JP2004078988A - 画像測定装置及び測定結果表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 オペレータにとって使いやすい画像測定装置の測定結果表示方法を提供する。
【解決手段】 被測定対象を撮像して得られる画像データに基づいて被測定対象を測定する際に、被測定対象に対応したCADデータを含む測定の手順を記述したパートプログラムを実行して被測定対象の各測定要素に対する測定結果を得、この測定結果に基づいて各測定要素の測定結果の図形情報を生成すると共に、この測定結果の図形情報とこれに対応するCADデータ中の設計値としての図形情報とを識別可能な形態で重ねて表示する。
【選択図】 図16
【解決手段】 被測定対象を撮像して得られる画像データに基づいて被測定対象を測定する際に、被測定対象に対応したCADデータを含む測定の手順を記述したパートプログラムを実行して被測定対象の各測定要素に対する測定結果を得、この測定結果に基づいて各測定要素の測定結果の図形情報を生成すると共に、この測定結果の図形情報とこれに対応するCADデータ中の設計値としての図形情報とを識別可能な形態で重ねて表示する。
【選択図】 図16
Description
本発明は、画像測定機のパートプログラムを実機を使わずに被測定対象の形状データに基づいてオフラインで簡易に一括自動生成するオフラインティーチングシステムを利用した、画像測定装置用パートプログラム生成装置及び方法、並びに画像測定装置及びその測定結果表示方法に関する。
従来、CNCタイプの画像測定機のオフラインティーチングは2次元CADデータを画面上に表示しておいて、オペレータが測定箇所となる図形要素をマウス等を用いて指定し、さらにどのエッジ検出ツールを使うかを個別に判断してパートプログラムを生成していた。
しかし、CADデータには線分、円、円弧の他に楕円、自由曲線等の複雑なデータが含まれ、またエッジ検出ツールの種類も豊富であるため、どの図形要素にどのエッジ検出ツールを使用するかを選択することは難しく、測定時間や測定精度等にオペレータの習熟度に依存した個人差を生じ、パートプログラム生成に要する作業量も多くなり、時間が掛かっていた。また、一度出来上がったパートプログラムに対して後からエッジ検出ツールの位置や向き、幅等を適切に調節するといった修正は、困難なため行われていなかった。よって、このような修正を行う際にはパートプログラムを生成し直さなければならず、柔軟性・汎用性に欠けるといった問題もあった。
本発明はこのような点に鑑み、オペレータにとって使いやすく、複雑な操作を必要とすることなく、効率的にCNC画像測定機用パートプログラムを生成することのできる画像測定装置用パートプログラム生成装置及び方法、並びに画像測定装置及びその測定結果表示方法を提供することを目的とする。
本発明に係る画像測定装置は、被測定対象を撮像して得られる画像データに基づいて被測定対象を測定する画像測定装置において、前記被測定対象に対応したCADデータを含む測定の手順を記述したパートプログラムを読み込むパートプログラム入力手段と、このパートプログラム入力手段によって読み込まれたパートプログラムを実行して前記被測定対象の各測定要素に対する測定結果を得るパートプログラム実行手段と、このパートプログラム実行手段で得られた測定結果に基づいて前記各測定要素の測定結果の図形情報を生成する図形情報生成手段と、この図形情報生成手段で生成された測定結果の図形情報とこれに対応するCADデータ中の設計値としての図形情報とを識別可能な形態で重ねて表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
もちろん、前記表示手段は、更に前記測定結果の図形情報と前記設計値としての図形情報との近傍位置に、両者の誤差情報を数値表示することもできる。
また、本発明に係る画像測定装置の測定結果表示方法は、被測定対象を撮像して得られる画像データに基づいて被測定対象を測定する画像測定装置の測定結果表示方法において、前記被測定対象に対応したCADデータを含む測定の手順を記述したパートプログラムを実行して前記被測定対象の各測定要素に対する測定結果を得、この測定結果に基づいて前記各測定要素の測定結果の図形情報を生成すると共に、この測定結果の図形情報とこれに対応するCADデータ中の設計値としての図形情報とを識別可能な形態で重ねて表示するようにしたことを特徴とする。
本発明に係る画像測定装置の測定結果表示プログラムを記憶してなる媒体は、被測定対象を撮像して得られる画像データに基づいて被測定対象を測定する画像測定装置の測定結果表示プログラムを記憶してなる媒体であって、前記被測定対象に対応したCADデータを含む測定の手順を記述したパートプログラムを読み込むステップと、このパートプログラム入力手段によって読み込まれたパートプログラムを実行して前記被測定対象の各測定要素に対する測定結果を得るステップと、このステップで得られた測定結果に基づいて前記各測定要素の測定結果の図形情報を生成するステップと、このステップで生成された測定結果の図形情報とこれに対応するCADデータ中の設計値としての図形情報とを識別可能な形態で重ねて表示するステップとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、画像測定機のパートプログラムをワークデータに基づいてオフラインで自動生成する際に、オペレータにとって使いやすく、複雑な操作をすることなく、効率的にCNC画像測定機用パートプログラムを生成することができるという効果を奏する。
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。図1は、本発明の第一の実施例に係る画像測定システムの全体構成を示す斜視図である。このシステムは、非接触型の画像測定機1と、この画像測定機1を駆動制御すると共に、必要なデータ処理を実行するコンピュータシステム2と、計測結果をプリントアウトするプリンタ3とにより構成されている。
画像測定機1は、次のように構成されている。即ち、架台11上には、被測定対象(以下、ワークと呼ぶ)12を載置する測定テーブル13が装着されており、この測定テーブル13は、図示しないY軸駆動機構によってY軸方向に駆動される。架台11の両側縁中央部には上方に延びる支持アーム14,15が固定されており、この支持アーム14、15の両上端部を連結するようにX軸ガイド16が固定されている。このX軸ガイド16には、撮像ユニット17が支持されている。撮像ユニット17は、図示しないX軸駆動機構によってX軸ガイド16に沿って駆動される。撮像ユニット17の下端部には、CCDカメラ18が測定テーブル13と対向するように装着されている。また、撮像ユニット17の内部には、図示しない照明装置及びフォーカシング機構の他、CCDカメラ18のZ軸方向の位置を移動させるZ軸駆動機構が内蔵されている。
コンピュータシステム2は、コンピュータ本体21、キーボード22、ジョイスティックボックス(以下、J/Sと呼ぶ)23、マウス24及びCRT画面25を備えて構成されている。コンピュータ本体21は、例えば図2に示すように構成されている。即ち、CCDカメラ18から入力される画像情報は、インタフェース(以下、I/Fと呼ぶ)31を介して画像メモリ32に格納される。また、図示しないCADシステムにより作成されたI/F33を介して入力された、又はハードディスクドライブ(以下、HDDと呼ぶ)38に格納されたオフラインティーチングを行う際に使用するワーク12のCADデータも同様にCPU35でビットマップの画像情報に展開された後、画像メモリ32に格納される。画像メモリ32に格納された画像情報は、表示制御部36を介してCRT画面25に表示される。
一方、キーボード22、J/S23、及びマウス24から入力されるコード情報及び位置情報は、I/F34を介してCPU35に入力される。CPU35は、ROM37に格納されたマイクロプログラム及びHDD38からI/F39を介してRAM40に格納されたパートプログラム生成プログラム、測定実行プログラム、測定結果表示プログラム等に従って、パートプログラムの生成処理、パートプログラムに基づく測定実行処理及び測定結果の表示処理等を実行する。CPU35は、測定実行処理によって、I/F41を介して画像測定機1を制御する。HDD38は、オフラインティーチングに使用するCADデータや生成されたパートプログラム等を格納する。RAM40は、各種プログラムを格納する他、各種処理のワーク領域を提供する。
図3は、パートプログラム生成プログラム、CPU35及びその周辺回路によって実現されるオフラインティーチングによるパートプログラム生成装置の機能ブロック図である。ワーク12の設計図面として作成されたCADデータは、CADデータ入力部51によって取り込まれる。CADデータ入力部51は、キーボード22,マウス24等の操作に基づいて、CADデータを指定された取り込み形式(例えばDXF形式、IGES形式等)で指定倍率に変換して取り込む。倍率変換されて取り込まれたCADデータは、CADデータ記憶部52に格納される。座標系設定部53は、CADデータ記憶部52に記憶されたCADデータの座標系をワーク座標系に一致させるための座標設定処理を実行する。CADデータ展開部54は、CADデータ記憶部52に格納されたCADデータをベクタ・ラスタ変換して画像メモリ32に供給する。また、CADデータ記憶部52に格納されたCADデータのうち、ワーク12の測定箇所に対応した図形要素のCADデータが、マウス24の操作に基づいて図形選択部55で選択される。
パートプログラム生成部56は、図形選択部55で選択された図形要素に対する測定手順を記述したパートプログラムファイルを、測定条件設定部57で設定された測定条件に基づいて生成する。生成されたパートプログラムファイルは、パートプログラム編集部58で適宜編集処理される。生成及び編集されたパートプログラムファイルは、パートプログラム出力部59を介してHDD38等に格納される。
次に、このように構成された非接触画像測定システムにおけるパートプログラム生成手順について説明する。図4は、パートプログラムの自動生成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、ワーク12についてCADシステムを用いて予め作成されているDXFまたはIGES形式のCADデータを取り込み、CRT画面25上のグラフィックウィンドウに画像表示する(S1)。このとき、CADデータの取り込み時の倍率を設定することができる。このため、使用するワーク12のCADデータの図面縮尺に依存することなく、取り込みを行うことができる。例えば取り込むCADデータが図面縮尺0.5倍で描かれている場合、取り込み時の倍率を2倍とすることで、ワーク12のCADデータを実寸に変換して取り込むことができる。図5は、取り込んだCADデータによる画像情報の表示例を示している。CADデータによる画像情報61は、グラフィックウィンドウ62の中に表示される。グラフィックウィンドウ62の中に表示されている点線矩形の領域63は、CCDカメラ18による撮像領域を示している。この撮像領域63の大きさは、CADデータの縮尺、取り込み倍率及び後述するレンズ倍率によって決定される。この撮像領域63は、63′に示すように適宜ズームアップしたり、移動させたりすることができる。撮像領域63の把握と、測定対象図形64の認識及び選択を容易にするため、画像情報61には、CADデータ中の寸法線や寸法値等は含まれないようにしている。
次に、測定条件の設定を行う(S2)。本設定では、例えば、照明については、垂直落射照明、透過照明、リングファイバ照明、プログラム制御リング照明等の照明の種類についての設定と、照明の光量設定(光なし(0%)から最大光(100%)まで)を行う。レンズについては、固定倍率レンズ、プログラム制御パワータレット、プログラム制御ズームレンズ等の数種のレンズについてのレンズ倍率の設定を行う。エッジ検出ツールに関しては、例えばエッジ検出ツールの種類の設定、配置するエッジ検出ツールの数の設定、エッジ検出ツールのサイズの設定、オフセット値の設定等を行う。図6は、エッジ検出ツールの例を示す図である。同図(a)は最もシンプルなツール(以下、シンプルツールと呼ぶ)71で、矢印の基端から先端に向けてワーク12を撮像して得られる画像情報72の濃度レベルが急激に変化している点をエッジ点として検出するためのものである。このシンプルツールは、中点の位置座標(X,Y)と、その長さWと、角度θとによって定義される。同図(b)は矩形の箱形のツール(以下、ボックスツールと呼ぶ)73で、中点の位置情報(X,Y)と、両側の矢印の長さWと、両側の矢印間の幅Hと、角度θとによって定義される。ボックスツール73の場合、幅Hの中に予め設定された間隔ΔHで、矢印の基端から先端に向かうエッジ検出が繰り返される。これらツール71,73の全てのパラメータを各図形要素毎に演算によって求めても良いが、演算処理が複雑になるので、ここではツール71,73の位置と傾きのみを、測定対象として選択された各図形要素毎に演算して決定することにより、演算処理量を削減している。
従って、この測定条件の設定では、図形要素の種類(線、円、円弧等)毎に、エッジ検出ツールの種類、数、長さW(ピクセル数)、オフセット数のみを設定する。図7(a)は、線について、シンプルツール71を適用し、数nが3で、線の両端からそれぞれOFFだけオフセットを設定し、図中Aの範囲をシンプルツール71の配置範囲として設定している例を示している。オフセットOFFを設定するのは、線や円弧の端部にツール71が配置されることによりエッジ検出不能のエラーが発生するのを回避するためである。オフセットOFFは、長さで設定しても良いし、線の長さのパーセントで設定するようにしても良い。同図(b)は、円82について、4つのシンプルツール71を配置した例である。円の場合には、オフセットは不要である。このようにして設定された内容を図8に示す。各図形要素について、そのツールタイプ、ツール数、長さW及びオフセットOFFがエッジ検出ツール生成条件として測定条件設定部57の中に設定される。この例では、1次候補だけでなく、1次候補のツールの生成に失敗した場合の他のツール候補も2次候補として設定されている。
前記CADデータの取り込みによって、オフラインでパートプログラムの生成を行うためには、CADデータによる画像情報の座標系とワーク12の座標系とを一致させることが必要である。そこで、位置合わせのための座標系設定を行う(S3)。例えば、図5に示すCADデータによる画像情報61に対して、いまワーク座標系の原点位置が円要素65の中心であるとすると、円要素65をマウス24のポインタ67で選択して、原点移動処理を実行し、ワーク座標系のX軸が円要素65の中心から円要素66の中心に延びる線と一致する場合には、引き続いて円要素66をマウス24のポインタ67で選択してX軸設定処理を実行する。これにより、CADデータによる画像情報61の座標系とワーク座標系とが一致する。
次に、実際の測定データとCADデータとの公差照合を行う際に必要となる公差情報の設定を行う(S4)。本設定では、数種の公差に対応できるようになっており、例えば、上下限公差として、座標値、角度、距離に対して、設計値からの許容範囲を上限公差と下限公差で設定する。また、公差範囲として、位置度、形状(真直度、真円度等)に対して、公差域を設定する。また、この他はめ合い公差等についても公差情報の設定を行うことができ、これらの公差情報は公差リストとして保存することができる。
また、前記公差情報の設定には、全ての測定対象図形に対して共通の公差情報を設定する方法と、普通公差ファイルによって設計値に合わせて公差情報を設定する方法の二つの設定方法が用意されている。
次に、画面上に表示されているCADデータによる画像情報61からパートプログラムを生成しようとする対象図形を選択する(S5)。この選択操作は、例えば図5に示すように、選択すべき測定対象図形64を内部に含む矩形領域68を、その矩形の対角方向にマウス24のポインタ67をドラッグ操作させることで指定して行うことができる。測定対象図形の選択方法としては、この他にも、数値入力、及びマウス24等の操作で測定対象図形を個別に選択する方法があり、状況による使い分けが可能となっている。
ここで、測定対象図形64が選択されたら、CPU35は、予め設定されたエッジ検出ツール生成条件に基づいて、選択された各測定対象図形に対してエッジ検出ツールを選択し、配置する(S6)。なお、このとき各測定対象図形は、撮像領域63に設定された画像(ビデオ)座標系に変換される。従ってツールの配置位置や大きさは画像座標系で計算される。画像測定機において、エッジ検出処理を行うには、撮像領域63内に個々のエッジ検出ツールの全域が収まっていることが必要である。個々のエッジ検出ツールの一部が撮像領域63内に収まっていないと、撮像データのない領域でエッジ検出を行うことになるため、エッジ検出エラーが発生し、測定が中断する、あるいは測定結果を得ることができない。
そこで、この実施例では、図9に示すように、撮像領域63内にその全域が収まる最大の判定円69を設定し(S7)、この判定円69内に選択されたエッジ検出ツールが収まるかどうかでエッジ検出ツールの配置が可能かどうかを判定する(S8)。
例えば同図(a)に示すように、前記エッジ検出ツール生成条件のツールタイプとしてボックスツールが選択されており、このツール73が前記判定円69内に収まらない場合には、警告表示をした後、同図(b)に示すように、次候補として予め設定しておいたシンプルツール71に変更し(S9)、再度前記判定を行う。
また、さらに前記次候補として使用したエッジ検出ツールが前記判定円69内に収まらない場合には、警告表示をした後、次々候補として設定しておいたエッジ検出ツールに変更し、再度前記判定を行うこともできる。また、例えば、前記次候補として使用したエッジ検出ツールが再び前記判定円内に収まらない場合に、警告表示をした後にパートプログラム生成処理を強制終了する方法も適用可能である。
このように、本実施例での判定方法によれば、前記次候補として設定するエッジ検出ツールを前候補に比べて判定円内に収まり易いものとすることによって、パートプログラム生成時におけるエッジ検出エラー発生をなくすことができる。なお、エッジ検出エラーが発生するかどうかは、エッジ検出ツールが矩形の撮像領域63内に収まっているかどうかを判定すればよいが、この実施例のように撮像領域63内に更に判定円69を設定し、この判定円69内にエッジ検出ツールが収まるかどうかを判定することで、実際の測定時に設置されたワーク12の傾きに依存せずに判定が可能であるという利点がある。つまり、判定円69の中心から各エッジ検出ツールの端点までの距離のみを判定すればよく、ワーク設置に傾きを生じた場合の座標系の回転演算は不要である。
次に、図10に示すように、配置した判定円69内に前記配置したエッジ検出ツール71又は73ができるだけ多く含まれるように撮像領域63の位置を決定してステージ移動コマンドを生成する(S10)。そして、判定円69内に含まれる全エッジ検出ツールに関しては、ステージ移動を行わずにエッジ検出を行うように、ステージ移動コマンド生成処理の省略を行う(S11)。なお、前記判定には、例えば対象となるそれぞれのエッジ検出ツール1つずつに対して前記判定円69内に収まるかどうかを判定する方法を適用できる。また、前記判定の別の手法として、対象となるエッジ検出ツール全てを使って最小外接円を求め、同最小外接円が前記判定円内に収まるかどうかを判定する方法も適用できる。また、図11(a)に示すように、判定円69内に全てのエッジ検出ツールが収まらない場合には、基準となるエッジ検出ツール74、例えば左上から右下に順次エッジ検出ツールを配置していく場合には、最初は最も左上のエッジ検出ツールを撮像領域63の中心に配置するようにステージ移動命令をパートプログラムに記述し、続いて同図(b)に示すように、次の基準となるエッジ検出ツール74を撮像領域63の中心に配置するようにステージ移動命令をパートプログラムに記述して、同様の操作を繰り返す。
このようにステージ移動コマンドの省略を行い、複数の前記測定対象図形の図形要素をステージ移動せずにエッジ検出することで、測定に要する時間を短縮することができ、特に検出対象となる測定対象図形の図形要素が複数近接している場合などに効果を発揮する。
次にCPU35はその他のステージ移動コマンド、オートフォーカスコマンド、照明コマンド、レンズコマンド、測定コマンド、公差照合コマンドの生成を行い、パートプログラムへ追加し、パートプログラムファイルとしてHDD38等へ記憶する(S12)。オートフォーカスについては、前もって、オートフォーカス条件を設定しておく。すなわち、オートフォーカス実行は、ティーチング開始時に一回のみオートフォーカスを行う、新しい形状要素の測定開始時にオートフォーカスを行う、ステージ移動命令後にオートフォーカスを行う、前回のオートフォーカス位置から別途指定された半径以上離れた位置にステージが移動した場合にオートフォーカスを行う、等のいずれの条件でオートフォーカスを行うかを設定しておく。更に、異常に浅い位置や深い位置にフォーカスが行われないようにするため、どの程度の範囲でオートフォーカスを行うかの幅も設定しておく。オートフォーカスコマンドはこれらの条件を元にして、条件が合致した場合においてオートフォーカスが行われるようにオートフォーカスコマンドが生成される。
図12は上述のような処理により生成されたパートプログラムの例を示す図である。同図(a)には従来のパートプログラム生成方法に基づいて生成されたパートプログラムの一部を、同図(b)には上述したステージ移動コマンドの省略を行って生成されたパートプログラムの一部を示す。両図のパートプログラムは同一のワークに対して生成されている。従来のパートプログラム生成方法ではパートプログラムの処理過程におけるステージ移動コマンドの実行回数が8回であるのに比べ、本実施例におけるパートプログラム生成方法では2回と、1/4に減少していることがわかる。この効果により本実施例におけるパートプログラム生成方法によれば、非接触画像測定機により実際に計測を行う際に従来の方法に比べ、ステージ移動に要する時間は1/4に減少し、全体としての測定時間を短縮できることが確認できる。また、同図(c)に示すパートプログラムの生成例では、円測定[1:Circle_1]を行うためのツール生成時にエラーが発生し、ツールが置換わったことを示す△マークが追加されている。
次に、生成されたパートプログラムファイルの編集処理ついて説明する。図13は、パートプログラム編集部58で実行される編集処理のうち、エッジ検出ツールの調整手順を示すフローチャートである。この実施例では、図12に示すように、生成されたパートプログラムの内容が、ズーム、ステージ移動、照明、エッジ検出ツール等のコマンド毎にツリー構造化されて表示される。この中から必要なコマンドを選択することにより、そのコマンドに関する設定値を変更するためのダイアログボックスが表示される。また、エッジ検出ツールのコマンドを選択すると、図13の処理が起動される。まず、エッジ検出ツールの配置状態を確認するため、ワーク12が実際に撮像された時の大きさと同じ大きさでCADデータによる画像情報が表示される(S21)。この状態で、画像表示されたエッジ検出ツールに対して、数値入力、又はマウス24のドラッグ操作等を行って、エッジ検出ツールの大きさ、位置、向き等の修正を行うことができる(S22)。
ここで、修正したパートプログラムが再度修正を要すると判断された場合には、前記エッジ検出ツールの修正処理を順次繰り返すことにより、パートプログラムを修正していく。この修正処理(S22〜S24)により、測定対象図形に適合したエッジ検出コマンドを生成することで、より効率的で精度の良い測定を行うことができる。
ところで、上述したオフラインティーチングにより生成されたパートプログラムにCADデータが含まれていると、画像測定結果から生成された画像情報と、CADデータから得られる設計値としての画像情報とを画像で対比することが可能になる。そこで、次にCADデータを含むパートプログラムを使用した測定結果表示処理について説明する。
図14は、測定結果表示処理のためのプログラム、CPU35及びその周辺装置により実現される装置の機能ブロック図である。HDD38に保存されたパートプログラムファイルは、パートプログラム入力部91によって読み込まれ、パートプログラム実行部92で実行される。これにより測定制御された画像測定機1から得られたワーク画像は、測定演算処理部93で演算処理されて、必要な測定値が求められる。図形情報生成部94は、求められた測定値(例えば円の中心、半径等)から測定結果を示す図形を生成し、画像メモリ32に出力する。一方、パートプログラム入力部91で読み込まれたパートプログラムファイルは、CADデータも含まれているので、このCADデータからも設計値による図形が生成され、画像メモリ32に出力される。これら2つの図形が例えば異なる色で重ねて表示されることになる。
図15は、この装置による測定結果表示処理のフローチャートである。まず、生成したパートプログラムを実際に画像測定機1を用いて実行し、ワーク12を撮像することによって、測定データを取得する(S31)。
そして、図16に示すように、得られたワーク12の測定データに基づく画像と読み込んだCADデータに基づく画像をそれぞれ異なる色でCRT画面25上の画像表示領域内に重ねて描画する(S32)。さらに位置情報、誤差情報を数値で、描画されている画面上の対象図形の対象位置近傍に重ねて表示することもできる(S33)。このような表現方法をとることによって、これまでの方法ではCAD図面上に測定結果の寸法値や誤差値が数値として表示されているだけで、数字同士が混み合うと見にくくなっていたのに対し、一目で位置ずれ、寸法誤差等の測定結果が確認できる。ここで、同図に示す位置情報および誤差情報を数値で表示する画面上の測定対象図形の該当位置は自由に変更可能である。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではない。前記実施例では前記判定円内にエッジ検出ツールが収まらない場合、予め設定しておいた次候補のエッジ検出ツールに変更し、再度前記判定を行うことで、パートプログラム生成における柔軟性、及び汎用性を向上させるようにした。これに対し、例えば図17に示すように判定円内に収まらないエッジ検出ツールがある場合には、CPU35は、CRTディスプレイ25上に警告表示を行い、同時にパートプログラム生成処理を強制終了する(S94)ようにしてもよい。このように警告後にパートプログラム生成処理を強制終了することで、無理なパートプログラム生成を行わないことによって、不完全なパートプログラム実行による無駄な測定動作を回避すると共に、実際の測定時におけるエッジ検出エラー発生を極力回避することができる。
又、これらの実施例においては、CADデータを元にしてパートプログラムを生成する例を説明したが、これに限らずCADデータの代りに実際に画像測定機やデジタルカメラで撮像した画像データあるいはスキャナで入力した画像データなどを元にしてパートプログラムを生成することも可能である。このようにすれば、CADデータがない場合であっても、例えばワークをスキャナで読取ったデータから簡便にパートプログラムを生成することができる利点を有する。画像データの場合に、ワークの正確な寸法が不明な場合があるが、この場合は、例えば画像データの一部の要素形状(例えば円)の直径の実寸を測定して、これを元に画像データ全体の寸法を補正することも可能である。更に、本発明の画像測定装置用パートプログラム生成方法は、実機を使わずにオフラインでパートプログラムを生成する方法を提供するが、この方法を画像測定機において実施することも可能である。この場合には、画像測定機で撮像した画像データをそのまま使用できるという利点を有する。
1・・・画像測定機、2・・・コンピュータシステム、3・・・プリンタ、11・・・架台、12・・・被測定対象、13・・・測定テーブル、14,15・・・支持アーム、16・・・X軸ガイド、17・・・撮像ユニット、18・・・CCDカメラ、21・・・コンピュータ本体、22・・・キーボード、23・・・ジョイスティックボックス、24・・・マウス、25・・・CRT画面、31,34・・・インタフェース、32・・・画像メモリ、36・・・表示制御部、35・・・CPU、61・・・画像情報、62・・・グラフィックウィンドウ、64・・・測定対象図形、69・・・判定円、71,73・・・測定対象図形の図形要素に設置されたエッジ検出ツール。
Claims (4)
- 被測定対象を撮像して得られる画像データに基づいて被測定対象を測定する画像測定装置において、
前記被測定対象に対応したCADデータを含む測定の手順を記述したパートプログラムを読み込むパートプログラム入力手段と、
このパートプログラム入力手段によって読み込まれたパートプログラムを実行して前記被測定対象の各測定要素に対する測定結果を得るパートプログラム実行手段と、
このパートプログラム実行手段で得られた測定結果に基づいて前記各測定要素の測定結果の図形情報を生成する図形情報生成手段と、
この図形情報生成手段で生成された測定結果の図形情報とこれに対応するCADデータ中の設計値としての図形情報とを識別可能な形態で重ねて表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする画像測定装置。 - 前記表示手段は、前記測定結果の図形情報と前記設計値としての図形情報との近傍位置に、両者の誤差情報を数値表示するものであることを特徴とする請求項1記載の画像測定装置。
- 被測定対象を撮像して得られる画像データに基づいて被測定対象を測定する画像測定装置の測定結果表示方法において、
前記被測定対象に対応したCADデータを含む測定の手順を記述したパートプログラムを実行して前記被測定対象の各測定要素に対する測定結果を得、この測定結果に基づいて前記各測定要素の測定結果の図形情報を生成すると共に、この測定結果の図形情報とこれに対応するCADデータ中の設計値としての図形情報とを識別可能な形態で重ねて表示する
ようにしたことを特徴とする画像測定装置の測定結果表示方法。 - 被測定対象を撮像して得られる画像データに基づいて被測定対象を測定する画像測定装置の測定結果表示プログラムを記憶してなる媒体であって、
前記被測定対象に対応したCADデータを含む測定の手順を記述したパートプログラムを読み込むステップと、
このパートプログラム入力手段によって読み込まれたパートプログラムを実行して前記被測定対象の各測定要素に対する測定結果を得るステップと、
このステップで得られた測定結果に基づいて前記各測定要素の測定結果の図形情報を生成するステップと、
このステップで生成された測定結果の図形情報とこれに対応するCADデータ中の設計値としての図形情報とを識別可能な形態で重ねて表示するステップと
を備えた画像測定装置の測定結果表示プログラムを記憶してなる媒体。
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JP (1) | JP2004078988A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007257081A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-10-04 | Mitsutoyo Corp | 画像計測装置用パートプログラム生成装置、画像計測装置用パートプログラム生成方法、及び画像計測装置用パートプログラム生成用プログラム |
JP2013117953A (ja) * | 2011-11-15 | 2013-06-13 | Mitsutoyo Corp | 同期されたユーザインタフェース機能を含むマシンビジョンシステムプログラム編集環境 |
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2003
- 2003-10-20 JP JP2003359264A patent/JP2004078988A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007257081A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-10-04 | Mitsutoyo Corp | 画像計測装置用パートプログラム生成装置、画像計測装置用パートプログラム生成方法、及び画像計測装置用パートプログラム生成用プログラム |
JP2013117953A (ja) * | 2011-11-15 | 2013-06-13 | Mitsutoyo Corp | 同期されたユーザインタフェース機能を含むマシンビジョンシステムプログラム編集環境 |
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