JP2004076558A - プール用可動床の昇降支持装置 - Google Patents

プール用可動床の昇降支持装置 Download PDF

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巽 俊之
Yoshiharu Nakano
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Abstract

【課題】可動床を備えていない従来のプールに、該プール自体を改造せずに簡単に可動床を設置でき、しかも、リンク機構で昇降する構造に比べて、安価で製造し易いプール用可動床の昇降支持装置を提供する。
【解決手段】架台8上に膨張収縮可能な単体あるいは複数の流体バック10,11を積み重ねて設けることにより上下方向に伸縮可能は昇降ユニットAを構成する。複数の上記昇降ユニットAをプールの底面に互いに間隔を置いて載置すると共に、流体バック11の上端に可動床1を固定支持する。可動床1と架台8の間には、流体バック10,11とは別位置に、可動床1の横振れを規制するリンク機構13,14を上下方向伸縮可能に介装する。規制リンク機構13,14は、たとえば互いに直交する方向の横揺れを防止するように配置する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、プールの深さを変更するために用いられるプール用可動床の昇降支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の可動床式のプールは、プール建造時から可動床を備えることを前提として設計されており、プールの底面あるいは側壁面に予め昇降装置を据え付けるための凹部等が形成されると共に昇降装置駆動用のエア配管等が底壁内あるいは側壁内に配設された構造となっている。
【0003】
現在、可動床を備えていないプールが大半であるが、このようなプールを可動床式に改造しようとすれば、プールの略全体を一旦解体しなければならず、新設時と同程度の大規模な工事が必要になると共に工事期間も長く、改造コストも高くなる。
【0004】
そのため、可動床を有しないプールを備えているスイミングスクール等において、幼児練習用等で1つのコースを浅くする場合には、複数の直方体状の嵩上げ台をプール底面に並べており、通常の深さで使用する場合には、プールからそれらを取り出し、適当な保管場所に収納している。しかし、上記嵩上げ台をプール内に並べる作業並びにプールから取り出す作業には手間がかかり、しかも、容積が大きいので保管にも大きな収納スペースが必要となる。
【0005】
これに対して、既設のプールにも容易に設置できる可動床昇降支持装置が開発されており、特許文献1等に記載されている。該特許文献1に記載されている可動床昇降支持装置は、プールの略全長に亘るアンカーフレームをプール底面に載置し、該アンカーフレームの複数個所に上下方向伸縮可能な「く」の字形の駆動リンク機構を設け、該駆動リンク機構の上端を可動床に支持すると共に、駆動リンク機構の上下のリンク部材間に空気ばねを配置してある。すなわち、空気ばねを膨張させることにより「く」の字形リンクを伸長し、駆動リンク機構により可動床を昇降し、支持する構造となっている。
【0006】
【特許文献1】特開平2002−38742号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように駆動リンク機構により可動床を昇降し、かつ、駆動リンク機構により可動床及び該可動床に載る遊泳者の重量を支える構造では、駆動リンク機構自体に大きな強度が要求されるため、駆動リンクの数量を増やすことで一箇所当たりの重量を減らしたり、又駆動リンクの数を減らせばリンク機構が大型化し、その重量も増加することにより、設置作業に手間がかかる。
【0008】
また、駆動リンク機構のリンク部材間という狭い個所に空気ばねを介装するので、空気ばねの大きさが制限され、小型高圧型の空気ばねが必要となり、厳重なシール機構を有する高価な空気ばねを備えなければならず、コストが高くなる。
【0009】
【発明の目的】
本願発明の目的は、可動床を備えていない従来のプールに、該プール自体を改造せずに簡単に可動床を設置でき、しかも、リンク機構で昇降する構造に比べて、安価で製造し易い可動床の昇降支持装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願請求項1記載の発明は、架台上に膨張収縮可能な単体あるいは複数の流体バックを積み重ねて設けることにより上下方向に伸縮可能な昇降ユニットを構成し、複数の上記昇降ユニットをプールの底面に載置すると共に、流体バックの上端に可動床を固定支持してあることを特徴とするプール用可動床の昇降支持支持装置である。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプール用可動床の昇降支持装置において、可動床と架台の間には、流体バックとは別位置に、可動床の横振れを規制するリンク機構を上下方向伸縮可能に介装してあることを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のプール用可動床の昇降支持装置において、流体バック内には、流体バックの上端と下端に連結されて流体バックの上下方向の最大伸長量を規制する可撓性吊部材を配置してあることを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のプール用可動床の昇降支持装置において、流体バック内には、水平方向に対向する各端壁に連結されて流体バックの水平方向の最大拡幅量を規制する可撓性引張部材を配置してあることを特徴としている。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のプール用可動床の昇降支持装置において、流体バックはじゃばら形であることを特徴としている。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1又は2記載のプール用可動床の昇降支持装置において、流体バックは、所定圧の流体を充填した時の膨張形状が、所定の伸長量及び拡幅量の略角柱形状となるように形成してあることを特徴としている。
【0016】
【発明の第1の実施の形態】
図1は、本願発明にかかる可動床の昇降支持装置を設けたプールの平面図であり、プールの長辺側の端壁3に沿って1コース分のスペースに可動床1を配置した例である。説明の都合上、可動床1の長手方向を前後方向として、以下説明する。
【0017】
可動床1の昇降支持装置は、前後方向に間隔をおいて配置された複数個(たとえば5個)の昇降ユニットAから構成されており、各昇降ユニットAは平面形状が概ね長方形に構成され、前後方向に長い状態と左右方向に長い状態とに交互に配置してある。
【0018】
図2は図1のII−II断面図であり、可動床1はプールの前後端壁2間に亘って配置された可動床フレーム5と、該可動床フレーム5の上面に敷き詰められた床板6から構成されている。可動床フレーム5は、各昇降ユニットAの上端に直結されたフレーム部5aと、各フレーム部5a間に連結された中間フレーム部5bと、前後端部に配置された端フレーム部5cとから構成されている。
【0019】
図3は図1のIII−III断面拡大図であり、左右方向に長い昇降ユニットAを前方から見た拡大図である。この図3において、昇降ユニットAは、プール底面Fに取外し可能に載置された架台8と、架台8の中央部に2段に積み重ねるように設けられた2個の流体バック10,11と、該流体バック10,11から少し離れた左右側方位置に配置された左右横振れ防止用リンク機構13と、流体バック10,11から少し離れた前後位置に配置された前後横振れ防止用輪リンク機構14とから構成されている。
【0020】
架台8はステンレス製あるいはアルミ製の型部材により枠状に形成されており、周縁に配置された複数のレベル調節ボルト16がレベル調節可能にプール底面に当接している。
【0021】
各流体バック10,11はゴムにより膨張収縮可能に構成されると共に、主として上下方向に大きく伸縮するようにじゃばら形(ベロー形)に形成されており、各流体バック10,11にはそれぞれに独立にエア口管17,18が設けられている。各エア口管17,18は配管及び制御バルブ機構を介してエア供給装置に接続し、それぞれ独立してエアの注入及び排出を行なうことにより、各流体バック10,11を独立して膨張縮小させることができるようになっている。
【0022】
図4は昇降ユニットAの平面図であり、上下段の流体バック10,11の平面形状は、略同一の長方形に形成されている。
【0023】
図5は図3の昇降ユニットAを矢印V方向に見た図であり、下段の流体バック10の上下方向の寸法は、伸長時の高さがたとえば40cm程度であり、上段の流体バック11の上下方向の寸法は、伸長時の高さがたとえば20cm程度である。
【0024】
各流体バック10,11の上下端にはそれぞれステンレス鋼製のフランジ板21,22,23,24が固着されており、下段の流体バック10の下側フランジ板22は架台8の上面に固着され、上段の流体バック11の下側フランジ板24は下段の流体バック11の上側フランジ板21に結合され、上段の流体バック11の上側フランジ板23には可動床フレーム1の前記フレーム部(天板)5aが固定支持されている。
【0025】
前後横振れ防止用リンク機構14は、前後に延びる連結ピン19により上下1対のリンク部材14a,14bを枢着連結し、上側リンク部材14aの上端部は前後に延びるピンにより可動床フレーム部5aに枢着連結し、下側リンク部材14bの下端部は前後に延びるピンにより架台8に枢着連結してある。これにより左右方向の垂直面(図5の紙面と直角な面)内でそれぞれ「く」の字形に折れ曲がり可能となっており、そして、各リンク部材14a,14bが断面コの字形の型材により成形されることにより、前後方向には撓まないように構成されている。
【0026】
左右横振れ防止用リンク機構13は、図3のように左右に延びる連結ピン20により上下1対のリンク部材13a,13bを枢着連結し、上側リンク部材13aの上端部は左右に延びるピンにより可動床フレーム部5aに枢着連結し、下側リンク部材13bの下端部は左右に延びるピンにより架台8に枢着連結してある。これにより前後方向の垂直面(図3の紙面と直角な面)内でそれぞれ「く」の字形に折れ曲がり可能となっており、そして、各リンク部材13a,13bが断面コの字形の型材により成形されることにより、左右方向には撓まないように構成されている。
【0027】
図7は下段の流体バック10の縦断面図(図6のVII−VII断面図)であり、流体バック10内には上下方向の最大伸長量規制用の可撓性吊り部材31と、最大拡幅規制用の引張部材33が配置され、これら吊り部材31と引張部材33はゴム布等でできている。
【0028】
上下のフランジ板21,22にはそれぞれ矩形の開口30が形成されており、前後に間隔を置いて配置された1対の可撓性吊り部材31は、上端部が上側開口30の前後端縁にそれぞれ固着され、下端部が下側開口30の前後端縁にそれぞれ固着され、上下方向の長さが流体バックの最大伸長量(40cm)に設定され、流体バック10の膨張時における上下方向最大伸長量を規制するようになっている。開口30はゴム製のカバー36により密封されている。
【0029】
可撓性引張部材33は一端がたとえば後壁の括れ部の内面に固着され、他端が前壁の括れ部の内面に固着され、前後方向長さが流体バック10の括れ部の最大拡幅量に設定され、流体バック10の膨張時における最大前後幅を規制するようになっている。
【0030】
図6は図7の平面図であり、前記開口30は左右方向に間隔を置いて3個所に形成されており、各開口30毎に1対ずつ吊部材31が配置されている。また、引張部材33は、吊部材31の左右方向間に配置されている。
【0031】
なお、図3の上段の流体バック11の内部構造も、下段の流体バック10とは伸長時の長さが異なるだけで基本的には同様であり、図6及び図7に示すような最大伸長量規制用の可撓性吊部材31及び最大拡幅量規制用の可撓性引張部材33を内蔵している。
【0032】
【可動床の設置】
図2のように可動床を有しない従来プールの底面に、それぞれフレーム部5aを取り付けてある各昇降ユニットAを所定の位置に載置する。この場合、各流体バック10,11はエアが抜かれて収縮している。そして、各フレーム部5aに中間フレーム部5b及び端フレーム部5cを連結し、可動床フレーム5を完成させ、可動床フレーム5上に床板6を敷く。
【0033】
上記のように各昇降ユニットAを載置する場合において、図3に示すようにプールの端壁3には、プール側溝40を利用してコの字形の固定板41を固定してあり、該固定板41の一端をプール端壁3に沿って下方に伸ばし、固定板41の下端にクランプ機構42等により架台8を連結し、架台8の横方向の位置を安定させる。
【0034】
【作用】
図2において、可動床1を使用しない場合には、図3の上下の流体バック10,11のエアを抜いて共に収縮させ、可動床1をプール底面近くまで下降させる。たとえばプール底面から略10cm程度の高さまで下降させる。
【0035】
可動床1を上昇させて使用する場合には、上下の流体バック10,11の一方あるいは双方にエアを注入し、可動床1を上昇させる。この場合、エアを注入する流体バック10、11を選択することにより、次のような3段階に上昇位置を設定することができる。
【0036】
第1の段階は、上側の流体バック11のみにエアを供給する場合であり、可動床1を下降位置から20cm上昇させることができる。
【0037】
第2の段階は、下側の流体バック10のみにエアを供給する場合であり、可動床1を下降位置から40cm上昇させることができる。
【0038】
第3の段階は、両流体バック10,11にエアを供給する場合であり、可動床1を下降位置から60cm上昇させることができる。
【0039】
可動床1の上昇に伴い、左右及び前後の横振れ防止用リンク機構13,14もそれぞれ伸長し、上昇時における可動床1の前後及び左右の振れを防止する。
【0040】
【発明の第2の実施の形態】
図8〜図10は、昇降ユニットAの第2の実施の形態を示しており、第1の実施の形態のような最大伸長量規制用の可撓性吊部材及び最大拡幅量規制用の可撓性引張部材を用いずに、流体バックの形状により、最大伸長量及び最大振幅量を規制するようになっている。
【0041】
図8は図1のIII−III断面に相当する昇降ユニットの正面図であり、昇降ユニットAは、プール底面Fに取外し可能に載置された架台48と、架台48上に3段に積み重ねられた膨張収縮可能なゴム製の流体バック50,51,52と、該流体バック50,51,52から少し離れた前後位置に配置されたX型の横振れ防止用リンク機構53とから構成されている。
【0042】
架台48はステンレス製あるいはアルミ製の枠体上に台板48aを固着してあり、周縁に配置された複数のレベル調節ボルト49がレベル調節可能にプール底面に当接している。
【0043】
図8及び図9は、全流体バック50,51,52が所定内圧(たとえば50kPa)によりそれぞれ所定の膨張形状まで膨張した状態を示しており、各流体バック50,51,52にはそれぞれエア口管54,55,56が設けられ、各流体バック51,52,53毎に独立して膨張させることができるようになっている。各流体バック50,51,52はそれぞれ収縮状態で封筒形に形成してあると共に上下両面にそれぞれ長方形のステンレス鋼板60(図10)を接着してあることにより、所定の上下方向の伸長量H1,H2,H3、左右方向の拡幅量W1及び前後方向の拡幅量W2まで膨張した四角柱状になっており、かつ、この形状で安定(固定)している。
【0044】
総ての流体バック50,51,52の所定拡幅量W1はステンレス鋼板60の形状と概ね同じに設定されており、所定伸長量は、下段の流体バック50の所定伸長量H1に対して、中段と上段の流体バック51,52の所定伸長量H2,H3が少し小さく設定されている。
【0045】
図8において、X型の横振れ防止用リンク機構53は、一対のリンク部材70,71を連結ピン72によりX状に枢着連結してあり、各リンク部材70,71の左端部は可動床フレーム部5a及び架台48にヒンジ73を介して枢着連結し、各リンク部材70,71の右端部にはローラ74,75がそれぞれ回転自在に支持され、上側のローラ75は可動フレーム部5aの下面に当接すると共にガイド部80により左右方向移動自在にガイドされており、下側のローラ74は架台48の上面に左右方向移動自在に当接している。
【0046】
【作用】
図8において、エアを注入する流体バック50,51,52を選択することにより、最大5段階に可動床の上昇位置を設定することができる。
【0047】
たとえば第1の段階は、上段の流体バック52のみにエアを供給することにより、可動床1を下降位置からH3上昇させることができる。
【0048】
第2の段階は、下段の流体バック50のみにエアを供給することにより、可動床1を下降位置からH1上昇させることができる。
【0049】
第3の段階は、上段と中段の流体バック52,51にエアを供給することにより、可動床1を下降位置からH2+H3上昇させることができる。
【0050】
第4の段階は、下段と中段の流体バック50,51にエアを供給することにより、可動床1を下降位置からH1+H2上昇させることができる。
【0051】
第5の段階は、総ての流体バック50,51,52にエアを供給することにより、可動床1を下降位置からH1+H2+H3上昇させることができる。
【0052】
また、可動床1の上昇に伴ってX型の横振れ防止用リンク機構53も上方に伸長し、上昇時における可動床1の前後及び左右の振れを防止する。
【0053】
かかる第2の実施の形態において、図1のように昇降ユニットAを、前後方向に長い状態と左右方向に長い状態とに交互に配置し、また可動床をプールの端壁3に沿って配置してあると、流体バック50,51,52自体の膨張形状が四角柱状に固定されることと相俟って、横振れ防止リンク機構53を備えなくとも、ある程度の横振れを防止することは可能である。
【0054】
【発明の他の実施の形態】
(1)流体バックはエアバックには限定されず、水等の液体を注入することにより膨張する液体注入式を採用することも可能である。
【0055】
(2)流体バックを4段以上に積み重ねることにより、上昇位置の選択を広げることも可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明によると、(1)従来のプールの底面に昇降ユニットを載置し、その上に可動床を載せるので、従来の可動床のないプールでも、改造することなく、短い工期で、簡単かつ低コストで可動床式プールとすることができる。
【0057】
(2)プール内で昇降可能に可動床を支持するので、使用しない場合には可動床を下降させておくことにより、特別の収納スペースを別途確保する必要はなく、また、可動床使用時と非使用時との変更作業も簡単に行なえる。
【0058】
(3)流体バックの上面に可動床を載せ、可動床の重量を膨張形状の流体バックにより支持するので、従来のように荷重受持用の駆動リンク機構で可動床の重量を支える構造と比較して、広い面積を流体バックにより直接に当接支持することができ、一箇所に応力が集中するようなこともなくなると共に、昇降支持装置の小型軽量化も達成できる。また、従来のように駆動リンク機構のリンク部材間という狭い個所に空気ばねを介装する構造に比べ、高圧型の空気ばねが不要で、厳重なシール機構を有する高価な空気ばねを備える必要がなく、コストを低減できる。
【0059】
(4)複数の流体バックを積み重ね、個々に膨張収縮させると、可動床の上昇位置を複数段に調節できると共に、各上昇位置で確実に停止保持することができる。
【0060】
(5)横振れ防止用のリンク機構を備えている場合であっても、流体バックにより可動床の荷重を負担し、リンク機構は可動床の横振れを防止する機能を負担するだけなので、従来のようにリンク機構によって可動床の荷重を負担し、かつ、昇降させる構造と比較して、リンク機構を軽量かつ簡素化できると共に、流体バックの容量を大きくするだけで昇降量及び負担荷重を大きくすることができる。
【0061】
(6)流体バック内に、流体バックの上下端に連結されて最大伸長量を規制する可撓性の吊部材を配置し、または、流体バックの水平方向に対向する端壁に連結されて流体バックの水平方向の最大拡幅量を規制する可撓性引張部材を配置してあると、流体バックを所定の膨張形状に正確に膨張させ、かつ、所定の膨張形状を維持できるので、可動床を所定の高さで確実に停止保持できると共に、可動床を安定維持することができる。
【0062】
(7)流体バックの所定内圧時の膨張形状が、所定の伸長量及び拡幅量の略角柱形状となるように形成してあると、上記のような可撓性引張部材又は可撓性吊り部材を用いることなく、所定の膨張形状を維持することが可能となり、可動床の支持の安定性を維持しながらも、部品点数を減らし、コストを低減することが可能となる。
【0063】
(8)流体バックをじゃばら形に形成すると、上昇ストロークを確保しながらも、配置スペースをコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態であって、可動床の昇降支持装置を備えたプールの平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面拡大図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3の右側面図(V矢視図)である。
【図6】流体バック単体の平面図である。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【図8】本願発明の第2の実施の形態であって、図1のIII−III断面に相当する図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】図8の右側面図(X矢視図)である。
【符号の説明】
1 可動床
2,3 プール端壁
5 可動床フレーム
6 床板
8 架台
10,11 流体バック(エアバック)
13,14 横振れ防止リンク機構
50,51,52 流体バック
53 横振れ防止リンク機構
60 ステンレス鋼板

Claims (6)

  1. 架台上に膨張収縮可能な流体バックを単体あるいは複数積み重ねて配置することにより上下方向に伸縮可能な昇降ユニットを構成し、
    上記昇降ユニットをプールの底面に載置すると共に、流体バックの上端に可動床を固定支持してあることを特徴とするプール用可動床の昇降支持装置。
  2. 可動床と架台の間には、流体バックとは別位置に、可動床の横振れを規制するリンク機構を上下方向伸縮可能に介装してあることを特徴とする請求項1記載のプール用可動床の昇降支持装置。
  3. 流体バック内には、流体バックの上端と下端に連結されて流体バックの上下方向の最大伸長量を規制する可撓性吊部材を配置してあることを特徴とする請求項1又は2記載のプール用可動床の昇降支持装置。
  4. 流体バック内には、水平方向に対向する各端壁に連結されて流体バックの水平方向の最大拡幅量を規制する可撓性引張部材を配置してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプール用可動床の昇降支持装置。
  5. 流体バックはじゃばら形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプール用可動床の昇降支持装置。
  6. 各流体バックは、所定圧の流体を充填した時の膨張形状が、所定の伸長量及び拡幅量の略角柱形状となるように形成してあることを特徴とする請求項1又は2記載のプール用可動床の昇降支持装置。
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