JP2004067483A - 硫酸ニッケル溶液の製造方法 - Google Patents

硫酸ニッケル溶液の製造方法 Download PDF

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福井 篤
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Abstract

【課題】金属ニッケルを硫酸で溶解する硫酸ニッケル溶液の製造方法において、フリー硫酸のない硫酸ニッケル溶液を製造する。
【解決手段】ニッケル粉やニッケル粉を焼結したブリケットを硫酸で溶解して硫酸ニッケル溶液を得る方法において、所望するニッケル濃度に応じて必要とする硫酸量を反応初期に一括添加し、一方、金属ニッケルは必要とされるニッケル量の1.2倍以上、好ましくは2倍以上の金属ニッケルを過剰に添加して溶解させ、フリー酸のない硫酸ニッケル溶液を得る。このときの溶解温度は、60〜90℃、溶解時間を1〜24時間として溶解することが好ましい。また、過剰に添加する金属ニッケル量としては、目標濃度の10倍程度を上限とすれば良い。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属ニッケルを硫酸で溶解して硫酸ニッケル溶液を製造する方法に関し、特にフリー硫酸が少なく、従来よりもpHの高い硫酸ニッケル溶液を直接製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
硫酸ニッケル溶液は、ニッケルめっき用やニッケル水素電池用水酸化ニッケルの原料等の用途に使用されている。これらは、通常ニッケル鉱石やその中間精製物であるニッケル硫化物や、各種産業で発生する含ニッケル化合物を硫酸で浸出した後、沈殿分離や溶媒抽出等で不純物を除去して硫酸ニッケル溶液とされている。
【0003】
また、金属ニッケルを硫酸で溶解して硫酸ニッケル溶液とする方法も用いられている。たとえば、シェリット法として知られているニッケル製錬での中間精製物であるニッケルマットをアンモニアで浸出し、水素還元してニッケル粉を製造する方法で得られるニッケル粉を硫酸で溶解できれば、このニッケル粉は純度が高く、高純度の硫酸ニッケル溶液が直接得られ好都合である。
【0004】
しかしながら、金属ニッケルは、そのままでは硫酸には溶解され難く、過酸化水素や塩素等の酸化剤無しでは、硫酸が過剰量必要であり、しかも溶解反応に長時間を必要としていた。
【0005】
そのため、得られる硫酸ニッケル溶液には多量のフリーの硫酸が残存し、たとえば水酸化ニッケルを製造する際には、水酸化ニッケルとするのに必要な中和剤量に加えてフリーの硫酸を中和する中和剤が必要となり、中和剤コストが増加するという問題があった。さらに、強力な酸化剤を使用することにより、不純物としての重金属も硫酸中に溶解するという問題もあった。
【0006】
このため、水酸化ニッケルを製造する原料としての硫酸ニッケル溶液においては、たとえば、ニッケル濃度が、100g/リットル程度の場合、できるだけpHが高く、好ましくはpH4以上で不純物の少ない硫酸ニッケル溶液が求められている。
【0007】
また、めっき用として使用する場合においても、水酸化ナトリウムや、アンモニア、水酸化カルシウム等の各種の中和剤を用いてフリーの硫酸を中和する必要があり、そのため使用時にコストが増加するため、従来よりもpHの高い硫酸ニッケル溶液が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、金属ニッケルを硫酸で溶解して、硫酸ニッケルを製造するに際し、フリー硫酸の少ない硫酸ニッケル溶液を得る方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものとして本発明の方法は、ニッケル粉やニッケル粉を焼結したブリケットを硫酸で溶解し、溶解液を得る際、所望するニッケル濃度に応じて必要とする硫酸量を反応初期に一括添加し、一方、金属ニッケルは必要とされるニッケル量の1.2倍以上、好ましくは2倍以上の金属ニッケルを添加して浸出させ、フリー酸の少ない硫酸ニッケル溶液を得る方法である。このときの溶解温度は、60〜90℃、溶解時間を1〜24時間として溶解することが好ましい。過剰に添加する金属ニッケル量としては、目標濃度の10倍程度を上限とすれば良い。これ以上大過剰に添加しても経済的ではない。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、溶解に必要な硫酸を溶解反応初期に一括添加することで、金属ニッケルの溶解開始時に酸濃度の高い状態とし、ニッケルの溶解速度を増加させることに基づく。そのメカニズムは確認できていないが、高濃度の酸で金属ニッケルの表面の不働態化層が除去され、活性度の高まったニッケルが多量に存在することで、金属ニッケルの溶解性が増し、フリー酸のない硫酸ニッケル溶液が得られるものと考えられる。
【0011】
本発明の金属ニッケルの溶解方法を以下に示す。
【0012】
(1)ニッケル粉の硫酸溶解
ニッケル品位99.9%以上のニッケル粉を硫酸で溶解し、1リットルの溶解液を得る場合において、所望するニッケル濃度が1モル/リットルの場合、金属ニッケルを硫酸ニッケル溶液とするために必要な硫酸量は、下記(式1)に示すように、
Ni+HSO→NiSO+H2  (式1)
であり、ニッケル1モルに対し硫酸が1モル必要でその重量は、98gとなる。
【0013】
一方、ニッケル粉は本来の必要量である58.7gの1.2倍〜2倍以上、つまり70.4g以上、好ましくは117g以上加え、1リットルの水の中でスラリー化し、先に示した必要硫酸量を一括添加し、溶解温度を60〜90℃、溶解時間を1〜6時間で溶解する。好ましくは溶解温度80℃、溶解時間2時間で溶解すれば良い。
【0014】
好ましくは、ニッケル粉を必要量の2倍以上投入することにより、目標ニッケル濃度に近く、かつpHが4以上と高い硫酸ニッケル溶液が得られる。
【0015】
この溶解方法により、フリー酸の少ない硫酸ニッケル溶液が製造できる。なお、使用するニッケル粉の粒度は、30〜500μm程度の通常入手可能なニッケル粉が使用できる。
【0016】
(2)ニッケルブリケットの硫酸溶解
ニッケル品位99.9%以上のニッケルブリケットを硫酸で溶解し、1リットルの溶解液を得る場合において、所望するニッケル濃度が1モル/リットルの場合、ニッケル粉の場合と同様、必要な硫酸量は98gとなる。この硫酸量に対し、本来必要なニッケル量である58.7gの2倍以上のニッケルブリケットを添加し、溶解温度を60〜90℃、溶解時間を8〜24時間で溶解する。好ましくはニッケルブリケットを8倍以上、80℃以上、12時間〜22時間で溶解することにより、目標ニッケル濃度に近く、かつpHが4以上と高い硫酸ニッケル溶液が得られる。
【0017】
なお、上記いずれの方法においても、金属ニッケルの未溶解残渣は、次回の硫酸ニッケル溶液製造時の金属ニッケルに使用することが可能であり、次回には、この未溶解残渣を含めた量で金属ニッケルが、上記した好ましい量となるよう過剰に添加して溶解させれば良い。
【0018】
また、より好ましい量とした、ニッケル粉の場合2倍以上、ニッケルブリケットの場合8倍以上を過剰に添加し溶解すれば、pH4以上のフリー硫酸の少ない硫酸ニッケル溶液を製造することができる。
【0019】
【実施例】
(従来例1,2)
ニッケル粉100gを使用し、目標Ni濃度100g/リットルの溶解液1リットルを得るために純水700gにニッケル粉を加え、硫酸を少量ずつ添加して、溶解pHを0.5、及び1.0に制御し、溶解時間6時間、溶解温度80℃で溶解し、最終液量を1リットルとした。
【0020】
(従来例3〜5)
同様にニッケル粉100gを使用し、目標Ni濃度100g/リットルの溶解液1リットルを得るために純水700gに硫酸167gを加え、さらにニッケル粉を加え全量を1リットルとし、溶解時間6時間、溶解温度を60、80、90℃で溶解した。
【0021】
従来例1〜5の各溶解温度と溶解率及び溶解液pHを表1に示した。pHを制御した場合のニッケル粉の溶解率は、pH0.5では91%、pH1では65%と低かった。また、溶解温度を変化させ、硫酸を一括添加した場合のニッケル粉の溶解率は、60℃では73%であるが、80℃以上は変わらず87%程度であり、溶解性が悪いため、ニッケル濃度が低く、溶解液のpHも1程度と低いフリー酸が残留する硫酸ニッケル溶液しか得られなかった。
【0022】
【0023】
【表1】
Figure 2004067483
【0024】
(比較例1、実施例1〜3)
目標Ni濃度100g/リットルの溶解液1リットルを得るために必要な硫酸量167gを純水600〜700gに一括添加し、ニッケル粉添加量を100g(比較例1)、125g(実施例1)、150g(実施例2)、200g(実施例3)とし、全量を1リットルとして溶解時間2時間、溶解温度80℃で溶解した。
【0025】
表2にニッケル粉添加量と溶解液のpHを示した。ニッケル粉添加量が125g以上で溶解することにより、フリー酸の少ない溶解液が得られ、200g以上ではpH4以上で、目標である100g/リットルのニッケル濃度に近い硫酸ニッケル溶液が得られることがわかる。
【0026】
【0027】
【表2】
Figure 2004067483
【0028】
(比較例2、実施例4〜6)
ニッケルブリケットを使用し、目標Ni濃度100g/リットルの溶液を得るために純水700gにニッケルブリケット100gを加え、硫酸を少量ずつ添加して溶解pH1に制御し、溶解温度80℃、過酸化水素を50ml添加して12時間溶解した。(比較例2)
同様にNi濃度100g/リットルの溶解液1リットルを得るために純水700gに必要な硫酸量167gを一括添加し、ブリケット添加量を200g(実施例4)、400g(実施例5)、800g(実施例6)とし12時間溶解した。
【0029】
表3にブリケット添加量と溶解液のpH、表4に比較例2、実施例6の溶解液組成を示した。ブリケット添加量800gで溶解することにより、pH4以上のフリー酸の少ない溶解液が得られる。また、酸化剤を使用しないため、溶解液の酸化還元電位が低く、表4に示すように銅などの貴な金属は溶解せず、不純物の極めて少ない硫酸ニッケル溶液が得られる。
【0030】
【表3】
Figure 2004067483
【0031】
【表4】
Figure 2004067483
【0032】
【発明の効果】
本発明による金属ニッケルの溶解方法により、フリー硫酸が少なくpHが高く、かつ、不純物の少ない硫酸ニッケル溶液が得られる。

Claims (3)

  1. 所望する硫酸ニッケル溶液のニッケル濃度において、ニッケルが硫酸ニッケルとなるのに相当する硫酸の全量を反応初期に一括添加し、かつ所望するニッケル濃度に必要なニッケル量の1.2倍以上の金属ニッケルを添加して、溶解させることを特徴とする硫酸ニッケル溶液の製造方法。
  2. 溶解温度を60〜90℃、溶解時間を1〜24時間として溶解することを特徴とする請求項1記載の硫酸ニッケル溶液の製造方法。
  3. 金属ニッケルとしてニッケル粉、あるいは、ニッケル粉を焼結したブリケットのいずれかを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の硫酸ニッケル溶液の製造方法。
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