JP2004076878A - 液化天然ガス供給システム - Google Patents

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長谷川 辰也
Hajime Anzai
安在 一
Masayuki Kobayashi
小林 正行
Takeshi Endo
遠藤 毅
Masateru Takada
高田 正輝
Atsushi Matsuo
松尾 淳
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JC Carter Japan KK
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Nihonkai LNG Co Ltd
JC Carter Japan KK
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    • F17D1/02Pipe-line systems for gases or vapours
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Abstract

【課題】発生する氷膜の問題、ガスパージの問題を解決しながら、簡易短時間に基地側と移動体側との管路接続、分離ができ、作業性も向上する液化天然ガス供給システムを提供する。
【解決手段】貯蔵タンク51と移動体41との間で液化天然ガスを移送する継手として、合体操作レバーを有した合体リンク機構を備えた雄継手10と雌継手20とからなる極低温流体継手30であって、これらの雄継手、雌継手は、それぞれ自己シール型突合弁機構と氷除去機構とを備えて、前記合体操作レバーの合体操作により前記雄継手を前記雌継手に、ガスパージすることなく、液化天然ガスによって生じる氷膜に煩わされずに接続し、両者を合体させ、流体移送可能とされた極低温流体継手30を用いた。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、貯蔵タンクから移動体へ極低温流体である液化天然ガス(LNG)を移送する液化天然ガス供給システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
極低温流体である液化天然ガス(LNG)を、例えば、図26に示すように基地に設けられた貯蔵タンク251からタンクローリ車などの移動体のタンク241へ供給する液化天然ガス供給システム200では、従来は、基地側、移動体側のそれぞれに開閉バルブ247、241aを設け、基地側では、この開閉弁247から移動体側へ伸びる供給管路242oにローディングアーム246を設け、接続先端部はフランジ246aとして、この接続フランジ246aが上下左右に自由に位置保持可能としておき、移動体側でも管路の先端部を対応したフランジ241bとして、基地側の接続フランジ246aを移動側のフランジ241bに位置合わせして、双方のフランジ246a、241bをボルト締結することによって、基地側と移動体側を管路接続し、液化天然ガスの供給、移送を行っていた。
【0003】
この液化天然ガスの供給の際には、通常、基地側と移動側の接続は閉鎖系として行われ、供給のための供給管路242oの接続だけでなく、供給した液化天然ガスの分だけ被供給側のタンク241のガスを供給側の貯蔵タンク251に還流させる帰還管路242iの接続も必要となっており、この帰還管路242iの接続も同様の構成となっている。
【0004】
供給管路242o、帰還管路242iには、圧力計243、流量計244、調整弁245が設けられ、これらは、貯蔵タンク251から導出され流体送給ポンプ253を設けた供給主管路252o、貯蔵タンク251に帰還している帰還主管路252iに分岐接続されている。
【0005】
従来、このような単純な管路接続構造としているのは、極低温流体である液化天然ガス(LNG)は、液体状態では、約マイナス162℃という極低温であるため、これを収容した管路などが大気にふれると即座に大気中の水分が氷膜となって周囲に付着し、管路接続機構や接続のシール性維持に支障を来すため、通常の流体で慣用される、接続先端部分に弁機構を設けた急速継手のようなものを用いることができなかったためである。
【0006】
ところが、この接続供給方法では、それぞれの開閉弁247、241bから接続側では、大気開放状態とならざるを得ず、この大気中に含まれる酸素が気化した天然ガスと混合して爆発する危険性があり、また、供給物に異物が混入するのを避けるため、基地側と移動体側の管路をフランジ接続した後には、双方の開閉弁247、241b間の管路内にある大気を、まず、窒素ガス供給管路249によって、窒素ガス(N2)を強制注入することで追い出し、更に、内部が窒素ガスだけになった状態で、気化器250aを備えた天然ガス供給管路250により気化した天然ガスを強制注入して、内部が気化天然ガスだけになるように、ガスパージした後に、双方の開閉弁247、241bを開いて、液化天然ガスの供給を行うようにしていた。
【0007】
このガスパージは、供給を終了して双方の管路の接続を解除する場合にも、逆の手順で必要であった。
【0008】
また、貯蔵タンク251から、移動体であるタンクローリ車のタンク241に液化天然ガスを供給する場合、供給効率を上げるために、上記の構成の供給ステーション240を複数設けて、複数のタンクローリ車に供給可能なようにしているが、ガスパージで天然ガスの漏れだしの可能性があるため、ガスパージの時間を含めて他のタンクローリ車への供給が行われている間は、タンクローリ車のエンジンを起動させることは禁じられており、複数台のタンクローリ車への液化天然ガスを必ず同時にしなければならない、という制約があった。
【0009】
また、ガスパージする際には、外部から強制供給する窒素ガスや気化天然ガスの分だけ、内部気体を大気側に排出させるため、酸素センサ248aを設けたパージガス排出管路248を別途設けて、排出主管路254で接続され、液化天然ガス供給ステーション240とは、遠く離れた位置の高い煙突255から、余分のガスを排出させるようにしなければならなかった。更に、このようなガスの排出は、環境保護の点から、できるだけ少ないものとすることが要請されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決しようとするもので、発生する氷膜の問題、ガスパージの問題を解決しながら、簡易短時間に基地側と移動体側との管路接続、分離ができ、作業性も向上する液化天然ガス供給システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の液化天然ガス供給システムは、極低温流体である液化天然ガス(LNG)を移送する供給システムであって、前記貯蔵タンクまたは前記移動体のいずれか一方側の管路系に接続され、雄継手を有した材料供給ポートと、前記貯蔵タンクまたは前記移動体の他方側の管路系に接続され、雌継手を有した材料受け入れポートとを備えてなり、
前記材料供給ポートの雄継手は、合体操作レバーを有し、前記雌継手との合体接続のための合体リンク機構と、この合体リンク機構によって、前記雌継手の第2の突合せ弁体を押圧して前記雄継手との間で液化天然ガスの流通を可能とする第1の突合せ弁体を有した自己シール型突合弁機構と、氷除去スクレーパを有し、前記雌継手を合体接続させる際に液化天然ガスによって生じる氷膜を除去するための氷除去機構とを備える一方、
前記材料受け入れポートの雌継手は、前記雄継手の第1の突合せ弁体に対応した上記第2の突合せ弁体を有した自己シール型突合弁機構と、氷除去スクレーパを有し、前記雄継手に合体接続される際に液化天然ガスによって生じる氷膜を除去するための氷除去機構とを備えたことを特徴とする。
【0012】
このシステムは、液化天然ガスを移送するために基地側の貯蔵タンクと、これから移送をうけるタンクローリ車などの移動体とを一時的に接続する継手として、合体操作レバーを有した合体リンク機構を備えた雄継手と雌継手とからなる極低温流体継手を用いたので、このレバー操作の一動作で雄継手と雌継手を接続でき、接続時間を短縮できる。
【0013】
また、この継手は、自己シール型突合弁機構を備えているので、合体の直前まで雌雄の継手を自己流体シールしておき、最終的に雌雄の継手で形成された閉鎖空間内で、上記突合弁機構が作動して、流体シールが解除され、結果的に、この閉鎖空間に含まれる酸素の量が影響を及ぼさない程度として、ガスパージを不要としている。更に、氷除去機構は、雌雄の継手の合体の際に、液化天然ガスによって生じる氷膜を掻き落とし、排除するので、この氷が合体の支障となることがない。
【0014】
このような極低温流体継手としては、米国特許5,429,155の極低温流体継手が好適であり、本発明では、更に、この継手に、合体ロック維持機構を付設したものも提案している。
【0015】
なお、極低温流体とは、通常は気体のものが圧縮、低温化されることで、液体あるいは流体となっているもの、あるいは、常圧(大気圧)では沸点が摂氏零度以下のもので、常温大気圧では急速に気体化するものをいい、具体的には、すでに例示した液化天然ガス以外に、液化窒素、液化石油ガス(LPG)、液化アンモニア、液化炭酸ガス、液化二酸化炭素、液化されたアセチレン、アンモニア、アルゴン、塩素、エタン、エチレン、プロピレン、プロパン、ブタン、ブタジエン、ブチレン、ヘリウム、水素、酸素、イソブタン、クリプトン、メタン、メチルクロライド、ネオン、二酸化窒素、ビニールクロライド、キセノンなどを含むものである。
【0016】
また、本システムは、液化天然ガスだけでなく、上記の極低温流体の移送、供給に好適に用いられるが、特に、移送供給の際の貯蔵タンクと移動体の間の管路系の断切の際に、大気へのこの流体ガスの放出、あるいは、この流体への大気の混入を避けたい場合に好適に用いられる。
【0017】
請求項2に記載の液化天然ガス供給システムは、請求項1において、前記材料供給ポート、前記材料受け入れポートのすくなくともいずれか一方を、合体位置まで位置決めするための位置決め装置を更に備えている。
【0018】
このシステムは、合体位置までの位置決め装置を備えているので、雄継手、雌継手の位置合わせができ、便利である。
【0019】
請求項3に記載の液化天然ガス供給システムは、請求項1または2のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムにおいて、前記雄継手と前記雌継手に、前記合体操作レバーの合体操作に連動して前記雄継手と前記雌継手との合体状態を維持する合体ロック維持機構を設けたことを特徴とする。
【0020】
このシステムは、請求項1、2のシステムに更に、合体操作レバーの合体操作に連動して、雌雄の継手の合体状態を維持する合体ロック機構を設けたので、作業者は、合体後は、継手から手放しで他の接続供給関連作業を行うことができ、作業性が向上する。また、請求項1で行われていた合体操作レバーの合体操作に連動して、合体が維持され、余分な操作が必要ないので、無駄がない。
【0021】
請求項4に記載の液化天然ガス供給システムは、貯蔵タンクと移動体との間で極低温流体である液化天然ガス(LNG)を移送する液化天然ガス供給システムであって、前記貯蔵タンクまたは前記移動体のいずれか一方側の管路系の先端に、雄継手を所望の位置に移動可能に支持させたローディング装置を設け、他方側の管路系の先端には、上記雄継手に合体される雌継手を設けてなり、前記雄継手は、前記雌継手と組み合わされて極低温流体継手として構成され、
前記貯蔵タンク側には前記雄継手を、前記移動体側には前記雌継手を設け、
前記雄継手は、材料流通孔を周壁に形成した第1の突合せ弁体と、前記貯蔵タンク側の材料口と前記雌継手側の弁口とを形成し、その弁口を前記第1の突合せ弁体に常時弾性力を付与させて閉止するように収容した弁筒と、この弁筒を常時非合体方向に弾性力を付与させて収容した外筒と、合体操作レバーを有し、その合体操作レバーの操作によって前記弁筒を前記外筒に対して合体位置に移動させる合体リンク機構とを備えており、
前記雌継手は、材料流通孔を周壁に形成した第2の突合せ弁体と、前記移動体側の材料口と前記雄継手側の弁口とを形成し、その弁口を前記第2の突合せ弁体に常時弾性力を付与させて閉止するように収容した接合筒とを備えており、
更に、前記極低温流体継手は、合体ロック維持機構を備えており、この合体ロック維持機構は、前記雄継手の前記外筒の外周適所にロック方向に弾性力を付与した状態で枢着されたラッチ爪と、前記弁筒に連動して前記外筒の外側を進退移動するロック筒と、前記雌継手の接合筒の前記ラッチ爪に対応した個所に形成されたラッチ凹所とを少なくとも備えており、
これによって、前記雄継手の外筒を前記雌継手の接合筒に挿嵌させたときには、前記ラッチ爪を前記ラッチ凹所にロックさせ、その後、前記合体操作レバーを合体方向に操作したときには、前記弁筒を移動させて、前記第1、第2の突き合わせ弁体を相互に突合せて前記雄継手側の弁筒と前記雌継手側の接合筒との弁口を開くことによって液化天然ガスの移送を許容すると同時に、前記ロック筒を前記ラッチ爪に被せて前記ロック状態を解除不能に維持する構成にしている。
【0022】
このシステムは、それに用いた極低温流体継手の、いわゆるガスパージを不要とする自己シール型突合弁機構(主に、雄側の第1の突合せ弁体、弁筒、外筒、雌側の第2の突合せ弁体と接合筒からなる。)と合体リンク機構の構成を明確にすると共に、この構成に対して、合体ロック維持機構の構成を明確にしたものである。
【0023】
つまり、合体ロック維持機構は、雄側では、外筒に設けられたラッチ爪、合体リンク機構に連動して外筒の外側をスライドするロック筒、雌側では、接合筒の前端外周に設けられたラッチ凹所という簡単な構成とされ、これにより、継手全体のコストをあまり上げることなく、合体ロック維持機構を達成している。
【0024】
請求項5に記載の液化天然ガス供給システムは、請求項4に記載の液化天然ガス供給システムおいて、前記極低温流体継手の前記ラッチ爪の背面後部と、前記ロック筒の前縁内面とには、このロック筒が最後部に位置した際に相互に当接して、前記ラッチ爪をロック解除方向に動かせる解除テーパー部を設けたことを特徴とする。
【0025】
この極低温流体継手は、ロック筒とラッチ爪に解除テーパー部を設けるだけでロック解除も可能としており、ロック解除も合体リンク機構に連動して行われ、その構成が簡単であり、コストを低く押さえることができる。
【0026】
請求項6に記載の液化天然ガス供給システムは、請求項4または5のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムおいて、前記極低温流体継手は、液化天然ガスによって生じる氷膜を掻落すための氷除去機構を更に備えており、
この氷除去機構は、前記雄継手の外筒の前縁で構成された氷除去スクレーパと、この外筒の適所に形成された氷逃がし孔と、前記雄継手の弁筒の先端に設けられた氷除去スクレーパと、前記雌継手の接合筒の前縁で構成された氷除去スクレーパとを、少なくとも備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項7に記載の液化天然ガス供給システムは、請求項4から6のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムおいて、前記雄継手の第1の突合せ弁体、前記雌継手の第2の突合せ弁体の閉止時に相手側と当接するシール部分を着脱交換可能な構造としたことを特徴とする。
【0028】
この液化天然ガス供給システムは、液化天然ガス継手の第1の突き合わせ弁体、第2の突き合わせ弁体のシール部分を着脱交換可能な構造としたので、本継手の最も重要な部分であり、継手の使用に際して最も頻繁に接触離脱が行われ摩耗の発生が多いシール部分を交換可能としたので、この部分を取り替えるだけで、シール性能を劣化させることなく継手を継続使用することができ、システムメンテナンスのコストダウンを図ることができる。
【0029】
請求項8に記載の液化天然ガス供給システムは、請求項4から7のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムおいて、前記ローディング装置は、バランスウエイトを設けた多関節管路系であって、その先端に、前記雄継手を装着可能としたローディングアームであることを特徴とする。
【0030】
請求項9に記載の液化天然ガス供給システムは、請求項1から8のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムおいて、前記移動体は、液化天然ガスの輸送のための貯留タンクを搭載したタンクローリ車、あるいは、液化天然ガスを燃料として消費する車輌、いわゆるLNG自動車であることを特徴とする。
【0031】
請求項10に記載の液化天然ガス供給システムは、請求項1から9のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムにおいて、前記液化天然ガス供給システムに、供給する液化天然ガスの供給量を自動制御する供給量自動制御システムを組み込んだことを特徴とする。
【0032】
このシステムは、供給量自動制御システムを組み込んだので、液化天然ガスの供給を受ける移動体側で、例えば従来設けられていた移動体重量計などを設けて、供給量を計測する必要がなくなる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、添付図を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0034】
図1は、本発明の液化天然ガス供給システムの一例を示す全体図である。以下、極低温流体の一例として、液化天然ガス(LNG)を取り上げて説明するが、本発明のシステムの移送対象はこれに限るものではない。
【0035】
このLNG供給システム50は、液化天然ガス(LNG)をLNG基地に設けられた貯蔵タンク51から、移動体であるタンクローリ車41のタンク41aへ供給するシステムに、極低温流体継手30を用いたものである。
【0036】
貯蔵タンク51には、流体送給ポンプ53を設けた供給主管路52oと、帰還主管路52iとが接続されている。供給主管路52oからは各々に圧力計43、流量計44、調整弁45、ローディングアーム46、雄継手10をこの順で設けた枝供給管路42o1、42o2、・・・、帰還主管路52iからは各々に圧力計43、流量計44、調整弁45、ローディングアーム46、雄継手10を、この順で設けた枝帰還管路42i1、42i2、・・・が分岐している。
【0037】
このそれぞれに雄継手10を設けた枝供給管路42o、枝帰還管路42iの一組をLNG供給ステーション40といい、このシステム50では、このようなLNG供給ステーション40を複数設けている。
【0038】
これに対し雌継手20の方は、供給用と帰還用の2つが、1台のタンクローリ車41のタンク41aにそれぞれ固定接続され、順次入れ替わりでLNGの供給を受けるものである。つまり、一組の雄継手10に対して、雌継手20の方は、多数組用いられるようになっている。このような観点から、雌継手20の方は、後述するように単純な構造であって、低コストのものとするのが良い。
【0039】
このシステム50で用いた極低温流体継手30は、合体操作レバー1dを有した合体リンク機構1(図3参照。)を備えた雄継手10と雌継手20とからなり、これらの雄継手10、雌継手20は、それぞれ自己シール型突合弁機構と氷除去機構とを備えて、合体操作レバー1dの合体操作により雄継手10を雌継手20に、短時間の一動作で、ガスパージすることなく、液化天然ガスによって生じる氷膜に煩わされずに接続し、両者を合体させ、基地側の貯蔵タンク51と移動体側のタンクローリ車41との間で、液化天然ガスを移送、供給することができる。
【0040】
より、詳しくは、ガスパージをする必要がないので、基地側で従来のフランジ継手を用いていた場合に必要であったパージガス排出管路(図26の248、254、255)や、供給を開閉するためだけの開閉バルブ(図26の247、241a)などが不要になり、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0041】
また、複数ステーションを設けた場合でも、他の移動体への供給が完了するのを待つ必要がなくなり、LNG供給の利便性が大幅に向上し、漏れ出すパージガスなどによって、環境を汚染することが少なくなる。
【0042】
この極低温流体継手30は、また、合体操作レバー1dの合体操作に連動して雄継手10と雌継手20との図示したような合体状態を維持する合体ロック維持機構8(図3参照。)を設けたので、合体をロックした状態では、雄継手10をそのままの状態で放置し、他の関連作業などを行うことができるので、作業性が向上し、また、解除する際にも、合体リンク機構の操作だけで対応可能(図12参照。)なので、操作が簡単である。
【0043】
図2は、本発明の液化天然ガス供給システムの他例を示す全体図である。
【0044】
このLNG供給システム70は、図1のものに比べ、より小規模のものであって、液化天然ガス(LNG)を、より小型で分散した基地に設置された貯蔵タンク71から、移動体であって、液化天然ガスをエンジン61bの燃料として消費する車輌、いわばLNG自動車51のタンク51aへ供給するシステムに、極低温流体継手30Aを用いたものである。
【0045】
貯蔵タンク71側の管路系は、図1のものと同様であり、貯蔵タンク71には流体送給ポンプ73を設けた供給主管路72oと、帰還主管路72iとが接続されている。供給主管路72oからは各々に圧力計63、流量計64、調整弁65、ローディングアーム66、雄継手10Aをこの順で設けた枝供給管路62o1、62o2、帰還主管路72iからは各々に圧力計63、流量計64、調整弁65、ローディングアーム66、雄継手10Aを、この順で設けた枝帰還管路62i1、46i2が分岐している。
雌継手20の方は、供給用と帰還用の2つが、1台のLNG自動車51のタンク51aにそれぞれ固定接続されている。
【0046】
それぞれに雄継手10を設けた枝供給管路62o、枝帰還管路62iの一組をLNG供給スタンド60といい、このシステム70では、このようなLNG供給スタンド60を二つ設けている。
【0047】
このシステム70で用いた極低温流体継手30Aは、図1の極低温流体継手30に比べ、二つの極低温流体継手30Aの合体リンク機構1Aが一体化され、二つの極低温流体継手30Aを合体操作レバー1d′の一動作で同時に、接続合体、合体維持、合体解除ができる点が、異なっており、他の点は共通し、この共通点については、図1の液化天然ガス供給システム50と同様の効果を発揮する。
【0048】
一方、一体化された合体リンク機構1Aにより、二つの継手の操作を一回でできるので、便利である。
【0049】
図3は、図1のシステムで用いた極低温流体継手の外観正面図である。なお、これより既に説明した部分には、同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0050】
極低温流体継手30は、上述したように基地(貯蔵タンク)側に設置される雄継手10と、移動体側に設置される雌継手20からなる。
【0051】
雄継手10には、合体リンク機構1を備えて、この合体リンク機構1の合体操作レバー1dを図に二点鎖線で示すロック維持前状態[0]から、実線で示すロック維持状態[6]へ、図に実線円弧矢印で示すようにレバー装着操作することによって、ガスパージすることなく、液化天然ガスによって生じる氷膜の影響を受けることなく、双方の継手を合体させ、流体の供給を可能とするものである。
【0052】
更に、この極低温流体継手30には、合体リンク機構1に連動して雄継手10と雌継手20との合体状態を維持し解除する合体ロック維持機構8(図で見えている範囲では、合体リンク機構1に連動して図において二点鎖線の状態から、実線の状態に直線矢印の方向に移動するロック筒2と、このロック筒2によりロック解除方向の移動を規制されているラッチ爪3などで構成される。)を設けたことを特徴とする。
【0053】
雄継手10は、上述した合体リンク機構1、ロック筒2、ラッチ爪3に加え、外筒4、弁筒5を備えている。
【0054】
合体リンク機構1は、外筒4の外周後端部に固定点Aにおいて固定され、合体操作レバー1dを回動支点Bにより回動可能に支承するリンク固定板1a、弁筒5の外筒4から後部に露出した所定位置に固定され、合体操作レバー1dの回動動作に連動させて弁筒5を外筒4に対してスライドさせるためのリンク支点Dを設けた連接板1b、合体操作レバー1dのリンク支点Cと連接板1bのリンク支点Dとの間をリンクするリンク板1c、既述の合体操作レバー1dを備えている。
【0055】
合体リンク機構1は、更に、連接板1bとロック筒2とを接続して両者を連動させる連接棒1eを備えており、この連接棒1eは、機能的には上述した合体ロック維持機構8の一部ともなっている。
【0056】
ロック筒2、雄継手10と雌継手20との合体をロックしているラッチ爪3、外筒4、弁筒5の詳細については後述する。
【0057】
雌継手20は、後述するように雄継手10と嵌合して合体する接合筒11を設けたケース体12、このケース体12の後部に接続され移動体側の管路と接続するための接続補助具15を備えている。
【0058】
このような構成で、この極低温流体継手30では、合体ロック維持機構8を備えているので、合体リンク機構1のレバー装着操作(図の実線円弧矢印)により、弁筒5に連動させて、を実線直線矢印方向にスライドさせ、このロック筒2よりラッチ爪3の外周を覆い、ラッチ爪3のロック解除方向の動き、つまり、ラッチ爪3が外側に開くのを防止して、ロック維持機能を発揮している。また、この合体ロック維持機構8は、外筒4より内部に設けられた氷、ガスパージの問題を解決する機構に影響を与えるものではない。
【0059】
したがって、この発明によれば、氷、ガスパージの問題を解決しながら、極低温流体継手を単独で用いることができ、継手の適用範囲が広くなり、接続合体後は作業員は継手を手放しで放置して他の接続関連作業を行うことができ、作業性が向上する。
【0060】
図4は、図2のシステムで用いた極低温流体継手の外観正面図である。
【0061】
この極低温流体継手30Aは、図1、3の極低温流体継手30に比べ、既述したように、合体リンク機構1Aが、二つの雄継手10Aを連結するように共通化されている点が異なる。また、これに対応するように、雌継手20の接続補助具16も、連結共通タイプとなっている。
【0062】
より具体的には、合体リンク機構1Aでは、図3の合体リンク機構1に比べ、それぞれ設けられていたリンク固定板1a、連接板1bが、二つの雄継手10Aの外筒4、弁筒5を連結するように共通化されたリンク固定板1g、連接板1hとなっている。また、これに対応して、合体操作レバー1d′も、それぞれにもうけられていたのが、共通化されたものとなっている。
【0063】
本発明の元々の極低温流体継手30の雄継手10は、合体ロック維持機構8が、ロック筒2、ラッチ爪3などで構成され、単体で合体ロック維持機能を発揮するので、図1のように、液化天然ガスを供給する際の供給管路と帰還管路とが独立して全く別位置に設けられている場合に単独で用いることができる。
【0064】
また、この図2のように、二つ(あるいは、それ以上)の管路の断切を同時に行いたい場合にも、個々の雄継手10の合体リンク機構部分を連結するだけで、合体ロック維持機能をそれぞれの継手において発揮する。
【0065】
なお、以下図3の極低温流体継手30のみについて説明していくが、図4の極低温流体継手30Aは、ほとんどの部分が極低温流体継手30と共通であり、異なるのは、図16で説明するリンク固定板1g、連接板1hだけである。
【0066】
図5は、図3の継手の外観斜視図であり、(a)はロック前状態、(b)はロック状態を示している。
【0067】
この図5(a)のロック前状態は、図3の二点鎖線状態に対応し、(b)のロック状態は、図3の実線状態に対応しており、この外観斜視図によって、雄継手10の合体リンク機構1、ロック筒2、ラッチ爪3、外筒4、合体ロック維持機構8などの設置位置関係がよく解る。
これより、本システムの核となる合体ロック維持機構8を設けた極低温流体継手30の構成について、詳しく説明して行く。
【0068】
図6は、図3の雄継手の前面図であり、図7は、図6における雄継手のXA−XA縦断面図である。図6は、図3において、雌継手20を取り外し、ロック維持前状態(二点鎖線状態)の雄継手10を図の上から見た所を示している。
【0069】
これらの図6、7から解るように、合体リンク機構1の合体操作レバー1dは、上下対象のものが左右一対設けられ、その上下間を接続するように、作業員がこの雄継手10を把持する把持部1daとなる丸棒が設けられている。
【0070】
ロック筒2は、外筒4に外嵌され、外筒4に対して前後(図7の上下)スライド可能であり、その筒状体の後方部内周に接するように接続リング21を外周からネジ22で止めており、この接続リング21の軸方向に連接棒1eの先端雄ネジをネジ係合させるための雌ネジが形成されている。この連接棒1eにより、ロック筒2と弁筒5に固定された連接板1bが連結され、結果、ロック筒2が弁筒5と連動して前後スライドするようになっている。
【0071】
3つのラッチ爪3は、外筒4の外周前部に設けられた3箇所のラッチ埋設穴に支点3aによって、この外筒4の筒面の内側から外側へと回動可能なように支承され、その後端部と外筒4の対応部との間にはスプリング3bが設けられ、常にこのラッチ爪3の前端側(図の上側)が、外筒4の内側方向、つまり、雌継手20との合体ロックを維持する方向に弾性力を付与されている。
【0072】
弁筒5は、外筒4の内部に前後スライド可能に収容され、弁筒5と外筒4との間には、この弁筒5を外筒4に対して後方スライド位置を維持するように常に弾性力を付与するスプリング41が設けられ、合体操作レバー1dをロック維持前状態[0]からロック維持状態[6]に回動させると、図7に示すように、この弁筒5は、この弾性力に抗して、ロック維持前状態[0]からロック維持状態[6](二点鎖線で示す。)に前方スライドする。
【0073】
外筒4の外周、ほぼ軸方向長さの半分位置には、ストップリング42が外嵌され、このストップリング42が、ロック筒2に固定された接続リング21に当接して、ロック筒2が、外筒4に対して、それ以上後方にスライドしないように、また、結果的に、弁筒5が外筒4に対してそれ以上後方にスライドしないように規制している。
【0074】
弁筒5は更に、補助筒51、スプリング52を備え、第1の突き合わせ弁体6は雄ポペット7を備えているが、その詳細は次の図8、9で説明する。
【0075】
図8(a)は、図3の雄継手を構成する弁筒と第1の突き合わせ弁体の縦断面図、(b)は、図8(a)の前面図、(c)は、図8(a)の弁筒に対する第1の突き合わせ弁体の動作説明図である。
【0076】
弁筒5は、その外周前端に、雄継手10との合体時に、嵌合相手である接合筒11の内周との流体シールを行う極低温耐性のシール手段5aと、このシール手段5aの直前方に介挿され、接合筒11の内周に付着する氷膜を掻き落とす役割をする氷除去スクレーパ5bと、シール手段5aと氷除去スクレーパ5bが弁筒5の先端から脱落しないように固定しているストップリング5cを備えている。
【0077】
この前端の内面側は開口され、流体を通過させる弁口5hとなっており、この弁口5hが第1の突き合わせ弁体6で閉止され、流体シールを維持するようになっている。
【0078】
弁筒5の外周後方の所定位置には、図3で示した連接板1bを固定するための半円弧形状の凹溝5eが設けられ、また、後端内径には、貯蔵タンクからの管路先端と接続するための管用テーパ雌ネジ5fが形成され、この開口が材料口5gとなっている。
【0079】
弁筒5内部には、前後スライド可能な第1の突き合わせ弁体6と、ストップリング5dで後方位置固定された補助筒51とを収容しており、この補助筒51と第1の突き合わせ弁体6の間には、第1の突き合わせ弁体6を前スライド方向に弾性力を付与するスプリング52が収容され、第1の突き合わせ弁体6はこの弾性力により常に、弁筒5の弁口5hを閉止し、流体シールを維持するようになっており、この際、補助筒51の前端と第1の突き合わせ弁体6の後端には所定の隙間Eが形成されている。
【0080】
第1の突き合わせ弁体6は、この弾性力に抗した下方スライド力を受けると、弁筒5に対して、図8(c)に示すように、この隙間Eが無くなる状態まで後退して、前記流体シールを解除するようになっている。
【0081】
第1の突き合わせ弁体6の外径の大部分は、弁筒5の内周径に比べて、一定の空間を生じる程度に小さくなっており、その全長の内前後の2箇所の凸段部6aにより、隙間なく弁筒5の内周に当接するようになって、この凸段部6aの外周凹所にスライドメタルリング61が嵌め込まれて、第1の突き合わせ弁体6が弁筒5内で円滑にスライドするようになっている。
【0082】
雄継手10は、この弁筒5と第1の突き合わせ弁体6の流体シール維持により、雌継手20と分離された状態となった場合も、雄継手10からの流体の漏れ出しが生じないような、いわゆる自己シール機能を備えている。
【0083】
図9(a)は図8(a)の第1の突き合わせ弁体の縦断面図、(b)は前面図、(c)は外観斜視図である。
【0084】
第1の突き合わせ弁体6には、既に説明したものに加え、先端にポペット取付部6bが設けられ、このポペット取付部6bに、先端に突起端7aaを設けたポペット本体7a、弁筒5の弁口5hを閉止するシール部分を構成するシール体7bから構成された雄ポペット7を、ポペット本体7aとポペット取付部6bとの間にシール体7bが介装される状態で、ネジ62で装着できるようになっている。
【0085】
このシール体7bは、継手の使用に際して最も頻繁に接触離脱が行われ、摩耗の発生が多いシール部分であり、これを交換可能としたので、この部分を取り替えるだけで、シール性能を劣化させることなく継手を継続使用することができ、コストダウンを図ることができる。
【0086】
また、このシール体は、液化天然ガスに曝される部分であり、極低温耐性を備え、シール特性の優れたものとすることが望まれ、その素材としては好適には、ポリテトラフルオロエチレンシートを用いることができる。また、シール体は着脱交換可能であるので、より好適な材料が入手可能となった場合、その材料のものと交換することで、より好適な対摩耗性、シール特性を発揮させるようにすることができる。
【0087】
第1の突き合わせ弁体6のポペット取付部6bのすぐ後方には、第1の突き合わせ弁体6の外周から内周への流体の通過を可能とする材料流通孔6cができるだけ大きな通過断面積が得られるように形成されている。
【0088】
図10(a)は図3に示す外筒の前部詳細図、(b)は縦断面図、(c)は後部詳細図、図11(a)は図10(b)のXB−XB断面図、(b)はXC−XC縦断面図、(c)は前面図である。
【0089】
外筒4は、全体として筒状であり、図10(a)、(b)に示すように、前方側に外周から内周へ貫通した3箇所のラッチ埋設穴4aが設けてあり、この埋設穴4aの壁面を円周方向に貫通するラッチ爪回動支承穴4aaが設けられ、この支承穴4aaにスプリングピンなどが嵌挿されて、図7で説明したラッチ爪3の回動支点3aを構成する。また、この外筒4の前縁は、この外筒4が外嵌される接合筒11の外周の氷膜を掻き落とす氷除去スクレーパ4gとして機能する。
【0090】
埋設穴4aの後方部はラッチ爪後方受け4abが形成され、このラッチ爪後方受け4abにラッチ爪3の後方下面に弾性力を与えるスプリング3b(図7参照。)を埋め立てるスプリング受穴4acが設けられている。
【0091】
外筒4外周の上記ラッチ埋設穴4aが設けられた部分から、後部には、氷逃がし窓4bが設けられ、外筒4の内部で前方へスライドする弁筒5の外周に付着し、雌継手20の接合筒11の前縁端である氷除去スクレーパ11a(図17参照。)で掻き落とされた氷が外へ排出されるようになっている。
【0092】
この氷逃がし窓4bの軸方向長さの中心位置付近には、この外筒4の外周にストップリング42(図7参照。)を嵌め込むためのリング溝4cが設けられている。
【0093】
外筒4の外周の最後部には、合体リンク機構1のリンク固定板1aを固定するための半円弧状の凹溝4dが形成されている。
【0094】
外筒4の内周には、部分的な凸段部4e、4fが前方と後方のに二か所設けられ、この凸段部4e、4fの内径が、弁筒5の外周と隙間なく嵌合するようになっていて、外筒4内で弁筒5が前後に円滑にスライドする。この後方の凸段部4fの後方側が、図7で説明したスプリング41の前方当たりとなり、外筒4と弁筒5間の弾性力を受けている。
【0095】
図12(a)は図3に示すラッチ爪の正面図、(b)は(a)のXD−XD断面図である。
【0096】
このラッチ爪3は、全体としては直方体形状で、その長手方向の一面の後方部分を貫通するように回動軸孔3a(これが、図7で説明した支点3aでもある。)が設けられ、この軸穴に平行する下面に凹溝が形成され、その前方側溝壁をラッチ部3dとして構成し、ラッチ部3dを設けた面の背面は、回動軸孔3aを越すあたりまで平坦部3eで、それに続く背面後部には、ロック筒2が最後位置に後退した際に、相互に当接して、このラッチ爪3を、図12(b)において回動軸孔3aを中心として、左回り、つまり、ロック解除方向へ動かせる解除テーパー部3sが設けられ、また平坦部3fとなっている。
【0097】
ラッチ爪3の下面後方には、回動軸穴3aを挟んで、ラッチ部3dと反対となる位置に、図7で説明したスプリング3bを受けるためのスプリング受け穴3cが設けられている。
【0098】
図13(a)は図3に示すロック筒の正面図、(b)は(c)のXE−XE断面図、(c)は縦断面図である。
【0099】
このロック筒2は、全体としては円筒形状で、外周から内周に貫通する通し窓2aが、外周を6等分するように設けられ、また内径は、組み立てた際には、前方となる部分がより小径の段部2bとなっており、この段部2bの後方側、つまり、ロック筒2の前縁内面には、後方へより径が大きくなるように、上記ラッチ爪3の解除テーパー部3sに対応した解除テーパー部2sが設けられている。
【0100】
ロック筒2の後端付近には、図7で説明した接続リング21を取り付けるための取付穴2cが設けられている。
【0101】
上記段部2bは、図7でも解るように、外筒4に設けられたラッチ爪3の外周に被さり、このラッチ爪3がロック維持状態から、ロック解除状態に開かないように、ラッチ爪3を規制する役割を果たす。
【0102】
上述したラッチ爪3とロック筒2の解除テーパー部3s、2sは、図7でも解るように、ロック筒2が最後部に後退した際に(図7より更にわずかに下方へ後退)、相互に当接して、ラッチ爪3を図4で左回り回動、つまりロック解除方向に動かす役割を果たす。
【0103】
図14(a)は図3に示すリンク固定板の正面図、(b)は側面図である。
【0104】
このリンク固定板1aは、全体として、平板形状で、その上下面を貫通するように大径の外筒固定孔1aaが設けられ、その側面を貫通するように、外筒固定補助孔1ab(図3のA点に相当)と、図3の支点Bとなる支点軸を挿嵌するための支点孔1acとが設けられている。
【0105】
図15(a)は図3に示す連接板の正面図、(b)は側面図である。
【0106】
この連接板1bは、全体として平板形状で、その上下面を貫通するように大径の弁筒固定孔1baと、その長手方向両側に連接棒1eを貫通させる連接棒孔1bbが設けられ、その側面を貫通するように、弁筒固定補助孔1bcが設けられている。この弁筒固定補助孔1bcは、図3のリンク支点Dとなるものである。
【0107】
図16(a)は図4に示すリンク固定板の正面図、(b)は図4に示す連接板の正面図である。
【0108】
図16(a)のリンク固定板1gは、図14の単体用のリンク固定板1aと同様の機能を果たすものであるが、二つの継手10Aを連結するものであり、外筒4が嵌まり込む外筒固定孔1haが二つ設けられ、その側面を貫通し、この外筒固定孔1haのそれぞれを挟み、その一部が露出するような外筒固定補助孔1abと、図14の支点孔1acに対応した支点孔1hcとが設けられている。
【0109】
図16(b)の連接板1hは、図15の単体用の連接板1bはと同様の機能を果たすものであるが、二つの継手10Aを連結するものであり、弁筒5が嵌まり込む弁筒固定孔1haと、そのそれぞれの両側に連接棒1eを貫通させる連接棒孔1hbが設けられ、その側面を貫通するように、弁筒固定補助孔1hcが設けられている。
【0110】
図17は、図3の雌継手の縦断面図である。この図は、図3において、雌継手20を雄継手10から分離して、上下を逆にした状態の縦断面図である。
【0111】
雌継手20は、図3ですでに説明した接合筒11、ケース体12、接続補助具15に加え、雌ポペット14を備えた第2の突き合わせ弁体13、スプリング16を備えている。
【0112】
接合筒11を突出させたケース体12は、その接合筒11とケース体12が分割可能な組み立て体として構成され、この接合筒12は、雄継手10の弁筒5と外筒4の間に嵌合する。この嵌合部分の外径は、その相手に嵌合するための勾配を設け、相手側に付着した氷膜を掻き落とす氷除去スクレーパ11aと、その後部に設けられ、外筒4に設けられたラッチ爪3のラッチ部3dが嵌まり込むラッチ凹所11bが形成されている。
【0113】
また、この接合筒11は、その内部が流体の通過路となっており、この通過路の反雄継手側を材料口11c、この通過路が第2の突き合わせ弁体13で閉止され流体シールがなされる部分を弁口11dと称する。
【0114】
なお、この接合筒11のラッチ凹所11bと、外筒4のラッチ爪3、このラッチ爪3のロック解除を規制するロック筒2などは、雌雄の継手を係合維持させる係合手段でもある。
【0115】
また、この接合筒11の氷除去スクレーパ11a、弁筒5の氷除去スクレーパ5b、外筒4の氷除去スクレーパ4gと氷逃がし窓4bはいずれも氷の除去手段であり、総称して氷除去機構という。
【0116】
第2の突き合わせ弁体13は、ケース体12の内部に前後スライド可能に収容され、常に接合筒11に対して流体シールするようにスプリング16で弾性力を付与されており、この雌継手20は、この図に示すように、雄継手10と分離された状態となった場合も、雌継手20からの流体の漏れ出しが生じないような、いわゆる自己シール機能を備えている。
【0117】
図18(a)は図17に示す第2の突き合わせ弁体の正面図、(b)は縦断面図、(c)は外観図である。
【0118】
この第2の突き合わせ弁体13は、図9の雄側の第1の突き合わせ弁体6の上部とほぼ同様の構成となっており、ポペット取付部13aが設けられ、このポペット取付部13aに、先端に突起端14aaを設けたポペット本体14a、接合筒11とのシール部分を構成するシール体14bから構成された雌ポペット14を、ポペット本体14aとポペット取付部13aとの間にシール体14bが介装される状態で、ネジ17で装着できるようになっている。
【0119】
このシール体14bは、雄側のシール体6bと同様、継手の使用に際して最も頻繁に離脱が行われ、摩耗の発生が多いシール部分であり、これを交換可能としたので、この部分を取り替えるだけで、シール性能を劣化させることなく継手を継続使用することができ、コストダウンを図ることができる。
【0120】
また、このシール体は、液化天然ガスに曝される部分であり、極低温耐性を備え、シール特性の優れたものとすることが望まれ、その素材としては好適には、ポリテトラフルオロエチレンシートを用いることができる。また、シール体は着脱交換可能であるので、より好適な材料が入手可能となった場合、その材料のものと交換することで、より好適な対摩耗性、シール特性を発揮させるようにすることができる。
【0121】
第2の突き合わせ弁体13のポペット取付部13aのすぐ後方には、第2の突き合わせ弁体13の外周から内周への流体の通過を可能とする材料流通孔13bができるだけ大きな通過断面積が得られるように形成されている。
【0122】
図19(a)は図17に示すケース体の正面図、(b)は縦断面図である。
【0123】
このケース体12は、全体としてフランジ形状であり、そのフランジ面の一方側は、接合筒11を取り付ける取付面12aとされ、この取付のための取付雌ネジ穴12aaが所定中心径上に等間隔に設けられている。
【0124】
取付面12aの中心部分には、第2の突き合わせ弁体13をスライド可能に収容する収容孔12bとなっており、その底面12cには、第2の突き合わせ弁体13を接合筒11方向に弾性力を付与するスプリング16の嵌め込み溝12dが形成されている。
【0125】
この底面12cの中心部分は流体の通路となる貫通孔12eが形成され、反対側の凸部面12fに達している。この凸部面12fは、接続補助具15の接合面と当接する部分で、その外周の段部面12gには、接続補助具15を取り付けるための取付雌ネジ穴12gaが所定円周上に等間隔に設けられている。
図20は、図3の雄継手の合体リンク機構の原理説明図である。
【0126】
本発明の合体リンク機構は、合体ロック維持機構と協働して、簡易確実に、合体ロックを維持する逆戻り機構を備えており、ここで、この合体リンク機構と逆戻り機構とについて説明する。
【0127】
この図において、符号A、B、C、Dは、図3で説明した固定点A、合体操作レバー1dの回動支点B、リンク支点C、連接板1bのリンク支点Dに対応し、固定点Aと回動支点Bとを結ぶ直線が、図3のリンク固定板1aつまり外筒4に対応しており、支点BとCを結ぶ直線が合体操作レバー1dに対応しており、また、支点Cと支点Dを結ぶ直線がリンク板1cに対応しており、また、リンク支点Dは弁筒5、ロック筒2の動きに対応している。
【0128】
このリンクモデルによって、合体操作レバー1dを回動させた場合の弁筒5、ロック筒2の前後スライドの状況が解る。つまり、合体操作レバー1dをリンク支点Cが状態[0]から順に[1][2][3][4][5][6]となるように、右方向(図の実線円弧矢印方向)へ回動させていくと、これに応じて、リンク支点Dは、弁筒2の前後スライド方向に、状態[0]から順に[1][2][3][4][5][6]とスライドする。
【0129】
ここで、図の状態[5]では、合体操作レバー1dの方向とリンク板1cの方向が一致し、この時、支点Bを中心として、リンクB−Cの描く円弧を描くと円弧BCとなり、また、支点Dを中心としてリンクC−Dの描く円弧を描くと円弧DCとなる。
【0130】
この円弧DCと円弧BCを比較すると解るように、状態[5]が、支点Dが前方へスライドする最前方への到達点であり、これより合体操作レバー1dが更に右へ状態[6]へと回動すると、支点Dは逆に後方へスライドするようになる。
【0131】
ここで、支点Dは、外筒4と弁筒5間のスプリング41によって外筒4に対して常に後方へ弾性力を付与されており、この弾性力を図に白抜き矢印で示す。したがって、この状態[5]を過ぎると、合体操作レバー1dはこの弾性力により、更に右回動するように弾性力を付与され、状態[6]を維持するようになる。つまり、合体操作レバー1dを回動させていた手を外して、合体操作レバー1dを放置しても、状態[6]を維持するようになっている。
【0132】
合体リンク機構1の内包するこのような機構を逆戻り機構という。
【0133】
なお、合体操作レバー1dは、状態[6]からは更に合体方向には回動しないようになっているが、これは、このレバー1dが雄継手10の外側部品であるロック筒2などに当接したりするためであり、必要ならば、ストッパーを設けるようにしてもよい。
【0134】
図21(a)は図3の継手のロック解除状態の説明図 (b)はロック維持状態の説明図である。この図によって、合体ロック維持機構を設けた本発明の極低温流体継手における継手の合体、ロック維持解除について説明する。
【0135】
極低温流体継手30の雌雄の継手10、20を合体、接続するには、まず、雌継手20に対して雄継手10の外筒4を、雌側の接合筒11に外から嵌め込むようにし、この外筒4の先端が接合筒11の肩部に当接する状態まで雄継手10を雌継手20側に押し込む。この際、外筒4の氷除去スクレーパ4gにより接合筒11の外周に付着した氷膜が掻き落とされ、この押し込みの支障となることがない。
【0136】
なお、雄継手10、雌継手20を分離した状態、また、両者を合体させて流体シールを強制的に解除するまでは、それぞれの継手10、20の自己シール機能(図8、図17)により、流体シールされ、流体が漏れ出さないようになっている。
【0137】
この状態が、図21(a)に示すもので、ここでは、ラッチ爪3のラッチ部3dが接合筒11のラッチ凹所11bには嵌まり込んでいないが、これは合体リンク機構1の合体操作レバー1dが最も手前側の状態[0]となっており、ロック筒2とラッチ爪3との解除テーパー部2s、3s(図12、13参照。)が相互に当接して、ラッチ爪3がロック解除状態となっているからである。
【0138】
ここで、合体操作レバー1dを、図20に示すように状態[1]から[6]の状態になるように回動操作すると、まず、ラッチ爪3のラッチ部3dが接合筒11のラッチ凹所11bに嵌まり込み雄雌継手の合体がロックされ、最終的には、図21(b)の状態になる。図21(b)では、ロック筒2の先端部分の位置を図20の状態に合わせて符号[1]〜[6]で示している。
【0139】
図20で説明したように、合体操作レバー1dの回動に対応して、外筒4に対して弁筒5、ロック筒2だけが順次前方向へスライドすると、まず、弁筒5の先端は雌側の接合筒11の内周に当接しながらスライドして、弁筒5の先端部の氷除去スクレーパ5bにより接合筒11の内周に付着した氷膜が掻き落とされ、また、弁筒5の外周に付着した氷膜が接合筒11のこの氷は接合筒11と弁筒5間の閉鎖空間に残留するが、この閉鎖空間は掻き落とされる氷に比べると十分大きいので、両者の合体の支障にはならない。
【0140】
一方、接合筒11の氷除去スクレーパ11aによって、弁筒5の外周に付着した氷膜が掻き落とされ、この氷は外筒4との隙間に入り込んだり、外筒4に設けられた氷逃がし窓4b(図10、11参照。)から外へ排出されるので、合体の支障にならない。
【0141】
また、接合筒11の内周面と弁筒5の外周との流体シールは、弁筒5の先端に設けられたシール手段5aにより維持されている。
【0142】
このスライドが進むと、雄側の第1の突き合わせ弁体6の雄ポペット7の突起端7aaと、雌側の第2の突き合わせ弁体13の雌ポペット14の突起端14aaとが当接する。この後、更に、弁筒5だけが前方へスライドさせられるが、雄側の弁筒5に対して第1の突き合わせ弁体6を弾性力を付与しているスプリング52(図8参照。)の弾性力は、雌側の接合筒11に対して第2の突き合わせ弁体13を弾性力を付与しているスプリング16の弾性力より小さく設定されているので、この前方スライドに反対方向に、雄側の第1の突き合わせ弁体6だけが、図8(c)に示すように、隙間Eが零になり第1の突き合わせ弁体6の後端が補助筒51の前端に当接するまで後方スライドする。
【0143】
この後、更に弁筒5がスライドすると、もう、第1の突き合わせ弁体6は後方へスライドできないので、雌側の第2の突き合わせ弁体13が接合筒11に対して後退し、流体シールが解除される。こうして、まず、雄側の方から、弁筒5に対する第1の突き合わせ弁体6の流体シールが解除され、ついで、雌側の接合筒11に対する第2の突き合わせ弁体13の流体シールが解除され、雄継手10と雌継手20との間の液化天然ガスの供給、流通が可能となる。
【0144】
この際、雌雄のポペット7、14が当接するシール解除直前の状態では、接合筒11と弁筒5間の流体シールされた閉鎖空間は非常に小さいので、この閉鎖空間にとじ込まれた外気に含まれる酸素などの影響は無視でき、ガスパージを行う必要がない。
【0145】
また、この際、雄継手10と雌継手20との合体は、図21(b)に図示するように雄側のラッチ爪3と雌側の接合筒11のラッチ凹所11bによりロックされ、このラッチ爪3の解除方向への回動(外側へ開こうとする動き)はロック筒2の段部2b(図13参照。)により記載され、ロックが維持される。
【0146】
この時、合体操作レバー1dは、状態[6]となっており、合体操作レバー1dから手を放して放置しても、この状態[6]が維持され、ロック維持状態が保持され、作業員は他の関連作業を行うことができる。
【0147】
接続を解除し、雌雄の継手10、20を分離する場合には、上記と逆の手順を行う。この際にも、接合筒11と弁筒5間の流体シールされた閉鎖空間は非常に小さいので、この閉鎖空間に残留した液化天然ガスが、継手の分離により外気に開放されても、環境への悪影響、引火爆発の可能性は低く、安全性の問題となることは少ない。
【0148】
図22は、本発明の液化天然ガス供給システムで用いる極低温流体継手の他例を示す縦断面図である。
【0149】
この極低温流体継手130は、米国特許5,429,155で提案されたもので、図3の極低温流体継手30の基礎となるものであり、移動体側に設置される雌継手131と、基地側に設置される雄継手132から構成され、雄継手132に設けられた合体リンク機構140により、雄継手132を雌継手131に嵌め込み合体させて、雄継手132と雌継手131間の液化天然ガスの供給、流通を可能としている。
【0150】
雌継手131は、弁筒133、この弁筒133に前後スライド可能に収容され、弁筒133とシール部134で閉止し、このシールを維持するように弾性力を付与された突き合わせ弁体135で構成され、雄継手132は、外筒138、この外筒138に前後スライド可能に収容され、外筒138に対して所定の後退位置を維持するように弾性力を付与された弁筒139、この弁筒139に前後スライド可能に収容され、弁筒139とシール部141で閉止し、このシールを維持するように弾性力を付与された突き合わせ弁体142で構成されている。
【0151】
このような構成の極低温流体継手130は、合体リンク機構140によって、雄継手132を保持し、雌継手131に嵌め込んで、雌側の弁筒133の先端が雄側の外筒138の内周鍔に当接した状態で、合体リンク機構140を図示する実線矢印方向にレバー装着操作を行うと、外筒138に対し弁筒139だけが前方(図示した実線方向)にスライドし、雌側の弁筒133内に嵌まり込んで、雄雌の突き合わせ弁体135、142の先端が突き合い、この状態で更に、弁筒139だけが前方にスライドすることによって、それぞれの突き合わせ弁体135、142が弁筒133、139に対して後退し、これによってシール部134、141のシールが解除されて、雌継手131と雄継手132との間の液化天然ガスの供給、流通を可能とする。
【0152】
この際、雄側の弁筒139の外周先端部に設けられた極低温シール139aにより、雌雄の弁筒133、139間の流体シールが確保され、流通する液化天然ガスが漏れ出すことはない。
【0153】
このような極低温流体継手130によると、雌雄の雄雌の突き合わせ弁体135、142と弁筒133、139間の流体シールは、双方の弁筒133、139間の流体シールが維持された状態で、突き合わせ弁体135、142の先端が当接した時に解除され、この際、双方の弁筒133、139間に外部より隔絶シールされた空間は、非常に限定された狭い空間となるので、殊更に、この空間に含まれる大気を排除する必要がなく、ガスパージが不要となるものである。なお、このような機構を、自己シール型突合弁機構という。
【0154】
また、雌側の弁筒133の前縁端、外筒138、弁筒139の前縁端は、相互に嵌まり込む際に、相手側の表面に液化天然ガスの影響によって付着発生した氷膜を掻き落とす氷除去機能を発揮しr、また、外筒138に設けられた氷逃がし窓138aはこうして掻き落とされた氷を外部へ逃がすようになっており、全体として、氷除去機構を構成して、液化天然ガスの影響によって発生付着した氷膜が、継手の良好な接続の障害にならないようにしている。
【0155】
したがって、この極低温流体継手130を、図3などの極低温流体継手30の替わりに液化天然ガス供給システムに用いても、単体のロック維持機能を除いては、ほぼ同様の効果を発揮することができる。
図23は、本発明の液化天然ガス供給システムで用いるローディングアームを示すもので、(a)は使用時の平面図、(b)は正面図、(c)は格納時の側面図で、図23(a)は、使用状態のローディングアーム46を上から視た図、つまり、図23(b)のXF矢視図であり、図23(b)は、図23(a)のXG矢視図であり、図23(b)は格納状態のローディングアーム46のXH矢視図である。
【0156】
このローディングアーム46は、図1のLNG供給システム50のそれぞれのLNG供給ステーション40で用いられるもで、LNGを供給する基地側、あるいは固定側に設けられた液化天然ガスの貯蔵タンク51から導出された管路のに設けられ、その先端に設けた雄継手10を所望の位置に移動可能に支持する。
【0157】
ローディングアーム46は、バランスウエイト46iを設けた多関節管路系であって、貯蔵タンク51に接続された管路42i1、42o1、・・・の端部を接続するための接続口46pを備え、上方向の管路と支柱の役割を果たし、ベース46oに立設された支柱管46aと、この支柱管46eに二段の相互に回転可能で垂直に交叉するように管路接続する直角回転継手46e、46fを介して水平方向から垂直方向に回動可能とされた主管路46bが接続されている。
【0158】
この主管路46bの先端には、一段の相互に回転可能で平行になるように管路接続するU字回転継手46gを介して、使用時に水平な主管路46bから下垂するように接続された副管路46cが接続され、この副管路46cに、上記直角回転継手を三段構成とした直角回転継手46hを介して先端管路46dが接続され、この先端管路46dの先端に雄継手10が接続されている。
【0159】
バランスウエイト46iは、水平状態の主管路46bから支柱管46eをバランス中心として主管路46bから反対方向に伸び出したバランスアーム46baの後端に設けられ、この主管路46bから先に接続された雄継手10までの管路系の重量と釣り合うような重量になるように調整可能となっている。
【0160】
副管路46cに直角回転継手46hを介して接続された先端管路46dにも、直角回転継手46hをバランス中心として、この先端管路46dから反対方向に伸び出したバランスアーム46daが設けられ、このバランスアーム46daの後端に、先端管路46dと、これに接続された雄継手10との重量に釣り合うように補助バランスウエイト46jが設けられている。
【0161】
先端管路46dの適所には、操作のための取手46kaが設けられ、この取手46kaには、格納状態から使用状態に、先端管路46dを導くための操作ロープ46kが設けられている。符号46m、46nは、それぞれ、バランスウエイト46iを支柱管46aに、先端管路46dを副管路46cに格納状態に保持するための係止具である。
【0162】
このような構成で、ローディングアーム46は、先端に雄継手10を設けた状態で、この雄継手10の重さの影響を受けずに、格納状態から使用状態とし、使用状態では、主管路46bの水平面内の回転、この主管路46bの先端での副管路46cの垂直面内での回転、この副管路46cの先端での先端管路46dの上下、左右の回転を可能として、この先端管路46dの先端に設けられた雄継手10を自由に移動させることができ、移動体側の雌継手20に位置合わせをすることができる。
【0163】
また、液化天然ガスは、いずれの状態であっても、接続口46pから、支柱管46a、主管路46b、副管路46c、先端管路46d、雄継手10へと流通可能となっており、このため、それぞれの管路は、氷の付着を回避するため、可能な限り断熱被覆されている。
【0164】
なお、ここで説明したローディングアームは、雄継手を設けた管路系である材料供給ポート、雌継手を設けた管路系である材料受け入れポートのすくなくともいずれか一方を、合体位置まで位置決めするための位置決め装置の一種であり、その位置決め方法や、雄継手などの支持方法は、種々の方法がある。
【0165】
また、どちらか一方側に、前後上下左右に位置設定可能にスライドするスライド手段を設け、双方の合体位置の位置決めを自動制御することも可能である。
【0166】
図24は、本発明の液化天然ガス供給システムの他例を示す全体図である。
【0167】
この液化天然ガス供給システム80は、図1のシステム50に、本出願人が提案し、特開2001−301900号公報に記載されている液化天然ガスの供給量を自動制御する供給量自動制御システムを組み込んだもので、移動体であるタンクローリ車90と、貯蔵タンク(不図示)を備えたLNG基地のLNG供給側S、気化ガス帰還側Rとの管路接続の手段として、従来の継手に替えて、本発明で用いている極低温継手30を用いるようにしたものである。
【0168】
このシステム80においては、基地側の供給側Sからの供給管路81oの先端、帰還側Rへの帰還管路81iの先端に設けれたローディングアームLAに、極低温継手30の雄継手10が設置され、タンクローリ車90側の受給管路92、ガス管路93の先端に雌継手20が設けられている。受給管路92は、上下の分岐管92a、92bに分岐してLNGタンク91に接続され、このLNGタンク91の上方にガス管路93が接続されている。
【0169】
それぞれの管路には、流量計FM、その表示計FMa、流量制御弁FV、制御弁CV、手動弁MVが設けられている。
【0170】
タンクローリ車90には、差圧液面計94aと圧力計94bとを備えたタンク内差圧計測管路94が設けられている。このタンク内差圧計測管路94は、手動弁MV、急速継手CCを介して、基地側の差圧計測管路82にも接続可能とされ、この差圧計測管路82には、差圧液面計83aとその表示器83b、圧力計84aとその表示計84b、手動弁MVが設けられている。
【0171】
このシステム80では、更に、供給管路81aに設けられた流量計FM、流量制御弁FV、帰還管路81iに設けられた流量計FM、制御弁CV、差圧計測管路82に設けられた差圧液面計83a、圧力計84aが制御装置CONに接続され、制御装置CONは、差圧液面計83a、圧力計84aのデータから、LNGタンク91内のLNGの充填量を計測し、これによって、基地側との間のLNGの供給、帰還の開始、停止の制御を自動的に行うことができ、LNGの供給を受ける移動体側で、例えば従来設けられていた移動体重量計などを設けて、供給量を計測する必要がなくなる。
【0172】
加えて、このシステム80では、その移動体側と基地側の管路接続に、極低温継手30を用いているので、その管路接続、分離が簡単になり、また、作業員は手放しで作業ができ作業性が向上し、また、管路への大気混入の問題がなくなるので、ガスパージが不要で、従来、BOG(気化天然ガス)を大気開放するために設けていたBOG排出口E(上記、)を、BOGを貯蔵タンクへ帰還させて、再利用し、外気への排出をなくす帰還管路とすることができる。
【0173】
図25は、本発明の液化天然ガス供給システムの他例を示す全体図である。
【0174】
この液化天然ガス供給システム100は、これまで説明したものと異なり、移動体である大きなタンクローリ車110側に極低温流体継手30Aの雄継手10が設けられ、基地側あるいは固定側は、このタンクローリ車110からLNGの供給を受ける、より小さな貯留タンク111を設けたLNGスタンドであって、この基地側に雌継手20が設置されている。
【0175】
タンクローリ車110のローリタンク110aからは、流体送給ポンプ101を設けた供給管路102oが伸び出し、また、帰還管路102iが帰還している。それぞれの管路102o、102iには、圧力計103、流量計104、調整弁105が設けられ、先端はフレキシブル管106となっており、このフレキシブル管106の先端に雄継手10が設けられている。
【0176】
このフレキシブル管106は、極低温流体用の可撓性管であって、U字蛇腹状に薄肉ステンレス鋼管の外周を形成したものを積層して構成されている。また、このようなフレキシブル管を、図1のローディングアーム46、図2のローディングアーム66、図24のローディングアームLAの替わりに用いることもできる。
【0177】
基地側の貯蔵タンク111と雌継手20とは、入管路112i、出管路112oで接続されている。
【0178】
本発明のシステムで用いた極低温流体継手は、この例のように、基地側に雌継手を、移動体側に雄継手を設けるようにしてもよく、その場合にも、同様の効果をシステムとして発揮する。
【0179】
なお、本発明の液化天然ガス供給システムは、極低温流体継手30を用いた点を特徴とし、この極低温流体継手30を用いるようにすると、上記で説明したようなシステムだけでなく、極低温流体を供給する種々のシステムにおいても、同様の効果を発揮することができる。
【0180】
また、本システムで用いた極低温流体継手の特徴とする合体ロック維持機構は、上記で説明した実施例の継手だけでなく、同様の機能を有する極低温流体継手と組み合わせて用いることができ、また、合体ロック維持機構も、上記で説明したラッチ爪とロック筒、逆戻り機構を内包した合体リンク機構を組み合わせたものだけには限られず、種々の変形が可能である。
【0181】
例えば、ラッチ爪を常にロック解除側に弾性力を付与しておき、ロック筒でこのラッチ爪のロック解除を規制するという方法でも良く、その場合には、別個の解除手段を設ける必要がなくなる。また、ラッチ爪とラッチ溝の凹凸関係を逆にしたものであってもよい。
【0182】
【発明の効果】
請求項1に記載の液化天然ガス供給システムによれば、極低温流体である液化天然ガスを移送するために基地側の貯蔵タンクと、これから移送をうけるタンクローリ車などの移動体とを一時的に接続する継手として、合体操作レバーを有した合体リンク機構を備えた雄継手と雌継手とからなる極低温流体継手を用いたので、このレバー操作の一動作で雄継手と雌継手を接続でき、接続時間を短縮できる。
【0183】
また、この継手は、自己シール型突合弁機構を備えているので、合体の直前まで雌雄の継手を自己流体シールしておき、最終的に雌雄の継手で形成された閉鎖空間内で、上記突合弁機構が作動して、流体シールが解除され、結果的に、この閉鎖空間に含まれる酸素の量が影響を及ぼさない程度として、ガスパージを不要としている。更に、氷除去機構は、雌雄の継手の合体の際に、液化天然ガスによって生じる氷膜を掻き落とし、排除するので、この氷が合体の支障となることがない。
【0184】
請求項2に記載の液化天然ガス供給システムによれば、合体位置までの位置決め装置を備えているので、雄継手、雌継手の位置合わせができ、便利である。
【0185】
請求項3に記載の液化天然ガス供給システムによれば、請求項1、2の効果に加え、前記雌雄の継手に、合体操作レバーの合体操作に連動して、雌雄の継手の合体状態を維持する合体ロック機構を設けたので、作業者は、合体後は、継手から手放しで他の接続供給関連作業を行うことができ、作業性が向上する。また、請求項1で行われていた合体操作レバーの合体操作に連動して、合体が維持され、余分な操作が必要ないので、無駄がない。
【0186】
請求項4に記載の液化天然ガス供給システムによれば、いわゆるガスパージを不要とする自己シール型突合弁機構(主に、雄側の第1の突合せ弁体、弁筒、外筒、雌側の第2の突合せ弁体と接合筒からなる。)と合体リンク機構の構成を明確にすると共に、この構成に対して、合体ロック維持機構の構成を明確にしたものである。つまり、合体ロック維持機構は、雄側では、外筒に設けられたラッチ爪、合体リンク機構に連動して外筒の外側をスライドするロック筒、雌側では、接合筒の前端外周に設けられたラッチ凹所という簡単な構成とされ、これにより、継手全体のコストをあまり上げることなく、合体ロック維持機構を達成している。
【0187】
請求項5に記載の液化天然ガス供給システムによれば、請求項4の効果に加え、ロック筒とラッチ爪に解除テーパー部を設けるだけでロック解除も可能としており、ロック解除も合体リンク機構に連動して行われ、その構成が簡単であり、コストを低く押さえることができる。
【0188】
請求項6に記載の液化天然ガス供給システムによれば、請求項4または5の効果に加え、氷除去機構を設けたので、液化天然ガスによって生じる氷膜の影響を受けることなく、雄継手を雌継手に合体、接続することができる。
【0189】
請求項7に記載の液化天然ガス供給システムによれば、請求項4から6の効果に加え、極低温流体継手の第1の突き合わせ弁体、第2の突き合わせ弁体のシール部分を着脱交換可能な構造としたので、本継手の最も重要な部分であり、継手の使用に際して最も頻繁に接触離脱が行われ摩耗の発生が多いシール部分を交換可能としたので、この部分を取り替えるだけで、シール性能を劣化させることなく継手を継続使用することができ、システムメンテナンスのコストダウンを図ることができる。
【0190】
請求項8に記載の液化天然ガス供給システムによれば、請求項4から7のいずれかの効果に加え、ローディング装置を備え、このローディング装置の先端に雄継手を設置しているので、作業者は、重い雄継手を自ら支えることなく容易に雌継手に合体させることができる。
【0191】
請求項9に記載の液化天然ガス供給システムによれば、請求項1から8のいずれかの効果に加え、移動体を具体的に、液化天然ガスの輸送のための貯留タンクを搭載したタンクローリ車、LNG自動車と規定したので、移動体をこれらとする場合にも、これらの請求項の効果を発揮する。
【0192】
請求項10に記載の液化天然ガス供給システムによれば、請求項1から9のいずれかの効果に加え、供給量自動制御システムを組み込んだので、LNGの供給を受ける移動体側で、例えば従来設けられていた移動体重量計などを設けて、供給量を計測する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液化天然ガス供給システムの一例を示す全体図
【図2】本発明の液化天然ガス供給システムの他例を示す全体図
【図3】図1のシステムで用いた極低温流体継手の外観正面図
【図4】図2のシステムで用いた極低温流体継手の外観正面図
【図5】図3の継手の外観斜視図、(a)はロック前状態、(b)はロック状態
【図6】図3の雄継手の前面図
【図7】図6における雄継手のXA−XA縦断面図
【図8】(a)は図3の雄継手を構成する弁筒と第1の突き合わせ弁体の縦断面図、(b)は図8(a)の前面図、(c)は図8(a)の弁筒に対する第1の突き合わせ弁体の動作説明図
【図9】(a)は図8(a)の第1の突き合わせ弁体の縦断面図、(b)は前面図、(c)は外観斜視図
【図10】(a)は図3に示す外筒の前部詳細図、(b)は縦断面図、(c)は後部詳細図
【図11】(a)は図10(b)のXB−XB断面図、(b)はXC−XC縦断面図、(c)は前面図
【図12】(a)は図3に示すラッチ爪の正面図、(b)は(a)のXD−XD断面図
【図13】(a)は図3に示すロック筒の正面図、(b)は(c)のXE−XE断面図、(c)は縦断面図
【図14】(a)は図3に示すリンク固定板の正面図、(b)は側面図
【図15】(a)は図3に示す連接板の正面図、(b)は側面図
【図16】(a)は図4に示すリンク固定板の正面図、(b)は図4に示す連接板の正面図
【図17】図3の雌継手の縦断面図
【図18】(a)は図17に示す第2の突き合わせ弁体の正面図、(b)は縦断面図、(c)は外観図
【図19】(a)は図17に示すケース体の正面図、(b)は縦断面図
【図20】図3の雄継手の合体リンク機構の原理説明図
【図21】(a)は図3の継手のロック解除状態の説明図 (b)はロック維持状態の説明図
【図22】本発明の液化天然ガス供給システムで用いる極低温流体継手の他例を示す縦断面図
【図23】本発明の液化天然ガス供給システムで用いるローディングアームを示すもので、(a)は使用時の平面図、(b)は正面図、(c)は格納時の側面図
【図24】本発明の液化天然ガス供給システムの他例を示す全体図
【図25】本発明の液化天然ガス供給システムの他例を示す全体図
【図26】従来の液化天然ガス供給システムを示す全体図
【符号の説明】
1     合体リンク機構
1a    リンク固定板
1b    連接板
1c    リンク板
1d    合体操作レバー
1e    連接棒
2     ロック筒
2s    解除テーパー部
3     ラッチ爪
3s    解除テーパー部
4     外筒
4a    氷逃がし窓
4g    氷除去スクレーパ
5     弁筒
5b    氷除去スクレーパ
5g    材料口
5h    弁口
6     第1の突き合わせ弁体
6c    材料流通孔
7     雄ポペット
8     合体ロック維持機構
10     雄継手
11     接合筒
11a    氷除去スクレーパ
11b    ラッチ凹所
11c    材料口
11d    弁口
12     ケース体
13     第2の突き合わせ弁体
13b    材料流通孔
14     雌ポペット
20     雌継手
30     極低温流体継手
40     液化天然ガス供給ステーション
50、70  液化天然ガス供給システム
60     液化天然ガス供給スタンド
80     液化天然ガス供給システム
100     液化天然ガス供給システム
51、71  貯蔵タンク
41、61  移動体

Claims (10)

  1. 貯蔵タンクと移動体との間で極低温流体である液化天然ガス(LNG)を移送する供給システムであって、前記貯蔵タンクまたは前記移動体のいずれか一方側の管路系に接続され、雄継手を有した材料供給ポートと、前記貯蔵タンクまたは前記移動体の他方側の管路系に接続され、雌継手を有した材料受け入れポートとを備えてなり、
    前記材料供給ポートの雄継手は、合体操作レバーを有し、前記雌継手との合体接続のための合体リンク機構と、この合体リンク機構によって、前記雌継手の第2の突合せ弁体を押圧して前記雄継手との間で液化天然ガスの流通を可能とする第1の突合せ弁体を有したcと、氷除去スクレーパを有し、前記雌継手を合体接続させる際に液化天然ガスによって生じる氷膜を除去するための氷除去機構とを備える一方、
    前記材料受け入れポートの雌継手は、前記雄継手の第1の突合せ弁体に対応した上記第2の突合せ弁体を有した自己シール型突合弁機構と、氷除去スクレーパを有し、前記雄継手に合体接続される際に液化天然ガスによって生じる氷膜を除去するための氷除去機構とを備えたことを特徴とする液化天然ガス供給システム。
  2. 請求項1において、前記材料供給ポート、前記材料受け入れポートのすくなくともいずれか一方を、合体位置まで位置決めするための位置決め装置を更に備えている液化天然ガス供給システム。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムにおいて、
    前記雄継手と前記雌継手に、前記合体操作レバーの合体操作に連動して前記雄継手と前記雌継手との合体状態を維持する合体ロック維持機構を設けたことを特徴とする液化天然ガス供給システム。
  4. 貯蔵タンクと移動体との間で極低温流体である液化天然ガス(LNG)を移送する液化天然ガス供給システムであって、
    前記貯蔵タンクまたは前記移動体のいずれか一方側の管路系の先端に、雄継手を所望の位置に移動可能に支持させたローディング装置を設け、他方側の管路系の先端には、上記雄継手に合体される雌継手を設けてなり、前記雄継手は、前記雌継手と組み合わされて極低温流体継手として構成され、
    前記雄継手は、材料流通孔を周壁に形成した第1の突合せ弁体と、前記貯蔵タンク側の材料口と前記雌継手側の弁口とを形成し、その弁口を前記第1の突合せ弁体に常時弾性力を付与させて閉止するように収容した弁筒と、この弁筒を常時非合体方向に弾性力を付与させて収容した外筒と、合体操作レバーを有し、その合体操作レバーの操作によって前記弁筒を前記外筒に対して合体位置に移動させる合体リンク機構とを備えており、
    前記雌継手は、材料流通孔を周壁に形成した第2の突合せ弁体と、前記移動体側の材料口と前記雄継手側の弁口とを形成し、その弁口を前記第2の突合せ弁体に常時弾性力を付与させて閉止するように収容した接合筒とを備えており、
    更に、前記極低温流体継手は、合体ロック維持機構を備えており、この合体ロック維持機構は、前記雄継手の前記外筒の外周適所にロック方向に弾性力を付与した状態で枢着されたラッチ爪と、前記弁筒に連動して前記外筒の外側を進退移動するロック筒と、前記雌継手の接合筒の前記ラッチ爪に対応した個所に形成されたラッチ凹所とを少なくとも備えており、
    これによって、前記雄継手の外筒を前記雌継手の接合筒に挿嵌させたときには、前記ラッチ爪を前記ラッチ凹所にロックさせ、その後、前記合体操作レバーを合体方向に操作したときには、前記弁筒を移動させて、前記第1、第2の突き合わせ弁体を相互に突合せて前記雄継手側の弁筒と前記雌継手側の接合筒との弁口を開くことによって液化天然ガスの移送を許容すると同時に、前記ロック筒を前記ラッチ爪に被せて前記ロック状態を解除不能に維持することを特徴とする液化天然ガス供給システム。
  5. 請求項4に記載の液化天然ガス供給システムおいて、
    前記極低温流体継手の前記ラッチ爪の背面後部と、前記ロック筒の前縁内面とには、このロック筒が最後部に位置した際に相互に当接して、前記ラッチ爪をロック解除方向に動かせる解除テーパー部を設けたことを特徴とする液化天然ガス供給システム。
  6. 請求項4または5のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムおいて、
    前記極低温流体継手は、液化天然ガスによって生じる氷膜を掻落すための氷除去機構を更に備えており、
    この氷除去機構は、前記雄継手の外筒の前縁で構成された氷除去スクレーパと、この外筒の適所に形成された氷逃がし孔と、前記雄継手の弁筒の先端に設けられた氷除去スクレーパと、前記雌継手の接合筒の前縁で構成された氷除去スクレーパとを、少なくとも備えたことを特徴とする液化天然ガス供給システム。
  7. 請求項4から6のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムおいて、
    前記雄継手の第1の突合せ弁体、前記雌継手の第2の突合せ弁体の閉止時に相手側と当接するシール部分を着脱交換可能な構造としたことを特徴とする液化天然ガス供給システム。
  8. 請求項4から7のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムおいて、
    前記ローディング装置は、バランスウエイトを設けた多関節管路系であって、その先端に、前記雄継手を装着可能としたローディングアームであることを特徴とする液化天然ガス供給システム。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムおいて、
    前記移動体は、液化天然ガスの輸送のための貯留タンクを搭載したタンクローリ車、あるいは、液化天然ガスを燃料として消費する車輌、であることを特徴とする液化天然ガス供給システム。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の液化天然ガス供給システムにおいて、
    前記液化天然ガス供給システムに、供給する液化天然ガスの供給量を自動制御する供給量自動制御システムを組み込んだことを特徴とする液化天然ガス供給システム。
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