JP2004070124A - 画像形成方法 - Google Patents

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山崎 弘
Hiroyuki Yamada
山田 裕之
Tomoe Kitani
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Abstract

【課題】文字チリや混色の発生を防止し、細線再現性が高く、カラー画像の色味変化がなく、高画質であり、転写効率が高い画像形成方法を提供する。
【解決手段】表面にトナー像を担持して所定の転写領域に搬送された画像形成体を、該転写領域において該トナー像を間に挟むように画像支持体と重ね合わせ、該画像形成体と該画像支持体との間に電界を付与すると共に、非接触状態で対向する位置に配置された超音波放射手段より、超音波を放射することでトナー像を画像支持体に転写し、接触加熱定着する画像形成方法において、使用されるトナーが、少なくとも樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー粒子よりなり、且つ、形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー粒子からなる画像形成方法。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成体上に静電荷像形成を行い、画像支持体に転写して後、接触加熱定着する画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速で高画質を要求される画像形成装置においては、殆ど画像形成体上に静電荷像形成を行い、トナー現像して得られた画像を画像支持体に転写した後、接触加熱定着する画像形成方法が採用されている。
【0003】
この画像形成方法において、課題として残っているものの一つに、トナー現像して得られた画像を画像支持体に転写する段階で、画像が乱れるという問題がある。
【0004】
この解決策として、粘着転写や接触転写などの種々の方法が提案されている。しかし、粘着転写や接触転写では高速処理性に問題があり、転写するトナー量が多いと転写効率を上げることができない欠点を有している。特に、カラー画像ではトナー量が従来のモノクロ画像に比べて増大するため、トナー画像を100%転写することが困難となり、問題が大きくなる。
【0005】
一方、電界を利用して転写を行う方法の改善策として、超音波を転写時に印加し、転写効率をあげる方法が提案されている(特開2001−100546等)。この方法ではトナーの不均一性を排除でき、効率的な転写ができる方法として有用なものである。しかし、超音波振動によりかえってトナーが飛散し、画像にチリや混色の問題を誘発する欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、超音波転写方式においても、文字チリや混色の発生を防止し、細線再現性が高く、カラー画像の色味変化がなく、高画質であり、転写効率が高い画像形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、下記構成を採ることにより本発明の目的を達成することができることを見いだした。
【0008】
〔1〕 表面にトナー像を担持して所定の転写領域に搬送された画像形成体を、該転写領域において該トナー像を間に挟むように画像支持体と重ね合わせ、該画像形成体と該画像支持体との間に電界を付与すると共に、非接触状態で対向する位置に配置された超音波放射手段より、像形成体及び画像支持体に超音波を放射することでトナー像を画像支持体に転写し、その後、画像支持体上にトナー像を接触加熱定着する画像形成方法において、使用されるトナーが、少なくとも樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー粒子よりなり、且つ、形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー粒子からなることを特徴とする画像形成方法。
【0009】
〔2〕 形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする〔1〕に記載の画像形成方法。
【0010】
〔3〕 形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする〔1〕に記載の画像形成方法。
【0011】
〔4〕 角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0012】
〔5〕 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μmであるトナーを用いることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0013】
〔6〕 トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーを用いることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0014】
〔7〕 表面にトナー像を担持して所定の転写領域に搬送された画像形成体を、該転写領域において該トナー像を間に挟むようにして所定の画像支持体に重ね合わせ、該画像形成体と該画像支持体の間に電界を付与すると共に、非接触で対向する位置に配置された超音波放射手段より画像形成体及び画像支持体に所定波長の超音波を放射することでトナー像を画像支持体に転写し、その後、画像支持体上にトナー像を接触加熱定着する画像形成方法において、トナーが少なくとも樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー粒子よりなり、且つ、角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー粒子からなるトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
【0015】
〔8〕 形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする〔7〕に記載の画像形成方法。
【0016】
〔9〕 形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする〔7〕に記載の画像形成方法。
【0017】
〔10〕 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μmであるトナーを用いることを特徴とする〔7〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0018】
〔11〕 トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーを用いることを特徴とする〔7〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0019】
〔12〕 表面にトナー像を担持して所定の転写領域に搬送する画像形成体を、該転写領域において該トナー像を間に挟むようにして所定の画像支持体に重ね合わせ、該画像支持体と該画像支持体の間に電界を付与するとともに非接触で対向する位置に配置された超音波放射手段より、画像形成体及び画像支持体に所定波長の超音波を放射することでトナー像を画像支持体に転写し、その後、画像支持体上にトナー像を接触加熱定着する画像形成方法において、少なくとも樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー粒子よりなり、且つ、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下であるトナー粒子からなるトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
【0020】
〔13〕 角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする〔12〕に記載の画像形成方法。
【0021】
〔14〕 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μmであるトナーを用いることを特徴とする〔12〕又は〔13〕に記載の画像形成方法。
【0022】
〔15〕 トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーを用いることを特徴とする〔12〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0023】
本発明者らは、超音波振動の与える影響について詳細な検討を行い、さらに、文字チリ部や混色の原因となるトナーの解析を詳細に実施することで本発明を完成するに至ったものである。
【0024】
すなわち、超音波を利用した転写方法は、超音波の振動でトナーが画像形成体(多くの場合感光体であるので、感光体ということもある)表面に均一にならされる現象がおこり、その結果、転写時の電界が均一にトナーに付与され、転写性を向上する効果が出ると考えられる。しかし、これらの効果の出方にはバラツキがあり、また場合によるとトナー画像の劣化現象を起こす場合もある。
【0025】
本発明者らは、これらの現象を詳細に解析した結果、超音波を利用した転写にトナーの形状や粒径及び粒径分布が大きく影響を与えることがわかった。
【0026】
本発明の範囲内においてのみ、本発明の効果が得られる理由については、明確ではないが、トナーの性状にムラがある、いわゆる、形状や粒度に分布を有する場合には、超音波の振動が均一に伝達されず、不均一に伝達されることとなり、粒径の小さいものや不定形の度合いの大きいものは、超音波振動により位置がずれてしまうものと推定される。
【0027】
特に、多層構造の場合、感光体面に接している部分に存在するトナーと、より上面に存在しているトナーでは付着力に差があり、トナー自体の付着力に差があると、その差が大きく拡大してしまうものと推定された。
【0028】
尚、上記本発明の〔1〕〜〔6〕、〔7〕〜〔11〕、〔12〕〜〔15〕は、発明の基本構成がやや異なることから、〔1〕〜〔6〕を第1の発明、〔7〕〜〔11〕を第2の発明、〔12〕〜〔15〕を第3の発明と呼ぶことがある。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明に用いられるトナー(これをトナー〔A〕とする)は、形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー粒子から構成される。
【0030】
本発明の第2の発明に用いられるトナー(これをトナー〔B〕とする)は、角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー粒子から構成される。
【0031】
本発明の第3の発明に用いられるトナー(これをトナー〔C〕とする)は、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下であるトナー粒子から構成される。
【0032】
本発明において、トナーの形状係数とその変動係数、個数粒度分布における個数変動係数、角がないトナー粒子の割合については、下記の如く定義された値で表す。
【0033】
尚、現在使用されている殆ど全てのトナーにはシリカ微粒子等の外添剤が添加されている。本発明でトナー粒子という場合、この外添剤の添加以前のものと、添加以後のものを、共に指しているが、特に区別する必要のある場合には、前者を着色粒子、後者をトナー粒子と呼称する。
【0034】
上記の形状係数とその変動係数、個数粒度分布における個数変動係数、角がないトナー粒子の割合、及びトナー粒径等のトナーの形状や大きさに関する測定値は、通常の外添剤を用いているかぎりは添加前後で実質的な変動はない。
【0035】
〈トナーの形状係数〉
本発明のトナーの「形状係数」は、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0036】
形状係数=((最大径/2)×π)/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
【0037】
本発明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。本発明中で用いている形状係数は、ランダムにサンプリングした100個のトナー粒子を使用して、上記算出式にて測定したものである。
【0038】
本発明のトナー〔A〕およびトナー〔B〕においては、この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以上とすることが好ましく、より好ましくは、70個数%以上である。さらに好ましくは、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以上とすることであり、より好ましくは70個数%以上である。
【0039】
この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であることにより、形状として丸みのある形状となり、繰り返し帯電による影響を受けにくく、感光体に対する過度な付着力増加などが発生せず、良好な画質を形成することができる。さらに、感光体上に形成されたトナー層におけるトナー粒子の充填密度が高くなり、画像支持体への転写における変化が少なく、良好な転写性を維持することができる。また、トナー粒子が破砕しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナーの帯電性が安定するため、各色間での付着性のバラツキが少なく、カラー画像を安定化することができる。
【0040】
本発明のトナー〔C〕においては、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以上とすることが必要であり、好ましくは、70個数%以上である。この範囲とすることで、より均一性を高くすることができ、繰り返し帯電の影響をより受けにくくなっている。
【0041】
この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、トナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、トナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等により、形状係数を1.0〜1.6または1.2〜1.6にしたトナー粒子を調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内になるように添加して調整する方法がある。また、いわゆる重合法トナーを調製する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0〜1.6または1.2〜1.6に調整したトナー粒子を同様に通常のトナーへ添加して調整する方法がある。
【0042】
上記方法の中では重合法トナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0043】
〈トナーの形状係数の変動係数〉
本発明のトナーの「形状係数の変動係数」は下記式から算出される。
【0044】
変動係数=(S/K)×100(%)
(式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。)
本発明のトナー〔A〕およびトナー〔C〕において、この形状係数の変動係数は16%以下であり、好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下であることにより、形状を均一化できているため、転写時の超音波の振動による粒子のほぐれが効率的になり、転写効率が高くなるとともに、混色や転写時のチリなどを発生することがない。
【0045】
このトナーの形状係数および形状係数の変動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御するために、本発明のトナーを構成する樹脂粒子(重合体粒子)を調製(重合)、当該樹脂粒子を融着、形状制御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めてもよい。
【0046】
モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制御をするという意味である。すなわち、形状などの測定をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しながら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応を停止する。
【0047】
モニタリング方法としては、特に限定されるものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することができる。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適である。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
【0048】
〈トナーの個数変動係数〉
本発明のトナーの個数粒度分布および個数変動係数はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。
【0049】
前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。トナーの「個数粒度分布における個数変動係数」は下記式から算出される。
【0050】
変動係数=(S/Dn)×100(%)
(式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。)
本発明のトナー〔A〕およびトナー〔B〕の個数変動係数は27%以下であり、好ましくは25%以下である。個数変動係数が27%以下であることにより、感光体に対する付着力が均一であるため、転写時の超音波によりトナー粒子が効果的に解砕させ、転写性を向上することができ、色再現性が向上する。
【0051】
本発明のトナーにおける個数変動係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0052】
特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとなる。このために分級操作が必須となる。
【0053】
〈角がないトナー粒子の割合〉
本発明のトナー〔B〕を構成するトナー粒子中、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であることが必要とされ、この割合が70個数%以上であることが好ましい。
【0054】
本発明のトナー〔A〕およびトナー〔C〕を構成するトナー粒子中、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であることが好ましく、更に好ましくは70個数%以上とされる。
【0055】
角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、転写時の超音波振動の伝達が効率的となり、その結果、色ニゴリや混色の発生がなく、色再現性が向上する。
【0056】
ここに、「角がないトナー粒子」とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子という。すなわち、図11(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、当該円Cがトナー粒子Tの外側に実質的にはみださない場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。なお、図11(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0057】
角がないトナー粒子の割合の測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
【0058】
角がないトナーを得る方法は特に限定されるものではない。例えば、形状係数を制御する方法として前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。
【0059】
また、樹脂粒子を会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でないが、形状制御工程での温度、撹拌翼の回転数および撹拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラス転移点温度以上で、より高回転数とすることにより、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成できる。
【0060】
また、本発明ではカラー画像を形成するためのトナーとしてのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックそれぞれのトナー粒子でその形状などが揃っていることで超音波振動時の粒子間の転写性の変化を極力抑制することができ、色再現性も向上し好ましい。
【0061】
すなわち、イエロートナーの形状係数(Ky)、形状係数の変動係数(Kσy)、個数平均粒径(Dy)、個数粒度分布に於ける個数変動係数(Dσy)、マゼンタトナーの形状係数(Km)、形状係数の変動係数(Kσm)、個数平均粒径(Dm)、個数粒度分布に於ける個数変動係数(Dσm)、シアントナーの形状係数(Kc)、形状係数の変動係数(Kσc)、個数平均粒径(Dc)、個数粒度分布に於ける個数変動係数(Dσc)、ブラックトナーの形状係数(Kb)、形状係数の変動係数(Kσb)、個数平均粒径(Db)、個数粒度分布に於ける個数変動係数(Dσb)の関係が下記であることにより、複数回感光体上に現像する方式においても、各色間の付着性や帯電性の差異を小さくすることができ、色再現性を高くすることができ好ましい。さらに、画像形成支持体上への一括転写工程や定着工程でも静電的な挙動がトナー間で差がないため、画質劣化がなく、良好なカラー画像を形成することができ好ましい。
【0062】
【数1】
Figure 2004070124
【0063】
〈トナー粒子の粒径〉
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、後に詳述するトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
【0064】
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、各色間のトナー層の厚みが過大になることがなく、画像形成支持体への転写性を向上することができる。また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0065】
本発明のトナーとしては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであることが好ましい。
【0066】
相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
【0067】
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0068】
測定条件
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液(ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製))50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて撹拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0069】
〈従来公知のトナーとの対比〉
本発明のトナーは、
・ 形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合(トナー〔C〕において65個数%以上)、
・ 形状係数の変動係数(トナー〔A〕,トナー〔C〕において16%以下)、
・ 角がないトナー粒子の割合(トナー〔B〕において50個数%以上)、
・ 個数粒度分布における個数変動係数(トナー〔A〕,トナー〔B〕において27%以下)、
により従来公知のトナーから明確に区別される。
【0070】
本発明に係わる上記の数値範囲について、従来知られているトナーの数値を説明する。この数値は製造方法により異なるものである。
【0071】
粉砕法トナーの場合、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度である。このものの形状係数の変動係数は20%程度である。また、粉砕法では破砕を繰り返しながら粒径を小さくするために、トナー粒子に角部分が多くなり、角がないトナー粒子の割合は30個数%以下である。従って、形状を揃えて、角部分がなく、丸みのあるトナーを得ようとする場合には、形状係数を制御する方法として前記した様に熱等により球形化する処理が必要となる。
【0072】
また、個数粒度分布における個数変動係数は、粉砕後の分級操作が1回である場合には、30%程度であり、個数変動係数を27%以下とするためには、さらに分級操作を繰り返す必要がある。
【0073】
懸濁重合法によるトナーの場合、従来は層流中において重合されるため、ほぼ真球状のトナー粒子が得られ、例えば特開昭56−130762号公報に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合が20個数%程度となり、また形状係数の変動係数も18%程度となり、更に角がないトナー粒子の割合も85個数%程度となる。
【0074】
また、個数粒度分布における個数変動係数を制御する方法として前記した様に、重合性単量体の大きな油滴に対して、機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくするため、油滴径の分布は広くなり、従って得られるトナーの粒度分布は広く、個数変動係数は32%程度と大きいものであり、個数変動係数を小さくするためには分級操作が必要である。
【0075】
樹脂粒子を会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、例えば特開昭63−186253号公報に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度であり、また形状係数の変動係数は18%程度であり、更に角がないトナー粒子の割合も44個数%程度である。さらに、トナーの粒度分布は広く、個数変動係数は30%であり、個数変動係数を小さくするためには分級操作が必要である。
【0076】
〈トナーの製造方法〉
本発明のトナーは、少なくとも樹脂と着色剤と離型剤を含有するトナーであり、重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られるトナーであることが好ましい。さらに、少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られるトナーであることが好ましい。さらに好ましくは重合性単量体中に離型剤を含有させたものを水系媒体中で重合せしめたトナー、あるいはこの方法で得られた離型剤を含有した樹脂粒子を水系媒体中で会合させたもの、あるいは離型剤粒子と樹脂粒子とを水系媒体中で会合せしめて形成されたものである。
【0077】
以下、本発明のトナーを製造する方法について詳細に説明する。
本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中(水系媒体中)にて単量体を乳化重合して微粒の重合体粒子(樹脂粒子)を調製し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して当該樹脂粒子を会合する方法で製造することができる。ここで「会合」とは、前記樹脂粒子が複数個融着することをいい、当該樹脂粒子と他の粒子(例えば着色剤粒子)とが融着する場合も含むものとする。
【0078】
本発明のトナーを製造する方法の一例を示せば、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、撹拌機構が後述の撹拌翼である反応装置(撹拌装置)へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。
【0079】
なお、本発明でいうところの「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
【0080】
また、本発明のトナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。
【0081】
すなわち、樹脂粒子と着色剤や離型剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂と離型剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水や金属塩を添加して粒径成長を停止し、さらに加熱、撹拌を継続しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
【0082】
樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0083】
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0084】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0085】
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
【0086】
また、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
【0087】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することができる。
【0088】
本発明において優れた樹脂としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フローテスターで測定することができる。さらに、これら樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量が数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
【0089】
前記樹脂粒子を水系媒体中で会合させる際に使用される凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、水酸化アルミニウム等を挙げることができる。特に好ましいものは、塩化マグネシウムや水酸化アルミニウムの様な多価金属塩である。なお、これらは組み合わせて使用してもよい。
【0090】
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学17、601(1960)日本高分子学会編」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
【0091】
本発明の凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0092】
凝集剤と共に使用される「水に対して無限溶解する溶媒」としては、形成される樹脂を溶解させないものが選択される。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。特に、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
【0093】
この水に対して無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%が好ましい。
【0094】
また、凝集させた後、粒径が所望の粒径になった時点で粒子成長を停止する必要がある。このためには、金属塩の追加添加や水の添加を行う方法をあげることができる。例えば金属塩の添加の場合には、1価の金属塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどが使用される。この添加量は特に限定されないが、粒子成長が止まる程度の量でよい。
【0095】
なお、粒子形状を均一化させるためには、トナー粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ましいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが好ましい。この理由としては、極性基が存在している重合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発揮するために、形状の均一化が特に図られやすいからであると考えられる。
【0096】
本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤、離型剤を含有するものであるが、必要に応じて荷電制御剤等を含有することもできる。さらに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添加したものが好ましい。
【0097】
本発明のトナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いることができる。
【0098】
着色剤としては、染料ではC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、同155、同156、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いることができ、これらの混合物も用いることができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
【0099】
着色剤の添加方法としては、乳化重合法で調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集させる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重合させる段階で着色剤を添加し、重合し、トナー粒子とする方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用することが好ましい。
【0100】
さらに、離型剤として低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。また、離型剤としては高級脂肪酸と長鎖アルコールのエステルや高級脂肪酸と多価アルコールとの多価エステル類などのエステルワックス類、カルナウバワックス、キャンデリラワックスなどをあげることができる。
【0101】
好適には、下記一般式で示されるエステルワックスである。
−(OCO−R
n=1〜4の整数、好ましくは2〜4、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4である。
【0102】
、Rは置換基を有してもよい炭化水素基を示す。
:炭素数=1〜40、好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜5がよい。
【0103】
:炭素数=1〜40、好ましくは16〜30,さらに好ましくは18〜26がよい。
【0104】
【化1】
Figure 2004070124
【0105】
【化2】
Figure 2004070124
【0106】
添加量としては、トナー全質量に対し1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%がよい。
【0107】
なお、このエステル系ワックスを使用することが好ましい理由は、定着への影響に加え、転写性改善にも効果があるためである。この理由としては明確ではないが、現像時やクリーニング時に微少にこのものがトナー表面から感光体に移行し、感光体表面の表面エネルギーを下げることができ、結果として転写性が改良されるためと推定される。
【0108】
離型剤をトナー中に添加する方法としては特に限定されるものではないが、例えば着色剤粒子と同様に樹脂粒子と塩析/融着させる方法や、樹脂粒子を調整するためのモノマー中に定着性改良剤を溶解させ、その後に重合し樹脂粒子を調整する方法もある。
【0109】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0110】
なお、これら荷電制御剤の粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0111】
本発明のトナーでは、外添剤として無機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用することで転写性改良効果を発揮することができる。
【0112】
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定されるものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せきされているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
【0113】
疎水化度=(a/(a+50))×100
この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0114】
〈製造装置(反応装置)〉
いわゆる重合性単量体中に着色剤などのトナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れを制御することによりトナー粒子の形状を制御することができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化することで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となった粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さいほぼ球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中での媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることによりほぼ球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。
【0115】
図1は、一般的に使用されている撹拌翼の構成が一段の反応装置(撹拌装置)を示す説明図であり、2は撹拌槽、3は回転軸、4は撹拌翼、9は乱流形成部材である。
【0116】
懸濁重合法においては、特定の撹拌翼を使用することで、乱流を形成することができ、形状を容易に制御することができる。この理由としては明確ではないが、図1に示されるような撹拌翼4の構成が一段の場合には、撹拌槽2内に形成される媒体の流れが撹拌槽2の下部より上部への壁面を伝って動く流れのみになる。そのため、従来では一般的に撹拌槽2の壁面などの乱流形成部材9を配置することで乱流を形成し、撹拌の効率を増加することがなされている。しかし、この様な装置構成では、乱流が一部に形成されるものの、むしろ乱流の存在によって流体の流れが停滞する方向に作用し、結果として粒子に対するズリが少なくなるために、形状を制御することができない。
【0117】
懸濁重合法において好ましく使用することのできる撹拌翼を備えた反応装置について図面を用いて説明する。
【0118】
図2および図3は、そのような反応装置の一例を示す斜視図および断面図である。図2および図3に示す反応装置において、熱交換用のジャケット1を外周部に装着した縦型円筒状の撹拌槽2内の中心部に回転軸3を垂設し、該回転軸3に撹拌槽2の底面に近接させて配設された下段の撹拌翼40と、より上段に配設された撹拌翼50とが設けられている。上段の撹拌翼50は、下段に位置する撹拌翼40に対して回転方向に先行した交差角αをもって配設されている。本発明のトナーを製造する場合において、交差角αは90度(°)未満であることが好ましい。この交差角αの下限は特に限定されるものでは無いが、5°程度以上であることが好ましく、更に、好ましくは10°以上である。なお、三段構成の撹拌翼を設ける場合には、それぞれ隣接している撹拌翼間で交差角が90度未満であることが好ましい。
【0119】
このような構成とすることで、上段に配設されている撹拌翼50によりまず媒体が撹拌され、下側への流れが形成される。ついで、下段に配設された撹拌翼40により、上段の撹拌翼50で形成された流れがさらに下方へ加速されるとともにこの撹拌翼50自体でも下方への流れが別途形成され、全体として流れが加速されて進行するものと推定される。この結果、乱流として形成された大きなズリ応力を有する流域が形成されるために、得られるトナー粒子の形状を制御できるものと推定される。
【0120】
なお、図2および図3中、矢印は回転方向を示し、7は上部材料投入口、8は下部材料投入口、9は撹拌を有効にするための乱流形成部材である。
【0121】
ここにおいて撹拌翼の形状については、特に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠きのあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるスリットがあるものなどを使用することができる。これらの具体例を図10に記載する。図10(a)に示す撹拌翼5aは中孔部のないもの、同図(b)に示す撹拌翼5bは中央に大きな中孔部6bがあるもの、同図(c)に示す撹拌翼5cは横長の中孔部6c(スリット)があるもの、同図(d)に示す撹拌翼5dは縦長の中孔部6d(スリット)があるものである。また、三段構成の撹拌翼を設ける場合において、上段の撹拌翼に形成される中孔部と、下段の撹拌翼に形成される中孔部とは異なるものであっても、同一のものであってもよい。
【0122】
図4〜図8は、それぞれ、好ましく使用することのできる撹拌翼を備えた反応装置の具体例を示す斜視図であり、図4〜図8において、1は熱交換用のジャケット、2は撹拌槽、3は回転軸、7は上部材料投入口、8は下部材料投入口、9は乱流形成部材である。
【0123】
図4に示す反応装置において、撹拌翼41には折り曲げ部411が形成され、撹拌翼51にはフィン(突起)511が形成されている。
【0124】
なお、撹拌翼に折り曲げ部が形成されている場合において、折り曲げ角度は5〜45°であることが好ましい。
【0125】
図5に示す反応装置を構成する撹拌翼42には、スリット421が形成されていると共に、折り曲げ部422およびフィン423が形成されている。
【0126】
なお、当該反応装置を構成する撹拌翼52は、図2に示す反応装置を構成する撹拌翼50と同様の形状を有している。
【0127】
図6に示す反応装置を構成する撹拌翼43には、折り曲げ部431およびフィン432が形成されている。
【0128】
なお、当該反応装置を構成する撹拌翼53は、図2に示す反応装置を構成する撹拌翼50と同様の形状を有している。
【0129】
図7に示す反応装置を構成する撹拌翼44には、折り曲げ部441およびフィン442が形成されている。
【0130】
また、当該反応装置を構成する撹拌翼54には、中孔部541が中央に形成されている。
【0131】
図8に示す反応装置には、撹拌翼45(下段)と、撹拌翼55(中段)と、撹拌翼65とによる三段構成の撹拌翼が設けられてなる。
【0132】
これら折り曲げ部や上部あるいは下部への突起(フィン)を有する構成を持つ撹拌翼は、乱流を効果的に発生させるものである。
【0133】
なお、上記の構成を有する上段と下段の撹拌翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、少なくとも撹拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この理由としては明確では無いが、その間隙を通じて媒体の流れが形成されるため、撹拌効率が向上するものと考えられる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに対して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅である。
【0134】
さらに、撹拌翼の大きさは特に限定されるものでは無いが、全撹拌翼の高さの総和が静置状態での液面高さの50%〜100%、好ましくは60%〜95%である。
【0135】
また、層流を形成させる場合に使用される反応装置の一例を図9に示す。この反応装置には、乱流形成部材(邪魔板等の障害物)は設けられていない点に特徴を有する。
【0136】
図9に示した反応装置を構成する撹拌翼46および撹拌翼56は、それぞれ、図2に示す反応装置を構成する撹拌翼40および撹拌翼50と同様の形状および交差角αを有している。また、図9において、1は熱交換用のジャケット、2は撹拌槽、3は回転軸、7は上部材料投入口、8は下部材料投入口である。
【0137】
なお、層流を形成させる場合に使用される反応装置としては、図9に示されるものに限定されるものではない。
【0138】
また、かかる反応装置を構成する撹拌翼の形状については、乱流を形成させないものであれば特に限定されないが、方形板状のもの等、連続した面により形成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0139】
一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さらには融着後の形状制御工程において加熱温度、撹拌回転数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布および形状を任意に変化させることができる。
【0140】
すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の温度分布を均一化することができる撹拌翼および撹拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係数および均一な形状分布を有するトナーを形成することができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるいは凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加速された層流においては撹拌槽内の温度分布が均一である結果、融着粒子の形状分布が均一になるからであると推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、撹拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形状を任意に制御できる。
【0141】
樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法トナーを製造する際に使用される撹拌翼および撹拌槽としては、前述の懸濁重合法において層流を形成させる場合と同様のものが使用でき、例えば図9に示すものが使用できる。撹拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障害物を設けないことが特徴である。撹拌翼の構成については、前述の懸濁重合法に使用される撹拌翼と同様に、上段の撹拌翼が、下段の撹拌翼に対して回転方向に先行した交差角αを持って配設された、多段の構成とすることが好ましい。
【0142】
この撹拌翼の形状についても、前述の層流を形成させる場合と同様のものが使用でき、乱流を形成させないものであれば特に限定されないが、図10(a)に示した方形板状のもの等、連続した面により形成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0143】
〈画像形成方法〉
画像形成の方式については特に限定されるものではない。例えば、感光体上に複数の画像を形成し、一括で転写する方式、感光体に形成された画像を転写ベルトなどに逐次転写する方式など、特に限定されない。
【0144】
より好ましくは感光体上の複数の画像を形成し、一括で転写する方式にて効果はより顕著となる。
【0145】
この理由は明確ではないが、転写に必要なトナー量が多い場合に超音波振動による効果がより発揮され、均一な転写ができ、色再現性の向上や階調性の向上に効果を発揮することができるものと推定される。
【0146】
この方式は、感光体に対して均一帯電させ第一の画像に応じた露光を与え、その後、第一回目の現像を行い、感光体上に第一のトナー像を形成させる。ついで、その第一の画像が形成された感光体を均一帯電し第二の画像に応じた露光を与え、第二回目の現像を行い、感光体上に第二のトナー像を形成させる。さらに、第一及び第二の画像が形成された感光体を均一帯電し第三の画像に応じた露光を与え、第三回目の現像を行い、感光体上に第三のトナー像を形成させる。さらに、第一、第二及び第三の画像が形成された感光体を均一帯電し第四の画像に応じた露光を与え、第四回目の現像を行い、感光体上に第四のトナー像を形成させる。
【0147】
例えば、第一回目をイエロー、第二回目をマゼンタ、第三回目をシアン、第四回目を黒トナーで現像することで、フルカラートナー画像を感光体上に形成するものである。
【0148】
その後、感光体上に形成された画像を紙等の画像支持体に一括して転写を行い、さらに画像支持体に定着し、画像を形成する。
【0149】
本方式では、感光体上に形成された画像を一括して紙等に転写し、画像を形成する方式であるため、いわゆる中間転写方式とは異なり、画像を乱す要因となる転写の回数が1回ですみ、画像品質を高くすることができる。
【0150】
感光体に現像する方式としては、複数の現像が必要であることから、非接触現像が好ましい。また、現像に際しては交番電界を印加する方式も好ましい方式である。
【0151】
本発明の画像形成方法は、表面にトナー像を担持して所定の転写領域に搬送する像形成体を、上記転写領域において上記トナー像を間に挟むようにして所定の画像支持体と重ね合わせ、上記画像形成体と上記画像支持体との間に電界を付与するとともに、上記トナー像を間に挟んで重なり合った像形成体および画像支持体に対して非接触で対向する位置に配置された超音波放射手段から画像形成体および画像支持体に所定波長の超音波を放射することにより、上記トナー像を画像支持体に転写し、画像支持体に転写されたトナー像を最終的に定着することにより画像を形成する。
【0152】
上記超音波放射手段が超音波を放射する超音波放射面と、上記画像形成体あるいは画像支持体の、上記超音波放射面に対向する対向面とを平行に保ち、かつ上記超音波放射面と上記対向面との距離が上記波長の1/2の整数倍である位置に上記超音波放射手段を配置してその超音波放射手段からその対向面に向けて超音波を放射することを特徴とする。
【0153】
ここで、上記超音波放射手段が、上記電界付与手段よりも上記画像形成体のトナー像搬送方向下流側に上記電界付与手段に隣接して配置されたものであることが好ましい。
【0154】
また、上記超音波放射手段の、上記画像形成体のトナー像搬送方向上流側および下流側のいずれか一方あるいは双方に、上記超音波放射手段により上記画像形成体および上記画像支持体に与えられた振動が上記転写領域以外の領域に伝播することを防止する振動伝播防止手段を備えたものであることも好ましい態様である。
【0155】
図12は、本発明に係わるフルカラー画像形成装置の構成断面図である。
画像形成体であるベルト感光体1Kの周囲にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各一様帯電器2Y、2M、2C、2Bkが並置されている。同様にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各像露光器3Y、3M、3C、3Bk及び現像器4Y、4M、4C、4Bkが図12の如く並置されている。
【0156】
これら隣接して設置されている一様帯電器2Y、像露光器3Y及び現像器4Yにより、ベルト感光体1K上にイエローの単位画像をつくる。方法は単色の画像形成装置と同様であり、まず、一様帯電器2Yによりベルト感光体面を一様に帯電する、その感光体面を像露光器3Yで像様に露光し、イエローのカラートナーを装填させた現像器4Yにより現像して、イエロー画像の形成がなされる。
【0157】
ベルト感光体1Kの回転移動により、これとタイミングを合わせた画像形成をマゼンタ、シアン、ブラックについても感光体の同一領域に行い、各単位色画像が重ね合わさったフルカラートナー画像が形成される。
【0158】
ベルト感光体1Kが回転移動を続け、転写器5T・超音波装置7Uの地点に至ると、タイミングを合わせて搬送されてきた画像支持体Pの上にフルカラートナー画像は転写され、フルカラートナー画像を担持した画像支持体は定着器6Fの方へと搬送さてカラー画像が画像支持体に定着される。
【0159】
トナー像を転写後のベルト感光体はさらに回転移動を続けて、クリーニング器8C(クリーニングブレード8B)により感光体面の転写残トナー、紙粉等を除去された後、再び画像形成に使用されるのが普通である。
【0160】
本発明の画像形成方法では、今までの粒径や形状の分布が広いトナーでは混色などが発生し、良好な画像を形成することができなかったが、本発明のトナーは、前述したように、形状や粒径が揃っており、さらに角が無いトナーであることから、トナー間での帯電量や付着力の差が少なく、混色等を引き起こすことがなく、一括転写方式という、転写回数が少なく、画像乱れが少ない画像形成方式の利点を十分にいかすことができ、良好な画像を形成することが可能となったものである。
【0161】
尚、上記図12の如き画像形成装置の構成を採るためには、感光体はベルト状の形状を有するものが好ましい。
【0162】
本発明の画像形成方法に係わるトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合等が考えられ、いずれも好適に使用することができるが、キャリアと混合して使用する二成分現像剤として使用することが好ましい。
【0163】
又、前記した如く、現像方式としては、像形成体上に重ね合わせカラー画像を形成し、一括転写する方式については、非接触現像方式が好ましい。この現像方式の代表的現像装置(現像器)の構成を図13に示す。
【0164】
図13は、本発明の画像形成方法に好適に使用できる非接触現像方式の現像器の主要部の概略図であり、73は感光体、74は現像剤担持体、75はスリーブ、76は磁石、77は本発明のトナーを含有する二成分現像剤、78は現像剤層規制部材、79は現像領域、80は現像剤層、81は交番電界を形成するための電源である。
【0165】
本発明のトナーを含有する二成分現像剤77はその内部に磁石76を有する現像剤担持体74の磁気力により担持され、スリーブ75の移動により現像領域79に搬送される。この搬送に際して、現像剤層80は現像剤層規制部材78により、現像領域79に於いて、感光体73と接触することがないようにその厚さが規制される。
【0166】
現像領域79の最小間隙(Dsd)はその領域に搬送される現像剤層80の厚さ(概ね50〜300μmの層で搬送されることが好ましい)より大きく、例えば100〜1000μm(好ましくは100〜500μm)程度である。
【0167】
電源81は交番電界を形成するための電源であり、周波数200〜8000Hz、電圧500〜3000Vp−pの交流が好ましい。電源81には必要に応じて直流を交流に直列に加えた構成であってもよい。その場合、直流電圧としては300〜800Vが好ましい。
【0168】
二成分現像剤として使用することのできるキャリアの体積平均粒径は15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものが良い。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0169】
キャリアは、さらに樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン/アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0170】
本発明に使用される好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式をあげることができる。特に、接触加熱方式の代表的なものとして、熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式をあげることができる。
【0171】
【実施例】
次に、本発明の構成と効果を実施態様例に基づき具体的に説明するが、無論、本発明の構成はこれらに限定されるわけではない。
【0172】
(トナー製造例1:乳化重合会合法の例)
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.50kgと純水10.0リットルを入れ撹拌溶解した。この溶液に、モーガルL(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、1時間よく撹拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。このものを「着色剤分散液1」とする。
【0173】
また、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.055kgとイオン交換水4.0リットルとからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液A」とする。
【0174】
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0リットルとからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。
【0175】
過硫酸カリウム238gをイオン交換水12.0リットルに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
【0176】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた容積100リットルのGL(グラスライニング)反応釜に、「ノニオン界面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全量とを入れ、撹拌を開始した。次いで、イオン交換水44.0リットルを加えた。
【0177】
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kg、アクリル酸n−ブチル2.70kg、メタクリル酸1.14kg、エステル化合物19)1.5kg、t−ドデシルメルカプタン550gとからなる溶液を滴下しながら投入した。滴下終了後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱撹拌を行った。ついで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止し、ポールフィルターで濾過してラテックスを得た。これを「ラテックス−A」とする。
【0178】
なお、ラテックス−A中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は119℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.35万、重量平均粒径は115nmであった。
【0179】
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換純水4.0リットルに溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。
【0180】
また、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0リットルに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
【0181】
過硫酸カリウム(関東化学社製)200gをイオン交換水12.0リットルに溶解した溶液を「開始剤溶液F」とする。
【0182】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100リットルのGL反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度 29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入れ、撹拌を開始した。
【0183】
次いで、イオン交換水44.0リットルを投入した。加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加した。ついで、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.0gとをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱撹拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱撹拌を行った。液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止した。ポールフィルターで濾過し、この濾液を「ラテックス−B」とする。
【0184】
なお、ラテックス−B中の樹脂粒子のガラス転移温度は59℃、軟化点は133℃、分子量分布は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
【0185】
塩析剤としての塩化ナトリウム5.36kgをイオン交換水20.0リットルに溶解した溶液を「塩化ナトリウム溶液G」とする。
【0186】
フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gをイオン交換水1.00リットルに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液H」とする。
【0187】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒径および形状のモニタリング装置を付けた100リットルのSUS反応釜(図9に示した構成の反応装置,交差角αは25°)に、上記で作製したラテックス−A=20.0kgとラテックス−B=5.2kgと着色剤分散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ撹拌した。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加した。その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間加熱撹拌して塩析/融着させながら粒径成長させた。次に純水2.1リットルを添加して粒径成長を停止させた。
【0188】
温度センサー、冷却管、粒径および形状のモニタリング装置を付けた5リットルの反応容器(図9に示した構成の反応装置,交差角αは20°)に、上記で作製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱撹拌して形状制御した。その後、40℃以下に冷却し撹拌を停止した。
【0189】
次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。この非球形状粒子をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。得られた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して乳化重合会合法による黒トナーを得た。
【0190】
前記塩析/融着段階および形状制御工程のモニタリングにおいて、撹拌回転数、および加熱時間を制御することにより、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調整して、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなる黒トナー(Bkトナー)1〜5を得た。
【0191】
(トナー製造例2:乳化重合会合法の例)
トナー製造例1において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー93を1.05kg使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するイエロートナー(Yトナー)1〜5を得た。
【0192】
(トナー製造例3:乳化重合会合法の例)
トナー製造例1において、着色剤をカーボンブラックの代わりにローダミン系マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122)を1.20kg使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなるマゼンタトナー(Mトナー)1〜5を得た。
【0193】
(トナー製造例4:乳化重合会合法の例)
トナー製造例1において、着色剤をカーボンブラックの代わりにフタロシアニン系シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)を0.60kg使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなるシアントナー(Cトナー)1〜5を得た。
【0194】
(トナー製造例5:懸濁重合法の例)
スチレン=165g、n−ブチルアクリレート=35g、カーボンブラック=10g、エステル化合物19)=20g、スチレン−メタクリル酸共重合体=8gを60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した。これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)=10gを加えて溶解させ、重合性単量体組成物を調製した。ついで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TKホモミキサーにて13000rpmで撹拌しながら1.0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサーにて10000rpmで20分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、図2に示したような構成の反応装置(交差角αは45°)を使用し、75〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、ついで濾過、洗浄、乾燥させた。得られた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して懸濁重合法によるトナーを得た。
【0195】
前記重合時にモニタリングを行い、液温度、撹拌回転数、および加熱時間を制御することにより、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調整して、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなる黒トナー(Bkトナー)6〜8を得た。
【0196】
(トナー製造例6:懸濁重合法の例)
トナー製造例5において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー185を10g使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するイエロートナー(Yトナー)6〜8を得た。
【0197】
(トナー製造例7:懸濁重合法の例)
トナー製造例5において、着色剤をカーボンブラックの代わりにキナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122)を10g使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなるマゼンタトナー(Mトナー)6〜8を得た。
【0198】
(トナー製造例8:懸濁重合法の例)
トナー製造例5において、着色剤をカーボンブラックの代わりにフタロシアニン系シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)を10g使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなるシアントナー(Cトナー)6〜8を得た。
【0199】
(トナー製造例9:懸濁重合法の例)
トナー製造例5において、図9に示したような構成の反応装置(交差角αは15°)を使用したこと、および遠心分離機を用いた液中での分級を行わなかった他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなる黒トナー(Bk9)9を得た。
【0200】
(トナー製造例10:懸濁重合法の例)
トナー製造例9において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー93を10g使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するイエロートナー(Yトナー)9を得た。
【0201】
(トナー製造例11:懸濁重合法の例)
トナー製造例9において、着色剤をカーボンブラックの代わりにカーミン6Bのマゼンタ顔料を10g使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなるマゼンタトナー(Mトナー)9を得た。
【0202】
(トナー製造例12:懸濁重合法の例)
トナー製造例9において、着色剤をカーボンブラックの代わりにフタロシアニン系シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)を10g使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなるシアントナー(Cトナー)9を得た。
【0203】
(トナー製造例13:粉砕法の例)
スチレン−nブチルアクリレート共重合体樹脂100kgとカーボンブラック10kgとポリプロピレン4kgとからなるトナー原材料をヘンシェルミキサーにより予備混合し、二軸押出機にて溶融混練し、ハンマーミルにて粗粉砕し、ジェット式粉砕機にて粉砕し、得られた粉体をスプレードライヤーの熱気流中に分散して(200〜300℃に0.05秒間)形状を調整した粒子を得た。この粒子を風力分級機にて目的の粒径分布となるまで繰り返し分級した。得られた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して粉砕法によるトナーを得た。
【0204】
この様にして、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに粒径および粒度分布の変動係数を調整した、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなる黒トナー(Bkトナー)10〜11を得た。
【0205】
(トナー製造例14:粉砕法の例)
トナー製造例13において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー17を4kg使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するイエロートナー(Yトナー)10〜11を得た。
【0206】
(トナー製造例15:粉砕法の例)
トナー製造例13において、着色剤をカーボンブラックの代わりにキナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122)を4kg使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなるマゼンタトナー(Mトナー)10〜11を得た。
【0207】
(トナー製造例16:粉砕法の例)
トナー製造例13において、着色剤をカーボンブラックの代わりにフタロシアニン系シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)を4kg使用した他は同様にして、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなるシアントナー(Cトナー)10〜11を得た。
【0208】
以上のトナーの形状等を下記に示す。
【0209】
【表1】
Figure 2004070124
【0210】
【表2】
Figure 2004070124
【0211】
【表3】
Figure 2004070124
【0212】
〔評価〕
上記トナーの各々に対してシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の現像剤を調製した。これらをトナーに対応して、黒(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各々「現像剤1」〜「現像剤15」とする。
【0213】
図13の構成を有する非接触方式の現像装置を用いた、図12の構成を有する画像形成装置により評価を行った。
【0214】
超音波発生装置の条件は、40kHz・5Wにて行った。
上記条件にて、10万枚にわたる画像形成を行い、1枚目に形成された画像と、10万枚目に形成された画像とについて、色差の評価を行った。色差は下記手法で評価を行った。なお、画像形成については、特に変動が大きくなる、低温低湿環境(10℃/20%RH:LLと表記する)と、高温高湿環境(30℃/85%RH:HHと表記する)にて同様の評価を行い、色再現性の安定性を評価した。
【0215】
すなわち、両環境にて1枚目の形成画像および10万枚目の形成画像各々における二次色(レッド、ブルー、グリーン)のソリッド画像部の色を「Macbeth Color−Eye7000」により測定し、CMC(2:1)色差式を用いて色差を算出した。
【0216】
CMC(2:1)色差式で求められた色差が5以下であれば、形成された画像の色味の変化が許容できる程度といえる。
【0217】
また、転写及び定着時の画像アレを評価するために、4色のトナーを各ドットで構成させた線画の細線再現性(解像度)を比較した。解像度自体は「本/mm」で10倍のルーペで線が識別できるか否かを横線(現像方向に対して横方向)を判別した。
【0218】
【表4】
Figure 2004070124
【0219】
【表5】
Figure 2004070124
【0220】
上記の様に、画像形成した結果によれば、本発明内のもの(実施例1〜10)は、繰り返しの画像形成によっても細線再現性(解像度)の変化が少なく、二次色の色差も小さい。
【0221】
【発明の効果】
本発明により、超音波転写方式においても、文字チリや混色の発生を防止し、細線再現性が高く、カラー画像の色味変化がなく、高画質であり、転写効率が高い画像形成方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】撹拌翼の構成が一段の反応装置を示す説明図である。
【図2】好ましく使用することのできる撹拌翼を備えた反応装置の一例を示す斜視図である。
【図3】図2に示した反応装置の断面図である。
【図4】好ましく使用することのできる撹拌翼を備えた反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図5】好ましく使用することのできる撹拌翼を備えた反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図6】好ましく使用することのできる撹拌翼を備えた反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図7】好ましく使用することのできる撹拌翼を備えた反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図8】好ましく使用することのできる撹拌翼を備えた反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図9】層流を形成させる場合に使用される反応装置の一例を示す斜視図である。
【図10】撹拌翼の形状の具体例を示す概略図である。
【図11】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【図12】本発明に係わるフルカラー画像形成装置の構成断面図である。
【図13】非接触現像方式の現像器の主要部の概略図である。
【符号の説明】
1 熱交換用ジャケット
2 撹拌槽
3 回転軸
4 撹拌翼
α 交差角
73 感光体
74 現像剤担持体
75 スリーブ
76 磁石
77 二成分現像剤
78 現像剤層規制部材
79 現像領域
80 現像剤層
81 電源
1K ベルト感光体(静電潜像担持体)
3Y、3M、3C、3Bk 像露光器
4Y、4M、4C、4Bk 現像器
5T 転写器
6F 定着器
7U 超音波装置
Dsd 最小間隙
P 画像支持体

Claims (15)

  1. 表面にトナー像を担持して所定の転写領域に搬送された画像形成体を、該転写領域において該トナー像を間に挟むように画像支持体と重ね合わせ、該画像形成体と該画像支持体との間に電界を付与すると共に、非接触状態で対向する位置に配置された超音波放射手段より、像形成体及び画像支持体に超音波を放射することでトナー像を画像支持体に転写し、その後、画像支持体上にトナー像を接触加熱定着する画像形成方法において、使用されるトナーが、少なくとも樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー粒子よりなり、且つ、形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー粒子からなることを特徴とする画像形成方法。
  2. 形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μmであるトナーを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーを用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 表面にトナー像を担持して所定の転写領域に搬送された画像形成体を、該転写領域において該トナー像を間に挟むようにして所定の画像支持体に重ね合わせ、該画像形成体と該画像支持体の間に電界を付与すると共に、非接触で対向する位置に配置された超音波放射手段より画像形成体及び画像支持体に所定波長の超音波を放射することでトナー像を画像支持体に転写し、その後、画像支持体上にトナー像を接触加熱定着する画像形成方法において、トナーが少なくとも樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー粒子よりなり、且つ、角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー粒子からなるトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  8. 形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  10. トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μmであるトナーを用いることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーを用いることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  12. 表面にトナー像を担持して所定の転写領域に搬送する画像形に成体を、該転写領域において該トナー像を間に挟むようにして所定の画像支持体重ね合わせ、該画像支持体と該画像支持体の間に電界を付与するとともに非接触で対向する位置に配置された超音波放射手段より、画像形成体及び画像支持体に所定波長の超音波を放射することでトナー像を画像支持体に転写し、その後、画像支持体上にトナー像を接触加熱定着する画像形成方法において、少なくとも樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー粒子よりなり、且つ、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下であるトナー粒子からなるトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  13. 角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であるトナーを用いることを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
  14. トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μmであるトナーを用いることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成方法。
  15. トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーを用いることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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