JP2004074753A - 地下構造物の垂直面に接着して剪断応力を低減する成型slシート - Google Patents
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Abstract
【課題】成型SLシートは地下構造物の垂直面に常温で圧着により隣接シートに突き合せ接合しつつ被着体に全面が接着して均一な厚さのSL層を形成して作業中は勿論養生や土壌の埋め戻しの期間中に気温が30℃に上昇する外気中に放置されてもSLシートは部分的に剥離や垂下することがなく、接着を維持して被着体の周辺の地盤沈下による圧密応力による剪断応力を0.2t/m2以下に低減して地下構造物の耐久性を確保する。
【解決の手段】SLシートはスチフネス係数を小さくするためにSLコンパンドの軟化点は低く針入度at25℃で大きくして一般地域の気温で施工、養生、土壌の埋め戻し、盛土をする期間中屋外に放置しても気温が30℃に上昇することがあっても成型SLシートは被着体から剥離や垂下が起こらないような日光熱を遮断する表面保護布を貼着するとSLコンパウンドの軟化を防止して整然と接着してSLシートの剪断応力低減能を確保できるSLシートの表面保護布の優れたものを開発することです。
【選択図】図1
【解決の手段】SLシートはスチフネス係数を小さくするためにSLコンパンドの軟化点は低く針入度at25℃で大きくして一般地域の気温で施工、養生、土壌の埋め戻し、盛土をする期間中屋外に放置しても気温が30℃に上昇することがあっても成型SLシートは被着体から剥離や垂下が起こらないような日光熱を遮断する表面保護布を貼着するとSLコンパウンドの軟化を防止して整然と接着してSLシートの剪断応力低減能を確保できるSLシートの表面保護布の優れたものを開発することです。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
SLアスファルトコンパウンド(SLコンパウンドと称す)は載荷重が時間104秒以上作用すると粘弾性領域から粘性流体領域に移行して応力に略比例した変形速度を示すのでスチフネスと時間との関係を対数グラフに表示される緩やかな曲線で示されるダイアグラムが作成されるので、予め試験を重ねた測定値により作成された
【従来の技術】の文献は昭和シエル石油株式会社アスファルト部で作成された負摩擦力の低減のためのSL工法(スリップ・レイヤー工法)について記載されているスチフネス/時間のダイアグラムの各種温度において図−4、図−5よりスチフネス係数を読み取るにはSL層を形成するSLコンパウンドBグレードでは軟化点が65〜73℃と針入度at25℃で40〜60のもの及びAグレードでは軟化点57〜63℃と針入度at25℃で70〜90のものについてスチフネス係数を読み取るには時間の1年目で地下温度15℃の図−5のBグレードのスチフネス/時間のグラフの示す曲線からスチフネス係数を4×101N/m2と読取り、図−4のAグレードではスチフネス/時間の示す曲線からスチフネス係数を6N/m2と読取ります、剪断応力τの主な要因はスチフネス係数Sで剪断応力τは上記の文献から次の計算式が示されているのでτが計算によって求められる。
τ=S・d/3η−−−▲1▼計算式、 d−−変位、η−−SLコンパウンド層の厚さで、▲1▼計算式から見てτの値を小さくするにはSの値の小さいものは軟化点を低くして針入度を大きいSLコンパウンドと考えられるが、SLコンパウンドの軟化点は一般地域用は低い値で、支持杭にアスファルトプライマーを塗布して熔融SLコンパウンドを単体で溶融して被着体へ塗布機で塗布作業をして均一な厚さに仕上がった時点で表面保護と打設の際に地中土壌との摩擦力による損傷を防止しするのと打設作業中に外気の気温が上昇してもSL層に影響がないようにアクリル系又はウレタン系樹脂を継ぎ目なく全表面を被覆するので地中深く支持杭が打設され作業中に気温が上昇してもSLコンパウンドは均一な塗布層が維持されるのであります。
1方地下構造物の垂直面にSL層を設けるには上記の支持杭が円筒であるのとは異なり形状が種種で複雑であるので現地で被着体に熔融SLコンパウンドを塗布するかSLコンパウンドをシート化して被着部に全面的に均一なSL層を形成するには下記のような要求を満足することが必要と感じた。
▲1▼溶融コンパウンドを手作業で加熱溶着すると厚さを均一に設けることは危
険で困難である。
▲2▼SL層をシート化して被着体に隣接するシートと突合せ接合してSL層を接着して被着部の全面に均一なSL層を形成するには常温で圧着接着できないと難しいのでSLシート自身の構成をそれを可能なようにできる構成を考える。
▲3▼表面保護布の張り付けが厄介であるので、シート化して下地にプライマーを塗布して被着体に常温で圧着しても接着する作業は困難であるのでバーナーで加熱溶着すると、SL層を均一に接着ができない懸念がある、気温の30℃程度になるとSLコンパウンド単体のシートでは接着強度が弱いため表面の保護布の貼着がないと再三バーナーで修正熔着を繰り返しなければなりません、又寒い気温の時には取り扱い中に亀裂を生じたり且全面をバーナーで加熱熔融しながら接着しなければ接着できない面倒があります、且つSL層は養生中に剥離したり垂下するのでSLコンパウンド単体の層は一般には使用されることは稀であります。又軟化点を高くするとスチフネス係数が大きくなってSLコンパウンド層の厚さを厚くしてτの値を保たねばなりませんが、シート化するとSLコンパウンドの厚さが4mm以上となり、ロール包装とするとロールを巻き戻す際に皺が深くなって均一のSL層に施工が困難となるので使用され難い。
上記の難点を取り除くことのできるようなシートの構成にするためSLコンパウンドの単体でシート化を図ることを検討すると,SLコンパウンドが脆くて且つ弾性がなく軟化点が外気の気温より30〜40℃高いだけでは直射日光に曝露されると施工後に気温で軟化して垂下する懸念があること、又気温が寒くなると更に脆くなり接着が困難となる事やロール包装が無理な事を考慮して、改善を計るために粘弾性で常温で圧着して接着するSBS合成ゴム12%を混入した軟化点100℃以上、針入度at25℃で50±5のゴムアスファルト厚さ0.5〜1mmとを積層して表面保護のために直射日光を反射する白色の引張り強度の強い不織布を貼着してSLコンパウンド層をサンドイッチしたSLシートを一定のサイズに成型した軽量のシート盤に形成することで取り扱いの容易にすることを考えた。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術は上記の文献の昭和シエル石油株式会社アスファルト部で作成した負摩擦力の低減するためのSL工法(スリップ・レイヤー工法)を参考として建築物の基礎杭が地盤沈下の圧密応力による周辺摩擦力(剪断応力とも称す)を低減するために支持杭の鋼管又はコンクリート杭に設けるSL層は一般地域用として地中温度15℃以上を対象に工場で機械塗布加工するため熔融するSLコンパンドを塗布と冷却工程を繰り返して均一な厚さのSL層を形成して表面を保護するためにアクリル系又はウレタン系樹脂で表面を継ぎ目なしに被覆するようにSL層に接着した円筒状の支持杭として使用されているが、土木用の地下構造物としては鋼矢板やコンクリートのケイソンの垂直部、地下トンネルの側面の垂直部の地盤沈下による剪断応力を低減する工法として、支持杭の効果を参考としてSL層による剪断応力を低減することのできるSLシートを開発する研究を進めましたが、被着体の形状が種種で且つ複雑であり現地でSL層を形成する作業のため現地でSLコンパウンドを塗布することは作業能率が悪く且つバーナーを使用するため危険であるので、SL層をシート化してロール巻き包装としたSLシートを巻き戻しプライマーを塗布して地下構造物の垂直面に接着するため裏面をバーナーで加熱しながら溶着したが、SL層の厚さが4mm以上であると巻き戻しの皺が深く且接着強度が弱くて均一な厚さのSL層の形成が困難なので殆と使用されていませんので常温で接着できるSLシートの開発を進めた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
地下構造物に地盤沈下による垂直面に接着したSL層の周辺に及ぼす剪断応力を低減して構造物の耐久性を保持するために均一な厚さのSL層を垂直面に設けるには表面の保護用の不織布,SLコンパウンド層、ゴムアスファルト層、剥離紙からなるSLシートを剥離紙を剥ぎながら常温で圧着接着してSLコンパウンド層が全面的に均一に一体化するように隣接するSLシートの構成成分の同種の層が整然と接触するように接合線が形成されて接着施工されSLコンパンド層は全面的に均一になるためにはシートが誤差の殆んどないサイズに成型されて製作されねばなりません、又接着施工する期間中は勿論土壌を埋め戻すか、盛り土する期間中屋外に放置してもSL層が部分的に剥離、垂下等の変形ができないようなSLコンパウンドの性状と構成が要求される、 一方では地盤沈下による1年間の沈下量に適合して剪断応力は地下温度15℃以上で0.2t/m2以下になるように剪断応力を低減する事が要求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するためには、地下構造物の垂直面に地下温度15℃で剪断応力が0,2t/m2以下になるような均一な厚さのSLコンパウンド層を被着体全面に連続的にSLコンパウンド層を設けることが必要であるが、そのために現地の地上での接着作業や養生期間を考えて施工後にSLシートが気温の上昇により部分的に垂下したり、剥離する等の異常変形しないような構成のSLシートを作成して接着施工には突合せ接合作業で整然と隣接するSLシートに突き合わせ接合で隙間がなく接着してシートは被着部の全面に接着するとSLコンパウンド層が全面的に均一層が構成される。,特にSLコンパウンドは剪断応力τを低減する性能が確保されるための要因であるスチフネス係数Sはコンパウンドの軟化点と針入度at25℃で規制されるグレードのスチフネス/時間のダイアグラムの曲線から時間1年目に当たるスチフネス係数Sを読取るのでSLコンパウンドの化学成分には関係は少ないが軟化点を気温上昇する上限温度で変形や軟化が起こらないような温度のものを選んで感温性とを加味して選択するため、剪断応力の低減は軟化点低いものが望まれるので施工後にSL層が剥離や垂下が起こらないようにシートの構成を工夫を凝らすためには、▲1▼SLコンパウンドのコロイド構造にゲルを含むゾルコロイドにしてチクソトロピー現象が起こり易くする、▲2▼SL層の裏面に粘弾性のSBS合成ゴムを混入した軟化点100℃以上のゴムアスファルト厚さ0.5〜1.0mmの層を積層して隣接するシートと突合せ接合しつつ下地に圧着で全面が接着して気温上昇によるシートの垂下するのを抑える、▲3▼SLコンパンド層の構成でτの計算値はd=300mmの場合にBグレードでは0.067t/m2とし、Aグレードでは0.02t/m2で所定のτの値0.2t/m2より遥かに小さい値を算定値とした、▲4▼表面を白色の不織布等を貼着して直射日光を反射する性能が優れて気温の影響を抑える被覆物としてポリエチレンフォームも研究しているが引張り強度が小さいので検討中である。
次にSLコンパウンド層とゴムアスファルトを積層して成型シートとするとシート同士が突き合わせ接合がし易く取り扱いが軽量で現地接着作業も能率が上がるのでシートを成型盤状とするとロール包装のように巻き戻す際に巻き皺が発生しないので且つサイズを一定に成型すると構造物の垂直面の接着部全面に整然と接着され均一の厚さに仕上がり剪断応力を低減し易くなる。
建築基礎のSL杭についてはSLコンパウンドの塗布部を設計するため周辺負摩擦力は地中温度と地盤沈下量の組み合わせによって異なるが、年間地盤沈下量が300mm以下の場合、下記に示す表の値をとるものとする、
年間地盤沈下量が300mmを越える場合には圧密が進行して、地盤沈降量がこれらの値以下になる時点で施工するものとする。
上記の法令は通産省住宅局建設指導課長通達(負摩擦力を考慮した杭の設計について)の内容であります。
上記の法令は昭和40年1月7日付けのSL杭の設計基準でありますが、土木用の地下構造物にSL層を設計するには特に法令はありませんが、土木の設計者は上記の通達を準用するように努めていますが、土木用の地下構造物についてはSL杭と異なり、地盤に接する底面積が広く且地中の深さも浅くて支持杭のように地中に打込む工程がないものに限り且つ形状が複雑な構造物はτと地盤の沈下量dを参酌してボーリングによる測定沈下量が300mmを超えてもτの計算値が0.067t/m2以下(BグレードのSLコンパンドの地中温度15℃の変位dが300mm、SLコンパウンド層の厚さηが6mmの時のτの計算値)であれば構造物に損傷が起きないと判断される場合には地盤沈下量dが300mmをを超えて600mm以内ならSLコンパウンド層ηを3〜6mmのB、又はAグレードでτの計算値が0.2t/m2以下のSLシートを設けることは設計者の判断に任されていると解釈している。
【0005】
【発明の実施の形態】
SLコンパウンドを物理的、化学的に解明して最も効果的なスチフネス係数を有するように作成したコンパウンドを用い、現地で接着施工の能率的なシート化するためにSLコンパウンド層とSBS合成ゴムを混入したゴムアスファルト層厚さ0.5〜1.0mmとを積層とし、表面に保護用の白色の不織布を貼着して、SLコンパウンド層をサンドイッチした構成のシートを形成して、誤差の殆んどない一定のサイズに成型して取り扱いが容易で隣接するシートと突き合わせ接合して整然と接着できる剪断応力の低減能の優れた成型SLシートを作成する方法について説明する。
【0006】
ブロンアスファルトのJIS規格の合格品の軟化点は高いが、針入度at25℃の測定値は小さく且針入度指数も小さくてスチフネス係数が大きいため剪断応力の低減能が低く、SLコンパウンドの材料には不適と考え2種又は3種コンパウンドを主原料として軟化材としてストレートアスファルト及びプロセスオイル等を混和して求める軟化点と針入度at25℃のSLコンパウンドを製造すると針入度指数が大きいものはゲルを含むゾルコロイド構造で高温で垂
下し難いSLコンパンドの作成に適している。
【0007】
一般地域用のSLコンパウンドはBグレードと称し、特殊SLコンパウンドはAグレードと称して下記に夫々の性状を示すと
性状 軟化点℃ 針入度at25℃ スチフィネス係数N/m2/1年
Bグレード 65〜73 40〜60 4×101at15℃
Aグレード 57〜63 70〜90 6at15℃
上記の値とSLコンパウンド層の厚さη、変位dの値を計算式▲1▼−=τ=S・d/3η、に代入してτを求める(BグレードのτはτBとし,AグレードのτはτAとする)。
Bグレードではη=6mm=6×10−3m、d=3×10−1m、
Aグレードではη=3mm=3×10−3m、d=3×10−1mとすると
τB=4×101×3×10−1/3×6×10−3=12/18×10−3=0,67×103N/m2=0.067t/m2、
τA=6×3×10−1/3×3×10−3=18×102/9=2×102N/m2=0.02t/m2 となる。
上記の計算値が示すようにAグレードのτAは、BグレードのτBに比較して0.067t/m2÷0.02t/m2=3.35でシートの厚さを変へないとすればdの値を、算定値に相当するだけ増大できる筈であるから300mm×3.35≒1mとなるので変位dの値は計算上1mまで増大する事も可能であるが、実施に当たりては種種の状況を考えてdを600mm程度に留めるものとする。
【0008】
SLシート−を構成するコンパウンドの内で軟化点73℃、針入度55at25℃でスチフネス係数4×101N/m2で小さいため計算値τは一般地域の剪断応力の0,2t/m2をクリアーするが、安全を確保するためにはBグレードでは軟化点は73℃とし針入度は上限の60を求め、Aグレードでは軟化点63℃で針入度90at25℃を求めるように努めても気温が高く30℃になると、SLコンパンド単体で構成されたシートは包装梱包して保管したり、運搬したりするとシート同士が粘着したりするばかりでなく屋外で構造物に接着施工すると剥離や垂下現象が起こり整然と接着して全面的に均一な厚さのSL層を形成が出来ないので接着を容易にするために、SBS合成ゴム入りゴムアスファルト層厚さ0.5〜1.0mmで軟化点100±5℃の層を積層し、更に表面に白色の不織布を貼着することでSLコンパンド層をサンドイッチして気温の上昇による接着の剥離や垂下する障害を除去することを計り、裏面にはゴムアスファルトの接着性を保護するため剥離紙を貼着して全面的に構造物の被着部にSL層を形成するには成型SLシートを使用する場合には成型シートの隣接するシート同士が突き合わせ接合によりSLコンパウンド層はSLコンパウンド層と接触し、ゴムアスファルト層はゴムアスファルト層と接触して時間が経過すると接着して夫々の層は1体化してSL層となるのであります。。
【0009】
SLシートが気温30℃になった場合に保管や運搬中に粘着を起こすことなく施工後7日程度屋外に放置しても剥離や垂下を起こさないようにコーテング装置でゴムアスファルトを剥離紙の上にコートテングし、その上面にSLコンパンドをコーテングして、更にその表面に白色の不織布を貼着してSLコンパンド層が中心に挟まれてサンドイッチされて形成されたシートは製造ライン中で自動カッター機で誤差の殆んどない一定のサイズに成型する事により取り扱い易く且つ施工に際しては均一に接着され隣接するシート同士が一体化する成型SLシートが作成され構造物の被着部はSLコンパウンド層とゴムアスファルト層とが積層されて表面に裁断された不織布で貼着された一体化したSL層が構成される。
【0010】
【実施例】
SLコンパウンドの製造は所定の軟化点と針入度at25℃になるように予め定めた配合率で2種又は3種コンパウンド、ストレートアスファルト、ナフテン系プロセスオイル等を熔融混合して製造されたコンパウンドの試験の結果が所定値をクリアーするBグレードの軟化点は約73℃、針入度at25℃で58程度になったら、コーテング装置で両面剥離用の剥離紙の上に幅1.05m、厚さ1mmのSBSゴム12%を混合したゴムアスファルトをコーテングして、その上面にBグレードのSLコンパウンドを幅1.05m、厚さ6.0mmをコーテングして更に表面に白色不織布幅1.08mmを貼着して40℃まで冷却してコンピューターでコントロールする自動カッター機を通して幅1m、長さ1〜2mのサイズに正確にカットした成型SLシートを常温まで冷却して剥離紙を側面に張り付けた木箱に入れて梱包する。
Aグレードは2種及び3種コンパウンド、ストレートアスファルト、ナフテン系プロセスオイル等を熔融混合して軟化点63℃、針入度at25℃で90程度の試験結果を得たらBグレードのシートを製造したと同様の工法でSLコンパウンド厚さ3.0mmとなるようにコーテングしてコンピューター付き自動カッター機で所定のサイズにカットした成型SLシートを作成する、梱包は同様に木箱梱包とする、AグレードのSLシートはτAの値は小さいので厚さが薄くても剪断応力を低減する性能は優れているがSLコンパウンドの軟化点が低いのでゴムアスを裏面に積層して表面に白色不織布を貼着しているが気温上昇するとSLコンパウンドが垂下し易いので取り扱いには特段の注意が必要です。
【0011】
本発明のSLシートは現地で地下構造物の垂直面に常温で圧着してSL層を設ける事の出来る工法でありますので、その施工法を記述します。
実施した実績は鋼矢板、ケイソン、ボックスカルバートの地下道等の垂直面で被着体に接着した代表的なボックスカルバートの地下トンネルについて説明する、
この構造物の地盤は埋め立て地でボーリングで地質試験をした結果では地盤沈下量は1.15mとの測定値で、鋼管支持杭を打ち込みはしたが、尚地盤沈下が懸念されるためSLシートのAグレードをボックスカルバートの全側面の垂直面470m2に地盤沈下量は600mmと推定してAグレードの成型SLシートを適用すれば満足な結果が得られるものと考えて常温で接着施工を行った、工法は通常の工法で側面の垂直面の下地にゴムアスファルトプライマーを150g/m2の比率で塗布して乾燥した時点でAグレードの成型SLシート(SLコンパンド厚さ3mm)をサイズ1m×1mを常温で圧着しながら隣接する成型SLシートに突き合わせ接合しながら下地に全面を整然と接着した、施工後気温は28〜29℃で約7日間放置した後に盛り土をしたが特に垂下した様子もなく無事工事は終了した、同時に下地の1部分にBグレードの成型SLシートのSLコンパンド層6mmを比較試験を兼ねて施工して観察したが、いずれの方も異常なく施工されたことを確認した。この施工からBグレードはSLコンパンド層の厚さは6mmで、AグレードのSLコンパンド層の厚さは3mmであるがコンパウンドの軟化点はBは73℃で、Aは63℃で10℃の差は有るが夫々にSBSゴム入りゴムアスファルトを厚さ1mmを裏面に積層し、表面を白色不織布(目付け100g/m2)を貼着すると30℃の気温で垂下することはなく略同程度の気温には抵抗があるものとの結論を得た。
上記の施工からAグレードのSLシートは軽量で剪断応力を低減する性能が優れて且つ安価で取り扱いが容易のため将来は用途が拡大するものと推定した。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0013】
SLコンパウンドを塗布したSL杭の建築基礎の設計に使用する周辺負摩擦力τは通産省の通達で地中温度15℃以上で年間地盤沈下は300mm以下でτはは0.2t/m2以下と適用範囲が限定されていますので地下構造物においても同法規に準じて地盤沈下量に応じて構造物の垂直面の地盤沈下による圧密応力による周辺負摩擦力を低減するようなSL層を設ける設計を採用する事が良いと考えたが、SL杭は外面が円筒形で熔融SLコンパンドを杭の表面に均一な厚さに塗布することが容易で機械加工による塗布と冷却を繰り返す工程に適しているので工場で大量生産に適しているが使用地盤に地中数十mと長く打ち込むので打撃圧等を考えるとSL層に作用する短時間の圧縮応力も考慮して変位を厳しく規制していると考えて、土木用の地下構造物にSL層を設けるには構造物の形状が種種で且つ複雑であるので機械加工には不適当で且つ現地において直接に被着面にSL層を設けなければなりませんので、地中に打ち込む工程のないものに限り設計者の判断で地盤沈下量600mmまで適用するものとして、本発明の成型SLシートのように現地で常温で圧着で接着施工が可能な構成に作成され計算値τAは地盤沈下量600mmとする場合にはτは0,04t/m2を示す事から見ても本発明の成型SLシートの特質を発揮して剪断応力を低減して優れている成型SLシートである。
【0014】
針入度指数の大きい軟化点が73℃以下でスチフネス係数が小さく剪断応力を低減する能力は優れたSLコンパウンド層であるが温度に対しては垂下し易いので裏面に積層したSBSゴム入りアスファルトと、表面を保護するため貼着した白色の不織布とで、サンドイッチされたSLコンパウンドのSLシートは一定のサイズに成型されているので被着体の垂直面に常温で隣接する成型シートと突き合せ接合しながら下地に全面を接着してSL層で被着部を継ぎ目ない状態に均一の厚さのSLコンパウンド層を設けるので剪断応力の低減能には殆んど影響はなく接着が出来て施工後養生等のため屋外で30℃程度の気温に7日程度放置しても剥離や垂下の変形を起ることは稀である。
尚軟化点の低いAグレードのSLコンパウンドで作成されたSLシートについては変位が600mmで計算値τA=0.04t/m2となって優れた剪断応力を低減する性能があるのでシートのSLコンパウンドの厚ささも3mmでありますが、30℃より高くならない場所には使用か可能であり、取り扱い方法を工夫すれば30℃以上でも使用が出来ます。
【図面の簡単な説明】
【図1】SBSゴム入りアスファルト層とSLコンパウンド層を積層し、表面の保護用不織布を貼着して裏面に剥離紙を張り付けた成型SLシートの断面図である。
【符号の説明】
1、表面保護用の白色不織布
2、SLコンパウンド層
3、SBSゴム入りアスファルトコンパンウンド層
4、両面用剥離紙
【発明の属する技術分野】
SLアスファルトコンパウンド(SLコンパウンドと称す)は載荷重が時間104秒以上作用すると粘弾性領域から粘性流体領域に移行して応力に略比例した変形速度を示すのでスチフネスと時間との関係を対数グラフに表示される緩やかな曲線で示されるダイアグラムが作成されるので、予め試験を重ねた測定値により作成された
【従来の技術】の文献は昭和シエル石油株式会社アスファルト部で作成された負摩擦力の低減のためのSL工法(スリップ・レイヤー工法)について記載されているスチフネス/時間のダイアグラムの各種温度において図−4、図−5よりスチフネス係数を読み取るにはSL層を形成するSLコンパウンドBグレードでは軟化点が65〜73℃と針入度at25℃で40〜60のもの及びAグレードでは軟化点57〜63℃と針入度at25℃で70〜90のものについてスチフネス係数を読み取るには時間の1年目で地下温度15℃の図−5のBグレードのスチフネス/時間のグラフの示す曲線からスチフネス係数を4×101N/m2と読取り、図−4のAグレードではスチフネス/時間の示す曲線からスチフネス係数を6N/m2と読取ります、剪断応力τの主な要因はスチフネス係数Sで剪断応力τは上記の文献から次の計算式が示されているのでτが計算によって求められる。
τ=S・d/3η−−−▲1▼計算式、 d−−変位、η−−SLコンパウンド層の厚さで、▲1▼計算式から見てτの値を小さくするにはSの値の小さいものは軟化点を低くして針入度を大きいSLコンパウンドと考えられるが、SLコンパウンドの軟化点は一般地域用は低い値で、支持杭にアスファルトプライマーを塗布して熔融SLコンパウンドを単体で溶融して被着体へ塗布機で塗布作業をして均一な厚さに仕上がった時点で表面保護と打設の際に地中土壌との摩擦力による損傷を防止しするのと打設作業中に外気の気温が上昇してもSL層に影響がないようにアクリル系又はウレタン系樹脂を継ぎ目なく全表面を被覆するので地中深く支持杭が打設され作業中に気温が上昇してもSLコンパウンドは均一な塗布層が維持されるのであります。
1方地下構造物の垂直面にSL層を設けるには上記の支持杭が円筒であるのとは異なり形状が種種で複雑であるので現地で被着体に熔融SLコンパウンドを塗布するかSLコンパウンドをシート化して被着部に全面的に均一なSL層を形成するには下記のような要求を満足することが必要と感じた。
▲1▼溶融コンパウンドを手作業で加熱溶着すると厚さを均一に設けることは危
険で困難である。
▲2▼SL層をシート化して被着体に隣接するシートと突合せ接合してSL層を接着して被着部の全面に均一なSL層を形成するには常温で圧着接着できないと難しいのでSLシート自身の構成をそれを可能なようにできる構成を考える。
▲3▼表面保護布の張り付けが厄介であるので、シート化して下地にプライマーを塗布して被着体に常温で圧着しても接着する作業は困難であるのでバーナーで加熱溶着すると、SL層を均一に接着ができない懸念がある、気温の30℃程度になるとSLコンパウンド単体のシートでは接着強度が弱いため表面の保護布の貼着がないと再三バーナーで修正熔着を繰り返しなければなりません、又寒い気温の時には取り扱い中に亀裂を生じたり且全面をバーナーで加熱熔融しながら接着しなければ接着できない面倒があります、且つSL層は養生中に剥離したり垂下するのでSLコンパウンド単体の層は一般には使用されることは稀であります。又軟化点を高くするとスチフネス係数が大きくなってSLコンパウンド層の厚さを厚くしてτの値を保たねばなりませんが、シート化するとSLコンパウンドの厚さが4mm以上となり、ロール包装とするとロールを巻き戻す際に皺が深くなって均一のSL層に施工が困難となるので使用され難い。
上記の難点を取り除くことのできるようなシートの構成にするためSLコンパウンドの単体でシート化を図ることを検討すると,SLコンパウンドが脆くて且つ弾性がなく軟化点が外気の気温より30〜40℃高いだけでは直射日光に曝露されると施工後に気温で軟化して垂下する懸念があること、又気温が寒くなると更に脆くなり接着が困難となる事やロール包装が無理な事を考慮して、改善を計るために粘弾性で常温で圧着して接着するSBS合成ゴム12%を混入した軟化点100℃以上、針入度at25℃で50±5のゴムアスファルト厚さ0.5〜1mmとを積層して表面保護のために直射日光を反射する白色の引張り強度の強い不織布を貼着してSLコンパウンド層をサンドイッチしたSLシートを一定のサイズに成型した軽量のシート盤に形成することで取り扱いの容易にすることを考えた。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術は上記の文献の昭和シエル石油株式会社アスファルト部で作成した負摩擦力の低減するためのSL工法(スリップ・レイヤー工法)を参考として建築物の基礎杭が地盤沈下の圧密応力による周辺摩擦力(剪断応力とも称す)を低減するために支持杭の鋼管又はコンクリート杭に設けるSL層は一般地域用として地中温度15℃以上を対象に工場で機械塗布加工するため熔融するSLコンパンドを塗布と冷却工程を繰り返して均一な厚さのSL層を形成して表面を保護するためにアクリル系又はウレタン系樹脂で表面を継ぎ目なしに被覆するようにSL層に接着した円筒状の支持杭として使用されているが、土木用の地下構造物としては鋼矢板やコンクリートのケイソンの垂直部、地下トンネルの側面の垂直部の地盤沈下による剪断応力を低減する工法として、支持杭の効果を参考としてSL層による剪断応力を低減することのできるSLシートを開発する研究を進めましたが、被着体の形状が種種で且つ複雑であり現地でSL層を形成する作業のため現地でSLコンパウンドを塗布することは作業能率が悪く且つバーナーを使用するため危険であるので、SL層をシート化してロール巻き包装としたSLシートを巻き戻しプライマーを塗布して地下構造物の垂直面に接着するため裏面をバーナーで加熱しながら溶着したが、SL層の厚さが4mm以上であると巻き戻しの皺が深く且接着強度が弱くて均一な厚さのSL層の形成が困難なので殆と使用されていませんので常温で接着できるSLシートの開発を進めた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
地下構造物に地盤沈下による垂直面に接着したSL層の周辺に及ぼす剪断応力を低減して構造物の耐久性を保持するために均一な厚さのSL層を垂直面に設けるには表面の保護用の不織布,SLコンパウンド層、ゴムアスファルト層、剥離紙からなるSLシートを剥離紙を剥ぎながら常温で圧着接着してSLコンパウンド層が全面的に均一に一体化するように隣接するSLシートの構成成分の同種の層が整然と接触するように接合線が形成されて接着施工されSLコンパンド層は全面的に均一になるためにはシートが誤差の殆んどないサイズに成型されて製作されねばなりません、又接着施工する期間中は勿論土壌を埋め戻すか、盛り土する期間中屋外に放置してもSL層が部分的に剥離、垂下等の変形ができないようなSLコンパウンドの性状と構成が要求される、 一方では地盤沈下による1年間の沈下量に適合して剪断応力は地下温度15℃以上で0.2t/m2以下になるように剪断応力を低減する事が要求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するためには、地下構造物の垂直面に地下温度15℃で剪断応力が0,2t/m2以下になるような均一な厚さのSLコンパウンド層を被着体全面に連続的にSLコンパウンド層を設けることが必要であるが、そのために現地の地上での接着作業や養生期間を考えて施工後にSLシートが気温の上昇により部分的に垂下したり、剥離する等の異常変形しないような構成のSLシートを作成して接着施工には突合せ接合作業で整然と隣接するSLシートに突き合わせ接合で隙間がなく接着してシートは被着部の全面に接着するとSLコンパウンド層が全面的に均一層が構成される。,特にSLコンパウンドは剪断応力τを低減する性能が確保されるための要因であるスチフネス係数Sはコンパウンドの軟化点と針入度at25℃で規制されるグレードのスチフネス/時間のダイアグラムの曲線から時間1年目に当たるスチフネス係数Sを読取るのでSLコンパウンドの化学成分には関係は少ないが軟化点を気温上昇する上限温度で変形や軟化が起こらないような温度のものを選んで感温性とを加味して選択するため、剪断応力の低減は軟化点低いものが望まれるので施工後にSL層が剥離や垂下が起こらないようにシートの構成を工夫を凝らすためには、▲1▼SLコンパウンドのコロイド構造にゲルを含むゾルコロイドにしてチクソトロピー現象が起こり易くする、▲2▼SL層の裏面に粘弾性のSBS合成ゴムを混入した軟化点100℃以上のゴムアスファルト厚さ0.5〜1.0mmの層を積層して隣接するシートと突合せ接合しつつ下地に圧着で全面が接着して気温上昇によるシートの垂下するのを抑える、▲3▼SLコンパンド層の構成でτの計算値はd=300mmの場合にBグレードでは0.067t/m2とし、Aグレードでは0.02t/m2で所定のτの値0.2t/m2より遥かに小さい値を算定値とした、▲4▼表面を白色の不織布等を貼着して直射日光を反射する性能が優れて気温の影響を抑える被覆物としてポリエチレンフォームも研究しているが引張り強度が小さいので検討中である。
次にSLコンパウンド層とゴムアスファルトを積層して成型シートとするとシート同士が突き合わせ接合がし易く取り扱いが軽量で現地接着作業も能率が上がるのでシートを成型盤状とするとロール包装のように巻き戻す際に巻き皺が発生しないので且つサイズを一定に成型すると構造物の垂直面の接着部全面に整然と接着され均一の厚さに仕上がり剪断応力を低減し易くなる。
建築基礎のSL杭についてはSLコンパウンドの塗布部を設計するため周辺負摩擦力は地中温度と地盤沈下量の組み合わせによって異なるが、年間地盤沈下量が300mm以下の場合、下記に示す表の値をとるものとする、
年間地盤沈下量が300mmを越える場合には圧密が進行して、地盤沈降量がこれらの値以下になる時点で施工するものとする。
上記の法令は通産省住宅局建設指導課長通達(負摩擦力を考慮した杭の設計について)の内容であります。
上記の法令は昭和40年1月7日付けのSL杭の設計基準でありますが、土木用の地下構造物にSL層を設計するには特に法令はありませんが、土木の設計者は上記の通達を準用するように努めていますが、土木用の地下構造物についてはSL杭と異なり、地盤に接する底面積が広く且地中の深さも浅くて支持杭のように地中に打込む工程がないものに限り且つ形状が複雑な構造物はτと地盤の沈下量dを参酌してボーリングによる測定沈下量が300mmを超えてもτの計算値が0.067t/m2以下(BグレードのSLコンパンドの地中温度15℃の変位dが300mm、SLコンパウンド層の厚さηが6mmの時のτの計算値)であれば構造物に損傷が起きないと判断される場合には地盤沈下量dが300mmをを超えて600mm以内ならSLコンパウンド層ηを3〜6mmのB、又はAグレードでτの計算値が0.2t/m2以下のSLシートを設けることは設計者の判断に任されていると解釈している。
【0005】
【発明の実施の形態】
SLコンパウンドを物理的、化学的に解明して最も効果的なスチフネス係数を有するように作成したコンパウンドを用い、現地で接着施工の能率的なシート化するためにSLコンパウンド層とSBS合成ゴムを混入したゴムアスファルト層厚さ0.5〜1.0mmとを積層とし、表面に保護用の白色の不織布を貼着して、SLコンパウンド層をサンドイッチした構成のシートを形成して、誤差の殆んどない一定のサイズに成型して取り扱いが容易で隣接するシートと突き合わせ接合して整然と接着できる剪断応力の低減能の優れた成型SLシートを作成する方法について説明する。
【0006】
ブロンアスファルトのJIS規格の合格品の軟化点は高いが、針入度at25℃の測定値は小さく且針入度指数も小さくてスチフネス係数が大きいため剪断応力の低減能が低く、SLコンパウンドの材料には不適と考え2種又は3種コンパウンドを主原料として軟化材としてストレートアスファルト及びプロセスオイル等を混和して求める軟化点と針入度at25℃のSLコンパウンドを製造すると針入度指数が大きいものはゲルを含むゾルコロイド構造で高温で垂
下し難いSLコンパンドの作成に適している。
【0007】
一般地域用のSLコンパウンドはBグレードと称し、特殊SLコンパウンドはAグレードと称して下記に夫々の性状を示すと
性状 軟化点℃ 針入度at25℃ スチフィネス係数N/m2/1年
Bグレード 65〜73 40〜60 4×101at15℃
Aグレード 57〜63 70〜90 6at15℃
上記の値とSLコンパウンド層の厚さη、変位dの値を計算式▲1▼−=τ=S・d/3η、に代入してτを求める(BグレードのτはτBとし,AグレードのτはτAとする)。
Bグレードではη=6mm=6×10−3m、d=3×10−1m、
Aグレードではη=3mm=3×10−3m、d=3×10−1mとすると
τB=4×101×3×10−1/3×6×10−3=12/18×10−3=0,67×103N/m2=0.067t/m2、
τA=6×3×10−1/3×3×10−3=18×102/9=2×102N/m2=0.02t/m2 となる。
上記の計算値が示すようにAグレードのτAは、BグレードのτBに比較して0.067t/m2÷0.02t/m2=3.35でシートの厚さを変へないとすればdの値を、算定値に相当するだけ増大できる筈であるから300mm×3.35≒1mとなるので変位dの値は計算上1mまで増大する事も可能であるが、実施に当たりては種種の状況を考えてdを600mm程度に留めるものとする。
【0008】
SLシート−を構成するコンパウンドの内で軟化点73℃、針入度55at25℃でスチフネス係数4×101N/m2で小さいため計算値τは一般地域の剪断応力の0,2t/m2をクリアーするが、安全を確保するためにはBグレードでは軟化点は73℃とし針入度は上限の60を求め、Aグレードでは軟化点63℃で針入度90at25℃を求めるように努めても気温が高く30℃になると、SLコンパンド単体で構成されたシートは包装梱包して保管したり、運搬したりするとシート同士が粘着したりするばかりでなく屋外で構造物に接着施工すると剥離や垂下現象が起こり整然と接着して全面的に均一な厚さのSL層を形成が出来ないので接着を容易にするために、SBS合成ゴム入りゴムアスファルト層厚さ0.5〜1.0mmで軟化点100±5℃の層を積層し、更に表面に白色の不織布を貼着することでSLコンパンド層をサンドイッチして気温の上昇による接着の剥離や垂下する障害を除去することを計り、裏面にはゴムアスファルトの接着性を保護するため剥離紙を貼着して全面的に構造物の被着部にSL層を形成するには成型SLシートを使用する場合には成型シートの隣接するシート同士が突き合わせ接合によりSLコンパウンド層はSLコンパウンド層と接触し、ゴムアスファルト層はゴムアスファルト層と接触して時間が経過すると接着して夫々の層は1体化してSL層となるのであります。。
【0009】
SLシートが気温30℃になった場合に保管や運搬中に粘着を起こすことなく施工後7日程度屋外に放置しても剥離や垂下を起こさないようにコーテング装置でゴムアスファルトを剥離紙の上にコートテングし、その上面にSLコンパンドをコーテングして、更にその表面に白色の不織布を貼着してSLコンパンド層が中心に挟まれてサンドイッチされて形成されたシートは製造ライン中で自動カッター機で誤差の殆んどない一定のサイズに成型する事により取り扱い易く且つ施工に際しては均一に接着され隣接するシート同士が一体化する成型SLシートが作成され構造物の被着部はSLコンパウンド層とゴムアスファルト層とが積層されて表面に裁断された不織布で貼着された一体化したSL層が構成される。
【0010】
【実施例】
SLコンパウンドの製造は所定の軟化点と針入度at25℃になるように予め定めた配合率で2種又は3種コンパウンド、ストレートアスファルト、ナフテン系プロセスオイル等を熔融混合して製造されたコンパウンドの試験の結果が所定値をクリアーするBグレードの軟化点は約73℃、針入度at25℃で58程度になったら、コーテング装置で両面剥離用の剥離紙の上に幅1.05m、厚さ1mmのSBSゴム12%を混合したゴムアスファルトをコーテングして、その上面にBグレードのSLコンパウンドを幅1.05m、厚さ6.0mmをコーテングして更に表面に白色不織布幅1.08mmを貼着して40℃まで冷却してコンピューターでコントロールする自動カッター機を通して幅1m、長さ1〜2mのサイズに正確にカットした成型SLシートを常温まで冷却して剥離紙を側面に張り付けた木箱に入れて梱包する。
Aグレードは2種及び3種コンパウンド、ストレートアスファルト、ナフテン系プロセスオイル等を熔融混合して軟化点63℃、針入度at25℃で90程度の試験結果を得たらBグレードのシートを製造したと同様の工法でSLコンパウンド厚さ3.0mmとなるようにコーテングしてコンピューター付き自動カッター機で所定のサイズにカットした成型SLシートを作成する、梱包は同様に木箱梱包とする、AグレードのSLシートはτAの値は小さいので厚さが薄くても剪断応力を低減する性能は優れているがSLコンパウンドの軟化点が低いのでゴムアスを裏面に積層して表面に白色不織布を貼着しているが気温上昇するとSLコンパウンドが垂下し易いので取り扱いには特段の注意が必要です。
【0011】
本発明のSLシートは現地で地下構造物の垂直面に常温で圧着してSL層を設ける事の出来る工法でありますので、その施工法を記述します。
実施した実績は鋼矢板、ケイソン、ボックスカルバートの地下道等の垂直面で被着体に接着した代表的なボックスカルバートの地下トンネルについて説明する、
この構造物の地盤は埋め立て地でボーリングで地質試験をした結果では地盤沈下量は1.15mとの測定値で、鋼管支持杭を打ち込みはしたが、尚地盤沈下が懸念されるためSLシートのAグレードをボックスカルバートの全側面の垂直面470m2に地盤沈下量は600mmと推定してAグレードの成型SLシートを適用すれば満足な結果が得られるものと考えて常温で接着施工を行った、工法は通常の工法で側面の垂直面の下地にゴムアスファルトプライマーを150g/m2の比率で塗布して乾燥した時点でAグレードの成型SLシート(SLコンパンド厚さ3mm)をサイズ1m×1mを常温で圧着しながら隣接する成型SLシートに突き合わせ接合しながら下地に全面を整然と接着した、施工後気温は28〜29℃で約7日間放置した後に盛り土をしたが特に垂下した様子もなく無事工事は終了した、同時に下地の1部分にBグレードの成型SLシートのSLコンパンド層6mmを比較試験を兼ねて施工して観察したが、いずれの方も異常なく施工されたことを確認した。この施工からBグレードはSLコンパンド層の厚さは6mmで、AグレードのSLコンパンド層の厚さは3mmであるがコンパウンドの軟化点はBは73℃で、Aは63℃で10℃の差は有るが夫々にSBSゴム入りゴムアスファルトを厚さ1mmを裏面に積層し、表面を白色不織布(目付け100g/m2)を貼着すると30℃の気温で垂下することはなく略同程度の気温には抵抗があるものとの結論を得た。
上記の施工からAグレードのSLシートは軽量で剪断応力を低減する性能が優れて且つ安価で取り扱いが容易のため将来は用途が拡大するものと推定した。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0013】
SLコンパウンドを塗布したSL杭の建築基礎の設計に使用する周辺負摩擦力τは通産省の通達で地中温度15℃以上で年間地盤沈下は300mm以下でτはは0.2t/m2以下と適用範囲が限定されていますので地下構造物においても同法規に準じて地盤沈下量に応じて構造物の垂直面の地盤沈下による圧密応力による周辺負摩擦力を低減するようなSL層を設ける設計を採用する事が良いと考えたが、SL杭は外面が円筒形で熔融SLコンパンドを杭の表面に均一な厚さに塗布することが容易で機械加工による塗布と冷却を繰り返す工程に適しているので工場で大量生産に適しているが使用地盤に地中数十mと長く打ち込むので打撃圧等を考えるとSL層に作用する短時間の圧縮応力も考慮して変位を厳しく規制していると考えて、土木用の地下構造物にSL層を設けるには構造物の形状が種種で且つ複雑であるので機械加工には不適当で且つ現地において直接に被着面にSL層を設けなければなりませんので、地中に打ち込む工程のないものに限り設計者の判断で地盤沈下量600mmまで適用するものとして、本発明の成型SLシートのように現地で常温で圧着で接着施工が可能な構成に作成され計算値τAは地盤沈下量600mmとする場合にはτは0,04t/m2を示す事から見ても本発明の成型SLシートの特質を発揮して剪断応力を低減して優れている成型SLシートである。
【0014】
針入度指数の大きい軟化点が73℃以下でスチフネス係数が小さく剪断応力を低減する能力は優れたSLコンパウンド層であるが温度に対しては垂下し易いので裏面に積層したSBSゴム入りアスファルトと、表面を保護するため貼着した白色の不織布とで、サンドイッチされたSLコンパウンドのSLシートは一定のサイズに成型されているので被着体の垂直面に常温で隣接する成型シートと突き合せ接合しながら下地に全面を接着してSL層で被着部を継ぎ目ない状態に均一の厚さのSLコンパウンド層を設けるので剪断応力の低減能には殆んど影響はなく接着が出来て施工後養生等のため屋外で30℃程度の気温に7日程度放置しても剥離や垂下の変形を起ることは稀である。
尚軟化点の低いAグレードのSLコンパウンドで作成されたSLシートについては変位が600mmで計算値τA=0.04t/m2となって優れた剪断応力を低減する性能があるのでシートのSLコンパウンドの厚ささも3mmでありますが、30℃より高くならない場所には使用か可能であり、取り扱い方法を工夫すれば30℃以上でも使用が出来ます。
【図面の簡単な説明】
【図1】SBSゴム入りアスファルト層とSLコンパウンド層を積層し、表面の保護用不織布を貼着して裏面に剥離紙を張り付けた成型SLシートの断面図である。
【符号の説明】
1、表面保護用の白色不織布
2、SLコンパウンド層
3、SBSゴム入りアスファルトコンパンウンド層
4、両面用剥離紙
Claims (1)
- 地下構造物に接着するSLアスファルトコンパウンドのSL層に作用する周辺摩擦力は地中温度と地盤沈下量によって異なるが一般地域では地下温度が15℃以上で年間地盤沈下量が600mm以下の場合に剪断応力が0.2t/m2以下と計算されるSL層を成型シート化して常温で圧着して被着体に接着すると同時に隣接する成型SLシートと突合せ接合して整然と接着してSL層が被着部の全面に均一の厚さに接着するように予めゴムアスファルト層と積層し、表面に保護用の白色の不織布を貼着して、一定のサイズに成型したSLシートを形成するSLコンパウンドはJIS規格に合格するブロンアスファルトに比較すると軟化点が低い割合には、針入度at25℃の値は大きくて被着部に接着施工後に気温30℃の屋外に放置しても成型SLシートは接着性の強いゴムアスファルトを積層し、表面に保護用の不織布を貼着した成型SLシートを接着面から部分的に剥離したり垂下するのを抑え,且スチフネス係数が小さいSLコンパウンドのグレードに応じてSLコンパウンドの厚さを3〜6mmとするので、地盤沈下量600mm以下の場合には複雑な形状の地下構造物の垂直面に現地で整然と接着してSLコンパウンド層が全面的に均一な厚さに接着されて地下温度15℃以上では剪断応力を0.2t/m2以下に低減することを特徴とする、表面を保護するために貼着した白色不織布と,厚さ0.5〜1.0mmのゴムアスファルト層とでSLコンパンド層をサンドイッチするような構成のシートとすることで施工後にSL層は被着部の全面に均一な厚さに接着されるので気温が30℃まで上昇しても接着した被着部の接着面から部分的に成型SLシートが剥離や垂下する等の変形しない、一定のサイズに成型された現地で被着体に常温で隣接するシートと突き合せ接合しつつ整然と被着部の全面に接着できる剪断応力の低減能の優れた成型SLシート。
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2002
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