JP2004078200A - 入力機能付き液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】一定の間隔をもって離隔された一対の入力用電極を有する入力パネルをFSTN型の液晶セルに一体化させた反射型又は半透過反射型液晶表示素子において、入力パネル及び液晶セルを挟むように第1及び第2の偏光板を配置し、かつ光学的異方性高分子フィルムからなる位相差板を液晶セルの表面に密接させた。下側の偏光板の表面に半透過型反射板を配置し、かつその下にバックライトを設置した。
【効果】第1の偏光板によって、入力パネルに入射する光が少なくなるので、入力パネルと空気層との界面で、又は液晶セル表面により反射される光が減少し、更に液晶セルと位相差板との間に空気層が存在しないので、その一方のみを通過するような反射光による着色を防止でき、周囲光が暗い環境でもバックライトの明るさによって高いコントラストの良好な白黒表示が実現される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶セルに所謂タッチパネルを一体化した反射型又は半透過反射型液晶表示素子、及び該液晶表示素子を組み込んだ電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話機や電子手帳、パームトップ型コンピュータのような小型の携帯用情報端末装置には、表示手段として低消費電力・低電圧駆動の液晶表示素子が広く使用されている。また最近では、より一層小型化を図るために、液晶パネルの上にタッチパネルと称する入力機構を重ね合わせて一体化し、これを押圧し又はスタイラスペンを用いてデータを入力できる入力機能付き液晶表示素子が利用されている。このようなタッチパネルを備えた液晶表示素子は、全体の光透過率が減少して表示面が暗くなるため、例えば特開昭61−278926号公報に開示されるように、入力用のキーマトリックスを構成する下透明電極群及び上透明電極群を、液晶表示体の上面及びそれに対向する上偏光板の裏面にそれぞれ配設して、装置全体の厚さを薄くしかつ表示をより明るく見易くしている。また、特開昭63−308632号公報に開示される入力装置は、入力手段である座標検出器を液晶表示体の上下2枚の偏光板の間に配置して、座標検出器の保護フィルムを省略し、光透過性を向上させかつ全体の厚さを薄くしている。
【0003】
表示容量の大きいスーパーツイステッドネマチック(STN)型液晶表示素子では、表示用液晶セルの上に色調補償用液晶セルを重ねて2枚の偏光板の間に配置した2層型STN(DSTN)方式、又は例えば特公平3−50249号公報に記載されるように位相差板として光学的異方性高分子フィルムを用いたフィルム補償型STN(FSTN)方式により、入射偏光の複屈折効果により生じる着色を光学的に補償して、白黒表示を可能にしている。DSTN型液晶表示素子の場合には、タッチパネルを重ねることによって光透過率がより一層低下し、表示画面が暗くなるため、例えば特開平3−11514号公報に記載されるように、色調補償用液晶セルを構成する一対の透明基板の対向面にそれぞれに入力用電極を形成し、タッチパネルを兼用させることにより、光透過率を高くしている。また、FSTN型の場合には、特開平3−121523号公報に開示されるように、液晶セルとその表示側偏光板との間にタッチパネルを挟持し、該タッチパネルの偏光板側の透明基板を一軸延伸高分子フィルムからなる位相差板で形成して、コントラスト比を向上させかつ白黒表示を得る技術が提案されている。
【0004】
また、特開昭63−234315号公報に開示される入力表示装置は、タッチパネルの一方の基板を省略して液晶表示装置の上側電極基板で兼用し、かつ上側偏光板を省略してその機能をタッチパネルの対向する電極基板間に設けた電極絶縁層に付与することによって、装置全体の薄型化を図り、かつコントラストを改善している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に液晶表示素子は、周囲光の条件がコントラスト比に影響を与えることが知られており、表示面の反射光が強いと見易さが損なわれる。タッチパネルを備えた液晶表示素子では、タッチパネルを備えていない液晶表示素子に比して、反射によるコントラストの低下が著しい。特に反射型の液晶表示素子の場合には、その構造中に空気層があると、該空気層に接するガラス基板、フィルム等の表面からの反射光が、無視できない程度にまで大きくなり、コントラスト比が大幅に低下して表示が見づらくなるという問題がある。
【0006】
図3は、一般的な従来の入力機能を備えたFSTN型液晶表示素子の構成を示している。液晶セル1は、スペーサ2を介して離隔されかつそれぞれ対向面に透明電極3、4を形成した上下一対の透明電極基板5、6の間に液晶7が挟まれ、電極基板5、6の外側にはそれぞれ偏光板8、9が配置され、かつ、上側偏光板8と上側電極基板5との間には光学的異方性高分子フィルムからなる位相差板10が、下側偏光板9の下面には反射板11がそれぞれ設けられている。入力パネル12は、スペーサ13を介して僅かな距離で離隔された上下一対の透明基板14、15の対向面にそれぞれ透明電極16、17が形成され、上側基板14を押圧すると、上下の前記透明電極が互いに接続される。一般に液晶セル1の上側偏光板8と入力パネル12の下側基板15との間は、粘着材等により密着させることが好ましいが、実際には製造上困難であるため、ニュートンリングを発生しない程度の間隙をもって離隔されている。
【0007】
このような反射型液晶表示素子の場合、周囲光は、入力パネル12及び液晶セル1を通過する間に、透明基板14の表面、透明基板14と透明電極16との界面、透明電極16の表面、透明電極17の表面、透明電極17と透明基板15との界面、透明基板15の表面、上側偏光板8の表面、上側偏光板8と位相差板10との界面、位相差板10と透明基板5との界面、透明基板5と透明電極3との界面、透明電極3と液晶層7との界面、液晶層7と透明電極4との界面、透明電極4と透明基板6との界面、及び透明基板6と下側偏光板9との界面で反射する。この反射光は、表示光の有無に拘らず発生し、表示情報に応じて変調された表示光に重畳されてしまう。そのため、表示光の光量が変わらなくても、この反射光の光量が大きくなると、コントラスト比が低下してしまう。なかでも、透明基板14の表面、透明電極16の表面、透明電極17の表面、透明基板15の表面、及び上側偏光板8の表面は、通常空気層と接しており、その屈折率の差が大きいため、反射光が比較的強い。従って、第3図で示したような従来の入力機能付き液晶表示素子の場合、それらの反射光は、上側偏光板8によって実質的に入射光量の50%以下の光量に減衰する前の光を反射することになるため、コントラスト比を大きく低下させて、表示の見易さを悪化させるという問題がある。
【0008】
また、液晶セル1の上側電極基板5と位相差板10との間に空気層が存在する場合、該空気層に接する前記液晶セル表面で反射された光は、位相差板10を通過するが液晶セルを通過しないので、この反射光は着色する。そのため、上述した従来構造の液晶表示素子では、表示が本来の白黒表示でなくなるという問題がある。また、位相差板10を前記液晶セルの下側電極基板6と下側偏光板9との間に配置した場合にも、液晶セルの下側電極基板と位相差板との間に空気層が存在する場合、該空気層に接する位相差板の表面で反射された光は、液晶セルを通過するが位相差板を通過しないので、同様の問題が生じる。
【0009】
このような表面反射の問題に対して、特開平5−173707号公報に開示される手書き入力タブレットでは、光反射率の高い保護用ハードコーティングを透明タッチパネルの上面から省略し、その代わりに液晶表示素子の表示側偏光板を透明タッチパネル上面に配置し、かつその表面をノングレア処理することによって、外部光の反射による視認性の低下を抑制し、コントラスト比を高く保持している。また、特開平5−127822号公報の図1に開示されるタッチパネルは、液晶セルの前面に配置されるタッチパネル上に、位相差板(λ/4板)、偏光板及びノングレア処理した透明フィルムを積層し、該位相差板及び偏光板の作用により液晶セルの表面から反射される光量を小さくし、防眩性、コントラスト及び表示精度を高めている。この場合、液晶セル表面から反射される光量を小さくするためには、偏光板の偏光軸と位相差板の遅相軸とのなす角度を45度にする必要がある。その理由は、偏光板を通過した直線光がλ/4板を通過すると左回り又は右回りいずれかの円偏光になるが、その反射光は、入射した円偏光とは反対回りの円偏光になり、再びλ/4板を通過すると、入射の際とは振動方向が90度異なる直線偏光となり、その光は最初の偏光板で吸収され、外部には出射せず、反射光として目に入らないからである。
【0010】
ところが、同号公報の図1の液晶表示装置に、上から偏光板、位相差板、液晶セル及び偏光板からなる構造のFSTN型の液晶セルを用いた場合、タッチパネルを通過した円偏光が偏光板を通過すると、その光量は1/2になるので、表示が暗くなってしまうという問題が生じる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上述した従来技術の問題点に鑑み、FSTN型の液晶セルに入力パネルを一体化する場合に、入力パネル、液晶セル等による表面反射の影響を少なくして、十分なコントラストを得ることができ、それにより表示を見易くすると共に、より良好な白黒表示を可能にする高性能な入力機能付き液晶表示素子を提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、表示手段として入力機能付き液晶表示素子を搭載した電子機器において、コントラスト比の高い良好な白黒表示を実現し、それにより表示容量を拡大して、性能の向上を図ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明によれば、対向する一対の電極基板の間に液晶を挟持する液晶セルと、該液晶セルの表示面側及びその反対側にそれぞれ配置された第1及び第2の偏光板と、液晶セルの表面に密接させた位相差板と、第2の偏光板の外側に配置された反射板と、一定の間隔をもって離隔された一対の入力用電極を有する入力パネルとからなり、該入力パネルが、第1の偏光板と液晶セルとの間に配置されていることを特徴とする入力機能付き液晶表示素子が提供される。
【0014】
第1の偏光板を入力パネルの前面に配置したことによって、入力パネルを通過する光が少なくなるので、入力パネルにより又は入力パネルと液晶セルとの間に形成される空気層の存在によって液晶セルの表面により反射される光量が減少するので、高いコントラストの表示を得ることができる。更に、液晶セルと位相差板とを密接させたことによって、その一方のみを通過する反射光を実質的に無くすことができるので、該反射光による着色を有効に防止して、良好な白黒表示を実現することができる。
【0015】
入力パネルには、一定の間隔をもって離隔された一対の入力用電極基板の各対向面に入力用電極をそれぞれ設けた所謂タッチパネル型式のものや、透明電極基板の両面に入力用電極をそれぞれ形成し、スタイラスペン等で接触することにより座標を決定する型式のものを使用することができる。タッチパネル型式の場合、入力用電極基板の間に空気層が形成されるが、本発明によれば、該空気層の存在によって入力パネル内部から反射される光の量が少なくなるので、高コントラストの良好な表示が得られる。
【0016】
位相差板は、液晶セルの表示面側に配置すると好都合である。この場合、位相差板を通過した後、液晶セルを通過せずに反射される光量が少ないので、位相差板による着色を防止できる。
【0017】
また、位相差板は、液晶セルと下側偏光板との間に配置することができる。この場合には、液晶セルのみを通過する反射光による着色を防止することができる。
【0018】
或る実施例では、この液晶表示素子は、180度から360度の範囲でねじれ配向したネマチック液晶を用いた所謂FSTN型である。また、反射板を半透過性のものを用いてその裏側に光源を設け、半透過反射型に構成することもできる。
【0019】
位相差板には、光学的異方性高分子フィルムを使用することができ、該高分子フィルムが一軸延伸したものであると好都合である。このような光学的異方性フィルムには、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリオレフィン又はポリメチルメタアクリレートが使用される。また、ねじれ配向した液晶性高分子フィルムを位相差板に用いることができる。
【0020】
入力パネルは、そのリタデーション値が50nm以下であると好都合である。本発明では、入力パネルの外側に偏光板を配置したので、リタデーションを小さくすることによって着色が効果的に抑制される。
【0021】
また、第1の偏光板の表面がノングレア処理されていると、該表面における正反射を低減できるので、好都合である。
【0022】
また、本発明によれば、上述した入力機能付き液晶表示素子を表示手段として搭載した電子機器が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について添付図面を参照しつつその好適な実施例を用いて詳細に説明する。
第1図には、本発明による入力機能付き液晶表示素子の好適実施例の構成が概略的に示されている。FSTN方式の反射型である本実施例の液晶セル21は、スペーサ22を介して対向する一対の上側及び下側透明電極基板23、24からなり、その各対向面には、例えばITO膜からなる上側及び下側透明電極25、26がそれぞれ形成され、かつ前記電極基板の間には、180°〜360°の範囲でねじれ配向したネマチック液晶27が充填されている。上側透明電極基板23の上面には、光学的異方性高分子フィルムからなる位相差板28が、粘着材等の粘着層を介して密接に貼着されている。下側透明電極基板24の下面には、下側偏光板29及び反射板30が同様に粘着層を介して貼着されている。位相差板28には、例えばポリカーボネート、ポリサルホン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリオレフィン又はポリメチルメタアクリレート等の一軸性延伸フィルムが使用され、又はねじれ配向した液晶性高分子フィルムが使用される。
【0024】
本実施例の入力機構を構成する入力パネル31は、一対の上側及び下側透明電極基板32、33が、スペーサ34を介して対向するように配置され、前記電極基板の各対向面には、同様にITO膜等からなる上側及び下側透明電極35、36がそれぞれ形成されている。上側電極基板32の上面には、上側偏光板37が粘着層を介して貼着されている。上側及び下側電極35、36は、通常は接触しないように一定の空隙38をもって離隔されているが、上側偏光板37の上から上側電極基板32を押圧すると、互いに電気的に接続される。上側電極基板32には、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリオレフィン、ポリメチルメタアクリレート及びガラスが使用される。
【0025】
第2図は、第1図に示す本実施例の液晶表示素子における液晶分子の配向方向、位相差板28の遅相軸方向、上側及び下側偏光板37、29の偏光軸方向を示している。同図において、角度α、β、γは、それぞれ液晶セル21の下側電極基板24の内面に接する液晶分子の配向方向41に関して、位相差板28の遅相軸の方向42がなす角度、上側偏光板37の偏光軸方向43がなす角度、及び下側偏光板29の偏光軸方向44がなす角度である。角度θは、液晶セル21の上側電極基板23内面に接する液晶分子の配向方向45と下側電極基板24内面に接する液晶分子の配向方向41との間でねじれ配向している液晶27のねじれ角度である。尚、前記各角度は、反時計周りの方向を正とした。このねじれ角度θを、上述した180°〜360°の範囲内の角度で安定させることによって、良好なコントラストが得られる。
【0026】
本実施例によれば、上述したように構成することによって、入力パネル31に入射する光量が、その上に配置した上側偏光板37の光透過率に応じて減少しているので、入力パネルや液晶セルの表面による反射が少なくなる。一方、液晶セル21を通過する光量は、従来とほぼ同じであるから、上側偏光板37から出射される光は、明るさが従来より反射光が少なくなった分だけ低下するものの、逆にコントラスト比が大幅に改善されるので、表示が見易くなる。
【0027】
また、位相差板28を液晶セル21の上側電極基板表面に密着させたことによって、これらの間に空気層が形成されないので、位相差板を通過した後液晶セルを通過せずに反射される光の量が少ない。従って、本発明の液晶表示素子によれば、反射光の位相差板による着色を有効に防止することができ、より優れた白黒表示が得られる。
【0028】
本発明の別の実施例によれば、位相差板28は、液晶セルの下側電極基板24と下側偏光板29との間に配置することができる。このとき、前記位相差板、下側電極基板及び下側偏光板は、粘着材からなる粘着層を介して互いに密接に接着される。このように、液晶セルと位相差板とを、第1図の実施例と同様に、それらの間に空気層が存在せず、かつ入力パネル31と液晶セル21との間に形成される空気層に対して同じ側に配置することによって、位相差板又は液晶セルの表面反射による着色を防止することができる。
【0029】
また、上側偏光板37の表面にノングレア処理又はアンチリフレクション処理を施したり、アンチリフレクション処理したフィルムを貼着することにより、上側偏光板37表面による正反射の影響を低減させ、表示をより良好にすることができる。
【0030】
更に別の実施例によれば、反射板30を半透過性の反射板とし、かつその裏側又は側方に光源を設けることができる。これにより、周囲光が暗い場合には、バックライトを用いることによって、周囲が明るい場合と同様に、高コントラストの良好な白黒表示を得ることができる。
【0031】
また、上述した実施例では、入力パネル31に、入力用電極基板32、33をスペーサ34により一定の間隔で離隔し、指等で押圧することにより上下電極を接続する構造のものを使用したが、これと異なる構造のものを同様に使用することができる。例えば、透明絶縁基板の両面にそれぞれ電極を形成し、スタイラスペン等で接触した位置からの抵抗値、電圧値又は電流値によって座標を決定するようにした入力パネルでは、通常内部に空気層は存在しないが、該入力パネルと液晶セルとの位置関係によって、本発明を同様に適用することができる。
【0032】
また、本発明によれば、上述した各実施例の液晶表示装置は、携帯電話機、電子手帳、パームトップ型コンピュータ等の小型携帯用情報端末装置に表示手段として搭載することができる。この場合、高コントラスト比の見易い白黒表示が得られるので、その表示容量を従来より大きくすることができ、装置の使い易さ・性能の向上を図ることができる。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明による入力機能付き液晶表示素子の具体例として、実施例1〜実施例7について説明する。
【0034】
(実施例1)
第1図の液晶表示素子において、上側偏光板37に日東電工製偏光板NPF−G1225DUを、入力パネル31の上側電極基板32に厚さ100μm、リタデーション8nmのポリエーテルサルホン・フィルムを、入力パネル31の下側電極基板33に厚さ0.7mmのガラス板をそれぞれ用いた。上側偏光板は、粘着材で入力パネルの上側電極基板32の上に貼着した。位相差板28には、厚さ120μm、リタデーション600nmの一軸延伸したポリカーボネート・フィルムを用い、液晶セルの上側電極基板23上面に粘着材で貼着した。液晶セルの上側及び下側電極基板23、24には、それぞれ厚さ0.7mmのガラス板を用いた。下側偏光板29には、日東電工製の反射板付き偏光板NPF−F3225Mを用い、液晶セルの下側電極基板24下面に粘着材で貼着した。また、入力パネル31と液晶セル21との間は、適当な長さの幅3mm、高さ0.5mmのシリコンゴムをスペーサに用いて離隔した。
【0035】
第2図における各角度は、α=20度、β=170度、γ=50度、θ=240度に設定した。液晶27には、屈折率異方性Δnが0.132のネマチック液晶を用い、その層厚dが6.3μmとなるように液晶セル21に充填し、液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δn・dを0.83μmとした。また、液晶分子のねじれ角が240度で安定するように、適量の光学活性剤を添加した。
【0036】
この結果、電圧無印加時(オフ状態)に十分明るく、かつ電圧印加時(オン状態)に十分に暗くなる良好なコントラストの白黒表示が得られた。また、この実施例1について、デューティ比が1/240の時分割駆動した時のオン状態(暗い)とオフ状態(明るい)における明るさ及びコントラスト比(オフ状態の明るさ/オン状態の明るさ)を測定したところ、下記表1の結果が得られた。ここで、「明るさ」とは、標準白色板からの反射光を100としたとき、標準白色板に照射したのと同じ光を入力機能付き液晶表示素子に照射したときの反射光の強度を表す指数である。
【0037】
(実施例2)
実施例1と同様に構成したが、入力パネル31の上側電極基板32には、実施例1のポリエーテルサルホン・フィルムに代えて、厚さ120μm、リタデーション6nmのポリカーボネート・フィルムを用いた。点以外は、液晶表示素子を構成した。
【0038】
実施例1と同様に、デューティー比が1/240の時分割駆動した時のオン状態及びオフ状態における明るさとコントラスト比とを測定したところ、下記表1に示す結果が得られた。
【0039】
(比較例)
また、実施例1及び実施例2に対する比較例として、第3図に示す従来構造の入力機能付き液晶表示素子について、同様にデューティー比が1/240の時分割駆動した時のオン状態及びオフ状態における明るさとコントラスト比とを測定した。この測定結果は、実施例1及び実施例2と共に下記表1に示した。
【0040】
第3図の液晶表示素子において、上側偏光板8に日東電工製偏光板NPF−G1225DUを、入力パネル12の上側電極基板14に厚さ120μm、リタデーション1μm以上のポリエチレンテレフタレート・フィルムを、同じく下側電極基板15に厚さ0.7mmのガラス板を用いた。位相差板10には、厚さ120μm、リタデーション600nmの一軸延伸したポリカーボネート・フィルムを、液晶セル1の上側及び下側電極基板5、6には厚さ0.7mmのガラス板を、下側偏光板9には、日東電工製の反射板付き偏光板NPF−F3205Mを用いた。また、入力パネル12と液晶セル1の間は、適当な長さの幅3mm、高さ0.5mmのシリコンゴムをスペーサに用いて離隔した。
【0041】
比較例の液晶表示素子も、第2図に定義されるように液晶分子の配向方向、位相差板の遅相軸の方向及び偏光板の偏光軸方向を表すことができ、各角度をα=20度、β=170度、γ=50度、θ=240度とした。液晶7には、屈折率異方性Δnが0.132のネマチック液晶を用い、その層厚dが6.3μmとなるように液晶セルに充填し、液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dの積Δn・dを0.83μmとした。また、液晶分子のねじれ角が240度で安定するように、適量の光学活性剤を添加した。この結果、電圧無印加時に明るく、かつ電圧印加時に暗くなる液晶表示が得られた。
【0042】
【表1】
Figure 2004078200
【0043】
上記表1から、実施例1と比較例を比較して分かるように、実施例1は、オフ状態の明るさが比較例よりやや小さいが、コントラスト比が大幅に向上している。実施例2の場合も同様に、明らかにコントラスト比が比較例より大幅に向上しており、しかも実施例1より更に良好になっている。
【0044】
これは、比較例に用いた従来の入力機能装置付き液晶表示素子では、液晶セルの表面や入力パネルによる反射光が強いからである。この反射光が、液晶表示素子のオフ状態及びオン状態の両方で表示に重なるために、オフ状態の明るさはその分明るくなるが、コントラスト比が低下して表示品質を低下させている。一方、実施例1及び実施例2では、入力パネルの上側に偏光板を配置したことにより、液晶セル表面や入力パネルによる反射光が従来よりも小さくなったため、オフ状態の明るさは比較例より小さいが、液晶セルへ入射する光量は変わらないので、比較例よりも反射光が少なくなった分だけコントラストが改善され、表示が見易くなっているからである。
【0045】
また、実施例1及び実施例2双方において、着色の無い良好な白黒表示が得られることが確認された。これは、上述したように液晶セル表面からの反射光が少ないので、位相差板は通過するが液晶セルを通過しない光の量が大幅に少くなったからである。
【0046】
(実施例3)
実施例1と同様に、上側偏光板37に日東電工製偏光板NPF−G1225DUを、入力パネルの上側電極基板32に厚さ100μm、リタデーション8nmのポリエーテルサルホン・フィルムを、同じく下側電極基板33に厚さ0.7mmのガラス板をそれぞれ用いた。液晶セルの上側及び下側電極基板23、24には、厚さ0.7mmのガラス板を、下側偏光板29には、日東電工製の反射板付き偏光板NPF−F3225Mを用いた。位相差板28は、厚さ120μm、リタデーション600nmの一軸延伸したポリカーボネート・フィルムを用いたが、実施例1と異なり、液晶セルの下側電極基板24と下側偏光板29との間に配置した。前記液晶セル、位相差板、下側偏光板はそれぞれ粘着材で貼着した。また、入力パネル31と液晶セル21の間は、同様に適当な長さの幅3mm、高さ0.5mmのシリコンゴムをスペーサに用いて離隔した。
【0047】
第2図における各角度は、α=100度、β=70度、γ=130度、θ=240度とした。屈折率異方性Δnが0.132のネマチック液晶を用い、その層厚dが6.3μmとなるように液晶セル21に充填し、屈折率異方性Δnと層厚dの積Δn・dを0.83μmとした。また、液晶分子のねじれ角が240度で安定するように、適量の光学活性剤を添加した。
【0048】
この結果、実施例1、2と同様に、電圧無印加時に明るくかつ電圧印加時に暗くなる液晶表示において、従来より高コントラストの良好な白黒表示が得られた。
【0049】
(実施例4)
実施例1と同様に構成したが、一軸延伸したポリカーボネートフィルムに代えて、ねじれ配向したアクリル系液晶性高分子フィルムを位相差板28に用いた。この液晶性高分子の屈折率異方性Δnと液晶性高分子層厚dとの積Δ・dを0.72μmとし、液晶性高分子のねじれ角を150度、ねじれの向きを液晶セル21の液晶とは反対方向にした。図2における前記各角度は、位相差板の遅相軸の方向42を前記位相差板の液晶セルに接する側の液晶性高分子の光軸の方向として、α=60度、β=75度、γ=45度、θ=220度とした。
【0050】
この場合にも、前記各実施例と同様に、電圧無印印加時に明るく電圧印加時に暗くなる液晶表示において、従来よりコントラスト比が向上し、良好な白黒表示が得られた。
【0051】
(実施例5)
実施例1乃至実施例4と同様に構成したが、上側偏光板37に、その表面をノングレア処理した日東電工製偏光板NPF−G1225DUAG30を用いた。この結果、上側偏光板表面での正反射による像の映り込みが無くなり、表示がより一層見易くなった。
【0052】
また、通常の上側偏光板37の表面にアンチリフレクション処理を施したり、アンチリフレクション処理したフィルムを貼着した場合にも、同様に像の映り込みを小さくすることができた。
【0053】
(実施例6)
実施例1乃至実施例5と同様に構成したが、下側偏光板29に、日東電工製の半透過型反射板付き偏光板NPF−F4205P3を用い、かつその下にバックライトを設置した。この結果、周囲光が暗い環境において、バックライトを点灯することによって十分な明るさと良好なコントラスト比とが得られ、周囲光が明るい場合と同様に優れた白黒表示が得られた。
【0054】
(実施例7)
実施例1乃至実施例6の液晶表示素子を電子手帳や携帯電話の表示装置して搭載したところ、高コントラスト比の見易い白黒表示を得ることができた。また、従来に比してコントラスト比が高いことから、表示容量を従来よりも大きくすることができ、従来より多くの情報を表示できることから、従来より携帯用電子機器の性能を向上させ、使い易くすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による入力機能付き液晶表示素子の好適な実施例を示す断面図である。
【図2】第1図示の実施例における液晶分子の配向方向、位相差板の遅相軸の方向、偏光板の偏光軸の方向を示す説明図である。
【図3】従来の入力機能付き液晶表示素子の構造を示す断面図である。

Claims (1)

  1. 対向する内面に電極を有する一対の基板間にねじれ配向したネマチック液晶を挟持してなる液晶セルと、少なくとも一層の光学的異方性高分子フィルムと、対向する内面に電極を有する一対の基板からなる入力装置と、一対の偏光板とを有し、前記一対の偏光板の間に前記液晶セルと前記光学的異方性高分子フィルムと前記入力装置とが配置されてなる入力機能付き液晶表示素子において、
    前記一対の偏光板のうち下側に配置される偏光板の表面には半透過反射板が配置され、更にその下にバックライトが設置されていることを特徴とする入力機能付き液晶表示素子。
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