JP2004072698A - 車載音響システム - Google Patents
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Abstract
【課題】個々のスピーカー線を短くし、ワイヤーハーネスを簡素化することができる車載音響システムを提供する。
【解決手段】音声データをデジタル信号として出力する情報源(CDプレーヤー10)と、情報源からの音声データを増幅し、アナログ信号として出力する複数のアンプ31,32と、前記情報源と各アンプとをつなぐ伝送媒体(ネットワークケーブル60)と、各アンプ31,32につながってアンプでの増幅信号を音声として出力するスピーカー21〜28とを具える。情報源から各アンプ間におけるデジタル信号の伝送遅延時間から、各アンプ毎に再生遅延時間を設定し、その再生遅延時間を各アンプに通知する再生時間制御手段により、各アンプを協調して動作させる。
【選択図】 図1
【解決手段】音声データをデジタル信号として出力する情報源(CDプレーヤー10)と、情報源からの音声データを増幅し、アナログ信号として出力する複数のアンプ31,32と、前記情報源と各アンプとをつなぐ伝送媒体(ネットワークケーブル60)と、各アンプ31,32につながってアンプでの増幅信号を音声として出力するスピーカー21〜28とを具える。情報源から各アンプ間におけるデジタル信号の伝送遅延時間から、各アンプ毎に再生遅延時間を設定し、その再生遅延時間を各アンプに通知する再生時間制御手段により、各アンプを協調して動作させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載音響システムに関するものである。特に、ワイヤーハーネスの簡素化を図ることができる車載音響システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車載される電装機器の規模、数量が拡大の一途を辿っている。電装機器の増加に伴い、それらを制御するための制御信号線、動作用に電力を供給する電力線を束ねたワイヤーハーネスの規模も増大し続けている。このように増大するワイヤーハーネスの規模を削減する技術として、スイッチ信号などを、パラレル−シリアル変換を行う信号多重技術等によりワイヤーハーネスの本数を削減する技術が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アナログ信号そのものを伝送する音声系では、前述のような信号の多重化が困難で、多数の信号線を用いているのが現状である。
【0004】
例えば、音声アナログ信号を扱う車載音響システム(カーオーディオ)では、標準的な車両においても、図4に示すように、多数のスピーカー線が用いられる。このカーオーディオは、車両後部のトランクに各1台の再生機(ここではCDプレーヤー10)とアンプ30を配置し、このアンプ30からキャビンのフロント、フロントドア、リアドア、リアトレイ等に取り付けられている合計4台のスピーカー22,23,25,26の各々に向けてスピーカー線70を配線している。また、高級オーディオを搭載した高級車やDVDプレーヤーを搭載した車両等は、5個以上のスピーカー、例えば図5に示すように8個等、さらに多数のスピーカーが搭載されるようになってきている。その結果、アンプ30からのスピーカー線70がますます増加する環境にあり、これは自動車組立て時の負担増加に直接影響を及ぼしている。
【0005】
また、アンプの搭載位置によってはスピーカー線を引き回す距離が長くなる場合がある。特に、セダンタイプの車両であれば、乗員が載るキャビン部とトランクとの境界にある金属フレームに穴を設け、この穴に全スピーカー線を通してトランクからキャビンまでスピーカー線を引き回す。その結果、太く長いワイヤーハーネスほど組み付けにくく、且つ重量が重くなり、走行時の排ガス量が増加するため、近年叫ばれているCO2問題にも不利となる可能性がある。そして、太くて長いワイヤーハーネスは、改良時にも工程が増えるという課題がある。
【0006】
さらに、スピーカーの数量増加、アンプの出力容量の増大により、単体アンプは大きく、且つアナログ信号を流すためのスピーカー線を接続する端子が増え、アンプの筺体サイズ゛も肥大化している。その結果、車載音響システム全体としても大型化している傾向がある。
【0007】
そこで、本発明の主目的は、個々のスピーカー線を短くし、ワイヤーハーネスを簡素化することができる車載音響システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、音声データをデジタル伝送するためのネットワークを利用し、このネットワークを通じて制御される複数のアンプを用いることで上記の目的を達成する。
【0009】
すなわち、本発明車載音響システムは、音声データをデジタル信号として出力する情報源と、情報源からの音声データを増幅し、アナログ信号として出力する複数のアンプと、前記情報源と各アンプとをつなぐ伝送媒体と、各アンプにつながってアンプでの増幅信号を音声として出力するスピーカーと、前記情報源から各アンプ間におけるデジタル信号の伝送遅延時間から、各アンプ毎に再生遅延時間を設定し、その再生遅延時間を各アンプに通知する再生時間制御手段とを具えることを特徴とする。
【0010】
複数のアンプを分散配置し、各アンプをネットワークで接続して制御することで、アンプとスピーカーとをつなぐスピーカー線を削減することができ、ワイヤーハーネスの簡易・軽量化を実現することができる。この場合、ネットワークを構成する伝送媒体が必要になるが、例えばトランクに情報源を、キャビン部に各アンプを設置することで、情報源とアンプとの接続はせいぜい2〜3本の伝送媒体でよい。そのため、トランクとキャビン部との境界に設けられた穴へ伝送媒体を通すことも容易に行え、組み付け作業性を改善することができる。
【0011】
また、アンプをキャビン部に分散配置することで、スピーカーとアンプとの距離を近づけることができ、スピーカーとアンプとをつなぐスピーカー線の長さを短縮化することができる。
【0012】
さらに、アンプは複数に分散配置されるため、単一のアンプ自体は小型化することが可能である。
【0013】
ここで、音声データをデジタル信号で出力する情報源には、例えばCDプレーヤーやDVDプレーヤーが挙げられる。
【0014】
伝送媒体には、ネットワークの情報通信を行える種々のケーブルが利用できる。例えば、同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、光ファイバケーブル等が伝送媒体として利用できる。通信規格にはEthernet(登録商標)など同期通信が可能な通信方式を利用すればよい。
【0015】
アンプは、従来より用いられている一般的な信号増幅機能を具えるものであれば、特に限定されない。
【0016】
再生時間制御手段は、各アンプ毎に再生遅延時間を設定し、その再生遅延時間を各アンプに通知することで、各アンプを協調して動作させる。例えば、複数のアンプのうち、いずれかのアンプをマスタとし、他のアンプ(スレーブ)に対して通信を行って全アンプを協調動作させる。
【0017】
また、各アンプは、車両の左右に一つずつ配置されることが好適である。例えば、各アンプを車両キャビン部の左右に分散配置することで、各アンプからスピーカーまでのスピーカー線を短くできると共に、アンプ一台ごとの大きさを小型化することができる。
【0018】
さらに、音声データがマルチチャンネルの場合、各アンプは、各チャンネル単位で配置されることが好ましい。この場合でも、各アンプからスピーカーまでのスピーカー線を短くできると共に、アンプ一台ごとの大きさを小型化することができる。ステレオ方式、マルチチャンネルのいずれであっても、各チャンネルごとに配置されたアンプには、単数のスピーカーが接続されていても、複数のスピーカーが接続されていても、いずれでも良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施例1)
図1はネットワークを介して接続された複数のアンプを利用した本発明音響システムの概略構成図である。
【0020】
このシステムは、乗員が載るキャビン部と、その後部に続くトランクとに配置されたものである。トランクには音声データの情報源となるCDプレーヤー10と、リアスピーカー21が設置されている。キャビン部には、左右の各々にアンプ31,32が設置されており、各アンプ31,32に複数のスピーカーが接続されている。左アンプ31には、リアスピーカー21、左リアドアスピーカー22、左フロントドアスピーカー23、ダッシュボード左スピーカー24の合計4つのスピーカーが接続され、右アンプ32には、右リアドアスピーカー25、右フロントドアスピーカー26、ダッシュボード右スピーカー27、ダッシュボード中央スピーカー28の合計4つのスピーカーが接続されている。トランク部とキャビン部との境界にはスピーカー線70やネットワークケーブルを貫通するための穴40が設けられている。そして、車両のダッシュボード中央には、この音響システムのコントローラー50が設置されている。
【0021】
ここで、CDプレーヤー10、各アンプ31,32、コントローラー50は、ネットワークケーブル60により一連に接続されている。このケーブル60には、例えばツイストペアケーブルを用いることができる。そして、このコントローラー50からの指令により、左右の両アンプ31,32のボリューム、イコライジングなどの調整を行う。
【0022】
上記の音響システムのアンプ間の協調を行うための初期化例を図2に基づいて説明する。まず、事前に設定しておいた、もしくはネットワーク構成の初期化時に設定されたノード識別子より、いずれかのアンプを初期化用のマスタになるような構成としておく。マスタには、各アンプの再生遅延時間を設定・記憶でき、電源が入っていることを確認した後、各アンプに再生遅延時間を通知する再生時間制御手段を具える。ここでは、左アンプ31をマスタとしている。
【0023】
マスタになったノード(アンプ)は、バス上のその他のアンプ32(スレーブ)を探し、他のアンプ32の電源がオンになっているかどうかを確認する。次に、マスタのアンプ31は、各ノード毎に再生時に如何ほどの再生遅延時間を設定するかを各ノードに通知する。その際、必要であれば、マスタのアンプ31本体にあるボリューム素子により設定を行う。又、コントローラー50の表示部やスイッチ部を使用し、ネットワーク経由でマスタのアンプ31内の設定値を変更しても構わない。
【0024】
さらに、各アンプが持つ機能、例えば、イコライジングなどの機能を持つアンプなどがあった場合、全てのアンプに共通な機能があればそれを有効とし、その機能をネットワーク上の全てノードに通知することでアンプの機能確認を行う。そして、音楽の再生など、実行機能の通知を行って、車両の左右に分散配置された一対のアンプを協調して動作させることができる。
【0025】
以上のようなネットワークにより一対のアンプを接続することで、キャビン部とトランクとの境界の穴40には、ネットワークケーブル60と、リアスピーカー21へのスピーカー線との合計2組4本の線を通すだけでよく、図4の構成では合計5組10本あったスピーカー線などの数を大幅に削減することができる。また、前記穴40に通す線の数が少ないため、ワイヤーハーネスの組み付け性も改善することができる。さらに、車両の左右にアンプを分散したことにより、各々のスピーカー迄の線長を短くすることで配線が簡略化され、改良も容易にできる。同時に、要求されるアンプの出力容量は分散されることで、各アンプ単体のサイズを小さくすることができる。
【0026】
(実施例2)
図1では、左右のエリアでアンプを分散配置した例を示したが、図3に示すように、マルチチャンネルの場合に各チャンネルごとにアンプを分散するように構成しても良い。
【0027】
ここでは、車両の前後左右に合計4つのアンプ31,32,33,34を配置し、これらをCDプレーヤー10にネットワークケーブル60で接続している。左アンプ31には、左リアドアスピーカー22、左フロントドアスピーカー23、ダッシュボード左スピーカー24の合計3つのスピーカーが接続され、右アンプ32には、右リアドアスピーカー25、右フロントドアスピーカー26、ダッシュボード右スピーカー27の合計3つのスピーカーが接続されている。前アンプ33にはダッシュボード中央スピーカー28が、後アンプ34にはリアスピーカー21が接続されている。そして、このネットワークで接続された各アンプも、実施例1と同様に、ネットワークを介して通信を行うことで協調動作される。
【0028】
本例の音響システムでも、トランクとキャビン部との境に設けられた穴40に通す線はネットワークケーブルのみであり、各アンプからスピーカーまでのスピーカー線の長さを短くすることができる。そのため、ワイヤーハーネス自体を簡易化・軽量化することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、車両に搭載されて各種信号を伝えるワイヤーハーネスにのネットワークによる情報伝達手段を利用し、分散して配置された複数のアンプを協調動作させることで、アンプからスピーカーまでのケーブルを短くすることができ、結果、車両全体から見て軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明音響システムの概略構成図である。
【図2】本発明音響システムにおけるアンプ間の通信状態を示す説明図である。
【図3】各チャンネルごとにアンプを分散配置した本発明音響システムの概略構成図である。
【図4】従来の一般車両における音響システムの概略構成図である。
【図5】従来の高級車両における音響システムの概略構成図である。
【符号の説明】
10 CDプレーヤー
21 リアスピーカー
22 左リアドアスピーカー
23 左フロントドアスピーカー
24 ダッシュボード左スピーカー
25 右リアドアスピーカー
26 右フロントドアスピーカー
27 ダッシュボード右スピーカー
28 ダッシュボード中央スピーカー
30 アンプ
31 左アンプ
32 右アンプ
33 前アンプ
34 後アンプ
40 穴
50 コントローラー
60 ネットワークケーブル
70 スピーカー線
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載音響システムに関するものである。特に、ワイヤーハーネスの簡素化を図ることができる車載音響システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車載される電装機器の規模、数量が拡大の一途を辿っている。電装機器の増加に伴い、それらを制御するための制御信号線、動作用に電力を供給する電力線を束ねたワイヤーハーネスの規模も増大し続けている。このように増大するワイヤーハーネスの規模を削減する技術として、スイッチ信号などを、パラレル−シリアル変換を行う信号多重技術等によりワイヤーハーネスの本数を削減する技術が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アナログ信号そのものを伝送する音声系では、前述のような信号の多重化が困難で、多数の信号線を用いているのが現状である。
【0004】
例えば、音声アナログ信号を扱う車載音響システム(カーオーディオ)では、標準的な車両においても、図4に示すように、多数のスピーカー線が用いられる。このカーオーディオは、車両後部のトランクに各1台の再生機(ここではCDプレーヤー10)とアンプ30を配置し、このアンプ30からキャビンのフロント、フロントドア、リアドア、リアトレイ等に取り付けられている合計4台のスピーカー22,23,25,26の各々に向けてスピーカー線70を配線している。また、高級オーディオを搭載した高級車やDVDプレーヤーを搭載した車両等は、5個以上のスピーカー、例えば図5に示すように8個等、さらに多数のスピーカーが搭載されるようになってきている。その結果、アンプ30からのスピーカー線70がますます増加する環境にあり、これは自動車組立て時の負担増加に直接影響を及ぼしている。
【0005】
また、アンプの搭載位置によってはスピーカー線を引き回す距離が長くなる場合がある。特に、セダンタイプの車両であれば、乗員が載るキャビン部とトランクとの境界にある金属フレームに穴を設け、この穴に全スピーカー線を通してトランクからキャビンまでスピーカー線を引き回す。その結果、太く長いワイヤーハーネスほど組み付けにくく、且つ重量が重くなり、走行時の排ガス量が増加するため、近年叫ばれているCO2問題にも不利となる可能性がある。そして、太くて長いワイヤーハーネスは、改良時にも工程が増えるという課題がある。
【0006】
さらに、スピーカーの数量増加、アンプの出力容量の増大により、単体アンプは大きく、且つアナログ信号を流すためのスピーカー線を接続する端子が増え、アンプの筺体サイズ゛も肥大化している。その結果、車載音響システム全体としても大型化している傾向がある。
【0007】
そこで、本発明の主目的は、個々のスピーカー線を短くし、ワイヤーハーネスを簡素化することができる車載音響システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、音声データをデジタル伝送するためのネットワークを利用し、このネットワークを通じて制御される複数のアンプを用いることで上記の目的を達成する。
【0009】
すなわち、本発明車載音響システムは、音声データをデジタル信号として出力する情報源と、情報源からの音声データを増幅し、アナログ信号として出力する複数のアンプと、前記情報源と各アンプとをつなぐ伝送媒体と、各アンプにつながってアンプでの増幅信号を音声として出力するスピーカーと、前記情報源から各アンプ間におけるデジタル信号の伝送遅延時間から、各アンプ毎に再生遅延時間を設定し、その再生遅延時間を各アンプに通知する再生時間制御手段とを具えることを特徴とする。
【0010】
複数のアンプを分散配置し、各アンプをネットワークで接続して制御することで、アンプとスピーカーとをつなぐスピーカー線を削減することができ、ワイヤーハーネスの簡易・軽量化を実現することができる。この場合、ネットワークを構成する伝送媒体が必要になるが、例えばトランクに情報源を、キャビン部に各アンプを設置することで、情報源とアンプとの接続はせいぜい2〜3本の伝送媒体でよい。そのため、トランクとキャビン部との境界に設けられた穴へ伝送媒体を通すことも容易に行え、組み付け作業性を改善することができる。
【0011】
また、アンプをキャビン部に分散配置することで、スピーカーとアンプとの距離を近づけることができ、スピーカーとアンプとをつなぐスピーカー線の長さを短縮化することができる。
【0012】
さらに、アンプは複数に分散配置されるため、単一のアンプ自体は小型化することが可能である。
【0013】
ここで、音声データをデジタル信号で出力する情報源には、例えばCDプレーヤーやDVDプレーヤーが挙げられる。
【0014】
伝送媒体には、ネットワークの情報通信を行える種々のケーブルが利用できる。例えば、同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、光ファイバケーブル等が伝送媒体として利用できる。通信規格にはEthernet(登録商標)など同期通信が可能な通信方式を利用すればよい。
【0015】
アンプは、従来より用いられている一般的な信号増幅機能を具えるものであれば、特に限定されない。
【0016】
再生時間制御手段は、各アンプ毎に再生遅延時間を設定し、その再生遅延時間を各アンプに通知することで、各アンプを協調して動作させる。例えば、複数のアンプのうち、いずれかのアンプをマスタとし、他のアンプ(スレーブ)に対して通信を行って全アンプを協調動作させる。
【0017】
また、各アンプは、車両の左右に一つずつ配置されることが好適である。例えば、各アンプを車両キャビン部の左右に分散配置することで、各アンプからスピーカーまでのスピーカー線を短くできると共に、アンプ一台ごとの大きさを小型化することができる。
【0018】
さらに、音声データがマルチチャンネルの場合、各アンプは、各チャンネル単位で配置されることが好ましい。この場合でも、各アンプからスピーカーまでのスピーカー線を短くできると共に、アンプ一台ごとの大きさを小型化することができる。ステレオ方式、マルチチャンネルのいずれであっても、各チャンネルごとに配置されたアンプには、単数のスピーカーが接続されていても、複数のスピーカーが接続されていても、いずれでも良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施例1)
図1はネットワークを介して接続された複数のアンプを利用した本発明音響システムの概略構成図である。
【0020】
このシステムは、乗員が載るキャビン部と、その後部に続くトランクとに配置されたものである。トランクには音声データの情報源となるCDプレーヤー10と、リアスピーカー21が設置されている。キャビン部には、左右の各々にアンプ31,32が設置されており、各アンプ31,32に複数のスピーカーが接続されている。左アンプ31には、リアスピーカー21、左リアドアスピーカー22、左フロントドアスピーカー23、ダッシュボード左スピーカー24の合計4つのスピーカーが接続され、右アンプ32には、右リアドアスピーカー25、右フロントドアスピーカー26、ダッシュボード右スピーカー27、ダッシュボード中央スピーカー28の合計4つのスピーカーが接続されている。トランク部とキャビン部との境界にはスピーカー線70やネットワークケーブルを貫通するための穴40が設けられている。そして、車両のダッシュボード中央には、この音響システムのコントローラー50が設置されている。
【0021】
ここで、CDプレーヤー10、各アンプ31,32、コントローラー50は、ネットワークケーブル60により一連に接続されている。このケーブル60には、例えばツイストペアケーブルを用いることができる。そして、このコントローラー50からの指令により、左右の両アンプ31,32のボリューム、イコライジングなどの調整を行う。
【0022】
上記の音響システムのアンプ間の協調を行うための初期化例を図2に基づいて説明する。まず、事前に設定しておいた、もしくはネットワーク構成の初期化時に設定されたノード識別子より、いずれかのアンプを初期化用のマスタになるような構成としておく。マスタには、各アンプの再生遅延時間を設定・記憶でき、電源が入っていることを確認した後、各アンプに再生遅延時間を通知する再生時間制御手段を具える。ここでは、左アンプ31をマスタとしている。
【0023】
マスタになったノード(アンプ)は、バス上のその他のアンプ32(スレーブ)を探し、他のアンプ32の電源がオンになっているかどうかを確認する。次に、マスタのアンプ31は、各ノード毎に再生時に如何ほどの再生遅延時間を設定するかを各ノードに通知する。その際、必要であれば、マスタのアンプ31本体にあるボリューム素子により設定を行う。又、コントローラー50の表示部やスイッチ部を使用し、ネットワーク経由でマスタのアンプ31内の設定値を変更しても構わない。
【0024】
さらに、各アンプが持つ機能、例えば、イコライジングなどの機能を持つアンプなどがあった場合、全てのアンプに共通な機能があればそれを有効とし、その機能をネットワーク上の全てノードに通知することでアンプの機能確認を行う。そして、音楽の再生など、実行機能の通知を行って、車両の左右に分散配置された一対のアンプを協調して動作させることができる。
【0025】
以上のようなネットワークにより一対のアンプを接続することで、キャビン部とトランクとの境界の穴40には、ネットワークケーブル60と、リアスピーカー21へのスピーカー線との合計2組4本の線を通すだけでよく、図4の構成では合計5組10本あったスピーカー線などの数を大幅に削減することができる。また、前記穴40に通す線の数が少ないため、ワイヤーハーネスの組み付け性も改善することができる。さらに、車両の左右にアンプを分散したことにより、各々のスピーカー迄の線長を短くすることで配線が簡略化され、改良も容易にできる。同時に、要求されるアンプの出力容量は分散されることで、各アンプ単体のサイズを小さくすることができる。
【0026】
(実施例2)
図1では、左右のエリアでアンプを分散配置した例を示したが、図3に示すように、マルチチャンネルの場合に各チャンネルごとにアンプを分散するように構成しても良い。
【0027】
ここでは、車両の前後左右に合計4つのアンプ31,32,33,34を配置し、これらをCDプレーヤー10にネットワークケーブル60で接続している。左アンプ31には、左リアドアスピーカー22、左フロントドアスピーカー23、ダッシュボード左スピーカー24の合計3つのスピーカーが接続され、右アンプ32には、右リアドアスピーカー25、右フロントドアスピーカー26、ダッシュボード右スピーカー27の合計3つのスピーカーが接続されている。前アンプ33にはダッシュボード中央スピーカー28が、後アンプ34にはリアスピーカー21が接続されている。そして、このネットワークで接続された各アンプも、実施例1と同様に、ネットワークを介して通信を行うことで協調動作される。
【0028】
本例の音響システムでも、トランクとキャビン部との境に設けられた穴40に通す線はネットワークケーブルのみであり、各アンプからスピーカーまでのスピーカー線の長さを短くすることができる。そのため、ワイヤーハーネス自体を簡易化・軽量化することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、車両に搭載されて各種信号を伝えるワイヤーハーネスにのネットワークによる情報伝達手段を利用し、分散して配置された複数のアンプを協調動作させることで、アンプからスピーカーまでのケーブルを短くすることができ、結果、車両全体から見て軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明音響システムの概略構成図である。
【図2】本発明音響システムにおけるアンプ間の通信状態を示す説明図である。
【図3】各チャンネルごとにアンプを分散配置した本発明音響システムの概略構成図である。
【図4】従来の一般車両における音響システムの概略構成図である。
【図5】従来の高級車両における音響システムの概略構成図である。
【符号の説明】
10 CDプレーヤー
21 リアスピーカー
22 左リアドアスピーカー
23 左フロントドアスピーカー
24 ダッシュボード左スピーカー
25 右リアドアスピーカー
26 右フロントドアスピーカー
27 ダッシュボード右スピーカー
28 ダッシュボード中央スピーカー
30 アンプ
31 左アンプ
32 右アンプ
33 前アンプ
34 後アンプ
40 穴
50 コントローラー
60 ネットワークケーブル
70 スピーカー線
Claims (3)
- 音声データをデジタル信号として出力する情報源と、
情報源からの音声データを増幅し、アナログ信号として出力する複数のアンプと、
前記情報源と各アンプとをつなぐ伝送媒体と、
各アンプに接続されてアンプでの増幅信号を音声として出力するスピーカーと、
前記各アンプ毎に再生遅延時間を設定し、その再生遅延時間を各アンプに通知する再生時間制御手段とを具えることを特徴とする車載音響システム。 - 前記各アンプは、車両の左右に分散して配置されることを特徴とする請求項1に記載の車載音響システム。
- 前記各アンプは、各チャンネル単位で配置されることを特徴とする請求項1に記載の車載音響システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002233327A JP2004072698A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 車載音響システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002233327A JP2004072698A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 車載音響システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004072698A true JP2004072698A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32018480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002233327A Pending JP2004072698A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 車載音響システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004072698A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007137249A (ja) * | 2005-11-17 | 2007-06-07 | Mitsubishi Materials Corp | 車両用ドアの信号送受信装置 |
WO2009044872A1 (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-09 | Yamaha Corporation | 音声処理システム |
-
2002
- 2002-08-09 JP JP2002233327A patent/JP2004072698A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007137249A (ja) * | 2005-11-17 | 2007-06-07 | Mitsubishi Materials Corp | 車両用ドアの信号送受信装置 |
WO2009044872A1 (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-09 | Yamaha Corporation | 音声処理システム |
JP2009094682A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Yamaha Corp | 音声処理システム |
US8886343B2 (en) | 2007-10-05 | 2014-11-11 | Yamaha Corporation | Sound processing system |
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