JP2004077906A - 光走査方法および光走査装置並びに該光走査装置を用いた変位測定装置 - Google Patents
光走査方法および光走査装置並びに該光走査装置を用いた変位測定装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】走査対象範囲を連続的に走査する。
【解決手段】光の進む方向を変えるポリゴンミラー4と、ハーフミラー32Aおよびミラー32Bによってポリゴンミラー4に対して入射角が異なる複数のビームα,βを出射する光源部3と、複数のビームα,βがポリゴンミラー4によりそれぞれ偏向されて所望の走査対象範囲Hを連続的に走査するように、複数のビームα,βを平行になるように収束させるレンズ5とを備える。これにより、ポリゴンミラー4によって偏向される一走査分の偏向動作中で一方ビームβが走査対象範囲Hから外れるときに他方のビームαが走査対象範囲H内で走査されるので、走査対象範囲Hを連続的に走査させることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】光の進む方向を変えるポリゴンミラー4と、ハーフミラー32Aおよびミラー32Bによってポリゴンミラー4に対して入射角が異なる複数のビームα,βを出射する光源部3と、複数のビームα,βがポリゴンミラー4によりそれぞれ偏向されて所望の走査対象範囲Hを連続的に走査するように、複数のビームα,βを平行になるように収束させるレンズ5とを備える。これにより、ポリゴンミラー4によって偏向される一走査分の偏向動作中で一方ビームβが走査対象範囲Hから外れるときに他方のビームαが走査対象範囲H内で走査されるので、走査対象範囲Hを連続的に走査させることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象物に照射された光で形成される照射点を一定の間隔で走査させる光走査方法および光走査装置、並びに該光走査装置を投光系として用いて測定対象物の変位量を非接触で測定する変位測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10に示すように、三角測量の原理に基づき測定台に載置されている測定対象物60の対象面60aの変位を測定する変位測定装置が一般に知られている。この種の変位測定装置は、投光系51(光走査装置)と、受光系55とで略構成されている。
【0003】
投光系51は、レーザダイオード等の光源52と、偏向器53と、レンズ54で概略構成されている。光源52は、偏向器53に対しビームを出射する。偏向器53は、例えば、図10に示すポリゴンミラーが採用されている。ポリゴンミラーは、円盤状の周囲に複数の鏡面部53aを有し、その回転によって入射されたビームを偏向させ所望の走査対象範囲(図11で示すH)で走査する。このポリゴンミラーからなる偏向器53では、ビームを片道走査する。レンズ54は、偏向器53により扇形に走査されるビームを、平行になるように収束させる。
【0004】
受光系55は、集光レンズアレイ56と結像レンズ57と受光素子58(PSD(Position Sensitiv Detector))とで構成されている。集光レンズアレイ56は、互いに等しい焦点距離f1(例えば20mm)を有する複数(図10では6個)の集光レンズ部56a〜56fが一列に並ぶように合成樹脂あるいはガラスで形成されている。各集光レンズ部56a〜56fは、その光軸に直交する面が球面状に形成され、測定光を光軸廻りに均等に絞り込むことができるレンズである。
【0005】
結像レンズ57は、照射点Sの走査幅より大きい径を有し、集光レンズアレイ56からのビームを収束して、受光素子58の受光面58a上に結像させる。
【0006】
このような変位測定装置は、測定対象物60のZ軸方向の変位量をX軸方向に走査されたビームで得る。また、測定台61をY軸方向に移動させることにより、X−Yの二次元における各照射点SのZ方向の変位量を得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光走査装置(投光系51)では、図11(a)〜(c)に示すように、偏向器53としてのポリゴンミラーが、その回転に際して各鏡面部53aに入射されたビームを所望の走査対象範囲Hで走査するが、ビーム径が有限であるため、回転して偏向する一つの鏡面部53aでの偏向角全てを利用することができない。これにより、図11(d),(e)に示すように、一つの鏡面部53aで偏向走査されるビームが、対象面60aに係る走査対象範囲Hから外れて、次の鏡面部53aによって偏向走査されるビームが走査対象範囲H内に至るまでの間隔が開き、ビームの走査が断続的になるという問題点があった。そして、走査対象範囲H内での走査が断続的になると、上記変位測定装置においては、測定台61の移動速度を遅くせざるを得ず、測定時間の短縮を図ることができない。
【0008】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、走査対象範囲を連続的に走査することができる光走査方法および光走査装置並びに該光走査装置を用いた変位測定装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による請求項1記載の光走査方法は、
光の進む方向を変える偏向器4に対して入射角が異なる複数のビームα,βを出射し、前記偏向器4によって前記各ビームα,βをそれぞれ偏向させて所望の走査対象範囲H内を連続的に走査させることを特徴とする。
【0010】
本発明による請求項2記載の光走査装置は、
光の進む方向を変える偏向器4と、
前記偏向器4に対して入射角が異なる複数のビームα,βを出射する光源部3と、
前記複数のビームα,βが前記偏向器4によりそれぞれ偏向されて所望の走査対象範囲Hを連続的に走査するように、前記複数のビームα,βを平行になるように収束させるレンズ5と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の光走査装置は、請求項2記載の光走査装置において、
前記光源部3が、単一の光源31からのビームを入射角の異なる複数のビームα,βとする分光手段32を有してなることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の光走査装置は、請求項2記載の光走査装置において、
前記光源部3が、入射角の異なる複数のビームα,βをそれぞれ出射する複数の光源31を有してなることを特徴とする。
【0013】
本発明による請求項5記載の変位測定装置は、
光の進む方向を変える偏向器4と、
前記偏向器4に対して入射角が異なる複数のビームα,βを出射する光源部3と、
前記複数のビームα,βが前記偏向器4によりそれぞれ偏向されて所望の走査対象範囲Hを連続的に走査するように、前記複数のビームα,βを平行になるように収束させるレンズ5と、
とを備え、前記収束された前記各ビームα,βを測定対象物10の対象面10aに照射し、その反射光を収束させて受光した結像点Kの検出位置に基づいて前記対象面の変位量を非接触で測定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明にかかる変位測定装置の構成を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態における変位測定装置は、投光手段1と受光手段2で構成されており、三角測量の原理に基づき測定対象物10の対象面10aの変位を測定する。対象面10aが鏡面のように反射率が高い場合は、照射点Sで反射される光の殆どが、照射点Sを対称にして入射角度と同じ角度で受光手段2に反射される。
【0016】
投光手段1は、本発明の光走査装置を構成し、光源部3と、ポリゴンミラー型等の偏向器4と、収束レンズ5で概略構成されている。
【0017】
光源部3は、光源31と、分光手段32とを有している。光源31は、レーザダイオード等からなり、分光手段32に対しビームを出射する。分光手段32は、光源31から出射されたビームを偏向器4に対して入射角の異なる複数のビームとする。分光手段32は、図1に示す実施の形態では、ハーフミラー32Aとミラー32Bとから構成されている。ハーフミラー32Aは、光源31から出射されたビームを、図2(a)に示す入射角θ1で偏向器4に対して反射するとともに、同ビームをミラー32Bに対して透過する。ミラー32Bは、ハーフミラー32Aを透過した光源31からのビームを、図2(a)に示す入射角θ2で偏向器4に対して反射する。このように、光源部3は、入射角の異なる複数(本実施の形態では二つ)のビームを偏向器4に対して出射する。
【0018】
なお、光源部3は、偏向器4に対して入射角の異なる複数のビームを出射する構成であればよく、上記構成の他に、偏向器4に対して入射角の異なる複数のビームを出射する光源31を複数有した構成でもよい。
【0019】
偏向器4は、光源部3から入射された各ビームを偏向させ、所望の走査対象範囲Hで走査させる。本実施の形態での偏向器4には、ポリゴンミラーが採用されている。ポリゴンミラーは、円盤状の周囲に複数の鏡面部4aを有し、その回転によって入射された各ビームを偏向させ等速度で所望の走査対象範囲Hで走査する。このポリゴンミラーからなる偏向器4では、各ビームを片道走査する。
【0020】
収束レンズ5は、fθレンズなどからなり、偏向器4により扇形に走査される各ビームが平行になるように収束させる。
【0021】
受光手段2は、上述した従来の受光系55と同様の構成であり、集光レンズアレイ6と結像レンズ7と受光素子8(PSD(Position Sensitiv Detector))とで構成されている。
【0022】
集光レンズアレイ6は、互いに等しい焦点距離f1(例えば20mm)を有する複数(図1では6個)の集光レンズ部6a〜6fが一列に並ぶように合成樹脂あるいはガラスで形成されている。各集光レンズ部6a〜6fは、その光軸に直交する面が球面状に形成される。各集光レンズ部6a〜6fは、それぞれの光軸が平行で、且つ、その光軸に直交する線上に連続して一列に並ぶように側面同士を密着させた状態で一体化されている。集光レンズアレイ6は、各集光レンズ部6a〜6fの光軸が測定する測定対象物10の対象面10a上に走査される照射点S(移動軌跡SL)と交わるように配置されている。
【0023】
結像レンズ7は、集光レンズ部6a〜6fに対応して対向配置される。そして、結像レンズ7は、集光レンズアレイ6からのビームを収束して、受光素子8の受光面8a上に結像させる。
【0024】
受光素子8は、結像レンズ7から焦点距離f2離れた位置に配置されている。受光素子8は、照射点Sから反射される光が結像される受光面8aを有する。なお、受光面8aでの結像点Kの走査方向(すなわち照射点Sの走査方向)の幅を走査幅Wと称する。また、結像点Kの走査方向(走査幅W)と直交する方向を副走査方向と称する。受光素子8aの副走査方向の両端縁には、それぞれ電極が設けられている。これらの電極からは、それぞれ結像点Kの位置に応じた電流が出力される。
【0025】
ところで、上記の如く複数のビームを偏向させて所望の走査対象範囲Hで走査する際、各ビームの走査位置を認識する必要がある。本実施の形態では、図2(a)に示すように、片道走査される各ビームの始点側となる上記走査対象範囲Hの手前にセンサミラー9aが配されている。走査対象範囲Hに至る手前のビームは、センサミラー9aで折り返され、波形整形のためのナイフエッジ9cを前面に配置されたフォトダイオード9bに照射される。ナイフエッジ9cを設けることにより、タイミング信号をより急峻に得ることができる。これにより、上記変位測定装置(光走査装置)では、各ビームが走査対象範囲Hに手前にあることが検知され、そのタイミングからの経時時間で各ビームの走査位置が認識できる(図6あるいは図9参照)。なお、図2(b)に示すように、センサミラー9aを始点側に限らず、終点側に設置することも可能である。この場合では、各ビームが走査対象範囲Hから外れたことが検知され、そのタイミングからの経時時間で各ビームの走査位置が認識できる。
【0026】
また、本実施の形態での変位測定装置(光走査装置)では、図3(a)に示すピークホールド回路が設けられている。このピークホールド回路によれば、図3(b)に示すように、フォトダイオード9bにて受光したビームの波形のピークの1/2レベルをしきい値として二値化することによって出射パワーの変動によらず安定したタイミング出力が可能となる。
【0027】
しかし、上述した変位測定装置(光走査装置)では、複数のビームを受光するため、光学特性が一致しないなどの要因によって各ビームの波形やピークレベルが異なることが考えられる。これを、上記ピークホールド回路を用いて二値化を実施すると、図3(c)に示すように、例えば、二つのビームα,βにおいて、ビームαのピークレベルの1/2で、ビームβが二値化されるため、タイミング的にズレが生じることとなる。また、ビームβのように急峻でない所で二値化すると、雑音の影響を受けてタイミングのバラツキが大きくなる。しかも、ビームβのピークがビームαの1/2以下である場合には、ビームβが二値化されないことにもなる。
【0028】
これに対応するため、各ビーム毎に応じたフォトダイオード9bを用いることが考えられるが、各ビームのそれぞれ受光できる領域を要したり、センサミラー9aなどの光学系が各ビーム毎に必要であるなどを考慮しなければならない。
【0029】
そこで、本実施の形態では、図4(a)に示すように、各ビームα,βに応じた選択信号S,S’によって任意のスキャン信号のみを選択するピークホールド回路により、各ビームα,βの二値化を安定させることが可能となる。なお、選択信号は、別途センサにより何れかのビームのスキャンかを示す信号として得たり、一方のビームを検出すると他方のビームに切り換えるように制御して得たり、あるいは、それぞれ光源31を設けた場合に各光源31のスイッチング信号のタイミングにより得たりすることができる。また、図4(b)に示すように、ピーク検出において、ピーク値のリセット機能を有したピークホールド回路を用いてもよい。
【0030】
以下、上記変位測定装置の作用について説明する。
図1に示すように光源31から照射された照射光は、分光手段32を介して異なる二つの入射角で偏向器4に出射される。各照射光は、偏向器4によりそれぞれ屈曲され、所定のストロークで走査される。走査された照射光は収束レンズ5に入射され、平行に移動するビームとなり、対象面10a上に照射点Sを形成する。照射光は照射点Sごとに反射又は散乱し、その反射,散乱光(測定光)は受光手段2側へ出射される。
【0031】
照射点Sが走査されて、集光レンズアレイ6の一端にある集光レンズ部6aに対向する位置に移動する。照射点Sからの測定光は、集光レンズ部6aによってほぼ平行なビームとなって収束する。収束された測定光は、結像レンズ7の光軸に対し角度のある状態で結像レンズ7に入射される。
【0032】
結像レンズ部7は、集光レンズ部6aに入射された測定光の向きを変え、受光面8aの走査幅方向の一端側の位置に測定光を結像させる。照射点Sからの測定光は、側方(図1中X方向)からみても、集光レンズ部6aによってほぼ平行に収束され、結像レンズ部7によって受光素子8の受光面8a上に結像される。
【0033】
このため、受光素子8の受光面8aには、照射点Sの高さに正確に対応した位置に点状の像K(結像点)が形成され、その位置に対応した電気信号(電流)が電極から出力される。そして、上記偏向器4による照射点Sの走査によって、受光素子8の受光面8aに結像される像Kの位置が変わる。
【0034】
このように、照射点Sが集光レンズ部6aに対向する範囲内で移動すると、受光面8a上の像Kの位置は、受光面8aの走査幅Wの一端側から他端側に移動することになる。
【0035】
そして、照射点Sの走査に伴って、照射点Sが高さ(Z)方向に移動すると、受光素子8の受光面8a上の像Kがずれて,その位置に対応する電気信号が出力される。そして、この電気信号から移動した照射点Sの基準面からの高さが検出され、基の照射点Sの高さとの差(変位)が判る。
【0036】
このような変位測定装置は、測定対象物10のZ軸方向の変位量をX軸方向(走査方向)に走査されたビームで得ることができる。また、測定台11をY軸方向(副走査方向)に移動させることにより、X−Yの二次元における各照射点SのZ方向の変位量を得ることができる。
【0037】
また、対象面10aが上記変位測定装置の走査幅に対して大きい場合には、X方向に照射点Sを走査しつつ測定台11をY方向に移動させ、対象面10aに対する副走査方向の一方の端縁から他方の端縁まで走査する。次いで、変位測定装置を走査幅分X方向にシフトし、X方向に照射点Sを走査しつつ測定台11をY方向に移動させ、対象面10aに対する走査幅分シフトした副走査方向の他方の端縁から一方の端縁まで走査する。この動作を繰り返すことにより、面積の広い対象面10a全体の変位量が測定できる。
【0038】
次に、上記変位測定装置に用いられる光走査装置(投光手段2)の作用について説明する。
図2(a)、図5乃至図9は光走査装置の作用を示す図である。
【0039】
図2(a)に示すように、ハーフミラー32Aによって偏向器(ポリゴンミラー)4の一つの鏡面部4aに入射されたビームαは、対象面10aに係る走査対象範囲H内にある。また、ミラー32Bによって偏向器4の同鏡面部4aに入射されたビームβは、走査対象範囲Hから外れている。この場合には、ビームαの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0040】
次いで、図5に示すように、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)によって同鏡面部4aに入射されたビームαが走査対象範囲H内を走査される。この際、同鏡面部4aに入射されたビームβは、走査対象範囲Hから外れて拡散されている。すなわち、引き続きビームαの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0041】
次いで、図6に示すように、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)によって同鏡面部4aに入射されたビームαが走査対象範囲H内をさらに走査される。この際、同鏡面部4aに入射されたビームβは、走査対象範囲Hの手前に照射される。すなわち、引き続きビームαの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0042】
なお、図6において、走査対象範囲Hの手前にて、ビームβが照射される光路に配されたセンサミラー9aが、ビームβの照射光を反射させてフォトダイオード9bに向けて照射させる。これにより、上記変位測定装置では、ビームβが走査対象範囲Hの手前にあることが検知され、そのタイミングからの経時時間でビームβの走査位置が認識できる。
【0043】
次いで、図7に示すように、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)によって同鏡面部4aに入射されたビームαが走査対象範囲Hから外れる。この際、走査対象範囲H内には、ビームαに換わって同鏡面部4aに入射されたビームβが照射される。すなわち、ビームαに換わりビームβの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0044】
次いで、図8に示すように、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)によって同鏡面部4aに入射されたビームβが走査対象範囲H内を走査される。この際、ビームαは、前記鏡面部4aの次の鏡面部4aに入射されて走査対象範囲Hから外れて拡散されている。すなわち、引き続きビームβの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0045】
次いで、図9に示すように、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)によって同鏡面部4aに入射されたビームβが走査対象範囲H内をさらに走査される。次の鏡面部4aに入射されたビームαは、走査対象範囲Hの手前に照射される。すなわち、引き続きビームβの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0046】
なお、図9において、次の鏡面部4aに入射されたビームαの照射光が、センサミラー9によって反射されて、フォトダイオード9bに向けて照射されることにより、上記変位測定装置では、ビームαが走査対象範囲Hに手前にあることが検知され、そのタイミングからの経時時間でビームαの走査位置が認識できる。以下、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)に伴って上記図2(a)、図5〜図9の動作が繰り返し行われる。
【0047】
このように光走査装置では、入射角の異なる二つ(複数)のビームα,βを出射し、各ビームα,βをそれぞれ偏向させて所望の走査対象範囲Hで走査して、所望の走査対象範囲Hを連続的に走査させる光走査方法を実現している。
【0048】
なお、前記角ビームα,βの入射角は、偏向器4によって走査された際に、走査対象範囲Hで同時に走査されないタイミングとなるように設定される。
【0049】
したがって、上述した光走査装置では、光源部3にて入射角の異なる複数のビームα,βを出射し、偏向器4にて各ビームα,βをそれぞれ偏向させて所望の走査対象範囲Hで走査し、収束レンズ5にて走査する各ビームα,βを平行にする。これにより、偏向器4による一走査分の偏向動作中で一方のビームα(β)が走査対象範囲Hから外れるときに他方のビームβ(α)が走査対象範囲H内で走査されるので、走査対象範囲Hを連続的に走査することが可能となる。
【0050】
また、上記光走査装置を用いた変位測定装置では、走査対象範囲Hを連続的に走査することにより、副走査方向での走査速度を向上することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による光走査方法は、光の進む方向を変える偏向器に対して入射角が異なる複数のビームを出射し、偏向器によって各ビームをそれぞれ偏向させて所望の走査対象範囲内を連続的に走査させる。これにより、偏向する一走査分の偏向動作中で、一つのビームが走査対象範囲から外れるときに他のビームが走査対象範囲内で走査されるので、走査対象範囲を連続的に走査させることができる。
【0052】
本発明による光走査装置は、光の進む方向を変える偏向器と、偏向器に対して入射角が異なる複数のビームを出射する光源部と、複数のビームが偏向器によりそれぞれ偏向されて所望の走査対象範囲を連続的に走査するように、複数のビームを平行になるように収束させるレンズとを備えたことにより、光源部から出射された入射角の異なる複数のビームが、偏向器によってそれぞれ偏向され、レンズにて平行に収束されて、所望の走査対象範囲で走査される。これにより、上記光走査方法を実現することができ、偏向器による一走査分の偏向動作中で一つのビームが走査対象範囲から外れるときに他のビームが走査対象範囲内で走査されるので、走査対象範囲を連続的に走査させることができる。
【0053】
本発明による変位測定装置は、偏向器による一走査分の偏向動作中で一つのビームが走査対象範囲から外れるときに他のビームが走査対象範囲内で走査されるので、走査対象範囲を連続的に走査させることができる。このため、副走査方向での走査速度を向上することができ、測定時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる変位測定装置の構成を示す斜視図。
【図2】(a)光走査装置を示す図。
(b)ビームの走査位置を認識する別の構成を示す図。
【図3】(a)ピークホールド回路を示す図
(b)ビーム波形の二値化を示す図。
(c)二つのビーム波形の二値化を例示した図。
【図4】(a)複数(二つ)のビームに対応したピークホールド回路を示す図。
(b)複数(二つ)のビームに対応した他のピークホールド回路を示す図。
【図5】光走査装置の作用を示す図。
【図6】光走査装置の作用を示す図。
【図7】光走査装置の作用を示す図。
【図8】光走査装置の作用を示す図。
【図9】光走査装置の作用を示す図。
【図10】従来の変位測定装置の構成を示す斜視図。
【図11】(a)〜(e)従来の光走査装置の作用を示す図。
【符号の説明】
1…投光手段(光走査装置)、3…光源部、31…光源、32…分光手段、32A…ハーフミラー、32B…ミラー、4…偏向器、5…収束レンズ(レンズ)、10…測定対象物、10a…対象面、α,β…ビーム、H…走査対象範囲。
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象物に照射された光で形成される照射点を一定の間隔で走査させる光走査方法および光走査装置、並びに該光走査装置を投光系として用いて測定対象物の変位量を非接触で測定する変位測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10に示すように、三角測量の原理に基づき測定台に載置されている測定対象物60の対象面60aの変位を測定する変位測定装置が一般に知られている。この種の変位測定装置は、投光系51(光走査装置)と、受光系55とで略構成されている。
【0003】
投光系51は、レーザダイオード等の光源52と、偏向器53と、レンズ54で概略構成されている。光源52は、偏向器53に対しビームを出射する。偏向器53は、例えば、図10に示すポリゴンミラーが採用されている。ポリゴンミラーは、円盤状の周囲に複数の鏡面部53aを有し、その回転によって入射されたビームを偏向させ所望の走査対象範囲(図11で示すH)で走査する。このポリゴンミラーからなる偏向器53では、ビームを片道走査する。レンズ54は、偏向器53により扇形に走査されるビームを、平行になるように収束させる。
【0004】
受光系55は、集光レンズアレイ56と結像レンズ57と受光素子58(PSD(Position Sensitiv Detector))とで構成されている。集光レンズアレイ56は、互いに等しい焦点距離f1(例えば20mm)を有する複数(図10では6個)の集光レンズ部56a〜56fが一列に並ぶように合成樹脂あるいはガラスで形成されている。各集光レンズ部56a〜56fは、その光軸に直交する面が球面状に形成され、測定光を光軸廻りに均等に絞り込むことができるレンズである。
【0005】
結像レンズ57は、照射点Sの走査幅より大きい径を有し、集光レンズアレイ56からのビームを収束して、受光素子58の受光面58a上に結像させる。
【0006】
このような変位測定装置は、測定対象物60のZ軸方向の変位量をX軸方向に走査されたビームで得る。また、測定台61をY軸方向に移動させることにより、X−Yの二次元における各照射点SのZ方向の変位量を得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光走査装置(投光系51)では、図11(a)〜(c)に示すように、偏向器53としてのポリゴンミラーが、その回転に際して各鏡面部53aに入射されたビームを所望の走査対象範囲Hで走査するが、ビーム径が有限であるため、回転して偏向する一つの鏡面部53aでの偏向角全てを利用することができない。これにより、図11(d),(e)に示すように、一つの鏡面部53aで偏向走査されるビームが、対象面60aに係る走査対象範囲Hから外れて、次の鏡面部53aによって偏向走査されるビームが走査対象範囲H内に至るまでの間隔が開き、ビームの走査が断続的になるという問題点があった。そして、走査対象範囲H内での走査が断続的になると、上記変位測定装置においては、測定台61の移動速度を遅くせざるを得ず、測定時間の短縮を図ることができない。
【0008】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、走査対象範囲を連続的に走査することができる光走査方法および光走査装置並びに該光走査装置を用いた変位測定装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による請求項1記載の光走査方法は、
光の進む方向を変える偏向器4に対して入射角が異なる複数のビームα,βを出射し、前記偏向器4によって前記各ビームα,βをそれぞれ偏向させて所望の走査対象範囲H内を連続的に走査させることを特徴とする。
【0010】
本発明による請求項2記載の光走査装置は、
光の進む方向を変える偏向器4と、
前記偏向器4に対して入射角が異なる複数のビームα,βを出射する光源部3と、
前記複数のビームα,βが前記偏向器4によりそれぞれ偏向されて所望の走査対象範囲Hを連続的に走査するように、前記複数のビームα,βを平行になるように収束させるレンズ5と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の光走査装置は、請求項2記載の光走査装置において、
前記光源部3が、単一の光源31からのビームを入射角の異なる複数のビームα,βとする分光手段32を有してなることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の光走査装置は、請求項2記載の光走査装置において、
前記光源部3が、入射角の異なる複数のビームα,βをそれぞれ出射する複数の光源31を有してなることを特徴とする。
【0013】
本発明による請求項5記載の変位測定装置は、
光の進む方向を変える偏向器4と、
前記偏向器4に対して入射角が異なる複数のビームα,βを出射する光源部3と、
前記複数のビームα,βが前記偏向器4によりそれぞれ偏向されて所望の走査対象範囲Hを連続的に走査するように、前記複数のビームα,βを平行になるように収束させるレンズ5と、
とを備え、前記収束された前記各ビームα,βを測定対象物10の対象面10aに照射し、その反射光を収束させて受光した結像点Kの検出位置に基づいて前記対象面の変位量を非接触で測定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明にかかる変位測定装置の構成を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態における変位測定装置は、投光手段1と受光手段2で構成されており、三角測量の原理に基づき測定対象物10の対象面10aの変位を測定する。対象面10aが鏡面のように反射率が高い場合は、照射点Sで反射される光の殆どが、照射点Sを対称にして入射角度と同じ角度で受光手段2に反射される。
【0016】
投光手段1は、本発明の光走査装置を構成し、光源部3と、ポリゴンミラー型等の偏向器4と、収束レンズ5で概略構成されている。
【0017】
光源部3は、光源31と、分光手段32とを有している。光源31は、レーザダイオード等からなり、分光手段32に対しビームを出射する。分光手段32は、光源31から出射されたビームを偏向器4に対して入射角の異なる複数のビームとする。分光手段32は、図1に示す実施の形態では、ハーフミラー32Aとミラー32Bとから構成されている。ハーフミラー32Aは、光源31から出射されたビームを、図2(a)に示す入射角θ1で偏向器4に対して反射するとともに、同ビームをミラー32Bに対して透過する。ミラー32Bは、ハーフミラー32Aを透過した光源31からのビームを、図2(a)に示す入射角θ2で偏向器4に対して反射する。このように、光源部3は、入射角の異なる複数(本実施の形態では二つ)のビームを偏向器4に対して出射する。
【0018】
なお、光源部3は、偏向器4に対して入射角の異なる複数のビームを出射する構成であればよく、上記構成の他に、偏向器4に対して入射角の異なる複数のビームを出射する光源31を複数有した構成でもよい。
【0019】
偏向器4は、光源部3から入射された各ビームを偏向させ、所望の走査対象範囲Hで走査させる。本実施の形態での偏向器4には、ポリゴンミラーが採用されている。ポリゴンミラーは、円盤状の周囲に複数の鏡面部4aを有し、その回転によって入射された各ビームを偏向させ等速度で所望の走査対象範囲Hで走査する。このポリゴンミラーからなる偏向器4では、各ビームを片道走査する。
【0020】
収束レンズ5は、fθレンズなどからなり、偏向器4により扇形に走査される各ビームが平行になるように収束させる。
【0021】
受光手段2は、上述した従来の受光系55と同様の構成であり、集光レンズアレイ6と結像レンズ7と受光素子8(PSD(Position Sensitiv Detector))とで構成されている。
【0022】
集光レンズアレイ6は、互いに等しい焦点距離f1(例えば20mm)を有する複数(図1では6個)の集光レンズ部6a〜6fが一列に並ぶように合成樹脂あるいはガラスで形成されている。各集光レンズ部6a〜6fは、その光軸に直交する面が球面状に形成される。各集光レンズ部6a〜6fは、それぞれの光軸が平行で、且つ、その光軸に直交する線上に連続して一列に並ぶように側面同士を密着させた状態で一体化されている。集光レンズアレイ6は、各集光レンズ部6a〜6fの光軸が測定する測定対象物10の対象面10a上に走査される照射点S(移動軌跡SL)と交わるように配置されている。
【0023】
結像レンズ7は、集光レンズ部6a〜6fに対応して対向配置される。そして、結像レンズ7は、集光レンズアレイ6からのビームを収束して、受光素子8の受光面8a上に結像させる。
【0024】
受光素子8は、結像レンズ7から焦点距離f2離れた位置に配置されている。受光素子8は、照射点Sから反射される光が結像される受光面8aを有する。なお、受光面8aでの結像点Kの走査方向(すなわち照射点Sの走査方向)の幅を走査幅Wと称する。また、結像点Kの走査方向(走査幅W)と直交する方向を副走査方向と称する。受光素子8aの副走査方向の両端縁には、それぞれ電極が設けられている。これらの電極からは、それぞれ結像点Kの位置に応じた電流が出力される。
【0025】
ところで、上記の如く複数のビームを偏向させて所望の走査対象範囲Hで走査する際、各ビームの走査位置を認識する必要がある。本実施の形態では、図2(a)に示すように、片道走査される各ビームの始点側となる上記走査対象範囲Hの手前にセンサミラー9aが配されている。走査対象範囲Hに至る手前のビームは、センサミラー9aで折り返され、波形整形のためのナイフエッジ9cを前面に配置されたフォトダイオード9bに照射される。ナイフエッジ9cを設けることにより、タイミング信号をより急峻に得ることができる。これにより、上記変位測定装置(光走査装置)では、各ビームが走査対象範囲Hに手前にあることが検知され、そのタイミングからの経時時間で各ビームの走査位置が認識できる(図6あるいは図9参照)。なお、図2(b)に示すように、センサミラー9aを始点側に限らず、終点側に設置することも可能である。この場合では、各ビームが走査対象範囲Hから外れたことが検知され、そのタイミングからの経時時間で各ビームの走査位置が認識できる。
【0026】
また、本実施の形態での変位測定装置(光走査装置)では、図3(a)に示すピークホールド回路が設けられている。このピークホールド回路によれば、図3(b)に示すように、フォトダイオード9bにて受光したビームの波形のピークの1/2レベルをしきい値として二値化することによって出射パワーの変動によらず安定したタイミング出力が可能となる。
【0027】
しかし、上述した変位測定装置(光走査装置)では、複数のビームを受光するため、光学特性が一致しないなどの要因によって各ビームの波形やピークレベルが異なることが考えられる。これを、上記ピークホールド回路を用いて二値化を実施すると、図3(c)に示すように、例えば、二つのビームα,βにおいて、ビームαのピークレベルの1/2で、ビームβが二値化されるため、タイミング的にズレが生じることとなる。また、ビームβのように急峻でない所で二値化すると、雑音の影響を受けてタイミングのバラツキが大きくなる。しかも、ビームβのピークがビームαの1/2以下である場合には、ビームβが二値化されないことにもなる。
【0028】
これに対応するため、各ビーム毎に応じたフォトダイオード9bを用いることが考えられるが、各ビームのそれぞれ受光できる領域を要したり、センサミラー9aなどの光学系が各ビーム毎に必要であるなどを考慮しなければならない。
【0029】
そこで、本実施の形態では、図4(a)に示すように、各ビームα,βに応じた選択信号S,S’によって任意のスキャン信号のみを選択するピークホールド回路により、各ビームα,βの二値化を安定させることが可能となる。なお、選択信号は、別途センサにより何れかのビームのスキャンかを示す信号として得たり、一方のビームを検出すると他方のビームに切り換えるように制御して得たり、あるいは、それぞれ光源31を設けた場合に各光源31のスイッチング信号のタイミングにより得たりすることができる。また、図4(b)に示すように、ピーク検出において、ピーク値のリセット機能を有したピークホールド回路を用いてもよい。
【0030】
以下、上記変位測定装置の作用について説明する。
図1に示すように光源31から照射された照射光は、分光手段32を介して異なる二つの入射角で偏向器4に出射される。各照射光は、偏向器4によりそれぞれ屈曲され、所定のストロークで走査される。走査された照射光は収束レンズ5に入射され、平行に移動するビームとなり、対象面10a上に照射点Sを形成する。照射光は照射点Sごとに反射又は散乱し、その反射,散乱光(測定光)は受光手段2側へ出射される。
【0031】
照射点Sが走査されて、集光レンズアレイ6の一端にある集光レンズ部6aに対向する位置に移動する。照射点Sからの測定光は、集光レンズ部6aによってほぼ平行なビームとなって収束する。収束された測定光は、結像レンズ7の光軸に対し角度のある状態で結像レンズ7に入射される。
【0032】
結像レンズ部7は、集光レンズ部6aに入射された測定光の向きを変え、受光面8aの走査幅方向の一端側の位置に測定光を結像させる。照射点Sからの測定光は、側方(図1中X方向)からみても、集光レンズ部6aによってほぼ平行に収束され、結像レンズ部7によって受光素子8の受光面8a上に結像される。
【0033】
このため、受光素子8の受光面8aには、照射点Sの高さに正確に対応した位置に点状の像K(結像点)が形成され、その位置に対応した電気信号(電流)が電極から出力される。そして、上記偏向器4による照射点Sの走査によって、受光素子8の受光面8aに結像される像Kの位置が変わる。
【0034】
このように、照射点Sが集光レンズ部6aに対向する範囲内で移動すると、受光面8a上の像Kの位置は、受光面8aの走査幅Wの一端側から他端側に移動することになる。
【0035】
そして、照射点Sの走査に伴って、照射点Sが高さ(Z)方向に移動すると、受光素子8の受光面8a上の像Kがずれて,その位置に対応する電気信号が出力される。そして、この電気信号から移動した照射点Sの基準面からの高さが検出され、基の照射点Sの高さとの差(変位)が判る。
【0036】
このような変位測定装置は、測定対象物10のZ軸方向の変位量をX軸方向(走査方向)に走査されたビームで得ることができる。また、測定台11をY軸方向(副走査方向)に移動させることにより、X−Yの二次元における各照射点SのZ方向の変位量を得ることができる。
【0037】
また、対象面10aが上記変位測定装置の走査幅に対して大きい場合には、X方向に照射点Sを走査しつつ測定台11をY方向に移動させ、対象面10aに対する副走査方向の一方の端縁から他方の端縁まで走査する。次いで、変位測定装置を走査幅分X方向にシフトし、X方向に照射点Sを走査しつつ測定台11をY方向に移動させ、対象面10aに対する走査幅分シフトした副走査方向の他方の端縁から一方の端縁まで走査する。この動作を繰り返すことにより、面積の広い対象面10a全体の変位量が測定できる。
【0038】
次に、上記変位測定装置に用いられる光走査装置(投光手段2)の作用について説明する。
図2(a)、図5乃至図9は光走査装置の作用を示す図である。
【0039】
図2(a)に示すように、ハーフミラー32Aによって偏向器(ポリゴンミラー)4の一つの鏡面部4aに入射されたビームαは、対象面10aに係る走査対象範囲H内にある。また、ミラー32Bによって偏向器4の同鏡面部4aに入射されたビームβは、走査対象範囲Hから外れている。この場合には、ビームαの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0040】
次いで、図5に示すように、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)によって同鏡面部4aに入射されたビームαが走査対象範囲H内を走査される。この際、同鏡面部4aに入射されたビームβは、走査対象範囲Hから外れて拡散されている。すなわち、引き続きビームαの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0041】
次いで、図6に示すように、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)によって同鏡面部4aに入射されたビームαが走査対象範囲H内をさらに走査される。この際、同鏡面部4aに入射されたビームβは、走査対象範囲Hの手前に照射される。すなわち、引き続きビームαの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0042】
なお、図6において、走査対象範囲Hの手前にて、ビームβが照射される光路に配されたセンサミラー9aが、ビームβの照射光を反射させてフォトダイオード9bに向けて照射させる。これにより、上記変位測定装置では、ビームβが走査対象範囲Hの手前にあることが検知され、そのタイミングからの経時時間でビームβの走査位置が認識できる。
【0043】
次いで、図7に示すように、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)によって同鏡面部4aに入射されたビームαが走査対象範囲Hから外れる。この際、走査対象範囲H内には、ビームαに換わって同鏡面部4aに入射されたビームβが照射される。すなわち、ビームαに換わりビームβの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0044】
次いで、図8に示すように、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)によって同鏡面部4aに入射されたビームβが走査対象範囲H内を走査される。この際、ビームαは、前記鏡面部4aの次の鏡面部4aに入射されて走査対象範囲Hから外れて拡散されている。すなわち、引き続きビームβの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0045】
次いで、図9に示すように、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)によって同鏡面部4aに入射されたビームβが走査対象範囲H内をさらに走査される。次の鏡面部4aに入射されたビームαは、走査対象範囲Hの手前に照射される。すなわち、引き続きビームβの反射光が受光素子8の受光面8aに結像される。
【0046】
なお、図9において、次の鏡面部4aに入射されたビームαの照射光が、センサミラー9によって反射されて、フォトダイオード9bに向けて照射されることにより、上記変位測定装置では、ビームαが走査対象範囲Hに手前にあることが検知され、そのタイミングからの経時時間でビームαの走査位置が認識できる。以下、偏向器4(ポリゴンミラーの回転)に伴って上記図2(a)、図5〜図9の動作が繰り返し行われる。
【0047】
このように光走査装置では、入射角の異なる二つ(複数)のビームα,βを出射し、各ビームα,βをそれぞれ偏向させて所望の走査対象範囲Hで走査して、所望の走査対象範囲Hを連続的に走査させる光走査方法を実現している。
【0048】
なお、前記角ビームα,βの入射角は、偏向器4によって走査された際に、走査対象範囲Hで同時に走査されないタイミングとなるように設定される。
【0049】
したがって、上述した光走査装置では、光源部3にて入射角の異なる複数のビームα,βを出射し、偏向器4にて各ビームα,βをそれぞれ偏向させて所望の走査対象範囲Hで走査し、収束レンズ5にて走査する各ビームα,βを平行にする。これにより、偏向器4による一走査分の偏向動作中で一方のビームα(β)が走査対象範囲Hから外れるときに他方のビームβ(α)が走査対象範囲H内で走査されるので、走査対象範囲Hを連続的に走査することが可能となる。
【0050】
また、上記光走査装置を用いた変位測定装置では、走査対象範囲Hを連続的に走査することにより、副走査方向での走査速度を向上することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による光走査方法は、光の進む方向を変える偏向器に対して入射角が異なる複数のビームを出射し、偏向器によって各ビームをそれぞれ偏向させて所望の走査対象範囲内を連続的に走査させる。これにより、偏向する一走査分の偏向動作中で、一つのビームが走査対象範囲から外れるときに他のビームが走査対象範囲内で走査されるので、走査対象範囲を連続的に走査させることができる。
【0052】
本発明による光走査装置は、光の進む方向を変える偏向器と、偏向器に対して入射角が異なる複数のビームを出射する光源部と、複数のビームが偏向器によりそれぞれ偏向されて所望の走査対象範囲を連続的に走査するように、複数のビームを平行になるように収束させるレンズとを備えたことにより、光源部から出射された入射角の異なる複数のビームが、偏向器によってそれぞれ偏向され、レンズにて平行に収束されて、所望の走査対象範囲で走査される。これにより、上記光走査方法を実現することができ、偏向器による一走査分の偏向動作中で一つのビームが走査対象範囲から外れるときに他のビームが走査対象範囲内で走査されるので、走査対象範囲を連続的に走査させることができる。
【0053】
本発明による変位測定装置は、偏向器による一走査分の偏向動作中で一つのビームが走査対象範囲から外れるときに他のビームが走査対象範囲内で走査されるので、走査対象範囲を連続的に走査させることができる。このため、副走査方向での走査速度を向上することができ、測定時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる変位測定装置の構成を示す斜視図。
【図2】(a)光走査装置を示す図。
(b)ビームの走査位置を認識する別の構成を示す図。
【図3】(a)ピークホールド回路を示す図
(b)ビーム波形の二値化を示す図。
(c)二つのビーム波形の二値化を例示した図。
【図4】(a)複数(二つ)のビームに対応したピークホールド回路を示す図。
(b)複数(二つ)のビームに対応した他のピークホールド回路を示す図。
【図5】光走査装置の作用を示す図。
【図6】光走査装置の作用を示す図。
【図7】光走査装置の作用を示す図。
【図8】光走査装置の作用を示す図。
【図9】光走査装置の作用を示す図。
【図10】従来の変位測定装置の構成を示す斜視図。
【図11】(a)〜(e)従来の光走査装置の作用を示す図。
【符号の説明】
1…投光手段(光走査装置)、3…光源部、31…光源、32…分光手段、32A…ハーフミラー、32B…ミラー、4…偏向器、5…収束レンズ(レンズ)、10…測定対象物、10a…対象面、α,β…ビーム、H…走査対象範囲。
Claims (5)
- 光の進む方向を変える偏向器(4)に対して入射角が異なる複数のビーム(α,β)を出射し、前記偏向器によって前記各ビームをそれぞれ偏向させて所望の走査対象範囲(H)内を連続的に走査させることを特徴とする光走査方法。
- 光の進む方向を変える偏向器(4)と、
前記偏向器に対して入射角が異なる複数のビーム(α,β)を出射する光源部(3)と、
前記複数のビームが前記偏向器によりそれぞれ偏向されて所望の走査対象範囲(H)を連続的に走査するように、前記複数のビームを平行になるように収束させるレンズ(5)と、
を備えたことを特徴とする光走査装置。 - 前記光源部(3)が、単一の光源(31)からのビームを入射角の異なる複数のビーム(α,β)とする分光手段(32)を有してなることを特徴とする請求項2記載の光走査装置。
- 前記光源部(3)が、入射角の異なる複数のビーム(α,β)をそれぞれ出射する複数の光源(31)を有してなることを特徴とする請求項2記載の光走査装置。
- 光の進む方向を変える偏向器(4)と、
前記偏向器に対して入射角が異なる複数のビーム(α,β)を出射する光源部(3)と、
前記複数のビームが前記偏向器によりそれぞれ偏向されて所望の走査対象範囲(H)を連続的に走査するように、前記複数のビームを平行になるように収束させるレンズ(5)と、
とを備え、前記収束された前記各ビームを測定対象物(10)の対象面(10a)に照射し、その反射光を収束させて受光した結像点(K)の検出位置に基づいて前記対象面の変位量を非接触で測定することを特徴とする変位測定装置。
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