JP2004067665A - 外用剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発汗抑制作用を有し、皮膚への塗布時及び塗布後の感触に優れ、しかも白残りがない外用剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高温多湿時の発汗を抑制したり、発汗による腋臭を防止するための化粧料には、皮膚を収斂させる作用のある無機金属化合物が発汗抑制剤として配合されている。例えば塩化アルミニウム、塩化ヒドロキシアルミニウム、塩化ヒドロキシジルコニウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛等が用いられる。かかる化粧料は、例えばローション、乳液、スプレー、ゲル、ゲルスティック等の剤型にされている。
【0003】
これらのうち、ゲルスティック状のものとして、n−アシルアミノ酸アミド及び12−ヒドロキシステアリン酸からなるゲル化剤と、油性物質並びに上記のような発汗抑制剤を含有する組成物が提案されている(特許文献1)。しかしながら、従来用いられている発汗抑制剤を単にゲル状組成物に配合しただけでは、腋等の局所に塗布した後、乾燥後の肌に白化(白残り)が生じ、外観が損なわれ、使用感が悪いという問題があった。
【0004】
一方、ジアルキルリン酸エステル(塩)と塩基性ポリアルミニウム塩とを反応させて得られるジアルキルリン酸ポリアルミニウム塩が、油ゲル化剤として提案されている(特許文献2)。しかし、発汗抑制化粧料への応用例はない。
また、制汗剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等のリン酸系アニオン界面活性剤及び油剤、無水ケイ酸、エチルアルコール、噴射剤を配合した制汗スプレー組成物が知られている(特許文献3)が、これはパウダースプレーに関するものである。
【0005】
【特許文献1】
特表平7−506833号公報
【特許文献2】
特開平1−193278号公報
【特許文献3】
特開平9−157147号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、発汗抑制作用を有し、塗布感触に優れ、しかも塗布後の皮膚に白残りがない(肌の白化が目立たない)外用剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来発汗抑制剤として用いられているジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩とともに、特定のリン酸エステル又はその塩を配合した組成物が、発汗抑制作用を有し、塗布感触に優れ、しかも塗布後の皮膚に白残りがない特徴を有することを見出した。
【0008】
本発明は、(A)次の一般式(1)及び/又は(2)
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、R1及びR2は炭素数8〜36の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す)
で表わされるリン酸エステル又はその塩、並びに
(B)ジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩
を含有する外用剤組成物を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる成分(A)のリン酸エステルは、前記一般式(1)で表わされるリン酸モノエステル及び/又は(2)で表わされるリン酸ジエステルである。式中、R1及びR2で示される炭化水素基は、炭素数8〜36のものであれば、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖のいずれでも良いが、特にゲル状組成物とするためのゲル化能の点で、飽和炭化水素基、さらには分岐鎖の炭化水素基が好ましい。また、R1及びR2は同一でも異なっていても良い。
【0012】
これら炭化水素基としては、具体的には、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、デセニル、ドデセニル、ウンデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ドデカジエニル、ウンデカジエニル、トリデカジエニル、テトラデカジエニル、ペンタデカジエニル、ヘキサデカジエニル、ヘプタデカジエニル、オクタデカジエニル、ノナデカジエニル、エイコサジエニル、ヘンエイコサジエニル、ドコサジエニル、トリコサジエニル、テトラコサジエニル、ペンタコサジエニル、ヘキサコサジエニル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルウンデシル、2−デシルテトラデシル、エイコサデシル、2−エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、3,7−ジメチルオクチル、3,7−ジメチルオクタン−3−イル、2−ヘキシルデシル、2−ヘプチルウンデシル、2−オクチルドデシル、3,7,11−トリメチルドデシル、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、2,3,4−トリメチルペンタン−3−イル、2,3,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−3−イル、イソステアリル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、2−ヘキサデシルエイコサデシル等の基が挙げられる。
これらのうち、炭素数12〜24の飽和分岐鎖炭化水素基が特に好ましい。
【0013】
これらのリン酸エステルは酸の形で用いてもよいが、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩;リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩等の塩として用いることもできる。製造経済的には、酸型の方が安価に製造でき、好ましい。
【0014】
また、成分(A)のリン酸エステルは、リン酸モノエステル(1)及びリン酸ジエステル(2)を組合わせて用いることが好ましく、その比率(重量比)は、(1):(2)=90:10〜0.1:99.9、特に60:40〜1:99であるのが、良好なゲル形成能の点で好ましい。
【0015】
成分(A)のリン酸エステルは、対応する脂肪族アルコールと、五酸化二リン又はオキシ塩化リン等のリン酸化剤とを、前記(1)及び(2)が所望の比率で得られるような条件で反応させ、適宜中和することにより得ることができる。なお、反応生成物中には、原料及び反応条件によって異なるが、少量のトリエステルや未反応アルコール等が含まれる。しかしながら、かかるトリエステル等は、本願発明で意図する性能に与える影響は少ない。
【0016】
成分(A)のリン酸エステル又はその塩は、1種又は2種以上を用いることができ、全組成中に3〜10重量%、特に4〜8重量%含有させるのが、優れた使用感の点で好ましい。
【0017】
成分(B)のジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩は、従来発汗抑制剤として用いられている塩であり、ジルコニウム塩としては、例えば塩化ジルコニウム、塩化ヒドロキシジルコニウム、式(3)
ZrO(OH)2−myXy (3)
(式中、Xはハロゲン原子、硝酸イオン、硫酸イオン又はスルファミン酸イオンを示し、yは0.9〜2の数を示し、mはXの原子価を示し、2−myは0以上の数である)
で表わされるジルコニウム化合物等が挙げられる。
【0018】
また、アルミニウム・ジルコニウム複合塩としては、例えば塩化アルミニウム・ジルコニウム、塩化アルミニウム・ジルコニウム・ハイドレート、塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体、塩化アルミニウム・ジルコニウム・プロピレングリコール複合体等が挙げられる。
【0019】
成分(B)は、市販品を用いることもでき、塩化アルミニウム・ジルコニウム・プロピレングリコール複合体としては、例えばREZAL 36 GPG Powder、REACH AZP−908 PG Powder(以上、Reheis社製)、Westchlor ZR41 PG ASP Powder(Westwood Chemical社製)等が挙げられ;塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体としては、例えばREACH AZP−908、REACH AZP−908SUF、REACH AZP−902(以上、Reheis社製)等が挙げられる。
【0020】
成分(B)は、1種以上を用いることができ、全組成中に10〜30重量%、特に15〜25重量%含有させるのが、高い制汗効果と優れた使用感の点で好ましい。更に多量に配合しても、使用感が悪くなる傾向がある。
【0021】
本発明の外用剤組成物は、前記成分(A)及び(B)を、適当な媒体中で、後述の他の配合成分とともに混合して調製することができる。上記媒体としては、以下に述べる水性媒体又は、非水性媒体と水性媒体の混合媒体を用いることができる。この際、当該調製組成物中でリン酸エステルのジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩が生成しているものと思われる。このようなリン酸エステルのジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩を予め製造して、目的とする外用剤組成物に配合することもできるが、上記成分(A)及び(B)を直接に配合して外用組成物を調製する方が、簡便性の点で有利である。
ここに、上記リン酸エステルのアルミニウム・ジルコニウム複合塩は新規の化合物である。
【0022】
このような化合物は、成分(A)及び(B)を適当な媒体中で反応させることにより得ることができる。この場合には、リン酸エステル(1)若しくは(2)又はその塩と、これに対して0.01〜1.1当量のジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩を、水性媒体中又は、非水性媒体と水性媒体の混合媒体中で混合して、反応させる。反応温度は10〜90℃、好ましくは20〜80℃、反応時間は0.5〜8時間である。反応終了後、沈澱が生じた場合は濾過することによって、また媒体を減圧下留去することによって、当該化合物が得られる。必要に応じて洗浄操作を行ってもよい。
【0023】
ここで用いる水性媒体としては、水、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール等が挙げられ、単独又は混合して用いてもよい。
非水性媒体としては、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、イソパラフィン、トルエン、テルペン類、環状シリコーンオイル、鎖状シリコーンオイル等が挙げられる。
非水性媒体と水性媒体の混合媒体を用いる場合には、それぞれ単独で混合してもよく、またそれぞれにおいて数種の媒体を、混合して用いてもよい。
【0024】
本発明の外用剤組成物は液体油を含有することができる。かかる液体油は25℃において液状のものであり、揮発性、不揮発性いずれでもよい。例えばデカン、ドデカン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、スクワレン等の炭化水素類;ユーカリ油、ハッカ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、卵黄油、オリーブ油、ラノリン、ホホバ油;グリセリンモノオレイン酸エステル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、フタル酸ジエチル、乳酸ミリスチル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、オレイン酸−2−オクチルドデシル、トリイソステアリン酸グリセロール等のエステル油;イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;シリコーンオイルなどが挙げられる。
【0025】
上記シリコーンオイルとしては、通常外用剤組成物に配合されるもので、例えばジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のほか、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0026】
これらの液体油は1種以上を用いることができ、全組成中に20〜80重量%、特に30〜70重量%含有されるのが好ましい。
本発明においては、これらの液体油を用いることにより、チキソトロピックなソフトゲルを容易に得ることができ、ゲル状化粧料等として好適である。
【0027】
本発明の外用剤組成物には、更に、固体脂、水、各種界面活性剤、湿潤剤、防腐剤、酸化防止剤、薬効成分、香料、粉体等を含有させることができる。
本発明の外用剤組成物は、例えば、成分(A)を含有する油相と成分(B)の水溶液とを、例えば40℃〜80℃で加熱攪拌して混合することにより製造することができる。
【0028】
本発明の外用剤組成物は、医薬品、化粧品等のいずれにも適用することができ、特に発汗抑制製品、発汗抑制性化粧料として有用である。
【0029】
【実施例】
製造例1
ジヘキサデシルリン酸(モノエステル:ジエステル=2:98(モル比))25.2g、及びエタノール62.8gを混合し、溶解させた。これに3重量%水酸化ナトリウム水溶液63.9gを添加し、60℃で攪拌下、30重量%塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)水溶液26.2gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に65℃で4時間熟成させた。反応終了後、生じた固体を濾過し、得られた固体をイオン交換水(125g×1回)、次いでエタノール(125g×3回)で洗浄した。室温で減圧下に乾燥させることにより、ジヘキサデシルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として26.6g得た。
【0030】
製造例2
ジドデシルリン酸(モノエステル:ジエステル=5:95(モル比))13.1g、及びエタノール32.9gを混合し、溶解させた。これに3重量%水酸化ナトリウム水溶液40.5gを添加し、60℃で攪拌下、30重量%塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)水溶液17.0gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に65℃で4時間熟成させた。反応終了後、生じた固体を濾過し、得られた固体をイオン交換水(66g×1回)、次いでエタノール(66g×3回)で洗浄した。室温で減圧下に乾燥させることにより、ジドデシルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として13.9g得た。
【0031】
製造例3
ジイソステアリルリン酸(モノエステル:ジエステル=5:95(モル比))30.4g、及びエタノール76.5gを混合し、溶解させた。これに3重量%水酸化ナトリウム水溶液49.4gを添加し、60℃で攪拌下、30重量%塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)水溶液21.3gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に62℃で4時間熟成させた。反応終了後、ヘキサン200mL及びエタノール200mLを添加して分層させた。ヘキサン層を分取し、イオン交換水(100mL×2回)で洗浄した。ヘキサン層を分取し、アセトン1000mLを添加した。生じた固体を分取し、更にアセトン1000mLで2回洗浄した。得られた固体を室温で減圧下に乾燥させることにより、ジイソステアリルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として19.0g得た。
【0032】
製造例4
塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)12.5g、イオン交換水20mL及びエタノール50mLを混合した。この溶液に、ジイソステアリルリン酸(モノエステル:ジエステル=5:95(モル比))2.5g及びエタノール50mLを加え、混合後、60℃で2時間熟成させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、ジイソステアリルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として14.2g得た。
【0033】
製造例5
塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)12.5g、イオン交換水20mL及びエタノール50mLを混合した。この溶液に、イソステアリルリン酸(モノエステル:ジエステル=52:48(モル比))2.5g及びエタノール50mLを加え、混合後、60℃で2時間熟成させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、イソステアリルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として14.2g得た。
【0034】
製造例6
(1)イソステアリルアルコール1028.8g、及び2−デシルテトラデシルアルコール257.2gを混合し、更に五酸化二リン214gを加えた。その後、昇温し、80℃で15時間熟成させた。熟成後、イオン交換水150gを添加し、85℃で4時間攪拌した。反応終了後、イオン交換水を減圧留去し、イソステアリル−2−デシルテトラデシルリン酸1470gを得た(モノエステル:ジエステル=52:48(モル比))。ここに、反応物中のトリエステルは検出限界以下であった。前記製造例1〜5で用いる各リン酸エステルについても同様である。
(2)塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)12.5g、イオン交換水20mL及びエタノール50mLを混合した。この溶液に、(1)で得たイソステアリル−2−デシルテトラデシルリン酸2.5g及びエタノール50mLを加え、混合後、60℃で2時間熟成させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、イソステアリル−2−デシルテトラデシルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として14.5g得た。
【0035】
実施例1
表1に示す組成のゲル状外用剤組成物を製造し、これを使用したときの発汗抑制効果、肌感触及び白残りを評価した。結果を表1に併せて示す。なお、表中、DAP、MAPは、それぞれジアルキルリン酸エステル、モノアルキルリン酸エステルを表わす。
【0036】
(製法)
それぞれ60℃に加熱した成分(A)及び液体油を含有する油相と、成分(B)を表中のイオン交換水に溶解した水溶液とを混合し、10分間加熱攪拌することにより、ゲル状外用剤組成物を得た。
【0037】
(評価方法)
専門パネラー10名により、38℃、40%RHの条件下で、各組成物を適量皮膚に塗布したとき、30分後の発汗抑制効果、皮膚への塗布時及び塗布後の肌感触及び白残りを官能評価した。以下の基準でスコアを求め、その平均スコアにより、判定した。
(1)発汗抑制効果;
べたつかない ・・・スコア4
あまりべたつかない・・・スコア3
ややべたつく ・・・スコア2
べたつく ・・・スコア1
【0038】
(2)肌感触;
非常に良い ・・・スコア4
良い ・・・スコア3
あまり良くない・・・スコア2
悪い ・・・スコア1
【0039】
(3)白残り;
非常に少ない・・・スコア4
少ない ・・・スコア3
やや多い ・・・スコア2
多い ・・・スコア1
【0040】
判定基準;
◎:平均スコア3.5〜4.0
○:平均スコア2.5〜3.4
△:平均スコア1.5〜2.4
×:平均スコア1.0〜1.4
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明の外用剤組成物は、発汗抑制作用を有し、皮膚への塗布時及び塗布後の感触に優れ、しかも白残りがない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、発汗抑制作用を有し、皮膚への塗布時及び塗布後の感触に優れ、しかも白残りがない外用剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高温多湿時の発汗を抑制したり、発汗による腋臭を防止するための化粧料には、皮膚を収斂させる作用のある無機金属化合物が発汗抑制剤として配合されている。例えば塩化アルミニウム、塩化ヒドロキシアルミニウム、塩化ヒドロキシジルコニウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛等が用いられる。かかる化粧料は、例えばローション、乳液、スプレー、ゲル、ゲルスティック等の剤型にされている。
【0003】
これらのうち、ゲルスティック状のものとして、n−アシルアミノ酸アミド及び12−ヒドロキシステアリン酸からなるゲル化剤と、油性物質並びに上記のような発汗抑制剤を含有する組成物が提案されている(特許文献1)。しかしながら、従来用いられている発汗抑制剤を単にゲル状組成物に配合しただけでは、腋等の局所に塗布した後、乾燥後の肌に白化(白残り)が生じ、外観が損なわれ、使用感が悪いという問題があった。
【0004】
一方、ジアルキルリン酸エステル(塩)と塩基性ポリアルミニウム塩とを反応させて得られるジアルキルリン酸ポリアルミニウム塩が、油ゲル化剤として提案されている(特許文献2)。しかし、発汗抑制化粧料への応用例はない。
また、制汗剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等のリン酸系アニオン界面活性剤及び油剤、無水ケイ酸、エチルアルコール、噴射剤を配合した制汗スプレー組成物が知られている(特許文献3)が、これはパウダースプレーに関するものである。
【0005】
【特許文献1】
特表平7−506833号公報
【特許文献2】
特開平1−193278号公報
【特許文献3】
特開平9−157147号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、発汗抑制作用を有し、塗布感触に優れ、しかも塗布後の皮膚に白残りがない(肌の白化が目立たない)外用剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来発汗抑制剤として用いられているジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩とともに、特定のリン酸エステル又はその塩を配合した組成物が、発汗抑制作用を有し、塗布感触に優れ、しかも塗布後の皮膚に白残りがない特徴を有することを見出した。
【0008】
本発明は、(A)次の一般式(1)及び/又は(2)
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、R1及びR2は炭素数8〜36の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す)
で表わされるリン酸エステル又はその塩、並びに
(B)ジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩
を含有する外用剤組成物を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる成分(A)のリン酸エステルは、前記一般式(1)で表わされるリン酸モノエステル及び/又は(2)で表わされるリン酸ジエステルである。式中、R1及びR2で示される炭化水素基は、炭素数8〜36のものであれば、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖のいずれでも良いが、特にゲル状組成物とするためのゲル化能の点で、飽和炭化水素基、さらには分岐鎖の炭化水素基が好ましい。また、R1及びR2は同一でも異なっていても良い。
【0012】
これら炭化水素基としては、具体的には、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、デセニル、ドデセニル、ウンデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ドデカジエニル、ウンデカジエニル、トリデカジエニル、テトラデカジエニル、ペンタデカジエニル、ヘキサデカジエニル、ヘプタデカジエニル、オクタデカジエニル、ノナデカジエニル、エイコサジエニル、ヘンエイコサジエニル、ドコサジエニル、トリコサジエニル、テトラコサジエニル、ペンタコサジエニル、ヘキサコサジエニル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルウンデシル、2−デシルテトラデシル、エイコサデシル、2−エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、3,7−ジメチルオクチル、3,7−ジメチルオクタン−3−イル、2−ヘキシルデシル、2−ヘプチルウンデシル、2−オクチルドデシル、3,7,11−トリメチルドデシル、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、2,3,4−トリメチルペンタン−3−イル、2,3,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−3−イル、イソステアリル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、2−ヘキサデシルエイコサデシル等の基が挙げられる。
これらのうち、炭素数12〜24の飽和分岐鎖炭化水素基が特に好ましい。
【0013】
これらのリン酸エステルは酸の形で用いてもよいが、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩;リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩等の塩として用いることもできる。製造経済的には、酸型の方が安価に製造でき、好ましい。
【0014】
また、成分(A)のリン酸エステルは、リン酸モノエステル(1)及びリン酸ジエステル(2)を組合わせて用いることが好ましく、その比率(重量比)は、(1):(2)=90:10〜0.1:99.9、特に60:40〜1:99であるのが、良好なゲル形成能の点で好ましい。
【0015】
成分(A)のリン酸エステルは、対応する脂肪族アルコールと、五酸化二リン又はオキシ塩化リン等のリン酸化剤とを、前記(1)及び(2)が所望の比率で得られるような条件で反応させ、適宜中和することにより得ることができる。なお、反応生成物中には、原料及び反応条件によって異なるが、少量のトリエステルや未反応アルコール等が含まれる。しかしながら、かかるトリエステル等は、本願発明で意図する性能に与える影響は少ない。
【0016】
成分(A)のリン酸エステル又はその塩は、1種又は2種以上を用いることができ、全組成中に3〜10重量%、特に4〜8重量%含有させるのが、優れた使用感の点で好ましい。
【0017】
成分(B)のジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩は、従来発汗抑制剤として用いられている塩であり、ジルコニウム塩としては、例えば塩化ジルコニウム、塩化ヒドロキシジルコニウム、式(3)
ZrO(OH)2−myXy (3)
(式中、Xはハロゲン原子、硝酸イオン、硫酸イオン又はスルファミン酸イオンを示し、yは0.9〜2の数を示し、mはXの原子価を示し、2−myは0以上の数である)
で表わされるジルコニウム化合物等が挙げられる。
【0018】
また、アルミニウム・ジルコニウム複合塩としては、例えば塩化アルミニウム・ジルコニウム、塩化アルミニウム・ジルコニウム・ハイドレート、塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体、塩化アルミニウム・ジルコニウム・プロピレングリコール複合体等が挙げられる。
【0019】
成分(B)は、市販品を用いることもでき、塩化アルミニウム・ジルコニウム・プロピレングリコール複合体としては、例えばREZAL 36 GPG Powder、REACH AZP−908 PG Powder(以上、Reheis社製)、Westchlor ZR41 PG ASP Powder(Westwood Chemical社製)等が挙げられ;塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体としては、例えばREACH AZP−908、REACH AZP−908SUF、REACH AZP−902(以上、Reheis社製)等が挙げられる。
【0020】
成分(B)は、1種以上を用いることができ、全組成中に10〜30重量%、特に15〜25重量%含有させるのが、高い制汗効果と優れた使用感の点で好ましい。更に多量に配合しても、使用感が悪くなる傾向がある。
【0021】
本発明の外用剤組成物は、前記成分(A)及び(B)を、適当な媒体中で、後述の他の配合成分とともに混合して調製することができる。上記媒体としては、以下に述べる水性媒体又は、非水性媒体と水性媒体の混合媒体を用いることができる。この際、当該調製組成物中でリン酸エステルのジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩が生成しているものと思われる。このようなリン酸エステルのジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩を予め製造して、目的とする外用剤組成物に配合することもできるが、上記成分(A)及び(B)を直接に配合して外用組成物を調製する方が、簡便性の点で有利である。
ここに、上記リン酸エステルのアルミニウム・ジルコニウム複合塩は新規の化合物である。
【0022】
このような化合物は、成分(A)及び(B)を適当な媒体中で反応させることにより得ることができる。この場合には、リン酸エステル(1)若しくは(2)又はその塩と、これに対して0.01〜1.1当量のジルコニウム塩又はアルミニウム・ジルコニウム複合塩を、水性媒体中又は、非水性媒体と水性媒体の混合媒体中で混合して、反応させる。反応温度は10〜90℃、好ましくは20〜80℃、反応時間は0.5〜8時間である。反応終了後、沈澱が生じた場合は濾過することによって、また媒体を減圧下留去することによって、当該化合物が得られる。必要に応じて洗浄操作を行ってもよい。
【0023】
ここで用いる水性媒体としては、水、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール等が挙げられ、単独又は混合して用いてもよい。
非水性媒体としては、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、イソパラフィン、トルエン、テルペン類、環状シリコーンオイル、鎖状シリコーンオイル等が挙げられる。
非水性媒体と水性媒体の混合媒体を用いる場合には、それぞれ単独で混合してもよく、またそれぞれにおいて数種の媒体を、混合して用いてもよい。
【0024】
本発明の外用剤組成物は液体油を含有することができる。かかる液体油は25℃において液状のものであり、揮発性、不揮発性いずれでもよい。例えばデカン、ドデカン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、スクワレン等の炭化水素類;ユーカリ油、ハッカ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、卵黄油、オリーブ油、ラノリン、ホホバ油;グリセリンモノオレイン酸エステル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、フタル酸ジエチル、乳酸ミリスチル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、オレイン酸−2−オクチルドデシル、トリイソステアリン酸グリセロール等のエステル油;イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;シリコーンオイルなどが挙げられる。
【0025】
上記シリコーンオイルとしては、通常外用剤組成物に配合されるもので、例えばジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のほか、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0026】
これらの液体油は1種以上を用いることができ、全組成中に20〜80重量%、特に30〜70重量%含有されるのが好ましい。
本発明においては、これらの液体油を用いることにより、チキソトロピックなソフトゲルを容易に得ることができ、ゲル状化粧料等として好適である。
【0027】
本発明の外用剤組成物には、更に、固体脂、水、各種界面活性剤、湿潤剤、防腐剤、酸化防止剤、薬効成分、香料、粉体等を含有させることができる。
本発明の外用剤組成物は、例えば、成分(A)を含有する油相と成分(B)の水溶液とを、例えば40℃〜80℃で加熱攪拌して混合することにより製造することができる。
【0028】
本発明の外用剤組成物は、医薬品、化粧品等のいずれにも適用することができ、特に発汗抑制製品、発汗抑制性化粧料として有用である。
【0029】
【実施例】
製造例1
ジヘキサデシルリン酸(モノエステル:ジエステル=2:98(モル比))25.2g、及びエタノール62.8gを混合し、溶解させた。これに3重量%水酸化ナトリウム水溶液63.9gを添加し、60℃で攪拌下、30重量%塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)水溶液26.2gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に65℃で4時間熟成させた。反応終了後、生じた固体を濾過し、得られた固体をイオン交換水(125g×1回)、次いでエタノール(125g×3回)で洗浄した。室温で減圧下に乾燥させることにより、ジヘキサデシルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として26.6g得た。
【0030】
製造例2
ジドデシルリン酸(モノエステル:ジエステル=5:95(モル比))13.1g、及びエタノール32.9gを混合し、溶解させた。これに3重量%水酸化ナトリウム水溶液40.5gを添加し、60℃で攪拌下、30重量%塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)水溶液17.0gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に65℃で4時間熟成させた。反応終了後、生じた固体を濾過し、得られた固体をイオン交換水(66g×1回)、次いでエタノール(66g×3回)で洗浄した。室温で減圧下に乾燥させることにより、ジドデシルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として13.9g得た。
【0031】
製造例3
ジイソステアリルリン酸(モノエステル:ジエステル=5:95(モル比))30.4g、及びエタノール76.5gを混合し、溶解させた。これに3重量%水酸化ナトリウム水溶液49.4gを添加し、60℃で攪拌下、30重量%塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)水溶液21.3gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に62℃で4時間熟成させた。反応終了後、ヘキサン200mL及びエタノール200mLを添加して分層させた。ヘキサン層を分取し、イオン交換水(100mL×2回)で洗浄した。ヘキサン層を分取し、アセトン1000mLを添加した。生じた固体を分取し、更にアセトン1000mLで2回洗浄した。得られた固体を室温で減圧下に乾燥させることにより、ジイソステアリルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として19.0g得た。
【0032】
製造例4
塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)12.5g、イオン交換水20mL及びエタノール50mLを混合した。この溶液に、ジイソステアリルリン酸(モノエステル:ジエステル=5:95(モル比))2.5g及びエタノール50mLを加え、混合後、60℃で2時間熟成させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、ジイソステアリルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として14.2g得た。
【0033】
製造例5
塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)12.5g、イオン交換水20mL及びエタノール50mLを混合した。この溶液に、イソステアリルリン酸(モノエステル:ジエステル=52:48(モル比))2.5g及びエタノール50mLを加え、混合後、60℃で2時間熟成させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、イソステアリルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として14.2g得た。
【0034】
製造例6
(1)イソステアリルアルコール1028.8g、及び2−デシルテトラデシルアルコール257.2gを混合し、更に五酸化二リン214gを加えた。その後、昇温し、80℃で15時間熟成させた。熟成後、イオン交換水150gを添加し、85℃で4時間攪拌した。反応終了後、イオン交換水を減圧留去し、イソステアリル−2−デシルテトラデシルリン酸1470gを得た(モノエステル:ジエステル=52:48(モル比))。ここに、反応物中のトリエステルは検出限界以下であった。前記製造例1〜5で用いる各リン酸エステルについても同様である。
(2)塩化アルミニウム・ジルコニウム・グリシン複合体(REACH AZP−908SUF、Reheis社製)12.5g、イオン交換水20mL及びエタノール50mLを混合した。この溶液に、(1)で得たイソステアリル−2−デシルテトラデシルリン酸2.5g及びエタノール50mLを加え、混合後、60℃で2時間熟成させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、イソステアリル−2−デシルテトラデシルリン酸アルミニウム・ジルコニウム塩を白色粉体として14.5g得た。
【0035】
実施例1
表1に示す組成のゲル状外用剤組成物を製造し、これを使用したときの発汗抑制効果、肌感触及び白残りを評価した。結果を表1に併せて示す。なお、表中、DAP、MAPは、それぞれジアルキルリン酸エステル、モノアルキルリン酸エステルを表わす。
【0036】
(製法)
それぞれ60℃に加熱した成分(A)及び液体油を含有する油相と、成分(B)を表中のイオン交換水に溶解した水溶液とを混合し、10分間加熱攪拌することにより、ゲル状外用剤組成物を得た。
【0037】
(評価方法)
専門パネラー10名により、38℃、40%RHの条件下で、各組成物を適量皮膚に塗布したとき、30分後の発汗抑制効果、皮膚への塗布時及び塗布後の肌感触及び白残りを官能評価した。以下の基準でスコアを求め、その平均スコアにより、判定した。
(1)発汗抑制効果;
べたつかない ・・・スコア4
あまりべたつかない・・・スコア3
ややべたつく ・・・スコア2
べたつく ・・・スコア1
【0038】
(2)肌感触;
非常に良い ・・・スコア4
良い ・・・スコア3
あまり良くない・・・スコア2
悪い ・・・スコア1
【0039】
(3)白残り;
非常に少ない・・・スコア4
少ない ・・・スコア3
やや多い ・・・スコア2
多い ・・・スコア1
【0040】
判定基準;
◎:平均スコア3.5〜4.0
○:平均スコア2.5〜3.4
△:平均スコア1.5〜2.4
×:平均スコア1.0〜1.4
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明の外用剤組成物は、発汗抑制作用を有し、皮膚への塗布時及び塗布後の感触に優れ、しかも白残りがない。
Claims (7)
- 一般式(1)及び(2)において、R1及びR2が飽和炭化水素基である請求項1記載の外用剤組成物。
- 一般式(1)及び(2)において、R1及びR2が分岐鎖の炭化水素基である請求項1又は2記載の外用剤組成物。
- 更に、液体油を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の外用剤組成物。
- 発汗抑制性化粧料である請求項1〜4のいずれか1項記載の外用剤組成物。
- 成分(A)を3〜10重量%、成分(B)を10〜30重量%含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の外用剤組成物。
- ゲル状化粧料である請求項4記載の外用剤組成物。
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