JP2004077965A - 印刷複合パネルおよび遊技装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】資源の再利用性、意匠性、コスト競争力、機械的強度の各々またはその組合せに優れた印刷複合パネルを提供する。
【解決手段】その外周下部に鍵型爪部11aを有するフレーム11と薄板上に印刷が施された印刷パネル12と印刷パネル12の機械的強度を補強する補強パネル13とで印刷複合パネル10を構成する。補強パネル13の上部には戻り防止用の突起が形成された突起爪14を有する。フレーム11、印刷パネル12および補強パネル13はネジ15で相互に固定され、鍵型爪部11aと突起爪14とで被装着体に装着される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷複合パネルおよびそれを適用した遊技装置に関する。特に、印刷複合パネルの一部部材の再利用あるいは一部部材の資源としての有効活用に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチスロあるいはパチンコ等の遊技装置の前面には、印刷パネルが備えられる。印刷パネルには通常複数の色合いの画像パターンが重ねて印刷されており、意匠を凝らした図案として遊技者への訴求効果を高める。印刷パネルは、バックライトを備えることによる照明効果とあいまって遊技者にゲームの楽しみを演出する遊技装置の不可欠な構成部材である。
【0003】
図11は、一般的な印刷パネルを例示した分解斜視図である。印刷パネル80はフレーム81とパネル部材82とで構成される。フレーム81およびパネル部材82は、たとえばプラスチックで構成され、パネル部材82の表面には印刷が施される。パネル部材82はたとえば5mm程度の厚さを持つ透明プラスチックである。パネル部材82を透明にするのはバックライトを併用した場合に印刷色が鮮明に浮き出ることを意図したものである。パネル部材82には、透明度が高く、適度な強度が必要なため、アクリル樹脂等が好適に利用される。
【0004】
フレーム81は、遊技装置等の被装着体にパネル部材82を固定する機能を持つ。フレーム81には、たとえばかぎ型爪部81aと戻り防止用の突起を有する突起爪部81bを有する。これら鍵型爪部81aおよび突起爪部81bに適合する開口(スリット)を被装着体に形成しておき、その開口に各々の爪部を挿入および引っ掛けることによってフレーム81を被装着体に固定する。パネル部材82はフレーム81と被装着体との間に挟んで配置し、パネル部材82を含めて被装着体に印刷パネル80を固定装着する。なお、フレーム81はその意匠効果を高めるため、表面に金属メッキが施される場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の印刷パネル80には以下のような問題がある。すなわち、印刷パネル80の意匠を変更しようとするとき、パネル部材82を交換することになる。交換した後のパネル部材82を原料資源として再利用しようとしてもその表面に印刷が施されているため再利用は容易ではない。パネル部材82を原料資源として再利用するためには印刷された材料を剥離する必要があり、このような剥離作業は一般に困難でかつコストが高くなってしまう。結局パネル部材82の再利用は燃焼させることによる熱源としての利用程度に制限されてしまう。
【0006】
また、パネル部材82の固定はその外周部をフレーム81で押さえることによって行われるのである程度の機械的強度が必要である。このためパネル部材82を強度維持に必要な厚さより薄くすることはできず、資源有効利用の観点からも好ましくない。さらに、パネル部材82にある程度の厚さが必要なことに起因して、パネル部材82の材料として透明度の高い材料を用いる必要性が生じる。透明度が高くまた機械的強度を満足する材料は一般に高価であり、コスト競争力に劣るという問題がある。
【0007】
また、印刷パネル80の意匠性を高めるため、パネル全体を湾曲させたいような場合がある。しかし、前記のとおりパネル部材82にはある程度の強度が要求されるからパネル全体を湾曲させたいという要求に反する。無理に湾曲させるようなストレスをパネル部材82に加えると、パネル部材82の強度が低下し印刷面に甚大な影響を及ぼす懸念もある。予めパネル部材82を湾曲させて形成するという手段も考え得るが、この場合湾曲面に印刷を施す必要があり印刷が困難になる。
【0008】
また、パネル部材82の交換の際には、フレーム81の突起爪部81bをある程度曲げて被装着体から取り外す必要がある。しかし、前記の通りフレーム81にはその表面に金属メッキが施される場合が多いので、このような場合フレーム81の可撓性が低下し、取り外し(突起爪部81bの曲げ)が困難になり易い。無理に曲げた場合にはメッキされた金属箔が剥がれる場合もあり、意匠性を損なうばかりか、剥離した金属箔によって操作者の指に負傷を負わせる可能性もある。
【0009】
本発明の目的は、資源の再利用性、意匠性、コスト競争力、機械的強度の各々またはその組合せに優れた印刷複合パネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明の構成その他を説明する。前記課題を解決するため、本発明は以下のような構成を有する。すなわち、第1発明の印刷複合パネルは、フレームと、可撓性の印刷パネルと、補強パネルとを有する印刷複合パネルであって、前記補強パネルは、その表面が湾曲面で構成されるものであり、前記フレームは、前記印刷パネルを前記補強パネルに沿わせるものである。
【0011】
このような印刷複合パネルによれば、印刷表面を湾曲させる意匠を表現でき、意匠性を高めることが可能になる。なお、このような湾曲した意匠が実現できるのは、従来の印刷パネルを補強パネルと印刷パネル(パネル部材)に分離したことに起因する。つまり機械的強度の機能は補強パネルに担わせて印刷パネルを従来より薄く構成することが可能となったためである。印刷パネルを薄くできるためパネルは可撓性を有し、印刷工程では平面であったものが印刷複合パネルとして装着されるときには補強パネルの表面の湾曲面に沿って湾曲させることができる。印刷パネルは薄いためこのような湾曲を加えてもそのストレスは小さく機械的強度を低下させることはない。そもそも印刷パネルには機械的強度が要求されないので問題が生じない。また、印刷部分への曲げによる影響も限定的である。
【0012】
ここで、「フレーム」とは印刷パネルを補強パネルに押し付けるとともに被装着体に装着するための枠体である。「印刷パネル」は従来技術で説明したパネル部材82に相当する。ただし前記のとおり従来のパネル部材より薄く、またその機能として機械的強度が要求されない。「補強パネル」とは印刷パネルに沿って配置される印刷複合パネルの部材であり印刷パネルに機械的強度を与える補助部材である。「印刷パネルの表面」とは印刷複合パネルの前面側の表面をいう。「湾曲面」とは円筒面のように一定の曲率半径で曲面が構成されている場合や楕円柱面のように所定の計算式で曲率が変化する曲面を含む。ただし、滑らかな曲面で表面が構成され、印刷パネルへの機械的な強度を付与できるものであれば特に限定されない。曲面の一部に凹部が形成されたような場合や凹凸面であっても印刷パネルへの機械的な強度を損なうものでなければ湾曲面に含む。「前記印刷パネルを前記補強パネルに沿わせる」とは、印刷パネルの外周を押さえる等の手段により印刷パネルを補強パネルに沿わせることをいう。印刷パネルが前記補強パネルに沿う手段である限り印刷パネルの外周を押させる場合に限らず、どのような手段でも良い。また、「補強パネルに沿う」とは全面が沿うことを要求するものではない。一部しか沿っていない場合であっても、補強パネルが印刷パネルの強度を補強する限り「沿う」の概念に含める。
【0013】
第2発明の印刷複合パネルは、フレームと、印刷パネルと、補強パネルとを有する印刷複合パネルであって、前記補強パネルは、強度増強構造を含む印刷複合パネルである。このような印刷複合パネルによれば、補強パネルに強度補強構造を含むため少ない材料で所定の強度が得られ、コスト競争力のある印刷複合パネルを実現できる。ここで「強度増強構造」とは平面あるいは湾曲面に強度を付与するような機械的構造をいう。たとえばリブを含む構造、格子構造、ハニカム構造等を例示できる。
【0014】
第3発明の印刷複合パネルは、フレームと、印刷パネルと、補強パネルとを有する印刷複合パネルであって、前記補強パネルは、その周辺部に接続用の突起部を有するものである。また、この場合フレームに金属メッキが施されたものであっても良い。このような印刷複合パネルでは被装着体に装着するための突起部(たとえば従来技術で述べた突起爪部81b)をフレームではなく補強パネルに有する。このため、接続用の突起部はフレームから分離されフレームに金属メッキを施したとしても印刷複合パネルを取り外す際には金属メッキされた部分を曲げる必要がない。この結果、印刷複合パネルの被装着体からの取り外しが簡単になり、かつ金属メッキがされている場合でもその剥がれを気にする必要がない。なお、「接続用の突起部」は前記した通りであるが、例示した突起爪部81bのような構造には限られないことは勿論である。
【0015】
第4発明の印刷複合パネルは、フレームと、印刷パネルと、補強パネルとを有する印刷複合パネルであって、前記補強パネルは、光散乱構造を備えたものまたは非透明物質からなるものである。このような印刷複合パネルによれば、補強パネルを均一な面光源として作用させることができる。また、被透過物質とすることにより印刷パネルの背景色を白色にすることが可能となり印刷パネルへの印刷色から白色を省略することが可能となる。なお、従来の印刷パネルでは、チヂミ印刷と称される特殊な印刷手法が採用される場合があった。このチヂミ印刷とは印刷面に縮み様の凹凸を与えて光を散乱させる作用が存在する。本発明において補強パネルに光散乱構造を備えることによって従来のチヂミ印刷と同様の光散乱作用を与えることが可能となるため、チヂミ印刷を省略することも可能となる。
【0016】
なお、「非透明物質」とは本明細書において、波長555nmの光(緑色)を用いた垂直入射条件において反射を含む光透過率の測定した場合に、その透過率が90%以下である物質をいう。また、「光散乱構造」としては、前記補強パネル表面または裏面の凹凸構造、レンズカット構造、または、前記補強パネル内部の気泡、異種物質その他の前記補強パネルを構成する物質とは屈折率の相違する物質をランダムに配置した構造、を例示できる。
【0017】
第5発明の印刷複合パネルは、フレームと、印刷パネルと、補強パネルとを有する印刷複合パネルであって、前記フレームは前記補強パネルの周辺部に重なる開口部を備え、前記補強パネルの前記開口部に重なる部位に着色が施されているものである。このような印刷複合パネルによれば前記開口部にイルミネーション的な効果を与えて被装着体全体の意匠性を高めることができる。なお、ここで「補強パネルの周辺部」とは、補強パネルを正面から見た場合の上下左右の周辺を言うが、特に印刷パネルがその間に挟まれていないフレームと補強パネルとが直接接するあるいは離間して相対する領域をいう。たとえばフレームが印刷複合パネルの上下面あるいは側面に回り込んで形成されているような場合、このような回り込みの部分が該当する。また「着色」とは補強パネルを構成する材料の全体あるいは開口部に該当する部分の材料に着色を施す場合のほか、開口部に該当する部分にカラーフィルム等の着色部材あるいは塗料等の着色材料を貼付または塗布する場合を含む。
【0018】
なお、前記第1〜第5の印刷複合パネルにおいて、前記印刷パネルは、透明板に印刷が施されたものである第1の構成、透明板に印刷が施された印刷フィルムを貼り付けた第2の構成、または、第1透明板および第2透明板で単数または複数の印刷フィルムを挟んだ構造である第3の構成、の何れかの構造とすることができる。また、これら印刷複合パネルは特に遊技装置に適用して好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。なお、実施の形態の全体を通して同じ要素には同じ番号を付するものとする。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である印刷複合パネルの一例を示した分解斜視図である。本実施の形態の印刷複合パネル10はフレーム11、印刷パネル12、補強パネル13を有する。
【0021】
フレーム11はその中心に印刷面が見えるように開口を有し、周辺で印刷パネル12を押さえるようにした枠構造である。フレーム11の底部には被装着体に固着するための鍵型爪11aが形成されている。フレーム11はプラスチック等の樹脂で構成され、その表面には意匠性を高める金属メッキが施される。
【0022】
印刷パネル12は、その表面に印刷が施されるパネル部材である。印刷パネル12は通常透明度の高いアクリルやポリカーボネート等の比較的高価なプラスチックで構成されるが、本実施の形態では強度補強のための補強パネル13が存在する。このため、印刷パネル12の厚さを薄くすることができる。また印刷パネル12を薄くできるため高価なアクリルを用いる必要がなく、透明度の低い安価な材料を採用できる。たとえばポリエチレン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル等を薄く構成してある程度の光透過率が確保できる場合にはこれを採用しても良い。また、印刷パネル12は薄く出来るため透過率は低いが耐衝撃性に優れるような材料を採用できる。印刷パネル12の厚さは材料に依存するものの1mm程度あるいはそれ以下まで薄くすることが可能である。仮に印刷パネル12を交換した場合であっても燃焼用材料として処分する材料の量が少なく、環境問題に対する適応性が高い。
【0023】
補強パネル13は、印刷パネル12を機械的に補強する部材である。補強パネルには印刷パネル12が交換される場合であっても続けて利用することが可能である。よって補強パネル13には比較的高価な材料の使用が許容される。たとえばアクリル、ポリカーボネート等透過率および機械的強度に優れる材料を用いることができる。一方、補強パネル13は完全な透明にする必要がないので安価な材料を用いることも可能である。たとえばポリスチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂等が使用できる。また、補強パネル13の設計においては光透過率の要件が緩和されるので耐衝撃性の強い材料を選択できる。このため補強パネル13をより薄く構成することができる。逆に肉厚にして材料的な強度を増加させたい場合には、材料樹脂内にガスや発泡剤を導入し、使用材料を少なくするとともに折り曲げ等に対する強度を増すことができる。また、補強パネル13には印刷やメッキが施されない。このため仮に印刷複合パネル10の全体が使用されなくなっても補強パネル13を原料資源として再生利用することが可能である。なお、補強パネル13は印刷パネル12を補強する機能を主眼とするが、フレーム11の補強をも兼ねることが可能である。
【0024】
このように本実施の形態の印刷複合パネルでは印刷が施される印刷パネル12とそれを機械的に補強する補強パネル13とに分離したので、それらをリサイクルする場合、より環境に良いとされる原料資源としてのリサイクルに回す割合が高くなっている。このため環境問題適応性に優れた印刷複合パネルを実現できる。
【0025】
ところで、補強パネル13の上部には被装着体に固着するための突起爪14が形成されている。従来突起爪はフレームに形成されていたためフレームに金属メッキされると同時に突起爪にも金属メッキが施されていた。しかし、本実施の形態では突起爪14には金属メッキが施されないので、爪部に金属メッキされることに起因する問題が回避できる。
【0026】
上記したフレーム11、印刷パネル12および補強パネル13はネジ15によって相互に固定され組み立てられる。なお、図中ネジは1箇所にのみ示した。他にも3箇所程度ネジ止めされるが図示を省略している。
【0027】
図2は組み立てられた状態の印刷複合パネル10を示した断面図である。バックライト16を備えることにより印刷パネル12に印刷された図柄が鮮明に表示される。なお、印刷パネル12への印刷面は補強パネル13の側とすることにより印刷パネル12によって印刷面を保護し傷等の発生による意匠性の低下を防止できる。
【0028】
図3は、パチスロ遊技装置に本実施の形態の印刷複合パネルを適用した例を示す正面図である。パチスロ遊技装置1の下側正面に印刷複合パネル10をはめ込んで適用できる。
【0029】
(実施の形態2)
本実施の形態では実施の形態1における補強パネル13の変更例を説明する。図4は、本発明の印刷複合パネルに適用可能な補強パネルの他の例を示した斜視図および一部断面図である。図4において右側は斜視図であり、左側は前記斜視図における上部部分の一部断面図である。
【0030】
本実施の形態の補強パネル23は、正面側に平面パネル部分を有し、裏面側にリブ23aを有する。補強パネル23の上部には突起爪14同様の爪24が形成されている。リブ23aは補強パネル23の強度を補強する構造であり、リブ23aを含めた厚さと同じ肉厚の平面パネルと同程度の強度を実現できる。このような補強パネル23によれば、所定の強度をより少ない材料で実現することが可能である。これにより材料費が少なくて済むとともに、資源を節約する効果もある。
【0031】
なお、図4に示す例では格子状のリブ23aを例示したが、直線状のリブであっても良い。また、図4の例では平面パネルにリブが形成された例を示したが、リブに相当する構造(たとえば格子やハニカム構造)が実質的に平面を構成する場合には、平面パネルは必須ではない。すなわち平面パネルのない強度補強構造(格子やハニカム等)のみによって補強パネルを構成できる。
【0032】
(実施の形態3)
本実施の形態では実施の形態1における補強パネルのさらに他の変更例を説明する。図5(a)は本発明の印刷複合パネルに適用可能な補強パネルのさらに他の例を示した部分平面図および一部断面図である。
【0033】
本実施の形態の補強パネル33は、その外形については実施の形態1の補強パネル13と同様である。図5(a)の左側に示すのは補強パネル33の平面パネル部分の表面(または裏面)を示した平面図である。また、図5(a)の右側に示すのは同図左側平面図のA−A線断面図である。図示するように補強パネルの平面パネル部分には半円形の凹凸33a(所謂レンズカット)が形成されている。このような凹凸33aは補強パネル33を透過する光を散乱させる効果がある。バックライトとして点光源あるいは線光源を用いる場合、印刷パネル部分での光の照度は場所による分布を有する。本実施の形態の補強パネル33の凹凸33aは、光散乱によってこれら照度の分布を緩和し、印刷パネル面における照度をより面光源に近い照度分布に近づける効果がある。これにより印刷パネルを均一に照らしてその意匠性を高めることが可能になる。
【0034】
なお、光散乱を利用した照度分布の均一化は図5(b)に示すような、所謂ダイヤカットによっても実現できる。図5(b)の左側に示すのは補強パネル43の平面パネル部分にダイヤカットを施した場合の平面図である。図5(b)の右側に示すのは同図左側平面図のB−B線断面図である。図示するように補強パネルの平面パネル部分にはダイヤ状の凹凸43aが形成されている。このような構造でも前記同様の効果が得られる。
【0035】
また、前記図示により例示した構造に限らず、任意の表面凹凸構造によって光散乱を生じさせることが可能である。さらに、補強パネル内部の気泡、補強パネルを構成する物質とは屈折率の相違する異種物質を内部に有する構造によっても同様の効果を得ることが可能である。
【0036】
なお、光散乱とは別の物理現象ではあるが、光透過率を制限することによっても類似した効果が期待できる。すなわち補強パネルを半透明物質あるいは非透明物質で構成すれば、点光源あるいは面光源の照度分布を緩和できる。ここで非透明物質としては白濁したプラスチック(白色プラスチック)等を例示できる。白色プラスチックを用いる場合には、印刷パネルの白色印刷を省略することが可能になるという加重した効果を得ることができる。ところで本明細書では前記したとおり非透明物質を次のように定義する。垂直入射の波長555nmの光を用いて物質の反射を含む光透過率を測定した場合その透過光強度が入射光強度の90%以下である場合にその物質を非透明物質と定義する。
【0037】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1で例示した印刷複合パネル10よりも意匠性の高い印刷複合パネルを例示する。図6は本発明のさらに他の実施の形態である印刷複合パネルの一例を示した分解斜視図および断面図である。
【0038】
本実施の形態4の印刷複合パネル50は、フレーム51、印刷パネル52、補強パネル53を有する。印刷パネル52は実施の形態1の印刷パネル12と同様である。本実施の形態の補強パネル53はその前面53aが図示するように湾曲している。そして、フレーム51の周辺部(印刷パネル52を押さえる部分)も補強パネル53に適合するように湾曲させている。なお、補強パネル53は実施の形態1の突起爪部14と同様の突起爪部54を有する。
【0039】
このように補強パネル53の前面およびフレーム51の外周部を湾曲させるため、平面状の印刷パネル52を補強パネル53の前面およびフレーム51に合わせて湾曲させることができる。このように印刷パネル52の湾曲が可能なのは印刷パネルを薄く構成できるためであり、このような湾曲によって印刷複合パネル50の意匠性を高めることが可能になる。なお、印刷パネル52は自然状態では平面であり印刷複合パネルに組み込んだ後に湾曲させるため、印刷工程におけるデメリットは無く湾曲による意匠性を得ることができる。また本実施の形態では印刷パネル52はそもそも薄く構成されているので、湾曲によるストレスは少ない。一般にストレスを加えた状態のプラスチックは耐薬品性等に劣る場合が多いが、本実施の形態の印刷パネル52ではストレスが小さい。このため印刷パネル52が洗浄液等薬品を含む液体で払拭等される場合でも薬品によって劣化することが少なく、耐薬品性に優れる印刷複合パネルを構成できるといえる。補強パネル53には印刷は施されないので補強パネル53は湾曲した形成品として制作が可能である。
【0040】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
【0041】
たとえば、前記した突起爪を補強パネルに有さない(つまり従来どおりフレームに突起爪を形成する)構成を前記実施の形態の各々に適用することが可能である。このような場合には突起爪の曲げ容易性が得られず、フレームに金属メッキが施された場合のデメリットが残存するがその他の効果は得られる。
【0042】
また、前記した実施の形態2のリブ等補強構造を実施の形態3や実施の形態4の構成に適用することが可能である。さらに、実施の形態2のリブ等補強構造あるいは実施の形態3の光拡散構造または非透過物質の構成を実施の形態5の構成に適用することが可能である。
【0043】
また、上記実施の形態では何れも補強パネルによって印刷複合パネルの機械的な強度が担保される。よって、図7に示すように、補強パネル63の下部等にL字部(断面としてみた場合にL字型に見える部分)を形成し、この部分に該当するフレーム61に開口64を設け、この開口64に該当する補強パネル63の部位に着色等の付加的な工夫を施すことが可能である。このような付加的な工夫を行えば、たとえば図3に示すパチスロ遊技装置に図7に示す印刷複合パネルを適用した場合メダル払出口に着色した光を照射し、イルミネーション的な演出効果を発生することができる。なお、開口は下部のみならず上部、左右部(側辺部)に形成することも可能である。また、開口に該当する補強パネルの部位はL字型である必要は無く、図8に示すように、開口67に該当する補強パネル66の部位を斜め下方に伸ばしたような形状にすることが出来る。さらに、図9に示すように開口70を前面に形成することも可能である。
【0044】
また、前記した実施の形態では印刷パネルとして1枚板のパネルを例示した。しかし、印刷パネルとして2枚の板とこの2枚の板に挟んで配置される印刷フィルムの複合物を適用することも可能である。印刷フィルムを用いる場合には、たとえばフィルムを複数枚で構成し、1枚のフィルムには何も印刷されていない透明な領域を形成しておき、この透明領域に相当する部分だけ印刷された別のフィルムを重ねて適用することができる。このように複数枚のフィルムで印刷領域の全体が構成されるようにしておけば、適宜特定の印刷フィルムを取り換えて場所、時間、状況に応じた印刷複合パネルの意匠に変更できる。さらに、透明パネルに印刷フィルムを貼付して印刷パネルとすることもできる。
【0045】
また、前記した印刷複合パネルはパチスロ遊技装置以外の遊技装置に適用することができるのは勿論であり、さらに、図10に示すような自動販売機75等各種の被装着体に適用できることは言うまでもない。
【0046】
なお、前記実施の形態では、鍵型爪部11aがフレームに形成されている例を説明したが、鍵型爪部は補強パネルの下部に形成されても良い。また、突起爪部および鍵型爪部は各々補強パネルの上部およびフレームまたは補強パネルの下部に形成される必要はなく、側辺部に形成されても良い。また、鍵型爪部と突起爪部とを入れ替えても良く、全ての爪部を突起爪部としても良い。
【発明の効果】
本発明によれば、資源の再利用性、意匠性、コスト競争力、機械的強度の各々またはその組合せに優れた印刷複合パネルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である印刷複合パネルの一例を示した分解斜視図である。
【図2】組み立てられた状態の印刷複合パネル10を示した断面図である。
【図3】パチスロ遊技装置に本発明の一実施の形態である印刷複合パネルを適用した例を示す正面図である。
【図4】本発明の印刷複合パネルに適用可能な補強パネルの他の例を示した斜視図および一部断面図である。
【図5】(a)および(b)は本発明の印刷複合パネルに適用可能な補強パネルのさらに他の例を示した部分平面図および一部断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態である印刷複合パネルの一例を示した分解斜視図および断面図である。
【図7】本発明の印刷複合パネルの他の例を示した断面図である。
【図8】本発明の印刷複合パネルのさらに他の例を示した断面図である。
【図9】本発明の印刷複合パネルのさらに他の例を示した断面図である。
【図10】自動販売機に本発明の印刷複合パネルを適用した例を示した斜視図である。
【図11】一般的な印刷パネルを例示した分解斜視図である。
【符号の説明】
1…パチスロ遊技装置、10,50…印刷複合パネル、11,51,61,65,68…フレーム、11a…鍵型爪(鍵型爪部)、12,52,62…印刷パネル、13,23,43,53,63,66,69…補強パネル、14,24,54…突起爪(突起爪部)、15…ネジ、16…バックライト、23a…リブ、33a,43a…凹凸、53a…前面、64,67,70…開口、75…自動販売機、80…印刷パネル、81…フレーム、81a…鍵型爪部、81b…突起爪部、82…パネル部材。

Claims (9)

  1. フレームと、可撓性の印刷パネルと、補強パネルとを有する印刷複合パネルであって、
    前記補強パネルは、その表面が湾曲面で構成されるものであり、前記フレームは、前記印刷パネルを前記補強パネルに沿わせるものである印刷複合パネル。
  2. フレームと、印刷パネルと、補強パネルとを有する印刷複合パネルであって、
    前記補強パネルは、強度増強構造を含む印刷複合パネル。
  3. フレームと、印刷パネルと、補強パネルとを有する印刷複合パネルであって、
    前記補強パネルは、その周辺部に接続用の突起部を有するものである印刷複合パネル。
  4. 前記フレームは、金属メッキされたものである請求項3記載の印刷複合パネル。
  5. フレームと、印刷パネルと、補強パネルとを有する印刷複合パネルであって、
    前記補強パネルは、光散乱構造を備えたものまたは非透明物質からなるものである印刷複合パネル。
  6. 前記光散乱構造は、前記補強パネル表面または裏面の凹凸構造、レンズカット構造、または、前記補強パネル内部の気泡、異種物質その他の前記補強パネルを構成する物質とは屈折率の相違する物質をランダムに配置した構造、である請求項5記載の印刷複合パネル。
  7. フレームと、印刷パネルと、補強パネルとを有する印刷複合パネルであって、
    前記フレームは前記補強パネルの周辺部に重なる開口部を備え、
    前記補強パネルの前記開口部に重なる部位に着色が施されている印刷複合パネル。
  8. 前記印刷パネルは、透明板に印刷が施されたものである第1の構成、透明板に印刷が施された印刷フィルムを貼り付けた第2の構成、または、第1透明板および第2透明板で単数または複数の印刷フィルムを挟んだ構造である第3の構成、の何れかの構成である請求項1〜7の何れか一項に記載の印刷複合パネル。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載の印刷複合パネルを備えた遊技装置。
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