JP2004076632A - エンジンの排気装置の支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気マニホールドの熱膨張時の触媒コンバータの移動を許容できると共にエンジンと触媒コンバータとの組付時の位置ズレを吸収できるエンジンの排気装置の支持構造を提供すること。
【解決手段】触媒コンバータ9とエンジン10とを、エンジン側取付ボルト孔4を設けたエンジン側取付面2と長孔の触媒コンバータ側取付ボルト孔5を設けた触媒コンバータ側取付面3を有するスティフナ1で連結した。このように構成することにより、排気マニホールド8の熱膨張時の触媒コンバータ9の移動を触媒コンバータ側取付ボルト孔5で吸収する。また、触媒コンバータ9の組付時の位置ズレを、エンジン側取付ボルト孔4と触媒コンバータ側取付ボルト孔5で吸収する。
【選択図】 図1
【解決手段】触媒コンバータ9とエンジン10とを、エンジン側取付ボルト孔4を設けたエンジン側取付面2と長孔の触媒コンバータ側取付ボルト孔5を設けた触媒コンバータ側取付面3を有するスティフナ1で連結した。このように構成することにより、排気マニホールド8の熱膨張時の触媒コンバータ9の移動を触媒コンバータ側取付ボルト孔5で吸収する。また、触媒コンバータ9の組付時の位置ズレを、エンジン側取付ボルト孔4と触媒コンバータ側取付ボルト孔5で吸収する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの排気マニホールドの集合部に触媒コンバータを配置したエンジンの排気装置の支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等のエンジンの排気装置には、排気ガス中の汚染物質を浄化するために排気通路の途中に触媒コンバータが設けられており、排気ガスを触媒コンバータを通過させることにより浄化した後大気中に放出するようにしている。この種のエンジンの排気装置は、浄化性能の向上を目的として高温の排気ガスを触媒中に通過させるために、排気マニホールドの集合部に触媒コンバータを配置する傾向がある。
【0003】
しかしながら、重量の重い触媒コンバータを排気マニホールドの集合部直下に配置することで触媒コンバータを含めた排気マニホールドの固有振動数が低下し、エンジン加振力による共振によって排気マニホールドが破損する場合がある。そこで排気マニホールドが破損しないように排気マニホールドをエンジンあるいはトランスミッションに堅固に支持して振動を低減している。また、エンジン運転中、エンジン、排気マニホールドおよび触媒コンバータは、共に温度が上昇するが、排気ポートから排出された高温の排気ガスに直接接触する排気マニホールドおよび触媒コンバータの温度は、冷却水等によって冷却されたエンジン等の温度と比較して非常に高い温度となる。
【0004】
このため排気マニホールドおよび触媒コンバータは、エンジン等と比較して熱膨張が大きくなり、この熱膨張差によって触媒コンバータをエンジン等に結合させる支持部材、排気マニホールドおよび触媒コンバータのケースに熱応力が発生する。この熱応力がエンジンの運転、停止によって繰り返し作用すると、金属疲労によって、支持部材、排気マニホールドおよび触媒コンバータのケースが疲労破壊し破損するおそれがある。
【0005】
従来のエンジンの排気装置の支持構造として、例えば、特許文献1には、支持部材の両端部を排気マニホールドのブラケットおよびエンジン本体のブラケットに、それぞれボルトによって回動可能に連結したリンク機構を構成し、排気マニホールドおよび支持部材によって触媒コンバータの振動を抑制し、支持部材であるリンク機構で触媒コンバータの軸方向の移動の許容をすることにより、排気マニホールドおよび触媒コンバータとエンジン本体との熱膨張差を吸収して、熱応力による破損を防止しているものが開示されている。
【0006】
また、従来の排気触媒コンテナの支持構造として、例えば、特許文献2には、触媒コンテナを支持するブラケットと触媒コンテナとの締結部に、排気マニホールドの膨張時の延びを吸収できるスライドブッシュを介在させて排気マニホールドの亀裂の発生を防止するものが開示されている。
【0007】
また、従来のエンジンの排気系支持構造として、例えば、特許文献3には、エンジン側取付面と触媒コンバータ側取付面を触媒部の軸方向に対して垂直な面に略平行に位置させたスティフナを介して、触媒部をエンジンまたはトランスミッションに取付けることにより、排気マニホールドの熱膨張時の触媒部の軸方向の延びを吸収させるものが開示されている。
【0008】
(特許文献1)
特開平11−229863号公報
(特許文献2)
特開2000−297638号公報
(特許文献3)
特開2001−193450号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のエンジンの排気装置の支持構造は、排気マニホールドの熱膨張による触媒コンバータの軸方向の移動を許容しているだけであり、エンジンと触媒コンバータの位置ズレを吸収できると共に、排気マニホールドの熱膨張による触媒コンバータの移動を許容できるものではなかった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、排気マニホールドの熱膨張による触媒コンバータの移動を許容できると共にエンジンと触媒コンバータとの組付時の位置ズレを吸収できるエンジンの排気装置の支持構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、エンジンの一側面に、排気マニホールドと該排気マニホールドに連結される触媒コンバータとを設け、該触媒コンバータを支持部材を介してエンジンに連結したエンジンの排気装置の支持構造において、前記支持部材を、エンジン側取付面と該エンジン側取付面にほぼ直交する触媒コンバータ側取付面とを有する板状部材で形成し、また、前記エンジン側取付面にエンジン側取付ボルト孔を穿設すると共に、前記触媒コンバータ側取付面に触媒コンバータ側取付ボルト孔を穿設し、さらに、前記触媒コンバータ側取付ボルト孔を、前記排気マニホールドの熱膨張時に前記触媒コンバータが移動する方向に一致する長孔に形成したことを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、エンジンに対する触媒コンバータの組付時の位置ズレを、エンジン側取付ボルト孔と触媒コンバータ側取付面とで吸収すると共に、触媒コンバータ側取付面に形成した長孔により、排気マニホールドの熱膨張による触媒コンバータの移動を許容して、組付けによる初期応力と熱膨張による熱応力を低減させる。
【0012】
上記課題を解決するために、請求項2に記載した発明は、エンジンの一側面に、排気マニホールドと該排気マニホールドに連結される触媒コンバータとを設け、該触媒コンバータを支持部材を介してエンジンに連結したエンジンの排気装置の支持構造において、前記支持部材を、エンジン側取付面と該エンジン側取付面にほぼ直交する触媒コンバータ側取付面とで形成すると共に、前記エンジン側取付面に前記触媒コンバータ側取付面を相対移動させるガイド部を形成し、また、前記エンジン側取付面にエンジン側取付ボルト孔を穿設すると共に、前記触媒コンバータ側取付面に触媒コンバータ側取付ボルト孔を穿設し、さらに、前記ガイド部を、前記排気マニホールドの熱膨張時に前記触媒コンバータの移動を許容するように形成したことを特徴とする。
【0013】
このように構成することにより、エンジンに対する触媒コンバータの組付時の位置ズレを、エンジン側取付ボルト孔と触媒コンバータ側取付面とで吸収すると共に、触媒コンバータ側取付面がエンジン側取付面に設けたガイド部に沿ってスライドすることにより、排気マニホールドの熱膨張時に触媒コンバータの移動を許容し、組付けによる初期応力と熱膨張による熱応力を低減させる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施の形態を図1〜図3に基いて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、エンジン10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車に搭載するエンジンであり、クランク軸の軸心19が車両の左右方向を指向するように配設されている。エンジン10は、シリンダブロック11と、シリンダブロック11に載置したシリンダヘッド12と、シリンダヘッド12に載置したシリンダヘッドカバー13と、シリンダブロック11の下面に取付けられたオイルパン(図示省略)を備えている。シリンダヘッド12の前面部には、排気マニホールド8の各枝管が接続されており、これらの枝管の集合部16に触媒コンバータ9の入口側が接続されている。また、触媒コンバータ9の出口側には接続フランジ18を介して排気管17の一端部が接続されており、この排気管17の他端部はエンジン10の下方に延ばされ、図示しない消音器を介して大気に開放されている。また、シリンダブロック11の前面には、後述するスティフナ(支持部材)1のエンジン側取付面2を取付けるためのボス11aが突設されており、このボス11aには、取付ボルト14を装着するボルト挿入孔(図示省略)が形成されている。また、触媒コンバータ9のケース側面には、スティフナ1の触媒コンバータ側取付面3を取付けるための取付ボルト15のボルト挿入孔(図示省略)が形成されている。
【0015】
図1及び図2に示すように、スティフナ1は、エンジン側取付面2と触媒コンバータ側取付面3がほぼ直交するように板状部材ではぼL字状に形成されている。スティフナ1のエンジン側取付面2には、エンジン側取付ボルト孔4が、また、スティフナ1の触媒コンバータ側取付面3には、触媒コンバータ側取付ボルト孔5が、それぞれ穿設されている。スティフナ1のエンジン側取付面2に穿設されたエンジン側取付ボルト孔4は、挿入する取付ボルト14のボルト径より若干大きく形成されている。また、触媒コンバータ側取付面3に穿設された触媒コンバータ側取付ボルト孔5は上下方向(長径方向、図2矢印▲1▼参照)に長い長孔に形成されており、排気マニホールド8の熱膨張時に触媒コンバータ9が上下方向に距離Sだけスライド移動できるようになっている(図3参照)。また、触媒コンバータ側取付ボルト孔5の短径方向の幅、すなわち、前後方向(図2矢印▲2▼参照)の幅は取付ボルト15のボルト径より若干大きく形成されている。
【0016】
次に、本発明の第1実施形態に係るスティフナ1を利用して、触媒コンバータ9をエンジン10に連結する組付けについて説明する。
図1及び図2に示すように、エンジン10のシリンダブロック11の前面に排気マニホールド8が取付けられ、この排気マニホールド8に、触媒コンバータ9、排気管17が順次接続されている。触媒コンバータ9は、排気マニホールド8を介してエンジン10のシリンダヘッド12に連結されているため、触媒コンバータ9とエンジン10の組付け位置は若干のズレが生じる場合がある。
まず、触媒コンバータ9をスティフナ1を介してエンジン10のシリンダブロック11に連結する場合、スティフナ1のエンジン側取付面2のエンジン側取付ボルト孔4を、シリンダブロック11の前面に突設したボス11aのボルト挿入孔に位置合わせして、取付ボルト14をエンジン側取付ボルト孔4とボルト挿入孔に螺着して、スティフナ1のエンジン側取付面2をエンジン10のシリンダブロック11に仮止めする。
次に、スティフナ1の触媒コンバータ側取付面3の触媒コンバータ側取付ボルト孔5を触媒コンバータ9のケース側面に形成したボルト挿入孔に位置合わせして、取付ボルト15を触媒コンバータ側取付ボルト孔5とボルト挿入孔に螺着して、スティフナ1の触媒コンバータ側取付面3を、触媒コンバータ9に取付ける。
ここで、スティフナ1の触媒コンバータ側取付面3を、触媒コンバータ9のケース側面に位置決めするように取付ボルト15を締め付けるが、この際、触媒コンバータ側取付ボルト孔5の短径方向の幅が取付ボルト15のボルト径よりも大きく形成されているので、触媒コンバータ側取付面3は、触媒コンバータ側取付ボルト孔5の大きさの範囲内で上下及び前後へ移動して位置ズレを吸収できる。また、エンジン側取付ボルト孔4は、取付ボルト14のボルト径よりも大きく形成されているので、エンジン側取付面2は、エンジン側取付ボルト孔4の大きさの範囲内で上下及び左右に移動して位置ズレを吸収できる。その後、スティフナ1のエンジン側取付面2を、取付ボルト14を締め付けて、エンジン10のシリンダブロック11に固定する。
【0017】
次に、本発明の第2実施形態を図4〜図6に基いて説明する。
図4〜図6に示すようにスティフナ(支持部材)1aは、エンジン側取付面2aと触媒コンバータ側取付面3aが直交するように形成されている。また、エンジン側取付面2aには、一対のほぼZ字状の板状部材6a、6aを、触媒コンバータ取付面3aの板厚よりも大きい間隔で対向させて、エンジン側ガイド部7aが設けられている。一方、触媒コンバータ側取付面3aの後端には、エンジン側ガイド部7aに収容される触媒コンバータ側ガイド部3bが、ほぼT字状に取付けられている。そして、エンジン側ガイド部7a内に触媒コンバータ側ガイド部3bを収容してエンジン側取付面2aに対して触媒コンバータ側ガイド部3bを上下方向(図6矢印▲5▼参照)に移動可能とする。このようにすることにより、排気マニホールド8の熱膨張時には、触媒コンバータ9は、触媒コンバータ側取付面3aの触媒コンバータ側ガイド部3bがエンジン側ガイド部7aに沿ってスライドして触媒コンバータ9の上下方向の移動を許容できるようになっている。
また、スティフナ1aのエンジン側取付面2aには、エンジン側取付ボルト孔4aが、さらに、スティフナ1aの触媒コンバータ側取付面3aには、触媒コンバータ側取付ボルト孔5aが、それぞれ穿設されている。そして、エンジン側取付ボルト孔4aと触媒コンバータ側取付ボルト孔5aは、挿入する取付ボルト(図示省略)のボルト径より若干大きく形成されている。
【0018】
次に、本発明の第2実施形態に係るスティフナ1aを利用して、触媒コンバータ9をエンジン10に連結する組付けについて説明する。本発明の第1実施形態と同様に、触媒コンバータ9をスティフナ1aを介してエンジン10のシリンダブロック11に連結する場合、まず、スティフナ1aのエンジン側取付面2aのエンジン側取付ボルト孔4aを、シリンダブロック11の前面に突設したボス11aのボルト挿入孔に位置合わせして、取付ボルト14をエンジン側取付ボルト孔4aとボルト挿入孔に螺着して、スティフナ1aのエンジン側取付面2aをエンジン10のシリンダブロック11に仮止めする。
次に、スティフナ1aの触媒コンバータ側取付面3aの触媒コンバータ側取付ボルト孔5aを触媒コンバータ9のケース側面に形成したボルト挿入孔に位置合わせして、取付ボルト15を触媒コンバータ側取付ボルト孔5aとボルト挿入孔に螺着して、スティフナ1aの触媒コンバータ側取付面3aを触媒コンバータ9に取付ける。
ここで、スティフナ1aの触媒コンバータ側取付面3aを、触媒コンバータ9のケース側面に位置決めするように取付ボルト15を締め付けるが、この際、エンジン側取付ボルト孔4aと触媒コンバータ側取付ボルト孔5aは、取付ボルト14及び15のボルト径よりも大きく形成されているので、エンジン側取付面2a及び触媒コンバータ側取付面3aは、エンジン側取付ボルト孔4a及び触媒コンバータ側取付ボルト孔5aの大きさの範囲内で移動する。その後、スティフナ1aのエンジン側取付面2aを、取付ボルト14を締め付けて、エンジン10のシリンダブロック11に固定する。
なお、本発明の第2実施形態に係るスティフナ1aは、エンジン側取付面2aと触媒コンバータ側取付面3aは、エンジン側ガイド部7aと触媒コンバータ側ガイド部3bが分離するように構成されているので、スティフナ1aを取付ける場合、エンジン側取付面2aと触媒コンバータ側取付面3aを組付けた状態で取付けるか、または、エンジン側取付面2aをエンジン10のシリンダブロック11に取付けた後に、触媒コンバータ側取付面3aの触媒コンバータ側ガイド部3bをエンジン側取付面2aのエンジン側ガイド部7aに連結するようにしてもよい。
【0019】
以上のように構成された本実施形態の作用について次に説明する。
エンジン10の排気ポートから排出された排気ガスは、排気マニホールド8及び触媒コンバータ9を通り触媒コンバータ9で浄化された後、排気管17を通り図示しない消音器を介して大気に排出される。エンジン運転中にエンジン10の加振力により排気マニホールド8及び触媒コンバータ9に振動が伝わるが、上下方向の振動(図2矢印▲1▼参照)は排気マニホールド8をエンジン10に堅固に結合することで抑制できる。また、左右方向の振動(図1矢印▲3▼参照)及び前後方向の振動(図2矢印▲2▼参照)は、触媒コンバータ9はスティフナ1またはスティフナ1aを介しエンジン10に支持されているので抑制することができる。
【0020】
第1実施形態に係るスティフナ1を利用する場合、エンジン10に対する触媒コンバータ9の組付時の上下方向(図2矢印▲1▼参照)及び左右方向(図1矢印▲3▼参照)の位置ズレは、スティフナ1のエンジン側取付面2に穿設されたエンジン側取付ボルト孔4の大きさが取付ボルト14のボルト径よりも若干大きく形成されているので、エンジン側取付ボルト孔4により吸収する。また、前後方向(図2矢印▲2▼参照)の位置ズレは、触媒コンバータ側取付面3に穿設された触媒コンバータ側取付ボルト孔5の短径方向の幅、すなわち、前後方向の幅が取付ボルト15のボルト径よりも若干大きく形成されているので、触媒コンバータ側取付ボルト孔5により吸収する。
また、触媒コンバータ9は、取付ボルト15が触媒コンバータ側取付面3の触媒コンバータ側取付ボルト孔5の長孔に沿って距離Sの範囲でスライドできるので、排気マニホールド8および触媒コンバータ9とエンジン10との熱膨張差が生じた場合、触媒コンバータ9が上下方向(図2矢印▲1▼方向)に移動することにより、熱膨張時の熱応力を吸収することができる。(図3参照)
【0021】
第2実施形態に係るスティフナ1aを利用する場合、エンジン10に対する触媒コンバータ9の組付時の上下方向(図2矢印▲1▼参照)及び左右方向(図1矢印▲3▼参照)の位置ズレは、エンジン側取付面2aに穿設されたエンジン側取付ボルト孔4aの大きさが取付ボルト14のボルト径よりも若干大きく形成されているので、エンジン側取付ボルト孔4aにより吸収する。また、前後方向(図2矢印▲2▼参照)の位置ズレは、触媒コンバータ側取付面3aに穿設された触媒コンバータ側取付ボルト孔5aの大きさが取付ボルト15のボルト径よりも若干大きく形成されているので、触媒コンバータ側取付ボルト孔5aにより吸収する。
また、触媒コンバータ9は、触媒コンバータ取付面3aの触媒コンバータ側ガイド部3bがエンジン側取付面2aのエンジン側ガイド部7aに沿ってスライドできるので、排気マニホールド8および触媒コンバータ9とエンジン10との間に熱膨張差が生じた場合、触媒コンバータ9が上下方向に移動することにより、熱膨張時に発生する熱応力を吸収することができる。(図4参照)
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した発明によれば、触媒コンバータとエンジンの一側面部を、エンジン側取付ボルト孔を設けたエンジン側取付面と、長孔の触媒コンバータ側取付ボルト孔を設けた触媒コンバータ側取付面がほぼ直交するように形成した支持部材を介して連結したので、エンジンに対する触媒コンバータの組付時の位置ズレを、エンジン側取付ボルト孔と触媒コンバータ側取付面で吸収することができる。また、排気マニホールドの熱膨張時に、触媒コンバータ側取付面に形成した長孔に沿って触媒コンバータがスライドすることができる。その結果、触媒コンバータ組付による初期応力と熱膨張による熱応力を低減させて、排気マニホールド及び触媒コンバータの破損を防止することができる。
【0023】
請求項2に記載した発明によれば、触媒コンバータとエンジンの一側面部を、エンジン側取付ボルト孔を設けたエンジン側取付面と触媒コンバータ側取付ボルト孔を設けた触媒コンバータ側取付面がガイド部によりほぼ直交してスライドする支持部材を介して連結したので、エンジンに対する触媒コンバータの位置ズレを、エンジン側取付ボルト孔と触媒コンバータ側取付面で吸収することができる。また、排気マニホールドの熱膨張時に触媒コンバータ取付面が触媒コンバータと共にエンジン側取付面に設けたガイド部に沿って上下方向にスライドすることができる。その結果、触媒コンバータ組付による初期応力と熱膨張による熱応力を低減させて、排気マニホールド及び触媒コンバータの破損を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエンジンの排気装置の支持構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示すエンジンの排気装置の支持構造の側面図である。
【図3】図1に示すエンジンの排気装置の支持構造において、排気マニホールドが熱膨張した時の触媒コンバータの移動を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るエンジンの排気装置の支持構造の斜視図である。
【図5】図4に示すエンジンの排気装置の支持構造の平面図である。
【図6】図4に示すエンジンの排気装置の支持構造の側面図である。
【符号の説明】
1,1a ステイフナ(支持部材)
2,2a エンジン側取付面
3,3a 触媒コンバータ側取付面
3b 触媒コンバータ側ガイド部
4,4a エンジン側取付ボルト孔
5,5a 触媒コンバータ側取付ボルト孔
7a エンジン側ガイド部
8 排気マニホールド
9 触媒コンバータ
10 エンジン
14,15 取付ボルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの排気マニホールドの集合部に触媒コンバータを配置したエンジンの排気装置の支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等のエンジンの排気装置には、排気ガス中の汚染物質を浄化するために排気通路の途中に触媒コンバータが設けられており、排気ガスを触媒コンバータを通過させることにより浄化した後大気中に放出するようにしている。この種のエンジンの排気装置は、浄化性能の向上を目的として高温の排気ガスを触媒中に通過させるために、排気マニホールドの集合部に触媒コンバータを配置する傾向がある。
【0003】
しかしながら、重量の重い触媒コンバータを排気マニホールドの集合部直下に配置することで触媒コンバータを含めた排気マニホールドの固有振動数が低下し、エンジン加振力による共振によって排気マニホールドが破損する場合がある。そこで排気マニホールドが破損しないように排気マニホールドをエンジンあるいはトランスミッションに堅固に支持して振動を低減している。また、エンジン運転中、エンジン、排気マニホールドおよび触媒コンバータは、共に温度が上昇するが、排気ポートから排出された高温の排気ガスに直接接触する排気マニホールドおよび触媒コンバータの温度は、冷却水等によって冷却されたエンジン等の温度と比較して非常に高い温度となる。
【0004】
このため排気マニホールドおよび触媒コンバータは、エンジン等と比較して熱膨張が大きくなり、この熱膨張差によって触媒コンバータをエンジン等に結合させる支持部材、排気マニホールドおよび触媒コンバータのケースに熱応力が発生する。この熱応力がエンジンの運転、停止によって繰り返し作用すると、金属疲労によって、支持部材、排気マニホールドおよび触媒コンバータのケースが疲労破壊し破損するおそれがある。
【0005】
従来のエンジンの排気装置の支持構造として、例えば、特許文献1には、支持部材の両端部を排気マニホールドのブラケットおよびエンジン本体のブラケットに、それぞれボルトによって回動可能に連結したリンク機構を構成し、排気マニホールドおよび支持部材によって触媒コンバータの振動を抑制し、支持部材であるリンク機構で触媒コンバータの軸方向の移動の許容をすることにより、排気マニホールドおよび触媒コンバータとエンジン本体との熱膨張差を吸収して、熱応力による破損を防止しているものが開示されている。
【0006】
また、従来の排気触媒コンテナの支持構造として、例えば、特許文献2には、触媒コンテナを支持するブラケットと触媒コンテナとの締結部に、排気マニホールドの膨張時の延びを吸収できるスライドブッシュを介在させて排気マニホールドの亀裂の発生を防止するものが開示されている。
【0007】
また、従来のエンジンの排気系支持構造として、例えば、特許文献3には、エンジン側取付面と触媒コンバータ側取付面を触媒部の軸方向に対して垂直な面に略平行に位置させたスティフナを介して、触媒部をエンジンまたはトランスミッションに取付けることにより、排気マニホールドの熱膨張時の触媒部の軸方向の延びを吸収させるものが開示されている。
【0008】
(特許文献1)
特開平11−229863号公報
(特許文献2)
特開2000−297638号公報
(特許文献3)
特開2001−193450号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のエンジンの排気装置の支持構造は、排気マニホールドの熱膨張による触媒コンバータの軸方向の移動を許容しているだけであり、エンジンと触媒コンバータの位置ズレを吸収できると共に、排気マニホールドの熱膨張による触媒コンバータの移動を許容できるものではなかった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、排気マニホールドの熱膨張による触媒コンバータの移動を許容できると共にエンジンと触媒コンバータとの組付時の位置ズレを吸収できるエンジンの排気装置の支持構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、エンジンの一側面に、排気マニホールドと該排気マニホールドに連結される触媒コンバータとを設け、該触媒コンバータを支持部材を介してエンジンに連結したエンジンの排気装置の支持構造において、前記支持部材を、エンジン側取付面と該エンジン側取付面にほぼ直交する触媒コンバータ側取付面とを有する板状部材で形成し、また、前記エンジン側取付面にエンジン側取付ボルト孔を穿設すると共に、前記触媒コンバータ側取付面に触媒コンバータ側取付ボルト孔を穿設し、さらに、前記触媒コンバータ側取付ボルト孔を、前記排気マニホールドの熱膨張時に前記触媒コンバータが移動する方向に一致する長孔に形成したことを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、エンジンに対する触媒コンバータの組付時の位置ズレを、エンジン側取付ボルト孔と触媒コンバータ側取付面とで吸収すると共に、触媒コンバータ側取付面に形成した長孔により、排気マニホールドの熱膨張による触媒コンバータの移動を許容して、組付けによる初期応力と熱膨張による熱応力を低減させる。
【0012】
上記課題を解決するために、請求項2に記載した発明は、エンジンの一側面に、排気マニホールドと該排気マニホールドに連結される触媒コンバータとを設け、該触媒コンバータを支持部材を介してエンジンに連結したエンジンの排気装置の支持構造において、前記支持部材を、エンジン側取付面と該エンジン側取付面にほぼ直交する触媒コンバータ側取付面とで形成すると共に、前記エンジン側取付面に前記触媒コンバータ側取付面を相対移動させるガイド部を形成し、また、前記エンジン側取付面にエンジン側取付ボルト孔を穿設すると共に、前記触媒コンバータ側取付面に触媒コンバータ側取付ボルト孔を穿設し、さらに、前記ガイド部を、前記排気マニホールドの熱膨張時に前記触媒コンバータの移動を許容するように形成したことを特徴とする。
【0013】
このように構成することにより、エンジンに対する触媒コンバータの組付時の位置ズレを、エンジン側取付ボルト孔と触媒コンバータ側取付面とで吸収すると共に、触媒コンバータ側取付面がエンジン側取付面に設けたガイド部に沿ってスライドすることにより、排気マニホールドの熱膨張時に触媒コンバータの移動を許容し、組付けによる初期応力と熱膨張による熱応力を低減させる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施の形態を図1〜図3に基いて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、エンジン10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車に搭載するエンジンであり、クランク軸の軸心19が車両の左右方向を指向するように配設されている。エンジン10は、シリンダブロック11と、シリンダブロック11に載置したシリンダヘッド12と、シリンダヘッド12に載置したシリンダヘッドカバー13と、シリンダブロック11の下面に取付けられたオイルパン(図示省略)を備えている。シリンダヘッド12の前面部には、排気マニホールド8の各枝管が接続されており、これらの枝管の集合部16に触媒コンバータ9の入口側が接続されている。また、触媒コンバータ9の出口側には接続フランジ18を介して排気管17の一端部が接続されており、この排気管17の他端部はエンジン10の下方に延ばされ、図示しない消音器を介して大気に開放されている。また、シリンダブロック11の前面には、後述するスティフナ(支持部材)1のエンジン側取付面2を取付けるためのボス11aが突設されており、このボス11aには、取付ボルト14を装着するボルト挿入孔(図示省略)が形成されている。また、触媒コンバータ9のケース側面には、スティフナ1の触媒コンバータ側取付面3を取付けるための取付ボルト15のボルト挿入孔(図示省略)が形成されている。
【0015】
図1及び図2に示すように、スティフナ1は、エンジン側取付面2と触媒コンバータ側取付面3がほぼ直交するように板状部材ではぼL字状に形成されている。スティフナ1のエンジン側取付面2には、エンジン側取付ボルト孔4が、また、スティフナ1の触媒コンバータ側取付面3には、触媒コンバータ側取付ボルト孔5が、それぞれ穿設されている。スティフナ1のエンジン側取付面2に穿設されたエンジン側取付ボルト孔4は、挿入する取付ボルト14のボルト径より若干大きく形成されている。また、触媒コンバータ側取付面3に穿設された触媒コンバータ側取付ボルト孔5は上下方向(長径方向、図2矢印▲1▼参照)に長い長孔に形成されており、排気マニホールド8の熱膨張時に触媒コンバータ9が上下方向に距離Sだけスライド移動できるようになっている(図3参照)。また、触媒コンバータ側取付ボルト孔5の短径方向の幅、すなわち、前後方向(図2矢印▲2▼参照)の幅は取付ボルト15のボルト径より若干大きく形成されている。
【0016】
次に、本発明の第1実施形態に係るスティフナ1を利用して、触媒コンバータ9をエンジン10に連結する組付けについて説明する。
図1及び図2に示すように、エンジン10のシリンダブロック11の前面に排気マニホールド8が取付けられ、この排気マニホールド8に、触媒コンバータ9、排気管17が順次接続されている。触媒コンバータ9は、排気マニホールド8を介してエンジン10のシリンダヘッド12に連結されているため、触媒コンバータ9とエンジン10の組付け位置は若干のズレが生じる場合がある。
まず、触媒コンバータ9をスティフナ1を介してエンジン10のシリンダブロック11に連結する場合、スティフナ1のエンジン側取付面2のエンジン側取付ボルト孔4を、シリンダブロック11の前面に突設したボス11aのボルト挿入孔に位置合わせして、取付ボルト14をエンジン側取付ボルト孔4とボルト挿入孔に螺着して、スティフナ1のエンジン側取付面2をエンジン10のシリンダブロック11に仮止めする。
次に、スティフナ1の触媒コンバータ側取付面3の触媒コンバータ側取付ボルト孔5を触媒コンバータ9のケース側面に形成したボルト挿入孔に位置合わせして、取付ボルト15を触媒コンバータ側取付ボルト孔5とボルト挿入孔に螺着して、スティフナ1の触媒コンバータ側取付面3を、触媒コンバータ9に取付ける。
ここで、スティフナ1の触媒コンバータ側取付面3を、触媒コンバータ9のケース側面に位置決めするように取付ボルト15を締め付けるが、この際、触媒コンバータ側取付ボルト孔5の短径方向の幅が取付ボルト15のボルト径よりも大きく形成されているので、触媒コンバータ側取付面3は、触媒コンバータ側取付ボルト孔5の大きさの範囲内で上下及び前後へ移動して位置ズレを吸収できる。また、エンジン側取付ボルト孔4は、取付ボルト14のボルト径よりも大きく形成されているので、エンジン側取付面2は、エンジン側取付ボルト孔4の大きさの範囲内で上下及び左右に移動して位置ズレを吸収できる。その後、スティフナ1のエンジン側取付面2を、取付ボルト14を締め付けて、エンジン10のシリンダブロック11に固定する。
【0017】
次に、本発明の第2実施形態を図4〜図6に基いて説明する。
図4〜図6に示すようにスティフナ(支持部材)1aは、エンジン側取付面2aと触媒コンバータ側取付面3aが直交するように形成されている。また、エンジン側取付面2aには、一対のほぼZ字状の板状部材6a、6aを、触媒コンバータ取付面3aの板厚よりも大きい間隔で対向させて、エンジン側ガイド部7aが設けられている。一方、触媒コンバータ側取付面3aの後端には、エンジン側ガイド部7aに収容される触媒コンバータ側ガイド部3bが、ほぼT字状に取付けられている。そして、エンジン側ガイド部7a内に触媒コンバータ側ガイド部3bを収容してエンジン側取付面2aに対して触媒コンバータ側ガイド部3bを上下方向(図6矢印▲5▼参照)に移動可能とする。このようにすることにより、排気マニホールド8の熱膨張時には、触媒コンバータ9は、触媒コンバータ側取付面3aの触媒コンバータ側ガイド部3bがエンジン側ガイド部7aに沿ってスライドして触媒コンバータ9の上下方向の移動を許容できるようになっている。
また、スティフナ1aのエンジン側取付面2aには、エンジン側取付ボルト孔4aが、さらに、スティフナ1aの触媒コンバータ側取付面3aには、触媒コンバータ側取付ボルト孔5aが、それぞれ穿設されている。そして、エンジン側取付ボルト孔4aと触媒コンバータ側取付ボルト孔5aは、挿入する取付ボルト(図示省略)のボルト径より若干大きく形成されている。
【0018】
次に、本発明の第2実施形態に係るスティフナ1aを利用して、触媒コンバータ9をエンジン10に連結する組付けについて説明する。本発明の第1実施形態と同様に、触媒コンバータ9をスティフナ1aを介してエンジン10のシリンダブロック11に連結する場合、まず、スティフナ1aのエンジン側取付面2aのエンジン側取付ボルト孔4aを、シリンダブロック11の前面に突設したボス11aのボルト挿入孔に位置合わせして、取付ボルト14をエンジン側取付ボルト孔4aとボルト挿入孔に螺着して、スティフナ1aのエンジン側取付面2aをエンジン10のシリンダブロック11に仮止めする。
次に、スティフナ1aの触媒コンバータ側取付面3aの触媒コンバータ側取付ボルト孔5aを触媒コンバータ9のケース側面に形成したボルト挿入孔に位置合わせして、取付ボルト15を触媒コンバータ側取付ボルト孔5aとボルト挿入孔に螺着して、スティフナ1aの触媒コンバータ側取付面3aを触媒コンバータ9に取付ける。
ここで、スティフナ1aの触媒コンバータ側取付面3aを、触媒コンバータ9のケース側面に位置決めするように取付ボルト15を締め付けるが、この際、エンジン側取付ボルト孔4aと触媒コンバータ側取付ボルト孔5aは、取付ボルト14及び15のボルト径よりも大きく形成されているので、エンジン側取付面2a及び触媒コンバータ側取付面3aは、エンジン側取付ボルト孔4a及び触媒コンバータ側取付ボルト孔5aの大きさの範囲内で移動する。その後、スティフナ1aのエンジン側取付面2aを、取付ボルト14を締め付けて、エンジン10のシリンダブロック11に固定する。
なお、本発明の第2実施形態に係るスティフナ1aは、エンジン側取付面2aと触媒コンバータ側取付面3aは、エンジン側ガイド部7aと触媒コンバータ側ガイド部3bが分離するように構成されているので、スティフナ1aを取付ける場合、エンジン側取付面2aと触媒コンバータ側取付面3aを組付けた状態で取付けるか、または、エンジン側取付面2aをエンジン10のシリンダブロック11に取付けた後に、触媒コンバータ側取付面3aの触媒コンバータ側ガイド部3bをエンジン側取付面2aのエンジン側ガイド部7aに連結するようにしてもよい。
【0019】
以上のように構成された本実施形態の作用について次に説明する。
エンジン10の排気ポートから排出された排気ガスは、排気マニホールド8及び触媒コンバータ9を通り触媒コンバータ9で浄化された後、排気管17を通り図示しない消音器を介して大気に排出される。エンジン運転中にエンジン10の加振力により排気マニホールド8及び触媒コンバータ9に振動が伝わるが、上下方向の振動(図2矢印▲1▼参照)は排気マニホールド8をエンジン10に堅固に結合することで抑制できる。また、左右方向の振動(図1矢印▲3▼参照)及び前後方向の振動(図2矢印▲2▼参照)は、触媒コンバータ9はスティフナ1またはスティフナ1aを介しエンジン10に支持されているので抑制することができる。
【0020】
第1実施形態に係るスティフナ1を利用する場合、エンジン10に対する触媒コンバータ9の組付時の上下方向(図2矢印▲1▼参照)及び左右方向(図1矢印▲3▼参照)の位置ズレは、スティフナ1のエンジン側取付面2に穿設されたエンジン側取付ボルト孔4の大きさが取付ボルト14のボルト径よりも若干大きく形成されているので、エンジン側取付ボルト孔4により吸収する。また、前後方向(図2矢印▲2▼参照)の位置ズレは、触媒コンバータ側取付面3に穿設された触媒コンバータ側取付ボルト孔5の短径方向の幅、すなわち、前後方向の幅が取付ボルト15のボルト径よりも若干大きく形成されているので、触媒コンバータ側取付ボルト孔5により吸収する。
また、触媒コンバータ9は、取付ボルト15が触媒コンバータ側取付面3の触媒コンバータ側取付ボルト孔5の長孔に沿って距離Sの範囲でスライドできるので、排気マニホールド8および触媒コンバータ9とエンジン10との熱膨張差が生じた場合、触媒コンバータ9が上下方向(図2矢印▲1▼方向)に移動することにより、熱膨張時の熱応力を吸収することができる。(図3参照)
【0021】
第2実施形態に係るスティフナ1aを利用する場合、エンジン10に対する触媒コンバータ9の組付時の上下方向(図2矢印▲1▼参照)及び左右方向(図1矢印▲3▼参照)の位置ズレは、エンジン側取付面2aに穿設されたエンジン側取付ボルト孔4aの大きさが取付ボルト14のボルト径よりも若干大きく形成されているので、エンジン側取付ボルト孔4aにより吸収する。また、前後方向(図2矢印▲2▼参照)の位置ズレは、触媒コンバータ側取付面3aに穿設された触媒コンバータ側取付ボルト孔5aの大きさが取付ボルト15のボルト径よりも若干大きく形成されているので、触媒コンバータ側取付ボルト孔5aにより吸収する。
また、触媒コンバータ9は、触媒コンバータ取付面3aの触媒コンバータ側ガイド部3bがエンジン側取付面2aのエンジン側ガイド部7aに沿ってスライドできるので、排気マニホールド8および触媒コンバータ9とエンジン10との間に熱膨張差が生じた場合、触媒コンバータ9が上下方向に移動することにより、熱膨張時に発生する熱応力を吸収することができる。(図4参照)
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した発明によれば、触媒コンバータとエンジンの一側面部を、エンジン側取付ボルト孔を設けたエンジン側取付面と、長孔の触媒コンバータ側取付ボルト孔を設けた触媒コンバータ側取付面がほぼ直交するように形成した支持部材を介して連結したので、エンジンに対する触媒コンバータの組付時の位置ズレを、エンジン側取付ボルト孔と触媒コンバータ側取付面で吸収することができる。また、排気マニホールドの熱膨張時に、触媒コンバータ側取付面に形成した長孔に沿って触媒コンバータがスライドすることができる。その結果、触媒コンバータ組付による初期応力と熱膨張による熱応力を低減させて、排気マニホールド及び触媒コンバータの破損を防止することができる。
【0023】
請求項2に記載した発明によれば、触媒コンバータとエンジンの一側面部を、エンジン側取付ボルト孔を設けたエンジン側取付面と触媒コンバータ側取付ボルト孔を設けた触媒コンバータ側取付面がガイド部によりほぼ直交してスライドする支持部材を介して連結したので、エンジンに対する触媒コンバータの位置ズレを、エンジン側取付ボルト孔と触媒コンバータ側取付面で吸収することができる。また、排気マニホールドの熱膨張時に触媒コンバータ取付面が触媒コンバータと共にエンジン側取付面に設けたガイド部に沿って上下方向にスライドすることができる。その結果、触媒コンバータ組付による初期応力と熱膨張による熱応力を低減させて、排気マニホールド及び触媒コンバータの破損を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエンジンの排気装置の支持構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示すエンジンの排気装置の支持構造の側面図である。
【図3】図1に示すエンジンの排気装置の支持構造において、排気マニホールドが熱膨張した時の触媒コンバータの移動を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るエンジンの排気装置の支持構造の斜視図である。
【図5】図4に示すエンジンの排気装置の支持構造の平面図である。
【図6】図4に示すエンジンの排気装置の支持構造の側面図である。
【符号の説明】
1,1a ステイフナ(支持部材)
2,2a エンジン側取付面
3,3a 触媒コンバータ側取付面
3b 触媒コンバータ側ガイド部
4,4a エンジン側取付ボルト孔
5,5a 触媒コンバータ側取付ボルト孔
7a エンジン側ガイド部
8 排気マニホールド
9 触媒コンバータ
10 エンジン
14,15 取付ボルト
Claims (2)
- エンジンの一側面に、排気マニホールドと該排気マニホールドに連結される触媒コンバータとを設け、該触媒コンバータを支持部材を介してエンジンに連結したエンジンの排気装置の支持構造において、
前記支持部材を、エンジン側取付面と該エンジン側取付面にほぼ直交する触媒コンバータ側取付面とを有する板状部材で形成し、また、前記エンジン側取付面にエンジン側取付ボルト孔を穿設すると共に、前記触媒コンバータ側取付面に触媒コンバータ側取付ボルト孔を穿設し、さらに、前記触媒コンバータ側取付ボルト孔を、前記排気マニホールドの熱膨張時に前記触媒コンバータが移動する方向に一致する長孔に形成したことを特徴とするエンジンの排気装置の支持構造。 - エンジンの一側面に、排気マニホールドと該排気マニホールドに連結される触媒コンバータとを設け、該触媒コンバータを支持部材を介してエンジンに連結したエンジンの排気装置の支持構造において、
前記支持部材を、エンジン側取付面と該エンジン側取付面にほぼ直交する触媒コンバータ側取付面とで形成すると共に、前記エンジン側取付面に前記触媒コンバータ側取付面を相対移動させるガイド部を形成し、また、前記エンジン側取付面にエンジン側取付ボルト孔を穿設すると共に、前記触媒コンバータ側取付面に触媒コンバータ側取付ボルト孔を穿設し、さらに、前記ガイド部を、前記排気マニホールドの熱膨張時に前記触媒コンバータの移動を許容するように形成したことを特徴とするエンジンの排気装置の支持構造。
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