JP2004078659A - パターン輪郭の抽出方法、画像処理方法、パターンエッジの探索方法、プローブの走査方法、半導体装置の製造方法、パターン検査装置およびプログラム - Google Patents

パターン輪郭の抽出方法、画像処理方法、パターンエッジの探索方法、プローブの走査方法、半導体装置の製造方法、パターン検査装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】同一画像内に複数のパターンが存在する場合または計測対象パターンの輪郭形状が複雑である場合でも、正確かつ迅速にパターン輪郭を抽出する。
【解決手段】検査対象となるパターンの画像を取得し(ステップS1)、この画像からパターンの概略のエッジ位置を算出する(ステップS2、S3)。次に、このエッジ位置に基づいて格子アニマルを配置し(ステップS5)、配置された格子アニマルを星形多角形に分割して(ステップS6〜S11)この星形多角形のカーネルの位置を算出し(ステップS12)、算出されたカーネルから格子アニマルの外周に向かってエッジを探索する(ステップS13)。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターン輪郭の抽出方法、画像処理方法、パターンエッジの探索方法、プローブの走査方法、半導体装置の製造方法、パターン検査装置、およびプログラムに関し、特に半導体装置の製造プロセスにおける微細パターンの評価を対象とする。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程においては、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡装置(Scanning Electron Microscope 以下、SEMという)などを用いた微細なパターンの検査が行なわれる。
【0003】
近年、検査装置から出力されるパターン画像が持つ二次元形状情報を積極的に利用した多元的なパターン検査・管理が盛んに行なわれて来ている。このような技術の基礎となるのは、濃淡分布や色分布で与えられる検査画像からパターンの輪郭を抽出する技術である。
【0004】
従来、単純な線状のパターンに関しては、例えば図43に示すように、線状パターンPT200の長手方向に垂直な方向SD202に沿ってエッジを探索し、そのときの濃淡データを解析して閾値法等に基づいてエッジ位置を算出する方法が頻繁に用いられた。
【0005】
また、例えば図44に示すホールパターンPT210のように、概略凸形状の輪郭を持つパターンに関しては、同図に示す探索方向SD212のように、放射状にパターンエッジを探索する方法がある。このような方法は、例えば特開平7−27548や特開2001−91231などに記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した方法を用いても、例えば図45に示すように、パターンの輪郭形状が複雑な場合には、互いに平行な単一の方向SD214で探索するとパターンエッジを誤検出してしまう。また、この画像Img2には複数のパターンPT2,PT4,PT6が含まれているために、検出したエッジがどのパターンに属しているかを改めて帰属させなければならない。このためには、オペレータがパターンの存在する領域を予め指定しておくか、設計データとの画像マッチングを行なって自動的に帰属するか、または抽出したエッジ点列データを再度グルーピングする必要があり、いずれの方法においても複雑な処理が必要となり、検査効率が良くなかった。
【0007】
また、互いに類似した複数のパターンが画像内に存在しているときに、複数のパターンから自動的に特定のパターンを選択的に指定して検査を行う必要がしばしば生じる。このような場合には、例えば特開2001−148016に開示された方法を用いることができるが、この方法は、複数のパターンが規則的に配置している場合以外に適用することが困難であった。また、濃淡画像データ同士の相関の計算などによってマッチングを行うために、長い処理時間が必要であった。
【0008】
また、パターンの輪郭が複雑な場合にパターンエッジを好適に検出する方法は多数提案されている。パターンエッジの探索においては、エッジ位置の分解能を向上させるために、エッジ探索方向としてパターンエッジとほぼ直角をなす方向を設定することが望ましい。
【0009】
しかしながら、図46に示すようなパターンPT44に対して同図に示すような多角形PLG2の辺を概略のパターンエッジとして設定しても、直線に沿った方向でエッジ探索を行なう限り、例えば同図に示す探索方向SD216c,SD216cのように、エッジの方向そのものに類似した方向で探索されてしまう部分が発生するなど、全てのパターンエッジに対してそれぞれ直角な方向にエッジ探索を行なうことが困難な場合もある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、同一画面内に複数のパターンが存在している場合や、パターンの輪郭形状が複雑な場合であっても、正確かつ高速にパターン輪郭を抽出する方法、パターン検査装置、およびプログラムを提供することにある。
【0011】
また、本発明の第2の目的は、同一画面内に複数のパターンが存在している場合、またはパターンの輪郭形状が複雑な場合であっても、単一のパターン輪郭を含むように画像の領域分割を正確かつ高速に行なう画像処理方法、パターン検査装置、およびプログラムを提供することにある。
【0012】
また、本発明の第3の目的は、高い分解能でパターンのエッジ位置を抽出するパターンエッジ探索方法、これを用いたプローブの走査方法、パターン検査装置、プログラムおよびコンピュータ読み出し可能な記録媒体を提供することにある。
【0013】
さらに、本発明の第4の目的は、これらのパターン輪郭抽出方法、画像処理方法、パターンエッジ探索方法、およびプローブの走査方法の少なくとも一つを含む半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の手段により上記課題の解決を図る。
【0015】
即ち、本発明の第1の側面によれば、
検査対象となるパターンの画像を取得する手順と、この画像から上記パターンの概略のエッジ位置を算出する手順と、算出された上記エッジ位置に基づいて、予め定められた方向成分のみを有する辺で構成される多角形を上記パターンの輪郭形状に近似させて近似多角形を作成する手順と、この近似多角形を星形多角形に分割する手順と、上記星形多角形のカーネルの位置を算出する手順と、上記近似多角形の上記辺上に位置する任意の点と上記カーネルとを結ぶ方向に上記パターンのエッジを探索する手順と、を備えるパターン輪郭の抽出方法が提供される。
【0016】
また、本発明の第2の側面によれば、
検査対象となるパターンの画像を取得する手順と、この画像から上記パターンの概略のエッジ位置を算出する手順と、算出された上記エッジ位置に基づいて、上記画像上に単位胞の大きさが上記画像の画素よりも大きく、かつ、各辺に重み係数が割り当てられた格子を生成する手順と、上記重み係数に基づいて、上記格子上に格子アニマルを当てはめる手順と、当てはめられた上記格子アニマルの頂点の座標データに基づいて上記パターンの輪郭データを出力する手順と、を備えるパターン輪郭の抽出方法が提供される。
【0017】
また、本発明の第3の側面によれば、
検査対象となるパターンの画像を取得する第1の手順と、このパターンの輪郭に属する点列の一部を抽出する第2の手順と、処理された一部の点列に対してボロノイ図を作成する第3の手順と、作成されたボロノイ図の辺に沿って上記パターンのエッジに属する点を新たに探索して上記一部の点列に組み込む第4の手順と、上記ボロノイ図の辺のうち上記パターンの輪郭と交差する辺を削除して上記画像内に副領域を定義する第5の手順と、を備える画像処理方法が提供される。
【0018】
また、本発明の第4の側面によれば、
検査対象となるパターンの画像と、このパターンの概略のエッジ位置を表わす線のデータとを取得する手順と、上記画像内の任意の一点をエッジ探索の始点として定義し、上記線上の少なくとも一つの点をエッジ探索方向上の点として定義する手順と、正則な複素関数の実部または虚部のいずれかで与えられる曲線群のうちの少なくとも一本の曲線であってその軌道が上記エッジ探索の始点から上記エッジ探索の上の点を通過する曲線に沿って上記パターンのエッジを探索する手順と、を備えるパターンエッジの探索方法が提供される。
【0019】
また、本発明の第5の側面によれば、
検査対象となるパターンを含む観察領域の一部にプローブを走査する方法であって、上記観察領域内の任意の一点をプローブ走査の始点として定義し、上記パターンの概略のエッジ位置を表わす線上の少なくとも一つの点をプローブ走査方向上の点として定義する手順と、正則な複素関数の実部または虚部のいずれかで与えられる曲線群のうちの少なくとも一本の曲線であってその軌道が上記プローブ走査の始点から上記プローブ走査方向上の点を通過する曲線に沿って上記プローブを走査する手順と、を備えるプローブの走査方法が提供される。
【0020】
また、本発明の第6の側面によれば、
上述した本発明の第1および第2の側面によるパターン輪郭の抽出方法、本発明の第3の側面による画像処理方法、本発明の第4の側面によるパターンエッジの探索方法、または本発明の第5の側面によるプローブの走査方法の少なくともいずれかを備える半導体装置の製造方法が提供される。
【0021】
また、本発明の第7の側面によれば、
検査対象となるパターンの画像の供給を受けて上記画像から上記パターンの概略のエッジ位置を算出する第1の演算手段と、算出された上記エッジ位置に基づいて、予め定められた方向成分のみを有する辺で構成される多角形を上記パターンの輪郭形状に近似させて近似多角形を作成し、作成された上記近似多角形を星形多角形に分割する画像処理手段と、上記星形多角形のカーネルの位置を算出する第2の演算手段と、上記近似多角形の上記辺上に位置する任意の点と上記カーネルとを結ぶ方向に上記パターンのエッジを探索するエッジ探索手段と、を備えるパターン検査装置が提供される。
【0022】
また、本発明の第8の側面によれば、
検査対象となるパターンの画像の供給を受けてこの画像から上記パターンの概略のエッジ位置を算出する第1の演算手段と、算出された上記エッジ位置に基づいて、上記画像上に単位胞の大きさが上記画像の画素よりも大きく、かつ、各辺に重み係数が割り当てられた格子を生成し、上記重み係数に基づいて、上記格子上に格子アニマルを当てはめる画像処理手段と、当てはめられた上記格子アニマルの頂点の座標データに基づいて上記パターンの輪郭データを出力するエッジ探索手段と、を備えるパターン検査装置が提供される。
【0023】
また、本発明の第9の側面によれば、
検査対象となるパターンの画像の供給を受けて上記パターンの輪郭に属する点列の一部を抽出する点列抽出手段と、処理された一部の点列に対してボロノイ図を作成し、作成されたボロノイ図の辺に沿って上記パターンのエッジに属する点を新たに探索して上記一部の点列に組み込み、上記ボロノイ図の辺のうち上記パターンの輪郭と交差する辺を削除して上記画像内に副領域を定義する画像処理手段と、上記副領域毎に上記パターンのエッジを探索するエッジ探索手段と、を備えるパターン検査装置が提供される。
【0024】
また、本発明の第10の側面によれば、
検査対象となるパターンの画像と、上記パターンの概略のエッジ位置を表わす線のデータの供給を受け、エッジ探索の始点と、エッジ探索方向上の点として上記線上の少なくとも一つの点とを上記画像内に設定する設定手段と、正則な複素関数の実部または虚部のいずれかで与えられ、上記始点から上記エッジ探索の上の点を通る曲線群を算出する演算手段と、上記曲線群のうちの少なくとも一本の曲線に沿って上記パターンのエッジを探索するエッジ探索手段と、を備えるパターン検査装置が提供される。
【0025】
また、本発明の第11の側面によれば、
検査対象となるパターンが形成された試料にプローブを走査するプローブ走査装置に接続されるパターン検査装置であって、上記パターンの画像データと上記パターンの概略のエッジ位置を表わす線のデータの供給を受け、正則な複素関数の実部または虚部のいずれかで与えられ、上記始点から上記概略のエッジ位置を表わす線上の少なくとも一点を通る曲線群を算出する演算手段と、上記曲線群のうちの少なくとも一本の曲線に沿って上記プローブを走査させるための制御信号を生成して上記プローブ走査装置に供給する制御手段と、を備えるパターン検査装置が提供される。
【0026】
上述した本発明の第1および第2の側面によるパターン輪郭の抽出方法、本発明の第3の側面による画像処理方法、本発明の第4の側面によるパターンエッジの探索方法、および本発明の第5の側面によるプローブの走査方法は、いずれもそれぞれの手順をプログラムに組み込んで画像処理可能な汎用のコンピュータに実行させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態のいくつかについて図面を参照しながら説明する。
【0028】
以下の説明において、第1〜第8の実施の形態は、本発明にかかる画像処理方法を含むパターン輪郭の抽出方法に関するものであり、第9および第10の実施の形態は、本発明にかかるパターンエッジの探索方法に関するものである。また、第11の実施の形態は、本発明にかかるプローブの走査方法に関するものである。また、第12の実施の形態は、本発明にかかるパターン検査装置に関するものである。第13の実施の形態は、本発明にかかる半導体装置の製造方法に関するものであり、さらに、第14の実施の形態は、本発明にかかるプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。なお、以下の各図において同一の部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を適宜省略する。
【0029】
(1)第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態について図1乃至図16を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、本実施形態のパターン輪郭の抽出方法の概略手順を示すフローチャートであり、また、図2は、図1のフローチャートにおける格子アニマルの配置手順のより具体的な手順を説明するフローチャートである。
【0031】
まず、図1のフローチャートを参照しながら本実施形態のパターン輪郭の抽出方法を概略的に説明する。
【0032】
まず、検査対象となるパターンの濃淡画像のデータを例えばSEMにより取得する(ステップS1)。取得されたパターン画像の一例を図3に示す。同図に示す画像は、図45に示したものと同一の画像Img2であり、凸形状とはみなせない輪郭を有するパターンPT2を含む3つのパターンPT2,PT4,PT6が含まれている。
【0033】
次に、パターン画像の垂直成分と水平成分とを探索する(ステップS2)。即ち、画像Img2に対して垂直方向と水平方向とで濃淡データを走査し、その局所的なピークの水平方向の座標と垂直方向の座標を算出する。図4は、算出された座標を可視的に表わした図であり、同図(a)が垂直方向のエッジ探索により得られた水平方向のエッジデータを表わし、同図(b)が水平方向のエッジ探索により得られた垂直方向のエッジデータを表わす。より具体的には、垂直方向と水平方向とでそれぞれ10ピクセル間隔でピーク探索を実行し、各探索で得られた濃淡データの平滑化微分値を求めて極大値近傍の位置を特定する。
【0034】
次に、得られた垂直座標と水平座標に対して判別分析を行ない(ステップS3)、次式(1)で定義されるF値が所定の値以下であった場合に二つの位置が同一であるとみなし、この一方、F値が所定の値を上回る場合には独立した位置であるとみなす処理を実行する。
【0035】
【数1】
Figure 2004078659
図5は、図4で得られた座標データに対する判別結果を示し、(a)がパターンエッジの水平成分を示し、(b)がパターンエッジの垂直成分を示す。さらに図6は、図5(a)の水平成分と図5(b)の垂直成分とを合成した図である。
【0036】
次に、判別分析の結果から画像上に格子を生成する(ステップS4)。即ち、図6に示す最終的に独立した位置とみなされた垂直座標および水平座標を用いて図7に示すように、画像上に格子L2を生成する。この段階で、格子L2は、予め定められた方向成分、本実施形態においては水平成分と垂直成分のみが与えられた辺を有する多角形である。さらに、格子L2の各辺にその長さLijと重み関数wijを付与し、テーブルデータとして記憶装置(図42参照)に格納する。ここで、重み関数wijとは、格子L2の各辺に帰属された濃淡値データの局所的なピークの数nijにより以下の式(2)で現われる関数である。
【0037】
wij=nij/Lij  ・・・・・式(2)
なお、上述の予め定められた方向成分は、水平成分および垂直成分に限ることなく、画像値に任意に設定できる基準の方向に対して0°〜45°の整数倍の角度をなす方向であればよい。
【0038】
次に、このようにして画像Img2上に生成された格子L2上に「格子アニマル」と呼ばれる多角形を組み合わせる(ステップS5)。ここで、「格子アニマル」とは、任意の個数の格子要素を、互いに辺を隣接させて合成することにより作成される多角形をいい、このような多角形を自動的に生成する方法は、例えばD.H. RedelmeierのDiscrete Mathematics 36(1981)191−203やD.Staufferの”Introduction to Percolation Theory”、およびTaylor & FrancisらのLondon & Philadelphia,1985,appendixAなどに記載されている。本実施形態においては、予め必要な数の格子アニマルを生成しておき、その輪郭をH.FreemanのComputing Surveys,vol.6,No.1,57−97(1974)に記載されるチェーンコードによって表現し、縦および横の辺の数によって付番し、「アニマルテーブル」として予め記憶装置(図42参照)に格納しておいた。図8に、このようなチェーンコードの表現例(a)と格子アニマルのいくつかの例α1〜α4((b)〜(e))を示す。
【0039】
格子アニマルを重ね合わせる具体的な手順を図2、図9および図10を参照しながら説明する。まず、全格子点から任意の一つの格子点Aを選択する(図2、ステップS501)。図7に示す格子L2について説明すると、図9に示すように、例えば格子点p2を選択する。次に、「アニマルテーブル」から任意の格子アニマルaを選択する(図2、ステップS502)。図9に示す例では、格子アニマルaとして格子アニマルα10が選択される。次いで、選択された格子アニマルのチェーンコードによって、選択された格子点Aから格子(図9では格子L2)上を辿る。このとき、辿られた格子の各辺について、予め記憶された重みを加算していき、加算結果を格子アニマルaの生存確率Raと定義して記憶装置(図42参照)に格納する(ステップS503)。次いで、既に選択された格子アニマルに属さない格子点から、他の格子点Bを選択する(ステップS504)。図9に示す例では、格子点p2を始点とした格子アニマルα10に属さない格子点のなかから例えば格子点p4を選択する。次に、アニマルテーブルの中から改めて他の任意の格子アニマルを格子アニマルbとして選択する(ステップS505)。格子アニマルbの例として図9に格子アニマルα12を示す。次いで、この格子アニマルbに対応するチェーンコードで、格子点Bから格子上を辿る(ステップS506)。図9に示す例では、格子点p4を始点として格子アニマルα12のチェーンコードによって格子L2上を辿る。ただし、この際に、格子アニマルb(図9の例ではα12)に属する格子点または辺が他の格子アニマル(例えば図9の格子アニマルα10)によって既に占有されている場合には(ステップS507)、現在の格子アニマルb(図9では格子アニマルα12)を破棄して(ステップS508)、格子アニマルbを新たにひとつ選択する(ステップS505)。現在の格子アニマルbに属する格子点または辺が他の格子アニマルによって未だ占有されていなければ(ステップS507)、格子アニマルbに対応するチェーンコードで、格子点Bから格子上を辿り、生存確率Rbを算出して、記憶装置(図42参照)に格納する。(ステップS509)。
【0040】
上述した手順(ステップS505〜S509)を格子の全体に対して再帰的に繰り返すことにより(ステップS510)、格子全体にアニマルが配置される。その結果、その時に格子全体に配置された全ての格子アニマルについて算出された生存確率が得られる。
【0041】
次に、このように算出された全ての格子アニマルに対する生存確率を総て積算した値を算出し、これを積算値Tと定義し、さらに、各格子アニマルの個数、各格子アニマルの始点座標、各格子アニマルの番号、および積算値Tによって、格子アニマル配置情報を構成し、これに(例えばラベルC1という)ラベルを付与して記憶装置(図42参照)に格納する。(ステップS511)。
【0042】
次いで、格子点Aを始点として配置可能な格子アニマルが、上述した格子アニマルa以外に存在する場合には(ステップS512)、それを新たに格子アニマルaとして選択し(ステップS513)、上述したステップS502〜S511を繰り返す。
【0043】
さらに、全格子点のうち、未だ上記格子点Aとして選択されたことが無い格子点がある場合には(ステップS514)、そのなかから一つを新たに格子点Aとして選択し(ステップS515)、上述したステップ502〜S513を繰り返す。
【0044】
このような手順の繰り返しにより、格子全体に配置可能な全ての格子アニマルの配置の仕方に対して生存確率の積算値Tを得ることができる。
【0045】
最後に、全ての格子アニマルの配置の仕方の中で最大のTの値をとる格子アニマルの配置の仕方を採択する(ステップS516)。
【0046】
このようにして最終的に採択されたアニマル配置の一例を図10に示す。同図に示すように、水平・垂直な辺のみから構成される図形によってパターンの輪郭の概略RF2,RF4およびRF6が計算された。
【0047】
図1に戻り、上述した手順によって計算されたパターン輪郭の概略に対して、各格子アニマルの頂点のうち、外周に存在するものに対するボロノイ(Voronoi)図形を作成する(ステップS6)。図11は、このようにして作成されたボロノイ図VF2を示す。
【0048】
次に、図12に示すように、作成されたボロノイ図VF2の各ボロノイ領域に対して、同一のアニマルに帰属されている頂点を含むボロノイ領域を合成し、合成された領域AR2,AR4,AR6の境界を各々のアニマルの勢力圏と定義して後述するエッジ探索の際の境界とする(ステップS7)。
【0049】
次いで、図13に示すように、格子アニマルの頂点のうち角に無いものを削除する。
【0050】
次ぎに、ボロノイ図によりこのように分割された領域AR2,AR4,AR6のうちの一つを選択し(ステップS8)、その中に存在するアニマルの内部に、互いに交わらない対角線を全て引くことにより、アニマルを三角形に分割する(ステップS9)。さらに、チェーンコードの記載順序にしたがってアニマルの各頂点をR(Red、赤), G(Green、緑), B(Blue、青)に点彩色する(ステップS10)。このとき、各三角形の各頂点において、一辺を介して隣接する頂点同志が同じ色にならないように塗り分ける。図13の領域ARについてこのようにアニマルを分割し点彩色した結果を図14に示す。
【0051】
次いで、Rで彩色された頂点を共有する三角形同志を合成して、図15に示すように、新たな図形SP4を作成する。これによって、アニマル配置は星型(ここでは凸型)の多角形に分割された(ステップS11)。
【0052】
次いで、各々の星型多角形に対して、Info.Proc.Lett.7,189−192(1978)に記載されるLee−Preparataのアルゴリズムによって核(カーネル)の位置座標を算出し(ステップS12)、図16に示すように、各カーネルCN2,CN4の位置からアニマルのチェーンコード順に(図8(a)参照)、格子アニマルの外周に向かって格子アニマルの勢力圏(図16においてはSP4)の境界に到るまで原画像の濃淡値を調べていき(探索方向SD2a〜SD2c)、既存のエッジ探索方法にしたがってパターンエッジ位置を算出し、算出されたエッジ位置をその都度記憶装置(図42参照)に格納する(ステップS13)。この際、複数のエッジが検出された場合には、そのうち最もカーネルの位置に近いものを一つだけ採択した。本実施形態では閾値法を採用し、閾値は50%とした。この手順によって一つの領域の中で、実際のパターンエッジ位置に極めて近いエッジ点列データが、チェーン状に配列された形式で算出される。各カーネルCN2,CN4を起点とするエッジ探索については、上述した方法の他、後述する本発明にかかるパターンエッジの探索方法の実施の形態を用いるとエッジの位置をさらに精密に算出することができる。
【0053】
次いで、他の勢力圏(図13、AR4,AR6)に対しても上述したステップS8〜S13を実行し(ステップS14,S15)、画像に含まれるすべてのパターンの輪郭データをラベリングして出力する(ステップS16)。これにより、例えば閾値法を用いて、検査画像内の全パターンの輪郭データを誤検出なく正確に算出することができる。
【0054】
本実施形態により、煩雑な画像マッチングや膨大なCADデータの参照、または領域の手動分割を行なうことなく、複雑な形状のパターンを含む画像データからパターンエッジデータを、独立のパターン毎にチェーン状に配列された形式で出力することが可能になる。
【0055】
上述した本実施形態で用いられた、ボロノイ図形生成、星型多角形生成、核の探索、およびエッジ探索の手順については、全て O(nlogn)(nは、対象とする図形の頂点の数)以下のオーダの高速アルゴリズムが存在するので、これを採用することにより画像処理時間を大幅に削減することができる。
【0056】
なお、本実施形態においては、エッジの水平成分・垂直成分の探索に平滑化微分法を用いたが、これに代えて閾値法等の方法や減色処理を用いても良い。また、本実施形態においてはボロノイ図を作成することにより画像内に存在する複数のパターンの勢力圏を生成したが、画像内にパターンが1つしかない場合や、予め領域が指定されている場合には、もちろんこの領域分割は不要である。さらに、輪郭データについて高い精度を必要としない場合には、図1のステップS5までで算出した最大の積算値Tを与えるアニマル配置を受け入れて、そのアニマルの頂点座標をそのままパターンの輪郭データとして用いても良い。
【0057】
(2)第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について図17乃至図21を参照しながら説明する。
【0058】
本実施形態は、概略凸型の輪郭を有する複数のパターンが画像上に存在する場合におけるパターン輪郭の抽出方法を提供する。このような場合は、カーネルをパターン内部のどの位置に設定しても良いので、上述した第1の実施形態における星形多角形への分割手順(図1、ステップS9〜S11)を省略することができる。
【0059】
図17は、このような概略凸型の輪郭EDを有する複数のパターンPT32を含む画像の一例を示す。
【0060】
第1の実施形態と同様に、例えばこのような検査対象画像Img4を取得し、図18(a)および(b)に示すように、画像Img4の水平方向のエッジ成分と垂直方向のエッジ成分とをそれぞれ抽出する(図1、ステップS2)。
【0061】
次に、抽出されたエッジ成分を垂直方向で4つの水準および水平方向で10の水準に分類し、図19(a)に示すように、概略のエッジ位置に基づいて格子L4を生成し、さらに、図19(b)に示すように、アニマルテーブルを参照してより高い確率のアニマル配置(AD4)を算出する。
【0062】
次に、図20(a)に示すように、アニマルの頂点に対してボロノイ図VF8を作成し、さらに同図(b)に示すように、同一のアニマルに属する領域を統合して新たなボロノイ領域AR8を画定する。
【0063】
さらに、図21に示すように、各領域内でアニマル内部の一点(カーネル)から各境界に向かう放射状の方向SD6に沿ってパターンエッジを探索し、輪郭データを抽出する。各カーネルを起点とするエッジ探索については、従来の技術による方法の他、後述する本発明にかかるパターンエッジの探索方法の実施の形態を用いることができ、その場合はエッジの位置をさらに精密に算出することができる。
【0064】
このように、本実施形態によれば、概略凸型の輪郭を有する複数のパターンが画像上に存在する場合に、より簡易な手順でパターン輪郭のデータを正確に取得することができる。
【0065】
(3)第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態について図22〜図24を参照しながら説明する。本実施形態は、単一のパターンのみを含む画像が取得されたが、そのパターンの輪郭が凸形状とみなされない場合におけるパターン輪郭の抽出方法を提供するものである。
【0066】
まず、上述した第1の実施の形態と同様の手順で検査対象パターンの概略の輪郭を格子アニマルで表現する(図1、ステップS1〜S5)。この結果、単一のパターンについて得られた格子アニマル配置の一例を図22(a)に示す。本実施形態の場合、画像内には検査対象のパターンのみが含まれているため、もはやパターンの勢力圏を算出する必要が無い。従って、ボロノイ図形を算出する手順(図1、ステップS6〜S8)を省略することができる。
【0067】
得られた格子アニマルに対して対角線を引いて三角形分割を実行する(図1、ステップS9)。図22(a)に示す格子アニマルAD6については、同図(b)に示すように、12本の対角線DL11〜DL22を引くことにより三角形に分割できた。
【0068】
次いで、第1の実施形態と同様にして、図23(a)に示すように各三角形の頂点を三色に点彩色し(図1、ステップS10)、さらに、例えばRに染められた頂点を共有する三角形を統合して星形多角形による分割を実行する(図1、ステップS11)。続いて、各星形多角形について第1の実施形態と同様の手順で(図1、ステップS12)カーネルの位置をそれぞれ算出する。これにより、図23(b)に示すように、エッジ探索の起点と誤検出の無いエッジ探索領域とが得られた。
【0069】
その後は、特に図示しないが、第1の実施形態と同様に、各カーネルから各星形多角形の外周へ向けてエッジ探索を実行する(図1、ステップS13参照)。
【0070】
このように、本実施形態によれば、凸形状とはみなされない輪郭を有するパターンであっても、単一のパターンのみを含む画像が得られた場合は、より簡易な手順でかつより短い検査時間でパターン輪郭のデータを取得することができる。なお、エッジ探索については、後述する本発明にかかるパターンエッジの探索方法の実施の形態を用いるとエッジ位置をさらに精密に検出できる。
【0071】
(4)第4の実施の形態
本発明の第4の実施の形態について図24〜図26を参照しながら説明する。図24は、本実施形態の画像処理方法を含むパターン輪郭の抽出方法の概略手順を示すフローチャートであり、図25および図26は、図24に示す手順により処理される画像の具体例を示す。
【0072】
まず、検査の対象となるパターンの濃淡画像データを例えばSEMにより取得する(図24、ステップS30)。取得された画像データの一例を図25(a)に示す。同図に示す画像Img6には、凸形状とみなせない輪郭を有するパターンPT8、PT14、PT16などを含め、全部で11個のパターンが含まれている。
【0073】
次に、図25(b)に示すように、検査画像Img6の境界AR26に沿ってパターンエッジEP2を探索する(ステップS31)。パターンエッジの探索にあたっては、平滑化微分法を用い、平滑化微分後のピーク位置をパターンエッジと定義した。
【0074】
次いで、境界26上に見出されたエッジ点EP2に対するボロノイ図VF10を図25(c)に示すように作成する(ステップS32)。
【0075】
次に、図25(d)に示すように、ボロノイ図VF10の各辺に沿って平滑化微分によるエッジ探索を再度実行する(ステップS33)。
【0076】
次いで、ボロノイ図VF10の各辺のうち、パターンエッジEP4を含む辺を削除し(ステップS36、S37)、さらに孤立した辺と枝とを削除する(ステップS38)。これにより、図26(a)に示すように、濃淡画像Img6の全体が5つの領域RG1〜RG5に分割される。
【0077】
次に、各領域RG1〜RG5に対して、上述した手順ステップS31およびS32と同様の手順により、領域の境界に沿ってエッジ点を探索し(ステップS40)、探索されたエッジ点列に対するボロノイ図を再度作成する(ステップS41)。図26(b)には、パターン画像の領域のうち、紙面下側に位置する領域RG3を取り上げて再度作成されたボロノイ図VF12aを代表的に示す。
【0078】
次に、先の手順ステップS32と同様の処理によりボロノイ辺に沿ってエッジ探索を実行する(ステップS42)。このエッジ探索の結果得られたエッジ点EP6を図26(c)に示す。
【0079】
次いで、上述したステップS36〜S38と同様にしてエッジ点EP6を含むボロノイ辺と孤立辺および枝を削除する(ステップS43〜S45)。この結果、図26(d)に示すように、もとの領域RG3が3つの領域RG6〜RG8にさらに分割される。
【0080】
さらに、分割領域の形状が変わらなくなるまで以上の手順を再帰的に全ての分割領域に対して実行する(ステップS48、S49、S40〜S47)。この結果、図26(e)に示すように、最終的にはそれぞれの領域内にパターンエッジが1本ずつ含まれるようにパターン画像Img6が多数の領域RG1,RG2,RG4〜RG5,RG7〜RG15に分割された。
【0081】
このように、本実施形態によれば、凸形状とみなせない輪郭を有するパターンを含む複数のパターンが検査画像に含まれる場合に、パターンエッジを一本ずつ含むように検査画像を分割することができる。
【0082】
最後に、上述した第1〜第3の実施の形態におけるパターンエッジの探索方法を用いて領域毎にエッジ探索を実行する。これにより、全てのパターンエッジを領域毎にチェーン状の配列データとして取得することができる。なお、後述する第9または第10の実施の形態のパターンエッジ探索方法を用いれば、さらに精密にエッジの位置を算出することができる。
【0083】
(5)第5の実施の形態
次に、本発明の第5の実施の形態について図27〜図29を参照しながら説明する。図27は、本実施形態における画像処理方法の概略手順を示すフローチャートであり、また、図28および図29は、図27に示す手順により処理される画像の具体例を示す図である。本実施形態は、取得された濃淡画像においてその境界と交差するパターンエッジが存在しない場合の画像処理方法を含むパターン輪郭の抽出方法を提供するものである。
【0084】
まず、図28(a)に示すように、パターンの画像Img8を取得した後(図27、ステップS51)、図28(b)に示すように、画像Img8の全体を縦断する方向SD10と画像Img8全体を横断する方向SD8で最初のエッジ探索を実行する(ステップS52)。本実施形態では、画像Img8の縦の幅と横の幅を黄金比で分割する位置にエッジ方向を一本ずつ設定したが、この位置と数は適宜変更することが可能である。
【0085】
このようなエッジ探索の結果、図28(c)に示すようにパターンエッジEP8の位置座標が得られた。
【0086】
次に、探索されたエッジ点に対するボロノイ図を作成する(ステップS53)。作成されたボロノイ図は、図28(d)に示すVF14のように、概ね平行直線となる。
【0087】
次に、作成されたボロノイ図のボロノイ辺に沿ってエッジ探索を実行し、(ステップS554)、得られたエッジ点EP10に対してさらにボロノイ図を作成する(ステップS55)。この結果、図29(a)に示すボロノイ図VF16が得られた。
【0088】
次いで、図29(b)に示すように、ボロノイ図VF16の辺に沿ってエッジ探索を再度実行し(ステップS56)、探索されたエッジ点EP12を含むボロノイ辺を削除し(ステップS57、S58)、さらに孤立辺と枝とを除去する(ステップS59)。この結果、図29(c)に示すように、エッジ点列から構成される曲線をそれぞれ1本ずつ含む副領域RG21〜RG24に画像Img8が領域分割される。
【0089】
その後は、上述した第2の実施の形態におけるパターンエッジの探索方法を用いて領域毎にエッジ探索を実行する。これにより、全てのパターンエッジを領域毎にチェーン状の配列データとして取得することができる。なお、後述する第9または第10の実施の形態におけるパターンエッジの探索方法を用いれば、さらに精密にエッジの位置を算出することができる。
【0090】
(6)第6の実施の形態
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施形態は、取得された画像においてその境界と交差するパターンエッジが存在しない場合の他の画像処理方法を含むパターン輪郭の抽出方法を提供するものである。
【0091】
例えば、図30(a)に示すように、画像Img8の境界と交差するパターンエッジが存在しない場合に、画像取得に用いた光学顕微鏡またはSEMの倍率を高倍率に設定して再度画像を取得すると、同図(b)に示すように、その境界とパターンエッジが交差する画像Img8’が得られる。従って、その後は、上述した第1乃至第4の実施の形態における画像処理を用いて各領域に単一のパターンのみが含まれるように領域分割を実行し、上述した第1〜第3の実施形態におけるエッジ探索方法または後述する第9または第10の実施形態のエッジ探索方法により、エッジ位置を検出すればよい。
【0092】
(7)第7の実施の形態
図31は、本実施形態における画像処理方法の概略手順を示すフローチャートであり、また、図32は、図31に示す手順により処理される画像の具体例を示す図である。
【0093】
本実施形態は、上述した第4の実施の形態において、取得された画像の全体に予め最小のパターンピッチの約半分の間隔で縦方向および横方向にパターンエッジを探索する手順を付加したものである。即ち、図32(a)に示すように、濃淡画像Imgの全体に最小のパターンピッチの半分程度の間隔で縦方向SD12および横方向SD14にパターンエッジを探索する(図31、ステップS62)。
【0094】
その後は、上述した第4の実施の形態と同様にしてボロノイ図VF16(図32(b))の作成(図31、ステップS63)、ボロノイ辺に沿ったエッジ探索(図32(c)、図31、ステップS64およびS65)、ボロノイ領域の統合と枝の除去(図32(d)、図31、ステップS66〜S68)の各手順を再帰的に繰り返す(ステップS69〜S72、S63〜S68)。
【0095】
このように、本実施形態によれば、パターンエッジに属する一部の点列を予めステップS62で多数求めておくので、再帰のための手順を大幅に省略することができる。例えば、図31と図24との対比において、図24のステップS33〜S38、S40およびS41の手順が必要なくなる。このような簡素な手順によっても、図32(e)に示すように、各領域に単一のパターンのみが含まれるように、画像Img6を9つの領域RG31〜RG39に分割することができる。
【0096】
以上の手順による画像処理の後は、上述した第1または第3の実施の形態におけるパターンエッジの探索方法または後述する第9または第10の実施形態のエッジ探索方法を用いて領域毎にエッジ探索を実行することにより、全てのパターンエッジを領域毎にチェーン状の配列データとして取得することができる。
【0097】
(8)第8の実施の形態
本実施形態は、上述した第1乃至第7の実施の形態により領域分割された結果をパターンマッチングに適用する方法を提供するものである。
【0098】
図33は、本実施形態の画像処理方法の概略手順を示すフローチャートである。また、図34は、図33に示す画像処理方法を具体的に示す説明図である。
【0099】
まず、検査対象のパターンについてCADデータなどからパターンマッチングの基準となる参照画像を取得する(図33、ステップS81)。参照画像の一例を図34(a)に示す。同図には、参照画像Rimg10の中に6個のホールパターンPT30,PT32,PT34,PT36,PT38,PT40が含まれている。これらのパターンのうち、図34(a)内に丸印で示す位置のパターンPT30を検査対象パターンとして指定したものとする(図33、ステップS82)。
【0100】
次いで、参照画像Rimg10の全体について、図34(b)に示すように、例えば上述した第5の実施の形態と同様の方法により、各領域が単一のパターンを含むようにボロノイ図VF18を作成し(図33、ステップS83)、各頂点に(1)〜(10)まで番号を付ける(図33、ステップS84)。
【0101】
次に、検査対象のホールパターンPT38が含まれる検査画像を取得する(図33、ステップS85)。このような検査画像の具体例Img10を図34(c)に示す。
【0102】
次に、検査画像Img10についても、参照画像Rimg10と同様に、各領域に単一のパターンのみが含まれるようにボロノイ図を作成し(図33、ステップS86)、各頂点に(1)〜(10)まで番号を付ける(図33、ステップS87)。この結果を図34(d)に示す。なお、本実施形態において、参照画像Rimg10と検査画像Img10との間で番号の付け方は特に関連付けなかった。
【0103】
次に、参照画像Rimg10のボロノイ図VF18と対象画像Img10のボロノイ図VF20だけを取り出し、両者の辺の位置が最も一致するように、相対的に回転移動や並進移動を行なうことにより、ボロノイ頂点を互いに対応付ける(ステップS88)。
【0104】
その後、図34(e)に示すように、参照画像Rimg10中で検査対象パターンPT30が含まれるボロノイ領域RG40(梨地に示す領域)に対応する領域RG42を検査画像Img10中に定義する(ステップS89)。
【0105】
最後に、図34(f)に示すように、検査画像Img10中に定義された領域RG42に含まれるパターンを検査画像中の検査対象パターンPT30として決定する(ステップS90)。
【0106】
図34に示す例では、辺同士の位置の残差を最小化するようにボロノイ図同士のマッチングを実行した。しかしながら、画像中に含まれるパターンの数量が多くなったり複雑になると、このような方法では計算に時間を要することになる。このような場合に、ボロノイ領域の連結性のみに着目すると、より簡易にパターンマッチングを行なうことができる。
【0107】
図35は、このような簡易なマッチング方法を説明する図である。まず、図34(b)および(d)にそれぞれ示すボロノイ図Rimg10およびImg10を図35(a)および(b)に示すように、辺の長さを考慮しないグラフVF18’およびグラフVF20’に書き直す。ここで、予め指定しておいた検査対象パターンPT30は、参照画像Rimg10’内の点▲2▼、▲3▼、▲7▼および▲5▼を頂点とする四角形の内部に存在する。
【0108】
次いで、図35(a)のグラフVF18’に一致するように、検査画像Img10に対応する図35(b)のグラフVF20’を回転・並進させる。本実施形態においては、図35(b)のグラフVF20’を時計回りに約90°回転させることにより、図35(c)に示すグラフVF20’’を取得した。
【0109】
次に、グラフVF20’’において図35(a)の参照画像からのグラフVF18’の検査対象領域に対応する部分を定義する頂点を取得する。この結果、同図(d)に示すように、頂点▲3▼、▲9▼、▲5▼および▲2▼に囲まれる領域を得た。
【0110】
このように、図35の(e)に示す元のボロノイ図VF20における頂点▲3▼、▲9▼、▲5▼および▲2▼に囲まれる領域内にあるパターンが検査対象パターンであると認識することができる。
【0111】
本実施形態の画像処理方法によれば、画像の中から特定の一部を自動的に見出すことも可能になる。この点を図36を参照しながら説明する。
【0112】
即ち、同図(a)に示す参照画像Rimg10から予め一部の領域Rimg10aを同図(b)に示すように切り出し、その後、参照画像Rimg10の全体および切り出した領域Rimg10aに対するボロノイ図を作成する。同図(c)は、切り出し領域Rimg10aに対して作成されたボロノイ図VF18aを示す。
【0113】
次いで、検査対象画像Img10(同図(d))についても ボロノイ図VF20を作成する(同図(e))。
【0114】
次に、検査対象画像Img10のボロノイ図VF20の中から図36(c)に示すボロノイ図VF18aとその幾何学的位置が最も一致する部分を探索し、同図(f)に示すように、ボロノイ図VF18aに外接する矩形領域RG42を検査対象画像Img10中で検査対象パターンを含む領域であると定義することができる。
【0115】
本実施形態によれば、パターンの不規則な配置情報をテンプレートとするパターンマッチングが可能になるので、検査対象画像内に同一のパターンが複数個存在する場合、特定の1つのパターンを高い精度で指定することができる。さらに、マッチング後の参照画像のボロノイ図と検査対象画像のボロノイ図とを比較し、一致しない辺および頂点の位置を調べることにより、検査画像内のパターンの欠陥個所を見出すことも可能になる。
【0116】
(9)第9の実施の形態
次に、本発明の第9の実施の形態について図37および図38を参照しながら説明する。本実施形態は、複雑な輪郭形状を有するパターンについても好適にパターンエッジを検出する方法を提供するものである。
【0117】
図37は、本実施形態におけるエッジ探索方法の概略手順を示すフローチャートであり、また、図38は、図37に示すエッジ探索方法をより具体的に説明する図である。
【0118】
まず、検査対象パターンの画像を取得する(図37、ステップS101)。本実施形態では、図46に示したパターンPT44を取り上げて説明する。
【0119】
検査対象パターンPT44の画像の一部拡大図を図38(a)に模式的に示す。ここで、パターンPT44の概略のエッジ位置を示す多角形の辺SL2の頂点ST2およびST2’の座標は、例えば上述した実施の形態で説明した方法により既に与えられているものとする。
【0120】
次に、パターンPT44の一部であるパターンPT44aを含む検査領域SRの位置座標を、x軸を実数軸とし、y座標を虚数軸とする複素平面上で表現する(図37、ステップS102)。
【0121】
次いで、この複素平面上において、例えば図38(a)に示す点GP2の位置に始点を設定する(図37、ステップS104)。この始点GP2は、流体力学上の湧き出し点を模した点である。
【0122】
次に、湧き出し点GP2に対し、辺SL2に関して鏡像の位置にある点SN2を算出し、図38(b)に示すように複素平面上に設定する(図37、ステップS105)。算出された点SN2は、流体力学上で吸い込み点を模した点である。
【0123】
次に、点GP2を湧き出し点とし、点SN2を吸い込み点とする理想的な流体場を複素平面上に定義する(図37、ステップS106)。このような流れの場は、解析的に解法が与えられており、その関数形は、渡辺昇著の「等角写像図集」(1984年、朝倉書店刊行)の第278ページに詳細に記載されている。このときの流れ場を表わす複素ポテンシャルW1は、次式のような形の複素関数である。
【0124】
W1=log{(e−1)/(e+1)} ・・・式(3)
次いで、式(3)の実部に対する等高線、即ち、流線を算出する(図37、ステップS107)。算出結果は、例えば図38(c)の曲線群FLのようになる。
【0125】
その後は、曲線群FLの各曲線に沿った方向で、例えば閾値法に基づくエッジ探索を実行することにより、パターンエッジの位置を抽出する(図37、ステップS108)。
【0126】
本実施形態ではエッジの探索には、探索方向に沿った閾値法を用いたが、これに限ることなく、例えば差分フィルタやピーク検索法などを用いても良い。
【0127】
また、本実施形態では、二次元流体の流れ場に基づいてエッジ探索方向を決定したが、上述した湧き出し点と吸い込み点の概念に代えて、正・負の点電荷を配した二次元電場に基づいてエッジ探索方向を決定しても良い。
【0128】
さらに、検査画像についても、光学顕微鏡、その他の走査型プローブ顕微鏡により取得したものを適宜利用することができる。
【0129】
(10)第10の実施の形態
次に、本発明の第10の実施の形態について、図39および図40を参照しながら説明する。図39は、本実施形態におけるエッジ探索方法の概略手順を示すフローチャートであり、また、図40は、図39に示すエッジ探索方法をより具体的に説明する図である。図40(a)に示すように、本実施形態についても図46に示したパターンPT44を検査対象パターンとする。また、パターンPT44の概略のエッジ位置を示す多角形の辺SL2の頂点ST2およびST2’の座標もまた既に与えられているものとする。
【0130】
上述した第9の実施形態と同様に、まず検査対象パターンの画像を取得した後(図39、ステップS111)、パターンPT44の一部であるパターンPT44aを含む検査領域SRの位置座標を複素平面上に表わす(図39、ステップS112)。
【0131】
次に、検査領域SRの内部に1つの探索始点PC2を選択する(図39、ステップS113)。本実施形態では、この始点PC2を正の点電荷に模し、かつ、検査領域SRの辺のうち始点PC2に近接する辺(ST2−ST2’)の線分上に線密度を有する電荷分布を模擬的に配し、そのときの静電ポテンシャルを算出する(図39、ステップS114)。
【0132】
このときの静電ポテンシャルは、点電荷が与える静電ポテンシャルW2と、線状の負電荷分布に対する静電ポテンシャルW3との重ね合わせとなる。この結果得られる電気力線を定義する(図39、ステップS115)。このような電気力線の一例を図40(b)の曲線群ELに示す。
【0133】
その後は、曲線群ELの各曲線に沿った方向で、例えば閾値法に基づくエッジ探索を実行することにより、パターンエッジの位置を抽出する(図39、ステップS116)。
【0134】
本実施形態においても、エッジの探索には、探索方向に沿った閾値法の他、差分フィルタやピーク検索法などを用いることができる。
【0135】
また、本実施形態では、正・負の電荷を配した二次元電場に基づいてエッジ探索方向を決定したが、例えば点電荷に代えて、湧き出し・吸い込みを配した二次元流体の流れ場に基づいて決定しても良い。
【0136】
(11)第11の実施の形態
次に、本発明の第11の実施の形態について、図41を参照しながら説明する。本実施形態は、上述した第9および第10の実施形態におけるエッジ探索方法を利用したプローブの走査方法を提供するものである。以下ではプローブとしてによる電子ビームを用いて説明する。なお、の具体的構成については、後述する第12の実施の形態(図42)を参照されたい。
【0137】
図41は、本実施形態におけるプローブ走査方法およびエッジ探索方法の概略手順を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、検査対象パターンの概略のエッジ位置を示す多角形の頂点座標のデータとエッジ探索の始点の座標のデータとをの制御系(図42参照)に読み込ませる(ステップS121)。
【0138】
次に、検査対象パターンを含む検査領域の位置座標を、x軸を実数軸、y軸を虚数軸とする複素平面上に表わす(ステップS122)。
【0139】
次いで、この複素平面上に、上述した第9の実施の形態と同様の手順で湧き出し点および吸い込み点を設定し、理想流体場を定義する(ステップS123〜S125)。
【0140】
次に、この理想流体場の流線を算出し、その座標位置を制御系に接続された記憶装置(図42参照)に格納する(ステップS126)。流線の算出結果は、図38(c)の曲線群FLと同一である。
【0141】
次いで、記憶装置に格納された流線座標に基づいてプローブの走査信号を生成し、これによりプローブを走査させながら走査信号に同期させて二次電子信号を取得する(ステップS127)。
【0142】
さらに、取得された二次電子信号の信号波形から、例えば閾値法によりエッジ位置を定義し、パターンエッジの位置情報を抽出する(ステップS128)。
【0143】
本実施形態では、プローブ顕微鏡としてを取り上げて説明したが、これに限ることなく、本発明は、STM、AFM、レーザ走査型の顕微鏡など、プローブを走査してイメージを取得する全ての検査装置に適用できることは勿論である。
【0144】
(12)第12の実施形態
次に、本発明の第12の実施の形態について図42を参照しながら説明する。本実施形態は、上述した第1〜第11の実施の形態を実現するパターン検査装置を提供するものである。
【0145】
図42は、本実施形態のパターン検査装置の概略構成を、これに接続される装置とともに示すブロック図である。同図に示すパターン検査装置1は、電子光学系制御部22と、コンピュータ20と、メモリ24と、表示部26と、入力部28とを備える。
【0146】
図42に併せて示す装置10は、本実施形態においてプローブ検査装置を構成し、基板Wを載置するステージ14と、電子光学系12と、二次電子検出器16と、信号処理部18とを含む。電子光学系12は、電子ビームEBを生成して検査対象である微細パターンが形成された基板Wに電子ビームEBを照射する。二次電子検出器16は、電子ビームEBの照射により基板Wの表面から放出された二次電子/反射電子/後方散乱電子を検出する。信号処理部18は、二次電子検出器16により検出された二次電子/反射電子/後方散乱電子から構成されるアナログ信号をディジタル信号に変換して増幅し、検査対象パターンの画像データとしてコンピュータ20に供給する。
【0147】
メモリ24は、多数の記憶領域を有し、上述した各実施形態で使用される各種の演算処理を実行するプログラムがレシピファイルの態様で格納されている。これらの演算処理は、パターンエッジの水平成分および垂直成分を抽出するための差分処理、格子アニマルのマッチングを行なう処理、ボロノイ図形を算出する幾何学計算、ボロノイ図を比較する処理、任意の座標を有する点がボロノイ図の辺または頂点上に存在するかどうかを判定する処理、画像の濃淡値からパターンエッジの位置を算出する処理、パターンエッジの概略位置を示す多角形の座標データに基づいて複素ポテンシャルまたは静電ポテンシャルを算出する処理、算出された複素ポテンシャルまたは静電ポテンシャルからエッジ探索方向の座標データを算出する処理などを含む。
【0148】
メモリ24はまた、信号処理部18からコンピュータ20を介して供給された検査対象パターンの画像データ、格子アニマルの情報をテーブルの形式で格納したアニマルテーブル、およびパターンエッジの概略位置を示す多角形の座標データなどの各種データをも格納する。
【0149】
コンピュータ20は、本実施形態において、第1および第2の演算手段を含む演算手段と画像処理手段とエッジ探索手段と点列抽出手段と設定手段とを構成し、装置全体を制御するとともに、メモリ24からレシピファイル、パターンの画像データ、および格子アニマルのデータなどを引き出して上述した画像処理、パターン輪郭の抽出、パターンエッジの探索を実行する。コンピュータ20はまた、本実施形態において制御手段を構成し、電子光学系制御部22を介して装置10の電子光学系12に接続され、電子光学系制御部22に制御信号を供給して電子ビームEBを基板Wの上面で走査させる。この制御信号は、前述した第11の実施の形態におけるプローブの走査方法を実行する場合、複素ポテンシャルまたは静電ポテンシャルから算出されたエッジ探索方向の座標データに基づいて生成された走査信号を含む。
【0150】
表示部26は、コンピュータ20に接続されて検査画像や参照画像などを表示する他、これらの処理状況を適宜表示する。
【0151】
入力部28は、キーボード28aおよびマウス28bを含み、コンピュータ20に接続されてオペレータの操作により各種の入力信号を供給する。
【0152】
(13)第13の実施の形態
上述した第1乃至第11の実施の形態における画像処理方法、パターン輪郭の抽出方法、プローブの走査方法の少なくとも一つを用いて半導体装置を製造することにより、より正確かつ迅速に微細パターンを評価することができる。この結果、より高い歩留まりで、かつ、短いTAT(Turn Around Time)で半導体装置を製造することが可能になる。
【0153】
(14)第14の実施の形態
上述した第1〜第11の実施の形態で説明したパターン輪郭の抽出方法、画像処理方法、パターンエッジの探索方法、プローブの走査方法のそれぞれにおける一連の手順は、プログラムに組み込んで画像データ処理可能なコンピュータに読込ませて実行させても良い。これにより、本発明にかかるパターン輪郭の抽出方法、画像処理方法、パターンエッジの探索方法、およびプローブの走査方法における各一連の手順を画像処理可能な汎用コンピュータを用いて実現することができる。また、上述したパターン輪郭の抽出方法、画像処理方法、パターンエッジの探索方法、プローブの走査方法の各一連の手順をコンピュータに実行させるプログラムとしてフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読込ませて実行させても良い。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の携帯可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でも良い。また、上述したパターン輪郭の抽出方法、画像処理方法、パターンエッジの探索方法、プローブの走査方法のそれぞれの一連の手順を組込んだプログラムをインターネット等の通信回線(無線通信を含む)を介して頒布しても良い。さらに、上述したパターン輪郭の抽出方法、画像処理方法、パターンエッジの探索方法、プローブの走査方法の各一連の手順を組込んだプログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、または記録媒体に収納して頒布しても良い。
【0154】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記形態に限られるものでは決してなく、その技術的範囲を逸脱することなく適宜変形または修正することができる。
【0155】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明は、以下の効果を奏する。
【0156】
即ち、本発明によれば、同一のパターン画像内に複数のパターンが存在する場合または計測対象パターンの輪郭形状が複雑である場合でも、正確かつ迅速にパターン輪郭を抽出することが可能になる。
【0157】
また、本発明によれば、同一のパターン画像内に複数のパターンが存在する場合または計測対象パターンの輪郭形状が複雑である場合でも、各領域内に単一のパターン輪郭のみを含むようにパターン画像を複数の領域に分割することができる。また、複雑に配置された複数のパターンから特定のパターンのみを確実に指定することが可能になる。
【0158】
さらに、本発明によれば、エッジ位置の探索方向が検査対象パターンの輪郭にほぼ直交する方向となるので、パターンの輪郭形状が複雑である場合でも、高い分解能でエッジ位置を検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像処理方法を含むパターン輪郭の抽出方法の第1の実施の形態の概略手順を示すフローチャートである。
【図2】図1のフローチャートにおける格子アニマルの配置手順のより具体的な手順を説明するフローチャートである。
【図3】パターン画像の一例を示す図である。
【図4】図3に示す画像から抽出したパターンエッジの座標データを表わす図であり、(a)が水平方向のエッジデータを表わし、(b)が垂直方向のエッジデータを表わす。
【図5】図4に示す座標データに対する判別分析の結果を示す図であり、(a)がパターンエッジの水平成分を示し、(b)がパターンエッジの垂直成分を示す。
【図6】図5に示す水平成分と垂直成分の各成分を合成した図である。
【図7】図6に示す判別結果から画像座標上に構成された格子を示す図である。
【図8】(a)はチェーンコードの一表現例を示し、(b)〜(e)は格子アニマルのいくつかの例を示す図である。
【図9】図7に示す格子上へ格子アニマルを配置する方法の具体的手順を説明する図である。
【図10】図7に示す格子への最適な格子アニマルの配置結果を示す図である。
【図11】図10に示す格子アニマルの頂点に対して作成したボロノイ図を示す。
【図12】図11に示すボロノイ図を合成した図である。
【図13】図12に示す図から頂点データの一部を削除した図である。
【図14】図13に示す図の一つの勢力圏に存在するアニマルを三角形に分割し、各頂点を点彩色した結果を示す図である。
【図15】図14に示す画像処理結果から得られた、アニマル配置の星形(凸型)多角形分割の結果を示す図である。
【図16】図15に示す星形多角形のカーネルとこれらのカーネルからのエッジ探索方向を示す図である。
【図17】概略凸型の輪郭を有する複数のパターンを含む画像の一例を示す図である。
【図18】図18に示す画像から抽出したパターンエッジの座標データを表わす図であり、(a)が水平方向のエッジ成分のデータを表わし、(b)が垂直方向のエッジ成分のデータを表わす。
【図19】(a)は、図18に示すエッジ成分を分類して生成された格子を示し、(b)は、アニマルテーブルを参照して得られたアニマル配置を示す。
【図20】(a)は、図19(b)に示すアニマルの頂点に対して作成されたボロノイ図を示し、(b)は、(a)のボロノイ領域が統合されたボロノイ図を示す。
【図21】図20(b)に示す領域内のアニマル内部のカーネルからのエッジ探索方向を示す図である。
【図22】(a)は、単一のパターンのみを含む画像から得られた格子アニマル配置の一例を示す図であり、(b)は、(a)に示す格子アニマル配置に対して三角形分割を実行した結果を示す図である。
【図23】(a)は、図22(b)で得られた三角形の各頂点に点彩色を実行した結果を示し、(b)は、(a)に示す三角形から得られた星形多角形にカーネル算出を実行した結果を示す図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態における画像処理方法の概略手順を示すフローチャートである。
【図25】図24に示す手順により処理される画像の具体例を示す図である。
【図26】図24に示す手順により処理される画像の具体例を示す図である。
【図27】本発明の第5の実施の形態における画像処理方法の概略手順を示すフローチャートである。
【図28】図27に示す手順により処理される画像の具体例を示す図である。
【図29】図27に示す手順により処理される画像の具体例を示す図である。
【図30】本発明の第6の実施の形態を説明するための画像の具体例を示す図である。
【図31】本発明の第7の実施の形態における画像処理方法の概略手順を示すフローチャートである。
【図32】図31に示す手順により処理される画像の具体例を示す図である。
【図33】本発明の第8の実施の形態における画像処理方法の概略手順を示すフローチャートである。
【図34】図34は、図33に示す画像処理方法を具体的に示す説明図である。
【図35】ボロノイ図同士のマッチングをより容易にする方法を示す説明図である。
【図36】画像の中から特定の一部を自動的に見出す方法の説明図である。
【図37】本発明の第9の実施の形態におけるエッジ探索方法の概略手順を示すフローチャートである。
【図38】図37に示すエッジ探索方法をより具体的に説明する図である。
【図39】本発明の第10の実施の形態におけるエッジ探索方法の概略手順を示すフローチャートである。
【図40】図39に示すエッジ探索方法をより具体的に説明する図である。
【図41】本発明の第11の実施の形態におけるプローブ走査方法およびエッジ探索方法の概略手順を示すフローチャートである。
【図42】本発明の第12の実施の形態によるパターン検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【図43】従来の技術によるパターン輪郭の抽出方法を説明するための線状のパターンの一例を示す図である。
【図44】従来の技術によるパターン輪郭の抽出方法を説明するためのホールパターンの一例を示す図である。
【図45】従来技術の課題を説明するための複雑なパターンの一例を示す図である。
【図46】従来の技術によるパターンエッジ探索方法の課題の説明図である。
【符号の説明】
1 パターン検査装置
10 装置
12 電子光学系
14 ステージ
16 二次電子検出器
18 信号処理部
20 コンピュータ
22 電子光学系制御部
24 メモリ
26 表示部
28 入力部
AD4,AD6 アニマル配置
AR2,AR4,AR6,AR8,AR10,AR12,AR14,AR18,AR26 エッジ探索用の境界領域
DL1〜DL4,DL12〜DL22 対角線
ED パターン輪郭
EP2,EP4,EP6,EP8,EP10,EP12,EP14,EP エッジ点
EB 電子ビーム
EL 電気力線
ES2 線密度を有する電荷分布
FL 流線
GP2 湧き出し点
Img2,Img4,Img6,Img8,Img8’,Img10,Img10’ 検査画像
L2,L4 格子
PC2 点電荷
PT2,PT4,PT6,PT8,PT8’,PT10,PT10’,PT12,PT14,PT16,PT18,PT20,PT22,PT24,PT26,PT28,PT32,PT44 パターン
RF2,RF4,RF6,RF8 パターン輪郭の概略図形
RG1〜RG15,RG21〜RG24,RG31〜RG39,RG40,RG42 分割領域
Rimg10,Rimg10a 参照画像
SD2a,SD2b,SD4,SD6,SD8,SD10,SD12,SD エッジ探索方向
SP4 星形多角形
SR 検査領域
SL2 多角形の辺
SN2 吸い込み点
ST2,ST2’ 辺の頂点
VF2,VF4,VF8,VF10,VF12,VF14,VF16,VF18,VF20 ボロノイ図
W ウェーハ
α2,α4,α6,α8,α10,α12,α14,α16,α18,α20,α22,α24,α,α 格子アニマル

Claims (33)

  1. 検査対象となるパターンの画像を取得する手順と、
    前記画像から前記パターンの概略のエッジ位置を算出する手順と、
    算出された前記エッジ位置に基づいて、予め定められた方向成分のみを有する辺で構成される多角形を前記パターンの輪郭形状に近似させて近似多角形を作成する手順と、
    前記近似多角形を星形多角形に分割する手順と、
    前記星形多角形のカーネルの位置を算出する手順と、
    前記近似多角形の前記辺上に位置する任意の点と前記カーネルとを結ぶ方向に前記パターンのエッジを探索する手順と、
    を備えるパターン輪郭の抽出方法。
  2. 前記予め定められた方向成分は、前記画像内で任意に設定可能な基準方向に対して0°乃至45°の整数倍の角度をなす方向であることを特徴とする請求項1に記載のパターン輪郭の抽出方法。
  3. 前記近似多角形を作成する手順は、前記画像上に単位胞の大きさが前記画像の画素よりも大きく、かつ、各辺に重み係数が割り当てられた格子を生成する手順と、
    前記重み係数に基づいて、前記格子上に格子アニマルを当てはめる手順と、
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のパターン輪郭の抽出方法。
  4. 前記近似多角形を作成する手順は、前記格子アニマルの頂点に対するボロノイ図を作成する手順と、作成された前記ボロノイ図のボロノイ辺により区切られたボロノイ領域のうち同一の格子アニマルに属するボロノイ領域を合成する手順と、を含み、
    前記パターンのエッジを探索する手順は、合成された前記ボロノイ領域の境界をエッジ探索の境界として設定する手順を含むことを特徴とする請求項3に記載のパターン輪郭の抽出方法。
  5. 前記星形多角形に分割する手順は、
    前記近似多角形の内部に、互いに交わらない対角線を設けて前記近似多角形を三角形に分割する手順と、
    分割により得られた三角形の全ての頂点に対して互いに異なる3つのラベル情報を与える手順と、
    前記ラベル情報のうちの任意の1つのラベル情報を選択し、選択されたラベル情報が与えられた頂点を共有する三角形を相互に合成する手順と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパターン輪郭の抽出方法。
  6. 検査対象となるパターンの画像を取得する手順と、
    前記画像から前記パターンの概略のエッジ位置を算出する手順と、
    算出された前記エッジ位置に基づいて、前記画像上に単位胞の大きさが前記画像の画素よりも大きく、かつ、各辺に重み係数が割り当てられた格子を生成する手順と、
    前記重み係数に基づいて、前記格子上に格子アニマルを当てはめる手順と、
    当てはめられた前記格子アニマルの頂点の座標データに基づいて前記パターンの輪郭データを出力する手順と、
    を備えるパターン輪郭の抽出方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のパターン輪郭の抽出方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  8. 検査対象となるパターンの画像を取得する第1の手順と、
    前記パターンの輪郭に属する点列の一部を抽出する第2の手順と、
    処理された一部の点列に対してボロノイ図を作成する第3の手順と、
    作成されたボロノイ図の辺に沿って前記パターンのエッジに属する点を新たに探索して前記一部の点列に組み込む第4の手順と、
    前記ボロノイ図の辺のうち前記パターンの輪郭と交差する辺を削除して前記画像内に副領域を定義する第5の手順と、
    を備える画像処理方法。
  9. 前記第3乃至前記第5の手順は、前記画像の少なくとも一部について再帰的に繰り返されることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
  10. 前記第2の手順は、前記画像の全体領域の外周または予め定義された前記画像内の検査対象領域の境界に沿って前記パターンのエッジを探索する手順を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理方法。
  11. 前記第2の手順は、前記画像の全体領域または予め定義された前記画像内の検査対象領域を2つの領域に分割する連続した線に沿って前記パターンのエッジを探索する手順を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理方法。
  12. 前記第2の手順は、前記画像の全体領域または予め定義された前記画像内の検査対象領域に含まれるパターンの最小線幅にほぼ等しい格子定数を有する格子を作成する手順と、作成された格子に沿って前記パターンの輪郭を探索する手順と、を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理方法。
  13. 前記ボロノイ図同士または前記ボロノイ図の一部同士における幾何学的形状または連結性を比較して前記画像の一部の領域を定義する手順をさらに備えることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の画像処理方法。
  14. 請求項8乃至13のいずれかに記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  15. 検査対象となるパターンの画像と、前記パターンの概略のエッジ位置を表わす線のデータとを取得する手順と、
    前記画像内の任意の一点をエッジ探索の始点として定義し、前記線上の少なくとも一つの点をエッジ探索方向上の点として定義する手順と、
    正則な複素関数の実部または虚部のいずれかで与えられる曲線群のうちの少なくとも一本の曲線であってその軌道が前記エッジ探索の始点から前記エッジ探索の上の点を通過する曲線に沿って前記パターンのエッジを探索する手順と、
    を備えるパターンエッジの探索方法。
  16. 前記正則な複素関数は、少なくとも一つの湧き出し点と少なくとも一つの吸い込み点を含む二次元理想流体系の複素ポテンシャルに相似であることを特徴とする請求項15に記載のパターンエッジの探索方法。
  17. 前記正則な複素関数は、前記湧き出し点が有限な線分上に隣接して配置されている場合の二次元理想流体系の複素ポテンシャル、または、前記吸い込み点が有限な線分上に隣接して配置されている場合の二次元理想流体系の複素ポテンシャル、または、前記湧き出し点と前記吸い込み点とが前記概略のエッジ位置を表わす線に対して鏡像の関係にある場合の二次元理想流体系の複素ポテンシャルに相似であることを特徴とする請求項16に記載のパターンエッジの探索方法。
  18. 前記正則な複素関数は、少なくとも一つの正の点電荷と少なくとも一つの負の点電荷とを含む二次元電磁気学系の複素ポテンシャルに相似であることを特徴とする請求項15に記載のパターンエッジの検索方法。
  19. 前記正則な複素関数は、前記正の点電荷が有限な線分上に隣接して配置されている場合の二次元電磁気学系の複素ポテンシャル、または、前記負の点電荷が有限な線分上に隣接して配置されている場合の二次元電磁気学系の複素ポテンシャル、または、前記正の点電荷と前記負の点電荷とが前記概略のエッジ位置を表わす線に対して鏡像の関係にある場合の二次元電磁気学系の複素ポテンシャルに相似であることを特徴とする請求項18に記載のパターンエッジの探索方法。
  20. 前記概略のエッジ位置を表わす線のデータは、前記パターンの設計データに含まれるレイアウトデータに基づいて与えられることを特徴とする請求項15乃至19のいずれかに記載のパターンエッジの探索方法。
  21. 請求項15乃至20のいずれかに記載のパターンエッジの探索方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  22. 検査対象となるパターンを含む観察領域の一部にプローブを走査する方法であって、
    前記観察領域内の任意の一点をプローブ走査の始点として定義し、前記パターンの概略のエッジ位置を表わす線上の少なくとも一つの点をプローブ走査方向上の点として定義する手順と、
    正則な複素関数の実部または虚部のいずれかで与えられる曲線群のうちの少なくとも一本の曲線であってその軌道が前記プローブ走査の始点から前記プローブ走査方向上の点を通過する曲線に沿って前記プローブを走査する手順と、
    を備えるプローブの走査方法。
  23. 前記正則な複素関数は、少なくとも一つの湧き出し点と少なくとも一つの吸い込み点を含む二次元理想流体系の複素ポテンシャルに相似であることを特徴とする請求項22に記載のプローブの走査方法。
  24. 前記正則な複素関数は、前記湧き出し点が有限な線分上に隣接して配置されている場合の二次元理想流体系の複素ポテンシャル、または、前記吸い込み点が有限な線分上に隣接して配置されている場合の二次元理想流体系の複素ポテンシャル、または、前記湧き出し点と前記吸い込み点とが前記概略のエッジ位置を表わす線に対して鏡像の関係にある場合の二次元理想流体系の複素ポテンシャルに相似であることを特徴とする請求項23に記載のプローブの走査方法。
  25. 前記正則な複素関数は、少なくとも一つの正の点電荷と少なくとも一つの負の点電荷とを含む二次元電磁気学系の複素ポテンシャルに相似であることを特徴とする請求項22に記載のプローブの走査方法。
  26. 前記正則な複素関数は、前記正の点電荷が有限な線分上に隣接して配置されている場合の二次元電磁気学系の複素ポテンシャル、または、前記負の点電荷が有限な線分上に隣接して配置されている場合の二次元電磁気学系の複素ポテンシャル、または、前記正の点電荷と前記負の点電荷とが前記概略のエッジ位置を表わす線に対して鏡像の関係にある場合の二次元電磁気学系の複素ポテンシャルに相似であることを特徴とする請求項25に記載のプローブの走査方法。
  27. プローブを生成し、パターンが形成された試料に前記プローブを走査する検査装置を制御するコンピュータに、請求項22乃至26のいずれかに記載のプローブの走査方法を実行させるプログラム。
  28. 請求項1乃至6のいずれかに記載のパターン輪郭の抽出方法、請求項8乃至13のいずれかに記載の画像処理方法、請求項15乃至20のいずれかに記載のパターンエッジの探索方法、または請求項22乃至26のいずれかに記載のプローブの走査方法のいずれかを備える半導体装置の製造方法。
  29. 検査対象となるパターンの画像の供給を受けて前記画像から前記パターンの概略のエッジ位置を算出する第1の演算手段と、
    算出された前記エッジ位置に基づいて、予め定められた方向成分のみを有する辺で構成される多角形を前記パターンの輪郭形状に近似させて近似多角形を作成し、作成された前記近似多角形を星形多角形に分割する画像処理手段と、
    前記星形多角形のカーネルの位置を算出する第2の演算手段と、
    前記近似多角形の前記辺上に位置する任意の点と前記カーネルとを結ぶ方向に前記パターンのエッジを探索するエッジ探索手段と、
    を備えるパターン検査装置。
  30. 検査対象となるパターンの画像の供給を受けて前記画像から前記パターンの概略のエッジ位置を算出する演算手段と、
    算出された前記エッジ位置に基づいて、前記画像上に単位胞の大きさが前記画像の画素よりも大きく、かつ、各辺に重み係数が割り当てられた格子を生成し、前記重み係数に基づいて、前記格子上に格子アニマルを当てはめる画像処理手段と、
    当てはめられた前記格子アニマルの頂点の座標データに基づいて前記パターンの輪郭データを出力するエッジ探索手段と、
    を備えるパターン検査装置。
  31. 検査対象となるパターンの画像の供給を受けて前記パターンの輪郭に属する点列の一部を抽出する点列抽出手段と、
    処理された一部の点列に対してボロノイ図を作成し、作成されたボロノイ図の辺に沿って前記パターンのエッジに属する点を新たに探索して前記一部の点列に組み込み、前記ボロノイ図の辺のうち前記パターンの輪郭と交差する辺を削除して前記画像内に副領域を定義する画像処理手段と、
    前記副領域毎に前記パターンのエッジを探索するエッジ探索手段と、
    を備えるパターン検査装置。
  32. 検査対象となるパターンの画像と、前記パターンの概略のエッジ位置を表わす線のデータの供給を受け、エッジ探索の始点と、エッジ探索方向上の点として前記線上の少なくとも一つの点とを前記画像内に設定する設定手段と、
    正則な複素関数の実部または虚部のいずれかで与えられ、前記始点から前記エッジ探索の上の点を通る曲線群を算出する演算手段と、
    前記曲線群のうちの少なくとも一本の曲線に沿って前記パターンのエッジを探索するエッジ探索手段と、
    を備えるパターン検査装置。
  33. 検査対象となるパターンが形成された試料にプローブを走査するプローブ走査装置に接続されるパターン検査装置であって、
    前記パターンの画像データと前記パターンの概略のエッジ位置を表わす線のデータの供給を受け、正則な複素関数の実部または虚部のいずれかで与えられ、前記始点から前記概略のエッジ位置を表わす線上の少なくとも一点を通る曲線群を算出する演算手段と、
    前記曲線群のうちの少なくとも一本の曲線に沿って前記プローブを走査させるための制御信号を生成して前記プローブ走査装置に供給する制御手段と、
    を備えるパターン検査装置。
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