JP2004069015A - デテント機構付電磁切換弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動鉄心が固定鉄心に接した状態で鋼球17、18は環状溝22の傾斜面22Aに接し、傾斜面22Aは弁体2の軸方向内方(図4の左方)に向けて順次縮径するテーパ状に形成する。鋼球17、18を傾斜面22Aに押し付けるばね19の弾性力の軸方向分力が図4の左方へ作用して弁体2を一方の切換位置に向けて押圧する。このため、可動鉄心を固定鉄心に吸引する吸引力で弁体2を一方の切換位置と他方の切換位置との間の全行程を押圧しなくて良く、可動鉄心の行程距離を短くできる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の流路間を切換連通する弁体の切換位置を自己保持するデテント機構を備えたデテント機構付電磁切換弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデテント機構付電磁切換弁は、弁本体(弁ボディ)内に弁体(弁スプール)を軸方向へ摺動自在に嵌挿し、弁本体の両側部に設けたソレノイド部の一方に通電して固定鉄心に吸引される可動鉄心(プランジャ)で弁体を一方の切換位置に向けて押圧したり、他方のソレノイド部に通電して固定鉄心に吸引される可動鉄心で弁体を他方の切換位置に向けて押圧したりして、複数の流路間を切換連通する。そして、弁体には軸方向へ離間して2個の環状溝を形成し、一方及び他方の切換位置で一方及び他方の環状溝にそれぞれ鋼球が嵌合してばねの弾性力によって係止された状態で自己保持するデテント機構を備えている。(例えば、実用新案登録第2581185号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる従来のデテント機構付電磁切換弁では、一方または他方の切換位置に自己保持された弁体を他方または一方の切換位置に向けて押圧する際に、ソレノイド部への通電で可動鉄心を固定鉄心に吸引する吸引力に基づき弁体を押圧するため、弁体の一方または他方の切換位置で鋼球を環状溝に係止するばねの弾性力に基づく自己保持力を上回る大きな吸引力を有するソレノイド部を必要としてソレノイド部が大型化してしまう。
【0004】
本発明は、ソレノイド部の固定鉄心に吸引される可動鉄心の行程距離を弁体の一方と他方との切換位置間の行程距離より短くし、可動鉄心の短い行程距離に基づきソレノイド部を大型化することなく大きな吸引力で自己保持された弁体を確実に切換作動し得るデテント機構付電磁切換弁を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、弁本体内に弁体を軸方向へ摺動自在に嵌挿し、弁体は軸方向へ離間した一方の切換位置と他方の切換位置とにおいて流体が流通する複数の流路間を切換連通自在に設け、弁本体の両側部には通電により発生する吸引力で可動鉄心を固定鉄心に向けて軸方向へ吸引するソレノイド部をそれぞれ備え、一方のソレノイド部は通電により固定鉄心に吸引される可動鉄心で弁体を一方の切換位置に向けて押圧するよう可動鉄心を弁体の軸方向一端部と係合自在に設け、他方のソレノイド部は通電により固定鉄心に吸引される可動鉄心で弁体を他方の切換位置に向けて押圧するよう可動鉄心を弁体の軸方向他端部と係合自在に設け、弁本体には軸方向へ移動不能で径方向へ移動自在に設けた球状部材を弾性力で径方向の内方へ付勢し、弁体には一方及び他方の切換位置でそれぞれ弾性力により付勢された球状部材が係止する2個の環状溝を軸方向へ離間して形成し、弾性力により付勢された球状部材と2個の環状溝とで弁体を一方及び他方の切換位置で自己保持するデテント機構を構成し、両環状溝にはそれぞれソレノイド部への通電により吸引された可動鉄心が固定鉄心に接した状態で球状部材が接する傾斜面を有し、一方の環状溝に有する傾斜面は球状部材を押し付ける弾性力の軸方向分力で弁体を一方の切換位置に向けて押圧するよう軸方向へ向けて順次縮径するテーパ状に形成すると共に、他方の環状溝に有する傾斜面は球状部材を押し付ける弾性力の軸方向分力で弁体を他方の切換位置に向けて押圧するよう軸方向へ向けて順次縮径するテーパ状に形成して成る。この場合、前記両環状溝は断面形状を略V字形状に形成し、略V字形状における二つの傾斜面の一つを、ソレノイド部への通電により吸引された可動鉄心が固定鉄心に接した状態で球状部材が接する傾斜面としても良い。
【0006】
かかる本発明によると、一方または他方のソレノイド部を通電すると、可動鉄心が固定鉄心に吸引されて弁体を一方または他方の切換位置に向けて押圧し、吸引された可動鉄心が固定鉄心に接した状態では、可動鉄心によりこれ以上弁体を一方または他方の切換位置に向けて押圧することはできないが、弾性力により径方向の内方へ付勢された球状部材が一方または他方の環状溝に有した傾斜面に接し、球状部材を傾斜面に押し付ける弾性力の軸方向分力で弁体を一方または他方の切換位置に向けて押圧し、一方または他方の切換位置で球状部材が一方または他方の環状溝に係止して弁体を自己保持する。このため、ソレノイド部における可動鉄心を固定鉄心に吸引する吸引力で弁体を一方の切換位置と他方の切換位置との間の全行程を押圧しなくて良く、固定鉄心に吸引される可動鉄心の行程距離を弁体の一方の切換位置と他方の切換位置との間の行程距離より短くでき、可動鉄心の短い行程距離に基づきソレノイド部を大型化することなく大きな吸引力で自己保持された弁体を確実に切換作動することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。
図1において、1は弁本体で、略直方体形状を成し、 スプール状の弁体2を軸方向へ摺動自在に嵌挿する嵌挿孔3を内部に貫通形成し、弁本体1の両側面に開口する嵌挿孔3の両端部にはそれぞれめねじ部を螺刻している。嵌挿孔3の軸方向の略中央部には圧力流体を供給する供給流路Pを開口し、また、供給流路Pの接続個所の軸方向両側へ間隙を有して流体アクチュエータ(図示せず)に接続する2個の負荷流路A、Bをそれぞれ開口し、さらに両負荷流路A、Bの軸方向外側へ間隙を有して低圧側に接続する排出流路R1、R2をそれぞれ開口している。弁体2は図1の上半分に示す一方の切換位置では供給流路Pを負荷流路Aに切換連通すると共に負荷流路Bを排出流路R2に切換連通し、図1の下半分に示す他方の切換位置では供給流路Pを負荷流路Bに切換連通すると共に負荷流路Aを排出流路R1に切換連通するようランド部2A、2Bを備えている。
【0008】
5A、5Bはソレノイド部で、固定鉄心6A、6Bを嵌挿孔3の両端部のめねじ部にそれぞれ螺合して弁本体1の両側部に備えている。両ソレノイド部5A、5Bは固定鉄心6A、6Bと対向して可動鉄心7A、7Bを筒状部材8A、8Bの内部に軸方向へ摺動自在に嵌挿し、コイル9A、9Bへの通電により発生する吸引力で可動鉄心7A、7Bを固定鉄心6、6Bに向けて軸方向へ吸引し、吸引する終端で可動鉄心7A、7Bが固定鉄心6A、6Bに接する。一方のソレノイド部5Aは吸引される可動鉄心7Aで弁体2を一方の切換位置に向けて押圧するよう可動鉄心7Aをピン部材10Aを介して弁体2の軸方向一端部と係合自在に設け、他方のソレノイド部5Bは吸引される可動鉄心7Bで弁体2を他方の切換位置に向けて押圧するよう可動鉄心7Bをピン部材10Bを介して弁体2の軸方向他端部と係合自在に設け、両ピン部材10A、10Bはそれぞれ固定鉄心6A、6Bの内部を軸方向へ挿通して弁体2の軸方向端部に至っている。11は弁本体1上部に備えた端子箱で、外部電源からの電気配線を両ソレノイド部5A、5Bのコイル9A、9Bと電機接続する。
【0009】
12は保持部材で、一方のソレノイド部5Aの固定鉄心6Aを嵌挿孔3のめねじ部に螺合することで弁本体1と固定鉄心6Aとの間に挟持されて弁本体1内部に取り付けられ、図2及び図3に示す如き、中心部には弁体2の軸方向一端部を軸方向へ挿通する挿通孔13を貫設している。保持部材12には外面を環状に窪ませて収装溝14を形成すると共に、外面における収装溝16の形成個所と挿通孔13との間を径方向へ貫通して2個の縦孔15、16を対向形成し、収装溝14は縦孔15、16の略中心部を通り、溝幅寸法を縦孔15、16の直径寸法より小さく設けている。17、18は球状部材としての鋼球で、保持部材12の縦孔15、16に嵌挿することで軸方向へ移動不能で径方向へ移動自在に設けている。19は断面形状を略C字形状に形成したばねで、保持部材12の収装溝14に収装して鋼球17、18の外周面に圧接し、鋼球17、18を自己の弾性力で径方向の内方へ付勢している。20、21はピン形状の回り止め部材で、収装溝14に収装したばね19の回転を阻止するよう保持部材12に設けている。保持部材12の挿通孔13に挿通する弁体2の軸方向一端部には、外周面を窪ませて2個の環状溝22、23を軸方向へ離間して形成し、弁体2の一方の切換位置で一方の環状溝22にばね19の弾性力により付勢された鋼球17、18が係止すると共に、弁体2の他方の切換位置で他方の環状溝23にばね19の弾性力により付勢された鋼球17、18が係止し、保持部材12に設けてばね19の弾性力により付勢された鋼球17、18と2個の環状溝22、23とで弁体2を一方及び他方の切換位置で自己保持するデテント機構を構成する。
【0010】
両環状溝22、23は断面形状を略V字形状に形成し、一方の環状溝22が弁体2の軸方向外方(図3の右方)に位置すると共に、他方の環状溝23が弁体2の軸方向内方(図3の左方)に位置する。一方の環状溝22は略V字形状における軸方向中心部を対称として軸方向内方の傾斜面22Aと軸方向外方の傾斜面22Bとの二つを有し、軸方向内方にある一つの傾斜面22Aは一方のソレノイド部5Aへの通電により吸引された可動鉄心7Aが固定鉄心6Aに接した状態で鋼球17、18を接し、鋼球17、18を押し付けるばね19の弾性力の軸方向分力で弁体2を一方の切換位置に向けて押圧するよう弁体2の軸方向内方に向けて順次縮径するテーパ状に形成している。もう一つの傾斜面22Bは弁体2の軸方向外方に向けて順次縮径するテーパ状に形成し、弁体2の一方の切換位置では鋼球17、18を二つの傾斜面22A、22Bにそれぞれ接する2点支持で環状溝22に係止する。他方の環状溝23は略V字形状における軸方向中心部を対称として軸方向内方の傾斜面23Bと軸方向外方の傾斜面23Aとの二つを有し、軸方向外方にある一つの傾斜面23Aは他方のソレノイド部5Bへの通電により吸引された可動鉄心7Bが固定鉄心6Bに接した状態で鋼球17、18を接し、鋼球17、18を押し付けるばね19の弾性力の軸方向分力で弁体2を他方の切換位置に向けて押圧するよう弁体2の軸方向外方に向けて順次縮径するテーパ状に形成している。もう一つの傾斜面23Bは弁体2の軸方向内方に向けて順次縮径するテーパ状に形成し、弁体2の他方の切換位置では鋼球17、18を二つの傾斜面23A、23Bにそれぞれ接する2点支持で環状溝23に係止する。
【0011】
次に、かかる構成の作動を説明する。
図1における弁体2の下半分及び図3は、鋼球18、19が他方の環状溝23に係止して弁体2を他方の切換位置で自己保持した状態を示し、両ソレノイド部5A、5Bは非通電で、弁体2は供給流路Pを負荷流路Bに切換連通すると共に負荷流路Aを排出流路R1に切換連通している。
【0012】
この状態で、一方のソレノイド部5Aに通電すると、通電により発生する吸引力で可動鉄心7Aが固定鉄心6Aに向けて軸方向へ図1の左方に吸引され、この吸引によりピン部材10Aを介して弁体2を一方の切換位置に向けて図1の左方に押圧し、鋼球17、18は他方の環状溝23から離脱する。このとき、弁体2の図1左方への押圧に伴い、他方のソレノイド部5Bの可動鉄心7Bもピン部材10Bを介して図1の左方に押圧される。そして、吸引される可動鉄心7Aが固定鉄心6Aに接すると、可動鉄心7Aによりこれ以上弁体2を一方の切換位置に向けて押圧することはできないが、図4に示す如き、ばね19の弾性力により径方向の内方へ付勢された鋼球17、18が一方の環状溝22の傾斜面22Aに接し、鋼球17、18を傾斜面22Aに押し付けるばね19の弾性力の軸方向分力が図4の左方に作用して弁体2を一方の切換位置に向けて図4の左方に押圧する。
【0013】
そして、図1における弁体2の上半分及び図5に示す如き、弁体2が一方の切換位置に達すると、ばね19の弾性力で径方向の内方へ付勢される鋼球17、18は、一方の環状溝22における軸方向中心部に位置して二つの傾斜面22A、22Bにそれぞれ接する2点支持で環状溝22に係止して弁体2を自己保持し、弁体2は供給流路Pを負荷流路Aに切換連通すると共に負荷流路Bを排出流路R2に切換連通する。このとき、弁体2の軸方向一端部はピン部材10Aから離間する。そして、一方のソレノイド部5Aを非通電にする。
【0014】
弁体2を一方の切換位置に自己保持する図1における弁体2の上半分及び図5に示す状態で、他方のソレノイド部5Bを通電すると、通電により発生する吸引力で可動鉄心7Bが固定鉄心6Bに向けて軸方向へ図1の右方へ吸引され、ピン部材10Bを介して弁体2を他方の切換位置に向けて図1の右方へ押圧し、鋼球17、18は一方の環状溝22から離脱する。このとき、弁体2の図1右方への押圧に伴い、一方のソレノイド部5Aの可動鉄心7Aもピン部材10Aを介して図1の右方に押圧される。そして、吸引される可動鉄心7Bが固定鉄心6Bに接すると、可動鉄心7Bによりこれ以上弁体2を他方の切換位置に向けて押圧することはできないが、鋼球17、18が他方の環状溝23の傾斜面23Aに接し、鋼球17、18を傾斜面23Aに押し付けるばね19の弾性力の軸方向分力が図1の右方に作用して弁体2を他方の切換位置に向けて押圧し、図1における弁体2の下半分及び図3に示す他方の切換位置に弁体2が復帰すると、鋼球17、18は他方の環状溝23における軸方向中心部に位置して二つの傾斜面23A、23Bにそれぞれ接する2点支持で環状溝23に係止して弁体2を自己保持し、このとき、弁体2の軸方向他端部はピン部材10Bから離間する。そして、他方のソレノイド部5Bを非通電にする。
【0015】
かかる作動で、弁体2を一方または他方の切換位置から他方または一方の切換位置へ切換作動する際に、ソレノイド部5A、5Bにおける可動鉄心7A、7Bが吸引されて固定鉄心6A、6Bに接した状態で、鋼球17、18を一方または他方の環状溝22または23に有する傾斜面22Aまたは23Aに接し、鋼球17、18を傾斜面22Aまたは23Aに押し付けるばね19の弾性力の軸方向分力で弁体2を一方または他方の切換位置に向けて押圧するため、ソレノイド部5A、5Bにおける可動鉄心7A、7Bを固定鉄心6A、6Bに吸引する吸引力で弁体2を一方の切換位置と他方の切換位置との間の全行程を押圧しなくて良く、固定鉄心6A、6Bに吸引される可動鉄心7A、7Bの行程距離を弁体2の一方の切換位置と他方の切換位置との間の行程距離より短くでき、可動鉄心7A、7Bの短い行程距離に基づきソレノイド部5A、5Bを大型化することなく大きな吸引力で自己保持された弁体2を確実に切換作動することができる。また、鋼球17、18を環状溝22、23に係止するためのばね19の弾性力の軸方向分力で弁体2を一方または他方の切換位置に向けて押圧するため、鋼球17、18を付勢するばね19の弾性力を利用して弁体2を押圧することができ、ソレノイド部5A、5Bの他に弁体2を押圧する格別な手段を別途設ける必要がなく、部品点数の増加による構成の複雑化を招くことなくできる。さらにまた、環状溝22、23は断面形状を略V字形状に形成し、略V字形状における二つの傾斜面22A、22Bと23A、23Bの一つを、ソレノイド部5A、5Bへの通電により吸引された可動鉄心7A、7Bが固定鉄心6A、6Bに接した状態で鋼球17、18が接する傾斜面22A、23Aとしているため、環状溝22、23の溝形状を複雑な形状にすることなく簡易に形成することができる。
【0016】
図6は、デテント機構を弁体2の軸方向他端部側に設けた第1実施形態の変形例を示し、異なる個所について説明すると、保持部材12を弁本体1と他方のソレノイド部5Bの固定鉄心6Bとの間に挟持して弁本体1内部に取り付け、保持部材12の挿通孔13へ挿通する弁体2の軸方向他端部の外周面を窪ませて2個の環状溝22、23を軸方向へ離間して形成しているが、第1実施形態とは逆の配置で、一方の環状溝22が弁体2の軸方向内方(図6の右方)に位置すると共に、他方の環状溝23が弁体2の軸方向外方(図6の左方)に位置する。そして、一方の環状溝22における二つの傾斜面22A、22Bで、軸方向外方にあり弁体2の軸方向外方に向けて順次縮径するテーパ状に形成した一つの傾斜面22Aが一方のソレノイド部5Aへの通電により吸引された可動鉄心7Aが固定鉄心6Aに接した状態で鋼球17、18を接してばね19の弾性力の軸方向分力で弁体2を一方の切換位置に向けて押圧する。また、他方の環状溝23における二つの傾斜面23A、23Bで、軸方向内方にあり弁体2の軸方向内方に向けて順次縮径する一つの傾斜面23Aが他方のソレノイド部5Bへの通電により吸引された可動鉄心7Bが固定鉄心6Bに接した状態で鋼球17、18を接してばね19の弾性力の軸方向分力で弁体2を他方の切換位置に向けて押圧する。そして、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0017】
図7は本発明の第2実施形態を示し、第1実施形態と同一個所については同符号を付して説明を省略し、異なる個所についてのみ説明する。
弁体2の軸方向一端部に、軸方向へ離間して外周面を窪ませて形成した2個の環状溝30、31は、一つの傾斜面30A、31Aと一つの垂直面30B、31Bとをそれぞれ有している。一方の環状溝30に有する傾斜面30Aはソレノイド部5Aへの通電により吸引された可動鉄心7Aが固定鉄心6Aに接した状態で鋼球17、18を接し、弁体2の軸方向内方(図7の左方)に向けて順次縮径するテーパ状に形成し、垂直面30Bは傾斜面30Aの最縮径個所に連なって弁体2の外周面に至る。他方の環状溝31に有する傾斜面31Aはソレノイド部5Bへの通電により吸引された可動鉄心7Bが固定鉄心6Bに接した状態で鋼球17、18を接し、弁体2の軸方向外方(図7の右方)に向けて順次縮径するテーパ状に形成し、垂直面31Bは傾斜面31Aの最縮径個所に連なって弁体2の外周面に至る。そして、弁体2の一方の切換位置で鋼球17、18を傾斜面30A及び垂直面30Bと弁体2外周面との稜部にそれぞれ接する2点支持で一方の環状溝30に係止し、弁体2の他方の切換位置で鋼球17、18を傾斜面31A及び垂直面31Bと弁体2外周面との稜部にそれぞれ接する2点支持で他方の環状溝31に係止する。
作動は、第1実施形態と同様で、可動鉄心7A、7Bの短い行程距離に基づきソレノイド部5A、5Bを大型化することなく大きな吸引力で自己保持された弁体2を確実に切換作動することができ、また、鋼球17、18を環状溝30、31に係止するためのばね19の弾性力を利用して弁体2を一方または他方の切換位置に向けて押圧するため、部品点数の増加による構成の複雑化を招くことなくできる。
【0018】
なお、前述の各実施形態では、球状部材として鋼球17、18を用いたが、硬質材より成るボール等を用いても良く、また、鋼球17、18を弾性力で径方向の内方へ付勢するばねとして断面形状を略C字形状に形成したばね19を用いたが、鋼球17、18をそれぞれ径方向の内方へ付勢する二つのコイルばねや板ばね等を用いて適宜実施できることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
このように請求項1に記載の発明では、両環状溝にはそれぞれソレノイド部への通電により吸引された可動鉄心が固定鉄心に接した状態で球状部材が接する傾斜面を有し、一方の環状溝に有する傾斜面は球状部材を押し付ける弾性力の軸方向分力で弁体を一方の切換位置に向けて押圧するよう軸方向へ向けて順次縮径するテーパ状に形成すると共に、他方の環状溝に有する傾斜面は球状部材を押し付ける弾性力の軸方向分力で弁体を他方の切換位置に向けて押圧するよう軸方向へ向けて順次縮径するテーパ状に形成しことにより、固定鉄心に吸引される可動鉄心の行程距離を弁体の一方の切換位置と他方の切換位置との間の行程距離より短くでき、可動鉄心の短い行程距離に基づきソレノイド部を大型化することなく大きな吸引力で自己保持された弁体を確実に切換作動することができる。また、球状部材を径方向の内方へ付勢して環状溝に係止する弾性力の軸方向分力で弁体を一方または他方の切換位置に向けて押圧するため、球状部材を付勢する弾性力を利用して弁体を押圧することができ、ソレノイド部の他に弁体を押圧する格別な手段を別途設ける必要がなく、部品点数の増加による構成の複雑化を招くことなくできる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明の効果に加え、環状溝は断面形状を略V字形状に形成し、略V字形状における二つの傾斜面の一つを、ソレノイド部への通電により吸引された可動鉄心が固定鉄心に接した状態で球状部材が接する傾斜面としているため、環状溝の溝形状を複雑な形状にすることなく簡易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示したデテント機構付電磁切換弁の縦断面図である。
【図2】図1の線A−Aに沿った拡大断面図である。
【図3】要部の拡大断面図である。
【図4】図3の作動状態を示した図である。
【図5】図4とは異なる作動状態を示した図である。
【図6】第1実施形態の変形例を示した要部の拡大断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示した要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 弁本体
2 弁体
5A、5B ソレノイド部
6A、6B 固定鉄心
7A、7B 可動鉄心
17、18 鋼球(球状部材)
22、23、30、31 環状溝
22A、23A、30A、31A 傾斜面
Claims (2)
- 弁本体内に弁体を軸方向へ摺動自在に嵌挿し、弁体は軸方向へ離間した一方の切換位置と他方の切換位置とにおいて流体が流通する複数の流路間を切換連通自在に設け、弁本体の両側部には通電により発生する吸引力で可動鉄心を固定鉄心に向けて軸方向へ吸引するソレノイド部をそれぞれ備え、一方のソレノイド部は通電により固定鉄心に吸引される可動鉄心で弁体を一方の切換位置に向けて押圧するよう可動鉄心を弁体の軸方向一端部と係合自在に設け、他方のソレノイド部は通電により固定鉄心に吸引される可動鉄心で弁体を他方の切換位置に向けて押圧するよう可動鉄心を弁体の軸方向他端部と係合自在に設け、弁本体には軸方向へ移動不能で径方向へ移動自在に設けた球状部材を弾性力で径方向の内方へ付勢し、弁体には一方及び他方の切換位置でそれぞれ弾性力により付勢された球状部材が係止する2個の環状溝を軸方向へ離間して形成し、弾性力により付勢された球状部材と2個の環状溝とで弁体を一方及び他方の切換位置で自己保持するデテント機構を構成し、両環状溝にはそれぞれソレノイド部への通電により吸引された可動鉄心が固定鉄心に接した状態で球状部材が接する傾斜面を有し、一方の環状溝に有する傾斜面は球状部材を押し付ける弾性力の軸方向分力で弁体を一方の切換位置に向けて押圧するよう軸方向へ向けて順次縮径するテーパ状に形成すると共に、他方の環状溝に有する傾斜面は球状部材を押し付ける弾性力の軸方向分力で弁体を他方の切換位置に向けて押圧するよう軸方向へ向けて順次縮径するテーパ状に形成しことを特徴とするデテント機構付電磁切換弁。
- 前記両環状溝は断面形状を略V字形状に形成し、略V字形状における二つの傾斜面の一つを、ソレノイド部への通電により吸引された可動鉄心が固定鉄心に接した状態で球状部材が接する傾斜面としたことを特徴とする請求項1に記載のデテント機構付電磁切換弁。
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