送量とをそれぞれ関数f(x)、f′(y)、f″(z)として所定の演算を行い、これにより基地局BS1〜BSnに要求すべきデータレートを決定する。そして、この決定したデータレートを含むDRCデータをCDM方式によりユーザデータに多重化し、基地局BS1〜BSnに送信する。
【0044】
通信制御機能84は、上記DRCデータにより基地局に要求したデータレートによる復調を準備し、このデータレートにより基地局BS1〜BSnから伝送されるデータを待ち受ける。そして、受信スロットごとにデータに先行して受信されるプリアンブルを自身のコードで復調することにより自己に割り当てられた受信スロットであるか否かを判定する。そして、自己に割り当てられた受信スロットであれば、当該スロットにより伝送されたデータを引き続き復調する。
【0045】
なお、62はキーボード等の入力部であり、この入力部62の操作情報は入力表示制御部60により入力データに変換されて制御部80に入力される。また70はRAMやフラッシュメモリからなる記憶部であり、この記憶部70にはアドレスブック、電子メール等の送受信データ、アプリケーション・プログラム、制御データ等が記憶される。
【0046】
さらに90は電源部である。この電源部90は、リチウムイオン電池等の二次電池91と、電源回路92と、充電回路93とから構成される。電源回路92は、二次電池91の出力電圧をもとに所定の動作電源電圧Vccを生成して端末各部に供給する。充電回路93は、図示しない商用電源から充電端子94を介して供給される電圧をもとに上記二次電池91を充電する。
【0047】
一方、基地局BS1〜BSnは次のように構成される。図3はその機能構成を示すブロック図であり、1つの周波数に対応する構成のみを示している。
【0048】
同図において、移動通信端末MS1,MS2からリバースリンクを介して到来した無線信号は、アンテナ101で受信されたのち無線部100に入力される。無線部100は、アンテナ共用器102と、受信回路103と、周波数シンセサイザ104と、送信回路105とを備えている。
【0049】
受信回路103は、上記アンテナ101により受信された無線信号を低雑音増幅器により増幅しさらに帯域フィルタにより不要な周波数成分を除去したのち、周波数シンセサイザ104から出力された受信局部発振信号とミキシングして受信ベースバンド信号に周波数変換する。そして、この受信ベースバンド信号をTDMA処理部20に入力する。なお、上記周波数シンセサイザ104から発生される受信局部発振信号の周波数は、制御部600から出力される制御信号SYCによって指示される。
【0050】
TDMA処理部200は、制御部600からの指示に従い、上記受信ベースバンド信号をスロットごとに分離する。そして、この分離された各スロットの受信バースト信号をCDM多重化処理部300に入力する。
【0051】
CDM多重化処理部300は、上記入力された各スロットのバースト信号をそれぞれ直交復調方式により復調すると共に拡散符号を使用してスペクトラム逆拡散を行い、これによりユーザデータと各種制御データとを分離する。分離されたデータのうちDRCデータ等の制御データは制御部600に取り込まれる。一方ユーザデータは、網インタフェース部400へ出力される。
【0052】
網インタフェース部400は、ルータRT1〜RTnとの間でパケットデータの送受信を行うもので、上記CDM多重化処理部300から出力されたユーザデータをインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)のサーバPVか又はインターネットINW上のウエブサーバへ転送する。また、網インタフェース部400は、ISPのサーバPV又はウエブサーバからルータRT1〜RTnを介して伝送されたパケットデータを受信し、この受信されたデータをCDM多重化処理部300へ転送する。
【0053】
CDM多重化処理部300は、ユーザに対応するチャネルごとに、上記網インタフェース部400により受信されたデータと、制御部600から出力される制御データとを、それぞれ異なる拡散符号によりスペクトラム拡散して合成し、これにより第1のCDM多重データを生成する。上記制御データには、例えば移動通信端末MS1,MS2に対し通信データレートを通知するためのデータが含まれる。またCDM多重化処理部300は、パイロット信号や報知信号等の制御信号を、それぞれ異なる拡散符号によりスペクトラム拡散して合成し、これにより第2のCDM多重データを生成する。そして、これら第1及び第2のCDM多重データをそれぞれQ相及びI相として直交変調し、この変調された信号をTDMA処理部200へ出力する。
【0054】
TDMA処理部200は、上記CDM多重化処理部300から出力された変調信号を、制御部600の指示に従いユーザごとに送信スロットに挿入し、これによりTDMA信号を生成する。そして、このTDMA信号を無線部100に供給する。
【0055】
無線部100は、上記TDMA処理部200から供給されたTDMA信号を、周波数シンセサイザ104から発生される送信局部発振信号と送信回路105で合成することにより送信周波数帯域の無線信号に周波数変換する。そして、この無線信号を所定の送信電力に増幅したのちアンテナ共用器102を介してアンテナ101に供給し、アンテナ101からフォワードリンクの無線信号として移動通信端末MS1,MS2に向け送信する。
【0056】
ところで、制御部600はマイクロコンピュータを主制御部として備えたもので、この発明に係わる制御機能として要求レート受信制御機能601と、スケジューリング制御機能602とを備えている。
【0057】
要求レート受信制御機能601は、複数の移動通信端末からリバースリンクにより送られるDRCデータをスロットごとに収集する。
【0058】
スケジューリング制御機能602は、上記要求レート受信制御機能601により収集されたDRCデータをもとに、予め設定したスケジューリング・アルゴリズムに従い、要求元の移動通信端末に対するスロットの割り当てを決定する。なお、スケジューリング・アルゴリズムとしては例えばProportional Fairアルゴリズムを使用する。
【0059】
なお、700は記憶部であり、この記憶部700には上記制御部600が実行する種々アプリケーション・プログラムや、各移動通信端末MS1,MS2の管理データ等が格納される。
【0060】
次に、以上のように構成された無線データ通信システムの動作を、移動通信端末MS2がインターネットINW上のサーバとの間でデータ伝送を行う場合を例にとって説明する。
【0061】
移動通信端末MS2は、図1に示すように基地局BS1を捕捉した状態で待ち受け動作を行っている。このとき移動通信端末MS2では、捕捉中の基地局BS1からの無線信号が受信されるが、周辺の基地局BS2,BSnからの無線信号も受信される。これら周辺の基地局BS2,BSnからの無線信号は干渉波となる。
【0062】
移動通信端末MS2の制御部80は、通信に先立ち図4に示すように、先ずステップ4aで、使用する通信コンテンツの種別f(x)を判定する。例えば、テレビジョン電話通信であるか、ウエブサーバからのデータダウンロードであるか、さらには電子メールの送受信であるかを判定する。続いて制御部80は、ステップ4bにより上記判定された通信コンテンツのデータ伝送量f′(y)を推定する。例えば、使用する通信コンテンツ種別がデータダウンロードであれば、ダウンロード予定のデータ伝送量を推定する。
【0063】
次に制御部80は、ステップ4cにより接続中の基地局BS1から送信されるフォワードリンクの受信スロットのC/I値f″(z)を測定する。このC/I値f″(z)は、例えば図6に示すように、1個の受信スロットSLR1の期間中に基地局(例えば図1ではBS1)から複数回(例えば2回)到来するパイロット信号のC/Iをそれぞれ検出し、この検出されたC/Iの平均値を算出することにより得られる。
【0064】
そうしてC/I値f″(z)が算出されると、制御部80はステップ4dに移行し、ここで上記通信コンテンツ種別の判定結果f(x)、データ伝送量の推定値f′(y)、及びC/Iの測定値f″(z)をもとに、要求すべきデータレートYを、
Y=f(x)+f′(y)+f″(z)
なる演算式を使用して算出する。したがって、C/Iの測定値f″(z)に加え、通信コンテンツ種別の判定結果f(x)とそのデータ伝送量の推定値f′(y)が考慮された要求データレートが求められる。
【0065】
そして移動通信端末MS2は、上記算出された要求データレートを含んだDRCデータを、ステップ4eにより図6に示すようにリバースリンクの送信スロットSLT2に挿入して基地局BS1へ向け送信する。このDRCデータは、図7に示すようにCDM方式によりユーザデータに多重化されて送信される。
【0066】
これに対し基地局BS1は、図5に示すようにステップ5aにおいて、リバースリンクのスロットごとに、複数の移動通信端末からのDRCデータの到来を監視している。そして、移動通信端末MS2から到来した無線信号にDRCデータが含まれていたとすると、ステップ5bでこのDRCデータを抽出して保存する。また、同時に他の移動通信端末MS1からDRCデータが到来した場合にも、これらのDRCデータをそれぞれ受信スロットから抽出して保存する。
【0067】
次に基地局BS1は、上記DRCデータを送信した移動通信端末に対するスロットの割り当て処理を行う。この割り当て処理は、DRCデータを送信した移動通信端末が1つの場合と、DRCデータを送信した移動通信端末が複数の場合、つまり複数の移動通信端末からのデータレート要求が競合した場合とで異なる。
【0068】
先ずDRCデータを送信した移動通信端末が1つの場合には、当該移動通信端末に対しDRCデータにより要求されたデータレートに対応するスロットが無条件に割り当てられる。したがって、当該移動通信端末にはこの割り当てられたスロットを使用して基地局からデータがダウンロードされる。
【0069】
一方、複数の移動通信端末からのデータレート要求が競合した場合には、予め定めてあるスケジューリング・アルゴリズム、例えばProportional Fairアルゴリズムに従い、次のようにスケジューリング処理が行われる。
【0070】
すなわち、先ずステップ5cにおいて、DRCデータを送信した複数の移動通信端末の各々について、要求されたDRC(t)と、当該端末に対し過去の一定期間に送信したデータのデータレート平均値R(t)とから、DRC(t)/R(t)が計算される。そしてステップ5dにより、上記算出されたDRC(t)/R(t)が比較され、値が最も大きい移動通信端末の通信に対し送信タイミングが最も早いスロットが割り当てられる。例えば、移動通信端末MS2のDRC(t)/R(t)の値が最も大きければ、この移動通信端末MS2の通信に対し図6に示すスロットSLR4が割り当てられる。そして基地局BS1〜BSnは、ステップ5eにおいて、上記割り当てたスロットSLR4を使用して移動通信端末MS2宛てのデータを送信する。
【0071】
一方、移動通信端末MS2は、上記DRCデータの送信を終了すると、ステップ4fにより、基地局BS1に要求したデータレートによる復調を準備し、このデータレートにより基地局BS1から伝送されるデータを待ち受ける。そして、受信スロットごとにデータに先行して受信されるプリアンブルを自身のコードで復調することにより、自己に割り当てられた受信スロットであるか否かを判定する。そして、自己に割り当てられた受信スロットであれば、ステップ4gにより、当該スロットにより伝送されたデータを復調する。
【0072】
以後同様に移動通信端末MS1,MS2では、スロットごとに、通信コンテンツ種別の判定結果f(x)、データ伝送量の推定値f′(y)、及びC/Iの測定値f″(z)をもとに要求すべきデータレートYが算出され、この算出された要求データレートYを含めたDRC(t)が基地局BS1〜BSnに通知される。そして基地局BS1〜BSnでは、スロットごとに、移動通信端末MS1,MS2から通知されたDRC (t)と、当該端末へ過去の一定期間に伝送したデータのデータレートの平均値R(t)とからDRC(t)/R(t)が計算され、このDRC(t)/R(t)が最も大きい移動通信端末に対し送信タイミングが最も早いスロットが割り当てられる。
【0073】
したがって第1の実施形態によれば、C/I測定値だけでなく通信コンテンツの種類及びデータ伝送量を考慮した上で移動通信端末のデータレートが決定される。このため、例えば移動通信端末MS2が、テレビジョン電話通信のような高速データ通信を要求している場合には、他の基地局BS2,BSnから比較的大きな干渉を受けている状態であっても、当該移動通信端末MS2に対し高い伝送レートによる通信を可能にするべくスロットが割り当てられる。したがって、リアルタイム性を損なうことなくテレビジョン電話通信が可能となる。
【0074】
反対に、移動通信端末MS2が例えば電子メールを受信する場合のようにデータ伝送量が比較的少なくかつリアルタイム性を要求されない無線データ通信を行う場合には、たとえ干渉が少なく受信品質が良好な状態であっても、低い伝送レートが選択されてそれに応じたスロット割り当てがなされる。このため、通信を要求している移動通信端末が他に存在し、かつこの移動通信端末が例えば電話通信のようなリアルタイム性が要求される通信を要求している場合には、当該移動通信端末は高い伝送レートで通信を行うことができる。
【0075】
またこの実施形態では、データレートを移動通信端末MS2において算出して、この算出したデータレートを含めたDRCデータを基地局BS1に通知し、このDRCデータをもとにスケジューリング処理を行って移動通信端末MS2に対しスロットを割り当てるようにしている。すなわち、データレートの決定が移動通信端末MS2自身で行われる。このため、基地局BS1は移動通信端末MS2から要求されたデータレートをもとにスケジューリングを行うだけでよく、既存の機能を何ら変更することなくこの発明を実現することができる。
【0076】
さらに、通信コンテンツの種類とそのデータ伝送量、及びC/I値をそれぞれ関数としてデータレートを算出するための演算式を備え、この演算式によりデータレートを算出するようにしている。このため、大容量のメモリテーブルを設けることなくデータレートを決定することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、通信コンテンツの種類とそのデータ伝送量の判定結果、及びC/I測定値を、移動通信端末から基地局に通知する。そして基地局において、上記通知された通信コンテンツの種類、そのデータ伝送量及びC/I測定値をもとに演算を行ってデータレートを算出し、この算出したデータレートをもとにスケジューリングを行うようにしたものである。
【0078】
図9はこの発明の第2の実施形態に係わる移動通信端末の制御手順と制御内容を示すフローチャート、図10は基地局の制御手順と制御内容を示すフローチャートである。なお、移動通信端末及び基地局の構成については前記第1の実施形態とほぼ同一なので説明を省略する。
【0079】
移動通信端末MS2の制御部80は、通信に先立ち図9に示すように、先ずステップ9aで、使用する通信コンテンツの種別xを判定する。例えば、テレビジョン電話通信であるか、ウエブサーバからのデータダウンロードであるか、さらには電子メールの送受信であるかを判定する。続いて制御部80は、ステップ9bにより、上記判定された通信コンテンツのデータ伝送量yを推定する。例えば、使用する通信コンテンツ種別がデータダウンロードであれば、ダウンロード予定のデータ伝送量を推定する。
【0080】
次に制御部80は、ステップ9cにより接続中の基地局BS1から送信されるフォワードリンクの受信スロットのC/I値zを測定する。このC/I値zは、例えば図6に示すように、1個の受信スロットSLR1の期間中に基地局(例えば図1ではBS1)から複数回(例えば2回)到来するパイロット信号のC/Iをそれぞれ検出し、この検出されたC/Iの平均値を算出することにより得られる。
【0081】
そうしてC/I値zが算出されると、制御部80は続いてステップ9dに移行し、ここで上記通信コンテンツ種別の判定結果x、データ伝送量の推定値y、及びC/Iの測定値zをデータレート設定要求に含める。そして、このデータレート設定要求をリバースリンクの送信スロットに挿入して基地局BS1へ送信する。このデータレート設定要求は、CDM方式によりユーザデータに多重化されて送信される。
【0082】
一方、基地局BS1は、図10に示すようにステップ10aにおいて、リバースリンクのスロットごとに、複数の移動通信端末からのデータレート設定要求の到来を監視している。そして、移動通信端末MS2から到来した無線信号にデータレート設定要求が含まれていたとすると、ステップ10bでこのデータレート設定要求を抽出して保存する。また、同時に他の移動通信端末MS1からデータレート設定要求が到来した場合にも、これらのデータレート設定要求をそれぞれ受信スロットから抽出して保存する。
【0083】
次に基地局BS1は、ステップ10dに移行し、ここで上記通信コンテンツ種別の判定結果x、データ伝送量の推定値y、及びC/Iの測定値zをそれぞれ関数として、データレートを算出するための下記の演算を実行する。
Y=f(x)+f′(y)+f″(z)
したがって、C/Iの測定値zに加え、通信コンテンツ種別の判定結果xとそのデータ伝送量の推定値yが考慮されたデータレートが算出される。そして、この算出されたデータレートYを、ステップ10dによりフォワードリンクのスロットを使用して移動通信端末MS2に返送する。
【0084】
次に基地局BS1は、上記データレート設定要求を送信した複数の移動通信端末MS1,MS2の各々について、ステップ10eにより、上記算出されたデータレートY(t)と、当該端末に対し過去の一定期間に送信したデータのデータレート平均値R(t)とから、Y(t)/R(t)を計算する。そしてステップ10fにより、上記算出されたY(t)/R(t)が比較され、値が最も大きい移動通信端末の通信に対し送信タイミング最も早いスロットが割り当てられる。例えば、移動通信端末MS2のY(t)/R(t)の値が最も大きければ、この移動通信端末MS2の通信に対し図6に示すスロットSLR4が割り当てられる。そして基地局BS1は、ステップ10gにおいて、上記割り当てたスロットSLR4を使用して移動通信端末MS2宛てのデータを送信する。
【0085】
一方、移動通信端末MS2は、上記データレート設定要求の送信を終了すると、ステップ9eにより、基地局BS1からの通信データレートの通知を受信する。そして、ステップ9fにおいて、上記通知されたデータレートによる復調を準備し、このデータレートにより基地局BS1から伝送されるデータを待ち受ける。そして、受信スロットごとにデータに先行して受信されるプリアンブルを自身のコードで復調することにより、自己に割り当てられた受信スロットであるか否かを判定する。そして、自己に割り当てられた受信スロットであれば、当該スロットにより伝送されたデータを復調する。
【0086】
以後同様に移動通信端末MS1,MS2では、スロットごとに、通信コンテンツ種別とそのデータ伝送量が判定されると共にC/Iが測定され、これらの判定結果及びC/I測定値が基地局BS1に通知される。そして、基地局BS1では、上記通知された通信コンテンツ種別とそのデータ伝送量の判定結果、及びC/I測定値をもとにデータレートYが算出され、この算出されたデータレートYに基づいてProportional Fairアルゴリズムに従いスケジューリング処理が実行される。
【0087】
したがって第2の実施形態によれば、前記第1の実施形態と同様、C/I測定値だけでなく通信コンテンツの種類及びデータ伝送量を考慮した上で移動通信端末のデータレートを決定できる。このため、無線通信環境だけでなく移動通信端末ユーザの使用条件が反映された、より適切なデータレートで無線データ通信を行うことができる。
【0088】
また第2の実施形態では、移動通信端末MS1,MS2から基地局BS1〜BSnへ、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の判定結果と、C/I測定値をそのまま通知する。そして、基地局BS1〜BSnにおいて、上記移動通信端末MS1,MS2から通知された通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の判定結果と、C/I測定値に基づいて当該移動通信端末MS1,MS2のデータレートYを算出し、この算出されたデータレートYに基づいてスケジューリング処理を行うようにしている。
このため、移動通信端末MS1,MS2は、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の判定結果と、C/I測定値を基地局BS1〜BSnに通知するだけでよい。このため、移動通信端末MS1,MS2の制御部80の処理負荷を軽減することができる。
【0089】
(その他の実施形態)
前記第1及び第2の実施形態では、演算式を用いてデータレートを算出するようにした。しかし、これに限定されるものではなく、通信コンテンツの種類、データ伝送量、及びC/I値と、データレートとの対応関係を表す情報を記憶したメモリテーブルを予め設けておき、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の判定結果と、C/I測定値とに対応するデータレートを上記メモリテーブルから読み出すようにしてもよい。このように構成すると、予めメモリテーブルを用意しておくだけで簡単かつ短時間に伝送レートを決定することができる。
【0090】
また、前記各実施形態では、C/I値と、通信コンテンツ種別と、データ伝送量をもとにデータレートを決定するようにした。しかし、それ以外に、C/I値と通信コンテンツ種別、或いはC/I値とデータ伝送量をもとにデータレートを決定してもよく、さらには上記C/I値、通信コンテンツ種別及びデータ伝送量に加えチャネルの空き状況も考慮してデータレートを決定するようにしてもよい。
【0091】
さらに前記各実施形態では、スケジューリング・アルゴリズムとしてProportional Fairアルゴリズムを使用した場合を例にとって説明した。しかし、C/I値アルゴリズムやRound Robinアルゴリズム等のその他のアルゴリズムを使用してもよい。
【0092】
その他、無線データ通信システムの構成や無線伝送方式、移動局装置及び基地局装置の種類やその構成、データレートを決定するための制御手順と制御内容、スケジューリング・アルゴリズムの種類等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0093】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、無線データ通信に先立ち、移動局装置ごとにその受信チャネルに対する他からの干渉量を推定すると共に、移動局装置ごとに通信しようとする通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を判定する。そして、上記干渉量の推定値と、上記通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果とに基づいて、移動局装置ごとの伝送レートを決定し、この決定された伝送レートに基づいて各移動局装置に対するチャネルの割り当てを行うようにしている。
【0094】
したがってこの発明によれば、複数の移動局装置から通信要求が競合して発生した場合に、干渉量に加え通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を考慮して各移動局装置の伝送レートを決定することができ、これによりシステムの実状にあった高効率の無線データ通信を実現可能とした無線データ通信システムの伝送レート決定方法、移動局装置及び基地局装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる無線データ通信システムの概略構成図。
【図2】図1に示した移動通信端末の機能構成を示すブロック図。
【図3】図2に示した基地局の機能構成を示すブロック図。
【図4】移動通信端末によるデータレート要求制御の手順と内容を示すフローチャート。
【図5】基地局によるデータレート決定通知制御の手順と内容を示すフローチャート。
【図6】データレートの要求及び決定通知動作を説明するためのタイミング図。
【図7】リバースリンクにおけるデータ多重伝送方式を説明するためのデータ伝送フォーマット図。
【図8】データレートとC/Iとの関係の一例を示す図。
【図9】この発明の第2の実施形態に係わる移動通信端末によるデータレート要求制御の手順と内容を示すフローチャート。
【図10】この発明の第2の実施形態に係わる基地局によるデータレート決定通知制御の手順と内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
INW…インターネット
RT1〜RTn…ルータ
BS1〜BSn…基地局
MS1,MS2…移動通信端末
PV…インターネット・サービス・プロバイダのサーバ装置
10…移動通信端末の無線部
100…基地局の無線部
11,101…アンテナ
12,102…アンテナ共用器(DUP)
13,103…受信回路(RX)
14,104…周波数シンセサイザ(SYN)
15,105…送信回路(TX)
20,200…TDMA処理部
30,300…CDM多重化処理部
40…オーディオコーデック
400…網インタフェース部
41…スピーカ
42…マイクロホン
50…ビデオコーデック
51…カメラ
60…入力表示制御部
61…LCD
62…入力部
70,500…記憶部
80,600…制御部
81…C/I測定機能
82…通信コンテンツ種別・データ伝送量判定機能
83…要求レート決定通知制御機能
84…通信制御機能
90…電源部
91…二次電池
92…電源回路
93…充電回路
94…充電端子
601…要求レート受信制御機能
602…通信レート決定通知制御機能
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線アクセス方式としてTDMA(Time Division Multiple Access)方式を採用し、かつユーザデータと制御データとの多重方式としてCDM(Code Division Multiplex)方式を採用した無線データ通信システムのデータレート決定方法と、このシステムの移動局装置及び基地局装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動通信システムは、CDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用したシステムが主流になっている。CDMA方式は、(1)スペクトラム拡散技術を用いることにより通信の秘匿性に優れる、(2)RAKE受信方式を用いることによりフェージング等の通信環境の変化に対し通信品質を高く維持できる、(3)通信の瞬断が少なく安定したハンドオーバを実現できる、(4)一つの周波数を複数のユーザが共用するため周波数利用効率が高い、等の利点を有する。
【0003】
そして、最近ではこのCDMA方式を使用した高速データ伝送システムが検討されている。例えば3GPP2におけるIS−856では、cdma2000をベースに用途をデータ通信に特化した無線通信規格が検討されている。IS−856は、フォワードリンクで最大2.4Mbpsのデータ伝送速度を実現するシステムである。また3GPPのW−CDMAにおいても、最大2Mbpsの無線データ通信規格が検討されている。
【0004】
ところで、CDMA方式は電波干渉を許容しているため、複数のユーザが同時に通信を行うと干渉が増加してしまい、実効的な通信速度が低下する。この問題を解決するために、上記検討中の無線データ通信規格では無線アクセス方式としてTDMA(Time Division Multiple Access)方式を導入し、通信を要求するユーザにスロットを独占的に割り当てることが提案されている。このようなシステムであれば、一つのスロットは1ユーザにより専有される。このため、ユーザは他のユーザからの電波干渉を受けずに、常に最大の通信速度で無線データ通信を行うことが可能となる。
【0005】
一方、スロットを1ユーザに専用に割り当てると、このユーザが通信を行っている期間に他のユーザは無線データ通信を行うことができない。このため、複数のユーザから通信要求が発生してこれらの通信要求が時間的に競合した場合に、通信要求を発した複数のユーザの通信順位を決定する必要性がある。この通信順位を決定するアルゴリズムをスケジューリング・アルゴリズムと呼ぶ。
【0006】
スケジューリング・アルゴリズムとしては、以下のアルゴリズムが知られている。
(1)C/I値スケジューリング・アルゴリズム
基地局において、各移動通信端末が測定し報告してきたPilot C/I(Carrier to Interference and noise power ratio)値を比較し、このPilot C/I値が高い順に移動通信端末に対しスロットを割り当てる。
【0007】
(2)Round Robinスケジューリング・アルゴリズム
基地局において、複数の移動通信端末から通信要求があった場合に、要求の早い順にスロットを割り当てる。
【0008】
(3)Proportional Fairスケジューリング・アルゴリズム
移動通信端末で、受信スロットの直前にPilot C/I値を測定してデータレートを決定し、この決定されたデータレートを表す制御データ(DRC:Data Rate Control)を基地局に要求する。これに対し基地局は、端末ごとに、要求されたデータレートDRC(t)と、当該端末に対し過去の一定期間に送信したデータのデータレート平均値R(t)とから、DRC(t)/R(t)をそれぞれ計算する。そして、この算出されたDRC(t)/R(t)の値が大きい端末に対し優先的にスロットを割り当てる(例えば非特許文献1又は2参照)。
【0009】
【非特許文献1】
A.Jalali, R.Padovani, R.Pakaji, “Data Throughput of CDMA−HDR a High Efficiency−High Data Rate Personal Communication Wireless System” VTC2000 Tokyo。
【0010】
【非特許文献2】
宮崎、他:「東京都市環境における1.25MHz帯域幅高速パケット無線システムのセクタスループットの測定と評価」電子通信学会春期全国大会2001/03。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これらのスケジューリング・アルゴリズムにはそれぞれ以下のような改善すべき課題がある。
【0012】
(1)C/I値の低い移動通信端末に対しては無条件に低速のデータレートが割り当てられるため、この移動通信端末が例えばテレビジョン電話通信のような高速データ通信を必要としていても高いデータレートが割り当てられない。
【0013】
(2)移動通信端末に対し通信要求順にスロットが割り当てられるため、公平なスロット割り当てを行うことができる。しかし、例えば電子メールを送信する場合のように、データ伝送量が比較的少なくかつリアルタイム性を要求されないデータ通信を行う場合にも、常に要求順に高速のデータレートが割り当てられる。このため、リアルタイム通信を要求する移動通信端末が他に存在する場合に、この移動通信端末へのスロット割り当てタイミングが遅くなり、伝送遅延の増加を生じる。
【0014】
(3)移動通信端末が要求するデータレートだけでなく、当該移動通信端末が過去の一定期間に伝送したデータ伝送量も考慮して、スロットの割り当てが行われる。このため、要求するデータレートが低い移動通信端末に対しても公平にスロットを割り当てることが可能となる。しかしながら、移動通信端末から要求されるデータレートはC/I値により一元的に決定される。このため、前記(1)の場合と同様、移動通信端末がC/I値の低い状況下において高速のデータ通信を行いたい場合でも、高いデータレートによる通信は行えない。
【0015】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、受信品質だけでなくさらに多様な伝送条件を考慮して移動局装置の伝送レートを決定するようにし、これによりシステムの実状にあった高効率の無線データ通信を実現可能とした無線データ通信システムの伝送レート決定方法、移動局装置及び基地局装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明に係わる無線データ通信システムの伝送レート決定方法は、移動局装置ごとにその受信チャネルにおける受信品質を測定すると共に、移動局装置ごとに使用する通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を判定する。そして、上記受信品質の測定値と、上記通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果とに基づいて移動局装置ごとの伝送レートを決定し、この決定された伝送レートに基づいて移動局装置に対する伝送チャネルの割り当てを行うようにしたものである。
【0017】
したがってこの発明によれば、受信チャネルの受信品質に加え、使用する通信コンテンツの種類又はデータ伝送量を考慮して移動局装置の伝送レートが決定される。このため、例えば移動局装置が他から大きな干渉を受けている状態であっても、テレビジョン電話通信のような高速データ通信を要求している場合には、当該移動局装置に対し高い伝送レートによる通信を可能にするチャネル割り当てがなされる。したがって、リアルタイム性を損なうことなくテレビジョン電話通信が可能となる。
【0018】
また反対に、移動局装置が例えば電子メールを受信する場合のようにデータ伝送量が比較的少なくかつリアルタイム性を要求されない無線データ通信を行う場合には、たとえ干渉が少なく受信品質が良好な状態であっても、低い伝送レートが選択されてそれに応じたチャネル割り当てがなされる。このため、通信を要求している移動局装置が他に存在し、かつこの移動局装置が例えば電話通信のようなリアルタイム性が要求される通信を要求している場合には、当該移動局装置は高い伝送レートで通信を行うことができる。
【0019】
すなわちこの発明によれば、受信品質に加えて通信コンテンツの種類又はデータ伝送量も考慮した上で各移動局装置の伝送レートが決定される。このため、無線通信環境だけでなく移動局装置ユーザの使用条件が反映されたより適切な伝送レートで無線データ通信を行うことが可能となる。
【0020】
上記伝送レートを決定する手段として、次の二つの構成が考えられる。
第1の構成は、移動局装置において、使用する通信コンテンツの種類とデータ伝送量の少なくとも一方を判定すると共に受信スロットの受信品質を測定して、これらの判定結果及び測定値をもとに伝送レートを求める。そして、この伝送レートを基地局装置に通知して、移動通信端末に対する伝送チャネルの割り当てを行わせるものである。
【0021】
第2の構成は、移動局装置において、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を判定すると共に受信チャネルにおける受信品質を測定し、これらを伝送条件として基地局装置に通知する。そして、基地局装置において、上記移動局装置から通知された伝送条件に基づいて当該移動局装置の伝送レートを求め、この伝送レートに基づいて当該移動局装置に対しチャネルの割り当てを行うものである。
【0022】
第1の構成によれば、伝送レートの決定が移動局装置で行われる。このため、基地局装置は移動局装置から要求された伝送レートをもとにチャネル割り当てを行う機能のみを備えればよく、これにより既存の基地局装置の機能を何ら変更することなく、この発明を実施できる利点がある。
【0023】
第2の構成によれば、移動局装置は受信品質の測定値と通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果を基地局装置に通知するだけでよい。このため、移動局装置の処理負担を軽減することができる。
【0024】
また、移動局装置又は基地局装置において伝送レートを求めるための具体的な構成としては、次の二つが考えられる。
【0025】
第1の構成は、通信コンテンツの種類又はデータ伝送量と、受信品質と、伝送レートとの対応関係を表す情報を記憶したメモリテーブルを予め備え、通信コンテンツの種類又はデータ伝送量、及び受信品質の測定値に対応する伝送レートを上記メモリテーブルから読み出すものである。
【0026】
第2の構成は、通信コンテンツの種類又はデータ伝送量、及び受信品質をそれぞれ関数として伝送レートを算出するための演算式を備え、この演算式により、通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果、及び受信品質の測定値に対応する伝送レートを算出するものである。
【0027】
第1の構成によれば、予めメモリテーブルを用意しておくだけで簡単かつ短時間に伝送レートを決定できる。
これに対し第2の構成によれば、伝送レートが演算により算出されるので、大容量のメモリテーブルを不要にできる利点がある。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わる無線データ通信システムの第1の実施形態を示す概略構成図である。
【0029】
当該システムのサービスエリアには、複数の基地局BS1,BS2,…,BSnが分散配置されている。これらの基地局BS1〜BSnはそれぞれセル又はセクタと呼ばれる一つ又は複数の無線通信エリアを形成する。また、基地局BS1〜BSnはそれぞれルータRT1〜RTnを介してインターネットINWに接続される。
【0030】
移動通信端末MS1,MS2は、上記無線通信エリア内において、当該無線通信エリアを形成する基地局(例えばBS1)に対し無線チャネルを介して接続される。そして、この基地局BS1からさらにルータRT1を介してインターネットINWのインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)のサーバPV又は各種ウエブサーバに接続される。
【0031】
上記移動通信端末MS1,MS2と基地局BS1〜BSnとの間の無線アクセス方式には、TDMA−FDD(Time Division Multiple Access−Frequency Division Duplex)方式が使用される。また、ユーザデータと制御データの多重方式には、CDM(Code Division Multiplex)方式が使用される。
【0032】
ところで、上記移動通信端末MS1,MS2は次のように構成される。図2はその機能構成を示すブロック図である。
同図において、マイクロホン42から出力されたアナログオーディオ信号は、オーディオコーデック40で符号化されてオーディオデータとなり、CDM多重化処理部30に入力される。また、カメラ(CAM)51から出力されたビデオ信号は、ビデオコーデック50により符号化されてビデオデータとなり、CDM多重化処理部30に入力される。
【0033】
CDM多重化処理部30は、4相複素拡散方式を使用して入力データの多重化処理を行う。すなわち、図7に示すように、入力されたオーディオデータ又はビデオデータと、制御部80から出力される制御データとを、それぞれ異なる拡散符号によりスペクトラム拡散して合成し、これにより第1のCDM多重データを生成する。上記制御データは、基地局に対しデータレートを要求するためのDRC(Data Rate Control)データからなる。また、CDM多重化処理部30は、パイロット信号やRRI(Reverse Rate Indicator)信号、応答信号(ACK)等の制御信号を、それぞれ異なる拡散符号によりスペクトラム拡散して合成し、これにより第2のCDM多重データを生成する。そして、これら第1及び第2のCDM多重データをそれぞれQ相及びI相として直交変調し、この変調された信号をTDMA処理部20へ出力する。
【0034】
TDMA処理部20は、上記CDM多重化処理部30から出力された変調出力信号を、制御部80から指示された送信スロットに挿入してバースト信号を出力する。そして、このバースト信号を無線部10に供給する。
【0035】
無線部10は、アンテナ共用器(DUP)12と、受信回路(RX)13と、送信回路(TX)15と、周波数シンセサイザ(SYN)14とを備えている。そして、上記TDMA処理部20から出力されたバースト信号を、周波数シンセサイザ14から発生される送信局部発振信号と送信回路15で合成することにより送信周波数帯域の無線信号に周波数変換する。そして、この無線信号を所定の送信電力に増幅したのちアンテナ共用器12を介してアンテナ11に供給し、アンテナ11からリバースリンクの無線信号として基地局BS1〜BSnに向け送信する。なお、上記周波数シンセサイザ14から発生される送信局部発振信号の周波数は、制御部80から出力される制御信号SYCによって指示される。
【0036】
一方、基地局BS1〜BSnから送信されたフォワードリンクの無線信号は、アンテナ11で受信されたのちアンテナ共用器102を介して受信回路13に入力される。受信回路13は、上記受信された無線信号を低雑音増幅器により増幅しさらに帯域フィルタにより不要な周波数成分を除去したのち、周波数シンセサイザ14から出力された受信局部発振信号とミキシングして受信ベースバンド信号に周波数変換する。そして、この受信ベースバンド信号をTDMA処理部20に入力する。
【0037】
TDMA処理部20は、制御部80からの指示に従い、上記受信ベースバンド信号のうち自端末に割り当てられた受信スロットの期間に受信されたバースト信号を抽出する。そして、この抽出されたバースト信号をCDM多重化処理部30に入力する。
【0038】
CDM多重化処理部30は、上記入力されたバースト信号を直交復調方式により復調すると共に拡散符号を使用してスペクトラム逆拡散を行い、これによりユーザデータと各種制御データとを分離する。分離されたデータのうち制御データは制御部80に取り込まれる。一方ユーザデータは、その種類が音楽データ等のオーディオデータであればオーディオ符号復号部(以後オーディオコーデックと称する)40に入力され、また静止画又は動画等のビデオデータであればビデオ符号復号部(以後ビデオコーデックと称する)50に入力される。
【0039】
オーディオコーデック40は、上記入力されたオーディオデータを復号してアナログオーディオ信号を再生し、この再生したアナログオーディオ信号をスピーカ41から出力させる。ビデオコーデック50は、上記入力されたビデオデータを復号してディジタルビデオ信号を再生し、この再生したディジタルビデオ信号を制御部80を介して入力表示制御部60に入力する。入力表示制御部60は、上記入力されたディジタルビデオ信号を液晶表示器(LCD)61に表示するための制御を実行する。
【0040】
ところで、制御部80はマイクロコンピュータを主制御部として備えたもので、この発明に係わる制御機能として、C/I測定機能81と、通信コンテンツ種別・データ伝送量判定機能82と、要求レート決定通知制御機能83と、通信制御機能84とを備えている。
【0041】
C/I測定機能81は、フォワードリンクのアイドルスロット期間において、パイロット信号のC/I(Carrier to Interference and noise power ratio)を検出する。そして、複数のタイミングで検出したC/I値の平均値を算出し、この平均値をC/I測定値とする。
【0042】
通信コンテンツ種別・データ伝送量判定機能82は、通信ごとにそのコンテンツの種別を判定すると共にそのデータ伝送量を推定する。判定対象の通信コンテンツ種別には、テレビジョン電話通信や、サーバからデータをダウンロードするための通信、電子メールの送受信、電子商取引のための通信等がある。
【0043】
要求レート決定通知制御機能83は、上記C/I測定機能81により求められたC/I測定値と、通信コンテンツ種別・データ伝送量判定機能82により判定された通信コンテンツ種別及びそのデータ伝送量とをそれぞれ関数f(x)、f′(y)、f″(z)として所定の演算を行い、これにより基地局BS1〜BSnに要求すべきデータレートを決定する。そして、この決定したデータレートを含むDRCデータをCDM方式によりユーザデータに多重化し、基地局BS1〜BSnに送信する。
【0044】
通信制御機能84は、上記DRCデータにより基地局に要求したデータレートによる復調を準備し、このデータレートにより基地局BS1〜BSnから伝送されるデータを待ち受ける。そして、受信スロットごとにデータに先行して受信されるプリアンブルを自身のコードで復調することにより自己に割り当てられた受信スロットであるか否かを判定する。そして、自己に割り当てられた受信スロットであれば、当該スロットにより伝送されたデータを引き続き復調する。
【0045】
なお、62はキーボード等の入力部であり、この入力部62の操作情報は入力表示制御部60により入力データに変換されて制御部80に入力される。また70はRAMやフラッシュメモリからなる記憶部であり、この記憶部70にはアドレスブック、電子メール等の送受信データ、アプリケーション・プログラム、制御データ等が記憶される。
【0046】
さらに90は電源部である。この電源部90は、リチウムイオン電池等の二次電池91と、電源回路92と、充電回路93とから構成される。電源回路92は、二次電池91の出力電圧をもとに所定の動作電源電圧Vccを生成して端末各部に供給する。充電回路93は、図示しない商用電源から充電端子94を介して供給される電圧をもとに上記二次電池91を充電する。
【0047】
一方、基地局BS1〜BSnは次のように構成される。図3はその機能構成を示すブロック図であり、1つの周波数に対応する構成のみを示している。
【0048】
同図において、移動通信端末MS1,MS2からリバースリンクを介して到来した無線信号は、アンテナ101で受信されたのち無線部100に入力される。無線部100は、アンテナ共用器102と、受信回路103と、周波数シンセサイザ104と、送信回路105とを備えている。
【0049】
受信回路103は、上記アンテナ101により受信された無線信号を低雑音増幅器により増幅しさらに帯域フィルタにより不要な周波数成分を除去したのち、周波数シンセサイザ104から出力された受信局部発振信号とミキシングして受信ベースバンド信号に周波数変換する。そして、この受信ベースバンド信号をTDMA処理部20に入力する。なお、上記周波数シンセサイザ104から発生される受信局部発振信号の周波数は、制御部600から出力される制御信号SYCによって指示される。
【0050】
TDMA処理部200は、制御部600からの指示に従い、上記受信ベースバンド信号をスロットごとに分離する。そして、この分離された各スロットの受信バースト信号をCDM多重化処理部300に入力する。
【0051】
CDM多重化処理部300は、上記入力された各スロットのバースト信号をそれぞれ直交復調方式により復調すると共に拡散符号を使用してスペクトラム逆拡散を行い、これによりユーザデータと各種制御データとを分離する。分離されたデータのうちDRCデータ等の制御データは制御部600に取り込まれる。一方ユーザデータは、網インタフェース部400へ出力される。
【0052】
網インタフェース部400は、ルータRT1〜RTnとの間でパケットデータの送受信を行うもので、上記CDM多重化処理部300から出力されたユーザデータをインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)のサーバPVか又はインターネットINW上のウエブサーバへ転送する。また、網インタフェース部400は、ISPのサーバPV又はウエブサーバからルータRT1〜RTnを介して伝送されたパケットデータを受信し、この受信されたデータをCDM多重化処理部300へ転送する。
【0053】
CDM多重化処理部300は、ユーザに対応するチャネルごとに、上記網インタフェース部400により受信されたデータと、制御部600から出力される制御データとを、それぞれ異なる拡散符号によりスペクトラム拡散して合成し、これにより第1のCDM多重データを生成する。上記制御データには、例えば移動通信端末MS1,MS2に対し通信データレートを通知するためのデータが含まれる。またCDM多重化処理部300は、パイロット信号や報知信号等の制御信号を、それぞれ異なる拡散符号によりスペクトラム拡散して合成し、これにより第2のCDM多重データを生成する。そして、これら第1及び第2のCDM多重データをそれぞれQ相及びI相として直交変調し、この変調された信号をTDMA処理部200へ出力する。
【0054】
TDMA処理部200は、上記CDM多重化処理部300から出力された変調信号を、制御部600の指示に従いユーザごとに送信スロットに挿入し、これによりTDMA信号を生成する。そして、このTDMA信号を無線部100に供給する。
【0055】
無線部100は、上記TDMA処理部200から供給されたTDMA信号を、周波数シンセサイザ104から発生される送信局部発振信号と送信回路105で合成することにより送信周波数帯域の無線信号に周波数変換する。そして、この無線信号を所定の送信電力に増幅したのちアンテナ共用器102を介してアンテナ101に供給し、アンテナ101からフォワードリンクの無線信号として移動通信端末MS1,MS2に向け送信する。
【0056】
ところで、制御部600はマイクロコンピュータを主制御部として備えたもので、この発明に係わる制御機能として要求レート受信制御機能601と、スケジューリング制御機能602とを備えている。
【0057】
要求レート受信制御機能601は、複数の移動通信端末からリバースリンクにより送られるDRCデータをスロットごとに収集する。
【0058】
スケジューリング制御機能602は、上記要求レート受信制御機能601により収集されたDRCデータをもとに、予め設定したスケジューリング・アルゴリズムに従い、要求元の移動通信端末に対するスロットの割り当てを決定する。なお、スケジューリング・アルゴリズムとしては例えばProportional Fairアルゴリズムを使用する。
【0059】
なお、700は記憶部であり、この記憶部700には上記制御部600が実行する種々アプリケーション・プログラムや、各移動通信端末MS1,MS2の管理データ等が格納される。
【0060】
次に、以上のように構成された無線データ通信システムの動作を、移動通信端末MS2がインターネットINW上のサーバとの間でデータ伝送を行う場合を例にとって説明する。
【0061】
移動通信端末MS2は、図1に示すように基地局BS1を捕捉した状態で待ち受け動作を行っている。このとき移動通信端末MS2では、捕捉中の基地局BS1からの無線信号が受信されるが、周辺の基地局BS2,BSnからの無線信号も受信される。これら周辺の基地局BS2,BSnからの無線信号は干渉波となる。
【0062】
移動通信端末MS2の制御部80は、通信に先立ち図4に示すように、先ずステップ4aで、使用する通信コンテンツの種別f(x)を判定する。例えば、テレビジョン電話通信であるか、ウエブサーバからのデータダウンロードであるか、さらには電子メールの送受信であるかを判定する。続いて制御部80は、ステップ4bにより上記判定された通信コンテンツのデータ伝送量f′(y)を推定する。例えば、使用する通信コンテンツ種別がデータダウンロードであれば、ダウンロード予定のデータ伝送量を推定する。
【0063】
次に制御部80は、ステップ4cにより接続中の基地局BS1から送信されるフォワードリンクの受信スロットのC/I値f″(z)を測定する。このC/I値f″(z)は、例えば図6に示すように、1個の受信スロットSLR1の期間中に基地局(例えば図1ではBS1)から複数回(例えば2回)到来するパイロット信号のC/Iをそれぞれ検出し、この検出されたC/Iの平均値を算出することにより得られる。
【0064】
そうしてC/I値f″(z)が算出されると、制御部80はステップ4dに移行し、ここで上記通信コンテンツ種別の判定結果f(x)、データ伝送量の推定値f′(y)、及びC/Iの測定値f″(z)をもとに、要求すべきデータレートYを、
Y=f(x)+f′(y)+f″(z)
なる演算式を使用して算出する。したがって、C/Iの測定値f″(z)に加え、通信コンテンツ種別の判定結果f(x)とそのデータ伝送量の推定値f′(y)が考慮された要求データレートが求められる。
【0065】
そして移動通信端末MS2は、上記算出された要求データレートを含んだDRCデータを、ステップ4eにより図6に示すようにリバースリンクの送信スロットSLT2に挿入して基地局BS1へ向け送信する。このDRCデータは、図7に示すようにCDM方式によりユーザデータに多重化されて送信される。
【0066】
これに対し基地局BS1は、図5に示すようにステップ5aにおいて、リバースリンクのスロットごとに、複数の移動通信端末からのDRCデータの到来を監視している。そして、移動通信端末MS2から到来した無線信号にDRCデータが含まれていたとすると、ステップ5bでこのDRCデータを抽出して保存する。また、同時に他の移動通信端末MS1からDRCデータが到来した場合にも、これらのDRCデータをそれぞれ受信スロットから抽出して保存する。
【0067】
次に基地局BS1は、上記DRCデータを送信した移動通信端末に対するスロットの割り当て処理を行う。この割り当て処理は、DRCデータを送信した移動通信端末が1つの場合と、DRCデータを送信した移動通信端末が複数の場合、つまり複数の移動通信端末からのデータレート要求が競合した場合とで異なる。
【0068】
先ずDRCデータを送信した移動通信端末が1つの場合には、当該移動通信端末に対しDRCデータにより要求されたデータレートに対応するスロットが無条件に割り当てられる。したがって、当該移動通信端末にはこの割り当てられたスロットを使用して基地局からデータがダウンロードされる。
【0069】
一方、複数の移動通信端末からのデータレート要求が競合した場合には、予め定めてあるスケジューリング・アルゴリズム、例えばProportional Fairアルゴリズムに従い、次のようにスケジューリング処理が行われる。
【0070】
すなわち、先ずステップ5cにおいて、DRCデータを送信した複数の移動通信端末の各々について、要求されたDRC(t)と、当該端末に対し過去の一定期間に送信したデータのデータレート平均値R(t)とから、DRC(t)/R(t)が計算される。そしてステップ5dにより、上記算出されたDRC(t)/R(t)が比較され、値が最も大きい移動通信端末の通信に対し送信タイミングが最も早いスロットが割り当てられる。例えば、移動通信端末MS2のDRC(t)/R(t)の値が最も大きければ、この移動通信端末MS2の通信に対し図6に示すスロットSLR4が割り当てられる。そして基地局BS1〜BSnは、ステップ5eにおいて、上記割り当てたスロットSLR4を使用して移動通信端末MS2宛てのデータを送信する。
【0071】
一方、移動通信端末MS2は、上記DRCデータの送信を終了すると、ステップ4fにより、基地局BS1に要求したデータレートによる復調を準備し、このデータレートにより基地局BS1から伝送されるデータを待ち受ける。そして、受信スロットごとにデータに先行して受信されるプリアンブルを自身のコードで復調することにより、自己に割り当てられた受信スロットであるか否かを判定する。そして、自己に割り当てられた受信スロットであれば、ステップ4gにより、当該スロットにより伝送されたデータを復調する。
【0072】
以後同様に移動通信端末MS1,MS2では、スロットごとに、通信コンテンツ種別の判定結果f(x)、データ伝送量の推定値f′(y)、及びC/Iの測定値f″(z)をもとに要求すべきデータレートYが算出され、この算出された要求データレートYを含めたDRC(t)が基地局BS1〜BSnに通知される。そして基地局BS1〜BSnでは、スロットごとに、移動通信端末MS1,MS2から通知されたDRC (t)と、当該端末へ過去の一定期間に伝送したデータのデータレートの平均値R(t)とからDRC(t)/R(t)が計算され、このDRC(t)/R(t)が最も大きい移動通信端末に対し送信タイミングが最も早いスロットが割り当てられる。
【0073】
したがって第1の実施形態によれば、C/I測定値だけでなく通信コンテンツの種類及びデータ伝送量を考慮した上で移動通信端末のデータレートが決定される。このため、例えば移動通信端末MS2が、テレビジョン電話通信のような高速データ通信を要求している場合には、他の基地局BS2,BSnから比較的大きな干渉を受けている状態であっても、当該移動通信端末MS2に対し高い伝送レートによる通信を可能にするべくスロットが割り当てられる。したがって、リアルタイム性を損なうことなくテレビジョン電話通信が可能となる。
【0074】
反対に、移動通信端末MS2が例えば電子メールを受信する場合のようにデータ伝送量が比較的少なくかつリアルタイム性を要求されない無線データ通信を行う場合には、たとえ干渉が少なく受信品質が良好な状態であっても、低い伝送レートが選択されてそれに応じたスロット割り当てがなされる。このため、通信を要求している移動通信端末が他に存在し、かつこの移動通信端末が例えば電話通信のようなリアルタイム性が要求される通信を要求している場合には、当該移動通信端末は高い伝送レートで通信を行うことができる。
【0075】
またこの実施形態では、データレートを移動通信端末MS2において算出して、この算出したデータレートを含めたDRCデータを基地局BS1に通知し、このDRCデータをもとにスケジューリング処理を行って移動通信端末MS2に対しスロットを割り当てるようにしている。すなわち、データレートの決定が移動通信端末MS2自身で行われる。このため、基地局BS1は移動通信端末MS2から要求されたデータレートをもとにスケジューリングを行うだけでよく、既存の機能を何ら変更することなくこの発明を実現することができる。
【0076】
さらに、通信コンテンツの種類とそのデータ伝送量、及びC/I値をそれぞれ関数としてデータレートを算出するための演算式を備え、この演算式によりデータレートを算出するようにしている。このため、大容量のメモリテーブルを設けることなくデータレートを決定することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、通信コンテンツの種類とそのデータ伝送量の判定結果、及びC/I測定値を、移動通信端末から基地局に通知する。そして基地局において、上記通知された通信コンテンツの種類、そのデータ伝送量及びC/I測定値をもとに演算を行ってデータレートを算出し、この算出したデータレートをもとにスケジューリングを行うようにしたものである。
【0078】
図9はこの発明の第2の実施形態に係わる移動通信端末の制御手順と制御内容を示すフローチャート、図10は基地局の制御手順と制御内容を示すフローチャートである。なお、移動通信端末及び基地局の構成については前記第1の実施形態とほぼ同一なので説明を省略する。
【0079】
移動通信端末MS2の制御部80は、通信に先立ち図9に示すように、先ずステップ9aで、使用する通信コンテンツの種別xを判定する。例えば、テレビジョン電話通信であるか、ウエブサーバからのデータダウンロードであるか、さらには電子メールの送受信であるかを判定する。続いて制御部80は、ステップ9bにより、上記判定された通信コンテンツのデータ伝送量yを推定する。例えば、使用する通信コンテンツ種別がデータダウンロードであれば、ダウンロード予定のデータ伝送量を推定する。
【0080】
次に制御部80は、ステップ9cにより接続中の基地局BS1から送信されるフォワードリンクの受信スロットのC/I値zを測定する。このC/I値zは、例えば図6に示すように、1個の受信スロットSLR1の期間中に基地局(例えば図1ではBS1)から複数回(例えば2回)到来するパイロット信号のC/Iをそれぞれ検出し、この検出されたC/Iの平均値を算出することにより得られる。
【0081】
そうしてC/I値zが算出されると、制御部80は続いてステップ9dに移行し、ここで上記通信コンテンツ種別の判定結果x、データ伝送量の推定値y、及びC/Iの測定値zをデータレート設定要求に含める。そして、このデータレート設定要求をリバースリンクの送信スロットに挿入して基地局BS1へ送信する。このデータレート設定要求は、CDM方式によりユーザデータに多重化されて送信される。
【0082】
一方、基地局BS1は、図10に示すようにステップ10aにおいて、リバースリンクのスロットごとに、複数の移動通信端末からのデータレート設定要求の到来を監視している。そして、移動通信端末MS2から到来した無線信号にデータレート設定要求が含まれていたとすると、ステップ10bでこのデータレート設定要求を抽出して保存する。また、同時に他の移動通信端末MS1からデータレート設定要求が到来した場合にも、これらのデータレート設定要求をそれぞれ受信スロットから抽出して保存する。
【0083】
次に基地局BS1は、ステップ10dに移行し、ここで上記通信コンテンツ種別の判定結果x、データ伝送量の推定値y、及びC/Iの測定値zをそれぞれ関数として、データレートを算出するための下記の演算を実行する。
Y=f(x)+f′(y)+f″(z)
したがって、C/Iの測定値zに加え、通信コンテンツ種別の判定結果xとそのデータ伝送量の推定値yが考慮されたデータレートが算出される。そして、この算出されたデータレートYを、ステップ10dによりフォワードリンクのスロットを使用して移動通信端末MS2に返送する。
【0084】
次に基地局BS1は、上記データレート設定要求を送信した複数の移動通信端末MS1,MS2の各々について、ステップ10eにより、上記算出されたデータレートY(t)と、当該端末に対し過去の一定期間に送信したデータのデータレート平均値R(t)とから、Y(t)/R(t)を計算する。そしてステップ10fにより、上記算出されたY(t)/R(t)が比較され、値が最も大きい移動通信端末の通信に対し送信タイミング最も早いスロットが割り当てられる。例えば、移動通信端末MS2のY(t)/R(t)の値が最も大きければ、この移動通信端末MS2の通信に対し図6に示すスロットSLR4が割り当てられる。そして基地局BS1は、ステップ10gにおいて、上記割り当てたスロットSLR4を使用して移動通信端末MS2宛てのデータを送信する。
【0085】
一方、移動通信端末MS2は、上記データレート設定要求の送信を終了すると、ステップ9eにより、基地局BS1からの通信データレートの通知を受信する。そして、ステップ9fにおいて、上記通知されたデータレートによる復調を準備し、このデータレートにより基地局BS1から伝送されるデータを待ち受ける。そして、受信スロットごとにデータに先行して受信されるプリアンブルを自身のコードで復調することにより、自己に割り当てられた受信スロットであるか否かを判定する。そして、自己に割り当てられた受信スロットであれば、当該スロットにより伝送されたデータを復調する。
【0086】
以後同様に移動通信端末MS1,MS2では、スロットごとに、通信コンテンツ種別とそのデータ伝送量が判定されると共にC/Iが測定され、これらの判定結果及びC/I測定値が基地局BS1に通知される。そして、基地局BS1では、上記通知された通信コンテンツ種別とそのデータ伝送量の判定結果、及びC/I測定値をもとにデータレートYが算出され、この算出されたデータレートYに基づいてProportional Fairアルゴリズムに従いスケジューリング処理が実行される。
【0087】
したがって第2の実施形態によれば、前記第1の実施形態と同様、C/I測定値だけでなく通信コンテンツの種類及びデータ伝送量を考慮した上で移動通信端末のデータレートを決定できる。このため、無線通信環境だけでなく移動通信端末ユーザの使用条件が反映された、より適切なデータレートで無線データ通信を行うことができる。
【0088】
また第2の実施形態では、移動通信端末MS1,MS2から基地局BS1〜BSnへ、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の判定結果と、C/I測定値をそのまま通知する。そして、基地局BS1〜BSnにおいて、上記移動通信端末MS1,MS2から通知された通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の判定結果と、C/I測定値に基づいて当該移動通信端末MS1,MS2のデータレートYを算出し、この算出されたデータレートYに基づいてスケジューリング処理を行うようにしている。
このため、移動通信端末MS1,MS2は、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の判定結果と、C/I測定値を基地局BS1〜BSnに通知するだけでよい。このため、移動通信端末MS1,MS2の制御部80の処理負荷を軽減することができる。
【0089】
(その他の実施形態)
前記第1及び第2の実施形態では、演算式を用いてデータレートを算出するようにした。しかし、これに限定されるものではなく、通信コンテンツの種類、データ伝送量、及びC/I値と、データレートとの対応関係を表す情報を記憶したメモリテーブルを予め設けておき、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の判定結果と、C/I測定値とに対応するデータレートを上記メモリテーブルから読み出すようにしてもよい。このように構成すると、予めメモリテーブルを用意しておくだけで簡単かつ短時間に伝送レートを決定することができる。
【0090】
また、前記各実施形態では、C/I値と、通信コンテンツ種別と、データ伝送量をもとにデータレートを決定するようにした。しかし、それ以外に、C/I値と通信コンテンツ種別、或いはC/I値とデータ伝送量をもとにデータレートを決定してもよく、さらには上記C/I値、通信コンテンツ種別及びデータ伝送量に加えチャネルの空き状況も考慮してデータレートを決定するようにしてもよい。
【0091】
さらに前記各実施形態では、スケジューリング・アルゴリズムとしてProportional Fairアルゴリズムを使用した場合を例にとって説明した。しかし、C/I値アルゴリズムやRound Robinアルゴリズム等のその他のアルゴリズムを使用してもよい。
【0092】
その他、無線データ通信システムの構成や無線伝送方式、移動局装置及び基地局装置の種類やその構成、データレートを決定するための制御手順と制御内容、スケジューリング・アルゴリズムの種類等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0093】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、無線データ通信に先立ち、移動局装置ごとにその受信チャネルに対する他からの干渉量を推定すると共に、移動局装置ごとに通信しようとする通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を判定する。そして、上記干渉量の推定値と、上記通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果とに基づいて、移動局装置ごとの伝送レートを決定し、この決定された伝送レートに基づいて各移動局装置に対するチャネルの割り当てを行うようにしている。
【0094】
したがってこの発明によれば、複数の移動局装置から通信要求が競合して発生した場合に、干渉量に加え通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を考慮して各移動局装置の伝送レートを決定することができ、これによりシステムの実状にあった高効率の無線データ通信を実現可能とした無線データ通信システムの伝送レート決定方法、移動局装置及び基地局装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる無線データ通信システムの概略構成図。
【図2】図1に示した移動通信端末の機能構成を示すブロック図。
【図3】図2に示した基地局の機能構成を示すブロック図。
【図4】移動通信端末によるデータレート要求制御の手順と内容を示すフローチャート。
【図5】基地局によるデータレート決定通知制御の手順と内容を示すフローチャート。
【図6】データレートの要求及び決定通知動作を説明するためのタイミング図。
【図7】リバースリンクにおけるデータ多重伝送方式を説明するためのデータ伝送フォーマット図。
【図8】データレートとC/Iとの関係の一例を示す図。
【図9】この発明の第2の実施形態に係わる移動通信端末によるデータレート要求制御の手順と内容を示すフローチャート。
【図10】この発明の第2の実施形態に係わる基地局によるデータレート決定通知制御の手順と内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
INW…インターネット
RT1〜RTn…ルータ
BS1〜BSn…基地局
MS1,MS2…移動通信端末
PV…インターネット・サービス・プロバイダのサーバ装置
10…移動通信端末の無線部
100…基地局の無線部
11,101…アンテナ
12,102…アンテナ共用器(DUP)
13,103…受信回路(RX)
14,104…周波数シンセサイザ(SYN)
15,105…送信回路(TX)
20,200…TDMA処理部
30,300…CDM多重化処理部
40…オーディオコーデック
400…網インタフェース部
41…スピーカ
42…マイクロホン
50…ビデオコーデック
51…カメラ
60…入力表示制御部
61…LCD
62…入力部
70,500…記憶部
80,600…制御部
81…C/I測定機能
82…通信コンテンツ種別・データ伝送量判定機能
83…要求レート決定通知制御機能
84…通信制御機能
90…電源部
91…二次電池
92…電源回路
93…充電回路
94…充電端子
601…要求レート受信制御機能
602…通信レート決定通知制御機能
Claims (9)
- 基地局装置と複数の移動局装置との間で、多重化された複数の伝送チャネルを選択的に使用して無線データ通信を行う無線データ通信システムの伝送レート決定方法であって、
前記移動局装置ごとに通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を判定する過程と、
前記移動局装置ごとにその伝送チャネルの受信品質を測定する過程と、
前記通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果と、前記受信品質の測定値とに基づいて、前記移動局装置ごとの伝送レートを決定する過程と、
前記決定された伝送レートに基づいて各移動局装置に対する伝送チャネルの割り当てを行う過程とを具備したことを特徴とする無線データ通信システムの伝送レート決定方法。 - 基地局装置と複数の移動局装置との間で、多重化された複数の伝送チャネルを選択的に使用して無線データ通信を行うと共に、この無線データ通信に先立ち前記基地局装置が、複数の移動局装置から要求される伝送レートに基づいて要求元の移動局装置に対し伝送チャネルの割り当てを行う機能を有する無線データ通信システムの移動局装置であって、
自装置が使用しようとする通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を判定する手段と、
自装置が使用する伝送チャネルの受信品質を測定する手段と、
前記通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果と、前記受信品質の測定値とに基づいて、要求すべき伝送レートを決定する手段と、
前記決定された伝送レートの要求を前記基地局装置に送信し、当該基地局装置から伝送チャネルの割り当てを受ける手段と、
前記割り当てられた伝送チャネルを使用して基地局装置との間で無線データを伝送する手段とを具備したことを特徴とする無線データ通信システムの移動局装置。 - 前記要求すべき伝送レートを決定する手段は、通信コンテンツの種類とデータ伝送量の少なくとも一方、及び受信品質と、伝送レートとの対応関係を表す情報を記憶したメモリテーブルを有し、前記通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果と前記受信品質の測定値に対応する伝送レートを前記メモリテーブルから読み出すことを特徴とする請求項2記載の無線データ通信システムの移動局装置。
- 前記要求すべき伝送レートを決定する手段は、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方、及び受信品質をそれぞれ関数として、伝送レートを算出するための演算式を備え、この演算式により、前記通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果、及び前記受信品質の測定値に対応する伝送レートを算出することを特徴とする請求項2記載の無線データ通信システムの移動局装置。
- 基地局装置と複数の移動局装置との間で、多重化された複数の伝送チャネルを選択的に使用して無線データ通信を行うと共に、この無線データ通信に先立ち前記基地局装置が、各移動局装置から通知される伝送条件を表す情報に基づいて前記複数の移動局装置に割り当てるべき伝送レートをそれぞれ算出し、この算出した伝送レートに基づいて各移動局装置と基地局装置との間で無線データ通信を行う無線データ通信システムの前記移動局装置であって、
自装置が使用しようとする通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方を判定する手段と、
自装置が使用する伝送チャネルの受信品質を測定する手段と、
前記通信コンテンツの種類又はデータ伝送量の判定結果と、前記受信品質の測定値とを、前記伝送条件を表す情報として前記基地局装置に通知する手段と、
前記伝送条件を表す情報の通知に応じて前記基地局装置により算出された伝送レートを使用して、当該基地局装置との間で無線データを伝送する手段とを具備したことを特徴とする無線データ通信システムの移動局装置。 - 基地局装置と複数の移動局装置との間で、多重化された複数の伝送チャネルを選択的に使用して無線データ通信を行うと共に、この無線データ通信に先立ち前記各移動局装置が、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方と、受信チャネルにおいて測定した受信品質とに基づいて、要求すべき伝送レートを決定して前記基地局装置に通知する機能を有した無線データ通信システムの基地局装置であって、
前記複数の移動局装置からそれぞれ要求される伝送レートに基づいて、要求元の各移動局装置に対し伝送チャネルを割り当てる手段と、
前記割り当てた伝送チャネルを使用して前記複数の移動局装置との間で無線データを伝送する手段とを具備したことを特徴とする無線データ通信システムの基地局装置。 - 基地局装置と複数の移動局装置との間で、多重化された複数の伝送チャネルを選択的に使用して無線データ通信を行うと共に、この無線データ通信に先立ち前記各移動局装置が、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方と、受信チャネルの受信品質の測定値とを、伝送条件を表す情報として前記基地局装置に通知する機能を有した無線データ通信システムの前記基地局装置であって、
前記複数の移動局装置からそれぞれ通知される伝送条件を表す情報に基づいて、各移動局装置の伝送レートを決定する手段と、
前記決定された伝送レートに基づいて、前記複数の移動局装置に対し伝送チャネルを割り当てる手段と、
前記割り当てた伝送チャネルを使用して前記複数の移動局装置との間で無線データを伝送する手段とを具備したことを特徴とする無線データ通信システムの基地局装置。 - 前記伝送レートを決定する手段は、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方、及び受信品質と、伝送レートとの対応関係を表す情報を記憶したメモリテーブルを有し、移動局装置から通知された通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方、及び受信品質の測定値に対応する伝送レートを前記メモリテーブルから読み出すことを特徴とする請求項7記載の無線データ通信システムの基地局装置。
- 前記伝送レートを決定する手段は、通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方、及び受信品質をそれぞれ関数として、伝送レートを算出するための演算式を備え、この演算式により、前記移動局装置から通知された通信コンテンツの種類及びデータ伝送量の少なくとも一方、及び受信品質の測定値に対応する伝送レートを算出することを特徴とする請求項7記載の無線データ通信システムの基地局装置。
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