JP2004078804A - クロック信号伝搬ゲート及びそれを含む半導体集積回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロック信号のスキュー低減が可能でクロック信号が制御できるクロック信号伝搬ゲートを含む半導体集積回路を提供する。
【解決手段】クロック始点から入力されクロック信号は、バッファ30及びバッファ31を経てクロック伝搬制御ゲート32に伝搬する。このクロック伝搬制御ゲート32は、前段にインバータ、後段にNANDゲートを有する構成である。クロック伝搬制御ゲート32を経たクロック信号は、バッファ33及びバッファ34を経て終端の順序回路であるFFs35に至る。このクロック伝搬制御ゲート32の後段のNANDゲート39は、nMOSトランジスタ42,43及びソース・ドレインがそれぞれ共通に接続されたpMOSトランジスタ40,41で構成されている。また、前段のインバータ36は、pMOSトランジスタ37及びnMOSトランジスタ38で構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】クロック始点から入力されクロック信号は、バッファ30及びバッファ31を経てクロック伝搬制御ゲート32に伝搬する。このクロック伝搬制御ゲート32は、前段にインバータ、後段にNANDゲートを有する構成である。クロック伝搬制御ゲート32を経たクロック信号は、バッファ33及びバッファ34を経て終端の順序回路であるFFs35に至る。このクロック伝搬制御ゲート32の後段のNANDゲート39は、nMOSトランジスタ42,43及びソース・ドレインがそれぞれ共通に接続されたpMOSトランジスタ40,41で構成されている。また、前段のインバータ36は、pMOSトランジスタ37及びnMOSトランジスタ38で構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロック信号伝搬ゲートを備える半導体集積回路に係る発明であって、特に、クロック信号のスキュー(各終端に達するクロック信号のずれ)の低減、クロック信号の遅延調整の容易化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LSIの同期式パイプライン設計において、クロック分配回路の設計は重要となる。このクロック分配回路には主に一括駆動方式とクロックTree方式がある。クロックTree方式は、一括駆動方式に比べて低消費電力化及び小面積化が可能であり、クロック信号の制御も容易に行うことが可能である。
【0003】
図5に、一般的なクロックTree方式のクロック分配回路図を示す。クロック始点から入力されたクロック信号は、バッファ200を通りバッファ201及びバッファ202に分配される。更にバッファ201を通ったクロック信号は、バッファ203及びバッファ204に分配される。これら分配されたクロック信号は、終端の順序回路(例えば、ラッチやフリップフロップ(FF))まで分配される。図5では、バッファは、バッファ200からバッファ212にまで図示されている。そして終端には立ち上がりエッジにより動作する複数のフリップフロップを内在する順序回路(以下、FFsという。)が、FFs213からFFs216まで図示されている。
【0004】
このクロック分配回路のクロックTree方式は、様々な構造が提案されており、最近ではクロックの始点から終端のFFsまでの各経路で均一なレイアウトが実現可能なH−tree方式が提案されている。このH−tree方式は、”A Clock distribution Network for Microprocessors”(2000 Synposium on VLSICircuits Digest of Technical Papers)に記載されている。
【0005】
図6に、クロック信号の制御が可能なクロックTree方式のクロック分配回路図を示す。このクロック分配回路には、経路中に制御用ORゲート224及び制御用ANDゲート226が設けられている。これらの制御用ゲートは、一部又は全てのクロック信号を終端のFFsに供給するのを停止することができる。図6では、バッファは、バッファ220〜223,225,227〜232が図示されている。そして、フリップフロップは、FFs233からFFs236までが図示されている。
【0006】
次に、制御用ANDゲート226を含む経路について説明する。図7に、制御用ANDゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図を示す。図7(a)は、図6に示したクロック分配回路のクロック始点から終端のFFs236までの一経路である。まず、クロック始点から入力されたクロック信号は、バッファ220及びバッファ222を経て制御用ANDゲート226に伝搬する。この制御用ANDゲート226は、前段がNANDゲート240で、後段がインバータ245で構成されている。
【0007】
図7(b)は、制御用ANDゲート226の回路図である。前段のNANDゲート240は、pMOSトランジスタ241,242及びnMOSトランジスタ243,244で構成されている。また、後段のインバータ245は、pMOSトランジスタ246及びnMOSトランジスタ247で構成されている。
【0008】
制御用ANDゲート226を経たクロック信号は、バッファ228及びバッファ232を経て終端のFFs236に至る。図7(a)に示したFFs236は、立ち上がりエッジが入力された場合に駆動する。
【0009】
次に、制御用ANDゲート226の動作について説明をする。制御用ANDゲート226に入力したクロック信号の立ち上がりエッジは、制御信号によってその伝搬が制御される。まず、制御信号が”L”であれば、入力であるクロック信号に立ち上がりエッジ(”L”から”H”への信号の変化)が生じても、制御用ANDゲート226の出力は”L”のままとなる。従って、制御用ANDゲート226の制御信号が”L”であれば、クロック信号の立ち上がりエッジは伝搬しない。
【0010】
一方、制御信号が”H”であれば、入力であるクロック信号は、前段のNANDゲート240で信号が反転し、更に後段のインバータ245で再度、反転する。従って、制御用ANDゲート226の制御信号が”H”であればクロック信号の立ち上がりエッジは伝搬する。
【0011】
次に、制御用ORゲート224を含む経路について説明する。図8に、制御用ORゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図を示す。図8(a)は、図6に示したクロック分配回路のクロック始点から終端のFFs233までの一経路である。図8(b)は、制御用ORゲート224の回路図である。前段のNORゲート250は、pMOSトランジスタ251,252及びnMOSトランジスタ253,254で構成されている。また、後段のインバータ255は、pMOSトランジスタ256及びnMOSトランジスタ257で構成されている。
【0012】
制御用ORゲート224に入力したクロック信号の立ち上がりエッジは、制御信号によってその伝搬が制御される。制御信号が”L”であれば、入力であるクロック信号は、前段のNORゲート250で反転し、更に後段のインバータ255で再度反転する。従って、制御用ORゲート224の制御信号が”L”であれば、クロック信号の立ち上がりエッジは伝搬する。
【0013】
一方、制御信号が”H”であれば、入力であるクロック信号に立ち上がりエッジが生じても、制御用ORゲート224の出力は、”H”のままである。従って、制御用ORゲート224の制御信号が”H”であれば、クロック信号の立ち上がりエッジは伝搬しない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図5や図6で示したクロックTree方式のクロック分配回路では、クロック始点から終端のFFsまでの経路により配線長、隣接する配線及びゲート段数が異なる。これにより、配線経路によってクロック信号の遅延差が生じ、クロック信号のスキュー(各終端に達するクロック信号のずれ)が大きくなる傾向がある。また、終端のFFsが立ち上がりエッジにより駆動される場合、クロック分配回路は、クロック信号の立ち上がりエッジを伝搬させる必要がある。
【0015】
ここで、図5や図6で示したクロック分配回路中のバッファは、図9に示すような2段のインバータで構成されたバッファである。図9の前段インバータ260は、pMOSトランジスタ261とnMOSトランジスタ262で構成され、後段インバータ263は、pMOSトランジスタ264とnMOSトランジスタ265で構成されている。バッファの出力に接続する配線は寄生容量が大きいため、その配線を駆動するためのpMOSトランジスタ264はpMOSトランジスタ261より電流駆動能力が大きく、nMOSトランジスタ256はnMOSトランジスタ262より電流駆動能力が大きくそれぞれ構成されている。一般的に、インバータ263うちのpMOSトランジスタ264の駆動能力は、nMOSトランジスタ265の駆動能力よりも劣っている。そのため、図9に示したバッファにクロック信号の立ち上がりエッジが入力すると、クロック信号の伝搬遅延は、バッファ通過後大きくなる。
【0016】
このクロック信号のスキューが大きくなる問題を解決する方法としては、後段のインバータ263の駆動能力、特にpMOSトランジスタ264の駆動能力を大きくする必要がある。つまり、解決方法としては、後段インバータ263のpMOSトランジスタ264のゲート幅を大きくすることである。しかし、この方法では、pMOSトランジスタ264の面積が大きくなるためバッファ自身の面積も大きくなる。その結果、クロック分配回路の面積は大きくなり、それに伴いクロック分配回路の消費電力の増加を招く問題がある。
【0017】
別の解決方法としては、”P−boosted Source Followers:A Robust Energy−efficient Bus Driver Technique”(2001 Synposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers)に発表されているクロック分配回路がある。しかし、このクロック分配回路は、新たにnMOSトランジスタを追加しなければならない構成である。そのため、このクロック分配回路では、クロック分配回路の面積を小さくすることができないという問題がある。また、依然として、pMOSトランジスタは、クロック信号の立ち上がりエッジの伝搬に関与している。
【0018】
また、図7に示した制御用ANDゲート226には、以下のような問題点がある。制御信号が”H”で、制御用ANDゲート226にクロック信号の立ち上がりエッジが入力される際、前段のNANDゲート240に入力されるクロック信号が”L”から”H”に遷移する。クロック信号が”H”となれば前段のNANDゲート240のpMOSトランジスタ241はOFFする。このpMOSトランジスタ241のOFFにより、nMOSトランジスタ243及びnMOSトランジスタ244が、後段のインバータ245を駆動することになる。この直列接続されたnMOSトランジスタ243とnMOSトランジスタ244の部分は、図9に示したバッファの構成にはない。そのため、制御用ANDゲート226は、クロック信号の立ち上がりエッジに対して図9に示したバッファと同じような電流特性等を得ることはできない。
【0019】
また、図8に示した制御用ORゲート224にも、以下のような問題点がある。制御信号が”L”で、制御用ORゲート224にクロック信号の立ち上がりエッジが入力される際、前段のNORゲート250に、入力されるクロック信号が”L”から”H”に遷移する。クロック信号が”H”となれば、前段のNORゲート250のpMOSトランジスタ252は、OFFする。このpMOSトランジスタ252のOFFにより、nMOSトランジスタ253は、後段のインバータ255を駆動することになる。nMOSトランジスタ253とnMOSトランジスタ254は並列接続され、nMOSトランジスタ254はOFFとなるため、制御用ORゲート224は、図9に示したバッファと同じような構成となる。そのため、制御用ORゲート224は、クロック信号の立ち上がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができる。
【0020】
しかし、入力されるクロック信号の波形の傾きが緩やかであると、貫通電流の流れる時間が長くなる。そのとき、pMOSトランジスタ251及びpMOSトランジスタ252の影響を無視することができなくなり、制御用ORゲート224は、クロック信号の立ち上がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができなくなる。
【0021】
このように、図7及び図8で示した制御用ANDゲート226及び制御用ORゲート224が混在するクロック分配回路では、バッファと異なる電流特性等を持つためクロック信号の遅延調整が困難となる。そのため、図6に示したようなクロック分配回路では、同じバッファのみで構成されたクロック分配回路に比べて生じるクロック信号のスキューが大きい。
【0022】
そこで、本発明は、上記問題点を解決し、クロック信号のスキューの低減、クロック信号の遅延調整の容易化が可能なクロック信号を制御できるクロック信号伝搬ゲート及びそれを含む半導体集積回路を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る解決手段は、(a)ドレインと、クロック信号が与えられるゲートと、第1電位点に接続されたソースとを有する第1導電型の第1MOSトランジスタと、第2電位点に接続されたソースと、第1MOSトランジスタのドレインに接続されたドレインと、第1MOSトランジスタのゲートに接続されたゲートとを有する第2導電型の第2MOSトランジスタとを有するインバータと、(b)第1MOSトランジスタのドレイン及び第2MOSトランジスタのドレインに直接接続されたゲートと、第2電位点に接続されたソースと、ドレインとを有し、第1MOSトランジスタの電流駆動能力よりも大きい駆動能力を有する第2導電型の第3MOSトランジスタと、ゲートと、第3MOSトランジスタのドレインに接続されたドレインと、ソースとを有する第1導電型の第4MOSトランジスタと、第4MOSトランジスタのソースに接続されたドレインと、第1電位点に接続されたソースと、ゲートとを有する第1導電型の第5MOSトランジスタと、第3MOSトランジスタのドレインに接続されて出力端となるドレインと、第2の電位点に接続されたソースと、ゲートとを有する第2導電型の第6MOSトランジスタとを有する論理ゲートとを備え、第4MOSトランジスタ及び第5MOSトランジスタの一方のゲートには、第3MOSトランジスタのゲートが接続され、その他方のゲートには第6MOSトランジスタのゲートが接続され、第4MOSトランジスタ及び第5MOSトランジスタの他方のゲートと第6MOSトランジスタのゲートとに第2電位点に対応する論理が与えられる場合に、論理ゲートの出力端へとクロック信号の第1電位点側から第2電位点側への遷移が伝搬する。
【0024】
本発明の請求項2に係る解決手段は、クロック信号の立ち上がりエッジを伝搬するクロック信号配線と、クロック信号配線上に配置されたバッファと、クロック信号配線上に少なくとも1つ以上の第1導電型がn型、第2導電型がp型で、第4及び第5MOSトランジスタのゲートに論理”H”が与えられる場合にクロック信号を伝搬する請求項1に記載のクロック信号伝搬ゲートと、クロック信号配線の終端に配置され、クロック信号配線を伝搬中のクロック信号の立ち上がりエッジに基づいて作動する順序回路とを備える。
【0025】
本発明の請求項3に係る解決手段は、クロック信号の立ち下がりエッジを伝搬するクロック信号配線と、クロック信号配線上に配置されたバッファと、クロック信号配線上に少なくとも1つ以上の第1導電型がp型、第2導電型がn型で、第4及び第5MOSトランジスタのゲートに論理”L”が与えられる場合にクロック信号を伝搬する請求項1に記載のクロック信号伝搬ゲートと、クロック信号配線の終端に配置され、クロック信号配線を伝搬中のクロック信号の立ち下がりエッジに基づいて作動する順序回路とを備える。
【0026】
本発明の請求項4に係る解決手段は、請求項2又は請求項3に記載の半導体集積回路であって、クロック信号配線の始点の直後と終端の直前に、インバータをさらに備えることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図を示す。図1(a)は、クロック分配回路のクロック始点から終端のFFs35までの一経路である。まず、クロック始点から入力されクロック信号は、バッファ30及びバッファ31を経てクロック伝搬制御ゲート32に伝搬する。このクロック伝搬制御ゲート32は、前段がインバータ36、後段がNANDゲート39を有している。クロック伝搬制御ゲート32を経たクロック信号は、バッファ33及びバッファ34を経て終端の順序回路であるFFs35に至る。ここで、FFs35は、複数のフリップフロップが内在する順序回路を表しているが、本発明においては1つのフリップフロップのみ内在する順序回路であっても良い。
【0029】
図1(b)は、クロック伝搬制御ゲート32の回路図である。前段のインバータ36は、pMOSトランジスタ37及びnMOSトランジスタ38で構成されている。pMOSトランジスタ37及びnMOSトランジスタ38のゲートは共通に接続されてインバータ36の入力端となり、クロック信号を入力する。pMOSトランジスタ37及びnMOSトランジスタ38のドレインは共通に接続されてインバータ36の出力端となる。
【0030】
後段のNANDゲート39は、ソース・ドレインがそれぞれ共通に接続されたpMOSトランジスタ40,41及びnMOSトランジスタ42,43で構成されている。pMOSトランジスタ40,nMOSトランジスタ42のゲートは、共通に接続されてNANDゲート39の入力端となり、インバータ36の出力端と直接接続される。pMOSトランジスタ40,41,nMOSトランジスタ42のドレインは共通に接続されてNANDゲート39の出力端となる。nMOSトランジスタ43とpMOSトランジスタ41のゲート端子には、制御信号が入力される。
【0031】
ここで、少なくともpMOSトランジスタ40の電流駆動能力は、nMOSトランジスタ38の電流駆動能力より大きくなるように構成されている。これは、後段のNANDゲート39と入力がNANDゲート39の出力に接続されるバッファとの配線の距離が、前段のインバータ36と後段のNANDゲート39との配線の距離に比べて長くなるため、後段のNANDゲート39のpMOSトランジスタ40の電流駆動能力を大きくする必要があるためである。好ましくは、pMOSトランジスタ40は、pMOSトランジスタ37より電流駆動能力を大きくし、nMOSトランジスタ42,43はnMOSトランジスタ38より電流駆動能力を大きくする。電流駆動能力は、例えばMOSトランジスタのトランジスタサイズ(すなわち、ゲート幅/ゲート長の比)で調整可能である。なお、図1(a)に示したFFs35は、受けるクロック信号の立ち上がりエッジに同期してデータを取り込み保持する構成である。バッファ30,31,33,34は、図9に示したバッファと同様の構造を有する。
【0032】
次に、クロック伝搬制御ゲート32の動作について説明をする。クロック伝搬制御ゲート32に入力したクロック信号の立ち上がりエッジは、制御信号によってその伝搬が制御される。制御信号が”L”であれば、入力であるクロック信号に立ち上がりエッジが生じても、クロック伝搬制御ゲート32の出力側は”H”のままである。従って、制御信号が”L”であれば、クロック信号の立ち上がりエッジは伝搬しない。
【0033】
一方、制御信号が”H”であれば、入力であるクロック信号は、インバータ36で信号が反転し、更にNANDゲート39で再度反転する。従って、制御信号が”H”であれば、クロック信号の立ち上がりエッジは伝搬する。
【0034】
以上のように構成したクロック伝搬制御ゲート32は、従来の技術である図7に示した制御用ANDゲート226と同様に制御信号が”H”のときにクロック信号を伝搬させることができる。また、インバータ36のpMOSトランジスタ37,nMOSトランジスタ38とNANDゲート39のpMOSトランジスタ40は、それぞれ図9に示したバッファの前段インバータ260のpMOSトランジスタ261,nMOSトランジスタ262と後段インバータ263のpMOSトランジスタ264に対応する。そして、それぞれクロック伝搬制御ゲート32のMOSトランジスタのゲート幅は、それぞれ対応するバッファのMOSトランジスタのゲート幅とほぼ同程度にする。
【0035】
これにより、インバータ36の出力の立ち下がりエッジは、pMOSトランジスタ40の動作(pMOSトランジスタ41はOFF)によって伝搬されるので、クロック伝搬制御ゲート32は伝搬すべきクロック信号の立ち上がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができる。なお、制御信号の入力タイミングは、クロック信号のタイミングを考慮する必要がある。
【0036】
また、入力されるクロック信号の波形の傾きが緩やかである場合に、NORゲート及びNANDゲートに流れる貫通電流の時間は長くなる。これにより、クロック伝搬制御ゲートは、バッファに近い電流特性等を得られなくなる場合がある。しかし、図1に示すクロック伝搬制御ゲート32では、前段にインバータを設けている。これにより、クロック伝搬制御ゲート32に入力されるクロック信号の立ち上がりエッジの波形の傾きが緩やかである場合であっても、前段のインバータ36がクロック信号の立ち上がりエッジの波形を整形しつつ反転させ、後段のNANDゲート39に入力する。よって、クロック伝搬制御ゲート32では、入力されるクロック信号の波形の傾きが緩やかである場合でも、NANDゲート39に流れる貫通電流の時間を短くすることができる。その結果、後段のNANDゲート39に流れる貫通電流の影響は、無視することができ、クロック伝搬制御ゲート32は、クロック信号の立ち上がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができる。
【0037】
なお、制御信号が”H”のときにクロック信号を停止させるように構成するには、図1に代えて図2のように、制御信号の論理を反転させるインバータ53を設け、インバータ53の出力をNANDゲート39の入力、すなわちnMOSトランジスタ43及びpMOSトランジスタ47のそれぞれゲートに与える構成にすればよい。その他の構成は図1のものと同一である。制御信号が”H”のときクロック伝搬制御ゲート32の出力は”H”に固定される。
【0038】
このように、図1又は図2で示したクロック伝搬制御ゲートは、バッファと同程度の電流特性等を有する。そのため、図1又は図2で示したクロック伝搬制御ゲートが混在するクロック分配回路は、バッファのみで構成されたクロック分配回路と同程度のクロック信号のスキューに調整することができる。更に、複数のクロック伝搬制御ゲートがクロック分配回路に混在しても良い。
【0039】
なお、本実施の形態では、クロック始点から入力され立ち上がりエッジのクロック信号が伝搬し、立ち上がりエッジのクロック信号で作動する順序回路で構成する場合について示したが、クロック始点から入力され立ち上がりエッジのクロック信号が伝搬し、順序回路に入力前に立ち下がりエッジのクロック信号に反転させ、立ち下がりエッジのクロック信号で作動する順序回路で構成する場合などでも良い。
【0040】
図1(c)に、図1(b)のクロック伝搬制御ゲート32の変形例を示す。図1(c)のクロック伝搬制御ゲート32は、インバータ36の出力をnMOSトランジスタ43のゲートに与え、制御信号をnMOSトランジスタ42のゲートに与え、それ以外の部分は、図1(b)のクロック伝搬制御ゲート32と同じ構成である。
【0041】
(実施の形態2)
図3に、本実施の形態に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図を示す。図3(a)は、クロック分配回路のクロック始点から終端のFFs76までの一経路である。まず、クロック始点から入力されクロック信号(立ち上がりエッジ)は、インバータ70で信号が反転する。反転したクロック信号(立ち下がりエッジ)は、バッファ71を経てクロック伝搬制御ゲート72に伝搬する。このクロック伝搬制御ゲート72は、前段にインバータ77、後段にNORゲート80、更に制御信号の入力部分にインバータ73を有する。クロック伝搬制御ゲート72を経た反転されたクロック信号は、バッファ74を経てインバータ75に伝搬される。このインバータ75は伝搬された反転されたクロック信号を再度、反転させて入力時のクロック信号に戻す。そして、戻されたクロック信号(立ち上がりエッジ)は、終端の順序回路であるFFs76に至る。ここで、FFs76は、複数のフリップフロップが内在する順序回路を表しているが、本発明においては1つのフリップフロップのみ内在する順序回路であっても良い。
【0042】
図3(b)は、クロック伝搬制御ゲート72の回路図である。前段のインバータ77は、pMOSトランジスタ78及びnMOSトランジスタ79で構成されている。pMOSトランジスタ78及びnMOSトランジスタ79のゲートは共通に接続されてインバータ77の入力端となり、クロック信号を入力する。pMOSトランジスタ78及びnMOSトランジスタ79のドレインは共通に接続されてインバータ77の出力端となる。
【0043】
後段のNORゲート80は、pMOSトランジスタ81,82及びソース・ドレインがそれぞれ共通に接続されたnMOSトランジスタ83,84で構成されている。pMOSトランジスタ82,nMOSトランジスタ83のゲートは、共通に接続されてNORゲート80の入力端となり、インバータ77の出力端と直接接続される。pMOSトランジスタ82,nMOSトランジスタ83,84のドレインは共通に接続されてNORゲート80の出力端となる。pMOSトランジスタ81とnMOSトランジスタ84のゲート端子には、インバータ73で反転した制御信号が入力される。
【0044】
ここで、少なくともnMOSトランジスタ83の電流駆動能力は、pMOSトランジスタ78の電流駆動能力より大きくなるように構成されている。これは、後段のNORゲート80と入力がNORゲート80の出力に接続されるバッファとの配線の距離が、前段のインバータ77と後段のNORゲート80との配線の距離に比べて長くなるため、後段のNORゲート80のnMOSトランジスタ83の電流駆動能力を大きくする必要があるためである。好ましくはpMOSトランジスタ81,82はpMOSトランジスタ78より電流駆動能力を大きくし、nMOSトランジスタ83はnMOSトランジスタ79より電流駆動能力を大きくする。なお、図3(a)に示したFFs76は、受けるクロック信号の立ち上がりエッジに同期してデータを取り込み保持する構成である。バッファ71,74は、図9に示したバッファと同様の構造を有する。
【0045】
次に、クロック伝搬制御ゲート72の動作について説明をする。クロック信号の立ち上がりエッジの伝搬が重要であるが、本実施の形態では、クロック始点のインバータ70でクロック信号の立ち上がりエッジは、クロック信号の立ち下がりエッジに反転させられている。そのため、クロック伝搬制御ゲート72には、クロック信号の立ち下がりエッジが入力される。このクロック伝搬制御ゲート72に入力したクロック信号の立ち下がりエッジは、制御信号によってその伝搬が制御される。
【0046】
制御信号が”L”であれば、入力であるクロック信号は立ち下がりエッジが生じても、クロック伝搬制御ゲート72の出力が”L”のままである。従って、制御信号が”L”であれば、クロック信号の立ち下がりエッジは伝搬しない。
【0047】
一方、制御信号が”H”であれば、入力であるクロック信号は、インバータ77で信号が反転し、更にNORゲート80で再度反転する。従って、制御信号が”H”であれば、pMOSトランジスタ81とnMOSトランジスタ84のゲートには”L”が与えられクロック信号の立ち下がりエッジは伝搬する。
【0048】
以上のように構成したクロック伝搬制御ゲート72は、従来の技術である図7に示した制御用ANDゲート226と同様に制御信号が”H”のときにクロック信号を伝搬させることができる。また、インバータ77のpMOSトランジスタ78,nMOSトランジスタ79と後段のNORゲート80のnMOSトランジスタ83は、それぞれ図9に示したバッファの前段インバータ260のpMOSトランジスタ261,nMOSトランジスタ262と後段インバータ263のnMOSトランジスタ265に対応する。そして、それぞれクロック伝搬制御ゲート72のMOSトランジスタのゲート幅は、それぞれ対応するバッファのMOSトランジスタのゲート幅とほぼ同程度にする。
【0049】
これにより、インバータ77の出力の立ち下がりエッジは、nMOSトランジスタ83の動作(nMOSトランジスタ84はOFF)によって伝搬されるので、クロック伝搬制御ゲート72は伝搬すべきクロック信号の立ち下がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができる。なお、制御信号の入力タイミングは、クロック信号のタイミングを考慮する必要がある。
【0050】
また、入力されるクロック信号の波形の傾きが緩やかである場合に、NORゲート及びNANDゲートに流れる貫通電流の時間は長くなる。これにより、クロック伝搬制御ゲートは、バッファに近い電流特性等を得られなくなる場合がある。しかし、図3に示すクロック伝搬制御ゲート72では、前段にインバータ、後段にNORゲートを設けている。これにより、クロック伝搬制御ゲート72に入力されるクロック信号の立ち下がりエッジの波形の傾きが緩やかである場合であっても、前段のインバータ77がクロック信号の立ち下がりエッジの波形を整形しつつ反転させ、後段のNORゲート80に入力する。よって、クロック伝搬制御ゲート72では、入力されるクロック信号の波形の傾きが緩やかである場合でも、NORゲート80に流れる貫通電流の時間を短くすることができる。その結果、後段のNORゲート80に流れる貫通電流の影響は、無視することができ、クロック伝搬制御ゲート72は、クロック信号の立ち下がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができる。
【0051】
なお、制御信号が”H”のときにクロック信号を停止させるように構成する際には、図3に代えて図4のように、制御信号を直接NORゲート80の入力、すなわちpMOSトランジスタ81及びnMOSトランジスタ84のそれぞれゲートに与える構成にすればよい。その他の構成は図3のものと同一である。制御信号が”H”のときクロック伝搬制御ゲート72の出力は”L”に固定される。
【0052】
このように、図3又は図4で示したクロック伝搬制御ゲートは、バッファと同程度の電流特性等を有する。そのため、実施の形態1と同様、図3又は図4で示したクロック伝搬制御ゲートが混在するクロック分配回路は、バッファのみで構成されたクロック分配回路と同程度のクロック信号のスキューが発生し、また、このスキューを低減するように調整することができる。なお、複数のクロック伝搬制御ゲートがクロック分配回路に混在しても良い。
【0053】
更に、本実施の形態では、クロック始点、直後にインバータでクロック信号を反転し、クロック分配回路内を反転されたクロック信号を伝搬させ、終端直前で再度、インバータでクロック信号を反転させている。これにより、クロック分配回路中のバッファを伝搬する際に、駆動能力の劣る後段インバータのpMOSトランジスタを介さず、駆動能力の高い後段インバータのnMOSトランジスタを使用することになる。従って、本実施の形態では、バッファ通過後のクロック信号の伝搬遅延の増大を低減することができ、クロック信号の遅延調整の容易化が図れる。
【0054】
また、本実施の形態では、特に後段インバータのpMOSトランジスタのゲート幅を大きくする必要もない。そのため、クロック分配回路の面積を大きくする必要もなく、それに伴いクロック分配回路の消費電力の増加を防ぐことができる。従って、本実施の形態では、クロック信号を制御できるクロック分配回路であって、クロック信号のスキューを低減し、回路専有面積を削減し、クロック信号の遅延調整の容易化及び低消費電力化が可能となる。
【0055】
なお、本実施の形態では、クロック始点から入力され立ち上がりエッジのクロック信号をインバータで反転して、立ち下がりエッジのクロック信号を伝搬させ、順序回路の直前で再びインバータで立ち上がりエッジのクロック信号に反転させ、立ち上がりエッジのクロック信号で作動する順序回路の構成する場合について示した。しかし、本発明では、クロック始点から立ち下がりエッジのクロック信号を伝搬さ、立ち下がりエッジのクロック信号で作動する順序回路で構成する場合や、本実施の形態の順序回路の直前のインバータを設けずに立ち上がりエッジのクロック信号で作動する順序回路で構成する場合などでも良い。
【0056】
図3(c)に、図3(b)のクロック伝搬制御ゲート72の変形例を示す。図3(c)のクロック伝搬制御ゲート72は、インバータ77の出力をpMOSトランジスタ81のゲートに与え、制御信号をpMOSトランジスタ82のゲートに与え、それ以外の部分は、図3(b)のクロック伝搬制御ゲート72と同じ構成である。
【0057】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のクロック信号伝搬ゲートによれば、クロック分配回路においてクロック信号の制御ができ、バッファに近い電流特性等を得ることができ、クロック信号の立ち上がりエッジの波形の傾きに対して貫通電流の影響を小さくすることができる効果がある。
【0058】
本発明の請求項2に記載の半導体集積回路によれば、請求項1に記載のクロック信号伝搬ゲートを備えるので、クロック分配回路においてクロック信号の立ち上がりエッジの伝搬を制御ができ、バッファのみで構成されたクロック分配回路と同程度のクロック信号のスキューにすることが可能となる効果がある。
【0059】
本発明の請求項3に記載の半導体集積回路によれば、請求項1に記載のクロック信号伝搬ゲートを備えるので、クロック分配回路においてクロック信号の立ち下がりエッジの伝搬を制御ができ、バッファのみで構成されたクロック分配回路と同程度のクロック信号のスキューにすることが可能となる効果がある。
【0060】
本発明の請求項4に記載の半導体集積回路によれば、クロック信号配線の始点の直後と終端の直前に、インバータをさらに備えるので、立ち下がりエッジがバッファ及びクロック信号伝搬ゲートを伝搬し、バッファを通過するクロック信号の伝搬遅延の増大を低減することができ、クロック信号の遅延調整の容易化が図れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図5】従来のクロックTree方式のクロック分配回路図である。
【図6】従来のクロック信号の制御が可能なクロックTree方式のクロック分配回路図である。
【図7】従来の制御用ANDゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図8】従来の制御用ORゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図9】従来のクロック分配回路中のバッファの回路図である。
【符号の説明】
30,31,33,34,71,74 バッファ、32,72 クロック伝搬制御ゲート、35,76 FFs、36,53,70,73,75,77 インバータ、37,40,41,78,81,82 pMOSトランジスタ、38,42,43,79,83,84 nMOSトランジスタ、39 NANDゲート、80 NORゲート。
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロック信号伝搬ゲートを備える半導体集積回路に係る発明であって、特に、クロック信号のスキュー(各終端に達するクロック信号のずれ)の低減、クロック信号の遅延調整の容易化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LSIの同期式パイプライン設計において、クロック分配回路の設計は重要となる。このクロック分配回路には主に一括駆動方式とクロックTree方式がある。クロックTree方式は、一括駆動方式に比べて低消費電力化及び小面積化が可能であり、クロック信号の制御も容易に行うことが可能である。
【0003】
図5に、一般的なクロックTree方式のクロック分配回路図を示す。クロック始点から入力されたクロック信号は、バッファ200を通りバッファ201及びバッファ202に分配される。更にバッファ201を通ったクロック信号は、バッファ203及びバッファ204に分配される。これら分配されたクロック信号は、終端の順序回路(例えば、ラッチやフリップフロップ(FF))まで分配される。図5では、バッファは、バッファ200からバッファ212にまで図示されている。そして終端には立ち上がりエッジにより動作する複数のフリップフロップを内在する順序回路(以下、FFsという。)が、FFs213からFFs216まで図示されている。
【0004】
このクロック分配回路のクロックTree方式は、様々な構造が提案されており、最近ではクロックの始点から終端のFFsまでの各経路で均一なレイアウトが実現可能なH−tree方式が提案されている。このH−tree方式は、”A Clock distribution Network for Microprocessors”(2000 Synposium on VLSICircuits Digest of Technical Papers)に記載されている。
【0005】
図6に、クロック信号の制御が可能なクロックTree方式のクロック分配回路図を示す。このクロック分配回路には、経路中に制御用ORゲート224及び制御用ANDゲート226が設けられている。これらの制御用ゲートは、一部又は全てのクロック信号を終端のFFsに供給するのを停止することができる。図6では、バッファは、バッファ220〜223,225,227〜232が図示されている。そして、フリップフロップは、FFs233からFFs236までが図示されている。
【0006】
次に、制御用ANDゲート226を含む経路について説明する。図7に、制御用ANDゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図を示す。図7(a)は、図6に示したクロック分配回路のクロック始点から終端のFFs236までの一経路である。まず、クロック始点から入力されたクロック信号は、バッファ220及びバッファ222を経て制御用ANDゲート226に伝搬する。この制御用ANDゲート226は、前段がNANDゲート240で、後段がインバータ245で構成されている。
【0007】
図7(b)は、制御用ANDゲート226の回路図である。前段のNANDゲート240は、pMOSトランジスタ241,242及びnMOSトランジスタ243,244で構成されている。また、後段のインバータ245は、pMOSトランジスタ246及びnMOSトランジスタ247で構成されている。
【0008】
制御用ANDゲート226を経たクロック信号は、バッファ228及びバッファ232を経て終端のFFs236に至る。図7(a)に示したFFs236は、立ち上がりエッジが入力された場合に駆動する。
【0009】
次に、制御用ANDゲート226の動作について説明をする。制御用ANDゲート226に入力したクロック信号の立ち上がりエッジは、制御信号によってその伝搬が制御される。まず、制御信号が”L”であれば、入力であるクロック信号に立ち上がりエッジ(”L”から”H”への信号の変化)が生じても、制御用ANDゲート226の出力は”L”のままとなる。従って、制御用ANDゲート226の制御信号が”L”であれば、クロック信号の立ち上がりエッジは伝搬しない。
【0010】
一方、制御信号が”H”であれば、入力であるクロック信号は、前段のNANDゲート240で信号が反転し、更に後段のインバータ245で再度、反転する。従って、制御用ANDゲート226の制御信号が”H”であればクロック信号の立ち上がりエッジは伝搬する。
【0011】
次に、制御用ORゲート224を含む経路について説明する。図8に、制御用ORゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図を示す。図8(a)は、図6に示したクロック分配回路のクロック始点から終端のFFs233までの一経路である。図8(b)は、制御用ORゲート224の回路図である。前段のNORゲート250は、pMOSトランジスタ251,252及びnMOSトランジスタ253,254で構成されている。また、後段のインバータ255は、pMOSトランジスタ256及びnMOSトランジスタ257で構成されている。
【0012】
制御用ORゲート224に入力したクロック信号の立ち上がりエッジは、制御信号によってその伝搬が制御される。制御信号が”L”であれば、入力であるクロック信号は、前段のNORゲート250で反転し、更に後段のインバータ255で再度反転する。従って、制御用ORゲート224の制御信号が”L”であれば、クロック信号の立ち上がりエッジは伝搬する。
【0013】
一方、制御信号が”H”であれば、入力であるクロック信号に立ち上がりエッジが生じても、制御用ORゲート224の出力は、”H”のままである。従って、制御用ORゲート224の制御信号が”H”であれば、クロック信号の立ち上がりエッジは伝搬しない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図5や図6で示したクロックTree方式のクロック分配回路では、クロック始点から終端のFFsまでの経路により配線長、隣接する配線及びゲート段数が異なる。これにより、配線経路によってクロック信号の遅延差が生じ、クロック信号のスキュー(各終端に達するクロック信号のずれ)が大きくなる傾向がある。また、終端のFFsが立ち上がりエッジにより駆動される場合、クロック分配回路は、クロック信号の立ち上がりエッジを伝搬させる必要がある。
【0015】
ここで、図5や図6で示したクロック分配回路中のバッファは、図9に示すような2段のインバータで構成されたバッファである。図9の前段インバータ260は、pMOSトランジスタ261とnMOSトランジスタ262で構成され、後段インバータ263は、pMOSトランジスタ264とnMOSトランジスタ265で構成されている。バッファの出力に接続する配線は寄生容量が大きいため、その配線を駆動するためのpMOSトランジスタ264はpMOSトランジスタ261より電流駆動能力が大きく、nMOSトランジスタ256はnMOSトランジスタ262より電流駆動能力が大きくそれぞれ構成されている。一般的に、インバータ263うちのpMOSトランジスタ264の駆動能力は、nMOSトランジスタ265の駆動能力よりも劣っている。そのため、図9に示したバッファにクロック信号の立ち上がりエッジが入力すると、クロック信号の伝搬遅延は、バッファ通過後大きくなる。
【0016】
このクロック信号のスキューが大きくなる問題を解決する方法としては、後段のインバータ263の駆動能力、特にpMOSトランジスタ264の駆動能力を大きくする必要がある。つまり、解決方法としては、後段インバータ263のpMOSトランジスタ264のゲート幅を大きくすることである。しかし、この方法では、pMOSトランジスタ264の面積が大きくなるためバッファ自身の面積も大きくなる。その結果、クロック分配回路の面積は大きくなり、それに伴いクロック分配回路の消費電力の増加を招く問題がある。
【0017】
別の解決方法としては、”P−boosted Source Followers:A Robust Energy−efficient Bus Driver Technique”(2001 Synposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers)に発表されているクロック分配回路がある。しかし、このクロック分配回路は、新たにnMOSトランジスタを追加しなければならない構成である。そのため、このクロック分配回路では、クロック分配回路の面積を小さくすることができないという問題がある。また、依然として、pMOSトランジスタは、クロック信号の立ち上がりエッジの伝搬に関与している。
【0018】
また、図7に示した制御用ANDゲート226には、以下のような問題点がある。制御信号が”H”で、制御用ANDゲート226にクロック信号の立ち上がりエッジが入力される際、前段のNANDゲート240に入力されるクロック信号が”L”から”H”に遷移する。クロック信号が”H”となれば前段のNANDゲート240のpMOSトランジスタ241はOFFする。このpMOSトランジスタ241のOFFにより、nMOSトランジスタ243及びnMOSトランジスタ244が、後段のインバータ245を駆動することになる。この直列接続されたnMOSトランジスタ243とnMOSトランジスタ244の部分は、図9に示したバッファの構成にはない。そのため、制御用ANDゲート226は、クロック信号の立ち上がりエッジに対して図9に示したバッファと同じような電流特性等を得ることはできない。
【0019】
また、図8に示した制御用ORゲート224にも、以下のような問題点がある。制御信号が”L”で、制御用ORゲート224にクロック信号の立ち上がりエッジが入力される際、前段のNORゲート250に、入力されるクロック信号が”L”から”H”に遷移する。クロック信号が”H”となれば、前段のNORゲート250のpMOSトランジスタ252は、OFFする。このpMOSトランジスタ252のOFFにより、nMOSトランジスタ253は、後段のインバータ255を駆動することになる。nMOSトランジスタ253とnMOSトランジスタ254は並列接続され、nMOSトランジスタ254はOFFとなるため、制御用ORゲート224は、図9に示したバッファと同じような構成となる。そのため、制御用ORゲート224は、クロック信号の立ち上がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができる。
【0020】
しかし、入力されるクロック信号の波形の傾きが緩やかであると、貫通電流の流れる時間が長くなる。そのとき、pMOSトランジスタ251及びpMOSトランジスタ252の影響を無視することができなくなり、制御用ORゲート224は、クロック信号の立ち上がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができなくなる。
【0021】
このように、図7及び図8で示した制御用ANDゲート226及び制御用ORゲート224が混在するクロック分配回路では、バッファと異なる電流特性等を持つためクロック信号の遅延調整が困難となる。そのため、図6に示したようなクロック分配回路では、同じバッファのみで構成されたクロック分配回路に比べて生じるクロック信号のスキューが大きい。
【0022】
そこで、本発明は、上記問題点を解決し、クロック信号のスキューの低減、クロック信号の遅延調整の容易化が可能なクロック信号を制御できるクロック信号伝搬ゲート及びそれを含む半導体集積回路を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る解決手段は、(a)ドレインと、クロック信号が与えられるゲートと、第1電位点に接続されたソースとを有する第1導電型の第1MOSトランジスタと、第2電位点に接続されたソースと、第1MOSトランジスタのドレインに接続されたドレインと、第1MOSトランジスタのゲートに接続されたゲートとを有する第2導電型の第2MOSトランジスタとを有するインバータと、(b)第1MOSトランジスタのドレイン及び第2MOSトランジスタのドレインに直接接続されたゲートと、第2電位点に接続されたソースと、ドレインとを有し、第1MOSトランジスタの電流駆動能力よりも大きい駆動能力を有する第2導電型の第3MOSトランジスタと、ゲートと、第3MOSトランジスタのドレインに接続されたドレインと、ソースとを有する第1導電型の第4MOSトランジスタと、第4MOSトランジスタのソースに接続されたドレインと、第1電位点に接続されたソースと、ゲートとを有する第1導電型の第5MOSトランジスタと、第3MOSトランジスタのドレインに接続されて出力端となるドレインと、第2の電位点に接続されたソースと、ゲートとを有する第2導電型の第6MOSトランジスタとを有する論理ゲートとを備え、第4MOSトランジスタ及び第5MOSトランジスタの一方のゲートには、第3MOSトランジスタのゲートが接続され、その他方のゲートには第6MOSトランジスタのゲートが接続され、第4MOSトランジスタ及び第5MOSトランジスタの他方のゲートと第6MOSトランジスタのゲートとに第2電位点に対応する論理が与えられる場合に、論理ゲートの出力端へとクロック信号の第1電位点側から第2電位点側への遷移が伝搬する。
【0024】
本発明の請求項2に係る解決手段は、クロック信号の立ち上がりエッジを伝搬するクロック信号配線と、クロック信号配線上に配置されたバッファと、クロック信号配線上に少なくとも1つ以上の第1導電型がn型、第2導電型がp型で、第4及び第5MOSトランジスタのゲートに論理”H”が与えられる場合にクロック信号を伝搬する請求項1に記載のクロック信号伝搬ゲートと、クロック信号配線の終端に配置され、クロック信号配線を伝搬中のクロック信号の立ち上がりエッジに基づいて作動する順序回路とを備える。
【0025】
本発明の請求項3に係る解決手段は、クロック信号の立ち下がりエッジを伝搬するクロック信号配線と、クロック信号配線上に配置されたバッファと、クロック信号配線上に少なくとも1つ以上の第1導電型がp型、第2導電型がn型で、第4及び第5MOSトランジスタのゲートに論理”L”が与えられる場合にクロック信号を伝搬する請求項1に記載のクロック信号伝搬ゲートと、クロック信号配線の終端に配置され、クロック信号配線を伝搬中のクロック信号の立ち下がりエッジに基づいて作動する順序回路とを備える。
【0026】
本発明の請求項4に係る解決手段は、請求項2又は請求項3に記載の半導体集積回路であって、クロック信号配線の始点の直後と終端の直前に、インバータをさらに備えることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図を示す。図1(a)は、クロック分配回路のクロック始点から終端のFFs35までの一経路である。まず、クロック始点から入力されクロック信号は、バッファ30及びバッファ31を経てクロック伝搬制御ゲート32に伝搬する。このクロック伝搬制御ゲート32は、前段がインバータ36、後段がNANDゲート39を有している。クロック伝搬制御ゲート32を経たクロック信号は、バッファ33及びバッファ34を経て終端の順序回路であるFFs35に至る。ここで、FFs35は、複数のフリップフロップが内在する順序回路を表しているが、本発明においては1つのフリップフロップのみ内在する順序回路であっても良い。
【0029】
図1(b)は、クロック伝搬制御ゲート32の回路図である。前段のインバータ36は、pMOSトランジスタ37及びnMOSトランジスタ38で構成されている。pMOSトランジスタ37及びnMOSトランジスタ38のゲートは共通に接続されてインバータ36の入力端となり、クロック信号を入力する。pMOSトランジスタ37及びnMOSトランジスタ38のドレインは共通に接続されてインバータ36の出力端となる。
【0030】
後段のNANDゲート39は、ソース・ドレインがそれぞれ共通に接続されたpMOSトランジスタ40,41及びnMOSトランジスタ42,43で構成されている。pMOSトランジスタ40,nMOSトランジスタ42のゲートは、共通に接続されてNANDゲート39の入力端となり、インバータ36の出力端と直接接続される。pMOSトランジスタ40,41,nMOSトランジスタ42のドレインは共通に接続されてNANDゲート39の出力端となる。nMOSトランジスタ43とpMOSトランジスタ41のゲート端子には、制御信号が入力される。
【0031】
ここで、少なくともpMOSトランジスタ40の電流駆動能力は、nMOSトランジスタ38の電流駆動能力より大きくなるように構成されている。これは、後段のNANDゲート39と入力がNANDゲート39の出力に接続されるバッファとの配線の距離が、前段のインバータ36と後段のNANDゲート39との配線の距離に比べて長くなるため、後段のNANDゲート39のpMOSトランジスタ40の電流駆動能力を大きくする必要があるためである。好ましくは、pMOSトランジスタ40は、pMOSトランジスタ37より電流駆動能力を大きくし、nMOSトランジスタ42,43はnMOSトランジスタ38より電流駆動能力を大きくする。電流駆動能力は、例えばMOSトランジスタのトランジスタサイズ(すなわち、ゲート幅/ゲート長の比)で調整可能である。なお、図1(a)に示したFFs35は、受けるクロック信号の立ち上がりエッジに同期してデータを取り込み保持する構成である。バッファ30,31,33,34は、図9に示したバッファと同様の構造を有する。
【0032】
次に、クロック伝搬制御ゲート32の動作について説明をする。クロック伝搬制御ゲート32に入力したクロック信号の立ち上がりエッジは、制御信号によってその伝搬が制御される。制御信号が”L”であれば、入力であるクロック信号に立ち上がりエッジが生じても、クロック伝搬制御ゲート32の出力側は”H”のままである。従って、制御信号が”L”であれば、クロック信号の立ち上がりエッジは伝搬しない。
【0033】
一方、制御信号が”H”であれば、入力であるクロック信号は、インバータ36で信号が反転し、更にNANDゲート39で再度反転する。従って、制御信号が”H”であれば、クロック信号の立ち上がりエッジは伝搬する。
【0034】
以上のように構成したクロック伝搬制御ゲート32は、従来の技術である図7に示した制御用ANDゲート226と同様に制御信号が”H”のときにクロック信号を伝搬させることができる。また、インバータ36のpMOSトランジスタ37,nMOSトランジスタ38とNANDゲート39のpMOSトランジスタ40は、それぞれ図9に示したバッファの前段インバータ260のpMOSトランジスタ261,nMOSトランジスタ262と後段インバータ263のpMOSトランジスタ264に対応する。そして、それぞれクロック伝搬制御ゲート32のMOSトランジスタのゲート幅は、それぞれ対応するバッファのMOSトランジスタのゲート幅とほぼ同程度にする。
【0035】
これにより、インバータ36の出力の立ち下がりエッジは、pMOSトランジスタ40の動作(pMOSトランジスタ41はOFF)によって伝搬されるので、クロック伝搬制御ゲート32は伝搬すべきクロック信号の立ち上がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができる。なお、制御信号の入力タイミングは、クロック信号のタイミングを考慮する必要がある。
【0036】
また、入力されるクロック信号の波形の傾きが緩やかである場合に、NORゲート及びNANDゲートに流れる貫通電流の時間は長くなる。これにより、クロック伝搬制御ゲートは、バッファに近い電流特性等を得られなくなる場合がある。しかし、図1に示すクロック伝搬制御ゲート32では、前段にインバータを設けている。これにより、クロック伝搬制御ゲート32に入力されるクロック信号の立ち上がりエッジの波形の傾きが緩やかである場合であっても、前段のインバータ36がクロック信号の立ち上がりエッジの波形を整形しつつ反転させ、後段のNANDゲート39に入力する。よって、クロック伝搬制御ゲート32では、入力されるクロック信号の波形の傾きが緩やかである場合でも、NANDゲート39に流れる貫通電流の時間を短くすることができる。その結果、後段のNANDゲート39に流れる貫通電流の影響は、無視することができ、クロック伝搬制御ゲート32は、クロック信号の立ち上がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができる。
【0037】
なお、制御信号が”H”のときにクロック信号を停止させるように構成するには、図1に代えて図2のように、制御信号の論理を反転させるインバータ53を設け、インバータ53の出力をNANDゲート39の入力、すなわちnMOSトランジスタ43及びpMOSトランジスタ47のそれぞれゲートに与える構成にすればよい。その他の構成は図1のものと同一である。制御信号が”H”のときクロック伝搬制御ゲート32の出力は”H”に固定される。
【0038】
このように、図1又は図2で示したクロック伝搬制御ゲートは、バッファと同程度の電流特性等を有する。そのため、図1又は図2で示したクロック伝搬制御ゲートが混在するクロック分配回路は、バッファのみで構成されたクロック分配回路と同程度のクロック信号のスキューに調整することができる。更に、複数のクロック伝搬制御ゲートがクロック分配回路に混在しても良い。
【0039】
なお、本実施の形態では、クロック始点から入力され立ち上がりエッジのクロック信号が伝搬し、立ち上がりエッジのクロック信号で作動する順序回路で構成する場合について示したが、クロック始点から入力され立ち上がりエッジのクロック信号が伝搬し、順序回路に入力前に立ち下がりエッジのクロック信号に反転させ、立ち下がりエッジのクロック信号で作動する順序回路で構成する場合などでも良い。
【0040】
図1(c)に、図1(b)のクロック伝搬制御ゲート32の変形例を示す。図1(c)のクロック伝搬制御ゲート32は、インバータ36の出力をnMOSトランジスタ43のゲートに与え、制御信号をnMOSトランジスタ42のゲートに与え、それ以外の部分は、図1(b)のクロック伝搬制御ゲート32と同じ構成である。
【0041】
(実施の形態2)
図3に、本実施の形態に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図を示す。図3(a)は、クロック分配回路のクロック始点から終端のFFs76までの一経路である。まず、クロック始点から入力されクロック信号(立ち上がりエッジ)は、インバータ70で信号が反転する。反転したクロック信号(立ち下がりエッジ)は、バッファ71を経てクロック伝搬制御ゲート72に伝搬する。このクロック伝搬制御ゲート72は、前段にインバータ77、後段にNORゲート80、更に制御信号の入力部分にインバータ73を有する。クロック伝搬制御ゲート72を経た反転されたクロック信号は、バッファ74を経てインバータ75に伝搬される。このインバータ75は伝搬された反転されたクロック信号を再度、反転させて入力時のクロック信号に戻す。そして、戻されたクロック信号(立ち上がりエッジ)は、終端の順序回路であるFFs76に至る。ここで、FFs76は、複数のフリップフロップが内在する順序回路を表しているが、本発明においては1つのフリップフロップのみ内在する順序回路であっても良い。
【0042】
図3(b)は、クロック伝搬制御ゲート72の回路図である。前段のインバータ77は、pMOSトランジスタ78及びnMOSトランジスタ79で構成されている。pMOSトランジスタ78及びnMOSトランジスタ79のゲートは共通に接続されてインバータ77の入力端となり、クロック信号を入力する。pMOSトランジスタ78及びnMOSトランジスタ79のドレインは共通に接続されてインバータ77の出力端となる。
【0043】
後段のNORゲート80は、pMOSトランジスタ81,82及びソース・ドレインがそれぞれ共通に接続されたnMOSトランジスタ83,84で構成されている。pMOSトランジスタ82,nMOSトランジスタ83のゲートは、共通に接続されてNORゲート80の入力端となり、インバータ77の出力端と直接接続される。pMOSトランジスタ82,nMOSトランジスタ83,84のドレインは共通に接続されてNORゲート80の出力端となる。pMOSトランジスタ81とnMOSトランジスタ84のゲート端子には、インバータ73で反転した制御信号が入力される。
【0044】
ここで、少なくともnMOSトランジスタ83の電流駆動能力は、pMOSトランジスタ78の電流駆動能力より大きくなるように構成されている。これは、後段のNORゲート80と入力がNORゲート80の出力に接続されるバッファとの配線の距離が、前段のインバータ77と後段のNORゲート80との配線の距離に比べて長くなるため、後段のNORゲート80のnMOSトランジスタ83の電流駆動能力を大きくする必要があるためである。好ましくはpMOSトランジスタ81,82はpMOSトランジスタ78より電流駆動能力を大きくし、nMOSトランジスタ83はnMOSトランジスタ79より電流駆動能力を大きくする。なお、図3(a)に示したFFs76は、受けるクロック信号の立ち上がりエッジに同期してデータを取り込み保持する構成である。バッファ71,74は、図9に示したバッファと同様の構造を有する。
【0045】
次に、クロック伝搬制御ゲート72の動作について説明をする。クロック信号の立ち上がりエッジの伝搬が重要であるが、本実施の形態では、クロック始点のインバータ70でクロック信号の立ち上がりエッジは、クロック信号の立ち下がりエッジに反転させられている。そのため、クロック伝搬制御ゲート72には、クロック信号の立ち下がりエッジが入力される。このクロック伝搬制御ゲート72に入力したクロック信号の立ち下がりエッジは、制御信号によってその伝搬が制御される。
【0046】
制御信号が”L”であれば、入力であるクロック信号は立ち下がりエッジが生じても、クロック伝搬制御ゲート72の出力が”L”のままである。従って、制御信号が”L”であれば、クロック信号の立ち下がりエッジは伝搬しない。
【0047】
一方、制御信号が”H”であれば、入力であるクロック信号は、インバータ77で信号が反転し、更にNORゲート80で再度反転する。従って、制御信号が”H”であれば、pMOSトランジスタ81とnMOSトランジスタ84のゲートには”L”が与えられクロック信号の立ち下がりエッジは伝搬する。
【0048】
以上のように構成したクロック伝搬制御ゲート72は、従来の技術である図7に示した制御用ANDゲート226と同様に制御信号が”H”のときにクロック信号を伝搬させることができる。また、インバータ77のpMOSトランジスタ78,nMOSトランジスタ79と後段のNORゲート80のnMOSトランジスタ83は、それぞれ図9に示したバッファの前段インバータ260のpMOSトランジスタ261,nMOSトランジスタ262と後段インバータ263のnMOSトランジスタ265に対応する。そして、それぞれクロック伝搬制御ゲート72のMOSトランジスタのゲート幅は、それぞれ対応するバッファのMOSトランジスタのゲート幅とほぼ同程度にする。
【0049】
これにより、インバータ77の出力の立ち下がりエッジは、nMOSトランジスタ83の動作(nMOSトランジスタ84はOFF)によって伝搬されるので、クロック伝搬制御ゲート72は伝搬すべきクロック信号の立ち下がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができる。なお、制御信号の入力タイミングは、クロック信号のタイミングを考慮する必要がある。
【0050】
また、入力されるクロック信号の波形の傾きが緩やかである場合に、NORゲート及びNANDゲートに流れる貫通電流の時間は長くなる。これにより、クロック伝搬制御ゲートは、バッファに近い電流特性等を得られなくなる場合がある。しかし、図3に示すクロック伝搬制御ゲート72では、前段にインバータ、後段にNORゲートを設けている。これにより、クロック伝搬制御ゲート72に入力されるクロック信号の立ち下がりエッジの波形の傾きが緩やかである場合であっても、前段のインバータ77がクロック信号の立ち下がりエッジの波形を整形しつつ反転させ、後段のNORゲート80に入力する。よって、クロック伝搬制御ゲート72では、入力されるクロック信号の波形の傾きが緩やかである場合でも、NORゲート80に流れる貫通電流の時間を短くすることができる。その結果、後段のNORゲート80に流れる貫通電流の影響は、無視することができ、クロック伝搬制御ゲート72は、クロック信号の立ち下がりエッジに対して図9に示したバッファに近い電流特性等を得ることができる。
【0051】
なお、制御信号が”H”のときにクロック信号を停止させるように構成する際には、図3に代えて図4のように、制御信号を直接NORゲート80の入力、すなわちpMOSトランジスタ81及びnMOSトランジスタ84のそれぞれゲートに与える構成にすればよい。その他の構成は図3のものと同一である。制御信号が”H”のときクロック伝搬制御ゲート72の出力は”L”に固定される。
【0052】
このように、図3又は図4で示したクロック伝搬制御ゲートは、バッファと同程度の電流特性等を有する。そのため、実施の形態1と同様、図3又は図4で示したクロック伝搬制御ゲートが混在するクロック分配回路は、バッファのみで構成されたクロック分配回路と同程度のクロック信号のスキューが発生し、また、このスキューを低減するように調整することができる。なお、複数のクロック伝搬制御ゲートがクロック分配回路に混在しても良い。
【0053】
更に、本実施の形態では、クロック始点、直後にインバータでクロック信号を反転し、クロック分配回路内を反転されたクロック信号を伝搬させ、終端直前で再度、インバータでクロック信号を反転させている。これにより、クロック分配回路中のバッファを伝搬する際に、駆動能力の劣る後段インバータのpMOSトランジスタを介さず、駆動能力の高い後段インバータのnMOSトランジスタを使用することになる。従って、本実施の形態では、バッファ通過後のクロック信号の伝搬遅延の増大を低減することができ、クロック信号の遅延調整の容易化が図れる。
【0054】
また、本実施の形態では、特に後段インバータのpMOSトランジスタのゲート幅を大きくする必要もない。そのため、クロック分配回路の面積を大きくする必要もなく、それに伴いクロック分配回路の消費電力の増加を防ぐことができる。従って、本実施の形態では、クロック信号を制御できるクロック分配回路であって、クロック信号のスキューを低減し、回路専有面積を削減し、クロック信号の遅延調整の容易化及び低消費電力化が可能となる。
【0055】
なお、本実施の形態では、クロック始点から入力され立ち上がりエッジのクロック信号をインバータで反転して、立ち下がりエッジのクロック信号を伝搬させ、順序回路の直前で再びインバータで立ち上がりエッジのクロック信号に反転させ、立ち上がりエッジのクロック信号で作動する順序回路の構成する場合について示した。しかし、本発明では、クロック始点から立ち下がりエッジのクロック信号を伝搬さ、立ち下がりエッジのクロック信号で作動する順序回路で構成する場合や、本実施の形態の順序回路の直前のインバータを設けずに立ち上がりエッジのクロック信号で作動する順序回路で構成する場合などでも良い。
【0056】
図3(c)に、図3(b)のクロック伝搬制御ゲート72の変形例を示す。図3(c)のクロック伝搬制御ゲート72は、インバータ77の出力をpMOSトランジスタ81のゲートに与え、制御信号をpMOSトランジスタ82のゲートに与え、それ以外の部分は、図3(b)のクロック伝搬制御ゲート72と同じ構成である。
【0057】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のクロック信号伝搬ゲートによれば、クロック分配回路においてクロック信号の制御ができ、バッファに近い電流特性等を得ることができ、クロック信号の立ち上がりエッジの波形の傾きに対して貫通電流の影響を小さくすることができる効果がある。
【0058】
本発明の請求項2に記載の半導体集積回路によれば、請求項1に記載のクロック信号伝搬ゲートを備えるので、クロック分配回路においてクロック信号の立ち上がりエッジの伝搬を制御ができ、バッファのみで構成されたクロック分配回路と同程度のクロック信号のスキューにすることが可能となる効果がある。
【0059】
本発明の請求項3に記載の半導体集積回路によれば、請求項1に記載のクロック信号伝搬ゲートを備えるので、クロック分配回路においてクロック信号の立ち下がりエッジの伝搬を制御ができ、バッファのみで構成されたクロック分配回路と同程度のクロック信号のスキューにすることが可能となる効果がある。
【0060】
本発明の請求項4に記載の半導体集積回路によれば、クロック信号配線の始点の直後と終端の直前に、インバータをさらに備えるので、立ち下がりエッジがバッファ及びクロック信号伝搬ゲートを伝搬し、バッファを通過するクロック信号の伝搬遅延の増大を低減することができ、クロック信号の遅延調整の容易化が図れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るクロック伝搬制御ゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図5】従来のクロックTree方式のクロック分配回路図である。
【図6】従来のクロック信号の制御が可能なクロックTree方式のクロック分配回路図である。
【図7】従来の制御用ANDゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図8】従来の制御用ORゲートを有するクロック分配回路の一部の回路図である。
【図9】従来のクロック分配回路中のバッファの回路図である。
【符号の説明】
30,31,33,34,71,74 バッファ、32,72 クロック伝搬制御ゲート、35,76 FFs、36,53,70,73,75,77 インバータ、37,40,41,78,81,82 pMOSトランジスタ、38,42,43,79,83,84 nMOSトランジスタ、39 NANDゲート、80 NORゲート。
Claims (4)
- (a)ドレインと、クロック信号が与えられるゲートと、第1電位点に接続されたソースとを有する第1導電型の第1MOSトランジスタと、
第2電位点に接続されたソースと、前記第1MOSトランジスタの前記ドレインに接続されたドレインと、前記第1MOSトランジスタの前記ゲートに接続されたゲートとを有する第2導電型の第2MOSトランジスタと
を有するインバータと、
(b)前記第1MOSトランジスタの前記ドレイン及び前記第2MOSトランジスタの前記ドレインに直接接続されたゲートと、前記第2電位点に接続されたソースと、ドレインとを有し、前記第1MOSトランジスタの電流駆動能力よりも大きい駆動能力を有する前記第2導電型の第3MOSトランジスタと、
ゲートと、前記第3MOSトランジスタの前記ドレインに接続されたドレインと、ソースとを有する前記第1導電型の第4MOSトランジスタと、
前記第4MOSトランジスタの前記ソースに接続されたドレインと、前記第1電位点に接続されたソースと、ゲートとを有する前記第1導電型の第5MOSトランジスタと、
前記第3MOSトランジスタの前記ドレインに接続されて出力端となるドレインと、前記第2の電位点に接続されたソースと、ゲートとを有する前記第2導電型の第6MOSトランジスタと
を有する論理ゲートと
を備え、
前記第4MOSトランジスタ及び前記第5MOSトランジスタの一方のゲートには、前記第3MOSトランジスタのゲートが接続され、その他方のゲートには前記第6MOSトランジスタの前記ゲートが接続され、前記第4MOSトランジスタ及び前記第5MOSトランジスタの前記他方のゲートと前記第6MOSトランジスタの前記ゲートとに前記第2電位点に対応する論理が与えられる場合に、前記論理ゲートの前記出力端へと前記クロック信号の前記第1電位点側から前記第2電位点側への遷移が伝搬するクロック信号伝搬ゲート。 - クロック信号の立ち上がりエッジを伝搬するクロック信号配線と、
前記クロック信号配線上に配置されたバッファと、
前記クロック信号配線上に少なくとも1つ以上の前記第1導電型がn型、前記第2導電型がp型で、前記第4及び前記第5MOSトランジスタのゲートに論理”H”が与えられる場合にクロック信号を伝搬する請求項1に記載の前記クロック信号伝搬ゲートと、
前記クロック信号配線の終端に配置され、前記クロック信号配線を伝搬中の前記クロック信号の前記立ち上がりエッジに基づいて作動する順序回路とを備える半導体集積回路。 - クロック信号の立ち下がりエッジを伝搬するクロック信号配線と、
前記クロック信号配線上に配置されたバッファと、
前記クロック信号配線上に少なくとも1つ以上の前記第1導電型がp型、前記第2導電型がn型で、前記第4及び前記第5MOSトランジスタのゲートに論理”L”が与えられる場合にクロック信号を伝搬する請求項1に記載の前記クロック信号伝搬ゲートと、
前記クロック信号配線の終端に配置され、前記クロック信号配線を伝搬中の前記クロック信号の前記立ち下がりエッジに基づいて作動する順序回路とを備える半導体集積回路。 - 請求項2又は請求項3に記載の半導体集積回路であって、
前記クロック信号配線の始点の直後と前記終端の直前に、インバータをさらに備えることを特徴とする半導体集積回路。
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