JP2004072249A - 無線伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、移動体201,202に搭載されており所定の実効輻射電力で無線信号ch1,ch2を送信する少なくとも2つの送信装置301,302と、送信装置301,302からそれぞれ送信された無線信号ch1,ch2を受信する受信装置501,502とを具備する無線伝送装置に係るものである。送信装置301,302は、受信装置501,502において受信される無線信号ch1,ch2の受信信号電力が、所要受信電力以上でかつ該所要受信電力を基準とした所定範囲に収まるように、送信する無線信号ch1,ch2の実効輻射電力を制御する送信制御手段311,312を具備する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体に搭載されており所定の実効輻射電力で無線信号を送信する少なくとも2つの送信装置と、該送信装置から送信された無線信号を受信する受信装置とを具備する無線伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アナログFM方式無線伝送回線を介して送信装置と受信装置との間で無線伝送を行う無線伝送装置が知られている。かかる無線伝送装置を用いた無線伝送は、マルチパスによって伝送品質が直接影響を受けるので、受信装置において受信される無線信号の受信信号電力を安定させるためには、見通し内伝送の範囲内で行う必要があるという問題点があった。
【0003】
かかる問題点を解決するために、受信装置において受信される無線信号の受信信号電力を安定させつつ見通し外伝送を可能とするOFDM(Orthogonal Frequency Devision Multiplexing:直交周波数分割多重)方式のデジタル無線伝送装置が開発された。この結果、OFDM方式デジタル無線伝送回線を介して送信装置と受信装置との間で行われる無線伝送の伝送可能範囲が、飛躍的に大きくなった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、通常のマラソンTV中継番組等では、カメラ及び送信装置を搭載した少なくとも2台の移動中継車(移動体)が用意され、かかる移動中継車に搭乗しているカメラマンが、先頭集団や注目選手等と併走している状態で、当該移動中継車に搭載されたカメラを用いてマラソンTV中継番組用の臨場感のある映像・音声素材を撮影する。
【0005】
そして、上述のカメラによって撮影された映像・音声素材は、当該移動中継車に搭載された送信装置によって、OFDM方式デジタル無線伝送回線を介して、ビル屋上等の受信ポイント(中継ポイント)に設置された受信装置に伝送され、更に別の無線伝送回線や光ファイバ等の有線伝送回線(固定回線)を介して、スイッチングスタジオ(放送局)へ伝送され、スーパ処理等の加工がなされた後に放送される。
【0006】
しかしながら、OFDM方式デジタル無線伝送回線に用いることが可能な周波数帯域が限られているため、それぞれの移動中継車に搭載された送信装置と受信装置との間の伝送で用いられるOFDM方式デジタル無線伝送回線に隣接周波数のチャネルが割り当てられることがある。
【0007】
かかる場合、マラソンのレース展開によって、隣接周波数のチャネルが割り当てられた2台の移動中継車が近接したり、受信ポイントに対して同一方向に並んだりした場合、受信ポイントに設置されている受信装置において、過大な隣接妨害波が入力されることによって、各送信装置からの受信信号電力強度比(デシベル)が、OFDM方式デジタル無線伝送回線の変調方式や誤り訂正方式によって定まる所定値(デシベル)以下となる場合では、伝送断が発生するという問題点がある。
【0008】
また、ODFM方式の無線伝送装置を用いた伝送であっても、見通し外伝送においては、遮蔽損や反射、回折波のために受信信号電力が時々刻々激しく変動し、上述のような隣接妨害波による伝送断が予想外に発生するという問題点があった。
【0009】
かかる伝送断対策は、特に、時間率要求の大きい放送番組中継用無線伝送回線においては、大きな問題となっていた。
【0010】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、見通し外伝送のような伝送環境下においても、伝送断の発生確率を低減させる無線伝送装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、移動体に搭載されており所定の実効輻射電力で無線信号を送信する少なくとも2つの送信装置と、該送信装置からそれぞれ送信された無線信号を受信する受信装置とを具備する無線伝送装置であって、前記送信装置が、前記受信装置において受信される前記無線信号の受信信号電力が、所要受信電力以上でかつ該所要受信電力を基準とした所定範囲に収まるように、送信する無線信号の実効輻射電力を制御する送信制御手段を具備することを要旨とする。
【0012】
OFDM方式等のデジタル無線伝送装置においては、受信信号電力が変調方式や誤り訂正方式によって定まる所要受信電力以上であれば、受信品質は一定である。
【0013】
したがって、かかる発明によれば、送信ポイント(移動体に搭載された送信装置)及び受信ポイント(受信装置)が特定されている放送番組中継用無線伝送回線において、それぞれの無線伝送回線の伝送特性を維持しながら、不要な電力の伝送を適応的に抑制して隣接チャネルへの妨害を軽減することができ、伝送断の発生確率を低減することができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、移動体に搭載されており所定の実効輻射電力で無線信号を送信する少なくとも2つの送信装置と、該送信装置から送信された無線信号を受信する受信装置とを具備する無線伝送装置であって、前記送信装置が、前記受信装置において受信される前記無線信号の受信信号電力が所要受信電力以上であり、かつ、前記受信装置において受信される2つの前記無線信号間の受信信号電力強度比が所定値以上となるように、送信する無線信号の実効輻射電力を制御する送信制御手段を具備することを要旨とする。
【0015】
かかる発明によれば、マラソンのレース展開によって、隣接周波数のチャネルが割り当てられた2台の移動体(移動中継車)が近接したり、受信ポイントに対して同一方向に並んだりした場合であっても、各々の受信装置における受信信号電力強度比(デシベル)が、OFDM方式デジタル無線伝送回線の変調方式や誤り訂正方式によって定まる所定値(デシベル)以上となるように、送信装置において送信する無線信号の実効輻射信号電力を抑制するために、隣接チャネル間での混信を克服することができ、伝送断の発生確率を低減することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記送信装置が、該送信装置の位置情報を測定する位置情報測定手段と、前記位置情報と無線伝送実績情報とを関連付けて記憶する記憶手段とを具備し、前記送信制御手段が、前記位置情報と前記無線伝送実績情報とに基づいて、前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御することを要旨とする。
【0017】
かかる発明によれば、送信制御手段が、マラソンTV中継番組等の大規模スポーツTV中継番組において行われた事前伝送テストの結果(無線伝送実績情報)と、スポーツTV中継番組の本番中に取得した移動距離やGPS等の位置情報とに基づいて、送信する無線信号の実効輻射電力を制御するため、特定の場所で再現性のある伝送断の発生確率を低減することができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記受信装置が、前記送信装置から受信した前記無線信号に応じて、無線伝送路状況を検出する検出手段と、前記無線伝送路状況に基づいて、前記送信装置において前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御するための制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備し、前記送信制御手段が、前記制御情報に基づいて、前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御することを要旨とする。
【0019】
かかる発明によれば、見通し外伝送のように、無線伝送路のマルチパス発生状況が時々刻々変動する場合であっても、マルチパスの遅延量や強度等に応じた適切な伝送マージン量を考慮して、各送信装置の実効輻射電力を制御するための制御情報を生成するため、伝送断の発生確率を低減することができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記送信装置が、前記無線信号を送信するアダプティブアンテナを具備し、前記送信制御装置が、前記アダプティブアンテナにおいてメインビーム方向及び利得を制御することによって、前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御することを要旨とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記送信装置が、前記無線信号を送信するアダプティブアンテナを具備し、前記送信制御装置が、前記アダプティブアンテナにおいてヌル方向及び利得を制御することによって、前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御することを要旨とする。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記送信装置が、前記無線信号の送信信号電力を制御するための出力減衰機を具備し、前記送信制御装置が、前記出力減衰機を制御することによって、前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御することを容易とする。
【0023】
なお、請求項1乃至3に係る発明は、受信装置側で生成した制御情報を送信側に伝達するデータや音声等のバックチャネル設備を装備することにより、リアルタイムで、当該送信装置により送信される無線信号の実効輻射電力を制御することを前提としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
(本発明の一実施形態に係る無線伝送装置の構成)
本発明の一実施形態に係る無線伝送装置の構成について図1乃至図4を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本実施形態に係る無線伝送装置の全体構成図である。また、図2は、本実施形態に係る無線伝送装置を構成する各機能のブロック図を示す図である。
【0026】
本実施形態に係る無線伝送装置は、図1及び図2に示すように、第1の移動中継車(移動体)201及び第2の移動中継車(移動体)202にそれぞれ搭載されている第1の送信装置301及び第2の送信装置302と、例えば、ビルの屋上等の受信ポイント15に設置されている第1の受信装置501及び第2の受信装置502と、差分判定回路60と、実効輻射電力制御回路61とを具備している。
【0027】
図1に示すように、第1の送信装置301と第1の受信装置501との間は、第1の無線伝送回線31を介して接続されており、第2の送信装置302と第2の受信装置502との間は、第2の無線伝送回線32を介して接続されている。ここで、第1の無線伝送回線31及び第2の無線伝送回線32は、例えば、OFDM方式のデジタル無線伝送回線によって構成されている。
【0028】
また、第1の送信装置301は、第1の受信装置501に対して所定の実効輻射電力で無線信号を送信し、第1の受信装置501は、固定回線1を介して受信した信号を放送局10に送信する。また、第2の送信装置302は、第2の受信装置502に対して所定の実効輻射電力で無線信号を送信し、第2の受信装置502は、固定回線1を介して受信した信号を放送局10に送信する。
【0029】
ここで、固定回線1は、第1の無線伝送回線31及び第2の無線伝送回線32とは別の無線伝送回線や光ファイバ等の有線伝送回線等によって構成される。また、第1の受信装置501及び第2の受信装置502は、別個独立のものであってもよいし、一体型のものであってもよい。
【0030】
また、図2に示すように、第1の受信装置501及び第2の受信装置502は、差分判定回路60と実効輻射電力制御回路61とバックチャネル設備2とを介して、第1の送信装置301及び第2の送信装置302に接続されている。
【0031】
第1の送信装置301及び第2の送信装置302は、それぞれ、送信制御部311,312と、事前データ記憶部321,322と、位置情報測定部331,332と、出力減衰機341,342と、アダプティブアンテナ351,352とを具備している。
【0032】
送信制御部31は、事前データ記憶部32と位置情報測定部33と出力減衰機34とに接続されており、送信装置30から無線伝送回線3を介して受信装置50に送信する無線信号の実効輻射電力を制御する送信制御手段を構成する。
【0033】
本実施形態において、無線信号の実効輻射電力の制御は、無線信号の出力(利得)及びメインビーム方向(ヌル方向)を制御することによって行われるものとする。
【0034】
すなわち、送信制御部31は、バックチャネル設備2を介して実効輻射電力制御回路61から送信された制御情報や、事前データ記憶部32に記憶されている事前データや、位置情報測定部33によって測定された位置情報等に基づいて、送信する無線信号の実効輻射電力を制御する。
【0035】
具体的には、送信制御部31は、受信装置50において受信される無線信号ch1,ch2の受信信号電力が、所要受信電力以上でかつ該所要受信電力を基準とした所定範囲に収まるように、送信する無線信号ch1,ch2の実効輻射電力を制御する。
【0036】
ここで、上述の所要受信電力は、無線伝送回線3の変調方式や誤り訂正方式を考慮して、無線伝送回線3を介して安定した伝送が可能なように決定される。また、上述の所定範囲は、無線伝送回線3の変調方式や誤り訂正方式、送信装置30の性能等を考慮して決定される。
【0037】
また、送信制御部31は、受信装置50において受信される2つの無線信号ch1,ch2間の受信信号電力強度比(デシベル)が所定値(デシベル)以上となるように、送信する無線信号ch1,ch2の実効輻射電力を制御してもよい。
【0038】
また、送信制御部31は、受信装置50において受信される無線信号の受信信号電力が所要受信電力以上であり、かつ、受信装置50において受信される2つの無線信号ch1,ch2間の受信信号電力強度比(デシベル)が所定値(デシベル)以上となるように、送信する無線信号ch1,ch2の実効輻射電力を制御してもよい。
【0039】
ここで、上述の所定値は、誤差許容範囲のマージンを含むように設定されてもよい。また、2つの無線信号ch1,ch2間の受信信号電力強度比は、2つの無線信号ch1,ch2間のDU比(Desire Undesire Ratio)という形で算出されてもよい。
【0040】
また、送信制御部31は、アダプティブアンテナ35において、メインビーム方向5(図3参照)及び利得を制御することによって、または、ヌル方向6(図3参照)及び利得を制御することによって、送信する無線信号ch1,ch2の実効輻射電力を制御することができる。
【0041】
また、送信制御部31は、出力減衰機34からの出力(利得)を制御することによって、送信する無線信号ch1,ch2の実効輻射電力を制御することができる。
【0042】
事前データ記憶部32は、送信制御部32に接続されており、送信装置30の位置情報と無線伝送実績情報とを関連付けた事前データを記憶する記憶手段を構成する。
【0043】
ここで、上述の事前データは、マラソンTV中継番組等の大規模スポーツ中継番組の場合に行われる事前伝送テストによって得られるものであって、送信装置30が存在する場所を特定可能な「位置情報」と、当該位置情報によって特定される場所における無線伝送実績を示す「無線伝送実績情報」を関連付けるものである。
【0044】
例えば、事前データ記憶部32は、「位置情報」によって特定される場所Aにおいて、突出した建物が存在しているため見通しが悪い環境である旨を示す「無線伝送実績情報」とを関連付ける事前データを記憶する。
【0045】
ここで、「位置情報」は、GPS等によって測定され得る経度・緯度情報であってもよいし、所定の場所からの移動距離情報であってもよい。
【0046】
位置情報測定部33は、送信制御部31に接続されており、送信装置30の現在の位置情報を測定する位置情報測定手段を構成する。例えば、位置情報測定部33は、GPS等によって構成される。ここで、位置情報測定部33によって測定される位置情報は、事前データ記憶部32に記憶されている「位置情報」と同一のタイプのものであることが好ましい。
【0047】
出力減衰機34は、送信制御部31とアダプティブアンテナ35とに接続されており、送信制御部31からの指示に応じて、送信装置30から無線伝送回線3を介して受信装置50に送信すべきデータの出力(利得)を制御するものである。
【0048】
アダプティブアンテナ35は、送信制御部31と出力減衰機34とに接続されており、送信制御部31からの指示に応じて、メインビーム方向5又はヌル方向6(図3参照)及び利得を制御して、出力減衰機34から送信されたデータを無線信号ch1,ch2として無線伝送回線3に送信する。
【0049】
第1の受信装置501及び第2の受信装置502は、それぞれ、アンテナ511,512と、受信部521,522と、所要受信電力判定回路531,532と、無線伝送路状況検出回路541,542とを具備している。
【0050】
受信部52は、無線伝送回線3及びアンテナ51を介して、送信装置30から送信された無線信号ch1,ch2を受信するものである。
【0051】
所要受信電力判定回路53は、受信部52によって受信された無線信号ch1,ch2の受信信号電力が、所要受信電力以上でかつ該所要受信電力を基準とした所定範囲に収まっているか否かについて判定するものである。また、所要受信電力判定回路53は、この判定結果を実効輻射電力制御回路61に通知する。
【0052】
無線伝送路状況検出回路54は、受信部52によって受信された無線信号ch1,ch2の受信信号電力や遅延プロファイルや遅延広がりや遅延スプレッド等の無線伝送路状況を検出するものである。無線伝送路状況検出回路54は、この無線伝送路状況を実効輻射電力制御回路61に通知する。
【0053】
受信信号電力強度比判定回路60は、受信装置50の受信部52によって受信された2つの無線信号ch1,ch2間の受信信号電力強度比(デシベル)が所定値(デシベル)以上となっているか否かについて判定するものである。受信信号電力強度比判定回路60は、この判定結果を実効輻射電力制御回路61に通知する。
【0054】
実効輻射電力制御回路61は、所要受信電力判定回路53及び/又は受信信号電力強度比判定回路60から受信した判定結果や、無線伝送路状況検出回路5460から受信した無線伝送路状況に基づいて、送信装置30において送信する無線信号の実効輻射電力を制御するための制御情報を生成する制御情報生成手段を構成する。実効輻射電力制御回路61は、バックチャネル設備2を介して、かかる制御情報を送信装置30に送信する。ここで、バックチャネル設備2は、実効輻射電力制御回路61と送信装置30との間を無線リンクを介して接続するためのものである。
【0055】
図4(a)は、無線伝送回線3を介して正常伝送が行われている場合の受信装置50における受信信号電力を示す図であり、図4(b)は、伝送断が発生している場合の受信装置50における受信信号電力を示す図である。
【0056】
図4(b)では、2つの無線信号ch1,ch2の受信信号電力強度比(デシベル)が所定値(デシベル)以下であるため、無線伝送回線3において伝送断が発生していることを示している。
【0057】
本発明に係る無線伝送装置の構成は、本実施形態における構成に限定するものでなく、特許請求の範囲に係る無線伝送装置を実現することができる構成であれば、任意の構成を取ることができる。
【0058】
(本実施形態に係る無線伝送装置の動作)
上記構成を有する無線伝送装置の動作について、図5を参照にして説明する。図5は、本実施形態に係る無線伝送装置において、送信装置30において、送信する無線信号の実効輻射電力を制御する動作を示すフローチャートである。
【0059】
図5に示すように、ステップ500において、各送信装置301,302の位置情報測定部331,332が、所定周期で、各送信装置301,302の位置情報を測定している。
【0060】
ステップ501において、各受信装置501,502の受信部521,522が、無線伝送回線3を介して送信装置30から送信された無線信号ch1,ch2を受信する。
【0061】
ステップ502において、各受信装置501,502の所要受信電力判定部531,532が、各受信部521,522によって受信された無線信号ch1,ch2の受信信号電力が、所要受信電力以上でかつ該所要受信電力を基準とした所定範囲に収まっているか否かについて判定する。
【0062】
ステップ503において、各受信装置501,502の無線伝送路状況検出回路541,542が、各受信部521,522によって受信された無線信号ch1,ch2の受信信号電力や遅延プロファイルや遅延広がりや遅延スプレッド等の無線伝送路状況を検出する。
【0063】
ステップ504において、受信信号電力強度比判定回路60が、各受信装置501,502の受信部521,522によって受信された2つの無線信号ch1,ch2間の受信信号電力強度比(デシベル)が所定値(デシベル)以上となっているか否かについて判定する。
【0064】
ここで、ステップ502乃至504は、並行して行われてもよいし、所定の順序で行われてもよい。
【0065】
ステップ505において、実効輻射電力制御回路61が、所要受信電力判定回路53及び/又は受信信号電力強度比判定回路60から受信した判定結果や、無線伝送路状況検出回路54から受信した無線伝送路状況に基づいて、送信装置30において送信する無線信号の実効輻射電力を制御するための制御情報を生成する。
【0066】
ステップ506において、実効輻射電力制御回路61が、バックチャネル設備2を介して、かかる制御情報を送信装置30に送信する。
【0067】
ステップ507において、各送信装置301,302の送信制御部311,312は、バックチャネル設備2を介して実効輻射電力制御回路61から送信された制御情報や、各事前データ記憶部321,322に記憶されている事前データや、各位置情報測定部331,332によって測定された位置情報等に基づいて、送信する無線信号の実効輻射電力を制御する。
【0068】
(本実施形態に係る無線伝送装置の作用・効果)
本実施形態に係る無線伝送装置によれば、送信ポイント(移動体20に搭載された送信装置30)及び受信ポイント15(受信装置50)が特定されている放送番組中継用無線伝送回線3において、それぞれの無線伝送回線3の伝送特性を維持しながら、不要な電力の伝送を適応的に抑制して隣接チャネルch1,ch2への妨害を軽減することができ、伝送断の発生確率を低減することができる。
【0069】
また、本実施形態に係る無線伝送装置によれば、マラソンのレース展開によって、隣接周波数のチャネルが割り当てられた2台の移動体(移動中継車)20が近接したり、受信ポイント15に対して同一方向に並んだりした場合であっても、各々の受信装置501,502における受信信号電力強度比(デシベル)が、OFDM方式デジタル無線伝送回線3の変調方式や誤り訂正方式によって定まる所定値(デシベル)以上となるように、送信装置301,302において送信する無線信号ch1,ch2の実効輻射信号電力を抑制するために、隣接チャネルch1,ch2間での混信を克服することができ、伝送断の発生確率を低減することができる。
【0070】
また、本実施形態に係る無線伝送装置によれば、送信制御部311,312が、マラソンTV中継番組等の大規模スポーツTV中継番組において行われた事前伝送テストの結果(無線伝送実績情報)と、スポーツTV中継番組の本番中に取得した移動距離やGPS等の位置情報とに基づいて、送信する無線信号ch1,ch2の実効輻射電力を制御するため、特定の場所で再現性のある伝送断の発生確率を低減することができる。
【0071】
また、本実施形態に係る無線伝送装置によれば、見通し外伝送のように、受信装置501,502における受信信号電力が、時々刻々変動する場合であっても、受信装置501,502に接続されている実効輻射電力制御回路61によって生成された制御情報を、バックチャネル設備2を介して、各移動体201,202に搭載された送信装置301,302に送信することによって、リアルタイムで、当該送信装置301,302により送信される無線信号ch1,ch2の実効輻射電力を制御することができる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、見通し外伝送のような伝送環境下においても、伝送断の発生確率を低減させる無線伝送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線伝送装置の全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る無線伝送装置を構成する各機能を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る無線伝送装置の送信装置のアダプティブアンテナの無線信号の送信方法を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る無線伝送装置の受信装置における受信信号電力を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る無線伝送装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…固定回線
2…バックチャネル設備
3…無線伝送回線
5…メインビーム
6…ヌル方向
10…放送局
15…受信ポイント
20…移動中継車
30…送信装置
31…送信制御部
32…事前データ記憶部
33…位置情報測定部
34…出力減衰機
35…アダプティブアンテナ
50…受信装置
51…アンテナ
52…受信部
53…所要受信電力判定回路
54…無線伝送路状況検出回路
60…受信信号電力強度比判定回路
61…実効輻射電力制御回路
Claims (7)
- 移動体に搭載されており所定の実効輻射電力で無線信号を送信する少なくとも2つの送信装置と、該送信装置からそれぞれ送信された無線信号を受信する受信装置とを具備する無線伝送装置であって、
前記送信装置は、前記受信装置において受信される前記無線信号の受信信号電力が、所要受信電力以上でかつ該所要受信電力を基準とした所定範囲に収まるように、送信する無線信号の実効輻射電力を制御する送信制御手段を具備することを特徴とする無線伝送装置。 - 移動体に搭載されており所定の実効輻射電力で無線信号を送信する少なくとも2つの送信装置と、該送信装置から送信された無線信号を受信する受信装置とを具備する無線伝送装置であって、
前記送信装置は、前記受信装置において受信される前記無線信号の受信信号電力が所要受信電力以上であり、かつ、前記受信装置において受信される2つの前記無線信号間の受信信号電力強度比が所定値以上となるように、送信する無線信号の実効輻射電力を制御する送信制御手段を具備することを特徴とする無線伝送装置。 - 前記送信装置は、
該送信装置の位置情報を測定する位置情報測定手段と、
前記位置情報と無線伝送実績情報とを関連付けて記憶する記憶手段とを具備し、
前記送信制御手段は、前記位置情報と前記無線伝送実績情報とに基づいて、前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線伝送装置。 - 前記受信装置は、
前記送信装置から受信した前記無線信号に応じて、無線伝送路状況を検出する検出手段と、
前記無線伝送路状況に基づいて、前記送信装置において前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御するための制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備し、
前記送信制御手段は、前記制御情報に基づいて、前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無線伝送装置。 - 前記送信装置は、前記無線信号を送信するアダプティブアンテナを具備し、
前記送信制御装置は、前記アダプティブアンテナにおいてメインビーム方向及び利得を制御することによって、前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線伝送装置。 - 前記送信装置は、前記無線信号を送信するアダプティブアンテナを具備し、
前記送信制御装置は、前記アダプティブアンテナにおいてヌル方向及び利得を制御することによって、前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線伝送装置。 - 前記送信装置は、前記無線信号の送信信号電力を制御するための出力減衰機を具備し、
前記送信制御装置は、前記出力減衰機を制御することによって、前記送信する無線信号の実効輻射電力を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線伝送装置。
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