JP2004077713A - 撮影装置 - Google Patents

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Kunihisa Yamaguchi
山口 邦久
Naoki Koshida
越田 直紀
Junichi Shinohara
篠原 純一
Keiichiro Hirahara
平原 圭一郎
Hiroyuki Chiba
千葉 浩幸
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Abstract

【課題】撮影前に像ぶれがある場合には撮影者に像ぶれを報知することができると共に、失敗のない撮影を行うことができる撮影装置を提供すること。
【解決手段】
手振れ状態を検出する振れ検出手段5と、振れ検出手段5により検出された手振れ情報から手振れ補正量を求める演算部10と、演算部10により求められた手振れ補正量から手振れ補正を行う振れ補正手段7を有する。しかも、手振れ状態をチェックする「手振れチェックモード」と「他のモード」とを切り換えるモード切換スイッチ106が設けられていると共に、各モードのときのメッセージを報知する表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104等が設けられている撮影装置。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術】
この発明は、手振れによる画像ぶれを補正する様にした例えばデジタルカメラ等の撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の手ぶれによる画像ぶれを補正するようにした撮影装置としては、例えば、特願平5−333656号(特開平7−191360号公報)に開示された様なカメラ防振制御装置を備えるカメラや、特願平6−74417号(特開平7−261230号公報)に開示された様な像ぶれ補正装置を有するカメラが知られている。
【0003】
この特願平5−333656号に開示されたカメラでは、撮影時のカメラぶれ(手ぶれ)を角速度センサ等の検出手段で検出し、該検出手段の出力からブレ量判別手段がブレの大きさを所定のしきい値と比較して判別し、該判別手段の出力に応じて防振判断手段が防振が必要か否かをレンズの焦点距離やシャッター速度等の撮影情報をも判断基準として決定し、防振が必要で且つ有効である時には防振起動手段により防振制御動作を補正光学手段(補正レンズ等)に行なわせる様にしている。
【0004】
即ち、特願平5−333656号のカメラでは、手ブレによる像劣化が生じそうな時には自動的に防振をオンさせる構成にしたことで、撮影者の防振スイッチ操作の煩わしさを避けると共に、防振オン,オフの判断ができない撮影者にも使用可能な防振カメラを実現でき、コンパクトカメラ等のカメラにも防振機能を与えることができる様にしている。
【0005】
また、特願平6−74417号に開示されたカメラでは、カメラの手ぶれによる結像面上での像ぶれを相殺する為の補正レンズと、被写体に対する撮影光軸のぶれに拘わらず、撮影光学系により形成される被写体像を結像面に対してぶれない方向に補正レンズを移動する駆動機構と、補正レンズによる補正可能範囲を超えた像ぶれが発生したか否かを判断する判断機構と、この判断手段により、補正レンズによる補正可能範囲を超えた像ぶれが発生したと判断される場合に、補正レンズの移動を停止させる様に駆動機構を制御する制御機構と、補正可能範囲を超えた像ぶれが発生している事を報知するランプとを具備する構成としている。
【0006】
この特願平6−74417号のカメラでは、像ぶれの程度が補正可能範囲を超えた後において、再び補正可能範囲内に納まった場合において、即座に、像ぶれ補正を再開することが出来る事になる。しかも、像ぶれ補正可能範囲を超えた手ぶれが発生した事が撮影者に報知される事になるので、撮影者はこの報知に基づき写真を撮り直す事により、確実に像ぶれのない写真を得る事が出来る事になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特願平5−333656号(特開平7−191360号公報)に開示されたカメラでは、カメラの防振制御装置が全てに手振れを判断して補正するものであったため、必ずしも撮影者が満足する映像を撮影し得ない場合も考えられる。
【0008】
また、特願平6−74417号(特開平7−261230号公報)のカメラでは、像ぶれが発生している状態で撮影した後に、像ぶれ補正可能範囲を超えた手ぶれが発生した事が撮影者に報知される事になるので、撮影者はこの報知に基づき写真を撮り直す必要があった。
【0009】
そこで、この発明は、撮影前に像ぶれがある場合には撮影者に像ぶれを報知することができると共に、失敗のない撮影を行うことができる撮影装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明は、手振れ状態を検出する手振れ検出手段と、前記手振れ検出手段により検出された手振れ情報から手振れ補正量を求める演算制御回路と、前記演算制御回路により求められた手振れ補正量から手振れ補正を行う手振れ補正手段を有する撮影装置において、手振れ状態をチェックする「手振れチェックモード」と「他のモード」とを切り換えるモード切換手段が設けられていると共に、前記各モードのときのメッセージを報知する報知手段が設けられている撮影装置としたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の撮影装置において、前記演算制御回路は、前記モード切換手段が「手振れチェックモード」のとき、前記手振れ検出手段からの測定値、入力された露光条件から想定露光時間内の手振れ状態を予測して、予測手振れ量を求めると共に、前記予測手振れ量が設定された補正可能量から外れるか否かを判断して、判断した結果を前記報知手段で報知させる様に設定されていることを特徴とする。
【0012】
更に、請求項3の発明は、請求項1に記載の撮影装置において、前記演算制御回路は、前記モード切換手段が「手振れチェックモード」のときに、前記手振れ検出手段からの手振れ情報を基にこれから撮影する撮影画像の手振れ状態を予測して、この予測した撮影画像の手振れ予測値が手振れ限界設定画値より悪いか否かを判断して、判断した結果が予測した撮影画像が手振れ限界設定画像より悪いと判断した場合、この判断内容を前記報知手段で報知させる様に設定されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の撮影装置において、前記手振れ限界設定値を設定する手振れ限界値設定手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項3に記載の撮影装置において、前記報知手段は、液晶表示器、有機EL表示器、スピーカ、発光ダイオードのいずれかひとつ又はこれらの組合せであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項1に記載の撮影装置において、前記演算制御回路は、前記モード切換手段が「手振れチェックモード」のときに、前記手振れ情報から手振れ状態のメッセージとその回避メッセージを前記報知手段で報知させる様に設定されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項7の発明は、 請求項6に記載の撮影装置において、前記演算制御回路は、前記手振れ情報から手振れ状態のメッセージとその回避メッセージを前記報知手段で報知した後、そのまま撮影を実行すると、自動で手振れを回避する様に設定されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の撮影装置において、前記演算制御回路は、前記モード切換手段が「他のモード」のときに、一般的撮影時の注意メッセージを前記報知手段で報知するように設定されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1(a)において、1は撮影装置としてのデジタルカメラのカメラボディ(撮影装置本体)、2はカメラボディ1の正面側に設けられた撮影光学系としての撮影レンズ、3はカメラボディ1の上面1aに設けられたレリーズボタン(シャッターボタン)であるこのレリーズボタン3は2段押し式になっている。そして、レリーズボタン3を半押ししたときには撮影に必要な情報の取り込みの信号が図示しないスイッチから出力され、レリーズボタン3が全押しされたときには撮影指示信号が図示しないスイッチから出力される様になっている。

【0019】
このカメラボディ1の背面には、図1(b)に示したように、例えば液晶表示器や有機ELディスプレイ等の表示器100が報知手段(警告手段,告知手段)として取り付けられている。また、カメラボディ1の背面には表示器100に隣接して発光ダイオード101〜103が報知手段(警告手段,告知手段)として設けられていると共に、カメラボディ1内には発光ダイオード101〜103に隣接してスピーカ104が報知手段(警告手段,告知手段)として設けられている。
【0020】
しかも、カメラボディ1の背面の上部には、ファインダー105が設けられていると共に、ファインダー105の側方に位置してモード切換スイッチ106が左右にスライド可能に設けられている。
【0021】
このモード切換スイッチ106は、図1(c)のOFFしている位置と図1(d)のONする位置との間で左右にスライド操作することができるようになっている。そして、この図1(c)のOFFしている位置では「一般モード」となり、図1(d)のONする位置では「手振れチェックモード」となる様になっている。また、カメラボディ1の背面上部には手振れ許容限界値を設定する設定スイッチ107が設けられている。
また、カメラボディ1内には、図3に示した撮像手段(撮影手段)4が内蔵されている。この撮像手段には、例えばCCD等の二次元固体撮像素子が用いられる。
【0022】
尚、図1において、カメラボディ1の上面1aが水平に配設されていると仮定して、撮影レンズ2の光軸(Z軸)と直交し且つ左右方向に延びるX軸及び撮影レンズ2の光軸(Z軸)と直交し且つ上下方向に延びるY軸を取った場合、Y軸を中心とするカメラボディ1の水平回転がヨー方向回転となり、X軸を中心とするカメラボディ1の前後回転がピッチ方向回転となる。
【0023】
図2は、撮像手段4のカメラボディ1のピッチ方向及びヨー方向の結像面での振れ量遷移例を示したものである。手振れは或中心線をもって変動するわけではなく、一般には或特定の方向へ偏った変動を示す。そして、時間t1から時間t2の露光時間(露光期間)Tにおいて、図2に示したようなピッチ方向とヨー方向の振れがあると、手振れの影響がでるので、好ましくない。
【0024】
このような振れの特徴を考慮して、本実施の形態では、基本的には、補正手段を用いて撮影手段の像振れを補正する上で、振れ検出手段により検出される振れ検出情報に基づき予測された予測振れ情報より補正手段の補正動作開始位置を決定して、その補正動作開始位置から補正手段を駆動し制御させる。
【0025】
また、振れ補正手段の補正動作開始位置の妥当性を露光前振れ検出手段から検出された露光直前の振れ情報から判断して振れ補正手段の補正動作開始位置の妥当性が確認できない場合は、露光開始を制御する露光制御手段により露光開始を禁止して、誤った補正手段の補正動作開始位置から補正動作を開始し、補正範囲を逸脱することを防ぐようにすることもできる。
【0026】
尚、一旦露光を禁止した後、所定の時間後に再度振れ検出手段により検出される振れ検出情報に基づき予測された予測振れ情報より振れ補正手段の補正動作開始位置を決定して、振れ補正手段の補正動作開始位置の妥当性を露光前振れ検出手段から検出された露光直前の振れ情報から判断してその妥当性が確認できた場合、露光制御手段により露光を開始してもよい。
【0027】
また、上述のカメラボディ1内には、図3に示したように、図1の撮影装置であるカメラのカメラボディ1の振れを検出する振れ検出手段5が内蔵されている。この振れ検出手段5は、例えばジャイロセンサ等の物理センサと周辺回路とにより構成される。
【0028】
更に、カメラボディ1内には、振れ検出手段5からの振れ情報を所定回数だけ連続して順次記憶すると共に所定回数記憶後は振れ情報の記憶を順次新しいものに更新する記憶手段6と、撮像手段4における結像画像上の画像の振れを補正する振れ補正手段7と、露光直前の振れ情報を検出する露光前振れ検出手段8が内蔵されている。この露光前振れ検出手段8は、振れ検出手段5と同様にジャイロセンサ等の物理センサと周辺回路とにより構成されるが、振れ検出手段5と共用であってもなんら問題はない。
【0029】
また、図3において、9はカメラボディ1内に内蔵されたマイコン(マイクロコンピュータ)等の制御回路(制御手段)である。この制御回路9は、予測演算手段としての演算部(CPU即ち中央演算処理装置を有する演算制御回路)10と、演算部10による演算結果を一時的に記憶するRAM等の記憶手段11を有する。
【0030】
この演算部10には、振れ検出手段5が接続されていると共に、記憶手段6が接続されている。また、演算部10には、露光前振れ検出手段8が接続されている。更に、演算部10は、記憶手段11及び補正手段駆動手段(制御手段)12を介して振れ補正手段7に接続されている。また、演算部10は、露光制御手段13を介して撮像手段4が接続されている。
【0031】
しかも、演算部10は、振れ検出手段(手振れセンサ)5の測定値、露光時間、絞り状態を基に想定露光時間内の手振れ状態の予測を行い、予測手振れ量と補正可能量とのチェックを行うようになっている。
【0032】
また、演算部10には、表示器100,発光ダイオード101〜103,スピーカ104,モード切換スイッチ106,設定スイッチ107等が接続されている。しかも、演算部10は、表示器100にメッセージを表示させる制御を行うと共に,発光ダイオード101〜103のON・OFF制御や,スピーカ104からメッセージを音声で出力させる制御を行う様になっている。また、演算部10には、モード切換スイッチ106からのON・OFF信号が入力されると共に、設定スイッチ107からの手振れ許容限界値を設定する信号が入力される様になっている。
[作用]
次に、この様な構成のデジタルカメラの制御回路9の制御動作を説明する。
【0033】
この様なデジタルカメラの電源がONさせられると、振れ検出手段5で検出された振れ検出情報が記憶手段6に順次短い時間で入力されると共に、露光前触れ検出手段8からの露光前触れ検出信号が演算部10に入力される。この際、振れ検出手段5で検出された振れ検出情報は、記憶手段6の図示しないメモリに所定時間毎に所定回数連続して順次記憶され、所定回数記憶後は順次新しいものに更新される。即ち、演算手段10は、振れ検出手段5により順次検出される振れ検出情報を記憶手段6のメモリ(図示せず)に所定回数記憶した後、記憶手段6に記憶された振れ検出情報を古いものから順に書き換え更新することにより、最新の情報を記憶手段6に所定量(所定数)記憶させる。
【0034】
しかも、制御回路9の演算部10は、振れ検出手段5から得られる少なくとも1つ以上の振れ検出情報と,露光時間,撮影レンズ2の絞り状態を基に想定露光時間内の手振れ状態の予測計算を行い、予測手振れ量を予測振れ情報として求める様になっている。しかも、演算部10は、この予測によって求められた予測振れ情報を振れ補正量として記憶部11に記憶させる。
【0035】
この様な状態において制御回路9の演算部10は、レリーズボタン3からの撮影指示信号を受信した際に、記憶部11に記憶させた予測振れ情報を基に、振れ補正手段7の補正動作開始位置を算出し決定する。
【0036】
この際、演算部10は、モード切換スイッチ106が操作されてONしていると、記憶部11に記憶させた予測振れ情報(予測手振れ量)と補正可能量(設定スイッチ107による手振れ許容限界値)から、撮影画像が設定スイッチ107により設定した手振れ許容限界値で得られる画像より悪いか否かを判断するようになっている。しかも、演算部10は、レリーズボタン3からの撮影指示信号を受信したとき、撮像手段4の露光直前に、露光前振れ検出手段8から得られる振れ情報と、記憶部11に記憶した予測振れ情報に基づいて、既に算出し決定している振れ補正手段7の補正開始位置の妥当性を所定の演算で判断する。
【0037】
そして、演算部10は、補正開始位置が妥当と判断した場合、振れ補正手段7を補正開始位置へ駆動して、露光制御手段13による露光を開始させると共に、記憶部11に記憶させた振れ補正量に応じて補正手段駆動手段12を作動制御して、補正手段駆動手段12により振れ補正手段7を駆動制御する。この際、振れ補正手段7は、撮像手段4が振れると予測される方向と反対方向に且つ振れ補正量(撮像手段4が振れると予測される方向への撮像手段4の予測振れ量と同じ振れ補正量)だけ撮像手段4を移動制御(駆動制御)する。
【0038】
この後、演算部10は、露光制御手段13を作動制御して、撮像手段4の露光をさせ、撮影を行わせる。
【0039】
一方、演算部10は、補正開始位置が妥当でないと判断するか、撮影画像が設定スイッチ107により設定した手振れ許容限界値で得られる画像より悪いと判断したときには、例えば「左右振れが大きいです。」、「今の撮影では、画像レベルが7以下です。」、「F2.8以下で撮影してください。」、「カメラを身体に押し当てて、脇を閉めてて下さい。」というのメッセージを表示器100に表示させて、警告する。また、この様な状態の場合には、表示器100に表示したメッセージをスピーカ104から音声で知らせて、警告するようにする。これらの表示器100とスピーカ104による警告は、一方のみ行っても良いし、両方同時に行っても良い。また、この様な表示に変えて、発光ダイオード101〜103を点灯表示させるようにしても良い。
【0040】
この後、演算部10は、補正開始位置が妥当でないと判断した場合、或いは、撮影画像が設定スイッチ107により設定した手振れ許容限界値で得られる画像より悪いと判断した場合において、撮影が継続された場合、露光制御手段13による撮像手段4の露光を禁止させることもできる。
【0041】
この様に、基本的には、振れ検出手段5により検出される振れ検出情報に基づき演算部10により予測振れ情報を算出してその予測振れを打ち消すような振れ補正手段7の補正動作開始位置を決定し、露光直前の露光前振れ検出手段8により検出される振れ情報により振れ補正手段7の補正動作開始位置の妥当性を判断し、その判断に従って露光開始手段15により露光開始を制御することにより、誤った補正手段の補正動作開始位置から補正動作を開始することで、補正範囲を逸脱することを防ぐことができるようになる。よって、補正効果が高く、手振れ等による撮影の失敗を減少させることができる。
【0042】
尚、演算部10は、モード切換スイッチ105がOFF位置「一般モード」のときには、例えば「カメラは両脇で保持し、脇を閉めて構えて下さい。」、「レリーズボタンは力を抜いて、ゆっくり押して下さい。」等のメッセージを表示器100に表示させたり、或いはこのメッセージをスピーカ104から音声で知らせる。
【0043】
【実施例】
次に、図3に対応するより実際的な構成例を図4に基づいて説明する。尚、上述した実施例と同一の部分には、上述した実施例に用いた符号を付して、その説明を省略する。
[構成]
上述のカメラボディ1内には、図4に示したような撮影レンズ(撮影光学系)2を通過した被写体像を受光して画像情報に変換する撮像手段4が設けられている。
【0044】
この撮像手段4は、撮像制御基板41と、この撮像制御基板41に設けられた(搭載された)撮像手段としてのCCD等の二次元個体撮像素子42を有する。この撮像制御基板41は、二次元個体撮像素子42の多数の画素を走査して、映像信号を二次元個体撮像素子42から取り出すようになっている。この二次元個体撮像素子42の制御のための撮像制御基板41の構成には、周知の構成が採用できるので、その詳細な説明は省略する。
【0045】
この撮像制御基板41の上縁部の左右方向中央部は、弾性体14を介してカメラボディ1の図示しない位置に保持されている。また、撮像制御基板41の左側縁部の上下方向中央部は、弾性体15を介してカメラボディ1の図示しない位置に保持されている。
【0046】
また、振れ検出手段5は、ヨー方向の振れ量を検出するジャイロセンサ等の物理量センサ50yと、ピッチ方向の振れ量を検出するジャイロセンサ等の物理量センサ50pと、各々の物理センサ50y,50pの検出出力の増幅やフィルタ処理等を施す振れ検出センサ回路51を備えている。
【0047】
しかも、記憶手段6には、物理センサ50y,50pからの振れ検出情報(検出情報)を所定回数分連続して記憶するメモリが設けられている。この記憶手段6は、例えば所定回数分連続して記憶するメモリを有する。このメモリには、物理センサ50y,50pからの振れ検出情報(検出情報)を所定回数分連続して記憶するためのアドレスm1、m2,m3・・・mi(i=1,2,3,・・・n)が割り当てられている。
【0048】
更に、振れ補正手段7は、撮像制御基板41の上縁部をカメラボディ1内にヨー方向に回転可能に支持する弾性体(ヨー方向支持部材)71yと、撮像制御基板41の左側縁部をカメラボディ1内にピッチ方向に回転可能に支持する弾性体(ピッチ方向支持部材)71pと、撮像制御基板41の下縁部をヨー方向に回転制御するヨー方向振れ補正装置7yと、撮像制御基板41の右側縁部をピッチ方向に回転制御するピッチ方向振れ補正装置7pを備えている。
【0049】
この振れ補正装置7y,7pは、カメラボディ1内の図示しない位置に保持されている。また、この振れ補正装置7y,7pは、圧電素子と、この圧電素子の厚さ変化を機械的に拡大する変位拡大機構を備える。この変位拡大機構にはテコの原理が用いられる。
【0050】
また、露光前振れ検出手段8は、振れ検出手段5と同様の構成を有する。即ち、露光前振れ検出手段8は、ヨー方向の振れ量を検出するジャイロセンサ等の物理量センサ80yと、ピッチ方向の振れ量を検出するジャイロセンサ等の物理量センサ80pと、各々の物理センサ80y,80pの検出出力の増幅やフィルタ処理等を施す露前振れ検出センサ回路81を備えている。
【0051】
また、露光制御手段13は、制御回路9の演算部(中央演算処理装置)9の演算結果に基づき、撮像制御基盤41を制御することで、露光の開始・禁止を制御できる様になっている。
[作用]
次に、この様な構成のデジタルカメラの制御回路9の手振れ補正制御動作を説明する。
(1)手振れ補正制御
このような構成において、本実例の場合の制御回路(演算制御回路)9による撮影手順は、図5に示すようなフローチャートに従い行われる。
【0052】
デジタルカメラの図示しない電源スイッチをONさせると、制御回路(演算制御回路)9による制御動作がスタートし、ステップS01の処理をする。
【0053】
即ち、ステップS01では、モード切換スイッチ106がON位置にスライドさせられていて、手振れチェックモードになっているか否かが判断され、手振れチェックモードになっていればステップS1に移行し、なっていなければステップS02に移行する。
【0054】
ステップS02では、一般撮影のメッセージ(例えば、「カメラは両腕で保持し、脇を閉めて下さい。」、「レリーズボタンは力を抜いて、ゆっくりと押して下さい。」等)を表示器100に表示させてステップS1に移行する。
【0055】
ステップS1では、基本的にカメラボディ1の振れ状態を検出してステップS2に移行する。即ち、ステップS1では、振れ検出手段5の物理センサ50yがカメラボディ1のヨー方向の振れを検出して、この物理センサ50yからヨー方向の振れ検出情報信号を出力すると共に、物理センサ50pがカメラボディ1のピッチ方向の振れを検出して、この物理センサ50pからピッチ方向の振れ検出信号を出力して、ステップS2に移行する。
【0056】
このステップS2では、振れ検出手段5で検出された振れ検出情報、即ち物理センサ50yからのヨー方向の振れ検出情報信号及び物理センサ50pからのピッチ方向の振れ検出情報信号が記憶手段6に入力されて、ヨー方向の振れ検出情報及びピッチ方向の振れ検出情報が記憶手段6のメモリのアドレスmi(i=1,2,3,・・・n)のm1に記憶され、ステップS3に移行する。
【0057】
ステップS3では、レリーズボタン3が押されて、レリーズボタン3のON信号(撮影指示信号)が入力されたかが判断され、押されていれば撮影指示があったとしてステップS4に移行し、押されていなければ撮影指示がなかったとしてステップS1に戻ってループする。このループ中は、振れ検出手段5で検出された振れ検出情報が記憶手段6のメモリのアドレスmiに順に記憶される。そして、振れ検出手段5で検出された振れ検出情報が記憶手段6のメモリのアドレスmiの全てに記憶された場合には、記憶手段6のメモリのアドレスmiに記憶された振れ検出情報はi=1からi=nまで順に更新される。
【0058】
ステップS4では、レリーズボタン3がステップS4で押されて撮影指示があったので、振れ検出手段5により検出されて記憶手段6のメモリのアドレスm1〜miに記憶された振れ検出情報が予測振れ情報を得るのに必要な所定量であるか否か、即ちi=nであるか否かが判断(確認)される。そして、記憶手段6のメモリのアドレスm1〜miに記憶された振れ検出情報が予測振れ情報を得るのに必要な所定量(即ちi=n)であればステップS5に移行し、記憶手段6のメモリのアドレスm1〜miに記憶された振れ検出情報が予測振れ情報を得るのに必要な所定量(即ち所定回数=i=n)でなければステップS1に戻ってループする。
【0059】
従って、演算部10は、記憶手段6に記憶された所定回数(多数)の段階的に連続する振れ検出情報に基づいて振れ方向や振れの大きさを予測可能となる。この予測はnを多くするほど正確となる。
【0060】
ステップS5では、演算部10が記憶手段6アドレスm1〜miに記憶された振れ情報を取り込んで、ステップS6に移行する。
【0061】
ステップS6では、最小二乗法や高次の回帰線算出などにより記憶手段6のメモリのアドレスm1〜miに記憶された振れ情報を演算処理して、振れデータを近似的に求めて、予測振れ情報を算出する。この場合、物理センサ50yからのヨー方向の振れ検出情報信号及び物理センサ50pからのピッチ方向の振れ検出情報信号から得られて、記憶手段6に記憶されたヨー方向の振れ検出情報及びピッチ方向の振れ検出情報から、ヨー方向の予測振れ情報及びピッチ方向の予測振れ情報を求める。しかも、このステップ6では、算出したヨー方向の予測振れ情報及びピッチ方向の予測振れ情報に基づいて補正手段7のヨー方向及びピッチ方向の補正動作開始位置を決定し、ステップS7に移行する。
【0062】
ステップS7では、演算部10が露光前振れ検出手段8から露光直前の振れ情報を取り込んで、ステップS71に移行する。尚、この露光前振れ検出手段8は必ずしも必要ではない。例えば、レリーズボタン3からの撮影信号が演算部10に入力されたとき、演算部10が物理センサ50y、50pからの振れ情報を露光直前の振れ情報として取り込む様にしてもよい。
【0063】
このステップS71では、露光時間や絞り状態等の露光条件を基に想定露光時間を求めると共に、振れ検出手段5(50y,50p)からの振れ検出情報と露光条件から想定露光時間内の予測手振れ量を求めて、ステップS72に移行する。
【0064】
このステップS72では、モード切換スイッチ106がON位置にスライドさせられて、手振れチェックモードになっているか否かが判断され、手振れチェックモードになっていればステップS73に移行し、手振れチェックモードになっていなければステップS8に移行する。
【0065】
このステップS73では、ステップS71で求めた予測振れ量が補正可能量であるか否かをチェックし、補正不可能であると判断した場合、即ち、記憶部11に記憶させた予測振れ情報(予測手振れ量)と補正可能量(設定スイッチ107による手振れ許容限界値)から、撮影画像が設定スイッチ107により設定した手振れ許容限界値で得られる画像より悪いか否かを判断し、悪いと判断した場合にはステップS74に移行し、悪くないと判断した場合にはステップS8に移行する。
【0066】
ステップS74では、撮影画像が設定スイッチ107により設定した手振れ許容限界値で得られる画像より悪いので、例えば図6(a)に示したように「左右振れが大きいです。」、又は図6(b)に示したように「カメラを身体に押し付けて脇を閉めて下さい。」等のメッセージを表示器100に表示させて警告する。また、この場合、「今の撮影では、画像レベルが7以下です。」、「F2.8以下で撮影してください。」、「カメラを身体に押し当てて、脇を閉めてて下さい。」等のメッセージを表示器100に表示させて警告しても良い。さらに、この様な状態の場合には、表示器100に表示したメッセージをスピーカ104から音声で知らせて、警告するようにすることもできる。これらの表示器100とスピーカ104による警告(報知)は、一方のみを行っても良いし、両方同時に行っても良い。また、この様な表示に変えて、発光ダイオード101〜103を点灯表示させるようにしても良い。この様な警告(報知)後、ステップS8に移行する。
【0067】
このステップS8では、ステップS6で既に予測振れ情報により決定している補正手段7の補正動作開始位置の妥当性を、ステップS7で得られた露光直前の振れ情報に基づいて判断する。そして、予測振れ情報から算出された振れ補正手段7の補正動作開始位置の妥当性が確認された場合にはステップS9に移行し、予測振れ情報から算出された振れ補正手段7の補正開始位置が妥当でないと判断された場合には、露光制御手段12による露光制御を禁止するために、ステップS11に移行する。
【0068】
ステップS9では、振れ補正手段7のヨー方向振れ補正装置7y及びピッチ方向振れ補正装置7pを補正手段駆動手段12により作動制御して、撮像制御基板41及び二次元固体撮像素子42を補正動作開始位置へ移動させ、ステップS10に移行する。
【0069】
即ち、ステップ9では、先ず、ステップS6で求めたヨー方向の補正開始位置に基づいて補正手段駆動手段12によりヨー方向振れ補正装置7yの圧電素子(図示せず)に所定の電圧を印加して、この圧電素子の厚さを変化させることにより、この圧電素子の厚さ変化に基づく変化量をヨー方向振れ補正装置7yのテコの原理を応用した機械的な変位拡大機構を介して撮像制御基板41に伝達させて、撮像制御基板41をヨー方向の補正動作開始位置へ移動(回転)させる。
【0070】
次に、ステップ9では、ステップS6で求めたピッチ方向の補正開始位置に基づいて補正手段駆動手段12によりピッチ方向振れ補正装置7pの圧電素子(図示せず)に所定の電圧を印加して、この圧電素子の厚さを変化させることにより、この圧電素子の厚さ変化に基づく変化量をピッチ方向振れ補正装置7pのテコの原理を応用した機械的な変位拡大機構を介して撮像制御基板41に伝達させて、撮像制御基板41のピッチ方向の補正動作開始位置へ移動(回転)させる。尚、撮像制御基板41のヨー方向の補正動作開始位置へ移動制御及びピッチ方向への補正開始位置への移動制御の順序は逆でも良い。
【0071】
そして、これらの撮像制御基板41のヨー方向及びピッチ方向への補正開始位置への制御が行われた後ステップS10に移行する。
【0072】
ステップS10では、振れ検出手段5(50y,50p)からの振れ検出情報を基に補正手段駆動手段12を作動制御して、補正手段駆動手段12により振れ補正手段7のヨー方向振れ補正装置7y及びピッチ方向振れ補正装置7pを駆動することにより、補正動作開始位置を可動中心として撮像制御基板41をヨー方向及びピッチ方向に振れ補正を行なう。
【0073】
即ち、ステップS6で求めたヨー方向の予測振れ情報に基づいて補正手段駆動手段12によりヨー方向振れ補正装置7yの圧電素子(図示せず)に印加する電圧を制御して、この圧電素子の厚さを変化させることにより、この圧電素子の厚さ変化に基づく変化量をヨー方向振れ補正装置7yのテコの原理を応用した機械的な変位拡大機構を介して撮像制御基板41に伝達させて、撮像制御基板41をヨー方向の補正動作開始位置からヨー方向への予測振れ方向とは逆方向へ移動制御(回転制御)させる。この際の移動制御(回転制御)量は、ヨー方向への予測振れ量と同じになる。
【0074】
一方、これと同時に、ステップS6で求めたピッチ向の予測振れ情報に基づいて補正手段駆動手段12によりピッチ方向振れ補正装置7pの圧電素子(図示せず)に所定の電圧を印加して、この圧電素子の厚さを変化させることにより、この圧電素子の厚さ変化に基づく変化量をピッチ方向振れ補正装置7pのテコの原理を応用した機械的な変位拡大機構を介して撮像制御基板41に伝達させて、撮像制御基板41をピッチ方向の補正動作開始位置からピッチ方向への予測振れ方向とは逆方向へ移動制御(回転制御)させる。この際の移動制御(回転制御)量は、ピッチ方向への予測振れ量と同じになる。
【0075】
尚、この様な制御に際して、撮像制御基板41のヨー方向の補正動作開始位置へ移動制御及びピッチ方向への移動制御の順序は逆でも良いが、撮像制御基板41のヨー方向の補正動作開始位置へ移動制御及びピッチ方向への移動制御を時分割して交互に行うことにより、より正確な制御を行うようにすることもできる。
【0076】
そして、これらの撮像制御基板41のヨー方向及びピッチ方向への移動制御(回転制御)が行われた後、露光制御手段13により撮像制御基板41を作動制御して、撮像制御基板41により二次元固体撮像素子42の露光制御を行わせ、撮影レンズ2を介して二次元固体撮像素子42に結像される被写体像の撮影を実行させ、ステップS11に移行する。尚、この様な露光制御により得られた画像は、図示しない回路を介して図示しないフレームメモリに記憶される。
【0077】
ステップS11では、記憶手段6,11に記憶された内容をリセットしてステップS01に戻ってループし、次の撮影に備える。
(2)手振れ補正制御におけるステップS8の補正開始位置の妥当性判断の具体例
図5のフローチャートにおける、ステップS8の振れ補正手段7の補正動作開始位置の妥当性の判断の具体例を、図7のフローチャートと図8の予測振れ量特性線図に基づいて説明する。
【0078】
ここでは、振れ検出手段5により検出される振れ検出情報に基づき演算部10により算出される予測振れ情報を予測振れ速度u、露光前振れ検出手段8により検出される振れ情報を露光前振れ速度vとして説明する。
【0079】
図7において、ステップS7からステップS81に移行すると、ステップS81では露光前振れ速度の絶対値|v|が下限値Aより大きいか否かが判断される。
【0080】
この露光開始直前の振れ速度vの絶対値が下限値A以下のほぼゼロに近い場合には、図8の(a)に示すように露光開始タイミングが振れ方向の変化点である可能性がある。即ち、露光開始直前の振れ速度vの絶対値が下限値A以下のほぼゼロに近い場合には、振れ検出手段5により検出された振れ検出情報に基づいて求められる予測振れ速度uが大きくなる方向へ向かっているのが予測される。このため、撮像制御基板41及び二次元固体撮像素子42が、露光開始後に予測振れ方向とは反対方向へ振れる場合がある。この場合には手振れによる撮影の失敗が考えられる。
【0081】
従って、露光前振れ速度の絶対値|v|が下限値A以下の場合には露光開始を禁止するためにステップS11に移行し、露光前振れ速度の絶対値|v|が下限値Aより大きい場合にはステップS82へ移行する。
【0082】
次に、ステップS82では、予測振れ速度uと露光前振れ速度vとの積が「0」より大きいか否かが判断される。この判断において、振れ速度検出手段8の振れ速度vの方向が、演算部(予測演算手段)10により求められる予測振れ速度uの方向と逆の場合、図8の(b)に示すように撮像制御基板41及び二次元固体撮像素子42が露光開始後に予測振れ速度uとは反対方向へ振れる場合がある。この場合には手振れによる撮影の失敗が考えられる。
【0083】
従って、予測振れ速度uと露光前振れ速度vとの積が「0」より小さい場合、即ちマイナスの場合、撮影失敗がないように露光開始を禁止するためにステップS11に移行し、予測振れ速度uと露光前振れ速度vとの積が「0」より大きい場合、即ちプラスの場合、ステップS83に移行する。
【0084】
そして、ステップS83では、予測振れ速度uと露光前振れ速度vの速度差(u−v)の絶対値が振れ基準値Dより小さいか否かが判断される。
【0085】
この判断を行うのは、振れ速度検出手段8の振れ速度vと前記予測演算手段による予測振れ速度uが同じ方向であっても、その速度差が振れ基準値D以上と大きく異なる場合、例えば予測振れ速度uが大きいのに対して露光直前の振れ速度vが小さい場合、図8の(c)に示すように露光開始後に予測振れ速度とは反対方向へ振れる場合があるからである。また、ステップS83の判断を行うのは、予測振れ速度uが小さいのに対して露光直前の振れ速度vが大きい場合、図8の(d)に示すように露光開始後に予測振れ速度uより大きな振れが発生してしまう場合があるからである。これらの場合においては、予測振れ速度uで決定した補正動作開始位置で補正範囲を逸脱するのを防止しようとしても、補正ストロークが不足するので、露光開始を禁止する様にすると良い。
【0086】
従って、ステップS83では、予測振れ速度uと露光前振れ速度vの速度差(u−v)の絶対値が振れ基準値Dより大きい場合にはステップS11に移行させ、予測振れ速度uと露光前振れ速度vの速度差(u−v)の絶対値が振れ基準値Dより小さい場合にはステップS9に移行させる。
【0087】
尚、上述したステップにおいて、露光禁止のためにステップS11に移行するほか、露光禁止のために露光制御手段12による制御の停止を確認又は実行した上で、ステップS11に移行してもよい。
(その他)
クレーム1
以上説明した発明の実施の形態によれば撮影装置は、基本的には手振れ状態を検出する手振れ検出手段(振れ検出手段5)と、前記手振れ検出手段(振れ検出手段5)により検出された手振れ情報から手振れ補正量を求める演算制御回路(演算部10)と、前記演算制御回路(演算部10)により求められた手振れ補正量から手振れ補正を行う手振れ補正手段(振れ補正手段7)を有する。しかも、手振れ状態をチェックする「手振れチェックモード」と「他のモード」とを切り換えるモード切換手段(モード切換スイッチ106)が設けられていると共に、前記各モードのときのメッセージを報知する報知手段(表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104)が設けられている。
【0088】
この構成によれば、「手振れチェックモード」のときにおいて、撮影の前に像ぶれがある場合には、撮影者に像ぶれを報知手段(表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104)で報知することにより、失敗のない撮影(手振れの内撮影)を行うことができる。また、他のモードが一般撮影モードの時には、撮影前に撮影時の注意メッセージを報知して、手振れのない撮影を行うことができる。
【0089】
また、以上説明した発明の実施の形態によれば、前記演算制御回路(演算部10)は、前記モード切換手段(モード切換スイッチ106)が「手振れチェックモード」のとき、前記手振れ検出手段(振れ検出手段5)からの測定値と入力された露光条件から想定露光時間内の手振れ状態を予測して、予測手振れ量を求めると共に、前記予測手振れ量が設定された補正可能量から外れるか否かを判断して、判断した結果を前記報知手段(表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104)で報知させる様に設定されている。
【0090】
この構成によれば、予測手振れ量が設定された補正可能量から外れるか否かを判断して、判断した結果を前記報知手段(表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104)で報知させる様にしているので、予測結果を確認した上での撮影を行うことができる。これにより、失敗の少ない撮影を行うことができる。
【0091】
更に、以上説明した発明の実施の形態によれば、前記演算制御回路(演算部10)は、前記モード切換手段(モード切換スイッチ106)が「手振れチェックモード」のときに、前記手振れ検出手段(振れ検出手段5)からの手振れ情報を基にこれから撮影する撮影画像の手振れ状態を予測して、この予測した撮影画像の手振れ予測値が手振れ限界設定画値より悪いか否かを判断して、判断した結果が予測した撮影画像が手振れ限界設定画像より悪いと判断した場合、この判断内容を前記報知手段(表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104)で報知させる様に設定されている。
【0092】
この構成によれば、予測した撮影画像の手振れ予測値が手振れ限界設定画値より悪い場合、この判断内容を前記報知手段(表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104)で報知させる様にしているので、この報知により撮影者は手振れが生じることを確認できる。この結果、撮影者は、撮影装置のカメラボディ1を手振れが生じないように保持して、撮影用のレリーズボタン(シャッターボタン、レリーズスイッチ)3を押すことにより、失敗のない撮影を行って、手振れの内撮影画像を得ることができる。
【0093】
また、以上説明した発明の実施の形態によれば、前記手振れ限界設定値を設定する手振れ限界値設定手段(設定スイッチ107)が設けられている。
【0094】
この構成によれば、撮影者が好みに応じて手振れ限界値を設定でき、意識的に手振れのある撮影画像を得たい場合にも対応できる。また、手振れが殆どなくなるように手振れの限界設定値を設定すれば、手振れのない撮影画像を得ることが可能である。しかし、この場合には、撮影者が撮影装置のカメラボディ1を手振れが生じない状態に安定保持する必要があり、撮影に時間がかかることが考えられる。従って、手振れ限界設定値を撮影者の好みや熟練度に応じて設定することにより、撮影にかかる時間を短縮できる。
【0095】
また、以上説明した発明の実施の形態によれば、前記報知手段は、液晶表示器、有機EL表示器等の表示器100、スピーカ104、発光ダイオード101〜103を有する。しかし、前記報知手段は、液晶表示器、有機EL表示器等の表示器100、スピーカ104、発光ダイオード101〜103のいずれかひとつであっても良いし、これらの幾つかの組合せであっても良い。
【0096】
この構成によれば、前記報知手段は、液晶表示器、有機EL表示器等の表示器100、スピーカ104、発光ダイオード101〜103のいずれかひとつ、又はこれらの幾つかの組合せによって撮影者に手振れ状態を報知できる。
【0097】
しかも、液晶表示器、有機EL表示器等の表示器100、スピーカ104、発光ダイオード101〜103の幾つかの組合せ組合せの場合には、更に撮影者に確実に手振れ状態を報知できる。
【0098】
また、以上説明した発明の実施の形態によれば、前記演算制御回路(演算部10)は、前記モード切換手段(モード切換スイッチ106)が「手振れチェックモード」のときに、前記手振れ情報から手振れ状態のメッセージとその回避メッセージを前記報知手段(表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104)で報知させる様に設定されている。
【0099】
この構成によれば、撮影に未熟な撮影者の場合には、モード切換スイッチ106を操作して「手振れチェックモード」とすることにより、撮影時の手振れ状態の確認とその回避方法を知ることができるので、この回避メッセージに従って失敗のない撮影を行って、手振れのない撮影画像を得ることができる。一方、手振れチックモード以外のときは、手振れ状態のメッセージや回避メッセージが報知されないので、撮影の熟練者にとっては不要なメッセージが報知されない。
【0100】
また、以上説明した発明の実施の形態によれば、前記演算制御回路(演算部10)は、前記手振れ情報から手振れ状態のメッセージとその回避メッセージを前記報知手段(表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104)で報知した後、そのまま撮影を実行すると、自動で手振れを回避する様に設定されている。
【0101】
この構成によれば、前記手振れ情報から手振れ状態のメッセージとその回避メッセージを前記報知手段(表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104)で報知することにより、撮影者はこのメッセージに従って手振れ回避方法を実行することができる。そして、撮影者がこの手振れ回避方法を実行することにより、手振れ量を短時間で小さくして、自動で手振れを補正可能な範囲に手振れ状態をすることができる。この結果、短時間で撮影を行うことができる。
【0102】
また、以上説明した発明の実施の形態によれば、前記演算制御回路(演算部10)は、前記モード切換手段(モード切換スイッチ106)が「他のモード」のときに、一般的撮影時の注意メッセージを前記報知手段(表示器100,発光ダイオード101,102,103、スピーカ104)で報知するように設定されている。
【0103】
この構成によれば、例えば一般撮影時に手振れが生じないようなメッセージを注意メッセージとして撮影者に報知することができ、撮影者はこのメッセージに従って撮影を行うことにより失敗のない撮影、すなわち手振れのない撮影を行うことができる。
(その他2)
また、手振れ補正の方法については、上述した実施例以外の周知の手振れ補正方法や手振れ補正装置を採用することができる。
【0104】
即ち、この発明は、「手振れチェックモード」と「他のモード(例えば、一般撮影モード)」を有すると共に、各モードにおけるメッセージを報知する報知手段があれば、上述した手振れ補正装置や手振れ補正方法に限定されるものではなない。また、手振れチェックモード」においては、手振れ検出手段により検出された手振れ情報に基づいて、上述したような手振れに関するメッセージやその回避メッセージを撮影者に報知できれば、上述した手振れ検出装置や手振れ検出方法に限定されるものではない。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明は、手振れ状態を検出する手振れ検出手段と、前記手振れ検出手段により検出された手振れ情報から手振れ補正量を求める演算制御回路と、前記演算制御回路により求められた手振れ補正量から手振れ補正を行う手振れ補正手段を有する撮影装置において、手振れ状態をチェックする「手振れチェックモード」と「他のモード」とを切り換えるモード切換手段が設けられていると共に、前記各モードのときのメッセージを報知する報知手段が設けられている構成としたので、「手振れチェックモード」において撮影前に像ぶれがある場合には、撮影者に像ぶれを報知手段で報知することにより、失敗のない撮影を行うことができる。
【0106】
また、他のモードが一般撮影モードの時には、撮影前に注意メッセージを報知して、手振れのない撮影を行うことができる。
【0107】
また、請求項2の発明によれば、予測手振れ量が設定された補正可能量から外れるか否かを判断して、判断した結果を前記報知手段で報知させる様にしているので、予測結果を確認した上での撮影を行うことができる。これにより、失敗の少ない撮影を行うことができる。
【0108】
更に、請求項3の発明によれば、予測した撮影画像の手振れ予測値が手振れ限界設定画値より悪い場合、この判断内容を前記報知手段で報知させる様にしているので、この報知により撮影者は手振れが生じることを確認できる。この結果、撮影者は、撮影装置のカメラボディ1を手振れが生じないように保持して、撮影用のレリーズボタンを押すことにより、失敗のない撮影を行って、手振れのない影画像を得ることができる。
【0109】
また、請求項4の発明によれば、前記手振れ限界設定値を設定する手振れ限界値設定手段が設けられている構成としたので、撮影者が好みに応じて手振れ限界値を設定でき、意識的に手振れのある撮影画像を得たい場合にも対応できる。また、手振れが殆どなくなるように手振れの限界設定値を設定すれば、手振れのない撮影画像を得ることが可能である。しかし、この場合には、撮影者が撮影装置のカメラボディを手振れが生じない状態に安定保持する必要があり、撮影に時間がかかることが考えられる。従って、手振れ限界設定値を撮影者の好みや熟練度に応じて設定することにより、撮影にかかる時間を短縮できる。
【0110】
また、請求項5の発明によれば、前記報知手段は、表示器、スピーカ、発光ダイオードのいずれかひとつ又はこれらの幾つかの組合せの構成としたので、これらのいずれかひとつ、又はこれらの幾つかの組合せによって撮影者に手振れ状態を報知できる。しかも、表示器、スピーカ、発光ダイオードの幾つかの組合せ組合せの場合には、更に撮影者に確実に手振れ状態を報知できる。
【0111】
また、請求項6の発明は、前記演算制御回路は、前記モード切換手段が「手振れチェックモード」のときに、前記手振れ情報から手振れ状態のメッセージとその回避メッセージを前記報知手段で報知させる様に設定されている構成としたので、撮影に未熟な撮影者の場合には、モード切換手段を操作して「手振れチェックモード」とすることにより、撮影時の手振れ状態の確認とその回避方法を知ることができるので、この回避メッセージに従って失敗のない撮影を行って、手振れのない撮影画像を得ることができる。一方、手振れチックモード以外のときは、手振れ状態のメッセージや回避メッセージが報知されないので、撮影の熟練者にとっては不要なメッセージが報知されない。
【0112】
また、請求項7の発明は、前記演算制御回路は、前記手振れ情報から手振れ状態のメッセージとその回避メッセージを前記報知手段で報知した後、そのまま撮影を実行すると、自動で手振れを回避する様に設定されている構成としたので、前記手振れ情報から手振れ状態のメッセージとその回避メッセージを前記報知手段で報知することにより、撮影者はこのメッセージに従って手振れ回避方法を実行することができる。そして、撮影者がこの手振れ回避方法を実行することにより、手振れ量を短時間で小さくして、自動で手振れを補正可能な範囲に手振れ状態をすることができる。この結果、短時間で撮影を行うことができる。
【0113】
また、請求項8の発明は、前記演算制御回路は、前記モード切換手段が「他のモード」のときに、一般的撮影時の注意メッセージを前記報知手段で報知するように設定されている構成としたので、例えば一般撮影時に手振れが生じないようなメッセージを注意メッセージとして撮影者に報知することができ、撮影者はこのメッセージに従って撮影を行うことにより失敗のない撮影、すなわち手振れのない撮影を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明に係る撮影装置を斜め正面から見た概略斜視図、(b)は(a)の撮影装置の背面図、(c)は(b)の要部拡大図、(d)は(c)のモード切換スイッチの移動状態を説明する説明図である。
【図2】図1に示した撮影装置の手振れの振れ量遷移例を示す振れ特性線図である。
【図3】この発明の実施の形態を示す回路図である。
【図4】この発明の実施例を示す回路図である。
【図5】図4の演算部による手振れ制御による撮影手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】(a),(b)は、図1(b)の撮影装置における表示器へのメッセージ表示例を示す説明図である。
【図7】図4のフローチャートのステップS8の具体例を示すフローチャートである。
【図8】(a),(b),(c),(d)は、予測振れ情報の振れ速度の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・撮影装置
5・・・振れ検出手段(手振れ検出手段)
7・・・補正手段(手振れ補正手段)
10・・・演算部(予測演算手段、演算制御回路)
12・・・補正手段駆動手段(制御手段)
100・・・表示器(報知手段)
101〜103・・・発光ダイオード(報知手段)
104・・・スピーカ(報知手段)

Claims (8)

  1. 手振れ状態を検出する手振れ検出手段と、前記手振れ検出手段により検出された手振れ情報から手振れ補正量を求める演算制御回路と、前記演算制御回路により求められた手振れ補正量から手振れ補正を行う手振れ補正手段を有する撮影装置において、
    手振れ状態をチェックする「手振れチェックモード」と「他のモード」とを切り換えるモード切換手段が設けられていると共に、前記各モードのときのメッセージを報知する報知手段が設けられていることを特徴とする撮影装置。
  2. 請求項1に記載の撮影装置において、前記演算制御回路は、前記モード切換手段が「手振れチェックモード」のとき、前記手振れ検出手段からの測定値、入力された露光条件から想定露光時間内の手振れ状態を予測して、予測手振れ量を求めると共に、前記予測手振れ量が設定された補正可能量から外れるか否かを判断して、判断した結果を前記報知手段で報知させる様に設定されていることを特徴とする撮影装置。
  3. 請求項1に記載の撮影装置において、前記演算制御回路は、前記モード切換手段が「手振れチェックモード」のときに、前記手振れ検出手段からの手振れ情報を基にこれから撮影する撮影画像の手振れ状態を予測して、この予測した撮影画像の手振れ予測値が手振れ限界設定画値より悪いか否かを判断して、判断した結果が予測した撮影画像が手振れ限界設定画像より悪いと判断した場合、この判断内容を前記報知手段で報知させる様に設定されていることを特徴とする撮影装置。
  4. 請求項3に記載の撮影装置において、前記手振れ限界設定値を設定する手振れ限界値設定手段が設けられていることを特徴とする撮影装置。
  5. 請求項3に記載の撮影装置において、前記報知手段は、液晶表示器、有機EL表示器、スピーカ、発光ダイオードのいずれかひとつ又はこれらの組合せであることを特徴とする撮影装置。
  6. 請求項1に記載の撮影装置において、前記演算制御回路は、前記モード切換手段が「手振れチェックモード」のときに、前記手振れ情報から手振れ状態のメッセージとその回避メッセージを前記報知手段で報知させる様に設定されていることを特徴とする撮影装置。
  7. 請求項6に記載の撮影装置において、前記演算制御回路は、前記手振れ情報から手振れ状態のメッセージとその回避メッセージを前記報知手段で報知した後、そのまま撮影を実行すると、自動で手振れを回避する様に設定されていることを特徴とする撮影装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の撮影装置において、前記演算制御回路は、前記モード切換手段が「他のモード」のときに、一般的撮影時の注意メッセージを前記報知手段で報知するように設定されていることを特徴とする撮影装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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