JP2004072105A - 回折光学要素を有する波長可変レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】よりコンパクトな波長可変レーザ共振器を提供する。
【解決手段】波長可変レーザ共振器(1)は、第1の共振器端部反射器(10)、第2の共振器端部反射器(20)、利得媒体(14)、及び回折光学要素(40)を備える。第1及び第2の共振器端部反射器は、ある長さの光路を有する共振器を画定し、利得媒体(14)は、その共振器内に配置されて、第1及び第2の共振器端部反射器に向けて上記ビーム(5)を生成、及び/又は、増幅及び放射し、回折光学要素(40)は、上記光路内に配置されて、電磁放射の上記ビーム(5)の波長をフィルタリングし、かつ、フィルタリングされた波長を有するビーム(5)の一部を利得媒体(14)に向けて収束させるよう構成される。第1又は第2の共振器端部反射器(10,20)の少なくとも1方が共振器(1)内の他の光学要素に対して移動可能に配置され、回折光学要素(40)は共振器(1)内の上記他の光学要素に対して移動可能に配置される。
【選択図】図1

Description

 本発明は、回折光学要素を有する波長可変レーザ(波長チューナブルレーザ)に関する。
 波長可変レーザ源は、産業界、とくに光通信測定装置産業において、その重要性が増してきている。外部共振器を有する波長可変レーザ共振器の構成は、下記非特許文献1に記載されている。
O.T.Cassidy及びMichael Hamp著、「Diffractive optical element used in external feedback configuration to tune the wavelength of uncoated Fabry−Perot diode lasers」、Journal of Modern Optics、1999年、第46巻、第7号、第1071−1078頁 Liu及びLittman著、Novel geometry for single−mode scanning of tunable lasers、Optical Society of America、1981年 欧州特許出願公開第952643号明細書
 本発明の1つの目的は、改善された波長可変レーザ共振器を提供することにある。
 本発明の上記目的は、特許請求の範囲の独立請求項によって解決される。好適な実施形態は、従属請求項によって提供される。
 本発明の実施形態によれば、波長可変レーザ共振器(または、波長チューナブルレーザ共振器。以下同じ。)は、第1及び第2の共振器端部反射器から構成される。両方の反射器は、互いに向かって電磁放射の入射ビームを反射するように配置され、従って共振器を画定し、この共振器内における共振モードは、電磁波の干渉の結果として生じる。共振器端部反射器は、全反射装置、半透明ミラー、レトロレフレクタ(または逆反射体)、ブラッグ反射器等のうちの少なくとも1つとすることができる。上記第1及び第2の共振器端部反射器によって長さが画定される光路は、線(ライン)に沿って直線的に配置することができ、又は回折格子又はリダイレクションミラーによってリダイレクトする(向きを変える)ことができる。
 本発明の実施形態によれば、任意の種類の共振器、例えばリットマン共振器(Littmann-resonator。例えば“Liu及びLittman著、Novel geometry for single−mode scanning of tunable lasers、Optical Society of America、1981年”にその基礎事項が記載されている)、リットロー共振器(Littrow-resonator。例えば欧州特許出願公開第952643号明細書に示されている)等を、共振器端部反射器及びその他の光学要素によって実現することができるが、平行平面光路を有する線形共振器(または直線共振器)又はリング共振器がもっとも望ましい。
 レーザ共振器は、また、利得媒体(gain medium)又は電磁放射のビームを発生して放出するための要素を備える。好ましくは、利得要素は、導波路特性を有する半導体である。
 回折光学要素は、共振器端部反射器によって画定される光路内に配置される。本発明の実施形態による回折光学要素は、入射平行ビームを焦点に向けて集束するように構成される。従来の光学レンズとは対照的に、焦点と回折光学要素(以下、DOEとも記載)との間の距離は、入射ビームの波長に大きく依存する。例えば、フレネル帯板(Fresnel zone plate)については、焦点距離は、近軸近似を使用し、かつλが電磁放射の波長である場合、1/λにほぼ比例する。
 波長フィルタとしての回折光学要素により、共振器端部反射器及び利得媒体の導波路構造から構成される光学システムに波長依存性の光損失が導入される。光損失を小さくするために、回折光学要素は、導波路構造から発する発散するビームを、共振器反射器によって与えられる幾何学的条件に合致するビームに変換しなければならない。この条件に合致しないビームは、部分的に又は完全に共振器から出てしまうが、これは、追加的な光損失を意味する。DOEの波長に依存する結像特性のため、1つの特定の波長だけが、DOEの製造及びDOEと導波路構造との間の距離によって決まるこの幾何学的条件を満たす。
 第1及び第2の共振器端部反射器は、少なくとも一方の反射器が、上記光路の長さを増加させ(すなわち長くし)又は減少させる(すなわち短くする)ために、共振器内において他の光学要素に対して移動できるように、配置される。このような運動を行なうことにより、共振モードの波長を同調(または、調整。以下同じ)することができる。少なくとも一方の反射器の同調運動の結果、回折光学要素のために波長フィルタによって選択された共振モードは、波長がシフトし、回折光学要素によって提供されるフィルタ作用波長範囲から外れる。
 従って、本発明によれば、回折光学要素もまた、共振器内において他の光学要素に対して移動可能であるように設けられる。好ましくは、回折光学要素は、同調された波長に依存して波長フィルタ曲線を変えるために、導波路構造に対して移動可能である。
 好適な実施形態によれば、回折光学要素は、位相変調構造又は振幅変調構造のうちの少なくとも1つから構成することができる。どちらの場合にも、入射光ビームは、それらの構造を透過又はそれらの構造によって反射される電磁放射の重畳が強め合う干渉または弱め合う干渉に通じるように回折される。回折光学要素に設けられたこれらの構造は、強め合う干渉が、この回折光学要素からある距離だけ離れたほぼ同じ位置で生じるように配置される。
 回折光学要素の好適な1実施形態は、フレネル帯板である。不透明又は位相シフトする構造は、透明な円構造と交互して透明な媒体上に同心円として配置される。円の周期性は、円の中心からの距離とともに大きくなる。従って、所与の波長を有する電磁波は、例えば、上記同心円の中心を通って延びる軸に向かって回折される。結果として生じる回折角は、中心からより離れた円状の位相又は振幅構造に対するものの方が、軸の近くに配置されたそれらに対するものよりも大きい。従って、フレネル帯板の実施形態による回折光学要素は、ある(所定の)焦点距離を有するレンズとして作用する。
 本発明の実施形態は、回折光学要素を実質的に平坦な装置として実現できるという特別の利点を提供する。従って、それをレーザ源又は共振器端部反射器の特に近くに配置することができ、画像距離又は焦点距離を、本質的に短く設計することができる。さらに、回折光学要素は、1つの装置内に組込まれる波長フィルタ及びコリメータレンズとして機能する。別の実施形態では、波長可変レーザ共振器は、制御ユニットを備えており、この制御ユニットは、第1又は第2の共振器端部反射器のうちの少なくとも一方を動かすためのドライブ(駆動系または駆動装置)、及び、回折光学要素を動かすためのドライブ(駆動系または駆動装置)の各々に接続される。共振器の波長を同調するための共振器端部反射器の一方の運動に応答して、回折光学要素の位置が変更される。この位置の変更は、利得要素及び導波路構造位置に対して行なわれる。
 好ましくは、共振器端部反射器位置を回折光学要素位置に取付ける(または接続する)ルックアップテーブルが制御ユニットに設けられる。ルックアップテーブルは、初期ツールセットアップの際に一度確立されるのが有利である。
 ビームスプリッタによって結合されたビームの一部を用いて、現在の波長を測定することもできる。この場合、回折光学要素の位置を、この直接測定に応答して調節することができる。
 さらに、能動制御機構をセットアップすることができるが、こうした場合には、一方の共振器端部反射器又はDOEは、中心位置の回りで揺れ動く。この場合、レーザ光の一部を、光出力(光パワー)又は波長のような物理的特性に関して解析することができる。揺動運動(dithering motion)に関する位相感応解析から、共振器端部反射器とDOEの位置を同期化する制御信号を得ることができる。
 共振器内における光路をリダイレクトする別のリダイレクションミラー又は格子が、本発明による共振器端部反射器とみなされることを理解されたい。これらの要素の運動は、共振器の波長を同調することができ、従って、1つの共振器内に、同調可能な波長フィルタ(可変波長フィルタ)として可動の(移動可能な)回折光学要素と都合良く組合せることができる。
 本発明によれば、波長調整可能なレーザ共振器のさらなる小型化が有利に促進される。
 本発明のその他の目的及び付随する多くの利点は、添付の図面と共に、以下の詳細な説明を参照することによって容易に理解されよう。実質的に又は機能的に等しいか又は類似の特徴には、同じ参照符号を付している。
 本発明によれば、波長可変レーザ共振器をコンパクトにすることができる。
 図1は、本発明による波長可変レーザ共振器の第1の実施形態を示している。レーザダイオードチップ(または光ダイオードチップ)30は、利得媒体14及び後面(バックファセット)16を備える。利得媒体14内で、電磁放射のビーム5が発生され、前面12を通って回折光学要素40に向かって放射される。回折光学要素40は、透明なプレート(板)上に配置された位相シフト変調構造の同心円を有するフレネル帯板を備える。このように画定された回折フレネルレンズは、レンズを透過する光の波長に依存する焦点距離100を有する。
 回折光学要素40は、レーザ源30に向かってある距離を置いて配置されており、この距離は、焦点距離100にほぼ等しい。その結果、レーザ源−回折光学要素の距離に等しい焦点距離に相当する特定の波長を実質的に有するビーム5の1部は、部分反射性の第2の共振器端部反射器20に向かう実質的に平行な光線の束に平行化される。
 ビーム5は、第2の共振器端部反射器20から実質的に反射して戻され、回折光学要素40によってレーザ源30に向かってある距離101のところに集束される。特定の波長に相当しないビーム5の部分は、結果として平行な光線の束にならないため、共振器から出る。回折光学要素40は、波長フィルタとして作用する。特定の波長に関して、画像距離101は、この実施形態では、焦点距離100と同一である。
 レーザ源30の後面16は、第1の共振器端部反射器10を表わし、従って共振器1の光路長を画定する。その結果、共振モードは、光路長に依存する波長を有する共振器1内に生じる。レーザ源30の利得媒体14と回折光学要素40との間の距離は、上記特定の波長フィルタを用いて1つのモードを選択するように選択される。後面16も同様に部分的に反射性であるため、ビーム5の一部も同様にここで結合(outcouple)できるようになっている。レンズ55は、結合(outcouple)されたビームを平行化するために機能する。
 第2の共振器端部反射器20は、共振モードの波長を同調するために、共振器1内の別の光学要素、とくに後面16に向かって又はそこから、第1の方向21に移動可能である。同調の結果としてこれらの波長がシフトすると、波長フィルタ、すなわち回折光学要素40によって選択された共振モードは、波長フィルタ作用から外れ、フィルタリングにより除去されるために消滅するであろう。
 回折光学要素40は、第2の方向41への移動能力を有している。従って、回折光学要素40の運動を、シフトされた波長に対して有効な回折光学要素40の焦点距離100に相当するレーザ源30に向かう距離内に回折光学要素40を移動させるために実施することができる。従って、回折光学要素40の移動により、波長フィルタ作用のシフトがもたらされ、共振器波長同調を修正できるようになっている。有利な結果として、波長同調を行なう間に、モードのホップ(跳び)を回避することができる。
 図2は、本発明の第2の実施形態を示している。第1及び第2の共振器端部反射器10、10’、20、20’によってリング共振器が画定されており、電磁放射のビーム5が、利得媒体14によって発生され及び/又は増幅され、ビーム5のリング状の光路内に放射される。回折光学要素40は、第1の方向の光路内に配置されており、コリメート(コリメーティング)光学レンズ55は、第2の方向の光路内に配置されている。光路長は、方向11に第1の共振器端部反射器10、10’の組を移動させることによって長くすることができる。第1の実施形態におけるものと同じ特徴を有する回折光学要素40は、波長同調に応答して、フィルタ波長を調節するために方向41に可動であるように配置されている。
 図3は、本発明の第3の実施形態を示している。線形共振器が、図1と同様に表示されている。しかしながら回折光学要素40及び第2の共振器端部反射器20は、同じ光学装置によって表わされており、従って、回折光学要素40は、この実施形態では、透過性ではなく反射性である。この実施形態において、画像距離101は、幾何学的な理由のためDOEの焦点距離100のほぼ2倍である。
 レーザ源に向かう距離と比較した場合に、回折光学要素の画像距離101は、フィルタ処理された波長範囲を提供するので、第1の共振器端部反射器10は、共振器1を同調するための追加的なオプションを与えるために、移動可能に設けられている。従って、レーザ源は、この実施形態では反射性の後面を有さない。
 図4は、回折光学要素40の別の好適な実施形態を示している。図示している両方の要素は、平面板上に配置されているが、同じ位相構造寸法を有するフレネル帯板に対して焦点距離又は画像距離を延長又は短縮するために湾曲している。
 以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
1.第1の共振器端部反射器(10)、第2の共振器端部反射器(20)、利得媒体(14)及び回折光学要素(40)を備える、波長可変レーザ共振器であって、
 前記第1の共振器端部反射器(10)は、第2の共振器端部反射器(20)に向かって電磁放射のビーム(5)を反射し、
 前記第2の共振器端部反射器(20)は、前記第1の共振器端部反射器(10)に向かって前記ビーム(5)を反射して戻し、前記第1及び第2の共振器端部反射器(10、20)は、ある長さの光路を有する共振器(1)を画定し、
 前記利得媒体(14)は、前記第1及び第2の共振器端部反射器(10、20)に向かって前記ビーム(5)を放射し、前記利得媒体(14)は、前記共振器(1)内に配置され、
 前記回折光学要素(40)は、前記光路内に配置され、波長に関して前記ビーム(5)をフィルタ処理して、波長フィルタ処理された前記ビーム(5)の少なくとも一部を前記利得媒体(14)に向かって集束させるよう構成され、
 前記第1(10)及び前記第2の共振器端部反射器(20)のうちの少なくとも一方が、前記共振器(1)の前記光路の長さを増加させ又は減少させるために、前記共振器(1)内において他の光学要素に対して移動可能に配置され、
 前記回折光学要素(40)は、前記光路の前記長さの前記増加又は減少に対して前記フィルタ処理された波長を適合させるために、前記共振器(1)内において前記他の光学要素に対して移動可能に配置されることからなる、波長可変レーザ共振器。
2.前記利得媒体(14)が、前記利得媒体(14)の後面(16)として配置された前記第1の共振器端部反射器(10)を備え、前記利得媒体(14)が、前面(12)を有し、この前面を通して前記ビーム(5)が前記第2の共振器端部反射器(20)に向かって放射され、
 前記回折光学要素(40)が、回折される前記ビーム(5)を透過させるように構成されることからなる、上項1に記載の共振器。
3.前記第1の共振器端部反射器(10)が、前記他の光学要素に対して移動可能に配置されており、
 前記回折光学要素(40)及び前記第2の共振器端部反射器(20)が、同じ光学要素を表わし、この光学要素が、前記他の光学要素に対して移動可能に配置される、上項1に記載の共振器。
4.前記光路の前記長さの増加又は減少に応答して前記光路内における前記回折光学要素(40)の位置を調節するために、前記回折光学要素(40)及び前記第1(10)又は第2の共振器端部反射器(20)のうちの前記少なくとも一方をそれぞれ動かすための制御ユニット及び駆動装置を更に備える、上項1乃至3のいずれかに記載の共振器。
5.前記第1及び第2の共振器端部反射器が、リング共振器を画定する光路を形成するように、レトロ共振器として設けられる、上項1乃至4のいずれかに記載の共振器。
6.利得媒体(14)内において空間ホールバーニング効果を低減し、又は回避するために、一つのビーム方向を選択するための光ダイオードを更に備える、上項5に記載の共振器。
7.前記回折光学要素(40)が、前記ビーム(5)を回折するための位相変調構造を備える、上項1乃至6のいずれかに記載の共振器。
8.前記回折光学要素(40)が、前記ビーム(5)を回折するための振幅変調構造を備える、上項1乃至7のいずれかに記載の共振器。
9.前記回折光学要素(40)が、フレネル帯板を備える、上項1乃至8のいずれかに記載の共振器。
10.前記回折光学要素(40)が、前記回折光学要素(40)によって回折された電磁放射を追加的に屈折するための屈折要素を備える、上項1乃至9のいずれかに記載の共振器。
11.前記回折光学要素(40)が、特に短い又は長い焦点距離を提供するための、凹状の又は凸状の空間構造を有する回折構造を備える、上項1乃至10のいずれかに記載の共振器。
12.少なくとも、前記第1の共振器端部反射器(10)、前記利得媒体(14)、前記回折光学要素(40)、及び前記第2の共振器端部反射器(20)が、実質的に、前記ビーム(5)の前記光路の角度的なリダイレクションのないライン内において、空間的に直線状の共振器内に配置される、上項1乃至11のいずれかに記載の共振器。
13.上項1乃至12のいずれかに記載の、第1及び第2の共振器端部反射器(10、20)、回折光学要素(40)、及び利得媒体(14)を備える波長可変レーザ共振器(1)の波長を同調するための方法であって、
 前記共振器(1)内において前記利得媒体(14)によって電磁放射のビーム(5)を放射するステップと、
 前記第1及び第2の共振器端部反射器(10、20)によって長さが画定される前記共振器(1)内における前記ビーム(5)の共振モードの組を形成するステップと、
 前記ビーム(5)の1つの共振モードを選択するステップであって、前記モードがある波長を有することからなる、ステップと、
 前記波長に関して前記利得媒体(14)までの画像距離を有する前記回折光学要素(40)を使用して、前記利得媒体(14)に向かって前記ビームの前記共振モードを集束させるステップと、
 前記ビーム(5)の前記共振モードの波長を同調するために、前記共振器(1)の前記光路長を増加させ又は減少させるために前記第1又は前記第2の共振器端部反射器(10、20)のうちの一方を移動させるステップと、
 前記共振モードの前記同調された波長に関して前記回折光学要素(40)の異なった画像距離を修正するために、前記波長同調に応答して前記回折光学要素(40)の位置を調節するステップ
を含む、方法。
 本発明による波長可変レーザ共振器(1)は、第1の共振器端部反射器(10)、第2の共振器端部反射器(20)、利得媒体(14)、及び回折光学要素(40)を備える。第1の共振器端部反射器(10)は、電磁放射のビーム(5)を第2の共振器端部反射器(20)に向けて反射し、第2の共振器端部反射器(20)は、第1の共振器端部反射器(10)に向けて上記ビームを反射して戻す。第1及び第2の共振器端部反射器は、ある長さの光路を有する共振器を画定し、利得媒体(14)は、その共振器内に配置されて、第1及び第2の共振器端部反射器に向けて上記ビーム(5)を生成、及び/又は、増幅及び放射し、回折光学要素(40)は、上記光路内に配置されて、電磁放射の上記ビーム(5)の波長をフィルタリング(フィルタ処理)するように構成され、かつ、フィルタリングされた波長を有するビーム(5)の一部を利得媒体(14)に向けて収束させるよう構成される。第1又は第2の共振器端部反射器(10,20)の少なくとも1方が、共振器(1)の光路の長さを延長または短縮するために共振器(1)内の他の光学要素に対して移動可能に配置され、回折光学要素(40)は、フィルタリングされた波長を上記光路の長さの延長または短縮に適合させるために共振器(1)内の上記他の光学要素に対して移動可能に配置される。
第1の実施形態による反射性の後面及び回折光学要素とともに利得要素としてレーザダイオードを有する線形レーザ共振器を示す図である。 第2の実施形態による回折光学要素を有するリング共振器を示す図である。 第3の実施形態による両面(両方のファセット)に反射防止コーティングが施された、利得要素としてのレーザダイオード及び回折光学要素を有する線形レーザ共振器を示す図である。 湾曲した回折光学要素を有する共振器を示す図である。
符号の説明
 1 共振器
 5 ビーム
 10、20 共振器端部反射器
 12 前面
 14 利得媒体
 16 後面
 40 回折光学要素

Claims (13)

  1.  第1の共振器端部反射器(10)、第2の共振器端部反射器(20)、利得媒体(14)及び回折光学要素(40)を備える、波長可変レーザ共振器であって、
     前記第1の共振器端部反射器(10)は、第2の共振器端部反射器(20)に向かって電磁放射のビーム(5)を反射し、
     前記第2の共振器端部反射器(20)は、前記第1の共振器端部反射器(10)に向かって前記ビーム(5)を反射して戻し、前記第1及び第2の共振器端部反射器(10、20)は、ある長さの光路を有する共振器(1)を画定し、
     前記利得媒体(14)は、前記第1及び第2の共振器端部反射器(10、20)に向かって前記ビーム(5)を放射し、前記利得媒体(14)は、前記共振器(1)内に配置され、
     前記回折光学要素(40)は、前記光路内に配置され、波長に関して前記ビーム(5)をフィルタ処理して、波長フィルタ処理された前記ビーム(5)の少なくとも一部を前記利得媒体(14)に向かって集束させるよう構成され、
     前記第1(10)及び前記第2の共振器端部反射器(20)のうちの少なくとも一方が、前記共振器(1)の前記光路の長さを増加させ又は減少させるために、前記共振器(1)内の他の光学要素に対して移動可能に配置され、
     前記回折光学要素(40)は、前記光路の前記長さの前記増加又は減少に対して前記フィルタ処理された波長を適合させるために、前記共振器(1)内の前記他の光学要素に対して移動可能に配置されることからなる、波長可変レーザ共振器。
  2.  前記利得媒体(14)が、前記利得媒体(14)の後面(16)として配置された前記第1の共振器端部反射器(10)を備え、前記利得媒体(14)が、前面(12)を有し、この前面を通して前記ビーム(5)が前記第2の共振器端部反射器(20)に向かって放射され、
     前記回折光学要素(40)が、回折される前記ビーム(5)を透過させるように構成されることからなる、請求項1に記載の共振器。
  3.  前記第1の共振器端部反射器(10)が、前記他の光学要素に対して移動可能に配置されており、
     前記回折光学要素(40)及び前記第2の共振器端部反射器(20)が、同じ光学要素を表わし、この光学要素が、前記他の光学要素に対して移動可能に配置される、請求項1に記載の共振器。
  4.  前記光路の前記長さの増加又は減少に応答して前記光路内における前記回折光学要素(40)の位置を調節するために、前記回折光学要素(40)及び前記第1(10)又は第2の共振器端部反射器(20)のうちの前記少なくとも一方をそれぞれ動かすための制御ユニット及び駆動装置を更に備える、請求項1乃至3のいずれかに記載の共振器。
  5.  前記第1及び第2の共振器端部反射器が、リング共振器を画定する光路を形成するように、レトロ共振器として設けられる、請求項1乃至4のいずれかに記載の共振器。
  6.  利得媒体(14)内において空間ホールバーニング効果を低減し、又は回避するために、一つのビーム方向を選択するための光ダイオードを更に備える、請求項5に記載の共振器。
  7.  前記回折光学要素(40)が、前記ビーム(5)を回折するための位相変調構造を備える、請求項1乃至6のいずれかに記載の共振器。
  8.  前記回折光学要素(40)が、前記ビーム(5)を回折するための振幅変調構造を備える、請求項1乃至7のいずれかに記載の共振器。
  9.  前記回折光学要素(40)が、フレネル帯板を備える、請求項1乃至8のいずれかに記載の共振器。
  10.  前記回折光学要素(40)が、前記回折光学要素(40)によって回折された電磁放射を追加的に屈折するための屈折要素を備える、請求項1乃至9のいずれかに記載の共振器。
  11.  前記回折光学要素(40)が、特に短い又は長い焦点距離を提供するための、凹状の又は凸状の空間構造を有する回折構造を備える、請求項1乃至10のいずれかに記載の共振器。
  12.  少なくとも、前記第1の共振器端部反射器(10)、前記利得媒体(14)、前記回折光学要素(40)、及び前記第2の共振器端部反射器(20)が、実質的に、前記ビーム(5)の前記光路の角度的なリダイレクションのないライン内において、空間的に直線状の共振器内に配置される、請求項1乃至11のいずれかに記載の共振器。
  13.  請求項1乃至12のいずれかに記載の、第1及び第2の共振器端部反射器(10、20)、回折光学要素(40)、及び利得媒体(14)を備える波長可変レーザ共振器(1)の波長を同調するための方法であって、
     前記共振器(1)内において前記利得媒体(14)によって電磁放射のビーム(5)を放射するステップと、
     前記第1及び第2の共振器端部反射器(10、20)によって長さが画定される前記共振器(1)内における前記ビーム(5)の共振モードの組を形成するステップと、
     前記ビーム(5)の1つの共振モードを選択するステップであって、前記モードがある波長を有することからなる、ステップと、
     前記波長に関して前記利得媒体(14)までの画像距離を有する前記回折光学要素(40)を使用して、前記利得媒体(14)に向かって前記ビームの前記共振モードを集束させるステップと、
     前記ビーム(5)の前記共振モードの波長を同調するために、前記共振器(1)の前記光路長を増加させ又は減少させるために前記第1又は前記第2の共振器端部反射器(10、20)のうちの一方を移動させるステップと、
     前記共振モードの前記同調された波長に関して前記回折光学要素(40)の異なった画像距離を修正するために、前記波長同調に応答して前記回折光学要素(40)の位置を調節するステップ
    を含む、方法。
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