JP2004068209A - 熱転写方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】手工業的な生産に適した熱転写方法を提供することである。
【解決手段】昇華型転写シートを使用してシャツ32に模様を熱転写する熱転写方法である。その際、昇華型転写シートを転写する模様毎に切り抜く。つぎに、昇華型転写シートから切り抜いた部分22をシャツ32の転写個所に重ねて配置して加熱し、前記切り抜いた部分22の模様をシャツ32に転写する。
さらに、切り抜いた部分(前記切り抜いた部分22に相当する。)を複数形成し、前記切り抜いた部分の模様を被転写物に転写した後に、さらに、前記切り抜いた他の部分の模様を前記転写した模様の一部分に重ねて転写する。さらに、加熱時間および加熱温度の調節により、前記切抜いた部分の模様の転写時に加える転写用熱量を調節する。
【選択図】 図5
【解決手段】昇華型転写シートを使用してシャツ32に模様を熱転写する熱転写方法である。その際、昇華型転写シートを転写する模様毎に切り抜く。つぎに、昇華型転写シートから切り抜いた部分22をシャツ32の転写個所に重ねて配置して加熱し、前記切り抜いた部分22の模様をシャツ32に転写する。
さらに、切り抜いた部分(前記切り抜いた部分22に相当する。)を複数形成し、前記切り抜いた部分の模様を被転写物に転写した後に、さらに、前記切り抜いた他の部分の模様を前記転写した模様の一部分に重ねて転写する。さらに、加熱時間および加熱温度の調節により、前記切抜いた部分の模様の転写時に加える転写用熱量を調節する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇華型等の転写シートを使用した熱転写方法に関し、特に、衣服等に手工業的に模様を転写するのに適した熱転写方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の転写シートを使用した熱転写方法は、生地等に模様を転写することを機械式に行うものであり、大量生産に適しているものであった。このため、大量のポリエステル生地に模様を転写すること等が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の転写シートを使用した熱転写方法は、大量生産される生地等に模様を転写する場合には適しているが、少量の手工業的な模様の転写には適さず、特に、少量生産の多種類の衣服等に模様を転写することには適していなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、転写シートを使用して衣服等に手工業的に模様を転写するのに適した熱転写方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、転写シート(転写紙を含む。)を使用して被転写物(例えば、シャツ等の衣服、ビニールシート、ボタン等)に模様(文字、図形等を含む。)を転写する熱転写方法であって、転写シートを転写する模様毎に切り抜く第1工程と、前記転写シートから切り抜いた部分を前記被転写物の転写個所に重ねて配置して加熱し、前記転写シートから切り抜いた部分の模様を前記被転写物に転写する第2工程とを備えることを特徴とする熱転写方法である。
これにより、転写シートから転写する模様を切り抜き、この切り抜いた部分を被転写物の転写個所に重ねて配置して加熱することにより、転写シートに描かれた模様を形成するインキが熱により転写シートから離れて(昇華等により離れる場合を含む。)被転写物に付着するので、転写シートの模様を被転写物に熱転写することができる。
【0005】
さらに、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記転写シートから切り抜いた部分を複数形成し、前記転写シートから切り抜いた部分の模様を前記被転写物に転写した後に、さらに、前記転写シートから切り抜いた他の部分の模様を前記転写した模様の一部分に重ねて転写することである。
これにより、転写シートから切り抜いた複数の部分の模様を被転写物に転写する際に、先に転写した模様の一部分に重ねて他の模様を転写すると、転写された模様の奥行き、深み、色彩の幅を広げることが容易になる。
【0006】
さらに、請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記転写シートが昇華型転写シートであり、前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の模様の転写時に加える転写用熱量を調節することである。
これにより、前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の模様の転写時に加える転写用熱量を調節すると、転写時に前記昇華型転写シートから昇華して離れる模様のインキの量を調節することができるので、前記被転写物に付着する模様のインキの量を調節することができ、被転写物に転写された模様に濃淡をつけることができる。
【0007】
さらに、請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記転写用熱量の調節を前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の加熱時間を調節することにより行うことである。
これにより、転写時の加熱時間の調節により、容易に転写用熱量を調節することができる。
【0008】
さらに、請求項5に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記転写用熱量の調節を前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の加熱温度を調節することにより行うことである。
これにより、転写時の加熱温度の調節により、容易に転写用熱量を調節することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図3までは、本発明の実施の形態に係わる熱転写方法の一例を説明している。図1は、本発明の実施の形態に係わる熱転写方法に使用する昇華型転写シートを示している。図1において、昇華型転写シート10は、地の部分11に羽の模様12、13、羽の模様12、13の影の部分12a、13a、マリモの模様14、15等を描いたものである。なお、昇華型転写シート10については、その模様がベースシート側から透けて見えた状態が示されている。後述する他の転写シートについても同様である。
なお、昇華型転写シート10は、その模様を構成するインキが加熱により昇華するものであるので、このインキが加熱により昇華して気体となって衣服等の被転写物に付着することにより、昇華型転写シート10の模様が衣服等の被転写物に転写される。
【0010】
図2は、昇華型転写シート10から切り抜いた部分の第1の例を示す。この場合の切り抜く工程は、請求項1における「第1工程」に相当する。図2において、羽の形の切り抜いた部分21が示されている。切り抜いた部分21は、羽の模様12およびその周りの影の部分12aを含んでいる。
図3は、図2の切り抜いた部分21の模様をシャツに熱転写した状態を示す。図3において 切り抜いた部分21をシャツ31の転写個所(例えば襟部31aと胴部31bとの中間の位置)に重ねて配置して加熱し、切り抜いた部分21の模様をシャツ31に転写する。なお、この転写工程は、請求項1における「第2工程」に相当し、シャツ31は請求項における「被転写物」に相当する。
【0011】
図4は、図1の昇華型転写シート10から切り抜いた部分の第2の例を示す。図4において、ハート形の切り抜いた部分22は、羽の模様12および羽の模様12の影の部分12aの一部分を含んでいる。
図5は、図4の切り抜いた部分22をシャツに転写した状態を示す。図5において、ハート形の切り抜いた部分22を複数(例えば2)形成し、切り抜いた部分22のそれぞれの模様をシャツ32の胴部32bの複数(例えば2)の個所に転写する。なお、32aはシャツ32の襟部である。
【0012】
図6は、図1とは別の単色(例えば赤、黄等)の昇華型転写シートを短冊形に切った場合を示す。図6において、昇華型転写シートを短冊形に切り抜いた複数の部分23が示されている。
図7は、図6の短冊形の切り抜いた部分23をシャツ33に熱転写した状態を示す。横に並べた複数の短冊形の切り抜いた部分23が襟部33aに近い部分に熱転写されている。さらに、チェック(格子縞)の形の模様がシャツ33の胴部33bに熱転写されている。チェックの形に転写するときは、例えば、先ず縦に並べた複数の短冊形の切り抜いた部分23の熱転写をしてから、横に並べた複数の短冊形の切り抜いた部分23の熱転写をする。この場合、縦に並べた複数の短冊形の切り抜いた部分23の熱転写された模様と横に並べた複数の短冊形の切り抜いた部分23の熱転写された模様の交わった部分の色が濃くなってきれいなチェック模様になる。
【0013】
図8は、昇華型転写シート10a(昇華型転写シート10と同様のもの)を使用して衣類等の被転写物に模様を転写する方法を示している。図8において、アイロンマット43の上に新聞紙44を敷き、新聞紙44の上にシャツ34を重ねる。新聞紙44は、マットを汚すことを防ぐためのものである。そして、昇華型転写シート10aをシャツ34の上に重ねる。その後、アイロン40にて昇華型転写シート10aを加熱する。その際、二点鎖線で示すように、アイロン40の先端部41から後端部42まで均一に手で加圧しつつ、アイロン40を矢印46の方向および矢印47の方向に移動させる。
【0014】
これにより、シャツ34に昇華型転写シート10aの模様を熱転写方法することができる。その際、転写時に加える転写用熱量を調節すると、転写時に昇華型転写シート10aから昇華して離れる模様のインキの量を調節することができるので、シャツ34に付着する模様のインキの量を調節することができ、シャツ34に転写された模様に濃淡をつけることができる。そして、前記転写用熱量を多くすると、転写された模様が濃くなり、前記転写用熱量を少なくすると、転写された模様が淡くなる。なお、前記転写用熱量の調節は、アイロン40の温度(加熱温度)の調節またはアイロン40による昇華型転写シート10aの加熱時間の調節により行うことができる。
【0015】
(アイロン40のかけかた)
アイロン40が例えば1分できれいな転写ができるものであれば、30秒づつだぶらせてかける。横に移動するときも、アイロン40の先端部41が細くなっているので、だぶらせてアイロン40をかける。約160℃の熱を昇華型転写シート10aに加えると、昇華型転写シート10aの模様を構成するインキが蒸発して、シャツ34の繊維に染み込んで、染色する。このため、昇華型転写シート10aの模様がシャツ34に転写される。なお、アイロン40による加熱は、180℃まで可能である。また、この場合、昇華型転写シート10aのインキに糊が使用されていないので、転写したシャツ34に糊が付着しないため、転写したシャツ34が伸びちじみする際の妨げにならない。その際、一定以上の熱を昇華型転写シート10aに加えると、転写された模様の濃度は一定になる。この一定の熱よりも不足すると、転写された模様が淡い色になる。
【0016】
(淡い転写の方法)
a.アイロン40を当てる時間を短くする。
b.アイロン40の温度を下げる。
c.1〜2回使った昇華型転写シート10aを使う。淡い転写をした昇華型転写シート10aは、模様のインキが残っていて何回も使えることが多い。
【0017】
(転写の色の濃淡技法)
模様を重ねる時に全ての模様がくっきり写っていると、うるさい感じになるときがある。一部を強く、一部を弱く転写すると、奥行きがでて、うるささを和らげることができる。
【0018】
(転写模様重ね技法)
一度模様を転写をして、さらにもう一度その上から転写を重ねると、機械的でなく手作業で行うことによる価値が出る場合が多い。すなわち、模様の奥行き、深み、色彩の幅を広げた表現ができ、さらに、転写の失敗を簡単に、作品のランクを上げながら隠すことができる。
【0019】
なお、薄いポリエステル生地の製品、ポリエステル糸による編地製品に転写する場合は、アイロンマット43を省くことができないが、厚い生地、編地に転写する場合は、アイロンマット43は不要である。
Tシャツなどの縫い目、編み地などのとじた個所などの段差のある個所の低い部分(薄い部分)の転写が淡くなることを防ぐために、アイロン40に手で上から圧力を加える。
【0020】
以上により、ポリエステル生地用転写プリントによる大量生産方式でのみ行われていたプリント方法をファッション業界における生産方式に合うように、手工業的生産に適したものにすることができる。
この場合、機械ではなく、人の手による独自の製法であり、これにより、生地のみではなく、完成されている無地の衣類にも転写ができ、かつ、機械ではなし得なかった細かい模様の組み合わせ、微妙な転写の濃淡による模様の重ねを可能にした。
【0021】
なお、上記実施の形態において、転写シートからシャツに模様が転写されているが、これに限らず、衣服の生地、衣服、衣類に合わせたプラスチックボタン、ビニールシート等にも転写可能である。
また、転写シートをハート形に切ってい使用する例が示されているが、これに限定されず、転写シートを適当に手で破いたり、模様を無視して切ることができる。例えば、水玉、イニシャル、三角形、四角形、不定形等に転写シートを切ることもできる。
また、昇華型転写シートが使用されているが、これに限定されず、糊接着タイプの転写シートを使用することもできる。
【0022】
【発明の効果】
本願の請求項1に記載された発明によれば、転写シートから転写する模様を切り抜き、この切り抜いた部分を被転写物の転写個所に熱転写することができる。このため、各種の模様を手工業的に容易に熱転写することができる。
さらに、請求項2に記載された発明は、上記請求項1に記載された発明の効果とともに、転写された模様の奥行き、深み、色彩の幅を広げることが容易になるので、転写された模様に変化を持たせることが容易になる。
さらに、請求項3に記載された発明は、上記請求項1または2に記載された発明の効果とともに、前記被転写物に付着する模様のインキの量を調節することができ、転写された模様に濃淡をつけることができる。
さらに、請求項4に記載された発明は、上記請求項3に記載された発明の効果とともに、転写時の加熱時間の調節により、容易に転写された模様に濃淡をつけることができる。
さらに、請求項5に記載された発明は、上記請求項3に記載された発明の効果とともに、転写時の加熱温度の調節により、容易に転写された模様に濃淡をつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に使用する昇華型転写シートの例を示す図である。
【図2】図1の昇華型転写シートを切り抜いた部分の第1の例を示す図である。
【図3】図2の切り抜いた部分をシャツに転写した状態を示す図である。
【図4】図1の昇華型転写シートから切り抜いた部分の第2の例を示す図である。
【図5】図4の切り抜いた部分をシャツに転写した状態を示す図である。
【図6】他の昇華型転写シートから切り抜いた部分を示す図である。
【図7】図6の切り抜いた部分をシャツに転写した状態を示す図である。
【図8】転写シートの模様を被転写物に転写する方法を示す図である。
【符号の説明】
10、10a 昇華型転写シート
21 羽の形の切り抜いた部分
22 ハート形の切り抜いた部分
23 短冊形の切り抜いた部分
24 チェック模様
31、32、33、34 シャツ
40 アイロン
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇華型等の転写シートを使用した熱転写方法に関し、特に、衣服等に手工業的に模様を転写するのに適した熱転写方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の転写シートを使用した熱転写方法は、生地等に模様を転写することを機械式に行うものであり、大量生産に適しているものであった。このため、大量のポリエステル生地に模様を転写すること等が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の転写シートを使用した熱転写方法は、大量生産される生地等に模様を転写する場合には適しているが、少量の手工業的な模様の転写には適さず、特に、少量生産の多種類の衣服等に模様を転写することには適していなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、転写シートを使用して衣服等に手工業的に模様を転写するのに適した熱転写方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、転写シート(転写紙を含む。)を使用して被転写物(例えば、シャツ等の衣服、ビニールシート、ボタン等)に模様(文字、図形等を含む。)を転写する熱転写方法であって、転写シートを転写する模様毎に切り抜く第1工程と、前記転写シートから切り抜いた部分を前記被転写物の転写個所に重ねて配置して加熱し、前記転写シートから切り抜いた部分の模様を前記被転写物に転写する第2工程とを備えることを特徴とする熱転写方法である。
これにより、転写シートから転写する模様を切り抜き、この切り抜いた部分を被転写物の転写個所に重ねて配置して加熱することにより、転写シートに描かれた模様を形成するインキが熱により転写シートから離れて(昇華等により離れる場合を含む。)被転写物に付着するので、転写シートの模様を被転写物に熱転写することができる。
【0005】
さらに、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記転写シートから切り抜いた部分を複数形成し、前記転写シートから切り抜いた部分の模様を前記被転写物に転写した後に、さらに、前記転写シートから切り抜いた他の部分の模様を前記転写した模様の一部分に重ねて転写することである。
これにより、転写シートから切り抜いた複数の部分の模様を被転写物に転写する際に、先に転写した模様の一部分に重ねて他の模様を転写すると、転写された模様の奥行き、深み、色彩の幅を広げることが容易になる。
【0006】
さらに、請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記転写シートが昇華型転写シートであり、前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の模様の転写時に加える転写用熱量を調節することである。
これにより、前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の模様の転写時に加える転写用熱量を調節すると、転写時に前記昇華型転写シートから昇華して離れる模様のインキの量を調節することができるので、前記被転写物に付着する模様のインキの量を調節することができ、被転写物に転写された模様に濃淡をつけることができる。
【0007】
さらに、請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記転写用熱量の調節を前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の加熱時間を調節することにより行うことである。
これにより、転写時の加熱時間の調節により、容易に転写用熱量を調節することができる。
【0008】
さらに、請求項5に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記転写用熱量の調節を前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の加熱温度を調節することにより行うことである。
これにより、転写時の加熱温度の調節により、容易に転写用熱量を調節することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図3までは、本発明の実施の形態に係わる熱転写方法の一例を説明している。図1は、本発明の実施の形態に係わる熱転写方法に使用する昇華型転写シートを示している。図1において、昇華型転写シート10は、地の部分11に羽の模様12、13、羽の模様12、13の影の部分12a、13a、マリモの模様14、15等を描いたものである。なお、昇華型転写シート10については、その模様がベースシート側から透けて見えた状態が示されている。後述する他の転写シートについても同様である。
なお、昇華型転写シート10は、その模様を構成するインキが加熱により昇華するものであるので、このインキが加熱により昇華して気体となって衣服等の被転写物に付着することにより、昇華型転写シート10の模様が衣服等の被転写物に転写される。
【0010】
図2は、昇華型転写シート10から切り抜いた部分の第1の例を示す。この場合の切り抜く工程は、請求項1における「第1工程」に相当する。図2において、羽の形の切り抜いた部分21が示されている。切り抜いた部分21は、羽の模様12およびその周りの影の部分12aを含んでいる。
図3は、図2の切り抜いた部分21の模様をシャツに熱転写した状態を示す。図3において 切り抜いた部分21をシャツ31の転写個所(例えば襟部31aと胴部31bとの中間の位置)に重ねて配置して加熱し、切り抜いた部分21の模様をシャツ31に転写する。なお、この転写工程は、請求項1における「第2工程」に相当し、シャツ31は請求項における「被転写物」に相当する。
【0011】
図4は、図1の昇華型転写シート10から切り抜いた部分の第2の例を示す。図4において、ハート形の切り抜いた部分22は、羽の模様12および羽の模様12の影の部分12aの一部分を含んでいる。
図5は、図4の切り抜いた部分22をシャツに転写した状態を示す。図5において、ハート形の切り抜いた部分22を複数(例えば2)形成し、切り抜いた部分22のそれぞれの模様をシャツ32の胴部32bの複数(例えば2)の個所に転写する。なお、32aはシャツ32の襟部である。
【0012】
図6は、図1とは別の単色(例えば赤、黄等)の昇華型転写シートを短冊形に切った場合を示す。図6において、昇華型転写シートを短冊形に切り抜いた複数の部分23が示されている。
図7は、図6の短冊形の切り抜いた部分23をシャツ33に熱転写した状態を示す。横に並べた複数の短冊形の切り抜いた部分23が襟部33aに近い部分に熱転写されている。さらに、チェック(格子縞)の形の模様がシャツ33の胴部33bに熱転写されている。チェックの形に転写するときは、例えば、先ず縦に並べた複数の短冊形の切り抜いた部分23の熱転写をしてから、横に並べた複数の短冊形の切り抜いた部分23の熱転写をする。この場合、縦に並べた複数の短冊形の切り抜いた部分23の熱転写された模様と横に並べた複数の短冊形の切り抜いた部分23の熱転写された模様の交わった部分の色が濃くなってきれいなチェック模様になる。
【0013】
図8は、昇華型転写シート10a(昇華型転写シート10と同様のもの)を使用して衣類等の被転写物に模様を転写する方法を示している。図8において、アイロンマット43の上に新聞紙44を敷き、新聞紙44の上にシャツ34を重ねる。新聞紙44は、マットを汚すことを防ぐためのものである。そして、昇華型転写シート10aをシャツ34の上に重ねる。その後、アイロン40にて昇華型転写シート10aを加熱する。その際、二点鎖線で示すように、アイロン40の先端部41から後端部42まで均一に手で加圧しつつ、アイロン40を矢印46の方向および矢印47の方向に移動させる。
【0014】
これにより、シャツ34に昇華型転写シート10aの模様を熱転写方法することができる。その際、転写時に加える転写用熱量を調節すると、転写時に昇華型転写シート10aから昇華して離れる模様のインキの量を調節することができるので、シャツ34に付着する模様のインキの量を調節することができ、シャツ34に転写された模様に濃淡をつけることができる。そして、前記転写用熱量を多くすると、転写された模様が濃くなり、前記転写用熱量を少なくすると、転写された模様が淡くなる。なお、前記転写用熱量の調節は、アイロン40の温度(加熱温度)の調節またはアイロン40による昇華型転写シート10aの加熱時間の調節により行うことができる。
【0015】
(アイロン40のかけかた)
アイロン40が例えば1分できれいな転写ができるものであれば、30秒づつだぶらせてかける。横に移動するときも、アイロン40の先端部41が細くなっているので、だぶらせてアイロン40をかける。約160℃の熱を昇華型転写シート10aに加えると、昇華型転写シート10aの模様を構成するインキが蒸発して、シャツ34の繊維に染み込んで、染色する。このため、昇華型転写シート10aの模様がシャツ34に転写される。なお、アイロン40による加熱は、180℃まで可能である。また、この場合、昇華型転写シート10aのインキに糊が使用されていないので、転写したシャツ34に糊が付着しないため、転写したシャツ34が伸びちじみする際の妨げにならない。その際、一定以上の熱を昇華型転写シート10aに加えると、転写された模様の濃度は一定になる。この一定の熱よりも不足すると、転写された模様が淡い色になる。
【0016】
(淡い転写の方法)
a.アイロン40を当てる時間を短くする。
b.アイロン40の温度を下げる。
c.1〜2回使った昇華型転写シート10aを使う。淡い転写をした昇華型転写シート10aは、模様のインキが残っていて何回も使えることが多い。
【0017】
(転写の色の濃淡技法)
模様を重ねる時に全ての模様がくっきり写っていると、うるさい感じになるときがある。一部を強く、一部を弱く転写すると、奥行きがでて、うるささを和らげることができる。
【0018】
(転写模様重ね技法)
一度模様を転写をして、さらにもう一度その上から転写を重ねると、機械的でなく手作業で行うことによる価値が出る場合が多い。すなわち、模様の奥行き、深み、色彩の幅を広げた表現ができ、さらに、転写の失敗を簡単に、作品のランクを上げながら隠すことができる。
【0019】
なお、薄いポリエステル生地の製品、ポリエステル糸による編地製品に転写する場合は、アイロンマット43を省くことができないが、厚い生地、編地に転写する場合は、アイロンマット43は不要である。
Tシャツなどの縫い目、編み地などのとじた個所などの段差のある個所の低い部分(薄い部分)の転写が淡くなることを防ぐために、アイロン40に手で上から圧力を加える。
【0020】
以上により、ポリエステル生地用転写プリントによる大量生産方式でのみ行われていたプリント方法をファッション業界における生産方式に合うように、手工業的生産に適したものにすることができる。
この場合、機械ではなく、人の手による独自の製法であり、これにより、生地のみではなく、完成されている無地の衣類にも転写ができ、かつ、機械ではなし得なかった細かい模様の組み合わせ、微妙な転写の濃淡による模様の重ねを可能にした。
【0021】
なお、上記実施の形態において、転写シートからシャツに模様が転写されているが、これに限らず、衣服の生地、衣服、衣類に合わせたプラスチックボタン、ビニールシート等にも転写可能である。
また、転写シートをハート形に切ってい使用する例が示されているが、これに限定されず、転写シートを適当に手で破いたり、模様を無視して切ることができる。例えば、水玉、イニシャル、三角形、四角形、不定形等に転写シートを切ることもできる。
また、昇華型転写シートが使用されているが、これに限定されず、糊接着タイプの転写シートを使用することもできる。
【0022】
【発明の効果】
本願の請求項1に記載された発明によれば、転写シートから転写する模様を切り抜き、この切り抜いた部分を被転写物の転写個所に熱転写することができる。このため、各種の模様を手工業的に容易に熱転写することができる。
さらに、請求項2に記載された発明は、上記請求項1に記載された発明の効果とともに、転写された模様の奥行き、深み、色彩の幅を広げることが容易になるので、転写された模様に変化を持たせることが容易になる。
さらに、請求項3に記載された発明は、上記請求項1または2に記載された発明の効果とともに、前記被転写物に付着する模様のインキの量を調節することができ、転写された模様に濃淡をつけることができる。
さらに、請求項4に記載された発明は、上記請求項3に記載された発明の効果とともに、転写時の加熱時間の調節により、容易に転写された模様に濃淡をつけることができる。
さらに、請求項5に記載された発明は、上記請求項3に記載された発明の効果とともに、転写時の加熱温度の調節により、容易に転写された模様に濃淡をつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に使用する昇華型転写シートの例を示す図である。
【図2】図1の昇華型転写シートを切り抜いた部分の第1の例を示す図である。
【図3】図2の切り抜いた部分をシャツに転写した状態を示す図である。
【図4】図1の昇華型転写シートから切り抜いた部分の第2の例を示す図である。
【図5】図4の切り抜いた部分をシャツに転写した状態を示す図である。
【図6】他の昇華型転写シートから切り抜いた部分を示す図である。
【図7】図6の切り抜いた部分をシャツに転写した状態を示す図である。
【図8】転写シートの模様を被転写物に転写する方法を示す図である。
【符号の説明】
10、10a 昇華型転写シート
21 羽の形の切り抜いた部分
22 ハート形の切り抜いた部分
23 短冊形の切り抜いた部分
24 チェック模様
31、32、33、34 シャツ
40 アイロン
Claims (5)
- 転写シートを使用して被転写物に模様を転写する熱転写方法であって、
前記転写シートを転写する模様毎に切り抜く第1工程と、
前記転写シートから切り抜いた部分を前記被転写物の転写個所に重ねて配置して加熱し、前記転写シートから切り抜いた部分の模様を前記被転写物に転写する第2工程とを備えることを特徴とする熱転写方法。 - 請求項1に記載された熱転写方法であって、
前記転写シートから切り抜いた部分を複数形成し、
前記転写シートから切り抜いた部分の模様を前記被転写物に転写した後に、さらに、前記転写シートから切り抜いた他の部分の模様を前記転写した模様の一部分に重ねて転写することを特徴とする熱転写方法。 - 請求項1又は2に記載された熱転写方法であって、
前記転写シートが昇華型転写シートであり、前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の模様の転写時に加える転写用熱量を調節することを特徴とする熱転写方法。 - 請求項3に記載された熱転写方法であって、
前記転写用熱量の調節を前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の加熱時間を調節することにより行うことを特徴とする熱転写方法。 - 請求項3に記載された熱転写方法であって、
前記転写用熱量の調節を前記昇華型転写シートから切り抜いた部分の加熱温度を調節することにより行うことを特徴とする熱転写方法。
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---|---|---|---|
JP2002230309A JP2004068209A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 熱転写方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110667293A (zh) * | 2019-10-22 | 2020-01-10 | 刘静 | 一种数码喷墨热转印织物的定位烫金方法 |
CN110667292A (zh) * | 2019-10-22 | 2020-01-10 | 刘静 | 一种数码喷墨湿法转印织物的定位烫金方法 |
CN110685176A (zh) * | 2019-10-14 | 2020-01-14 | 刘静 | 一种喷墨湿法转印织物的定位烫金方法 |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002230309A patent/JP2004068209A/ja not_active Withdrawn
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