JP2004079372A - El element and its manufacturing method - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、EL素子及びEL素子の製造方法に関し、特に、発光特性の安定したEL素子及びEL素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
EL素子には、粉末発光体を有機物やホウロウに分散させ、その上下に電極層を設けた構造を持つ分散型EL素子と、電気絶縁性の基板上に薄膜発光体を2つの薄膜絶縁体で挟み、更に2つの電極層で挟んだ構造体を形成した薄膜EL素子がある。また、それぞれについて、駆動方式には直流電圧駆動型、交流電圧駆動型がある。
【0003】
分散型EL素子は古くから知られており、製造が容易であるという利点があるが、輝度が低く寿命も短いのでその利用は限られていた。一方、薄膜EL素子は高輝度、長寿命という特性を持つことから近年広く利用されている。
【0004】
図5に従来の薄膜EL素子の一例として代表的な2重絶縁型薄膜EL素子の構造を示す。この薄膜EL素子は、液晶ディスプレイやPDP等に用いられている青板ガラスなどの透明基板11上に、膜厚0.2〜1μm程度で所定のストライプ状のパターンに形成された透明電極層12、薄膜透明第1絶縁体層13、膜厚0.2〜1μm程度の発光層14、薄膜透明第2絶縁体層15が積層され、更に前記透明電極層12と直交するようにストライプ状にパターニングされた金属電極層16が形成されている。そして、透明電極層12と金属電極層16とのマトリックスで選択された特定の発光体に電源17より電圧を印加することにより、特定画素の発光体を発光させ、その発光を透明基板11側から取り出す。
【0005】
薄膜絶縁体層13、15は、発光層14内を流れる電流を制限する機能を有し、薄膜EL素子の絶縁破壊を抑えることが可能であり、安定な発光特性が得られるため、この構造の薄膜EL素子は商業的にも広く実用化されている。
【0006】
しかしながら、図5に示すような薄膜EL素子は、絶縁体層が薄膜で形成されているため、大面積のディスプレイとしたとき、透明電極のパターンエッジの段差部や、製造工程で発生するゴミ等による薄膜絶縁体層の欠陥を無くすことが難しく、局所的な絶縁耐電圧の低下により発光層の破壊が生じるといった問題があった。このような欠陥は、ディスプレイデバイスとして致命的な問題となるため、薄膜EL素子は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイと比較して、大面積のディスプレイとして広く実用化するためには大きな障害となっていた。
【0007】
このような薄膜絶縁体層の欠陥が生じるという問題を解決するため、特公平7−44072号公報には、基板として電気絶縁性のセラミックス基板を用い、発光体下部の薄膜絶縁体のかわりに厚膜誘電体を用いたEL素子が開示されている。この公報に開示されているEL素子は、従来の薄膜EL素子の構造とは異なり、発光体の発光を基板とは反対の上部側から取り出すため、透明電極層は上部に構成されている。
【0008】
このEL素子では厚膜誘電体層は数十〜数百μmと薄膜絶縁体層の数百〜数千倍の厚さに形成される。そのため、電極の段差や製造工程のゴミ等によって形成される欠陥に起因する絶縁破壊が非常に少なく、高い信頼性と製造時の高い歩留まりを得ることができるという利点を有している。
【0009】
しかしながら、厚膜誘電体層上に形成される発光層は数百nmと厚膜誘電体層の1/100程度の厚さしかない。このため、厚膜誘電体層は発光層の厚み以下のレベルでその表面が平滑でなければならないが、通常の厚膜工程で作製された誘電体表面を十分平滑にすることは困難であった。
【0010】
すなわち、厚膜誘電体層は本質的に粉体原料を用いて焼結したセラミックスで構成されている。このため、緻密に焼結させると通常30〜40%程度の体積収縮を生じる。ところが、通常のセラミックスが焼結時に3次元的に体積収縮し緻密化するのに対して、基板上に形成された厚膜セラミックスは、基板に拘束されているため、基板の面内方向には収縮できず、厚さ方向に1次元的にしか体積収縮出来ない。このため、厚膜誘電体層の焼結は不十分なまま本質的に多孔質体となってしまう。更に厚膜の表面粗さは、多結晶焼結体の結晶粒サイズ以下にはならないため、その表面はサブミクロンサイズ以上の凹凸形状になる。
【0011】
このような厚膜誘電体層の表面の欠陥あるいは多孔質の膜質や凹凸形状があると、その上に蒸着法やスパッタリング法等の気相堆積法で形成される発光層が、表面形状に追随し、平滑に形成することができない。このため、このような基板の非平坦部に形成された発光層部には効果的に電界を印加できず、有効発光面積が減少したり、膜厚の局所的な不均一性から発光層が部分的に絶縁破壊を生じ、発光輝度の低下を生じるといった問題があった。
【0012】
更に、膜厚が局所的に大きく変動するため、発光層に印加される電界強度が局所的に大きくばらつき、明確な発光電圧しきい値が得られない問題があった。
【0013】
このような問題を解決するために、特開平7−50197号公報では、ニオブ酸鉛からなる厚膜誘電体表面に、ゾルゲル法によって形成されるチタン酸ジルコン酸鉛等の高誘電率層を積層し、表面の平坦性を改善する手法が開示されている。
【0014】
図6に平坦性を改善した従来の薄膜EL素子の例を示す。同図に示すように、電気絶縁性を有する基板21上に所定のパターンに形成した下部電極層22と、その上に厚膜誘電体層(第1の誘電体層)23と、更にその上にゾルゲル法により形成した第2の誘電体層24とを積層し多層誘電体層を構成している。そして、第2の誘電体層24上に薄膜絶縁体層25、発光層26、薄膜絶縁体層27、透明電極層28が順次積層されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のゾルゲル法により形成した誘電体層を有するEL素子であっても、発光層を蒸着法で成膜した場合、発光層の成膜中に発生するスプラッシュの発生を抑えることはできない。ここで、スプラッシュとは発光層の成膜中に発生し膜中に付着する1〜2μm程度の異常粒子(いくつかの原子もしくは分子が集合したクラスター状態での付着)である。形状は全体に丸みを帯びているが、密集している部分の形状は凸凹している。
【0016】
このスプラッシュが発生することにより、上部電極をパターニングする際に行うフォトレジスト形成工程において、スプラッシュ部に付着したレジストや染み込んだ溶剤等が残りやすい。この有機物等が残った場合、EL素子の高温連続動作試験において発光層であるZnS:Mn等が劣化し発光特性を著しく悪化させる問題があった。
【0017】
また、スプラッシュが付着した界面はマイクロクラックが発生している場合もある。
【0018】
更に、発光層にはZnS:Mn、SrS:Ce等の材料が知られているが一般的に湿気、水分、有機物付着によって劣化する問題があった。
【0019】
そこで、本発明はゾルゲル法により表面を平坦化した厚膜セラミックス誘電体層を有するEL素子において発光特性の信頼性が高いEL素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、(1)〜(8)の手段によって達成される。
【0021】
(1) 基板上に、少なくとも、第1の電極層と、誘電体層と、発光層と、第2の電極層とを有し、前記誘電体層が第1の誘電体層と溶液塗布焼成法によって形成された第2の誘電体層とからなるEL素子において、少なくとも第2の電極層に隣接する層の表面であって第2の電極層の電極パターンが形成されていない部分に保護層を設けたことを特徴とするEL素子。
【0022】
(2) 前記保護層が、前記第2の電極層の下面に形成していることを特徴とする(1)に記載のEL素子。
【0023】
(3) 前記保護層が、電気絶縁性を有する無機材料により形成されている(1)又は(2)の何れかに記載のEL素子。
【0024】
(4) 前記発光層の少なくとも一方の面上に薄膜絶縁体層を有する(1)〜(3)の何れかに記載のEL素子。
【0025】
(5) 前記薄膜絶縁体層がアルミ酸化物、イットリウム酸化物である(4)に記載のEL素子。
【0026】
(6) 前記EL素子を備えた(1)〜(5)の何れかに記載のディスプレイパネル。
【0027】
(7) 基板上に第1の電極層を形成する工程と、この第1の電極層上に第1の誘電体層を形成する工程と、この第1の誘電体層に溶液塗布焼成法によって第2の誘電体層を形成する工程と、この第2の誘電体層上に発光層を形成する工程と、この発光層の全面に保護層材料を形成後、第2の電極形成用のリフトオフ用レジストパターンをレジストにより形成し、ドライエッチング法により第2の電極形成部分の保護層材料をエッチングし、このエッチング部に第2の電極層を形成する工程とを有するEL素子の製造方法。
【0028】
(8) 前記発光層を形成する工程の前に、後に又は前後の両方に絶縁体層を形成する工程を有する(7)に記載のEL素子の製造方法。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
【0030】
図1に本発明に係るEL素子の第1の実施形態の概略断面図を示す。
【0031】
本発明に係るEL素子は、基板1の一方の面上に所定のパターンからなる第1の電極層2を設け、更に第1の電極層2の少なくとも一部を被覆するように厚膜誘電体層3を設ける。厚膜誘電体層3は第1の誘電体層31と第2の誘電体層32からなり、第2の誘電体層32は溶液塗布焼成法により設ける。ここで、溶液塗布焼成法とは、ゾルゲル法やMOD(Metallo−Organic Decomposition)法等により誘電体材料の前駆体溶液を基体に塗布し、焼成によって誘電体層を形成する方法である。
【0032】
そして、厚膜誘電体層3の第2の誘電体層側に発光層4を設ける。発光層4の上下面の少なくとも一方に薄膜誘電体層を設けても良い(図1は発光層の上下面双方に薄膜誘電体層5、6を設けた場合の形態を示す)。更に、発光層4又は誘電体層側とは反対の側に薄膜誘電体層6を設ける場合にはその面上に所定のパターンからなる第2の電極層7と、第2の電極層に隣接する層の面上、即ち、その発光層4又は薄膜誘電体層6を設ける場合にはその面上であって電極層7の所定のパターンが設けられていない部分に保護層8を設ける。
【0033】
第2の電極層7は、EL素子の上面から見たときに、第1の電極層に対して直交する方向にストライプ状に形成する。そして、第1の電極層2の任意のストライプ電極と第2の電極層7の任意のストライプ電極とをそれぞれ選択し、発光層中の両電極が交差した発光層中の一部に交流電源9から選択的に電圧を印加することにより特定画素の発光を得ることができる。
【0034】
図2に本発明に係るEL素子の第2の実施形態の概略断面図を示す。
【0035】
素子の構成は基本的に前記第1の実施の形態と同様である。但し、保護層8が電極層7の下面にも形成する点で第1の実施の形態と異なる。
【0036】
保護層8を電極層7の下面にも形成することにより、薄膜絶縁体層と同様の効果を得ることができ、更にスプラッシュ等による積層膜の欠陥の影響を緩和させることができる。
【0037】
以下、本発明に係るEL素子を構成する部材、形成方法等について更に詳細に説明する。
【0038】
<基板>
基板は、電気絶縁性を有し、隣接する第1の電極層や厚膜誘電体層を汚染することなく、所定の耐熱強度を維持できるものであれば特に限定されるものではない。
【0039】
具体的な材料としては、アルミナ(Al2O3)、石英ガラス(SiO2)、マグネシア(MgO)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、ステアタイト(MgO・SiO2)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、ベリリア(BeO)、ジルコニア(ZrO2)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)等のセラミックス基板や結晶化ガラス、高耐熱ガラス等を用いてもよく、またホウロウ処理を行った金属基板等も使用できる。
【0040】
<第1の電極層>
第1の電極層は、表示装置を単純マトリクスタイプとする場合、複数のストライプ状のパターンを有するように形成される。また、その線幅が1画素の幅となり、ライン間のスペースは非発光領域となるため、極力ライン間のスペースを小さくしておくことが好ましい。具体的には、目的とするディスプレイの解像度にもよるが、例えば線幅200〜500μm、スペース20〜50μm程度が必要である。
【0041】
また、第1の電極層の厚みは、0.1〜3μm程度が好ましく、0.5〜1μm程度が特に好ましい。厚すぎるとその電極間の段差により、その上に形成する厚膜誘電体層に凹凸が生じて平坦な発光層を形成できなくなる。また薄すぎると電極抵抗が上昇し発光層にかかる電圧値が低下し輝度が落ちる不具合が起こる。
【0042】
第1の電極層の材料としては、高い導電性が得られ、誘電体層や発光層と反応性が低く、材料電極層を被覆する誘電体層の形成時にダメージを受けない、即ち、誘電体層焼成時の酸化雰囲気に対して酸化しにくいものが好ましい。
【0043】
具体的には、Au、Pt、Pd、Ir、Ag等の貴金属、Au−Pd、Au−Pt、Ag−Pd、Ag−Pt等の貴金属合金、Ag−Pd−Cu等の貴金属を主成分とし非金属元素を添加した電極材料が好ましい。
【0044】
また、ITO、SnO2(ネサ膜)、ZnO−Al等の酸化物導電性材料を用いてもよく、誘電体層の焼成雰囲気を調整すれば、Ni、Cu等の卑金属を用いることもできる。
【0045】
第1の電極層の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、めっき法等の公知の技術を用いればよい。
【0046】
また、金液(liquid gold、gold resinate、bright gold)と称する材料により形成されたものを用いてもよい。この金液と称する材料は、テルペン系の溶剤に金を有機金属化合物の形で、通常4〜25%程度含有させたもので、褐色で粘性のある液体である。この金液を用いることにより、50〜500nmと極めて薄く緻密な金膜が得られる。
【0047】
この金液は、テルペンに可溶で粘度を自由に調製できることから、スプレー法、スクリーン印刷等、種々の塗布、印刷法により電極パターンを形成することができる。
【0048】
塗布された金液は、乾燥した後450〜850℃程度の加熱処理により、金の配線パターンに形成される。
【0049】
<厚膜誘電体層>
厚膜誘電体層は、高誘電率、高耐電圧であることが必要であり、更に基板の耐熱性を考慮して低温焼成可能な材料であることが要求される。
【0050】
本発明に係る厚膜誘電体層は第1の誘電体層と第2の誘電体層からなる。
【0051】
第1の誘電体層は、いわゆる厚膜法により粉末状の絶縁体材料を焼成して形成されるセラミックス層である。
【0052】
第1の誘電体層の膜厚は、電極の段差や製造工程のゴミ等によって形成されるピンホールを排除することができる程度の厚さがあれば特に限定するものではないが、10〜100μm程度が好ましく、20〜40μm程度が好ましい。厚すぎると緻密化が困難となり、また薄すぎると電極間の段差の影響を排除することができなくなる。
【0053】
また、比誘電率は上記の膜厚を確保する場合において1000以上が好ましい。比誘電率が低すぎると、発光層に印加される実効電圧が降下し、発光における輝度が低下する。したがって、発光層にかかる電圧を効率的に供給するには、厚膜誘電体層の誘電率はより高い方が好ましい。
【0054】
第1の誘電率層の材料としては、様々な材料を用いることができるが、基板材料の耐熱性の制約を考えると低温焼成可能な高誘電率セラミックス組成物であることが好ましい。
【0055】
例えばBaTiO3、(BaxCa1−x)TiO3、(BaxSr1−x)TiO3、PbTiO3、Pb(ZrxTi1−x)O3(以下、PZT)等のペロブスカイト構造を有する誘電体、強誘電体材料、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3等に代表される複合ペロブスカイトリラクサー型強誘電体材料、Bi4Ti3O12、SrBi2Ta2O9に代表されるビスマス層状化合物、(SrxBa1−x)Nb2O6、PbNb2O6等に代表されるタングステンブロンズ型強誘電体材料等を用いることができる。
【0056】
また、組成に鉛を含んだ誘電体材料は、酸化鉛の融点が886℃と低く、酸化鉛と他の酸化物系材料、例えばSiO2、CuO、Bi2O3、Fe2O3等との間で700℃から800℃程度の低温で液相が形成されるため低温で焼成が容易であり、かつ高誘電率を得やすいため好ましい。
【0057】
例えばPZT等のペロブスカイト構造誘電体材料やPb(Mg1/3Ni2/3)O3等に代表される複合ペロブスカイトリラクサー型強誘電体材料や、PbNbO6等に代表されるタングステンブロンズ型強誘電体材料等は特に好ましい例として挙げられる。これらは、アルミナセラミックス等の通常のセラミックス基板の上限耐熱温度である800〜900℃の焼成温度で容易に比誘電率1000〜10000の誘電体を形成することができる。
【0058】
第1の誘電体層は、いわゆる厚膜形成法により形成される。
【0059】
例えば第1の電極層が形成された基板上に、粉末状の絶縁体材料とバインダーと溶媒とを混合して作製した絶縁体ペーストを印刷して焼成して形成することができる。また、絶縁体ペーストをキャスティング成膜することによりグリーンシートを形成し、積層して形成してもよい。
【0060】
その後、脱バインダ処理、焼成を行うことにより第1の電極層が形成される。脱バインダ処理の条件は、バインダ、溶剤等の種類等に応じ適宜選択すればよい。また、焼成時の雰囲気は、電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定すればよいが、酸化性雰囲気中で焼成を行う場合、通常の大気中焼成を行えばよい。焼成温度は、絶縁体層の種類に応じて適宜決定すればよいが、通常、700〜1200℃程度、好ましくは1000℃以下である。また、焼成時の温度保持時間は、0.05〜5時間、特に0.1〜3時間が好ましい。また、必要に応じてアニール処理を施してもよい。
【0061】
第1の誘電体層上に溶液塗布焼成法により第2の誘電体層を形成する。
【0062】
溶液塗布焼成法とは、ゾルゲル法やMOD法等により誘電体材料の前駆体溶液を基板に塗布し、焼成することによって誘電体層を形成する方法である。
【0063】
溶液塗布焼成法を用いることにより、第1の誘電体層表面の凹凸に対して、凹部には厚く、凸部には薄く層が形成されるため、誘電体層表面の段差が平坦化することができ、この上に形成される薄膜発光層の均一性を大幅に改善することが出来る。
【0064】
ゾルゲル法とは、一般には溶媒に溶かした金属アルコキシドに所定量の水を加え、加水分解、重縮合反応させてできるM−O−M結合を持つゾルの前駆体溶液を基板に塗布し焼成させることによって膜形成をする方法である。また、MOD法とは、M−O結合を持つカルボン酸の金属塩などを有機溶媒に溶かして前駆体溶液を形成し、基板に塗布し焼成することによって膜形成をする方法である。ここで前駆体溶液とはゾルゲル法、MOD法などの膜形成法において原料化合物が溶媒に溶解されて生成する中間化合物を含む溶液である。
【0065】
ゾルゲル法とMOD法は、完全に別個の方法ではなく、相互に組み合わせて用いることが一般的である。例えばPZTの膜を形成する際、Pb源として酢酸鉛を用い、Ti、Zr源としてアルコキシドを用いて溶液を調整することが一般的である。また、ゾルゲル法とMOD法の二つの方法を総称してゾルゲル法と呼ぶ場合もあるが、いずれの場合も前駆体溶液を基板に塗布し、焼成することによって膜を形成することから本発明では溶液塗布焼成法とする。また、サブミクロンサイズの誘電体粒子と誘電体の前駆体溶液とを混合した溶液であっても本発明の誘電体の前駆体溶液に含まれ、その溶液を基板に塗布焼成する場合であっても本発明の溶液塗布焼成法に含まれる。
【0066】
溶液塗布焼成法は、ゾルゲル法、MOD法いずれの場合も、誘電体を構成する元素がサブミクロン以下のオーダーで均一に混合されるため、厚膜法による誘電体形成のようなセラミックス粉体を焼結をする手法と比較して、極めて低温で緻密な誘電体を形成することが可能である点が特徴である。
【0067】
溶液塗布焼成法によって形成する誘電体層の膜厚は厚膜表面の凹凸を十分に平坦化するためには、0.5〜3μmが好ましく、1〜2μmが特に好ましい。
【0068】
この層の比誘電率は第1の誘電体層と同様に、発光層の実効電圧を確保する上で少しでも高い方が望ましく、少なくとも250以上、好ましくは500以上である。
【0069】
このような高誘電率材料としては、例えばBaTiO3、(BaxCa1−x)TiO3、(BaxSr1−x)TiO3、PbTiO3、PZT等のペロブスカイト構造を有する誘電体、強誘電体材料や、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3等に代表される複合ペロブスカイトリラクサー型強誘電体材料や、Bi4Ti3O12、SrBi2Ta2O9に代表されるビスマス層状化合物、(SrxBa1−x)Nb2O6、PbNbO6等に代表されるタングステンブロンズ型強誘電体材料等が挙げられる。これらのなかでも、BaTiO3やPZT等のペロブスカイト構造を有する強誘電体材料が、比誘電率が高く比較的低温での焼成が容易であるため好ましい。
【0070】
<発光層>
発光層の材料としては特に限定されないが、MnをドープしたZnS(ZnS:Mn)、TbをドープしたZnS(ZnS:Tb)、MnをドープしたZnMgS(ZnMgS:Mn)、CeをドープしたSrS(SrS:Ce)等の公知の材料が使用できる。発光層の膜厚としては、特に制限されるものではないが、厚すぎると駆動電圧が上昇し、薄すぎると発光効率が低下する。具体的には、発光体材料にもよるが、好ましくは100〜2000nm程度である。
【0071】
発光層の形成方法は、気相堆積法を用いることが可能である。気相堆積法としては、スパッタ法やエレクトロンビーム蒸着法等の物理的気相堆積法やCVD法等の化学的気相堆積法が好ましい。
【0072】
発光層の形成後、好ましくは加熱処理を行う。加熱処理は、基板側から電極層、誘電体層、発光層を積層した後に行っても良いし、基板側から電極層、誘電体層、発光層、絶縁体層、あるいはこれに電極層を形成した後に行っても良い。加熱処理温度は形成する発光層の材質にもよるが、好ましくは300℃以上、より好ましくは400℃以上であり、誘電体層の焼成温度以下である。処理時間は10〜600分であることが好ましい。加熱処理時の雰囲気としては、発光層の組成、形成条件により空気、N2、He又はAr等から選択すればよい。
【0073】
<薄膜絶縁体層>
薄膜絶縁体層は、省略することもできるが、発光層の少なくとも一方の面に形成することが好ましい。
【0074】
この薄膜絶縁体層は、発光層と誘電体層との間の界面の電子状態を調節し発光層への電子注入を安定化、効率化することができ、また、発光層の両面に形成すれば、この電子状態が発光層の両面で対称的に構成することにより交流駆動時の発光特性の正負対称性を改善することができる。
【0075】
また、第1の電極上に形成する誘電体層のように絶縁耐圧を保持する機能を考慮する必要はないため膜厚は小さくて良い。具体的には10〜1000nmが好ましく、20〜200nmが特に好ましい。
【0076】
この薄膜絶縁体層は、抵抗率として108Ω・cm以上が好ましく、1010〜1018Ω・cmが特に好ましい。また、比較的高い比誘電率を有する物質であることが好ましく、その比誘電率は好ましくは3以上である。
【0077】
この薄膜絶縁体層の材料としては、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化イットリウム(Y2O3)、ジルコニア(ZrO2)、シリコンオキシナイトライド(SiON)、アルミナ(Al2O3)等を用いることができる。また、薄膜絶縁体層の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、CVD法を用いることができる。
【0078】
更に本発明では、後に説明するように保護層をドライエッチングするが、その際のエッチングストッパー、即ちエッチングする際のガスによりエッチングされない材料、もしくは、エッチングレートが非常に小さい材料が好ましい。具体的には酸化イットリウム(Y2O3)、アルミナ(Al2O3)等が好ましい。
【0079】
<保護層>
保護層はドライエッチング可能な絶縁性を有する無機材料であることが好ましい。
【0080】
例えば、酸化シリコン(SiO2)、シリコンオキシナイトライド(SiON)、窒化シリコン(SiN)、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、ジルコニア(ZrO2)、酸化ニオブ(Nb2O5)等が好ましい。これらの中でも、保護層材料を第2の電極下にも形成する場合には、誘電率の高い酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)等が好ましい。
【0081】
抵抗率は、上部電極間に配置されるので、大きいほど好ましく108Ω・cm以上、特に1010〜1018Ω・cmが好ましい。
【0082】
保護層の膜厚としては、1〜2μmのスプラッシュ部表面を覆う事が出来る膜厚が好ましい。具体的には、0.2〜3μmが好ましく、0.5〜2μmが特に好ましい。薄すぎるとスプラッシュ部表面を十分覆うことができず、保護層の効果が得られない。一方、厚すぎると電極を形成するためにエッチングする量を増やさなければならず非効率的である。つまりエッチング量が少ないと、保護層の厚みのために発光層にかかる実効駆動電圧が低下してしまう。また、エッチング量が多くなるとそのエッチングによるダメージがリフトオフ用レジストに生じ、その後のリフトオフが困難になる不具合が生じる。また、保護層を第2の電極層膜厚よりも厚くする事で電極間のショートを防止する効果も得られる。
【0083】
<第2の電極層>
第2の電極層は第1の電極層と同様に表示装置を単純マトリクスタイプとする場合、第1の電極層の電極パターンに対して直交するように、複数のストライプ状のパターンを有するように形成される。また、その線幅が1画素の幅となり、ライン間のスペースは非発光領域となるため、極力ライン間のスペースを小さくしておくことが好ましい。具体的には、目的とするディスプレイの解像度にもよるが、例えば線幅200〜500μm、スペース20〜50μmが必要である。
【0084】
また、第2の電極層は、発光層からの発光を透過させる必要があるために、透明電極でなければならない。具体的には、ITOやSnO2(ネサ膜)、ZnO−Al等の酸化物導電性材料等が用いることができる。膜厚は0.2〜1μmが好ましい。
【0085】
<保護層及び電極層の形成方法>
まず、前記のように基板上に第1の電極層/誘電体層/(薄膜絶縁体層)/発光層/(薄膜絶縁体層)を順次形成(但し、薄膜絶縁体層の形成は任意)し、発光層の面上又は更に薄膜絶縁体層を形成する場合はその層の面上に保護層となる材料を蒸着法、スパッタリング法等の成膜方法により成膜する。
【0086】
次に、その膜表面に第2の電極形成用のリフトオフ用レジストパターンを形成し、ドライエッチング法により第2の電極形成部分の保護層材料をエッチングする。これによってレジストが一度付着した部分を除去する事になり、レジストの残渣を取り去ることができる。ドライエッチングは、具体的にはフッ素系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)法、Arガスを用いたイオンエッチング法等がある。
【0087】
エッチングする際、当該部分の保護層材料を全部除去しても良く、またはEL素子特性に影響を及ぼさない程度の膜厚、具体的には薄膜絶縁体層としても機能するように20〜200nm程度残しても良い。保護層をドライエッチングすることにより、発光層又は薄膜絶縁体層と第2の電極層との界面に、従来では問題となっていた有機物等の残渣は存在せず、素子の信頼性が向上する。
【0088】
また、全部除去する場合は、薄膜絶縁体層を形成することが好ましい。また、その材料としては、エッチングストッパーとしての役目を果たす材料を使用するのが好ましい。
【0089】
次に第2の電極をスパッタ法、蒸着法等の成膜方法にて成膜し、その後リフトオフを行うことにより、ストライプ状パターンの第2の電極層と、そのパターン間に保護層とを形成することができる。
【0090】
【実施例】
以下に本発明の実施例を具体的に示し、更に詳細に説明する。
【0091】
96%純度のアルミナ基板上に、ヘラウスRP2003/237−22%レジネート金ペーストを用いて焼成後の膜厚が0.6μmとなるようにスクリーン印刷、乾燥を繰り返した。その後、十分な空気を供給した雰囲気で850℃、20分の焼成を行った。得られた第1の電極層を、フォトエッチングの手法により、幅250μm、スペース30μmの多数のストライプ状パターンにパターニングした。
【0092】
次にスクリーン印刷法により第1の誘電体層として誘電体セラミックス厚膜を形成した。厚膜ペーストとしては、ESL社製4210C厚膜誘電体ペーストを用い、焼成後の膜厚が20μmになるようにスクリーン印刷、乾燥を繰り返した。
【0093】
印刷乾燥後、厚膜はベルト炉を用い、十分な空気を供給した雰囲気で850℃、20分の焼成を行った。
【0094】
この基板上に、溶液塗布焼成法を用いてPZTの第2の誘電体層を形成した。
【0095】
具体的には、以下に示す方法で作成したPZTのゾルゲル液を前駆体溶液として用い、この前駆体溶液を上記誘電体層にスピンコーティング法にて塗布し、700℃で15分間焼成する作業を所定回繰り返した。
【0096】
PZT前駆体溶液の作製方法は、8.49gの酢酸鉛三水和物と、4.17gの1,3−プロパンジオールとを約2時間加熱撹拌して透明な溶液を得た。これとは別に、3.70gのジルコニウム・ノルマルプロポキシド70質量%と、1−プロパノール溶液と、1.58gのアセチルアセトンとを乾燥窒素雰囲気中で30分間加熱撹拌し、これに3.14gのチタニウム・ジイソプロポキシド・ビスアセチルアセトネート75質量%と、2−プロパノール溶液と、2.32gの1,3−プロパンジオールとを加え、更に2時間加熱撹拌した。これら2つの溶液を80℃で混合し、乾燥窒素雰囲気中で2時間加熱撹拌し、褐色透明な溶液を作製した。この溶液を130℃で数分間保持することにより副生成物を取り除き、更に3時間加熱撹拌することによりPZT前駆体溶液を作製した。
【0097】
PZT前駆体溶液の粘度調製は、n−プロパノールを用いて希釈することにより行った。単層当たりの誘電体層の膜厚は、スピンコーティング条件及びPZT前駆体溶液の粘度を調製することにより約0.5μmとした。上記PZT前駆体溶液をスピンコーティングによる塗布と焼成を3回繰り返すことで、膜厚が約1.5μm厚のPZT誘電体層を形成した。
【0098】
発光層は、基板を200℃に加熱した状態でMnをドープしたZnS蒸着源を用い、ZnS発光体薄膜を膜厚0.8μmとなるよう真空蒸着法により形成した。
【0099】
更に連続で、薄膜絶縁体層アルミナ薄膜を膜厚0.1μmとなるように真空蒸着法で形成し、発光層を600℃、空気中で20分間のアニール処理を行った。なお、得られた薄膜の表面を観察した結果1〜2μm程度のスプラッシュが確認された。
【0100】
次に、Ta2O5を保護層材料としスパッタリング法により0.5μm形成した。このときの成膜条件は、以下のようにした。
【0101】
保護層材料:酸化タンタル(Ta2O5)
ターゲット:Ta2O5
スパッタガス:Ar 100SCCM
反応ガス:O2 15SCCM
成膜時の圧力:0.4Pa
次に第2の電極パターンを形成した。まずレジストを塗布し、マスクを介して露光した後、洗浄を行いレジストパターンを形成する。レジストパターンは、幅250μm、スペース30μmのストライプ状に形成した。
【0102】
第2の電極層成膜前に、反応性エッチング法により上部電極形成部のTa2O5を全て除去した。このときのエッチング条件は、以下のようにした。
【0103】
エッチング装置:RIE(リアクティブイオンエッチング)
反応ガス:SF6 50SCCM
O2 20SCCM
反応圧力:3Pa
反応出力:150W
上部電極層としてITO薄膜をスパッタリング法により0.4μm形成し、その後先に形成したレジストをリフトオフし、素子を完成させた。
【0104】
このサンプルをサンプル1、また、保護層の無い従来構造でのサンプルを比較として試作しサンプル2とした。
【0105】
そして、サンプル1、2をドライ窒素中で封止した。
【0106】
得られた素子を、85℃の恒温層内で1000時間駆動させた。L−V特性の測定を初期、250時間、500時間、750時間、1000時間で行った。
駆動条件は以下のようにした。
【0107】
電圧:180V
パルス:75Hz−100μs
初期輝度:約600cd/m2
図3に本発明に係るサンプル1の結果を、図4に従来構造に係るサンプル2の結果を示す。
【0108】
これらの図から明らかなように、本発明に係るサンプル1は、従来構造のサンプル2と比較し駆動時間の累積によるL−V特性カーブの変化が小さい。特に低電圧側での発光時間が増すごとにテールを引くような輝度の浮き上がりは、サンプル1では見られない。
【0109】
この事により本発明に係るEL素子は、連続高温動作試験においても安定した特性が得られることがわかる。
【0110】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るEL素子及びEL素子の製造方法は、発光特性の安定したEL素子を提供することができる。
【0111】
また、保護層によって発光層であるZnS:Mn等を真空蒸着法で成膜した際に発生するスプラッシュ部を覆い、表面形状を滑らかに出来る。
【0112】
また、発光層を保護層材料で保護する事で、外気からの湿気等及び工程から受けるダメージを低減できる。
【0113】
更に、上部電極形パターニング用リフトオフレジストを形成し、上部電極製膜前に保護層材をエッチングする事で、下地と上部電極間界面に問題と成る有機物等の残渣は存在しないため、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のELパネルの第1の実施形態の概略断面図である。
【図2】本発明のELパネルの第2の実施形態の概略断面図である。
【図3】本発明に係るサンプル1のL−V特性を示したグラフである。
【図4】従来構造に係るサンプル2のL−V特性を示したグラフである。
【図5】従来のEL素子の一例を示した概略断面図である。
【図6】従来のEL素子の他の例を示した概略断面図である。
【符号の説明】
1、11、21 基板
2、12、22 第1の電極層
3 誘電体層
23、31 第1の誘電体層
24、32 第2の誘電体層
4、14、26 発光層
5、6、13、15、25、27 薄膜絶縁体層
7、16、28 第2の電極層
8 保護層
9、17、29 交流電源[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an EL element and a method for manufacturing an EL element, and more particularly to an EL element having stable light emission characteristics and a method for manufacturing an EL element.
[0002]
[Prior art]
EL devices include a dispersion type EL device having a structure in which a powdered light emitter is dispersed in an organic substance or an enamel and an electrode layer is provided on the upper and lower sides thereof, and a thin film light emitter formed on an electrically insulating substrate by two thin film insulators. There is a thin-film EL element in which a structure is sandwiched and further sandwiched between two electrode layers. In each case, the driving method includes a DC voltage driving type and an AC voltage driving type.
[0003]
Dispersion type EL elements have been known for a long time and have an advantage that they are easy to manufacture, but their use is limited because of their low luminance and short life. On the other hand, thin film EL elements have been widely used in recent years because of their characteristics of high luminance and long life.
[0004]
FIG. 5 shows the structure of a typical double-insulation type thin film EL device as an example of a conventional thin film EL device. This thin-film EL element is composed of a
[0005]
The thin-
[0006]
However, in the thin-film EL device as shown in FIG. 5, since the insulator layer is formed of a thin film, when a large-area display is formed, a step portion of a pattern edge of a transparent electrode, dust generated in a manufacturing process, and the like are generated. It is difficult to eliminate defects of the thin film insulator layer due to the above, and there is a problem that the light emitting layer is destroyed due to a local decrease in withstand voltage. Since such a defect becomes a fatal problem as a display device, the thin-film EL element has been a major obstacle to widespread practical use as a large-area display as compared with a liquid crystal display or a plasma display. .
[0007]
In order to solve the problem that such a defect of the thin film insulator layer occurs, Japanese Patent Publication No. 7-44072 discloses that an electrically insulating ceramic substrate is used as a substrate, and a thin film insulator is formed instead of the thin film insulator below the light emitting body. An EL device using a film dielectric is disclosed. The EL element disclosed in this publication differs from the structure of a conventional thin-film EL element in that the light emission of the luminous body is extracted from the upper side opposite to the substrate, so that the transparent electrode layer is formed on the upper side.
[0008]
In this EL device, the thick-film dielectric layer is formed to have a thickness of several tens to several hundreds μm, which is several hundreds to several thousand times the thickness of the thin-film insulator layer. Therefore, there is very little dielectric breakdown due to a defect formed due to a step of an electrode or dust in a manufacturing process, and there is an advantage that high reliability and a high yield in manufacturing can be obtained.
[0009]
However, the light emitting layer formed on the thick dielectric layer has a thickness of only several hundred nm, which is about 1/100 of the thickness of the thick dielectric layer. For this reason, the surface of the thick-film dielectric layer must be smooth at a level equal to or less than the thickness of the light-emitting layer, but it has been difficult to sufficiently smooth the dielectric surface produced by the normal thick-film process. .
[0010]
That is, the thick-film dielectric layer is essentially composed of ceramics sintered using a powder material. For this reason, dense sintering usually causes a volume shrinkage of about 30 to 40%. However, while ordinary ceramics shrink three-dimensionally in volume during sintering and become denser, the thick-film ceramics formed on the substrate are constrained by the substrate, so that the in-plane direction of the substrate is It cannot shrink, and can only shrink one-dimensionally in the thickness direction. For this reason, the sintering of the thick film dielectric layer becomes essentially porous with insufficient sintering. Further, since the surface roughness of the thick film does not become smaller than the crystal grain size of the polycrystalline sintered body, the surface thereof has an irregular shape of a submicron size or more.
[0011]
If the surface of such a thick dielectric layer has a defect or a porous film or irregularities, the light emitting layer formed thereon by a vapor deposition method such as a vapor deposition method or a sputtering method follows the surface shape. However, it cannot be formed smoothly. For this reason, an electric field cannot be effectively applied to the light emitting layer portion formed on such a non-flat portion of the substrate, and the light emitting layer is reduced due to a decrease in the effective light emitting area or local unevenness of the film thickness. There has been a problem that the dielectric breakdown occurs partially and the emission luminance decreases.
[0012]
Furthermore, since the film thickness locally largely fluctuates, the intensity of the electric field applied to the light-emitting layer varies greatly locally, so that there is a problem that a clear light-emitting voltage threshold cannot be obtained.
[0013]
In order to solve such a problem, Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-50197 discloses a method of laminating a high dielectric constant layer such as lead zirconate titanate formed by a sol-gel method on the surface of a thick-film dielectric made of lead niobate. However, a technique for improving the flatness of the surface is disclosed.
[0014]
FIG. 6 shows an example of a conventional thin film EL device having improved flatness. As shown in the figure, a
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
However, even in the case of an EL device having a dielectric layer formed by the sol-gel method, when the light-emitting layer is formed by a vapor deposition method, it is not possible to suppress the generation of splash during the formation of the light-emitting layer. Here, the splash is an abnormal particle of about 1 to 2 μm generated during the formation of the light emitting layer and attached to the film (attachment in a cluster state in which some atoms or molecules are aggregated). Although the shape is rounded as a whole, the shape of the dense portion is uneven.
[0016]
Due to the occurrence of the splash, the resist or the solvent soaked in the splash portion is likely to remain in the photoresist forming step performed when patterning the upper electrode. When such organic substances remain, there is a problem that in a high-temperature continuous operation test of the EL element, ZnS: Mn or the like, which is a light emitting layer, is deteriorated and light emitting characteristics are remarkably deteriorated.
[0017]
In addition, the interface to which the splash has adhered may have microcracks.
[0018]
Further, materials such as ZnS: Mn and SrS: Ce are known for the light-emitting layer, but generally have a problem that they are deteriorated by moisture, moisture, and adhesion of organic substances.
[0019]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an EL device having a thick-film ceramic dielectric layer whose surface is flattened by a sol-gel method and having high reliability in light emission characteristics, and a method of manufacturing the same.
[0020]
[Means for Solving the Problems]
Such an object is achieved by means (1) to (8).
[0021]
(1) At least a first electrode layer, a dielectric layer, a light-emitting layer, and a second electrode layer are provided on a substrate, and the dielectric layer and the first dielectric layer are coated with a solution and fired. In an EL element comprising a second dielectric layer formed by a method, a protective layer is formed on at least a surface of a layer adjacent to the second electrode layer and where the electrode pattern of the second electrode layer is not formed. An EL element comprising:
[0022]
(2) The EL device according to (1), wherein the protective layer is formed on a lower surface of the second electrode layer.
[0023]
(3) The EL device according to (1) or (2), wherein the protective layer is formed of an inorganic material having electrical insulation.
[0024]
(4) The EL device according to any one of (1) to (3), having a thin-film insulator layer on at least one surface of the light-emitting layer.
[0025]
(5) The EL device according to (4), wherein the thin-film insulator layer is made of aluminum oxide or yttrium oxide.
[0026]
(6) The display panel according to any one of (1) to (5), including the EL element.
[0027]
(7) a step of forming a first electrode layer on the substrate, a step of forming a first dielectric layer on the first electrode layer, and a solution coating and baking method on the first dielectric layer Forming a second dielectric layer, forming a light emitting layer on the second dielectric layer, forming a protective layer material on the entire surface of the light emitting layer, and then forming a lift-off for forming a second electrode. Forming a resist pattern for use with a resist, etching a protective layer material in a second electrode forming portion by a dry etching method, and forming a second electrode layer in the etched portion.
[0028]
(8) The method of manufacturing an EL element according to (7), further comprising a step of forming an insulator layer before, after, or both before and after the step of forming the light emitting layer.
[0029]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a specific configuration of the present invention will be described in detail.
[0030]
FIG. 1 shows a schematic sectional view of a first embodiment of the EL device according to the present invention.
[0031]
In the EL device according to the present invention, a first electrode layer 2 having a predetermined pattern is provided on one surface of a substrate 1, and a thick film dielectric is formed so as to cover at least a part of the first electrode layer 2. Layer 3 is provided. The thick-film dielectric layer 3 includes a
[0032]
Then, the
[0033]
The
[0034]
FIG. 2 shows a schematic sectional view of a second embodiment of the EL device according to the present invention.
[0035]
The structure of the element is basically the same as that of the first embodiment. However, it differs from the first embodiment in that the
[0036]
By forming the
[0037]
Hereinafter, members constituting the EL element according to the present invention, a forming method, and the like will be described in more detail.
[0038]
<Substrate>
The substrate is not particularly limited as long as it has electrical insulation properties and can maintain a predetermined heat-resistant strength without contaminating the adjacent first electrode layer or thick film dielectric layer.
[0039]
As a specific material, alumina (Al2O3), Quartz glass (SiO2), Magnesia (MgO), forsterite (2MgO.SiO)2), Steatite (MgO.SiO)2), Mullite (3Al2O3・ 2SiO2), Beryllia (BeO), zirconia (ZrO)2), Aluminum nitride (AlN), silicon nitride (SiN), silicon carbide (SiC), etc., a ceramic substrate, crystallized glass, high heat resistant glass, or the like, or a metal substrate that has been subjected to an enamel treatment can also be used. .
[0040]
<First electrode layer>
When the display device is a simple matrix type, the first electrode layer is formed to have a plurality of stripe-shaped patterns. In addition, the line width is the width of one pixel, and the space between lines is a non-light emitting region. Therefore, it is preferable to minimize the space between lines. Specifically, for example, a line width of about 200 to 500 μm and a space of about 20 to 50 μm are required, depending on the resolution of the target display.
[0041]
Further, the thickness of the first electrode layer is preferably about 0.1 to 3 μm, and particularly preferably about 0.5 to 1 μm. If it is too thick, a step between the electrodes will cause irregularities in the thick dielectric layer formed thereon, making it impossible to form a flat light emitting layer. On the other hand, if the thickness is too small, the electrode resistance increases, the voltage applied to the light emitting layer decreases, and the luminance decreases.
[0042]
As the material of the first electrode layer, high conductivity is obtained, the reactivity with the dielectric layer and the light emitting layer is low, and the first electrode layer is not damaged at the time of forming the dielectric layer covering the material electrode layer. Those which are hardly oxidized in an oxidizing atmosphere at the time of layer firing are preferable.
[0043]
Specifically, precious metals such as Au, Pt, Pd, Ir, and Ag, precious metal alloys such as Au-Pd, Au-Pt, Ag-Pd, and Ag-Pt, and precious metals such as Ag-Pd-Cu are used as main components. An electrode material to which a nonmetallic element is added is preferable.
[0044]
In addition, ITO, SnO2(Nesa film), an oxide conductive material such as ZnO-Al may be used, or a base metal such as Ni or Cu can be used if the firing atmosphere of the dielectric layer is adjusted.
[0045]
As a method for forming the first electrode layer, a known technique such as a sputtering method, an evaporation method, or a plating method may be used.
[0046]
Alternatively, a material formed of a material called a liquid (liquid @ gold, gold @ resinate, bright @ gold) may be used. The material referred to as the gold liquid is a terpene-based solvent containing gold in the form of an organometallic compound, usually about 4 to 25%, and is a brown viscous liquid. By using this gold solution, a very thin and dense gold film of 50 to 500 nm can be obtained.
[0047]
Since this gold solution is soluble in terpene and its viscosity can be freely adjusted, an electrode pattern can be formed by various coating and printing methods such as spraying and screen printing.
[0048]
The applied gold solution is dried to form a gold wiring pattern by a heat treatment at about 450 to 850 ° C.
[0049]
<Thick dielectric layer>
The thick dielectric layer needs to have a high dielectric constant and a high withstand voltage, and is required to be a material that can be fired at a low temperature in consideration of the heat resistance of the substrate.
[0050]
The thick dielectric layer according to the present invention comprises a first dielectric layer and a second dielectric layer.
[0051]
The first dielectric layer is a ceramic layer formed by firing a powdery insulating material by a so-called thick film method.
[0052]
The thickness of the first dielectric layer is not particularly limited as long as it has a thickness that can eliminate pinholes formed by steps of the electrodes and dust in the manufacturing process, but is not particularly limited. And preferably about 20 to 40 μm. If it is too thick, it will be difficult to densify it, and if it is too thin, it will not be possible to eliminate the effect of the step between the electrodes.
[0053]
Further, the relative dielectric constant is preferably 1000 or more when the above film thickness is secured. If the relative dielectric constant is too low, the effective voltage applied to the light emitting layer decreases, and the luminance in light emission decreases. Therefore, to efficiently supply the voltage applied to the light emitting layer, it is preferable that the dielectric constant of the thick film dielectric layer is higher.
[0054]
Various materials can be used as the material of the first dielectric constant layer. However, considering the heat resistance of the substrate material, a high dielectric constant ceramic composition that can be fired at a low temperature is preferable.
[0055]
For example, BaTiO3, (BaxCa1-x) TiO3, (BaxSr1-x) TiO3, PbTiO3, Pb (ZrxTi1-x) O3(Hereinafter, PZT) and other dielectric materials having a perovskite structure, ferroelectric materials, Pb (Mg1/3Nb2/3) O3Perovskite relaxor type ferroelectric material represented by4Ti3O12, SrBi2Ta2O9Bismuth layer compound represented by (SrxBa1-x) Nb2O6, PbNb2O6For example, a tungsten bronze type ferroelectric material or the like can be used.
[0056]
Further, the dielectric material containing lead in the composition has a low melting point of lead oxide of 886 ° C., and the lead oxide and other oxide-based materials such as SiO 22, CuO, Bi2O3, Fe2O3Since a liquid phase is formed at a low temperature of about 700 ° C. to 800 ° C. between them and the like, baking is easy at a low temperature and a high dielectric constant is easily obtained, which is preferable.
[0057]
For example, a perovskite structure dielectric material such as PZT or Pb (Mg1/3Ni2/3) O3Perovskite relaxer type ferroelectric material represented by PbNbO6Tungsten bronze type ferroelectric materials and the like represented by the above are particularly preferable examples. These can easily form a dielectric having a relative dielectric constant of 1,000 to 10,000 at a firing temperature of 800 to 900 ° C., which is the upper limit heat-resistant temperature of a normal ceramic substrate such as alumina ceramics.
[0058]
The first dielectric layer is formed by a so-called thick film forming method.
[0059]
For example, the insulating paste can be formed by printing and firing an insulating paste prepared by mixing a powdery insulating material, a binder, and a solvent over a substrate on which the first electrode layer is formed. Alternatively, a green sheet may be formed by casting an insulator paste to form a film, and the green sheet may be formed by lamination.
[0060]
Thereafter, a first electrode layer is formed by performing binder removal processing and firing. The conditions for the binder removal treatment may be appropriately selected according to the type of the binder, the solvent, and the like. The atmosphere at the time of firing may be appropriately determined according to the type of the conductive material in the electrode layer paste. When firing is performed in an oxidizing atmosphere, normal firing in the atmosphere may be performed. The firing temperature may be appropriately determined according to the type of the insulator layer, but is usually about 700 to 1200 ° C, preferably 1000 ° C or less. Further, the temperature holding time during firing is preferably 0.05 to 5 hours, particularly preferably 0.1 to 3 hours. Further, an annealing treatment may be performed as necessary.
[0061]
A second dielectric layer is formed on the first dielectric layer by a solution coating baking method.
[0062]
The solution coating and baking method is a method of forming a dielectric layer by applying a precursor solution of a dielectric material to a substrate by a sol-gel method or a MOD method and baking the solution.
[0063]
By using the solution coating and baking method, a layer is formed thicker in the concave portion and thinner in the convex portion with respect to the unevenness on the surface of the first dielectric layer, so that the step on the surface of the dielectric layer is flattened. And the uniformity of the thin film light emitting layer formed thereon can be greatly improved.
[0064]
The sol-gel method generally involves adding a predetermined amount of water to a metal alkoxide dissolved in a solvent, applying a precursor solution of a sol having an M-O-M bond formed by hydrolysis and polycondensation reaction to a substrate, and firing. This is a method of forming a film. The MOD method is a method in which a metal salt of a carboxylic acid having an MO bond or the like is dissolved in an organic solvent to form a precursor solution, which is applied to a substrate and baked to form a film. Here, the precursor solution is a solution containing an intermediate compound generated by dissolving a raw material compound in a solvent in a film forming method such as a sol-gel method or a MOD method.
[0065]
The sol-gel method and the MOD method are not completely separate methods, but are generally used in combination with each other. For example, when forming a PZT film, it is common to adjust the solution using lead acetate as a Pb source and alkoxides as Ti and Zr sources. In addition, the two methods of the sol-gel method and the MOD method may be collectively referred to as a sol-gel method. A solution coating firing method is used. Further, even a solution obtained by mixing a submicron-size dielectric particle and a dielectric precursor solution is included in the dielectric precursor solution of the present invention, and the solution is applied to the substrate and fired. Are also included in the solution coating baking method of the present invention.
[0066]
In both the sol-gel method and the MOD method, since the elements constituting the dielectric are uniformly mixed in the order of submicron or less, the solution coating and baking method uses a ceramic powder such as a dielectric film formed by a thick film method. The feature is that a dense dielectric can be formed at an extremely low temperature as compared with the sintering method.
[0067]
The thickness of the dielectric layer formed by the solution coating and baking method is preferably 0.5 to 3 μm, particularly preferably 1 to 2 μm in order to sufficiently flatten the unevenness on the surface of the thick film.
[0068]
Like the first dielectric layer, the relative dielectric constant of this layer is desirably as high as possible to secure the effective voltage of the light emitting layer, and is at least 250 or more, preferably 500 or more.
[0069]
As such a high dielectric constant material, for example, BaTiO3, (BaxCa1-x) TiO3, (BaxSr1-x) TiO3, PbTiO3, PZT and other dielectric materials having a perovskite structure, ferroelectric materials, and Pb (Mg1/3Nb2/3) O3Perovskite relaxor-type ferroelectric material represented by4Ti3O12, SrBi2Ta2O9Bismuth layer compound represented by (SrxBa1-x) Nb2O6, PbNbO6Tungsten bronze-type ferroelectric materials, etc., represented by the same. Among them, BaTiO3A ferroelectric material having a perovskite structure such as PZT or PZT is preferable because it has a high relative dielectric constant and can be easily fired at a relatively low temperature.
[0070]
<Light-emitting layer>
The material of the light emitting layer is not particularly limited, but ZnS doped with Mn (ZnS: Mn), ZnS doped with Tb (ZnS: Tb), ZnMgS doped with Mn (ZnMgS: Mn), and SrS doped with Ce ( Known materials such as SrS: Ce) can be used. The thickness of the light emitting layer is not particularly limited, but if it is too thick, the driving voltage increases, and if it is too thin, the luminous efficiency decreases. Specifically, the thickness is preferably about 100 to 2000 nm, though it depends on the luminescent material.
[0071]
As a method for forming the light emitting layer, a vapor deposition method can be used. As the vapor deposition method, a physical vapor deposition method such as a sputtering method or an electron beam evaporation method or a chemical vapor deposition method such as a CVD method is preferable.
[0072]
After the formation of the light emitting layer, heat treatment is preferably performed. The heat treatment may be performed after the electrode layer, the dielectric layer, and the light-emitting layer are stacked from the substrate side, or the electrode layer, the dielectric layer, the light-emitting layer, the insulator layer, or the electrode layer may be formed on the substrate side from the substrate side. You may go after doing. The heat treatment temperature depends on the material of the light emitting layer to be formed, but is preferably 300 ° C. or more, more preferably 400 ° C. or more, and is lower than the firing temperature of the dielectric layer. The processing time is preferably from 10 to 600 minutes. The atmosphere during the heat treatment may be air, N 2 depending on the composition of the light emitting layer and the forming conditions.2, He or Ar may be selected.
[0073]
<Thin insulator layer>
The thin film insulator layer can be omitted, but is preferably formed on at least one surface of the light emitting layer.
[0074]
This thin-film insulator layer can adjust the electronic state of the interface between the light-emitting layer and the dielectric layer, stabilize and improve the efficiency of electron injection into the light-emitting layer, and can be formed on both surfaces of the light-emitting layer. For example, by forming the electronic state symmetrically on both surfaces of the light emitting layer, it is possible to improve the positive / negative symmetry of the light emission characteristics during AC driving.
[0075]
Further, since it is not necessary to consider a function of maintaining a dielectric strength like a dielectric layer formed on the first electrode, the film thickness may be small. Specifically, it is preferably from 10 to 1000 nm, particularly preferably from 20 to 200 nm.
[0076]
This thin film insulator layer has a resistivity of 108Ω · cm or more, preferably 1010-1018Ω · cm is particularly preferred. Further, the substance is preferably a substance having a relatively high relative permittivity, and the relative permittivity is preferably 3 or more.
[0077]
As a material of the thin film insulator layer, for example, silicon oxide (SiO 2)2), Silicon nitride (SiN), tantalum oxide (Ta)2O5), Yttrium oxide (Y2O3), Zirconia (ZrO)2), Silicon oxynitride (SiON), alumina (Al2O3) Etc. can be used. As a method for forming the thin-film insulator layer, a sputtering method, an evaporation method, or a CVD method can be used.
[0078]
Further, in the present invention, the protective layer is dry-etched as described later, and a material which is not etched by an etching stopper at that time, that is, a material which is not etched by a gas at the time of etching, or a material having an extremely low etching rate is preferable. Specifically, yttrium oxide (Y2O3), Alumina (Al2O3Is preferred.
[0079]
<Protective layer>
The protective layer is preferably an inorganic material having an insulating property that can be dry-etched.
[0080]
For example, silicon oxide (SiO2), Silicon oxynitride (SiON), silicon nitride (SiN), titanium oxide (TiO)2), Tantalum oxide (Ta)2O5), Zirconia (ZrO)2), Niobium oxide (Nb2O5Is preferred. Among them, when the protective layer material is formed under the second electrode, titanium oxide (TiO 2) having a high dielectric constant is used.2), Tantalum oxide (Ta)2O5Is preferred.
[0081]
Since the resistivity is arranged between the upper electrodes, the larger the resistivity, the better.8Ω · cm or more, especially 1010-1018Ω · cm is preferred.
[0082]
The thickness of the protective layer is preferably 1 to 2 μm which can cover the surface of the splash portion. Specifically, it is preferably from 0.2 to 3 μm, particularly preferably from 0.5 to 2 μm. If the thickness is too thin, the surface of the splash portion cannot be sufficiently covered, and the effect of the protective layer cannot be obtained. On the other hand, if it is too thick, the amount of etching must be increased to form an electrode, which is inefficient. That is, when the etching amount is small, the effective driving voltage applied to the light emitting layer is reduced due to the thickness of the protective layer. In addition, when the etching amount is increased, damage due to the etching occurs in the lift-off resist, which causes a problem that the subsequent lift-off becomes difficult. In addition, by making the protective layer thicker than the second electrode layer, an effect of preventing a short circuit between the electrodes can be obtained.
[0083]
<Second electrode layer>
When the display device is a simple matrix type like the first electrode layer, the second electrode layer has a plurality of striped patterns so as to be orthogonal to the electrode pattern of the first electrode layer. It is formed. In addition, the line width is the width of one pixel, and the space between lines is a non-light emitting region. Therefore, it is preferable to minimize the space between lines. Specifically, for example, a line width of 200 to 500 μm and a space of 20 to 50 μm are required, depending on the resolution of the target display.
[0084]
The second electrode layer must be a transparent electrode because it is necessary to transmit light emitted from the light emitting layer. Specifically, ITO or SnO2(Nesa film), an oxide conductive material such as ZnO-Al, or the like can be used. The thickness is preferably from 0.2 to 1 μm.
[0085]
<Method of forming protective layer and electrode layer>
First, as described above, the first electrode layer / dielectric layer / (thin film insulator layer) / light emitting layer / (thin film insulator layer) are sequentially formed on the substrate (however, the formation of the thin film insulator layer is optional). When a thin film insulator layer is formed on the surface of the light emitting layer or on the surface of the layer, a material to be a protective layer is formed by a film forming method such as an evaporation method or a sputtering method.
[0086]
Next, a lift-off resist pattern for forming a second electrode is formed on the surface of the film, and the material of the protective layer at the portion where the second electrode is to be formed is etched by a dry etching method. As a result, the portion where the resist has once adhered is removed, and the residue of the resist can be removed. Specific examples of the dry etching include an RIE (reactive ion etching) method using a fluorine-based gas and an ion etching method using an Ar gas.
[0087]
At the time of etching, the protective layer material at the relevant portion may be entirely removed, or a film thickness that does not affect the EL element characteristics, specifically, about 20 to 200 nm so as to function as a thin film insulator layer. You may leave it. By dry-etching the protective layer, there is no residue such as an organic substance which has conventionally been a problem at the interface between the light-emitting layer or the thin-film insulator layer and the second electrode layer, and the reliability of the element is improved. .
[0088]
In the case of removing all, it is preferable to form a thin film insulator layer. Further, it is preferable to use a material that functions as an etching stopper.
[0089]
Next, a second electrode is formed by a film forming method such as a sputtering method or a vapor deposition method, and then lift-off is performed to form a second electrode layer having a stripe pattern and a protective layer between the patterns. can do.
[0090]
【Example】
Hereinafter, examples of the present invention will be specifically described, and further details will be described.
[0091]
Screen printing and drying were repeated on a 96% pure alumina substrate using Heraus RP2003 / 237-22% resinate gold paste so that the film thickness after firing was 0.6 μm. Thereafter, firing was performed at 850 ° C. for 20 minutes in an atmosphere in which sufficient air was supplied. The obtained first electrode layer was patterned into a large number of striped patterns each having a width of 250 μm and a space of 30 μm by a photoetching technique.
[0092]
Next, a dielectric ceramic thick film was formed as a first dielectric layer by a screen printing method. As the thick film paste, a 4210C thick film dielectric paste manufactured by ESL was used, and screen printing and drying were repeated so that the film thickness after firing became 20 μm.
[0093]
After printing and drying, the thick film was baked at 850 ° C. for 20 minutes in an atmosphere supplied with sufficient air using a belt furnace.
[0094]
A second dielectric layer of PZT was formed on this substrate by using a solution coating and baking method.
[0095]
Specifically, using a PZT sol-gel solution prepared by the method described below as a precursor solution, applying the precursor solution to the dielectric layer by a spin coating method, and baking at 700 ° C. for 15 minutes. Repeated predetermined times.
[0096]
In the method for producing the PZT precursor solution, a transparent solution was obtained by heating and stirring 8.49 g of lead acetate trihydrate and 4.17 g of 1,3-propanediol for about 2 hours. Separately, 3.70 g of zirconium normal propoxide 70% by mass, a 1-propanol solution, and 1.58 g of acetylacetone were heated and stirred in a dry nitrogen atmosphere for 30 minutes, and 3.14 g of titanium was added thereto. -75 mass% of diisopropoxide bisacetylacetonate, a 2-propanol solution, and 2.32 g of 1,3-propanediol were added, and the mixture was further heated and stirred for 2 hours. These two solutions were mixed at 80 ° C., and heated and stirred in a dry nitrogen atmosphere for 2 hours to produce a brown transparent solution. This solution was kept at 130 ° C. for several minutes to remove by-products, and further heated and stirred for 3 hours to prepare a PZT precursor solution.
[0097]
The viscosity of the PZT precursor solution was adjusted by diluting the solution with n-propanol. The thickness of the dielectric layer per single layer was set to about 0.5 μm by adjusting the spin coating conditions and the viscosity of the PZT precursor solution. The PZT precursor solution was spin-coated and baked three times to form a PZT dielectric layer having a thickness of about 1.5 μm.
[0098]
The luminescent layer was formed by vacuum deposition using a ZnS deposition source doped with Mn while the substrate was heated to 200 ° C., so that a ZnS luminous body thin film had a thickness of 0.8 μm.
[0099]
Further, an alumina thin film of a thin film insulator layer was continuously formed by a vacuum evaporation method so as to have a thickness of 0.1 μm, and the light emitting layer was annealed in air at 600 ° C. for 20 minutes. In addition, as a result of observing the surface of the obtained thin film, a splash of about 1 to 2 μm was confirmed.
[0100]
Next, Ta2O5Was formed as a protective layer material to a thickness of 0.5 μm by a sputtering method. The film forming conditions at this time were as follows.
[0101]
Protective layer material: Tantalum oxide (Ta2O5)
Target: Ta2O5
Sputtering gas: Ar @ 100 SCCM
Reactive gas: O215SCCM
Pressure during film formation: 0.4 Pa
Next, a second electrode pattern was formed. First, a resist is applied, and after exposure through a mask, washing is performed to form a resist pattern. The resist pattern was formed in a stripe shape having a width of 250 μm and a space of 30 μm.
[0102]
Before the formation of the second electrode layer, the Ta of the upper electrode forming portion is formed by a reactive etching method.2O5Was completely removed. The etching conditions at this time were as follows.
[0103]
Etching equipment: RIE (reactive ion etching)
Reaction gas: SF6$ 50 SCCM
O220 SCCM
Reaction pressure: 3Pa
Reaction output: 150W
An ITO thin film having a thickness of 0.4 μm was formed as an upper electrode layer by a sputtering method, and then the previously formed resist was lifted off to complete the device.
[0104]
This sample was used as a sample 1, and a sample having a conventional structure without a protective layer was made as a sample for comparison to make a sample 2.
[0105]
Then, Samples 1 and 2 were sealed in dry nitrogen.
[0106]
The obtained device was driven in a constant temperature layer at 85 ° C. for 1000 hours. The measurement of the LV characteristic was performed at the initial stage, 250 hours, 500 hours, 750 hours, and 1000 hours.
The driving conditions were as follows.
[0107]
Voltage: 180V
Pulse: 75Hz-100μs
Initial luminance: about 600 cd / m2
FIG. 3 shows the result of Sample 1 according to the present invention, and FIG. 4 shows the result of Sample 2 according to the conventional structure.
[0108]
As is clear from these figures, the sample 1 according to the present invention has a smaller change in the LV characteristic curve due to the accumulation of the driving time as compared with the sample 2 having the conventional structure. In particular, the sample 1 does not show a rise in luminance that pulls a tail as the light emission time on the low voltage side increases.
[0109]
This indicates that the EL device according to the present invention can obtain stable characteristics even in a continuous high-temperature operation test.
[0110]
【The invention's effect】
As described above, the EL element and the method for manufacturing the EL element according to the present invention can provide an EL element with stable emission characteristics.
[0111]
In addition, the protective layer covers a splash portion generated when a light emitting layer such as ZnS: Mn is formed by a vacuum evaporation method, so that the surface shape can be made smooth.
[0112]
In addition, by protecting the light emitting layer with the protective layer material, it is possible to reduce the moisture and the like from the outside air and the damage received from the process.
[0113]
In addition, by forming a lift-off resist for patterning the upper electrode and etching the protective layer material before forming the upper electrode, there is no residue such as organic matter at the interface between the base and the upper electrode. improves.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view of a first embodiment of an EL panel of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view of a second embodiment of the EL panel of the present invention.
FIG. 3 is a graph showing an LV characteristic of Sample 1 according to the present invention.
FIG. 4 is a graph showing the LV characteristics of Sample 2 having a conventional structure.
FIG. 5 is a schematic sectional view showing an example of a conventional EL element.
FIG. 6 is a schematic sectional view showing another example of a conventional EL element.
[Explanation of symbols]
1, 11, 21 substrate
2, 12, 22} first electrode layer
3 dielectric layer
23, 31 {first dielectric layer
24, 32} second dielectric layer
4, 14, 26 ° light-emitting layer
5, 6, 13, 15, 25, 27} thin-film insulator layer
7, 16, 28} Second electrode layer
8 Protective layer
9, 17, 29 AC power supply
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- 2002-08-20 JP JP2002239061A patent/JP2004079372A/en active Pending
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