JP2004067755A - スチレン系重合体の製造方法及びそのための有機過酸化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】スチレン系重合体の製造において、短時間で、残存単量体の少ない高分子量の重合体を製造でき、かつ懸濁重合においては製造時の重合容器へのスケールの付着が少ないスチレン系重合体の製造方法及びそのための有機過酸化物を提供すること。
【解決手段】スチレン系単量体を一般式(1)
−C(O)−OO−R−OO−C(O)−R (1)
(式中Rはフェニル基または炭素数1〜13のアルキル基を示し、α位の炭素原子を除き側鎖を有してもよく、また2つのRは同じでもまた異なっていてもよく、Rはアルキル基で置換されていてもよい2価の炭素数3〜8の脂環式炭化水素残基を示す)
で表される2官能パーエステル系有機過酸化物の存在下に重合することを特徴とするスチレン系重合体の製造方法及び上記一般式(1)で表される2官能パーエステル系有機過酸化物。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、緩衝材、建築材料、包装材料、トナー樹脂等に広く使用されるスチレン系重合体の製造方法およびその方法により得られるスチレン系重合体およびそのための有機過酸化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系重合体は、通常スチレン系単量体またはスチレン系単量体と共に重合可能な単量体を有機過酸化物等の重合開始剤を使用し重合することで得られる。重合方法は目的とする重合体の用途などの応じて塊状重合、溶液重合、懸濁重合及びグラフト重合などの方法が行われ、重合温度も一定温度で重合させる方法、2段階など多段階の重合温度段階を用いて重合させる方法などが知られている。多段階の重合温度段階を用いて重合させる方法、例えば2段階の重合温度工程を経る方法の場合、重合開始剤として半減期の異なる2種類の過酸化物が使用される。この重合開始剤を併用する方法は、重合サイクルを短縮し、重合速度を向上させ、かつ重合終了時の重合体中の残存単量体を低下させるのに有効である。
一般には、重合の第1工程では80〜90℃でベンゾイルパーオキシド、重合の第2工程では110〜130℃でt−ブチルパーベンゾエートを使用している。
その他に、重合の第1工程では、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートや2,2−アゾビスイソブチロニトリルを、重合の第2工程ではt−ブチルパーオキシイソプロピルカーブネート等の重合開始剤が使用されることもある。
【0003】
特表2001−526262には本発明で使用する一般式(1)のケトンパーオキサイドを、上位概念で含む種々のケトンパーオキサイドが記載されているが、上記一般式(1)で表されるケトンパーオキサイドの具体例は記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、スチレン系重合体の製造において従来公知のものに比べ短時間で、残存単量体が少なく、高分子量の重合体を製造でき、特に懸濁重合においては製造時の重合容器へのスケールの付着が少ない効率的なスチレン系重合体の製造方法及びそのための有機過酸化物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、スチレン系単量体の重合において、使用する重合開始剤、特に多段階の重合温度を用いる重合の第1段階に特定の重合開始剤を用いることで重合時間を従来公知のものに比べ短縮でき、かつ残存単量体が少ない重合体を製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、
(1)スチレン系単量体単独またはスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体もしくはゴム状重合体との混合物を一般式(1)
−C(O)−OO−R−OO−C(O)−R (1)
(式中Rはフェニル基または炭素数1〜13のアルキル基を示し、α位の炭素原子を除き側鎖を有してもよく、また2つのRは同じでもまた異なっていてもよく、Rはアルキル基で置換されていてもよい2価の炭素数3〜8の脂環式炭化水素残基を示す)
で表される2官能パーエステル系有機過酸化物の存在下に重合することを特徴とするスチレン系重合体の製造方法、
(2)一般式(1)で表される有機過酸化物の10時間半減期温度が50〜80℃である上記(1項に記載のスチレン系重合体の製造方法、
(3)一般式(1)で表される有機過酸化物と他の重合開始剤を併用することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のスチレン系重合体の製造方法、
(4)重合が懸濁重合である上記(3)に記載のスチレン系重合体の製造方法、
(5)上記(4)に記載の方法で得られるスチレン系重合体、
(6)一般式(1)
−C(O)−OO−R−OO−C(O)−R (1)
(式中Rはフェニル基または炭素数1〜13のアルキル基を示し、α位の炭素原子を除き側鎖を有してもよく、また2つのRは同じでもまた異なっていてもよく、Rはアルキル基で置換されていてもよい2価の炭素数3〜8の脂環式炭化水素残基を示す)
で表される2官能パーエステル系有機過酸化物、
に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるスチレン系単量体は、スチレンの他に、α ̄メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等のα−(C1−C4)アルキル置換またはハロゲノ置換スチレン等のスチレン誘導体があげられる。また、スチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体としては、共重合可能な不飽和二重結合を有する単量体であれば特に限定はなく、(メタ)アクリルニトリル、(メタ)アクリル酸またはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリル酸エステル、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。さらに、本発明におけるスチレンモノマーと共重合可能なゴム状重合体として、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン ̄ブタジエン共重合体、スチレン ̄イソプレン共重合体やそれらの水素添加物、更には、これらのゴム状重合体をスチレン重合体に溶融ブレンドしたもの、これらのゴム状重合体の存在下でスチレン等を重合させることで得られるゴム変性スチレン系重合体が挙げられる。なお、スチレン単量体は全体量の50重量%以上含有されるのが好ましい。
【0008】
本発明の一般式(1)におけるRの、α位の炭素原子を除き側鎖を有してもよい炭素数1〜13のアルキル基としては特に限定はなく、例えば炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基が挙げられ、α位の炭素原子を除き分岐していてもよいペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等としてはn−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基等が挙げられる。
【0009】
また、R2における2価の炭素数3〜8の脂環式炭化水素残基における脂環式炭化水素としてはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの環が挙げられ、これらはアルキル置換を有してもよい。好ましいものとしては炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシリデン基であり、より具体的には非置換シクロヘキシリデン基、3,5,5−トリメチル−1,1−シクロヘキシリデン基等が挙げられる。
【0010】
本発明の一般式(1)で表される有機過酸化物としては、1,1−ビス(アセチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(ベンゾイルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(n−ブタノイルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(n−オクタノイルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(n−デカノイルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(アセチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1,−ビス(n−オクタノイルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(アセチルパーオキシ)シクロペンタン、1,1−ビス(3,5,5−トリメチルネキサノイルパーオキシ)シクロペンタン等が挙げられる。
これらの有機過酸化の10時間半減期温度は50℃以上が好ましく、場合により55℃以上、または60℃以上が好ましく、かつ80℃以下、場合により75℃以下のものが好ましい。
【0011】
本発明で使用する一般式(1)で表される2官能パーエステル系有機過酸化物は、特表2001−526262に記載されたケトンパーオキサイドの製造法に準じて製造することができる。より具体的には、例えば、
下記一般式(2)
HOO−R−OOH       (2)
(式中Rは前記と同じ意味を示す)
で表されるシクロアルカノンパーオキサイドに一般式(3)
−C(O)X         (3)
(式中Rは前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す)
で表される酸ハロゲナイドを前記一般式(2)で表されるシクロヘキサノンパーオキサイドに対して2モル当量反応させることにより得ることができる。
【0012】
一般式(2)で表されるシクロアルカノンパーオキサイドとしては例えばシクロヘキサノンパーオキサイド、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、シクロペンタノンパーオキサイド、シクロブタノンパーオキサイド等が挙げられる。
また一般式(3)で表される酸ハロゲナイドとしてはアセチルクロライド、アセチルブロマイド、ベンゾイルクロライド、ベンゾイルブロマイド、プロピオニルクロライド、プロピオニルブロマイド、ブタノイルクロライド、ブタノイルブロマイド、オクタノイルクロライド、オクタノイルブロマイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルクロライド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルブロマイド等炭素数2〜12のアルカノイルハロゲナイドが挙げられる。
【0013】
本発明のスチレン系重合体の製造方法における重合はどのような重合方法でもとくに限定されないが、多段階の重合温度工程を有する重合方法がより好ましく、前記一般式(1)で表される有機過酸化物は通常低温段階の最初の重合工程で使用されるのが好ましい。使用される重合温度は60〜120℃、好ましくは70〜100℃程度である。
例えば、本発明のスチレン系重合体の製造工程が2段階の温度工程を有する重合方式で実施される場合、第2の重合温度工程において使用される重合開始剤としては、第1の重合温度工程で使用される重合開始剤よりも高い分解温度を有する重合開始剤が使用され、通常使用されるものとしてt−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ ̄2 ̄エチルヘキシルカーボネート等が挙げられる。
【0014】
本発明の製造方法において、前記一般式(1)の有機過酸化物の使用量は通常単量体の総量に対して0.02ないし3重量%、好ましくは0.05〜1重量%程度である。第1重合工程用の重合開始剤に使用される前多段階の重合温度工程における第2重合工程以降用に使用される重合開始剤の添加量は通常使用される量でよく、一般的には0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%程度である。
例えば2段階の重合温度を用いて重合する場合における重合温度は、通常第1重合段階の温度を70〜100℃で、第2重合段階の温度を100〜160℃程度で行う。 本発明における製造方法において、さらに、他の高温分解型重合開始剤、ジアルキリパーオキサイド等を用いて第3重合段階の工程を組み合わせる重合方法を用いてもよい。
【0015】
また、本発明におけるスチレン系重合体の製造方法における重合方法においてはスチレン系重合体を製造出来ればいかなる方法も使用でき、例えば塊状重合、溶液重合、懸濁重合、グラフト重合等が使用できる。より好ましくは懸濁重合である。
本発明において懸濁重合を行う場合に使用される懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等の水溶性高分子、燐酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等の難水溶性燐酸塩がある。また、これらの懸濁安定剤と共にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤も用いられる。これらの化合物は、それぞれ単独にあるいは併用することもでき、それらの使用量は、水溶性高分子が使用される水に対し、0.05〜2重量%、界面活性剤はそれぞれ1〜500ppmの範囲であることが望ましい。
【0016】
本発明において発泡性スチレン系重合体を得る場合には、脂肪族炭化水素または環状脂肪族炭化水素、あるいはそれらのハロゲン化物等使用することができる。脂肪族炭化水素としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、石油エーテル等が挙げられる。環状脂肪族炭化水素としては、例えばシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。これら炭化水素のハロゲン化物としては、メチルクロライド等が挙げられる。発泡剤の使用量は通常単量体に対して、1〜20重量%、より好ましくは5〜8重量%である。これらの発泡剤は、重合後にこれらの発泡剤を添加して重合体に吸収させ発泡性重合体としてもよく、重合時に他の原料と共に混合して用いてもよい。
【0017】
難燃剤及び難燃助剤としては、難燃剤はテトラブロムシクロオクタン、ヘキサブロムシクロドデカン、ブロム化したポリブタジエン等が、また難燃助剤はジクミルペルオキシド及び100℃で2時間以上の半減期時間を有するその他のラジカル形成剤等がある。更には、これらの化合物を混合して用いることもでき、染料、充填剤及び安定剤を含有してもよい。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0019】
実施例1
1リットルの攪拌機付きオートクレーブに、第三燐酸カルシウム1.25g、水230g、ポリビニルアルコール50mg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム20mgを入れ、700Rpmの速度で攪拌した。更に、スチレン250gに1,1−ビス(アセチルパーオキシ)シクロヘキサン(純度77%)1ミリモル及びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート1.13ミリモルを溶解した混合液を加えた。空気部を窒素置換した後、約45分で90℃に加熱し、90℃で2.25時間維持した。その後、窒素で5気圧の圧力をかけ1時間を要して120℃にした。更に、2時間保持し約30分かけて約20℃に冷却した。
【0020】
重合終了後に重合物をガラスフィルターを介して取り出し、塩酸、水で洗浄し、帯電防止剤を付けて乾燥しスチレン重合体粒子を得た。残存単量体量をガスクロマトグラフィーで、分子量をゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。更に、JIS標準ふるいを用いてふるい分けし粒子径分布を算出した。さらに、目視によりリアクターの器壁へのスケールの付着を確認した。それらの結果を表1に示した。t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネートの1時間半減期温度は117℃であり、10時間半減期温度は98℃であった。
【0021】
実施例2
実施例1においてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネートの代わりにt−ブチルパーオキシ1−メチルヘプチルカーボネート(化薬アクゾ(株)製、純度97%)を使用した以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1の通りであった。
【0022】
実施例3
実施例1においてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネートの代わりにt−ブチルパーオキシn−デシルカーボネート(化薬アクゾ(株)製、純度96%)を使用した以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1の通りであった。
【0023】
実施例4
実施例1においてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネートの代わりにt−アミルパーオキシsec−ブチルカーボネート(化薬アクゾ(株)製、純度90%)を使用した以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1の通りであった。
【0024】
実施例5
実施例1においてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネートの代わりに1,6−ビス(t−ブチルパ−オキシカルボニルオキシ)ヘキサン(化薬アクゾ(株)製、純度96%)を使用した以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1の通りであった。
【0025】
比較例1
実施例1において1,1−ビス(アセチルパーオキシ)シクロヘキサンの代わりにベンゾイルパーオキサイドを使用し、第1重合段階(90℃)で重合時間4.25時間にした以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1の通りであった。
【0026】
比較例2
実施例1において1,1−ビス(アセチルパーオキシ)シクロヘキサンの代わりにベンゾイルパーオキサイドを使用し、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネートの代わりにt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(化薬アクゾ(株)製、商品名カヤカルボンBIC ̄75、純度75%)(1時間半減期温度116℃)を使用し、第1重合段階(90℃)で重合時間4.25時間にした以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1の通りであった。
【0027】
比較例3
実施例1において1,1−ビス(アセチルパーオキシ)シクロヘキサンの代わりにベンゾイルパーオキサイドを使用し、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネートの代わりにt−ブチルパーオキシベンゾエート(化薬アクゾ(株)製、商品名カヤブチルB、純度98%)(1時間半減期温度126℃)を使用し、第1重合段階(90℃)で重合時間4.25時間にした以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1の通りであった。
【0028】
Figure 2004067755
【0029】
表中の「スケールの付着」の欄における記号は目視による付着量を3段階評価で示したもので、少ない順に○(少ない)、△(中程度)、×(多い)である。Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量を示している。
略号は以下のものを示している。
BAHX :1,1−ビス(アセチルパーオキシ)シクロヘキサン
BPO  :ベンゾイルパーオキサイド
BEHC :t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート
BSOC :t−ブチルパーオキシ1−メチルヘプチルカーボネート
BNDC :t−ブチルパーオキシn−デシルカーボネート
ASBC :t−アミルパーオキシsec−ブチルカーボネート
BCHX :1,6−ビス(t−ブチルパ−オキシカルボニルオキシ)ヘキサン
BPIC :t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
TBPB :t−ブチルパーオキシベンゾエート
【0030】
実施例6
1,1−ビス(アセチルパーオキシ)シクロヘキサンを重合開始剤として、塊状重合法でスチレンの重合を行った。
3mlガラスアンプルに開始剤を濃度1meq./100gにしたスチレンモノマー1gを入れ、90℃でアンプル重合を行い、サンプルを各時間で採取した。各時間アンプルを油槽より取り出し20mlのジクロルメタンに溶解し重量平均分子量(Mw),数平均分子量(Mn)、分散度(D)をゲルパーミューションクロマトグラフ(GPC)で測定した。
【0031】
比較例4
実施例6の開始剤をt−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエートに変えて実施例6と同様に重合を行った。
結果は表2の通りであった。
【0032】
Figure 2004067755
【0033】
Figure 2004067755
【0034】
実施例7
1,1−ビス(アセチルパーオキシ)シクロヘキサンの合成
20%NaOH水溶液250gに、温度を0℃に保ちながら1,1−ジヒドロパーオキシシクロヘキサン370g(20%ジエチルエーテル溶液)を加えた後、78gの酢酸クロライドを0℃で90分かけて滴下した。滴下後15分間撹拌を続けた後、水層と油層の2層に分かれるまで静置し、水層を分離除去する。油層を適量の10%NaOH水溶液で洗浄した後、25%Nacl水で2回、イオン交換水で1回洗浄する。減圧下でジエチルエーテルを留去し、
1,1−ビス(アセチルパーオキシ)シクロヘキサン(純度90%)を130g得た。このものの活性酸素量は12.40%であった(理論量13.78%)。また、10時間半減期温度は68℃あった。
【0035】
【発明の効果】
本発明のスチレン重合体の製造方法によれば、残存単量体量が少なく、分子量が高いスチレン重合体が得られる上に、重合時間の短縮が可能である。さらには、スチレン系重合体の懸濁重合時におけるリアクター壁へのスケールの付着を減少できる。

Claims (6)

  1. スチレン系単量体単独またはスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体もしくはゴム状重合体との混合物を一般式(1)
    −C(O)−OO−R−OO−C(O)−R (1)
    (式中Rはフェニル基または炭素数1〜13のアルキル基を示し、α位の炭素原子を除き側鎖を有してもよく、また2つのRは同じでもまた異なっていてもよく、Rはアルキル基で置換されていてもよい2価の炭素数3〜8の脂環式炭化水素残基を示す)
    で表される2官能パーエステル系有機過酸化物の存在下に重合することを特徴とするスチレン系重合体の製造方法。
  2. 一般式(1)で表される有機過酸化物の10時間半減期温度が50〜80℃である請求項第1項に記載のスチレン系重合体の製造方法。
  3. 一般式(1)で表される有機過酸化物と他の重合開始剤を併用することを特徴とする請求項第1項又は第2項に記載のスチレン系重合体の製造方法。
  4. 重合が懸濁重合である請求項第3項に記載のスチレン系重合体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の方法で得られるスチレン系重合体。
  6. 一般式(1)
    −C(O)−OO−R−OO−C(O)−R (1)
    (式中Rはフェニル基または炭素数1〜13のアルキル基を示し、α位の炭素原子を除き側鎖を有してもよく、また2つのRは同じでもまた異なっていてもよく、Rはアルキル基で置換されていてもよい2価の炭素数3〜8の脂環式炭化水素残基を示す)
    で表される2官能パーエステル系有機過酸化物
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JP2011174073A (ja) * 2011-03-18 2011-09-08 Mitsubishi Chemicals Corp 粒状重合体の製造方法、イオン交換樹脂の製造方法、及び合成吸着剤の製造方法、並びにアニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂

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