JP2004071126A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】対物レンズのシフトやディスクの傾きに対するオフセットを抑圧し、安定したトラッキングサーボ性能を得ること。
【解決手段】光ピックアップ装置は、ディスクで反射した反射光を受光する第1および第2の受光領域と、反射光を回折させるホログラムと、ホログラムと第2の受光領域との間に配置され、ディスクのトラックを横切る方向に透過率が変化する回折格子と、第1の受光領域の受光量に基づいてメインPP信号を算出するメインPP信号算出部102と、第2の受光領域の受光量変化に基づいてオフセット補正信号を算出するオフセット補正信号算出部104と、メインPP信号とオフセット補正信号に基づいてトラック誤差信号を算出するトラック誤差信号算出部105とを備え、オフセット補正信号算出部104はオフセット補正信号に含まれる残留PP信号の振幅または位相を変更する変更部104aを含む。
【選択図】    図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等の情報記録媒体に光学的に情報を記録または再生する光ディスク装置に用いられる光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップ装置のトラッキングサーボの手法としては、プッシュプル法(PP法)、3ビーム法およびディファレンシャルプッシュプル法(DPP法)が挙げられる。いずれの手法においても、複数の受光部の光量差を検出することで、ディトラック量を検出する手法であり、光量差が無い場合をジャストトラックと判断する。
【0003】
PP法は、ディスクからの反射ビームをディスクに形成されたトラックを横切る方向に2分割して得られた光量を比較することで、トラックに対する位置信号、いわゆるプッシュプル信号(PP信号)を検出するものである。
【0004】
3ビーム法の場合、ビームをメインビームとその前後のサブビームとによって構成し、トラック誤差はサブビームの差信号から検出する。また、DPP法は、1ビームのPP法と3ビーム法とを組合わせたもので、メインビームとその前後のサブビームとのそれぞれにおいて、トラックを横切る方向に分割した差信号からトラック誤差を検出する。このため、PP法の場合に発生するオフセットを抑圧可能であり、トラッキングサーボの手法として用いられている。
【0005】
しかしながら、3ビーム法とDPP法では、1個の光源から3個のビームを生成しているので、記録に関与するメインビームの光量が低下し、その結果、記録スピードが遅くなり、記録の高速化の妨げになるという問題がある。この点で、PP法が優れているといえる。
【0006】
PP法を用いた光ピックアップ装置を、小型化、薄型化および高信頼性化するためにホログラムを用いたものが考案されている。このホログラムを用いた光ピックアップ装置の基本的な構造が、特開平9−161282号公報に記載されている。同公報に記載されている光ピックアップ装置は、DVD(デジタルビデオディスク)用のものであり、ホログラムがディスク半径方向に2分割されており、かつその一方はさらにトラック方向に2分割されている。そして、この光ピックアップ装置は、ディスクからの反射ビームの半分でフォーカス誤差信号を、もう半分でトラック誤差信号を、ビーム全面で情報信号を検出する。トラック誤差信号には、トラックに対する位置信号、いわゆるプッシュプル信号(PP信号)が含まれている。このPP信号は、ディスク半径方向に半分に分割されたビームをさらにトラック方向に2分割して得られた光量を比較することで検出される。
【0007】
このように構成されるホログラムを用いた光集積化ユニットと、その光集積化ユニットから出射されたレーザ光をディスク上に集光させるための対物レンズとによって光ピックアップ装置が構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように構成される光集積化ユニットを用いた光ピックアップ装置では、ディスクの反射光の左右(トラック方向の分割線で分割された半径方向内方側の部分と外方側の部分と)の光量分布の差を2分割検出器で検出してトラック誤差信号を生成する。一方、対物レンズは、ディスク偏心に対応可能なように、±0.3mm程度は変位可能となっているため、ディスク偏心によって対物レンズのずれが発生する。対物レンズが半径方向にずれた場合にディスクからの反射光の光軸がずれる。光軸がずれると2分割検出器の中心からビーム中心がずれる。また、ディスクが傾いた場合も同様に、反射光のビーム中心がずれる。
【0009】
したがって、何れの場合も、トラッキングが合っているにもかかわらず、2分割検出器の差動信号にオフセットが発生し、ディトラックと判定してしまうといった問題がある。
【0010】
この発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、1ビーム法を用いることで光量低下が無く、かつ対物レンズのシフトやディスクの傾きに対するオフセットを抑圧し、安定したトラッキングサーボ性能を得ることができる光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、光ピックアップ装置は、ディスク状の情報記録媒体へレーザ光を照射する発光部と、情報記録媒体で反射した反射光を受光する第1および第2受光部と、情報記録媒体と第1および第2受光部との間に設けられ、情報記録媒体で反射した反射光を回折させるホログラムと、ホログラムと第2受光部との間に配置され、情報記録媒体に形成されたトラックを横切る方向に透過率が変化する光学素子と、第1の受光部の受光量に基づいて、メインプッシュプル信号を算出するメインプッシュプル信号算出手段と、第2受光部の受光量変化に基づいて、オフセット補正信号を算出するオフセット補正信号算出手段と、算出されたメインプッシュプル信号およびオフセット補正信号に基づいて、トラック誤差信号を算出するトラック誤差信号算出手段とを備え、オフセット補正信号算出手段は、オフセット補正信号に含まれる残留プッシュプル信号の振幅または位相を変更する変更手段を含む。
【0012】
この発明に従えば、情報記録媒体と第1および第2受光部との間に設けられたホログラムにより情報記録媒体で反射した反射光が回折されて、第1または第2受光部で反射光が受光される。ホログラムと第2受光部との間に配置された光学素子は、情報記録媒体に形成されたトラックを横切る方向に透過率が変化するので、対物レンズがシフトしたり、ディスクが傾いたりして光学素子への入射光がトラックを横切る方向にシフトすると第2受光部での受光量が変化する。そして、第1の受光部の受光量に基づいてメインプッシュプル信号が算出され、第2受光部の受光量変化に基づいてオフセット補正信号が算出され、算出されたメインプッシュプル信号およびオフセット補正信号に基づいて、トラック誤差信号が算出される。オフセット補正信号算出手段によりオフセット補正信号に含まれる残留プッシュプル信号の振幅または位相が変更されるので、オフセット補正信号に含まれる残留プッシュプル信号によりメインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号が損なわれるのを防止することができる。その結果、対物レンズのシフト、または、ディスクの傾きによるオフセットを確実に補正することができるとともに、安定したトラッキングサーボ性能を得ることが可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
【0013】
好ましくは、第2受光部は、複数の受光素子を含み、変更手段は、残留プッシュプル信号の位相をメインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号の位相に対して概ね180度異ならせるために、複数の受光素子からの検出信号のゲイン比を変更する。
【0014】
この発明に従えば、残留プッシュプル信号の位相をメインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号の位相に対して概ね180度異ならせるために、複数の受光素子からの検出信号のゲイン比を変更する。このため、メインプッシュプル信号とオフセット補正信号とからトラック誤差信号を算出する場合に、メインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号が損なわれるのを防止することができる。
【0015】
好ましくは、第2受光部は、複数の受光素子を含み、変更手段は、残留プッシュプル信号の振幅を減少させるために、複数の受光素子からの検出信号のゲイン比を変更する。
【0016】
この発明に従えば、残留プッシュプル信号の振幅を減少させるために、複数の受光素子からの検出信号のゲイン比を変更する。このため、メインプッシュプル信号とオフセット補正信号とからトラック誤差信号を算出する場合に、メインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号が損なわれるのを防止することができる。
【0017】
この発明の他の局面によれば、光ピックアップ装置は、ディスク状の情報記録媒体へレーザ光を照射する発光部と、情報記録媒体で反射した反射光を受光する第1および第2受光部と、情報記録媒体と第1および第2受光部との間に設けられ、情報記録媒体で反射した反射光を回折させるホログラムと、ホログラムと第2受光部との間に配置され、トラックを横切る方向に透過率が変化する光学素子と、第1の受光部の受光量に基づいて、メインプッシュプル信号を算出するメインプッシュプル信号算出手段と、第2の受光部の受光量変化に基づいて、メインプッシュプル信号のオフセット量を補正するためのオフセット補正信号を算出するオフセット補正信号算出手段と、算出されたメインプッシュプル信号およびオフセット補正信号に基づいて、プッシュプル信号を算出するプッシュプル信号算出手段とを備え、第2受光部は、複数の受光素子を有し、光学素子は、1の受光素子に光を導く第1回折格子と、他の受光素子に光を導く第2回折格子とを含み、残留プッシュプル信号の位相をメインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号の位相に対して概ね180度異ならせるために、第1回折格子と第2回折格子とで透過率が異なる。
【0018】
この発明に従えば、情報記録媒体と第1および第2受光部との間に設けられたホログラムにより情報記録媒体で反射した反射光が回折されて、第1または第2受光部で反射光が受光される。ホログラムと第2受光部との間に配置された光学素子は、情報記録媒体に形成されたトラックを横切る方向に透過率が変化するので、対物レンズがシフトしたり、ディスクが傾いたりして光学素子への入射光がトラックを横切る方向にシフトすると第2受光部での受光量が変化する。そして、第1の受光部の受光量に基づいてメインプッシュプル信号が算出され、第2受光部の受光量変化に基づいてオフセット補正信号が算出され、算出されたメインプッシュプル信号およびオフセット補正信号に基づいて、トラック誤差信号が算出される。光学素子は、1の受光素子に光を導く第1回折格子と、他の受光素子に光を導く第2回折格子とを含み、残留プッシュプル信号の位相をメインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号の位相に対して概ね180度異ならせるために、第1回折格子と第2回折格子とで透過率を異ならせる。このため、残留プッシュプル信号の位相がメインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号の位相に対して概ね180度異なるので、メインプッシュプル信号とオフセット補正信号とからトラック誤差信号を算出する場合に、メインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号が損なわれるのを防止することができる。その結果、対物レンズのシフト、または、ディスクの傾きによるオフセットを確実に補正することができるとともに、安定したトラッキングサーボ性能を得ることが可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態における光ピックアップ装置について図面を参照して説明する。なお、図中同一符号は、同一または相当する部材を示し、重複する説明は繰返さない。
【0020】
図1は、本発明の実施の一形態である光ピックアップ装置の概略的構成を示す断面図である。図2は、光集積化ユニットのホログラムの形状およびホログラム素子と受光部との関係を示す図である。図1を参照して、光ピックアップ装置は、DVD(Digital Versatile Disc)に記録された情報を読取るためまたは情報を記録するために、光集積化ユニット1と、該光集積化ユニット1から出射されたレーザ光をディスク11上に集光させるための対物レンズ10とを含む。光集積化ユニット1は、大略的に、ステム2に搭載されたLD(レーザダイオード)チップ3と、受光部4と、光分岐素子5と、ホログラム素子6とを備えて構成されている。
【0021】
ホログラム素子6のホログラム7は、図2で示すように、ディスク半径方向Xに2つに分割されており、かつその一方は、さらにトラック方向Yに2分割されている。ホログラム7は、半径方向Xに2分割されたうちの一方の分割領域7aと、他方の分割領域をさらにトラック方向Yで2分割した分割領域7b、7cを含む。ディスク11の半径方向Xは、ディスク11のトラックを横切る方向でもある。
【0022】
光集積化ユニット1は、ディスクからの反射ビームが分割領域7aを通る光からフォーカス誤差信号を検出し、分割領域7b、7cを通る光からトラック誤差信号を検出し、分割領域7a、7b、7cのすべてを通る光(ビーム全面)から情報信号を検出する1ビームPP法を採用している。各分割領域7a、7b、7cには、相互に異なる格子が形成されている。
【0023】
図1に戻って、LDチップ3から出射された光は、光分岐素子5のA面を透過した後ディスクに入射する。ディスクからの反射光は、光分岐素子5のA面で反射し、さらにB面でも反射した後、ホログラム7へ入射する。ホログラム7の±1次回折光は、受光部4に入射する。
【0024】
ここで、図2を参照して、受光部4は、光分岐素子5からの±1次の回折光の内、どちらか一方(図2では+1次の回折光)に対応して受光領域4a〜4fを備えている。受光領域4a,4bは、ホログラム7からディスクの半径方向Xに略同じ距離だけ離れた位置に、トラック方向Yに並んで配置される。これらの受光領域4a、4bを基準として、トラック方向Yの前後に受光領域4c、4dが配置され、受光領域4a、4bと4c、4dとの間に受光領域4e、4fがそれぞれ配置される。
【0025】
ホログラム素子6において、ホログラム7の反対面に回折格子8が形成される。この回折格子8は、ホログラム7を通過する±1次の回折光の内、どちらか一方(図2では受光領域4a〜4fへの+1次の回折光)のみが入射するように配置されている。
【0026】
したがって、トラッキングおよびフォーカシングの誤差が無い状態では、図2で示すように、ホログラム7の分割領域7aでの+1次の回折光の内、回折格子8の0次の透過光は受光領域4a、4bに入射し、−1次の回折光は受光領域4aの外方に入射し、+1次の回折光は受光領域4bの外方に入射する。同様に、ホログラム7の分割領域7bでの+1次の回折光の内、回折格子8の0次の透過光は受光領域4d、4fの間に入射し、−1次の回折光は受光領域4fに入射し、+1次の回折光は受光領域4dに入射する。また、ホログラム7の分割領域7cでの+1次の回折光の内、回折格子8の0次の透過光は受光領域4c、4eの間に入射し、−1次の回折光は受光領域4cに入射し、+1次の回折光は受光領域4eに入射する。
【0027】
ここで、光分岐素子5のA面を偏光ビームスプリッタとし、さらに該光分岐素子5の上面にλ/4板を装着すると、LDチップ3からの直線偏光である出射光は、この光分岐素子5のA面をほぼ100%透過し、λ/4板を透過して円偏光となってディスクに入射させることができる。そして、反射光が再びλ/4板を透過して、今度は90°回転した直線偏光となり、光分岐素子5のA面で略100%反射させることが可能となる。したがって、ハーフミラーなどに比べて、LDチップ3から出射された光を効率良くディスクに入射し、さらにディスク反射光を効率良くホログラム7へと導くことが可能となっている。
【0028】
また、受光部4において、光分岐素子5からの±1次の回折光の内、どちらか他方(−1次の回折光)に対しては、ホログラム7から半径方向Xとは逆方向に配置される受光領域4Aと、該受光領域4Aを基準として、そのトラック方向Yの前後に配置される受光領域4C、4Dとが設けられている。
【0029】
したがって、トラッキングおよびフォーカシングの誤差が無い状態では、図2で示すように、ホログラム7の分割領域7aでの−1次の回折光は受光領域4Aに入射し、分割領域7bでの−1次の回折光は受光領域4Cに入射し、分割領域7cでの−1次の回折光は受光領域4Dに入射する。こうして、受光部4は、受光領域4a、4b、4c、4d、4e、4f;4A、4C、4Dの9セグメントの光検出器で構成され、+1次の回折光と−1次の回折光とを共に利用することで、光利用効率を高めることができる。
【0030】
また、ホログラム7の0次透過光量と、±1次の回折光量とは、回析格子の溝深さdによって制御することができ、単純には、次式(1)が成立するときに、0次透過光量は0、±1次の回折光量はそれぞれ40%程度とすることができ、反射は格子基板表面で生じるのみである。ただし、nは格子基板の屈折率、kは整数、λは光の波長である。このように0次透過光量を略0とすることで、これによってもまた、光利用効率を高めることができる。
【0031】
d*(n−1)=(k+1/2)λ    …(1)
なお、図2は、ホログラム7と回折格子8と受光部4との関係を模式的に表現したもので、実際にはホログラム素子6の大きさは、たとえば1辺の長さが3〜4mm程度で、受光部4の各受光領域4a〜4f;4A、4C、4Dのサイズは、50μm×200μm程度で、かつホログラム7の中心より数百μmの距離に位置している。
【0032】
上述のように構成される受光部4において、各受光領域4a、4b、4c、4d、4e、4f;4A、4C、4Dからの出力信号をそれぞれSa、Sb、Sc、Sd、Se、Sf;SA、SC、SDとするとき、フォーカス誤差信号FESは、次式(2)で表される。
【0033】
FES=Sa−Sb                    …(2)
また、情報信号(RF信号)は、次式(3)で表される。
【0034】
RF=SA+SC+SD               …(3)
したがって、回折格子8を通過した光は、回折によって光量損失が発生し、S/N比の低下が懸念されるけれども、情報信号である高帯域の信号(RF信号)を、回折格子8を通らない側の受光領域4A、4C、4Dからの出力信号から求め、高帯域を必要としないサーボ信号を、回折格子8を通る側の受光領域4a、4b、4c、4d、4e、4fからの出力信号から求めるので、特に高いS/N比が要求されるRF信号は、回折格子8の影響を全く受けることなく得ることができる。
【0035】
一方、トラック誤差信号TESは、次式(4)で表される。
TES=(SD−SC)−α*((Sa+Sb)−β*(Sc+Sd+Se+Sf))  …(4)
図3は、本実施の形態における光集積化ユニット1の回折格子8の正面図である。この回折格子8は、図示している通り、格子間ピッチPは一定に形成されるけれども、グルーブ幅(溝幅)WGとランド幅(山幅)WLとで表されるデューティがディスクの半径方向X(格子長手方向)に連続的に変化している。具体的には、図中の下端に近づくに従って、グルーブ幅WGが広く、±1次回折効率が高い(=0次効率が低い)。また、図中の上端に近づくに従って、グルーブ幅WGが狭く、±1次回折効率が低い(=0次効率が高い)。したがって、対物レンズがトラッキングの際に半径方向Xにずれると、回折格子8での回折効率に変化が生じ、その変化は上述のように±1次回折光と0次透過光とで相反方向になるので、これらを別々に検出し、差動を取ることで、対物レンズのシフト量を検出可能であることが理解される。
【0036】
図4は、回折格子8上におけるディスク反射光の対物レンズの変位やディスクチルトによる動きを示す図である。図4を参照して、参照符号L0は、対物レンズシフトが0のときのディスク反射光の回折格子8上の位置を示す。ディスク反射光が位置L0にあるときに次式(5)が成立するように係数βを決定した場合、対物レンズがシフトしてディスク反射光が図中の下方向の位置L1となった場合には式(5)の左辺の値が正になる(0次透過光が増加した)。逆に、対物レンズがシフトしてディスク反射光が図中の上方向の位置L2となった場合には式(5)の左辺の値が負になる。
【0037】
(0次透過光)−β*{+1次回折光+(−1次回折光)}=0 …(5)
ここで、式(4)のトラック誤差信号TESの演算式に戻ると、(SD−SC)の成分はメインプッシュプル信号(メインPP信号)であり、係数α以降の成分は対物レンズシフトによるオフセット補正信号である。このオフセット補正信号において、(Sc+Sd+Se+Sf)は±1次回折光の和であり、(Sa+Sb)は0次透過光の和である。式(5)では、±1次回折光の和と0次透過光の和の差動によって、対物レンズのシフト量を演算している。
【0038】
式(4)における係数βは、格子溝深さで決定される0次透過光と±1次回折光との回折効率差を調整する係数であり、係数αは、レンズシフト量をメインPP信号におけるオフセット量に換算するための係数である。
【0039】
また、ディスクの半径方向Xの傾き(チルト)においても、回折格子8上で、ビームが該半径方向Xに移動するので、上述のレンズシフト量と同様にチルト量を検出可能である。
【0040】
このようにホログラム7と受光部4との間に、ホログラム7で回折された光を、さらに3ビームに分割するための回折格子8を設け、その回折格子8の回折効率をディスクの半径方向Xに異ならせることで、メインビームの光量低下が無い1ビーム法を用いて、対物レンズのシフトやディスクの傾きに対するオフセットを抑圧し、安定したトラッキングサーボ性能を得ることができる。
【0041】
図3および図4を用いて説明した回折格子を本発明の光集積化ユニット1または光ピックアップに適応させた場合の具体例について説明をする。図5は、回折格子のデューティと回折効率(透過率)との関係を示したものである。ここで、デューティ0.5は山幅と溝幅が1:1であることを示しており、例えばデューティが0.2とは、山幅と溝幅が0.2:0.8すなわち1:4であることを示している。また、回折格子のデューティ変化を非線形にすることで回折格子内の回折効率の変化率をより広い領域で一定にすることが可能である。すなわち、デューティが0.2以下および0.35以上の領域において回折効率を直線的変化から非線形に変化させることで、デューティ0.1から0.5の範囲で回折効率が直線的に変化させることが可能となる。
【0042】
図6は、ビームに対応して分割して形成された回折格子と回折格子上に入射するビーム形状との関係を示す図である。図6を参照して、回折格子8を2分割し、ビーム7b、7cのそれぞれに対応するように、回折格子8−2、8−1を配置する。図中にデューティを記載した通り、各ビームとも、デューティ変化を0.1〜0.4の全範囲に渡って使用できることになる。したがって、ビームが格子長手方向(ディスクのトラックを横切る方向)に移動した場合の回折効率の変化が大きい、すなわち、対物レンズのシフトに対する感度を高くすることができる。また、2分割することで回折格子による回折効率を等しく設定できるため、両受光領域から得られた信号のゲインを等しく設定でき、光の利用効率が上がる。
【0043】
本実施の形態における光集積化ユニット1によれば、ディスクへ照射するレーザ光を1ビームとするが、記録光量が大きく、記録スピードが速い1ビームトラッキング法を用いている。そして、トラッキングのための回析光を得るホログラム7と受光領域4a〜4fとの間に、さらに回折格子8を配置し、その透過率をディスクの半径方向に変化させる。したがって、対物レンズがシフトしたり、ディスクが傾いたりして、回折格子8への入射光がディスクの半径方向にシフトすると、回折格子8の透過率の違いにより、受光領域4a〜4fにおける受光光量が変化する。この受光光量の変化を打消すようにトラッキングサーボを行うことで、対物レンズのシフトやディスクの傾きによるオフセットを補正することが可能となり、安定したトラッキングサーボ性能を得ることができる。
【0044】
これによって、光集積化ユニット1と、光集積化ユニット1から出射されたレーザ光をディスク上に集光させるための対物レンズとを組合わせて光ピックアップ装置を構成することによって、光ピックアップ装置を必要最小限の光学部品で構成でき、かつ信号検出系の調整も不要となり、小型、薄型で、かつ組立て性が良く、信頼性にも優れ、安定したトラッキングサーボ性能を有する光ピックアップ装置を得ることができる。
【0045】
また、本実施の形態における光集積化ユニット1では、回折格子8の山幅と溝幅との比が格子長手方向に連続的に変化する。図6に示したように、回折格子8を2分割して、ビーム7b、7cのそれぞれに対応した回折格子8−2、8−1を配置することで回折格子による回折効率を等しく設定できるため、両受光部から得られた信号のゲインを等しく設定でき、光の利用効率が上がる。
【0046】
ところが、2分割された回折格子8−1,8−2の回折効率をそれぞれ等しくなるよう設計したとしても、受光領域4a〜4fの受光感度の違いや、受光領域4a〜4fからの受光量に応じた信号を増幅する際に用いられる回路ゲインの違い、2分割された回折格子8−1,8−2の相対的な位置ずれ等により、一方の受光領域から得られた信号に含まれるPP信号の振幅が、もう一方の受光領域から得られた信号に含まれるPP信号の振幅に対し異なることがあり、そのような場合には、オフセット補正信号に受光領域4a〜4fからの信号に含まれるPP信号の振幅差に応じてPP信号が残留する。
【0047】
また、式(4)で示したように、TES(トラック誤差信号)は、メインPP信号からオフセット補正信号を引くことで得られるが、メインPP信号のPP信号の位相に対し、オフセット補正信号に残留するPP信号の位相が同相の場合には、TESにPP信号の振幅が殆ど残らない場合があり、安定したトラッキングサーボ性能が得られなくなってしまう。
【0048】
これについて、TESの演算式(4)、図7、図8を用いて具体的に説明する。図7は、ディスク上のスポットがディスクのラジアル方向へ移動した場合のディスクのスポットがディスクのラジアル方向へ移動した場合のトラッククロス信号SC、SD、(Sc+Se)、(Sd+Sf)と、メインPP信号(SD―SC)、オフセット補正信号(Sc+Se+Sd+Sf)を示したものである。すなわち、図7(a)は、出力信号SC,SD、それらの和信号SC+SDおよび差信号SD−SC(メインPP信号)を示している。図7(a)に示す信号は、回折格子8を有しないホログラム7のみを用いた従来の光集積装置で得られる信号を示している。図7(a)に示すように、トラッククロス信号SC、SDは、通常位相がπずれたほぼ同じ出力値となるため、それらの差信号SD−SCにはPP信号が含まれ、和信号であるSC+SDはPP信号が含まれないDC成分のみとなる。
【0049】
一方、本発明のように、±1次回折光の一方に回折格子を挿入した構成の場合、図7(b)に示す信号Sc+Se、Sd+Sf,Sc+Se+Sd+Sfが得られる。(SC+SD)は従来と同様に、PP成分のないDC成分となる。しかし、信号出力Sc+Se,Sd+Sfについては、レンズシフト成分を検出するために回折格子の回折効率をビームが入射する位置によって変化させていることから、信号出力(Sc+Se)と信号出力(Sd+Sf)との振幅に差を生じる。このため、和信号(Sc+Se+Sd+Sf)にPP信号が残留してしまう。演算式(4)において、(Sa+Sb)−β*(Sc+Sd+Se+Sf)は対物レンズがシフトした際に生じるトラックオフセット分を演算する部分である。和信号(Sc+Se+Sd+Sf)にPP信号が残留してしまうと、演算式(4)ではメインPP信号である(SD−SC)からトラックオフセット分を演算する部分((Sa+Sb)−β*(Sc+Sd+Se+Sf))を減算するため、結果として、TESに含まれるPP信号の振幅が小さくなり、S/N比が低下してしまう。そのため、(Sa+Sb)−β*(Sc+Sd+Se+Sf)には、つまりは、Sc+Sd+Se+Sfに残留するPP信号の振幅を抑えるのが好ましいわけである。
【0050】
図8は、対物レンズシフト時のメインPP信号とメインPP信号のオフセットの関係を示す図である。図8を参照して、メインPP信号のトラックを横断することで生じるプッシュプル信号がA(短周期)、オフセット信号成分がB(長周期)で示される。
【0051】
図9は、ビームに対応して分割され、デューティ比が異なる回折格子を示す図である。図9を参照して、ビーム7b、7cのそれぞれに対応する回折格子8−2、8−1において、デューティ比をそれぞれ0.1〜0.4と0.11〜0.44としている。この場合、上記式(4)において信号出力Sc、Seをそれぞれ、1.1倍したことに相当し、その場合には、上記式(4)における、オフセット補正信号((Sa+Sb)−β*(Sc+Sd+Se+Sf))に残留するPP信号の位相が、メインPP信号(SD−SC)に含まれるPP信号の位相と180度異なる。このため、TESに含まれるPP信号の振幅は、メインPP信号(SD−SC)に含まれるPP信号の振幅に対し増加することになる。従って、(SD−SC)のオフセット量を補正すると同時に、TESに含まれるPP信号の振幅を(SD−SC)におけるPP信号の振幅に対して増加させることができる。
【0052】
このことは、上記式(4)に新たにγという変数を付加した次式(6)において、γの値を変えることに相当する。
TES=(SD−SC)−α*((Sa+Sb)−β*(γ(Sc+Se)+(Sd+Sf)))   …(6)
従って、図6に示した透過率が同じ回折格子8−1,8−2を用いる場合においても、受光領域4c,4eの受光量に応じた信号を増幅する際に用いられる回路ゲインと、受光領域4d,4fの受光量に応じた信号を増幅する際に用いられる回路ゲインとを異ならせることによって、図9に示した透過率が異なる回折格子8−1,8−2を用いる場合と同様に、(SD−SC)のオフセット量を補正すると同時に、TESに含まれるPP信号の振幅を(SD−SC)におけるPP信号の振幅に対して増加させることができる。
【0053】
このように、組立および調整後の光集積化ユニット1及びそれを用いた光ピックアップ装置において、上記式(4)において変数γを付加して変化させることにより、両受光領域からの出力信号(Sc+Se)、(Sd+Sf)に対して異なるゲインを与えることができ、(SD−SC)のオフセット量を補正すると同時に、TESに含まれるPP信号の振幅を(SD−SC)におけるPP信号の振幅に対して増加させることができる。この場合には、両受光領域の受光感度の違い、両受光領域からの受光量に応じた信号を増幅する際に用いられる回路ゲインの違い等も考慮して、オフセット補正信号((Sa+Sb)−β*(γ(Sc+Se)+(Sd+Sf)))に残留するPP信号の振幅をほぼゼロとすることもできる。このため、TES信号に含まれるPP信号の振幅は、メインPP信号(SD−SC)に含まれるPP信号の振幅とほぼ同じものとすることができ、十分なSN比が確保できる。
【0054】
またラジアルのサーボゲインを光集積化ユニット毎または光ピックアップ装置毎に変える必要がなくなるといった効果がある。さらに、組立および調整後の光集積化ユニット1及びそれを用いた光ピックアップ装置においてオフセット補正信号((Sa+Sb)−β*(γ(Sc+Se)+(Sd+Sf)))に残留するPP信号の振幅と位相を可変とすることができるので、ラジアルのサーボゲインに対して、TES信号の振幅を合わせることもできる。
【0055】
もちろん、両受光領域の出力信号に対し、異なるゲインを与えることで、上記式(6)のγの値を変え、メインプッシュプル信号(SD−SC)に含まれるPP信号の位相に対し、オフセット補正信号に残留するPP信号の位相を180度としつつ、残留するPP信号の振幅を増加させることで、TESに含まれるPP信号の振幅を増加させることもできる。
【0056】
図10は、本実施の形態における光集積化ユニット1の回路の概略を示すブロック図である。光集積化ユニット1は、受光領域の出力信号に対して異なるゲインを与える。図10を参照して、光集積化ユニット1は、RF信号算出部101と、メインプッシュプル信号算出部102と、フォーカス誤差信号算出部103と、オフセット補正信号算出部104と、トラック誤差信号算出部105とを含む。RF信号算出部101は、受光部4の受光領域4A,4C,4Dから出力される信号出力SA,SC,SDを用いて、式(3)に従って情報信号(RF信号)を算出して出力する。メインプッシュプル信号算出部102は、受光部4の受光領域4C,4Dから出力される信号出力SC,SDを用いて、メインプッシュプル信号(SD−SC)を算出して出力する。フォーカス誤差信号算出部103は、受光部4の受光領域4a,4bから出力される信号出力Sa,Sbを用いて、式(2)に従ってフォーカス誤差信号(FES)を算出して出力する。
【0057】
オフセット補正信号算出部104は、振幅または位相変更部104aを含む。オフセット補正信号算出部104は、受光部4の受光領域4a,4b,4c,4d,4e,4fから出力される信号出力Sa,Sb,Sc,Sd,Se,Sfから、オフセット補正信号を算出する。係数γとを用いて、オフセット補正信号に残留するプッシュプル信号の振幅または位相を変更する。振幅または位相変更部104aは、オフセット補正信号に残留するプッシュプル信号の振幅または位相を変更するために、受光部4の受光領域4c,4d,4e,4fから出力される信号出力Sc,Sd,Se,Sfと係数γとを用いて(γ(Sc+Se)+(Sd+Sf))を算出する。オフセット補正信号算出部104は、算出された(γ(Sc+Se)+(Sd+Sf))と、出力信号Sa,Sbと、係数βとを用いてオフセット補正信号((Sa+Sb)−β*(γ(Sc+Se)+(Sd+Sf)))を算出する。
【0058】
トラック誤差信号算出部105は、メインプッシュプル信号算出部102で算出されたメインプッシュプル信号と、オフセット補正信号算出部104で算出されたオフセット補正信号と、係数αとを用いて、式(6)に従ってトラッキング誤差信号(TES)を算出して出力する。
【0059】
受光部4の各受光領域の受光感度の違い、各受光領域からの受光量に応じた信号を増幅する際に用いられる回路ゲインの違い、2分割された回折格子の相対的な位置ずれ等を考慮して、回折格子8−2のデューティ比を8−1のデューティ比に対し、予め透過率が大きくなるようにしておくことで、メインPP信号(SD−SC)に含まれるPP信号の振幅に対し、必ずTESに含まれるPP信号の振幅を増加させることができる。これにより、TES信号のS/N比が低下してしまうのを防ぐことができる。この場合、図10に示した振幅または位相変更部104aは不要である。
【0060】
図11は、DVD−R・RWディスクに最適設計された回折格子を用いて、両受光領域からの出力信号(Sc+Se),(Sd+Sf)のゲインを同一とした状態でTESを測定した結果を示す図である。ここではTES信号は、ほぼDC成分のみとなり、適切な信号が得られている。しかし、回折格子の透過率差、各受光領域の感度差、回路ゲインの差により、オフセット補正信号((Sa+Sb)−β*(Sc+Sd+Se+Sf))に(SD−SC)と同相のプッシュプル信号が残留する。そのため、メインPP信号(SD−SC)に含まれるPP信号の振幅に対し、TES信号に含まれるPP信号の振幅は約66.7%となっている。
【0061】
図12は、図11におけるメインPP信号に含まれるPP信号とオフセット補正信号に含まれる残留PP信号の位相関係を示す図である。図12を参照して、メインPP信号(SD−SC)に含まれるPP信号の位相に対し、上記式(4)の((Sa+Sb)−β*(Sc+Sd+Se+Sf))における残留PP信号の位相は同位相となっている。従って最終的な演算結果であるTES信号におけるPP信号の振幅はメインPP信号の振幅に対し減少していることがわかる。
【0062】
図13は、DVD−R・RWディスクに最適設計された回折格子を用いて、両受光領域からの出力信号(Sc+Se),(Sd+Sf)のゲイン比を1:1.14とした状態でTESを測定した結果を示す図である。両受光領域からの出力信号(Sc+Se)、(Sd+Sf)のゲイン比が1:1.14となるようにした場合は、メインPP信号(SD−SC)のPP信号の振幅に対し、TES信号のPP信号の振幅は約104.3%となっており、最終的な演算結果であるTES信号におけるPP信号の振幅はメインPP信号のPP信号の振幅に対し、ほぼ同じものとなっている。
【0063】
図14は、図13におけるメインPP信号に含まれるPP信号とオフセット補正信号に含まれる残留PP信号の位相関係を示す図である。図14を参照して、メインPP信号(SD−SC)に含まれるPP信号に対し、上記式(6)のオフセット補正信号((Sa+Sb)−β*(γ(Sc+Se)+(Sd+Sf)))に残留するPP信号の振幅がないことがわかる。そのため、TES信号におけるPP信号の振幅はメインPP信号のPP信号の振幅に対し、ほぼ同じになっている。
【0064】
図15は、DVD−R・RWディスクに最適設計された回折格子を用いて、両受光領域からの出力信号(Sc+Se),(Sd+Sf)のゲイン比を1:1.25とした状態でTESを測定した結果を示す図である。この場合は、上記式(6)オフセット補正信号((Sa+Sb)−β*(γ(Sc+Se)+(Sd+Sf)))において残留するPP信号の位相がメインPP信号(SD−SC)に含まれるPP信号の位相に対し180度ずれている。このため、TES信号に含まれるPP信号の振幅はメインPP信号に含まれるPP信号の振幅に対して増加し、約180.4%となっている。図16は、図15におけるメインPP信号に含まれるPP信号とオフセット補正信号に含まれる残留PP信号の位相関係を示す図である。図16を参照して、明らかに、上記式(6)オフセット補正信号((Sa+Sb)−β*(γ(Sc+Se)+(Sd+Sf)))において残留するPP信号の位相がメインPP信号(SD−SC)に含まれるPP信号の位相に対し、180度ずれた状態となっている。このため、TES信号に含まれるPP信号の振幅はメインPP信号のPP信号の振幅に対して増加していることがわかる。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態における光集積装置1においては、オフセット補正信号に含まれる残留プッシュプル信号の振幅または位相が変更されるので、受光領域の受光感度の違い、回路ゲインの違い、回折格子の相対的な位置ずれ等が生じたとしても、TES信号において十分なPP信号の振幅を得ることができる。その結果、安定したトラッキングサーボ性能を得ることができる。
【0066】
また、残留プッシュプル信号の位相をメインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号の位相に対して概ね180度異ならせるために、複数の受光領域からの検出信号のゲイン比を変更する。このため、メインPP信号のPP信号の振幅に対し、TES信号のPP信号の振幅を増加させることができる。
【0067】
さらに、残留プッシュプル信号の振幅を減少させるために、複数の受光領域からの検出信号のゲイン比を変更する。このため、オフセット補正時にメインPP信号のPP信号の振幅に対し、TES信号のPP信号の振幅が変化しない。その結果、光集積化ユニット毎または光ピックアップ装置毎にラジアルサーボのゲインを変える必要がない。
【0068】
さらに、回折格子8は、受光領域4c,4eに光を導く第1回折格子8−1と、受光領域4d,4fに光を導く第2回折格子8−2とを含み、残留プッシュプル信号の位相をメインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号の位相に対して概ね180度異ならせるために、第1回折格子8−1と第2回折格子8−2とで透過率を異ならせる(図9参照)。このため、受光部4の受光感度の違い、回路ゲインの違い、回折格子8の相対的な位置ずれによるTES信号に含まれるプッシュプル信号の振幅減少が生じにくい光集積化ユニット1及び光ピックアップ装置を構成できる。ひいては、TES信号において十分なPP信号の振幅が得られるので、安定したトラッキングサーボ性能を得ることができる。
【0069】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である光ピックアップ装置の概略的構成を示す断面図である。
【図2】光集積化ユニットのホログラムの形状およびホログラム素子と受光部との関係を示す図である。
【図3】本実施の形態における光集積化ユニットの回折格子の正面図である。
【図4】回折格子上におけるディスク反射光の対物レンズの変位やディスクチルトによる動きを示す図である。
【図5】回折格子の回折効率とデューティとの関係を示す図である。
【図6】ビームに対応して分割された回折格子と回折格子上に入射するビーム形状との関係を示す図である。
【図7】ディスクのスポットがディスクのラジアル方向へ移動した場合のトラッククロス信号SC、SD、(Sc+Se)、(Sd+Sf)と、メインPP信号SC―SD、オフセット補正信号Sc+Se+Sd+Sfを示した図である。
【図8】対物レンズシフト時のメインPP信号とメインPP信号のオフセットの関係を示す図である。
【図9】ビームに対応して分割され、デューティ比が異なる回折格子を示す図である。
【図10】本実施の形態における光集積化ユニット1の回路の概略を示すブロック図である。
【図11】DVD−R・RWディスクに最適設計された回折格子を用いて、両受光領域からの出力信号(Sc+Se),(Sd+Sf)のゲインを同一とした状態でTESを測定した結果を示す図である。
【図12】図11におけるメインPP信号に含まれるPP信号とオフセット補正信号に含まれる残留PP信号の位相関係を示す図である。
【図13】DVD−R・RWディスクに最適設計された回折格子を用いて、両受光領域からの出力信号(Sc+Se),(Sd+Sf)のゲイン比を1:1.14とした状態でTESを測定した結果を示す図である。
【図14】図13におけるメインPP信号に含まれるPP信号とオフセット補正信号に含まれる残留PP信号の位相関係を示す図である。
【図15】DVD−R・RWディスクに最適設計された回折格子を用いて、両受光領域からの出力信号(Sc+Se),(Sd+Sf)のゲイン比を1:1.25とした状態でTESを測定した結果を示す図である。
【図16】図15におけるメインPP信号に含まれるPP信号とオフセット補正信号に含まれる残留PP信号の位相関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光集積化ユニット、2 ステム、3 LDチップ、4 受光部、4a,4b,4c,4d,4e,4f,4A,4C,4D 受光領域、5 光分岐素子、6 ホログラム素子、7 ホログラム、7a,7b,7c 分割領域、8 回折格子、10 対物レンズ、11 ディスク。

Claims (4)

  1. ディスク状の情報記録媒体へレーザ光を照射する発光部と、
    前記情報記録媒体で反射した反射光を受光する第1および第2受光部と、
    前記情報記録媒体と前記第1および第2受光部との間に設けられ、前記情報記録媒体で反射した反射光を回折させるホログラムと、
    前記ホログラムと前記第2受光部との間に配置され、前記情報記録媒体に形成されたトラックを横切る方向に透過率が変化する光学素子と、
    前記第1の受光部の受光量に基づいて、メインプッシュプル信号を算出するメインプッシュプル信号算出手段と、
    前記第2受光部の受光量変化に基づいて、オフセット補正信号を算出するオフセット補正信号算出手段と、
    算出された前記メインプッシュプル信号および前記オフセット補正信号に基づいて、トラック誤差信号を算出するトラック誤差信号算出手段とを備え、
    前記オフセット補正信号算出手段は、前記オフセット補正信号に含まれる残留プッシュプル信号の振幅または位相を変更する変更手段を含む、光ピックアップ装置。
  2. 前記第2受光部は、複数の受光素子を含み、
    前記変更手段は、前記残留プッシュプル信号の位相を前記メインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号の位相に対して概ね180度異ならせるために、前記複数の受光素子からの検出信号のゲイン比を変更する、請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記第2受光部は、複数の受光素子を含み、
    前記変更手段は、前記残留プッシュプル信号の振幅を減少させるために、前記複数の受光素子からの検出信号のゲイン比を変更する、請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  4. ディスク状の情報記録媒体へレーザ光を照射する発光部と、
    前記情報記録媒体で反射した反射光を受光する第1および第2受光部と、
    前記情報記録媒体と前記第1および第2受光部との間に設けられ、前記情報記録媒体で反射した反射光を回折させるホログラムと、
    前記ホログラムと前記第2受光部との間に配置され、トラックを横切る方向に透過率が変化する光学素子と、
    前記第1の受光部の受光量に基づいて、メインプッシュプル信号を算出するメインプッシュプル信号算出手段と、
    前記第2の受光部の受光量変化に基づいて、メインプッシュプル信号のオフセット量を補正するためのオフセット補正信号を算出するオフセット補正信号算出手段と、
    算出された前記メインプッシュプル信号および前記オフセット補正信号に基づいて、プッシュプル信号を算出するプッシュプル信号算出手段とを備え、
    前記第2受光部は、複数の受光素子を有し、
    前記光学素子は、1の受光素子に光を導く第1回折格子と、他の受光素子に光を導く第2回折格子とを含み、前記残留プッシュプル信号の位相を前記メインプッシュプル信号に含まれるプッシュプル信号の位相に対して概ね180度異ならせるために、第1回折格子と第2回折格子とで透過率が異なる、光ピックアップ装置。
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