JP2004076744A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

  【課題】 筒内のタンブル流を強化しつつ、吸気通路長さを十分に確保でき、直噴用の燃料噴射弁の配置も容易にする。
  【解決手段】 シリンダヘッド1に形成される吸気ポート3をその途中(A点)で屈曲させ、シリンダヘッド1下面に対する吸気ポート3の傾斜角を吸気ポート下流側で小さくし(θ1)、吸気ポート上流側で大きくする(θ2)。すなわち、吸気ポート下流側をローポートLP、吸気ポート上流側をハイポートHPとする。直噴用の燃料噴射弁8は、吸気ポート3近傍で、吸気ポート3より燃焼室2周縁部側に配置する。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、内燃機関に関し、特にその吸気ポート形状に関する。
 従来の内燃機関において、吸気ポートは、特許文献1などに示されるように、下流側(燃焼室)側を緩やかに傾斜させ、上流側(吸気管側)を更に緩やかにして略水平にしている。
 すなわち、シリンダヘッド下面に対する吸気ポートの傾斜角が大のものをハイポート、小のものをローポート、略0のものを水平ポートと呼ぶと、従来の一般的な吸気ポートは、下流側がローポート、上流側が水平ポートとなっている。
実開平7−25236号公報
 しかしながら、このような吸気ポート形状であると、次のような問題点があった。
 下流側がローポートとなっているので、筒内で排気弁側へ流れる量が多くなり、筒内のタンブル流を強化できる利点はあるものの、一方でトルク出力を確保するためには、吸気管に十分な通路長さが必要になるが、上流側が水平ポート又はローポートであると、限られた車載スペースの中で吸気管を曲げて通路長さを確保する際に、吸気管の曲がりをきつく(曲げアールを小さく)、また曲がりを複数設ける必要があり、吸気抵抗を増大させたり、車載レイアウトに支障をきたすことがある。
 また、直噴火花点火式内燃機関において、燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を設ける場合、燃料噴射弁は吸気ポート(吸気弁)近傍で、吸気ポートより燃焼室周縁部側に配置するのがよく、特に、1気筒に2本の吸気ポートを備える場合は、2本の吸気ポート間に配置するのがよいが、燃料噴射弁又はその取付孔が上流側の水平ポート又はローポートと干渉し、燃料噴射弁の配置が困難となることがある。
 本発明は、このような従来の問題点に鑑み、筒内のタンブル流を強化しつつ、吸気通路長さを十分に確保でき、また直噴用の燃料噴射弁の配置も容易にすることを目的とする。
 このため、請求項1に係る発明では、シリンダヘッドに形成される吸気ポートをその途中で屈曲させ、シリンダヘッド下面に対する吸気ポートの傾斜角を吸気ポート下流側で小さくし、吸気ポート上流側で大きくしたことを特徴とする。
 すなわち、吸気ポート下流側(燃焼室側)をローポート、吸気ポート上流側(吸気管側)をハイポートにするのである。
 請求項2に係る発明では、直噴火花点火式内燃機関であって、燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を、吸気ポート近傍で、吸気ポートより燃焼室周縁部側に配置したことを特徴とする。
 請求項3に係る発明では、1気筒に2本の吸気ポートを備え、燃料噴射弁を、2本の吸気ポート間に配置したことを特徴とする。
 請求項4に係る発明では、下流側の傾斜角小の部分(ローポート)の長さを、上流側の傾斜角大の部分(ハイポート)の長さより、長くしたことを特徴とする。
 請求項1に係る発明によれば、吸気ポート下流側(燃焼室側)をローポートにすることで、筒内のタンブル流を強化でき、燃焼速度を高めて、燃焼性能を向上させることができる一方、吸気ポート上流側(吸気管側)についてはハイポートにすることで、吸気ポートの長さを確保できると共に、限られた車載スペースの中で吸気管を比較的大きな曲げアールで曲げるだけで、十分な通路長さを確保できるようになる。
 請求項2に係る発明によれば、直噴用の燃料噴射弁を、吸気ポート近傍で、吸気ポートより燃焼室周縁部側に配置しても、吸気ポート上流側がハイポートであるので、燃料噴射弁と吸気ポートとの干渉を防止できる。
 請求項3に係る発明によれば、直噴用の燃料噴射弁を、2本の吸気ポート間に配置しても、吸気ポート上流側がハイポートであるので、燃料噴射弁と吸気ポートとの干渉を防止できる。
 請求項4に係る発明によれば、下流側のローポート部分の長さを、上流側のハイポート部分の長さより、長くすることで、筒内のタンブル流をより十分に強化することができる。
 以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、直噴火花点火式内燃機関の例である。
 図1は吸気ポートの軸線に沿うシリンダヘッドの縦断面図、図2は燃料噴射弁取付孔の軸線に沿うシリンダヘッドの縦断面図、図3は吸気管取付状態を示すシリンダヘッドの縦断面図、図4は図1のX矢視図である。
 シリンダヘッド1には、その下面中央部の凹部により燃焼室2が形成されている。
 また、シリンダヘッド1には、燃焼室2に連ねて、2本ずつ吸気ポート3,3及び排気ポート4,4が形成され、それぞれの燃焼室開口部に吸気弁及び排気弁が装着されるようになっている。尚、5は吸気弁取付孔、6は排気弁取付孔である。
 また、シリンダヘッド1には、燃焼室2の略中心部に位置させて、点火栓取付孔7が形成され、ここに点火栓が装着されるようになっている。
 また、シリンダヘッド1には、吸気ポート3,3の近傍に、詳しくは、2本の吸気ポート3,3間で、吸気ポート3,3より燃焼室2周縁部側に、燃料噴射弁取付孔8が形成され、ここに燃料噴射弁が装着されるようになっている。燃料噴射弁は、この燃料噴射弁取付孔8に取付られて、燃焼室2内に直接、斜め下向きに燃料を噴射するようになっている。噴射時期は、均質燃焼の場合は吸気行程、成層燃焼の場合は圧縮行程に設定される。
 ここで、各吸気ポート3は、燃焼室2に対し斜め下向きに形成されるが、その途中(図示A点)で屈曲させ、シリンダヘッド1下面に対する吸気ポート3の傾斜角を吸気ポート下流側(燃焼室2側)で小さくし、吸気ポート上流側(吸気管9側)で大きくしてある。
 すなわち、吸気ポート3下流側(燃焼室2側)でのポート傾斜角をθ1、吸気ポート3上流側(吸気管9側)でのポート傾斜角をθ2とすると、θ1<θ2としてある。
 言い換えれば、シリンダヘッド1下面に対する吸気ポート3の傾斜角が大のものをハイポート、小のものをローポートと呼ぶと、吸気ポート3下流側(燃焼室2側)をローポートLP、吸気ポート3上流側(吸気管9側)をハイポートHPにしてある。
 また、下流側のローポートLPの部分の長さを、上流側のハイポートHPの部分の長さより、長くしてある。
 そして、吸気ポート3に接続される吸気管(吸気マニホールド)9は、図3に示されるように、ハイポートHPに連ねて、斜め上方へ伸ばした後、比較的大きな曲げアールで下方に曲げることで、車載制約線Lの中で、必要な通路長さを確保するようにしてある。
 次に作用を説明する。
 吸気ポート3下流側(燃焼室2側)をローポートLPにしたことにより、図3に示されるように、筒内で排気弁側へ流れる量が多くなり、筒内でのタンブル流を強化できる。
 図6はポート傾斜角とタンブル強さとの関係を示したもので、ローポートにする程、タンブル流を強化できる。
 そして、タンブル流の強化により、燃焼速度を高めて、燃焼性能を向上させることができる。
 また、下流側のローポートLPの部分の長さを、上流側のハイポートHPの部分の長さより、長くすることで、筒内のタンブル流をより十分に強化することができる。
 一方、吸気ポート3上流側(吸気管9側)をハイポートHPにすることで、吸気ポート3の長さを確保できると共に、限られた車載スペースの中で吸気管9を比較的大きな曲げアールで曲げるだけで、通路長さを確保できるようになる。
 すなわち、図3の車載制約線Lの中で、吸気管9を斜め上方へ伸ばした後、比較的大きな曲げアールで下方に曲げるだけで、必要な通路長さを確保できる。これに対し、上流側もローポートの場合は、図3の点線Bのごとくとなり、通路長さが短くなってしまう。
 また、直噴用の燃料噴射弁(燃料噴射弁取付孔8)を配置する際に、吸気ポート3上流側(吸気管9側)がハイポートであれば、燃料噴射弁から離れる方向になるので、図4に示すように、燃料噴射弁取付孔8のレイアウト及び加工が容易となる。
 これに対し、吸気ポート上流側(吸気管側)がローポート(3’)の場合は、燃料噴射弁に近づく方向になるので、図5に示すように、燃料噴射弁取付孔8のレイアウト及び加工が困難となる。
 尚、以上では直噴火花点火式内燃機関の例で説明したが、これ以外の内燃機関にも適用可能である。但し、直噴火花点火式内燃機関では、直噴用の燃料噴射弁の配置上の効果も得られるので、より有効であることは言うまでもない。
本発明の実施の一形態を示す吸気ポートの軸線に沿うシリンダヘッドの縦断面図 燃料噴射弁取付孔の軸線に沿うシリンダヘッドの縦断面図 吸気管取付状態を示すシリンダヘッドの縦断面図 図1のX矢視図 図4と対比して従来例の問題点を示す図 ポート傾斜角とタンブル強さとの関係を示す図
符号の説明
       1 シリンダヘッド
       2 燃焼室
       3 吸気ポート
       4 排気ポート
       5 吸気弁取付孔
       6 排気弁取付孔
       7 点火栓取付孔
       8 燃料噴射弁取付孔
       9 吸気管

Claims (4)

  1.  シリンダヘッドに形成される吸気ポートをその途中で屈曲させ、シリンダヘッド下面に対する吸気ポートの傾斜角を吸気ポート下流側で小さくし、吸気ポート上流側で大きくしたことを特徴とする内燃機関。
  2.  直噴火花点火式内燃機関であって、燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を、吸気ポート近傍で、吸気ポートより燃焼室周縁部側に配置したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3.  1気筒に2本の吸気ポートを備え、燃料噴射弁を、2本の吸気ポート間に配置したことを特徴とする請求項2記載の内燃機関。
  4.  下流側の傾斜角小の部分の長さを、上流側の傾斜角大の部分の長さより、長くしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関。
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